【友達≦】幼馴染み萌えスレ23章【<恋人】at EROPARO
【友達≦】幼馴染み萌えスレ23章【<恋人】 - 暇つぶし2ch471:名無しさん@ピンキー
12/02/24 12:08:29.16 zXYJNtVM
う~ん、何か違くね?

472:名無しさん@ピンキー
12/02/25 17:54:34.00 DAMVzC0x
>>471
幼馴染み要素薄かったからだな。

GJと言いたいけどドMじゃないから読んでて複雑過ぎた……。でも文章上手いしエロかったからGJ

473:名無しさん@ピンキー
12/02/26 15:13:48.89 RPm688/b
ビッチと噂の幼馴染みを襲ったら、処女だったというか電波を受信したw


俺では文章ならないんで、誰かが書いていただけるとうれしい。

474:名無しさん@ピンキー
12/02/26 22:53:27.52 hYZx2l3Z
あの花のあなるか

475:名無しさん@ピンキー
12/02/27 02:46:22.84 nZNSJ4w6
その逆で、ビッチと噂の幼馴染みに襲われたが、なんか処女だったという電波もきた。

男「や、処女のくせにどんだけ度胸あるんだよ」

幼馴染「こうなりたくてハードル低い女になったのに、あんた全然来てくれないからッ」


こんな感じ

476:名無しさん@ピンキー
12/02/28 00:55:44.67 2O1+fYgV
処女がどういう工作をすればビッチの噂が流れるんだ

477:名無しさん@ピンキー
12/02/28 01:19:53.65 4qYrWjEv
最近読んだのだと友達づてに噂を流してもらってたな

478:電波受信
12/02/28 11:49:26.27 2O1+fYgV
流れを切って1レス投下。スルー推奨

「ちょ…やめ…まじイクって…」
そう言ってもなお、ギュウギュウと彼女は締め付けてくる
「中…出るって言って…やめて…くれ…」
「ふぁぁぁ…すごいよ~キュッキュッってなるのがわかるの!」
「何を言っ…もう限界…」
おれは体をぐったりさせて彼女に最後を委ねる。

「イクよ~!」

フライングエルボー


こうして俺は、隣の家と間違えて入ってきた酔った幼なじみに、
謎の馬鹿力でヘッドロックされて窒息寸前にされ、しまいにはダイブを決められた。
さらに言えば吐く手前だった。

というのは途中経過であって、彼女はいまは俺の隣で寝ている。

479:Untidy Peach
12/02/28 22:10:08.11 IZ67ipFu
(今日、何作るかな……)
集中力が切れた頭で俺はぼんやりと料理の献立を考えていた。6限目の授業を受ける頭はほどよく気が散って、考え事をするのに都合がいい。
やがて授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、教室内の空気が少し緩和された。
俺は自分の席から立ち上がりそそくさと帰り支度を始める。今日は桃姉のところに行く日だ。
「栗原、帰りどっか寄ってこうぜ」
鞄を背負い、いざ教室から出ようとしたところで、クラスメイトの西田と大野が声をかけてきた。またぞろゲーセンで勝てない勝負に挑んでくる気らしい。
「いや、悪いけど今日はパス」
「んだよ、付き合いわりーな」
「ちょっと行くとこあってな……」
「また『通い妻』か?ご苦労なこった」
「るせっ、ほっとけ」
茶化すような西田の言葉を短くあしらうと、西田は急に息を潜めて話してきた。
「で、どうなんだ……?」
「どうって?」
訳がわからず呆けた顔でおうむ返しに聞き返す俺に、西田はニンマリ笑って囁いた。
「もうキスくらいしたのか?胸くらい揉んだのか!?」
「んな事してねぇよ!」
「はぁ!?なんでだよ!?年上のお姉さんだろ!?部屋で2人きりだろ!?そらもうエロい事にしかならねーだろ!」
「俺と桃姉はそういう関係じゃねーし、俺はそんなつもりで行ってるんじゃねぇ!」
この男は男子高校生はエロい事を考えるのが至上命題である、というくらいにすぐに話をエロい方向に持っていきやがる。
「はぁ……いいよなぁ、年上のお姉さん。こう手取り足取り教えて貰ってさ……」
うっとりした顔で続ける西田には悪いが、あの桃姉に手取り足取り教えて貰うなんて事態はそうそうないと思う。
「そういえば前に春生の幼なじみのお姉さん見かけた事あるな」
そこで今まで黙っていた大野が口を挟んできた。
「春生と一緒に歩いてるところだったけど……なんというか、芋っぽいというか垢抜けない感じの人だったな」
「あ、そうなんだ……」
微妙に失礼な批評を下す大野と、なぜかがっかりした感じの西田。
「ただし胸はでかかった」
「栗原爆発しろ!」
「うるさい黙れ」
ほっておけば延々とこのアホな会話が続きそうだ。
なおもギャーギャー騒いでいる西田を尻目に俺はその場を離脱する事にした。

480:Untidy Peach
12/02/28 22:11:28.42 IZ67ipFu
桃姉のところに行く前に俺は少し買い物していく事にした。授業中考えていた献立の材料を買い物かごに入れながら、俺は先ほどの西田とのやりとりを思い出していた。
(嘘をついてしまったなぁ……)
さっきは半分くらい逆上していたから事実とは違う事を口走ってしまった。
俺だって健全な男子高校生。桃姉とはそういう関係じゃない、というのは本当だが、そういう関係になる事を期待してないといえば嘘になる。
(ただなぁ……)
桃姉の気持ちはどうなんだろう?というか桃姉にとって俺ってどういう存在なんだろう?
(普通に考えれば……弟?もっと単純に単なる年下の男友達?……いや、この前の家事やってくれる発言からして……まさか本当に家政婦としてしか見られてないとか……)
……なんだかどんどんネガティブな方に考えが行っている気がする。しかも自分の想像の中ですら男として見られてないとか悲しすぎる……。
しかし実際にあの素直かつボケボケな桃姉が俺の事を少しでも男として見ているなら、冗談でもこの間のようなお嫁さんに貰って発言はしないだろう。
そういう意味でもやはり現状の俺が桃姉とそういう関係になる望みは薄そうだ。
「はあぁぁ……」
思わず大きなため息が出てしまった。買い物中の周りの客が何事かとこちらを振り返り、俺はあわててその場を離れ、レジに向かった。

