11/04/10 08:03:49.25 HYPTNm5m
>>1おっつー
共に歩みぬく意志の続きと
前スレ532のイリア×リーシャ
マダー?
14:名無しさん@ピンキー
11/04/10 08:37:05.84 Fz+gWjeR
>>1乙
エリィのおっぱいいいい
15:名無しさん@ピンキー
11/04/10 22:22:15.00 dtc9StDR
>>1乙
ティオのちっぱいはいただいた!
16:名無しさん@ピンキー
11/04/11 02:17:15.88 dAZPYo9j
>>1乙
>>13
ちと長く風邪引いてたイリーシャ(?)もうちと待ってねー
17:名無しさん@ピンキー
11/04/11 09:50:36.34 7BtRIy7s
>>16
風邪はもう大丈夫か?
こっちもSS書き上げたけど
もう少ししたらイリア×リーシャがくると思うと楽しみ過ぎるので投下は控えて待ってる
18:名無しさん@ピンキー
11/04/11 11:21:37.16 nAJ0HWMB
>>16
お体をお大事にしてください
19:16
11/04/11 20:02:51.50 9dQ2/iU0
>>17
書き上げたなら先に投下してくださいよー!
…いやなんか、期待してくれる人もいるもんで。
よーし頑張っちゃうぞーで一気に導入書き上げて現在エロシーン突入中… 明日か明後日にはなんとか…
20:名無しさん@ピンキー
11/04/11 21:18:21.17 rrXxG4LU
l川川川川川川川川云三、:::::::::::::::ヾミ从从川川川川川川川川川川
l川川川川川川 У 二二”'''=::::::::::::::::=''”二ヽ从川川川川川川川 |
川川川川川У:: =三エェミ }::::: :::::::zェエ三  ̄^ヽ川川川川川
川川川川/:::::: `ー‐” /::::: :::::“ー‐ V川川川川
川川川川::::::... /:::::: l川川川
Ⅵ川川川::::::::::... ノ::::::::: 、::.... l川川
ヾ川川|:::::::::::::.. (_::::: _)ヽ::..... 川川
ヾ川川ヽ、 :::::::......./::::::::⌒ー―⌒ .....\::::::...... . 川
`"'''''l:::::::::::: {::::ZZzzzzzzzzzzzzZZ:::} 川
ヽ::::::::::: ::::`=エエエエエ=´ /-、
ヽ:::::::::::: `====´ / 三`丶
21:名無しさん@ピンキー
11/04/11 22:43:04.76 7BtRIy7s
>>19
いやいやいや
1ヶ月2ヶ月後ならともかく
明日か明後日なら一読者として全力でwktk待機です
22:名無しさん@ピンキー
11/04/12 12:24:06.82 XpXse+y4
__,,.........,,,__
,、 ‐ '": : : : : : : : : : :``ヽ、
,、.:' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
,ィ' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
-ッ´/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : : : : : : : : : : ヽ
//:/ : : : : : : : ;ィ' : : : : ;、 '´/ : : : : : : : : : : : : : : '.,
//: : : : : ッ:.:// : : : / /.: : : : : : : : : : : : : : : : :',
/ /: :,ィ : : ://7゛: ;/ /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
/: :///: :/ _,,.イ;;_'゙´ / : : ;ィ : : : : ;ィy: : : : : .; : : : :l
!//: : l: .;イ f'"´ ,.、-.、ヽ、 /: :/;.:、 ‐'"´/;、‐<ソ゛. : : : |
/: : /|/ l i!;::(シ::) '、 // '´ _,._;ッ;,'、,_ /: : ;. : : :l
l : :i 〈〈', ヽ ' ー ゛ , ´ /,、.-.、 ソrイッ' : :/ /
! :ハ :ヽ', `' ‐-ッツ i:::(シ::i! l〉/ :/: /
'゛'; k : ', ´´ 、ト、`' - '゙ ,シ/: :/
` ヽ:.', `ヾ``''ツ7゛:´: : : /
23:Kメンテ
11/04/13 22:44:18.74 9TJqsEj6
HN決めてみた投下予告者より。
うーん、このままではイリア×リーシャ今日中の投下は無理そう・・・。
「順当に書き上げられれば」3日以内ってとこかな・・・。期待してた人スマソ。
因みにタイトルは・・・今考えた(お)。SSの最後に組み込むと面白そうだ、なんて
もうちょっとだけお待ちください。
24:名無しさん@ピンキー
11/04/13 23:08:17.73 vciZU9B2
>>23
順当で3日、ですね
了解
焦らしプレイと思って待ってます
25:名無しさん@ピンキー
11/04/14 00:29:38.99 ooO9ttED
l川川川川川川川川云三、:::::::::::::::ヾミ从从川川川川川川川川川川
l川川川川川川 У 二二”'''=::::::::::::::::=''”二ヽ从川川川川川川川 |
川川川川川У:: =三エェミ }::::: :::::::zェエ三  ̄^ヽ川川川川川
川川川川/:::::: `ー‐” /::::: :::::“ー‐ V川川川川
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l川川川川川川川川云三、:::::::::::::::ヾミ从从川川川川川川川川川川
l川川川川川川 У 二二”'''=::::::::::::::::=''”二ヽ从川川川川川川川 |
川川川川川У:: =三エェミ }::::: :::::::zェエ三  ̄^ヽ川川川川川
川川川川/:::::: `ー‐” /::::: :::::“ー‐ V川川川川
川川川川::::::... /:::::: l川川川
Ⅵ川川川::::::::::... ノ::::::::: 、::.... l川川
ヾ川川|:::::::::::::.. (_::::: _)ヽ::..... 川川
ヾ川川ヽ、 :::::::......./::::::::⌒ー―⌒ .....\::::::...... . 川
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ヽ:::::::::::: `====´ / 三`丶
26:名無しさん@ピンキー
11/04/14 09:58:22.21 3FJqyV36
>>23
無理やり系だけど鬼畜にならない程度のワジノエを妄想しながら
楽しみにしております。
27:名無しさん@ピンキー
11/04/15 04:14:59.88 mXtFK3Nc
/ , -――‐-、\
/ ./ \ヽ
,' | 'Y
| ./ ,,;;;;;,,, ,,;;;;,,,'、
|,...、 ./ "´__` ´ _`'}
| i^.ヽ| ノ 〇ゝ .; { .ノ.◎ヽ',
'、.( .||.  ̄ ノ '、  ̄ |
\__ィ :::::: , -(_c、,ィ.)、 :::::|
|| | /ィく_ ,. -┴'- 、_>、 /
.|. '、 ヽヾl工l工lア/./
/\\ ` \__ノ /
,,-<´\ `''-`''-.、 '⌒ / \
,,-''´`"'-、\ .\ ` ―-´ \
28:Kメンテ
11/04/16 14:44:02.34 VYiMG714
日付が変わったら朝になるまでの間に仕上げて投下します。
では仕事いってくる ノシ
29:名無しさん@ピンキー
11/04/16 15:29:33.37 zvlbhhL+
楽しみにしています。
30:Kメンテ
11/04/17 05:23:21.47 Y6uVFAsd
残業長かったけど、帰ってきて一気に完成させたのでレッツ投下ー。
の前に儀礼的(ぉ)諸注意ね。
・イリア×リーシャです
・言うまでも無く百合でエロスです。苦手な人はスルーをば。
んではどうぞ。
リーシャ=マオは劇団アルカンシェルの期待の大型新人である。
彗星のごとく現れた彼女の、また彗星の様に美しく、軽やかで、それでいて静動見事に入り混じる舞いは、瞬く間にクロスベル市民を更なるアルカンシェルの熱狂へと誘い入れた。
内情としてはアルカンシェルのトップスターであるイリア=ブラティエが、稽古の見物に来ていた只の観光客であったリーシャを、その才を天才的な直感で見抜き、半ば無理矢理誘い入れたというものであるが。
しかしながら、リーシャはイリアに感謝していた。
『家業』として、決して人に知られず、誇れず、陽の当たる場所に立つことも一生無いはずであった『仕事』を-そのことに対し若干の惑いを持ちながらも-淡々と、淡々と、こなしていくだけであった自分に光を照らしてくれた彼女に。
リーシャのお披露目の舞台となる劇の題目は、『金の太陽 銀の月』。なんと皮肉な題目名だろうと思った。イリアが演じるのが太陽の姫ならば、自分が演じるのは月の姫(姫という時点で色々不相応だとも思った)。
自分の裏の顔は、誰にもその正体を知られることはない・・・それを知るのはただ月の明かりのみ。芝居染みた言い方をすればそのようなものだ。
それでも、懸命に役に努めようとリーシャは全ての打算抜きで誓った。淀みに存在するだけだった自分に、陽の明かりを見せてくれたイリア=ブラティエに報いる。ただ、それだけの為に。
リーシャ=マオの裏の顔。それは東方人街に伝説として語られ・・・しかし今も確かに存在する暗殺者、『銀(イン)』。それを「演じる」ことである。
31:Kメンテ
11/04/17 05:26:07.13 Y6uVFAsd
さて、どんな舞台にも、公演の終わりはやってくる。所謂千秋楽である。
クロスベルだけでなく、諸外国にも名を馳せるアーティスト集団であるアルカンシェルのそれは、言うまでも無く盛大なものになる。
しかし今年のクロスベル創立記念祭に合わせて一般公開された『金の太陽 銀の月』は、
天才・イリア=ブラティエと対になって役目を演じた大型新人.、
リーシャ=マオの存在があり、最後の公演も見事に観客を歓喜の絶頂へと導き、例年にない程の鳴り止まない拍手を以って千秋楽を迎えることとなった・・・
「それじゃ、いくわよ」
「はい」
『せ~の』
『かんぱーーーーーーーーーーーーい!』
イリアのメゾンである。部屋の主であるイリアはそれなりに高級なワインを、向かいに座るリーシャはオレンジジュースのグラスを手に、祝杯をあげた。
最終公演が終わってからの打ち上げパーティーは勿論劇団のメンバー揃って行われたが、イリアがリーシャを「主演二人だけで2次会なんて当然でしょ!ついて来なさーい!」・・・と、
いつもの様にと言えばいつもの様に、自分の部屋に引きずり込んだ次第である。とは言え、基より二人はプライベートでも仲が良いことで知られている(完全にイリアが主導する形で、だが)。ほかの劇団員達もそれを苦笑しながら見送っていた。
ごきゅごきゅごきゅ、と、ワインを惜しげもなく一気飲みするイリア。それワインの飲み方じゃありませんよ、とはリーシャの指摘である。対するイリアはどこ吹く風で早速グラスに2杯目を注ぎながら、
「別にいーじゃない。世間一般がどんな『正しい』飲み方しようと、私は私が一番美味しいと感じる飲み方で飲むって決めてるの」
そう言ってつまみのピーナッツやらチーズやらを引っつかんでは次々口に放り込んでいく。
全く以って、それこそ世間一般で知られるような、天才アーティストのイメージからはかけ離れた姿だが、そんなイリアの『人間らしい』一面を、一番近くで、それも独り占めするような形で見る事ができるのを、リーシャは少しだけ嬉しく思う。
「・・・なによ、リーシャ。私の顔見て笑ってくれちゃって」
「え?」
そんな気持ちがもしかして表情に出ていたのか。気付かぬ間に頬が少し緩んでいたようだ。まったくこれじゃ「伝説の暗殺者」どころじゃないなあ・・・とリーシャは密かに思う。まあ、イリアの前ではできるだけ素の自分でいたいとも思っているのだが。
あるいは、イリアがそんな気持ちにさせてくれているのか。
・・・・・・・・・・・・そうなのかもしれない。
32:Kメンテ
11/04/17 05:27:11.80 Y6uVFAsd
あ、いえ、何でもありません。ただ、イリアさんは楽しそうだなあって・・・」
「ん?そりゃ私ほどこのクロスベルで人生を謳歌している人間はいないと思うけど。お酒だって演劇だって恋だって、楽しんだものが勝ちってね!」
「・・・恋、ですか・・・?」
意外な言葉だった。この女傑でも恋などするのだろうか、と若干失礼なことを考え・・・同時に、何故か、少し、胸が痛んだ。
「そ、恋。まあ今の私は舞台に恋してる女だけどね。と言うより、一生を懸けた全身全霊の恋。きっと私は舞台から生涯離れられないし、離れたくも無いわ」
「そういう、ものですか」
なんでだろう。それを聞いて胸の痛みが消えた・・・と思ったら、先ほどまでとは違う感覚で痛み出した。
「そういうものよ。舞台に立ったばかりのリーシャにはまだわからないかしら?ま、そのうち理解できてくると思うわ」
「・・・そうだと、いいんですが・・・」
自分の『家業』のこと。今の自分は今の『役柄』を本当に心の底から楽しんでやっているんだろうかという自問。そんな思いが口から通じて、俯いての消極的な返事になってしまう。
しかしてイリア。そのリーシャの声量少なき返事をどう受け止めたのだろうか。にんまり、と笑った。
「あっらー?リーシャ・・・あんた、もしかして・・・。舞台以外の別の『誰か』に恋しちゃってるのかしらー?」
「へぁっ!!?」
全く見当違いかつ意外過ぎるツッコミに、非常に間抜けな声を出してしまった。銀の通り名を持つ暗殺者であるところの自分が情けなってくるくらいに。
リーシャは顔を真っ赤にして手をぶんぶん振りつつ、
「ち、違いますよ!そ、そんな男性なんて、い、いません!!」
「あら、私は別にオトコだけとは言ってないけどー?」
ニヤニヤしながらさらにとんでもないことを言ってくれる。
まったくこの人は、他人のペースを乱すことに関しても天才だ・・・!
