11/07/26 22:43:37.69 opL9SV1A
最後に見たのは確か半年ほど前、久し振りのデートと白瀬の緊急連絡が被り、土壇場でキャンセルとなった時だったか。
しかも緊急連絡と言うのは白瀬の嘘で、何となく喋りたかったから呼んだのだ、と言われて激怒、
結果俺は一日に二人の女に泣かれると言う憂き目にあったのも記憶に新しい。
……あの時は、俺が何を言ってもしばらく口を利いてくれなかった。
でも、この子も心のどこかでは不可抗力だったと分かっていたのだろうか、単に気持ちの整理がつけられなかっただけだったらしく、
一週間後、この子が涙ながらに俺に謝ってめでたく終戦となった。
果たして今回はどうだろうか。悩む間もなく、答えは出た。
非は完全に俺にある。となると、動かねばならんのは俺だ。じゃあどう動くべきか。
そうして自問を繰り返していると、いつの間に頬袋をもどしたのか、ボソッとした呟きが聞こえた。
「……今度は」
「ん?」
「今度は何をぼんやりしているんですか?」
「うん。美空ちゃんに、どうやって謝ればいいのかなって」
どうやら、意外にも向こうから取っ掛かりをくれそうだ。
「別に、わたしはそんなに怒ってる訳じゃないんですよ。わたしは大人ですから」
語尾を強調して、この子は続ける。