エロパロでエロネタ書いて叩かれた 原稿用紙5枚目at EROPARO
エロパロでエロネタ書いて叩かれた 原稿用紙5枚目 - 暇つぶし2ch134:練習用――黒(のエナメルのTバックを穿いた)風花さん 6/15
11/12/12 10:18:44.53 W+dHvzGy
「よかった、今回の痴漢の標的が風花だと知った時は驚いた」
 風花は彼の言葉をちょっと変に思った。
まるで刑事みたいに張り込みでもしていたような言い方だったからだ。
 その疑問は彼の口から答えてくれた。
「最近、『痴漢の被害が多い』って駅員さんがぼやいてたから、駅に許可もらって一緒に乗ってたんだ」
「一緒に、って、電車の中でずっと?」
彼は頷いて最近の行動を話してくれた。

 まず彼が学校が終わった後、いつものように帰り際に街の中を散歩していた。
たまたま駅員の人と世間話をした所、痴漢の被害が報告されていたらしい。
彼と風花が通う学校の生徒も狙われているという。
彼自身、生徒会に入っているので学校の治安が脅かされるのは由々しき事態だ。
 義憤を感じた彼は、生徒会長である先ほどの先輩と相談をして張り込みをする事にした。
戦闘の他に、探索の能力も併せ持つ先輩の力を頼りに犯人探しをする。
万が一、生徒会長とはいえ、女である先輩がピンチになるといけないのでボディーガード役を請け負っていた。
2人で一緒に何本も電車に乗り、巌戸台とポートアイランドを往復。
それを何日か費やした末、先輩が今日の出来事を探知したという。
満員電車な状態だった乗客の海をなんとかかき分け、犯人を捕える事に成功した。

「苦労したかいがあってよかった。風花みたいな女の子もこれで安心……風花?」
 彼の話を聞いている間、風花はなんだか面白くない気分だった。
確かに理屈では駅員の人もぼやくほど、「痴漢の被害が多い」というのは風花の周りからでも聞いていた。
だからこそ痴漢を捕まえた時、一緒に乗っていた乗客達の反応ぶりも、そして自分も納得できる。
面白くない気分なのは、彼の話を聞いていた風花自身の暗い感情だった。

 嫉妬、という言葉が風花の心の中に浮かび上がる。
戦闘はともかく、犯人を捕まえる探索の能力だけなら自分の方がはるかに優れていると不満に思う。
それなのに自分には一言も話さず、他の仲間からもそのような話は聞いていなかった。
そればかりか何日も一緒の場所、時間、思いを共有していたというのだ。

 風花の批判の矛先は彼だけではない。
先ほど先輩が去ったのも、もしかしたら生徒会長という立場を利用したのではないか。
「一緒にいるんだぞ」と誇示した優越感なのかと勘繰る思考までしてしまう。
 勿論、あの先輩にしてみれば風花と、傍らにいる風花の彼氏の2人の関係に気を利かせてくれたのはわかる。
みんなで住んでいる学生寮にいる時も、面倒を見てくれる良い先輩だ。
 しかし、本当なら学校に行くよりも、駅員の人と事件の後始末をするべきなのではないか。
それに痴漢は女の敵だ。女性専用車両まで設置されている世の中だ。
なぜ今後の防犯対策もろもろの話などで駅に留まらないのか。
なぜ同じ女である自分はのけ者か。
なぜ彼と2人だけなのか。
なぜ、なぜ……。
 何から何まで嫌な事ばかり考えてしまう。
風花はそんな自分自身が嫌だった。


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