33:Kメンテ
11/04/17 05:27:43.82 Y6uVFAsd
「いや、イリアさん、それは・・・!それは・・・っ!!その・・・ですね・・・っ」
何だ。何で私は何も言えないんだろう。何でこんなに言葉に詰まっているんだろう。
・・・何で、この人を前にすると、こんなにも自分が自分でなくなってしまうような感覚に陥ってしまうんだろう・・・。
それにイリアはおや、という様な顔をし、次に手に持ったワインの瓶をじー・・・と見つめ。
何か、愉しそうに、笑みを浮かべた。
「あ・や・し・い・わ・ねー、リーシャ?ちょーっと素直になってみましょう、か?」
「・・・はい?」
リーシャが見つめる前で、イリアが丁度空になっていたリーシャのグラスに、ワインをなみなみと注いでいく。
・・・彼女が自分に何をさせたいのか。考えなくてもわかった。
「飲・め♪」
「・・・・・・・・・」
多分、今まで見て来た中で一番愉しそうな笑顔。その笑顔で、グッとグラスを突き出された。
「・・・あの、クロスベルの法律では,確かお酒は2
「私があんたのトシの頃には一日3本は空けてたわよ!つべこべ言わずに飲みなさーい!」
「きゃああああああああああ!!!???」
・・・結局、無理矢理グラスを口に突き込まれた。
34:Kメンテ
11/04/17 05:29:14.14 Y6uVFAsd
1時間はたっただろうか。イリアさんに飲まされたお酒の量は1リットルだっただろうか。1杯じゃないことは確かだ。・・・私は今、何を考えてるんだろうか。・・・何を喋っているんだろうか。
「・・・それでですね、イリアさん。わたしは本当に・・・本当に、イリアさんに感謝してるんですよぉ・・・」
「んー、それ聞くのも3回目だけど、ありがと♪」
頭が論理的思考をまともに組み立てられない。感情のままが口に出る感覚。初めての感覚だ。
・・・暗殺者として完全に失格な気がするけど、もうなんだかどうでもよかった。
え
「だからですねぇ・・・わたしにとってイリアさんは本当に憧れで・・・」
自分でもわかっていなかった、深遠の想いが溢れ出る。アルコールによってふにゃふにゃにされた心の最終防衛ラインは、あっさりとソレを通過させ・・・言葉に通してしまった。
「憧れ、て・・・どうしようもなく、焦がれて・・・。気が付いたら・・・同性なのに・・・大好きになっててっ・・・!・・・でも決してわたしには手に入らないって最初からわかってて・・・って・・・あはは・・・。なに言ってるんですかね、わたし・・・」
・・・そう言って、微かに笑いながらリーシャは俯いた。
とんでもないことを口にしたのかもしれないが、アルコールのせいで今のリーシャにそれを認識するだけの余裕は無かった。
「・・・リーシャ・・・」
自分が飲ませた酒で、思わぬ想いを知ることになってしまった。
そしてそれを決して無碍に扱う事など考えない天才女優は、目の前で俯き、口元は笑いながら、
実は目の端に小さな涙を浮かべている可愛い後輩の秘められた・・・のに、自分が明かしてしまったその想いを、心の中で整理する。
その想いを、自分の中に浸透させるために。理解して、決着を付けるために。
そして、決めた。
35:Kメンテ
11/04/17 05:29:51.80 Y6uVFAsd
イリアは、いつに無く真剣な表情になると、ふいに立ち上がり。
「・・・手に入らないことなんて、ないわよ」
リーシャに、近づいて。
「・・・?イリアさ」
ん、とは続かなかった。その唇が、イリアの唇で塞がれてしまったから。
「・・・・??!!んっ・・・!!ん、んん~っ!!!!???」
「ンッ・・・」
そんなに長い時間ではなく、唇は数秒で離れた。だが、リーシャにとってそれは永遠に感じられるに等しい時間だった。
「・・・ん。・・・何故ならね、リーシャ。・・・私があんたを私のものにするから。あんたはわたしの側にいて、私の時間を、私の想いを・・・私自身を手に入れられるの。言っとくけど、反論は受け付けないわよ。先に心の内を開けたのはリーシャなんだからね」
「・・・イリ、ア・・・さ・・・」
・・・もう一度言おうかしら。『私のものになりなさい、リーシャ。そして私をあんたのものにしなさい、リーシャ』」
言い切られて、酔いは一気に醒めたてしまった。でも、もう時は戻らない。溢れてしまったココロはもう戻らない。
しかし、戻る必要はなかった。
目の前の太陽の光に、月の光は隠されて・・・いや、包み込まれてしまったのだ。
それは、とても力強く、だけど暖かで、優しい光だった。
「ああ、それともう一つ、言い忘れていたわ」
「・・・え?」
ふっと、イリアは微笑んだ。今まで見て来たイリアの様々な笑顔の中で、もっともいとおしく感じられるものだった。
「私も大好きよ、リーシャ」
「・・・っ、イリアさんっ!!」
イリアに飛びつき、先ほどとは比べ物にならない深いキスを交わしながら。リーシャ・マオは今この瞬間だけは暗殺者である自分を完全に忘れることを、決めた。
36:Kメンテ
11/04/17 05:31:55.03 Y6uVFAsd
「・・・いい?」と聞いてくるイリアをリーシャが否定することも無くただ静かに頷き、二人は自然と互いの服を脱がしあった。そして数分後。明かりの消えた部屋の中。産まれたままの姿になった二人の影がベッドの上でひとつに重なっていた。
「ン・・・ふぅ・・・ふ、ンンッ・・・」
「ふぁ・・・あ、う・・・んむぅ・・・」
舌を絡ませあう濃厚な口付けの間、唇の間から艶めかしい吐息が漏れる。肩を抱くお互いの手に自然力がこもり、リーシャは慌てて力を緩めようとしたが、
イリアは逆に手が肩に食い込まんばかりに力強く、抱く。結局それに応えるようにリーシャも力を入れ直し、二人の恋人は互いを抱きしめながら、その唇は離さない。
さらに激しく求めるように、イリアの舌がリーシャの口内にぬるりと入り込み、粘膜という粘膜を蹂躙し、柔らかなリーシャの舌を容赦なく吸い上げる。
頭の中に火花が飛び散る感覚を、リーシャは人生で初めて体験していた。
それは荒々しく、激しく、なのにどこまでも甘く甘く、優しい刺激だった。
もはや自分の舌とイリアの舌の境界までわからなくなってしまいそうな程に、ひたすら絡み合った。
「ん、ふ・・・あむ・・・」
「ンンンン・・・はあッ・・・」
やがて流石に息が苦しくなり、二人の唇は名残を惜しむようにゆっくりと離れ、その間に銀の糸を引いた。
「リーシャ・・・気持ち、いい?」
「は・・・はい・・・っあ!イリア、さんのが・・・わ、わたしの、と・・・」
次にイリアは自分の胸をリーシャのそれにぴったりとくっつけて、ゆっくり擦りあげ始めた。隆起した桜色の突起同士がプルプルと触れ合って、未体験の快感を生み出す。
そして身体を徐々に動かしながら、イリアはリーシャの首筋や肩甲骨へと淫靡に舌を這わしていく。
「~っふぁ!・・・んぁ・・・あ・・・イリア、さ・・・ん・・・!」
「可愛いわ・・・ン・・・リーシャ・・・」
「そ、んな・・・や、ああっ!!?」
リーシャの身体の下方へと向かっていくイリアの舌が、リーシャの豊かに膨らんだ双乳の突起捕らえた。すぐに舌先で踊るように弄り回され、おまけにもう片方の乳首にもイリアの指が伸び、容赦なく弄び始める。
リーシャは今までの銀としての生の中で、様々な痛みを知ってきた。だが、これはこれまでに体験したどんな痛みとも刺激とも違う。胸の先から体中に迸るような鮮烈且つ強烈な感覚が、容赦なくリーシャの脳内を染め上げていった。
「ン・・・(ピチャ)本当、あんたには演技の腕はまだまだ(クチュ)・・・負けないつもりだけど・・・(コリッ)おっぱいの大きさだけはどうしても(チュ)・・・譲るわねー・・・」
「そんっ・・・な・・・恥ずかしいっ・・・!です・・・」
「恥ずかしいから、イヤ?」
リーシャの胸から唇を離したイリアが視線を上げながら、笑顔で、言う。
その笑顔は反則なんです、とリーシャは思いながら気恥ずかしそうに
「・・・恥ずかしい、ですけど・・・今のイリアさんになら、こんなことされても・・・むしろ・・・嬉しい・・・・・・です」
最後の方はほとんど消え入りそうな声で答えるリーシャに、イリアは感慨深そうに
「・・・そうねー。いつもリーシャの胸、割と本気で揉みしだきたいって思ってたけど・・・まさかこんな形で夢が叶うなんて思わなかった」
「・・・そんな変な夢、持たないでくださいよ・・・」
苦笑するリーシャにイリアはわざとらしくムッとしたような表情を作り、しかしどこか愉しそうに
「あらー?そんな先輩女優に口答えするようなリーシャには・・・ほら」
「ひあぁっ!?」
不意に、イリアの指がリーシャの股間に伸びた。既に充分に蜜で濡れたそこは、まるでイリアの触れるのを待っていたかのように襞が顔を覗かせていた。
イリアはしっとりと肌に張り付いたリーシャの柔らかな茂みを掻き分けて、優しく女唇を開かせ、つぷり、と、そこに指を侵入させた。
「フフ・・・リーシャったら、もうココこんなにしちゃってる・・・」
「それ、は・・・あっ!イ、イリアさんがっ・・・上手で・・・っ!」
「上手で、なに?」
ぐちゅぐちゅと肉壁の奥まで指でかき回され、とめどめなく愛蜜を放出して喘ぎながら、リーシャは気恥ずかしそうな笑顔をイリアに向けた。
「恥ずかしい、けど・・・っ!わたしが、イリアさんのこと・・・大好き、だから、です・・・うぁっ!」
37:Kメンテ
11/04/17 05:33:01.51 Y6uVFAsd
リーシャの告白を聞いて、イリアの指が一端動きを止めた。それからリーシャと同じくらい顔を紅くしたイリアは、
「・・・うあー。リーシャ、それ・・・反則よ。・・・たまらないわ」
「え?・・・きゃっ?!」
と、急にイリアは身体の向きを変え、寝転がったリーシャの上に真反対向きにのしかかる様な姿勢をとった。丁度、互いの目の前に互いの秘所がくるような形になる。
「あ・・・」
リーシャは、当然ながら初めて間近で見ることになった恋人の最も大事な部分を思わず凝視した。綺麗に整えられた金色の草むらはすでに滲み出た蜜でしっとりと濡れており、薄ピンク色の女陰は微かに震えて襞が見え隠れしていた。
ポタリ、と雫がリーシャの頬に落ちる。それがイリアの零した愛蜜だ、と認識した次の瞬間には、それを舌で舐め取っている自分がいた。
「・・・私も、リーシャを攻めてたら感じてきちゃった。だから・・・お願いね?」
「は、はい・・・。でも、どうした・・・ひゃああああっ!?」
ゾクゾクゥ!と這い上がるような刺激をその身に受けたリーシャは思わず嬌声を挙げた。何事かと視線を下半身に向けると、イリアがリーシャの秘所、その中でも最も敏感な小粒を軽く噛んだのだ。
「うーん、リーシャのお豆ちゃんカワイイわ。・・・ね、もっと感じて?そして私を感じさせてよ、リーシャ・・・」
そう言いながら、さらに秘所全体を、濡れた茂みを毛繕いするかのように、ピチャ、クチュ、とイヤらしい音をたてて舐めまわすイリア。
(イ・・・イリアさんにあそこを舐められてるなんて・・・!すごく恥ずかしい・・・けど・・・わ、わたしも・・・)
身体中を這い回る激しくも心地よい刺激に身を震わせながらも、リーシャもまたおずおずと目の前のイリアの秘所に舌を差し出した。優しくチロ、と掬い上げるようにすると、口の中に先ほどよりもはっきりと愛液の味が広がった。
(これが、イリアさんの・・・?なんだか不思議な感じ・・・)
それでも、もっとソレを味わってみたいという思いがリーシャをしてさらに深く舌を進めさせる。今度は両手でイリアの秘所をそっと開き、膣内まで舌を差込み、そっと刺激し始めた。
「ぅあッ・・・!い、いいじゃないリーシャ・・・!そう、もっとそうやって・・・奥まで・・・!!」
「イリアさ・・・ひあっ!イリアさん・・・あふっ!!イリア・・・さぁん・・・!!」
「リーシャ・・・!あッ、リーシャぁ・・・!!」
そこから先はもう互いに一心不乱だった。互いを思い遣り、想い合う二人はただ目の前の愛しい存在を全力を以って愛そうとすべく、
指と舌とを巧みに使い、茂みを擦り、襞を舐め上げ、膣内を掻き、すっかり充血した突起を舌先で突付く。溢れ出る蜜は留まるところを知らず、二人の身体とシーツを汚していった。
38:Kメンテ
11/04/17 05:33:37.59 Y6uVFAsd
そしてそのうち、リーシャの身体が小刻みに震え始めた。
「や、イリアさん、もう、わたし・・・!何か、が・・・っ!!」
イリアの秘所から口を離し、唇の端から愛液を零しながらリーシャは叫んだ。
「ん・・・イきそう?なら・・・!」
まだ余裕を感じさせる表情でイリアは愉しげに笑うと、指を一度に三本もリーシャの秘所に突っ込み、ぐちょぐちょと内部をかき乱した。それで一気に性感高まったリーシャは腰をガクガクと震わせ、
「やっ、ひあっ、も、もうっ・・・ぃいああああああっ!!!!!」
人生初の絶頂という名の波がリーシャの全身を覆い流した。ぷしゅ、ぷしゅ、と秘所からは愛液が噴出し、腰は痙攣を止めない。そんな時間が数秒続く中、リーシャはまったくの未体験の快感に心中打ち震えていた。
(わた、し・・・イっちゃたんだ・・・イリアさんと、して・・・)
