【友達≦】幼馴染み萌えスレ23章【<恋人】at EROPARO
【友達≦】幼馴染み萌えスレ23章【<恋人】 - 暇つぶし2ch400:名無しさん@ピンキー
12/02/02 08:21:40.45 HsKrOi7A
>>399
その最終手段とは、チラリと下着を見せることだったのだ!

すいませんでした。

401:名無しさん@ピンキー
12/02/02 15:55:06.40 sOeB6xTE
一大決心でお嬢様の父親に思いの丈をぶつけたら、あっさり許嫁になったでござるの巻

402:名無しさん@ピンキー
12/02/03 23:43:11.30 q1LmKRBd
最近の執事は完璧が求められるからなぁ。
いくら完璧でもメイドガイみたいのは嫌だがw

403:名無しさん@ピンキー
12/02/04 02:41:55.87 rAKkq5Eg
幼馴染みの少年少女が仲が良いまま高校生になった。
周りも当人たちも、告白して恋人になるのは時間の問題だと思っていた。

そんなある日、少年の家に悪友たちが集まって、持ち寄ったAVの鑑賞会が開かれた。
痴漢もの、女教師もの、レイプもの、レズものと見ていく中にSMものもあった。
それを見たとき、少年は初めて自分の中にサディスティックな欲望があることを自覚してしまった。
少女のことを大切にしたいと思う気持ちと同じくらいに、少女を傷付けたい泣かせたいという欲望が溢れてくる。

このまま少女の側にいたら欲望のままに傷付けてしまう。
少年は少女に会わないように距離を置くようにした。

一方、いきなり少年が離れていった少女は当惑する。何度しかけても無視され邪険に追い返される。
しかしそれでも諦めず、少年の部屋にまで押し掛けて訳を問う少女に、少年はとうとう自分の中の醜い欲望を吐露する。

「俺はサディストなんだ。俺じゃお前を傷付けるだけなんだ」

そう言う少年に少女の答えは……?

404:名無しさん@ピンキー
12/02/04 03:08:53.40 1hQ70DbY
傷つけなきゃ膜は破れないのよ!!(迫真)

405:名無しさん@ピンキー
12/02/04 06:52:49.84 /XyiDksR
>>403
「私はマゾ女だから大丈夫だ、問題無い」

406:名無しさん@ピンキー
12/02/04 10:45:10.08 amPHR32B
SMも、結局は相互理解の産物だから、ここまでならOKとかの感覚が分かり合える幼馴染なら大丈夫…だよね?

407:名無しさん@ピンキー
12/02/04 11:12:28.41 IdsuphNw
そうそう
SMのSとはサービスのS、Mとは真心のMなんだそうな
結局お互いが楽しむ心がないと成立せんよね

408:名無しさん@ピンキー
12/02/04 12:07:41.11 9R2/2guS
幼馴染みの少年少女が仲が良いまま高校生になった。
周りも当人たちも、告白して恋人になるのは時間の問題だと思っていた。

そんなある日、少女は友人たちとパジャマパーティを開いた。
友人の1人が「兄貴のをこっそり持ってきた」と見せてくれたAVはSMものだった。
皆が「変態じゃん」「引くわ~」と笑ってる中、少女はその映像に少年に責められる自分を投影し欲情していた。
それからは、顔を合わせる度に少年に責められる妄想が生まれ、自分は変態なんだ、いやらしい女なんだと自己嫌悪に陥る。

やがて、少年が急に余所余所しくなり露骨に避けられるようになる。
自分の中のいやらしさに気付かれてしまった、嫌われてしまったと思い悩む。
だが会えない寂しさに意を決して少年の部屋を訪ねて問い詰め…

>>403に続く?

409:名無しさん@ピンキー
12/02/04 12:09:35.91 PD42Gb9F
  + / ̄ ̄ヽ
   / (●) ..(● +
   |0゚  'ー=‐' i  
    >     く
 _/ ,/⌒)、,ヽ_
   ヽ、_/~ヽ、__)

410:名無しさん@ピンキー
12/02/05 23:37:08.61 ZguGqqs3
「Untidy Peach」

「桃姉、入るぞー…………うわ……!」
1K独り暮らし用の安アパートのドアを開けると、俺の目に飛び込んで来たのはゴミの山だった。
ゴミ袋に入れてあるのはまだいい方で、そこら中にカップ麺の空き容器だの脱ぎ捨てられた服だの紙くずだのが散らかっている。
(今回は特にひどいな……)
前回掃除に来た時から2週間しか経ってないが、すでに部屋の中は足の踏み場もない。どうやったらここまで汚せるんだ?
「桃姉、生きてるかー?」
とりあえずじっとしていてもしょうがないのでゴミを掻き分けて中に進むと、奥の方から微かな声が聞こえてきた。
「ハルー……こっちー……」
見れば部屋の真ん中に鎮座したこたつに、つっぷしたままの人影がある。なんとかそちらに近づくと人影は顔を上げて恨めしそうな声を出した。
「遅いよ、ハル……あたしが死んじゃったらどーすんのよぉ……」
「人間一食抜いたくらいじゃ死なねーよ」
「……一食じゃないもん。買い置きも無くなっちゃったしお風呂にも入れてないし、ろくに寝てもいないし大変なんだから……」
「〆切前は原稿に集中したいから来ないでって言ったのは桃姉だろ」
きゅるきゅると情けなく腹の虫を鳴らすこの部屋の主に、俺は一つ大きくため息を吐いた。
「まあいいや。軽く片付けたらなんか作るよ。食ったら本格的に掃除するからな」
「ん、ありがとー。頑張ってね」
「手伝えよ!」
傍観決め込む気満々の桃姉に全力で突っ込みを入れる俺だった。

411:Untidy Peach
12/02/05 23:39:31.12 ZguGqqs3
浅井桃は俺、栗原春生にとって小さい頃から憧れの存在だった。小学校に上がる前から7歳も下の俺とよく遊んでくれたし、喧嘩で同級生に泣かされた時も慰めてくれた。
今になって考えると7つも年下の少年と精神年齢ががっちり噛み合っていたかなりアレな人なのだが、当時の俺は『優しい年上のお姉さん』にときめきまくっていた。
だが年月がたち、成長するに伴って俺はある事に気付いた。
桃姉はいわゆる『残念』な人なのだと……。
この人はまず家事が全く出来ない。料理も掃除も洗濯もダメで、放っておくと今のようなゴミ屋敷を形成してしまう。
しかもかなり面倒くさがりで、全自動の洗濯機を購入したもののほとんど使いこなせていない。
仕方なしに俺が3日に一度、遅くとも1週間に一度は様子を見に来て、家事をこなしている。
事情を知っている友達からつけられたあだ名はもちろん『通い妻』だ。ほっとけコンチキショウ。

412:Untidy Peach
12/02/05 23:41:24.19 ZguGqqs3
人が通れる程度のスペースをなんとか確保し、俺が持ち寄った食材で簡単な食事を作ると桃姉は大喜びでそれを食べ始めた。
「ん、おいしいおいしい」
空腹のせいか、やけに嬉しそうに食べ進める桃姉。それを見ているとなんとなく気恥ずかしくなってきて、俺はそこらに放置してあった文庫本を手遊びに開いた。
そこの著者近影の部分に目が止まる。理知的な容姿でスタイル抜群の美人がスーツ姿で写っていた。
著者の名前は浅井桃。つまり今俺の目の前にいる女性の事だ。
(やっぱ詐欺だよなぁ……)
一心不乱に飯を食う桃姉をしげしげと眺め、写真と現実の差に嘆息した。
桃姉は小説家をしている。デビューして四年になるがそこそこ食えていけるくらい繁盛しているようだ。
元々文才はあったのだろうが、就職したとして時間にルーズなこの人がまともな勤め先で働けたとは思わないので、ある意味天職なのかも知れない。
作品の評価は『女性らしい細やかな心理描写で奇想天外な物語を書く』というなんだかよくわからない物なのだが、若い男女の間ではなかなかに有名な作家らしい。
顔出しの時は思い切り着飾るので、世間ではこれでも美人小説家で通っている。そこら辺も人気の一因なのだろう。
(でも実際はこれだもんなぁ……)
ぼさぼさのひっつめ髪に野暮ったい大きな黒縁眼鏡、服装は高校時代のもっさりしたジャージ。放っておけば際限なく部屋を散らかし、こたつに入って年下の高校生に家事をやってもらう。
素晴らしいダメ人間ぶりだ。ダメ人間コンテストとかあったら上位入賞も夢じゃないと密かに思っている。
「何よう、人の事じろじろ見て」
俺の視線に気付いた桃姉が不満そうに口をとがらせる。俺は慌てて立ち上がり誤魔化すように言った。
「な、何でもねーよ。それより掃除するから早く食っちまえよ」
「あーい」
愛想よく返事する桃姉の笑顔が俺にはとても魅力的に見えた。
元々着飾れば美人、という程度には顔の造形は整った人だし、10年近く片恋慕を抱き続ける身としてはその笑顔にときめかずにはいられなかった。
たとえどれだけ残念だとしても、桃姉は昔から変わらず俺の大切な人なのだ。

413:Untidy Peach
12/02/05 23:42:26.01 ZguGqqs3
桃姉の実に2日ぶりとなる栄養補給が終わると、俺たちは荒れに荒れた部屋のゴミを除去しにかかった。
とはいっても主に働いていたのは俺で、桃姉自身は所在なさそうに立ち尽くしながら、時々俺の出す指示に従うだけだったが。
「じゃあこの書類は捨てていいな。こっちの段ボールの中のは?」
「うん、それもいい」
「オッケ。んじゃこっちはもういいから向こう頼む。ゴミを袋に入れるだけでいいから」
「ん、わかった………………ねーハル、この古い雑誌とかって要ると思う?」
「知らんよ……。捨てるものくらい自分で判断してくれよ」
呆れを混ぜた声で返した俺はふと妙な手応えを感じ、自分の手にしているものを見た。
色は薄いブルー。手に持っている部分は紐状になっていて、その下に三角形の部分が二つ連なっている。レースで編まれているそれは女性が胸部につける下着、いわゆるブラジャーというものだった。
「ぶっ!?」
驚愕に声にならない声を上げ、思考が一秒完全にフリーズする。再起動した俺は慌てて目を反らし、手の中のものを遠ざけるように桃姉に突きつけた。
「も、桃姉……こ、これ……!」
「えっ…………ひゃあ!?」
桃姉が普段は見せない機敏さで俺の手から下着をひったくった。見れば真っ赤になりながら涙目でこちらをにらんでくる。
「うぅ……ハルのえっち……」
「し、仕方ねーだろ。ていうかこうならないように下着くらいは自分で洗ってくれって言っといただろ」
「だ、だって暇なかったんだもん……」
元々自分が散らかしているのが原因だとわかっているからか桃姉はそれ以上追及してこなかった。
俺としてもさっき見たものをすぐに記憶から消そうとする。だが目を反らす直前に見えた「G」の表記が瞼に焼き付いて離れなかった。
(でっけぇ……)
思わずジャージの胸の辺りを押し上げる膨らみにチラチラ目が行ってしまう。
「だ、大体桃姉はだらしなさ過ぎなんだよ。いい大人なんだしもうちょっときちんとしなきゃ」
「…………」
誤魔化すようにいつも通りの文句を言ってみるが予想に反して桃姉は黙りこくってしまう。
「やっぱりそうかなぁ……」「も、桃姉……?」
「この間お母さんにもおんなじ事言われた。そんなんじゃ嫁の貰い手もないよって」
「そ、そうなんだ……」
嫁スキルは軒並み死んでるからなぁ、桃姉。にしても桃姉はまだ24のはず。社会人として働いてはいるが、結婚を急かされる歳でもないと思うが。
「お母さん、早く私に安定して欲しいんだと思う。なんだかんだ言っても小説家なんてヤクザな仕事だし」
桃姉は本人はともかく小説家としてはそれなりの評価を受けているはずだが……。まあ、親の心理からしたらあまりそんな事関係ないのかも知れない。
「えーと、誰かいい人いないの?」
こういう場合の常となるような質問を投げかけてはみたが、俺は内心このデリケートな話題を早く切り上げたかった。何が悲しくて好きな人の結婚の話題なんか聞かないといかんのだ。
「いないよー。私、男の人の知り合い少ないもん」
「えーと……合コンセッティングしてもらうとか……」
「大学の頃の友達は合コンとかしない人ばっかだし……」
「仕事先の人とか」
「担当さんは女の人だし、他はオジサンばっかだし……」
八方塞がりです、とばかりにため息をつく桃姉。俺としては男の影が全くない桃姉に少し安心したのでほっと胸を撫で下ろしていた。
と、思ったら不意討ちが飛んできた。
「いっそハルがお嫁さんに貰ってくれればいいのに」
「…………っ!!な、な、何言ってんだよ!」
自分でも驚くほど狼狽し、それだけ返すのが精一杯だった。心臓がバクバクと鳴っている。顔だけは背けたから赤くなっているのは気付かれていないはずだ。
「だって今もハルが家事してくれるから私生きてけるし。代わりに私が小説でお金稼ぐからさ」
「……んで、一生桃姉の家政婦でいろってか」
「ダメかな?」
「ダメです。そんな事よりさっさと掃除」
そっかぁ、と残念そうに笑う。本人にしてみれば恐らく冗談のつもりなのだろうが、こちらとしては心臓に悪い。
(ったく、人の気も知らないで……)
心の中でだけ悪態をついておく。冗談だとわかっていながらも、いまだ心臓の鼓動は早まったままだ。
結局その日の最後まで俺はその事を意識したまま過ごす羽目になった。

414:名無しさん@ピンキー
12/02/05 23:47:45.60 ZguGqqs3
以上
ちょっと前に歳の差カップルについてアリか聞いた者です。
一応続き書きますが上で書いたように住民が無しだと思ったらここで止めます。
続き投下するにしても遅筆なんで時間はかかると思います。

415:名無しさん@ピンキー
12/02/06 00:04:44.91 1j9nfhLP
全然アリだぜ
だがここでも良いが年の差カップルスレにいったらより喜ばれるかもしれんな
続きまってるよ

416:名無しさん@ピンキー
12/02/06 16:25:46.43 Hd1jsZT5
非常にありなのでガンガン続けてください。
男子高校生にとって24歳Gカップ女性って女神そのものですな。

417:名無しさん@ピンキー
12/02/06 17:51:56.28 DHGtBvvJ
有りなので

今すぐ書いてください

オナシャス!

418:名無しさん@ピンキー
12/02/09 09:38:23.61 VSkZSnGe
バレンタインまで一週間ないぞ!

