【俺の妹】伏見つかさエロパロ20【十三番目のねこシス】at EROPARO
【俺の妹】伏見つかさエロパロ20【十三番目のねこシス】 - 暇つぶし2ch600:風(後編) 44/63
11/07/18 10:37:34.12 8mgfk2k0

 自称俺の妹様の目は欺けなかった。

「し、しかたないだろ。こんな体勢で……」

 そう言うあやせだって、目を潤ませて、自分の胸元を揉むように押さえているじゃねぇか。
 布地越しには秘密の花園、そして、妙にエロいあやせの表情やしぐさを見せつけられたんじゃ、ペニスを
大きくするなってのが酷な話だ。
 それに、俺にも言い分はある。

「変態とか何とか、俺を罵っていながら、お前だって、いやらしいことを考えているんだろ? 態度で丸分
かりだぞ」

 途端に、俺を見下ろしているあやせの表情が、『心外です!』と言わんばかりに険しくなった。

「お兄さんがそうだから、わたしも同様だと思うのは、それこそ失礼じゃありませんか!」

「でもよ、お前って、さっきから、俺のズボンの膨らみをガン見して……、うぉ! 
い、いてぇじゃねぇか!」

 言い終わらないうちに、俺は脇腹を思いっきりつねられた。

「ガン見なんかしてません! いやでも目に入っちゃうから、困るんです」

「じゃぁ、目をつぶってろよ」

「いやです。私が目をつぶっている隙に、変態なお兄さんは、わ、わたしに、よ、よからぬことをするに
違いありません。ええ、きっとそうです」

 俺は、呆れて思わずため息を吐いた。

「じゃ、どうしようもないじゃねぇか……」

「そうですね……。でも……」

 ふと、あやせは、俺から視線を外し、顎を上げた。あやせの喉元が、初夏の淡い光を受けて白く輝いている。

「何やってんだ? お前……」

「空とお屋敷の後ろにある森を見ているんです。雲の切れ間から射し込む光が、森の緑を際立たせていますね」

 そう言われて、俺も目線を空に向けてみた。

「ほんとだ。薄雲の一部が切れて、そこから日の光が射し込んでやがる」

 夕方近くになって、いくぶん赤みを帯びた日の光が、灰色の雲の隙間から光の筋となって降り注いでいた。
 どっかで見たような構図だな、と思ったら、先週、黒猫や沙織と一緒にお茶を飲んだホテルの天井にあっ
たフレスコ画に似ている。

「あらためて見ると、お屋敷の背後にある森も結構な規模ですね」

「そうだな。保科さんの屋敷以外に人工的なものは全然ない」

 こんな光景、千葉市内には絶対にないだろう。


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11/07/18 10:38:28.12 8mgfk2k0
 この森も保科家の私有地で、そのために乱開発を免れてきたに違いない。

「……綺麗ですね。なんてことはない雑木林なのに」

「新緑っていう時期はちょっと過ぎちまったみたいだが、それでも十分に美しいな。きっと、秋になったら、
紅葉が見事だろう」

 こんな自然に囲まれて、保科さんは生まれ育ってきたんだな。
 せせこましい街中で暮らしてきた俺やあやせとは、価値観やものの捉え方が違うのは当然のことなんだ。

「でも、もう、ここを訪れることはないでしょう……。少なくともわたしは……」

「そりゃそうだ。今回、俺たちがここに呼ばれたのは、何かの間違いなんだよ」

「そうでしょうか? 保科さんは、お兄さんに興味があるから、わたしたちを招待したんです。あの人は、
本当に油断がならない女です」

 保科さんを、俺にちょっかいを出す“悪い虫”と決めつけてやがる。
 常識的には、保科さんのようなお嬢様が、俺のようなどこの馬の骨とも知れない野郎を相手にするとは思
えないんだがな。それに……、

「さっき俺は保科さんの胸に顔面ダイブして、あまっさえ、彼女の股間に顔を突っ込んだんだぜ。こんな
無礼なことをやっちまったんじゃ、もうお仕舞いだろうさ……」

「……本当にお兄さんって、真性のバカですか?」

「また、バカ扱いか……」

「わたしは、その時の彼女の様子を一部始終見てましたけど、お兄さんがやったことは、彼女にとって
“ご褒美”って感じでした」

「嘘だろ……。あり得ねぇ」

「保科さんの胸元と股座に顔を突っ込んでいたお兄さんには、その時の様子は全然見えていなかったじゃ
ないですか」

「だが、彼女にとって“ご褒美”ってのは嘘くさい。お前が見た保科さんの様子はどうだったんだよ」

 空を見上げていたあやせが、膨れっ面で、俺の顔を睨みつけてきた。

「……それをわたしに言えと?」

 虹彩が失せた冷たい瞳が、俺を見下ろしていた。

「あ、ああ、いや、話したくないなら、別段無理に話さなくてもいいからさ、と、とにかく、落ち着こうぜ」

 あやせたん、マジこぇ〜。

「……そうですね。わたしは、あの女のことを考えただけでムカムカするんです。その辺は、お兄さんも察
してください」

「……そ、そうだな……」

 こりゃ、あやせと保科さんが和解するってことは絶対になさそうだな。保科さんにあやせに対する敵意は
窺えないが、あやせときたら、保科さんを親の仇ばりに嫌悪してやがる。


602:風(後編) 46/63
11/07/18 10:39:26.68 8mgfk2k0
 黒猫との関係もそうだが、こいつは本当に業が深いなぁ……。

「……うふふ……」

 そのあやせが、唐突に含み笑いをしてやがる。

「何だよ、変に笑いやがって、気持ち悪いな」

「だって、お兄さんの怯えた表情が可愛らしくって……」

「お、おい……」

 あやせは、細い指先を俺の額に当て、そのまま鼻筋をなぞり、俺の口元にその指を添えた。

「そのお兄さんは、わたしの膝の上で、わたしのなすがまま……。膝枕って、ちょっと恥ずかしいけど、
こうしてお兄さんと一緒に居られるのは、悪くないですね……」

「そ、そうなのか?」

 ビビリ気味な俺がおかしかったのか、あやせは一瞬、くすりと笑い。目をつぶった。

「目はつぶらないんじゃなかったのか?」

「……気が変わりました。それに、目をつぶっていると、風の音が聞こえるんですよ」

「風の音? 風なんか大して吹いてないぜ」

「お兄さんも目をつぶってみれば分かります……」

 暗に促されて、俺も瞑目してみた。
 目をつぶり、耳を澄ませていると、たしかに、風に揺れる木々のざわめきが感じられた。

「まるで、潮騒のようだな……」

「ええ……、不思議と落ち着きますね、この音は」

「こういうのも悪くないな」

「そうですね……。でも、お兄さん、足の具合はどうですか?」

 そうだった。保科さんとあやせの膝の上で、だいぶ長いこと寝っ転がっていたからな。
 俺は、両足の足首と膝を交互に動かしてみて、不快な痺れが残っていないことを確認した。

「おかげさまで、よくなったよ。もう、膝枕は要らないな」

 俺は、目を開けて、ゆっくりと起き上がろうとしたが、俺の両肩にはあやせの手がそっと添えられた。

「ど、どうしたんだ?」

「せっかくですから、もうしばらく、お兄さんに膝枕をさせてください」

 瞑目したままのあやせは、先刻のような膨れっ面ではなく、菩薩のような穏やかな表情を浮かべていた。

「い、いいのか? お前だって重いし、そろそろしんどくないか?」

「こんな機会は滅多にないでしょうから、わたしはもうちょっとこのままで居たいんです。だから、
お兄さんも目をつぶって、楽にしていてくださいね」


603:風(後編) 47/63
11/07/18 10:40:11.04 8mgfk2k0

「そういうことなら……」

 俺は再び瞑目した。木々の微かなざわめきが、潮騒のように聞こえてくる。


*  *  *
「お二方、そろそろ目を覚ましていただけないでしょうか?」

 鈴を転がすような優美な声で、俺とあやせは目を開けて、はっとした。

「あ、あれ?!」

 いつの間にか、俺もあやせも寝入ってしまったらしい。
 しかも、寝入ったあやせは、俺の身体に覆い被さるようになっていて、俺の鼻先にはあやせの下腹部が
あった。
 そして、あやせも俺と似たような有様だ。

「きゃっ! な、何で、お兄さんのお腹が、わたしの目の前にあるんですかぁ?!」

「知るか! そんなこと」

 “シックス・ナイン”ってこんな体勢なんだろうな。
 そんな有様を保科さんに見られちまったなんて、恥の上塗りもいいところだ。だが、

「今日は陽気が宜しいので、お二方とも、本当に気持ちよさそうにお休みでした。無理に起こすのも無粋と
思いましたが、もう、夕暮れ間近ですので……」

 ヤバイ状態で寝っ転がっていたことは突っ込まない。これも育ちのよさの賜物だろうか。

「うわ、もう、こんな時間?!」

 腕時計を見たあやせが、素っ頓狂な声を上げた。時刻は午後六時を過ぎていたのだ。

「そうですね、かれこれ、一時間半はお休みになっていたでしょうか」

「そ、そんなに長く……」

 あやせが絶句するのも無理はねぇな。俺もぐっすり眠っちまっていたのか、少なくとも一時間ほどの記憶
がまるでない。
 俺は、上体を起こして、辺りを窺った。
 薄暗くなった中庭に居るのは、俺とあやせと保科さんだけだ。
 母屋の方も静まり返っている。

『何だか、静か過ぎて、気味が悪いです……』

 あやせが、保科さんに聞こえないよう、俺にそっと耳打ちした。
 たしかにな。失礼ながら、その点に関しては、俺も同感だ。人の気配が全くないわけじゃないが、妙に静
か過ぎる。

「他の招待客の皆様は、どうされたんですか?」

「先ほど、皆様お帰りになられました」

「そ、そうですか……」


604:編) 48/63
11/07/18 10:41:22.24 8mgfk2k0
 そうだとしても、どうも納得がいかない。
 宴が終わったとしても、あれだけの人数分のもてなしをしたのであれば、その後片付けで多少はドタバタ
するはずだ。なのに、その気配がない。

『狐につままれたような気分だぜ』

 俺の囁きに、あやせは微かに頷いた。
 時刻は、ちょうど“誰そ彼時”。高校の時、古文の教師が、『妖怪変化が蠢き出す』と言っていた頃合いだ。

 不意に、保科家の祖先が鬼女の一族であることと、保科家の婿が早逝するという噂を思い出し、
俺は思わず身震いした。

「宜しければ、母屋に上がられて、あらためてお茶でもいかがですか?」

 俺とあやせは互いに顔を見合わせ、意見の一致をみた。

「せっかくだけど、そろそろおいとま致します。ちょっと長居し過ぎましたから……」

「そうですか。それでしたら、お車を用意致しますので、それに乗ってお帰りください」

「そこまでしていただかなくても、結構です」

「いいえ、お二方は、この街に不案内でしょうし、拙宅の周辺に人家はほとんどありません。最寄りのバス
停まで距離がありますし、バスの本数も限られております。もし、帰路、道に迷われたりしたら申し訳あり
ませんから、なにとぞ、拙宅の車でお帰りくださいませ」

 う〜ん、保科さんの言うことはごもっともだ。
 明るいうちなら、俺たち二人だけで何とかなったが、暗くなってくると、だいぶ勝手が違う。

「では、お言葉に甘えて、宜しくお願い致します」

 保科さんに借りを作りたくないであろうあやせも、これには何も言わなかった。
 何せ、保科邸が、この街のどこいら辺にあるのかすら分からないんだから、正直、どうやって帰っていい
のか見当もつかなかったからな。

「では、履物を履いて、わたくしについて来てください」

 保科さんに促されるまま、俺たちは歩いて行った。
 既に辺りは薄暗く、さらには保科邸の様子に疎いということともあって、俺もあやせもどこをどう通った
のかよく分からないまま、保科邸の駐車場らしい広場に着いた。

「あの車にお乗りください」

 広場には、既にエンジンがかかっている国産の中型セダンが停まっていた。
 ベンツとかBMWとかじゃないのが、かえってセンスがいい。やたら高級外車にこだわる成金とは違うの
だろう。だが、それにしても……、

『妙に手際がよすぎませんか? やっぱり変です……』

 あやせが眉をひそめて、俺に囁いた。
 全くだ。こうまで手際がよすぎると、たしかに気味が少々悪い。それに、俺は川原さんから、保科家の噂
を聞いていたから、なおさらだ。

 保科さんは、俺たちがそんなことを囁いていることを知らずに、すたすたと件の車に歩み寄っていった。


605:風(後編) 49/63
11/07/18 10:42:24.70 8mgfk2k0
「お嬢様。すぐにでも出発できます」

 運転席からスーツ姿の初老の運転手が現れ、保科さんにお辞儀をした。

「ご苦労様です。では、あちらにいらっしゃる二名のお客様を、ご自宅まで宜しくお願い致します」

「かしこまりました」

 運転手は保科さんにもう一度お辞儀をすると、後部座席のドアに廻り、そのドアを開けた。

「どうぞ、お乗りください」

 まずは俺が、次いであやせが、保科家の自家用車に乗り込んだ。

「これ……、特別仕様車でしょうか?」

「たぶん、そうなんだろうな」

 シートはベージュの総革張りで、ピラーやダッシュボードは、高級バイオリンを思わせるような、ニス塗
りの木でできていた。
 ベース車両は国産の中型車だが、すさまじく金をかけているようだ。
 そんなことに気を取られていた俺は、窓ガラスを軽くノックする音で、はっとした。
 俺が座っている側のすぐ傍に保科さんが立っていたのだ。
 運転手が気を利かせて、保科さんが立っている側の窓ガラスを開けてくれた。

「では、運転席の者に、行き先を伝えてください。そちらまでお送り致しますので……」

「分かりました」

 俺は、運転手に下宿の住所を告げた。
 運転手は、「かしこまりました」と頷きながら、何かを帳面に書き付けている。
 業務日報のようなものだろうか。それはともかく、

「何から何まで済みません。色々とありがとうございました」

 運転手に行き先を告げた俺は、笑顔で佇んでいる保科さんに軽く会釈した。隣のあやせも、申し訳程度と
いう感じではあったが、お辞儀をしている。

「いえいえ、わたくしもお二方とご一緒できて、楽しゅうございました。では、高坂さんにあやせさん、お気を付けてお帰りください」

 保科さんが見守る中、車は動き出し、ここへ来たときにタクシーの車中から見たものらしいゲートに差し
掛かった。
 そのゲートは完全に自動制御なのか、俺たちを乗せた車が近づくと、ゆっくりと扉が跳ね上がるようにし
て開いていった。

