11/10/22 04:50:10.58 q4gfkdw6
暇つぶしでやってきたネットカフェ、同じように暇つぶしを考えている人が多いのか中は意外と混雑していた。
「あの子……かわいいなぁ、あんな子もこういうところ来るんだ」
個室に向かう直前、すれ違ったあやのに目が向いて、そのまま後ろ姿を追ってしまう。
足が進むたびにふわりとなびく長い髪、若干垂れた目の人目を引く美少女、スタイルもなかなかのもので細いが柔らかそうな太もも、
制服を押し上げるほどよい大きさの胸、スカートの上からわかるお尻の丸み。
好みのタイプということもあり、足を止めてぼんやりとあやのを眺めていた。
「あ…………」
背中にぶつかる視線に気がついたか、あやのが振り向き怪訝そうな顔をして男に視線を返した。
ばつが悪くなった男は目を反らし携帯をいじり始める、あやのも思い違いだと考えたようでまた歩き出した。
(べ、別に悪いことしてるわけじゃないんだけど……)
あわててごまかす自分の気の小ささに呆れつつ、ひらひらとなびく赤いスカートと、
その奥に覗く色の白い、いかにも肌理の細かそうな太もも、ソックスに隠れたふくらはぎを舐め見つつ
(……どんな本読むのかな?)
あやのに興味が湧いてしまった男は、いけないと思いつつも彼女の後を足音を殺しながら進んだ。
本棚の陰に隠れて、男はあやのの一挙一動を見守り続ける。
(本当にかわいいな、あんな子が彼女だったら……)
制服のスカートを短くしていることから、おそらく高校生だろう、本を選ぶ横顔はあどけないものに見えたり、
気持ちの優しさをたたえた大人びたものにも見える。
「やばい、溜まってんのかな……俺」
しかし、それ以上にあやのが身体を動かすと合わせて弾む乳房や、みずみずしい脚のライン、
本の背表紙をなぞったりページをめくる細い指に目線が飛んでいく。
そのたびに男の心は熱く高鳴り、生理現象に呼応するように股間も膨らみつつあった。
「……………………」
あやのが、一瞬男を見たような気がした。気まずくなった男は一度本棚に身を隠し、
再びあやののほうを覗き込むと、すでに彼女はいなかった。
「あれ、どこ行った…………ま、いいか」
ストーカーじみたことをしている自分を恥じ、男は適当に本を取り、指定された個室へと向かった。
混雑してるからか、男に宛がわれた部屋は椅子が二つあるカップル用の個室だった。
「なんだよ……まあいいか、ほかの個室よりも広そうだからな」
せっかくだからゆっくりしようと椅子に座ってぱらぱらと漫画のページをめくりだした。
たまに、パソコンでお気に入りのサイトを見ながら時間を潰していると、不意に扉が開いた。
「…………あ」
「相席、いいですか?」
男がドアに目を向けると、そこにはさっき後をつけてしまったあやのがいた。
あやのは申し訳なさそうな顔をして軽く会釈をすると、そのまま隣の席に座り本を読み始める。
「えっと…………どうぞ」
遅れて男は返事をする、いくら混雑しているからといって相席なんて……と思ったものの、
背筋をしっかりと伸ばし落ち着いた様子で本を読んでいるあやのを見れば、
こんなかわいい女の子が近くに来る機会なんてめったにないことから妙に緊張してしまう。
(何の本読んでるのかな……?)
ページに目を落としているあやのはこっちを気にする素振りなどまったくない、
男は漫画を読むふりをしながら整った顔や、さらさらと指通りのよさそうな髪や横顔を盗み見る。
「………………」
いつまでも覗いていると怪しまれるかもしれない、じっと見つめるのではなく、ちらちらあやのの横顔に意識を向けるだけにとどめた。
しばらくすると、カチカチとマウスをクリックする音が聞こえる、あやのもネットを始めたようで、
好奇心からどんなサイトを見ているのか、さりげなく首の角度を変えると、絡み合う全裸の男女が目に飛び込んできた。