少女・女性が化物に捕食されちゃうスレ6at EROPARO
少女・女性が化物に捕食されちゃうスレ6 - 暇つぶし2ch334:195
12/08/10 05:51:48.13 A8w6EoCQ
那美と美穂は会場へ運ばれていく
二人ともまるで、舞台に上がるヒロインのような晴れがましい気持ちになっていた。
不思議な気持だった。
二人とも、調理されてしまって、動くこともできずに見る影もない裸身をさらけ出しているのに
まるで豪華なドレスを着ているかのような気持になっていたのだった。

会場は、即売会の時以上の熱気に包まれていた
皆が美しく調理された今年一番の美少女の肉にくぎ付けになっていた。
無遠慮に撫でまわされる視線を受ける那美と美穂。
ふたりは自分たちに刺さる視線に、自分がただの食材でしかないことを思い知らされる。
わらわらと異星人が二人に近づいていく。

給仕がかいがいしく二人を切り分けては異星人たちにふるまう。
給仕の中には慣れない手つきの者が数人混じっていた。
「これが、私が担任した美穂の太腿です」
そういいながら切り分けた肉を手渡していく。
彼女たちは去年にここに赴任したばかりの教師だった。
自分の担任した生徒の料理の給仕をすることを直前まで知らされないのも含めてこの学校の隠れた年中行事だったのだ
「いずみ先生頑張ってるわね」
「そうね。あの子美穂さん可愛がってたもんね。自分がこんなことするなんて思わずに」
「これからもっと驚くことになるわね」
「私もアレがあった時は驚いたわよ。あ、あっちでは陽菜先生が」
物陰でほかの先生たちが囁きあう。


335:195
12/08/10 05:53:53.37 A8w6EoCQ
それを知らぬまま、美穂と那美は異星人の口の中へ消えていく。
二人の周りはたちまち自分の肉への評価で埋め尽くされた。
「いや、さすが最高額落札者。肉が最高だよ」
「特に、この太腿、ローストされていて、噛むと美味しい肉汁があふれだす」
「那美ちゃんがこの口の中にあるなんて感激したよ」
「いや、もう一人の娘はそれ以上に美味だよ。味にこだわるならあっちだよ。ほら、あの腸詰とか最高だよ」
「ここの、腹部のミンチとか、実に美味だ。あの肉汁だけでもたっぷり飲んでみたいくらいだ」
そういった評価を聞かされながら、那美や美穂は自分の体が食べられていくのを見ていた。
全身が調理された二人に動くことはできず、ただただ食べられていく自分を見ていることしかできなかった。
しかし、美穂はその評価を聞いて安らかな気持になっていた
「佳恵…聞いてる?あなたとあたしの肉がこうして食べられているんだよ」
誰聞くとなくつぶやいたその声が美穂の最後の声だった。

336:195
12/08/10 05:57:53.35 A8w6EoCQ
美穂と那美が動きを止め、他の生徒たちと同じ姿になろうとしている頃、会場の片隅で驚きの声が響いた
「え?私がですか?」
「君、柔らかくておいしそうなんだよ。生徒たちもいいけど、君を食べたいな」
「でも、私はここの教師ですよ」
「ああ、大丈夫、給仕している娘は誰でも食べていいということになってるんだ。ほら、あっちの台へ上がろう」
そこは、さっき生徒たちが解体された台だった
「いずみ先生でよろしいですか?」
それを聞いて数人の係員が近寄ってきた
取り囲まれたいずみ先生に手渡されたのは生徒に渡されたのと同じ錠剤だった
「い、いやぁ!誰か、止めてください!!」
必死で抵抗するも取り囲まれた異星人に押し包まれるように台に上げられていった。

それを見た教師たちに緊張が走る。
自分が食べられる存在であることに気付いたのだ
逃げ出そうとするものもいたが、すぐに取り押さえられて台に上げられる
「あたしもですか?…う~ん。仕方ないですね。いいですよ、私は自分で上がります。」
陽菜先生は取り囲まれた異星人から錠剤を受け取り自ら服を脱いでいった。
「さあ、どうぞ。召し上がってください。私もみんなが綺麗な姿で食べられているのを見て、私も食べてほしくなったんです。変ですか?」
そういって横たわる陽菜先生の股間はほのかに潤んでいた。
新人教師たちが解体される様子を、ほかの教師たちは笑顔で見ていた
「わたしも新人の頃はああやって暴れていたものよね」
「でも、陽菜先生なんかすごいですよ。自分で台に上がっていってましたよ。ちゃんと自分を解体する異星人をしっかり見ていますし」

こうして宴は終盤へと向かっていった。

337:195
12/08/10 06:20:32.00 A8w6EoCQ
解体されていく先生たち
多くが泣き叫びながら体を肉に変えられて目の前で食べられていく
「いやぁ…お願い…食べないで…」
涙を流しながら哀願するいずみだったが、すでに足は骨だけとなり、その骨を外されようとしていた
「ごあああああっ!!」
絶叫が響く

その中で陽菜だけは抵抗することなく自分の体が食べられているのを見ていた
自分でも不思議な心境だった。
奉仕活動の最中に、全裸にされて解体されていく教え子たちをみて、可哀そうだなと思う反面、どこかで「自分もこうなりたい」という気持ちがあった。
自分も食べてほしい。体を目の前で綺麗な料理にされてほしいという気持ちが芽生えていた。

でも、まさか自分がすぐにこうなるとは思わなかった。

なんで、こんな気持ちになったのかわからない。
でも、こうして本当に食べられるようになったのなら、自分の気持ちに素直になろう
そう思った陽菜は異星人に周囲の先生と違う哀願をしていた
「あたしのお肉、美味しく食べてください。あたしの目の前で、綺麗な料理にしてください」

やがて、そんな先生たちの声も消えていく。
彼女たちも生徒たちと同じ所へ行った。


338:195
12/08/10 06:21:18.27 A8w6EoCQ
すべてのイベントが終わり、タグをつけられた娘はそれぞれに引き取られていった。

優香はコンテナで運ばれたまま異星人の星まで運ばれる。
彼女は、異星人専用のレストランで数日後、特別料理としてふるまわれる運命にあった。



卒業式

誰もが喜びの中、その日を迎える。
唯も那美も佳恵も美穂も、由梨も絵梨も優香も杏子もそうだった。

だれもが、解体販売の時の記憶を持ってはいない。
自分の体に起こった悲劇を知らないまま、彼女たちは巣立っていったのだ。

その様子は、中継されて各地で放送された。
「ほら…君がいるよ。あそこで嬉しそうな笑顔で」
そう言われた少女は、無心の笑みを浮かべる自分の姿を恨めしそうに見ていた。
彼女の名は優香。
異星人に買い取られた後、しばらく檻とも牧場ともつかないところで「飼育」された後、自分の体の卒業式の日に「料理」となることになったのだった。
彼女は内臓をきれいにするために数日前から食事を抜かれ、前夜に、用意された男性に「処女」を奪われた。
肉になる前日に処女を失った娘が美味しいという彼女を買った異星人の信念だった。

そうして、自分の女性としての尊厳を踏みにじられたまま空腹で最後の時を過ごす自分にとって、目の前で無心の笑みを浮かべる「自分」が恨めしかった。
異星人は包丁を手に取り、優香の喉へ突きつけた。
優香は目を閉じた。
その脳裏に浮かぶのは杏子の姿だった。
「遅くなったけど…もうすぐみんなのところへいくよ」
それが優香の残した最後の声だった。


339:名無しさん@ピンキー
12/08/10 18:22:25.85 zQFiQATw
長編連載お疲れ様です
最後まで素晴らしい読み応えでした


340:名無しさん@ピンキー
12/08/11 16:49:07.24 QXnjXYPk
最後が可哀想な感じで終わったのが良かった
迫力の一作だったね

341:名無しさん@ピンキー
12/08/11 17:07:05.33 CAsgEV7i
作者様、本当にお疲れ様でした。続きが来ているか毎日チェックするくらい楽しみにしていました。
SSを書いたことがないのですが自分も挑戦してみたくなりました。
少し感想(もちろんネガティブなものではなくて)を書きたいのですが、こういうのはあまり書かないほうがよいのでしょうか?

342:名無しさん@ピンキー
12/08/11 19:40:24.80 QXnjXYPk
いいと思うよ

343:名無しさん@ピンキー
12/08/11 20:33:10.38 CAsgEV7i
少しと言ったけど長くなってしまった。

モノになるための処理を次々と施されていき最終的に当たり前のようにモノにされていく。ここがまず好き。好きな男性に裸を見せたことのない若い女性がたくさんの見知らぬ男たちの前で裸を見られ、しかも品定めされる状況がいい。
境遇に疑問を持つ者もいるが、決して社会の仕組みには疑問を抱かないことに社会の狂ってる感をより感じる。一人ではなく大勢が一斉にモノ化される設定で完全にシステム化されていると受け取ることができる。
外見などでのクラス分け・処理方法分けで完全に食材扱いなのだなと分かる。

個人的にはイベントが終わったあと優香が肉にされるまでどのような目に遭ったのかも興味深いです。
他のごく普通の学校の生徒はどんな扱いをされるのか、また時がたってより食糧のための「牧場化」された世界ではどんな処理をされるだろうかなど想像が尽きません。

344:名無しさん@ピンキー
12/08/12 02:46:13.90 WqEbzVYe
えっ、もう終了なのですか?
まだ続きがありそうな雰囲気なのですが。

もしこれで終了なのでしたら、是非とも番外編もお願い致します。

345:名無しさん@ピンキー
12/08/20 22:27:14.74 bCtCckiC
おっぱい食べちゃう系のネタ(食いちぎり)書きたいんだけど
上手くいいネタが思いつかないんだ
何か今までにないアイディアない?

346:空気読まない隊(転載禁止) ◆JQy99wHT0I
12/08/21 21:59:36.40 emcdk4x9
俺がキタッ
つまり盛り上がるッ
規制されてVIPいけないしッ
俺が盛り上げてやるよ

ひとまず牧場のシチュエーションで書くわ

347:名無しさん@ピンキー
12/08/21 23:55:14.67 CFWWWcgF
期待してます頑張って

348:名無しさん@ピンキー
12/08/28 00:20:47.65 c4+K9+5d
食品化なんてジャンルがあるんだな
URLリンク(meatmeeteat.blog98.fc2.com)

349:名無しさん@ピンキー
12/08/28 00:26:29.65 wnlKb84F
>>348
魔人ブゥ「ガタッ」

350:名無しさん@ピンキー
12/08/28 00:48:49.20 c4+K9+5d
>>345
部活がんばったら、おっぱい食べさせる約束をしてしまう女教師の話
なんてどうだ

351:名無しさん@ピンキー
12/08/28 01:19:37.98 B0763vp0
>>部活がんばったら、おっぱい食べさせる約束をしてしまう女教師の話
すごいアイディアだな!でも元ネタを見たこと無いんだ…

352: 忍法帖【Lv=13,xxxPT】 空気読まない隊 ◆JQy99wHT0I
12/08/28 01:37:19.97 oGRa1xFh
はい書けたところまで投下します
丸呑み主体で色々なフェチ交えてるからそこ注意ね



 ――。

 世も末である。
 かつての支配者は崩れ行き、かつての被支配者は立ち上がる。
 下克上である。

 人間とその常識がパラパラと崩れた先にあったのは。
 ジューシーで、ワンダフルな世界であった。


【閲覧注意】 【丸呑み】

353: 忍法帖【Lv=13,xxxPT】 空気読まない隊 ◆JQy99wHT0I
12/08/28 01:38:15.77 oGRa1xFh
「あぁあっ……」

 狭いこじんまりとした部屋。
 灰色の壁に覆われた人に絶望を与えるための地下牢。
 かつての人間が使い放置して、そしてそこに今はその人間が閉じ込められている、現代世界の象徴。

 そこに数人の発育の良い美しき少女達が半ば絶望して座り込んでいた。
 湿り気を帯びた地下牢の床の冷たさが少女達へと伝わる。
 そこにはフカフカとは言いがたいもののベッドもあるのだが、そこには誰も佇んでいない。否、佇む余裕すら与えない。

「ねえ……きっとあのベッドにもこれまで何人もの女の子が寝てきたんだよね……。
 そして…………、何人もの女の子が供物にされてきたんだよね……」

 誰かが不意にそういうことを言う。
 周りの少女達はその言葉に聞く耳ももたず、ただただポカーンとしている。
 そんなことを受け入れたくないのか、もしくはそんなこととうの昔にわかっているのか。

 ここは、人間牧場である。
 牧場といっても輝く太陽とのびのびと生きる牧羊などを想像してはいけない。
 日の当たらない室内で、少女達が完全に「飼育」されている、文字通りの人間牧場である。

 管理しているのは、勿論人間ではない。
 21XX年、人類は突然変異した鰐によって完全に管理下におかれることになった。

354: 忍法帖【Lv=13,xxxPT】 空気読まない隊 ◆JQy99wHT0I
12/08/28 01:38:46.66 oGRa1xFh
 「鰐」。そうだ、ワニである。
 突然変異した特異な知能を持つワニは数百年単位で徒党を組み、人間への反逆を考案していたのだという。
 数百年にも及ぶゆっくりとした進化は鰐を人語を解する、しかし人食いの化け物へと変貌させた。
 もはや鰐ではない、新種の動物へと。学者達はこの鰐を「鰐α」と呼んだ。

 人間は兵器やらなんやらで応戦したものの、しかし圧倒的なスピードで全国に展開していた「鰐α」には及ばなかった。
 「鰐α」は若い女性の肉を好んで食し、世界各国で少女、もしくは幼女までが鰐αに食べ放題されていた。

 次々と世界中の主要施設が襲われた。
 「鰐α」には半端な弾丸や兵器などは全く通用せず、それも人間側の絶望を加速させた。
 最終的にはどうやら人間がわの主要人物の全滅によって人間側の敗北に終わったそうだ。

 敗戦した人間側は「鰐α」の完全管理下におかれることとなる。
 世界中の美味しい美味しい厳選された幼女、少女達が各国に置かれた「人間牧場」に運ばれた。
 また、一部は美味しい人間という食料種の保存の為に養殖されるそうだ。

 それが、この今の世界の冷酷で残忍、残酷な現実だった。
 完全的に敗戦した人間側は既に半分の人口まで減らされ、また鰐α側の人間の美味しい調理方法も確立されつつあった。

 そして最新の調理方法と言うのが―

355: 忍法帖【Lv=13,xxxPT】 空気読まない隊 ◆JQy99wHT0I
12/08/28 01:39:22.35 oGRa1xFh
 丸呑みである。
 いやそれを調理方法というのかどうかはわからないが。

