11/06/23 00:52:12.81 /J2h7+XL
俺は準備にとりかかる。
目を覚ましたアルフに用意する、最高にして最悪の朝メシだ。
俺は肉焼きセットを取り出し、右手に鉄串を持つ。そして左手で汚れた女の首を持ってく
る。
「本来なら食えたモンじゃないんだがな。インパクトは大事だよな」
泥まみれで食欲をそそらないうえ、頭蓋骨割らなきゃロクに食べる場所もないだろう。だ
が、コイツが目の前にあったら、アルフはどれだけ衝撃を受けるか。
「頭はさすがに固いから串が通らないな。あー、どうすっか。耳の穴でいいか」
鉄串を、グリグリと耳の穴に突き刺す。やや硬い感触があったが、力任せに突き入れてや
ると串は貫通し、反対側の耳から血にまみれた串が現れた。
「へっへっへ。頭に両腕に、両脚。内臓もこんがり焼いて周りに並べておくからよ。いつ
でも目を覚ましていいぜ。アルフよ。そして盛大に泣き叫んでくれよ。それが俺の目覚め
の合図になるんだ」
憧れていたセンパイが、自分の手にかかって殺され、自分の手で料理されている光景。
アルフの心を殺すには、十分なものじゃないか。
これでいい。
「それじゃ、俺はこれからハンター生活を送っていくために、肉焼きに慣れておくとしよ
うかね。ぐへへっ」
俺はどっかりと腰を下ろし、肉焼きセットに火を入れる。
「ちゃんちゃちゃん、ちゃちゃちゃ…」
軽快な俺の鼻歌と共に、髪の毛が焦げる不快な匂いが辺りに充満する。だがやがて、匂い
は香ばしく、食欲をそそるものに変わっていく。
ハンターの食欲を刺激するような、香ばしい匂いに変わっていく。
「へっへっへ。上手に焼けましたァ!!」
END