「何もかもが、あらかじめお膳立てされていたんでしょうか? 変な気分です……」

「段取りがものすごくいいんだろう……」

 保科家の関係者である運転手が居る手前、滅多なことは言うもんじゃないから、俺は、当たり障りのない
コメントで、お茶を濁した。
 だが、保科家の運転手は、後部座席の俺たちには委細構わず、夕闇が迫る中、車を走らせていた。




606:風(後編) 50/63
11/07/18 10:43:53.74 8mgfk2k0
*  *  *
 風呂から上がって自室に戻ると、二組の布団が敷いてあった。
 もちろん、一つは俺が寝る布団であり、もう一つはあやせが寝る布団だ。
 前回もそうだったんだろうが、俺が風呂に入っているうちに、あやせが勝手に敷いたんだろう。
 はじめから分かっちゃいたが、あいつは今晩はここに一泊するつもりでいる。

「だけどよ、年頃の男女が同じ部屋で寝起きするってのは、まずいだろ……」

 だが、自称俺の妹様が、そんな俺の懸念を慮るわけがない。
 年下の小娘のくせに、色香で俺を翻弄しようっていうことなんだろうか。
 あの女の考えていることは、どうにもよく分からない。

 俺は、いつも使い慣れている方の布団の上にごろりを仰向けになった。

「それにしても、保科さんってのは、何なんだろうな……」

 俺は保科邸に到着してから辞去するまでの一連の出来事を思い出せる範囲で反芻してみた。
 茶室での作法の手ほどきから、野点の本番、俺の足の痺れ、その後の保科さんとあやせによる介護、さら
には俺とあやせが、野点の会場でうたた寝したこと等々……、結局は、すべてが保科さんのシナリオ通りに
進行していたように思えてならない。
 俺の足が痺れるであろうことも、彼女には分かっていたはずだ。
 あの禅寺で野点の招待を受けた時、保科さんは、

『殿方はスーツで結構です』

 と言ったのではなかったか。
 長時間正座する茶事では、男性も和服が基本であり、洋服の場合であっても、流行遅れのだぶだぶした
ズボンでなければ宜しくないことは、茶事におそらくは数え切れないほど参加してきた保科さんなら当然に
分かっていたはずだ。

「それに、今の若者向けのスーツは、みんな細身なのを知らないはずがねぇよな……」

 にもかかわらず、何故に彼女は、俺にスーツを着るように指示したのか。足を痺れさせて膝枕をするため
か、それとも、俺を和服に着替えさせたかったのか。彼女の狙いは皆目分からない。しかし、入念な計画に
基づくものであるような雰囲気がぷんぷんする。
 保科さんの胸のダイブして、彼女の股間に顔面をめり込ませるというハプニングも、何だか彼女の
シナリオ通りな気さえしてきた。

「あやせといい、保科さんといい、訳が分からないぜ……」

 男にとって女ってのは、基本的に理解不能で面倒くさい生き物だ。

「明日は明日で、保科さんやあやせ以外の面倒くさい生き物と面と向かわにゃならねぇ……」

 明日の午前十時には黒猫と沙織がこの街に再びやってくる。
 何とも後味の悪い別れ方をした先週日曜日の仕切り直しのためだ。
 
「問題はあやせだ……」

 黒猫と沙織との面談というか、ネゴシエーションというか、洒落にならない雰囲気の話し合いに、あやせ
まで参戦されたのでは、たまったもんじゃない。
 明日の午前中は、大学の図書館で調べ物をするということにして、互いに別行動にしよう。
 要は、あやせを謀るってことだ。

「嘘も方便。もう、大嘘吐きでも何でもいいや……」

607:風(後編) 51/63
11/07/18 10:45:05.79 8mgfk2k0

 この街で、あやせと黒猫のガチバトルなんか願い下げだからな。
 
 俺は、布団の上に仰向けになったままで、瞑目した。
 保科邸での野点は緊張の連続だった。それのみならず、足が極度に痺れて身動きができなくなるという
アクシデントもあった。そのためか、俺はぐったりと疲れきっていた。
 大学の教室で保科さんに呼び止められ、同級生たちに変に注目されたのも結構なストレスだった。

「もぅ、身体がだるいし、眠くてかなわねぇ……」

 目を閉じていると、意識が朦朧としてきて、ふわふわと夢の中にさ迷い込んでしまいそうになる。
 野点の後、不覚にもあやせ共々、緋毛氈の上で居眠りしたが、中途半端な睡眠はかえって眠気を催させる
ものらしい。

 不意に誰かが頬を撫でてくれているような気がした。
 この柔らかな感触は、膝枕をしてくれた保科さんのものだろうか。
 果たせるかな、振袖姿の保科さんが、艶然とした笑みを浮かべて、俺の顔を覗き込んでいるような気がした。
 だが、突然、彼女の面相に憂いにも似た翳が浮かび、ためらいがちに顔をそむけて、視線を俺から逸らせ
てしまった。
 
「ほ、保科さん!」

 待ってください! あなたは、何で俺を、俺たちを野点に誘ったんです?
 あなたは、どうして、俺みたいな平凡な男にちょっかいを出すんですか?
 そして、あなたは、最終的には、俺をどうしたいんですか?

 呼び止めて、そう尋ねたかった。今、今なら、彼女に訊くことができるような気がした。

 だが……、

「何が、『保科さん』ですかぁ! ブチ殺しますよ!!」

 耳をつんざくような罵声と、頬に感じた痛みで、俺は我に返った。
 恐る恐る目を開けると、水色のパジャマ姿の自称俺の妹様が、恐ろしい形相で俺を睨んでいた。

「あ、あやせ……」

 しっとりとした髪からはシャンプーの香りが漂い、身体からは石鹸のものらしい清潔そうな匂いが漂って
きそうだった。
 だが、

「お、お前! 俺の身体の上に、馬乗りになってるんじゃねぇ!!」

 自称俺の妹様は、股で俺の胴体を挟むようにして、俺の臍の辺りにまたがっていたのだ。

「こうでもしないと、お兄さんにビンタできませんから。やむを得ません」

 こいつ、俺の寝言を聞きつけて、馬乗りになったのか。
 しかし、それにしても……、

「いきなりビンタってのは、ひでぇじゃねぇか。それに、この体勢だと、あやせが俺をレイプしているみたいだよな」

「レイプだなんて、破廉恥な! これはお仕置きです」

608:風(後編) 52/63
11/07/18 10:46:19.67 8mgfk2k0

 言うなり、怒りで形相を般若のように歪ませたあやせは、俺のスウェットの襟元を引っ掴んだ。
 『レイプ』の一言で、俺の身体から離れると思ったんだがな。
 自称俺の妹様はそんなうぶな輩じゃないらしい。
 それどころか、あやせは、俺の首を、スウェットの上から無慈悲にも締め上げた。

「うわ、いてててっ! ら、乱暴はよせ、麻奈実や保科さんは、ぜ、絶対に、こんなことはしねぇぞ!」

「あの女の名前を言うなって、何度言ったら分かるんですかぁ!!」

 あやせは涙目で、俺の首を、がくんがくんと、五、六回乱暴に揺さぶって、おもむろに手を放した。

「げ、げほ……、ごほ……、げほ……」

 俺はというと、仰向けに引っくり返ったまま、喘息持ちの爺様のように、ひとしきり咳き込んで悶絶した。
 いつもながら、こいつの暴力は、本当に洒落にならんなぁ。

「いつまで咳き込んでいるんですか、この変態……」

 咳が治まりかけて、薄目を開けると、相変わらず自称俺の妹様が俺の腹の上に馬乗りになったままだった。

「お前なぁ……。前にも言ったけど、これって傷害罪一歩手前の行為だぞ。それに、いい加減、どいてくれ
よ……」

 だが、あやせは意固地になったのか、股間を俺の腹部に強く押し付け、太腿で俺の胴体を締め付けてきた。

「うわぁ! いてててっ……」

 あやせの太腿で締め上げられ、内臓全部がでんぐり返りそうな苦しさだった。
 だが、あやせの股間が、あ、あそこが、俺の腹の上に密着し、あまっさえ、ぐりぐりと擦り付けられてい
る。こ、これはこれで、いい……、かな?
 てか、そんなことでプチ喜んでいる場合じゃない。
 自称俺の妹様は、怒りで歪めた面相を、だらしなく仰向けになっている俺の顔面に近づけてきた。

「明日のことで、お兄さんに確認をしておきたいことがあります。明日、お兄さんは何をするつもりです
か?」

 そらきた。こいつは、俺を監視するために俺につきまとう気でいる。だが、あいにくと、そうはさせねぇ。

「あ、明日は、午前中、大学の図書館に行って、判例の調べものだ。だから、明日の午前中は、あやせとは
別行動だな」

「図書館へは私も同行します。お兄さんの単独行動なんて許しません!」

 そうくると思った。だがな、俺が通う大学の図書館は、そうはいかねぇんだよ。

「お前、大学の図書館ってのは、県立や市立の図書館とは訳が違うんだぞ。その大学の学生や教職員じゃな
いと、利用できねぇんだよ」

「そんなもの、大学生の振りをしてれば大丈夫です。わたしは、これでも結構大人っぽい方ですから」

 自信たっぷりに言い切りやがった。たしかに、モデル業で揉まれてきただけに、高校一年生にしては、
多少は大人びているな。だが、大学生の振りをするのは、どう考えても無理がある。
 所詮はガキだ。いろんな意味で。それに、

「お前、大学の図書館が見た目だけで判断すると思うのか? そんなことをしたら、大学生じゃない浪人生

609:風(後編) 53/63
11/07/18 10:47:33.28 8mgfk2k0
や、下手すればホームレスとかが入り込んでくるじゃねぇか」

「うっ……」

 痛いところを突かれたのか、般若顔のあやせが息を詰まらせたような気がした。

「入り口で学生証の提示を求められるんだよ。で、学生証がなかったら、館内に立ち入ることもできねぇ。
少なくとも、俺の大学の図書館はそうしたところだ」

 授業料を払っていない者に大学の施設を利用させるのは衡平ではない。それ以前に、セキュリティの関係
上、身分が特定できない奴の入館を許すはずがないだろ? 社会の道理をよく分かっていないところが、
本当にガキだな。

「そうですか、なら仕方がありませんね。わたしは、大学近くの喫茶店かどこかで、お兄さんの調べものが
終わるまで待つことにします」

「何もそこまでしてくれなくていいぞ。お前も大変だろうから、下宿で待つなり何なりしてくれれば……」

「いいえ、お兄さんを護るために、わたしははるばる千葉から来たんです。そうであれば、明日はお兄さん
と一緒に下宿を出て、大学の図書館にお兄さんが入っていくのを確認した上で、わたしは近くの喫茶店か、
ファストフード店で本でも読んで待っています」

 しつこいな……。まさかとは思うが、明日の午前中に黒猫と沙織に会うってことを把握してやがるのか?
 いや、それはないか……。
 俺が嘘を吐いていることを知っていたら、もっと過激な手段で俺を責め立てるはずだからな。
 だったら……、

「いいだろう。俺は図書館の中で調べものをしているから、その間、お前は、喫茶店とはいわずに、学内の
どっかで待ってろ。俺の大学は建物はボロだが、敷地だけは公園並みに広いからな」

 このまま嘘を吐き通してやる。毒を食らわば皿までも、だ……。図書館に入ったら、裏口から抜け出て、
沙織たちとの待ち合わせ場所である中央駅前までタクシーですっ飛ばす。これで、あやせの目を欺いてやる。
 だが、

「……調べものは判例ですか?」

 あやせの奴が、じっとりとした疑惑の眼差しで俺を凝視している。何かヤバイな、しかし、ここまで来て
嘘を認めるわけにはいかねぇ。

「ああ、判例集が図書館にあるから、そいつでちょっと調べたい事件があるのさ」

 あやせの奴が、にやりと笑ったような気がして、俺は嫌な予感に襲われた。

「判例は……」

 俺に馬乗りになったままで、あやせは座り机の上のパソコンを指差した。

「あれを使ってインターネットで検索できるんじゃなかったんですか?」

 しまった。インターネットで判例を検索できることは、この前、俺自身がこいつに教えたんじゃねぇか!
 自ら墓穴を掘ってどうすんだ。

「い、いや……。インターネットでは公開されてない判例もあってだな、そ、それで図書館で調べなきゃな
らねぇんだ……」

 我ながら悪あがきっぽいが、一応は事実だ。実際、マイナーな判例や、古い判例は、裁判所の

610:風(後編) 54/63
11/07/18 10:48:50.27 8mgfk2k0
ホームページには出ていないことがあるからな。これであやせの追及を振り切っちまおう。

「そうですか……、でも、お兄さんの大学の図書館って、明日は休館日みたいなんですけどぉ……」

 いつの間にか、あやせの手にはスマホが握られていて、その画面には大学の付属図書館の予定が記された
カレンダーが表示されていた。

「げっ!」

「ここに、明日の日曜日は、空調設備の点検のため休館って書いてあるんですけど、お兄さんが明日利用
する大学の図書館って、どこの世界の図書館なんでしょうか、ね!」

 最後の『ね』にアクセントをつけたあやせは、今度は、襟ではなく、俺の首をダイレクトに締め上げてきた。

「ぐ、ぐるじぃ、じ、じんじばう……」

「大嘘吐きのお兄さんには、これぐらいの苦しみじゃ足りないくらいです! お兄さんは、明日、黒猫とか
いう痛い女や、沙織とかいうデカブツとデートするんでしょ? それもわたしに内緒でこっそりと!」

「う〜〜、う〜〜〜、う〜〜〜……、いぎが、で、でぎ、なび……」

 これが女子高校生の力かと思うほど、あやせの締めは激しかった。それこそ、鬼の形相で俺の喉を
思いっきり締め上げていやがる。

「わたしだって、黒猫とかいうあの女は要注意人物だから、その動向には常に気を配っているんです。
だから、明日、あの女がお兄さんに会いにやって来ることも、とっくの昔にお見通しだったんですよ!!」

 畜生。あやせの奴は、俺の嘘が破綻するように、俺を追い込んでいたんじゃねぇか。それに気付かず、
あやせをガキだと侮ってドツボに嵌った俺って、何てバカなんだ。
 俺は、苦し紛れに両手を虚空に伸ばした。溺れる者は藁をも掴むっていう喩えが身にしみて理解できたぜ。

「きゃっ! 何てとこ触ってるんですかぁ、この変態!!」

 俺の両手は、マシュマロのように弾力がある二個の物体を、むんずとばかりに捉えていた。他でもない、
あやせの左右の乳房だった。
 左手は右の乳房を、右手は左の乳房をそれぞれ鷲掴みにしていた。そして、掌には、ぷっくりとした
あやせの乳首が感じられた。
 こいつ、ノーブラじゃねぇか!

