11/11/26 18:32:28.45 87SQtvSE
桜井家の玄関。
「ほら、メモ。頼んだぞ」
「うん」
カオスに渡したのは商店街で買う物をメモした紙。
今日はこいつに一人でおつかいに行かせることにした。
「知らないおじさんに声をかけられても付いていっちゃダメだからな。
あとお金は少し多めに持たせてるからなにか欲しい物があったらちょっとくらいなら買ってもいいぞ」
「しってるオジさんにこえをかけられたら、どうするの?」
思ってもみない質問が飛んでくる。
けどま、知ってる人と出会った時にやることなんて決まってる。
年上の兄ちゃんとして、無邪気な子どもにしっかり教えてやらないと。
「知ってる人に声をかけられたら、挨拶。元気な声でな」
「わかった。じゃあ……」
頷いたカオスは手を伸ばしてドアを開いて、
「いってくるね、おにいちゃん」
笑顔で出発の挨拶をして、初めてのおつかいへと向かった。
「ニンフ。カオスの位置は?」
「まだそんなに進んでないわ。トモキに飛んじゃダメって言われてるからちゃんと歩いてるみたい」
カオスが家を出て数分後。(いろんなイミで)心配だからニンフのレーダーでカオスを追ってもらう。
「カオス、大丈夫でしょうか?」
イカロスも不安なのか、胸に抱いたスイカを撫でながら俺に訊いてくる。
「大丈夫だって。あいつもだいぶこっちに慣れてきたはずだし」
こいつらみたいにカオスが家に住みつくようになってから結構経つ。
最近はアストレアや風音の所に遊びに行くことも多いし、ここらでおつかいなんてやらせてみるのも良いだろう。
「ところでトモキ。カオスにはなにを買ってくるように頼んだの?」
「ああ。まずはニンジンだろ、タマネギそれとジャガイモ……」
「あれ? カオス?」
しょうてんがいをめざして歩いてたらアストレアおねえさまと会った。
「こんにちは、アストレアおねえさま」
しってる人に声をかけられたら、げんきにあいさつ。
おにいちゃんに言われたの、これでいいのかな?
「ちょうどよかった。今からみんなのトコに遊びに行くつもりだったの」
「みんなのところ?」
「うん。イカロス先輩とニンフ先輩と……あとついでにあのバカに会いにね。カオスはどうするの?」
アストレアおねえさま、こないだみたいに遊んでくれるかな。
でもいまはダメ。帰ってきてから遊んでもらおう。