エロパロでエロネタ書いて叩かれた 原稿用紙5枚目at EROPARO
エロパロでエロネタ書いて叩かれた 原稿用紙5枚目 - 暇つぶし2ch87:名無しさん@ピンキー
11/11/10 02:14:37.40 cacm3W3d
そのきっかけは苹果を高倉家の食卓に誘った夜、彼女の唐突な発言だった。
「あのね晶馬君。明日から3日間、ママが急な出張で家に居ないの」

その言葉の意味をはかりかね、きょとんと首をかしげる晶馬を、冠葉が先制して茶化す。
「そうか。なら晶馬、明日は荻野目家でパジャマパーティーだな!」
冠葉にはとても似つかわしくないパジャマパーティーという可愛らしい響きに、
陽毬は純粋に目を輝かせた。
「えっ、いいないいな、楽しそう!」
「いやー、残念だけど陽毬はまた今度な。明日は俺が特製赤飯を炊いてやっから」
「え?お赤飯…?どうして?」
「いや、おい、何の話だよ!?っていうか陽毬に変なこと吹き込むな!!」
たっぷりと含みのある兄と純粋な妹の会話を聞いていた晶馬はやっと状況を把握して叫ぶ。
これはいわゆる外堀を埋められた、というやつなのか。
女の子のしたたかさに触れた気がして、晶馬は少しだけ戦慄を覚える。
しかし、そんな兄妹の団欒をにこやかに見つめる苹果がこちらを見て、上目づかいで問うてきたら。
「晶馬君、明日遊びに来る…?」
「あー、えっと…。うん。大丈夫」
目線を逸らしながらも頷くしかないのだ。断る理由など、どこにもないのだから。

翌日昼。いってらっしゃい、と可愛らしく手を振る妹に手を振り返し、ぐっと親指を立てて
「ファイト一発」とだけのたまった兄にはヘッドロックをかまし、晶馬は荻野目家へと向かう。
ふと地下鉄の中で鞄を開けたら入れた覚えのないコンドームが入っていた。冠葉に違いない。
家から遠いコンビニあたりで入手しようと思っていたから手間が省けた、などとは微塵も思わず、
家に帰ったらもう一発技をお見舞いしてやろうと心に決める。
しかも冠葉なら、やれ卑猥な突起がついたものだの、やれ味がついたものだの、下世話な1品を
かましてきそうなところを、実際入っているのは薄さと丈夫さを謳っただけのごく実用的な品だった。
それが無性に気恥ずかしくて、晶馬はうなだれながら考える。
晶馬と苹果が恋人同士と言える仲になってからどれくらい時間がたったのか、あまり実感はない。
そもそも出逢いからして目まぐるし過ぎたのだから、その辺りはもう仕様がないと思う。
何にせよ今晩きっと、ふたりは大切な一歩を踏み出すのだろう。

陽毬。今晩お兄ちゃんは、陽毬の大切な友達と一緒に、蛹から蝶になるよ!
ほんの僅か、純粋な妹に後ろめたさを感じながら晶馬は心の中で呼びかけた。

玄関のドアを開けた苹果は満面の笑顔だ。
とりあえず、とお茶の用意をする彼女の後ろ姿を見つめる。てきぱきと動く伸ばされた背中は見ていて
飽きない。これはとても幸福なことなのだと、晶馬は目を細めてため息をついた。
それから、特別な何かをしたわけでもない。他愛ない話をして、夕飯にふたりで言い合いをしながら
ちょっと凝った夕飯を作って。

かくして夜はやって来た。



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