481:Untidy Peach
12/02/28 22:12:55.80 IZ67ipFu
桃姉の住む安アパートに着くと部屋の中から何か食べ物の匂いがする事に気付いた。
現在午後4時。昼飯にも晩飯にも合わない時間だ。オヤツでも食べているのだろうか?そう思ってドアを開けると若干予想外の光景が待ち構えていた。
「あ~、ハル~、いらっしゃ~い。遅かったね~。まあ、上がんなよ~」
桃姉は相変わらずこたつに入ったままで、何かを飲み食いしていた。床には空きビンが転がり、桃姉が赤ら顔でにへらと笑いながら、いつも以上にゆるい感じで俺を招き入れる。
(で、出来あがってらっしゃる……?)
普段あまり酒を飲まない桃姉だが、その分酔った時のお行儀はあまり良くない。俺は刺激しないようにゆっくりと部屋に上がった。
「お、お邪魔します」
前ほどではないが散らかった部屋の中を進み桃姉の座るこたつに近づくと、桃姉が足にすがり付くようにまとわりついてきた。
「ねーハル、おつまみ作ってーおつまみー」
こたつの上を見るとビーフジャーキーの袋が空になっている。確かに酔っぱらいにとっては一大事だろう。
「あー、えと掃除終わってからにしような……」
「えーやだー、作ってよぉ~」
すげなくあしらって掃除を始めようとすると、俺のズボンを掴み駄々をこねるように騒ぐ。
「わかったわかった、作るから。だからズボンから手を離せ。……ったく、しょうがねーな」
「わーい、ありがとハル」
屈託のない笑顔でケラケラ笑う。普段から言動がゆるいが酒が入ると幼児退行するな、この人。
「じゃあ、ちょっと待ってなよ、あとあんまり飲み過ぎんなよ」
「はーい」
桃姉からのいい返事を受け、俺は台所に立って支度に取りかかった。

482:Untidy Peach
12/02/28 22:16:43.81 IZ67ipFu
掃除も洗濯も済ませてしまい再びこたつに戻ってくると、桃姉は俺が作った料理を肴にまだちびちびと杯を傾けていた。明らかに普段より飲む量が多い。
「桃姉、何かあったの……?」
「…………」
尋ねてもブスッとした表情で桃姉は何も答えない。代わりにこたつから這い出すと近くに置いてあった本の様なものを持って戻ってきた。
「これ……」
「?」
手に取ってみると、形状は本だがページがなく、分厚い表紙の中に若い男性の写真が納まっていた。
「お見合写真……」
「……っ!」
「お母さんが持ってきた。んで延々早く結婚した方がいいだの、あんたみたいのは歳いったら貰い手なくなるだの話してった……」
苦々しく顔を歪ませる桃姉。相当嫌な話だったにちがいない。それでこんな時間から飲んでウサを晴らしてるわけか。
「ま、まあ、良かったじゃん。とりあえず相手がいないって問題は解決するし……」
何と言っていいかわからず、気付けば心にもないことを口走っていた。応援してどうするんだよ俺。
「えー、やだよ。よく知らない人と結婚前提で付き合うなんて……そもそも男の人と付き合った事もないのに……」
高校生の俺は勿論、桃姉くらいの年齢だって結婚に対して真面目に考えられる人はそういないだろう。まして桃姉はこれで結構人見知りなところがある。
「あぁ~もう、なんでこんな事で悩まないといけないんだろ……」
とうとう頭を抱えてこたつにつっぷしてしまった。が、すぐにその顔がガバッとはね上がる。
「やっぱさぁ、ハルがお嫁さんに貰ってくれるのが一番いいよ!」
「……それはダメだっつったろ」
一瞬言葉に詰まったが、所詮は酔っぱらいの妄言と今日は動揺する事もなく切り返すことができた。
だが面倒くさい問題からの逃避なのか、はたまた酔っているからなのか今日の桃姉はしつこく食いついてくる。

483:Untidy Peach
12/02/28 22:17:37.04 IZ67ipFu
「えー、いいじゃ~ん。それともなに?お姉ちゃんの事嫌いなの~?」
そう言いながらのそのそとこたつから這い出ると、俺の方に近寄りじゃれつくようにぴたりと体を寄せてくる。
途端、俺は自分でも頬が熱くなるのがわかるくらいに顔を真っ赤にした。心拍数がはね上がり、身体が露骨にギクシャク動きだす。
「や、やめっ、離れろって……!」
酒の臭いと桃姉自身の甘い体臭が混ざり合い、なんとも言えない香りとなって俺の情欲を刺激してくる。頭がくらくらして何も考えられなくなる中、俺は必死に桃姉から離れようとした。
桃姉は本当にただ酔ってじゃれているだけでそんなつもりは一切ない、親しい者同士のスキンシップに過ぎないんだと自分に言い聞かせようとする。
だが桃姉は追いすがるように近づくと、あろうことか両手を広げて胴体に抱きついてきた。
「冷たいなぁ、ハルは~。私はハルの事だぁ~い好きなのに~」
「あ……うぁ……」
無邪気に身体を揺する度に桃姉の大きな胸がむにむにと押し付けられる。柔らかなその感触に理性がゆっくりと蕩かされていき、俺は言葉にならない呻きを上げた。
「も……桃姉……」
桃姉に抱きつかれ胸を押し付けられている。そんな異常な事態に俺の頭は混乱しきっていた。己の性欲的な衝動に容赦なく晒される中、必死に冷静さを保とうとする。
だが靄がかかった思考は聞かなくてもいい質問を勝手に紡ぎだしていた。
「大好きって……桃姉は、俺の……どこが好きなんだよ……」
頭のどこかでその質問はやめろという声が響く。桃姉の答も、それが聞きたくないものだという事も本能的に分かっているのかも知れなかった。