 生きた少女、幼女に調味料をかけ、そのまま咥え、噛まないように最大限注意して飲み込む。
 原点回帰にも程があるが、しかしこれが近年健康食法として一般的に普及している。
 そこらの少女レストランでも丸呑みが推進され、メニューの一部は丸呑みジャンルが埋め尽くしている。

 話がそれてしまったが。
 「鰐α」は柔らかい肉を求めて、今尚逃亡中の三割に上る少女幼女を狩猟している。
 いかに車などがあるといっても、「鰐α」はタイヤに踏まれても平気な強固な皮膚としつこい執着心がある。
 丁度そろそろ燃料が切れるころだろうし、最近はぞくぞく少女が生け捕りにされ、そしてそのまま人間牧場へとすすんでいる。

 この、新しく地下牢もとい「人間牧場」に入った少女達もその類である。
 つい昨夜のことだったか、ほぼ同時刻に別々の場所で生け捕りにされ、食用高級品と判別されてここに搬送された。
 そのためこの地下牢に入ったのはわりと最近の時刻の事であり、その時までは手と足に錠をつけられ食欲を抑えきれない鰐αに全裸に剥かれ、全身をなめ回されていた。

 一応この地下牢に到着した際に全身にシャワーを浴び、布切れ一枚を与えられたものの。
 しかし舐められた時点で「沢山の少女を食べた鰐の口が近くにある、」「何時食べられるかわからない」という恐怖を存分に埋め込まれた少女達は、もはや絶望に包まれ気が気でなかった。

 だが同時にまだまだこんな地獄は序の口だということも悟っていた。
 実際は舐め回されて全身に調味料を塗ったくられ、そして口の中にはいりそのまま体内を旅行して帰ってくるときには排泄物なのだから。

356: 忍法帖【Lv=13,xxxPT】 空気読まない隊 ◆JQy99wHT0I
12/08/28 01:40:34.12 oGRa1xFh
 幾時間後。
 地下牢の中の雰囲気は先ほどよりも幾分か落ち着いていた。
 死の恐怖に馴れた、というのだろうか、ともかく恐怖感が薄れて、結構しゃべっているような雰囲気だった。
 無論、会話の内容というのは自分達が何をされるのか、といった内容である。

「前のことだけど……ウチの友達が鰐αに捕まったんだ……。
 それで何とかケータイ隠し持ち込めたらしくて、両親に向かって実況中継してたんだ……。
 『食べられる前にシャワーで念入りに洗われる、自分で洗うんじゃなくてワニが洗う』だとか
 『仕入れられた少女は品質順に部屋に入れられてて、入り口に近い方が高品質』だとか
 『食べられる場所はレストラン、少女取扱店、それからスーパーとかでも』……
 といった機密情報が漏れてるのもこういった命を懸けたスパイのおかげなんだってさ……」

「一昔前までは丸呑みじゃなくって丸齧りだったらしいね……
 そう思うとこの時代の少女でよかったと心の底から思うよ……」

「いや、それは……
 丸齧りは一瞬で終わるけど丸のみは呑まれてから糞便として出るまでずっと……」

 口調は弱弱しく、ネガティヴさが滲み出ていた。
 しかしそれでも元気に逸話を話せるところが人間の逞しさだろか。

 少女達の話し合いは深夜遅くまで続いた。
 死期が迫ると人間はその死期を悟るらしい。
 そう、少女達が食用として出荷される日まで、あと2日を切っていたのだ。

357: 忍法帖【Lv=13,xxxPT】 空気読まない隊 ◆JQy99wHT0I
12/08/28 01:41:10.62 oGRa1xFh
 朝、少女達は起きる。そうして、気づく。
 自分のあられもなく見せられた僅かな膨らみに、謎のシールがついていることに。

「何これ……」

 何時の間についていたのだろうか。
 そう思いながら少女達はそれぞれそのシールを見ようとするが自分の胸についているもので中々見えない。
 少女達の平均年齢は11歳。いかに発育がよいといっても、やはりシールの中身を見ることは困難であった。
 ちなみに強固に張り付いていて取る事は難しく、また11歳の少女には不可能だと思われた。

「これ、私達の値札だよっ!」

 誰かがそのシールの内容に気づく。
 シールに書かれていたのは他でもないその少女の値段。
 少女達が深夜まで語り合い、爆睡した際に取り付けられたと思われるその値札には、単位こそわからない物のかなりの数の0が連なっていた。

 今回運ばれた少女達は、一級品の食材であった。
 11歳の柔らかい肉感にして発育の良い胸、全く生えていない毛。
 整った顔は鰐αの情感を刺激させ、よりよいディナーとなる。
 繰り返すようだが、今回選ばれた少女達は、一級品の食材であった。

 もはや、この牧場に入った瞬間から少女達は人間ではなかった。
 極上の、とても美味な、高級食材に他ならなかったのだ。
 誰も少女達を人間とは見做さなかった、間違いなく食材と見ていた。


358: 忍法帖【Lv=13,xxxPT】 空気読まない隊 ◆JQy99wHT0I
12/08/28 01:42:12.17 oGRa1xFh
 昼、少女達は苦しむ。そうして、思い出す。
 あのここに「運送」されて以来、一回も御飯を食べていない事に。

 排泄行為はしなければいけないゆえしていた。
 今でもこの部屋の端っこのトイレ用と思われる穴には少女達全員分の排泄物が詰まっていた。
 流れないところを見ると、少女達が食べられた、その次に運送される少女達が来るまではこのままなのだろう。
 しかしそう考えることは出来てもやはり悪臭は悪臭、近年の鰐αによる迫害とそれに伴う悪い食生活も合間って近寄りたくもない悪臭が広がっていた。

 給水のほうはと言うとおしっこを飲まざるを得なかった。
 あまりの恐怖感からして空腹には気づかなかったものの、やはり喉の渇きには気づくらしく、誰が始めたのか気がつくと全員が自分のおしっこを飲んでいた。
 地獄のような光景ではあるが、みんな最後の瞬間まで生き残るという根性が鰐αからの逃走劇でついたらしく、みな生きるために飲んでいた。
 ちなみにおしっこは空気に触れる直前までは無菌らしい。

 さて置き、ここに運送されて以来全く食べられるものを食べていない。
 水分はおしっこで何とかなるかもしれない(そうだとしても極めて酷い環境だが)が、食べ物の方はうんこじゃどうにもならない。
 空腹に気づかなかった少女達もあるとはいっても、しかしどうにしても空腹だ。

「そういえば、人間が死ぬとき腸内に食べ物があると凄く臭いらしい……
 やっぱりそういうのかな」

 無理に納得する。
 納得してもそれはあくまで鰐側の都合である。
 基本前向きな彼女達は徐々に鰐に食べられるために尽くす様に変わってきていた。

359: 忍法帖【Lv=13,xxxPT】 空気読まない隊 ◆JQy99wHT0I
12/08/28 01:44:10.24 oGRa1xFh
 夜、少女達は別れる。最後の晩と。
 この地下牢で明かす夜は二日目になる。しかしこれで最後となることはみんな知っていた。

 夕方になってから、鰐αが部屋の中に現れた。
 彼はどうやら便所掃除に来たらしく、全裸の少女達をジロジロと見ると、
 「美味しそうだな……だけど明日になったらもういないのか」といった。

 それが切り皮となって、少女達は何故か自分の体を整え始めた。
 もう半分以上狂っていたともいえるかもしれない。今から自分を食べる鰐に対して少しでもいいものをお届けしようとするというのは。
 本人達こそ表立って言わないものの、最早少女達は生まれたときから鰐αに食べられるために発育してきたと思わせる従順ぶりだった。

 少女達はベッドに誰も横たわらなかった。
 雑魚寝をしながら誰かがいった。

「ねえ……明日の今頃は私達どうしてるんだろう……」

「食べられて、胃の中でネトネトかな!」

「それは……ちょっとあれかな……
 だけど……不思議だな、なんかそれでもいいような気がしてきた」

 その言葉には、少しの迷いもなかった。

360: 忍法帖【Lv=13,xxxPT】 空気読まない隊 ◆JQy99wHT0I
12/08/28 01:49:02.12 oGRa1xFh
「わかるかも知れない……
 例え私達が鰐αさんたちの胃の中でネチョネチョに溶かされて、
 それで腸の中でグチュグチュに吸収されて、
 それで最終的にうんこになって肛門から出るのも、ありかもしれない……」

「なんていうんだろう……
 これはこれから食べられるって人にしかわからないかも…・・・
 人間の真理っていうかなんていうか……これが人間に出来る最後の罪滅ぼしっていうか……
 傲慢だった人間がこうなるのも、なんていうか運命だったといわれても納得できる……」

「鰐αに食べられるのも、なんか運命かな、みたいな……」

「もうここまできたらいっそのこと食べられていいや……
 こうやって命は繋がってきたんでしょ……食べて、鰐αさん……」

 もう、彼女達はくるっているといっても過言ではないだろう。
 傍から見て、そうとしか映らない。
 雑魚寝している少女達は、艶かしく、またどこか哀しげであり、だけどこれまでよりも活き活きしているような気がした。

 こうして、彼女達は雑魚寝で怖い怖い会談をしながら生前最後の晩を終えた。
 真夜中に、何度も何度も彼女達の空腹を告げる腹の音がなっていた。

 彼女達の体の中にはもはや食べ物は入っていなかった。

361: 忍法帖【Lv=13,xxxPT】 空気読まない隊 ◆JQy99wHT0I
12/08/28 01:49:38.44 oGRa1xFh
 早朝、少女達は起こされる。忌まわしき鰐αの手によって。
 まだ人間の時刻でいうと4時も迎えていないような時間だった。

 部屋に入ってきた大柄の鰐αは強靭で、打ち倒せそうにもない。
 いつの間にか付けられていた手錠足枷もあって、反逆する気は全く起こらなかった。
 無言でついてこいという合図とともに、少女達は廊下へと出る。

 廊下に出るとそこは少女達の思う数倍はあるであろう長さの廊下に、ギッシリと牢屋が詰まっていた。
 行きと帰り二回しか人生で通らなかった廊下を踏みしめる。
 値札についている大量の0が彼女達の身分を証明しているように、ざわめきは全くなかった。
 帰り際に牢屋の入り口にある電光掲示板を見ると、「現在135112人収容」の文字が赤く光っていた。

 「シャワー室」と書かれた部屋があった。
 そこに少女達は誘われるがままに入っていく。
 ボロい布切れはそこで脱がされ、抵抗するはずもなく生まれた時の姿に少女達はなる。
 妖艶で幼げで美しく可愛く愛おしい少女達のボディーが白日の下に露になった。

 そこは、少女達が4歳かそこらの頃に見てそのまま忘れていた、「お風呂」そのものであった。
 お風呂といっても、並みのお風呂ではない。大浴場と呼ばれるであろう、巨大な露天風呂であった。
 久しぶりの空が見渡せる。空はまだ暗く、時刻を再確認させられた。

362:空気読まない隊(転載禁止) ◆JQy99wHT0I
12/08/28 01:52:06.37 oGRa1xFh
「お前らは購入者の我侭でこんな時間に出荷されてるんだ
 我侭は絶対に守れ、そうじゃなければ商売は成立しない。
 だから、1人50秒で俺がお前らの体を洗う、異論はないな?」

 誰も異論するものはいない。
 その一瞬の沈黙の直後に、その鰐αはそのただの鰐とは比べ物にならない機動力で手近にいた少女に襲い掛かった。
 鰐特有の冷たいボディが少女にぴったりとフィットする。

 割愛するが、あっという間に少女達は石鹸で体の隅々まで洗われた。
 最早体中どこをなめ回されても健康だと言い張れるほどに。
 少女達は清潔になり、その露天風呂から出る。

 その露天風呂から覘けた空が、彼女達の見た最後の空になること。
 それを彼女達は知っていたのだろうか、それとも知らずに謳歌していたのか。

 何にせよ、彼女達は食べ物で、今のは殺菌処理に過ぎなかったのだ。
 そこを忘れると、後々後悔する羽目になるであろう。



今はここまでっす水遁されたっす
寝まっす

363:名無しさん@ピンキー
12/08/29 05:57:45.77 2Sdui/q6
GJ
徐々に「食べられる立場」に慣れていくのがいいなぁ

364:名無しさん@ピンキー
12/09/01 16:52:50.53 j1iYqDQo
GJ
一つだけ言うとネーミングセンスがあれだな、鰐αて
ついでに言うと余計な描写が多いかな

頑張ってくれ

365:名無しさん@ピンキー
12/09/01 17:27:37.11 toUdPtpv
個人的にめちゃくちゃ好みのシチュエーションなので超GJです!
続きがめちゃくちゃ楽しみです

366:名無しさん@ピンキー
12/09/01 19:54:40.22 j7gC88ed
救いのなさそうな世界観と「出荷」って言葉でぞくぞくします。がんばってください。

>>364
「鰐α」という名前である理由が途中で明かされるのでしょうか。気になります。

367: 忍法帖【Lv=2,xxxP】 空気読まない隊 ◆JQy99wHT0I
12/09/03 20:12:08.13 0GwAv1In
>>366
残念ながら\(^о^)/それはない
単に俺のネーミングセンス不足さっ!

368:名無しさん@ピンキー
12/09/06 22:45:02.87 pDK1YNis
>>367
取り敢えずどうでもいいからさっさと続き書け
いや書いてください

369:名無しさん@ピンキー
12/09/08 16:07:41.23 ml1uPC6U
コテ付きで荒らした上で他のスレで普通に活動開始とはおそれいるわ
次はこのスレを荒らすご予定で?

