【うpろだ】専用スレのないSS その3【代わり】at EROPARO
【うpろだ】専用スレのないSS その3【代わり】 - 暇つぶし2ch150:名無しさん@ピンキー
13/03/04 11:14:43.46 SWZiFRvQ
「んふふっ……んじゃ、いつもみたいにこのままもう1回。ね?」
琴羽がしがみついて胸を押し付け、おねだりしてくる。
オレの後ろにまわした手が、こちょこちょと首筋をくすぐる。これは琴羽の愛情表現らしい。
「んふっ、んっ……うんっ……」
鼻を鳴らしながら頬擦りして甘えてくる琴羽。ちくしょう、すっげぇ可愛い。 
いつもなら竿は硬いまま、おねだりに乗って2回戦に突入している所だ。
だが、全てを出し切った竿は精液プールのような膣内で萎え始めていた……
「…………むぅ」
「あ、あれ?しぼんできてる?毎回毎回、抜かずに2回か3回してるじゃない」
「出し切っちゃうと……無理、みたいだ……ごめん」
「おーい、元気だせ?」
琴羽が足の外から股間に手を伸ばし、タマをさわさわふにふにと撫でる。くすぐる。
指先にもてあそばれる2つのタマがメチャクチャ心地いい。
普段のオレなら、ぱっつんぱっつんに天をつく状態まで回復し、腰をふり始めるところだ。
けれども今回は硬くならず、半勃ち程度まで萎えて来てしまう。

151:名無しさん@ピンキー
13/03/04 11:16:10.04 SWZiFRvQ
「むー……だめか……あ!そうだ!」
なにやら思いついたような琴羽。ニヤリと笑う。
イヤな予感。わるだくみしてる顔だぞ、これは。
「ね、ちょっと返すね。痛かったりしたら言ってね」
「返す?!」
ぞわっ……
ちゅるるっ。
「やっぱりできた。よしっ」
これ、尿道を……え?
「いけ、マーメイドっ」
ちゅるるるる~っ
精液が……逆流して来る?!え、あ……うわああああ!
キモチイイ!!あ、うああああああきもちいいいいい!!
竿の中をどくどくと逆流して睾丸に入り込んでくる精液。
尿道、そして射精管を通り抜ける感覚がハンパじゃなく気持ちいい。
「なんだ……これ……う、は、もっと……してくれっ!」
「おー?気持ちいいんだ。あははっ!じゃあもっと返しちゃえ!どうせまたくれるんでしょ」
「お、おうっ!」

152:名無しさん@ピンキー
13/03/04 11:17:22.08 SWZiFRvQ
ちゅるっ!ちゅるるる~っ!
流れが強くなる。気持ち良さが強くなる……っ!
や、やばい。これ、は……クセになりそう、だ……
そういや射精管の中を精液が通過する時、付近の神経を刺激して快感が発生しているんだっけ。
逆流でもその刺激は刺激で変わらないわけだ。ってかそんなのどうでもいいか。
とにかく気持ちいい!すっげぇ気持ちいい!もっともっと……くれっ!
さらに、精液が戻ると共に萎えた性欲がぐんぐんと戻ってきているのを感じていた。
竿は硬度を取り戻していた。というか、ペネトレイターを使ったように超ガチガチだ。
睾丸にぱんぱんにたまった精液が、たぎってくる。
……切ない。これ、出したいっ……琴羽の膣内、に。
どっくんどっくん射精したい!さっきのように強烈な射精が……したいっ!!
世界で1番気持ちいい、琴羽のここに!!思いっきり!!
「あー、なんか返しすぎた?私の愛液も混ざってるし。1.5倍くらいそっち行ったかも」
「はぁ、はぁ、はぁ、なんかこっちがたっぷんたっぷんだよ……」
「……どう?」
「どうもこうも……あーもう!抱かせろっ!いますぐ膣内に出したい!出したいぃ!!」
「きゃっ!」
琴羽の上で再び腰を振り始める。
「なあ、これさ……何度でもできるんじゃないか」
「……うん。できるね」
「朝まで、する?」
「する、するぅ!」
「「マーメイドっ」」
…………
……

153:名無しさん@ピンキー
13/03/04 11:19:02.54 SWZiFRvQ
どくどくっ……どくどくっ……ちゅるる~っ……
「これ返しすぎだろ。ちょっと金玉痛いぞ」
「あ、ごめん。でも気持ちよさそうにもっともっとって言ってたじゃん」
「うっ……次は半分おっぱいに出すからな!膣内に出すとお前全部返すし」
「やんっ、おっぱいじゃ孕めないもんっ」
「残り半分で孕ませてやっから!」
「……え、えへへっ!じゃあ許す!」
どくっ……どくどくどくっ!!…………
「うはっ、吸ってる!マーメイド使って吸ってるだろ琴羽!」
「このほうが勢いがあって気持ちいいでしょ?ほーれほれ。子宮にたっぷり寄越しなさい」
「く……う、あっ!もっと吸って、くれぇっ!!」
ちゅるるる~~っ
「返すのってなんか寂しいのよね。……って聞いてないか。寝る前には全部ちょうだいね」
「聞いてるって!精液戻した状態じゃムラムラして寝れねーよ。ああもう気持ちいい~っ」
……どくどくっ………ぴゅぴゅっ…………ちゅるる~っ……
「さっき射精の直前、途中のここに精液が溜まってたのよね。タマタマに戻す前に溜めてみるね」
「う……お、おぉ?これ、射精寸前のぐぐぐっ!って高まる感じだ……」
「ほっほー?んで気持ちいいの?」
「超きもちいいっ!!でも続けられると厳しいな。射精したくてケモノみたいになっちまう」
「いいこと聞いた♪ふっふっふー」
「お、おいぃ?…………う、うあ?!?溜めすぎ!水圧かけすぎ!やばきもちいっ!」
「溜めた上に水圧かけるといいのか、ふむふむ」
「許して!これ、ぐぐぐってなった状態が続いて……早く!早く射精がしてぇっ!!」
「や、あ、はっ!奥、突きすぎっ!あ、あふっ……!ホントにケモノねっ」
どくっ、どくっ……どぷぅっ!ちゅるる~っ
どぷどぷ……ちゅるぅぅっ……
朝になってメティスパワーと体力が尽きるまで。
オレと琴羽は何度も何度も最高の快楽をむさぼり続けるのだった。

おわり

154:名無しさん@ピンキー
13/03/04 23:25:51.83 LaaJvCFL
sage

155:名無しさん@ピンキー
13/03/05 16:46:59.17 dGccPPWM
いいね!

156:名無しさん@ピンキー
13/04/13 07:11:28.79 tA7rsRDl
このスレはっ!

157:名無しさん@ピンキー
13/04/13 21:34:48.66 Z5XxzieY
まさにっ!

158:名無しさん@ピンキー
13/04/23 06:52:21.06 1YHP18I3
保守

159:名無しさん@ピンキー
13/04/26 21:01:25.93 6dKyAAkQ
age

160:名無しさん@ピンキー
13/05/05 22:20:42.90 ePtzVzUt
時代劇です
陵辱ものです
ヒロインは電撃コミックス「仕上げに殺陣あり」の冴さん
13レスでお送りします

161:女仕上人乱れ泣き
13/05/05 22:22:09.90 ePtzVzUt
人足の絶えた暗い夜道を、武家の男が二人、ひたひたと歩いている。
右手に行灯を持って先を行くのは筋骨逞しい堂々たる体躯の侍で、後を歩くのは全身から中間管理職の苦悩と哀しみを
漂わせた初老の男だ。
二人が三田・南代地町の雑木林に差し掛かったところで、初老の侍は足を緩め、少しずつ、少しずつ、先を行く侍との
距離を開けていく。
どこかで、遠雷が聞こえた。
前を歩く侍が立ち止まり、後ろを振り返った。
「鈴木殿、いかがなされた?」
そのときである―
道端に建つ地蔵堂の影から、ひとつの影が飛び出すと同時に、稲妻が疾った。
稲妻の光が一瞬、襲撃者の姿を浮かび上がらせる。
それは長い黒髪を靡かせた、まだ十代の美しい娘であった。
腋とフトモモを大胆に露出させた傾いた出で立ちの少女の姿に驚き、一瞬棒立ちになった侍に向かって、少女が身体ご
とぶつかってきた。
「うわわ!?」
信じられないことが起こった。
まだ少女といってよい華奢な娘が、巌のように逞しい体躯の侍を、人形かなにかのように軽々と持ち上げたのだ。
そして抱え上げた侍の身体をくるりと反転させ、その脳天を勢いよく地面に打ちつける。
「ぐげッッ!」
鈍い音とともに首が嫌な角度に曲がり、侍の全身からがくりと力が抜ける。
即死であった。
その間、初老の侍は微動だにせず、ことの一切をじっ見守っている。
絶命した侍を再び抱え起こした少女が顔をあげ、初老の侍と視線を合わせると、侍が微かに頷く。
少女は侍の亡骸を崖下に投げ捨て、風のように駆け去った。

あくる日―
下谷の湯島天神下に、五千石の大身旗本・杉浦丹後守(たんごのかみ)正峯の屋敷がある。
その奥の間で、二人の武士が密談を交わしていた。
一人は昨夜の殺しを見届けた武士で、名を鈴木市兵衛という。
もう一人は屋敷の主である丹後守その人であり、市兵衛は丹後守の側用人であった。
「そうか、小文吾は上手く始末できたか」
「はっ、表向きには夜道で足元を誤り転落死、ということに」
「うむ」
丹後守はさも満足気に頷き、すぐさま思い出したように顔を顰めた。