それはとてもとても恥ずかしい事であったけど、とてもとても幸せを感じられる事でもあった。ともあれ、今ここにいるのは伝説の暗殺者ではなく、期待の新人アーティストでもない、ただ愛する人との行為に喜びを感じる一人の少女であった。
そして、幸せの時間はまだ終わらない。気が付くと、汗だくで微笑むイリアの顔が目の前にあった。
「ダメね・・・」
微笑みながら言うイリアに、まだ息の荒いリーシャは何がダメなのか訊く事ができないまま、
「今の私。本当にダメだわ・・・止められない・・・」
そのまま海のように深いディープキスをされ、震える身体を抱きしめられる。
「どうしようもないくらい・・・リーシャのことしか考えられない・・・」
39:名無しさん@ピンキー
11/04/17 05:37:54.65 mfO6G62O
支援。自分の携帯で(笑)
40:Kメンテ
11/04/17 05:38:06.74 Y6uVFAsd
イリア・・・さん・・・」
「リーシャ・・・いっしょに、感じよう・・・?」
イリアのとろけるような視線を受け、リーシャは一瞬それに見惚れた後、「はい」小さく応えると、イリアの腰に腕を回した。何をイリアが求めているのかのかは、なんとなく想像がついていた。
「んっ・・・」
イリアがそのまま腰を進めると、度重なる愛撫に濡れた二人の秘所が、ぐちゅりと音を立てて触れ合った。
「あぅっ・・・!イ、イリアさん・・・」
「ほら、動くわよ・・・リーシャも、ね?」
「は、はい」
返事を確認して、イリアは腰を前後に揺らし始める。最も感じられる場所が重なり合い、擦れ合うその刺激に、二人は大きく身体を震わせ、未知の快感に酔い痴れた。
「はぁぁぁぁっ・・・!イリアさんっ・・・!ふあっ・・・!!」
「うあッ・・・リーシャッ!あぅ・・・い、イイわ・・・!!」
膨れ上がった肉芽同士もコリコリと触れ合い、その度包皮が剥けて、敏感な小粒が露になる。
整えられた互いの茂みが絡み合って痛みとも快楽とも知れぬ刺激を生み、たまらなく気持ち良かった。
「あ・・・あああ・・・!イリアさん・・・!すごく、熱くて・・・!と、溶けそう、です・・・っ!!」
「わ、私も・・・すごい、感じてる・・・!イリア、素敵よ・・・ッ!!」
じゅぽ、じゅぷじゅぶ、くちゅ。そんな卑猥な水音が秘所が擦れる度に部屋中に響き、二人の愛蜜が混ざり合って零れ、ベッドに淫らな染みを作っていく。
41:Kメンテ
11/04/17 05:39:21.85 Y6uVFAsd
リーシャの存在そのものを全身で余すところ無く感じながら、イリアは目の前でたぷんたぷんと揺れるリーシャの豊満な両の膨らみに手を伸ばした。そのまま貪る様に揉みしだく。
「ひ、ああ!!そん、な・・・っ、気持ち良くてっ・・・!!だ、ダメです・・・!!」
「リーシャ・・・リーシャ・・・!!好き、大好き・・・!!愛してるわ、リーシャ・・・ッ!!」
激しく腰を振り、リーシャの胸を揉みくちゃにしながら、うわ言の様に愛を囁くイリア。
リーシャもまた、それに応える。
「イリア、さん・・・あっ!わ、わたしも、愛して・・・愛してます・・・ひぁっ!!」
その言葉は、掛け値なしの真実。この人は自分に光を与え、光の世界を見せてくれた、
。自分にも光の道を歩いても良いことを教えてくれた、掛け替えのない存在。
一生を費やしても感謝しきれない程のものを与えてくれた存在に出会えたことに、リーシャはたいして信じてもいない女神(エイドス)に感謝していた。そんなヒトと、こうして愛し合える悦びを与えてくれることも。
そうして心と身体に刻み込まれていく快感は、やがて二人を絶頂の極みへと押し上げていく。
「リーシャ・・・ッ、はぅ!私、もう・・・イッちゃいそう・・・はあぁッ!!」
「ん、んん・・・っ!わ、わたしも、もう・・・また・・・うんんっ!!」
「くうぅッ・・・あ!ん、ああ、ひぁッ!!リーシャ、リーシャ、リーシャァァァァ・・・ッ!!!」
「イリアさん、イリアさん、イリア、さん・・・っ!!!」
止めとばかりに腰を前後左右に激しく揺らし、しかし切なく互いを見つめあいながら恋人の名を叫ぶイリアとリーシャ。イリアがふいにグイッと身体を倒し、容赦ないキスを交わし、すぐにイリアも舌を絡めて応える。
くぐもった嬌声、触れ合う秘所から漏れ出る水音、伝わってくる熱。
それら全てが二人の性感を昂ぶらせるスパイスとして機能する。目の前のに霞んで見える相手の瞳に点る光、
今の二人に見えているのはそれだけで、それが世界の全てだった。
-膨れて膨れて膨れあがった快感はやがて弾け飛び、大波となって二人に同時に襲い掛かり。
「イ、イク、もう・・・!!!ッああああああああああああああああ!!!!!!」
「イリア、さ、あ・・・ひ、ああああああああああああああああああ!!!!!!」
重なり合った秘所から多量の蜜が噴出し、相手の同じ場所注ぎ込まれる感覚-
それを感じとりあいながら、二人は大きく身体をしならせ、やがて並んでベッドに倒れこんだ。
繋がれれたその手が離されることは、無かった。
42:Kメンテ
11/04/17 05:39:56.13 Y6uVFAsd
・・・心地よいまどろみに包まれながら、リーシャは考える。
イリアさんは私に光をくれた人。闇しか知らなかった自分に、それはまさに太陽の光だった。
それでも私が闇を抱えているという事実は変わらない。それは私がイリアさんの側にいるために、絶対に知られてはならないこと。
それでももし、私の闇がこの人に知られることがあったなら。或は私の闇がこの人に少しでも害を及ぼすことになるようなことになったら。
私は、この人の元を去る。それは、心に決めた変えられない決意。
・・・でも。
私が、私の闇があなたに知られることのない限り。私は、何に代えてもあなたという存在を守ってみせます。必ず。
私に初めての愛をくれた人・・・イリアさん。
・・・心地よいまどろみに包まれながら、イリアは考える。
リーシャは隠しているけど、私にはわかる。それは直感であり確信。リーシャは人に言えないような大きな闇を抱えているということ。それが具体的に何なのかはわからないけれど。私という光は、その対称であるリーシャの闇に、直感的に惹かれたのだから。
だけど。だけどもし、リーシャの闇がどれ程の深遠にあって、救われないものであったとしても。
関係ない。私は、どんな時でもあんたを守ってみせる。何があっても、あんたを闇の淵からその手掴んでひっぱり出してみせる。それぐらいできなくて、何が天才なのか。
私の愛は重いのよ・・・覚悟しなさい、リーシャ。
『守り抜くことを決めた日』 END
43:Kメンテ
11/04/17 05:43:12.75 Y6uVFAsd
規制って、初めてくらったw
そんなこんなで朝っぱらから終わりです。夜のテンションが切れそうです。
この二人は碧の軌跡で旧(おい)エスヨシュみたいなドラマを展開すればいいと思います。
今後シーカー姉妹とかベルエリとかエリティオとかで百合書いてみたいけど・・・
今は空が明るいので寝ますwではまた。
44:名無しさん@ピンキー
11/04/17 08:37:26.63 EATEXHc4
GJ! 最後の二人のモノローグが切なくて泣けた
次も楽しみにしてます
45:名無しさん@ピンキー
11/04/17 10:04:39.65 PfsMB7iV
乙です
シーカー姉妹もベルエリもエリティオも楽しみにしています。
46:名無しさん@ピンキー
11/04/17 11:32:23.17 8nHV49rh
うむ
善いものをありがとう
ディープキス描写がもっと多いなら吉
尻穴を舌先でしゃぶり尽くす描写があれば尚吉
47:名無しさん@ピンキー
11/04/19 01:11:01.23 arHgJB9t
/ , -――‐-、\
/ ./ \ヽ
,' | 'Y
| ./ ,,;;;;;,,, ,,;;;;,,,'、
|,...、 ./ "´__` ´ _`'}
| i^.ヽ| ノ 〇ゝ .; { .ノ.◎ヽ',
'、.( .||.  ̄ ノ '、  ̄ |
\__ィ :::::: , -(_c、,ィ.)、 :::::|
|| | /ィく_ ,. -┴'- 、_>、 /
.|. '、 ヽヾl工l工lア/./
/\\ ` \__ノ /
,,-<´\ `''-`''-.、 '⌒ / \
,,-''´`"'-、\ .\ ` ―-´ \
48:名無しさん@ピンキー
11/04/19 01:13:20.60 lLvKbz0m
AAはキモイのに長期放置されても勝手に保守してくれてるようなもんだから実害0ってのが泣けるな…
49:名無しさん@ピンキー
11/04/20 00:08:09.87 CV0QBV1/
>>17の書き込みした者です
Kメンテ氏、GJ&ごちそうさまでしたー
こちらも投下します
50:ほーむけあ?【1】
11/04/20 00:09:04.84 CV0QBV1/
「おーい、ロイド。大丈夫かー?」
ランディからの呼びかけに、自室のベッドで寝ていたロイドが上体を起こして、そのままよろめく。
「おいおい、病人が無理すんなよ」
ランディは慌ててロイドを支えると、そのままベッドへ押し戻した。
ベッドのスプリングが弾み、疲労と熱で精気の抜けたロイドの顔が枕の上にのっかる。
「すまないランディ……」
ランディが、脇に転がっていた氷嚢をロイドの額へ載せると、か細い声が返ってきた。
「ティオやエリィは1日で治ったのに……」
「今年の流行り風邪は男が好きなんだろ」
しょぼくれるロイドに、ランディは軽い調子でフォローを入れる。
「ならランディも危ないんじゃないか……? 俺は今日を入れて3日目も寝込んでいるから……」
「お誘いを受けたいのは山々だけど、ウルスラ間道の手配魔獣倒しにいったついでに、病院で予防注
射ってのを受けてきたからなー」
ランディは芝居がかった仕草で残念がると、ロイドに向かって瞳を綻ばせた。
「今、下でお嬢が卵雑炊作っているから、それ食って休んでろ。支援要請の方は俺らでちゃんとやっ
とくから」
ロイドの頭をわしゃわしゃ撫で回して告げると、ランディは一階に戻っていく。
端末で支援要請の内容をチェックしているティオへ軽く手を振ると、台所の扉を開けた。
51:ほーむけあ?【2】
11/04/20 00:09:51.37 CV0QBV1/
「あ、ランディ!」
テーブルの方で人数分のサラダを作っていたキーアが、ドアの開く音で顔を持ち上げる。
「ロイドどうだった? 元気でた?」
「相変わらず、熱でふらふらだな」
「そっかー……」
ランディの報告にキーアが少しだけしゅんとなる。
一方、コンロの前にいるエリィは、こちらへ振り向く事もせず、コンロにかけた土鍋と向き合い続
けていた。
「……」
ごとごとごと。コンロの火の上で、土鍋の蓋が音をたててタップダンスを続ける。
「……おい、お嬢。流石にそろそろいいんじゃねーの?」
「え? あ!」
ランディがエリィの近くに寄って声をかけた途端、エリィが盛大に身動ぎ、反動で手がコンロのス
イッチにぶつかる。
コンロの火が一瞬だけ膨らみ、土鍋の蓋のタップダンスがブレイクダンスに変わった。
「キャーッ」
べべぼー、という謎の擬音とエリィの悲鳴が響く中、コンロの火が消え、土鍋の蓋が床に落ちる。
湯気が消えた後には、紫と碧のマーブル模様がとても鮮やかな卵雑炊が土鍋の中に渦巻いていた。
「……何かしら、これ……」
エリィがひきつった声で呟く横で、ランディが脂汗流して固まる。
「おい、一体何があった?」
物音を聞いた課長とティオが遅れて駆けつけ、土鍋の中身に息を呑む。
「……これでロイド、元気になる?」
唯一、いつもと変わらぬ目で土鍋の卵雑炊を見つめていたキーアが、四人の顔を見回して尋ねる。
が、誰からも答えはこなかった。
52:ほーむけあ?【3】
11/04/20 00:10:09.07 CV0QBV1/
※※※
夜も更け、寝静まった街の空気が不思議な静寂を奏でる中……。
「……はぁ」
エリィが支援課ビルの階段を降りながらため息をつく。
脳裏を過ぎるはロイドの姿。流行り風邪による高熱で、起きているのも辛そうな彼の姿。
(……私が休まなければ、ロイドがあんなに苦しむ事はなかったのに……)
ロイドが倒れる前日、エリィはいつもより身体が熱っぽかった。
すぐに先日ティオがかかった流行り風邪だと気付いて、早目の養生という事で病欠を申請した。
『大丈夫。今日の支援要請は俺達三人でやってくるから。だからエリィはゆっくり休んでてくれ』
そう言って、エリィの頭を優しく撫でて微笑んでくれたロイド。その笑顔がいつもよりも翳ってい
るように見えたのは、熱による朦朧からきた勘違いではなく、彼もエリィと同じ症状になっていたか
らだろう。
そして、一日休んだ自分は回復し、休まず無理したロイドは風邪を悪化させて寝込んでしまった。
数時間後には四日目になる今も、ロイドの熱は下がらず、ひたすら苦しんでいる。
せめて栄養のあるものを、と思って作った卵雑炊は、予想外の暗黒卵雑炊≪べべぼー≫になってし
まった。
(ロイドでなく、私が風邪で倒れていれば良かった……!)