484:Untidy Peach
12/02/28 22:18:27.50 IZ67ipFu
「ん~、やっぱりご飯が美味しいし、掃除も洗濯も上手いし、こうやって私の面倒見てくれるとこかな~」
冗談めかして言う桃姉。その答を聞いた途端、頭をガツンと殴られたような衝撃が走った。
桃姉は俺を家事をする人としてしか見てない。分かっていてもやはりその答はショックだった。
そして失意の後、沸き上がってきた感情は怒りだった。
のほほんと笑う桃姉に無性に腹が立ち、俺は怒りに駆られて体をつき動かした。
「ひゃうっ!?」
予想外の俺の行動に桃姉が声を上げる。俺は抱きついていた桃姉の身体を引き離し、両肩を押さえ付けるように押し倒していた。
「ハ、ハル……?」
「桃姉は……!」
戸惑いの声を無視し、己の心情を吐露する。一旦口にしてしまえばもう止まらなかった。
「桃姉は……俺が家事をしてくれるから俺の事が好きなのか……!?掃除や洗濯やってるから結婚しろって言うのか……!?美味い飯を作る事が桃姉にとっての俺の価値なのかよ!?」
無茶苦茶言っているのは自分でも分かっていた。ただ俺は不安だったのだ。昼間考えていたように桃姉にとって俺は家政婦でしかないかも知れないことが。こんなに長い付き合いなのに、家事をすることでしか桃姉に必要とされてないかも知れないことが。
「俺は……俺は桃姉の事が……昔から、ずっと桃姉の事を……なのに……なのに……!」
「ハル……」
桃姉の弱々しい声が被虐心をそそる。怒りと劣情に突き動かされ俺は暴挙に出る。
桃姉を、好きな人を俺の手で滅茶苦茶にしてやりたい。そんな想いに支配されていた。
「ひあぁ!?」
「はぁ……はぁ」
荒い息を吐きながらたっぷりとしたボリュームの胸に手を伸ばす。ムニュリ、と指が沈み込むその柔らかさに、俺の興奮が更に高まっていく。
「はっ、くぅ……んくっ……」
ゆっくりと力強く動かす指に、苦しそうに身を捩らせる桃姉。俺は凶暴な興奮に任せて荒々しく乳房を揉んでいた。
だが―
「ハル……おね、がい……やめ……」
弱々しい懇願の声。ハッと見れば、桃姉が泣き出しそうな顔で俺を見上げていた。先程までの酔いの気配は完全に消えている。目尻には涙が溜まり、瞳は怯え切った色がありありと浮かんでいた。
「……っ!」
冷水を浴びせられたように急速に頭が冷えてくる。弾かれたように桃姉から身を離し、よろよろと後ずさっていた。
取り返しのつかない事をしてしまった絶望感が意識を支配していた。
やがて身体を起こした桃姉が怖れと戸惑いの混ざった目を向けてくる。
「ハル……」
「………………ごめん」
絞り出すようにそれだけ口にすると、俺は逃げるように部屋から飛び出していた。後悔と自己嫌悪に吐き気を覚えながら、止まることも出来ず、俺は動けなくなるまでひたすら走り続けていた。

485:Peachの人
12/02/28 22:23:30.38 IZ67ipFu
という訳で投下させていただきました。
前に書いた奴の続きです。
また続いてしまって申し訳ない。次で終わると思いますので。

486:名無しさん@ピンキー
12/02/29 01:23:59.01 fRjaovib
揉み逃げ…だと…

487:名無しさん@ピンキー
12/03/01 08:48:52.71 Ezk7Y33V
おお、続き来てた
酒に酔った幼馴染みと大きなおっぱい…たまらん!

488:名無しさん@ピンキー
12/03/11 23:54:53.95 n7x1FRSn
なんか過疎ってるな

489:名無しさん@ピンキー
12/03/12 22:16:22.76 TO3yhfy5
ホワイトデーに向けて皆力を貯めているんだろう。そうだろう。

490:名無しさん@ピンキー
12/03/13 04:30:22.59 QGOP6gdL
気弱幼馴染みがバレンタインにもじもじしてたけど結局チョコをくれなかったので、
ホワイトデーに手作りクッキーを送って追い込みをかけてみる鬼畜男子の話をはよ

491:思案中
12/03/14 13:48:01.68 Rc8AQs0B
ココは男同士が幼馴染でも可?
3組のカップル話で男同士は隣家で気がついたら常に一緒でヘタレな悪ガキ連
女同士は先輩や従姉妹で元カノな時も・・・
みたいな話なんだけど板治外かな?

492:名無しさん@ピンキー
12/03/14 13:59:34.41 1oSFWADL
>>491
さすがにちょっと外れ気味じゃないか?

まあ、それをねじ伏せられるくらい面白いなら文句ないけれど。

493:思案中
12/03/14 14:19:14.53 Rc8AQs0B
わかりましたー
辞めときます

494:名無しさん@ピンキー
12/03/24 06:27:07.60 wPWRnwA8
>>490
ひっでえwww
なんかその男、バレンタインにチョコ貰ったら貰ったで「チョコレートよりもお前が食べたい」とか言って困らせそうだ

気弱幼馴染みと悪戯好きの男って良いかもな

495:名無しさん@ピンキー
12/03/26 00:49:03.98 U4dkTJXQ
>気弱幼馴染みと悪戯好きの男って良いかもな
この設定とは違うけど、インスパイヤされたので投下しますw

496:チョコレートよりお前を食べたい。
12/03/26 00:51:31.30 U4dkTJXQ
「チョコレートよりお前を食べたい。」

 そうマジレスされて、あたしはポカーンとしてしまった。

 眼の前でイカした殺し文句を言ってやった!って得意げな顔してるこのバカ男は、
あたしの幼馴染であり、なんとなく付き合ってるようなそうでもないような、そんな奴。

 およそ物心ついた頃から顔つきあわしてて、昔っからあたしにぞっこん、らしい。
 別に愛の告白めいたことを言われるのも今回が初めてじゃない。
 とはいえ、バレンタインでチョコをくれてやったその場であんなアホな口説き文句を
言われるとは思わなかった。

 まあ、こいつも男だし、あたしも何やかやとおあずけ食らわしてるので、そろそろ
もう一歩踏み込んだ関係になりたいんだろうとは思う。その気持ちは分からないでもない。
 けど、もう少しロマンチックに事をすすめるとか、その前に色々言う事とかあるだろとか
思うわけで。

 つー訳で、そのへん遠まわしに匂わせつつからかってやろうと思ったのだった。

「いくらくれるの?」
「なっ……金取るのかっ! ……い、いくら?」
「払うんだ……」

 慌てて財布の中身を確認しだした幼馴染の姿で反応に困るあたし。
 つーか、財布の中身で払えるって……あたしゃ風俗嬢か。
 まあ、気をとり直して、本来誘導したかった方向に話をすすめる。

「んじゃね……生涯賃金の半分頂戴。」
「えええっ! ちょ、高っ!」
「月賦でいいよ。」
「そ、そうか。」
「ついでにサービスで、炊事洗濯もやったげる。」
「それ魅力。」
「あっちもいつでもやり放題。中出しおっけー。」
「ゴクリ……」
「あ、でも孕ませたら子供の養育費は必要経費で出してもらうから。」
「お、おう。」
「じゃ、これ契約書。ここにサインして、ここにはんこね。」
「おう。さらさらさらっと。そんではんこをポン。」
「……ここまでして、なんか気づかない?」
「ん? 何が?」