370:名無しさん@ピンキー
12/09/08 18:21:05.11 4SP56U16
はう~んの人・・・と言うかレイプスレの瞬シリーズの人、ついに粘着荒らしまで付くようになったのか
まあ、確かに本人も空気読むのは苦手みたいだが(それをコテハンにしてる辺りが、まさに空気読めてない)
はう~ん連発が鬱陶しい以外には、いつもスレに即した作品を投下しているのだから、めげずにがんばって欲しい

371:名無しさん@ピンキー
12/09/08 22:42:13.75 N7tn07KU
>>367
VIPに帰れ

>>370
誰だよ
こいつVIPに常駐してるコテだぞ
人違いだと思うぞ、あとこいつ調子に乗らせると面倒くさい

以下、クソコテに反応した奴は事情もわかってないクズ

372:名無しさん@ピンキー
12/09/09 00:20:24.56 xD3ez0Hq
>>371
レイプスレで昔、通称『瞬シリーズ』っていう長編シリーズを書いてた人がいるんだよ
元はとあるドラマの登場人物を使った二次創作だったんだが、第二話あたりで
完全オリジナルに移行して、その後すぐにマンネリ気味に陥ってた作品

通称はう~んの人は、この瞬シリーズの作者と同一人物
多分、それも知らないようなお前よりは、よっぽど昔からこの板にいる人だな
ぶっちゃけ彼の作品はワンパターン気味なんだが、ただの粘着のお前の書き込みよりはよっぽどマシ

373:名無しさん@ピンキー
12/09/09 01:28:26.97 9pdTl2sg
>>372
スレリンク(news4vip板:82-番)

人違いだと思うぞ
何を根拠にKY=そのはう~んの人と思ってるのか知らないけど
少なくともアイツが過去にエロパロ板にいたとか知らん

技術があるけど性格に難ありのクソコテ

374:名無しさん@ピンキー
12/09/09 01:47:43.30 w1AtKPXz
少し調べたがフェチ板の被食スレで現在進行形で粘着してるのがKYで酉も一緒
水遁くらってるのは恐らくその関係だろう

375:名無しさん@ピンキー
12/09/09 02:04:02.31 9pdTl2sg
>>374

ヒントいうとKYは凄まじいほどのアフィ嫌いでVIPのアフィスレを荒らしまくってて
毎日のように水遁されてるぞ

376:名無しさん@ピンキー
12/09/09 10:13:38.33 w1AtKPXz
なんだコイツピンク以外でも荒らしてんのかよ

377:名無しさん@ピンキー
12/09/09 13:14:31.14 9pdTl2sg
>>376
アフィスレって判るか?
アフィリエイトブログが金儲けの為に自演しまくるスレでVIPじゃみんなから嫌われてる
擁護するつもりはないけど別に普通

378:名無しさん@ピンキー
12/09/09 14:12:31.93 lueNTmUS
このコテがVIPで何をしたかは知らないし、知るつもりもないが
個人的に作品の続きを期待していることには変わりないので、できれば最後まで投下してほしい



379:名無しさん@ピンキー
12/09/09 14:21:52.25 ImYjHRfk
餌のえり好みをできるほど飽食してないのよ

380:地獄からの招待状7-9
12/09/09 19:28:59.17 alMhGcXx
 やがてユリの目から最後の一粒の涙が毀れた頃、長いようで短いその行為は、レイカが絶頂に達することで一旦
の終焉を迎える事となる。

「ん、くぅ……っ! も、ダメぇっ! 出すわよ、ユリちゃん!」

 レイカが嬌声の合間に漏らした言葉は、結局は何の意味も成さずに泡沫となり消える。ユリは聞く耳を持たな
い。そしてレイカもまた、ユリに対して返答を待つつもりはなかった。
 引き抜かれたレイカのペニス―酷く膨張したクリトリス。彼女は今にもはち切れそうなそれをユリの顔に向け
た。途端、大きく脈打つその先端から白濁液がぶちまけられる。ドクン、ドクンと脈打つ度に放たれるそれは、瞬
く間に彼女の顔の左半面を覆い尽くした。当然レイカがそうなるよう器用に狙った訳ではないので完全ではなく、
右頬にも少々だが付着している。

「はぁあああっ!! っくはぁっ、はぁっ、はぁ……っ!」

 レイカが更に一際大きな嬌声を上げ、満足そうに息を整え出す頃、ユリはゴホゴホと咽ていた。口内に白濁液が
大量に入ったのにも関わらず、笑い声の合間に呼吸をしたのだから当然だった。だが咽ていたのも束の間、彼女は
再び笑い出した。薄っすらと開かれた口の中に白濁液の姿がない事から、どうやら全て呑み込んだようだ。
 周囲に甘い匂いが漂い始める。まるで砂糖を焦がしたかのように甘く、それでいて何処か苦みがある匂い。それ
がレイカの体内で作り出された白濁液の匂いだと言われて、誰が信じるだろうか。
 恍惚とした表情でユリを見下ろすレイカ。いつの間にか股間の怒号が収まり、赤ん坊の小指のように細く小さな
それが彼女の動きに合わせて小刻みに揺れる。
 レイカは最期にユリと目を合わそうと暫くそのままで彼女を見下ろし続けていたが、それは時間の無駄でしかな
かった。彼女はただ真っ直ぐに虚空を見つめながら笑うだけだった。

「……さよなら、ユリちゃん」

 息を整えたレイカはそれだけ言い放つと、踵を返して歩き出す。まるで男が一夜だけと割り切った関係の女を相
手にした時のように、一度も振り返る事なく、そして悪びれる事もなく、ただ悠々と。
 歩きながら、最後にもう一度だけレイカの口が動いた。それは声になる事はなかったが、その唇の動きはこう言
っていた。
 ―さよなら。
 その繰り返された短い言葉に込められた意味は、文字通り“別れ”を意味していた。

381:地獄からの招待状7-10
12/09/09 19:29:52.17 alMhGcXx
 羽音が聞こえる。耳元で鳴り響くと反射的に頭を捩ってしまうような、そんな嫌な音だ。
 “それ”は甘い蜜を求めて飛ぶ。背中に生えた大きな羽を高速で動かし、その目はあちこちをきょろきょろと見
回しながらも、真っ直ぐに目的地に近付いて行く。
 密林を駆け抜けると、“それ”は広い場所に出た。先程の緑に覆われた景色とは一変して、大地は全て土の色と
なり酷く殺風景に感じられる。“それ”が更に羽を羽ばたかせると、やがて目的地に辿り着いた。
 目的地―甘い匂いを発している白濁液がふんだんに掛かった―仰向けに倒れている柊ユリ。レイカが立ち去って
からまだ幾分も経過しておらず、彼女の身体は未だにピクピクと痙攣を続けている。そして何より、未だに傍から
見れば気持ちが悪い笑みを浮かべている。半笑い、と表現するべきだろうか。
 “それ”はユリの身体の真上で浮かび、人間のように首を傾げた。獲物は“それ”の姿を視界に捉えているのに
も関わらず、何の反応も示さなかったからだ。どんな獲物でも“それ”の姿―異形の姿―巨大な蜂の姿を見れば目
を丸くし、腰を抜かし、それで尚後退りするものだ。
 蜂は重い分針がようやく一つ刻まれる頃までそうしていたが、やがてそっと尾を伸ばし、先端部から更に針を伸
ばした。そうした蜂の全長は目測で二メートルはあるだろうか、針に至っては人の腕ほどの太さがある。こんなも
ので突き刺されては毒が回り切る前に外傷で死んでしまうのではないだろうか。
 陽の光が反射して妖しく黒光りする針。ビュンッ、と風を切る音がしたと思えば、グチャッ、と何かが潰れる音
がした。蜂がユリの身体へと針を突き刺したのだ。突き刺した先は顔―白濁液と白濁液の狭間で見え隠れしてい
た、虚ろだった左目。グチャッ、という音は眼球が潰れた音だ。
 ユリはさすがに僅かながらだが、ビクンと身体を震わせて反応を示した。だが、それだけだった。口からは既に
掠れた笑い声が漏れるだけで、悲鳴や嗚咽が漏れる事はなかった。
 ―当然だった。突き刺さった針の先端は脳へと届いており、瞬時にユリを死に追いやったのだ。この衝撃でユリ
が息絶えてしまった事は、彼女にとって幸運と言えた。いや、それを言い出すとキリがない。彼女にとっての幸運
は、このゲームに参加した時点で消え失せていたのだから。
 針に動きがあった。蜂の尾から何かが針を伝ってユリの体内へ流れ込んでいるのが分かる。ドクン、ドクンと針
が脈打つ。それに呼応して彼女の顔が膨れ上がっていく。かろうじて原型を留めるぐらいにまで彼女の顔が膨れ上
がると、途端、ユリの顔が元の大きさに萎んでいった。代わりに膨れ上がらせていた原因である液体が彼女の穴と
いう穴から外へと流れ出していく。
 目から、鼻から、耳から、口から、膣口から、肛門から。それは液体というよりは半液体で、細かく砕いたゼリ
ーのようにドロドロとしていた。色は気持ちの悪い赤黒い色をしている。
 蜂は徐にユリの身体の上に覆い被さった。鋭利な刃物のような突起が付いた黒い足が彼女の腕に触れると、彼女
の腕の皮はあっさりと破れ、破れた箇所からも赤黒い液体が流れ出す。ふと彼女の身体全体を見渡すと、まるで干
乾びていっているようだった。皮ばかりが余り、血肉だけが萎んでいっているようだ。人間がミイラへと変わって
いく過程とはこのような状態なのだろうか。
 蜂はそっと食指をユリの口へと伸ばし、ジュルジュルと品のない音を立てて液体を吸い始める。比例してユリの
身体が萎んでいく。
 赤黒い液体―強力な溶解液によって溶かされたユリの脳と骨と血肉。蜂は久しぶりの食事だとばかりに一気にそ
れらを体内へ吸い込んでいく。だから、ユリの体液が無くなるのはあっという間だった。
 大地に寝そべる一枚の大きく、薄い皮。それは羽音が再び響くと同時に、風に吹かれて宙を舞った。
 それにはもう、柊ユリという一人の少女だった面影は何一つ見受けられなかった。


382:名無しさん@ピンキー
12/09/09 19:33:14.24 alMhGcXx
流れぶったぎるようで申し訳ないですが、久しぶりの投下です。
諸事情により続きを書く環境がなくなったものでして。
何とかユリを完結させることができました。
続きはいつになるか分かりませんが、頑張って最後まで書きたいと思います。
遅くなってしまいすみませんでした。

383:名無しさん@ピンキー
12/09/09 23:07:40.16 4IboV0Lc
おおお、なんかセルみたいで怖エロい

384:名無しさん@ピンキー
12/09/10 20:54:39.46 7hGCZTAt
ユリさらば・・・
のんびり待たせてもらうよ。まったり書いてくださいw

あんな流れはぶった切ってくれてむしろ有難いよ

385:名無しさん@ピンキー
12/09/12 01:55:25.44 eTTTkDXF
>>382
お疲れ様です。ご自身のペースで無理をなさらずに。

このスレのテーマに合う場面を昔どこかで見たなと思い出していたら、それは「BM ネクタール」というマンガだった。
B・Mという人の頭くらいの大きさでキモい形の大量の捕食生物から逃げる話で、それに一人の女性がたくさんの
B・Mに食われるシーンがあった。
このマンガを知っている人はいらっしゃいます?

386:名無しさん@ピンキー
12/09/14 04:15:20.37 Y/N6G3+t
>>385
昔持ってたよ。
実はBMも低コストで大量生産できる食肉、って設定なんだよな。
どんな味なんだろ。想像もつかない。

387:名無しさん@ピンキー
12/09/26 20:06:08.82 Zc7ei0l6
人間が人間を餌にするというシチュエーションっていいかな

388:名無しさん@ピンキー
12/09/27 05:28:42.21 YbJVg2aD
ちょっと季節外れになりそうなネタですが

朝日が差し込むデパートの水着売り場
色とりどりの水着が売り場に陳列されている。
あるものは棚に、あるものはハンガーにつるされ、あるものはマネキンが着飾り、売り場に花を添える。

いつも多くの男女でにぎわうこの場も、今はわずかな人しかいない
開店準備のための店員たちが歩き回るだけ
もちろん店員たちは水着には目も止めない。

しかし、一人の店員が一つの水着に目を止めて、手に取った。
もちろん買おうとしての行動ではない。
「あれ?なんでこんなところに水着が落ちてるの?先輩!これ、どうしましょう」
新米店員と思しき娘は近くを歩く店員に声をかける
「どうしたの?まどかさん。あれ?何、その水着。それってあのマネキンのやつでしょ?
指差されたとこころには数体のマネキンがいた。
どれも首から下しかないマネキンだった。
その中に一体、何も着ていないマネキンがあった。
「アレが落ちたんでしょ。係の人に言っとかなきゃ」
いそいそと駈け出す先輩店員。
ほどなくマネキンは台から外されて水着を着せられる
「あれ?なんかサイズが合わないぞ?」
「そんなはずないだろ…ホントだ。どうしようかな」
「胸のサイズが大きくなったのか?このマネキン」
「まさか。でも、これじゃこの水着着せられないぞ」」
話し込む係員たち。しかし、まどかたちはすでにそれには注意を払っていなかった。



389:名無しさん@ピンキー
12/09/27 05:29:53.43 YbJVg2aD
閉店後

だれもいない店内をまどかともう一人の店員二人の店員が歩く
「誰もいないお店の中ってどこかこわいよね」
まどかに声をかけたのは同じく新米店員のみすずだった。

その日売り場に来てくれた人の中から、「買った水着と違う水着が入っていた」と電話が入っていたのだ。
「も~、明日から旅行に出るのに、これじゃ困るじゃない。明日朝一で取り換えに行きますからそれまでに用意しといてよね」
そんなわけで、もう帰ろうかという時間にまどかとみすずは代わりの水着を探しに来ていたのだった
「でも、なんで先輩は来てくれなかったんだろう?」
まどかはみすずに聞く。
「先輩は忙しいそうですよ。いそいそと何か書類を手に取ってましたから」
「それ横から見たけど、あまり関係ない書類いじってたみたいだったよ?行きたくなかったんじゃないの?」
「でも、先輩なんで水着取りに行くだけなのにそこまでしてまで行くの渋ったんだろ?」
「どうせ…」
そこからしばらくたわいもない愚痴を始めようかと思ったところで売り場に着いた。

「え~と、このあたりだったかな」
そこには、朝に見たマネキンが並んでいた。

「そうそう、あの水着だったわ。じゃあ、この売場ね」
そういって売り場を探したが、売り場にあった水着はどれも売り切れていた。
「どうしよう、レジも見たけど、なかったし…」
混乱気味のまどかの目の前には目当ての水着と同じ水着を着たマネキンがいた。
マネキンは台座の上でポーズをとっていた。
「もしかしたら、あの台座の中に在庫とか残ってるかも」
まどかはそう思って台座の下の引き出しを開ける
中にあったのは、マネキン人形の頭部だった
どうみてもマネキンのような質感の頭部に長い髪
その頭部を手に取って持ち上げたが、水着はなかった。
マネキン人形って髪の毛あったっけ?という疑問がふと頭をよぎるが、すぐに頭から追い出す
「念のためにほかの引き出しも開けてみよう」
みすずにそう言われて全部の台座を開けたが、中には頭部があっただけだった。
「やっぱりないか。じゃあ先輩に聞いてみよう」
まどかが手に持った頭部を戻そうとした瞬間
「あれ?」
マネキンが手から離れない

