11/08/28 19:31:14.91 PZDlv+bx
(話し合いの際のキスで爆発しそうになったけど…やっぱりベッドで抱きたいよな)
久しぶりにするのだから、互いに禊を終え、最も綺麗な状態の冴花を抱きたい。
それが、祐真の根本的な欲求だった。
「…て、こんなところで考えててもラチあかないよな」
狭い一室でぶつぶつ呟く自分がなんだか哀れに感じて、祐真はリビングへと戻っていった。
戻る途中、祐真は浴室の電気がつけっぱなしであることに気付いた。
「…?つけっぱなしか。俺がしてたらすぐ怒るくせに。やれやれ…」
ちょっぴり愚痴を言いながら脱衣所に入る。
が、なぜか室内は温かい。
「…おかしいな。俺も冴花も、風呂には入っていないのに」
まるで、既に風呂が炊かれているかのような…。
「…なるほど」
ゆっくり浴室のドアを開けた祐真はすべて合点がいった。
風呂はすでに炊かれており、柑橘系のさわやかな香りもする。
湯が冷めていないことから、炊かれてそれほど時間も経っていないのだろう。
冴花がこれほどまでに完璧な準備を施していたことに、少し驚きを覚える。
―あいつも、先の展開を望んでいるのだろうか。
「だとしたら…こんなところで油売っている場合じゃないよな」
念のため、浴室の電気は点けたままにしておいて、祐真は再びリビングに戻った。