 ……あたし、考えなおしたほうがいいのかな

497:名無しさん@ピンキー
12/03/26 21:46:30.23 exrmXn+0
>>496
男手玉に取られすぎwww
何だかんだで女馴染みの方もベタ惚れな感じがいいね

498:名無しさん@ピンキー
12/03/26 22:03:47.32 CCkV8kmj
>>496
これは良いもんだ…

499:名無しさん@ピンキー
12/03/27 01:16:40.30 0YOWbEHD
>>496
裏山鹿……

500:名無しさん@ピンキー
12/03/28 00:38:51.03 ZYA/d6uA
>>496
実はな、それ離婚届やねん

501:名無しさん@ピンキー
12/03/28 22:52:48.49 DukgTCfQ
「いつから幼馴染だと錯覚していた…?」

502:名無しさん@ピンキー
12/03/29 01:17:32.09 Qj7q7uu2
テスト

503:独白系
12/03/29 01:22:54.64 Qj7q7uu2
再び故郷の土を踏める。
本当に幸運だ。
自分の力なんかより運のおかげと言った方がいいのかもしれない。
帰ってこれた。
数えきれないほどの幸運と、旅先で出会った仲間の助けがなければ無理だっただろう。
そうなれば当然あいつも悲しむ。
いや、例え知らせが届いても信じずに待ち続けたか。
何年も何十年も。
新しい恋人など考えもせずに一人で待ち続けて、そのまま老婆になってしまってもまだ待ち続けたか。
………あいつはそういうやつだ。きっとそうだっただろう。

あいつを一人にするのが嫌で、でも旅立ちは迫って、旅には出なくちゃダメで。
そんな葛藤にギリギリまで悩んで、
『小さい時から旅に出ることを意気込んでた幼馴染はどこに行った!』
って。
本当は一日だって離れたくないのに、ずっと一緒にいたいのに。
普通に暮らして、恋して、結婚して、子どもを作って。
普通に暮らしたかったのに、怒って、怒鳴って、時々殴って。
でも本当はやっぱり行って欲しくなくて。
だから行けとは一言も言わなくて。
ただ小さいころは楽しみにしてたのにと。泣きそうなのを必死に我慢しながら。
言っていた。何度も何度も。
だから別れの言葉は言えそうになくて、別れの時の顔も見れそうになくて。
何も言わずに朝早くに。
『またな』と短く。
手紙を置いて出てきた。

504:独白系
12/03/29 01:25:39.42 Qj7q7uu2
それからもう何年経ったか。
正確には4年だけど。離れている時間を考えたくなくて。

4年経っても何も変わらない。
この道も、あの店も教会も。
俺の家も、隣のあいつの家も。

あの犬まだ生きてたのか。
俺への吠え方も変わらないな。
警戒ではなく歓迎の吠声。

ほら出てきた。あいつが。
連絡するの忘れてたな。怒るかもな。
でもすぐに許してくれるだろうな。
一緒にいれなくて辛かったろうな。
なんて言うだろう。
早かったね。遅いよ。無事でよかった。


こいつは少し変わったかな。
髪伸びたな。体つきも。走り方も。

でも声は変わってないな。

「おかえりなさい」



505:名無しさん@ピンキー
12/03/29 01:42:48.23 Qj7q7uu2
独白ものに挑戦

506:名無しさん@ピンキー
12/03/31 08:18:55.62 xHlukchD


507:名無しさん@ピンキー
12/03/31 08:22:12.77 xHlukchD
間違えて送信してしまった。
>>505
何か語り手の走馬灯というか、死の間際の幻みたいだと思ってしまったw

508:名無しさん@ピンキー
12/04/12 19:22:18.99 K7Ie3xYe
過疎ってるので小ネタをひとつ

「春だなー」
「春だねー」
「桜の季節だなー」
「桜の季節だねー」
「今年も同じクラスだったなー」
「同じクラスだったねー」
「毎年毎年代わり映えしないなー」
「でも私はクラス発表って好きだよ」
「そうなの?なんで?」
「また今年も一年同じクラスで過ごせるってわかった時が嬉しいんだもん」
「そんなもんかー。でも家じゃいつも一緒だし、違うクラスになっても普通に会いに行くと思うぞー」
「うーん、それもそうかな……」
「だろー」
「そうだねー」
「……」
「……」
「……」
「晩ごはん何にしよっか?」
「トンカツ食いたいな」
「いいよー、じゃあ材料買いに行くから一緒に行こっか」
「おー」


新年度っぽいネタにしようとしたらいつの間にか熟年夫婦の会話になってた…

509:名無しさん@ピンキー
12/04/12 20:26:04.30 d3VZlTFP
石川遼が幼馴染みと婚約したそうな

親としては結婚させたくなくて、とりあえず納得させるためにそんなことにしたのかな

510:名無しさん@ピンキー
12/04/18 19:29:23.37 kq9sPg+D
残り25kb・・・人によってはそろそろ新スレ待機、なのか


511:ちょいと早いかもしれんが
12/04/19 11:52:49.92 7x+/whBa
次スレ
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512:名無しさん@ピンキー
12/04/19 11:54:50.38 7x+/whBa
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10代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ10章【<恋人】
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9代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ9章【<恋人】
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8代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ8章【<恋人】
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7代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ7章【<恋人】
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6代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ6章【<恋人】
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5代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ5章【<恋人】
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4代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ4章【<恋人】
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3代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ3章【<恋人】
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2代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ2章【<恋人】
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初代スレ:幼馴染みとHする小説
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513:名無しさん@ピンキー
12/04/19 12:01:25.62 7x+/whBa
御免なさい
まちがえた……

514:名無しさん@ピンキー
12/04/24 00:16:45.31 HT4cD+nA
>>513
スレ立て乙、ドンマイw


新年度に新スレも立たったとだし、在庫で埋めにかかりましょう。
高校生もの、エロなし短編で4レス(くらい)

515:ハーレム・テンプレート
12/04/24 00:21:54.15 HT4cD+nA

 冷静に考えてみると、『ハーレム展開』というのは、言うほど非常識なことではなない
のかも知れない。

 立で食う虫も好き好きとは言え、一人の女を惚れさせるような魅力が、別人に全く無効
というのは、あまり無い。カッコいい人は誰からみてもカッコいいのが普通だ。そして、
常にモテまくってる怪しいフェロモン男でもない限り、女が男に惚れる瞬間は、そう言う
カッコいいところを見せた時だと、私は考える。
 だから、今まで見向きもされなかった男が、ある一定期間だけやたらモテる、所謂
「モテ期」というものを、最初からフィクションと断じるのもいかがなものか。