162:女仕上人乱れ泣き
13/05/05 22:23:15.56 ePtzVzUt
「それにしても笹野小文吾、目をかけてやった恩も忘れて大それた真似を」
「畏れ多くも丹後守さまから金品を脅し取ろうなど、全くもってけしからん話でございます」
どうやら昨夜殺された笹野なにがしという侍、主君である丹後守に対し強請りの類を働き、それがために殺されたとい
うことらしい。
「それにしてもあの小文吾を刀も抜かせず仕留めてのけるとは、その仕上人とやら、相当の剛の者よの」
ここで鈴木用人が適当に相槌を打っておけば、その後の展開は全く違ったものであったろう。
だが愚直なまでに正直者の鈴木用人はついうっかり、こう言ってしまった。
「それが驚いたことに、まだ二十歳にも満たぬ、見目麗しい女子でございまして」
それを聞いた丹後守の瞳が不気味な光を帯びた。
「女子、女子か…殺しを生業とする、若く、美しい女子……」
主のその様子を見て、今更ながらにこれは迂闊なことを言ったと慌てふためく鈴木用人。
「そ、そういえば先日我が家の三毛猫めが真っ白な子犬を産みましてな!」
などと意味不明な言動で必死に話題を逸らそうとするがあとの祭りである。
「これ市兵衛よ」
優しげといってもいい声音で、丹後守は側用人に話しかけた。
「その娘、是非とも喰らってみたいのう」
質実剛健、硬骨の武人と世評の高い丹後守、実は度を越した漁色家のうえ大いに嗜虐的な性癖の持ち主でもあった。

「うわわっ!?」
奇声とともに浪人の体が宙を舞った。
料亭・大村の玄関口で暴れる浪人者を投げ飛ばしたのは女中の出で立ちをしてはいるが、数日前の夜に笹野なにがしを
鮮やかに暗殺してのけた少女だ。
「こ、こやつめっ!」
激高して刀を抜いた浪人の足元の地面に、どすんと突き刺さったものがある。
それは人の臓腑を破り、骨を砕くに必要充分な質量を有する砲弾型の漬物石であった。
次弾を用意し投擲の姿勢に入った少女を見て、浪人は素早く身を翻した。
脱兎のごとく逃げ去る浪人を見送った冴は天を仰いで―
「ああ、嫌な渡世だなぁ…」
と、「座頭市物語(昭和37年・大映)」の勝新太郎のような科白を吐く。
「さすが冴ちゃん、頼りになるねえ」
「いよ、日本一!」
女中仲間や板前から口々に囃したてられ、冴と呼ばれた少女は苦笑した。
当時の江戸のこのあたりには、辻番所もなければ自身番もいない。
そこでこうした店ではどこでも力自慢の若い衆を置いて不測の事態に備えているのだが、どうやら大村では冴がその役
目を引き受けている様子である。
冴は物心ついたときには旅芸人の一座にいた。

163:女仕上人乱れ泣き
13/05/05 22:24:35.23 ePtzVzUt
生まれついての大力の持ち主で、燃費も出力に見合ったものであったため、口減らしのために売られたのだ。
その後の冴は辛く厳しい人生を送り、現在は「黄泉路の宗右衛門」こと蓬屋宗右衛門配下の仕上げ人となっている。
とはいっても殺しの仕事がそう毎日あるはずもなく、普段は蓬屋が表の看板にしている口入屋の伝手で、女中や仲居の
仕事をして日々の糧を得ているのだ。
今日も大村での仕事を終えた冴は、夕闇迫るなか、長屋への道のりを一人歩いていた。
するといきなり道の両側の竹やぶから、7~8人の男たちが冴の行く手と背後を塞ぐかたちで飛び出してきた。
全員が貧乏臭い風体の浪人もので、もれなく木刀や棍棒を手にしている。
「かかれっ!」
「ッ!?」
浪人たちが襲いかかってくると同時に、冴は「水戸黄門」の<かげろうお銀>のように一挙動で着物を脱ぎ捨て、ボデ
ィラインも露わな仕上げ人スタイルにチェンジする。
どう考えても無理のある早変わりだが、そこは時代劇のお約束ということでご容赦いただきたい。
「ぐあっ!」
先陣を切って打ちかかってきた浪人が、さっそく冴の拳を顔面に受けて地面に倒れた。
「おのれ女!」
おめき声をあげて木刀を振りかぶった二番手の大振りの一撃をかわしざま、柳腰をせくしぃにくねらせ半身を捻っての
回し蹴りを叩き込む。
「こやつめ!」
「手強いぞ!」
口々に叫びながら襲いくる浪人どもを相手に、生身の体ひとつで果敢に戦う冴。
人並みはずれた身体能力にくわえ、数々の<仕上げ>で鍛えられた体術はなまなかの武士にはひけをとらぬ。
拳を打ち込む度に着物の胸元を押し上げる豊かな膨らみが元気良く弾み、鋭い蹴りで腰まわりの布地が引き伸ばされる
とむっちりとしたお尻のラインが扇情的に浮き上がる。
その姿を竹やぶの中からじっと見つめる、ちょっと福本清三に似た眼光鋭い浪人がいた。
本所・四ッ目の外れに道場を構える釜本九十郎という名の剣客で、金になることならなんでもやる。
いま冴と戦っているのはみな、普段は釜本の道場でとぐろをまいている無頼浪人たちである。
油断なく見つめる釜本の前で、左右から同時に打ちかかって来た浪人を手刀と膝蹴りで捌いた冴がバランスを崩し、大
きく身体を泳がせた。
釜本はその機を逃さず飛び出した。
冴が体勢を立て直す間もなく、釜本の手にした長さ三尺の樫の木の棒が素早い動きでまず鳩尾に、ついで側頭部に入る。
「ぐっ…」
性根は卑しいが腕は一流の無頼剣客から痛恨の一撃をもらい、冴はたまらず昏倒した。

URLリンク(001.pinknotora.net)

すらりと伸びた四肢を投げ出し、仰向けに倒れた冴の周りに浪人どもが集まってきた。

164:女仕上人乱れ泣き
13/05/05 22:25:48.27 ePtzVzUt
「女め、手こずらせおっておって」
「だが美しい顔をしておるな」
「体つきもたまらぬわ」
気を失った冴の肢体に、ギラつく牡の劣情が浮かんだ視線を這わせる。
浪人のひとりがぐったりと脱力した冴の着物に手をかけた。
「ククク…」
襟を掴んでぐったりと脱力した上半身を引き起こし、そのまま左右に押し広げる。
乱暴に肌蹴られた胸元から豊かに実った胸果実が、着衣の束縛から解放されたことを悦ぶように勢い良くまろびでた。
若さと張りに満ちた見事なバストの開帳に、浪人たちは口を揃えて「おおっ」「ほおっ」と感嘆の声をあげる。
それはまさしく巨乳であり、なおかつ美乳でもある、一種芸術のような美しさであった。
トップとアンダーのバランスは理想的。
もぎたてのメロンのように瑞々しく、それでいて艶めかしい。
冴を剥いた浪人が、辛抱たまらぬといわんばかりにたわわに実った双球に指を這わせ、朱鷺色のニプルにむしゃぶりつ
こうとしたそのとき―。
「そこまでだ」
釜本がまったをかけた。
命知らずの無頼浪人も釜本には頭があがらぬらしく、しぶしぶといった体で冴の胸から手を離す。
そのあと浪人どもは縛りあげた冴を用意しておいた筵でくるみ、大八車に乗せて何処へと運び去ったのだった。

性交地獄に冴はうめいていた。
三人の男に責められていた。
膣は男のもので塞がれていた。
その冴の尻を別の男が抱えている。
男は肛門を責めていた。
その格好で冴はもう一人の男の男根を口に含んでいた。
男たちは冴の乳でも男根を擦らせる。
射精するまでやらされる。
ただやるだけではない。
冴はあえがねばならない。
男根に貫かれてどれだけ気持ちいいか、精液を飲まされてどれほど嬉しいかを口にしなければならない。
失神しているとき以外あらゆる痴態を演じさせられ、あまりの快楽に思考は麻痺状態。
被虐の悦びに何度も絶頂を極め、射精の度により奥へ注ぎ込んで欲しいと必死に懇願する。
膣と肛門には寝ているときでさえ肉棒か器具が挿入(はい)っていた。
この地獄がどこにあるのか、冴にはわからない。
この地獄が始まってから、何日が過ぎたのかもわからなくなっていた。

165:女仕上人乱れ泣き
13/05/05 22:27:12.11 ePtzVzUt
牛込の早稲田町で薬種問屋を営む加島屋金五郎という男がいる。
この加島屋、実は丹後守の同好の士であり、冴が運び込まれたのは加島屋と丹後守が二人して人目を憚る趣味を心ゆく
まで楽しむため、江戸市中に用意した秘密の別宅であった。
「んむ…ぶぐぅ……」
押し殺した呻き声とともに、白い女体がくねっている。
冴の肢体は荒縄で緊縛され、天井から吊り下げられていた。
室内には甘い香りの煙がたなびいている。
口に噛まされた猿轡には濡れた布切れが巻かれ、その布から染み出た甘く熱い液体が喉に流れ込んでくる。
「むむうぅうんんッ!?」
豊かな乳房は上下を紐で締め上げられ、パンパンに張り詰めている。
静脈を浮かせた乳肌の表面を、滑らかな脇腹を、脂の乗った太腿を、無数の舌と指が這い回る。
屋敷に運び込まれた冴は加島屋と丹後守の餌食となり、屋敷内に飼われている女奴隷たちの濃厚な色責めを、延々と受
けていたのであった。
女たちの舌は勃起しきった乳首を意地悪く避け、しつこく回りを舐めしゃぶっている。
荒い息をつきながら、冴はせつなそうに腰をよじっていた。
冴の力ならばすぐにでも縄を引き千切って抜け出せるはずなのだが、猿轡から染み出す得体の知れない薬液が筋肉を弛
緩させ、室内に漂う甘い香の香りが思考を鈍らせていた。

URLリンク(001.pinknotora.net)