「わ、わたしの、む、胸なんか、も、揉まないでください。ブ、ブ、ブ、ブチ殺しますよ!!」

 あやせが一段と強く俺の首を絞めてきた。もう、本気で俺をブチ殺すつもりだ。
 こうなったら、俺だって必死だ。絶対にこの手を離すもんか!
 死ぬ寸前まで、あやせの胸を揉みまくってやる。これが末期のセクハラってもんだ。

 俺は、パジャマの上からあやせの乳首を摘み、それを引っ張ったり、乳房の中に押し込むようにして弄んだ。

「や、やめて、く、ください。そ、そこは、び、敏感なんです……」

 乳首を刺激するたびに、あやせは弓なりに背を反らせて身震いしやがる。
 まさかとは思ったが、エロゲのヒロインと似たり寄ったりの反応を示すんだな。
 それに、乳首をいじられると脱力するのか、俺への締めが手ぬるくなった。

「こうなりゃ、一石二鳥だぜ!」


611:風(後編) 55/63
11/07/18 10:50:12.43 8mgfk2k0

 あやせの胸を揉んで末期のセクハラに興じるのみならず、あやせにブチ殺されるのを免れることができる
かも知れねぇ。
 俺はあやせの乳を揉みながら彼女のパジャマの前立てをまさぐってボタンを外し、あやせの胸元に両手を
突っ込んだ。

「じ、直に触らないでください、わ、わたし、もう……」

 そう言いながらもあやせの奴は、股間を俺の腹に擦り付けるように、腰を前後に妖しくゆすっているじゃ
ねぇか。
 それでも、俺の首には、申し訳程度といった感じながら、あやせの両手が首かせのように嵌っていた。

「こ、これならどうだ!」

 俺はあやせのパジャマの前立てを左右に無理やり引っ張った。外していないボタンが一つ、二つ弾け飛び、
あやせの乳房が顕わになった。
 こ、これが、あやせの乳房か……。触ってみて大体は分かっていたが、控え目ながら、ちゃんと出るとこ
は出てるんだな。
 乳房が控え目なくせに乳輪は大きめだろうか。だが、そこがエロくて俺好みだ。

「お、おっぱい、見ちゃだめぇ〜〜〜!!」

 あやせは自分の胸を隠そうとしたのか、はたまた俺の目を塞ごうとしたのか、俺の首から両手を離した。

『今だ!』

 俺は、両腕をあやせの背に伸ばして彼女に抱き付き、ぶらぶら揺れる左の乳房の先端をぱっくりくわえ、
すすってやった。

「あ、あうう……。す、吸わないで、す、吸わないでぇ〜〜〜」

 あやせは身を捩じらせて抵抗したが、俺がベージュがかったピンク色の乳首を吸い続けると、ついには
「あぅ、あぅ」といううわ言のような声を出しながら、だらしなく涎を垂らし始めた。

「今度は右だ」

 こりこりに勃起した右の乳首を舌先で弄び、強く吸ってやる。

「あふ、あふぅ〜〜〜〜〜」

 もう、俺をブチ殺すどころの話じゃない。
 あやせの奴は、俺の後頭部を両手で支え、自分から俺に胸を突き出すようにしている。
 女って、あやせみたいなエロが嫌いな奴でも、乳首吸われるとエロゲのキャラみたいにおかしくなるんだ
な。エロゲやっといてよかったぜ。こればっかりは桐乃に感謝だ。

 てなことを思いながら、俺は両の乳首を交互に吸い、さらには軽く噛んでみた。

「あう、お、お兄さんやめてください。お、おかしくなっちゃうぅ〜〜〜」

「もう、十分におかしくなってるぜ」

 あやせは俺の軽口には反応せず、虚ろな目のまま、だらしなく口をぽかんと開けている。
 そろそろとどめを刺すとするか。
 俺は、あやせの乳房をすすりながら、右手をあやせの股間に伸ばしていった。

「あ、ああああっ! そ、そこはいじっちゃだめです」

612:風(後編) 56/63
11/07/18 10:51:19.26 8mgfk2k0

 布地越しにあやせの秘所の温もりが感じられた。
 パジャマも下着も薄手のものらしく、俺の腹の上でぱっくり広がっているあやせの割れ目が、はっきりと
分かる。
 割れ目をなぞると、布地越しにねっとりとした湿り気が伝わってきた。

「ぬ、濡れてるじゃねぇか……」

 女の身体に初めて触れた俺みたいな奴の不器用な愛撫でもこんなに乱れるなんて、あやせって根はすごい
スケベなのかもな。
 俺はぬるぬるした割れ目の端に、こりこりした突起を指で探り当てた。これがクリトリスなんだろう。
そいつを指先でぐりぐりと擦るように弄んだ。

「あ〜〜、う〜〜〜、そ、そこはらめれすぅ〜〜〜〜。ら、らめぇ、らめぇ〜〜〜」

 あやせは完全にぶっ壊れる寸前といった感じで、呂律も怪しくなってきた。やっぱクリトリスって、女の
身体で一番敏感だってのは本当なんだな。
 俺は、その突起を摘んで、こよりを撚るように軽く捻ってやった。
 同時に、乳首を吸いながら軽く噛んで引っ張ってやる。

「う、う、うっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

 あやせは苦悶に耐える呻き声にも似た叫びを歯を食いしばるようにして絞り出し、背を反らせて全身を
ビクビクと痙攣させた。
 痙攣はひとしきり続き、それが治まると、あやせは俺の身体にもたれかかって、ぐったりとなった。

「ふぅ……」

 のしかかっているあやせをごろりと布団の上に転がすと、俺は自分の首を押さえてため息を吐いた。

「あやせの奴、イッたみたいだな……」

 布団の上に転がされたあやせは、快楽の余韻で頬を上気させ、はだけた胸元からは勃起したままの乳首を覗かせていた。

「こ、これで、終わりなんですか……?」

 エクスタシーに達したあやせの身体からは、甘酸っぱいような感じの女の匂いが、むせ返るほどにあふれ
ていた。
 そして、俺のリヴァイアサンは、かつて経験したことがないほどに大きく固く怒張している。

 これは、“据え膳食わぬは男の恥”って状況なのか?
 今のあやせだったら、このまま俺のリヴァイアサンをぶち込むのは楽勝だろう。
 だが……、

「……そうだな……、これでセクハラはお仕舞いだ……」

 さっきまで俺をブチ殺す気満々だった奴とセックスなんかできねぇよ。これって強がりみたいなもんだけ
どさ。

「……ひどいです、ひどいです、お兄さん……」

 あやせは、パジャマの前をはだけたまま、さめざめと泣き出した。
 あやせが俺をブチ殺そうとしたとはいえ、俺のやったことはセクハラどころかレイプ寸前の行為だったか
らな。気丈なこいつが泣くのも無理はねぇ。


613:風(後編) 57/63
11/07/18 10:52:20.38 8mgfk2k0
「あやせにひどいことをしたのは認めるよ。でも、お前だって、俺を殺す気だったんだし、お互い様だろう」

「……お兄さんを殺す気なんかありませんでした……」

 嘘つけ! さっきの首の締め方には殺意がみなぎっていたじゃねぇか、と言いたかったが、我慢した。

「そうかい……、俺もあやせを犯すつもりはなかったよ」

「……お兄さんなんか、大っ嫌いです……」

 あやせとは脈があったように思ったんだが、これで終わりかもな。男女の仲なんて、ちょっとした事件で
簡単にぶっ壊れちまうもんなんだ。

「さっきのセクハラと、黒猫のことを黙っていたのは、あらためて謝るよ。これは本当に済まなかった」

「い、今さら謝っても、お兄さんが嘘吐きな変態だってことに変わりはありません……」

「何とでも言え……。否定はしねぇよ」

「……嘘吐き」

 強がってはみたものの、今度ばかりはあやせの『嘘吐き』ってのが胸に痛い。
 だが、ここで挫けちゃいけねぇぜ。

「嘘吐きでも何でもいいさ。で、明日のことなんだが……」

「……嘘吐きお兄さんは、わたしのことなんか放っておいて、黒猫とかいう痛い女とデートなんでしょう……」

「違う。明日、黒猫に会うのは本当だが、何をあいつに告げるかはもう心に決めているんだ。友達ではある
が、もう恋愛感情はない。それをそれをはっきりさせてくるだけだ」

「……し、信じられません……」

「俺の言うことが信じられないようなら、明日、お前も俺と黒猫のやりとりを遠くから見ていればいいだろ
う。その時に、俺の言っていることが嘘じゃないってのがお前にも理解できるさ」

「……………」

 黒猫や沙織との面談をあやせにも見せるのはリスキーこの上ない。下手すれば、面談の場にあやせが乱入
して、黒猫と大乱闘になりかねないからな。何らかの策が必要だろう。

「ただし、俺と黒猫や沙織との面談をお前が監視するのには条件を付けさせてもらう。第一に、目立たない
格好で遠くから監視すること。第二に、面談の場に絶対に介入しないこと……」

「遠くから見ているだけなんて嫌です……。面談の風向きがおかしくなったら、お兄さんを護るために、
わたしも介入しなくちゃいけません……」

 そうくると思った。
 俺は、舌打ちしながら机の上に置いてあった携帯電話を手に取り、あるところに電話した。

「もしもし、高坂だ」

『おお、どうだった? 保科さんとこの野点は』


614:名無しさん@ピンキー
11/07/18 10:54:56.28 Sxk1gObR
専用スレ池

615:名無しさん@ピンキー
11/07/18 10:56:36.28 a4TDYKXs
SL専用スレがあるんだからそっちでやれば誰も嫌な思いしないだろ

616:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:00:46.36 1JNXEVDu
隔離スレにいけ

617:風(後編) 58/63
11/07/18 11:03:59.02 8mgfk2k0
 電話の相手は、イケメン眼鏡の陶山だ。

「なかなかに大変だったよ。そいつについては、明日にでも話せるだろう』

『明日か……。大学は休みだぞ』

 そりゃそうだ。日曜日なんだからな。だが、頭のいい陶山のことだ、俺が会いたいってニュアンスを感じ
取っているに違いない。 

「まぁ、ぶっちゃけ、明日はお前と川原さんに助けてもらいたいんだ。実は、妹が来ているんだが、俺は俺
で、千葉から来る友人の相手をしなくちゃならねぇ。それで、俺が友人と居る間に、ちょっと妹の面倒を見
て欲しいのさ」

 友人になって日が浅い陶山に頼むなんて、我ながら非常識だよな。
 案の定、陶山は困惑しているらしく、『え〜〜?』と絶句している。
 だが、

『えっ? 何、何? 高坂くんの妹さん?』

 川原さんらしい、素っ頓狂な女の声がスピーカーから轟いた。

『きゃっ! 高坂くんの妹さんが来てるんだって?! で、その子の世話をさせてくれるのぉ? やる、
やる、絶対にやる。いいえ、や、やらせてください!!』

『……お、おい……。安請け合いはするなよ……』

 川原さんをたしなめる陶山の声がしたが、川原さんは、

『うっさいわねぇ! あたしがやるっていったら、やるの! あんたは黙ってなさい』

 と、陶山を一喝していた。女って、怖いな。
 それはともかく……、川原さんは何で陶山とこんな時間に一緒なんだろ。大体想像はつくが、追及するの
は野暮ってもんか……。

『ごめんなさ〜〜い、亮一のバカが気が利かなくって。でも、あたしがOKなんだから、もう、こいつには
四の五の言わせなぁ〜〜い。だから、明日は、是非是非、高坂くんの妹さんを宜しくお願いしまぁ〜〜す!!」

「あ、ああ……、こ、こちらの方こそ、よ、宜しくお願い、し、します……」

 なんだい……。川原さんのハイテンションぶりに思わず敬語っぽく話しちまったじゃねぇか。
 でも、これで、明日は何とかなりそうだ。

『で、待ち合わせとかはどうするのぉ?』

 俺たちは、午前9時に大学の正門前で落ち合うことにした。

「まだ説明しておきたい事柄があるけど、電話では何だから、明日、会った時に話すよ。いいかな?」

『うん、うん、全然オッケイ! じゃぁ、明日は楽しみにしているからね〜〜』

「こちらこそ。あと、陶山にも宜しく」

 そう言って、俺は通話終了のボタンを押した。

「ふう……」


618:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:04:53.58 gOfgEBXS
善意を無駄にすんなよ

619:風(後編) 59/63
11/07/18 11:05:19.28 8mgfk2k0

 通話を終えて、安堵のため息を吐いた俺を、胸をはだけたままのあやせが、泣きべそ顔でじっと見ていた。

「まぁ、聞いての通りだ。明日は、俺の大学の友人で、陶山っていう奴と、その彼女である川原さんって人
を、お前のお目付け役にする」

「お、お兄さんのお友達なんて、信用できません……。きっと、お兄さんとどっこいどっこいの変態で嘘吐
きなんでしょ?」

 俺は、陶山と川原さんを悪し様に言うあやせに少々ムカついたが、あやせの言い分にも一理ある。
 全く面識のない奴をお目付け役だって言われても、警戒心しか湧かないよな。

「陶山ってのは、医学部の学生で、ものすごく頭のいい奴だ。川原さんは陶山の同級生で、やはり医学部の
学生だ。二人とも正直で、気のいい連中だぜ。明日、本人たちに会ってみれば、お前だって納得するだろう」