「ちょ、ちょっと聞いてくれ美和子。部活の後輩と同級生の委員長と生徒会の先輩から
いっぺんに告白された」
「落ち着いて、さとし君。ラノベの読み過ぎよ」
「正直俺もそれを疑った。だがお前の反応からして白昼夢でもなさそうだ」
 ノックも無しに高二女子の部屋へ闖入してきた狼藉者に対して、私は宿題から目を
上げずに対応した。机のガラスコップに映った姿が制服だから、学校帰りそのままだろう。
頬がすっかりに紅潮しているのは師走の寒風に煽られたら、だけでも無いらしい。

「或いは罠、か?」
「最近、人の恨みを勝った覚えは?」
「無い。八方美人が俺の信条だぞ」
「そういう風見鶏君が嫌いな人も多いからねぇ。主に私とか」
「なっ! 美和子お前、まさか俺の学校の女子に工作をっ!」
「してない。つか出来るかそんなこと。あんたの学校行ったの、こないだの文化祭で
2回目よ」
 つい2週間前のことだ。自分の学祭は一応真面目に参加しているが、他校に行ったのは
初めてだった。聡史からお客様扱いされるのは、どこか不思議な感じがした。
「そういえば、文化祭で一肌脱いだって言ってたじゃない。それがらみじゃないの?」
「脱いだったって、そりゃ人が足りないからあっちこっちヘルプのお願いはしたけど、
そこまで陰湿に嵌められる覚えはねえ」
「罠から離れなさいよ。惚れられる要素は?」
 言われて、初めてその可能性を考えたかのように、八條聡史は黙考する。
「模擬店の裏方でかかりきりだったんだから、女の子に受けるような事はしてねえよ。
よそのクラスへの挨拶って名目で当番を時短したから、委員長はまず無いと思う。
生徒会も、先生に猫被ってゴリ押ししちまったし。後輩の親父さんに仕事頼んじまったのも、
彼女本人にしてみれば面白くは……あ、あれ? 恨まれる要素満載じゃね?」
「ふむん」
「え、ちょ、マジで? マジで罠なのこれ!?」
 あたふたと騒ぐ幼馴染を横目に、私は一旦宿題を片した。しばらくは勉強に
ならなさそうだ。


 実は、この一件に関して、私もいくらかは事情を知っていた。およそ半月前の文化祭で、
聡史は八面六臂の活躍をしたのである。
 舞台はクラス出店の模擬店だった。出し物を決めないと帰れない放課後のHR。男子の
誰かが適当に言った「メイド喫茶!」という案は女子の「キモい」の合唱で回避された。
しかし、他に案が出ることも無く、結局件の委員長は「喫茶店」を採用せざるを得なくなった。
 だが、そんなやる気の無いクラスに飲食店の出店はハードルが高過ぎた。言いだしっぺの
男の子は最初だけ無駄に張り切った後、見事な投げっ放しジャーマンで逃亡した。
開催二日前に生徒会が検分した際には、出店不能との判を出された。
 そこからリカバリをかけたのが、聡史だったのだ。

516:ハーレム・テンプレート
12/04/24 00:23:59.51 HT4cD+nA

 前述の通り、八条聡史は、自他共に認める八方美人である。とにかく顔が広い。
先生受けもいい。交友関係は浅く広くが基本であり、信用は自分を相手に合せることで築く。
要するにパシりである。絶対の信頼を得ることは少ないが、皆から便利な人間であるとは
思われている。そうしてあっちこっちに小さな恩を沢山売っている。必要があらば媚び諂う
ことだって辞さない男だ。人によっては、必要が無くてもやっている様に見えることもあり、
私ですらそう感じることもある。そして、実際、そうやって誰からも好かれるのが好きなのだと、
彼自身認めている。
 そんな人物だから、確かに嫌っている人間は少ない。無論、そういう手合が駄目な少数
の人間からはゴキブリの如く嫌われていたりもするが、あくまで大勢に影響ない範囲である。
だが、それが男性的な魅力に繋がるかと言うと、普段の高校生活では難しい。
 
 しかし、こんな時に限っては彼の人脈が光った。作業に足りない頭数は三学年問わず
あらゆるところから掻き集め、生徒会は容赦なく担任の虎の威を借りて攻めを落とし、
事態を泥沼化させていた衛生管理責任者まで、部活の後輩の親御さんを拝み倒して
連れてきてしまったのだ。

 その結果、出し物は滞りなく行われた。十分な人数が集まったから、誰かが無理をする
ということも無く、ある者は適度に頑張り、ある者は適度にサボり、悲劇が生まれない
代わりに、ヒーローも生まれなかった。
 おかげで、終わってみれば、直前に騒いだ割には大したこと無かったな、と言うのが
参加者一般の感想であった。聡史にしても、当日はゆっくりと「お世話になった人の
挨拶回り」を決め込んでいたから、彼を「サボり組」の方に思う人も多かった。
本人からして、そう認めていた。
 但し、騒動の渦中にいたものには、聡史の風見鶏の本当のところが見えて来たのだろう。


「まあ、罠にせよ罠じゃないにせよ、今後の身の振り方次第でさとし君の残りの学園生活が
決まるわけね。バラ色か、茨かは知らないけれど」
「いやいやいや、この流れどう見ても茨じゃえか。どうしよう美和えもん!」
「……きみはじつにばかだな。ひとまず座ったら?」
「お…おう」

 言われてようやく、部屋の入口を離れた聡史は、花柄のシーツに遠慮もなく腰を下ろす。
私も勉強用のメガネを外すと、椅子を回して彼の方に向き直った。
「じゃあ、順番に行きましょうか。まず、さとし君はその娘達のことをどう思ってるの?」
「正直、人を罠にかけるような子には思えない」
「あーもう、そのネタいいから」
「よくないよ! 一番大事なとこだよ!」
「何慌ててるのよ。罠だったら、大人しくピエロになっておいて、後で被害者ぶれば済む
話でしょう。こんなの、さとし君の常套手段じゃない」
「え……あれ?」
「つまり、どっちにしてもさとし君に必要なのは、三つの告白が本物だったと仮定して、
どうやって三者とも顔の立つ対応をとるか。違う?」
「そ、そうだよな。俺としたことが、何で気付かなかったんだろう」