「あれ?このマネキン、どうなってるの?」
「きゃああっ…ごも…ご…」
みすずの悲鳴にあわてて振り向くと、そこにはおどろくような光景があった
台座の中のマネキンの頭部から多くの触手がみすずにまとわりついていた
みすずは口の中をふさがれて声を出せない

390:名無しさん@ピンキー
12/09/27 05:31:45.70 YbJVg2aD
余りの光景にまどかは逃げることも忘れてへたり込む
みすずは必死に触手から逃れようとするが、増えていく触手に抵抗できず、ついには床に押し倒されてしまった
どのくらい時間がたったのかわからない

触手はみすずの全身にまとわりついてみすずの動きを奪う。
腕にまとわりついては振り払おうとする手を床に張り付ける
太腿にまとわりついた触手は太腿を舐るように蠢く
口内には多くの触手がみすずの口の中から体内を目指す
そして…股間に大きく太い触手が2本、みすずに突き立てられていた。
みすずは必死に服をはだけさせながら身をよじらせ声を漏らす
その声が徐々に色気を帯びていった
「…ぁ…ぁん…」

「み…みすず?」
みすずの顔が徐々に紅潮している。
よく見たら、股間から洪水のように透明の液体がこぼれだしていた
みすずは何度も痙攣し、その都度股間から液体をあふれさせた。
みすずがどうなっていくのか、まどかは目をそらしたくともそらすことができなかった。
やがて、みすずの声が聞こえなくなり、動かないみすずに変化が訪れていた
みすずの手足の肌から艶が消えていき、顔も、少しずつ色を失っていった
触手がみすずの全身から何かを吸い出すようにじゅるじゅる音を立てていく
「みすず?」
呼びかけても何の返答もなくなったみすずの体は徐々に変化を続けていた
それと対照的に触手は活発に動き、その触手の一つが陳列台の上の金属製の値札にあたる
値札は陳列台から落ちて、みすずの太腿にあたった
コツーン
乾いた音を立てて跳ね返った値札は床に転がった
「え?今の…音は?」
明らかに人の肌にあたった音じゃなかった。
しいて言えばマネキン…
そう思ってマネキンの方を向くと、触手に掲げあげられたマネキンの頭部がマネキンにひとりでにくっつこうとしていた
その頭部はすでに血色に満ちたものになっていて、マネキンのそれだとは思えなかった。
頭部がマネキンに着くと、マネキンにも血色が満ち、すこしずつ蠢き始めた

みすずがマネキンに近くなるのと反比例してマネキンが人に近づいていく

水着を着たマネキンが首をこっちに向けたっとき、みすずはもう、マネキン人形そのものになっていた。


391:名無しさん@ピンキー
12/09/27 05:33:10.10 YbJVg2aD
「…うそ…みすずが…」

こっちに向かうマネキンに、いざりながら逃げるまどか
ふとマネキンを見たら、それまでマネキンそのものだった頭部の口がぱっくり開いて、幾条もの触手がこちらへ向けて伸びてきた
「きゃ…むぐぐっ」
悲鳴を上げようとする口に触手が躍り込む
「むご…ごが…」
暴れるが、触手は迷わずにまどかの口内を蹂躙し、喉の奥へ進む
「ご…ごが…」
息ができない苦しさにもだえる
触手はさらに奥の胃の中へ入り込んだ
窒息寸前のまどかの意識は必死に外気を求めた
「あ…はぁ…」
やがて、鼻で息ができることに気づいたまどかはかろうじて一息つくことができた。
窒息を免れたことに安堵するまどか
だから、その間も触手が体内全域に伸び広がっていることには気づいていなかった
そして、伸びる触手はまどかのスカートに分け入り、股間へと躍り込もうとしていた
「むぐ…ご…が…」
必死に抵抗しようとするが、両手はマネキンから離れないまどかにとっては抵抗できる術は限られていた
太腿を閉じても、触手はその間に分け入り、まどかの女陰の中に入り込んだ
「ご…ごが…お…ぁ…」

女陰の中に入り込む触手
触手はまどかに分け入ろうとする
このままだと、あたしもみすずみたいに…
床に横たわるみすずだったマネキンが視界に入る

必死に逃れようとすると刹那、メリメリと股間から引き裂かれれるような痛みが走る
「ひぐぅ…」
目から涙がこぼれる
触手がまどかの膣内に無理やり入っていったのだ
触手はまどかを蹂躙する
「ひ…い…いた…」
まどかのいまだ男を知らぬ膣内は触手の蹂躙に耐えかねて引き裂かれるような激痛をまどかの全身にもたらす
しかし、触手がさらにまどかの膣内や口内を蹂躙するとともに、それを上書きする快感が広がっていった。


392:名無しさん@ピンキー
12/09/27 05:33:58.07 YbJVg2aD
「…ぁ…ぁ…」
徐々にぼやける視界
太腿を舐る触手や口内の触手の快感までもがそこに加わる
まどかの意識は徐々に快感に上書きされて真っ白になっていく

「あ…あぁぁあ!!」
全身が幾度も痙攣するとともに、目の前にフラッシュが走る
膣がきゅうっとしまって触手を甘く絞る
触手はそれにも構わずにまどかの膣を突き上げ、口内を蹂躙し、全身を甘く舐め上げる

まどかの真っ白の意識に、誰かの声が聞こえてくる
「うふふ…もうすぐよ…もうすぐであなたも私のようになれるわ」
返答をする気力もないまどかに声は続ける
「長いことこの日を待っていたの。長かったわ。誰かの体を蹂躙して、味わい尽くして、成り代わる日を」
「ひゃうん!」
触手がもたらす快感に体が跳ねる
「お察しのとおり、あたしもちょっと前までは人間だったの。新米店員ってやつ。それが、こうして閉店後の店内に入り込んだ途端マネキンにとらわれて、気が付いたらマネキンになっていたの。
自分に何があったのかは同じ列のマネキンからの話で分かった。この境遇から抜け出すには誰かを食べるしかないということもね」
まどかの体から何かが抜かれるような感覚が伝わる
「ああ、美味しいわ。女の子の体ってこんな味だったのね」
手足が冷たくなるのがわかる。
おそらく今の自分もみすずのようなマネキンのようになっていってるのだろう
やがて、まどかの耳に何人かの女性の声が聞こえる
その中にみすずの声もあった
「もうすぐね。あたしたちの声が聞こえるでしょ?はじめまして。新人さん」
まどかの体は完全にマネキンのそれになっていた

床に横たわるマネキンから服をはぎ取る女性が二人いた
「ごめんね。でも、水着でおうちに帰るわけにいかないの。代わりにあたしの水着あげるからいいでしょ?」
そういいながら横たわるまどかに水着を着せて、台座に立たせる
「う~ん、いい感じ。それじゃ、あたしの代わりにマネキンがんばってね」
まどかの制服を着多女性はそう語りかけて、まどかの首をねじる
まどかの首は体から離れ、台座の中におさめられた
もう一人の女性もみすずを同じようにしていた
「やれやれ、長かったわ」
「もう二度と閉店後の売り場になんか行きたくないわね」
笑いあいながらまどかとみすずを置いて戻っていった



393:名無しさん@ピンキー
12/09/27 05:36:44.35 YbJVg2aD
「そうそう。これよこれ。今度は気を付けてよね」
満足げな店員にお辞儀を返す女性店員
彼女はお辞儀から戻ると、視界に入ったマネキンに向かってひとりごちる
「あたしの代わりにマネキンになってがんばってよね」

居並ぶマネキンは、それらが元は生身の女性だったことを知らぬ来店客の無遠慮な視線にその体を晒し続けていた
それがマネキンの仕事なのだから。

394:名無しさん@ピンキー
12/09/28 20:02:04.38 6No2aNsP
久しぶりに来ていた新作がうれしい
こういうのもいいね。読めてよかった

395:名無しさん@ピンキー
12/10/16 01:13:55.61 IZOZcV8r
新作いいですね。ちょっと変則的な捕食という感じ。

>>386
正直BMの元の形を知っていたら食べたくないですね。
「BM ネクタール」のネタバレになるのですが・・・

女性が大声を上げて自分にBMの意識を向けさせて、自分が捕食されている間に仲間を逃がすシーンがあるんですよね。
足からガツガツ捕食されて(直接的表現はなし)徐々に背が縮むのが分かるコマ割りで、そのときに女性が涙を流したと思いました。
このシーンが頭から離れないし、ここの作品を読むとそれを思い出します。

396:名無しさん@ピンキー
12/10/29 19:26:14.04 mGAiK/DB
ほす

397: 忍法帖【Lv=3,xxxP】(2+0:8)
12/11/04 14:20:03.28 /AOB+Wu8
短編上げてみます。百合要素を多分に含みます。 

『落ちる花』

 先日、とてもわたし好みな女の子を捕まえました。
 彼女はわたしの庭に生けてあり、栄養素となる【蜜】で下味をして、今日で三日。
 そろそろ頃合いのはず。
「……あぁ、いけませんね」
 彼女のことを考えると、自然と「食欲」が沸いてしまいます。
 せっかく温めていた花粉が、湿気った風に乗り、深い森より散ってゆく。
 しばらくは、新しい獲物は必要ないにも関わらず。
「今日はもう、庭へ帰りましょう」
 わたしは「一輪」そんなことを思いつつ。
 樹上付近まで伸ばしていた触手を、しゅるしゅる、巻き戻すのでした。

 *

 深い森。
 むせ返るほどの緑に包まれた大樹の根本。
 そこが「アルラウネ」と呼ばれる生命「わたし」の咲く世界。

 わたしの本体である「花」は、成熟した「雌の人間様」の造形と、
 花の構造体が子宮を堺に分かれています。
 あたりまえですが、衣服は光合成の邪魔になるので、主に全裸です。

 さて、夕刻も近づきはじめた本日午後。
 大樹に根付かせた蔓草状の触手を上空から戻し、新しい【蜜】を
 光合成してきたわたしは、捕えた彼女に呼びかけました。
「カレンさん。そろそろ起きてください、カレンさん」
「………………」 
 大事な獲物。
 わたしの触手で手足を掴まれ、苔むした草のベッドに横たわらせている。
 彼女には応える元気がないようで、わたしは触手を蠢かせました。
 苔むした地面と水平に咲く、わたしのもとへ。引きずりよせます。
「カレンさん、もう夕方ですよ。そして、夜がやってきますよ」

398:名無しさん@ピンキー
12/11/04 14:34:41.80 ibYxOhne
期待

399:落ちる花(2)
12/11/04 14:44:41.89 b3qVVpBh
 カレン・フィールドさんは、
 ここから遠く離れた「魔法学園」に通う生徒さんだったそうです。
 襟元をぴしりと留めた、黒を基調とした制服とスカートが、とてもよくお似合いでした。
 しかしもう、一昨日と昨日の行為で白い精がこびりつき、おっぱいやお尻もむき出しです。

 彼女はとても優秀で、お金もちで、才能に満ちあふていたようですが、
 まだまだ世間を知らない、箱庭で大切に育てられた、只のお嬢様でした。
「ふふ。せっかく、遊びに来ていらしてくれたのに。こんなことになって申し訳ありませんね」
「……ぅ、ぅぁ……あぁぁ……!」
 怖いものなんて何もないの、という強気な眼差しと、全身からあふれんばかりだった活力は、
 今の彼女とはまったく別物でした。
「……お、お願い、です……。許して……」
「あら、ずいぶん弱気になりましたね?」
「…………許して、助けて……」
 わたしを「大樹ごと燃やしてあげるから」と謡っていた唇は、
 今はひたすらに許しを請うばかり。
「……なんでもする、しますからぁ……!」
 すんだ青空のような瞳は虚ろに泳ぎ、幾筋もの涙が、乾いた頬のうえを流れおちます。
 そんな彼女の、お日様のように輝く金髪を一房手にとり、軽く口づけました。
「カレンさん。貴女は食材に慈悲を与えますか?」
「……え?」
「これからお腹にいただく食材に、耳を傾けたことは?」
「……やだ! いやだぁ!」
 わたしの意を悟り、彼女は見苦しく暴れます。
 けれど、手足は縛られているので無駄でした。
 身じろぎするのがせいぜいで、その姿は樹上を這う青虫のようで少し可笑しい。
「だいじょうぶ。痛くありませんから」
「……たべないで……おねがい、たべないで……!
 謝るから……お願いだから、ひっ、ぐすっ……家に帰してよぅ……!」

400:落ちる花(3)
12/11/04 14:47:24.83 b3qVVpBh
 わたしは触手の支えを減らし、正面から直接「人間様の手」で彼女を抱き寄せました。
 やわらかい、あたたかい、ヒトの肌。
「素敵ですね」
 思わず、頬ずりしてしまう。
「……っ!! ね、ねぇ…、わたし言わないから! 貴女がここにいるってこと、誰にも言わないから!! だからっ!」
「そうですね。だからせめて。わたしのお腹の中で消えてしまうまえに。今夜もたくさん、わたしを味わってくださいね」
「や、やだやだやだ……! いや―んんんんぅっ!?」
 わたしは、少々乱暴にキスをしました。動かない彼女の口内を、人間様の舌先でなぞっていきます。
「……ん、んっ……。ん、ぁふ……」
 舌先の表面を。歯先をひとつずつ。頬の内側を味わっていく。
 そして最後には、口腔の奥へ。特製の【蜜】をたっぷり流してさしあげる…。
「……ぁ、ん、んぐぅぅぅうううう!?」
 苦しげな、くぐもった声。
 ごくん、ごくん、と上下する喉。
 わたしのすぐ前にある長い睫がぱちりと瞬きし、同時にとろりと柔らかくなります。
「あ、ぁ、あん、は、ぁ、んあああ……っ!」
 必死に、わたしの舌先を押し退けようとしてきます。
 逃れるように首を振りますが、させません。
 わたしの【蜜】には催淫効果があり、彼女の身体は次第に、わたしが求めるものに近づいてゆきます。
「……んぅ! ん、ぅぅー! んんんー!!」
 どうやらカレンさんは、この期に及んで、得意の「魔法」を唱えようとしていました。
 ですが魔法の発動には相応の集中力が必要で、今の彼女では不可能です。 
「……ん、んっ! ん、くっ、んく、ん、く、ぅ……!」
 それに喉を震わせようとすれば、自然とわたしの【蜜】を飲んで頂くことになります。
 ですから彼女の選択は、結果としては過ちでした。
(はあぁ。カレンさんの口のなかとっても熱い……)
 わたしは、そんな愚かで可愛い彼女をぎゅっとして。唇を塞いで、くちゅくちゅする。
(やわらかくて、美味しい)
「ん……あ……あふ……ぁ…………」
 少しずつ。わたしの手のなかで、抵抗がうすれていく。

