【俺の妹】伏見つかさエロパロ22【十三番目のねこシス】at EROPARO
【俺の妹】伏見つかさエロパロ22【十三番目のねこシス】 - 暇つぶし2ch700:名無しさん@ピンキー
11/11/12 05:20:50.03 SC0smG8Y
これを機に盛り上がって欲しい

701:名無しさん@ピンキー
11/11/12 11:02:54.30 AyAv0ZdN
>>687-698
乙!
あやせの切ない心情がよく伝わってきて、読み応えあったよ。続きが気になる。

あやせたんマジラブリーマイエンジェル


702:名無しさん@ピンキー
11/11/12 12:52:37.78 B2v1ot1M
ホント久々にいいSSが来たな


703:名無しさん@ピンキー
11/11/12 19:06:29.06 Cb1z9A8X
後からも前からもかっこ悪いだけじゃなくてうっとおしい
語りたいならそういうスレあるのでそちらでどうぞ

704:名無しさん@ピンキー
11/11/12 21:40:47.18 32pead4m
>>698
とりあえずお疲れ(迫真)

705:名無しさん@ピンキー
11/11/12 23:16:36.22 lmWQ4nN8
(ディオとは違う)を思いだす

706:名無しさん@ピンキー
11/11/13 09:15:52.06 RF/adpX+
なんという俺得
あやせが一番好きな自分としてはほんとすばらしいssだわ
あやせssもっと増えないかなぁー

707:名無しさん@ピンキー
11/11/13 12:21:12.76 MQ5OyWw1
桐乃、黒猫、あやせssは十分あるだろ
むしろ沙織ssをだな・・・

708:名無しさん@ピンキー
11/11/13 14:04:44.22 Y9Wlexck
加奈子や瀬菜の方がネタにしやすいぐらいだしなー
pspも沙織ルートもう少し捻ってくれよ

709:名無しさん@ピンキー
11/11/15 14:16:53.03 WCQb4UAy
桐乃のスカトロ物って需要ある?

710:名無しさん@ピンキー
11/11/15 14:39:21.78 PVUOloo3
>>1より引用

>◆書き手さんへ
> ○陵辱・NTR・百合・BLなどの特殊嗜好モノや、
>   オリキャラなどの万人受けしないモノは専用スレでお願いします

711:名無しさん@ピンキー
11/11/15 14:50:20.64 gM2oTjMQ
テンプレは>>14
需要あるかどうかは知らんが

712:名無しさん@ピンキー
11/11/15 14:51:11.73 WCQb4UAy
桐乃「うう~ん、漏らしちゃったわ~ん」
糞山盛りのパンツを脱いでティッシュで穴にこびりついたウンコを拭く
その悪臭は半径200メートルからでもわかるぞ!
桐乃「ああ~ん、糞尿まみれだわ~ん」
しかしまだまだウンコは止まらない!

続く

713:名無しさん@ピンキー
11/11/15 15:40:32.81 r2xaXNPq
・・・?

714:名無しさん@ピンキー
11/11/15 16:13:10.26 0eg3nJwS
またキチガイが来たのか・・・

715:名無しさん@ピンキー
11/11/15 17:57:31.31 ccnAy/Om
ID:WCQb4UAy は荒らしだよ。クソSSとスカトロAA投下しまくってる


716:名無しさん@ピンキー
11/11/15 20:09:03.64 Sv3mI8Wi
この荒らしは完全スルーかIDNGで対応よろしくお願いします

717:名無しさん@ピンキー
11/11/16 10:50:20.83 UWSYcBgN
荒らしがどうとか言ってるより、何もなかったかのように完スルーする方が手っ取り早いと思うの

718:名無しさん@ピンキー
11/11/16 12:52:57.26 ObYH9EBk
救世主のエスエ.ルさんはNGにしちゃ駄目だよ??

719:名無しさん@ピンキー
11/11/16 19:30:31.65 WgkjZqP1



720:名無しさん@ピンキー
11/11/17 21:46:09.15 yaPclqNv
エスエル「来年になったら本気出して桐京のエロ書く」

721:名無しさん@ピンキー
11/11/18 00:01:10.00 TOx6lWW4
>>718
いつまでそのネタするの?

722:名無しさん@ピンキー
11/11/18 23:56:04.01 GJyoXzoD
バカチョンの脊髄反射なんだから
無視が一番

723:名無しさん@ピンキー
11/11/19 01:28:33.35 nOl8PU03
脊髄反射では発声出来ません

724:名無しさん@ピンキー
11/11/19 01:56:45.68 lECvwIXU
いい作品だw
押しに弱いあやせ好きの俺は毎度楽しませてもらってるよ^^



725:名無しさん@ピンキー
11/11/19 03:39:33.09 RViXEjcR
>>686
> あやせの心情がおざなりなので『ただヤってる感』があるのは分かるけど
これは俺へのレスと取っていいな。俺は基本どんな傑作だろうと文句しか言わないから無視して構わないんだが・・・

「心情がおざなり」ってのは、()に動作や表情を入れることで淡泊に、いらんギャグ要素が加わってしまうことが不満だったわけ。
決して人称や視点を変えてくれという意味じゃない。

「返せ(大声)」じゃなくて、大声によって響くガラス窓の震えや親が来る心配や怨嗟の表情を、京介視点でもいいから行間で補完して欲しいわけ。
「い゛じ゛わ゛る゛!(お尻振る)」じゃなくてあえぎながらも腰が動く筋肉の躍動、にじむ汗で伝察せる興奮の昂ぶり、バックならシーツを握りしめたり枕に顔を埋めて唸るだろう。
そうした一つ一つの情報を略さないで行間に書いて欲しいと思ったんだ。

もっとも、細かすぎるとそれはそれで見苦しいのし、大体の読者は勝手に脳内補完するから加減が必要なんだが。

さてStummer Dialogだが・・・
うん、文句が言えん。改行も段落の文字数も適切で全く持って読みやすい。
たしかに山も谷もないが幕間だと思えば申し分ない。強いて言えば18描写は今回みたいなライト、または事後報告形式にしたらどうだろう。
どうもあなたの作風に直接描写はいろんな意味で合わないと思う。もちろん書きたいなら自由にしてくれて構わんのだが。
なんにせよこっからどう転げ落ちるかが非常に楽しみだ。乙

726:名無しさん@ピンキー
11/11/19 09:18:19.15 qFt4Xl3l
何この人キモすぎワロタ

727:名無しさん@ピンキー
11/11/19 11:41:06.22 MgS8KR1n
>>726
笑うな

728:名無しさん@ピンキー
11/11/19 13:41:35.63 rbOWMKr8
>>726
息もするな

729:名無しさん@ピンキー
11/11/19 14:03:17.11 koukiYW+
自演だなこりゃw

730:名無しさん@ピンキー
11/11/19 15:10:38.66 VFtVK/ic
久々に来たら酷い有様だな
読み手の態度は論外だが
書き手の質の低さに失笑したわ
俺が昔書いたのに比べればゴミ同然
原作自体つまんなくなってキャラの特徴忘れたから二度と書かねーけどw


731:名無しさん@ピンキー
11/11/19 20:42:10.69 3nOBX376
つっこみません

732:名無しさん@ピンキー
11/11/19 22:06:54.19 MgS8KR1n
>>731
そんな事言わないで、突っ込んでやりなよ。可愛そうだよ(棒

733:名無しさん@ピンキー
11/11/19 23:35:28.44 RDGeH8VC
縦読みかなんかかと思ったらただの釣りか、つまらん

734:名無しさん@ピンキー
11/11/20 17:44:13.52 bzmegpmu
あやせたんのいじらしさカワユス

735:名無しさん@ピンキー
11/11/22 21:13:45.19 r4sQ2KCc
※愚痴です

一応需要がある様なので一生懸命に書いたけど
()なしで書くと話が重くなる。
vipでは別の人が頑張ってくれてるみたいだけど、ここでも書く人増えたら
馬鹿な()あり書いてもそんなに怒られない気もする。
次で多分エロイの書いてあやせは最後、こんなんで応援して貰って申し訳ない。



Stummer Dialogの後編

京介×あやせで

736:名無しさん@ピンキー
11/11/22 21:16:38.21 r4sQ2KCc
Stummer Dialog 
------------------------------------------------------------------------------

「あやせ…?」
俺は不意に目を覚ます、目の前には俺の可愛い彼女…でも………
あの夜以来、俺らはちゃんとした恋人同士になれたと思っていたのに。

「お早う御座います、お兄さん…よく眠ってましたね、まるで赤ちゃんみたいに
ぐっすり……」

「ずっと側に居てくれたんだな、ありがとう、あやせ」
俺がそう言うと、あやせは俺が眠っている間ずっと握っていてくれた左手を離した。

「別に、そんなつもり………ありませんよ。お兄さんが無理やりわたしに
手錠なんてするから…だからしょうがなく寝顔を、見てただけ…です」

カギなら手錠につけたまま………だ。

「さっき寝てた時、夢見たんだ。夢の中でもあやせは彼女で、俺は幸せだけど
あやせは何だか微妙な感じでさ。それで最後は、俺が振られる。変な夢だけど…
起きて、おまえが隣に居てくれて、本当に良かったと思ってるんだ」

今のあやせの表情が、あまりにも夢の中のあやせと区別が出来ないほど似ていて
その事は、ひどく俺を不安にさせる。

「ゆっくり休んで早く良くなってください…また明日来ますから」
あやせは、有無を言わさず、立ち去ろうとする。


「………俺はまだ、ちゃんとおまえを受け止められてないのかな?」

手錠はそのまま、あやせの手を掴んで引き留める。
俺は自分の彼女を泣き顔のままで帰らせるつもりは無い。


「わたしは………自分から……居なくなったり……しない」

あやせの言葉が誰に向かって言ってるのかは分からなかったが、その言葉を
聞けたのだから、やる事は、俺がやるべき事はもう決まっている。

「そうか…分かった。だったら、俺もあやせの前から居なくなったりしない。
だからさ、あやせ、余計な心配なんてする必要ないんだ。何でおまえがそうなったのか、
俺には分からないんだが、俺がまた何かやらかしたのか?
例えば寝言で他の女の名前でも呼んだりとか…………?」

「…………………………」
あやせは何も言わない、ただ首を横に何度か振った。

「なら、どうして?」

「わたしは嫉妬深くて、我が侭で、気まぐれで…自分の事しか考えて無くて…きゃ」

いつもの作戦が出来ない俺は、咄嗟にあやせの頬をつねる。
でも、何でこいつが突然こんな事を言い出したのか、全く検討がつかない。

「俺だってシスコンで、浮気性で、スケベで、ヘタレだ」

「確かにそうですね、重度のシスコン、しかも処女厨のDVで変態………」 

「おまえはついでに毒舌だな」

737:名無しさん@ピンキー
11/11/22 21:18:46.94 r4sQ2KCc

「だから…わたしはお兄さんに嫌われてもしょうがないなって」

「勝手に決めるなよ。言っただろ、ストーカーの変態になってもおまえの事を
ちゃんと捕まえてやるって」

「わたし……………分かってますから」

「全く、、俺の可愛い彼女はやっぱり妄想好きなヤンデレだ。俺は風邪だから、
いつもみたいにおまえの口も塞げないし、どうしたら良い?」

「わたしって凄く悪い子なんです、だから…お兄さんが前したみたいに…
さっきみたいにしても良いですから…拒否なんてしない………から…………」

と言ってあやせは俺がプレゼントしたチョーカーを自分で外そうとするが
俺はそれを止めさせた。

「ま、待て、な?、おまえは色々誤解してる。まぁ俺が変態なのは今更良いけどさ。
もしおまえがその気分なら喜んでいくらでもするけど、今のおまえはちょっと変だぞ?
だからさ、ちゃんと話そう、そうすれば絶対に、おまえの誤解も解けるから」

「……お仕置きしてください…そうしたらまた良い子になるから……それとも
こんなおねだりする様なふしだらな女だから…私の事、もう嫌いになりましたか?」

俺の言葉を遮って、あやせは呪文の様に繰り返す…やっぱり俺の彼女は強情なのだ。

別に喧嘩をしてるわけでもない、あやせが嫉妬で怒ってるわけでもない、なのに…
こんな状態のあやせを見たのは、この時が初めてだった。

あやせ、おまえは本当は何を求めているんだ?
そしてそれは、この俺がおまえに与えられるものなのか?