 つまり、無意識にテンパってしまうほどの相手、ということか。

「じゃあ、次の問題ね。本命役にはどの娘を選ぶ?」
「いや、次って。最初の設問にも答えられてないというか、そんな段階で選ぶも
何もだな……」
「断りずらい娘がいるんでしょう」
「いや、まあ、無碍に断りづらいという意味では全員というかそもそも告られたことが
初めてなのにどうしたらいいか分からないといいますか」

 これは重症だ。私は眠気覚ましのどくだみ茶で喉をうるおし、努めてゆっくりと
声を出す。

517:ハーレム・テンプレート
12/04/24 00:27:08.27 HT4cD+nA

「その三人の中で、今まで気になってた娘は居るの?」
「正直言って、三人とも今まで意識したことは無かったんだ」
 ほう。
「まあでも、今回無理を通すにあたって、それなりに話す機会はあったよ。
 部活の後輩はさ、学校ではハキハキ明るいんだけど、家では親父さんと絶賛冷戦中だっ
たりするんだよ。まあ、愚痴を聞く限りパパは娘可愛さに暴走中。娘も娘で昔は家族大好
きっ子だったんだけど、なまじ仲良過ぎただけに反抗期を抉らせちゃってさ。ちょっとした
切っ掛けさえ有れば元通りなんだけど、いい人同士逆にそれが出来ない状態でなぁ。
馬鹿というか何と言うか、でもほんとに理不尽なほどいい娘で、腹黒い俺には眩しいというか
なんというか」
 ……ほほう。
「生徒会の先輩は、これがまたあったま固くってさー。会長の方針は厳し過ぎるとか、
専横が過ぎるとか思ってるくせに、会計の自分が言うことじゃないとか言ってずっと腹に
貯めてんだよ。おまけに、生徒会自体は一丸じゃなきゃいけないとか言って、いざ動くと
なると、その指示を率先して徹底すんの。お前は何時の藩士じゃっつー感じだよ。今回の
生徒会攻略の一番の壁だった。まあ、人間関係が軽薄な俺の対極にいるような奴だな。
よくそんなことやってられるなあと、ついつい気になって目がいっちゃうんだけど」
 ………………。
「委員長は、表面上は俺とよく似たタイプ。社交性があるというか、顔が広くて、誰とでも
話せる奴だな。でも、その先が問題でさあ。人脈なんて頼ってナンボ、寧ろこっちから
頭を下げてこそ太くなるもんだってのに、なぜかそこで生真面目に責任とか考え始めるん
だよ。お返し出来ないのにお願いなんか出来ないとか愚痴愚痴さあ。そこは逆だってのに。
こっちが先にお願い事してるから、向こうも気軽に頼ってくれるようになるんじゃないか。
何でそこが分かんないのとか思うと、もどかしくてもどかしくて目が離せないんだよ。
同族嫌悪、とは違うんだけども、ついつい手と口を出さずには…
 ……って、あの、美和子さん?」
「もうさ、三重婚してラノベ主人公らしく刺されればいいよ」
「ちょ、人が恥を忍んで正直に相談してんのにそりゃないよ! つか、最近のラノベの
主人公って刺されるの!?」

 何だか、こめかみの部分が痛くなってきた気がしたので、私は一旦机に身体を戻した。
ベッドの上で手足をバタつかせる幼馴染を尻目に、コップのどくだみ茶を一気飲みする。
 ……苦い。

「で、返事のタイミングについてだけど。私に相談に来たってことは、取り敢えず保留は
出来てるのよね?」
「あ……ああ。まあ、向こうも突然で悪いって言ってくれてさ」
「まあ、そう言えばそうね。全員が全員、功を焦るタイプとも思えないけど」
「功って、あのな……。まあ、何だか、今の時期が重要みたいだぞ。最後に告白してきた
後輩が、『遅れを取るわけには』とか言ってたし。そういう占い的なジンクスでも有るんじゃ
ないか?」
 ……なるほど、お互い戦況もよく理解済みか。それでも勝負に打って出る辺り、覚悟も
生半可なものではないだろう。

 彼女たちには、明確な動機がある。加えて、それぞれが聡史に対する明確な切り口を
持っている。条件は互角、となれば先手を取ろうとするのは道理と言えた。同じイベントで
フラグ立てした彼女たちには、時間という要素が等しく足りていない。
その要素だけ無条件に勝てるのは、幼馴染キャラの特権だ。

「……いかん、ラノベの読み過ぎなのは私かも知れない」
「えと、あのー、美和子さん? 先程から貴女には珍しく、意味不明なお言葉が多いの
ですが……」

518:ハーレム・テンプレート
12/04/24 00:31:07.57 HT4cD+nA

 ただ、彼女らが聡史の八方美人の理由を、この短期間でどこまで理解したのかについては、
はっきり言って疑問だ。後輩・会計は、父親との和解・会長への反旗といった、個人的事情
におけるインパクトが大き過ぎる。委員長についても、自分が責任の真っただ中にいた分、
助けてくれたことに気がいって、どう助けたかについては気にする余裕が無いのではないか。
 そうでなくても、彼の信念を理解するのは常人には難しい。
  好きな人に、一人二人に、いい顔をするのは誰にでも出来る。だが、十人、百人、
会う人万人となれば話は違う。
 ただ単に、気に入らない奴もいるから大変、という次元では無いのだ。ちょっとした親切
であっても、ただ愛想良くふるまうだけで合っても、その対象が200人、300人となれば、
する方の側は"ちょっとした"こととは言えなくなる。誰に対しても「小さな親切」を送り続ける
人生の労苦は生半可な物では無い。そんな生き方を続けるには、大きな覚悟が必要だ。

 聡史にはそれがある。人間、一人では誰も助けられないという覚悟。例えどんなに信頼
できる仲間でも、その日、その時、必要な場所にいなければ、何の役にも立たないという
悔恨に裏打ちされた覚悟だ。
 私と聡史の、深い脛の傷の上に根付いたそれを、学祭イベント如きでポっと出の
新キャラに理解されてたまるもんですか─


「美和子、美和子ったら。……おい、大丈夫か、みーちゃ」
「へぁっ? ごめん、さっ……とし君」
 いけない、私としたことが完全に気を飛ばしていた。変な声出ちゃった。
「ええと、何を話していたんだっけ?」
「や、だから俺の三者告白についてだな、どう対処すべきかという情けない相談の最中で
……大丈夫?」
「平気よ、悪いわね。ちょっと、根詰めて勉強してたから眠くって」
 反射的に机の上のコップを煽ると、どくだみ茶のティーバッグがペトリと顔に降ってきた。
そう言えば、さっき飲み干したんだった。