401:落ちる花(4) ひとまずここまで
12/11/04 15:15:58.06 lvK74lpt
 陽が、すこし傾いてきました。
 カレンさんの抵抗が無くなったのを確認して、わたしは唇を離します。
「………………ふふ」
 橋をかけ、落ちていく二人の蜜液を、わたしは人間様の指ですくいあげる。
「どうです? 気持ちよくなってきました?」
「……、はぁ、はぁ、あ、ふあぁぁぁ……っ」
 潤んだ瞳から、また新しい涙をこぼすカレンさん。大きな口でいっぱいに、澱んだ空気を取り入れようとします。
 激しく動く胸元。ふくらんだ乳房はそれぞれ、この手に充分収まるほどの大きさです。
「そろそろ良くなってきたみたいですね。今夜はどのように、してほしいですか?」
「……もうやめて……お願いだから……」
「それはできない約束です。ごめんなさい」
 よしよし、と頭を撫でてさしあげる。
(なかなか壊れてくれませんね)
 本当なら今頃は、人間様が言うところの「廃人」になり、快楽を享受することしか考えられない、本当の意味での「餌」に成り果てているはずなのに。
(……どうして?)
 人間様の胸が、ちくりと痛くなります。でも、食べることしか知らないわたしは、今夜も彼女を犯すだけ。

 赤い花弁の内側。わたしはカレンさんの向きを変え、後ろから抱きしめます。
 膝を折り曲げ、彼女をしゃがんだ姿勢にさせたあと、白く華奢な両足は左右に大きく広げ、十数本の「雌しべ」を秘部へ伸ばし、
「ぁ、だめっ、やだぁっ!!」
「大丈夫ですよ。昨日も、初めての夜と比べると痛くなかったでしょ?」
 彼女の足首から太腿へ。細い雌しべを巻きつけていく。
 そして人間様の身体をもつわたしは、彼女の耳朶を噛み、
「ひぅ!?」
 両手を回し、右手のひとつを胸のつぼみに運び、もうひとつを突起した女性器に運びました。
 「びくん!」と体が反応します。わたしの心もまた、震えてきそう。
「だめぇ! そこっ! 弄っちゃだめえぇっ!!」
「あら。ではこちらなら?」
 思わず笑みが咲いてしまいます。人間様の両手をおへその辺りに這わせつつ、
 それから、彼女のほっそりした首のうしろにも雌しべを這わせ、人間様の舌先は、絶えず耳たぶを甘噛みします。

402:名無しさん@ピンキー
12/11/04 17:52:31.47 ibYxOhne


403:名無しさん@ピンキー
12/11/04 23:55:08.32 PdvvVu7P
新作を投下してくれるのが大変ありがたい
とても楽しませていただく

404:落ちる花(5)
12/11/05 12:03:30.54 YiPL3Xy6
 ―私が、この森に来てどれぐらい経ったんだろう。
 記憶はもうだいぶ曖昧で、頭のなかはまっしろに染まるばかりで。
 アルラウネと呼ばれる植物にどれだけ犯されたのか、もう、わからない。

「やっ! ひゃんっ!! らめぇ! らっ……んぁぁあああああーーッ!?」

 私はただ、ひたすら、理性を失った獣みたいに悶えてる。
 意識は瞬間、遠いとこまで飛んでいく。けど、
(耐えなきゃ……。耐えなきゃ……!)
 誰かが助けが来てくれるまで、私はひたすら耐えるしかない。
 ここに来る前、文献で読んだアルラウネの情報にはこんなことが書かれていた。

『この魔物は実際の食虫花と同様、光合成をして得た【蜜】を用いて獲物を引きよせ、
 花弁の内側に集めた消化液で獲物を溶かし、喰らう。―人間も例外ではない』

『さらにアルラウネの寿命は植物と同様、その寿命は短い。
 死期を悟った個体は、捕食する獲物に対し【種】を残すという情報もあるが、詳細は不明』

 後部の記述が、特にひっかかった。
 このアルラウネが宿っている大樹は見るからに枯れかけていたし、
 理由は知れないけれど、このアルラウネは私が快楽に屈しない限り、捕食も種付けもしないらしい。でも……。
「―カレンさん、もうそろそろ、限界なんじゃありません?」
「っ!」
 とろけるように甘く、脳をゆさぶるような声が来る。
「ほら、見てくださいな。カレンさんのコチラはこんなに濡れて……」
「ひあぅっ!?」
 私のアソコを、幾本もの細い触手がなぞり上げる。
 身体が痺れて浮いたような感覚になって、不安定も怖さも無い。
 ただしびれた様に、じんじんしてる……。

405:落ちる花(6)
12/11/05 12:06:29.90 YiPL3Xy6
「下のお口は受精したい、子種を頂戴って、言ってますよ?」
「そ、そんなこと言ってない……っ!」
「そうですか? でもほら。こうやってかき混ぜると……」
「―ふあぁぁあああっっ!?」
 また頭のなかが真っ白になる。快感の波だけが全身を駆けめぐる。
「ほら、くちゅくちゅ、いやらしい音……」
「―――!」
 声がもう、まともな叫びにならない。
 わけがわからなくなって、ただ、気持ちがいいことだけを感じる。
 身体は熱く火照って、すごくすごく、よくなっていく。
「はぁ、は はぁ、ふ! ら、ぇ、あ、はぁ、いれひゃ、あっ、ぬい、て……っ!!」
「もう少しですね……」
 私の顎に指がかかり、無理やりに上へ向けられる。
 キスされる。快感を加速する蜜が流れてくる。

(……耐えなきゃたえなきゃたえらきゃらめ……)
 
「ふふ。そういえばまだひとつ、穴が残っていましたね」
「…………ふぁ?」
 あなって、どこの? なんのこと? そうおもった、とき。
「んううぅっ!? うあ、ぁぁあああ……ッ!?」
「あら。カレンさんったら、お尻の方が感じやすかったのですか?」
「ひ、ひらう、ひ、ひら、あぁうぅうううううーっ!!」
「もう人間様の言葉が、まともに出ませんね」
 そして、うごめく。しょくしゅがぜんぶ。
 まえにうしろに。わたしのなかで。

「――!! ―!!!」
 いく、イク、イっちゃう。もうむり、げんかい、だめ。
 こわれる。わたし、が、でなくなる。もう、いい。なんでも、いい。だっ、て、きもひ、、もん。

406:落ちる花(7)
12/11/05 12:08:46.78 YiPL3Xy6
 首筋を、耳たぶを、背筋を、胸の蕾を、臍を、秘部を、太腿を、爪先を。
 わたしは、上から下まで、ありとあらゆる場所をまさぐりました。
 そして、人間様の唇はひとつに重なっています。
『ぴちゃ……ん……ちゅ…くちゅ……』
 唾液の交換。初めて彼女から交わしてくれた触れ合いは、実に甘美でした。
 花の内側はすでに最後の消化液が充満し、むせ返る精の匂いに満ちています。
「っ……はぁ、カレンさん」
「……な、に?」
「わたしの背にまわした腕、固定させていただきますね。
 もう膝から下がありませんから、抱きつくのお辛いでしょう?」
「……ほんとだ……」
 カレンさんはぼんやりした眼差しで顎を引き、溶けた足元を見つめました。
「……わたし、このままぜんぶ、とけちゃうの……?」
「はい。ぜんぶ消えてなくなります」
「……そっか……」
 ただ呟いて、そしてわたしを見つめ、もう一度、唇を重ねてきます。
『ぴちゃ……んん…ちゅ…ぴちゃ……くちゅり……』
 最後のひと時まで。熱い吐息と唾液を交換します。
 その中で、わたしは初めて本能による欲情を発しました。
『っあぁ……! カレンさんっ、出ちゃう、出ちゃいます……っっ!!』
 すべての触手から【蜜】が噴出する。
 彼女の外から、内まですべて、受精して欲しいという意を込めて。
『ああっ! あっ、はああああああああああぁぁぁあんっっっ!!!』
 わたしは初めて達してしまう。快楽の渦中にある自らの精を、彼女にすべて注ぎ込む。
 やがて、放心してしばらく待つと、消化液は一層水かさを増してきました。
 最後に「とぷん」と小さな泡を立て、人間様のわたしと、彼女をすべて包み込みます。
 
『・・・・・・・・・・・・・』

 そして。わたしたちはとけあって。ひとつぶのたねになりました。

407:落ちる花(8) *ここまで
12/11/05 12:15:10.44 YiPL3Xy6
 ―三日間の記憶が欠落していた。私は気がつけばベッドの上で、白い天井を眺めてた。
 森の入り口で横たわっていたところを、学園の捜索隊の人が見つけて運んでくれたらしい。
 発見された私は、何も身につけてなくて、裸だったらしい。けれど傷一つなく、女の子の膜も無事、だったらしい。

 なにも覚えていない。
 ただ、目を覚ました後、父様からは沢山のお小言を喰らった後に抱きしめられた。
 母様からは抱きしめられた後に、たくさん泣かれた。

 もうこういうのは嫌だなと思って、それからは私にしてはとても素直に、おしとやかに務めた。
 まるで生まれ変わった気分。太陽の日差しがとても心地良くて、吹き抜ける風も気持ちいい。
 身体を打つ雨もまた清々しいのだけど、雪の降る、寒い冬の季節は格別苦手になった。

 *

「―カレン先輩って、本当に寒いの苦手ですよね」
「そうなのよ。だからね、暖め合いましょ?」
「はい?」
 後輩の子と二人きりで居残りをした夜。校舎に続く並木道の端。誰も目に留めない土の下から根を這わす。
「!?」
 巻き付け、口を塞ぎ、両手を縛り、地中深くに引きずり込む。
 当たり前の日常の底に広がっているのは、甘い香りを放つ「わたしたち」の花園だ。

「……イヤ、なに、なんで、嘘、やだ、こないで、先輩助けて! いや、やだあああぁぁあ……っ!!」
「だいじょうぶ。貴女もすぐに食べて欲しくなるから、ね……?」

 そして今夜もまた、わたしたちは優しく、気に入った獲物を愛し、食らっていく。

(了)

408:名無しさん@ピンキー
12/11/14 19:48:13.77 2JfPQKI5
こんなに素晴らしい作品が投下されてるのにコメントがないなんて残念だ!

409:名無しさん@ピンキー
12/11/14 21:43:43.04 OoS7PBi8
いつの間にか投下されてたけど、百合百合しくて好み!

410:空気(ry
12/11/18 22:04:07.68 vpE1r+6q
空気読まない隊ってVIPコテだけど俺の作品需要ある?

411:名無しさん@ピンキー
12/11/18 22:21:55.47 aXDwSIRJ
別に書けばええがな。
みんな喜ぶ、それでよろしよ

412:名無しさん@ピンキー
12/11/18 22:26:03.46 CW3cnBbd
もちろん。

413:名無しさん@ピンキー
12/11/19 11:16:43.44 X4zzZlJs
落ちる花、非常に良かった。
捕食+百合とは斬新。

414:名無しさん@ピンキー
12/11/20 18:12:04.71 rbuD1UQo
うちが丸呑みフェチの理由考察
18号の吸収シーンで開花
萌えどころが喘ぎ声と手足のうごき、締め付けられるお尻。
だんだん抵抗が弱くなり揺れる手足。
包まれた膨らみ。

単純な丸呑みモノ創作期待しています。

415:名無しさん@ピンキー
12/11/20 21:15:55.21 4YuvSqPe
わらしなママの「種子様」は個人的に大ヒット

416:名無しさん@ピンキー
12/11/22 19:00:06.55 qLcQMkHX
中身だけ食べる蟲
残った皮に住み着き一見、人間のように振る舞う巨大ヤドガニ

417:名無しさん@ピンキー
12/11/23 01:07:27.85 BZiOwLH/
天の邪鬼、というわけか
>残った皮に住み着く

418:名無しさん@ピンキー
12/11/26 20:15:36.03 mbLLXiBE
耳や鼻から侵入した蟲に脳みそを食われ
空っぽになった脳の跡地に別の蟲が住み着き種の拡散の為にゾンビのように徘徊する
さらにそこに他の生き物の卵子を使って増える生き物が子宮に寄生
その身体が完全に朽ちるまで大自然に利用され尽くす

419:名無しさん@ピンキー
12/11/28 23:12:47.71 h+NvpIzG
…やっと追いついた。
長い間パスとメールアドレスパスを紛失してしまい、
ろくに更新を怠っていたwikiを
最新まで更新致しました。長い間放置いたしましてすみません。

420:名無しさん@ピンキー
12/11/28 23:17:30.55 h+NvpIzG
過去をさかのぼってみるとこのスレも7年以上になっておりました。
初代から呼んでる人ってまだいるかな?

421:名無しさん@ピンキー
12/11/29 19:29:33.16 BrVMUx21
おつおつ
そうか、もう7年もたったのか

422:スーパー空気読まない隊 ◆4hX/GUv2ihv9
12/12/01 04:11:46.55 FXPS3Tqo
やだー
恥ずかしいー

423:名無しさん@ピンキー
12/12/01 18:47:30.68 HMgIfz5W
>>422
素敵な作品、保管させていただきました。
また気が向いたら作品投稿くださいね。

424:名無しさん@ピンキー
12/12/01 19:43:58.39 c8XmaV3b
>>422
あんた戻ってきてくれたのか!続き待ってるぜ!