エリィは唇を噛みつつ、一階に着く。
台所にて氷嚢を造り、それを持ってロイドの部屋へ戻ろうとしたその時、食事やミーティング等で
使っているテーブルに雑誌が置かれているのに気が付いた。
「ランディったら、キーアちゃんも見る場所にこんな物を置いて……」
紐のような水着を着た女性が扇情的なポーズをとっている表紙にエリィが顔をしかめる。が、表紙
の一角に書かれた文字が目に留まるや、その表情が一変した。
「『疑問100人に聞きました! 風邪の時に効いたホームケア』……?」
53:ほーむけあ?【4】
11/04/20 00:14:30.05 CV0QBV1/
※※※
ふいに意識が浮上する。
続けてきたのは、全身を炙る熱の感覚。
(まだ下がらないか……)
眠る前と変わらぬ体調に、ロイドは力なく息を零した。
こまめに水分をとっているのに身体は汗一つかかず、皮膚はぱさぱさに乾いたまま。意識や視界に
ヴェールが被さっているような曖昧な感覚は、嫌な疲労感を与えてくる。
(早く治さないと……)
これ以上、皆に―エリィに心配をかけさせないようにしないと……。
ロイドはもう一度息を零すと、頭から外れている氷嚢を拾おうとして、はたと気付く。
(そっか、エリィが新しいのに取り替えるって持っていったままだったんだ……)
枕の脇にもサイドチェストにも置いてないのを見ると、まだ戻ってきてないのだろう。
せめて彼女が帰ってくるまでは起きていようとロイドが決めていたら、扉が開いた。
ネグリジェに身を包んだエリィが、湯気のたつ桶を抱えて入ってくる。ピンクのシルク生地に白い
レースとリボンをふんだんにあしらったデザインのネグリジェが、動きに合わせてゆったりと揺らぐ
様子は、天使か妖精が羽ばたいているように思えた。
54:ほーむけあ?【5】
11/04/20 00:15:44.65 CV0QBV1/
「ロイド、遅くなってごめんなさい……」
「いや、俺も今まで寝てたから大丈夫だよ」
申し訳なさそうに目を伏せるエリィに、ロイドは出来る限りの笑顔を浮かべて返すと、彼女の抱え
ている桶を指さした。
「ところで……それは?」
「ロイド、もう三日も身体を洗えてないでしょう? だから……せめて、お湯で濡らしたタオルで身
体を拭いてあげようと思って……」
ロイドの問いに、エリィがテーブルに桶を置きながら妙に緊張した声で答えてくる。
「え? いやでも……」
そんな事しなくても大丈夫だよと言いかけ、ロイドは迷う。自分では解らないけど、三日もシャ
ワーを浴びてないのだから臭っているのかもしれない。何より、わざわざ用意してくれた好意を無下
にするのも失礼だ。
「解った……それじゃあ、有り難く使わせて貰うよ」
ロイドは上体をゆっくりと起こすと、エリィからタオルを受け取ろうと手を差し出す。が、その手
はすれ違い、タオルを持つエリィの手がロイドの頬に触れてきた。
「え、エリィ……?」
少し焦るロイドを無視して、エリィがお湯で濡らしたタオルでロイドの身体を拭いていく。
最初は顔。次に首。それから一端タオルをお湯に浸して絞り直すと、上着をめくって腕と胸。彼女
の手が身体の上を優しく滑っていく度、ロイドの中にこそばゆい気持ち良さが広がっていく。
パールグレーの髪も本人の手の動きに合わせてロイドの身体を優しく撫で回しつつ、シャンプーの
香りを撒いていく。
ネグリジェで覆われた豊かな胸元も、動きに合わせてゆっさゆっさ揺れていた。
55:ほーむけあ?【6】
11/04/20 00:16:16.72 CV0QBV1/
(まだ風邪のままで良かった……)
もし体調が回復していたら、速攻で理性が吹き飛んで節操無しに押し倒していた。
背中まで拭ってくれた後にまた桶へ戻ってタオルをお湯に浸し直しているエリィの後ろ姿を眺めな
がら、ロイドは、風邪と高熱のお陰で元気のない下半身に安堵する。
ポタポタッ……ポタポタッ……。タオルから絞られたお湯が桶に落ちていく水音が数度響いた後、
エリィが踵を返して戻ってきた。
掛け布団に彼女の手が触れる。
「……さ、先に……ズボン、脱がしても…………良い?」
顔を真っ赤にしたエリィの申し出に、ロイドは驚き、思わず生唾を呑み込む。それが頷いている風
に見えたのか、エリィがタオルを脇に置いて掛け布団をめくってきた。
「あ、その……」
自分で脱げるよと言う暇もなく、エリィの手がロイドのズボンを下げてくる。
(これは、今更自分でやると言うのも失礼だよな……)
ならせめてエリィの作業が楽になるようにと、ロイドは両手で腰を浮かせた。
ずりずりっ、ずりずりっと、ズボンが外れ、下半身がトランクス一枚になる。
エリィは、脱がしたズボンを丁寧に畳んでロイドの足下へ置くと、タオルをとってロイドの両足を
拭き始めた。
足首から膝、膝から太股。それを左右均等に行うと、エリィは再び桶の方へ戻っていく。
ちゃぷん、と、タオルがお湯の中へ落ちる水音が響く。
「ありがとう、エリィ。かなりさっぱり出来たよ」
ロイドはエリィの背中へ向かって礼を述べると、ズボンをはき直そうと足下へ目を向ける。その時、
ポタポタッ……と、タオルを絞る水音が聞こえてきた。
56:ほーむけあ?【7】
11/04/20 00:16:40.26 CV0QBV1/
「え?」
ロイドがズボンをとるのを中止して振り向くのに合わせて、エリィが絞ったタオルを手に戻ってく
る。
「え、エリィ……?」
戸惑うロイドにエリィは何も答えず、視線すら合わさない。ただ、その顔は高熱の出ているロイド
よりも赤く染まって、表情も異様に緊張していた。
(ま、まさか……)
ロイドの頬がひきつるのと同時に、トランクスの裾からタオルを持ったエリィの手が入っていく。
トランクスが大きく盛り上がったかと思うと、高熱でへたれている男根に濡れタオルが触れてきた。
「……!」
タオル越しからでも解るエリィの手の心地よさに、ロイドは思わず息を止める。男根も僅かに反応
するが、すぐにまたへたれてくれたのが幸いだった。
……と安堵するのは早かった。
タオルを持ったエリィの手が、睾丸の下から肛門に続く凹み―俗に言う蟻の門渡り。男の肉体の
中でも特に敏感な箇所―へ回り、つつぅっ……と、中指でなぞっていく。
「っ……!」
痺れにも似た気持ち良さが一瞬で全身を駈け巡り、ロイドはたまらず声を漏らす。
一方、タオルを持つエリィの手は肛門とお尻の方へ回って、丹念に丁寧に拭ってくる。
「!」
タオル越しにとはいえエリィの指が尻の合間に潜り込んできた途端、悪寒にも似たくすぐったさが
尾骨から背骨を駆け上がり、一瞬だけ男根が起きかけた。
「え、エリィ……!」
風邪でなく恥ずかしさで熱が出てきたロイドがたまらず声をあげると、今まで俯いていたエリィが
顔をあげてくる。
真っ赤に染まった顔は緊張でガチガチに強ばり、緑耀石色の瞳に満ちる心細そうな光は今にも涙に
変わりそう。
「ロイド……やっぱり嫌……?」
形の良い桜色の唇を震わせながら問われると、ロイドはもう何も言えなかった。
57:ほーむけあ?【8】
11/04/20 00:17:45.38 CV0QBV1/
タオルを持つエリィの手がトランクスから抜け出る。ロイドにとって今まで一番長く感じた時間が
終わる。
(こ、これで今度こそ終わった……んだよな……)
助かったと思う気持ちと、こんな恥ずかしい事をさせて申し訳ないという気持ちと、もっと続けて
欲しかった……という欲求。それらが高熱で弱っている頭の中でしっちゃかめっちゃかに混ざり合っ
て、ロイドの頭はパニックを起こしていた。
「大丈夫、ロイド……?」
ベッドに引っ繰り返って目を回していたロイドに、エリィの声がかかる。
それで少しだけ我に返ったロイドが声のした方へ顔を向けると、白百合のように滑らかな肌と、珊
瑚色した小さな乳首が視界に飛び込んできた。
ワンテンポ遅れて、全体の映像―生まれたままの姿になったエリィが、恥ずかしそうに顔を赤く
してベッドに膝を付いて乗っている様子―が脳に届く。
「? !??!!?」
再びパニックに陥るロイド。気が付けば、着ていた上着もトランクスも脱がされていて、ベッドの
片隅に畳まれていた。
「ロイド、もし嫌ならいって……すぐに止めるから」
顔を真っ赤に染めたエリィが、今にも消え入りそうな声で告げてくる。
「な……」
何を? と、ロイドが問うより先に、エリィが顔を落とした。
パールグレーの髪の毛が揺らぎ、ロイドの腰の周りに流れ落ちていく。
高熱で未だへたれ続けている男根に吐息がかかったかと思うと、エリィの桜色の唇が触れた。
58:ほーむけあ?【9】
11/04/20 00:18:09.97 CV0QBV1/
「―?!!!」
ロイドが大きく息を呑む中、エリィがロイドの男根を咥えてくる。唇の柔らかな感触をくぐったか
と思うと、舌のざらっとした表面が先端から竿の裏筋を舐めてきた。
「ふっ……ん、っ……」
声を小さく漏らしながら、エリィの口がモゴモゴ動く。口の中がじわあぁっと暖かくなって、男根
に熱い唾が降り注がれていく。それが男根全体に満遍なくまぶされた後に、エリィが顔をひいた。
男根と舌先の間で唾が糸を引いて垂れる中、エリィがロイドの股の上でうつ伏せになる。そして、
豊かな乳房で男根を挟んで包み込むと、そのまま前後に身体を揺すり始めた。
凜とした直線を描く胸の谷間が、ロイドの男根の形に沿って幅を広げ形を歪める。
なすりつけられた唾をローション代わりに、エリィの乳房がロイドの男根を先端から竿の根元まで
丹念に擦っていく。その感触は、手で乳房を揉んだ時よりも優しくて柔らかくて気持ち良くて、男根
と腰と脳髄を繋ぐ神経を直に激しく揺さぶってくる。
(まっ、まさかこれは夢の中か!?)
ずっと高熱にうなされたせいで、こんな幻影を見ているのか!?
目の前の光景に……前に一度だけせがんだら思い切り睨まれて却下された行為が起きている状況に、
ロイドの頭は更なるパニックを起こす。
(でっ、でもその割にはリアルすぎて……気持ち良い……!)
胸の谷間から突き出た鈴口を舌先でちろっと舐められ、ロイドは思わず声を漏らして仰け反る。
「っく……!」
快楽で腰がびりびり痺れる中、ロイドは願う。
(頼む……夢なら醒めないでくれ)
下腹部に熱と血が膨らみ、今まで高熱でへたっていた男根が少しずつ起き始めていた。
59:ほーむけあ?【10】
11/04/20 00:20:47.43 CV0QBV1/
胸で抱き締めたロイドの男根の感触が変わる。
(ロイドの……大きくなってきてる……)
乳房の中から突き出ては潜る男根に視線を落とし、その先端が膨らみ始めているのを見て取ると、
エリィは恥ずかしさで頭がかーっと熱くなってきた。
(やっぱり……男の人にはこういうのが有効なの……!?)
一階で見つけたあの雑誌を自室にこっそり持ち帰って、件の記事を読んだ時は、恥ずかしさの余り
悲鳴をあげかけた。
でも。
自分のせいでロイドの風邪が悪化したという負い目と、高熱で苦しんでいるロイドに何かしてあげ
たいという想いと、彼の為の卵雑炊を暗黒卵雑炊≪べべぼー≫にしてしまった自責の念が、エリィに
迷わせた。もしかしたら本当にこれが風邪に有効なのかも……と囁いてきた。
そして。
長い長い葛藤の果てに、半信半疑……というより九割方疑いながら試した結果、ロイドの肉体が反
応している。長く続く高熱で削げ落ちていた気力が、彼の元へ少しずつ戻ってきている。
ならば。
自分が行うべき事は一つ。
(これでロイドが気持ち良くなって、風邪が治るのならば……!)
医学の知識もないし、卵雑炊を暗黒卵雑炊≪べべぼー≫にしてしまうような自分が出来る事ならば……!
今すぐ逃げ出したくなる程の恥ずかしさと緊張から必死に耐えつつ、エリィは唇を開くと、胸の谷
間から突き出たロイドの亀頭を優しく呑み込んだ。
60:ほーむけあ?【11】
11/04/20 00:22:46.18 CV0QBV1/
おそるおそる、ぎこちなく、亀頭と竿の境目にある筋を舌で左右に這わせつつ時折上下へ弾くよう
に舐め上げる。同時に、身体を前後に揺するのを止め、竿へ与える刺激を左右からの圧迫と解放に変
える。
「……、……!」
頭上から聞こえてくるロイドの呼吸が荒くなるのに合わせて、口と乳房で抱き締めた彼の男根が熱
を増して更に大きくなる。
亀頭を支える格好で密着している舌の上に先走りの熱い滴が垂れてきたかと思うと、塩気のある苦
味がエリィの口の中に広がってきた。
(ぁ……)
先走りの滴の熱がエリィの心を包み込む。身体の芯もふわりと軽くなったような気がしたかと思う
と、花弁がピクッとしゃくりあげる。
(やだ……私も、ロイドので感じて……気持ち良くなってる……)
股にオイルを塗られたような感触―花弁が愛液を垂らし始めた兆候に、エリィは恥ずかしくなっ
て目を伏せる。
両手で竿を挟み込んでいる乳房もしっとりと汗をかき、珊瑚色の乳首が固く盛り上がってきていた。
「ん……ふっ、ん……っ……」
鼻から悩ましげな声を漏らしつつエリィは動く。舌を這わせ、乳房で圧し、彼の男根へ惜しみなく
奉仕を続ける。
心を包む熱は濃度を増し、緊張と恥ずかしさを溶かしていく。
止まっていた身体が再び前後に揺れ始め、徐々に動きの幅が大きくなっていく。
ぎこちなかった舌や唇の動きも滑らかにそして大胆になって、じゅぱっ、ぎゅぷっ、と音をたてて
いく。
乳房を押さえている指の隙間からは、珊瑚色の乳首がぴんと尖って飛び出した。
61:ほーむけあ?【12】
11/04/20 00:23:30.93 CV0QBV1/
「え、エリィ……! だめだ、離れ、て……!」
パールグレーの髪を振り乱しながら動いていたエリィに、ロイドの切迫した声が届く。
(ロイド……気持ち良い?)