「どうだい、たまらないだろう?」
冴を責める女奴隷たちを仕切るのはヨランダという名の、信じられないほど大きな胸とくびれた腰、そして長い脚を持
つ金髪碧眼の白人女性である。
座敷牢に押し込められ、薬で酩酊状態にした冴に調教を施したのがこのヨランダであった。
それにしても幕府が鎖国によって外国に門戸を閉ざしていたこの時代、将軍家のおわす江戸城にこれほど近い場所で南
蛮人の女を囲うなど、よほどの後ろ盾がなくてはとても出来ぬことである。
そういえば笹野小文吾暗殺に仕上げ人を雇うよう丹後守に進言したのも、冴の拉致を命じられた鈴木用人に私兵として
使っている釜本一派を紹介したのも加島屋であった。
加島屋金五郎、なんとも底知れぬ男である。
「仕上げ人というからどんな女かと思っていたら、なんて可愛らしいお嬢ちゃん」
冴の鼻先に息がかかるほどの距離に顔を寄せ、ヨランダは淫猥極まる娼婦の笑みを浮かべた。
「本当、全身どこもかしこもお見事ね」
ヨランダの言うとおり、痛々しく緊縛されていてさえ、冴の裸身は美しかった。
広い肩幅に豊かな胸、乳輪は幅広で淡い桜色をしている。
身体の線は腰周りでぐっとくびれた後、臀の部分で大きく広がり、すらりと伸びた脚へと続く。
「せっかくの身体を無駄使いして……私が正しい使い方を教えてあげるわ」

166:女仕上人乱れ泣き
13/05/05 22:28:12.69 ePtzVzUt
肉感的な唇が割れて、恐ろしいほどに紅い舌が現れた。
反射的に強く閉された冴の唇にヨランダの唇が吸い付き、細長い舌先がうねうねと動く。
「んんっ……」
冴は強引な口づけから逃れようと顔を激しく左右に振り、身体を大きく揺さぶった。
柔肌に縄が食い込み、鍛えられた冴の背筋が軋む。
「大人しくしてなさい、可愛がってあげるから」
瑞々しい冴の肢体に、淫蕩なヨランダの肢体が絡みつく。
身体を強張らせる冴の首筋に唇を滑らせると、ゾクリと戦慄が走った。
「んんっ―ふふうあっ―」
自分の喉が切なげな喘ぎを搾り出すのに慄然とした冴は、全身を緊張させて堪えようとする。
「無駄よ」
身体の横に回ったヨランダが、首筋に舌を這わせながら乳房に手を触れてきた。
胎内が淫熱を帯びて全身が脱力をさせられていく。
「この…変態―はぐぅ…っ!」
頬が上気し心臓が早鐘のように高鳴りをさせられて、息乱れる全身が霧を吹いたように汗に濡れる。
瞳が潤み細い肩が扇情的に上下し、頭や乳房の内側、腰の最奥が燃えるように熱を上げさせられてゆく。
しなやかなヨランダの指が、瑞々しい女体を撫で這い回る。
柔らかな上腕内側、脇の下、そして細い腰回りを執拗に舐められる。
「やめ、ろ……そこっ!くふぅ、んんぅッ!」
徐々に蓄積される悪魔の媚悦を振り切ろうと、冴は肢体を躍らせ縄を軋ませた。
だが涎に濡れた唇から漏れる声はあまりに甘く、潤んだ瞳と艶っぽい表情は、肉体が被虐の悦びを覚えているなにより
の証拠だった。
薬に犯された身体は理性の望まぬ期待感に淫熱を上げ、ドクドクと心臓の鼓動を早めてゆく。
(ああ、ダメ!気持ち良過ぎる……!)
乳房から生じる甘い愉悦が、徐々に大きくなってくる。
下腹が疼き、秘裂に熱いものが滲む
淫毒に犯された身体は熱い衝動を感じている。
子宮はまるで、坩堝のように煮え滾っていた。
「ああッ、ああああッ……!!」
苛烈なまでの切なさに、キリキリッと全身の筋肉を硬直させる。
ドッと汗が滲んでくびれた脇腹を滴った。
白蛇のようにのたうちながら、緊縛されたダイナマイトボディを震わせ続ける。
ヨランダの指が、熱く潤った雌花に触れた。
「はあんッ……!!」
冴が絶叫を迸らせた。
指の腹で軽く撫でられるだけで、感じ易すぎる肉薔薇は少女の子宮に鋭い快美感を送り込んでしまうのだ。
湿地を掻きまわす指先が膣口の粘膜を擦り上げると、快感電流がビビビンと疾り、身体が勝手に反り返ってしまう

167:女仕上人乱れ泣き
13/05/05 22:29:06.39 ePtzVzUt
弓なりになった背筋に合わせ、桃尻が見えない手に吊られたようにせり上がる。
淫靡な悦びを産みつける指先から逃れようとして、冴は自由の利かぬ身体を揺すり、必死に腰をくねらせた。
だが蕩けた腰には意志が伝わらず、くびれたウエストが虚しくくねるだけ。
焦ってさらに身悶えれば、今度は胸の肉果がたぷたぷと揺れ、縄目に擦りまくられ快感を倍化させてしまう。
ヨランダが泣き悶える冴を喜々として弄っているところへ、屋敷の警護に当たっていた釜本浪人がやって来た。
「おいでになられたぞ」
丹後守は冴を捕らえたと聞くや、加島屋を伴って飛んできた。
丹後守が通された部屋で、冴は一糸纏わぬ姿で柱にくくりつけられていた。
両手は革の手枷を嵌められ、柱を後ろ抱きにする形で拘束されている。
胸の上下と腰にも革ベルトが回され、柱に固定されている。
ベルトに挟まれた乳房は固く張り詰め、先端の乳首は局限まで飛び出していた。
「おおっ!」
抑えきれない官能に身を灼かれ、切なげに身悶えする冴の、美しくも淫らな姿に丹後守の喉がゴクリと鳴った。
「下拵えは済んでおります、存分にご賞味くださいませ」
揉み手しながら加島屋が言う。
「う、うむ…」
瞳に劣情をギラつかせ、舌なめずりしながら冴ににじり寄る。
「その肌と孔、じっくりと味あわせてもらうぞ…」
女奴隷たちの愛撫をたっぷりと受けた柔肌は淫蕩に赤らみ、媚薬効果を持つ軟膏を塗りこめられて、いやらしくぬめり
光っている。
丹後守は身動きできぬ冴の背後に回ると、滑らかな背中にゆっくりと顔を近づけ、頬を擦りつけた。
「はうっ!!」
中年男のザラついた肌による刺激が、柔肌に宿った淫熱を揉み散らす。
鋼線を束ねたようなしなやかな背筋が、豆腐のようにグズグズになってしまう。
「おお、なんという心地よい肌じゃ、絹のように滑らかで、しかもモチモチしておるわい」
悶える冴の背に唇を這わせつつ、鼻腔を広げて体臭を嗅ぐ。
「しかもこの香り、若い牝の芳香だ」
グヘヘと下品に笑った。
「さて、いよいよ……」
冴の乳房に、丹後守の手が下からそっと添えられた。
乳根にかかっていた重量が軽減し、上下に揺すられる。
「いやらしい肉がたっぷりと詰まっておるわ、それに形も素晴らしい、今まで何人の男に揉ませたのじゃ?」
冴は一言も発することなく、殺意に満ちた鋭い視線を返す。
「気の強そうなところも良い」
柔らかさよりも張りと弾力が勝る若い乳房に丹後守の五指が貼りつき、ムニムニと圧力を加えはじめる。

168:女仕上人乱れ泣き
13/05/05 22:55:39.36 ePtzVzUt
柔らかな肉球をうねうねと変形させ、親指と人差し指で乳首を嬲る。
丹後守の熱い息の仲で乳首が震えた。
舌が伸ばされる。
生暖かいザラつきとぬめりが、まずは淡い乳輪をチロッとなぞる。
ギチッ!
冴の身体が強張り、柱の後ろで革帯が鳴った。
ざらついた舌が、薄桃色の愛らしい乳頭を転がし始める。
ゆっくりと、やがて唾液が飛び散るほど激しく。
「嫌……」
思わず陵辱の予感に怯える生娘の、弱々しい声が出てしまった。
それに気をよくしたのか、丹後守はひたすら冴の胸を責めた。
「むう、かように揉み心地のよい胸は初めてじゃ、ずっと揉んでいたいぞ」
そういいつつも、丹後守は冴の胸から離れ、その攻め手を下半身へと向けた。
「加島屋、お主も此奴の胸を味わってみるがよい」
そう言ってぷりぷりとした尻たぶを両手で揉み込み、大冠水した三角州に顔を埋める丹後守。
「では、お言葉に甘えて…」
加島屋が乳房に吸いついた。
二人がかりの責めに、冴の性感は否応なしに昂ぶらされていく。
金五郎の手が、大きな水晶球を磨くように乳房を撫で回す。
「はひっ、ああん、ふああああ……」
下から上へ、手前から奥へ、金五郎の手が動くたびに、乳房の中で新たな喜悦が花開き、花蜜をじくじくと溢れさせる。
「とても滑らかで柔らかいですねえ、なんともいえない弾力もありますよ、手にかかる肉の重量感もたまらない。私が
手がけた商品の中でも最高の一品です」
金五郎の賞賛に見せかけた言葉嬲りが、冴の怒りに火をつけた。
「殺す…お前たち、絶対に殺す……!」
「おお、怖い怖い」
両手の指が同時に、強く乳房に食い入った。
「あっぎひいいいっ!」
五本の指がめり込み、美乳の形が大きくたわむ。
全体が前へ押し出されて、盛り上がった乳輪部分が苦しげに跳ねまわり、さらに硬さを増した乳首が内側から破裂しそ
うに振動する。
その全てが、目もくらむ快感の暴風を生み、冴の意識を吹き飛ばした。
食い込んだ指が、熟れ切った肉果実を千切り取るように上下左右に振り回す。
「ひいやああああああっ!」
目の前に光が飛び散った。
痛みはなく、別のものが爆発して冴を打ちのめす。