425:名無しさん@ピンキー
12/12/01 20:18:53.45 HMgIfz5W
保管庫にこっそり投下されてた男の娘を捕食の続きが気になる…
もうこないんだろうな

426:名無しさん@ピンキー
12/12/15 02:29:15.07 rPTHHymF
あたしは目の前のドアノブを見つめていた。
ついさっき、自分で閉じた個室のドア。
このドアは入ってしまったら自分で出ることはできない。ためしに開けようとしたが、ドアノブはびくとも動かなかった。
あとは、食べられる日が来るまでこの部屋で過ごすしかないのだ。
なぜ、あたしはこんなとこにいるんだろう。


時計を見る。
つい2時間前までのあたしは、普通に街を歩いていただけの普通の女の子だったはず。
普通に育って、普通に学校いって、帰りにウインドーショッピングのつもりで街を歩いていただけだった。
ふとたちどまったペットショップ。
かわいらしい猫や犬、聞いたこともないような種類の高級ペットに爬虫類
「うわ~。こんなのでも高いのねえ。これなんか家買えちゃうじゃないの?え~と、ルバニカオオトカゲ?聞いたことないけど、こんなのほしい人もいるんだ」
そこにスーツ姿の女性が近づいてきた。
ものすごくセンスの良い服装のその人は、あたしにこう言ってきたのだ
「ねえ、あなた。お料理になってみない?」
最初はその言葉の意味が分からなかった。
勧誘ならいろいろ受けたことがあるが、「料理になる」の意味が分からなかったのだ。
「だから、あなたを料理して食べてみようというのよ。いいお肉してるじゃない。食べられる?」
あまりのことにあっけにとられるが、その時はまず身の不安を感じた。逃げようと周囲を見回したくらいだ。
「そんなに不審に思わなくていいじゃない?話くらい聞いてよ」
あたしの目の前に詰め寄ってきた。
真剣な目であたしを見つめてきた。
その迫力に一瞬たじろぐ。
「話、聞いて?」

427:名無しさん@ピンキー
12/12/15 02:37:01.30 rPTHHymF
そこから、どうしてこうなったのかわからない。
あたしは自分でも認めるくらい流されやすい。
だから、時々そんな役割を回されることがある。
友達からも「もう少ししっかりしなよ」なんていわれる。
だからといって、食べられるなんて話、普通ならOKするはずはない。
「でも…食べられるって、死んじゃうんでしょ?」
そう聞いた。
「でも、あなたいつまで生きられるの?この話のすぐ後に交通事故にでもあって死んじゃうかもしれないし、たちの悪い通り魔にでも合うかも知れない。
もし、おばあちゃんになるまで生きられたとしても、その間辛いことって多いわよ。その果てに、醜く老いた姿で死んでしまう。本当にそうなりたいの?
今のあなた、とっても綺麗だわ。私はあなたの今の綺麗な姿が老い朽ちていくのが耐えられないの。」
「でも、今すぐ死んじゃうなんて、痛いのも怖いのも嫌だし…」
「大丈夫よ。痛みも怖さも感じないようにしてあげる。今まで料理になった子はみんな喜んでお肉になっていったわ。
このまま帰って、変な死に方して苦しむよりよっぽどいいと思わない?」
「家族とか友達に相談して」
「世の中の人のほとんどは誰にも相談せずに死んでしまってるわ。そういうものじゃないの?世の中って」
こんな調子であたしが不安に思った質問はきっちり返され、逃げようかと思って適当に言葉を濁そうとしたら、あの目でじっと見られ、つい目をそらしてしまう。
そして、いつの間にか「食べられるのもいいかな」なんて思ってしまう。

最後には
「でも、あたし。まだやりたいことが」
と言ってみたけど
「何があるの?ねえ、どうしても生きてやりたいことって何?」
そう返されてしまって黙り込んでしまった。
「考え方を変えてみない?ここで、いちばんきれいな姿になるために生きてきたんだって。そう思えるような姿にしてあげる」
そういって取り出した写真に息をのんだ。
それは、料理になってしまった女の子だった。
もちろん生きてはいない。しかし、美しく調理されたその姿に、なぜか綺麗だと思った。


そして、気が付いたら
「お願いします」
と言ってしまった。

428:名無しさん@ピンキー
12/12/15 02:38:15.24 rPTHHymF
そのまま喫茶店へ連れて行かれて、自分の体を肉として提供する契約書にサインした。
その契約書が有効なのかはわからない。
どっちにしても、そのままあたしは裏通りの小さなビルまで連れて行かれたのだ。
ビルの看板のどこかに「牧場」という字があったのが意識に留まった。
そのビルの中の一室、それがここだった。

部屋にはあたしの入ってきたドアと、赤と緑のドアがあった。
赤のドアから、さっきのスーツ姿の女性が出てきた。
「楽にしてていいわ。この部屋はあなた専用の部屋。今すぐあなたを食べるわけにはいかないの。
美味しいお肉になるために食事とかは管理しないといけないし、肉になる直前は絶食していただかないといけない。
だから、ここから出ることはできないけど、その間部屋にあるものなら何でも食べていいし、何でも使ってもらっていい。
緑のドアを開けたら下にはフィットネスルームも大浴場や娯楽室もある。それらも好きなだけ使ってもらっていいわ。不便なことがあったら何でも聞いて。こんなボタンを押したら駆けつけるから」
そういって壁にある赤いボタンを指さす。
「同じボタンはフィットネスルームや浴場にもあるわ」
「あの…あそこにあるお菓子とかは食べていいんでしょうか?太ったりとか」
「いいわ。ここにあるのはすべてカロリー調整しているから、好きなだけ食べて頂戴。むしろ、一杯食べた方が肉質が良くなるようにもしてある。
あ、そうそう。本とかDVDなんかはあの棚にあるけど、ほしいのがあったら何でも用意するわ。
パソコンはそこにあるけど、ここからの送信やアップロードはできないようにしてあるから気を付けて」
広い部屋を見回すと、およそ不便を感じそうな品は見当たらなかった。
それどころかセンスの良い調度に囲まれていて、まるでホテルのスイートルームのようだった
「それじゃあ、くつろいでてね」
そういって赤いドアから出て行った。ためしに開けてみようとしたが、ここも開かない。

429:名無しさん@ピンキー
12/12/15 02:38:59.72 rPTHHymF
それから、あたしの奇妙な最後の日々がはじまった。
食事は素晴らしい味のものばかりで、種類も多様だった。
むしろ「これが食べたい」と思うものばかりが出てきた。

服も、緑のドアの向こうにある大浴場の隣に大きなクローゼットがあって、いろんな服があった。
高そうなものも少なくなかった。

気に入った服を着て着飾ってみるが、すぐにそれには興味が失せた。
ここに来る前に見せられた料理された女の子の写真。
あれに勝てない気がしたからだ。

むしろ、美味な食事の方が楽しみになっていた
「どうしたらこんなにおいしい料理が作れるの?」
一度やってきたサキと名乗ったスーツ姿の女性に聞いてみたが、言葉を濁された。

「気がついたらサインさせられていた?」
あたしの前で大笑いされた。
彼女の名前は涼子というのだそうだ。
気が向いて降りて行った大浴場で出会ったのだ
「そんなので自分の体ポイポイあげちゃうって、流されやすいのもほどほどにした方がいいわよ」
そりゃ、あたしは流されやすいって自覚はしてるけど…
「じゃあ、涼子さんはどうしてここにいるんですか?涼子さんもあの契約書書いたんですよね」
ここにいるからには、あたしと同じく料理にされちゃうはずなのだ。
「あたしは、ちょっと嫌なこと、っていうか…彼氏に振られてヤケになってたの。そんなときにあのペットショップの前でそんなこと言われたわけ。
で、ふと思い立ってもう一回彼氏に電話したの。よりを戻してくれなきゃこの女の人について言っちゃうって」
「それで…」
「鼻で笑って切られたわ。ま、信じてくれなかったんでしょうけど。それで決心ついちゃったってわけ。
でも、あんな電話させられたのも考えたらあのサキって人に流されたのかもしれないわね。今言っても仕方ないけど」
涼子さんは吹っ切れたような笑みを見せた。

430:名無しさん@ピンキー
12/12/15 02:39:35.37 rPTHHymF
「あたし、明日料理になるみたいなの。だから、あなたと会うのも今日まで。最後に楽しい話ができてよかったわ」
あたしはそれを聞いてどう答えればいいかわからなかった
「いいのよ。普通にしていて。あなたもいずれこっちに来るんでしょ?先に行ってるってだけよ。なんだったら料理になったあたしの姿見届けてよ」
そういってあたしの肩をたたく
「あ、そうそう。あなた、セックスしたことある?」
いきなりの質問にどきまぎする
「ないんだったら、サキさんに頼んでみたら?あの人に頼んだらどんな男でも用立ててくれるわよ。あたしもいろんな男を呼んでとっかえひっかえしたわ。あの男も」
「あの男って?」
「さっきの彼氏。電話ではあれだけすげなく返事したのに、サキさんに頼んでここに呼び出したら、別人のようにおとなしくて、言われるままだったの。
あいつのせいでこうなったってのもあって、一晩やりたい放題してやったの。あなたも好きな人がいたら、呼んでみるといいかもよ」
そういって涼子さんは去っていった。

夜、サキさんに聞いてみた
「涼子さんって、明日料理になっちゃうんですか?」
「その予定よ。涼子さんからあなたに料理になった後に自分の姿を見せてほしいって頼まれてるんですけど、見ます?」
思わず首を縦に振った。

431:名無しさん@ピンキー
12/12/15 02:44:10.72 rPTHHymF
翌日、サキさんに連れられて、小さな部屋に通された
「あそこにいるのが涼子さんよ。この後すぐにお客様に出されるけど、その直前ね」
そこにいたのは、間違いなく昨日までさばさばとした笑顔を見せていた涼子さんだった。

今、目の前にいたのは、頭部と胴体を切り離され、綺麗に料理されて盛り付けられた料理になった涼子さんだった。

もう、死んだ涼子さんがあたしに向かって話しかけることはない。
無気力な表情のままの涼子さんが笑いかけることもない。
しかし、野菜を飾り付けられ、キツネ色の艶をまとった裸身は昨日見た涼子さんよりずっと綺麗に見えた。
胴体の傍らで、微笑みを浮かべた涼子さんの頭部が飾られていた。それも、綺麗に化粧されて、自分の裸身を誇っているかのようだった。
あたしは、運び出されるまで吸い込まれるように涼子さんの姿を見ていた。

432:名無しさん@ピンキー
12/12/15 02:49:09.52 rPTHHymF
その夜、大浴場には涼子さんの姿はなかった。

さみしさを覚えたあたしは、涼子さんの言葉を思い出してサキさんに聞いてみた
「あの…相談なんですけど…」
「何でしょうか?」
「あたし、このまま肉にされて死んじゃうんですよね?」
「ええ、そうですよ」
サキさんはいつも通りあっさりと答えた
「でしたら、その…せめて、男の人を知ってからにしたいというか…そういうのっていいのですか?」
自分の死が目の前に見えた途端、不思議なほどに湧き上がった感情だったが、それに対してサキさんが返した答えは意外なものだった
「ええ、それでしたらいつでも用立てます。さっそく今夜などどうでしょうか?」
「え?いいんですか?でも、ほら。処女じゃないと肉の質が落ちるとか」
自分でも不思議なことに気が向いてしまう。
「大丈夫ですよ。むしろ男の人を知った方が女性としての味はよくなるといわれています。あなたがお望みなら用立てますよ。お相手のリストは用意します」
届けられたリストを見て驚いた。
芸能人や実業家、モデルの名前がずらりと並んでいたのだ。
「どんな方でもお望み通り用意しますよ」
サキさんの言葉に嘘はなかった
有名な男性アイドルを頼んだら、その夜には目の前に本人が現れた。
その夜は、忘れられないものになった。
自分の思い通りにあこがれのアイドルが動いてくれたのだ。

「いかがでしたか?お望みでしたら今夜もう一度お呼びしますが」
「え?じゃあ…」
それから、あたしは夜ごとアイドルや有名人をとっかえひっかえして楽しんでいた。
自分が自堕落になっている気がしたが、意識しないようにした。
どうせ、あたしは遠からず死んでしまうんだ。だから、その前くらい。
その思いが、自分の理性を飛ばしていた。

433:名無しさん@ピンキー
12/12/15 02:50:49.56 rPTHHymF
そして、その日が来た
「おはようございます。今日、あなたを料理します。心の準備、いいですか?」
一瞬口ごもってからあたしは言った
「…ここで嫌ですといってもダメなんですよね?」
「そうですね。もう、ここから出ることはできません。料理になるしかないですね」
「じゃあ、いいですよ。決心が鈍らないうちにしちゃってください」
そういったあたしにサキさんはいった
「では、あちらの赤い扉から出ていきますので、服を脱いでください」
あたしは服を脱いでいく。
全裸になる。生まれたままの姿、そして、あたしの最後の姿。
あたし、これから料理にされちゃうんだ。
心臓が苦しいくらいドキドキいってるのがわかる。


あたしは赤い扉からサキさんに連れられて出ていく。
最初に通された部屋には太い管の着いたベッドがあった。
「ここに寝てください」
言われるままに寝そべったあたしのお尻に管を突き入れる
「え?ええ?」
「まず、腸の中をきれいにさせていただきます。この管で水を入れて中を洗浄します」
そうか、ここも食べるんだよね。だったら仕方ないか。
お尻に管がつながれた後、お腹の中に温水が入っていくのは奇妙な感覚だった。
いったんお腹の中を満たした温水が抜き取られる。

434:名無しさん@ピンキー
12/12/15 02:53:12.37 rPTHHymF
続いて連れて行かれたのは浴室だった。
「ここで体をきれいにします。私も手伝います」
そういってサキさんは何の抵抗もなく服を脱ぐ。
二人で体を洗っていく。
なんか変な感覚だった。
サキさんの手つきはどこまでも遠慮なく、どこまでも事務的だったのだ。
「あ、痛いっ」
「少し我慢してください。綺麗にしないと食卓に乗せられませんから」
そういって無遠慮にゴシゴシこすられる
うう…あたしの体はところどころ真っ赤になっていった
「え?そんなところまで?」
「ここも食べますからね」
そういってサキさんはあたしのお尻を広げて変なスポンジの棒を突き入れる
「あ…ぐ…」
あたしは床に這いつくばって耐える。
お尻の穴やその中をサキさんは丁寧に洗っていく。
「次はここをきれいにしますよ」
もう、覚悟はできていた。もう一本の棒を用意して、あたしの膣へ入れていく。
ぬぷっ…
あ、そういえば昨日の夜最後のエッチをしたんだよね。
あのときのアレ、残ってるのかな?
サキさんはそんな感情を気にすることなくあたしの膣をきれいにしていく。

最後にサキさんが用意したのは剃刀だった。
「では、ここに座って足を広げてください」
前に見た料理写真や涼子さんを見た時にわかっていたけど、あたしもここの毛を剃らされるんだ。
綺麗に剃りあげられた股間は、最後に丁寧に洗われた。

あたしはサキさんに手伝われながら体を拭く。
そのあと、マットに寝かせられて、全身にぬるぬるしたものを塗りつけられる。
「これは?」
「オリーブオイルよ。下味をつけるために早めに塗っておくの」
下味…うう、やっぱり料理にされちゃうんだ。
あたしはサキさんにされるがままになっていた。
次の部屋へ向かう。

435:名無しさん@ピンキー
12/12/15 03:05:37.82 rPTHHymF
サキさんは、目の前の扉を指さす
「この部屋の向こうに、あなたを食べようという注文主さんがいます。
これから食べられる前に、誰に食べられるのか見ておきませんか?
もちろん、希望がなければ飛ばしますが」
あたしは、ドアを開けてもらった。
自分を食べようとする人たちを見てみたくなったのだ
ドアの向こうには、大きなガラス
その向こうにいるのは身なりのいい人たち
かっこいい男の人もいる。
みんな、あたしの裸身に視線を向けている。
あ、あの人は昨日あたしを抱いたアイドルだ。
あの人もあたしを食べちゃうの?