「やれやれ……じゃぁしょうがないな、お仕置きと言うか俺の命令…で良いか?」

「……はい」

「ほら…これ」

と俺はあやせの腕を取り、俺の家のカギをあやせの手に握らせる。
あやせに喜んで欲しかったから、あやせの家に行った日の帰りに作ってきた合い鍵。
まさかこんな風に渡すとは考えなかったけど、しょうがない。

「あやせ、これからはいつでも好きな時に来てくれて良いからさ。
いや違うな、俺がいつでも来て欲しいから渡すよ」

俺は自分の正直な気持ちをあやせに伝える…が、あやせは黙ったまま、何も答えなかった。
それでもやっぱり伝えるしかない。

「お仕置き、命令、お願い、呼び方は何でも良いんだ。俺はなるべく、
あやせの顔が見たいし、なるべく長く会いたい…だからおまえの気が向いたら」

「それも…同………情…………」

あやせが言いかけた言葉を最後まで言わさず、結局いつも通りにする。
これで解決すると思っていた自分の認識の甘さを、この後、俺はイヤと言うほど
味わう事になるのだが、この時はまだ分かってなかった。

738:名無しさん@ピンキー
11/11/22 21:20:29.02 r4sQ2KCc

「ったくよ、風邪を彼女にうつさせる彼氏にするなんて、あやせは確かに悪い子だ。
やっぱお仕置きすっかな」

「だから……何度もそう言ってるじゃない…ですか……」

「本当に何をしても良いんだな?俺の言う事なら何でも聞くんだな?」

「何度もしつこい……………いくじなし」

「分かった、んじゃ俺の独り言を聞いてくれ、長くなるけど、途中で寝るなよ?」

何でこんな話をしようと思ったのだろう?
やっぱり、あやせの"儀式"を恐れていたのか。
それとも、ちゃんとあやせに向かい合おうと思ったからだろうか?
いや、今までだって、ちゃんと、そうしてきたつもりだったんだけどな……。

「分かりました………何でも話してください…」

でも兎に角、その時の俺はあやせに聞いて欲しいと思って、今まで誰にも
桐乃にも、黒猫にも、麻奈実にも話した事がない自分の気持ちを、俺は語り始めた。


「昔々、ある所に可愛い妹と可愛い幼馴染みを持つ男の子が居た。
男の子は妹も幼馴染みも大好きだった。
でもある事がキッカケで妹と疎遠になって、幼馴染みとばかり過ごす様になる。
男の子はそれでも良いと思ってた、何故なら妹の事を誤解してたからだし、
その幼馴染みの事が本当に好きだったから」

「だけど、またある事がキッカケで妹と関わる様になった。
それからは、あやせも大体知ってると思うが……本当に色々な事があった。
その過程で俺は………男の子は二人の女の子に出会った。
一人は妹の元からの親友で、もう一人はこれから親友になる女の子だ」

あやせはちゃんと相槌を打ち、その度に俺はあやせの左手を力を込めて握った。

「男の子は誤解したままだったから、普段は鬱陶しい妹の事を避けていた。
でも妹がピンチになった時、そんな事は忘れて、全力で助けてしまう。
自分でも何故か分からなかった。
でも、どうしてもそうしなきゃいけないと心の底から思ったんだ」

「それで妹のピンチの中でも一番ヤバかった時に俺は……もう"俺"で話すわ…
俺と黒猫は桐乃の危機を協力して一緒に助けた時に、気付いた事があったんだ。
何でも出来てしまう桐乃に対して言葉に出来ないとても嫌な感情がある事に、、、
同時に俺と黒猫が"その思い"を共有していることにさ」


一瞬あやせの表情が変わった気がしたのだが、その表情はすぐに元に戻り、
そのままあやせは黙ってただ肯いていた。

739:名無しさん@ピンキー
11/11/22 21:22:19.17 r4sQ2KCc

「あやせはちょっと乱暴だけど、単に桐乃と仲が良い親友だとその時は思ってたし、
だから同じ妹の親友でも俺にとっては、その思いを共有した黒猫の方がずっと
親しみがあった。
おまえに色々ちょっかいをかけたのは、逆に絶対にそうならないと高をくくってた
のが原因かも知れない、今考えると…………」

あやせは何か言おうとしたけれど、結局言葉は出て来ずに、首だけを何度か振った。


「俺は黒猫と親しくなって、彼女に告白されて付き合う事になった。
麻奈実も応援してくれたし、桐乃との事もそれで全部解決すると思っていた。
あの時、黒猫がそのつもりなら今でも黒猫と恋人のままだったと思う………」


俺はそこまで一気に話すと、少し黙った。
あやせが何か言うかも知れないし、自分自身の気持ちを整理させたかった。
しかしいつまで待っても、俺の彼女は黙ったままだった。


「………………でも俺は黒猫に振られてしまった。
多分、黒猫が俺よりも"桐乃への誤解"に早く気付いてたから。
それは最初から、麻奈実が気付いてた事で、あいつが幼馴染みのままの関係で
我慢してたのは…………ずっと気づかなかった俺のせいなんだ」


「桐乃は自分自身の為じゃない、俺の為に、昔の俺との思い出を守る為に
人知れず努力して、身を削って、頑張っていた。
俺の妹は俺の事を嫌ってなんて……全然無かった。
馬鹿な俺はずっと正反対の事を考えていた。
黒猫はその事に仲良くなる過程で気付いた………。
麻奈実は最初から全部ずっと分かっていた………。
あやせ…おまえは………いつ……」

「京介さん…あなたは自分の彼女の事も分からない…ん…ですか?」


「俺は今の今まで、黒猫と麻奈実は似てると思ってたんだ、でもよく考えたら…
おまえの方が似てたのかもって。
これは、この前おまえの家に行って何となく気付いた事でさ。
あやせは桐乃とも麻奈実とも仲が良いから、凄く変な話だけど………」

「…………続けてください」

「黒猫は桐乃と俺を両方を取ろうとした、でもおまえは俺だけを取った。
いや、麻奈実は、あいつは、お人好しにも結局俺らの事を応援したけどさ…」

「わたしはお姉さんほど強くない、あなたが一番好きなのは…お姉さんでしょう?
そして同じくらい桐乃が大切だった。だから彼女は……黒猫さんがあんな行動した
理由、わたしにはよく分かるんです、あなた達兄妹よりもずっとハッキリと……」

「…………………」

「黒猫さんはきっと、お姉さんに、桐乃とお兄さんと麻奈実さんが仲が良かった頃の
お姉さんになりたかったんだって。だからどんなに罪悪感があったとしても、
絶対にお姉さんと妥協するわけにはいかなった…。もし彼女がそこまで
欲張りじゃなかったら、わたしは………」


740:名無しさん@ピンキー
11/11/22 21:23:47.05 r4sQ2KCc

俺はあやせは黒猫に似てるとさっき言ったばかりだが、黒猫の事をまるで
自分の事の如く話す察しの良さは、麻奈実の様にも感じられた。

そしてこの前、桐乃が来て喧嘩した時は桐乃に似てるとも思った。
この不謹慎な思考を言おうかどうか迷った……でも自分から胸襟を開かなければ、
あやせの考えている事に、、本当に望んでる答えに辿り着けそうにはない…の

だから俺は

「黒猫が麻奈実になりたかった様に、おまえは黒猫みたいに…………他の誰かに
なりたかったのか?」

「…………わたしの事が好きなら、そんな事、今更聞かないでください」


『「なら、な(んで)…」俺の事好きなの?』なんて今更聞ける筈も無く…俺は黙る。

結局、あやせが言う様に、俺はあやせの事を分かってなかったんだ。
多分、あの頃の桐乃以上に今では妹や親友、幼馴染みよりも、恋人の事が………
俺の彼女の気持ちが一番分かってなかった、未だにずっと。


「あやせ、おまえは………この前、家に行った時、俺を恨んでると言ったよな?
復讐するってさ」

そう…………かつて、黒猫が俺に"呪い"をかけた……みたいに。
俺の知る黒髪で美少女の愛情表現(多分そうなのだ)はとても独特で、断定的で
蠱惑的であり、魅惑的で、俺の心をいつも鷲掴みにする。

俺はあやせが口を開くタイミングを辛抱強く待った………そして

「わたしの事が好きなら、そんな事を今更聞かないでください」と言った時、
             同時に
「おまえの事が好きだから、そんな事を今更聞かせてくれ!」と問うた。


「…………わたし…………………わたしは……決心してたんです……
桐乃は大好き、でも今は…………桐乃には、もう絶対に負けたくない。
黒猫さんとはお友達になれたかも知れないけど………欲張りな彼女は許せない。
お姉さんは尊敬してる、だけど……………わたしは麻奈実さんの様にはなれない。
そしてお兄さん……………わたしはあなたの事が凄く、凄く嫌い…」

「………なら俺を刺して、ぶち殺すか?」

「安心してください………わたしは卑怯でこんな言い訳している、わたし自身が
本当は一番許せなくて、嫌いですから」

「俺はあやせが好きだぜ…だから、この話はもう辞めるか…」

どう考えても解決しそうに無い時は時間を置くのも立派な解決法のひとつだ。
と思ったのだが………


741:名無しさん@ピンキー
11/11/22 21:24:57.99 r4sQ2KCc

「あなたはわたしの何が、どんな風に好きなんですか?言ってみてください」

「………な」今度は今更こんな質問されて、俺は黙ってしまった。

「……………嘘つき」

「………………………び、美人だしさ、それに……」

「見た目だけですか?やっぱり身体だけが目的だったんですね…最低」

性格の事を言おうとして、あやせの性格の何処が良いのか言葉を詰まらせる(べき
じゃなかったのに、絶対に)

「それでも良いんです…わたし、お兄さんが身体だけが目的でも全然良い…ですから」

「あやせ、おまえ…………」

「わたし、自分で言うのも何だけど………結構可愛い方だと思うし、だから
お兄さんのセフレでどうですか?お互いにもう拘束するのは……もう辞めて。
純粋に身体だけの関係、今までもよりもずっと、ずっと気持ちが良いだけの関係……」

あやせは確信犯なのだ、様子がおかしいが別に狂気で言ってるわけではない。
今まで喧嘩したり、言い合いした時に、結局、身体を重ねて有耶無耶にした事を
させない為に…………もしくは、その事実を、俺に認めさせる為に。

そして、怪しげな"儀式"という響きが頭を過ぎって、戦慄する…………
もしかしたら、今までのこの遣り取りこそ、儀式魔法の詠唱ではないのかと………

「く、黒猫がさ…」黒猫の呪いの話で儀式の話を打ち消そうとしたのだが

「何ですか、ふふ…黒猫さんのお話をしながら、お兄さんはわたしとしたいの?
良いですよ、しましょうよ……それで……とっても、キモチいい……こ・と・」

見事に墓穴を掘る、そしてこいつの儀式の正体が何となく分かる…………
こいつの異常な嫉妬とNTRの話を思い出す、俺は結局あやせの身体しか、
本当に文字通り体だけで、心は捕まえる事が出来なかったのか?。

「黒猫ならこんな馬鹿な事はしない。俺はおまえの儀式とやらと、黒猫の"呪い"
が似てると思ったんだ。でもおまえのは単に自分を傷つけてるだけで
黒猫が俺に絆を求めたのはとは全然違う、だから」

「私、言いましたよね?黒猫さんはお姉さんになろうとしたって。それにその"呪い"も
解けたから、わたし達恋人になったんじゃないんですか?あ、今はセフレか…ふふ」


「それはおまえが勝手に言ってる事だろ、決めつけるなよ、黒猫の事をさ…」

本当は黒猫の名誉の為に、俺はもっと強い言葉であやせを叱ろうとしたのだが、
桐乃が麻奈実を貶した時は、どんな事が有っても俺は許さなかった筈なのに……
今は罪悪感のせいで、どうしてもそうする事が出来なかった。

742:名無しさん@ピンキー
11/11/22 21:27:14.00 r4sQ2KCc

「そんなに黒猫さんの事を分かってる癖に、あなたは桐乃を選んだ……そして
桐乃よりもわたしを選んでくれたんでしょう?桐乃の"約束"を破ってまで…」

「なのに、おまえはまだ不満なのか?」

「いいえ………満足してます、だからこれ以上、欲張ったらいけないと思って。
お兄さんは自由にしてあげたいな…と思ってるの」

「だからそんなの望んでねぇし、何でも勝手に決めるなって言ってるだろ!!!!」

俺は今更、やっと怒声を出した。女の子を相手にこんなに大声を、怒りを込めて
相手を叱りつけたのはいつ以来だろう。

しかしあやせは全く怯まず、自分の身体を俺の懐にすり寄せながら、顔を
近づけようとする。嬉しかった事なのに……今は……

「あやせ、辞めろ………」と引き離そうとするが手錠が邪魔で距離が取れない。

「お兄さんはいつでも好きな時に、わたしに触る癖に、セクハラする癖に、
わたしには、させてくれないんですかぁ?ねぇ~京介さん」

あやせの本気の誘惑、確かにこいつが本気で迫ったら、こいつの美貌で迫られたら、
端正な顔だけじゃない、表情そのものが媚態に満ちた、今のあやせに迫られたら……
このまま流されてみたい欲望が自分の中にある事を認めざるを得なかった。

それでも俺は………

「気持ちが無かったら、おまえとちゃんと恋人同士じゃなかったら、やる意味なんて
ないだろ?だから、いい加減にしろよ、あやせ!」

本気で言ったのに、あやせは声を上げて可笑しそうに笑う。

「さっき自分で言ってたじゃないですか?わたしよりも黒猫さんの方が親しみが
あったって……。わたしとは絶対にそうならないつもりだから、セクハラしたり、
好きなんて言葉を言ったんですよね?わたし間違った事言ってますか……お兄さん?」

何たる不覚…桐乃に食って掛かってた時のあやせとは違う、冷静に、冷徹に、冷血に
美しいハンターは獲物を確実に追いつめる。

「すまなかった…でもおまえの事を魅力的だと思ってた事に嘘はないんだ」

「魅力的だけど、心は無かった…あれ…おかしいな?、ふふ、あの時のわたし達って
今のわたし達と、どう違うんでしょうねぇ?」

あやせ…
おまえは桐乃みたいに最愛の妹なわけじゃない。
黒猫みたいに運命的に出会って、宿命的に好きになったわけでもない。
麻奈実の様に何でも心から分かり合える特別な絆があるわけでもない。
でも俺には…

「ずっとおまえがこんな気持ちだったのを知らなかった、知ろうともしなかった。
今、全部理解してるとは言わない、でも知りたいと、なるべくあやせの事を
分かってやりたいと思ってる」

普通ならこのまま押し倒す所だが……。
俺はあやせと手錠で繋がれた、右手で左手を握るだけで後は何もしなかった。



743:名無しさん@ピンキー
11/11/22 21:29:59.88 r4sQ2KCc


………………こいつが求めてる事は、本当はそうじゃないと思ったから……………………。
……違う……そう思いたかったんだ……もう単なる同情じゃない……俺はあやせが………



   『あの時は、、気持ち悪いみたいな顔した癖に………今更………』



何処かで、何時か聞いた言葉………
そしてやっぱり何時か何処かで見た不機嫌で、淋しそうで、ちょっと拗ねた女の子の顔



その顔を見て、俺はあやせが膝枕しながら、訊いてきたことを…突然思い出す。
あやせが告白した時、こいつは黒い花嫁だった。

そして俺らが単なる妹の親友とその兄という関係じゃなくなったのは、
そのキッカケになった出来事も、俺と花嫁姿の桐乃が手を繋いで歩く現場を
目撃されてからだったとようやく気付く。

あやせ、おまえは…本当に、そんな事を望んでいるのか?