419:名無しさん@ピンキー
12/02/09 18:38:25.55 LP/noa0B
私を食べて
と幼なじみが言っています。
どうしますか?
病院・食べる・対応に困る・立ち去る

420:名無しさん@ピンキー
12/02/09 22:06:57.32 wUJuqHL1
>>419
食べる>産院に連れて行く

421:名無しさん@ピンキー
12/02/10 11:43:32.40 ocPQ41Q+
>>420
お前天才だ

422:名無しさん@ピンキー
12/02/10 23:59:31.62 bAryp41T
「堕ろせよ」 by4月1日

423:名無しさん@ピンキー
12/02/11 21:20:46.65 f6gem0vh
幼馴染みから幼妻へ

424:名無しさん@ピンキー
12/02/12 00:01:27.38 q0rVDIRx
通い妻から内縁の妻に

425:名無しさん@ピンキー
12/02/12 00:37:47.66 Yv+z+ZlV
ちゃんと籍入れてやれよw

426:名無しさん@ピンキー
12/02/12 00:38:36.22 vtocqE4+
ある朝の教室。
クラスメイト「お、熱々ご夫婦のご登場だ!」
男「お、おはよう…」
女「…(真っ赤)」
いつもなら声高に反論してくる筈の二人の、あまりにも違う反応に、教室内がざわつく。
クラスメイト「おい、いつも通り否定しろよ?!」

とかなると、やはり関係が進んだというか、深まった感じだよね?

427:名無しさん@ピンキー
12/02/12 00:53:31.27 q0rVDIRx
>>425
だって男は○8歳にならないと籍入れられんやん?

428:名無しさん@ピンキー
12/02/12 03:59:45.07 /R7NgcdT
>>426
ぜってー何かあった・・・

429:名無しさん@ピンキー
12/02/14 00:43:42.46 ieVqxqm7
バレンタインなので小ネタを一つ

「は、はい、コレ……あげる!」
「なんだコレ?」
「き、今日が何の日かわかってるの!?チ、チョコに決まってるじゃない!」
「そうか」
「い、言っとくけど義理だからね!?変な勘違いしないでよね!?」
「そうか」
「そ、そうよ!」
「このチョコ……」
「な、何よ!」
「リボンの包装が随分独創的だな」
「そ、そうかしら?」
「うん、まるで不器用な人間が手ずから包装したかのようだ」
「へ、へぇ?き、きっとお店の人がラッピング下手だったのね」
「開けていいか?」
「ど、どうぞ……」
「……やたら黒いな。しかも焦げ臭いな」
「や、焼いて香り付けしたチョコなのよ……!」
「パク……うん……ジャリジャリして苦いな」
「び、ビターチョコよ!大人の味なのよ!」
「ごちそうさま」
「え……?全部食べたの?」
「うん、まぁとにかくありがとう」
「べ、別にいいわよ!あ、あんたなんか、どうせ幼なじみのよしみで私があげなきゃ一つも貰えないだろうし!」
「実は俺が今日貰ったチョコはお前ので14個目だ」
「え……?……あ、そう……なんだ……」
「ホワイトデーを楽しみにしててくれ」
「…………」
「ちなみに今のセリフを言ったのはお前が1人目なんだけどな」
「…………………………………えっ?」

以上

430:名無しさん@ピンキー
12/02/14 02:00:21.42 LNoGAxh5
イイヨイイヨー

431:名無しさん@ピンキー
12/02/14 14:28:04.44 SIJySSIY
男の方の性格が、
・女の反応を楽しんでいる
・ど天然で素で言っている
のどっちだろう、と思った。少女マンガだと前者、少年マンガだと後者、なのかな。

432:名無しさん@ピンキー
12/02/15 09:46:19.82 ddT9JzU8
幼馴染男が転校した先に遊びに行ったら、何か擦り寄ろうとしてる女がいた。
心中穏やかでない幼馴染女は夏休み前に何とか既成事実を作ってしまおうと奔走するが、何故か敵対してる筈の女と鉢合わせするばかり。
何時の間にか強敵(とも)と認める間柄になり、男の天然かつ鈍感ぶりを愚痴り合う。



433:名無しさん@ピンキー
12/02/15 23:57:44.35 qqqKVKTw
バレンタインが終わったから、次はホワイトデーか。
いや、その前に期末試験とか高校受験とかか。

女「心配だから、一緒に勉強するわよ?」
男「心配って、…でも、正直とっても助かる。はまり気味だったんだよ」
女「素直でよろしい」
男「へへーっ(土下座」
女「ふっふっふ、褒めなさい褒めなさい」
男「で、勉強会のおやつは何を御所望で?」
女「ダッツのバニラをよろしく」
男「承知いたしました」
女(一緒の学校行きたいからなんだけどね)


434:名無しさん@ピンキー
12/02/18 19:55:37.91 dRmLVfBx
憧れてた幼なじみのお姉さんが結婚することになり、涙を隠しながら祝福する少年
だがお姉さんの旦那が結婚後まもなく事故で亡くなってしまい・・・みたいな妄想

435:名無しさん@ピンキー
12/02/19 00:54:02.49 FYtossTR
未亡人か……背徳感と幼馴染って不思議と相性悪くないよね


と言いつつ背徳感とは無縁のまったりエロ投下
一応、>>27の続きものですが、一話完結なので未読でも支障ないかと思います。

436:寒中ティータイム
12/02/19 00:57:08.06 FYtossTR
 皆瀬那津子は暑いのも寒いのも嫌いだが、どちらかと言えば夏の方が得意だった。
根っからの冷え性と言うこともあるし、基本的じっとしている性向のせいもある。代謝を
落とせば夏なら暑さもしのげるけれど、冬場は一層いっそう凍えるだけだ。
 そんなわけだから、すっかり悴んだ手で西野家の呼び鈴を押した時、彼女の頭は人肌の
布団でいっぱいだった。五秒と待たずに返事が無いことを確認すると、預かった合鍵で
中に入る。一階には人気も火の気も無かったけれど、お目当ての学生靴はちゃんと玄関に
転がっていた。
 お邪魔します、と口の中だけで呟き、買い物袋を台所に置く。生ものは無いし、この室温
ならそのまま放置で大丈夫だろう。そう判断すると、彼女はトントンと階段を上がった。
採光の良い木造2階建てだから、上の方が少しだけ温かい。それだけに夏場は地獄と
なるのだが、今は自宅よりもよほど快適に寛げた。
 無論、リラックスできるのは気温だけが理由でもないけれど。

「亮ちゃん、いる?」
 西日の当る角部屋をノックして、那津子は言った。返事は物音一つなかったが、彼女は
それで中の様子を理解した。扉を開けると予想通り、陽だまりに敷かれた布団がこんもり
と盛り上がっている。
 勝手知ったる幼馴染の根城に、那津子はすたすたと入室した。そのまま押し入れの扉を
開くと、ハンガーを取り出し洋服を順に掛けていく。今年一番の雪の日だけに、脱ぐ物は
やたらと多かった。しばらくの間、衣擦れの音と衣装掛の金音が途切れなく続く。しかし、
丸まった布団は一向に起き出す気配が無かった。これが番犬に生まれなくて良かった
なあと、益体も無い物思いをしながら、那津子は遠赤タイツやらカイロ入り腹巻きやらを
脱いでいく。
 そうして上はババシャツ、下はショーツ一枚にまでなると、彼女はいそいそと掛け布団を
捲った。折角の暖気が逃げないように、そっと身体を滑り込ませ─
 
「んぁ? なんかさむ……っふぎゃーーっ!」
 ああ、この瞬間に限っては、冬の寒さも悪く無いな。と那津子は思った。炬燵に入った
瞬間。湯船に浸かった瞬間。そしてこの、温まった布団にもぐりこんだ瞬間の幸福感は、
何物にも替え難い。温かい布団の重みに包まれて、凍えた手足を人肌で挟んでいると、
目の前で大の男がぎゃいぎゃい悲鳴を上げていようと全くもって気にならな……
「ぎゃー!ぎゃーー!!ぎゃーーー!!!」
「うるさい」
「すみません……っていやいや、今回は普通になっちゃんが酷いよ!心臓止まるかと
思ったわ!」

 氷のような手足を首筋や太股に差し込まれ、西野亮一は割と本気の悲鳴を上げた。
先程の静かな空気は何処へやら、今や野太い慟哭が手狭な六畳間に響き渡っている。
「夏場はあれだけ人ん家に入り浸ってたくせに。やっぱり体ばっかり火照ってる奴は心が
冷たい」
「いや別に、なっちゃんが部屋に来ることに異存はないというか布団に潜り込んでくれる
なんて大歓迎ではありますが、せめてそれやる前に起こしてっ」
「呼び鈴鳴らしたけど起きなかったよ。外滅茶苦茶寒いし」
「いや、外で待たずに普通に部屋で起こせば……って普通に確信犯ですよね。普通に誤用
ですよね。はいすんません」

 ひとしきり騒いで気が済んだのか、亮一はぱたりと大人しくなった。それから、「寝返り
打つからお手てどけて」と言うと、三重ねの布団を崩さず、器用に体を反転させる。
 そうして那津子と向かい合わせに横臥した彼は、再びその冷え切った手足を自分の脇や
太股の内側にはさみ込んだ。
 ……実を言えば、先程だって大声を上げはしたものの、決して彼女の身体を押しのけ
ようとはしなかった。
「まったく、こんなに冷え切っちゃってどうしたの?」
「西佐久の先のカーブで、他県ナンバーが吹き溜まりに刺さってた。そこでバス降ろされて、
歩いて帰ったら、今度は家の灯油が空っぽ」
「うあちゃー。なんという泣きっ面に蜂」
 かわいそうななっちゃん、などと言いながら亮一は上掛けを掴んで那津子の身体を布団
の中に潜没させた。それから、自分も追いかけて潜り込んでくると、まだ冷え切ったままの
頬っぺたに自分の頬を重ね合わせる。

437:寒中ティータイム
12/02/19 00:59:40.30 FYtossTR
 馬鹿みたいとは思いながらも、那津子は訊いた。
「今さらだけど。そんなにしたら寒く無い?」
「それは、本っ気で今さらだなあ」
 くつくつと愉快そうに笑いながら、幼馴染は答えた。
「おっしゃる通り、夏場はお世話になりましたので。無料でご奉仕致しますよ」
 ふいに、温かい掌がババシャツの上から胸の膨らみを捉えた。意を得た那津子が肩を
小さく竦めてやると、反対の手が背中へ回ってホックを外す。
「早速、暖房費を取られてる気がするんだけど」
「いやいや、こうやって揉めば揉むほど温まるんだよ。知らなかった?」
「わたしゃホッカイロか何かか?」
「揉めば揉むほどカイロ役の俺が熱くなる」
「なるほど」
 思わず頷いた彼女の身体を、亮一は巧みに反転させた。後ろからの方が、胸を触り易い
のだろう。彼の温かい体にすっぽりと包まれる形になり、那津子もこれはこれで不満は無い。

 それから、おおよそ10分程度。亮一は乳房だけを手遊びに、姿勢を変えず彼女を後ろ
から温め続けた。いや、温めるという名目でひたすらおっぱいを堪能していただけかも
知れないが、ともあれ御陰様でしびれる様な冷えは収まった。
 その代わりに、今度は掛布団よりも重たい眠気が、瞼に纏わりついてきた。もちろん、
最初から眠る気で潜り込んだのではない。十分触って、相方はスイッチ入っただろうし、
ここで中断はあんまりだと彼女も思う。しかしどうにも身体がついてこない。受身でいたら
負けると思い、那津子は身体を返して彼の方へ向き直る。唇を合わせようと身体を
もぞもぞずり上げていると、上からくすくすと笑われた。
「何、お休みのキス?」
「え…なんで?」
「そりゃあ、こんだけおっぱい触ってれば相手の眠気くらい伝わるよ」
 いや、その理屈もおかしい。と思ったが、瞼を上からそっと撫でられ反論はあえなく
封じられた。
「まあ、俺も丁寧にやらずに、好き勝手揉んでたし。なごんじゃったものはしょうがない」
「……ごめん。寝てる間、自由に遊んでていいからさ」
 引っ掛かっていたブラをババシャツから抜いて、後は亮一が好きに出来る格好になると、
那津子は力を抜いて仰向けになる。上の方でごそごそやっていた亮一が、首の下に枕を
敷きこんでくれると、もうこれ以上の抵抗は出来なかった。
 全身を包む温かい人肌だけを感じながら、那津子は「ちょっとだけ」と呟いて瞳を閉じた。

    *

 感覚的には、五分かそこらしか経っていないように思う。しかし、妙にすっきりとした
頭で、小一時間は眠ったんだろうなと理解しながら、那津子はぱちりと目を開けた。
 布団の中に他人の気配は無い。もぞもぞと這い上がって首を出すと、亮一は部屋の
中にも居なかった。
 あれ、と身体を起そうとして、彼女は自分の状況に気がいった。ババシャツは臍まで
下りているものの、内側の肌着は胸の上までたくし上がっている。ショーツもしっかり抜か
れていて、布団の中を足で探ったくらいでは見つからない。あんにゃろめ、と思いつつも、
言質を渡したのは自分だったと思い出して、彼女は再び布団の中に潜り込んだ。
勝手知ったる幼馴染の部屋とはいえ、ノーパンでうろつくのは忍びない。何より、
この布団の温もりの加護を捨てて、半裸を晒す勇気は無い。
 掛け布団の下で再び視界を閉ざされる。すると自然に、心許ない股座が気になった。
太股の感覚で気付いてはいたけれど、手で確かめると思った以上に濡れている。さすがに
入れられたまま眠っていたとは思えないが、溢れるまで弄られて目を覚まさない自分に、
那津子は軽く自己嫌悪を覚えた。こうなると、気を許す関係がどうこうではなく、単純に
身体の問題ではないか。

 そんな風に悶々とすること暫し。階段の方から、ぎしぎしという木板のきしみが聞こえて
来た。妙に丁寧な踏み音だから、トレーか何かを抱えているのだろう。扉を開けてあげ
ようかと、一秒程逡巡した彼女は、やはりそのまま布団に籠ることにする。

