12/06/13 22:44:13.06 81CGhdHN
「何だよ、コレ」
トレーニングウェアに着替えようとしていた俺に、トレーニングを終えたネイサンが
いい物をアゲルと、カップメンの調味料のようなパッケージを俺によこした。味噌、
などの表示はなく、目にどぎついカラフルさだ。
「んふふ。媚薬よ媚薬」
「……はあ!? いっらねーよ!」
俺は慌てて突き返す。
だが、ネイサンは引きとりはしなかった。何やらセレブの間で流行っている物
らしいが、そんな怪しげなもの、気持ち悪くて使えない。そもそも使うあてもない。
「媚薬なんてマユツバ物だろ。そんな事言って、ヤバいクスリなんじゃねーのか?」
ネイサンの事は信頼しているが、セレブとかなんとか―人の上に立ってあぐらを
かいている連中というのはどうにも怪しげだ。『セレブ御用達』の乱交パーティーでは
合法非合法かまわず雑多なクスリが飛び交っているという噂だって聞く。
そもそも今更そんなクスリを使ってまでどうこうしたいという気も起きない。男を
捨てたつもりはないが、学生時分ほどお盛んなわけでもない。
「まあ、持ってなさいな。別に、あるからって必ず使え、ってわけでもないのよ?」
そう言ってぽんぽんと俺の肩を叩いた。
「何なら今ここでお互いに使ってみる?」
「―!?」
「会議が無ければお付き合いしてあげるところなんだけど、残念ねぇー」
そう言ってからかうとくすくすと笑い、出て行ってしまった。