手を挙げて、あやせの頭にのせようとしたが、結局、思い直す。
かつて桐乃と繋いだ手を今、あやせと握ったまま、また同じ事をする気にはなれない。
絶対にしてはいけない、あやせがそれを望んでいたとしても…絶対に。

「ちょっと俺ら時間置くか、今のままじゃ冷静に何か話すのは無理だろ、な?」

「…………………………………………………………………………分かりました。
もちろん、良いですよ。自由にしてあげるってわたし言いましたから。
わたしは嘘つきじゃないから、ただし……」


「……………ただし?」

「わたしとちゃんとしてください…今までみたいに中途半端じゃなくて、最後まで
ちゃんと。そうすれば、わたし……、そうじゃないと、わたし……」

俺は手錠を外し、繋いでた手も離す……でもこいつの儀式にまんまと付き合って
やる気は更々無かった。


このまま、刹那的にキスしたりや身体を重ねる事で、あやせの口を
一生塞ぎ続けたくはない、俺はもっとあやせの声が聞きたかった。

「何を勘違いしてるんだよ?俺は外で、少し頭冷やしてくるって意味だぜ」

「このままわたしを置き去りにして……………今、わたしを見捨てたら、
本当に、本当に、、わたしは何をするか分かりませんよ、お兄さん」


そう、あの時の告白の時みたいに、あやせは全身全霊で俺を恐喝する。
それでも俺はあやせの言葉を無視して、外れかけだったチョーカーも完全に外す。

「おまえは何もしない、そして俺は必ず戻ってくるから…さ」



744:名無しさん@ピンキー
11/11/22 21:31:17.70 r4sQ2KCc

あやせの泣いた顔の悲しさを知ってるし、優しい眼差しも知っている。
あやせのシャンプーや、香水の良い匂いを知っている。
あやせの怒った時の声も、あの時の声も、笑い声も知っている。
あやせのすらりと伸びた指先や、肌の温もりを知っている。
あやせの作った料理も、キスの味も知っている。

だから俺はあやせを信じたかった。

俺は本当に、自分で思ってたよりも、ずっとあやせが好きだったんだ……………
自分が考えるよりも、ずっと前から…………。

だから自分自身も信じたかった、もう俺たちはあの時とは違うんだってさ。


だから、結局、俺はあやせを一人で残して部屋を出た。




辺りは黄昏を通り越して、夜の帳が下がっていた。
携帯と財布だけは持ってきたが、何もする事はなく…ただぼんやり喫茶店に入り
コーヒーを飲む。


考えたら、俺は風邪引いてて、あやせに看病して貰ってたんだっけな…。
前の喧嘩の時は色々悩んだし、別れの予感まで感じたが、今回はそんな
気の迷いは全然無かった…。

予想した通り、あやせの着信とメールの大爆撃は無かったが、
気が付くと一件だけ着信履歴が残っていた、友人の赤城からだ。

「もしもし赤城か。何の用だよ?まぁ大体察しは付くけどさ」

『高坂………明日、田村さんに告白しようと思っている、まぁ何だ…一応おまえには
報告しておこうと思ってな』

「そうか…上手く行くと良いな、俺は………応援してるぜ」

『サンキューな。しかしあの時のおまえの右ストレート、本当に効いたぜ。
まさか彼女持ちのおまえに、本当にぶっ飛ばされるとは、はは』

そう、俺はあやせという彼女が居ながら、赤城に麻奈実が好きだと言われてぶっ飛ばした。
我ながら、本当に最低だった。
しかし赤城は本気だったし、どうやら麻奈実の為に、シスコンを卒業したらしい。

「おまえと俺はシスコンの2トップだと思ってたのに、まさかおまえが先に
卒業するとはな。いや、瀬菜が真壁君と付き合うから、無理やり卒業したんだっけ?」


『おいおい、失礼な事を言うなよ。まぁ確かにあの真壁と言う奴を俺もぶっ飛ばしたが、
でも腐海のお姫様だった瀬菜がそんな気持ちになるんだから…俺だって、うぅうう』


麻奈実に告白する前日に、瀬菜の事を思い出して号泣する赤城…まぁ良い奴なんだ。
こいつなら麻奈実を任せても、今の俺よりも幸せにしてくれると信じる事が出来る。

745:名無しさん@ピンキー
11/11/22 21:32:27.77 r4sQ2KCc

「おいおい…まぁ妹好きも良いけどよ、麻奈実泣かせたら…本当にぶっ飛ばすだけじゃ
済まないぞ、と言うかあの例の写真を……」
こんな台詞…よくこの俺が…でも麻奈実の為には、どうしても言っておきたかった。

『高坂君…僕達親友じゃないか……だから安心しろよ。絶対に田村さんは俺が守るから。
まぁこんな事言ってて、明日、断られたら笑うけどな』

「まぁな。また何か有ったらいつでもかけろよ、、相談ならいつでも乗るからな」

『ああ、有り難う。おまえこそ、あの超美人さんと何か揉めたらいつでも俺に
言えよ…じゃないと、こっちは田村さんに告白どころじゃなくなるからな……』

「俺は応援するって言っただろ、卑屈になんなよ。それに、そもそも童貞のおまえに
相談する事なんて何もねぇよ」
これは明日告白する赤城の為についた嘘だったが…。

『お、おまえ……手錠したまま大学に来た時から変だと思ったが、まさか。
キスすらさせて貰えないなんて言ってたのにな……あ!、あのDVDは色々な意味で
もう見ないでくれよ、頼むから、ちゃんと処分してくれ!!!』

ショートカットで、眼鏡で、巨乳の女の子が出演しているDVD、まさか…赤城にあれを
貰った時には、今みたいな事になるなんて想像もしてなかった。

「心配すんな。色々な意味でもう卒業したよ。俺にはあやせしか居ない」

まるで自分に言い聞かせる様に、現実を改めて認識する為に、俺は呟いた。


そして、電話を切った後、何かの衝動に俺は必死で耐える。


『耐えろ…

麻奈実が教えてくれたを絶対に忘れるな…。

あいつは…いつも笑顔だった、どんな時も…俺の為に笑ってくれた事を忘れるな…。

あいつの笑顔を忘れるな……』


変わらない事をいくら願っても---------それはいつまでも続かない…のだ、絶対に。


でも情けない俺は携帯を握りしめて、麻奈実のアドレス宛に、送信される事の無い
文字の羅列を何度も配置していた。

そしてしばらくすると、その文字の羅列は、視界がぼやけたせいで、意味すら失った。


『あなたが好きなのはお姉さんでしょう?』と言うあやせの言葉が蘇る……


俺は、一体何やっているのだろう?
可愛い彼女を一人自分の部屋に待たせて………………。


気付くと着信
画面はまだ、ぼやけたままで、誰からなのか分からなかったが、俺は取り合えず出る。


746:名無しさん@ピンキー
11/11/22 21:33:09.42 r4sQ2KCc

「もしもし、おまえか。何?どうしたんだよ?」

『何って、、あ、あんた、その酷い鼻声…黒いのに聞いたけど、本当に風邪引いてるんだ、大丈夫?』


「ああ、大丈夫だ。で何の用?」
桐乃には悪いが正直、今誰かと話したい気分じゃなかった。

『え…っと……あ、そうだ、あたしのコレクションの感想をい、言いなさいよ。
その為にさ、せっかくパソコン渡したんだからさ!』


「色々忙しくてまだちゃんと見てないんだ。今度ちゃんと見てから感想言うからさ…
じゃぁまた…」

『ちょっと…ま、待って……待ちなさいよ。ご、ご飯はちゃんと食べてんの?
ねぇ京介が良かったらさ、また…』

「チィ」無意識にした舌打ち…

『な、何、その態度…あんた、あたしがせっかく』 

「うるせぇな、おまえには関係ないだろ、一々そんな事で電話してくんじゃねぇよ!」

『……そっか……………もう切る……から』
妹の元気の無い声でやっと気付く、俺は何て馬鹿なんだ…。


「……………………………………待てくれ!桐乃!!!!!!!」
店に居た店員も客も何事かと俺を見ていた。店に居づらくなり…外に出る。


『……………………………な…に?』

おそらく、状況は多少違うだろうが、ずっと昔に同じ事をやった記憶が微かにある。
過去に桐乃と疎遠になるその些細なキッカケ、やっぱり俺は本当に大馬鹿だ…。


「すまん…他に考え事をしてたんだ。おまえが気を遣ってくれて嬉しいから。
だから切らないでくれ、頼む…」

『……わかった。優しいあたしに超感謝しないさいよね、で何の悩み?』


「へ?」 『だから何?早く言えっての…それとも、やっぱ切る?』

「ぐ…」 俺の悩み………………、それはあやせだ、麻奈実の事は本来喜ぶべき
事なのだから、それに桐乃にその事を話して何の意味がある?

「実は黙ってたけど、俺はあやせと付き合ってる。いや、これは今更、おまえに
言っても、もう知ってるだろうけどさ…」


それはそうだ、桐乃とあやせと俺の三人で、黒猫を追っかけた時の様な修羅場を
演じたのだから……。あの時と違うのは本当に人間の生き死がリアルに
垣間見えた事だろう………"必死"………文字通り、あやせは必死だった。


747:名無しさん@ピンキー
11/11/22 21:34:04.39 r4sQ2KCc

『ふ~ん、そうなんだ…へぇ~』

「桐乃、おまえとの約束…」

『手錠したまま、あたしとマッタリご飯食べてるのを、あやせに見せるプレイしてる
変態のあんたが今頃、、何言っちゃってんの?』

「ちょ、おま…え、な、な、何で知ってるんだよ?!」

『手錠、紅茶のカップ、それに香水だって…あれをあやせが使ってるのは
あたし知ってんだから。アレはマジで今までの中で一番キモイかった、、から。
んで妹の親友をたぶらかして、あたしらの友情を
ぶち壊してくれた、お兄ちゃんが妹に何の相談あんの?』


それは、かつて俺が変態呼ばわりされても守ろうとしたものだった。
あの時はちゃんと、守れたと思っていたものだった。


ふと、さっき俺の部屋であやせに言った、自分の言葉を思い出す………

『俺らってあのコミケで偶然会わなかったら、どうなってたんだろうな?
もっと早くこうなってたのか?それとも…』

そして、そんな事を考えて……だから…どうなるって言うんだ……………今更


「ただおまえに言っておきたかっただけ…だ。本当にすまない…桐乃…」

『あ、あんたさ…本当にあやせの事が好きなんだよね?付き合ってるからさ…
分かるけど、何て言うか、、、』


「あやせが可哀想だから、同情して付き合ってるんじゃないかって意味か?」


『、、うん、言いづらいけど、そう、、いう意味で聞いた、、』


「俺はあやせが好きだから付き合ったし、今も好きだから付き合ってる」
これ以外どんな答えがある?

『…………ねぇ、まだ質問…ある、、何も聞かずに答えて、わかった?』

「わかった」

『あんたは、もしあたしが妹じゃなかったら、あやせよりあたしを選んでくれた…の?』


「………………………………俺がもっと察しが良くて、優柔不断じゃなければ。
そしてもし桐乃、おまえがもう少しだけ勇気を出していたら、どんな障害が有っても、
誰に反対されても、俺らは結ばれてたかも知れない…でもそうならなかった……。
それはどんな男女にだって起こりうる事だし、起こり得ない事だから…だから」

『…………』

「おまえが妹だからじゃない、その事は………それは全然関係ないんだ」

748:名無しさん@ピンキー
11/11/22 21:35:03.11 r4sQ2KCc

俺はまた、自分に言い聞かせる様に呟いた…本当にこれ以外に、この言葉以外に
答えなんて一生見つけられる筈がない、見つかるわけ無いのだ。

ずっと一緒だった幼馴染みの麻奈実も、俺と桐乃が仲直りするキッカケを作ってくれた
親友の黒猫さえも、見つけられなかった答え。
唯一、限りなく桐乃に近づこうとした、なりきろうとしたあやせだけが…………
……今日やっと気付いた事だが……あやせの捨て身の行動だけが俺に結論を出させた。

結論は出たけど、答えはまだ見つかっていない、、もし桐乃が、妹が何度でも
俺に問い続けるなら、俺は一生その声に応え続けなければならない。


      『そう、、』    「…………………ああ」


その後、俺も桐乃もずっと黙っていた。
確かに、この沈黙は実の妹と話している雰囲気じゃ全然……ない、全く。
まるで恋人同士で別れ話をしているかの様な錯覚を覚える。

そして沈黙を破った妹の言葉は……

『これから言う事はあたしの独り言だから、京介は黙って聞いて、わかった?』

「………わかった」

『あたしがさ、京介に初めて人生相談した時のこと、もうずっと、ずっと前のことな
気がするけどさ…あん時は本当に嬉しかったんだよね……本当に、、』

『そんだけじゃなくて、黒猫や沙織に会えたのも、京介のお陰だし、、その後も
ずっと、ずっと京介が沢山してくれた、、こと、、すごく感謝してる、だから、、、』

「桐乃、俺はさ……………………」

『イイからちゃんと聞け、、黙って、聞いて、、よ。
あたし分かったんだ、、京介の事が大好き、、でも京介がお兄ちゃんとして、
妹のあたしの事で心配してくれたり、、助けてくれたりするのもやっぱり凄く、、
安心して嬉しくて、、幸せな気持ちになれんの、、、。』

『だけど、助けられるだけだと、、ずっとあの人に、、麻奈実さんに勝てないと
思ったから、あたし大人になろうとした、、。
でもさ、、結局、京介があたしを頼ってくれても、お礼を言ってくれて、
笑顔を見せてくれても、、あたしが見たい笑顔の半分はやっぱりお兄ちゃんの
笑顔なんだって、、やっと、わかったの、、、』

『だからさっきの話、、、、、京介が鈍いだけじゃない、、あたしに勇気が
なかっただけじゃない、、、きっと、、』

この前俺の家に来て、料理を作ってくれた時、桐乃はイイ女になったと言ったが…
俺が答えを出す事を半ば放棄していた事を、戸惑いながらも、素直に俺に語りかける
その姿は…もうあの時の拗ねた妹では無かった。


749:名無しさん@ピンキー
11/11/22 21:40:49.67 r4sQ2KCc

「こんな情けない兄貴でごめんな、桐乃。俺、もう素直に言うわ、おまえの事が
大好きだ」

『あ、ありがと、、、その言葉、、、、、、、あやせにメールしとくから』


「ちょ、おまえ…………………い、いや、全然構わねぇから」

『ふ、ふ~ん、あっそ、あたしまだ許したわけじゃないし、ムカついてるんだから!』


「今度、おまえが暇な時にデートしようぜ?それにおまえの手料理もっと食べてみたい」

『何、調子に乗っちゃてんの?あんた、ちょっとあたしが良いこと言ってあげたから
ってどんどん増長してさ、キ、、、、』


「俺、間違ってたわ。おまえにキモいなんて言われて萎縮してたから、ダメだったんだ。
俺は立派な世界一のシスコンになって、もっと、桐乃が大好きなお兄ちゃんになるから。
おまえがイヤって言っても、俺は泣いて、駄々こねて、お願いするからな!!!!」

『それ、今までとあんま変わんなくない?』


「ぐ……た、確かに………」


『ぷ、にゃはは………もう…本当に…………困ったお兄ちゃん、、シスコン過ぎ、、。
あ~あしょうがないよね、、、しょうがないから、一生あんたに付き合ってあげる。
その代わり、あたし我が侭だから、滅茶苦茶、我が侭なこと言うつもりだから!
京介にあ、あやせが居ても…あたしを最優先しないと絶対に承知しないんだかんね、
わかってんの?』


桐乃が途中から鼻声になっていたのは気付いていた。
今まで、俺が馬鹿な兄貴だから本当に何度も、何度も桐乃を泣かせてしまった。
でもこれから、俺は今まで以上に、桐乃の理想の兄貴にならなきゃいけない。
もうこいつがこんな声で話さなくて良い様に…さ。


「ああ、わかった。桐乃みたいな最高に可愛い妹が居て、俺は世界で一番幸せ者の
お兄ちゃんだ」


俺の妹は世界で一番可愛い。
ずっと前から変わらなかったもの、これからも絶対に変わらないもの。



   なぁ……麻奈実、これは 『目先の答え』 じゃないよな?





