11/10/30 20:24:52.84 GibTSoTg
>>206 ちなみに上条さんは大食い銀髪修道女の存在は知っていても 彼女の記憶は存在しない
答えないとまた面倒なことになるので、その場において最も適当と思われる答えを俺は返した。
「フッ・・・太陽のせいさ…。」
「死刑ね」
「『鉄塊』!!」
ドゴオオオオオン!!
ヴェントの大槌が振り下ろされ、俺の真下の床が5~6mにわたって吹き飛んだ。六式体術覚えてなきゃ確実にあの世行き
だっただろうな…。
「ふざけてんのか!ふざけてるのね!よーしふざけてると見なすぞ! 今すぐ私にぶっ殺されろぉ!!」
「なんですかその『ふざける』の三段活用はー! スンマセンさすがに今のはジョークとはいえやりすぎでした
ごめんなさいいいいい!!命だけはご勘弁をオデエカンサマァァァ!!」
俺の六式体術最終奥義・『剃滑リ込ミ土下座』が功を成したのか、ヴェントは小さく溜息をついて得物をベッドの上に
立てかけた。良かった…。
「そもそもその台詞を法廷で吐いた奴最終的に死刑になってるんだけど…まあいいわ。面を上げなさい」
「こんな矮小な虫めが顔を上げてよろしいのでせうか」
「・・・こんな奴に私は負けたっていうの・・・?」
ゆっくりと俺は顔を上げていった。彼女は呆れたような顔をして、額に手を当てていた。脱ぎ捨てた帽子の下からは、
若干髪質の荒い薄茶色の糸が露わになっていた。
「その…バケモンとかチェンジしてくれとかそっちの気持ちも考えずに言っちゃって、悪かったな」
数分後、心が落ち着いた俺はそう告げた。
「真面目にそう言ってくれりゃよかったのよ。私もさすがにやりすぎたしね」
ニコリと口角を上げるヴェントの姿は、バケモノ染みているくせに妙に可愛かった(これはきっとカネ●ンやピグモ●が
かわいく見えるのと同じだろう)。
「あーあ、変に運動して喉かわいちゃった。酒ある?」
「あるかよ馬鹿。俺は飲めねえんだよ、体質的に。ウーロン茶ならあんぞ」
そう言って床を押して立ち上がり、俺はTVの下の冷蔵庫の所まで歩いて行った。広い窓からは香港の夜景が見える。
こういうド派手な感じの照明はあまり好きじゃないのだが、香港そのもののカオスな感じは俺は好きだった。
コポコポと備え付けのグラスに冷えた茶色い液体を注ぎ、ヴェントに差し出す。さんきゅ、と小さく言って、彼女はお茶を
喉に流しこんだ。
「うまいわね」
「そりゃどうも」
俺は小さく嘆息した。
結露で濡れた親指で唇のピアスをなぞり、ヴェントは不意に俺に問いかけた。
「…ねえ、上条当麻」
「なんだよ」
俺は近くにあった椅子に座りこみ、ぶっきら棒に答える。
「私が今回の仕事受けたのはさ、またあんたに会いたかったからって言ったら、笑う?」
……ナンデスカソレハ?