エリィは身体を揺らしたまま視線をロイドの方へ上げて微笑むと、口に咥えた男根を、ぢぅぅっ…
…! と、音をたてて吸い上げた。
「……!!」
ロイドが頤を逸らして身体を震わせる様子に、ほんの少し嗜虐心を覚えつつ、エリィは舌先でカリ
の裏筋を舐め回す。同時に、口の中から涎を出すと、男根全体に満遍なくまぶす。
べっとりと塗られた唾によって、乳房で竿を擦る動きが滑らかになる。
男根がぴくんっと揺らぎ、竿の表面に血管が幾つも浮き出てくる。
その変化が嬉しくて面白くて、エリィが我を忘れて夢中になっていると、ロイドが大きく呻いて腰
をひいた。
ずりゅ! と、エリィの唇からロイドの男根が逃げ出す。
「ぁ……!」
乳房の中に潜り込んだ男根を追いかけようとエリィが首を伸ばした刹那。胸の谷間の中心、心臓の
すぐ上で、どくどくどくっ! と、大きな脈動が走った。
地下水が噴き出すかの如く、エリィの胸の谷間から白濁液が迸る。
「―っ!?」
驚くエリィの頬に、口に、胸元に、熱い欲望の飛沫は容赦なく飛び散って降り注いできた。
62:ほーむけあ?【13】
11/04/20 00:24:22.97 CV0QBV1/
「ご、ごめん……!」
「ううん、いいの。気にしないで」
汗だくで息も絶え絶えに謝ってくるロイドに、エリィは静かに首を振る。その頬や顎先や髪の毛で
は精液の白い礫が線をひいて伸び、乳房と乳房の間では大量の精液が蜘蛛の巣みたいに張っていた。
「これでロイドが元気になってくれたのなら、私は平気よ」
それに。
(私もどきどきしちゃったし……)
いつもはコンドーム一枚隔てて起きる射精を間近に感じて、エリィの身体の芯は否応なく火照る。
花弁も切なそうに引きつけを起こし、愛液をだらしなく垂らす。
(男の人って、こんな風に激しく出すのね……)
乳房と乳房を糊付けしそうな勢いでねばついている精液をしばし眺めた後、エリィは口元の近くに
ついていた精液を指で拭って舐めた。
ワンテンポ遅れて、エリィが、あ、と我に返る。
「やだ、私ったら……!」
急に恥ずかしいという気持ちが返ってきて、エリィは思わず身体を縮めて照れ臭そうに微笑む。
次の瞬間、ロイドの中で特大の雷鳴と時の結界が砕け散る音が轟き、それに叩き起こされるように
男根が天を仰いだ。
63:ほーむけあ?【10】
11/04/20 00:25:49.61 CV0QBV1/
「あっ……!」
エリィが口元に手をあてて息を呑む。
「ロイドの……また元気になってる……!?」
緑耀石色の瞳が嬉しさに輝く。自分がどれだけ強烈なストライクベルを打ち込んだのかとんと知ら
ず、ただただ純粋に、ロイドを元気にさせる事が出来たという喜びで胸を一杯にする。
(やっぱり……こうする事でロイドの風邪も治ってくれるのかしら……?)
この疑問がエリィの頭を過ぎった丁度その時、まるで応えるかのように男根がぐっと力を増した。
(ぁ……)
先走りの滴の味を思い出し、エリィの胸が一段と高鳴る。
「……ねぇロイド……」
身体の火照りが、切なげに揺れて愛液を零す花弁が、エリィの心から躊躇いや羞恥を消していく。
普段だったらとても恥ずかしくて言えない言葉を、唇から紡がせる。
「……今度は……私も一緒に……気持ち良くなっても、いい?」
上目遣いで問うたエリィに、ロイドが一瞬硬直した後、首がもげそうな勢いで何度も頷いてきた。
64:名無しさん@ピンキー
11/04/20 00:27:07.42 CV0QBV1/
すいません、>>63の番号間違えましたorz
【10】ではなく【14】です
65:ほーむけあ?【15】
11/04/20 00:28:23.97 CV0QBV1/
ベッドのスプリングがたわみ、枕元に置かれていたコンドームの小箱がこてんと倒れる。
「ふぁあっ……んん……!」
ベッドに寝転がったロイドの上にエリィが跨り、ゆっくりと腰を落としながら背中を大きく逸らす。
大きく咲き開いた花弁の中へコンドームを被ってそそり立つ男根をゆっくりと受け入れながら、パー
ルグレーの髪と豊かな乳房を悩ましげに揺らす。
じゅぶっ……じゅぶぶっ……と、結合した隙間から泡立つ水音が響き、垂れた愛液が二人の茂みを
しっとりと濡らしていく。
「ふっ……ん、ぁっ……ふぅっ……!」
ロイドのを根元まで呑み込み、互いの股を密着させた後、エリィは再び身体を浮かせた。
が、途中で腰を重力に絡め取られて引きずり下ろされる。竿の途中まで見えていた男根が、ずぶぶ
ぶっ……と、蜜壷の中へ潜り込んでいく。
(動くのって……こんなに大変だったのね……)
肉壁を駆け上がっていく男根の摩擦に震えながら、エリィは、いつもロイドのリードに身を委ねる
だけだった事を申し訳なく思っていた。
「エリィ……やっぱり俺が動くよ」
辛そうに身体を上下させるエリィに、ロイドがいたたまれず体勢を変えようとする。
「だめぇ……ロイドは病人なんだから、休んでなきゃ……!」
エリィがいやいやするように首を振って、手でロイドを抑える。
(その病人に、こういう事をするのはいいのか……?)
そんな突っ込みがロイドの頭に過ぎったが、すぐに彼女と一つになった気持ち良さで押し流される。
代わりに、右手が自然とエリィの方へ伸びて、愛液の蜜を零しながら上下している花弁を指で勢いよ
く薙いだ。
66:ほーむけあ?【16】
11/04/20 00:30:39.10 CV0QBV1/
「きゃっ―!」
エリィが短い悲鳴をあげて身体を竦める。豊かな乳房も小刻みに揺れ、そのリズムに合わせて蜜壷
も震える。
「ろい、どぉ……」
少し怒った風に頬を膨らませながら、エリィがジト目で見つめてくる。
「これ位なら、動いてもいいだろ?」
ロイドはにこっと笑い返すと、彼女の豊かな乳房へ左手を伸ばした。
エリィが腰を浮かして逃げるより先に、ロイドの左手が乳房を捕まえ、指で乳首をこね上げる。
「やっ―! あ、ああっ!」
びくんっ! と、エリィが上体を揺らして嬌声をあげたかと思うと、花弁から愛液が一気に零れ出
てきた。
67:ほーむけあ?【17】
11/04/20 00:30:59.96 CV0QBV1/
降り注ぐ愛液の雨を浴びて、ロイドの腰が自然と上がる。掴んだ乳首と花弁といじくりながら、ぎ
っし、ぎっし、とベッドを揺らす。
「だ、だ、め……ロイドはやすんでな、きゃっ……あぁっ!」
エリィがロイドを止めようとするものの、蜜壷と花弁と乳首の三点を同時に責められては、堪えき
れず喘ぎ仰け反るしか出来ない。
「あっ、んっ、っふ、あ、あぁっ……!」
緑耀石色の瞳は快楽に濡れ、溢れ出た分は目端に涙の粒となって浮かぶ。
暖かみのある白い肌はじっとりと汗をかき、身体にこびりついていた精液を下へ向かって流し始め
る。
ロイドの男根を呑み込んだ花弁と蜜壷は絶えず愛液を迸り、彼女の嬌声が大きくなる時に合わせて
振動のような痙攣を起こす。
そんな彼女の変化をロイドが楽しんでいたら、
「んっ……ぅ、んんっ!」
何度目かの痙攣と同時に、エリィがロイドの方にしなだれかかってきた。
ぐっ、と蜜壷の角度が変わる。亀頭が肉壁にめり込むように擦りあげられ、竿がぎゅっと絞られる。
(―! しまっ……!)
不意討ちの快楽にロイドは慌てて堪えようとする。が、エリィの豊かな乳房が胸にぶつかってきて、
その柔らかさに意識が囚われる。
結果、抑える所か更なる刺激を貰ったロイドの身体は、本能のままに男根を暴発させた。
「あ……あぁ、あっ……!!」
お腹の中でびゅくびゅくと脈打つ射精の感覚に、エリィが口端から涎を垂らしながら震える。たわ
わに実った豊かな乳房と、その先端で尖る乳首を、ロイドの身体に擦りつけながら。
ロイドは乳首をいじくっていた左手をエリィの背中に回すと、間近に迫った桜色の唇に吸い付いた。
68:ほーむけあ?【18】
11/04/20 00:31:50.09 CV0QBV1/
ちゅぱっ、じゅっ、じゅぶぶっ。蜜壷と男根が奏でていた音色に競うように、唇が淫卑な水音を奏
でていく。
「んっ、あ、あふっ、ん、ふっ、ぅんっ……」
エリィがうっとりとした表情を浮かべて瞳を閉じ、塞がれた唇の隙間から悩ましげな嬌声を漏らし
て乳房と尻を揺らす。
そんなエリィへ、ロイドは射精で震える腰をぎゅっと密着させたまま、桜色の唇を啄み吸いつき、
歯を舐め回し、悶えて揺れる舌に己の舌を絡めていく。さりげなく、右手を枕元にあるコンドームの
小箱へそっと伸ばしながら。
やがて、ロイドの男根が全てを吐き出し終え、一気飲みした後の人間みたいに蜜壷からきゅぽっと
飛び出してくる。
後を追って花弁から愛液が滴り落ちていく中、ロイドは身体を横転させ、エリィの身体を隣にそっ
と寝かせた。
「はぁっ……はふぅっ……ふぅっ……」
エリィがベッドの上にうつ伏せになり、深呼吸を繰り返す。少し気怠げな表情を浮かべた顔は赤く
染まり、快楽が燻って輝く瞳は涙をうっすら浮かべていた。
「ろいど……元気に、なった?」
「ああ。ありがとう、エリィ」
少し不安げな声で伺ってくるエリィに、ロイドは力強く頷く。実際、ここ3日間体内に居座ってい
た熱は今の行為で汗となって全て吹き出て、意識や感覚もクリアになっていた。
「良かった……」
ロイドの表情に精気が戻ってきたのを見て、エリィが嬉しそうに安堵していた時。
「だから今度は、俺がエリィを気持ちよくさせるよ」
嫌に爽やかな声と共に、ロイドがエリィの上に乗っかってきた。
69:ほーむけあ?【19】
11/04/20 00:33:12.52 CV0QBV1/
「えっ……!?」
焦るエリィに構わず、ロイドはうつ伏せになっている彼女の腰を両手で高く持ち上げる。
卵の表面のように滑らかで形の良いエリィのお尻が、ぷるんっ、と瑞々しく弾んだ。
「ちょ、ちょっと待って……だってまだしたばかりでしょ……!?」
泡食いながらエリィがロイドの方を振り向くと、いつの間にか新しいコンドームを装着した男根が
元気一杯そそり起っている。
その上、彼の全身から炎にも似た闘気がうっすらと立ち上がっているようにも見えた。
「エリィ。俺だけ先に気持ち良くなってしまってすまない。今度はちゃんと君も気持ち良くなるまで
頑張るから」
驚きで顔が青ざめるエリィに、ロイドは燃え上がる心のままに告げると、未だ愛液の止まらない花
弁に亀頭をくつけた。
花弁が咀嚼するかのように揺れたかと思うと、すぐにロイドの男根を呑み込んでいく。
「あぁっ!!」
クールダウンしかけていた肉体が再び火照る感触にエリィがたまらず仰け反る中、ロイドは根元ま
で蜜壷へ挿し入れていた。
70:ほーむけあ?【20】
11/04/20 00:33:36.33 CV0QBV1/
ロイドの腰がぶつかって、エリィのお尻がきゅっと締まる。
ぱしん、ぱしんっ、と、肉同士の叩き合う音がリズムにのって響き始める。
「あ! あぁっ、ん、ふぅあっ、あ、ああっ!」
蜜壷を容赦なく抉られ開かれ貫かれ、エリィが全身をわななかせる。目の奥で閃光がチカチカ瞬き、
下腹部には爆ぜるような引きつけが何度もくる。
ベッドにくつけたままの乳房はロイドの動きのままに前後し、両手はすがるようにシーツを握りし
める。
高く掲げられたお尻は弾み揺れ、その下、男根を呑み込んだ花弁は壊れた蛇口のように愛液を細く
長く滴らせていた。
「あぅっ、んっ、んんっ! あぁあっ!!」
嬌声あげて震えるエリィの後ろ姿を眺めながら、ロイドは、右手を彼女のお尻の隙間に滑り込ませ
る。そして、お尻の中心に潜り込むように隠れていたエリィの菊花を親指の腹で軽く揉んだ。
「!」
エリィが背中を大きく仰け反らせると同時に、色素が少し沈着した小さな蕾が驚いたように縮こま
る。
男根を咥えた蜜壷も大きく揺らぎ、極上の快楽をロイドの下半身に伝えてきた。
「やっ……だ、だめ、おねがい……」
涙声で懇願するエリィの耳元へロイドは顔を寄せ、耳の穴をそっと舐め上げる。
「ひゃぅん!」
エリィが子犬のような悲鳴をあげたかと思うと、上体をがくがくっと揺らして悶えた。
「エリィ、ありがとう。……愛しているよ」
嬌声あげて悶えるエリィへ優しく囁くと、ロイドは腰を振る動きに力を込める。
一段と大きく揺れ動くベッドのスプリングが、めきょっ、と、奇妙な音をたてて軋んだ。
71:ほーむけあ?【21】
11/04/20 00:35:12.59 CV0QBV1/
※※※
夜闇を朝焼けの光が追い払っていく。
窓から差し込む陽光と小鳥たちの囀りが爽やかな雰囲気を広げていく中、一階の共有スペースのあ
ちこちをランディがごそごそ動き回っていた。
「おはよう、ランディ。どうしたんだい?」
「いやー、昨夜うっかりここに雑誌置いたまま寝ちまって……」
後ろから問いかけてきた声にランディは普通に返した後、はっと振り返る。
「ロイド! もう大丈夫なのか!?」
驚くランディに、いつものジャンパーとアーミーパンツに身を包んだロイドは笑顔で頷いた。
「ランディさん、朝食当番でもないのに先に降りてどうしたんですか……ってロイドさん!?」
階段を降りてきたティオもロイドの姿を見て目を丸くする。
「ティオも心配させてすまない。今日からまた頑張らせて貰うよ」
ロイドの言葉に、ティオがほっと安堵するように表情を和らげた。