169:女仕上人乱れ泣き
13/05/05 22:56:38.06 ePtzVzUt
パチンッ!と音を立てて、腰を戒めていた革ベルトが外された
床に跪かされた冴の眼前に、丹後守の股間から反り返った男根が突きつけられていた。。
「さ、まずは口でご奉仕よ」
ヨランダがビクビクと脈動する肉竿に手を添えて、優しく口付けをしてみせる。
「咥えなさい、根元まで呑み込んでレロレロするのよ」
「だ、誰が…こんな、汚いモノ……ほおおおおぉッ!?」
拒絶の言葉は途中から悲鳴に変わった。
ヨランダが冴の菊門に人指しを挿入したのだ。
「や・り・な・さ・い」
そして中で“つ”の字型に曲げた指で肉壁を引っ掻く。
「んぁ、んッ、いひ……ぐむむッッ!?」
肛虐の激感に喘ぐ冴の口に、手練の肉槍が突き入れられた。
「佐分利(さぶり)流槍術免許皆伝の腕前、とくと味わうがよい」
年齢の割りには引き締まった丹後守の腰が不気味なほど滑らかに動き、リズミカルに抽送される男根が冴の唇から喉奥
までを、徹底的に犯し抜く。
「むう、口はいまひとつじゃのう…」
「初めてはそんなものでございますよ」
不満気な丹後守を加島屋がなだめる。
「ではこれを使いましょう」
加島屋のモノにフェラチオ奉仕をしていたヨランダが身を起こして冴の傍らに移動すると、たわわに実った肉果を両側
から寄せ上げて、張りのある柔房で男根を包み込んでいく。
「おう、これはいい!柔らかい乳肉が儂のモノを締め付けて…おう、これではすぐに射精してしまうわ。ほれ早く、早
く動かして儂の精液を搾り出さんか!」
「やるのよ、それともまたお尻を虐められたい?」
冴は美貌を羞恥と屈辱に歪め、鴇色の頂を尖らせた豊乳を自ら上下に動かして、丹後守に快楽を与えはじめた。
肉竿を挟んだ双球はゴム鞠のように弾みながら血管の浮き出した淫幹を扱き、肉房の内部まで染み込んでくる雄熱が両
胸を激しく疼かせる。
不意に冴の乳に抱かれた肉棒がビクビクと脈打ちはじめたかと思うと―
「んー!」
喉奥で爆発が起こった。
口腔に溢れかえる液体は凄まじい量で、窒息しかかった冴はゴクゴクと飲み続けるしかなかった。
四肢をついてゲェゲェと咳き込む冴を他所に、丹後守の暴れん棒は一度精を噴き出しただけではいささかも萎えず、天
に向かってそそり立っている。
それを満足気に見たヨランダは、冴に休む間を与えず押し倒すと、お尻を突き出させた。
「さ、お殿様」
ヨランダは、冴のぷるりんとした尻の谷間に指をこじ入れ、とろとろと愛液を垂れ流す肉あけびをぱっくりと割り開く。

170:女仕上人乱れ泣き
13/05/05 22:58:25.69 ePtzVzUt
ゆさ、ゆさ―
犬のように四つん這いの姿勢をとらされた両腕の間で、たわわに熟した胸果実が揺れる。
「あっ!?」
ぐにゅ!
背後からのしかかる丹後守の重みで胸が落ち、冷たい床に潰された乳首が乳暈にめり込むと、柔肉がこじられて鋭い快
感が刻みこまれた。
いきり立った肉の凶器が冴の秘部にあてがわれ―
ズニュ……ズプズプ……ジュプジュブ……
「くはぁああぁああぁああああっ!やめ……あぐっ……ッ!?」
愛液に濡れてもまだ硬く狭い膣壁を擦りながら、奥を目指して突き進む肉槍が、純潔を守る最後の障壁に触れ停止した。
丹後守の顔に残酷な笑みが浮かび、冴の肉体が処女を散らされる慄きに震える。
「やめ……て……許し……」
声を震わせ哀願する冴。
だが、エレクトしたペニスに良心はない(ミッキー・スピレイン)。
ズプッ!ジュブズリュブジュリュウウウウウゥゥゥッ!
汚れを知らぬ花園を踏みにじる無慈悲な挿入がいま、行われた。
「あひッ!ンはッ……ふぅはぁあああッッ!」
(ああっ!硬い、熱い、太いぃいッ!)
男根を挿入された途端、こらえ続けていた淫欲が爆発した。
痛みを凌駕する快感にたまらず声をあげ、男の腰に自ら脚を絡ませる。
肉欲に我慢ができなくなっていた肉体は早くも膣壁をうねらせ、雌蜜をまぶした男根に絡みついて淫靡に蠢く。
「何たる美味、何たる媚態、実に素晴らしき女体じゃ。隅々まで味わい尽くしてくれようぞ」
直線的だった丹後守の腰使いが、緩やかに執拗に掻き回すような円の動きへと変わる。
グチュグチュと泡立つ密度の高い分泌液が、二人の結合部から溢れて板の間を濡らす。
数多くの女を喰らってきた丹後守の熟練の腰使いに、肉の悦びに屈服してしまった牝の心と身体が過敏に反応した。
「ふくぅぅぅ…ふぁ、あっ、あふぅぅン…」
胎内に直接打ち込まれた剛直がもたらす効果は、ヨランダから受けた愛撫の比ではない。
「…く、はぅ、あおぅぅっっっ!」
全神経を振り絞り、必死に声を出すまいとする。
「おぉぅっっ!くほぅぅっっ!」
けれど不可能なのだ。
強靭な筋力と女性らしいまろやかな曲線を両立させた自慢の美体は、ヨランダの調教によって娼婦のような淫肉に性質
を変えられてしまっている。
誰が聞いても発情した牝のものだとはっきりとわかるいやらしさで、喉から太く、深みのある嬌声が吐き出される。
「こ、ぉぉぉっっ…あひぃっっっ!」
胸を揉まれ、膣を突かれる度、全身を疾る激感に涙を流し、張りを増す牝の肢体を淫らにくねらせて懊悩する。

171:女仕上人乱れ泣き
13/05/05 22:59:16.07 ePtzVzUt
陰茎に膣壁を押し広げられるたび、背筋を反らせて甘声を迸らせた。
ちゅぶっ!くちゅぅ……。
脂ぎった丹後守の唇が、冴の口唇に重ねられた。
肉悦に翻弄される冴はどうすることもできず、されるがままに舌の侵入を許してしまう。
「んふっ!むふっ!んんん…」
蛭のような丹後守の舌が、冴の舌に絡みつく。
ねっとりと互いの粘液が混ざり合い、漏れ出た唾液が顎を垂れ、荒々しく揉みしだかれる双球を濡らした。
腰が止められない。
犯されているというのに、我慢しきれぬ肉体が自発的にくねりだす。
「おおう!よいぞ、もっと腰を使え。貴様の肉体と技でもっと奉仕するのじゃ!」
「はぃ、いぁぁぁっ……!」
獣の体位で犯されながら、明らかに冴は興奮し、豊満な肢体をくねらせている。
「この、生まれながらの好き者が!そりゃ、そりゃあっ!」
「ふぐぅ、うふぅんッ、はあ…あはぁ……」
苦しげに吐息を繰り返しながら、美しい顔を歪めて悶える冴の姿は、丹後守の嗜虐心を大いにそそった。
「どうだ、イイか?儂の逸物は美味いであろう、この牝犬めがッ!」
様々な体位を駆使しての丹後守の怒涛の責めに、冴は全身がぬめるほどの淫汗を噴出し、何度も絶叫を張り絞る。
「そら、熱いぞっ!」
煮え滾った牡のエキスが冴の胎内にぶちまけられる。
その衝撃、その歓喜。
「ああイく、イく…いぃいっ!クぅうう―――ッ!」
ヘソを突き上げ、乳房を揺らして、ガクガクと痙攣する冴の裸身が限界まで仰け反り、一瞬の硬直の後、がっくりとく
ずれ落ちた。
「さあ、私の番ですな」
丹後守と交代した加島屋が冴にのしかかる。
「うう!」
人生初の膣内射精の衝撃から立ち直る暇もなく、再び雌花への侵略を受けた冴が弱々しく喘ぐ。
加島屋は冴を抱きかかえるとごろりと回転して自分が下となり、冴の身体を持ち上げて騎乗位の体勢をとった。
「どうですお嬢さん、私たちの奴隷になりませんか?」
ガンガンと突き上げながら下から手を伸ばし、ゴム鞠のように弾む双球をグニグニと揉みしだく。
「あうっ…ヒッ!」
「ひとこと『なる』と言えばもっと気持ちよくしてさしあげますよ?」
右の親指と人差し指で摘んだ乳首をキリキリと抓り、左で鷲掴んだ乳球をギュッギュと捏ね回す。
「なっ……なりますぅぅッ!」
男根がもたらす性の悦びに圧倒され、遂に自分から奴隷の言葉を口にする。
「では、ひとつ今度はこちらを味あわせてもらおう」

172:女仕上人乱れ泣き
13/05/05 23:00:13.88 ePtzVzUt
加島屋と冴の性交を見ているうちに、硬さを取り戻した丹後守が冴の尻を抱えた。
「さあどうぞ」
加島屋が両手で冴の尻たぶを掴み、左右に広げてアヌスを剥きだしにする。
「あうっ!」
菊門をこじ開けようとする剛直の圧力に、身体を仰け反らせて抵抗する冴。
「力を抜け、すぐに極楽へ連れて行ってやる」
ズンッ!
一気に根元まで挿入すると、見事なプロポーションの肢体を揺するように動かしはじめる。
「あ、ああ、あぁあ……ッ!」
加島屋が前を、丹後守が後ろを、リズムを合わせての二穴責めに冴の口からよがり声が迸る。
「うお、出すぞ!」
「こちらもいきますぞぉ!」
「あっ、あっ、ああぁーっ!あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――っ!」

