11/11/03 08:24:40.37 3df8Qd0o
「そういえば、何か俺に頼みごとがあるって言ってたけど…えっと、何なのかな?」
ノエルが一度会話を中断したので、ロイドは本来の話の内容を聞いてきた。
ノエルはここからが本当の勝負だと腹をくくり、ロイドと向き合った。
「その…えっと…変なことを聞きますけど、ロイドさんって…お、お付き合いしてる人がいたりしますか?」
「えっ…!?」
ノエルらしい、ド直球な質問にロイドに問いかける。
もう後戻りはできなくなったものの、まだ恥じらいが残ってしまうノエルは困惑したロイドを見て慌てて訂正する。
「い、いえ!深い意味とかじゃなくて!その、そうだ、フランとどうなのかな~って話してて」
「あ、ああ。なるほど。はは、そういう話女の子は好きそうだもんな」
もちろん、深い意味があるのだが。
実際にフランとその話もしていたので嘘はついていない。
ロイドの答えを聞きたいけど、聞きたくない。
そんな矛盾を抱えながらノエルはゴクリと唾を飲み込む。
「うーん、残念ながら今はいないよ。周りに良い子が一杯いるのにちょっと不甲斐無いけどね」
本当にワザとではないかと疑うような言葉をサラッと言ってのけるロイドに少しだけ呆れてしまった。
その良い子というのに自分も含まれているのだろうかと期待し、ノエルはずっと握っていた右手を顔の前にもっていき、コホン、と軽く咳払いをしてそのままロイドに差し出す。
「あの、でしたら。これをしばらく預かっていただけませんか?」