「それならいいが……お前、少しやつれてないか?」
「まぁ3日間寝ていたからね。体力も落ちているんだと思うよ」
じっと顔を見つめてくるランディに、ロイドは当たり障りのない返答を返す。……コンドームのス
トックが無くなるまでエリィとやりまくった疲労からかもとは口が裂けても言えなかった。
72:ほーむけあ?【22】
11/04/20 00:35:50.68 CV0QBV1/
「ところで、ランディはどうしたんだい?」
「いやぁ、昨夜うっかり雑誌をここに忘れたまんま寝ちまってなぁ。キー坊が起きてくるまでに回収
しとかないと、お嬢やティオすけにコールドゲヘナを落とされるかもしれん」
ランディが少し顔を青ざめる。
「……今までも、キーアの前で何度か読んでいるのに?」
「いや、いつものじゃねぇんだ。もっとこう……過激すぎて購入の際に年齢確認されるレベルのシロ
モンだ」
「……何でそんなのをここに忘れていくんだよ」
呆れてため息が出るロイド。
「ランディさん。その雑誌をキーアが先に見つけたら、クリムゾンレイもおまけします」
やり取りを聞いていたティオが冷たい笑顔をランディへ贈ると、朝食を作りに台所へ入っていった。
「ちょ!? そりゃねぇよティオすけ~……」
パタンッ、と無情に閉まる台所のドアへランディが力なく手を伸ばして嘆く。
「畜生、あんな特集記事を見つけなきゃこんな事には……」
ぼやくランディに、ロイドが、? と、首を傾げた。
「いやさ、風邪引いたときに効いたホームケアについてのアンケートが載ってたんだよ。……全く参
考にならなかったけどな!」
ランディが、後半の台詞に思い切り力を込める。
「? 何でまた?」
「そりゃお前、過激すぎる雑誌に載ってるような記事だぞ? エロネタでしかないに決まっているだ
ろーがっ! そんなもん、俺がやれるか!!」
言い切った後で内容を思い出したのか、ランディがぶるっと身体を震わせた。
「そ、それは確かに勘弁してくれ……」
ロイドも思わず顔を引きつらせて呻いた瞬間、頭の中で何かがピンと繋がった。
73:ほーむけあ?【23】
11/04/20 00:36:13.34 CV0QBV1/
(あ……)
男根に、エリィに乳房で包まれた時の感触が蘇ってくる。
(そうか、昨夜のエリィの行動は、ランディが捜している雑誌からきていたのか……)
頭の一角で燻っていた疑問が氷解していく中、ロイドはそっと唇を綻ばせる。
(ありがとう、エリィ)
この場にいない彼女へ心の中で礼を述べると、ロイドは雑誌の探索に戻っていたランディに声をか
けた。
「ランディがそこまで捜しているのに見つからないって事はさ、別の場所に忘れたんじゃないか?」
「……んー、そうかもしれんなぁ」
少し納得いかない表情をしながらも、ランディは捜すのを止めて背伸びする。
「あ、そうだランディ。今まで風邪で休んでたお詫びに、今度の報告書作成は俺がやるよ」
「? お詫びとは随分大げさだな。まぁ俺としちゃ有り難いが」
「そうかな? 俺としては感謝の気持ちを表しただけなんだけど」
訝るランディにロイドは曖昧に笑い返すと、ティオの手伝いをしに台所へ向かった。
74:保管庫”管理”人様へ、6-404で保管お願いします
11/04/20 00:39:02.81 CV0QBV1/
以上です
皆様の、心のストライクベル&バーニングハートに少しでもなれば幸いです
75:名無しさん@ピンキー
11/04/20 00:40:34.69 ZjfmN/VD
乙々
76:名無しさん@ピンキー
11/04/20 01:09:17.87 OTIZQYkx
GJ
77:名無しさん@ピンキー
11/04/20 03:21:34.15 8fsmHVh1
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78:名無しさん@ピンキー
11/04/20 03:23:44.13 8fsmHVh1
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79:名無しさん@ピンキー
11/04/20 03:28:06.44 8fsmHVh1
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80:名無しさん@ピンキー
11/04/20 04:40:00.91 8fsmHVh1
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81:名無しさん@ピンキー
11/04/20 04:41:47.32 8fsmHVh1
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82:名無しさん@ピンキー
11/04/20 09:05:42.32 kuH6IUIL
GJです。
ロイエリかわいいよロイエリ
83:名無しさん@ピンキー
11/04/20 21:03:11.33 8fsmHVh1
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84:名無しさん@ピンキー
11/04/20 21:35:22.57 JsNEjPfo
フィーナカワユス
85:名無しさん@ピンキー
11/04/21 13:54:26.96 7EHltYco
イリーシャもロイエリもGJです
86:名無しさん@ピンキー
11/04/21 14:11:59.83 v3yaTk0i
まさかエリィさんのパイズリを見れるとは思わなかった。
エリィさんみたいな人が初初しくパイズリしてるのって良いよね。
87:名無しさん@ピンキー
11/04/21 23:36:34.59 bl8dTE5+
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88:名無しさん@ピンキー
11/04/21 23:39:20.41 bl8dTE5+
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89:名無しさん@ピンキー
11/04/28 17:21:20.85 7/A6o8jm
エリィは89か…
90:名無しさん@ピンキー
11/04/28 18:51:42.78 KQV+c1AW
納得の数値だね。
ノエルは84から86くらいかな
91:名無しさん@ピンキー
11/04/30 15:14:19.10 T/D60pYb
/ , ' }, ‐ ' .i、,, ... ..,,/ |::::://:从
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92:名無しさん@ピンキー
11/05/01 21:26:39.24 RZl2nDd/
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93:名無しさん@ピンキー
11/05/01 23:56:40.74 2qyeoB83
>>74の人のロイエリ愛は凄いなと常々感心させられる
94:名無しさん@ピンキー
11/05/02 04:56:27.41 EYOJROJR
PS版(PSPではなく)朱紅を現在再プレイ中。
初プレイ時はアヴィンを貧弱黒魔導師にしてしまって序盤で死にまくったり
あと基本的に女だらけのパーティにしてうまやらしい旅だったな。
いま再プレイで宝石のバイトと城に通してもらって王女の身ぐるみ剥いだところ。
95:名無しさん@ピンキー
11/05/02 09:49:37.93 KT0dx36Y
>>94
同感。
次はア○ルセックスを希望しま(殴
96:名無しさん@ピンキー
11/05/03 10:16:46.98 Jvy8iYmq
>>94
旧・朱紅ってメイン以外のキャラ空気じゃね?
あまり本筋に絡んでこないし。
いや、そのぶん空想の余地があるのか?
97:名無しさん@ピンキー
11/05/03 19:37:42.26 24teo5ST
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98:ニ…何も言えない。』 『え、エリィ…。』 「そう、たっぷりとね。たっぷりと…。」 侵入者の笑い声は、夕闇に煙のように四散し、魔都を冠する街に相応しい演出を与えた。 満足そうにイヤホンを外すと、手袋をしめなおし、立ち上がる。 「だから今日も、僕を支えておくれ。愛しいマニーニ。彼の分まで僕が、君を幸せにするから。」 手にしていた懐中電灯を消すと、彼の姿は街並が織り成す黒の凹凸に混じり、消失した。 *** 「こいつはいったいどういうことだ?今日で四日目だぜ。」 「小規模なテロのような件数になってきてますね。しかも、例の噂はもう、街中の話題です。」 「アロネのお嬢さんの件もあるってのに。ったく、こんなツラじゃとうぶん“潤いちゃん”と遊べねえな。」 特務支援課の朝は、いつもと違っていた。深夜に及ぶ仕事が続いたせいか、全員目がくぼみ、黒ずんでいる。 「何でこうも俺達ばっかり引っ掻き回されなきゃならんのかね。とんだとばっちりだぜ。」 「ランディ…。」 「あ…わり。今のナシな。」 「いや、言ってることは間違ってないけどさ…。それについては悪く思ってるよ。原因は俺にあるのは確かなんだし。」 「…。」 日ごと傾き続ける雰囲気に、キーアもいつもの元気はなく、まるで暗がりに押し込まれたように身をすくめている。
99:共に歩みぬく意志
11/05/09 23:50:54.22 1V21ERzO
「まあ仮に、ロイドの悪戯だとしたら、クロスベル一タフな男…タイムズの記事も間違っちゃいないな。警察と怪盗の二役を見事に、ってよ。」
「どういう意味だ?」
「あ?いや、だとしたら不眠不休で、タフな上に役者だろって話で。」
「どこまで本気なんだって聞いてるんだ。」
「おいおい…おいおい!何ムキになってんだ。冗談だよ冗談。」
「冗談でも時と場合を考えてくれよ。笑えないよ。」
「ちょっと待て、そんな時と場合の原因はロイド、お前がひっぱってきたんじゃないのかよ。何イラついてんだよ。」
「大体俺は毎晩キーアと一緒なんだ。仮もなにもないじゃないか。」
男二人の鋭い応酬に、一同が静まり返る。
ただならぬ雰囲気にオロオロするアロネの正面で、キーアがおそるおそる口をひらいた。
「で、でも…。」
キーアがロイドのほうを見上げる。
「どうしました?キーア。」
「ロイド、いつも夜になると、ベッドからおりてどこかにいってたよ…?」
はっと、ロイドが顔を上げる。ランディが鋭利な瞳をロイドに突きつけた。
「聞き捨てならねえな。説明してもらおうか。リーダーさんよ。」
「どういうことなの?ロイド。」
「いや、それは違うんだ。それは…。」
「み、みなさん、どうか落ち着いて。ロイド様があんな姑息で卑劣な事をするはずありませんわ。そうでしょう?」
一触即発の気配を感じ、必死になだめるアロネ。ランディの肩を抑え、彼を座らせると、玄関の扉が開く。
「どうもー。郵便です。」
「あ、ありがとうございます。いつもお疲れ様ですわ。」
アロネが足早に駆け寄ると、静まったテーブルをやや背伸びして眺め、配達員は小声で問う。
「なんかあったんですか?いつもあんなに愉快な皆さんが。」
「いえ、どうかお気になさらないで。」
郵便を受けとると、心配そうにこちらを見返しながら、配達員は去っていった。アロネがテーブルに戻ると、かろうじて仕事の話に戻っている。
「さて今日も退屈な朝礼を聞く代わりに、特大のトラックを一周するわけだ。調査にはいくけどよ、あんまり被害がひどいようなら、考えもんだぜ。」
「この調子なら、いずれ予想外の答えが見つかりそうですね。」
「ああ、好きにしてくれ。俺自身が一番よくわかってるんだ。何も問題なんて無いよ。」
一度濁った雰囲気は、食事が済んでも、そのままだった。アロネは、だんまりと決め込んだエリィと共にその様子を見守る他無かった。
ランディが上着を羽織り、靴紐を直しながらあくびをする。ティオも早々に玄関を出て、背中を向けたまま待機していた。
キーアが不安そうにしがみつくツァイトの尻尾は、ぴくりとも動かず、ロイド達のしかめた顔をじっと見つめている。
「いってらっしゃい。」
「いってきますわ。」
「お留守番、お願いね。」
つぶやくような見送りの声に振り返ったのは、最後尾のアロネとエリィだけだった。
お互いの距離も離れたままに、中央へと向かう階段を上っていく。ついに上りきるまで、誰も口をきかず、目も合わせなかった。
「さて、お好きな方角はどちらですか、リーダー殿。」
「…今回はとうとう傷害に至った所がある。そこに最初に行こう。」
うやうやしくたずねるランディに、顔色一つ変えず、ロイドが手帳を開いた。
100:名無しさん@ピンキー
11/05/09 23:51:53.82 1V21ERzO
ご無沙汰しています。
ずいぶんと長く間を空けてしまい申し訳ありません。
またよろしくしてあげてください。
101:名無しさん@ピンキー
11/05/09 23:59:44.20 NzGu257X
待ってて良かった……GJ!