URLリンク(001.pinknotora.net)

それから何度目の射精であろうか。
丹後守も加島屋もいずれ劣らぬ蝶☆絶倫であり、一回の射精量も常人の及ぶところではない。
子宮と直腸に入りきらない白濁がどぼどぼと逆流し、雪崩のように冴の裸体を滑落した。
胸も尻も白濁にまみれ、汗と涙に濡れた顔面も白く染め上げられる。
鴉の濡れ羽色の長髪も丹念に白化粧を重ねられ、滴り落ちた白濁が板の間に精液溜まりを作り出す。
身体の中も外も男の精でくまなく満たされ、冴は疫病に罹ったようにのたうち、悶え、すすり泣いた。
「なかぁ、らめぇぇ……ひ!ま、またぁ……!?」
どぶ、どぼぼ!
剛砲が再び脈動し、抜かずの二発目がぶちまけられた。
内蔵を破られそうなほどの圧迫感が胎内に広がり、もうその苦しさと、剛肉棒の脈動だけしか感じられない。
圧倒的な被虐に押し流され、冴の正気が彼方へと消えていく―
「こ、こんなぁ……おなふぁ、おなかいっぱひ……!だめぇぇ……っク、イクぅ……!」
「ククク、また果ておったか……どこまでもはしたない牝だ、だが儂はまだ満足しておらぬぞ、まだまだたっぷりと注
ぎ込んでくれる……ハハハ!」
「休んでいる暇はありませんよ。さ、続き続き…」

「んぐっ、む……んあ……ぷ……」
冴は一心不乱に舌を動かしている。
前後の肉孔を獣のように突かれながら、根元まで口の中に埋まった肉棒を舐めしゃぶる。
同時に両手の指もしなやかに動かして、熱く脈打つペニスに手淫奉仕を続ける。

173:女仕上人乱れ泣き
13/05/05 23:01:15.71 ePtzVzUt
びゅるるっ!どくどくっ!正面でフェラチオされていた浪人が一番に果てた。
寸前に口から抜き出されたペニスが、びくびくと震えながら精液を吐き出していく。
冴の端正な顔に、一瞬で白い河川ができあがった。
「くふぉっ!」
「んあっ!!」
「射精(で)るッ!」
「んむうっ!」
「おおうっ!」
どぴゅうっ!ぶぴゅるっ!!ぶびゅびゅっ!ぴゅるびゅるるっ!!ぶぴっ、ぶぴゅーッ!
乳に、尻に太腿に。
髪に、腋に、脹脛に。
どこもかしこも淫靡で柔らかな冴の肉に擦りつけられていた男根が、牡汁の一斉射を浴びせかける。
「ふおっ、あぶうぅ!ん、ぐぅっ!!ふあっ、はあっ!あ、あああぁ……ッ!」
冴を甘美に狂わせる男たちの男根が、申し合わせたように一斉に、大量の精液をぶちまけた。
口の中に迸る沸騰した粘液。
味蕾に広がる苦しょっぱい味。
気道を遡って鼻腔に満ちる濃密な牡香―冴は男根を吐き出し、弾けるように反り返った。
ドピュッ!ドピュピュッ!!
ビュル、ビュルルルル!
仰向いた冴の顔に、べちょべちょと降り注ぐ大きなダマ。
唾液にぬめり光る男根はもちろん、頬や口元に擦りつけられていた肉棒からも煮詰めたように濃密な牡汁が迸る。
「うぅ、うぅぅ……」
紅く染まった冴の頬を、白い滴が幾筋も流れ落ちる。
黒髪を汚した白濁液はなだらかな額を下り落ち、鼻筋の脇を下って口元を濡らす。
顔を外れた奔流は乳房に飛び散り、柔らかな曲面に沿って白いぬめりの塊が広がる。
胸の谷間にも、硝子細工のように華奢な鎖骨にも、ヌメヌメ輝く粘液が垂れ落ちる。
「せいえき……せいえきぃ……こんなにたくさん、せい、え…きぃ……」
どろりと流れる大きなダマに瞼を塞がれながら、冴はうっとりと微笑んだ―

丹後守と加島屋にたっぷりと嬲り抜かれた冴は、次に釜本道場の浪人どもに散々に輪姦された。
加島屋は冴を自身や配下の慰み物にする一方、同好の士を集めた集会の見世物として、犬や豚、さらには飛騨山中に人
知れず生息する大型類人猿とも交わらせた。
そして半月後―
「ど、どうしちゃったんだよ冴……」
加島屋金五郎の仕上げを請け負い、別宅に忍び込んだ涼の前に立ちはだかったのは、従順な肉奴隷に墜ちたかつての相
棒だった。

174:名無しさん@ピンキー
13/05/06 13:30:00.37 nbCLi+cm
知らないけど原作が読みたくなるSSだった。
世界観が微妙と思ったら、江戸なのに眼鏡とか原作からそういうノリなのな。
GJでした

175:酔いのシメ
13/06/11 22:29:31.16 sAkejxQk
  
洋酒は苦手だ。
上手く言い表せないが、洋酒を飲んでいると大蛇に頭を締め付けられているように感じる。
『呑む』のではなく『呑まれる』感覚。
俺の得意客にはウイスキーやブランデーを嗜む人間が多く、その付き合いとなれば俺も洋酒を呷らざるを得ない。
とはいえ、俺も1人の酒呑みだ。
嫌な思いをした酒の席の後は、心地良い酔いで取り返したいと思う。
そんな時、俺が頼るのは一件の居酒屋だ。

「ミッちゃん、ミッちゃんよう……」
俺は千鳥足で店先へと辿り着き、救いを求めるように引き戸を押し開けた。
昭和の時代から引きずって来たような狭い居酒屋。
客の姿はなく、それもそのはず、今は夜中の3時。本来なら店の営業時間はとうに終わっている。
表にも準備中の札が出てはいるが、それは一般の客に向けた話だ。
「………………。」
カウンターの向こうに立つ女は、俺の方に視線すら寄越さない。
良い女は良い女だ。
ひと昔前のスケバンを思わせるようなキツい目つき、色白な肌、小ぶりな鼻と唇に、咥え煙草。
愛想など欠片もないその横顔は、しかし何人の男の心を奪うだろう。
ただ、だからとて俺がその美貌を目当てに通っているかといえば、どうにも違う。
この『ママ』美智子は、七年前に事故で死んだ幼馴染の嫁……それ以上のものじゃない。

俺がカウンター席に着くと、美智子はコップに酒を注ぎ、硬い音を立てて俺の前に置いた。
ちびりとそれを飲る。
地酒ながらこれという癖もない、他所に住んでいればわざわざ呑みに来る事はないだろう味だ。
けれどだからこそ、どんな料理にも邪魔にならない。難しい考えを抜きにして愉しめる。
いわば白米のようなものだ。
俺がコップの酒を呷る前で、美智子は焼き網の上で何かを炙り始める。
普通の客に出したメシの余りを簡単に処理した、いわば『賄い』だ。

網からの煙と、煙草の煙が調理場に交じり合う。
物憂げに手元を見つめる瞳、だらしなく斜め下に咥えた煙草。
無造作にゴムで結わえた髪と、紫のジャージとの間に覗くうなじ。
酔いのせいか、それら全てが妙に色めいて見える。
じっさい美智子は、未だにハタチの頃のそれと大差のないボディラインを保っている。
欲情に足る対象である事は、客観的にも明白だ。

店に立ち寄った客から聞いた、彼女をイメージする。
客の前で煙草は吸わず、髪をきちりと結い、着物を着ている。笑みを見せる事もあるという。
そのような不可思議な姿を、俺は見たことはない。
彼女の素しか、俺は見ることはない。

176:酔いのシメ
13/06/11 22:30:46.86 sAkejxQk
  
簡素なつまみが供される。
半端に割れたような形の陶器に、あぶり焼きの筍が乗っているもの。
横には蕗味噌が添えられており、これが筍とあわさって中々にいい肴になる。
まずは箸の先で弄くるようにしながら、それらの苦味を味わっていく。
美智子はカウンターの向こうで頬杖をつき、煙草を咥えたままでテレビを眺めていた。
時おり煙草の灰を落としながら欠伸をする。
俺はしばし、黙って時を過ごした。暗黙の了解とでも言うのか。

「……ミッちゃん、よう」
十分余りをかけて一品目を粗方喰い、皿の溝に入り込んだ蕗味噌を箸で穿り返しながら、ようやくに俺は口を開く。
そこから始まるのは愚痴だ。
他愛もない世間話を交えながらの愚痴。
美智子はたまに「へぇ」や「そうかい」といった応えを寄越しながらも、基本的には聞き流している。
稀にスケバンさながらの眼光でジロリとこちらを見やる事もある。
普通の男なら気圧されて黙るだろう。
しかし、美智子が鋭い瞳を寄越すのは、相手にある程度の関心を抱いている証拠だ。
逆にその瞳をペルシア猫のように若干開き、一見興味深そうにした時が興味の切れ目。
美智子に熱を上げる男どもの九分九厘が、この辺りの機微を履き違えている。

美智子は折に触れてコップに酒を注ぎながら、逐次肴を拵えては供してくれた。
煮魚の残り物を焼き直したもの。
照り焼きのような魚の身に、煮凝りが添えられているのが嬉しいところだ。
焼きによってパリッと張りを持った皮に、ややパサつきながらも旨み・汁気共に十分な身、濃縮された味の煮凝り。
酒が進んで、進んで、仕方がない。やはり『魚』こそは『肴』の最たるものだと実感させられる。