438:寒中ティータイム
12/02/19 01:01:56.39 FYtossTR

「よいしょっと。あれ、起きてたの?」
 お尻で扉を開けた亮一は、上から布団を一瞥しただけでそう言った。元より狸寝入りが
通じる相手ではないが、少し憮然として那津子は答える。
「今さっき。紅茶で両手塞がってるのに放置でごめん」
「いや、そりゃいいけども。って、なんで布団に潜ったまま分かるのなっちゃん。エスパー?」
 素直に驚く相方には答えず、彼女は再び上方へと身体を伸ばす。視界を取り戻した時、
亮一はちょうどちゃぶ台の上に紅茶とお菓子のお盆を置いているところだった。
「頭は?」
「すっきり」
「飲み物は?」
「いる」
「ロイヤルミルクティーとカフェオレをご用意しておりますが?」
「ミルクの多い方」
「え。……いや、どっちだろ。うーん」
「じゃあお茶の方で」
「了承」
 タンブラー2つを乗せたちゃぶ台を、亮一が慎重に寄せてくる。いい加減、身体を起そう
とは思うが、しかし何も無い腰回りが心許ないのも事実である。だが、この状況で履き
直すのもアレだし、第一「ショーツ返して」と言うのも何かアレだし……と思っていると、
幼馴染は押し入れから毛布を取り出した。それをマントのように羽織り、枕側から那津子
を挟むように座り込む。
「なに?」
「人間座椅子。これで、布団とサンドイッチにすれば寒く無いよ」
「……ありがと」
 妙な用意の良さに座りの悪さを感じつつも、彼女は大人しく好意を受けた。布団をかぶ
ったまま身を起し、空いた背中を亮一と毛布で埋めてもらう。確かに、これなら暖気も
逃げないし、絶妙な背もたれもあって快適だ。だが、妙な親切には必ず裏があるのが
西野亮一の常である。この体勢、何か来るなと那津子が身構えていると、彼は意外にも
素直にタンブラーを取った。
「ほい。熱いから気を付けて」
「ん……あっちち。ほんとに熱いね」
「なっちゃんすぐ起きるとは思わなかったからさ。鍋でグラングランに沸かして、そのまま
器に突っ込んできた」
「そか。……ごめん。美味しいけど、ちょっと待ってから飲む」
「うんうん。冷めるまで待とう」
 そう言ってミルクティーを受け取ると、亮一は未練なくちゃぶ台へと戻す。それから
毛布の中で半纏を脱ぐと、両手をいそいそと娘の前に回してきた。
「ん……。する?」
「そうさね~。冷めるまで、暇だしね」
 上機嫌でババシャツの裾を上げる彼に、那津子は「はぁ」と溜息をついた。結局、
この口実が欲しかったのか。しかし、それならそれで普通にしたいと言ばいいのに。
こんな日にカイロ役をさせておきながら、求めに応じないほど薄情では無い。加えて、
今日は途中で寝落ちした引け目もある。大体、こやつは人の生理周期を勝手に自分の
携帯アプリで管理しようとするヤカラ(さすがに阻止したけれど)である。そんな男の
部屋を、安全日に訪ねて無事に出てこれたことなど一度も無い。だから、今日の彼女が
了解済みなことくらい、この幼馴染もよくよく分かっているはずなのだ。「ムラムラした」
という理由だけで押し倒しに来る相方の珍しい搦め手に、どこか腑に落ちないものを
感じつつ─
 那津子は彼の手に従って太股を開く。

「…ぅんっ…は」
 微かに開いたスリットを、亮一の中指が下から上に向かってゆっくりと撫でる。既に
幾ばくか滲みていた土手は、外側の圧力に耐え切れずにあっさりと決壊した。とろりと
溢れる蜜が、枕元に敷いたタオルケットの中に沁み込んでいく。

439:寒中ティータイム
12/02/19 01:04:10.08 FYtossTR

「時間たったけど、まだ結構濡れてるな」
「ねてる間……っん…そんなにしたの?」
「お墨付き貰ったしな。これくらい指入れもした」
「ひゃっ…ぅ……私、それでも起きなん?」
「記憶、あるか?」
「ない。それがショック」 
 素直に答えると、亮一はくつくつと楽しげに笑う。それに、少しでも嘲りの色があれば、
臍の一つも曲げてみせるところだけれど。悪戯が成功した子供のように笑われては、
こちらも溜息で誤魔化すしかない。

「いやね、最初は起こしちゃ悪いなーと思って、控えめに弄ってたんだけど。あんまりにも
いい寝息を立ててるもんだからさ。ついつい調子に乗ってパンツ脱がしちゃいました」
「……替えの下着は持って来てないし、有難うって言うべきなのか」
「いやあ、こちらこそどういたしまして」
「まあ、寝落ちした私が悪いんだから何も文句は言わないよ。でも、…ぅんっ……いっそ
のこと、そのまま始めちゃってくれれば、私だって起きたのに」
「うむ、寝込みを襲うってシチュにちょっと魅かれたのも事実ではあるんだが」
 そこでちょっと唐突に、亮一は言葉を濁して指入れしてきた。だが、彼女が振り返って
じっと見上げると、幾ばくも無く降参する。
「お前の寝顔見てるうちに、起こしたくないわエロいこともしたいわで、わやくちゃになって
……間が持たないからお茶入れに行った」
 那津子が返事をする前に、溢れた蜜が敏感な実に塗り込められる。今度は彼女も抵抗せ
ずに、大人しく亮一の腕の中で嬌声を上げた。

「はっ…きゃふっ、んんっ……!」
 話す役目を終えた口が、那津子の耳元に降りてくる。上体を後ろから抱えられている
せいか、寝転がってする時以上に逃げ場が無い。耳たぶを甘噛みされながら敏感な秘部を
撫でられると、首を竦めて快感を逃がす事すら出来なくなる。

 腰を触る手と反対の掌も、彼女の前面を絶え間なく這い回っていた。おへその下では
円を描いて、大事なところを温めるように。しかし上に登って膨らみを捕えると、動きは
一転して艶めかしくなる。裾野から山腹を広い掌低でしっかりと抱える。柔らかく浮いた
頂きの周りを、親指と人差し指が丸く包む。そこから、ちょうどカメラの絞りの要領で、
きゅっと中心へ摘ままれる。最初は撫ぜるように優しく、けれど段々に深く沈ませて、
皮下の乳腺を刺激していく。

「ん…ふぁっ!…っひう」
 身動き出来ないまま、ねっとりとした愛撫を施されて、お腹の奥に急速に熱が溜まって
いく。ついさっきまで、無表情で減らず口を叩いていたと言うのに、今はもう言葉一つ
まともに紡げない。こうも容易く高められてしまうと、自分酷く淫乱なようで、亮一相手
とは言え恥ずかしかった。いや、彼だからこそというべきか。他に試した相手もないので、
詳しいところは分からないけれど。

 と、そんな葛藤を見透かしたかのようなタイミングで、幼馴染が言った。
「なっちゃんて、寝起きだと結構エロいよね」
「なっ! やっ、ばかっ…ぁっ……ひゃううっ!」
 あんまりな物言いに、羞恥で一気に顔が火照る。しかし、那津子の反駁はクリトリスの
一撫でで封じられた。これまで、微妙に外されていた局部への責めで、溶けかけていた
腰がビクンと跳ねて沸騰する。後ろから羽交い絞めにされながらも、肩や太股が不規則に
震える。ふわふわと浮き上がる体に支えが欲しくて、自分を犯す男の腕に縋りつく。
「おっと、そんなにしなくても逃げないって」
「ちがっ…んぁ……はっ……やあぁあぁ…っ!」
「…あ……わり、ちとやり過ぎた。一回イかすな」
 そう思うなら最初からやるな、と思ったのは後の話で、那津子はポンポンとおでこを
撫でる相方の手に、涙のにじむ目元を押し付けた。後ろから押えつける力が強まって、
ほんの少しだけ安心する。自分の意思を無関係に跳ね始めた身体を、相方の力で
繋ぎ止める。

440:寒中ティータイム
12/02/19 01:07:58.30 FYtossTR

 中に二本目の指が入ってきた。体勢的に結構きつい。それでも、もう快感しか感じない。
一本が奥を、もう一本が浅瀬で九の字を作り、お腹側をぎゅっと持ち上げる。「はうっ」と
強く息を吐いたタイミングで、両手の親指が乳首とクリトリスを、同時に撫でた。
「はぁぅっ、やっ…ふあああんっ!」
 視界が涙とは別のもので曇る。固定されたはずの身体が頭の中だけでくらくらと揺れる。
なのに、押さえ付ける亮一の腕の力だけが妙にリアルで、那津子はそれに縋りつくように、
全身をぎゅっと力ませた。

   *

 完全に失神したわけではないけれど、数瞬気が抜けていたのは確かだった。しゃくり
上げていた呼吸が落ち着き、暫しして視界も戻ってくる。手足が少しジンジンしていた。
相方の腕の力に痺れたのか。はたまた単に過呼吸か。そんなことを考えているうちに、
段々と思考の焦点が像を結べるようになってきた。

 そのあたりで、那津子はようやく、直前の自分の乱れっぷりに気がついた。
「っ……!」
 ここ最近で一番激しく、それも一方的にイかされた。その事を認識すると、亮一相手でも
さすがに本気で恥ずかしい。顔を見られない姿勢なのが幸いと言えば幸いだけれど、
彼女の心情なんて幼馴染には筒抜けだろう。
 火照った頭では言葉が出なく、何を言っても負けな気がして、那津子は暫し目の前の
布団とにらめっこする。そんな彼女に、一度だけくすりと笑いかけてから、亮一はその腰を
持ち上げた。
「俺もそろそろ辛抱溜まらん。取り敢えず入れるな?」
「はえっ? ちょと、なっ!……やぅうんっ!」

 股を開かせて那津子を自分の腰に乗せると、彼はそのまま背面座位で挿入してきた。
濡れ具合は十分だったし、直前まで指入れしていた甲斐あって、姿勢の割にはスムーズに
入る。とはいえ、それは亮一の側からの感想で、達した直後の彼女の方はたまったものでは
ない。まだ敏感なところへの強過ぎる刺激で、那津子は本気の悲鳴をあげた。
「ひゃ、だめぇっ! ちょと、ちょとだけ、待ってっ……、やんっ!」
「うん、奥まで入ったらやめるから」
「いや、そじゃなくて、今がきついんだってばっ…んぁあっ!」
 体が無意識に逃げて前へ倒れる。すると亮一も追ってきて、今度は後背位の格好になった。
足場がしっかりした分、彼も動きやすいのだろう。一突き一突きがグイグイと深くまで入ってくる。
最奥をずんと突かれた拍子に、入れ初めよりずっと固くなっているのが分かって、那津子も
いい加減諦めた。ここにきて、女の方から止めることなんて不可能だ。無駄な抵抗はせず、
さっさと最後までして貰った方が早い。幸い、姿勢が姿勢だけに、激しくされても耐えるだけは
出来そうだった。刺激が強過ぎて、彼女自身は気持ちいいどころの話ではないけれど。

 だが、こんなに風にたがが外れるくらいなのだ。彼だって長くは持たないだろう。そう
腹を括って、那津子が掛け布団のカバーを握り締めた時だった。再び身体を持ち上げられ
て、元の背面座位に戻されてしまう。
「へ?……きゃんっ」
 亮一のものが彼女の体重で沈みこみ、思わず甲高い嬌声が漏れる。だが、その後は
何もなく、彼を荒い息を吐く那津子の後ろで、ゆっくりとその下腹を撫でている。

「もう出た、わけじゃ、ないよね?」
「えぇ? まさか。って、そんなのなっちゃんも分るでしょ」
「ん。だけど、何で?」
「なんでって、イったばっかで激しくしたら、なっちゃんが辛いじゃん」
「………」
「だから、取り敢えず奥まで入れるだけ入れて、あとはなっちゃんの回復をゆっくり待とうと
思った次第なんだけどなぜかとても手の甲が痛いのです那津子さま」

441:寒中ティータイム
12/02/19 01:10:28.66 FYtossTR

 それに特大の溜息で返して、那津子は右手をつねる指の力を抜いた。すると早速、
「ほらほら、飲みごろ」などと言って、亮一が件のタンブラーを持たせてくる。
「ささ、これでも飲んで落ち着いて。紅茶に罪は無いからね」
 後半は私の台詞だろう、と突っ込む気にもなれず、彼女は勧められるままにミルクティー
を啜った。確かに、飲みごろ温度でとても美味しい。無駄に数の多い亮一の趣味の中で、
数少ない実用的な技術の一つだ。特に料理上手ということも無いくせに、牛乳を扱うの
だけは上手かった。不注意にもそれをからかって、一晩中おっぱいを吸われる羽目に
なった事が、高校に入って三度ある。

「落ち着いた?」
「ん」
 そんな馬鹿な物思いをしているうちに、那津子はふと、先程の羞恥が吹っ飛んでいる
ことに気がついた。一瞬、誤魔化してくれたのかな、なんて思いが頭をかすめる。しかし
下腹を見やって、彼女はすぐにかぶりを振った。相方の「繋がったまま~」願望は
筋金入りだ。今だって、乱れた毛布を直すのにかこつけて、身体を揺すって中の反応を
楽しんでいる。紅茶やらなんやらも、これがやりたかったための仕込みだろう。
 ─まあ、そんなだからこそ、気負わないというのもあるのだけれど。


 後ろ抱きにされて繋がったまま、暫し二人は取り留めも無いことを話し続けた。
「今帰りってことは、朝からお出かけだよね。何してたの?」
「食料品の買い出し」
「えぇっ。こんな吹雪の日にわざわざ?」
「そう…っん。ちょっと、イナゲ屋には無い物が要ったから」
「最近あそこの品揃え悪いもんなあ。そのうち撤退かね」
「でも、無きゃ無いで困る、…っ…」
「特に、こんな吹雪の週末はなぁ」

 ドア越しに聞けば、およそ情事の睦言には聞こえない。けれど、二人とて重ねた肌を全
く意識していないでもない。むしろ心が寛いでいる分、性感を素直に受け止められる。

「駅前まで出たってことはデパ地下?」
「ううん、違う。南口に出来た方」
「ああ。あの。妙にオシャレってか、けばいモール」
「別にけばくは無いと思う。綺麗だし、結構いいお店あるよ…ん、ふぁっ……ぁ」
「へー。じゃ今度、時間有る時、案内して、よっとっ」
「やっ、あ、はぁっ、はぁ……んぅ…はふ。わかった」

 時折、亮介が思い出したように腰を使う。その時ばかりは、呼吸が乱れる。でも、敢えて
最後まではしなかった。興奮が一段落したら、或いは萎えかけた力が戻ってきたら、また
息が整うまで一休み。螺旋階段をくるくる回って、踊り場ごとに休憩を挟んでいる感じだ。
 無論、階段というからには、一回りごとに高みへ登っているわけなのだが。

「はぁ、ふいー。わりぃ、俺だけ人心地」
「ん。……まあ、私もそれなりに」
「ところでさ、そんな遠くまで出張して、いったい何を買ってきたの?」
「バレンタインの材料」
「………ぶふっ!!」

442:寒中ティータイム
12/02/19 01:12:32.97 FYtossTR

 突然、後ろからカフェオレを噴かれて、那津子は思わず首をすくめた。大した量では
なさそうだが、肌着がべた付くのは嫌だなあとティッシュを探す。すぐ脇のちゃぶ台の上に
見つけたが、手を伸ばすと捲られた胸まで布団の外に出てしまって寒そうだ。
「ティッシュ取って」
「ごほ、げっほ…ごめん、はい。 って、なっちゃんさあー。普通、そんなことあっさり
言う?」
「何を今さら」
「いや、そうだけど、そうなんだけどな? こう、年頃の繊細な男心としては、渡す直前
まで隠してて欲しいというか何と言うか」
「一応、最初はぼかしたよ。けど亮ちゃんが深く突っ込むから仕方なく」
「うむ、確かにそう言われると明らかに俺に非があるわけだな畜生すんませんでしたっ」