 素知らぬ顔で鼻下にティッシュをあてがいながら、私は深呼吸して気を落ち着ける。

 しかしまあ、後輩・先輩・同級生、それぞれ部活に生徒会に委員長か。よくもこれだけ
綺麗に揃ったものだ。具体的な話を聞いて少し現実味が出て来たものの、やはり作り物
めいた感触が拭えない。もちろん、聡史の話を疑っているというのではない。その渦中に
自分が入っていくという実感が持てないのだ。
 要するに、自分は少し気圧されているのだろう。押し返すには、ちょっとした開き直りが
必要だ。なるほど、件の後輩ちゃんの言葉は、こんな心境から飛び出したのか。

519:ハーレム・テンプレート
12/04/24 00:33:10.70 HT4cD+nA

「まあ、大体事情は分かりました。確かに、いきなりこんな漫画みたいな状況に陥れば
混乱するのも無理無いわ」
「おお……さすが美和子。分かってくれると思ってたよ! ……して方策は?」
「あまり真面目にならないことよ。こんなふざけた状況なんだもの、常識的に考えてるほうが
無理が出るわ。物語の主人公にでもなったつもりで、役に入って楽しめばいいじゃない」
「えー……。いや、うん。美和子の言いたいことは分かるよ? けど、当事者的には、
目の間に現実の人間関係が有るわけで、そう簡単に吹っ切れないというか……」
「ゲームと割り切るには、まだインパクト不足ってわけね」
 出来るだけ、何気ない風を装って、私は椅子から立ち上がった。案の定、彼は膝にのせ
たこぶしを見つめ、下向きにウンウン唸ったままだ。

「じゃあ、さらにお約束っぽくしてみましょうか。生徒会に部活っ娘にクラス委員。ここへ
焦った幼馴染も参戦してくるってシナリオはどう思う?」
 芝居がかった台詞と芝居がかった動作で、私は彼の隣りに腰を下ろした。そうしなければ、
とてもじゃないが声音を平調に保つことなど出来なかっただろう。
 二人の重みでスプリングが沈み、自然と肩が触れ合った。回転の早い彼の頭が、
その台詞を咀嚼する寸前、私はここ一番の笑顔で上目遣いに布告する。

「好きです、さっちゃん。私と付き合って下さいませんか?」



 今や混乱の極地にある幼馴染の顔は、思った通りに愉快で、やっぱりちょっとかわい
そうだった。ごめんなさい、さとし君。遅れをとった三面作戦となれば、さすがの私も手段を
選んではいられない。だが乱戦にして地力の勝負となれば、年季の違いを見せてくれる。
そんなわけだから、さっちゃんはせめて、このテンプレ染みたハーレム状態を楽しんで。
 なんてことを思いながらは、私は彼の腕にそっと身体の前を押し付けた。

520:名無しさん@ピンキー
12/04/24 00:36:18.91 HT4cD+nA
以上です。


 幼馴染キャラの敗北理由の多くが、天然さ・純真さ・鈍感さが裏目にでた結果だと思うのです。
というわけで権謀術数系幼馴染でした。
「腹黒パワー、幼馴染が持つと距離の近さに駆け引きの上手さが備わり最強に見える」


521:名無しさん@ピンキー
12/04/24 00:38:55.31 EsexaK3N
リアルタイムで遭遇するとは…
一度でいいから翻弄されてみたかったぜ

522:名無しさん@ピンキー
12/04/24 01:17:15.24 w0p53nu+
素晴らしい


523:名無しさん@ピンキー
12/04/24 22:31:58.36 GIzFIXI6
素晴らしい
ラノベ的な設定とてんほの良さを逆手に取ったような作品だ

524:名無しさん@ピンキー
12/04/24 22:34:55.26 UXxHSmRL
聡史にしてみればポルナレフ状態だな

525:名無しさん@ピンキー
12/04/25 00:44:36.27 x+1FWhDH
ハンサムな聡史はこの状況を打開するアイディアがひらめく
仲間が来て助けてくれる
助からない。現実は非情である

526:けやきとそらまめ ◆NVcIiajIyg
12/04/25 01:40:37.32 ZtcS5VBL



新緑の季節が待ち遠しいのか葉桜は白い花弁を今日も散らす。
夜更けの桜を眺める役得もじきに終わってしまうらしい。
細い三つ編みを垂らした支岡くぬぎはアパートメントの小窓から目を逸らした。
ベランダ側の大窓から桜が見えるのなら良かったけれど、残念ながら西側のベランダ前には隣のアパートがどんと立っている。
塗装が剥げた赤い壁と、いつでもカーテンがかかっている窓しか見えない。
カーテン向こうの灯りに一瞬、意識を向けてから天井を見上げる。
昔、この部屋の主とパジャマパーティをしたときに見立てて遊んだ模様は今も変わらずそこにあった。
そこで、ひとつ溜息をつき。
くぬぎは葉擦れのような涼やかな声で、この部屋の主の少女の名を呼んだ。
「ちお。あんた今日は全然身が入ってないじゃない。いったいどうしたの」
ちお、と呼ばれた少女はローテーブルに打つ伏した頭をずりりと起こして、ベッドに座る幼馴染に顔を向けた。
妙に切ない瞳である。
「ちょっと。そんな目しないでよ。新歓の部活紹介、ちゃんと決めようっていったのはちおの方で」
「くぬちゃんは頭いいよね?」
「……せ、成績がいいだけっ。そんなこと言っても何も出ないわよ。それとこれとは、」
やや赤い頬で言い返していたくぬぎを、じいっと見つめて、遠藤千緒はおもむろに立ち上がった。
肩ほどの柔らかな髪がふわりと広がりまた落ち着く。
「くぬちゃんっ!」
ベッドまで突進して三つ編みに顔がつくほどにじり寄る。
「助けて!!」
「え、う!?……な、なに。宿題とか……?」
「干してたぱんつがなくなったの!!」

