12/02/04 00:42:10.11 mmZquRxz
愛奴牧場の一角には、常に灯が消えることのない建物がある。それは研究棟である。
製薬、クローン、改造人間技術、ロボット…ありとあらゆる近代科学と魔術がごちゃ混ぜになった、世界最高の頭脳の
集積所(こういうのを才能の無駄遣いと言うのであろう)に、皆さんご存知、亀仙人も裸足で逃げだすエロの至高神・牧場
オーナーが足を踏み入れた。
「今日の報告は何かね」
「はっ、こちらです」
研究員の長老格、猫柳田愛吉が赤いボタンを押す。
『KEEP OUT!!』と羅列してある黄色いテープが順次剥がれ、プシューと上気を吹きだしながら、銀色の扉がゆっくりと
開き始めた。
扉の奥には、サッカー場が2つほど入りそうなだだっ広い空間が広がっていた。その中に、見覚えのある緑色の生命体が
悠然と構えていた。
「こちらこそが、我ら研究班第2課の作り上げた最新型オシリス、その名も『オシリス・カラミティ』です」
「おお…これか」
きゅっきゅと革靴の音を鳴らし、オーナーが扉の中に入っていく。
それから2秒後に、「ズコー!!」と盛大に転ぶ音がした。
「なんだジジイあれはぁぁぁ!!!」
激昂して猫柳田に突っかかるオーナーの指差す先には、緑色の…『男』がいた。
「先ほども言ったでしょう、新型オシリスの『カラミティ』じゃと」
「ああ惨劇だよ! アンタ研究目的間違えてるだろ! 雌畜作れって言ってんだよ! 雄畜作ってどうするんだよ!」
『何を騒いでおられるのだ、オーナー』
その時、唐突に低い声がした。声優で言うとあれだ、緑●光とかそんな感じの声が。
振り向いた先には、下半身を球根に埋めた超絶美形の緑色の青年が立っていた。
その黄色く澄んだ瞳に、細い割にしっかりと付いた流れるような筋肉、波打つ艶やかな深緑色の髪。Pixivか何かで
「性転換シリーズ」などと言ったタグが付きそうなほどに、その生物は気高いオシリスの生き写しだった。
「あぁ、キミかねカラミティ君とかいうのは。あの、失礼なんだがここではキミのようなタイプのキャラは『鎖でつないで
媚薬・母乳促進薬入りの餌を食べさせて 育てる妄想をエロパロ』にするわけにはいかないんだが…」
『いや、当たり前であろう。某(それがし)が何に見えるというのか』
「経費の無駄遣い」
『あなたが猫柳田博士の上司でなければ牛裂きにしてやるところなのだがな』
上目からオシリス・カラミティはオーナーを睨み付け、ねちっこく告げた。
ちなみに彼には携帯電話など埋め込まれておらず、喉に直接「アダムの林檎」を模したマイクが挿入されている。
「まぁまぁ落ち着いてくださいオーナー。何せこのオシリス・カラミティの戦闘力は、『フリーダム』に匹敵するのですからね」
痩せた手でポケットをいじり、ピッと猫柳田はリモコンのボタンを押す。
その瞬間、試験場の天井に映像が流れ始めた。オーナーと猫柳田はごろりと仰向けになって天井を眺めた。
内容は、覚醒したばかりのオシリス・カラミティが『ダガー』2体の首を一撃でもぎ取り(所要時間3秒)、クローンミサカを
素手で豆腐の様に両断し(所要時間1,5秒)、あまつさえ食用として連れてこられたデーモンデビル大蛇を光線技すら使わずに
KOする様だった(所要時間18秒)。