750:名無しさん@ピンキー
11/11/22 21:42:04.55 r4sQ2KCc

『あたしより、京介は、、黒いのとか、ま、麻奈実さんとか、、どうすんの?
あんたのせいで、、、まぁそれはあたしも同じか…………』

「聞いてくれ、桐乃、俺さ………………」

俺は自分なりの"みんなが幸せになれる未来"を桐乃に素直に話し始める。




桐乃との電話を切った後、俺はドラッグストアに行き、買い物をした。
店先を出た所で、あやせからメールが届く。



『さようなら』 でもそのメールを見た時、帰り道を歩きながら俺が考えた事は…………



悪戯っぽい桐乃の笑顔  蠱惑的な黒猫の微笑  暖かさに満ちた麻奈実の笑み


自分の中にあった彼女達の笑顔を、彼女達への気持ちを絶対に忘れない為に、
心に刻む為に何度も、何度も必死に思い浮かべた。




俺がその時、考えた事は…………俺の心にあったものは、本当にそれだけだった。









おわり

次回、気が向けば、多分、完結編に続く

751:名無しさん@ピンキー
11/11/22 21:52:35.21 TarmW/ly
>>750

久し振りにこのスレでSSを読んだ気がする...

752:名無しさん@ピンキー
11/11/22 22:49:59.74 z5amBM29
この際あやせSSオンリースレでいい

753:名無しさん@ピンキー
11/11/22 22:53:29.47 e8H5SYed
おい少なくとも加奈子は必要だ

754:名無しさん@ピンキー
11/11/22 23:55:42.28 AOvzalL+
ごみ

755:名無しさん@ピンキー
11/11/23 00:19:28.49 uYAozMae
スレが伸びてるけどSLでも来たのか?

756:名無しさん@ピンキー
11/11/23 00:35:48.98 S/uwLXv7
SLが来てたら、今頃900

757:名無しさん@ピンキー
11/11/23 02:35:54.00 0BIQ0ikL
途中でなんちゃって哲学に入ったのはちと退屈だった。
中頃の問答を1/3ぐらいに圧縮して後半の懺悔に繋げるとよかったんじゃないかと思う。

にしても各々のフォローが綺麗だわ。哀れな女ってヒロイン補正もあるからだろうけど誰一人貶めようとしないのは好印象。
さて、何すっかわかんないっていってんのに出ていった京介。こっからどう転がるようにナルかが楽しみだわ。



758:名無しさん@ピンキー
11/11/23 05:05:56.58 rj83pgxD
このまままともな書き手が現れないままスレ終わりそう…

759:名無しさん@ピンキー
11/11/23 09:26:21.00 jI+2mKTD
>>736-750
乙。
桐乃の想いがすっごい切なくて、でもあやせの感情も、麻奈実や黒猫それぞれの気持ちもあって…。
皆が京介のことを想ってて、でもお互いの関係を壊さないように四苦八苦して、そんな板ばさみな状況が、
繊細に書けてたと思う。完結編も期待してるよ。


760:名無しさん@ピンキー
11/11/23 12:35:38.84 rIFaS/Y+
愚痴とか馬鹿じゃねえの?
vipでも書いて自演コメしてろカス(嘲笑)

761:名無しさん@ピンキー
11/11/23 14:21:07.24 YzclCC4U
ここはvipじゃないから細かく改行入れなくていいと思うよ
意図があってやってることならアリだけど

762:名無しさん@ピンキー
11/11/23 19:26:51.76 vkqOZRu3
藤林丈司

763:名無しさん@ピンキー
11/11/25 23:05:41.02 Fy1+ZOcS

なんかあやせが何かしそうな怖さがあるのはいつもだが
今回の人はちょっと質が違って展開がハラハラする。
やはりあやせが一番京介と相性良いよな~

ここ荒らしまわってるのは黒猫好きな人かと思ってるんだがどうだろう。
黒猫の話ほとんど無いからここは目障りだろう。


764:名無しさん@ピンキー
11/11/25 23:42:49.11 n3Np6Qdt
荒らし分析とかいらないです

765:名無しさん@ピンキー
11/11/25 23:45:36.30 8+4+I7oR
荒らしは荒らしであって誰好きとも関係ないだろ
碌な根拠もなしに一々関連付ける意味がわからなさすぎる、陰謀論好きなのかしらんがw

766:名無しさん@ピンキー
11/11/26 04:39:56.67 d4qoUggj
むしろ、763が黒猫嫌いなんだろうということだけはわかったw
いや、対立荒らしは単なる荒らしであって、誰が好きとか嫌いとかいうわけでもないか

767:名無しさん@ピンキー
11/11/26 08:23:58.73 ut68H7Vs
ふと、京介が恋人作った上で桐乃と浮気するという展開が思い浮かんだ
「自分の気持ちにけじめ付けたいから、最後に一度だけ抱いて……」と桐乃がセックスを要求
でも一度だけにとどまらず、その後もズルズルと関係が続くみたいな感じで
その後京介も桐乃もそれぞれ結婚して、桐乃には子供もいるけど、その子供は本当は……

と、ここまで妄想したはいいが、文章にするモチベーションが涌かない。書き上がるのはいつになることやら

768: ◆XUsplk79ik
11/11/26 14:01:59.76 9zd+Wok+
久しぶりに拙作を投下してみます。
以前の自分の作品の設定をつまみ食いして引き継いでいます(他の作品と繋がっているわけではない)ので注意。
具体的には、

・京介×沙織
・時系列的には京介が大学1年、沙織が高2(他のキャラも同様)
・京介が沙織のマンションに住み込んでいる。早い話が同棲
・交際時間は深くは考えてないが、短くても半年程度
・京介と沙織の仲は桐乃と黒猫は認めている。また、沙織も桐乃と黒猫が京介にちょっかい出すのを認めている

こんな感じです。
久しぶりなのでいろいろ粗いと思いますがご容赦ください。


769: ◆XUsplk79ik
11/11/26 14:02:25.52 9zd+Wok+
「沙織ってござるござる言ってた割に忍者のコスプレしたことないよな」
「ほえ?」

何の気なしにつぶやいた俺の発言がきっかけだった。

「いや、今でこそあの眼鏡ほとんど使ってないけどさ。ああいう口調だったからそういえばくの一にでもなったことあるのかなっと」

とはいえ、『~氏』とか考えるに別に特定の何かってわけでもなかったのだろうが。

「あれは彼方さんの『コスプレ』とでも言うべきものでしたからね。なるほど、考えてみればその発想は無かったですわ」
「しょっちゅうニンニンとか言ってた気もするが」
「そういえばそんなこともあったでござるなぁ~ふふっ」
「おい」

口をωにして顔をほころばせる沙織に軽くチョップで小突きを入れ、沙織はてへっと舌をちろりと出す。
死ぬほどあざといが、加奈子の次ぐらいには似合うから困る。いや、麻奈実とタイぐらいか?
そんなことを居間のソファに体を預けながら考えていたところ、

「……また他の女の子のこと考えてました?」
「別に?」

こういうことには意外なほど鼻が鋭い奴だったりするのがこの沙織である。
なぁにぃ聞こえんなぁとばかりに目を上に泳がしてわざとらしくうそぶく。

「……新垣、あやせさんでしたっけ?」
「―ッ!?」

未知の角度からの追求に思わず背筋が凍った。
なんでそんなことを……と訊こうとしたが、それでは自白したようなものだと思いとどまる。

770: ◆XUsplk79ik
11/11/26 14:02:59.78 9zd+Wok+
「『最近友達の―あやせって言うんだけどさァ―の様子がおかしいのよね。
そんで聞いてみたら”今度の休みにお兄さんと久しぶりに会うんだよ”って返ってきてさ。
あのバカに釘刺しておいた方がいいんじゃないの?』って匿名希望の方から投書を戴きまして」

ご丁寧に口調までトレースしてくれたおかげでバレバレである。
あ……あんのバカ妹がぁーッ!!と逆ギレしそうになったが、よく考えてみればこれに関してはあやせが軽率なだけで桐乃に罪はない。
ああそうさ、ばれなければ黙っておくつもりだったのは認めるよ。これに関しては完膚なきまでに俺が悪い。
って誰に言ってるんだろうか俺。

「別に京介さんが誰と会おうとわたしは止めませんよ?けども、彼女たるわたしには一言でも言伝してほしかったですね。
わたしの許可無く手を出していいのは桐乃さんと瑠璃ちゃんだけです」

あいつらならいいのかよ!と心の中で突っ込みながら、ばつの悪そうに俺は沙織を見た。
その悲しげな表情に、自責で思わず唇を噛んだ。

「いや、悪かった。ちょっと欲を出しちまった俺が本当に悪い。こんなできた彼女がいるってのにな」
「まったくですよ。
さて、話がまとまったようですし、コスプレでもしましょうか」
「えっ?」
「忍者のですよ。さっき言ってたじゃないですか」

そういえばそんなことも言ってたっけな……あまりの冷や汗にすっかり忘れてたぜ。

「忍者っつっても結構広い気がするが。ハットリ君のでもするのか?くの一はいなかったような……」
「ああ、それに関してはきちんとツテがあるので大丈夫です」
「ふぅん?すると俺は?」
「漆黒で構いませんよ。ちょっとした都合もあるので」
「うぅん、なんか面倒くs―」

にっこり。

「やらせていただきます」
「よろしい。それでは向こうで着替えてきてくださいな」

首を二度縦に振ってマンションの外に出る。
すっごいニコニコしながらキレるのがうちの娘の特徴でもある。というかやっぱあれ超恐ええよ!

771: ◆XUsplk79ik
11/11/26 14:03:29.56 9zd+Wok+
「この格好をするのも何度目なのかな」

というほど多くもない気もするが。最初に素顔の沙織を見た時から指折り数えられるぐらいか?
なんにせよ沙織に付き合わされて結構コスプレをしてきたが、これが俺に一番合っていると自分でも思うことはある。
沙織も『姉さんの旦那さんが元ネタ』だとか言ってたし、そのへん思い入れがあるんだろうかね。
用意の済んだ俺は元いた部屋の玄関に手をかけてノックをした。

「おーい、戻っていいかー」
「はーい」

許しを得た俺は取っ手を回してドアを開けると、沙織の意外な姿に心を奪われた。
くの一っちゃらしいんだが、黒を基調とした軽装で、沙織の豊満なボディが余すところなく表現されている。
ってかこれは……

「……SO(ステラ・オーシャン)3のクレア?」
「ご名答!どうです?似合いますか?」

ふわっと一回転して腰を低く落とし、右手を閉じたチョキの形にして口元に寄せる。
元のキャラが貞淑で温和なグレーの長髪ということもあってか、はまりすぎて怖い位である。

「―いや、すっげえかわいい」
「ふふっ、お褒めに預かり光栄です。京介さんも良くお似合いですよ。さあさあ中へ」
「お、おう」

語彙力のない自分が恨めしいが、あげつらった言葉も変だと自己弁護してみる。
そうして忍者というか隠密に導かれて俺は部屋の中に入ったのだが―

772: ◆XUsplk79ik
11/11/26 14:03:55.08 9zd+Wok+
「……なにこれ?」

部屋の中には縄に鞭といった―いわゆる、そういう系のシロモノ?が並べられていた。
というか、こんなのが部屋のどこに隠されていたのかという疑問もあるが、

「隠密といえば捕縛、尋問じゃないですか。だから京介さん、お願いしますね」
「いや、その理屈はおかしい」
「わたしは夜魔の女王の放った斥候という設定でお願いします」
「人の話を聞け!」

そもそも漆黒はダークヒーローではあるがそんな趣味はないと思うんだが。
黒猫に聞かせれば「漆黒はそんなこと言わない」とか一蹴されそうである。

「大丈夫です、人は誰しも暗黒面を持ってるものですから。さあ!京介さん」

やけにノリノリで怖いぐらいの沙織さんがちょいちょいと手招きをしてくる。
そのやたら扇情的な仕草に思わず俺も劣情を煽られてきた。

「……なに、そんなに俺にやって欲しいの?」
「……京介さんじゃなきゃ頼みませんよこんなの。言わせないでください恥ずかしい」
「わ、わかった」

好いた女にそこまで言われたら据え膳ってレベルじゃあるまい。覚悟を決して俺は沙織を縛りにかかる。
ご丁寧に部屋周りには引っ掛ける用のフックみたいなものがついていた。
世の中には色々便利なものがあるもんだな……と変にしみじみと思いながら縄を結っていると、

「あ、そうそう京介さん」
「ん?」
「この衣装、別に破っても構わないんで。脱がしたいならそれでもいいですけど」
「……」

けろっとした顔で言い放ちやがる。
こいつ、たまに痴女の素質があるんじゃないかと疑わざるを得ない時があるんだよな。
嫌いかと言われればうん、大好きSA!と答えるところだが。

773: ◆XUsplk79ik
11/11/26 14:04:30.83 9zd+Wok+
薄暗い部屋の中、両手両足を部屋の壁と縄で拘束された女が一人いた。

「ここは……?」
「ようやくお目覚めかね」

そこから姿を現したのは、黒いマント姿に身をうつした漆黒―つまり俺だった。

「女王の為に御苦労様、と労っておこうかな?」
「下種が……一思いに殺せ!」
「殊勝な心がけだが―その容姿、殺すには惜しいのでな」
「なん……だと?」
「要は、俺の女になれ、ということだ」
「ふざけるな!誰がそんな……」
「そうだ。その強気な態度。それが実にいい。
まあいい、俺の手でじっくりと俺の味を教えてやる」