支援課メンツがギスギスしてきているのは
睡眠不足だけじゃなさそう……と思うのは気のせいか?
続き、楽しみにしてますー!
102:名無しさん@ピンキー
11/05/10 01:50:49.65 ePt39lXk
やべーおもしれー
ロイドが夜中にいなくなる理由なんて一つしかねーじゃんw
103:名無しさん@ピンキー
11/05/10 02:27:13.96 eDzFQBtA
ハァハァ…早く続きを!
104:名無しさん@ピンキー
11/05/10 07:51:04.48 w31HzJuw
全裸で待った甲斐があったぜヤッホゥ!
105:名無しさん@ピンキー
11/05/10 09:37:29.52 tE9FmrsS
>>108
ご無事で何よりです。
続きを楽しみにしています。
追い込まれるエリィさんとその反動で幸せなエリィさんに期待
106:名無しさん@ピンキー
11/05/10 11:53:49.95 W/3Ftve7
仲良し特務支援課がギスギスしてるのは見ててつらいのう
でもロイドさんなら素敵なカタルシスを見せてくれるってあたい信じてる!
107:共に歩みぬく意志
11/05/11 00:22:21.47 DrQ5Hyhe
***
クロスベル警察の会議室には、冷めたコーヒーが二つ並び、椅子に座ったままのけぞるドノバンと、机につっぷしたままいびきを立てるその部下レイモンドが、つかのまの休息をとっていた。
「ったく、こういう肝心なときに一課の連中ときたら、そろいもそろって共和国の観光とはいい気なもんだぜ。」
ドノバンがぼやきながら身体を起こし、たばこをくわえる。
「ん。ん。ん!クソッたれ、安物はすぐこうだ。おい、レイモンド。起きろ。休憩時間終わるぞ。」
「ううーん、あと五分…。」
彼はレイモンドの肩をゆすりながら、鳴った携帯通信機を取り出し応じた。
「はいよ、こちら二課のドノバン…なんだお前か。どうした。ああ。おう。
最近その噂しか聞かねえからな…何?本気かおい、ちょっとまて!くそ、切りやがった。」
「おおお、ゆれる、世界がゆれる…」
「いつまで寝ぼけてんだ、さっさと起きろ!」
椅子を蹴り飛ばされ、レイモンドが跳ね起きる。
しぼんだ目をこすり、だらしなく口を開ける彼に呆れながら、再びドノバンがたばこをくわえた。
「なんか、誰かと話してましたか。ドノバンさん。」
「ああ、セルゲイとな。話すだけ話してさっさと切りやがった。」
ドノバンが何度もライターを鳴らす。空の女神が彫ってあるそれは、血管が硬く浮き出た拳の中、火花だけをむなしく散らした。
「セルゲイさんかー。そういえば言ってましたね。ライターが言うこと聞かない時は、オイル切れ疑う前に、自分の頭冷やせって。」
「ああ?俺が焦れてるってのかよ…。今回の事件といい、あの野郎どういうつもりなんだ。」
とうとう火をあきらめ、ドノバンがたたばこを噛み締め、席を立った。
「いくぞレイモンド。逮捕令状の申請せにゃならん。」
「犯人見つかったんですか?」
「頭にくるぜ、噂に食いつくだけなら、なんのための警察なんだよ。」
「あ、ちょっと、待ってくださいよ!」
二人が上着を手に取り、部屋を出て行く。
廊下を足早にあるくドノバンに、レイモンドは様々に問いかけるが、彼は黙ったままエレベーターの前まで足を運び、止まった。
扉を開けると、レイモンドに向き直る。
「お前は先に出て車を用意しとけ。すぐに出れるようにな。」
「解かりました。あ、でも俺の車今フロントこすられて不細工になってるから、ドノバンさんの車借りたいなあなんてって、ドノバンさん?」
エレベーターの扉が閉まる音とともに、既にドノバンの姿は無い。
「はあ…修理さっさと出しておくんだったなあ。」
受付のレベッカに投げキッスをするも無視され、しかしそれも気にする風もなく肩をすくめると、彼は駐車場へと足を運んだ。
自分の車の正面に立ち、腕を組んで眺める。
「女の子の知り合いに見られなきゃいいんだけどね。」
ほどなく、本署からドノバンが令状を手に出て来ると、正面に止まっていた車のライトが点滅した。
乱暴にドアを開け、身体を放り込むように彼が乗り込むと、車が大きく傾ぐ。
「ドノバンさんもうちょっと優しく乗ってあげてくださいよ。ただでさえ『彼女』、不機嫌なんですから。」
「悪いが俺は上に乗せるほうが好きでな。東通りに行け。」
「はいよ。」
108:共に歩みぬく意志
11/05/11 00:23:01.72 DrQ5Hyhe
ぬける通り全てに、警官がたむろしており、こちらの姿をみると敬礼を送ってきた。
ハンドルを操作しながら、ドノバンの広げる令状を、レイモンドが細かく横目を送る。
大きく綴られた名前が目についた。
「へ?ロイド・バニングス?」
「馬鹿野郎、前みて運転しろ。ほれ、そこにつけろ、降りるぞ。」
車を降り、旧市街に向かうドノバンを追う途中も、レイモンドは信じられないといった表情で何度も額に手をあてていた。
鉄橋を渡り、広場を抜けると、ナインヴァリの前にセルゲイが立っている。
「おう、来たか。」
「ああ。やっこさんは?」
顎で示され、店内に入る。
小さな窓から差す光に塵がきらめき、うなる換気扇の影がはためいた。寿命の近い電灯のせいで薄暗い室内に、淀んだ空気が蔓延している。
そんな中、特務支援課のメンバーは向く方向も様々にたむろしていた。
「お役目ご苦労様です。」
「ロイド…。」
不安そうなエリィの視線を浴びながら、椅子に力なく座っていたロイドが、表から入ってきたドノバン達を見て立ち上がり、敬礼する。
奥で壁と対面していたランディが、砂を噛んだような横顔を見せた。
「敬礼してくる相手に仕事するってのも変な気分だな。」
「…。」
「罪状は窃盗、器物破損、傷害…およびテロ未遂、か。話じゃ爆弾を盗んだらしいな。」
「爆弾!?」
レイモンドが素っ頓狂な声を上げる。
びくりと、エリィに背中を支えられたアロネが肩をすくめた。うつむいた顔はすっかり青ざめている。
「な、なんだってそんなものを?いや、まだキミだって決まったわけじゃ無いけど。」
「なあロイド、本当にお前なのか?俺はどうも腑に…。」
「さっさと連れて行け。」
ドアの脇に背を預けたセルゲイが促した。
「いつからうちの署は現地取調べの形式になったんだ。仕事は素早く、だろう。」
「ああ。そうだな。」
すでにドノバンは逮捕状を受け取る際、副所長から詳細は聞かされていた。その際、キツネの機嫌が良かったのも気のせいではなかっただろう。
彼は大きく肩で息をつき、ロイドの肩を叩くと、レイモンドがおそるおそる出した手錠を、目で制した。
「こいつにはそんなもん要らんだろう。車に乗せろ。」
ロイドが出口をくぐる。一瞥もくれずに、セルゲイはたばこを咥えた。
ドノバンは深く息を吐くと、頭を掻いた。
「冷淡なもんだな。それも班長としての心得の一つってわけか。」
「何がだ。」
「部下パクって何がだは無いだろう。」
「フ…別れを惜しむ女のようにむせび泣いたほうが良かったか?」
109:共に歩みぬく意志
11/05/11 00:23:28.46 DrQ5Hyhe
アロネが面をあげ、きっとセルゲイを睨む。
「あんまりではありませんこと?」
「ん?」
「わたくしあなたの事を誤解していました。素っ気無いそぶりの中に、部下思いの一面を垣間見たのは、幻覚だったようですわね!皆様もよ。仲間なのではなくて?」
彼女はランディ、ティオに視線を移した。
「俺もあいつがガキを殴るとは思えねえが…何か隠してるのは確かだ。信用はできねえ。」
「私情は挟めません。」
「そんな…。」
奥から咳払いが聞こえる。暗がりに灯る赤い点を中心に、顔の輪郭が浮かび上がった。店主のアシュリーだ。
「アタシとしても腑に落ちないね。」
「アシュリーさん…。」
「あの坊やが本気でこんなことするとでも思ってるのかい?モノも出てない、裏も取れてない。ずいぶんと手際が良すぎるじゃないか。」
「変わりもんだな。娘を殴った相手の肩を持つのか?」
「この商売はね、剣で肉を切られたときの痛みも、銃で撃たれる熱さもしっとかないとダメなんだよ。
あの子にとっては良い勉強になったろうよ。」
白黒きっちりつけな。彼女の瞳が語っていた。セルゲイは片方の口角を吊り上げ、低く笑う。
「血は争えんな。逮捕されて尚、ここまで女に心配されれば、あいつも本望だろう。火あるか?」
セルゲイが内ポケットをまさぐりながらたずねる。
ドノバンは自分のガスライターを差し出したが、納得の行かない表情もそのままに吐き出す。
「安モンだ。付きが悪い。」
その言葉が終わらないうちに、セルゲイの手の中で一度だけ鳴り、ライターは火を噴いた。
タバコに移し、彼は深く煙を吸い込む。
「仲が悪いようだな。安モンなら貰っても構わんだろう。」
そういい残し、店を後にする。外で様子を覗いていたレイモンドが飛びのいて道をあけると、表に出たドノバンもその後姿を見送った。
「さすがに動揺を隠すのが上手いっすねー。まったく落ち着いてるように見えますよ。」
「いや…。冷静すぎる。」
「へ?」
ドノバンは早々に車に乗り込む。
頭に疑問符を浮かべながら、レイモンドは何度もセルゲイに向き直りながら、後に続いた。
「出せ。」
何か言おうとした彼を制するように、ドノバンは告げた。
エンジンが鳴り、景色が動き出す。ロイドは後部座席の左側に体を預け、窓の外を見ていた。
バックミラーの向こう、ナインヴァリの外に、アロネとエリィの姿を捉える。
沈黙が時間を泥に浸し、車は本部へと向かっていく。
静かに冷たい風が吹く、旧市街を残して。
110:共に歩みぬく意志
11/05/11 00:24:01.36 DrQ5Hyhe
***
「ロイド・バニングス逮捕。」
号外は風に乗り、噂は、動揺、悲嘆、裏切りへの罵倒、あるいは犯人の擁護へと姿を変え街を伝播する。
英雄の住処は、家宅捜索の現場へと姿を変え、多くの捜査官がたむろしていた。
「支援課のメンバーも薄情なもんだな。こんなときに犬の散歩とは。」
「女性二人はどうした?」
「ああ。三階の部屋にいる。」
捜査官同士の会話は、どこか緊張感が欠いている。
クロスベルの警察は、人員不足、そして立て続けの窃盗事件の捜査により、重いスケジュールをこなしてきていた。
それは彼らの、捜査のプロフェッショナルとして、最も重要なものにダメージを与えている。
セルゲイも例外ではない。そのはずだった。
「キーア。」
キーアはソファーに小さく足をたたみ腰掛けていた。セルゲイの声に顔をあげる。
「かちょー、ロイドは?」
「本部に“務めてる”さ。妙な形だが、ヤツの願いは叶ったな。」
「…。」
「フフ、お前もたいしたもんだな。落ち着いている。」
「だって。」
キーアは丸い瞳をぱちりと瞬かせ、セルゲイを見つめる。
「かちょー、いつもどおりだもん。」
「ほんと。まるで何事も無い日常のような振る舞い。信じられませんわ!」
アロネがつぶやく。エリィは手にした銃を丁寧に磨いている。
セルゲイとキーアのやりとりの少し前の事、彼女達は様々な思惑の行きかう街、そしてお互いの懐疑の念から逃れるようにして、エリィの部屋に待機していた。
「ほんとにもう。エリィさん、何とかなりませんの?」
「大丈夫よ、アロネさん。」
手入れを済ませ、エリィは銃を収めた。
「彼なら大丈夫。ロイドなら。」
「…そうね。そうですわ。」
エリィとアロネは、互いの感情を代行し、昇華していた。エリィの慰めはアロネの言葉でもあり、アロネの憤慨はエリィの動揺でもあった。
何がそこまでの同調をもたらしたのかは、語るまでも無い。
「エリィさんは、いつからロイド様の事を?」
エリィの隣に腰掛け、アロネは問いかける。
「その前に、アロネさん。貴女は自分の言葉に責任をもつべきだわ。」
「わたくしの言葉?」
「呼び方、よ。私も貴女の事、気さくに呼びたい。」
あ、と言葉には出さず、アロネは小さく笑うと、言葉を改めた。
「聞かせて、エリィ。」
エリィは微笑み、答えた。
111:共に歩みぬく意志
11/05/11 00:24:30.59 DrQ5Hyhe
「解からないの。」
「え?」
「不思議だけど、私自身、その瞬間も、変化の過程も、これといって無いのよ。自覚したのはつい最近なのかもしれないけど。
知り合ってから、まだそんなに経ってないのに、そのずっと前から、彼のことが好きだった錯角に陥るの。」
恋に恋をする人間は、遥か遠くを見つめるという。恋人の向こうにいる、華々しい世界にいる自分を見るのだ。
しかしエリィの焦点は、机の上におかれたイヤリングに、しっかりと合っていた。
彼女はその一つを手にとり、慈しむ。
「もしかしたら、貴女の真っ直ぐな気持ちを見たから、純粋な気持ちを取り出せたのかもしれない。」
「私の、気持ち?」
「変な話だけど、ちょっぴり感動しちゃった。貴女みたいな素敵な人に、ロイドが好かれているって事に。」