「……もう、それしかない、って言うことですか?」

 俺は、恨めしげなあやせに無言で頷いた。こうでもしなきゃ、危なくって仕様がない。

「だったら、そ、それでいいです……。でも、お兄さん……」

「今度は何だよ……」

 いつになく哀れっぽい口調が気になったが、俺はそっけなく振る舞った。あやせには油断がならないから
な。色々と……。

「……あ、あの……、わ、わたし……、お、お兄さんに……」

「俺に何だって?!」

 先刻、いきなり首を締められたから、かなりきつい口調で言い返しちまったな。
 その俺の一言で、あやせが、びくっ、と身を震わせたようだった。

「……あ、あの……」

「だからどうした?」

 この口調もきつかったかな。どうも、さっき殺されかけたってんで、語気が荒くなっちまう。

「い、いえ……。何でもありません……。も、もう……、いいです……」

「そうかい……」

 そう言って、俺はすっくと立ち上がった。

「ど、どこへ?」

「隣の部屋だ。さっきみたいなことがあったんじゃ、おちおち眠れないからな。俺は隣の部屋で寝ることに
するよ」

 あやせに殺されるのが怖い、というのは自分でもよく分からないが、多分本当じゃない。
 あやせと同室で寝たら、きっと彼女を犯してしまうだろ。性的な衝動を抑え切れない自分が怖かった。
 頭では自分を殺そうとした女を抱けないと思っても、本能は違う。
 事実、俺のリヴァイアサンは、はち切れんばかりに怒張したままじゃないか。


620:風(後編) 60/63
11/07/18 11:06:22.50 8mgfk2k0
「あ、あの……」

 あやせが何かを言いかけたようだったが、俺は彼女に背を向けて自室から出た。廊下に出て、階段を下り、
洗面所で顔を洗った。

「……高坂さん……。何かあったんですか? ちょっと騒々しいようでしたけど……」

 洗顔を終えて階段を上がろうとしたところを、下宿の女主人に呼び止められた。
 あれだけの騒ぎだ。昔ながらの重厚な造りの下宿屋であっても、何らかの物音は伝わる。

「ああ、どうもすいません。妹と格闘系のゲームをやっていたものですから、ついつい熱が入って、俺も妹
も荒っぽい言葉遣いになっていたようです。ちょっと反省してます」

「ああ、そうですか。それなら結構です」

 下宿の女主人は、安堵したのか、表情を和らげた。兄と(自称)妹との禁断の愛の営みが展開されている
と思ったんだろう。実際は、もっとヤバイ状況だったんですけどね……。

「それと、妹の奴は、俺の部屋で寝たいんだそうです。ですので、俺が自室の隣の部屋で寝てもいですか?」

「ええ、いいですよ。お布団は、お部屋の押入れに入っているものを自由に使ってください」

「はい、ありがとうございます」

 許可を得た俺は、自室の隣部屋に入り、布団を敷いて横になった。
 長いこと仕舞ったままだったせいか、何となくカビ臭いが、これぐらいなら我慢できる。

「しかし、疲れているのに、寝付けねぇな……」

 あやせが馬乗りになるまでは、眠くってしょうがなかったのに、今はあやせの乳房と秘所の感触を思い出
すと、気持ちが昂ってなかなか眠れない。

 それでも、ようやく夢うつつになった頃、自室の襖が開く音と、あやせのものらしい足音が聞こえてきた。
 俺ははっとして身構えたが、足音はそのまま俺が居る部屋の前を素通りし、階下へと向かって行った。

「何だ、トイレかよ……」

 しばらく経ってから、階下から水を流す音が聞こえてきた。

「ずいぶんと長いトイレだな……」

 そんなことを呟きながら、俺はいつしか泥の様な深い眠りに落ちていった。


*  *  *
 翌朝、膨れっ面というか、まぶたを腫らしたあやせを伴って、俺は大学の正門前に向かった。

「やっほぉ〜〜!! 高坂くん、こっちこっちぃ〜〜〜!」

 正門前には既に川原さんと陶山が待っていた。
 川原さんは、いつもは一本のお下げにしている長い髪に軽くウェーブをかけて、腰の辺りまで伸ばしていた。
 ファッションは、普段パンツルックがほとんどだってのに、今日に限って白いゆったりとしたスカート、
ノースリーブの黒っぽいカットソーにベージュ色した薄手のカーディガンを羽織り、鍔が大きな白い帽子で
キメ、襟元にはダイヤらしい宝石がちりばめられたネックレスが輝いていやがる。


621:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:06:47.80 AIRKZsxF
どうしてこっちに来るの?
また荒らしたいのかよ。

622:風(後編) 61/63
11/07/18 11:07:26.51 8mgfk2k0
 う〜〜ん、そういや、川原さんだって、開業医の娘なんだよな。スケールは、保科さんや沙織とかに比べ
ればささやかかも知れないが、やっぱお嬢様なんだと今さらながら実感しちまったぜ。
 相方の陶山は、ダークグレーのスタンドカラーシャツにカーキ色というかオリーブ色に近い腰丈の
ジャケットを羽織り、黒いデニムを穿き、八ピースの丸っこいハンチングを被っている。

 対する俺たちはというと、俺は普段と代わり映えのしない長袖のダンガリーシャツにジーンズで、あやせ
はチャコールグレーのコットンパンツ、白黒の市松模様の長袖ブラウス、それにいつぞや加奈子が出た
メルルのイベントで桐乃の目を欺くために着用したキャスケットを目深に被っている。

「済まねぇ。ちょっと遅れちまったみたいだな」

「いや、今がちょうど九時だ。こいつに急かされて、俺たちはだいぶ早く着いちまったのさ……」

 陶山は自分の腕時計をチラ見してから、相方の川原さんに向けて顎をしゃくった。
 その川原さんは、喜色満面で、時折、「うほほぉ〜〜い!」とか訳の分からないことを口走っている。
 こりゃ、桐乃以上にヤバイかも知れねぇ。
 あやせはハイテンションな川原さんを警戒してか、俺の後ろの方で緊張して縮こまっていた。

「もう分かるよな? あのお姉さんが川原さん、で、眼鏡を掛けているのが、川原さんの同級生で陶山だ」

「よろしくぅ〜〜〜。川原瑛美でぇ〜〜す」

「俺は陶山亮一。高坂とはいつも一緒に昼飯を食う仲なんだ。今日はよろしく……」

 陶山は警戒しているあやせを気遣っているのか、できるだけさりげなく振る舞うように心掛けていること
が何となく分かった。
 本人が『気遣いの陶山』を自認していたが、俺も、たしかにそうだと思うな。

「で、その子が、高坂くんの妹さん? どれどどれ……。うっひゃ〜〜〜、かわいい〜〜〜」

 気遣いの陶山に対して、川原さんは自分の欲望に忠実なタイプらしい。ずぃ! とばかりにあやせの前に
歩み寄り、帽子で顔を隠そうとしているあやせを舐め回すようにガン見している。
 相方の陶山が、「おい、大概にしろ……」という小言とともに、カーディガンの裾を引っ張ったが、当の
川原さんはお構いなしだ。

「は、初めまして、こ、高坂あやせです。あ、あやせって呼んでください……」

 その瞬間、川原さんが「ん?」と呟き、帽子を目深に被っているあやせの顔を凝視し直した。

「……あ、あやせちゃん?」

「は、はい……、あ、あやせと申します……」

 おずおずと言いかけたあやせも、川原さんと目が合った瞬間、「えっ?!」と短く叫んで身を強張らせている。

「ど、どうしたんだよ?」

「………………」

 俺の問い掛けにあやせは押し黙ったままだ。

 陶山は川原さんに、「ひょっとして、知り合いか?」と尋ねている。俺から見てもそんな感じだったよな。
 だが川原さんは、

「知り合いっていうか、何ていうか……。ど、どう説明したらいいのかな……」


623:風(後編) 62/63
11/07/18 11:08:30.41 8mgfk2k0

 と、言い淀んでいる。俺と陶山は顔を見合わせた。本当に何なんだろうね。
 言い難そうな事情がありそうなところが、かえって気になるよな。だが、それよりも……、

「それはそうと、俺と瑛美は、千葉から来るっていうお前の友人とお前が一緒の時、お前の妹さんの面倒を
見なきゃならん理由を未だ聞いてない……」

 こっちが先決だ。昨夜の電話でも、『会った時に話す』と約束したからな。
 俺は、千葉から来る友人は(沙織は神奈川からだが……)世に言うオタクで、あやせとは趣味が合わない
から一緒にはさせたくないことをまずは手短に話した。

「なるほど……。それで妹さんを隔離する訳か……」

「うん……、できれば隔離したいんだが、こいつは俺と俺の友人が何を話すのかが気になるらしく、目立た
ない様に監視したいそうだ。しかし、あやせ一人だとちょっと不安だから、二人にお目付け役を頼みたいん
だよ」

 言い終えて気付いたが、これってあやせを子供扱いしてるよな。案の定、誇り高き自称俺の妹様は、
膨れっ面で会話に割り込んできた。

「あ、兄は、オタクな連中と付き合っちゃいけないと思います。わ、わたしは兄のことが心配で……」

「“お兄さん”思いなのね」

 すかさず川原さんの突っ込みが入った。
 だが、川原さんは、『お兄さん』の部分をことさら強調したような気がしたが、まぁいいか……。

「おっと、メールが来たか……」

 俺は鳴動している携帯電話の画面を確かめた。沙織からのメールだった。

『京介氏
 本日は宜しくでござる
 しかしながら、待ち合わせの場所を変更致したく候
 中央駅ではなく、中央駅の南口にある喫茶店にて落ち合いましょうぞ
 しからば、御免』

 という文面とともに、店の所在を示すURLが張ってあった。
 しかし、俺は駅の南側には一回も行ったことがないから、沙織が指示した喫茶店にはまるで心当たりがない。

「知ってるか? この店……」

 俺は陶山と川原さんに沙織からのメールを見せた。こういう時に頼りになるのは地元の人間だな。

「ああ、ここね。ものすごくおっきな喫茶店よ。ワンフロアが、うちの大学の学食ぐらいありそうな……」

「そんなにでかいのか……」

 それはかえって好都合だな。あやせが、他の客に紛れて、俺と黒猫と沙織のやりとりを監視し易くなる。

「場所も中央駅のすぐそばだから、地下鉄で行くのがいいだろうな」

 幸先よし……。俺は、 黒猫や沙織とのシビアになりそうな話し合いと、それをあやせが監視するという
厄介なミッションの成功を半ば確信した。これなら、万事うまくいくだろう。
 俺とあやせとの関係修復を除いて……。


624:風(後編) 63/63
11/07/18 11:09:25.12 8mgfk2k0

 地下鉄に乗って俺たちは移動し、目指す店の前にたどり着いた。

「なるほど。たしかにでかいな……」

 都内にもこれだけの規模の喫茶店は少ないだろう。いや、違うか。東京は、あちこちに喫茶店があるから、
大規模なものはそうそう必要ないんだろうな。
 都内に比べて鄙びたところがあるこの街では、喫茶店の数が少ない代わりに、こうした大規模なもので
カバーしているということか。

「高坂から先に入った方がいいだろうな。そうすれば高坂の友人たちの目は高坂に集中する。その隙に、
俺と瑛美があやせちゃんを後ろに隠して入店するよ」

「だな……。そうしてくれると助かるよ」

 陶山も川原さんも背が高いから、あやせの姿をカムフラージュしてくれるだろう。

 俺は三人に「じゃあ、先に行くぞ」と告げて、自動ドアではない扉を押し開けた。
 店内は思った以上に広く、ざわめいていた。これじゃ黒猫や沙織がどこに居るのかさっぱり分からねぇ。

 だが、店内中央辺りのコンパートメントから、さっと右手を挙げる奴が居た。バンダナに眼鏡姿の沙織
だった。そのコンパートメントは、入り口からは太い柱で一部分が遮られていやがる。これじゃ、沙織が
挙手してくれなかったら分からなかったな。

「やれやれ……」

 これから始まる話し合いのシビアさを思うと気を引き締めなきゃならないんだが、ようやく沙織を見つけ
られたってんで、ちょっと安堵しちまった。油断は禁物だってのによ。

 沙織が居るコンパートメントを遮っている太い柱を回り込むようして歩いていくと、いつもながらのゴス
ロリファッションでキメている黒猫の姿が見えてきた。そして、黒猫の隣りには……、

「な、なんで、お前がここに居る!!」

 オレンジ色のタンクトップの上にダークブラウンのレザーっぽい腰丈よりも短いジャケットを羽織り、
下はマイクロミニスカートにブーツのあいつが、俺の目の前に居やがった。

 そいつは、大きな瞳でぎょろりと俺を睨みつけ、呪いの言葉を肺腑から絞り出した。

「………アンタ。逃げるなんて許さない………」

(以降、『火』(Kwa)に続く)


625:SL66 ◆Fy08o57TSs
11/07/18 11:11:38.73 8mgfk2k0
以上で『風』は終わりです。

それにしても、単発レスのジャミングが連投規制よけになりました。
IDを変えて単発レスするしか能のない輩も多少は役に立つんですね。

一応は礼を言っときますか。

626:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:14:32.15 AIRKZsxF
どうしてアンタ、いつも煽るの?
普通に迷惑なんだけど。

627:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:14:51.38 pD4R1rvn
荒らせて満足したならとっとと首でも括って死ねよクズ
駄文過ぎて毛ほども引き込まれねえよ

628: 忍法帖【Lv=13,xxxPT】
11/07/18 11:20:10.16 sMmv/I8r
そうやって余計な煽りを入れるなよ
全部台無しじゃん
投下するならするで余計なこと言わなければいいのに……

629:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:25:20.57 P2ZAuKZZ
触れるな。そして喧嘩腰になるな。前スレの二の舞にしたいのか。

630:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:27:47.03 BQyQ5rrP
誰かSS投下してこの嫌な空気を換気してくれ

631:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:29:12.19 Sxk1gObR
一応誘導貼っとくわ
以後この話題は専用スレで
【SL66専用】伏見つかさ総合【俺妹】
スレリンク(eroparo板)

632:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:29:58.88 oFS8uKTF
ずっと前に予告してた黒猫エロものできました

・「もしも京介と黒猫が円満な恋人生活を営んでいたら」
・言うまでもなく京介×黒猫
・エロ描写有
・黒猫は転校していない設定

投下してもおkでしょうか?

633:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:34:21.67 AIRKZsxF
投下していいよ。

634:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:37:13.58 oFS8uKTF
IFストーリー『もしも京介と黒猫が円満な恋人生活を営んでいたら』
30レス程度です


残暑も遠退く中秋の候、俺はとある平屋の一軒家を訪ねていた。
ピンポーン、とチャイムを押して待つこと数秒。

「はいはいは~~~~いっ。京介くんですかっ?京介くんだよねっ?」
「おねぇちゃん、わたしも、わたしもおにぃちゃんとお話する」
「ほら、やっぱり京介くんだ!今行くから待っててね!逃げちゃダメだからね!
 ほらほらっ、珠希も行くよ、愛しのおにぃちゃんに会えるよ~」
「あっ、待って、おねぇちゃん」

ガチャ、ツー、ツー。
口角泡の飛沫を錯覚し、思わず顔に触れていた。
喧噪の坩堝とは、五更家のインターホンのことを言うのではなかろうか。
ドタドタと床を踏みならす音が、家の外まで聞こえて来て、がらりと引き戸が開く。

「いらっしゃーい、京介くぅんっ!
 もーっ、来るの遅いよぉ~~~。
 京介くんが来るの、ずっと待ってたんだからぁ~~~~」

おさげを犬の尻尾のように揺らし、
つっかけに爪先を通すことさえもどかしそうにして、日向がこちらに駆け寄ってくる。
彼我の距離が5メートルに縮まったところで、盛大にジャンプ。
イヤな予感、というよりは経験則が、俺の手足を動かした。

「あははっ、やっぱりちゃんと受け止めてくれるねっ!」
「お前な……怪我したらどうしよう、とか考えないのか?」

下手すりゃ、俺の代わりに大地と抱き合ってたところだぞ。
日向はぐりぐりと顔を俺の胸に押しつけつつ、

「ぜーんぜんっ!京介くんのこと信じてるから!
 それにィーこうしないと京介くん、あたしのこと抱き締めてくれないじゃ~ん?」

635:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:37:59.50 oFS8uKTF
いい歳した男が他所様の女子小学生と抱き合ってたら、色々と問題があるんだよ。

「ヨソサマなんてひっどぉ~~~~~いっ!
 京介くんはルリ姉の未来の夫でー、あたしはルリ姉の妹でー、
 てことは、あたしと京介くんは血の繋がらない兄妹ってことでしょ~?」

はいはい、分かったからいい加減に俺から離れろ。
通りすがりのおばさんが物凄い形相で俺たちのこと見てたぞ。

「え~やだぁ~」

と甘えた声を出し、なおも離れまいとする日向を無理矢理引き剥がそうとしたところで、

「おにぃちゃんっ」

微かな衝撃が下半身を襲う。
視線を下げれば、黒のつむじが見て取れた。

「珠希か。元気にしてたか」
「たまきは、おにぃちゃんにすごく会いたかったです!」

ぎゅうう、と太股を抱き締めてくる。
一度こうした珠希は、滅多なことでは離れようとしない。
傍から見るとますます誤解を招く図柄になっているらしく、
通りすがりの女子高生が、チラチラとこちらを盗み見ながら、携帯を弄っていた。
通報されてないことを祈るしかねえ。

「日向、珠希」

涼やかな声が聞こえてきたのは、
俺がいよいよ身動きが取れなくなり、助けを乞おうとしていた折だった。

636:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:38:36.61 oFS8uKTF
「再会の喜びには、家の中で浸りなさいな。
 いらっしゃい、京介。妹たちが迷惑をかけて悪いわね」
「いいさ、もう慣れっこだ」

瑠璃が歩み寄ってくると、まるで磁力を失ったかのように下の妹二人が離れる。
流石の威厳だな。同じ妹を持つ身として尊敬するよ。

「これも躾の賜よ」

ふふん、と胸を反らせる瑠璃を見て、日向と珠希が噴き出した。

「何がおかしいのかしら?」
「あたしと珠希は、ルリ姉が嫉妬しないように気を遣ってあげてるだけだしィー。
 ねーねー知ってる、京介くん?
 ルリ姉はねぇ~~~、あたしや珠希に京介くんを取られるんじゃないかって、本気で心配してるんだぁ~~~」
「ばっ、馬鹿も休み休み言いなさい」
「だってホントのことじゃん?
 この前なんかさぁ、京介くんが帰った後に、『京介が迷惑だから見境無く抱きついてはダメよ』とか、
 『京介はあなたたちの遊び相手である前に、わたしの彼氏なのよ』とか、いちいち説教してくるんだもん。
 他の女の子が相手なら分かるけどさぁ、妹にまで嫉妬するとか、ルリ姉ってば大人気なさすぎィ―あいたッ」

ぺしこーん、といい音が鳴った。

「そこまでにしておくことね。
 さもなければ"薄氷の衝撃"の上位魔法、"死の鉄槌"を使わざるを得ないわ」

一応解説しておくと、前者は平手、後者は拳骨の厨二病的解釈である。

「助けて京介く~ん、ルリ姉が虐める~~」

叩かれた頭を押さえつつ、俺の背後に隠れる日向。
こらこら俺を盾にするな。瑠璃も勘弁してやれ。
意外にも日向に助け船を出したのは、それまでジーッと瑠璃を観察していた珠希だった。

637:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:39:32.44 oFS8uKTF
「お顔が真っ赤ですよ、姉さま?」
「なっ」
「そうだよルリ姉、ただの冗談だったのに、必死すぎ~」

さすがに末っ子に手を上げるのには、母性が呵責したのだろう。
歯軋りする瑠璃、俺を盾に煽る日向、無垢な笑顔で長女の顔色を質す珠希、という膠着状態が続くこと十秒。
俺は訪問者として、至極まっとうな意見を口にした。

「……いい加減、家の中に入れてくれないか?」

瑠璃と付き合いだしてから、早二ヶ月。
『運命の記述(ディスティニー・レコード)』に指定された儀式を一通り済ませた俺と瑠璃は、
予言書の背表紙の外側にある、自由気儘な恋人生活を送っていた。
夏休みが終わった後は、週末に五更家を訪れることが恒例化し、今日がその日というわけだ。
初見の頃から馴れ馴れしかった日向も、初めは大人しく控え目だった珠希も、
今や、扱いに困るほど俺に懐いてくれている。
ちゃん付けが呼び捨てに変わったのは最近のことで、二人にリクエストされたことが切欠だった。

『鎮まれ、俺の右腕よ、鎮まれ―!』
『ククク、真夜よ。やはりお前一人では、異形の血を制御できないようだな』
『それはどうかしら、ルシファー。
 真祖の名において命ずる。彼の者に宵闇の加護を授けたまえ!』
『夜魔の女王!?
 真夜―、貴様、闇の眷属に魂を売り渡したというのか!?』

昼過ぎの長閑な空気に、厨二病患者たちの応酬が木霊する。
マスケラ二期のDVDを観ましょう、と言い出したのはもちろん瑠璃で、
その目的は日向の教育(という名の洗脳)らしいのだが、
当の日向は画面には目もくれず、メルルのお絵描きに勤しんでいる。

638:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:40:17.90 oFS8uKTF
そして俺はと言えば、

「こんな問題解くための公式、まだ習ってないんだけど」
「よく図形を見てみろ。
 とりあえず全体の面積を出してから、斜線部以外の面積を引けばいいんだよ。
 長方形とか三角とか丸とかの面積の出し方は習っただろ?」
「へぇ~~~~っ、そーいうことかー。頭いいねっ、京介くん!」

絶賛、日向の家庭教師役を務め中である。
日向が問題を解いている間、何気なく瑠璃のほうを見ると、阿吽の呼吸で目が合った。

「…………」

瑠璃が何を考えているのか、何を望んでいるのかは、手に取るように分かった。
が、まだ少し早いんじゃないか、と視線を逸らした矢先、
畳の上に伸ばした足の裏に、柔く冷ややかな感触が走る。
俺のふくらはぎ、膝裏、内股を伝い、股間を圧迫するそれは、瑠璃の爪先以外には有り得ない。

「………っふ」

いや、「………っふ」じゃねえし。
いくら卓袱台の下の出来事だからって、すぐ近くに日向や珠希がいるんだぞ。
バレたら何て説明するつもりだ、と非難の視線を向ける余裕は、瑠璃の足捌きで刈り取られた。

「お前な………」

負けじと俺も爪先を伸ばし、瑠璃のワンピースのスカート部分に差し入れる。
足指に、滑らかな布地の感触。
だいたいの見当を付けて関節を曲げると、

「……っ……ぁ……」

瑠璃は期待どおりの反応を示した。

639:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:41:01.85 oFS8uKTF
きゅっと下唇を噛み締め、声は押さえているものの、表情の変化は隠せない。
堪える仕草に嗜虐心をそそられ、もう一度足指の関節を曲げようとしたその時、

「できました!」
「できたっ!」

日向と珠希が快哉を叫んだ。

「おにぃちゃん、これ、なんだか分かりますか?」
「ん……あぁ、アルファ・オメガか。
 ダークうぃっちモードのセカンド・フォルムだよな。よく描けてる」
「せいかいですっ!」
「京介くん、京介くんっ、答え合わせして!
 これ、近年稀に見るあたしの自信作だからっ!」
「いや、裏に解答載ってるだろ……おっ、正解だ。やればできるじゃねーか」

妹にしてやるノリで、お絵描きと宿題を達成した二人の頭を撫でてやる。

「……………」

あのー、瑠璃さん?
欲求不満な視線で俺を射貫くの、やめてもらえませんかね?
マスケラ見ろよマスケラ、ちょうど今作画ぬるぬるの戦闘シーンだぜ。

「もう見飽きてしまったわ。
 目を瞑っていても、真夜とルシファーの一挙手一投足を想像できるくらい」

言いつつ、瑠璃は足先に力を込める。
このエロ猫め、相当焦れてやがるな。
俺は仕置きの意を込めて、卓袱台の下に手を差し込み、悪さをする足の裏をくすぐってやった。

640:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:41:07.08 sn/MbZeu
何でこっちに書いてるの?

641:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:41:44.14 oFS8uKTF
「ひゃんっ!」
「どっ、どうしたんですか、姉さま?」
「ちょっとぉー、いきなり大きな声出さないでよね、ルリ姉」

妹二人からの非難を浴びて、恨めしげに睨み付けてくる瑠璃。
俺に足裏をくすぐられた、と言えば、なぜそんな場所に足を置いていたのか、と訊かれるのは必定で、
まさか隠れてえっちぃことしてました、と告白できるはずもなく、瑠璃が返答に窮していると、

「ただいまー」

玄関より福音来たる。

「おかえりなさぁい」と日向。
「おかぁさん、おにぃちゃんが来てますよ」と珠希。

襖が開いて現れたのは、瑠璃が大人になったらこんな風になるのだろうか、と思わせられる、
妙齢の和風美人こと、五更家三姉妹の母君である。
パートの仕事をされていて、今日は午前のみのシフトだったようだ。

「こんちわ、お邪魔してます」
「あら、いらっしゃい京介くん。
 お昼ご飯はもう食べた?瑠璃に作ってもらったのかしら?」
「いえ、家で食ってきました」
「そう。今日は、これからどこかに出かけるの?」

俺と瑠璃は顔を見合わせ、首を横に振る。
するとおばさんはニッコリ笑って、

「じゃあ、日向と珠希は邪魔ね。
 二人とも、お母さんと一緒に買い物に行きましょう?」

642:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:42:29.27 oFS8uKTF
「えー、やだぁ~~。せっかく京介くんが来てるのに~~」
「おにぃちゃんも、いっしょに買い物に行きます?」
「お姉ちゃんとお兄ちゃんはお留守番。
 お菓子買ってきてあげるから、お母さんの荷物持ち手伝って?」

珠希は俺と母親の顔を何度も見比べていたが、
甘味の誘惑には抗えなかったようで、クレヨンを置いて立ち上がった。
意外だったのは日向の反応で、

「あたしィー、前から欲しかったシャーペンがあるんだけどぉー、
 それ買ってくれるなら、荷物持ちしてあげてもいいよ?
 どーせ珠希は重いもの持てないし、あたしがいないと困るでしょっ?」
「……仕方ないわね、一つだけよ」
「やったっ」

交渉は成立した模様。
お菓子や文房具で釣られるとは、やっぱガキだなコイツら。
……べっ、別に拗ねてるわけじゃないんだからね!

「京介くん、晩ご飯食べてくでしょ?何か食べたいものとかある?」
「日向ちゃんや珠希ちゃんの好きな物にしてあげてください」
「もう、遠慮しなくていいのに」
「ハイハーイ、あたしオムライスが食べたいな~~~っ」
「たまきはカレーライスがたべたい、です」
「どっちもなんて無理よ。二人で相談して一つに決めなさい。
 それじゃあ、瑠璃、京介くん、お留守番頼むわね?」
「ええ」
「了解っす」

643:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:43:26.05 oFS8uKTF
まず最初におばさんが玄関を出て、
オムライスがいい、カレーライスがいい、と舌鋒鋭く言い合いつつ、日向と珠希が後に続いた。
家は俄に静かになった―かと言えばそうでもなく、居間のTV画面の中では依然として、
マスケラの登場人物がスワヒリ語もかくやの難解極まる必殺技名を叫んでいる。
だが雑音の有無は大した問題ではなく、焦点はむしろ、
この家に俺と瑠璃以外の人間が存在しているか否か、にあった。

「瑠璃」
「京介」

俺たちはどちらからともなく唇を合わせた。
優しく触れあうような上品なキスは程なくして、激しく貪りあうような獣の接吻へ。

「京介っ………」

喘ぎながらも俺の名を呼ぶ姿がいじらしい。
瑠璃の体を壁に押しつけ、覆い被さるように抱き竦める。
ワンピースのスカート部分を捲り上げ、閉じられた瑠璃の股に、右足を差し入れる。
瑠璃の下腹部は、既に熱を持っていた。
薄い布越しに秘核を撫でると、瑠璃の体がぴくんと跳ねた。
俺は邪魔な下着を脱がしにかかった。その時だった。

「だ……だめっ……」

トン、と胸を突かれ、後じさる。
唇を繋ぐ銀の糸が断たれたのと同時に、俺は我に返った。

「……何がダメなんだよ?」

644:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:44:46.89 oFS8uKTF
瑠璃は息を整えながら、責めるような声で言った。

「はぁっ……はぁ……こんなところで……来客があったら……どうするつもりなの……?」
「見せつけてやりゃあいい。取り込み中だと分かったら帰るだろ」
「ば、莫迦……本気で言っているなら、正気を疑うわよ」

それなら、と俺は訊いた。

「どこでならOKなんだ?」

瑠璃は顔を背けて「着いてきて」と言い、早足で歩き出した。
白いワンピースが、幻惑するように翻る。
行き先は瑠璃の部屋と相場が決まっていた。
俺はさながら獲物を追い詰める肉食動物のように、瑠璃の後を追いかけたのだが……しかし。

