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魔界の王子とその里親御一行様が困惑を極めていたころ、20キロほど離れた草原では年に一度の大イベン
ト「SENKA2011」が華々しく開催されていた。
今回のイベントは「覇権主義の大英帝国軍がファンタジー世界に召喚されますた」というシチュエーション
で、伝統ある英国陸軍歩兵部隊の赤服に身を包んだ参加者がクラシカルな先込め銃を構え、キプリングの詩
の一節のように“英雄たちの赤い線”を作って続々と進軍していく。
彼らの攻撃目標はこの日のためにハリウッドの大作映画並みの予算をかけて作られたフランスはプロヴァ
ンヌ地方の農村を再現したオープンセットであり、侵攻軍に蹂躙される村人役-ファンタジー世界の住人と
いうことで選ばれたエルフや獣人といった人外や魔法使い-の牝畜を相手に、欲望の赴くままエロスとバイ
オレンスの宴を繰り広げるという、実に鬼畜なイベントなのであった。
村に攻め入った赤服の一団は手当たり次第に建物に放火し、逃げ惑う牝畜に容赦なく銃弾を浴びせていく。
もちろん見た目は古臭いが牧場の超技術で複製されたマスケット銃から発射された弾丸が、牧場の財産であ
る牝畜たちの美しいボディに傷を負わせるようなことは決してない。
撃ち倒された牝畜は死体にたかるハゲタカのように集まってきた兵士によってたかって着衣を剥かれ、全裸
に縄をうたれて炎に包まれた村の中を罵声と嘲笑を浴びながら引き回される。
そしてあるものは半壊した民家の梁に縛り付けられ、またあるものは馬小屋の藁の上で、そしてまたあるも
のは路上でと、いたるところで陵辱され、メスの悲鳴をあげていた。
<逃げる奴はベトコンだ、逃げない奴はよく訓練されたベトコンだ>
某戦争映画の名言のように反撃を試みる勇敢な牝畜もいる。
「あんた達、タダじゃおかないわよッ!」
金色に実った麦畑の中で賢狼ホロのスレンダーな肢体を蹂躙していた赤服の一団に、ポニーテイルをなびか
せ疾風のように襲い掛かるのはボディラインの浮き出たハイレグレザーアーマーに身を包んだクールビュ
ーティ、処刑悪魔ガーベラ。
振り上げた右手の爪がサーベルのように伸び、のんびりと順番待ちをしていた赤服を切り裂…かなかった。
「…え?」
パリンと軽ーい音をたて、ポテトチップのように砕け散ってしまった爪刃を見つめ、思わず動きを止めてし
まったガーベラの腹に逆手に構えた銃床が叩き込まれる。
「が…は……」
記憶操作により忘れさせられていたが、このイベントへの参加が決まった時点でガーベラの肉体には牧場魔
術研究班の手による術式が埋め込まれ、悪魔の力のほとんどを奪われていたのだ。
無駄な抵抗を試みる原住民を力でねじ伏せてこそのSENKA。
無意味なこだわりに全力全開で間違った情熱を燃やす、それが牧場魂である。
「気の強い女は好みだ」
「すぐにヒイヒイ言わせてやるぜ」
羽交い絞めにされたガーベラの革鎧を剥ぎ取り、露わになった豊かな乳房を揉みしだきながら、赤服たちは
下品に笑う。