11/07/26 22:51:02.21 opL9SV1A
「……どうですか」
「ああ、気持ちよかった」
「そうじゃなくって、わかりましたか?」
「何が」
「いいようにされる側の気持ちですっ!」
ああ、やっぱりそっちか。
実は途中からわざと従ってました―なんて言えるはずもなく 、俺はゴニョゴニョ言葉を濁して、でもな、と続ける。
「俺は決して美空ちゃんを無下にしたことなんてないぞ。
そりゃたまに子どもっぽいなぁって思うことはあれど、本心で君のことをただの子どもと思ったことはない。俺は君のことが、『女性』として大好きなんだ。もはや離れようったって離れられないし、離す気もない。勿論、嫌われたくもないさ」
俺はこの子の目を見る。
この子の焦点はしっかりと俺を追いかけていて、確信した。
もう暗示は切れている。
「そんなことわかってます」
この子は顔を赤く染めて、しかし憮然として言った。
「わたしはとても大切にされてます。わたしは愛されてます。わかってるんです、そんなこと。……子どもっぽいというのは体型以外認めませんが」
体型は自覚あるのか。
「わたしだって大好きです。
離れたくないです。いつだって側にいて、手を繋いでいたいです。だけど、好きだからこそ」
「好きだからこそ?」
「不安にもなりますよ。わたしは自分を省みて、鏡の前の自分を見つめて、本当に恋人なのか、たまーに疑っちゃいます。でも、そんなのは愛の力で吹き飛ばせます」