「おい、開けてくれよ」
「不可能よ。あなたが真名を取り戻すまで、真理の扉が開かれることはないわ」

ぴしゃりと閉め切られた襖の向こうから、瑠璃の低い声が聞こえてくる。

「真名?俺の名前は京介だろうが」
「いいえ、あなたはルシファーに裏切られたショックで、一時的に記憶を失っているだけ」

先ほどまでのエロ猫モードからは一転、
果たして何の気紛れか、瑠璃は黒猫モードに入っているらしかった。
だが、まあいい。天然の焦らしプレイには慣れている。少しくらいは付き合ってやるさ。

「近くに、あなたが記憶を取り戻すのに必要な魔導具が落ちているはずよ」

足下に視線を転じると、いつかコスプレ撮影会をした時に着た衣装と、文庫本くらいの厚さの小冊子が置かれていた。

645:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:45:34.17 oFS8uKTF
「魔導具は見つかったかしら」
「……ああ、見つかった」
「よろしい。では、まず闇の渦と交信なさい。
 変身の仕方くらいは覚えているでしょう?」

俺は『変身』を『着替え』に脳内変換し、着衣を交換していく。
泣けることに、玄関先で元気にはしゃいでいた俺のリヴァイアサンは、
今や、真夏のアスファルトに投げ出されたミミズのように萎縮していた。

「……変身したぞ」
「上出来よ。次に、"月夕の教典(ムーンライト・ダイアログ)"の113ページを開きなさい」

なんちゃらの教典とやらは、この荒い装丁の小冊子のことを指すのだろうか。
数ヶ月前にも"運命の記述(ディスティニー・レコード)"に振り回された記憶があるが、
よもやあの時の焼き直しをするんじゃあるまいな。
恐る恐る指定された113ページを開く。それは一言で表すなら―。

「マスケラのト書きか、これ?」
「な、何をわけの分からないことを言っているのかしら。
 世迷い言を喋る暇があるなら、早くそこから166ページまでを暗記なさい」

厨二病全開のセリフと情景描写の約50ページ分を、今ここで暗記しろと?
冗談じゃねえ。三日掛けても無理だ。

「せめて、軽く目を通して」

切実な声に、渋々と肯く俺。
ざっとページを捲るが、ほとんど地の文のみで、真面目に読む気はさらさら無かった。
冒頭の会話から推察するに、かなり前に五更家の居間のテレビで見た、
主人公・真夜と旧敵・夜魔の女王が契約を結ぶシーンのようだが……。

646:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:46:19.85 oFS8uKTF
「目を通したぞ」
「早いわね。それじゃあ冒頭の一文を読み上げて頂戴」
「えーっと……"真名を思い出した真夜は、夜魔の女王と再会を果たすべく、精神世界に没入(ダイブ)した"」
「違うわ。冒頭の真夜の『セリフ』よ」

なら初めからきちんとそう言えや。

「"これが真理の門……ここを通れば、俺はこれまで封滅した能力者たちと、再び相見えることになる……"」

うおお、鳥肌が立ってきた。
ただコスプレをするのみならず、セリフも言うとなると相当の苦行だな、こりゃ。
瑠璃はナレーター風に地の文を読み上げる。

「"長い葛藤の末、真夜はゆっくりと門に手を当て、押し開いた"」
「…………」
「"押し開いた"」
「…………」
「聞こえなかったかしら?"真夜が門を押し開いた"と言っているのよ」
「俺は今からナレーター……お前の言う通りに動かなくちゃならないのか」
「そうよ」
「俺の目の前にあるのは襖で、押し開くこともできないんだが」
「融通の利かない雄ね。これ以上わたしを失望させないで頂戴」

瑠璃はコホン、と空咳をひとつ、

「"長い葛藤の末、真夜はゆっくりと門に手を当て、押し開いた"」

俺はハァ、と溜息をひとつ、真理の門もとい襖を横に引いた。
内装は以前入ったときと特に変わりはない。
ただ、瑠璃の姿がどこにも見当たらなかった。

647:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:47:11.50 oFS8uKTF
「"門の先に広がっていたのは、荒漠たる常夜の世界。
  これまでに屠ったディアブロの想念を一身に浴びながら、
  真夜はただひたすらに、夜魔の女王の気配を探し求めた"」

声は明らかに押し入れの中から聞こえているのだが、
突っこんでも余計な怒りを買うだけだと思い、

「"クイーン、お前の力が借りたい"」
「"真夜の心象世界に、彼の声は虚しく響き渡った。
  負の思念は刻一刻と強くなっていく。長居は彼の肉体の所有権を、思念に奪われるも同義だった"」
「"出てこい、クイーン!俺の体が欲しくないのか!"」
「"真夜の精神体が限界を迎えかけたそのとき、紅蓮の炎が彼を取り囲んだ。
それは彼に害なす思念を灰燼に帰し、常夜の闇を嚇耀と照らしだした"」

ガラリ、と勢いよく押し入れの襖が開き、
二階部分から、新衣装を身に纏った瑠璃が現れる。
転倒を危ぶみ手を差し伸べると、ペシリ、と払い除けられた。
旧敵の助けは無用らしい。

「"クックック……無様ね、漆黒……いえ、今は真夜と呼ぶべきかしら。
姿形は能力者でも、肝心の力が使えないようでは、何の意味もないものね"」

瑠璃は横木に頭を打たないよう、姿勢を低くしながら押し入れから飛び出した。
お披露目をするように、クルリと畳の上でターンする。
そして上目遣いに俺を見つめ、

「どうかしら……おかしくない……?」

お前はいいよな。好き勝手に素に戻れて。

648:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:48:14.71 oFS8uKTF
俺は上から下に瑠璃を眺め、忌憚なき感想を言ってやった。

「すげー似合ってるよ」
「……あ、ありがとう」

瑠璃が着ているのは、マスケラ二期の夜魔の女王の新コスチュームだった。
一期のロングドレス風とはうってかわって、上はスリーブレス、下はミニのフレアスカートと、
全体的に露出度の高い、要するにエロっちいテイストに仕上がっている。
おかげで俺のリヴァイアサンも僅かに復活し、

「また裁縫の腕上げたんじゃないか?
 ほら、こんな細かいところも―」

さり気なく触れようとしたところで、ひらりと身を躱される。

「"あなたがここに現れた理由は、全て分かっているわ"」

幕間はこれにて終了らしい。

「"ルシファーの裏切りに遭い、あなたは能力を失った。
  他の能力者と戦うためには、新たなディアブロと契約を結ぶ必要がある。
  けど、この私―夜魔の女王―が、そう易々と闇の力を譲り渡すと思って?"」

俺は冊子を構え直して言った。

「"どうすれば、俺と契約を結んでくれる?"」
「"あなたは一度私を滅ぼした仇敵。代償は大きいわよ"」
「"早く言え"」

初めて俺と真夜の気持ちが一致した瞬間である。

649:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:49:05.51 oFS8uKTF
「"そうね……良いことを思いついたわ。
  あなた、未来永劫、このわたしに傅くと誓いなさいな"」
「"ふざけるな。俺はお前の言いなりになんてならない。
  交渉条件はイーブンだ。俺はお前と契約しなければ戦えない。
  お前は俺と契約しなければ、俺が死ぬまで、この墓場のようなところで過ごすことになる"」
「"っふ、それはどうかしらね。わたしが存外、この場所を気に入っているとしたら?"」
「"……くっ"」
「"冗談よ。わたしとて、いつまでもこんな場所に引き籠もっているのはご免よ。
  けど……、契約の前に、ひとつ約束して頂戴。
  戦いが終わったその時は、わたしを闇の渦に返すと"」
「"分かった"」

瑠璃はナレーター役に転じ、

「"炎の円環の中、真夜とクイーンの距離は徐々に狭まっていく。
  熱気と殺気に入り交じり、一刹那、肉欲の香が匂い立った"」

と言いながら、現実でも距離を詰めてきた。
なにしろ部屋が狭いので、移動は一瞬で終わった。

「"―これより、契約の儀を執り行う"」

瑠璃は厳かに言い……、前触れ無く、キスを仕掛けてきた。
応えようとしたところを、目線で制される。
されるがままでいろ、ということだろうか。
瑠璃の舌先が俺の唇を割り、まるで探し物を探すかのように、口内を満遍なく刺激する。
唾液の嚥下さえ許されない状況で、瑠璃は手際よく、俺の上着を脱がしていった。
瑠璃のひんやりした手が、俺の胸板に触れ、乳首を撫でさする。

650:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:49:43.79 oFS8uKTF
「っ……く……」

変な声を上げそうになるのを必至に堪えながら、
俺は今の状況に纏わる、ある事実を思い出していた。
マスケラ二期の契約シーンは、その過激さから放送倫理に引っかかり、放映時に大幅な改変を余儀なくされたこと。
そして改変前の台本が制作関係者によりインターネット上に流出したと、掲示板で噂になっていたこと。
つまり、さっきの小冊子は……。

「……ん……む……っ……」

執拗に口蓋を侵され、思考を中断される。
復活した俺のリヴァイアサンに、瑠璃は右手で、衣装越しに触れてきた。
裏筋のあたりを爪先でなぞり、掌で玉袋の辺りを圧迫する。
情けない男の声が聞こえたと思ったら、それは俺自身の声だった。

「"契約には心身の同調が必要不可欠よ"」

夜魔の女王になりきった瑠璃が、耳許で囁く。

「"あなたはただ、わたしに身を委ねていればいい"」

耳穴が、温かく湿った何かに蹂躙される。
首筋を撫でられ、耳たぶを甘噛みされるごとに、背筋を快楽の電流が走った。
服越しの刺激だけで、射精してしまいそうな感覚があった。

「"フフ、出してしまいなさい、真夜。きっと、ものすごく気持ちよくなれるわ"」

瑠璃は俺の頭を抱え、止めとばかりに舌を絡めてくる。
股間を摩擦する瑠璃の手が速まり、重く、怠い感覚が腰を包み込む。

「ああっ、ダメだ……俺……もうっ……!」

651:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:51:01.34 oFS8uKTF
勝ち誇った笑みを浮かべて、瑠璃は俺を見つめた。
俺も満面の笑顔で瑠璃を見つめ返してやった。

「"我慢できねぇ……なーんて言うと思ったか、夜魔の女王"」
「え?」

呆気に取られた瑠璃の頬を両手で挟み、今度はこちらから唇を押しつける。
玄関先でしたものと比較にならないほど濃厚なキスをしてやると、
瑠璃は腰が抜けたように座り込み、潤んだ瞳で俺を見上げた。
ささやかな背徳感が脳裏を過ぎる。

「"け、契約の儀はわたしが―"」
「"俺がしてやられてばかりだと思うなよ"」

攻守反転。
瑠璃の体に体重をかけ、畳の上に組み敷く。
手製の衣装を傷つけないよう、優しく上の着衣を脱がせると、
先ほどまでの威厳はどこへやら、瑠璃はイヤイヤをするように首を振った。
裸を見せ合った回数は既に十を超えているが、未だに羞恥は消えないようだ。
無論、俺としてもその方がそそるが。

「"契約を結ぶには、心身を同調させる必要があるんだろ?
  なら、俺もお前を気持ちよくしてやらないとな"」
「そんなセリフ……どこにも……や……んっ」

固く尖った乳首を口に含み、舌先でつつき、歯を立てる。
艶っぽい嬌声を聞きながら、瑠璃の秘所へと手を伸ばす。
サテン地のスカートを捲り上げると、ワンピースを着ていた時と違う黒の下着が覗いた。
おそらく、このコスプレのためにわざわざ履き替えたのだろう。
その役者魂には怖れ入るが……この分だと、また履き替える必要がありそうだ。

652:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:51:58.28 oFS8uKTF
「"大洪水じゃねえか、夜魔の女王。
 俺を責めてる時からこんなにしてたのか?とんだ変態だな"」
「ち、違っ……」
「……何が違うんだ?言ってみろよ」

言葉で嬲りつつ、俺は瑠璃の下着のクロッチ部分を脇にずらし、
濡れそぼった茂みに中指を埋没させていった。
股を閉じて抵抗しても、遅い。
親指の腹で充血した秘核を摩擦しながら、根本まで埋まった中指を、指先で円を描くように動かしてやると、

「っ……はぁっ……」

切なげな吐息を漏らし、身悶えする瑠璃。
しばし手淫を楽しんだ後、俺はお約束として、引き抜いた指を瑠璃の目の前に持って行き、

「"夜魔の女王も、所詮は女だな。いや、厭らしい雌か。
  ぐしょぐしょに股ぐらを濡らして、ずっと男が欲しかったんだろう?あん?"」

あれ、真夜ってこんなキャラだったっけ。
自信は無いが、瑠璃の反応を見る限り、台詞選びは悪くなかったようだ。

「"そんなに意地悪……しないで頂戴……"」

白皙の肌を朱色に染めて、懇願するような眼差しを注いでくる。
ただそれだけの仕草で、俺のリヴァイアサンの硬度は三割増である。
俺は下の衣装を脱いで一物を取り出し、物欲しそうにひくつく割れ目に宛がった。
が、すぐには突き入れずに、瑠璃の耳許で囁く。

「"契約が完了すれば、俺とお前は対等の関係になるのかもしれない"」
「"…………"」
「"でも今だけは、俺がお前の主だ。
  いいか、夜魔の女王。お前はこれから、ただの人間の男に、犯されるんだ"」

653:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:53:16.02 oFS8uKTF
言い終えると同時に、一息に腰を沈ませる。
肉壺はこれまでにない熱さと湿り気で、俺の一物を包み込んだ。

「――ッ」

背筋を弓形に反らせ、呼吸さえ忘れて快感に溺れる瑠璃。
性行時の快楽の度合いは、女の場合、精神状態が大きく影響するという。
その理論を信じるなら、夜魔の女王のコスプレをして、同じく仇敵・真夜のコスプレをした男に犯されているという状況は、
瑠璃に最高の快楽をもたらしているに違いなかった。
彼氏彼女のエッチよりも気持ちいい、と言外に言われたようで、悔しくないと言えば嘘になるが、
まあ仕方ないか、と諦めている自分がいるのも事実だ。
実際、普段よりずっと瑠璃の中の具合がいいしな。

