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「そ、そのまさか……。こいつは、料理だけじゃなくて、裁縫とか、掃除とかの家事全般がプロ並みなんだ
よね……」
傍らの陶山は、川原さんの脇腹を肘で小突き、小声で「余計なことを言いやがって……」と詰っている。
「まぁ、つい口が滑っちゃったけど、いずれはばれるでしょう? それに、男で裁縫やるってのは、別に恥
じゃないわよ。あんただって、内心は誇らしいんでしょ?」
「んなことあるかい……」
「まぁ、いいわ…。でね、これが高二の時の亮一の作品。文化祭でメイド喫茶やることになって、
そのメイドさんの衣装を作ったの」
そう言いながら川原さんは、自身の携帯電話を差し出した。もう、秘密も何もないということか。
その液晶画面には、紺を基調としたメイド服姿の川原さんと、同じくメイド服を着た女子二人が写ってい
た。写真の彼女らが着ていたメイド服は、ぴったり各人に合っていて、まさにジャストフィットという感じ
だった。
「すげぇ似合ってるよ。本物のメイドさん以上のメイドさんって感じだな」
「そりゃ、着てるのが、あたしとか、そこに写っている二人だからね。モデルがいいのよ」