スポットライトを当てられてどこか演劇の主役になったような気分だった。
なぜなんだろう、この人たちに食べられるのに、全然怖いという感じがわかなかった。
むしろ自分の体を称賛してくれるような晴れがましさを感じていた。
ただの食べ物を見るというのとは違う熱い視線を感じる。
目の前で、若い男の人が自分の裸身をじっと見ていた。
自分の裸身を見られる視線に、下半身が熱くなっていまう。
その男の足元に、黒い影が動いていたが、あたしはそれには気づかなかった。
立ち去るあたしを見る全員の足元に、同じ影が動いていたことも、気付くことはなかった。

436:名無しさん@ピンキー
12/12/15 03:11:07.54 rPTHHymF
サキさんに連れられて、通路の突き当りのドアを開けられる。

そこにあったのは、ステンレス製のベッド
その首の部分には大きな穴の開いた板がふさがっている
「これって…」
「生きたままあなたを料理するわけにはまいりません。ご安心ください。苦痛がないように処理して差し上げます」
そういわれても、こんなところに首を通すのって勇気がいるよ。
うう、刃物が見えてる。
あたし、あれで首を切られちゃうんだ。
怖いよ、やっぱり死にたくないよ…
手足が震え始めた。
「上の方を見てください。あそこに映像が映るようになっています」
そこに映っていたのは、スライド形式で映し出される料理された女の子たち。
こんな状況でも、あの画像には不思議な吸引力があった。
綺麗…あたしはいつのまにか恐怖を忘れていった。

気がついたら、あたしはベッドの上に横たわり、料理になった女の子たちを見ていた。

あたしも、もうすぐああなるんだ。
奇妙な陶酔感だった。
でも…

437:名無しさん@ピンキー
12/12/15 03:16:34.10 rPTHHymF
「どうですか?あなたもあのような料理になるんですよ」
「でも…あたし、これから死んじゃうんですよね?あたしがどんな料理になるのかって見れないんですよね」
そこに返ってきたのは意外な返事だった
「見られますよ」
「ええっ?どうやって?」
サキさんは何本ものコードがつながれた首輪を用意した
「これをつなぐことでしばらくは脳だけは動くことができるようにできます。
これで処理された後でも、しばらくはこれで生きることができますから、自分が料理になった姿を見ることができるのです。希望があればさせていただきます。
涼子さんは必要ないといって処理されていきましたが」
あたしは…
「…お願いします」
やはり綺麗な自分の姿を一度見たかった
「では、おつけします」
そういってあたしの首に首輪をはめていく
「チクッとしますので、我慢してください」
頸部に痛みが走る。

手足を固定された。これで、もう降りることはできないのだ。

「では、処理させていただきます」
そういってサキさんは出て行った
目の前の大きな刃に目が行ってしまう。

目を閉じたくても閉じられない
あれがこれから自分の命を絶つのだと思うと意識がこわばってしまう。
手足がガタガタ震えてる。
体が恐怖におびえてるんだ。
早くやっちゃって、と思った瞬間刃物が落ちた
その瞬間意識が一瞬暗転し…

しばらくしてから視界が回復する。

438:名無しさん@ピンキー
12/12/15 03:17:26.14 rPTHHymF
奇妙な感覚だった。

厚さも寒さも、痛みもない。
手足の感覚も、何もない。
テレビ画面のように動くことのない視覚と周りから聞こえる聴覚があるだけだった。
あたしの目はサキさんの足を見ていた。
そのまま視界が上に上がっていく。
何かに乗せられる。そこからの視界に見えたのは、首のないあたしの体だった。
血まみれの首のない体だったが、鈍る思考はそれに何の感慨ももたらさなかった。
あたしは現実感を失っていた。
自分がもう死んでしまっていて、目の前で自分の体が横たわっているのを見ても、それが現実に起きていることとは思えなかった。
あたし、これからどうなるんだろう…

腹部を切り開かれて、中から内臓が引き出される。
それを見ても、どこかが麻痺した心はまるで標本模型でも見るように受け入れていた。
引き出された内臓は丁寧に洗われる。
奇麗に洗われた自分の腸はピンク色の艶を帯びていた。
「健康に育った証よ。たまにどうしようもなく汚れていて捨てるしかない子もいるんだけど、あなたは全部食べることができそうね」
サキさんにそう言われて、なぜか妙にうれしかった。

「肺も綺麗ね。タバコ吸ってたらここで過ごしたくらいじゃ綺麗にならないから捨てちゃう子も多いから、とても貴重だわ」
サキさんが嬉しそうにあたしの肺を取り上げていう。
あたし、全部食べてくれるんだ。

あ…あれは…女性にしかない臓器が目に入った。
実物を見たことなんてない。ましてやそれが自分のものだったなんて。
自分の女性器がそこにつながっていた。
アソコも食べられちゃうんだ。
香味野菜と一緒に漬け込まれる自分の女性器をじっと見ていた。
女性器と子宮以外の下ごしらえを終えた内臓は体の中へ戻される。
首を失った体は食材となった内臓を詰め込んで縄で縛られて巨大なオーブンに入っていった。

439:名無しさん@ピンキー
12/12/15 03:19:36.20 rPTHHymF
「さあ、次はあなたの顔よ。あたしが綺麗にしてあげるからね」
そういってサキさんがあたしの顔にメイクを施していった。

オーブンからあたしの体が出てきた。

綺麗

あたしの目の前に映るきつね色に焼かれたあたしの体を見て、その感想が浮かんだ。
焼きあがった体から立ち上る臭いが、自分のものだったとは思えないように嗅覚をくすぐる。
自分の体だったのに…倒錯感も手伝ってのものだろうか、料理された内臓と一緒に飾られる自分の裸身に誇らしいものを感じていた。
こんがり焼かれた裸身。
腹部には大きなスリットが入り、火の通った内臓が艶をまとって覗く。
裸身を縛っていた縄が切られる。
しかし、焼かれた裸身は動くことはなく、キツネ色の裸身が縄の目状のボディペインティングがされているようになった。
その前に、香味野菜に漬けこまれた子宮がちょこんと置かれた
子宮に白いソースがかけられる。
白いソースをまとったピンクの膣や子宮
切り取られた女性器にもソースはおよび、割れ目からにじみ出る汁とまじりあって皿の上に湖を作っていた。
大きな皿の上に美術品のように盛り付けられた自分の裸身。

あたし、こんな美味しそうな料理になれたんだ

最後に化粧を終えたあたしの首が置かれる

鏡を見せられた。

そこにあるのは美しく飾られた料理だった。
あたしの体がこんなきれいな料理になるなんて。

440:名無しさん@ピンキー
12/12/15 03:20:13.41 rPTHHymF
「どう?綺麗でしょう?あなたの体がこうして最高の料理になったのよ。どう?今の気分は」
料理になった気分
不思議だったけど、今の綺麗な自分の体を見たらとても幸せな気持ちになれた。
早く、この綺麗になった体を食べてもらいたかった。
「じゃあ、これからあなたの体を料理にお出しするから、機械を切るわね。これでお別れだけど、ありがとう。美味しい料理になってくれて」
サキさんがあたしの首につながった機械のスイッチに手を伸ばす
そうか…あれを切るとあたしは本当に死んじゃうんだ。
あたしは目でサキさんに別れを告げた
「さようなら」
そういってサキさんがスイッチに手をかけた瞬間、あたしの視界は急速にぼやけていった。
ぼやけた視界に映るのは美しい料理となった自分の裸体だった。
高揚感に包まれたままあたしの意識は消えていった。

441:名無しさん@ピンキー
12/12/15 03:21:36.31 rPTHHymF
サキは意識を失った首から機械を外すと、料理と一緒に広間へ出した。
そこには、美しい身なりをした男女がそろっていた。
美男美女とまではいかないが、誰もが経済的に豊かな人たちなのは間違いなかった
「お待たせしました。今日の料理はこの子です。
この子は体も健康、内臓も実に美しく、全身を料理にできる貴重な娘でした。
さきほどまで生きていただけに鮮度も保証付き、幸せなままこうして料理になることができました。
では、さっそくご賞味の準備をどうぞ」

それとともに、美男美女たちは、足元にかがみこむ。
首輪を外してやると、そこにいた大きなトカゲは、踊りだすように目の前の娘にかぶりついた。
ルバニカオオトカゲだった。
ルバニカオオトカゲは、飾りのために娘の裸身にまとわせた野菜を遠慮なく取りのけては乳房や太腿にかぶりつく。
娘が生きていたら悲鳴を上げていたであろうが、すでに料理となった娘は悲鳴を上げることも逃げ出すこともない。
ただただ、気味の悪い爬虫類に食べられるままにしていた。
乳房は複数のルバニカオオトカゲが奪い合いをし、あちこちに千切れてまき散らされた。
それを他のルバニカオオトカゲがついばんでいく。
腹の中へ入り込んだトカゲは湯気を放つ内臓を引き出そうとスリットの開いた腹を裂いていく。
娘の腹部は大きく裂かれ、内臓を大きく露出させた。
柔らかい内臓が何匹ものトカゲの口の中に納まっていく。
切り開かれた腹に何匹ものルバニカオオトカゲが潜り込む。
やがて、腹部や胸に何か所もの穴が開き始めた。
それを、台座の上の生首がじっと見ている
すでに死んでいるその眼に映るものが脳に送られることはなかった。

442:名無しさん@ピンキー
12/12/15 03:24:41.40 rPTHHymF
「いやあ、いつもながら壮観ですなぁ」
「うちの子もここではとても元気にはしゃいでるのよ」
「うちでも飼おうかな」
歓談する中にサキさんが割って入る
「あら、お求めでしたらぜひウチで。なにしろルバニカオオトカゲはここでしか扱ってませんから」
「しかし、人間の肉を一定期間ごとに食べさせないと成長しないというのに、なぜ私たちには襲い掛からないのだろう?」
「それは、ルバニカオオトカゲの食欲を刺激する物質を持ってないからです。あの娘は一か月ほどの間ずっと食事の中にルバニカオオトカゲの食欲を刺激する物質を混ぜられてました。それが調理で香りの形になったからこのように大喜びでむしゃぶりついているのです」
「では、この娘は自分が食べられるための準備をしていたということか。どんな娘なんだろうな。自分から食べられようとするなんて」
「それは、企業秘密ですわ」
「おお、咥えてこっちに持ってきたぞ。よほどおいしかったんだな。さあゆっくりお食べ」
アイドルとして知られた男の足元に、ルバニカオオトカゲが持ってきたのは娘の膣だった。
「しかし、よく食べるなぁ。これってあれでしょ?女の子のアソコ。こんなにおいしそうに食べるなんて、こいつはオスだったっけ?」
「あら?お売りしているルバニカオオトカゲはすべてオスですよ。メスは極めて貴重で、ここでもお売りしていません。さすがに繁殖されても困りますからね」
「この娘、昨日抱いたなぁ。いつも物欲しげな娘を抱けて、こうしてペットの餌まで提供してくれるんだから、高い金を払う価値あるよ」
そういう会話の中で、娘の体は見る影もなく無数のルバニカオオトカゲに食い荒らされようとしていた。
皿の上に横たわった娘の残骸は肉がこびりついた骨に近い有様となっていた。
トカゲの粘液でぐちゃぐちゃになった肉片が皿の上で散らばる。
露出した骨を争うようにしゃぶっては肉を引きはがす。
その姿はさっきまでの料理と同じものとは思えなかった。

宴は終わった。
無残に食い散らされた残骸は係員によってまとめられる。
食べ残しとなった残骸は、そのままごみとして捨てられる。

443:名無しさん@ピンキー
12/12/15 03:27:06.17 rPTHHymF
台におかれた生首はそこにはなかった。
彼女の首は捨てられることなくサキが持ち去っていったのだ。

その日の夜

サキは自室でくつろいでいた。
料理となる女の子の世話や料理の提供で疲れた体を癒す貴重な時間だった。
サキは冷蔵庫へ向かい、冷蔵された生首を持ち出す
それは、今日料理となったばかりの娘の生首だった。
頭部は大きく切り開かれて、脳がむき出しになっている。
サキは、それをおいしそうにすくって食べた。
「これが至福のひと時よね」
すでに、自室にこもってリラックスしていたサキの姿は人間のものではなかった。

とてつもなく巨大なルバニカオオトカゲ
彼女は、唯一のルバニカオオトカゲのメスだった。
オスのルバニカオオトカゲが人間の体を好物にするのに対し、彼女の好物は人間の脳だった。
それも、幸福なうちに死んだ若いメスの脳は、これ以上ない美味だった。
彼女が少なからぬ労力を用いて捕食する女性を安楽のうちに料理にしている理由はそれだった。
サキは目の前の娘に語りかけながらその脳を食べてゆく
「あなたも、幸せなまま死ねたみたいね。口の中でとろけていくわ」
娘の脳は口の中でぐちゃぐちゃになりながら、彼女の思い出や幸福感を味に変えていった。
「ああ、この征服感、たまらないわ。生身の女の子の人生が口の中でひろがっていく」
恍惚とした表情で娘の脳を食べてゆくサキの足元には、無数のルバニカオオトカゲがいた
「ダメよ、もう少し我慢して。この娘を食べ終わったら、来てもいいから」
夜が更ける頃、サキとルバニカオオトカゲは愛の営みを始める。
そして、新たなルバニカオオトカゲが生み出されていくのだった。

444:名無しさん@ピンキー
12/12/16 18:12:32.94 oeMWTyer
GJ
サキの最後のくだりは普通の人間だった方が狂気感じたな


正直、性的欲求よりもB級映画的な怖いもの見たさで覗き見している自分がいる

445:名無しさん@ピンキー
12/12/17 10:22:42.22 M78hgA7f
うーむ
いろいろとすごいな

446:名無しさん@ピンキー
12/12/18 21:52:52.12 i9RUfxRb
規制で書き込めなかった…!
素晴らしい力作読ませていただきました。綺麗に料理されるのに
無残にトカゲの餌にされるところがとてもいいですね。
サキの伏線が回収される所もよかったです。