「"もっとだ、もっと俺を満足させろ、夜魔の女王"」

小ぶりなお尻を抱え上げ、性欲処理機を相手にしているかのように、乱暴に腰を打ち付ける。
瑠璃は息を弾ませながら、

「"はぁっ……あっ……ふっ……あなた……真夜ではないわね……"」

役から外れすぎたか、と一瞬ドキリとしたが、

「"あっ……んっ……真夜の中の異形の血が……っ……本能の解放と共に目覚めたというの……"」

流石は瑠璃、脳内補正バッチリである。
コレ幸いと俺も追加設定に乗っかり、

「"ああ、そうだ。今の俺は真夜でも漆黒でもない、お前を犯し尽くすために生まれた人格だ"」

なるたけ低い声色で言い、根本まで一物を突きいれる。

654:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:54:49.09 oFS8uKTF
最初の三回までは試行錯誤の連続だったものの、
今や瑠璃の体の悦ばせ方は、本人の次に知悉している自負が俺にはあった。
一物のカリ首を使い、秘核の裏側にあたる部分を、孫の手の要領で刺激すると、
「ああぁっ」と甲高い悲鳴を上げ、瑠璃はあっさりと絶頂に達した。
が、そこでストロークを加減してやるほど、俺が演じている役は優しくない。

「"もう……っ……ダメ……許して……お願い……"」
「"お前は黙って契約に集中しろ。
  それともイキ癖がついて、契約に集中できなくなったか?"」

瑠璃は息も絶え絶えの様子で、首を横に振る。

「"はぁ……あぁっ……もう少しで……んっ……契約は、完了よ……"」
「"いいだろう。完了と同時に、俺もお前の中に、たっぷりと子種を注ぎ込んでやる。
  どんなガキを孕むか楽しみだな"」
「"だ、ダメっ……それだけは……そんなことをされたら……わたしっ……"」

言葉とは裏腹に、瑠璃の中はキツさを増していった。
無数の襞が、ひとつひとつ別個の生き物のように絡みつき、
全体としての肉壁が、精を絞り尽くさんと蠕動する。
瑠璃に弄ばれていた時と違う、本物の射精感が込み上げてくる。
無論、さっきの台詞は演技で、俺は射精寸前で一物を引き抜き、瑠璃の真っ白なお腹の上で果てるつもりだった。
が、いざその時が来ると、一定以上腰を引くことができない。
理由は単純、瑠璃の両腕が俺の背中に、瑠璃の両足が俺の腰に絡みついているからである。

「お、おま……」
「大丈夫……っはぁ……今日は……安全な日……っ……だからぁ……」

ええい、ままよ。ここまで来たら、その言葉を信じるしかない。
俺は瑠璃の背中を浮かせるようにして、斜め下から一際強く、瑠璃の体を刺し貫いた。

「"イくぞ、夜魔の女王っ!"」
「"あぁぁあぁぁぁっ!"」

一体感に脳髄が痺れ、電流が脊髄を駆け抜ける。
溜まりに溜まった熱い塊を吐き出すように、俺は瑠璃の最奥で射精した。

655:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:55:54.87 oFS8uKTF
「本当に大丈夫な日だったんだろうな」

畳の上に寝っ転がりながら、俺は隣の瑠璃に訊いた。

「……嘘はついていないわ」

危険日に中出しした場合、妊娠する確率は約10パーセントらしいが、
果たして安全日に中出しした場合は何パーセントなのだろうか……。
ああ、こんなことなら、もっと学友の猥談の輪に入っていれば良かったぜ。

「なあ……」

隣を見れば、瑠璃は未だ恍惚醒めやらぬ、と言った様子で、ぼうっと天井を見つめている。

「はは、よっぽどコスプレエッチが気に入ったか」
「な―わたしは本来、アニメに忠実な契約シーンの再現をするつもりだったのよ。
 それをあなたが暴走して……」
「言い訳すんな。お前は最初から、俺を焦らして、暴走させるつもりだったんだろ。
 そうすりゃ、俺に無理矢理コスプレエッチをさせられたって言い訳ができるからな」

きゅ、と下唇を噛む瑠璃。言い返せないってことは、図星だってことだ。
俺はそんな彼女の髪を、手櫛で梳いてやりながら、

「なら、最初から正直に言えっての。俺が嫌がると思ってたのか?」
「そんなこと……面と向かって、言えるわけがないじゃない」

それもそうか、と納得する。
俺だって瑠璃に『エッチの時俺のことをお兄ちゃんって呼んでくれ!』なんて死んでも言えねえ。
や、勘違いすんなよ、そんな願望はこれっぽっちもねえからな。

656:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:57:46.80 oFS8uKTF
「これからは、好みの場面が出て来たら、遠慮なく言え。
 俺も出来る限りの範囲で、役を演じてやるからよ」
「ええ……分かったわ。わたしは最早遠慮しない。
 でも、当分の間は、二期の契約シーンに勝るシチュエーションは出てこないでしょうね」

やれやれ、そんなに真夜×夜魔の女王がお気に入りか。
真夜×ルシファーの健気責めツンデレ受け以外認めませんッ、という瀬菜の声が聞こえた気がしたが、無視した。

「けどな、瑠璃。コスプレエッチに協力するにあたって、一つ、条件があるぜ」
「何かしら?」

髪を撫でられるのが心地よいのか、蕩けた瞳で瑠璃がこちらを見る。

「コスプレエッチの後は、恋人同士のフツーのエッチもする。それが条件だ」
「ふふっ……」

と瑠璃は妖艶に笑い、獲物の反応を伺う蛇のように目を細めた。

「あなたは、真夜に妬いているのかしら?
 それとも自分の代わりがいるのではないかと、不安になったのかしら?」

ああ、そうだ。その通りだ。
俺はお前の望み通りの役柄を演じながら、一種の寂しさを感じていた。
瑠璃の目に映っているのは、俺ではなく、マスケラの主人公・真夜そのものなのではないか?
俺でなくとも、真夜を演じることができる男なら、瑠璃は誰でも良いのではないか?
なーんてことを考えていたのさ。

「本当に、莫迦な雄ね」

瑠璃はくつくつと喉を鳴らし、身を起こして、俺の体にすり寄ってきた。

657:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:58:48.92 oFS8uKTF
「わたしにとって、あなたは唯一無二の存在よ。
 代わりなんていない。いるわけがない。
 あなたがいなくなれば……、きっとわたしは死んでしまう」
「瑠璃……」
「さあ、今度は闇の契約ではなく……恋人の契りを交わしましょう?」

瑠璃が俺の上に跨がり、すっかり固さを取り戻した一物を、優しく手に取り、自身の秘裂に導く。
涎のように垂れる白濁液が、たまらなく淫靡だった。

「んっ……はぁぁ……」

一物が完全に呑み込まれる。
俺は瑠璃の体を引き寄せ、ぴたりと上半身を密着させながら、騎乗位で突き上げた。

「京介……あぁっ……好きぃっ……」
「俺もだ……大好きだぞ……瑠璃………」

コスプレエッチもいいが、やはり俺は、こっちの方が好みだ。
それから買い物に出かけた"二人"が帰宅する直前まで、俺たちは深く愛し合った。


さて、この話には少し続きがある。
五更家で晩ご飯―カレーライス―をご馳走になった俺は、
今、下の妹二人と一緒に、居間でテレビを眺めていた。
台所ではおばさんと瑠璃が洗い物をしている。
親父さんは家から遠く離れた仕事場で、泊まり込みでお仕事……らしい。
何度か顔を合わせたことがあるが、外見内面ともに穏やかな、優しい人だった。
壁時計が八時の鐘を鳴らすのと同時に、珠希が小さな欠伸をした。

「ん、珠希、もうおねむ?今日は早いね」
「買い物に行ったせいで、疲れたのかもな」

658:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:59:35.75 oFS8uKTF
日向は普通のお姉ちゃんらしく、優しい口調で尋ねた。

「どうする?今日はお風呂入らないで、お布団入る?」
「……お風呂、入りたいです」

この歳でも女の子か。

「便所ついでに、風呂の準備してくる。寝入るなよ、珠希」

俺は珠希の頭を撫でて、立ち上がった。
五更家の勝手は知ったるもので、俺はさして迷うことなく、縁側の廊下を進んでいった。

「待って待って、京介くんっ!」

トットットット、と小気味良い八拍子が聞こえ、背中に何かが激突したかと思えば、日向だった。

「あたしもお風呂入れるの、手伝うよ」
「一人で出来る。つーか、手伝うって何を手伝うんだ」
「ねーねー、京介くんは今日お泊まりするの?」

人の話聞いてねえな、コイツ。

「しねえよ」
「え~~~~っ!なんでなんで?
 今日はお父さんも仕事でいないしィ、あたしと一晩中ラブラブする絶好のチャンスじゃん?」
「黙れマセガキ。お前とラブラブしてどうすんだ」
「京介くんひっどぉ~~~~い!今あたし超傷ついたんだからね!」

659:名無しさん@ピンキー
11/07/18 12:00:30.67 oFS8uKTF
ぷくーと頬を膨らませ、睨み付けてくる日向。
……良い機会だ。ここらで灸を据えてやるとするか。
俺は屈み込み、日向と視線の高さを合わせて、

「お前、ラブラブの意味分かって言ってんのか?」
「えっ」
「ラブラブするってのが何をすることか、具体的に言えるか?」
「えっと、それは……」

日向は顔を真っ赤にさせて言った。

「し、知らないっ!」
「ウソつけ」
「ウソなんかついてないもん!」
「見たままを言えばいいんだ、できるだろ」

日向の顔色が、赤→白→青→赤と目まぐるしく変化する。

「お前なあ……覗きがバレてないとでも思ってたのか」
「……なんで」
「足音とか……なんつーか、気配?」
「ル、ルリ姉も知ってるの?」
「いいや、あいつは気づいてないみたいだ。
 気づいてたら、何かしらお前に言ってただろうしな」

660:名無しさん@ピンキー
11/07/18 12:02:21.94 oFS8uKTF
日向が俺とルリの秘め事を覗き見していることには、結構前から気づいていた。
今日、日向が母親の買い物に着いていった時も、
晩飯をオムライスとカレーライスのどちらするか珠希と揉めていたが、
結局出て来たのは珠希が希望したカレーライス、
日向が折れたのか、とおばさんに聞いてみたところ、
道中、突然日向が「友達を見つけたから喋ってくる!」と言って、お手伝いを放棄したからだそうで、
しかし日向の行き先は十中八九、俺と瑠璃が愛し合う自宅だったに違いない。
一部始終を盗み見た日向は、おばさんや珠希が帰ってくる頃を見計らい、
一度家を出た後で、友達と遊んできた風を装い、遅れて帰宅したのだろう。あくまで推測だが。

「京介くん、エスパー?」

当たってたのかよ。俺は溜息を吐いて言った。

「性に興味があることを、責める気はねえ。
 でもな、そういうのは、保健体育の教科書見て満足しとけ」
「小学校で……そういうの、教えてくれないし」
「そりゃあ、お前くらいの年で、んな知識はまだ必要ねえからな。実技の観察なんて尚更だ」

踵を返して風呂場に向かうと、日向は俺の行く手に回り込み、腰の辺りに抱きついてきた。

「京介くんは、勘違いしてる。
 あたしが京介くんとルリ姉が、エッチなことしてるの見てたのは……悔しかったから。
 ルリ姉ばっかり、ずるい。あたしだって、京介くんのこと大好きなのに」

声には湿り気が混じり、本気の度合いが伝わってきた。

「……ルリ姉にしてるのと同じこと、あたしにもしてよ」

661:名無しさん@ピンキー
11/07/18 12:03:12.24 oFS8uKTF

頭痛と目眩と顔の火照りが、いっぺんに俺を襲う。
オー、ジーザス。
なぜ神はかような試練を、無垢なる羊に与えたもうたのか。
どうすればいい。どうすれば、この場を丸く収められる?
どう答えれば、日向を傷つけずにすむ?

「なあ、日向。顔を上げてくれ」
「……うん」

結局、俺は先人の知恵に頼ることにした。
彼女の妹に惚れられたが、その子の幼さ故に、慕情を退けざるを得ない、
そんなエロゲ的展開を乗り切れるのは、同じくエロゲ主人公のみである。
ありがとう桐乃。俺、マジで妹ゲーやっといて良かったわ。

「俺がお前に、瑠璃にしたみたいなことをしたら、色々と問題があるんだよ。
 それくらいは分かるよな?」
「うん……犯罪になっちゃうんだよね?」
「そうだ。それに何より、お前の体が、まだ完全に男を受け入れられるように出来てない。
 お前も最初に覗いたときは、怖かったんじゃないか?」

コクコク、と日向は頷き、

「でもね、ルリ姉も最初の頃はすっごく痛がってたけど、
 三回目くらいからかなぁ、今度はすっごく気持ち良さそうに―」
「あーあー皆まで言うな。とにかく、だ。
 お前が俺とそういうことをするには、まだ五年も六年も早い。
 いっぱい飯食って、いっぱい成長して、出るとこ出してから出直してこい」

662:名無しさん@ピンキー
11/07/18 12:04:10.14 oFS8uKTF
俺は冗談交じりに言って、日向の胸を突いてやった。
きゃ、と可愛らしい悲鳴を上げて、日向は無い胸を隠す素振りをする。

「京介くんのエッチ……でも、期待してもいいんだよね」
「おう」

中学生、高校生に上がれば、日向も人並みに恋をするだろう。
そうすれば数年後には、この日の約束は、恥ずかしい思い出として風化しているはずだ。
俺はそう高をくくっていた。

「あたし、一途だよ。京介くんが思ってるより、ずっと」

ちゅ、と懐かしい響きが聞こえた。

「呪い、かけたから。ルリ姉がかけたのと、同じくらい強力なヤツ」

はにかみ笑いを浮かべた日向が、ステップを刻んで距離を取る。
唇に残る、熱く湿ったキスの痕。頬にされるのとは訳が違う。
しかも呪いって……お前は五更家の反厨二病勢力筆頭じゃなかったのかよ。
狼狽える俺を余所に、日向の体がピタリと静止した。

「どうしたんだ……?」
「…………」

日向は一点を凝視したまま、一言も喋らない。
俺は妙な胸騒ぎを感じて振り返った。


―夜魔の女王がそこにいた。

663:名無しさん@ピンキー
11/07/18 12:04:57.90 oFS8uKTF
「そう。そういうことだったのね。
 これまで考えすぎだと、有り得ないと、自分に言い聞かせてきたけれど……。
 やっぱり、わたしが甘かったみたい。
 あなたがここまで節操のない雄だと、見極め切れていなかったのだから」
「瑠璃、少しでいい。少しでいいから俺の話を、」
「言い訳無用。あなたの罪は極刑……いえ、万死に値するわ」
「ル、ルリ姉、京介くんは悪くないよ」
「黙りなさい」
「ひうっ」

ああ、今日は世にも珍しい日だ。
黒猫、白猫、エロ猫、そして闇猫。瑠璃の四変化を見られるなんてな。
どこから持ってきたのだろうか、彼女の手には、鋭利なGペンが握られていた。
あれで刺されたらさぞかし痛いことだろう。

「死になさい」

ああ、いったい俺は、どこで選択肢を間違えちまったんだ?
凄艶な笑顔が、鬼の形相に変わった。
俺は土下座作戦を中止し、裸足で庭に逃げ出した。


おしまい!