 膝に抱えた娘の耳元で囁くには、明らかに大き過ぎる声量で、亮一は饒舌に捲し立てる。
相手の頬が、こちらまで火照るくらいに紅潮しているのは、振りかえらなくても十分に
分かった。
 彼の考えることくらい、那津子には十分お見通しだ。今回も、ある程度は分かってて
やった。しかし、ここまで激しい反応は予想外で、仕掛けた側にも獲物の照れが
伝染してくる。
「しかしあれだな、こんなドカ雪の中買い出しに出た健気な娘さんをわざわざ歩いて帰ら
せるとかもう俺これから他県ナンバーの車見たら石投げるわ」
「おいやめろ」
「じゃあこの遣る方無い義憤を晴らすには一体どうすればいいんだ!」
「素直に感謝の意でも表わせば?」
「そうか、よし。………。」
「……それを下半身で示そうとする発想は、さすがにどうかしてると思う」

 けれど、そんな斜め下の誤魔化しが、本当に本気の精一杯だと分かるから。那津子は
吐いた台詞ほど、悪い気はしていなかった。中でピクピクと跳ねる亮一のものを、こちらも
力を入れて締め付ける。この流れで応えてくれるとは思わなかったらしく、彼はびっくりした
ように動きを止めた。那津子が思わずくすりとすると、後ろからも照れ笑いの気配がする。

 お互い、理由があるような無いような、そんなクスクス笑いを掛け合ってから、亮一は
彼女を抱き直した。先程、まったりと身体を揺すっていた時は、全然違う硬さの物が、
彼女の体奥を押し上げる。今度抽送を始めれば、もう最後まで止まれないだろう。座位の
ままだと出しにくいって言ってたし、またバックの格好になろうかな。そう思っていると、
亮一は意外にも一度身体を外してしまった。
「やっぱ下になって」
「え? ……うん、いいけど」
 『入れたら出すまで抜かないのがセックス』などと日々頭の悪い発言をしているやつが
珍しい。でも何だかんだ言って、正常位が一番落ち着くなぁ。中学の頃は、寝バックが
いいだの何だのと、いろんな体位に付き合わされたけど、最後は王道に戻るってことなのか。
 そんな酷い物思いに浸る彼女を、真正面から抱きしめて、亮一は言った。
「那津子。今年もわる……あり、がとう」


 それから相手に返事をする暇を与えず、彼は強い抽送を開始した。
 だから、彼女も「お礼は貰ってからでいいんじゃない?」なんて茶々を入れる事が
出来なかった。
 だから、彼女は幼馴染の背中に手を回して、自分もギュッとからだを寄せる。


「ふぁっ、ひゃぐ……んぶっ─ん、ちゅ、んんーっ」
 反動で揺れる娘の身体を上から押さえて、亮一が強引に唇を塞ぐ。那津子も引き攣る呼
吸を圧して、差し込まれた舌を必死に吸った。背骨を曲げて身を起こしかけ、体奥を突か
れるたびに失敗する。それでも、首だけは上にもたげて、健気に幼馴染の口を追い掛ける。
「んちゅ、ん、んっく─ぷはぁ、や…はぁんっ」
 しまいには亮一の方が、上体を起こして唇を離した。首に回った彼女の手首を外して、
布団の上に縫いとめる。体勢に無理が無くなると、抽送のペースがグンと上がった。

443:寒中ティータイム
12/02/19 01:16:15.38 FYtossTR

「ひゃ、あ…っくぅう!─ひゃ…あう゛っ!」
 相手の反応を楽しむのではなく、自分の終わりを目指した動き。今日は一度お預けを
食らった上に、長時間入れっぱだったこともあって、亮一は相当に焦れているようだった。
浅瀬や中間を擦り上げるような技巧は見せず、一突き一突きが一番奥まで入ってくる。
 時間をかけてたっぷり準備してもらったから、那津子は激しくされても辛くは無かった。
一緒にイくのは難しそうだが、それもそれで嫌いではない。理性を残している方が、相
手が自分にのめりこむ瞬間を、よりしっかりと感じられる。一緒に気持ち良くなってしま
うと、相手が一番の瞬間を感じる余裕が無くなってしまうのが、ちょっとばかり不満なの
だ。「一緒に果てるのが一番幸せ」なんてよく聞くけれど、気持ちいいだけがセックスじ
ゃないよなあなんて、最近の彼女は考える。
 もっとも、それはいつでも一緒に気持ち良くなる相手がいる上での、贅沢なのかも知れ
ないが。

「ひゃあ……んあ、あんっ、はううっ!」
 と、そんな彼女の雑念を責めるようなタイミングで、腰のペースがまだ一段と上がった。
15cm差もある男が、本気で身体をぶつけてくれば、辛くはなくとも十分にきつい。
瞼にはうっすらと涙が滲んで、余裕の無い幼馴染の顔がぼんやりと曇る。それを拭おうと
思っても、両手はしっかりと押さえ付けられてびくともしない。
 ここで、キスして、涙をふいてってお願いしたら、亮ちゃんは聞いてくれるんだろうか。
それとも、流されるまま最後までして、終わった後で慌てるのかな。

「ふぅうっ、あ─っ、あくっ…きゃん!」
 だがいずれにせよ、那津子の身体にそんな戯言を紡ぐ余裕は残っていなかった。一度
ギュッと目を閉じた彼女は、頭を振って眦の端から涙を落とす。そうして再び開いた瞳の
先には、望み通り、余裕の無い亮一の顔が待っていて。
 胸奥から湧いてくる、歓喜とも安堵ともつかぬ温もりに、彼女は知らず口元をほころばせた。

「……っ、なっつっ、いくぞっ」
「ひゃ、うん、やっ─はぅうううんっ」
 喉を絞るように呻いて、亮一が身体を落としてくる。終わりを悟って、意識的にか、
はたまた反射的にか、彼を包む襞がギュッと引き攣った瞬間。腰全体を震わすようにして、
亮一の強張りが傘を開いた。
 腰の動きがぴたりと止まり、代わりに挿し込まれたものが一定のリズムで脈打っている。
それが遅くなるにつれ、彼の満足がゆっくりと自分に流れ込んできた感じがして、那津子は
ふんわりと相好を崩した。

  *

 背中に回していた両手が疲れて、那津子はパタリと布団に落とした。すると、少し身じろぎ
して亮一も顔を持ち上げる。そのまま彼女に深めの接吻落とし、一度胸板で乳房を押し潰す
ようにしてから、名残惜しげに上体を上げた。
 那津子としては、単に腕が疲れただけで、もう少し乗られていてもよかったのだが。
しかし、普段よりも脱力している時間が長かったのは確かだった。

「ちょっとお疲れ?」
「いや、へばったってんじゃないんだが……まあ、何だ。焦らされた分凄かった」
「その節は本当にごめんなさい」
「いいっていいって。その分いい思い出来たんだし」
 そう言って、亮一は存分に注ぎ込んだ娘の腹を、上から満足げに撫で回す。
「あー…。いつもよりいっぱい出した?」
「お、分かるか? 中でたぷたぷになってたりすんの?」
「そんなんじゃないけど……普段より長く出てたのは分かる」
「そんなもんかぁー」

 感心したような、残念がるような、微妙な声色で感想を述べ、彼はぎゅっと腰を押し
付けた。まだ大きさを保ちながらも、芯を失いつつあるそれがピクリと跳ねる。多分、
幹の中に残っている分を、最後の一滴まで押し出そうとしているのだろう。

444:名無しさん@ピンキー
12/02/19 01:17:51.57 e8th3cV+
 

445:寒中ティータイム
12/02/19 01:18:46.00 FYtossTR

「ん……。続けてする?」
「そうしたいのは山々なんだが……あのデカタオル、下に置いたまんまでさ」
「じゃ、しょうがない。一回抜いて」
「うぐ。し、しかしだななっちゃん。俺的にはそのままでも構わないと言うか上から
タオル敷くんでも同じじゃね?」
「毛布にもつくよ。それに、布団カバー洗って叔母さんから白い目で見られるの嫌」
「……お袋とすげー仲いいじゃん。白眼視されんのは俺だけだって」

 ご近所さんとしては仲良くても、息子の女としては色々あるの。と那津子は思ったが、
相方が大人しティッシュを取ったので何も言わなかった。数枚とって手早くお尻の下に
敷き込むと、亮一は彼女の太股をしっかりと押さえて、腰をゆっくりと上げていく。
「……んっ」
 まだ結構な大きさを保っていたものが、ぬぷん、といった感じで抜け落ちる。一瞬遅れて、
股間を熱いものが伝っていくのを感じ、那津子はきゅっと目を閉じた。「自分でやるから」
という不毛な押し問答を、最後にしたのはいつだったのか。もちろん、それを忘れたら
と言って、何も感じなくなったわけではない。

 だがそんな少女の葛藤は余所に、亮一は白濁を零す秘所を熱心に眺めた。自然に溢れ
出す分が無くなると、襞の内側に指をやって、入口をグニグニと刺激する。それでも出なく
なったら、最後は中に指を入れて、耳かきのように掻き出していく。
「ゃ…ひゃ…ん……ふぁ」
 最後まで気をやったわけではないけれど、中途半端に冷めかけた身体は妙に敏感だった。
時々、我慢できず声が漏れる。それが、亮一には面白いらしく、ややしつこい感じで胎の
中身を捏ね回す。
 しかし、那津子の方はこれがあんまり好きではない。事後に大股開いて弄られるよりは、
重くていいからそのまま被さっていられる方がずっといい。そのことを、よくよく経験則で
知っている彼は、引き際をしっかりと心得て手を離した。後は手早く後始末して、自分のも
さっさと拭ってしまうと、乱れた布団をてきぱきと整える。

「さ、床の準備が調いましてございます。冷えるから入って入って」
「……はいはい。どうも、ありがとう」
 わざと声に出して溜息をつき、那津子は布団の中に身を横たえる。身体を楽にして伸び
をすると、思った以上に気持ちよかった。している時は気付かなかったけれど、変な姿勢
でいかされたり、後背座位やらバックやらで、結構筋肉を使ったようだ。
 一通りうんと伸びてから、那津子はぐたりと脱力して柔らかくなった。そんな娘の身体を、
亮一は横臥して抱き寄せる。彼女の太股に当てられたものは、既に力を取り戻していた
けれど、まずは一休憩するようだった。引き寄せる腕の力に逆らわず、頭を彼の顎の下に
収めて、那津子は言う。

「今日は泊まってっていい?」
「おう、こんな日なら大歓迎」
「………」
「あ、いやそんな、別にいつでも歓迎ですよ。危険日でも生理中でも毎日ウェルカあ痛っ」
「ありがと。まあ、今晩は亮ちゃん優先でいいからさ。明日、朝からちょっと手伝って
欲しいんだけど」
「いいですとも。何すんの?」
「チョコ作り」
「!!?」

 刹那、亮一が音を立てて固まった。同じ吃驚でも、先程の照れ隠しとは違う、本気の
唖然を体現して、あんぐりと口を開けている。
 そんな幼馴染の腕の中で、当の那津子は器用に身を捩り、ずずずとタンブラーの中身を
啜った。

446:寒中ティータイム
12/02/19 01:22:56.69 FYtossTR

「─いや、あの、那津子さん。それはいくらなんでもあんまりでは……というか、そも
そも俺ん家で作るつもりだったの!?」
「亮ちゃん家の方が台所広いし」
「いやいやいや、そんな理由でオープン過ぎるよ! バレンタインチョコを贈り先の家で
作るとか聞いたことねぇ!」
「ん。でも、同棲してたり夫婦だったら、普通にそうなるんじゃない?」
「なっ…、─。つ、つーか、さっきお袋に見せた無駄な遠慮はどうしたんだよ?」
「おばさん、甘いものには寛容だから大丈夫」
「人ん家のカーチャンあっさり餌付けしてんじゃねぇ………ていうか、俺自分で自分の
チョコ作らされるの……?」
「ずず……分かった。亮ちゃんの分は私が全部やる。でも、余った材料で友達の分も
作るから、そこ手伝って」
「それならばまあ………いやしかし………何だろう、このモーレツな理不尽感」

 この凹み具合といい、先の照れ具合といい、いささか大げさだなあと思いながら、
那津子はタンブラーを傾けた。
 無論、一介の女子高生として、イベントに盛り上がる気持ちも分からなくは無い。しかし
自分たちは、今さらそれに縋らなければいけない間柄ではないはずだ。週末の午後、
理由も無しに、肌を合せて紅茶を啜れることの方が、チョコより余程貴重だろうに。

 とは言え、さっきの「ありがとう」が妙に嬉しかったのも、また事実ではあるわけで。


「いいんだ。いいんだ。製菓業界の陰謀がどうした。俺は来年からバレンタイン撲滅
運動に参加するんだ」
「仮にも手作りチョコ貰える身でそれはどうなの」
「その事実のために俺が明々後日に受ける受難を、女子高のなっちゃんは理解して
いないんだ」
「何もそこまで悄気んでも……。分かった、じゃあ、もう一つあげるから」
「んー?」
 半眼で顔を起こした亮一に、那津子は普段の無表情のまま、努めて平然に提案する。
「三日早いけど、'わ'た'し'自'身'は、前渡しということで。」
「…へ?」
「……折角の、大丈夫な日でもあるし。今日は、何でも好きにしていいよ」

 次の瞬間、それまでの悄然とした様子が嘘のような勢いで、亮一が上に被さってきた。
普段だって相当に好き勝手してるくせに、現金というかチキンというか。そう、声に出して
言ってやろうと思ったのに、何故かふわふわとした笑いが起こって、彼女は言葉を出す
ことが出来なかった。

 知らず、幼馴染が一番欲しがる幸せそうな笑みを浮かべて、那津子は亮一の背中に
両手を回す。快感に頭を奪われる直前、せっかく入れてもらったミルクティーが冷めるのは
もったいないなぁと、彼女はただ、そんなことを考えていた。


447:寒中ティータイム
12/02/19 01:33:22.40 FYtossTR
以上です。


三日前渡しどころか四日も遅れてんじゃねーか、という批判は甘んじて受けます。
チョコだけに。

イベントに踊らされるより日々の幸せを噛みしめたい。などと嘯きつつも、
何だかんだで気にしてしまう純情な幼馴染を観察したいです。遠くから。

448:名無しさん@ピンキー
12/02/19 01:53:11.93 07AYo5YP


449:名無しさん@ピンキー
12/02/19 02:07:16.81 ZHiu29fz
ふぅ……。ふぅ…………ふぅ。



Gjっす

450:名無しさん@ピンキー
12/02/19 03:41:54.86 IZHy7RbA
ふぅ・・・・・・

テクノブレイクしちまった・・・


451:名無しさん@ピンキー
12/02/19 10:14:42.00 yibXKGu/
GJでした!
牛乳の扱いうまい→一日おっぱい吸い付きの刑の下りで
母乳プレイを想像したのは俺だけではないと信じたい

452:名無しさん@ピンキー
12/02/19 14:46:00.78 JZjWpAi1
乙ッ

453: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】
12/02/19 14:46:24.86 JZjWpAi1
sageてなかった〇刀乙。スマソ

454:名無しさん@ピンキー
12/02/21 23:35:07.98 VtvRVuqK
GJです。よろしければ「旅行計画」の続編もお願いいたします。

455:名無しさん@ピンキー
12/02/22 06:10:00.85 ihAvxQ2Z
幼馴染の年上姉妹二人にイタズラされるSS書いたけど
気付いたら幼馴染み成分薄すぎだった
どうしようコレ

456:名無しさん@ピンキー
12/02/22 06:22:18.78 kgKlMiR+
誘導先として挙げられるであろうスレは大体巡回済みなのでどこでもバッチコーイ

457:名無しさん@ピンキー
12/02/22 07:28:22.28 J+fVKsXU
>>455
おいtxtでいいからあげて

458:名無しさん@ピンキー
12/02/23 00:35:08.39 TM1aScue
>>447
ふぅ…
仕事疲れに一服の清涼剤。

459:名無しさん@ピンキー
12/02/23 12:10:28.67 eA2f/L5P
>>455
薄すぎるかどうかはこちらで確認する
だから投下カモン!