窓から差す夕日が、エリィの背中を照らした。アロネはその眩しさに目を細める
胸を貫く感情は不安からくるものではなく、むしろすがすがしいものだった。
「私も…。」
「ん?」
「いいえ、ありがとうですわ。話してくれて。」
一年前の青年は、アロネにとってまさに英雄だった。その回想が走馬灯のようによぎる。
彼女を現実に戻したのは、乾いたノックの音だった。
「はーい。どなた?」
「郵便です。エリィさんに直接お渡しするようにと。」
「こんなときに、誰からかしら。」
彼女が扉をあけると、配達員が帽子のつばに手をかけ、お辞儀をする。
手には、首からかけられたサポーターに支えられた箱を抱えていた。
「ハンコをお願いできますか?」
「えっと、差出人は誰かしら?」
「ロイド・バニングス様です。」
アロネが思わず顔を上げる。エリィが一瞬気を取られた瞬間、彼女は腕を背中に廻され、その首に果物ナイフを突き当てられていた。
「すいませんね。うら若き乙女の談笑をお邪魔しまして。」
「エリィ!」
「暴れ、騒ぎ立てれば…解かりますね?」
ナイフがきらめく。アロネはすくむ足で立つのがやっとだった。
「な、何者なの…。どうやってここ…まで。」
「お洒落をしてきたんです。その手にかけた銃でどうするというんです?妙な真似をしないほうがいいですよ。
私のもってきた荷物に引火でもしたら、この建物が花火にはや代わりです。」
銃を握るエリィの手が止まる。
「私が何者なのかは、式場で発表しましょう。差出人が来てからね。それまでに準備をしないといけません。
そこのお嬢さん、いえ、アロネお嬢様。エリィさんをガムテープで縛ってください。」
「やっぱり…やっぱり貴方は。」
配達員の顔が、帽子の下から現れる。歯を見せ笑う彼は、部屋を見渡した。
右側面を見るときだけ、同位置の眼球の動きがほんの一瞬遅れる。
「お二人は大事な来賓です。傷つけはしませんよ。全てはあの男次第です。これは式の、お祝いの品として頂きましょう。」
男はエリィの腰の銃に手をかけた。
彼女はとっさに背の部分を掴み抵抗したが、首の締め付けを強められ、奪取されてしまう。
112:共に歩みぬく意志
11/05/11 00:24:58.88 DrQ5Hyhe
「うぅ…。」
「さあ、急いでくださいアロネお嬢様。」
「エリィ…。」
「アロ…ネ…言うとおりに…して…」
「で、でも…」
ナイフが傾き、肉を撫でた。アロネは唇を噛み、ガムテープを手に取る。
(私に出来るのはここまで…ロイド、信じてるから。)
エリィの瞳の一等星は、輝きを失っていなかった。
そしてその輝きは、ソファからセルゲイを見つめるキーアの瞳にもあった。
「信じているのか。」
「うん。」
小さく、幼い彼女の、強い決心だった。セルゲイはキーアの頭を撫で、部屋を見渡す。
その時、彼の捜査官としての勘が、不自然な点を鮮明に掴んでいた。
「おい、お前。その制服は備品だな。」
「ええ。良く分かりましたね。」
「綺麗すぎる。丁寧にアイロンかける几帳面さは俺達には無いからな。」
「先日まではあったんですが、今朝の召集のとき無くなってたんですよ。おおかた誰かが間違えて持ってったと思ってたんですが。」
セルゲイは拳銃に手をかけ、階段を勢い良く駆け上がっていった。途中すれ違う捜査官を押しのけ、三階に登りきると、男は居た。
「どうも。郵便物を届けにあがったもので…」
「そいつらを放せ。逃げ場はないぞ。」
男はテープで縛り上げたエリィを前に立たせ、その背中に銃口を突きつけていた。
そしてアロネを抱え、やはりその首にナイフを突きつけている。
セルゲイが引き金に指をかけた。
彼の大声を聞きつけ、捜査官が三階へ登ってくる。
「貴方達が探しているものは、これですか?」
男は首からさげた箱に手をあてる。セルゲイは銃を構えたまま歯軋りした。
「ロイド・バニングスを呼んで来れ。早いほうが良い。あとの人間は全てこの建物を出払ってもらおう。私は式場で待っているよ。」
男は屋上へと進んでいく。
銃口を向けたまま、セルゲイは無線を手に取った。
***
ロイドは手の中の、警察バッジの深い傷を見つめた。
―チェック。俺の勝ちだな。
チェスの勝負は何度やっても勝てなかった。ある日その理由を問う。
―お前は攻めと守りのバランスが良い。速攻も得意だ。でも局面において相手の状況を見ていない。勝ちたければ俺を理解しろ。
キングを手の中で転がし、「彼」は続けた。
―どんな時でもそうだ。相手を理解しろ。想像じゃない。相手に関する情報全てから、理解し、予測して動け。そのために相手と立場を同じくするのもいい。
「これはちょっと洒落にならないかな、兄貴?」
113:共に歩みぬく意志
11/05/11 00:25:22.75 DrQ5Hyhe
留置所にけたたましい足音が響く。ロイドが顔をあげると、フランが息を切らせていた。
「ろ、ロイドさん!」
悲鳴に似た声に、彼はバッジをポケットに納める。
特務支援課周辺は厳重体制が敷かれ、導力車がひしめき、何人もの警察が配備されていた。
さらに動力車が追加され、助手席から飛び出した青年は、彼らの間を縫うように駆けた。
「課長!」
「ロイド、屋上だ!」
お互いを見つけるや否や、二人は叫んだ。
セルゲイがトンファーを放り投げる。ロイドはそれを両手で受け、ビルへ突入した。
「狙撃手、どうだ。…そうか。引き続き待機しろ。」
「ど、どうですか?」
「だめだ。人質の影に隠れていて狙えんそうだ。犯人はこの周辺の地形を調べ尽くしている。」
ドノバンが無線をしまい、舌打ちをした。
「ロイド…。」
しがみつくキーアを、セルゲイがもう一度撫でる。
龍のように階段を登り、屋上に飛び出したとき、ロイドを迎えたのは遮りのない星空だった。
そして手すりの側に、三人の姿はあった。
「よーうこそ晴れの式場へ!歓迎するよ、君ももちろん祝福してくれるよねぇ!」
ロイドは瞬時に構え、状況を把握した。
アロネを正面に構え、手にはナイフ。そして足元には口も塞がれたエリィが横たえられ、その頭に向けて彼女の銃が照準を合わせられている。
「どうだった、牢獄の生活は!会話の相手は狂人か、亡霊しか居ない。そうだろう。僕は友と引き裂かれ、孤独だったよ。得たものは屈辱だけだ!」
「やはり連続の窃盗の犯人は、あんただったんだな。」
「そうだ。とても楽だったよ。君の姿になれば、誰もが僕を信用した。雰囲気さえ似せればろくに顔も見られなかったよ。そしてそれは同時に、僕の怒りを増幅させた。」
「これは、復讐なのか。俺に対する。」
「そうだ。全ては、復讐だ!何もかもそっくりそのまま返す!君に殺された親友の為にね!」
男は、すでに演技も変装も引き剥がし、その本質を剥き出しにしていた。
「殺した?何の事だ。あんたの親友なんか知らないぞ。」
「しらばっくれるなぁ!君の手で獄中におちた私を、彼は身を挺して助けてくれたんだぞ。その命と引き換えに、愛する彼女を…マニーニを残して!」
「身を挺して?」
ロイドはアロネの話を思い出す。あの時、彼は確かに失っていたものがひとつだけあった。
「まさか…。」
「僕は誓った。必ずや復讐を遂げると。そしてその瞬間、僕は彼女と一つとなり、生涯守り抜くのだよ!」
男は、鼻腔から激しく息を吐き出しながら、荒波だつ呼吸を整えた。
「僕はね、僕は今まで人を殺したことなんて一度もないんだよ。ロイド。わかるかい?高尚なんだよ。それを君は踏みにじった。」
「爆弾を作る身にありながら、そんなことを良く言えるな。」
「しかし事実だよ。僕は組み立てただけだ。スイッチを押したのはどれも僕じゃない。だから、今回も僕の仕業じゃない。君だ。君が招いた状況なんだよ?」
114:共に歩みぬく意志
11/05/11 00:25:52.18 DrQ5Hyhe
おもむろに彼は、首からさげていた箱をつかみ、投げ捨てた。アロネが目を硬く閉じる。
箱は軽い音を立て、転がり、蓋と分かれた。
「クフ、クフフ、クフゥーン。自分の才能が怖いよ。空箱すらも爆弾にしてしまう。」
男はぎょろりと右目を剥いた。
「あの爆弾はある場所に設置してある。僕に何かあれば、即座に爆発する仕掛けだ。上司にも伝えた方が良いんじゃないか!」
「く…。二人を放せ。お前の狙いは俺だろう!」
「条件は一つだ。君の、死!飛び降りろロイド。そこからビルの下にむかってだ!」
「そんな!正気じゃ…ありませんわ、逆恨みではありませんの!」
「クフフフゥ!お嬢様はロイド様を愛しているのでしたな。そしてこの女も。良い、良い良い良い!尚良い!」
ロイドはゆっくりと構えを解いた。
「約束するんだ。俺が落ちたら、二人を解放すると。」
「クフフ、僕には高尚な理念がある。約束するよ。」
エリィは身をよじり、必死に首を振った。
「だめ、だめですわロイド様!こんな男の言い成りになっては!」
「わめくな!さあ、落ちろ!」
ロイドがゆっくりと後ずさる。男の笑い声は最高潮を迎えた。
「そうだ、失え。全てを失え。友を、名誉を。そして命をぉ!」
「誰が、何を失ったって?」
星空に声がこだまする。ロイドは足を止めた。
男が地上に目をやると、赤毛の男が手すりに腰掛けている。
「お前のシナリオじゃ、俺が爆発する役ってトコだな。ま、ゴメンだがよ。」
「ランディさん…!」
「ああー、そうか。君も私達を祝福しにきてくれたんだね。」
「おう。お祝いの品も持参したぜ?」
ランディが足元の包みを広げた。
「じゃーん。これなーんだ。」
「な…!」
それはバラバラにされた発火装置と、ナインヴァリから盗み出された爆薬だった。
「馬鹿な。僕以外、カバーすら外せないはずだ!」
「わるいねー。俺のガキの頃の玩具、積み木のかわりにずっとコレだったもんで。つい。」
「く、ど、どうやって。この広範囲を、この短時間で…。」
「ウチの課は、優秀な耳と鼻もそろってるんだな、これが。」
「部位で紹介しないで下さい。」
ティオとツァイトが、ランディの傍らに姿を現す。
「さすがにこの街全域は無理だったろうけども、どうやらお前の復讐相手はぜーんぶお見通しだったみたいだぜ。」
「何ぃ?!」
目を見開き、男はロイドを睨んだ。
115:共に歩みぬく意志
11/05/11 00:42:14.24 DrQ5Hyhe
「不審火の処理が終わって、警備が手薄になっていた。事件の起きたところに、再び何かあるとは思わないからな。
それにあんたはパスキューブ家に対するそれのように、貴族や議員といった身分に対しコンプレックスと恨みがある。
隣に共和国議員の邸宅があるのも合わせて、他に候補が思い当たらなかったんだ。」
「ぐ、ぐぐう…。嘘だ、君たちは、確かにバラバラに…。」
「バラバラだろうとぐにゃぐにゃだろうとなんでもなるぜ。リーダーの命令ならよ。」
「チームワークが売りですので…。」
男の歯が軋む。
「言っただろう、全部お見通しだってな。盗聴してたことも、覗き見してたことも、マッチでキャンプファイヤーしたのも、配達員に化けてちょくちょく来ては、様子見にきてたのもな。
だから一芝居うったのさ。」
「それを手帳越しにお願いされるとは思いませんでしたけどね。」
「くそっ、あの時の、あの時のか…!」
男の腕の中、アロネが微笑み、ため息をもらした。
「ああ、あああく、くふ、クフフ…。」
「もう逃げ道はないぞ。人質を解放しろ!」
「フフ…ああ、ウフフ…マニーニ、ごめんよ。僕は高尚な、ヒトではいられないよ。」
不気味に男が笑う。ロイドはトンファーをゆっくりと構えた。
「狙撃班!なんとかポイントは定まらないのか!クソッ!」
「ティオすけ、ここからあの二人に絶対障壁、届くか?」
「ダメです。攻撃魔法も、詠唱が終わる前に感づかれます。」
「ちっ、隙を窺うしかねえな。」
男がゆっくりと、ナイフをアロネの首に押し付ける。彼女の緩んだ表情が、再び恐怖に染まった。
「もう、もう僕は獣になるしかない。君の恋人のために。」
男は銃を握り、引き金に指をかけた。エリィがその顔を睨む。
「クフフ、君も素晴らしい女性だ。マニーニには劣るけれども、恋人想いだ。解かってるよ。さっき銃を取るとき、こっそり安全装置をセットしていたね?」
エリィが顔を背ける。装置を外し、男の口がにやりと歪んだ。
「やめろ、銃をおろせ!」
「ロイドォ、最近の新聞を読んだよ!君は稲妻の様に素早く動けるそうじゃないか。でもね、二人だ。
同時に二人守ることは無理だろう!さあ選べ!君の手で救う側、そして殺す側を選べ!」
狂気を孕んだ雄たけびがあがる。ロイドは、エリィを見た。
ウィンクが返ってくる。
ロイドはトンファーを回転させた。
「マニーニの為にいいいい!」
ナイフが高々と振りかぶられる。アロネが目を硬く瞑った。
ごうと風を切り、トンファーが飛翔した。ナイフが宙に舞う。
「クフゥーンヤハハハハハハハ!僕が!君の『初めて』の相手だァ!」
引き金が強く引かれた。
「ブチ込んであげるよォォォ!」
強く、強く引き金は引かれた。しかし銃は沈黙している。