664:名無しさん@ピンキー
11/07/18 12:08:24.02 BQyQ5rrP
よくやってくれた

665:名無しさん@ピンキー
11/07/18 12:12:51.34 AIRKZsxF
GJ。地文とエロさと台詞のギャップが面白かったです。
安全な日だからとのたまう夜魔の女王様が可愛い。

666:名無しさん@ピンキー
11/07/18 12:14:19.21 pD4R1rvn
GJ
こういうのが読みたかったんだよ

667:名無しさん@ピンキー
11/07/18 12:17:23.69 pTIZUXZF
>>625
相変わらず面白くないな
純粋に話作りの才能がまるでない
こういう本格的な話が書きたいならまずは本を散々読んでからにしたほうが良い
恥さらし過ぎ

668:名無しさん@ピンキー
11/07/18 12:20:48.38 HgCzM6j4
煽るなら尚更専スレ行けよ
荒らし行為は歓迎しないわ

669:名無しさん@ピンキー
11/07/18 12:22:56.42 jNIIFPOG
>>633
GJ!


ところで専用スレの意味がない件

670:名無しさん@ピンキー
11/07/18 12:50:18.82 BF789LiY
クソみたいなSSの後にお手本のような良SS
三姉妹も上手く書けてたしエロくて良かった

671:名無しさん@ピンキー
11/07/18 13:51:27.05 QrypJqV/
ふう、和むぜ
いや、和んでもいられないオチのような気もするがw
しかし、旧五更家にインターホンなどと言うハイカラな物はあるのだろうか

ところでマスケラのDVD見てるシーン、多分、お絵かきしてる珠希の名前が日向になってますね
あと、瀬菜の一押しカプは、真×ルシじゃなくてルシ×真。追憶の台詞とか見ても、ルシファーの方が健気キャラらしい

672:名無しさん@ピンキー
11/07/18 14:06:30.90 GjDT2m0Q
>>625
ちゃんと話に区切りがつくかと期待していたのになあ。
ちょっと失望しました。


673:名無しさん@ピンキー
11/07/18 15:33:40.59 oOZEXLvI
やたら伸びてると思ったら専用スレがあるのにこっちに
投下する荒らしが沸いたのか

>>663
そんななか乙

674:名無しさん@ピンキー
11/07/18 15:49:25.83 ynnn9gJu
もうっ、SL氏ったら

675:名無しさん@ピンキー
11/07/18 16:40:21.70 sdaX9Uy+
>>625
めちゃめちゃ面白かった。

続きもお願いしますね!

676:名無しさん@ピンキー
11/07/18 16:55:07.22 igei/a+H
たまちゃん「おねぇさまたちばかりずるいです」

つまりこういうことだな

677:名無しさん@ピンキー
11/07/18 18:04:36.22 E16JIPVV
>>625
まず作品投下乙。今回はエロ描写はいいな。
続いて堂々とこっちに投下した心意気へ乙。一部のガキは気にせずまた読ませてくれ。

さて、今回はオリキャラとあや京の掛け合いだがはっきり言って読む気がしない。
描写なり段階を踏むのは否定しないが極力圧縮してくれることを望む。

最後に黙って投下すれば良い。擁護する人間はいるんだから煽るな。
他の作者に迷惑をかけるやりかたはよくないな。

678:名無しさん@ピンキー
11/07/18 18:08:51.68 /kZr3Yzs
>>625
GJ!!!!続きを激しく期待!!!!

679:名無しさん@ピンキー
11/07/18 18:57:54.55 JQFGJgI2
S,Lさん自演やめてね

680:名無しさん@ピンキー
11/07/18 19:01:11.78 0QCWEKhB
ほっとけー

681:名無しさん@ピンキー
11/07/18 19:30:25.17 ClL3gvAB
>>625
>>663
個人的には両方ともすごく楽しめました、GJ!

682:名無しさん@ピンキー
11/07/18 19:38:11.82 kZCKUpIf
SLのゴミの後にマトモなのが来てくれて良かったよ。

683:名無しさん@ピンキー
11/07/18 19:45:33.01 bNRZ1mzZ
というか、SLの話はもうここら辺までにしとこうぜ。
空気悪くなるし
それよりか誰か日向ちゃんと京介のエロパロ書いてください…
お願いします…

684:名無しさん@ピンキー
11/07/18 23:35:13.57 QqUl39I+
SLさんも香ばしい作品を投下しなきゃここまで嫌われなかっただろうに
読み応えがあるだけに残念だ

685:名無しさん@ピンキー
11/07/18 23:37:59.27 H5eVNHr7
いや香ばしいのは作品じゃなくて本人の性格……もうええっちゅーの

686:名無しさん@ピンキー
11/07/18 23:59:27.60 pD4R1rvn
無駄に長けりゃ読み応えあるんだな
アホくさ

687:名無しさん@ピンキー
11/07/19 00:07:23.77 cEgP1GK4
取り合えず専用スレにいこうな、な?

688:名無しさん@ピンキー
11/07/19 00:20:36.42 Mhp7wym+
ageレスとその後の数レスは高確率で嵐と誘いレスだから触らないことだな

689:名無しさん@ピンキー
11/07/19 00:49:14.26 fT6y2Isn
>>625
つまらなかった。
オリキャラが全然死んでるよ。
あやせも京介もあやせや京介である必然性がゼロ。
やっぱアンタオリジナルで書いたほうがいい。

>>663
うん。まさにこれがSSだね。
キャラクターが原作っぽいし愛もあふれてるのがわかる。
もっと読みたいな。書いておくれよ

690:名無しさん@ピンキー
11/07/19 00:49:35.40 V0Lfam0C
SL氏、面白かったですぞな!
そして、連発で新しいSSを書いてくれた人、GJでした!
住み分けとか言う、いじめっ子が良くやる手口や、何でも比べたがる荒しは無視して、
是非とも続きを頑張ってください!
お二方とも応援してます!

691:名無しさん@ピンキー
11/07/19 01:16:00.09 6Kx1oY6V
黒猫もかわいいけど日向ちゃんもかわいいわー
一途に思われるなんて京介爆発汁

692:名無しさん@ピンキー
11/07/19 01:43:25.41 QzWEksYM
片や、トリを付けオリキャラだらけの駄文を投下し胸くそ悪い捨てゼリフを吐く書き手
片や、原作に忠実かつ構成文章ともに優れた良作を投下し去り際も見事な無名の書き手

俺は後の人がいれば満足
前の人は専用スレでやってくれ

693:名無しさん@ピンキー
11/07/19 01:52:49.54 FVVXvWO0
V0Lfam0C必死すぎるだろ

694:名無しさん@ピンキー
11/07/19 02:05:27.11 AehSU2wI
プロ顔負けのSL氏のすぐ後に投下してる
恥知らずでどうしようもない奴がいると聞いて。

SL氏は荒らしに負けず頑張って!
悪く言ってる奴は全部あなたの才能に嫉妬してるワナビですよ。

695:名無しさん@ピンキー
11/07/19 02:10:34.80 2mBc9zCd
内容のことは置くにしてもさ、どうしていつも余計な事を言って去るんだろうな、SL氏は
そして、自分の気に入らない書き込みには噛み付いて捨て台詞残すくせに
一度だって、>>694みたいなのを嗜める発言をしたことはない。それをするだけでも、大分印象が違うのに
それとも、694みたいに言われて、本気でいい気分に浸っているんだろうか? 違うと信じたい

696:名無しさん@ピンキー
11/07/19 02:15:50.89 ia/CNuiq
恥知らずでどうしょうもない奴は誰だって話だな

697:名無しさん@ピンキー
11/07/19 02:21:31.71 xsoNYqqL
>>695
信者も荒らしもSLの中では当価値だから

698:名無しさん@ピンキー
11/07/19 02:29:44.68 r3BpCc3P
SLはエロシーンの描写だけ途端にアホっぽくてワロタ
まあせっかく結構な長文を書いてるんだから余計なことして荒らさず粛々と投下してくれ

699:名無しさん@ピンキー
11/07/19 02:29:49.69 GVItIXHd
大学生ネタばっかでどんだけ未練があるんだよとは思う

700:名無しさん@ピンキー
11/07/19 02:37:35.21 r3BpCc3P
個人的には大学生編やること自体は歓迎なんだけど
本編ではやらないだろう続編てのは二次創作の醍醐味ではある
オリキャラだって構わない
要はなんのためにそれをやるかだけど

≫695
愉快犯もいるけど何割かは本人の自演
過去スレなんか見れば明白

701:名無しさん@ピンキー
11/07/19 02:41:31.75 ++YGFnZT
SLの書くssすごい好きなんだけど言動が残念や

702:名無しさん@ピンキー
11/07/19 02:47:19.63 ia/CNuiq
まあ問題はSL本人よりも痛すぎる擁護と他の書き手馬鹿にしてる屑なんですけどね

703:名無しさん@ピンキー
11/07/19 02:54:53.15 r3BpCc3P
なにより本編にまでおかしな爆弾仕込もうとしないかが気がかりだわw
言動や前科(?)からして
そうなると「投下だけしてれば」ということすら言えなくなる

704:名無しさん@ピンキー
11/07/19 02:58:29.12 zVT7Aycc
お前ら作者批判する前にもっと作品の批評しろよ
作品に遠慮のない意見をすれば作者は自然に淘汰されていくだろ
稀にゴキブリレベルのヤツもいて困るが

705:名無しさん@ピンキー
11/07/19 03:11:39.03 r3BpCc3P
いや別に淘汰しなくてもいいし
俺妹で楽しく二次創作したいってスタンスならハードルは下がったほうがいい
おかしなやつじゃない限り

706:名無しさん@ピンキー
11/07/19 03:56:39.65 eu4nDBqE
いや明らかに信楽が100%悪いから
基本を守れないとかカス過ぎw

707:名無しさん@ピンキー
11/07/19 03:58:08.08 eu4nDBqE
こりゃ失敬orz

708:名無しさん@ピンキー
11/07/19 04:50:28.54 /3lz+I5/
失敬が、失禁に見えた俺は病気orz

709:名無しさん@ピンキー
11/07/19 04:53:41.13 fGrCZ98r
ちなみに誰のおもらしが見たいんだい?

710:名無しさん@ピンキー
11/07/19 05:13:37.55 K65KLx60
失禁シチュが一番映えるのは潔癖なあやせたん。京介の前で漏らしちゃって羞恥で泣き出すとか可愛い
次点で黒猫。黒猫の場合は京介だけじゃなく、妹達の前でしてしまうってシチュが一番羞恥ダメージ大きそう
あとはブリジットちゃんがイベント後に間に合わなくてってのは鉄板だな

711:名無しさん@ピンキー
11/07/19 06:45:14.71 SPJvu96h
>>710

ためしに書いてみようと思うが、ここであげないほうがいいかな?

712:名無しさん@ピンキー
11/07/19 07:03:39.94 PyxJkkqc
沙織の輪物見てェ…

ダークでもいいけど
いつものメンバー達との乱交ものでも…
(沙織以外はペニバンとか…)

713:名無しさん@ピンキー
11/07/19 07:43:25.59 va574IJM
『信者』とかもまともに書けないアンチって、義務教育受けてんのか?

あ、亡国(あえてこう書く)の民辱学校出身か。納得

714:名無しさん@ピンキー
11/07/19 08:02:11.96 V0Lfam0C
>>711
ここで上げても良いんじゃないかな?
変なの居るけど、負けないで上げて欲しいです。

715:名無しさん@ピンキー
11/07/19 11:28:56.38 Veu2N3b4
>>711
いやいやいやここに上げるんだ

716:名無しさん@ピンキー
11/07/19 12:06:58.45 IKKbqliG
SL66のせいで他の作者の作品みにこれなくなった

717:名無しさん@ピンキー
11/07/19 12:13:08.82 /3lz+I5/
>>711
どのキャラでも、加奈子でお願いします

718:名無しさん@ピンキー
11/07/19 12:28:09.12 tk+LcCJ+
SLさんは専用スレが立つほど凄い人なんだから、こんなスレに来ていただかなくてもいいよ。

719:名無しさん@ピンキー
11/07/19 13:14:58.79 vG1h/GFU
というわけでで感想は専用スレでね

720:名無しさん@ピンキー
11/07/19 14:44:27.95 YgiClEdD
ここはNTRもの書くべきだ。そして京介が主人公補正で
奪い返す話を…。もしくはあやせを緑の悪魔風に…。

721:名無しさん@ピンキー
11/07/19 14:56:28.45 saRPPWWm
>>625
専用スレにゴー

722:名無しさん@ピンキー
11/07/19 15:13:01.02 AAF0faiA
>>632
神おつです

723:名無しさん@ピンキー
11/07/19 16:18:14.49 q7MVcc4T
>>632
面白かった
ああ、日向と珠希が黒猫の年子だったら良かったのに

724:名無しさん@ピンキー
11/07/19 17:23:47.87 saRPPWWm
小学生と幼稚園児だから萌えるんじゃないか!

725:名無しさん@ピンキー
11/07/19 17:50:58.63 7c66Y3rf
普通の恋愛をすることもなく、かといって仲間と連んで馬鹿騒ぎをしたりすることもなく
特に目的もなく生活を送ったためにとても悔いの残る大学生時代であった
講義が終わればそそくさと家に帰り、誰にも呼び止められず、小説に向かう日々が続く
そんな鬱屈した思いが募り、エロパロ板に来ては少しばかり他人より上手い文章ん散らかし
煽り、驕り、荒らし、ちょっとした優越感を手に入れる
自分が振り向かれなかったせいか、とらどらの亜美、俺芋のあやせ等自分を引っ張ってくれそうなキャラを取り上げては
自分の思い通りに動かす。思い通りにしたいから原作とはかけ離れるも気にはしない
他人から指摘されても幾ばくかの自演と信者により聞こえないふりをして
今日も必死に投下作業


そんなワナビに私もなりたい


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