くぬぎは十数秒ほど絶句した。

「ま……待って待って。干してたっていうのは、どこに」
幼い頃から遊びにきていたくぬぎには、このアパートには室内に物干し場があり、おばさんが洗濯物はかならずそこに干していることくらい知っていた。
それがなくなったとすれば―泥棒、の仕業ということすらありえるわけなのだが。
質問の意味を正確に理解したのか、千緒が湯気が立つほど真っ赤になって首を振る。
「ベランダに干してた……」
「アホかあんたはッ!!!」
「き!」
思わず怒鳴って幼馴染の頭を叩くと謎の悲鳴をあげられた。
「ベランダって、ベランダってあんたちょっと羞恥心がないの?!」
「くぬちゃん怖い……」
「怒りもするよ!」
ベランダに隣接する隣のアパート(メゾンドけやき)と、このアパート(コーポそらまめ)のベランダ間にはほとんど隙間というものがない。
当然乗り移ることも可能だし、メゾンドけやき側がカーテンを開ければベランダの洗濯物など丸見えだ。
北側の外壁にはエアコンの室外機や配線やなんやらが張り出していて外から入る隙間もない。
更に南側は別のビルの裏壁でありこちらも外部からの侵入はできない。
必然的に、犯人がいたらこのアパートか隣のアパートの住人となる。
「風で飛ばされた、ってことはないの。一階の庭に落ちていたりしなかった?」
「……なかった…」
「ああそう分かった。分かった分かった。なくなったのはいつ?」
はぁと三つ編みに指を絡めて肩を落として聞きながら、くぬぎはベッドから脚をおろした。
そのままベランダ側まで歩いて行ってカーテンごと窓の桟を横にを引く。
靴が一足置けるくらいの狭いベランダに踏み出して、向かいの窓をカンカン叩く。
やや強めに延々と。

「三島。三島兄弟ー。ちょっと、ねえ、顔貸しなさい」

深緑のカーテンがややあって開き、同い年頃の少年が二人、顔を出した。
くぬぎは、二人を順繰りに見つめてから、こほんと咳払いをし。
涼しい声で厳かに告げた。
「あんたたちのどっちか。ちおのパ……、ん…洗濯物、盗ったでしょ」

527:けやきとそらまめ ◆F7/9W.nqNY
12/04/25 01:58:17.99 Figh4FRi


「……は?」
三島恭平は隣家からの突然の詰問に、口をぽかんと開けることしかできなかった。
窓の外、向かいのアパートから顔を出してこちらを見据えているのは、よく知った幼馴染みの少女、支岡くぬぎだった。
無遠慮に窓を叩かれ、近所迷惑になるので仕方なく応対すると、いきなり盗人呼ばわりである。わけがわからない。
「何よその目は」
気の強そうなくぬぎの目つきが、さらに剣呑なものになる。ちょっと思っていたことが顔に出てしまっていたらしい。
「お前は何を言ってるんだ」という内心の声を、恭平は気取られないように打ち消す。
「こんばんは。突然どうしたの、くぬぎちゃん?」
隣にいた弟の純也が、小首をかしげて少女に問いかけた。恭平とは双子なのだが、二卵性のためかあまり似ていない。
無愛想な恭平とは違って、純也は人当たりがいい。そのせいか、くぬぎの強気な物言いも純也に対しては
柔らかくなる。それが恭平には少しおもしろくない。
「いや、その……ちおがベランダにパ……洗濯物を干してたらしくて、それがなくなって困ってるの」
「……洗濯物?」
純也はもう一度首をかしげると、隣の兄に目を向けた。恭平は顔をあわせずに答える。
「知らん。そもそもここしばらく、窓を開けた覚えがない」
偉そうに言うことじゃないよ、と純也は苦笑いをする。
「換気のために、起きたときに一度窓を開けたよ。15分くらいかな。でもそれだけ。昼はいなかったから知らない」
「俺もいなかった。帰ってきたのはたしか夕方の5時ごろだったか。そのあとテレビ観て飯食って、
部屋に戻ってきたのはさっきだ」
「ぼくも同じような感じかな。朝はそもそも洗濯物なんて干してなかったと思うけど」
すると、くぬぎの後ろから遠藤千緒が、真っ赤になった顔をおずおずと出して、こちらを覗いてきた。
「こんばんは、ちおちゃん」
「う、うん。こんばんは」
のんきに挨拶などをしている弟を尻目に、恭平は単刀直入にもう一人の幼馴染みに訊ねた。
「洗濯物って、ベランダに干してたのか?」
「……ん」
小さくうなずく。くぬぎが睨んできたが、恭平とてセクハラをするつもりは毛頭ない。
それに、質問する側もこれで結構気まずいのだ。
「身に覚えがないのに、一方的に犯人扱いされちゃたまらないからな。ちょっと訊くだけだ。我慢してくれ」
「……うん」
今度は幾分はっきりとうなずいた。隠れていたくぬぎの背中から出てきて、ベランダの正面に立つ。
背は千緒の方がずっと低い。くぬぎも決して大きいわけではないが、小動物のように小柄な千緒と比べると、
背が高く見える。とても同学年とは思えない。
「いつ干した?」
「えっと、昼の2時くらいに……」
「なくなったことに気づいたのは?」
「夕方には取り込もうと思って、ちょっと外に出てたの。だけど帰ってきて、6時くらいに窓を開けたら
どこにもなかった。物干しごとなくなってたから、最初はお母さんが取り込んだのかと思ったんだけど、
訊いても知らないっていうし、下にも落ちてないし、どこ行っちゃったんだろうってもうわかんなくなっちゃって……」
次第に声量が小さくなっていく千緒の様子に、恭平は何も言えない。女性の衣類は男性よりもずっと
デリケートなものだろう。加えて千緒は思春期真っ只中の女の子だ。同年代の男子に洗濯物をどうこうと
話題にされて恥ずかしくないわけがない。それを言うなら同年代の男子が住む部屋の真正面に洗濯物を
干すことがすでにおかしいが、千緒は昔から恭平と純也に対してだけは気を許しきっている節があり、
警戒心皆無だったりするので、恭平はその行動を特に不可解だとは思わなかった。家族ぐるみでの付き合いがあるので、
半分は家族のような意識なのだろう。
恭平個人としては、そう割り切れるものでもないが、それはともかく。
「物干しって、あの洗濯バサミがたくさんついてるやつか?」
「うん……」
物干しごとなくなったとなると、風で飛ばされたという線はほぼ消える。鳥や動物が持って行ったというのも考えにくい。
ということはやはり人為的な行為によるものと考えていいだろう。平たく言えば誰かが盗んだのだ。
恭平は違う。純也も違うと言っている。ならばどこかのコソ泥の仕業か。
いや、と恭平は思い直す。周りの立地と角度的に、この位置の洗濯物を確認できる場所は恭平たちのいる部屋しかない。
ベランダの足場が邪魔になって、下からは見えないだろう。


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