460:名無しさん@ピンキー
12/02/24 04:22:25.19 ip65vt66
>>459
ではお言葉に甘えて……
※ヘタレ、ビッチ、ヤンデレ成分を大量に含みます

ぼくには二人の幼馴染がいる。
二歳上の夏実姉と一歳上の冬華姉だ。
よく三人で遊んだ小さいころの思い出は、今でもかけがえのない宝物だ。
だが、今は……。

461:名無しさん@ピンキー
12/02/24 04:23:46.92 ip65vt66
「ちょっと! ナツ姉、何するつもり……ひゃうっ」
敏感な男性器を無造作につかまれ、情けない声が漏れる。
ナツ姉は煽情的に髪をかきあげると、サディスト全開の笑みを向けてくる。
「何って、決まってんじゃん? 今日もこのチンポに、ハッスルしてもらおうって」
「そん、なの……おかしいよ。あ、ぁ……。大体、彼氏はどうしたのさっ」
ぞくぞくと震えているぼくを尻目に、なんでもなさそうにナツ姉は言う。
「しょーがないだろ。彼とのエッチで失敗したくねーんだよ。こんな練習、一斗でしかできないし」
いつ聞いてもムチャクチャな理屈だ。
ぼくは思わず怒りを口走る。
「非常識だよ、ナツ姉は。頭おかしいんじゃないの!?」
だが、それは失敗だった。
特徴的なツリ目が、さらに持ち上がる。
かちーん、とナツ姉のスイッチが入ったのがわかった。
「あ、いや……。今のは言い過ぎ……」
「へえ、一斗のくせに、言ってくれるじゃんか? いつからあたしに意見できるほど、偉くなったのかなぁ?」
「な、ナツ姉、ごめ―」
「フユカ、押さえろ」
ぼくの謝罪も、非情な命令で遮られる。
「はーい、ナッちゃん♪」
背後からの甘い声の主に、羽交い絞めにされる。
表情こそ見えないが、フユ姉がきっと姉とは対照的な垂れ目をほころばせているのだろう。
「や、やめてよ。こんなので、ぼくが観念するわけ―」
「ふぅ――っ」
「ふぁぁぁぁぁっ!?」
唐突に、耳に息が吹きかけられた。
びくん、と反応した身体から、冗談みたいに力が抜ける。
「ふふ、カズくんったらかわいい。耳責められると、とっても素直になっちゃうのよねえ?」
「や、やめ―」
はむ、とフユ姉が耳たぶを甘噛みしてきた。
「ああ、ぁあ……っ」
まるで食べられているかのような快感に、四肢が弛緩して抵抗の意思が失くなる。

462:名無しさん@ピンキー
12/02/24 04:25:30.15 ip65vt66
しかしだらりとした全身に反抗するように、ただ一点は屹立していた。
「あらあら、興奮しちゃったのね」
「ったく一斗は、淫乱だよなぁ」
「ひ、ひどいよ……」
泣きたくなるが、泣いたって彼女たちには嗜虐心のエサなのだ。
ナツ姉が、おもむろに上半身の衣服を脱ぎだした。
「な、なにするつもり……?」
「うん? 今日はちょっと、パイズリの練習をな」
よっこらせ、としなだれかかってくる。
ツリ目の童顔の上目遣いと、アンバランスな巨乳のコラボレーション。
「…………っ」
「うは、もうバキバキじゃん? じゃ、始めるね~」
そう言って、まるでおもちゃで遊びでもするように乱暴にペニスを挟まれた。
柔らかで、温かい。
拷問のような乳圧に、おとがいを反らして女のように悶えた。
「あーっ、あぁ……っっ。だ、だめ。ナツ姉、これ……、だめっ!」
「おほっ、我慢汁でもうぬるぬるだわ。……ほ~ら、こいつを塗りこんで、滑りを良くしてやるとぉ~?」
「うぁぁぁっ。だ、だめぇぇぇっ」
もどかしい気持ちよさが、肌の下を這う毛虫のように全身を行き来する。
「舌も使ってあげなよ、ナッちゃん?」
「そうだな。……くくっ、れろぉぉぉぉ……」
「うかあぁぁっ!?」
付け根から先端へと、ねぶるように舌が這う。
研ぎ澄まされた触覚が、がくがくと腰を震わせる。
一度だけでも狂いそうなその責めが、幾度も繰り返されればどうなるか。
「ああああっ! な、ナツ姉ゆるひてっ。おかしくなるぅぅぅっ」
「……うふふ、とろとろになったカズくんの顔、かわいい♪」
「いひんだよほぉ、おかひふなっても。こへはへんひゅうなんだはらぁ」
「喋っちゃだめぇぇぇっ! くわえたまま、しゃべらないでへぇっ!」
目を見開いているのに、目の前が見えない。
ぐるぐるな視界の気持ち悪さと、ぞわぞわと沸き上がる気持ち良さの板挟み。
「あ、あ、あ――」
「んだよ、もうイきそうなのかよ? 一斗は早漏だから、いまいちあたしが上手いのかわかんないんだよな」

463:名無しさん@ピンキー
12/02/24 04:27:02.71 ip65vt66
呆れたように、ナツ姉が言う。
そこによりにもよってフユ姉が、いらぬ知恵を授けた。
「じゃあ、出しちゃったら罰ゲームでいいんじゃない?」
嗜虐的な二つの笑みと、絶望するぼくの表情。
「お、それいいな。ならあたしがいいって言う前に出したら、オシオキってことで♪」
それはもう、ほとんど死刑宣告だった。
「ゆ、許して……。許してよ……―あひぃぃっ?」
唐突に、乳首がフユ姉につねりあげられた。
「カズくん、ちくび弱いんだぁ? 女の子みたいだねえ?」
耳元に囁かれるフユ姉の吐息が、抗いがたい快楽に変わる。
本当なら痛いはずなのに、それすらも気持ちよさに昇華するみたいだ。
一方ナツ姉のパイズリのフェラチオは、休まず続いている。
「んっ、ふぅ、ぺろ、んむぅ、れろろぉ、んふっ……」
「あ、あ、あ、あ――」
壊れた人形みたいに、のどから無意識に声が出る。
ずたずたになった理性に、フユ姉がいたずらっぽく囁いてきた。
「イッちゃっても、いいんじゃないかなぁ……?」
「えっ……? で、でも―」
もうなにかを考えることなんてできない。
だが、頭のどこかでそれに抵抗する。
「イったら、とぉっても気持ちいいよ? 精液ぴゅぴゅって、したくなぁい?」
「でも……。でも……―」
「おちんぽぺろぺろしてるナッちゃんの顔に、精子かけたくないの?」
「……~~~~~~~~!」
元より、我慢なぞできるはずはなかった。
ぶるりと全身が震えると、尿道から白濁が次々と溢れる。
「わふっ!?」
ナツ姉が、突然の射精に驚きの声をあげる。
口元と顔全体に、ぼくの子種汁が蹂躙するように飛び散った。
「あ、あ……、あー…………」
気怠い解放感が、ぐったりとした身体を支配する。
最高の悦楽感。
しかしそれも、眼前の幼馴染を見るまでだ。

464:名無しさん@ピンキー
12/02/24 04:27:56.62 ip65vt66
「……オシオキ、決定だなこりゃ」
れろりと精液を舐めながら、ナツ姉が凶暴な笑みを浮かべた。
昔からぼくは、この笑みを見ると心臓と身が縮み上がる。
「ご、ごめんナツ姉。ぼ、ぼく……」
フユ姉の甘言に騙されたことを、激しく後悔する。
だがフユ姉当人は、やはりぼくの背中に胸を押しつけたまま、嗜虐的に笑うだけだ。
「なあ一斗、ひとつ訊きたいんだが―」
「あ、あ……」
「あたしが今までお前の謝罪を聞いたことがあるか?」
そう言って、ナツ姉の手が射精したての亀頭に伸びる。
「うはぁぁぁっ♪ ら、らめ、そこ、イったばかりで敏感……っ!」
ぐりぐりぐりぐり、と普段の何倍も感じてしまうそこを責められる。
しかし決して竿は刺激しない。
あくまで亀頭を、嬲るように弄られる。
「だめぇぇぇぇっ、らめだからぁぁぁっ。こんな、こんなのっ、頭ヘンになるぅぅぅぅっ!」
「知ってるカズくん? こういうの、地獄車っていうのよ。棒のとここすらなきゃ、男の子はイくこともできないんですってね?」
「心配すんなよ、一斗。今回は、暴発の危険なんてないんだから♪ あたしたちって、なんて優しいんだろうなあ?」
「あァぁぁ――っ! あぁ――っ!!」
猛烈な快感があるのに、射精感に直結しない。
炎のようなもどかしさが、ただただ身を焦がしていくだけだ。
脳が焼けつくような錯覚の中、鼓膜が二人の声をとらえる。

「いいよカズくん、好きに声出していいからね? カズくんのかわいいとこ、もっと見せて?」
「心配しなくても、途中でやめたりしないからさ。小便まき散らすまで、存分によがってな」

言葉の意味は、もはや理解できない。
だが自分が弄ばれるだけの存在なのだということは、よくわかっていた。
地獄のような天国。
いや、天国のような地獄だろうか?
ショートする思考の中、そんな愚にもつかないことをぼくは考えていた。

465:名無しさん@ピンキー
12/02/24 04:30:44.37 ip65vt66
―次の日

「今日はナッちゃん、彼氏のとこにお泊りだって」
いつも騒がしいナツ姉がいないだけで、少しがらんとした部屋にフユ姉の声が響く。
「ひどいよねぇ。昔っからそう。いつもカズくんに好き放題するくせに、彼氏なんて作っちゃって。これじゃカズくんが、遊ばれてるみたい。……あ、私は違うよ? 私はカズくんが好き。だから―」
だが響く声は、一つだけではなかった。
「あ、あ、あ、あ――」
「カズくんの可愛い声、もっと聞かせてね?」
そう言ってフユ姉が、いきなりバイブの振動数を上げた。
びくん、と機械的に身体が跳ねる。
「あっ、あぁ―……」
「くすっ、カズくんたら、アナル責められて気持ちいいんだ?」
「ち、ひが、ぅ……! フユ姉、もぅ、やめ、へ……はぅぅぅっ?」
少し体勢を変えただけでも、電撃のような痺れが走る。
自然ぼくの身体は強ばって、四つん這いのまま硬直する。
そしてそれは―フユ姉への無抵抗を意味する。
「あはぁ……っ! お、おしり撫でないでぇっ」
「うん、でもね……。カズくんの尻穴、とっても気持ちよさそう。ちょっと触るだけで、バイブもぐもぐって頬張っちゃうんだよ? いやらしいね?」
「そ、それはっ。フユ姉が、何度も何度もいじめて……あっぅぅ?」
くい、と動けないぼくを弄ぶように背後のフユ姉がバイブの角度を変えた。
それだけで身悶えしてしまうが、『とある理由』で逃げることはできない。
そして、囁きはやまない。
「いじめるだなんて人聞きの悪い。開発、って言ってくれなくちゃ」
お淑やかなくちびるから、背徳的な単語が紡がれる。
「最初はすごい抵抗したもんねぇ? 痛い痛いって、赤ちゃんみたいに泣き叫びながら。嫌がるカズくんにむりやり突っこむのも、実はそそられたけど」
「あ、ぅ……」
宝石を愛でるようにフユ姉が思い出を語る。
ぼくにとっての三人の良き思い出とは子供のころ一緒に遊んだことだが、彼女にとっては違うのだろうか。
「一ヶ月くらいしてからかな。あれは面白かったよね。いつもなら痛いだけなのに、快感を覚えちゃって」
「やめ、てよ……っ」
「あの時のカズくんの表情、最高だったよ? 極上の快楽を、禁忌と知りながら体験してしまった。自分が堕ちちゃったように感じたんでしょ? 認められない。認めたくないって」
「やだ、やだぁ……っ」

466:名無しさん@ピンキー
12/02/24 04:32:21.06 ip65vt66
いや違う、きっと彼女にとっては、今この瞬間も『遊び』の延長線なのだ。
ただ玩具が、人形から人間に変わっただけだ。
「それが今では、すっかりイキぐせついちゃって。あ~あ~、昔の自分が知ったら、軽蔑するだろうなぁ?」
「……そんな。ひどい……、ひどいよ……っ!」
ほとんどべそをかきながら、首だけフユ姉に向けて睨みつける。
ぞくり、とフユ姉の目の色が変わる。
「(……そういうところが私たちを昂らせるって、分かってないのかなぁ?)」
「え、なに?」
「ううん、なんでもない。それじゃそろそろ、イカせてあげるね」
「えっ、ちょ、ま―」
ぐりぃ、とバイブが最奥まで押しこまれる。
複雑なリズムを描き、マックスの振動が断続的に前立腺に襲いかかる。
「ほーら、ずん、ずん、ずん、ずんっと♪」
「あ、ひゃ、は、あ、あっ、あっあっあっあっあっ」
一突きごとに、脳みそが溶けていくのがわかる。
頭蓋骨の中で液状化し、やがて全ての思考が意味を失う錯覚。
「イッちゃうぅ、イッひゃうよぅ、フユねぇえ!」
勝手にがくがくと全身が震える。
「ふふ……」
そして、フユ姉が―
「ふぅ~~~~っ」
耳の裏に息を吹きかけた瞬間、
「ぁはぁああああああああ゛あ゛あ゛っ!?」
何度経験しても慣れないドライオーガズムが、津波のように押し寄せた。
息が詰まる。
心臓が太鼓のように鳴る。
ふわふわとして、同時に押し潰されるような感覚。
そしてそれが射精よりも、ずっと長い間続くのだ。
「ふぁ、ふあぁぁぁぁ…………」
気付いた時には、涙とよだれで顔中べたべただった。
「すごいよカズくん。頭も顔もトロットロだよ? あはぁ、気持ちよさそう……」
恍惚としたフユ姉の声を、朦朧とした意識が捉える。