447:名無しさん@ピンキー
12/12/25 12:29:22.92 6wLf3ewf
シナ人は食中毒になりそう。
欧米人は脂っこくて不味そう。

やっぱり日本人の少女が一番だな。

448:名無しさん@ピンキー
12/12/28 23:58:24.95 sRkliNEb
うう、丸飲みを次はできれば…
おかしいな、欠損は好きなはずだったのに…

449:雪のレインコート ◆AmrxKrymxGfh
12/12/30 01:51:00.16 p54eCe9i
 暗い夜道に二つの明かり。
 二人の警察官の手に握られた懐中電灯がゆらゆらと蠢いていた。

「物騒な話だな……。まさか本当にこんな猟奇的な事件が起きていようとは」

「ああ、連続行方不明事件で被害者が二桁回るなんて何十年ぶりなんだという話だ……。
 どこの変態さんか知らないがこれ以上警察の仕事を増やさないで欲しいね」

「近くに小学校と中学校が密集しているのも被害が多い原因だな……。
 もう何人の親の家まで事情聴取にいったんだろうか……」

 そういいながら深夜の道をパトロールする二人の警察官。
 ここまではいたって平凡で、いたって日常的なよく見る警らであった。

「お、おい!!あれみろよ!!」

 しかし、警察官の懐中電灯は見てはいけないものを映し出す。
 それは、ある生物であり、しかしまたその生物とはいえないものだった。

「な、なんだあれ……ヘビか?」

 全長20mはあろうかと思われる物体が道を横切っていった。
 ただのヘビではない。腹の部分がちょうど「女子小学生の大きさぐらい」膨らみあがっている。
 そして「満腹です、ごちそうさまでした」といわんばかりな表情を浮かべ、ノロノロと蛇行していた。

「な……なんだあれ」

 しかしそれが二人の最後の言葉となった。
 「シュルシュルシュル」というヘビの蛇行音が聞こえた時には、既に彼らの顔はヘビの口の中で唾液まみれになっていたからだ。
 閑静な夜の住宅街に、三匹のヘビが腹に人間を孕み、シュルシュルと蛇行していた。

450:雪のレインコート ◆AmrxKrymxGfh
13/01/08 00:22:24.31 TLVwEnoL
1 :風神レイン ◆AmrxKrymxGfh [mail] :2013/01/08(火) 00:20:21.20 ID:F8wtgM7a0 [PC] ?PLT(20222)
いもうと「お姉ちゃん……おちっこ行きたいよぅ……」

あね「もう……しょうがないわね、いってあげるよ」

トイレの前には巨大なヘビが!
真っ先に狙われたのはいもうとだった!!

いもうと「あぁ……やめ……やめて、食べないでェええええええ!!」

だがいもうとの四倍は大きいそのヘビはいもうとの頭を狙い、そしてその頭を口の中におさめた。
キバの先から流れる涎がいもうとにかかりいもうとの美しい顔を乱す。
いもうとは最初は大きな声で泣き叫んでいたが次第に腹辺りまでヘビの口の中に収まったあたりでその声も消えていった。

あね「い、いもうと……!?た、助けてえええええ」

いもうとはみるみるうちにヘビの養分にされるために飲み込まれていき
いまやヘビの口に腰まで収まり、いもうとはその足をばたつかせるまでとなっていた。
だがヘビの体内ではいもうとを食べ物として養分にしやすくするために胃液を容赦なくいもうとの体に浴びせていた。
消化液が浴びせられると同時にそのショックでいもうとのおまんこからは黄色いおしっこが漏れる。
瞬く間にいもうとの足の先まで飲み込んだヘビは次はその蛇にらみをあねに向ける。
あねは物の怪に襲われたようになって恐怖で身がすくみ動けなかった。
そんな瞬間でもいもうとはヘビによって消化吸収されようとしていて肉の壁に包まれたいもうとは恐怖に怯えていた。

ヘビは何を思ったのかあねに絡みついた。
ヘビは全身が筋肉であるというように、あねはヘビの馬鹿力の前に全く抵抗も出来ない。
ヘビはあねの服にキバを突きつけ、そして引き剥がした。どうやら服が消化を阻害すると思ったらしい。
効率よく肉が柔らかく美味な女の子から養分を吸収するための策であった。そして姉は今度は足からヘビに飲まれていく。
ヘビの口から顔を出したあねの端正な顔立ちも、数時間後には茶色いうんことなっているのである。

数日後、同じ場所に大量のウンコが見つかり、中から大量の髪の毛などが検出されたのだった……。


気が向かないから書かない^^

451:名無しさん@ピンキー
13/01/08 02:35:35.17 xCquKLjC
(´・ω・`)

452:名無しさん@ピンキー
13/01/08 21:09:37.13 vC8sIoi0
今週限定でダイレンジャーがようつべ公式で配信


触手が幼女を丸呑みするから見てみて

453:地獄からの招待状8-0
13/01/27 21:23:00.33 i+Kaavr8
 ミナとマオは二人して目を丸くした。コンサートホールの階段を下りた瞬間に、前を走っていた筈のレイカとユ
リの姿が突如消えた事も確かに理由の一つに挙げられるのだが、それ以前に目の前に広がる光景に驚きを隠せなかった。
 汚れや傷が染み付いて消えない、かつては真っ白だった廊下。天井に取り付けられた蛍光灯だけが周囲を照らし
ている。二人の右手側には規則的に窓が並んでいて、外が暗いためそれは鏡と化して二人の顔を写す。左手側に
は『3-B』と印字されたプレートが掛けられている部屋があった。
 ―そう、二人にとって見慣れた場所、ここはコンサートホールを訪れた七人全員が通っている公立高校だった。
 コンサートホールと学校は電車で一駅も二駅も離れている。全く同じ建物がコンサートホールの地下に存在する
筈がない。否、そもそも建物の地下に外の景色を見られる建物が存在する筈がないのだ。
 マオは呆けた顔でそっと自分の頬を掴み、強く抓った。夢や幻ではないとすぐに気付く。普通の人間なら一種の
恐怖心を覚えるものだろうが、さすが自他共に認める楽天家と言うべきか、彼女は喜々とした表情を浮かべながら
その場で飛び跳ねた。

「凄い凄ーい! コレってマオ達の学校だよね!? 瞬間移動ってヤツ!?」

 兎のようにピョンピョンと飛び跳ねたかと思えば、今度はその場で突如四つん這いになり、何かを探しながら動
物のように少しずつ前進していく。短いスカートを履き、お尻を高く突き上げるものだから後ろのミナの位置から
白とピンクのストライプ柄の下着が丸見えだ。女同士だから互いに見えてもさほど恥ずかしいものではないのだが
、ここが学校という事も相俟ってか、ミナはこの場にいる筈のない男子の目を気にするかのように辺りを見回した。

「マ、マオちゃんっ、見えちゃってるよぉ……?」
「あーっ! やっぱりそうだ! 間違いないよ、ほらっ! ここに昨日マオが書いたばかりの落書きがある!」

 興奮気味のマオの耳にも一応ミナの言葉が届いていたらしく、彼女はミナに振り返ると同時に片方の手でスカー
トを押さえた。もう片方の手は見つけたらしい落書きを指している。廊下の隅だ。ちなみに丸文字で可愛らしく『
お腹空いたー』と顔文字付きで書かれている。何故そんな落書きをそんな場所にしたのかは全くの謎であり、ミナ
は聞いてみたいという気持ちがあったのだが、それは一つの小さな溜息となって宙に消えていった。
 天真爛漫なマオを前に、ミナは今置かれている状況に対する疑問を考える気力が失せた。それよりも彼女の興味
を惹いたのは、もう一つ奥にある教室―『3-C』だった。ミナにとっては隣のクラスであり、そして恋人だった男
の子が在籍しているクラスだ。一つ、思い出深いクラスでもある。
 コツ、コツとミナは足音を立てながら相変わらず四つん這いのマオの横を通り過ぎ、『3-C』の扉の前に立った
。それに気付いたマオもすぐに立ち上がり、彼女の横に並ぶ。

「どしたの、ミンミン?」
「ん……ちょっと、ね」

 ミナの声の調子から哀しい事を思い出しているのだと、マオは察した。マオもミナの恋人の事は知っていたか
らだ。ただし知っているのは顔と名前とクラスぐらいで、それ以外の事は殆ど知らなかった。
 マオは何か明るく声を掛けようとしたが、ミナが扉を開ける方が早かった。そうなれば下手に話題を逸らしたり
明るく振舞ったりするよりミナに付き合う方が懸命だ。彼女の傷付いた心がそれによって少しでも癒されるのであ
れば尚更だ。
 教室には電気が点いておらず、真っ暗だった。ミナが手探りで電気のスイッチを入れると、途端に眩しくなる。
誰もいない教室というのは酷く殺風景に見えた。綺麗に消された黒板に、規則正しく並んだ机。ミナは真っ直ぐに
とある机の前にやって来て、そっと机の上に手を置き、小さく吐息を漏らした。

「これなんだ、カレの机。あ、元カレ……か、あはは」
「ミンミン……」
「マオちゃん、私ね、この人が初恋だったんだよね……小学校からの同級生で、頭はあんまり良くなくて、運動も
あんまり出来なかったけど、とにかく優しかったんだ。それで……ここで告白されたの。誰もいない、放課後の教
室で、話があるって呼び出されて」

454:地獄からの招待状8-01
13/01/27 21:23:58.53 i+Kaavr8
 ミナはその時の事を思い出しながら、徐々にか細くなっていく声で言葉を紡ぐ。あまり後ろ向きな話は性格上聞
きたくないマオだったが、そこは一応空気を読み、最後まで聞く事にした。机を間に挟んでミナと対面になるよう
に移動したマオは、何の気もなくその席に座ると、ミナの顔を見上げた。目に薄っすらと涙が浮かんでいた。

「『ずっと前からお前の事が好きだったんだ。俺と付き合ってくれないか』って。私、すっごく嬉しかったなぁ
……ずっと両想いだったんだなぁって。それから本当に楽しかった。嬉しかった。二人で話す事が、二人で遊ぶ
事が、二人で一緒にいる事がね。でも……こんな急な終わりってないよぉ……せっかくのデートなのに、クリスマ
スなのにぃ……っ」

 ピタン、と机の上に一粒の涙が弾けた。だがそれ以上涙が毀れる事はなかった。ミナは自分の気持ちを整理する
ために“始まりの場所”に来たのだ。泣くためではない。ここに来るまでにもう充分泣いたのだから。
 だがしかし、コンサートホールを訪れただけなのにも関わらず、学校へ訪れる事になったのは偶然なのだろうか
。それとも必然なのだろうか。その答えを知る者は、少なくともこの場にはいない。
 大丈夫……私には私の事を気に掛けてくれる友達がいっぱいいるから。いつまでもヘコんでちゃダメだよね―。
ズルッと鼻水を啜り、眼球にこびり付いた涙を磨り潰したミナの表情は何処か吹っ切れているようだった。心配そ
うな眼差しを向けるマオに、笑顔を作って見せるミナ。

「―よしっ、忘れよう! ううん、もう忘れた! うん!」
「そーそー、それでこそマオが煮込んだ―……じゃない、見込んだミンミンだよ」
「何その噛み方、わざと? マオちゃんてば……あはっ」

 別にわざと言い間違えた訳ではなかったのだが、マオは言い返す事はせず、代わりに笑顔を返した。ミナも両頬
に小さな笑窪を見せながら笑う。
 ミナの気持ちの整理ができたのなら、こんな場所に長居する必要はない。マオはスッと椅子から立ち上がった。
椅子の足が床に擦れて音を立て、立ち上がった拍子にマオのお腹が机に触れ、ガタッと音を立てる。

 ―マオがゆっくりと立ち上がっていれば、“それ”に気付かずに済んだのかもしれない。

455:地獄からの招待状8-2
13/01/27 21:24:29.38 i+Kaavr8
 机の中に入っていたのだろう、机が揺れた拍子に一枚の紙がヒラヒラと宙を舞い、音もなく床に落ちた。

「ん? 何だろ、手紙?」

 マオは何の気もなくその紙を拾い上げた。葉書より一回りほど小さな長方形の紙だ。拾い上げた面には何も書か
れておらず真っ白だった。手首を返し、裏面を見るとそこには綺麗に書かれた文字が羅列されていた。僅か五行に
も満たないその文字数は、瞬き一つする間もなく読むことができた。

「……え?」

 ドクン、とマオの心臓が高鳴る。表情が見る見る内に変化していく。

「どうしたの、マオちゃん?」
「こ、これ、って……うっ、ううん! 何でもない、何でもないよ! 何の変哲もないフツーの内容! ミンミンが
読む価値なんてないって!」

 マオは明らかに動揺していた。自分では必死に誤魔化そうとしているのだろうが、それは誰が見ても可笑しな挙
動だ。親友であるミナは当然、マオは嘘が苦手だという事を知っている。
 踏ん切りを付けた気持ちが、まるで水の中に墨を垂らしたかのように濁る。その黒くモヤモヤとした感情は色褪
せる事はあっても消える事はない。ミナは口を開いた。一度、二度、三度。だが、濁りが言葉になる事はなかった。
 問うべきか、問わざるべきか。一瞬の間にミナの中で幾度となく葛藤が繰り返される。四度目に口を開いた時、
彼女は答えを見出していた。

「……そっ、か。それじゃ、そろそろ行こうか。こんなところじゃ“鬼”が来たらすぐに捕まっちゃうもんね」

 ミナが震える声で言うと、その声の震えに気付かなかったかのようにマオは目を輝かせた。

「あーっ! そうだった、“鬼ごっこ”の真っ最中だったんだ! こーしちゃいられない、早く逃げようよ、ミンミン!」
「もっ、もう、引っ張らないでよぉっ!」

 マオの手の中で手紙がクシャリと音を立てて丸まったかと思えば、次の瞬間には紙くずと化したそれが宙を舞っ
ていた。手紙を持っていたその手は、今はミナの手を握っており、二人は並んで逃げ出すかのように教室から飛び出す。
 行き先も分からないまま、マオはミナの手を握ったまま廊下を駆ける。彼女は本当にあの教室から逃げ出して
いた。あの手紙は絶対にミナに見せてはいけないと、そう強く思ったからだ。

 二人が教室を飛び出したのとほぼ同時に、紙くずは床に落ちた。
 元々はラブレターだった紙くず。中に書かれていたのは女の子から男の子に宛てたデートの誘い。

 デートの日時はクリスマス―今日。
 そして差出人である女の子の名前は―……。



 『あなたの事が大好きな 氷川レイカ より』

456:名無しさん@ピンキー
13/01/27 21:26:55.68 i+Kaavr8
久々な上にsage忘れてた、申し訳ない。
書き始めた年のクリスマスに完結させるつもりが、
気付けば二度目のクリスマスが過ぎている……。
久々の更新のクセにエロも捕食もなくてごめんよ。


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