我ながら歯の浮くような台詞だが、いわば小芝居のようなものなのだから気にしたら負けだ。
沙織もそのへんがわかっているからこそ余計なことは言わない。
彼女に下種とか言われると地味に傷ついたりもするんだが、まあいい。今はとにかく雑念を捨てることだった。
俺―漆黒は徐に彼女の首筋を掴み、強引に唇を奪った。

「―んッ!?」
「俺謹製の媚薬だ。割と即効性だぞ。さて、次は―」

力いっぱいに首元から忍装束を引き千切る。
見た目よりも割とやわい作りだった。そういう意図だったと内心苦笑せざるを得ないが―
その何度見ても飽きない大きな双球が外気に晒され、俺は生唾を飲み込んだ。

「普段の力さえ出せれば……貴様なんぞに……!」
「その縄も貴様等の力を削ぐように出来ているのでな。無駄なあがきはよすことだ」
「くっ……」

いかにも悔しそうな素振りで俺を睨み付ける。
なんかどこかで聞いたようなセリフだが、今は考えるのはよそう。
漆黒はこね回す様な動きで両手を胸へと動かし、乳首をきゅっと摘み取る。
時に強く、時に優しく。

「うっ……ああっ……」
「どうだ、愉しくなってきただろう?」
「だっ……誰が!」
「そうか。では、こちらも味わうとするか」
「あっ……」

残っていた衣装を股の下まで裂き取り、残っているのは白いショーツ一枚となった。
そこをショーツの上から丹念に舐め回す。
女の体が電撃を受けたようにビクンと跳ねた。

774: ◆XUsplk79ik
11/11/26 14:04:55.71 9zd+Wok+
「ああっ……ひ、卑劣な……」
「お仕置きに汚いも何もあるまい。現にお前のここは悦んでいるぞ?」
「き……貴様の薬のせいだろうっ」
「ん?言っている意味がわからないな。あれはただの栄養剤だぞ」
「なっ……」
「お前は自分が快楽に溺れていると認めたのさ。それが真実だ」
「姑息な真似を……!」
「何か違いがあるのか?違わないさ、ははは」

残ったショーツも破り捨て、露になった秘所に人差し指を滑らかに差し入れる。
今だきつさを失わないそれはまさしく名器と呼ぶにふさわしいだろう。
そしてそれがある一点に到ったとき、

「んっ……くっ…あっ…あ…あああああっ!!」

体をバイブのように著しく痙攣させ、目の前の女はイき果てた。
あ、そういやバイブ使うの忘れてたな。まあいいや、俺ももう我慢できん。
ヒャア、がまんできねぇ0だ!

「ま……まだ……!」
「心までは屈さぬか……ますます気に入った。まあいい、夜はこれからだ。じっくりと可愛がってやろう。まず一発目を受け取るがいい」
「な、何を!」

漆黒は名も知らぬ女の腰を持ち上げて後ろ向きにさせると、むき出しにした性器をそこにあてがった。

「やっ……やめろッ!?」
「悪いが、それはできない相談だな」

あくまで余裕そうに、漆黒はずぶりと思い切り差し入れた。

775: ◆XUsplk79ik
11/11/26 14:05:17.79 9zd+Wok+
「ぐっ……うううううっ!!」
「なんだ、非処女か。とんだ淫乱女だったのではないか、ははははっ!」
「そん、な、ことっ……あぁんっ!」

初めても戴いたんだが……と恍惚に一瞬浸るも、すぐに打ち消して一心不乱に腰を振る。

「ほうらっ、中に出すぞ!」
「っ!?や、やめろっ!それだけは!」
「ペットの言葉に耳を貸す奴がいるか?」
「ぺ、ペッ……あっ、うぁあっ!」

内心すまんとおためごかしをしながら、俺は欲望を素直に沙織の膣内に解き放った。

「んっ……ああ……あああああああ!!」

キューッと収縮した膣に一滴残らず搾り取られ、ズルリと自分のモノを抜く。床に倒れた沙織の蕩けた表情は抜いた後だというのに未だ魅力的だった。
もう腰がガクガクで正直立ってるのも辛かったが、漆黒としての矜持で直立し続けた。

776: ◆XUsplk79ik
11/11/26 14:05:46.45 9zd+Wok+
「パーフェクトです、京介さん。惚れ直してしまいましたわ」
「感謝の極み」

うっとりとした沙織の表情に頑張った甲斐があったかな、と自分を讃えようとしていた矢先―

「さて、第二幕の開始ですわね?京介さん?」
「えっ」
「だってまだあの『わたし』は堕ちてませんからね。物語はちゃんとやりきらないと」
「ちょっ―」

明日はあやせと待ち合わせがあるんだけど、

「京介さんに拒否権はありません」

にっこり。
ああ、そういえばこいつ知ってたんだっけか、そのこと……
もはや言葉は不要だった。
俺は黙って深く頷き、夜が更けても絞られ続けたのだった、マル。


次の日、俺がげっそりとした表情で遅刻までしてしまい、あやせに深く心配されたのは言うまでもなかったとさ。

777: ◆XUsplk79ik
11/11/26 14:08:03.13 9zd+Wok+
終わりです。
沙織とSO3のクレアって似てね?っていう着想から思いついたネタ。
漆黒出した割に耽美感が出せなくて(というかよくわからなくて)残念。

あとそういえば設定項に書き忘れましたがこの沙織、かなり絶倫です。

778:名無しさん@ピンキー
11/11/26 20:10:25.88 qvFeACSQ
知らないキャラなのでググったけど、似てる・・・のか?
沙織がエロ可愛いんで別に良いんだけどさ

779:名無しさん@ピンキー
11/11/26 23:04:16.57 sODK1BB/
>>777

健全なエロパロを読んだ気がした。

780:名無しさん@ピンキー
11/11/27 13:42:47.01 C/8thcWp
>>777
希少な沙織ものオツです

781:名無しさん@ピンキー
11/11/30 22:40:48.72 jGXBY654
テスト

782:名無しさん@ピンキー
11/11/30 23:51:35.95 jPsf+z7Q
0点

783: ◆36m41V4qpU
11/12/01 05:04:43.64 NwE+uyC/
家出編

前書き(読みたくない人は飛ばしてね)

スペースを空けてるのは伝わってないかも知れないが、行間で意味を出したかったから。
()を使わないと、なんちゃって哲学が、ますます増えたけど、一応直接表現もやってみた。
本当は黒猫とか別のキャラも登場させたかったが長くなるのと、どうせ書くならやっぱり
あやせが一番可愛い感じで無双にする為にこうなった。
だからオチの続きを(自分では)想像する余地を残したつもり

コテ付けたのは、この世界観で、また別の話を書くかも知れないのと
VIPでも人が来て欲しいと思ったので。

こういう形になったのも感想や批評してくれた人のお陰なので感謝。
読んでくれた人にも感謝。

"37℃"  "Antipyretic"  "Stummer Dialog"の完結編で

京介×あやせで

784: ◆36m41V4qpU
11/12/01 05:08:01.90 NwE+uyC/

"A Nexus"






暗闇はやっぱり苦手…いつも、わたしの忘れた記憶を呼び起こさせる………

『さようなら』とメールした後、それでもわたしは更に、闇を求めて目を閉じた。



「お母さん、わたしね………」

『あやせ、あなたは良い子でしょう、何で言う事が聞けないの?
わたしはあなたをそんな子に育てた覚えはありません』

「………でも、わたし」 
お母さんの悲しそうな顔、いけない

「ごめんなさい、ごめんなさい。お母さん、ごめんなさい」 
お母さんを悲しませたらいけない、いけない


『あやせは本当に良い子ね、お母さんとても嬉しいわ』
おもちゃもいらない、お菓子もいらない、おねだりなんてしないもん

「バイエル、弾ける様になったの」
「先生がね、新垣さんは頑張り屋さんだって褒めてくれたの」
「お父さんがプレゼントしてくれたご本、もう全部読んだよ」

だから 今度、お父さんとお母さん……わたしを動物園に連れて行って……

「お父さん、お仕事頑張ってください。ちゃんと、わたし、お留守番出来るから」
わがまま言わない………


絶対、わたし……泣かない……


『新垣さん、一緒に帰らない?』 「え?」
髪を染めてる女の子、不良だ!仲良くしちゃいけない

『あやせちゃんに一目置いてんだよね、あたしって。あん(た)あやせちゃんに
勝手に親近感抱いてるって言うかさ、ぶっちゃけ迷惑だった?』
……………

『ほら、あやせ、こうすると美人度上がるっしょ?あやせは黒髪が綺麗だし、スタイル
も良いから、絶対に似合うと思ったんだよね、ほんとバッチリ。それにさ、メイクだけじゃなくて、
服もピッタリじゃん。まぁその服あたしのだけどね、にゃはは』

785: ◆36m41V4qpU
11/12/01 05:09:32.31 NwE+uyC/

「桐乃さん、有り難う」 

『ちょっとぉ、どんだけ他人行儀、あんた?うちら、もう親友でしょ!』

「う、うん……あ、ありがとう、桐乃」

『って何で(驚)?せっかくメイクしたのにさ………。あ~じゃぁさ、ほら、ほら、
やり方教えてあげるから自分でやってみぃ、ね?』

本当に、本当に、ありがとう桐乃


「お母さん、わたし、モデルのお仕事したいの!」
お母さんの悲しそうな顔……

それでも……わたしは
「学業と両立させます。ちゃんと責任感を持って一生懸命に頑張るから。
だからお父さん、お母さん認めてください!」


『やったじゃん!あやせ。まぁこれからはライバルだから、敵同士…だかんね!
な~んてね………冗談、冗談、心配いらないって、全部、あたしに任せとけって!』

ライバル……なんて、敵同士なんて絶対にならない、なる筈ないよ、桐乃

でも


『俺は高坂京介------そっちは?』

『あやせ、結婚してくれ』

『------冗談だと分かっててもさ、ほんとごめんな』


「-----いってらっしゃい、お兄さん」
さようなら、お兄さん


『あやせ、、、、これが本当のあたしなの』


「お兄さん、わたし、桐乃よりも可愛くないですか?
桐乃よりもわたし魅力ない、、、ですか?
わたしなんかじゃ桐乃よりも…すき…になれないですか?」


『俺が見た中で、あやせのウエディングドレスが一番似合ってたし、一番綺麗だ』


『あんた、、、あたしの気持ち知ってる癖に、、何でこんな酷い事すんの?
うちら、ずっと一番の友達だったのに!!絶交した時、京介が仲直りさせてくれた時、
約束したでしょ、それなのに、、、裏切ってさ、あたしの気持ち裏切って!!!』

786: ◆36m41V4qpU
11/12/01 05:10:50.31 NwE+uyC/

『あやせちゃん、しっかり、きょうちゃんを捕まえててあげなさい。
わたしね、あやせちゃんなら、きょうちゃんと一緒に幸せになれると思ってるんだ。
きっとね、わたしって、きょうちゃんが黒猫さんとお付き合いした時に、あの時に
応援してしまったから、多分………あの時点で、もう』

『自分の心に言い訳しすぎて、その言い訳に結局、自分自身が説得されちゃった。
誰かを好きって気持ちにも賞味期限があるんだ、きっと。
だから、わたしはずっと勇気がなかった、情けないよね、め! だよ。
だから、あやせちゃんは、こんなお姉ちゃんになっちゃ、ダメだよぉ?
だから、あやせちゃんは今の自分の気持ちを、ちゃんと大切にしてあげなさい』


『よし、じゃぁ付き合うか。何か照れくさいな……ってこれじゃダメだ!
俺の馬鹿!、馬鹿!、馬鹿!大切な事を忘れるなんて本当に、情けねぇ。
え?あ~こっちの事だよ、気にするなって。
別に、おまえにSMプレイを強要してるわけじゃねぇって、おい!
彼氏に向かって初めて言う台詞がそれかよ!
あ?……い…き』
      『なり、、お、おまえ…滅茶苦茶、大胆だな……全然嫌じゃねぇけど。
えっと………………何だっけ?あ、そうだ!
俺ら、付き合うって決めた以上は、俺はずっとおまえの彼氏でいるつもりだからな!
でも俺は、自分で言うのもなんだが、ヘタレのシスコンで、致命的に鈍いときてる。
だ、だから自虐プレイじゃないんだって(汗)  
こんな俺だけどよ、あやせの為にもっと、ちゃんとした立派な彼氏になるから!
あやせを必ず幸せにするから、だからさ……何だ…とにかく、これからよろしくな』

『あやせ好き、あやせ愛してる、俺はあやせのものだ』

『ああ、ずっとずっと好きだ、ずっと前から好きだ』

『あやせ、これからはいつでも好きな時に来てくれて良いからさ。
いや違うな、俺がいつでも来て欲しいから渡すよ』


          ***     ***     ***           


「はぁはぁ」
俺は息をきらせて、走っていた。

ついさっき、俺が感傷的に、色々な事を追憶していた時に、加奈子から電話があったの
だが………

『京介、ひっさしぶり!じゃーん』

「よぉ、本当に久しぶりだな、元気してたか?」

『京介、誰か男紹介してくれよぉー。加奈子にはいつも超お世話になってんだろお?
だから、少なくとも、おまえよりもイケメン限定で!』

「おいおい、いきなり何を言い出してるんだ、おまえ…訳分からん奴だな」

『ばっくれんなよ。ネタはちゃんと上がってるんだっつーの。
しかも、加奈子をダシに使いやがって、おまえらどんだけお盛んなんだョ(笑)』

787: ◆36m41V4qpU
11/12/01 05:12:29.78 NwE+uyC/

加奈子は、俺とあやせが付き合った事を最初から知っている。
そして、一番最初に祝福してくれたのも加奈子だった。
こいつは案外(と言うと悪いが)良い奴で、今回の件で分かる通り、あやせとも仲が良いし、
桐乃ともちゃんと今まで通りに付き合ってるらしい。
加奈子が俺の存在をどういう形で捉えてるのかは分からないが…あやせがどれほど
加奈子のお陰で救われたのかは容易に想像出来る。

「へ?」 『おいおい、もうとぼけんなって。しっかし、あやせがねー意外過ぎるつーか、
イヤ、意外なのは京介の方か。イヤ、セクハラマネージャーだからむしろ当然だナ』

どうやら、加奈子の話を聞く限りでは、あやせは親に、今夜は加奈子の家に泊まると
言って嘘をつき、その口裏を加奈子に合わせて欲しいと頼んだ(命令した)らしい。
考えてみれば、あやせはまだ高校生なのだ。門限ってものがある。愚かにも、俺は
桐乃と喧嘩して、妹を家に残し、自分が頭を冷やしに外に出てきた感覚で考えていた。

「……………………まぁーな」

『ったく、頼んだ本人の携帯には繋がらないしよぉー。とにかくちゃんと誤魔化した
かんな。京介が伝えとけよ。いちゃつきやがって、幸せを加奈子にもお裾分けしろっ』

「本当にいつも有り難うな。おまえにゃ、マジで感謝してっからよ」

どう考えても、そんな素敵な夜になるとは思えないのだが……加奈子に余計な心配を
かけたくはないから、こう言うしかなかった。


何であやせの奴は、俺に『さようなら』とメールした癖に、門限の時間になっても、
帰宅しなかったんだ?

