11/10/23 02:05:31.97 f6jGcFfk
>>57
元ネタの作品は未読。
特に重大な欠陥があるとは思わないが、中途半端な印象を受けた。
<描写>
全体的に描写が不足している。
たとえば>>58の下から6行目、
>卑猥な音と中からの熱気で、私はどんどん妙な気持ちになってきた。体中が熱くなってくるのを感じた。
とあるが、その前6行の描写からでは読者は「妙な気持ち」にまではなれない。
「音」についても「熱気」についてもその前の文章では特に描写されていないので、
もっと部屋の中の様子、二人の様子を丁寧に書いた方がいい。
>>58の下から3行目、
>でも今はそのギャップもあって凄く妖艶にみえてくる。
これも「妖艶」の一言で片づけてしまわずに、
具体的な描写によって読んでる人に妖艶と感じ取ってもらえるような文章にした方がいい。
このような描写の不足により、エロさがあまり感じられない。
エロに関しては個人差があるので難しいが、具体例をもうひとつ挙げると、
他人の情事を第三者の目で見ているときに>>59の下から6行目みたいに
>ああ、すごく気持ちよさそうだわ。
という具合に観察者の感想がダイレクトに挟まると、それまで情事の様子に集中していた読み手の意識がとぎれてしまう。
観察すべきところは観察に徹した方が流れがいいかも。
<人物>
覗き→3Pというプロットありきで動かされているように見え、キャラの行動にいまいち説得力がない。
>>58の真ん中あたりで
>ジャーナリスト魂に火がついた
とあるが、ジャーナリスト魂に火がつくとどうして他人の情事を覗き見することになるのか、そのつながりが不明。
普通の女は知り合いの情事を覗き見なんかしないし、それを見て下半身を疼かせたりもしない。
エロはファンタジーだし、そもそも小説は作り物だけど、
その作り物の中にもリアリティーが必要で、読み手に「こういうこと本当にあるかも」と思ってもらわなきゃいけない。
このSSには、思わず覗き見してしまって、目を離せない何かがあって、つい欲情してしまう「私」を疑似体験できるような、
読者の心情を引きずり込めるだけの本当らしさが欠けている。
あと、>>58の下から4行目に
>普段は私と似て男に全く無関心な性格に見えて実はこんなに男好きなのね。
と書かれているけれど、このSSからは「私」が「男に全く無関心な性格」とは読めないので、
その点でも作者が「私」をどういう人物として造形したかったのかがよく分からない。
二次だから原作を読んでいる人の間では言わずもがなの設定があるのだろうけど、
少なくともこのSSからは、キャラがエロのための駒でなく人格を持った一人の人間であるというふうには読めなかった。