467:名無しさん@ピンキー
12/02/24 04:34:17.98 ip65vt66
確かに、気持ちよかった。
だが―
「……うん? どうしたのかな、カズくん」
「ふ、フユ姉、お願い」
顔を真っ赤にして、ぼくは懇願する。
「ぺ……、ペニス触ってっ」
そう、ドライオーガズムとは、射精を伴わない快楽だ。
何度でもイケるということはすなわち、射精するまで満足することはないということなのだ。
「い、イッたのに。イッたばっかなのに……っ。からだ疼いてっ。火照っちゃって……っ!」
「そう、辛いんだね」
フユ姉が、慈愛に満ちた表情をする。
「―でもダメだよ」
「なっ、なんで!?」
愕然とするぼくに、本当に愉しそうにフユ姉が答える。
「だって、勿体ないじゃん。せっかくカズくんと二人っきりなのに、射精しちゃったらそれで終わりじゃない? でもこれなら、何度でもカズくんを気持ちよくできるの。……ずっと。ずぅ――っと。……それこそ、永遠に、ね?」
ぞくり、と背すじに恐怖が走った。
ナツ姉のものとはまた違う、氷の刃のような危機感。
「好きだよカズくん。世界でいちばん、カズくんが好き」
その視線は紛れもなく愛情なのに、どうしてこうもぼくを怯えさせるのだろうか。
「それに、そんなにおちんこがいいなら自分でいじればいいじゃない」
「そっ、それができないから、頼んだんじゃないか!」
「……あら、なんで? どうして自慰できないのかな?」
「う……、それは……」
思わず、視線を逸らす。
「―自分の口で、言ってみてよ」
ぼくの『手首ががちゃりと鳴った』。
「こんな、手錠つけられてるから……!」
そう、さっきも言ったようにぼくは逃げられない、『それ』が理由だ。
手錠の鎖はベッドの手すりに巻きつけられ、四つん這いから体位を変えることも許されない。
「だってカズくん、こういう縛られていやらしいことされるの、好きなんでしょ?」
「な……っ、ば、バカ言わないでよ。そんなわけないでしょ―」
「ウソばっかり♪」
ぐにぃ、と再びバイブが突きこまれる。

468:名無しさん@ピンキー
12/02/24 05:15:17.21 ip65vt66
それだけで、口から吐息が漏れてしまう。
「ほらまた気持ちよくなっちゃった。否定してもカズくんは、真正のマゾなんだよ。……違うの? 違うならこんなことされたり、私になじられたりしても興奮したりしないよねぇ?」
「はぁ……っ、はぁ……っ」
ぷるぷると、身体が細かく震える。
首を横に振るだけの気力もない。
必死に耐えているぼくを、満足そうにフユ姉が見下ろす。
「Mのカズくんは、なんにもしなくていいよ。私がぜぇんぶしてあげる。最高に気持ちいい場所に、連れて行ってあげる♪ だからただ、いっぱいアヘ顔見せて喘ぎ声聞かせてね?」
「いやだぁっ、やだよ……っ!」
抵抗しても、がしゃんがしゃんと手錠が鳴るばかりだ。
「……もう、そんなことしても無駄だって。ま、できるのは今だけかな。きっとそのうち、そんな元気もなくなっちゃうから♪」
「あ……、あ……、あ……っ」
そう言って、愛撫という名の拷問が再開される。
幼馴染の笑顔のもと、寿命の縮まる快楽の連鎖へと誘われる。
あくまで愛の名で、ぼくは脆いおもちゃのように壊されるのだ――

469:名無しさん@ピンキー
12/02/24 05:17:33.33 ip65vt66
「ただいまー、っと」
十回、いや二十回だろうか?
数えきれないほどの絶頂を一斗が味わった後、ふいに玄関の扉が開いた。
「……あれ、ナッちゃん? 今日は泊まりじゃなかったの」
「そのつもりだったんだがな。ケンカして出てきた。ったくよー、セックスは上手くいったんだけどさー」
ぷりぷりして、夏実が入室してくる。
言葉の端々から、苛立っているのが見て取れる。
そんな彼女が、部屋に入って目にしたのは―
「ぁ、はは……、あ、ひもひ、ぃぃ……」
「うわ……」
すっかりできあがった、幼馴染の弟分だった。
「ぁ、なふねえ、おかえひ……」
「フユカ、お前がやったのかよこれ。あーあー、よだれ垂らしちゃってまあ」
「ちょっと、やりすぎちゃったかな?」
二人が話している間も、一斗は断続して身を震わせている。
見れば、まだ射精はしていなかった。
「おうおう、かわいそうに。怖いおねーちゃんに、いじめられたんだなぁ?」
よしよし、と髪を撫でてやる。
普段ならはねのけられるその子供扱いも、接触全てが性的刺激になるいまの一斗にはご褒美だ。
「あふ……、きもちいい」
こんなトロトロの表情を見せられて、発情しない女はいない。
「―じゃ、今度はあたしの番だな?」
いつもの凶悪な笑みを、夏実が浮かべる。
苛立つイベントがあった分、その苛烈さは火を見るより明らか。
「ナツ、ねえ……?」
だが一斗にはもはや、体力的にも精神的にも、抗う力など残っていないのだ。

ただ迫りくる手を、それが紡ぎ出す快楽という名の暴力を。
緩んだ口と呆けた顔で、待つだけだった。

470:名無しさん@ピンキー
12/02/24 05:18:00.76 ip65vt66
以上です
お目汚し失礼しました

471:名無しさん@ピンキー
12/02/24 12:08:29.16 zXYJNtVM
う~ん、何か違くね?

472:名無しさん@ピンキー
12/02/25 17:54:34.00 DAMVzC0x
>>471
幼馴染み要素薄かったからだな。

GJと言いたいけどドMじゃないから読んでて複雑過ぎた……。でも文章上手いしエロかったからGJ

473:名無しさん@ピンキー
12/02/26 15:13:48.89 RPm688/b
ビッチと噂の幼馴染みを襲ったら、処女だったというか電波を受信したw


俺では文章ならないんで、誰かが書いていただけるとうれしい。

474:名無しさん@ピンキー
12/02/26 22:53:27.52 hYZx2l3Z
あの花のあなるか

475:名無しさん@ピンキー
12/02/27 02:46:22.84 nZNSJ4w6
その逆で、ビッチと噂の幼馴染みに襲われたが、なんか処女だったという電波もきた。

男「や、処女のくせにどんだけ度胸あるんだよ」

幼馴染「こうなりたくてハードル低い女になったのに、あんた全然来てくれないからッ」


こんな感じ

476:名無しさん@ピンキー
12/02/28 00:55:44.67 2O1+fYgV
処女がどういう工作をすればビッチの噂が流れるんだ

477:名無しさん@ピンキー
12/02/28 01:19:53.65 4qYrWjEv
最近読んだのだと友達づてに噂を流してもらってたな

478:電波受信
12/02/28 11:49:26.27 2O1+fYgV
流れを切って1レス投下。スルー推奨

「ちょ…やめ…まじイクって…」
そう言ってもなお、ギュウギュウと彼女は締め付けてくる
「中…出るって言って…やめて…くれ…」
「ふぁぁぁ…すごいよ~キュッキュッってなるのがわかるの!」
「何を言っ…もう限界…」
おれは体をぐったりさせて彼女に最後を委ねる。

「イクよ~!」

フライングエルボー


こうして俺は、隣の家と間違えて入ってきた酔った幼なじみに、
謎の馬鹿力でヘッドロックされて窒息寸前にされ、しまいにはダイブを決められた。
さらに言えば吐く手前だった。

というのは途中経過であって、彼女はいまは俺の隣で寝ている。

479:Untidy Peach
12/02/28 22:10:08.11 IZ67ipFu
(今日、何作るかな……)
集中力が切れた頭で俺はぼんやりと料理の献立を考えていた。6限目の授業を受ける頭はほどよく気が散って、考え事をするのに都合がいい。
やがて授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、教室内の空気が少し緩和された。
俺は自分の席から立ち上がりそそくさと帰り支度を始める。今日は桃姉のところに行く日だ。
「栗原、帰りどっか寄ってこうぜ」
鞄を背負い、いざ教室から出ようとしたところで、クラスメイトの西田と大野が声をかけてきた。またぞろゲーセンで勝てない勝負に挑んでくる気らしい。
「いや、悪いけど今日はパス」
「んだよ、付き合いわりーな」
「ちょっと行くとこあってな……」
「また『通い妻』か?ご苦労なこった」
「るせっ、ほっとけ」
茶化すような西田の言葉を短くあしらうと、西田は急に息を潜めて話してきた。
「で、どうなんだ……?」
「どうって?」
訳がわからず呆けた顔でおうむ返しに聞き返す俺に、西田はニンマリ笑って囁いた。
「もうキスくらいしたのか?胸くらい揉んだのか!?」
「んな事してねぇよ!」
「はぁ!?なんでだよ!?年上のお姉さんだろ!?部屋で2人きりだろ!?そらもうエロい事にしかならねーだろ!」
「俺と桃姉はそういう関係じゃねーし、俺はそんなつもりで行ってるんじゃねぇ!」
この男は男子高校生はエロい事を考えるのが至上命題である、というくらいにすぐに話をエロい方向に持っていきやがる。
「はぁ……いいよなぁ、年上のお姉さん。こう手取り足取り教えて貰ってさ……」
うっとりした顔で続ける西田には悪いが、あの桃姉に手取り足取り教えて貰うなんて事態はそうそうないと思う。
「そういえば前に春生の幼なじみのお姉さん見かけた事あるな」
そこで今まで黙っていた大野が口を挟んできた。
「春生と一緒に歩いてるところだったけど……なんというか、芋っぽいというか垢抜けない感じの人だったな」
「あ、そうなんだ……」
微妙に失礼な批評を下す大野と、なぜかがっかりした感じの西田。
「ただし胸はでかかった」
「栗原爆発しろ!」
「うるさい黙れ」
ほっておけば延々とこのアホな会話が続きそうだ。
なおもギャーギャー騒いでいる西田を尻目に俺はその場を離脱する事にした。

480:Untidy Peach
12/02/28 22:11:28.42 IZ67ipFu
桃姉のところに行く前に俺は少し買い物していく事にした。授業中考えていた献立の材料を買い物かごに入れながら、俺は先ほどの西田とのやりとりを思い出していた。
(嘘をついてしまったなぁ……)
さっきは半分くらい逆上していたから事実とは違う事を口走ってしまった。
俺だって健全な男子高校生。桃姉とはそういう関係じゃない、というのは本当だが、そういう関係になる事を期待してないといえば嘘になる。
(ただなぁ……)
桃姉の気持ちはどうなんだろう?というか桃姉にとって俺ってどういう存在なんだろう?
(普通に考えれば……弟?もっと単純に単なる年下の男友達?……いや、この前の家事やってくれる発言からして……まさか本当に家政婦としてしか見られてないとか……)
……なんだかどんどんネガティブな方に考えが行っている気がする。しかも自分の想像の中ですら男として見られてないとか悲しすぎる……。
しかし実際にあの素直かつボケボケな桃姉が俺の事を少しでも男として見ているなら、冗談でもこの間のようなお嫁さんに貰って発言はしないだろう。
そういう意味でもやはり現状の俺が桃姉とそういう関係になる望みは薄そうだ。
「はあぁぁ……」
思わず大きなため息が出てしまった。買い物中の周りの客が何事かとこちらを振り返り、俺はあわててその場を離れ、レジに向かった。

481:Untidy Peach
12/02/28 22:12:55.80 IZ67ipFu
桃姉の住む安アパートに着くと部屋の中から何か食べ物の匂いがする事に気付いた。
現在午後4時。昼飯にも晩飯にも合わない時間だ。オヤツでも食べているのだろうか?そう思ってドアを開けると若干予想外の光景が待ち構えていた。
「あ~、ハル~、いらっしゃ~い。遅かったね~。まあ、上がんなよ~」
桃姉は相変わらずこたつに入ったままで、何かを飲み食いしていた。床には空きビンが転がり、桃姉が赤ら顔でにへらと笑いながら、いつも以上にゆるい感じで俺を招き入れる。
(で、出来あがってらっしゃる……?)
普段あまり酒を飲まない桃姉だが、その分酔った時のお行儀はあまり良くない。俺は刺激しないようにゆっくりと部屋に上がった。
「お、お邪魔します」
前ほどではないが散らかった部屋の中を進み桃姉の座るこたつに近づくと、桃姉が足にすがり付くようにまとわりついてきた。
「ねーハル、おつまみ作ってーおつまみー」
こたつの上を見るとビーフジャーキーの袋が空になっている。確かに酔っぱらいにとっては一大事だろう。
「あー、えと掃除終わってからにしような……」
「えーやだー、作ってよぉ~」
すげなくあしらって掃除を始めようとすると、俺のズボンを掴み駄々をこねるように騒ぐ。
「わかったわかった、作るから。だからズボンから手を離せ。……ったく、しょうがねーな」
「わーい、ありがとハル」
屈託のない笑顔でケラケラ笑う。普段から言動がゆるいが酒が入ると幼児退行するな、この人。
「じゃあ、ちょっと待ってなよ、あとあんまり飲み過ぎんなよ」
「はーい」
桃姉からのいい返事を受け、俺は台所に立って支度に取りかかった。

482:Untidy Peach
12/02/28 22:16:43.81 IZ67ipFu
掃除も洗濯も済ませてしまい再びこたつに戻ってくると、桃姉は俺が作った料理を肴にまだちびちびと杯を傾けていた。明らかに普段より飲む量が多い。
「桃姉、何かあったの……?」
「…………」
尋ねてもブスッとした表情で桃姉は何も答えない。代わりにこたつから這い出すと近くに置いてあった本の様なものを持って戻ってきた。
「これ……」
「?」
手に取ってみると、形状は本だがページがなく、分厚い表紙の中に若い男性の写真が納まっていた。
「お見合写真……」
「……っ!」
「お母さんが持ってきた。んで延々早く結婚した方がいいだの、あんたみたいのは歳いったら貰い手なくなるだの話してった……」
苦々しく顔を歪ませる桃姉。相当嫌な話だったにちがいない。それでこんな時間から飲んでウサを晴らしてるわけか。
「ま、まあ、良かったじゃん。とりあえず相手がいないって問題は解決するし……」
何と言っていいかわからず、気付けば心にもないことを口走っていた。応援してどうするんだよ俺。
「えー、やだよ。よく知らない人と結婚前提で付き合うなんて……そもそも男の人と付き合った事もないのに……」
高校生の俺は勿論、桃姉くらいの年齢だって結婚に対して真面目に考えられる人はそういないだろう。まして桃姉はこれで結構人見知りなところがある。
「あぁ~もう、なんでこんな事で悩まないといけないんだろ……」
とうとう頭を抱えてこたつにつっぷしてしまった。が、すぐにその顔がガバッとはね上がる。
「やっぱさぁ、ハルがお嫁さんに貰ってくれるのが一番いいよ!」
「……それはダメだっつったろ」
一瞬言葉に詰まったが、所詮は酔っぱらいの妄言と今日は動揺する事もなく切り返すことができた。
だが面倒くさい問題からの逃避なのか、はたまた酔っているからなのか今日の桃姉はしつこく食いついてくる。