あやせの携帯にかけたが、当然繋がらない。

『このままわたしを置き去りにして……………今、わたしを見捨てたら、
本当に、本当に、、わたしは何をするか分かりませんよ、お兄さん』

さっき、部屋であやせが言っていた言葉を思い出す。
俺が勝手に信じていただけで、あやせは本当に、俺に見捨てられたと思っていたのか?
とにかく俺は急いで部屋に戻ると、ドアを開けたのだが…………

多少は、期待していた俺の希望は見事に裏切られ、部屋の照明は消えたままで、
辺りはしんと静まりかえっていた。
当然、あやせも、あやせの靴や大きなバックや歯ブラシなんかも……ここにあやせが
実存した事を本質的に証明するものは、何ひとつ残っていなかった。
俺がプレゼントしたチョーカーを除いては……。

あいつは本当に………親にも、加奈子にも嘘をついて何処かに行ってしまった。

俺は無意識に、そのチョーカーをポケットに突っ込むと、部屋を飛び出した。
あやせが行きそうな所を考えながら走り出したのだが全くと言って良いほど
検討がつかなかった。
あやせの知り合いに確認しようにも、そんな人物は誰一人、思い浮かばない。

俺はあやせの事が、性格云々じゃなくて………本当に何も分かってなかった。
分からないなんてレベルじゃない、あいつの事を何も知らなかったんだ。
加奈子に何度も連絡しようかどうか迷ったが、多分それは余計な心配をかけるだけで
何の解決にもならないと直感して辞めた。


788: ◆36m41V4qpU
11/12/01 05:13:49.76 NwE+uyC/

あやせが言った通り、刹那的にでも抱いてやれば良かったんだ。
あいつに、ちゃんと捕まえててやるなんて偉そうな事を言って、結局心どころか
あいつの身体さえ……掴み損ねて、あやせは消えた。

さっき誘惑してきた時のあやせが思い浮かぶ。
あの目も眩みそうな美貌で、理性さえ麻痺させる媚態に満ちたあやせの顔と
あいつと喧嘩した時、他の男の話をして俺を嫉妬で狂わせようとした時の声が
頭の中で共鳴して、どんどん悪い事を、嫌な事を、最悪の事を考えそうになる。

俺はなるべく別の事を考えようとして、結局さっきの追憶の続きをはじめた。
麻奈実が学校を休んだ時、桐乃が突然留学してしまった時、黒猫が俺に
別れを告げて転校してしまった時………

麻奈実の時は、桐乃に相談したんだった。
桐乃が留学した時は、黒猫が色々気を遣ってくれた。
黒猫が失踪した時は、麻奈実に相談しようとして結局、桐乃に助けられた。


俺はあいつらの為にいつも頑張ってきたつもりだったけど、実はあいつらに
いつも助けられていたんだ。
俺は、誰にかけるのかも分からず、ポケットの中の携帯を掴もうとした…………
多分掴んでいれば、また泣き言を言った筈だ、いつもの様に………間違いなく。


でも携帯の代わりに俺が掴んだのは偶然にも、チョーカーだった。
無意識に、あやせが持って行ってしまった手錠の代わりに、右の手首にチョーカーを巻く。

俺は頭の中で何度も反芻する

麻奈実が居なくなった時、麻奈実を信じて自分で行動してたら?
桐乃が留学した時に、桐乃を信じて自分で行動してたら?
黒猫が失踪した時に、黒猫を信じて自分で行動してたら?

チョーカーを眺めながら、あやせが握っていてくれた右手を思いっきり握りしめると
微かに温もりを感じる。

あいつは言った
『わたしは………自分から……居なくなったり……しない』
 と……。

あやせが消えた今こそ、あいつを信じるんだ。もうあの時とは違う。
あやせの為に、追憶した過去の為にも……今度こそ、絶対に失うわけにはいかない。

それは奇跡や宿命なんて大げさなものではない………とても静かで、優しくて、
暖かい予感みたいなもの、俺があやせを好きになった理由そのものなのだ。

789: ◆36m41V4qpU
11/12/01 05:14:24.38 NwE+uyC/

もう二度と戻らない(戻れない)"もしも"が、俺の中で本当に過去のものになった事を
その瞬間に実感した。
その事実は俺をとても切なく、悲しい気持ちにさせたが、立ち止まってるつもりは
もう無かった。

だから…………俺は静かに歩き出した。


          ***     ***     ***           


どれくらい時間が経ったのだろう……わたしは目を閉じたまま眠っていた。


『おまえは何もしない、そして俺は必ず戻ってくるから…さ』


『さようなら』と自分でメールした癖に、京介さんの言葉が頭の中を何度も過ぎる
そして、その思い出が強烈に、わたしの後ろ髪を引く。
悲しいと吠える癖に、構って貰うと尻尾を振ってしまう、まるで寂しがり屋の犬みたいに。

それが漠然と思い浮かんだ、自分のイメージ。京介さんに手錠をされてエッチな事を
された時、チョーカーをプレゼントされた時から、、、あの時も全然嫌じゃなかった。

そして、わたしは………。
わたしがもっと素直で良い子なら、お兄さんは頭を撫でてくれたのかな?

「………ワ…………ン…」とかすれた小さな声を出して苦笑した。
"猫"なら、彼女はきまぐれだったのかな?と何の意味も無く、、ふと考える。
それにやっぱり猫の方が可愛い気がして、ちょっぴり嫉妬………したけど………

今日一日……彼女と電話で話していた時の京介さんの顔が一番楽しそうだった。
そして、それはわたしが好きな京介さんの顔だった。

わたしは
幼い頃に、飼っていた青い小鳥の事を思い出す。
あの時、桐乃の手を強く掴んだ事を思い出す。
あの時、京介さんの腕を指が食い込むほど握りしめた事を思い出す。

好きという感情が抑えられない、失う事を恐れて自分から壊してしまいそうになる……
小鳥を籠から出して逃がした様に、
桐乃の趣味を認めて自分の友情を押しつけるのを辞めたように、
だから、今度は、京介さんを自由にしてあげよう…………

もう、こんなわたしの事なんて、どんなに嫌らわれて、拒否されて、振られても、
きっとわたしは京介さんに対して、感謝以外の感情は、何も残らないのだから。

だから、なるべく笑って、さよならしよう…わたしの大切な人をこれ以上傷つけない為に。
京介さんとの思い出があれば、沢山泣いても、きっといつかは笑顔になれるから………

790: ◆36m41V4qpU
11/12/01 05:15:55.99 NwE+uyC/

でも……突然、眩しい光に照らされる。唖然としていた、わたしを大きな手が引き寄せる。
まるで、光そのものが強い意思を持っていると錯覚をするほど、優しくて、確かな温もりが
わたしの身体を、優しく包み込んだ。


「……………やっと捕まえた」とクローゼットのドアの先から声が聞こえた。


『どうして………?』と言おうとしたが、強引に……今までに無いほど…強引に……
抱き寄せられて、口を塞がれた。

ついさっき決心した事を言おうとしたけど、彼の本気の力で押さえつけられた
わたしは何も出来なかった。
お互いの歯が何度かぶつかるほど激しく口唇を押しつけられる、わたしの舌が
何度も貪られる……唾液も、吐息も…わたしの全部が京介さんに吸い取られてしまう。
身体が熱くなって、意識が麻痺してきたわたしは、吸い取られた言葉の事も忘れて、
危うく、自分から京介さんを何度も求めようとしてしまった……。

どれくらいの時間が経ったのか、やっと押さえつけていた手を緩めてくれて、
唇を強引にわたしに押しつけるのも辞めてくれたのだけど(でも唇同士はふれたままで)
腰に手を回されて、半ば強引に京介さんの膝の上に座らされた。

だから京介さんの声は音と言うよりも、触れたままの、唇から振動で伝わる。

「俺はおまえの言いたいことが分かってるつもりだ。でもそれだけはダメだ。
その代わり、おまえがして欲しい事なら、"儀式"でも何でもしてやる!
もうカッコつけるのは辞めた……からさ」

あんなに我が侭を言って、いつも困らせて…だからこんな風になる事を…………
期待なんてしてなかった、でも京介さんはわたしを見つけてくれた。
そして、ここまで言ってくれてるのに……こんなに求めてくれてるのに…………
"でも"わたしは……。

「最初は、同情で付き合った癖に!本当のわたしの事はずっと、見て無かった癖にっ!
さっきだって、わたしを見捨てた癖に!だからもう遅い、、全部、遅いんだから!!!」

まだ足りない、やっぱり足りない………いくら求めても、求めれば、求めるほど
カラカラに渇いて、余計に欲しくなって…………際限が無なんてない…………だから

そう思った時、そう言おうとした時、わたしの渇いた心を、わたしの頬を雫が濡らした。
京介さんは何も言わず、音も立てず静かに泣いていた。
ただ、わたしに触れたままの唇が微かに震えだして、その震えは段々大きくなって
ついには肩まで揺らしながら、号泣した。

男の人がこんな風に、人前で泣くなんて、信じられなかった。
沈黙した嗚咽は、わたしから完全に言葉を奪って、ただ彼を何とかし(てあげ)たい
と思う動機と暖かい涙を、わたしに与えた。

同時に、わたしは京介さんのしょんぼりした背中が好きだった記憶が蘇る。
ヘタレでも、情けなくても、シスコンでも……鈍くても、エッチで浮気性でも
それでも構わない…だから、わたしは別に、欲くて、求めてただけじゃない………
不器用で歪な、"まごころ"だけど………あなたに、ずっと、ずっとあげたかった。


791: ◆36m41V4qpU
11/12/01 05:18:06.62 NwE+uyC/


          ***     ***     ***           


俺は何で泣いてるんだろう?原因も分からず、ただ羞恥心もプライドも無く、
俺はあやせの前で、嗚咽していた。
桐乃の前で何度か泣いた事が微かに頭を過ぎったけれど、もうそれが理由で今のこの涙を
止める事は、どうしても出来なかった。

あやせは何も言わなかった。ずっと黙って、ただ俺の背中をさすってくれていた。
それでも泣きやまない俺に対して、彼女は……………

「ちゅっ……ぺろ……レロ…むちゅ…ベロ……」

最初はキスされているのかと思ったが……そうじゃなかった。
あやせは、唇を押しつけると舌を出して、俺の頬を、頬に流れた涙の雫を舐めだした。
必死に、何度も、何度も、何度も…………滑稽な筈なのに、俺の胸は熱くなり……
ますます涙が止まらなくなったが、それでもあやせは、俺の頬が全部あやせの唾液に
変わるまで、決して辞めなかった。

俺はやっと「ありがとう」と言い、あやせの髪と頬を横から撫でた。

「京介さん、それ好き…だ、だから、もっと………してっ………く…ださい」

さっきは、桐乃にするみたいに頭を撫でる事をあれほど拒絶したのだが、今回は
何故か、ごく自然にあやせに触れる事が出来たし、彼女の嬉しそうな笑顔を見て……
俺の変な拘りが、このあやせの笑顔を曇らせてたのかも知れないと反省した。

「俺はあやせとずっと一緒に居たい。もう理屈も理由もないんだ。だから……さ……」

「ねぇ、京介さん、何でわたしがクローゼットの中にいるって分かったんですか?」

「本当に何の理屈も理由もない。ただ居て欲しいと………信じただけだ。
まぁ………鈍い俺だから何度か回り道したし、おまえを随分待たせちゃったけどな」

「わたしを信じてたのに、さっきは何で泣いたの?結局、振られると思って悲しくなった
んでしょ?本当に信頼してたら……」

「麻奈実がさ、さっき話してた赤城と付き合う事になりそうなんだ。
そして俺の妹とはちゃんと良い兄貴になるって話してきた。
黒猫とも、ちゃんとある約束している。
俺には本当にあやせしか居なくなった。
だから泣いたのかは分からないけどさ………こんな話って、やっぱ俺って情けないよな」

「そうですね、凄くみっともなくて、情けないから、ほっとけなくなっちゃいました……
………わたし」

「実際、不安だったのかもな。おまえの言う様に、最初は、あやせが危なっかしくて
心配で付き合う事にした。そして、俺の勝手なイメージでおまえの事を見てた。
さっき、おまえを捜し回って、走り回ったけど、でも俺はあやせの事を何も
知らなかったって痛感させられた。
だからおまえに、見た目だけとか、身体だけでも良いって言われた時に………
俺は何も言えなくて、ちゃんと反論も出来なくて、あやせを余計に傷つけた。
だからその事については謝るよ。変に誤魔化したり、カッコつけたりして、すまなかった」

792: ◆36m41V4qpU
11/12/01 05:19:10.40 NwE+uyC/

「でもさっきは見捨てたわけじゃない、おまえを信じてたつもりだったんだ」
これだけの事を言う為に、本当に、随分遠回りしたが、やっと言えて良かった。

「そんなに、わたしを信じてるなら、わたしのコトがちゃんと分かってるって言うなら、
わたしが今して欲しいコ・ト・…当ててください。当ったら仲直りしましょう、ね?」

ウインクして、魅惑的な顔になったあやせが、挑発する様に俺にクイズを出した。

俺はさっきしたみたいに強引にキスする、もう自分が風邪だった事なんてすっかり
忘れていた。理屈も、理由も、クイズも関係なく……純粋にしたいから、した。

「それもして欲しいコトですけど、一番じゃないから………ハズレですね。
やっぱり……わたし達って相性悪いのかなぁ。残念です…ねぇ、京介さん?」」

こいつがずっと"京介さん"としか呼ばない事に違和感を感じた。
"儀式"なのかとも考えたが、俺に髪を撫でられている、あやせにはもうそんな気配は
微塵も感じられなかった。本当にただ、ただ美しい俺の彼女だった。