次の、蓮根と牛蒡を煮付けたものも美味だった。
作ってから時間を置いて冷えた分だけ、ぎゅうと味が染みこんでいる。
根菜特有の“噛みしめに応える歯ごたえ”と同時に、酔っていても解るダシの風味が滲み出てくる快感は並ではない。
シャクシャクと噛みながら、同時に口の中でその砕いた野菜を啜る。しばし言葉を封印する。
旨い。

次には、ここで淡白な冷奴が供された。
青葱とおろし生姜だけを乗せたものに、醤油を注いでおもむろに箸で割る。口へ運ぶ。
いっさいの誤魔化しがない清涼な風味だ。どこをとっても清清しいほどに、和。
あまりの心地よさに、いつも酒を二の次にして掻きこんでしまう。中毒性があるが、二個はいらない。

さらに酢ダコ、鴨肉の切れ端などが続き、いよいよ俺の酔いも深くなってきた。
もはや呂律も回らず、自分が何を語っているのかも解らない。
ふわふわと波間を漂うようで心地良い。そして供される料理も、酔いが深まるほどに美味く感じるものが多い。
この辺りの美智子の采配は、さすがと言うほかはなかった。

177:酔いのシメ
13/06/11 22:31:42.11 sAkejxQk
  
そしてついに、シメの一品が現れる。幻のメニュー、魚介ラーメン。
毎度ながらこれがたまらない。
おそらく素面の状態で喰っても、さほど感動などないだろう。
しかしアルコールが入って味覚の麻痺した状態でなら、その評価は一変する。
スープはあっさり目で重くはない。重い腹にも抵抗なく受け入れられ、妙に美味い。
アゴやホタテ、シジミ、アサリ、ハマグリなどから十分な時間をかけて摂られたダシが絶妙だ。
さらに美味いだけでなく、それらの含まれる成分によって、二日酔いが劇的に抑えられるという利点もある。
最後のこれを喰う事によって、俺の呑みは幸せに終わると言って良い。

俺はラーメンをぺろりと平らげ、万札をテーブルに置いて席を立った。
「多いよ、また細かくなってから払いな」
美智子は一旦はそう言ってつき返そうとするが、俺が譲らない。
時間外の迷惑料と、良い酒の席を得られた感謝の気持ちだ。
美智子は数度の悶着の後、諦めたように万札を引き取った。

「…………お疲れ。」

店を出る最後の瞬間、後ろから掛けられた一言で、俺はすべてから救われた気分になる。
一言返した口の中を、苦味と渋み、そしてそれを覆う豊かな甘みが巡り、俺に夢見心地を味わわせた。



                             終

178:名無しさん@ピンキー
13/06/11 22:35:07.87 /kEfV0yM
リアルタイムGJ!
読んでて口の中のよだれが止まらなかった。
超リアルで日本酒を冷やでやってた所だからw

こんな気の利いた居酒屋。近くにあればなぁ・・・・orz

179:名無しさん@ピンキー
13/06/11 23:59:16.69 PobtV1KJ
夜中になんつーもん読ませてくれるんだアンタは!
GJ!

180:名無しさん@ピンキー
13/06/12 01:45:37.39 Zd+bpFY0
なんて腹の減るssなんだ……
とてもgj

181:名無しさん@ピンキー
13/06/12 13:40:00.80 ftaxvYM5
乙!

182:名無しさん@ピンキー
13/06/13 00:42:40.69 Fsx5cZnJ
よりによって夜中に読んでしまった…
口の中に唾液がわいてたまらん
魚介ラーメン食べたい
GJ

183:名無しさん@ピンキー
13/06/16 23:35:16.59 hnKooKIX
GJ!! 
やっとレスできた!
こういうの大好きだ、読めて最高です!

184:名無しさん@ピンキー
13/06/17 00:23:04.09 ABrxBS3j
ほんとは最低1週間空けないとダメだとは思うんだけど、
規制解除された隙に、投下させてください。
申し訳ない。


>>46-60のその後の話を投下しに来ました。

戦国・夫婦もの
和姦

今回で投下終わりです。
だらだらすみません。

規制のキツくてまいりました
もし投下中にまた規制されたら、すみません。

スル―の場合は、10レス分、>>195付近まで飛ばすか、タイトルNGでおねがいします。

以下投下↓

185:片月―かたわれのつき―
13/06/17 00:24:39.52 ABrxBS3j
           
織田家を放逐され浪人の身となってから、はや二年が経とうとしている。
かつての同僚たちの出世や躍進が聞こえ、弥が上にも焦りは募る。

又左が、主信長寵愛の茶坊主十阿弥を、主の目の前で斬殺したのが二年前。
信長の逆鱗に触れその場で勘当され、以来何処にも仕官せず、ただ織田家への再仕だけを考えてきた。

「なんとしても、手柄を挙げねば」

『桶狭間の戦』から一年。
この、美濃森部の合戦でも、又左は単独で織田家の加勢として奮闘していた。

敵方の侍大将を死闘の末討ち取り、負傷し血みどろになりながらも、戦績を鼓舞するように信長の元へ目通りを願った。
帰参の赦しを請うために、今まで侍大将の首をいくつも挙げてきたのだ。

それでも信長は、この戦においても又左を無視し、一顧だにしなかった。

「これでもまだダメか!」

かっとなった又左はその場に首を投げ捨て、再びその勢いで敵陣へ突入していった。

―これでダメなら、討ち死にするまでだ!

もはや、信長へ当てつけてやる、という一念のみが頭を支配していた。



先ほどの闘いでの傷は存外深く、多くの血が失われていたようだ。
勢い勇んで戦線にもどったものの、四肢の先が急速に冷え、目がかすんできた。
大身長柄の槍の重さが腕にこたえ、相手に突き込む手元がぶれる。
次々に迫る目の前の敵に、振っても突いてもきりが無く思え、体の動きが鈍ってゆく。
冷えた汗にまみれた体が、たまらなく不快だ。

徒歩の一撃をなんとかかわしたとたん体勢を崩し、とうとう馬上から滑り落ちた。
尻もちをつきかけたところに、すぐさま刃が落ちてくる。
咄嗟に槍で体を支え、片手で太刀を抜きざま、それを弾きあげる。
相手は、二間ほど吹っ飛び、敵味方入り乱れた群れの下敷きになっていった。

―今の己と、大差ないではないか。

次々と向かってくる太刀を払いながら、又左はなんとか体勢を整え片膝をついた。
己の体が、とてつもなく重かった。
このままでは、侍大将の首を挙げるどころか、その前に力尽きてしまいそうだ。

帰参どころか、生きてまつの許に戻ることさえあやうい。

―殿が認めぬのなら、死んでやるまでだ。

つい先ほどまでそう思っていた。
唐突に、笑いが込み上げてくる。

―このままでは、まさしく“犬死に”だな。

又左は、口の端をつりあげ笑った。
混沌とした戦場で、踏みつけられ泥濘に埋もれゆく骸と、己が重なる。

―おれが死んだら、幸は……まつはどうなる。

かすむ視界に、数日前に抱いた、妻の姿が浮かび上がった。

186:片月―かたわれのつき―
13/06/17 00:25:31.59 ABrxBS3j
    


*****



「またざさまっ、いけませ……幸がおりまする!」

抗しきれず、前を向かされて軽々と膝の上に抱えあげられた。
六尺(約180cm)豊かな夫と、四尺五寸(約135cm)少しの妻では、体躯が違いすぎた。

次の戦に臨む前に、又左はまつと幸の顔を見にやって来たようだった。

短気があだとなり、主信長に勘当され織田家を放逐された又左は、浪人者として暮らしてきた。
信長の勘気を解き、織田家への再仕を叶えなければ、己のゆく道はない。
その一念で、他家からの誘いにも応じず、常に単騎で織田勢に加わり共に戦ってきた。
しかし、戦の度何がしかの戦功を挙げるも、なかなか信長の赦しはもらえない。

いつまでこんな暮らしを続けるのか―。

二年になる浪人暮らしで、心身ともに逞しくなったとはいえ、焦りの色は隠せない。
又左を密かに援助してくれている、織田家重臣の柴田権六や森三左衛門にも、いつまでも頼るわけにはいかない。

実家である前田家も、桶狭間の戦の後父利春が没し、長兄利久が城主になっていた。
兄嫁は子連れの再婚で、器量は良いが、派手好きで性根がきつい女だ。
子の無い利久は、連れ子の慶次郎を養子とし、跡を継がせるつもりでいる。
まつは態度にこそ出さないが、荒子での暮らしが、さらに肩身の狭いものになっていることは間違いない。
今となっては、兄たちの厄介者、ただの居候に過ぎないからだ。
妻子を己が実家に預けて浪人者として暮らしてゆくのも、もはや限界であった。



「長八郎、はずせ」

又左はそう言い、供をしてきた家来の村井長八郎を部屋から遠ざけた。
荒子城のまつの居室を訪れた又左は、話もそこそこに、まつに手を伸ばした。
陽は高々と中天を目指して進み、居館の表から働く女たちの和気あいあいとした声が聞こえてくる。

「せめて幸が昼寝をしてからに、あっ」

座らされた内股に押しつけられた又左の熱い昂りを感じ、まつは頬を染めた。
眼の前のすぐ傍に、幸がいる。
二歳になった娘の幸は、父が土産に持ってきた鞠に目を輝かせ、独り遊びに興じている。

「身ぐるみ剥ぐことはせぬから、案ずるな」
「まっ! おまえさまという人は。お戯れは後になされませ、ね?」

城の午前の仕事がひと段落ついたところでの、又左の来訪だった。
端折った着物の裾からのぞく白い脚と、たくし上げた袖からのぞく細い腕は、又左の男を煽ったらしい。

187:片月―かたわれのつき―
13/06/17 00:26:59.68 ABrxBS3j
              
又左は、側から見えぬようまつの裾を引き下ろし、小さな体を背中から抱きすくめた。
つ…とうなじから肩へ唇を滑らせて、襟の内へ顔をもぐらせるように埋め、久しぶりに妻の甘たるい体臭を嗅ぐ。