483:Untidy Peach
12/02/28 22:17:37.04 IZ67ipFu
「えー、いいじゃ~ん。それともなに?お姉ちゃんの事嫌いなの~?」
そう言いながらのそのそとこたつから這い出ると、俺の方に近寄りじゃれつくようにぴたりと体を寄せてくる。
途端、俺は自分でも頬が熱くなるのがわかるくらいに顔を真っ赤にした。心拍数がはね上がり、身体が露骨にギクシャク動きだす。
「や、やめっ、離れろって……!」
酒の臭いと桃姉自身の甘い体臭が混ざり合い、なんとも言えない香りとなって俺の情欲を刺激してくる。頭がくらくらして何も考えられなくなる中、俺は必死に桃姉から離れようとした。
桃姉は本当にただ酔ってじゃれているだけでそんなつもりは一切ない、親しい者同士のスキンシップに過ぎないんだと自分に言い聞かせようとする。
だが桃姉は追いすがるように近づくと、あろうことか両手を広げて胴体に抱きついてきた。
「冷たいなぁ、ハルは~。私はハルの事だぁ~い好きなのに~」
「あ……うぁ……」
無邪気に身体を揺する度に桃姉の大きな胸がむにむにと押し付けられる。柔らかなその感触に理性がゆっくりと蕩かされていき、俺は言葉にならない呻きを上げた。
「も……桃姉……」
桃姉に抱きつかれ胸を押し付けられている。そんな異常な事態に俺の頭は混乱しきっていた。己の性欲的な衝動に容赦なく晒される中、必死に冷静さを保とうとする。
だが靄がかかった思考は聞かなくてもいい質問を勝手に紡ぎだしていた。
「大好きって……桃姉は、俺の……どこが好きなんだよ……」
頭のどこかでその質問はやめろという声が響く。桃姉の答も、それが聞きたくないものだという事も本能的に分かっているのかも知れなかった。

484:Untidy Peach
12/02/28 22:18:27.50 IZ67ipFu
「ん~、やっぱりご飯が美味しいし、掃除も洗濯も上手いし、こうやって私の面倒見てくれるとこかな~」
冗談めかして言う桃姉。その答を聞いた途端、頭をガツンと殴られたような衝撃が走った。
桃姉は俺を家事をする人としてしか見てない。分かっていてもやはりその答はショックだった。
そして失意の後、沸き上がってきた感情は怒りだった。
のほほんと笑う桃姉に無性に腹が立ち、俺は怒りに駆られて体をつき動かした。
「ひゃうっ!?」
予想外の俺の行動に桃姉が声を上げる。俺は抱きついていた桃姉の身体を引き離し、両肩を押さえ付けるように押し倒していた。
「ハ、ハル……?」
「桃姉は……!」
戸惑いの声を無視し、己の心情を吐露する。一旦口にしてしまえばもう止まらなかった。
「桃姉は……俺が家事をしてくれるから俺の事が好きなのか……!?掃除や洗濯やってるから結婚しろって言うのか……!?美味い飯を作る事が桃姉にとっての俺の価値なのかよ!?」
無茶苦茶言っているのは自分でも分かっていた。ただ俺は不安だったのだ。昼間考えていたように桃姉にとって俺は家政婦でしかないかも知れないことが。こんなに長い付き合いなのに、家事をすることでしか桃姉に必要とされてないかも知れないことが。
「俺は……俺は桃姉の事が……昔から、ずっと桃姉の事を……なのに……なのに……!」
「ハル……」
桃姉の弱々しい声が被虐心をそそる。怒りと劣情に突き動かされ俺は暴挙に出る。
桃姉を、好きな人を俺の手で滅茶苦茶にしてやりたい。そんな想いに支配されていた。
「ひあぁ!?」
「はぁ……はぁ」
荒い息を吐きながらたっぷりとしたボリュームの胸に手を伸ばす。ムニュリ、と指が沈み込むその柔らかさに、俺の興奮が更に高まっていく。
「はっ、くぅ……んくっ……」
ゆっくりと力強く動かす指に、苦しそうに身を捩らせる桃姉。俺は凶暴な興奮に任せて荒々しく乳房を揉んでいた。
だが―
「ハル……おね、がい……やめ……」
弱々しい懇願の声。ハッと見れば、桃姉が泣き出しそうな顔で俺を見上げていた。先程までの酔いの気配は完全に消えている。目尻には涙が溜まり、瞳は怯え切った色がありありと浮かんでいた。
「……っ!」
冷水を浴びせられたように急速に頭が冷えてくる。弾かれたように桃姉から身を離し、よろよろと後ずさっていた。
取り返しのつかない事をしてしまった絶望感が意識を支配していた。
やがて身体を起こした桃姉が怖れと戸惑いの混ざった目を向けてくる。
「ハル……」
「………………ごめん」
絞り出すようにそれだけ口にすると、俺は逃げるように部屋から飛び出していた。後悔と自己嫌悪に吐き気を覚えながら、止まることも出来ず、俺は動けなくなるまでひたすら走り続けていた。

485:Peachの人
12/02/28 22:23:30.38 IZ67ipFu
という訳で投下させていただきました。
前に書いた奴の続きです。
また続いてしまって申し訳ない。次で終わると思いますので。

486:名無しさん@ピンキー
12/02/29 01:23:59.01 fRjaovib
揉み逃げ…だと…

487:名無しさん@ピンキー
12/03/01 08:48:52.71 Ezk7Y33V
おお、続き来てた
酒に酔った幼馴染みと大きなおっぱい…たまらん!

488:名無しさん@ピンキー
12/03/11 23:54:53.95 n7x1FRSn
なんか過疎ってるな

489:名無しさん@ピンキー
12/03/12 22:16:22.76 TO3yhfy5
ホワイトデーに向けて皆力を貯めているんだろう。そうだろう。

490:名無しさん@ピンキー
12/03/13 04:30:22.59 QGOP6gdL
気弱幼馴染みがバレンタインにもじもじしてたけど結局チョコをくれなかったので、
ホワイトデーに手作りクッキーを送って追い込みをかけてみる鬼畜男子の話をはよ

491:思案中
12/03/14 13:48:01.68 Rc8AQs0B
ココは男同士が幼馴染でも可?
3組のカップル話で男同士は隣家で気がついたら常に一緒でヘタレな悪ガキ連
女同士は先輩や従姉妹で元カノな時も・・・
みたいな話なんだけど板治外かな?

492:名無しさん@ピンキー
12/03/14 13:59:34.41 1oSFWADL
>>491
さすがにちょっと外れ気味じゃないか?

まあ、それをねじ伏せられるくらい面白いなら文句ないけれど。

493:思案中
12/03/14 14:19:14.53 Rc8AQs0B
わかりましたー
辞めときます

494:名無しさん@ピンキー
12/03/24 06:27:07.60 wPWRnwA8
>>490
ひっでえwww
なんかその男、バレンタインにチョコ貰ったら貰ったで「チョコレートよりもお前が食べたい」とか言って困らせそうだ

気弱幼馴染みと悪戯好きの男って良いかもな

495:名無しさん@ピンキー
12/03/26 00:49:03.98 U4dkTJXQ
>気弱幼馴染みと悪戯好きの男って良いかもな
この設定とは違うけど、インスパイヤされたので投下しますw

496:チョコレートよりお前を食べたい。
12/03/26 00:51:31.30 U4dkTJXQ
「チョコレートよりお前を食べたい。」

 そうマジレスされて、あたしはポカーンとしてしまった。

 眼の前でイカした殺し文句を言ってやった!って得意げな顔してるこのバカ男は、
あたしの幼馴染であり、なんとなく付き合ってるようなそうでもないような、そんな奴。

 およそ物心ついた頃から顔つきあわしてて、昔っからあたしにぞっこん、らしい。
 別に愛の告白めいたことを言われるのも今回が初めてじゃない。
 とはいえ、バレンタインでチョコをくれてやったその場であんなアホな口説き文句を
言われるとは思わなかった。

 まあ、こいつも男だし、あたしも何やかやとおあずけ食らわしてるので、そろそろ
もう一歩踏み込んだ関係になりたいんだろうとは思う。その気持ちは分からないでもない。
 けど、もう少しロマンチックに事をすすめるとか、その前に色々言う事とかあるだろとか
思うわけで。

 つー訳で、そのへん遠まわしに匂わせつつからかってやろうと思ったのだった。

「いくらくれるの?」
「なっ……金取るのかっ! ……い、いくら?」
「払うんだ……」

 慌てて財布の中身を確認しだした幼馴染の姿で反応に困るあたし。
 つーか、財布の中身で払えるって……あたしゃ風俗嬢か。
 まあ、気をとり直して、本来誘導したかった方向に話をすすめる。

「んじゃね……生涯賃金の半分頂戴。」
「えええっ! ちょ、高っ!」
「月賦でいいよ。」
「そ、そうか。」
「ついでにサービスで、炊事洗濯もやったげる。」
「それ魅力。」
「あっちもいつでもやり放題。中出しおっけー。」
「ゴクリ……」
「あ、でも孕ませたら子供の養育費は必要経費で出してもらうから。」
「お、おう。」
「じゃ、これ契約書。ここにサインして、ここにはんこね。」
「おう。さらさらさらっと。そんではんこをポン。」
「……ここまでして、なんか気づかない?」
「ん? 何が?」

 ……あたし、考えなおしたほうがいいのかな

497:名無しさん@ピンキー
12/03/26 21:46:30.23 exrmXn+0
>>496
男手玉に取られすぎwww
何だかんだで女馴染みの方もベタ惚れな感じがいいね

498:名無しさん@ピンキー
12/03/26 22:03:47.32 CCkV8kmj
>>496
これは良いもんだ…

499:名無しさん@ピンキー
12/03/27 01:16:40.30 0YOWbEHD
>>496
裏山鹿……

500:名無しさん@ピンキー
12/03/28 00:38:51.03 ZYA/d6uA
>>496
実はな、それ離婚届やねん

501:名無しさん@ピンキー
12/03/28 22:52:48.49 DukgTCfQ
「いつから幼馴染だと錯覚していた…?」

502:名無しさん@ピンキー
12/03/29 01:17:32.09 Qj7q7uu2
テスト

503:独白系
12/03/29 01:22:54.64 Qj7q7uu2
再び故郷の土を踏める。
本当に幸運だ。
自分の力なんかより運のおかげと言った方がいいのかもしれない。
帰ってこれた。
数えきれないほどの幸運と、旅先で出会った仲間の助けがなければ無理だっただろう。
そうなれば当然あいつも悲しむ。
いや、例え知らせが届いても信じずに待ち続けたか。
何年も何十年も。
新しい恋人など考えもせずに一人で待ち続けて、そのまま老婆になってしまってもまだ待ち続けたか。
………あいつはそういうやつだ。きっとそうだっただろう。

あいつを一人にするのが嫌で、でも旅立ちは迫って、旅には出なくちゃダメで。
そんな葛藤にギリギリまで悩んで、
『小さい時から旅に出ることを意気込んでた幼馴染はどこに行った!』
って。
本当は一日だって離れたくないのに、ずっと一緒にいたいのに。
普通に暮らして、恋して、結婚して、子どもを作って。
普通に暮らしたかったのに、怒って、怒鳴って、時々殴って。
でも本当はやっぱり行って欲しくなくて。
だから行けとは一言も言わなくて。
ただ小さいころは楽しみにしてたのにと。泣きそうなのを必死に我慢しながら。
言っていた。何度も何度も。
だから別れの言葉は言えそうになくて、別れの時の顔も見れそうになくて。
何も言わずに朝早くに。
『またな』と短く。
手紙を置いて出てきた。

504:独白系
12/03/29 01:25:39.42 Qj7q7uu2
それからもう何年経ったか。
正確には4年だけど。離れている時間を考えたくなくて。

4年経っても何も変わらない。
この道も、あの店も教会も。
俺の家も、隣のあいつの家も。

あの犬まだ生きてたのか。
俺への吠え方も変わらないな。
警戒ではなく歓迎の吠声。

ほら出てきた。あいつが。
連絡するの忘れてたな。怒るかもな。
でもすぐに許してくれるだろうな。
一緒にいれなくて辛かったろうな。
なんて言うだろう。
早かったね。遅いよ。無事でよかった。


こいつは少し変わったかな。
髪伸びたな。体つきも。走り方も。

でも声は変わってないな。

「おかえりなさい」



505:名無しさん@ピンキー
12/03/29 01:42:48.23 Qj7q7uu2
独白ものに挑戦

506:名無しさん@ピンキー
12/03/31 08:18:55.62 xHlukchD


507:名無しさん@ピンキー
12/03/31 08:22:12.77 xHlukchD
間違えて送信してしまった。
>>505
何か語り手の走馬灯というか、死の間際の幻みたいだと思ってしまったw

508:名無しさん@ピンキー
12/04/12 19:22:18.99 K7Ie3xYe
過疎ってるので小ネタをひとつ

「春だなー」
「春だねー」
「桜の季節だなー」
「桜の季節だねー」
「今年も同じクラスだったなー」
「同じクラスだったねー」
「毎年毎年代わり映えしないなー」
「でも私はクラス発表って好きだよ」
「そうなの?なんで?」
「また今年も一年同じクラスで過ごせるってわかった時が嬉しいんだもん」
「そんなもんかー。でも家じゃいつも一緒だし、違うクラスになっても普通に会いに行くと思うぞー」
「うーん、それもそうかな……」
「だろー」
「そうだねー」
「……」
「……」
「……」
「晩ごはん何にしよっか?」
「トンカツ食いたいな」
「いいよー、じゃあ材料買いに行くから一緒に行こっか」
「おー」


新年度っぽいネタにしようとしたらいつの間にか熟年夫婦の会話になってた…

509:名無しさん@ピンキー
12/04/12 20:26:04.30 d3VZlTFP
石川遼が幼馴染みと婚約したそうな

親としては結婚させたくなくて、とりあえず納得させるためにそんなことにしたのかな

510:名無しさん@ピンキー
12/04/18 19:29:23.37 kq9sPg+D
残り25kb・・・人によってはそろそろ新スレ待機、なのか


511:ちょいと早いかもしれんが
12/04/19 11:52:49.92 7x+/whBa
次スレ
スレリンク(eroparo板)