「んじゃ、また尻ぶった叩くか……アレはあやせのお気に入りだからな」
やっと余裕が出てきた俺は、何とか冗談を言ったつもりだったのだが……

「それもして欲しいコトですけど、一番じゃないから………ハズレ」

冗談とも本気とも取れぬ態度に対して、いささか俺の理性は、失われ始めて……
やっぱりあやせの言う様に、俺らが変態なのは、間違いないのかも知れない。
変な性癖に目覚めないか心配した将来の不安は、既にリアルな懸念に変わっていた。

「もう本当に強情ですね、京介さんの、、が、わたしにずぅっと当たってるのにっ!
それとも処女厨なのは…………冗談だった事が、実は的を射てましたか?
はぁ~でも、良いんです……それでもわたしの気持ちは変わりませんから。
あなたがどんな変態でも、応える自信……わたしにはちゃんとありますからっ!」

こいつが何を言ってるのか皆目検討はつかないが、何か相当ヤバイ匂いがするのは
確実に分かった。

「あ、あのさ、、おまえがもう"儀式"を求めてないのは、何となく分かるんだけど
それって結局どういう事だったのか、教えてくれないか?
それが分からないと、ちゃんとクイズに答えられないと言うか……」

『…桐…………3つ……の……処女………………』と耳打ちされた。

「ははは……あ、あやせさん、そんなの、おかしいですよ!って言うかさ。
キ○ガイみたいなフリをするのは、もう良いからね!だ、だ、だから本当の事を言おうぜ。
俺ら、ちゃんとした恋人だろ?全く……冗談ばっかり、どっちが変態だよ、もう(戦慄)」

あやせは無言で、さっき隠れていたクローゼットから、最近よく持ち歩いている
大きなバックを取り出すと、おもむろに俺に中身を見せる。
………メイド服、ブラウンのウッグ、眼鏡があった(様な気がするだけの事にしておく)

793: ◆36m41V4qpU
11/12/01 05:20:30.30 NwE+uyC/

「もし、わたしが無理やり儀式実行したら、京介さんは、わたしの事が嫌いになって
逃げ出して、わたしの事を捨てましたか?正直に言ってくださいね?
わたし……絶対に、もうどんな些細な嘘も、誤魔化しも、許すつもりないから……」

「一回全力で逃げ出して、それでもおまえがやるって言うなら付き合ってやったと思う。
あやせは困ったちゃんなのは分かってるけど、同情以外の感情があるのは今なら分かる。
ぶっちゃけおまえが、NTRの話しなくなったのは儀式とか言い出してからだもんな。
おまえと別れるくらいなら、おまえが他の男の話をするくらいなら、もう超変態で
あやせと一緒に何処までも堕ちるやるさ」

半分は本気で、半分賭けで………俺はそう言った。
さっきみたいに、いくら諭してもダメなんだ、あやせを全部受け入れて、もしこいつが
傷つくなら、俺も一緒に痛みを感じてやる。
俺の彼女が堕天使で、地獄の案内人………だとしても、もう離れるつもりはない。
もう、絶対にあやせを一人にはしないって決めたんだ。

でも同時に、『とても静かで、優しくて、暖かい予感みたいなもの』を今なら
信じられる気がした。

「ふふ、京介さん……良いコ・ト・しましょう?もうしちゃいましょう……ねっ?」

そう言った時のあやせの笑顔は純真で、清純で、純粋でとても気高く感じられて、
本当に天使を見たら、こんな気分になるのかもなと俺は、不思議な感慨に耽った。

どうやら、何とか………賭けには勝てたらしい。
何でこいつは、あんな悪魔の発想する癖に……こんなに可愛く笑えるんだよ、全く。

「本当に、儀式はもう良いのか?」

「儀式ならもう終わりました。魔法ならちゃんと、京介さんにかけられちゃった…から」

こっちだって、ずっと魔法も、あやせ菌にもかかりっぱなしだったんだ。
でもあやせには伝わってなかった。だからこれからは、今からはもう照れは捨てて
全部あやせの望み通りにしてやろう。
誰かに聞かれて見られたら恥ずかしくて、死にたくなる様な事でも平気でやってやるさ。

「そっか…………分かった。で、おまえのお気に入りの手錠はどうする?」

あ~ついに、こいつとするんだなと考えると緊張で声は上ずるし、さっきは別れるか
どうかの瀬戸際だったのに、今はあやせが目を潤ませて、頬を高揚させてる姿を見ると、
更に俺に胸や臀部を押しつけてる状況を鑑みると、自然の摂理で当然痛いほど硬くなる。

794: ◆36m41V4qpU
11/12/01 05:22:56.13 NwE+uyC/

「もう!お兄さ…(ん)…あっ、京介さんは…本当に、何も分かってないんですねっ!」

そういう事か…全く、、、何でそんなに俺に魅惑の魔法を重ねがけしようとするんだ?

「可良いな、あやせは…良いんだぜ?おまえが癖で言ってしまう"お兄さん"のままでさ。
おまえしか見てないんだから………今更、何ズレた心配してるんだよ、ったく」

「……ご、ごめんなさい……で、でも、でも……………」

「手錠はプレイで使うなら良いけど(もう立派な変態だ)、今は必要ないで良いんだな?
心はちゃんと繋がってる。今は…身体は身体同士で繋がりたい、、、で合ってるか?」

恥ずかしそうに、ぎこちなく、でもしっかりとあやせはコクリと肯いた。
こんな最高に可愛い彼女が相手なんだから、今だけは、俺も全力で"男"にならなきゃな。

俺はキスしながら、あやせをお姫様だっこしてベットに運ぶ。
何でだろう、あやせの裸なら本当に何度も、何度も見た筈だが………
DVD事件の時は、自分で全裸になってたし(長時間クローゼットでそのままだった)
あやせの部屋ではいきなり下半身を脱がせたのに、今は服を着たままのあやせを
目の前にしているだけで、今までと比べものにならないくらい興奮して、緊張して
完全硬直しちまった、やっぱ情けねぇ………。

自称"男"改め、単なる童貞小僧に成り下がった俺は、キョトンとした表情で見ていた
あやせに
「ふふ、良いですよ…ほら…………ボク………お姉さんとエッチなお勉強しましょう?
ほらぁ……こっちにおいで」
と誘われた。


          ***     ***     ***           


緊張してしまったお兄さんの手を取ってわたしは自分の服を脱がさせる。
同時にわたしも手が震えたけど、お兄さんの服を脱がした…………けれど

「あのお兄さん……ソックスがまだ…………」

「あ~・あ~・あ~」お兄さんは両手で両耳を塞いでて、ひたすら大声を出していた。
そうか、ニーソックスが好きなんですね、そんなに好きなら今度踏んであげよう……。

「ねぇ、わたし、あなたの事を考えて自分でしてるって……言いましたよ…ね?」

「あ、あ、ああ、そう言えば言ってたな……」
わたしは自分の震えた手で、再び、お兄さんの震える手を取ると

「今は、京介さんが、わ、わたしの代わりに触って……ください」
自分で言ってて恥ずかしかったけど、もう全部して欲しいから言っちゃった。

「んじゃ、あやせは俺の代わりにしてくれ、、まぁおまえはもうプロ級……い、痛てぇ。
あ、あやせさん…つねるのは禁止でお願いします」

「はぁ、はぁ…何で…上手なのか…は、お兄さんに喜んで欲しいからぁ…あっ…」
本当はもう、お兄さんに触られる前から…わたし……………

795: ◆36m41V4qpU
11/12/01 05:25:00.26 NwE+uyC/

「れ、練習してたからっ…あっ…ぁん…こんなエッチな女の子で…で、引きましたかぁ?」

お兄さんから没収したDVDを参考にしようとしたのだけど、お兄さん以外のはやっぱり
見たくなかったから……自分の指を、あなたのだと思って、試行錯誤してた………

「うぅ…ぐ……いいや…嬉しいに決まってるだろ!最高に魅力的だぜ…あやせ……」

"練習した"と言ってもお兄さんが変な誤解しなかったのが嬉しかった。
嫉妬して欲しいと思うよりも、普通にわたしの事を思ってて欲しいんだ、今はもう

「わ、わたしぃ…ずっとぉ、ずっとあなたに、こうして欲しいと思ってたの…ン…
だから…だからぁ……はぅ……今…気持ちいいっ……れす…あぅ…きもちぃいっ」

京介さんに褒めらながら、されると本当に……心も身体も感化されちゃって……
もう多分、どんなお願いされても聞いてしまうんだ、わたしは……きっと

「あ・や・せ・」と言われて、また強引なキス、優しく口を塞がれるのも好きだけど
今日は、、今はこっちのキスの方が好き……だからわたしも思いっきり強引にする、
京介さんの愛情に負けない様に……ちょっぴり痛いくらいに

お兄さんが右手に巻いていたチョーカーを外して、わたしの首につけてくれた。
これも考えてみたら儀式の様なもの……儀式と言うよりも……もっとエッチなもの。
そして、頭をまた優しく撫でられて、『お願いしても良いか?』と唇が振動した。

だから言葉でお願いされなくても、本当はもう自分がしたくなっていた事をする……

「うぐぐ……やっぱぁ……凄いなぁ、おまえ……頭が変になりそうだわ…俺」

「はぁむ……レロ…ちゅぱ……お兄さん…わたしね…………わたしっ……」

「ど、どうした?」

「お兄さんは、わたしに…その…見たこと無いのかって聞いたでしょ?
わたしが無いって言ったら、父親は?って、言いましたよね?」

「……うん、、言ったな」………何でこんな話をしたのかと言うと

「………わたしの家って多分、教育方針で、物心ついた時にはもうお父さんと
お風呂には入らなくなってたんです。それにわたしは一人っ子で兄弟も居ないから…」

「へ?だ、だから?」…………ちょっぴり意地悪したくなったから

「もちろん、わたしはそういう、いかがわしいDVDも漫画もゲームも見ないから
だからわたしが見た事があるのは……もちろん触った事があるのは…………
あなただけなのに……なのに、京介さんは!京介さんの裏切り者!!!!!」

「ひょ?ぐげぇ……ちょっと……おま…おお…ぎゃぁあ………ヤ、バ、イ…」

「パク…ちゅぱっ……わたしは、わたしはきょう、だけなのに、はむぅ……きょうは、
きょうは!ん~~~~~他の女の、、、んはぁ……人のも見て、レロ…だから、、、
はぁ…許せない、、、はぅ…許せない!、、はむ…許さない!、だ、だから見るな!!
もう見ちゃ~ちゅぅぅ~だ、だ、ダメなんだからっっ!!!!!!!!」

前の罪悪感と言う名前の嫉妬じゃなかった…独占欲・純度100%の完璧な嫉妬。
やっぱりこんなに独り占めして、束縛したがったら、嫌われちゃうのかな?
わたしが不安になって憮然としていると、結局また頭をよしよしされてしまった。

「俺はそういうの見ても絶対に出さねぇから……したい時はあやせにお願いすっから。
もう俺が渡したカギ捨てちゃったのか?」

796: ◆36m41V4qpU
11/12/01 05:25:52.62 NwE+uyC/

「も、持ってます……もちろん」 「なぁ思いっきり変態チックな事を言って良いか?」

「ふ、ふんっ……な、何を今更」とニーソを履いたままの足で、お兄さんのを軽く蹴った。
嬉しそうな顔をしたから、追加で、踏んであげた。

「お互い、ソロ活動禁止で良いんじゃねぇ?そしたら会った時、燃えそうだしよ」

何で世紀の大発見をしたかの様な自信満々の顔で、こんな事言えるのだろう?
何でこんな事を言われて、わたしはちょっぴり嬉しくなってしまうんだろう………。

「お兄さんだけ我慢してください……。そ、そしたら、会った時、お兄さんがしたい事
いっぱい、してあげるから。それがダメなら結婚までエッチもセクハラも禁止ですっ!」

「よ、よし!、むしろ……それ(が)で良い!でもテレエッチなら良いよな?」

その後、わたしが了承するまで17回ほど『でもテレエッチなら良いよな?』と聞かれた。
電話でも求められたらするし、本当は…わたしだって一緒に我慢するつもりなんだから。

お兄さん、わたしがあなたの事を思って一人でしたのはいつからだと思ってるんですか?
そして、それまでずっと、どれだけわたしがイクの我慢してたのか知ってますか?
京介さんがお願いするなら、わたしは何だってするんだから、しちゃうんです…からっ!

「あやせが気持ちよくしてくれたから、次は俺のターンだな。もし怖くなったら
いつでも言えよ。別に無理やりする事じゃないんだし、このまま続きするか?」

「わたし…今日初めて、親に嘘ついたんです。凄い大嘘。でもこんな風になるって
期待してたわけじゃ全然無くて……だから嬉しくて……悪い子だけど罪悪感も無くて。
でも親に嘘をつくのは今日が最初で最後です。言ってる意味、分かりますか?」

「ああ、今日ちゃんとあやせを俺のものにして、正式に、おまえの親に挨拶に行くよ」

「分かってるなら、ちゃんとして………し、してくれないとぉ、ぶち殺しますからっ!」


          ***     ***     ***           


今まで聞いた中でもっと萌え殺される危険性が高い"ぶち殺します"を聞いて俺は………

おまえの透き通る様な白い肌が透きだ! サラサラのストレートの黒髪が好きだ!
大きくて全部を見透かされそうなその目が、長い睫が、柔らかい頬が好きだ!
何度も、何度もキスしたおまえのぷっくりとした唇が好きだ!

「お兄さん…褒めてくれて嬉しいんですけど、心の声が漏れてきてます……から。
それにやっぱり見た目ばっかり……じゃないですか、もうぉ!」

おまえが今話している、その声が好きだ! あやせが作ってくれた料理が好きだ!
俺に対していつも健気で、時々かなり我が侭で、凄くエッチなあやせの性格が好きだ!

あやせと一緒にいると、とても静かで、優しくて、暖かい気持ちになれるんだ。
だから俺はあやせ、おまえの全部が好きなんだ!