「んっ……おまえさまっ、幸が」
「抱き心地がよくなったな。良いことだ」
「幸がいるの……やめて……っん、あぁっ」

まつの言葉も意に介さず、確かめるように衣の上から体を弄り始めた。
又左がまつの着物の裾を直したのは、せめてもの気遣いなのだろうが、だとしても幸の手前承服しかねた。
しかし、熱い塊はちょうどまつの女陰にあてがわれ、容赦なく秘裂に押しつけられている。
身を捩れば、硬さを増した男根が秘裂に沿って前後に滑った。

くちっ……。
粘ついた音がすると、まつは体を震わせた。
体は、火にあたったように火照っている。
又左がさらに長躯を屈めてまつの体の前へ腕をまわし、裾の中へ手をもぐらせた。

「あっ」

押しつけられ擦りつけられる熱の塊とは別に、太い指がまつの秘裂の端に触れる。
思いがけず繊細に蠢き、花弁を指二本で押し開く。
そのまま止まることなく、別の指が円を描くように蠢き、花芯を探りだす。

「ぁんっ」

びくりと跳ねた体は、さらに強く抱きすくめられた。
裾の内へ忍んだのとは別の腕が、まつの肩に絡めるようにまわされ、小柄な体は又左の体に押し包まれてしまっていた。

「芽がでてきたな……」

そうささやき、又左は陰核の尖端を、触れるか触れぬかという加減で幾度も撫でる。

「くっ、ん、ん……」

指のわずかな動きにもまつは顔をゆがめたが、声は漏らすまいと歯を食いしばった。
もぞもぞと動く腕を掴んだ手の力は、又左が痛みを感じるほどに強くなっている。

そんな乱れまいとするまつの表情とは裏腹に、女の部分はすでに蕩けきっていた。
淫蜜がたっぷりとあふれ出し、尻から秘裂にかけてあてがわれた男根もろとも、又左の膝へ伝い落ちている。
声は我慢できても、少しでも互いの体が揺れれば、容赦なく水音がたった。
又左が、指で当然のように蜜を絡めて、陰核へ塗り込む。
そして、腰をわずかに揺らして、まつをさらに昂ぶらせようとしはじめた。

「あーたん」

突然発せられた我が子の声に、ふたりは動きを止めた。

188:片月―かたわれのつき―
13/06/17 00:28:21.97 ABrxBS3j
         

父母の異変に気付いたのかどうか。
幸がふたりのすぐ傍へ寄ってきた。
鞠を掲げ、嬉しそうに見せにきたのだ。
「あーたま」と、母のまつに鞠を差しだした。

「……こう」

はぁはぁと荒い息をやっとのことでおさめて、まつは辛うじて娘の名を口にした。
すぐ又左の腕の力が緩んで、まつは幸へ手を伸ばした。

しかし、又左の膝の上に跨り、秘裂に灼熱の塊が押しつけたられたままである。
下の肌身を互いに密着させたままであり、又左が動けば、まつはあっという間に艶声をあげてしまいそうであった。

差しだされた鞠を受け取り、まつは額に浮いた汗を、すばやく手の甲で押さえた。

「うれしいのね。父さまからいただいたのですものね……」

優しく微笑むと、軽く鞠を投げるような仕草で、幸の小さな掌に鞠を戻す。
鞠を手にした幸が、父である又左を見上げ、満面の笑みを浮かべた。
まつの頭上で、ごほん、とばつの悪そうな咳ばらいが聞こえた。

―今ならば、又左さまの腕から逃れる隙がある。

ふたたび幸が手渡す鞠を受け取りながら、まつは思っていた。

「まつ……」

又左が、幸からは見えぬ逆側のまつの耳にささやいてくる。
耳朶から首筋へ吹きかけられた熱い吐息は、甘い痺れとなり、密着した部分へと奔った。
「あ」と声が漏れたが、すぐに泣き笑いのような笑顔をつくる。
動いたたために、互いの肌がわずかに離れて淫らな水音が聞こえたが、それにかまわずまつは腰を浮かせた。

「幸、ほぅら」

次の刹那、まつは鞠を半開きの戸の間めがけて、外の濡縁のほうへ、ふわりと放った。

「庭に長八郎がいますよ、遊んでもらいなさい」

落ち着いた母の声音で、幸を外へいざなう。
幸は鞠を追いかけ、戸の外側、濡縁へと駆けだした。
驚いて顔をあげた又左は、すぐに幸が驚かぬ程度の声で、外にいる長八郎の名を呼んだ。

長八郎からの返答の声がし、すぐに戸外の幸の楽しげな笑い声が、父母の抱き合う部屋の隅まで響いてきた。

189:片月―かたわれのつき―
13/06/17 00:30:06.23 ABrxBS3j
      
        
「来い……」

少しの間、ほっとした空気が流れたが、すぐ又左の勢いが戻ったようだ。
又左は、膝立ちとなり離れたままになっているまつの腰を、少々乱暴に抱き寄せた。
その顔には、笑みがひろがっている。

「おまえも……ほしいなら、ほしいと言え」

反り上がった勃起が、天を向いている。
一瞬、夫の乱れた裾からのぞくそれを見て、まつは強くまぶたを閉じた。

腰を掴まれ、脇を支えられながら、夫の部分へと引き寄せられていゆく。
まつの秘口に、尖端が押しつけられる。

「あぁ……」

待ちわびた夫のものに圧倒されて、まつは切なげな息を吐きだした。

「あぁ……はぁ……っ」
「遠慮は、せぬぞ」

答える代わりに、まつは自らの重みを又左の腕へと預けた。





「またざ……さ……っ……もう……」

中天を過ぎたとはいえ、まだ陽の高い日中の部屋のうす暗い片隅で、大きな影が蠢く。
悲しげにも聞こえる少女のような喘ぎに、時折甘えたような響きが混じる。
ふたりから発せられる、濃厚な男女の匂いや行為の音は、その周辺の空気を淫猥なものにして、さらにふたりを没頭させていた。
押し殺した嬌声、呻き、吐息が、入り乱れる。
着物を着たまま抱き合うふたりは、部屋の外からはうかがい知れないよう、秘めやかに房事を行っていた。

幸はこの部屋のすぐ外、城の裏手にあたる庭で、長八郎を相手に何やら遊びに興じているようだ。
その様子は時折、半開きになっている戸の間から見ることができた。
部屋の片隅で、まつはその光景から目を逸らした。

夫の膝の上の体は、人形のように跳ねまわって己で止める力は残っていない。
力なくもたれ背中に密着した又左の体の熱を、火傷をしそうだと思いながらも、離れることができなかった。
それに、先ほどから胸を着物の上から鷲掴みにされながら、大きく腰を回しながらの動きにめちゃくちゃにかき回されている。
自分で加減することも赦されず、ただ夫に与えられる激しい快楽の中にいる。

「もう、やめ……て……」

乳房を鷲掴みにしている手に手を重ねてぎゅっと握った。
先ほどまで、片方の頂きは、着物の上からむしゃぶりつかれ口で弄られていた所為で、じっとり濡れている。
散々弄られたそこは、布地を押しあげてぴんと尖り、敏感に震えていた。
熱の塊に穿たれたまま、気が触れそうなほどに中も外も刺激され続け、幾度目かの快楽の極まりへ再び飛ばされそうになっていた。

しかし、それは、まつが絶頂へ向かう途中で突如中断した。

190:片月―かたわれのつき―
13/06/17 00:31:23.14 ABrxBS3j
            

「どうして……」

肩で息をする妻の背中に、己の体を密着させるように抱きしめ、又左はくっと笑った。

「やめろと申したぞ」

振り向き夫を見上げた妻は、まるで小鳥が首を傾げたようだ。
まつは、恨めしげに眉をゆがめた。
可愛らしさと欲情したおんなの入り混じった表情になった。
何か言いたげに半開きになった唇からは、弾む息が漏れ出ている。
上気した頬に、幾筋かの髪が汗で張り付き、目尻に涙を湛えた瞳はきらきらと光る。

「や……いやいや……っ」

又左の剛直をまつが締め付けた。
まつは、幼子のように頭を振りながら同時に、まるでねだるように腰を揺り動かす。
又左は今にも放ってしまいそうになるのを堪え、まつの顎に指を掛け、顔をこちらに向けさせた。
花弁のような唇に吸いつき、さらに頭の角度を変えながら、懸命に応えてくる舌を夢中で味わう。
ひとしきり貪ると、猛然と腰を突き上げ始めた。

「ふはっ……! あっ……! ふぁ……っぁん!」

又左の膝の上で、体を押し上げられるたび、部屋の隅の柱に手をついて前のめりになる体を支える。
と、戸のすぐ傍で、幸の弾けるような笑い声がした。
まつの体が強張った。

「こ、幸が……だめ! 又左さまっ……おねが……っ」
「まだだ! まだこれから……っ、宵まで……朝まで――」

縋りつくようにして、部屋の隅の柱に上体を押しつけながら、まつは急速に増していく昂りに身を任せた。
激しく揺れながらも、うしろへ、探るように伸ばしてきたまつの掌を又左は受け取り、指を絡めて握り締める。

「だ……めぇっ、はあぁっ、ああぁっ」

又左がまつを追うようにして腰を浮かし、体を密着させ、熱を放つまつの頬に頬を狂おしく擦りつける。
やがて、がりり……と柱の木肌に爪をたて、体をぶるぶると震わせて、まつは白い喉を仰け反らせた。




拭ったところに、ぬるみを感じる。
夫の注いだそれは、拭ってもなお、まつの秘所をぬるぬるとぬめらせた。
手早く身づくろいを済ませて立ち上がると、またもそこへ又左の手が伸びてきた。