512:名無しさん@ピンキー
12/04/19 11:54:50.38 7x+/whBa
前スレ:【友達≦】幼馴染み萌えスレ23章【<恋人】
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22代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ22章【<恋人】
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21代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ21章【<恋人】
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20代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ20章【<恋人】
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19代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ19章【<恋人】
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18代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ18章【<恋人】
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17代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ17章【<恋人】
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16代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ16章【<恋人】
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15代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ15章【<恋人】
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14代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ14章【<恋人】
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13代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ13章【<恋人】
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12代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ12章【<恋人】
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11代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ11章【<恋人】
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10代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ10章【<恋人】
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9代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ9章【<恋人】
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8代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ8章【<恋人】
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7代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ7章【<恋人】
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6代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ6章【<恋人】
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5代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ5章【<恋人】
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4代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ4章【<恋人】
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3代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ3章【<恋人】
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2代目:【友達≦】幼馴染み萌えスレ2章【<恋人】
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初代スレ:幼馴染みとHする小説
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513:名無しさん@ピンキー
12/04/19 12:01:25.62 7x+/whBa
御免なさい
まちがえた……

514:名無しさん@ピンキー
12/04/24 00:16:45.31 HT4cD+nA
>>513
スレ立て乙、ドンマイw


新年度に新スレも立たったとだし、在庫で埋めにかかりましょう。
高校生もの、エロなし短編で4レス(くらい)

515:ハーレム・テンプレート
12/04/24 00:21:54.15 HT4cD+nA

 冷静に考えてみると、『ハーレム展開』というのは、言うほど非常識なことではなない
のかも知れない。

 立で食う虫も好き好きとは言え、一人の女を惚れさせるような魅力が、別人に全く無効
というのは、あまり無い。カッコいい人は誰からみてもカッコいいのが普通だ。そして、
常にモテまくってる怪しいフェロモン男でもない限り、女が男に惚れる瞬間は、そう言う
カッコいいところを見せた時だと、私は考える。
 だから、今まで見向きもされなかった男が、ある一定期間だけやたらモテる、所謂
「モテ期」というものを、最初からフィクションと断じるのもいかがなものか。



「ちょ、ちょっと聞いてくれ美和子。部活の後輩と同級生の委員長と生徒会の先輩から
いっぺんに告白された」
「落ち着いて、さとし君。ラノベの読み過ぎよ」
「正直俺もそれを疑った。だがお前の反応からして白昼夢でもなさそうだ」
 ノックも無しに高二女子の部屋へ闖入してきた狼藉者に対して、私は宿題から目を
上げずに対応した。机のガラスコップに映った姿が制服だから、学校帰りそのままだろう。
頬がすっかりに紅潮しているのは師走の寒風に煽られたら、だけでも無いらしい。

「或いは罠、か?」
「最近、人の恨みを勝った覚えは?」
「無い。八方美人が俺の信条だぞ」
「そういう風見鶏君が嫌いな人も多いからねぇ。主に私とか」
「なっ! 美和子お前、まさか俺の学校の女子に工作をっ!」
「してない。つか出来るかそんなこと。あんたの学校行ったの、こないだの文化祭で
2回目よ」
 つい2週間前のことだ。自分の学祭は一応真面目に参加しているが、他校に行ったのは
初めてだった。聡史からお客様扱いされるのは、どこか不思議な感じがした。
「そういえば、文化祭で一肌脱いだって言ってたじゃない。それがらみじゃないの?」
「脱いだったって、そりゃ人が足りないからあっちこっちヘルプのお願いはしたけど、
そこまで陰湿に嵌められる覚えはねえ」
「罠から離れなさいよ。惚れられる要素は?」
 言われて、初めてその可能性を考えたかのように、八條聡史は黙考する。
「模擬店の裏方でかかりきりだったんだから、女の子に受けるような事はしてねえよ。
よそのクラスへの挨拶って名目で当番を時短したから、委員長はまず無いと思う。
生徒会も、先生に猫被ってゴリ押ししちまったし。後輩の親父さんに仕事頼んじまったのも、
彼女本人にしてみれば面白くは……あ、あれ? 恨まれる要素満載じゃね?」
「ふむん」
「え、ちょ、マジで? マジで罠なのこれ!?」
 あたふたと騒ぐ幼馴染を横目に、私は一旦宿題を片した。しばらくは勉強に
ならなさそうだ。


 実は、この一件に関して、私もいくらかは事情を知っていた。およそ半月前の文化祭で、
聡史は八面六臂の活躍をしたのである。
 舞台はクラス出店の模擬店だった。出し物を決めないと帰れない放課後のHR。男子の
誰かが適当に言った「メイド喫茶!」という案は女子の「キモい」の合唱で回避された。
しかし、他に案が出ることも無く、結局件の委員長は「喫茶店」を採用せざるを得なくなった。
 だが、そんなやる気の無いクラスに飲食店の出店はハードルが高過ぎた。言いだしっぺの
男の子は最初だけ無駄に張り切った後、見事な投げっ放しジャーマンで逃亡した。
開催二日前に生徒会が検分した際には、出店不能との判を出された。
 そこからリカバリをかけたのが、聡史だったのだ。

516:ハーレム・テンプレート
12/04/24 00:23:59.51 HT4cD+nA

 前述の通り、八条聡史は、自他共に認める八方美人である。とにかく顔が広い。
先生受けもいい。交友関係は浅く広くが基本であり、信用は自分を相手に合せることで築く。
要するにパシりである。絶対の信頼を得ることは少ないが、皆から便利な人間であるとは
思われている。そうしてあっちこっちに小さな恩を沢山売っている。必要があらば媚び諂う
ことだって辞さない男だ。人によっては、必要が無くてもやっている様に見えることもあり、
私ですらそう感じることもある。そして、実際、そうやって誰からも好かれるのが好きなのだと、
彼自身認めている。
 そんな人物だから、確かに嫌っている人間は少ない。無論、そういう手合が駄目な少数
の人間からはゴキブリの如く嫌われていたりもするが、あくまで大勢に影響ない範囲である。
だが、それが男性的な魅力に繋がるかと言うと、普段の高校生活では難しい。
 
 しかし、こんな時に限っては彼の人脈が光った。作業に足りない頭数は三学年問わず
あらゆるところから掻き集め、生徒会は容赦なく担任の虎の威を借りて攻めを落とし、
事態を泥沼化させていた衛生管理責任者まで、部活の後輩の親御さんを拝み倒して
連れてきてしまったのだ。

 その結果、出し物は滞りなく行われた。十分な人数が集まったから、誰かが無理をする
ということも無く、ある者は適度に頑張り、ある者は適度にサボり、悲劇が生まれない
代わりに、ヒーローも生まれなかった。
 おかげで、終わってみれば、直前に騒いだ割には大したこと無かったな、と言うのが
参加者一般の感想であった。聡史にしても、当日はゆっくりと「お世話になった人の
挨拶回り」を決め込んでいたから、彼を「サボり組」の方に思う人も多かった。
本人からして、そう認めていた。
 但し、騒動の渦中にいたものには、聡史の風見鶏の本当のところが見えて来たのだろう。


「まあ、罠にせよ罠じゃないにせよ、今後の身の振り方次第でさとし君の残りの学園生活が
決まるわけね。バラ色か、茨かは知らないけれど」
「いやいやいや、この流れどう見ても茨じゃえか。どうしよう美和えもん!」
「……きみはじつにばかだな。ひとまず座ったら?」
「お…おう」

 言われてようやく、部屋の入口を離れた聡史は、花柄のシーツに遠慮もなく腰を下ろす。
私も勉強用のメガネを外すと、椅子を回して彼の方に向き直った。
「じゃあ、順番に行きましょうか。まず、さとし君はその娘達のことをどう思ってるの?」
「正直、人を罠にかけるような子には思えない」
「あーもう、そのネタいいから」
「よくないよ! 一番大事なとこだよ!」
「何慌ててるのよ。罠だったら、大人しくピエロになっておいて、後で被害者ぶれば済む
話でしょう。こんなの、さとし君の常套手段じゃない」
「え……あれ?」
「つまり、どっちにしてもさとし君に必要なのは、三つの告白が本物だったと仮定して、
どうやって三者とも顔の立つ対応をとるか。違う?」
「そ、そうだよな。俺としたことが、何で気付かなかったんだろう」

 つまり、無意識にテンパってしまうほどの相手、ということか。

「じゃあ、次の問題ね。本命役にはどの娘を選ぶ?」
「いや、次って。最初の設問にも答えられてないというか、そんな段階で選ぶも
何もだな……」
「断りずらい娘がいるんでしょう」
「いや、まあ、無碍に断りづらいという意味では全員というかそもそも告られたことが
初めてなのにどうしたらいいか分からないといいますか」

 これは重症だ。私は眠気覚ましのどくだみ茶で喉をうるおし、努めてゆっくりと
声を出す。

517:ハーレム・テンプレート
12/04/24 00:27:08.27 HT4cD+nA

「その三人の中で、今まで気になってた娘は居るの?」
「正直言って、三人とも今まで意識したことは無かったんだ」
 ほう。
「まあでも、今回無理を通すにあたって、それなりに話す機会はあったよ。
 部活の後輩はさ、学校ではハキハキ明るいんだけど、家では親父さんと絶賛冷戦中だっ
たりするんだよ。まあ、愚痴を聞く限りパパは娘可愛さに暴走中。娘も娘で昔は家族大好
きっ子だったんだけど、なまじ仲良過ぎただけに反抗期を抉らせちゃってさ。ちょっとした
切っ掛けさえ有れば元通りなんだけど、いい人同士逆にそれが出来ない状態でなぁ。
馬鹿というか何と言うか、でもほんとに理不尽なほどいい娘で、腹黒い俺には眩しいというか
なんというか」
 ……ほほう。
「生徒会の先輩は、これがまたあったま固くってさー。会長の方針は厳し過ぎるとか、
専横が過ぎるとか思ってるくせに、会計の自分が言うことじゃないとか言ってずっと腹に
貯めてんだよ。おまけに、生徒会自体は一丸じゃなきゃいけないとか言って、いざ動くと
なると、その指示を率先して徹底すんの。お前は何時の藩士じゃっつー感じだよ。今回の
生徒会攻略の一番の壁だった。まあ、人間関係が軽薄な俺の対極にいるような奴だな。
よくそんなことやってられるなあと、ついつい気になって目がいっちゃうんだけど」
 ………………。
「委員長は、表面上は俺とよく似たタイプ。社交性があるというか、顔が広くて、誰とでも
話せる奴だな。でも、その先が問題でさあ。人脈なんて頼ってナンボ、寧ろこっちから
頭を下げてこそ太くなるもんだってのに、なぜかそこで生真面目に責任とか考え始めるん
だよ。お返し出来ないのにお願いなんか出来ないとか愚痴愚痴さあ。そこは逆だってのに。
こっちが先にお願い事してるから、向こうも気軽に頼ってくれるようになるんじゃないか。
何でそこが分かんないのとか思うと、もどかしくてもどかしくて目が離せないんだよ。
同族嫌悪、とは違うんだけども、ついつい手と口を出さずには…
 ……って、あの、美和子さん?」
「もうさ、三重婚してラノベ主人公らしく刺されればいいよ」
「ちょ、人が恥を忍んで正直に相談してんのにそりゃないよ! つか、最近のラノベの
主人公って刺されるの!?」

 何だか、こめかみの部分が痛くなってきた気がしたので、私は一旦机に身体を戻した。
ベッドの上で手足をバタつかせる幼馴染を尻目に、コップのどくだみ茶を一気飲みする。
 ……苦い。

「で、返事のタイミングについてだけど。私に相談に来たってことは、取り敢えず保留は
出来てるのよね?」
「あ……ああ。まあ、向こうも突然で悪いって言ってくれてさ」
「まあ、そう言えばそうね。全員が全員、功を焦るタイプとも思えないけど」
「功って、あのな……。まあ、何だか、今の時期が重要みたいだぞ。最後に告白してきた
後輩が、『遅れを取るわけには』とか言ってたし。そういう占い的なジンクスでも有るんじゃ
ないか?」
 ……なるほど、お互い戦況もよく理解済みか。それでも勝負に打って出る辺り、覚悟も
生半可なものではないだろう。

 彼女たちには、明確な動機がある。加えて、それぞれが聡史に対する明確な切り口を
持っている。条件は互角、となれば先手を取ろうとするのは道理と言えた。同じイベントで
フラグ立てした彼女たちには、時間という要素が等しく足りていない。
その要素だけ無条件に勝てるのは、幼馴染キャラの特権だ。

「……いかん、ラノベの読み過ぎなのは私かも知れない」
「えと、あのー、美和子さん? 先程から貴女には珍しく、意味不明なお言葉が多いの
ですが……」

518:ハーレム・テンプレート
12/04/24 00:31:07.57 HT4cD+nA

 ただ、彼女らが聡史の八方美人の理由を、この短期間でどこまで理解したのかについては、
はっきり言って疑問だ。後輩・会計は、父親との和解・会長への反旗といった、個人的事情
におけるインパクトが大き過ぎる。委員長についても、自分が責任の真っただ中にいた分、
助けてくれたことに気がいって、どう助けたかについては気にする余裕が無いのではないか。
 そうでなくても、彼の信念を理解するのは常人には難しい。
  好きな人に、一人二人に、いい顔をするのは誰にでも出来る。だが、十人、百人、
会う人万人となれば話は違う。
 ただ単に、気に入らない奴もいるから大変、という次元では無いのだ。ちょっとした親切
であっても、ただ愛想良くふるまうだけで合っても、その対象が200人、300人となれば、
する方の側は"ちょっとした"こととは言えなくなる。誰に対しても「小さな親切」を送り続ける
人生の労苦は生半可な物では無い。そんな生き方を続けるには、大きな覚悟が必要だ。

 聡史にはそれがある。人間、一人では誰も助けられないという覚悟。例えどんなに信頼
できる仲間でも、その日、その時、必要な場所にいなければ、何の役にも立たないという
悔恨に裏打ちされた覚悟だ。
 私と聡史の、深い脛の傷の上に根付いたそれを、学祭イベント如きでポっと出の
新キャラに理解されてたまるもんですか─


「美和子、美和子ったら。……おい、大丈夫か、みーちゃ」
「へぁっ? ごめん、さっ……とし君」
 いけない、私としたことが完全に気を飛ばしていた。変な声出ちゃった。
「ええと、何を話していたんだっけ?」
「や、だから俺の三者告白についてだな、どう対処すべきかという情けない相談の最中で
……大丈夫?」
「平気よ、悪いわね。ちょっと、根詰めて勉強してたから眠くって」
 反射的に机の上のコップを煽ると、どくだみ茶のティーバッグがペトリと顔に降ってきた。
そう言えば、さっき飲み干したんだった。

 素知らぬ顔で鼻下にティッシュをあてがいながら、私は深呼吸して気を落ち着ける。

 しかしまあ、後輩・先輩・同級生、それぞれ部活に生徒会に委員長か。よくもこれだけ
綺麗に揃ったものだ。具体的な話を聞いて少し現実味が出て来たものの、やはり作り物
めいた感触が拭えない。もちろん、聡史の話を疑っているというのではない。その渦中に
自分が入っていくという実感が持てないのだ。
 要するに、自分は少し気圧されているのだろう。押し返すには、ちょっとした開き直りが
必要だ。なるほど、件の後輩ちゃんの言葉は、こんな心境から飛び出したのか。


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