「ふぅ……………はぁ~~え、遠慮しなくて良いんですよ…………京介さん。
も、もうっ………容赦なく、全部、全部、全部、好きにして良いからあぁっ!」

これは、あやせの照れ隠しなのだろうか?
『ぶち殺しますよ』と同じイントネーションで誘惑された。


797: ◆36m41V4qpU
11/12/01 05:27:13.73 NwE+uyC/

「本当にさぁ……もう褒め言葉だけしか思い浮かばないんだ。おまえのこの髪も……」
と言ってあやせの髪を撫でつつ、抱擁する。

「あっ…ん…はぁ……ねぇ、ねぇ…お、お兄さんに…お、お願いがあります………。
京介さんがわたしを求めてくれたから……聞きたくなっちゃった質問です…………。
あなたは動物の中で、"狐"と"狸"と"猫"と"犬"なら誰(が)………何が一番好きですか?」

艶めかしい表情なのだが、目だけは真剣な眼差しを俺へと向けてあやせは問うた。
流石は、あやせ…俺の彼女だ。この期におよんで、超意味深な謎を投げかけてくる。
そもそも"誰"って何だ?

何となく予感がする、、この質問の解答を誤ったら、重大な事態を引き起こすだろうと。
期待する解答を与えなかったら、俺とあやせは致命的に何かが損なわれるんだろうと。

「(難問過ぎて)全然分からねぇ…………」

あやせが悲しそうな顔をして。プイっと横を向いた、全く………本当に退屈しねぇな、
こいつと一緒にいると。

「な~んてな…………"犬"が好きだよ。  俺は、あやせ……おまえが一番好きだ」

ある意味、これがあやせの"最後の試練" で "聖(堕)天使 最後の封印"だった。
あやせが本当は別の言葉で質問をしたい事は知っていた。……でもこいつは気を遣って、
婉曲的に聞いたんだろう、俺が最低野郎になる事を避ける為にさ。

あやせが舐めてくれた頬を(照れくさくて)……かきながら、この瞬間も、さっきよりも俺の彼女の事が、どんどん好きになる自分を誇らしく思った。


もう何も迷う事も、悩む事もない……これが俺の出した答えなんだ。
二度と同じ質問を俺の彼女にはさせるつもりはない、そんな質問なんてしなくて済む様に俺は……あやせを全力で掴まえ続ける。

だから、俺は今の気持ちを、その愛情そのものを込める様にあやせを愛撫し始めた。

「はぅ……ずっと…きょうに頭を撫でられたから…だから…多分…エッチにぃ…
エッチなコト考える様に……なっちゃった…んです………………だ、だから…ぁ……
べ、別に答え……聞いたからじゃ、それ、関係無い……んだからっ…!」

「あやせ、好きだ……この照れてる顔もさ……本当に綺麗だ、もう絶対に離さないから」

さっき、あやせが抱いてた独占欲らしきものが、俺の中で拡がるのが……
あやせを愛撫しながら、痛いほど……文字通り……さっきあやせがしてくれたのに……
もう痛いほど自覚される。

「おまえは、俺が胸に興味ないとか言ってただろ?あやせ…これでもそう思うか?」
あやせの桃色の乳首を躊躇無く、断固として吸った。

「んぁ……きぃ…もちぃぃ…れ…す……気持ち…あぅ…あぁ……あん……」

「パク……俺はそんな事、聞いてないぞ?あやせ」

最初は俺なりに考えながら、あやせの反応を見ながらやってるつもりだったのだが
やってる間に夢中になって、もうひたすら吸ったり舐めたり、そして空いてる手で
吸ってない方の胸を揉みまくる。

798: ◆36m41V4qpU
11/12/01 05:31:10.26 NwE+uyC/

「…ぅん……おっぱい…好き…れす…か?わたしぃ……のおっぱい……きょう……」

「ああ、滅茶苦茶好きだ……もう俺のものだからな!あやせ……わかったか?」

「ぁあ、、あ゛あん…わかったからぁ…ねぇ……きょうぉ…もっとっ…もっとっ……」

あやせが、胸に埋めている俺の顔を思いっきり両手で抱きしめた。
俺は一瞬その力に怯んだが、それでもやっぱり断固として愛撫を続けた。
今日は…今日だけじゃない、これからはあやせが望んだ事を全部叶えてやるんだ。

「いっぱい、してるやるから!おまえがもうイヤって、言うまでしてやる!!」
キスマークをつける要領で思いっきり吸って、指でちょっと痛いくらいつまむ…でも

「んっ…あん…ああっ…足りないっ……もっと…きょう、きょう…好きっ……」
あやせの魅力で、こいつの身体に幻惑されていたが……"身体"だけじゃダメなんだ。

「あやあや…愛してる…愛してる…愛してる!」
強引に感じさせるのは辞めて…軽くキスしながら、目を見つめて胸を優しく愛撫する…と

「っあ……イ…ギュ……あっ……イッく……イッちゃうっ…わたしぃ…あんッ……はぁ…
ぅん、あ゛……イグ………あ゛、あ、゛あ゛っ!」
身体を痙攣させて、本当に軽く涎を垂らしながら、あやせは可愛く昇天した……。


俺はあやせの手を握って、俺の胸に当てさせた。今度は、あやせが俺の頭をよしよしと
撫でてくれる……俺は自然に笑みが溢れて、あやせも自然ににっこり笑った。

二人共黙っていたけれど、あやせが目を閉じて肯いたので、軽くキスしてから
ニーソの足先、踝、ふくらはぎと、続けて明らかにセクハラする気分で撫でた。

右手で左足、左手で右足を触っていると…左右それぞれ意思をもった生き物の様に
足が揺れ始めて、反応を楽しみながらゆっくり膝、太ももと続けて今度は口で愛撫した。

俺は急がない様に、ワザと自分で自分を焦らしてる気分でゆっくり愛撫を続けて、
やっと太ももの付け根まで辿り着いたのだが……もう触って確認する必要も無く
(それどころか見て確認しなくても分かるほど)濡れていた。

何か言おうとしたが、とても間抜けな気がして、黙って舐め始める。
前に、あやせの家で強引にやった時は何も考えてなかった。むしろ尻をぶった叩く事で
必死になっていたのだが………今回はそこだけに意識を集中する。

しかし三十秒もしないうちにあやせは………
「……イ…キッ…そう…きょう……わたしぃ……もう…あっあっ…あ゛っんん…あ……」

舐めながら、見えるあやせの顔は恍惚然としていて、俺にまたあの独占欲や
今度は強烈な支配欲まで、かきたてさせる。
SMよろしく尻をぶった叩いたあの時よりも、今の方が自分の中の嗜虐心が何倍も、何倍も
刺激されるのを感じる…………だから俺は

「あ……あ゛っあああ……あ゛…あん…きょう……きょうっ……イ゛ク゛…」

あやせが昇天しそうになった途端にわざとペースを緩めた。
そして、落ち着きそうになったら、また責める……時々強く吸ったりもした。
この美しい少女が、自分の意思通りに反応するのが快感だった、俺は我を忘れていた。

「い゛じわ゛る゛っ……きょうの意地悪………でもっ………はぅ…でも……」

799: ◆36m41V4qpU
11/12/01 05:34:16.77 NwE+uyC/

「んぅっ……きょうがっ…きょうっ…がぁ……あ゛……いじわるぅ……しゅたい…ならっ……
しぃたいならっ………いっぱいぃ…していいィよぉ…だ…からっ………
わたしっ…我慢しゅるぅ……イ゛ク……かないで…ずっと……我慢しゅ…る…からっ」

全然違う、支配されてるのは俺だったんだ。こいつの魅惑的な身体の虜になって……

「きょう……きょうっすけ…さぁん…しゅき……あっ…いしてるぅ…からっ……」

やっと気付いた。
こいつの健気な愛情に籠絡されて、俺にはもうどんな自由も残されてない事にさ。
俺の心も身体も、完全に、あやせにものになっていた。

まぁ、別にそれで何か変わるってわけじゃない。
一生この愛しい彼女を、俺の大切な恋人を守ろうと改めて、思っただけなんだ。


結局、俺は気がつくと、何度も、何度も、何度も昇天するあやせを強く抱きしめて、
何度も、何度も、何度もこう絶叫してた………

『あやせ…俺も好きだ、愛してる………愛してる…あ・い・し・て・る!!!!!』

ってさ


          ***     ***     ***           


多幸感、安らぎ、喜び、嬉しさ……素敵な感情が全部一気にわたしの身体を貫いて
京介さんに、何度も、何度も、何度も感じさせられた。

本当に夢の様な時間……初恋の人に……あ、そうか、わたしが京介さんを好きになった
のは(自分の気持ちに気付いたのは)夢の中で、京介さんに出会ってからだった。

幸せ過ぎて、怖いって意味が今なら本当に身にしみて分かる。
夢の中のあなたは目が覚めると消えてしまった……ねぇ………京介さん……わたし

「あやせ……?」
ベットから降りて、何かを取りに行こうとする京介さんの手を握って、首を横に振った。

「今日……大丈夫な日ですから。でも、何か有ったら責任取ってくださいね」

馬鹿な事を言ってるのは分かってる。でも、どんなものにも邪魔されたくなかった、、
あなたと一つになりたい……もう、何にも邪魔されたくない……

「ダメだ、おまえが大切だから、今、俺が短絡的な欲望に流されちゃいけないんだ」

わたしは、素直に肯いた。もう……責任取りたくないんですね、なんて言わない。
本当にわたしの事を思ってくれてるのが伝わってくるから…何も言う必要なんて無い。

「あやせが黒いウエディングドレスで、俺に告白してくれただろ?
だから今度は俺がちゃんと言うから、ちょっと先になっちまうかも知れないけど……
必ず俺が言うからさ。だから、それは、その時までのお楽しみだな」

「でも今、ちゃんと予約はしてくださいね……こ、これでも、人気物件なんだからっ!」

「ああ………もちろん、だから俺は、もうメロメロなんだって。
そもそも、俺が取りに行こうとしたのって、おまえが考えてたものだけじゃないんだぜ。
まぁこれは、何の効力も無いから、、今は単なる……紙切れだけどさ、ほら」


800: ◆36m41V4qpU
11/12/01 05:35:40.38 NwE+uyC/

"高坂京介" "新垣あやせ"と書かれた、今は本当に、ただの紙切れ……だけど

「はぁ~な、何で、、こんな確実にわたしが"ぶち殺されちゃう"もの用意してるなら、
わたし達が、喧嘩してる時に見せてくれなかったの?
わ、わたし、自分で"儀式"なんて言ってて、馬鹿みたいじゃないですかっ?!」

「ほら………あやせ足開いて」  「あっ…ぁん…はぅ……は、はい」

「隠してるつもりは無かったんだ」 「きょうの嘘つき!、変態の処女厨!、シスコン!」

「ほら、あやあや…キス……」  「はむっ……ちゅっ…ぁあっ…れろ……むちゅぅ」

「あやせと恋人同士だと絶対に、ほんの一瞬も、おまえから目が離せないな。
彼氏になれてマジで、良かったわ……こんな俺と付き合ってくれて感謝してるぜ。
こんなにも、俺を夢中にしちまう、世界で一番可愛い彼女になってくれてよ。
まぁ、でも、こんな時まで罵り合ってる場合じゃないんだが………なぁ?(苦笑)」

「ふふ、やっぱり、わたし達って相性ピッタリですね、京介さん。
実は………わたしも、今、全く同じ事を思っていたところなんですっ(♪)」

「これからも多分、何度も喧嘩するだろうし、おまえを泣かせてしまうかも知れない。
でも最後は必ずあやせを笑顔にするから、これからもずっと俺の隣に居てくれ……あやせ」


 「はい、ずっとずっと、京介さん側にいます……もう絶対に、あなたから離れない」

 『はい、ずっとずっと、京介さん側にいます……もう絶対に、あなたから離れない』

   はい、ずっとずっと、京介さん側にいます……もう絶対に、あなたから離れない


今も幸せ過ぎて、やっぱり怖い……これからも何度も、我が侭を言って困らせるし
京介さんが言う様に泣いちゃうと思う。

それでも
京介さんと一緒なら、沢山泣いても、必ず笑顔になれるから………
そしてわたしも、あなたを笑顔にしてあげたいから…………


「あ~あ………俺、あやせに言わなきゃいけない大切な事、こってり忘れてたわ。
何の為に、あやせにカギ渡したり、これ見せたりしたのか………忘れてた(汗)」

「京介……さん?」

「ちょっとだけ………………言い遅れたけど、あやせ、、あ!、俺、今、凄く
滅茶苦茶、凄く良い事を思いついた!
これは男の野望と言うか、ロマンだから、悪いが、ちょっと小芝居に付き合ってくれ!」

独り言の様に言って、わたしが好きな、いつもの少年みたいな目をキラキラ輝かせて……
はぁ~こうなっちゃうと、この子は……もう止めても無駄なんだ。

「行ってくる!」
さっさと服を着るとわたしを放置して、ドアを開けて出て行ってしまった。
ロマンって、これの何処が男の野望なんでしょうねぇ?

よくも、こんな美少女を、エッチな気分のまま裸で寝かせて、部屋を出れましたね?
全く……もうぉ!
本当にあなたこそ、ほんの一瞬も、わたしの心から、消えてくれないじゃないですかっ!

801: ◆36m41V4qpU
11/12/01 05:36:36.49 NwE+uyC/

やれやれ……。

そして気がつく、"あの時"と同じだ。

わたしが京介さんを諦めようと思った時……のこと。

『-----いってらっしゃい、お兄さん』
"過ち"だと思って、笑顔で見送って、京介さんを送り出した時……のこと。


あの時はもう戻ってきてくれるなんて、思ってなかった………
泣いちゃダメだ、今は京介さんが居てくれるのに、、でも……もうわたし…………。


その後、せっかくメイクし直したのに、最高の笑顔で言いたかったのに、意味は無かった。
でもそんな事はもうどうでも良い………二度と嘘はつかないと決めたからのだから


あの時の笑顔よりも、今の顔の方がわたし自身、ずっと好きなんだ


チャイムが鳴った。
わたしはドアを開けて、あなたを出迎える。


最初は単なる、親友の兄だった人
あこがれた、わたしの初恋だった人
好きで、好きで、しょうがなくて恋いこがれた人

今は……………これからも、ずっと、ずっとわたしの大切な人

「少し、いや結構長く……言い遅れちまったけど」と言われて、優しく抱きしめられた。

     「----------ただいま、あやせ」



あの時忘れていた言葉を、もう失ったと思っていた言葉を、あの時は言えなかったけど
本当はずっと、ずっと言いたかった言葉を、今、やっとわたしは言う事ができた………

     「京介さん----------おかえりなさい」











京介×あやせ【"37℃"  "Antipyretic"  "Stummer Dialog"  "A Nexus"】

inspired by『過ちのダークエンジェル』  『妹のウエディングドレス』



本当に、幸せで、おわり


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