「いま一度」
「……っ、幸を部屋へ入れる刻限です」

191:片月―かたわれのつき―
13/06/17 00:33:49.81 ABrxBS3j
             
日は傾き始めている。
腕を掴まれ、そのまま、夫の胸の中に崩れそうになるのを、まつは踏ん張ってこらえた。

「では、一度ここを去り、宵に紛れて忍んで来よう」
「今日はおしまい。また次においでの時に」
「今宵は褥でおまえと肌身をあわせて……」
「だめ」

すばやく夫の頬を両手でつまみ、むにっと左右に引っ張った。

「又左どの! 聞き分けなされ」
「うぅ……」
「これで最後じゃないでしょう? そんなに焦らなくてもよいのに」

まつは、座る又左を上から母のように睨みつけたあと、むにむにと頬を揉んだ。

「困ったお犬さま。昔からちっとも変わらないんだもの」

ため息をひとつついてから、すばやく、ぽんと突き放すように又左から離れた。
後ろへ体勢を崩した又左は、床に手をつきぽかんとした顔でまつを見ている。

「ぷふっ、ふふふっ」
「まつ! なにをする!」

まつが身を捩るほどに笑いだしたので、怒るのも馬鹿らしくなった又左は、ムッとした表情で黙った。
ばつが悪くなり、怒られた子どものように、鬢をぽり……とひと掻きしてまつを見る。
まつは笑うのをやめ、その場に座り居住まいを正した。

「又左さま。戦で功を焦っては、お命まであやうくなりましょう?」
「ふん。何を申すか。誰が焦ってなど……」

いや。
言われたとおり、たしかに、焦っている。
仲の良かった信長近習の者たちの顔が、眼の前に次々浮かんできた。
ただの人懐こく面白い奴だった藤吉郎が、下士からのし上がり、今では信長が気に入りの家臣としてとりたてられている。
美濃への戦では、必ず帰参が叶う働きをせねば―おれにはあとがない。

まつは近づいて又左の傷痕だらけの手をとり、小さな両の掌で握り締めた。

「必ずまつのところへ帰ってきてもらわねば、困ります」
「むろんだ。案ずるな」
「まつのおうちは、荒子ではなく高畠でもなく、又左さまのいるところです」
「……」
「母と別れてから、やっとできた、わたしのほんとうの居場所なのですもの」
「…………そうだったな」

又左と夫婦になったことで、やっとほんとうの家族とよべるものを、まつは得たと言っているのだった。

192:片月―かたわれのつき―
13/06/17 00:34:51.58 ABrxBS3j
               
まつの母は、我が子を姉の婚家である前田家へ預け、高畠家へ再嫁してしまった。
母の事情があったとはいえ、まつはわずか四歳でたったひとり、見知らぬ家に預けられたのだ。
家族同然に育てられたとはいえ、心細かったにちがいない。
明るく笑うその胸の内に、人知れず屈託を抱えて生きてきたのだ。

「失うことになれば、後を追います」
「たわけたことを」
「母のように、べつの男のところになぞ、いきたくありません」
「誰が死ぬか。勝手を申すな」

見つめる瞳は凛として、意志の固さを示している。
まつは幼い頃から、こうと決めたらてこでも動かない、肝の据わったところがあった。
言うからには、どんなことがあろうと、自分の想いの通り信ずる方へとゆく。

「又左さま。必ず……やくそくです」
「うむ。次の戦こそ、だな」
「では、槍の又左どのの御働き、織田の殿さまのために、ご存分に」
「むろんだ!」

まつは近づき、膝頭同士をくっつけて、下から見上げるように又左を見つめた。
又左がいぶかしんで見つめ返すと、とたんに小さな体が伸びあがり、開いた唇に小鳥が啄ばむように唇を触れさせた。
すぐ抱きしめようとした時には、もう、まつは元に戻り、にっこりとほほ笑んでいる。
瞬く間のことだ。

「な!」

たじろぐ又左に、まつはうつむいて言う。

「戦を終えたら……です」

言い終らぬうちにもじもじとし始めた。
頬に朱が差している。

「本当はわたしだって、今宵も……ううん、あのままずっと可愛がって欲しかったのだもの」

最後の方は小さく消え入りそうな声だ。
まつは、なおも続けた。

「ちゃんとお戻りにならないと、まつはイヤです」
「む……」
「次の閨では……まつは、なにもかも又左さまの言うとおりに」

まつはすっかり頬を染めて、おずおずと又左を見上げた。
見つめられた又左の方は、頭に何を思い描いていたのか、頬を染めたまつよりも赤くなっている。

「ちゃ、ちゃんと戻るに決まっておろーが」
「じゃ、やくそく」
「む、わかった」
「ご武運を―又左さま」
「おう」

又左は照れながら、武辺者らしいごつごつした手でまつの手をすっぽりとおさめ、握り返した。
まつは握られたまま、一転して強く射抜くような瞳で見つめ、言った。

「必ず、まつのところへお戻りくださいね」

言い終わったところへ、幸が戸の間から、満面の笑みをのぞかせた。

193:片月―かたわれのつき―
13/06/17 00:36:49.47 ABrxBS3j
            



*****



色を失くし揺らぐ視界に、まつの白い体が艶めかしく浮かび上がる。
柔らかな乳房、あたたかな太腿、その内側に潤う甘い匂い。
漲る欲に耐えられぬような小柄な体をしていながら、侵していく先から己の欲望を溶かしてゆく。
閨だけに見せる、妻の姿態は又左だけのものだ。

ゆらゆらと視界が揺れ、今度は幼い頃のまつの姿が浮かんだ。
初めて荒子へ来た時、又左の差しだした手に、おそるおそる小さな手を重ねたまつ。
しっかり握りしめた時の、あたたかく柔らかな感触を、今も忘れてはいない。

遠駆けに行った帰り道、馬の背に揺られて、いつもこの腕の中で、体をほかほかさせ眠りこけたこと。
抱き上げてふくよかな頬に頬ずりすると、眉を寄せて嫌がり、逃げ出したこと。
眠ったふりのこの頬に、そっと頬を寄せてきた、春の宵。
あの狭く粗末な侍長屋で、抱き合って眠ったぬくもりも。

すべて、まるで昨日のことのように、目の前に浮かんでくる。
幼い頃から一緒に暮らしてきたまつのことは、誰よりも、何もかも全て、体の隅々まで知っているのだ。

『朝まで抱いてくださいませ』
まつのささやきが、耳元でよみがえる。

―誰が他の男になぞやるか。

ぐわっと腹の底から、焼けるような思いが突き上がってきた。
脳髄まで血が遡り、頭の先へ突き抜けてゆく。
目に浮かぶまつを抱く男の影を、思い切り太刀で薙いだ。

眼の前の徒歩の首が、胴体と離れて飛び、血飛沫がざっとあたりに散った。
ぼうっとした視界に、色彩が戻ってきた。

又左は足場を確かめるように、地面を踏みしめた。
腰を落とし、構えを崩さずにあたりをぐるりと見回す。
意識せずとも、槍が弧を描き、太刀を振っている。
走り来る敵が、仰け反り、あるいは崩れ、もんどりうって泥の中に落ちてゆく。

死ねば―まつとの約束も無邪気な我が子も、帰参の願いも、欲も嫉妬もなにもかも、むなしく消えてなくなってしまう。

まだぼんやりしている頭の中に、ふっと艶めかしい声がした。

『やくそくです』
まつの声が頭の中に次々と響いてくる。
感極まり、切なげに己が名を呼ぶ声に、又左は反応した。
血潮がどくどくと体中を巡って、体の芯へと集中する。

194:片月―かたわれのつき―
13/06/17 00:38:47.46 ABrxBS3j
           
「……呼ぶな!」

声を振り払うように、槍を薙ぐ。
一振りごとに、視界が晴れ、次第に靄が晴れてゆく。

「殿ぉぉ!!!」

長八郎の呼び声が、耳に届いた。
いる。見える。
侍大将らしき男が、視界の先まっすぐに、いる。
再び、又左を呼ぶまつの声が響いた。

―呼ぶな、気を乱すな。

いや。

「……導け!」

又左を助け先導していた長八郎を追い越し、馬に飛びついた。
手綱を引き、腹をあおった。
そのまま、一気に敵陣へ突っ込んでゆく。
血がどうしようもなく滾り、総身が燃えるようだ。

「うおおおおお――っ」

知らず体の底から湧きあがるものが、咆哮とともに迸った。
視界にいる馬上の男との距離が、急速に縮まる。
己の咆哮に呼応するかのようにあがる鬨の声を背に、又左は侍大将の前の構えを蹴散らし、吠えるように名乗をあげた。





「又左は死ぬ気ですぞ!」―柴田権六らのとりなしで、手負いで戦場に戻った又左に信長がようやく援護の兵を送った頃。
又左は深手を負ってなお、阿修羅のごとき暴れぶりで、織田勢の中でも目を見張る戦功を挙げることとなった。
この戦で、又左は武功を認められ、柴田らの尽力もあってようやく織田信長の家中へ帰参が叶った―。






その後、まつの願ったとおり、ふたりは戦乱の世の中で『家』を築いた。
闘い守ってきたものは、移ろう時代の中で、ゆるぎない、かけがえのないものになってゆく。
ゆるやかに結ばれた絆は、しなやかに強固にふたりを繋ぎとめ、約束したとおりはなれることはなかった。
あの幼い頃の出逢いより、時を経てなお今も。





おわり

195:名無しさん@ピンキー
13/06/18 17:41:58.48 SOYRhWbv
楽しませて貰ったー、乙&GJ!
やっぱこのスレ良いわ、妙に俺好み。

196:名無しさん@ピンキー
13/06/19 16:42:51.53 y08kEfTA
乙!


最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch