強制女性化小説ない?Part41at EROPARO
強制女性化小説ない?Part41 - 暇つぶし2ch200:魔法少女キューティエアリィ第十三話-21 ◆yboXY7MR9E
11/04/21 22:20:18.58 5D8Qe6/1
スピカ「ハートを上下逆に反時計回りに回して、
キューティメタモルトランスレーションエアリィリバースと言って。」

絵梨「うん。わかった。」

スピカ「これはとてもイレギュラーな方法だからくれぐれも気をつけてね。
そして、絵梨に戻るときは・・・覚悟しておいた方がいいわよ。私にも何が起こるか分からないんだから。」

スピカは神妙な顔つきで警告をした。

絵梨「うん・・・気を・・・つける。」

スピカ「じゃ、私は戻るわね。」

絵梨「ありがとう。」

スピカは絵梨の目の前から姿を消した。

絵梨一人きりになったトイレの個室、ふと広い個室の鏡に映るダボダボのスーツを着た自分の顔を見る。

絵梨「あなたは・・・望美さん・・・なの?
私は・・・あなたなの?」
自分の顔を見ると涙があふれてくるのがわかる。

絵梨「ごめんね・・・でもあなたにしたこと・・・許してなんて言えないよね・・・」

絵梨「どうしたらいいの?
私はあなたになろうとしなくても・・・こうしてあなたになっちゃう・・・」

そして鏡の中の自分は黙したまま・・・絵梨はハーティジュエルを持った・・・

絵梨「キューティメタモルトランスレーションエアリィリバース」

こうして絵梨は大樹へと戻る・・・大きなリスクを抱えながら。

201:魔法少女キューティエアリィ第十三話-21 ◆yboXY7MR9E
11/04/21 22:22:45.77 5D8Qe6/1
そして桜山学園中等部の放課後・・・

明日美と萌波は二人で帰ろうとしていた。

明日美「やっぱり、絵梨と・・・ううん、大樹さんともう一度話してみた方がいいと思うの。」
萌波「そうね、私もそう思いますわ。」

明日美「・・・ねぇ、その話し方もうやめない?昔は違ったんでしょ?」

萌波「ごめんなさい、ずっとこのように話していたらこれで固定されてしまいましたの。」
明日美「まあいいけどね。あんたらしくって。」

二人が正門を出ようとした時、大きな高級外車が停まっていた。
そして運転席から初老の男性が降りて萌波に近づいてきた。

明日美「ほぇ~すっごい車・・・これって萌波の?」
萌波「ええ、そうよ・・・」
萌波は少しだけ険しい表情になった。
明日美(この子は家にいる間ずっとこういう顔をしているのか・・・)

高遠「お嬢様、お迎えにあがりました。」
萌波「必要ないわ。帰って頂戴。」
高遠「しかし、お嬢様・・・ご主人さまから必ず車で送迎するようにと申しつかっております故・・・」
萌波「しつこいわよ高遠・・・今後も送り迎えしなくて結構です。」
高遠「しかし、それではご主人さまに申し訳立ちません。」
萌波「お爺様にはいつも通りと言えばいいでしょ?」
高遠「私に嘘をつけと?」
萌波「そうは言ってないわ。嘘なんてつかなくてもどうにでもやりようはあるって言っているのよ。
じゃ、私は友達と一緒に帰るから。」
高遠「お、お嬢様!」

萌波はそう言うとすたすたと歩いて行ってしまった。


202:魔法少女キューティエアリィ第十三話-22 ◆yboXY7MR9E
11/04/21 22:25:05.15 5D8Qe6/1
明日美「い、いいの?」
萌波「いいのよ。私はあなたと帰りたいの。」
明日美「ふふふ、そうなんだ。ありがとう。」

明日美は嬉しそうに微笑み、二人は仲良く並んで駅へとつながる桜並木を歩いて行くのであった。

二人は駅に着くまでの間、趣味の話や絵梨の話、明日美は魔法少女になった経緯を話した。

明日美「じゃ、また明日学校でね。」

萌波「ええ、また・・・御機嫌よう。」

二人は駅に着くと上りホームと下りホームで別れた。

萌波「こんなに楽しいって思ったの久しぶりだな・・・なんだかすごく解放された気分・・・
お母さん元気かな・・・会いたいな・・・」
萌波はホームで物思いに耽って反対側の道路をなんとなく眺めていると少女が歩いているのが見えた。
最初は単に女の子が歩いているなと思って見ているだけであったが、どうもおかしい・・・
その女の子に見覚えがあることに気が付いた。

萌波「あの・・・人は・・・あり得ない!そんな!あの時確かに!!」
萌波はその人物の正体に気が付き、同時に戦慄した。
その人物とは、かつてアクエリィとして初めて戦い、最後に殺したはずのダークウィッチであったからだ。
萌波は急いで駅を出てその人物を追いかけたが既にその場にはおらず、周囲にもいなかった。

萌波「気のせい・・・だったのかしら・・・」
萌波は諦めて再び駅へと戻って行った。

そして同時刻、そのダークウィッチであった少女の前には日常ではありえないものが立ちふさがっていた。
黒く鈍く光るものが少女の前に浮かんでいた。

203:魔法少女キューティエアリィ第十三話-23 ◆yboXY7MR9E
11/04/21 22:27:49.78 5D8Qe6/1
少女「な・・・なに?これ・・・」
???「君にはもう用はないよ。君の中にいるものに用がある。」

それは少女に語りかけると触手のようなものを伸ばし少女の胸にトンと当てた。
すると何と言うことだろうか、その触手はそのままずぶずぶと少女の胸に埋まっていくのであった。
少女は苦悶の表情を浮かべ、苦しそうに唸り声を上げる。
少女「っぐっ・・・・ぐぁっぁぁぁぁぁぁぁ!」

それが少女の胸に埋まった触手を引き抜くとズルンと赤色に光る球が出てきた。
その光る球はふよふよと宙に浮いている。

???「目覚めたかい?久しぶりだね、もう8年ぶりくらいかな?」
???「あ、あなたは・・・!リゲル!」
???「ふふふ、覚えていてくれてありがとう。でも僕は光を失って今はイオと名乗っているんだ。」
???「忘れるわけないでしょう!あなたがこの子の中に私を封印したのだから!」
イオ「まあ、そのおかげで大事な彼女は守られているんだからいいじゃないか。」
???「裏切り者め!今は・・・今はどうなっているの?まさか!」
イオ「ああ、僕を捨てたあそこかい?平和なもんだ。
僕や君たちのことなぞ知らん顔しているみたいさ。」
???「私の拘束を今すぐ解け!」
イオ「このままではやだね、提案があるんだ。僕に協力してよ。」
???「誰がお前なんかに!」
イオ「まあ、そう言うと思った。でもね、君に選択権はないよ。」

イオと呼ばれた黒い球体はその姿をぐねぐねと変え、クマのぬいぐるみの姿になった。
そして左目となっているボタンをぶちぶちと引きちぎった。
その引きちぎったボタンを光る球に翳すと、ボタンから黒い触手が伸びて光る球体を包み込む。


204:魔法少女キューティエアリィ第十三話-24 ◆yboXY7MR9E
11/04/21 22:29:51.21 5D8Qe6/1
???「ぐっぐあっやめ、やだぁぁぁぁ!やめて・・・やめてぇぇぇぇ!」
その球体は苦痛に叫び、触手が全てを包み込むと最後に大きな悲鳴をあげ、地面に落ちた。
そのままぐねぐねと形を変え、うさぎのぬいぐるみとなった。
そしてボタンはそのまま首に巻きつきチョーカーになった。
イオ「ふふふ、カワイイ姿じゃないか。あの子も気にいるだろうね。」
???「はい、イオ様・・・」
イオ「君はこれからエウロパと名乗れ。」
エウロパ「はい、名前を賜り恐悦至極に存じます。」
イオ「やだなぁ、そんなに畏まらないでよ。前みたいな感じでいいよ。」
エウロパ「は、わかりました。」
イオ「わかってるのかなぁ・・・ま、いいや。
ふふふ、これから面白くなるぞぉ。たのしみだなー。」


次回予告
ずっと閉じこもっていた萌波の心は明日美によって解れた。
しかし、いまだ絵梨は自分の殻を破れずに葛藤が続いている。
彼女は、彼は突き破ることができるのだろうか。
そして新たに現れたエウロパとは!?
次回「Nothing!心の穴はどうやって埋めるの?」
アクエリィ「あなたに心から信頼できる仲間が居るかしら?」

205:魔法少女キューティエアリィ第十三話 ◆yboXY7MR9E
11/04/21 22:33:14.66 5D8Qe6/1
第十三話終わりです。

すみません、17回のはずだったんですけど、
いままで一回の投下で60行までいけたんですけど、
なんか可能行数が短くなっちゃったんですね。
情弱でサーセン

ってことで、長くなっちゃいました。ごめんなさい。

で、エアリィさん期間限定弱体化しちゃいました。
さらに、敵側に新たな仲間が?このエウロパさんは洗脳されているみたいですが・・・
その正体とは?ってなんとなくわかっちゃうかもしれないですけど。

ってことで、次回まで~
さ、まどマギまで寝よ

206:名無しさん@ピンキー
11/04/21 22:36:56.81 c7j/Shvx
おー、ぱちぱちぱち(^-^)人物が良く動いているので、一気に読めますね。

リアルタイムなのでワクワク感が二倍。楽しませて頂きましたo(^-^)o

207:魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E
11/04/22 07:53:01.65 D89FN4xh
>>206
あら、支援してくれてたんですね。
ありがとうございます。
気がつきませんで申し訳ありませんでした。


208:名無しさん@ピンキー
11/04/22 10:01:02.35 xavfvz2q
乙でした~。
謎のパワーアップが気になりますね、次回に期待!

209:名無しさん@ピンキー
11/04/24 13:40:53.78 KqYSsC7R
近い将来、男が免許制になった世界。
セックスで女性を満足させられない男は認められない。
試験で女性よりも先にいってしまうとどんどん女性化してしまう。
百戦錬磨の巨乳試験官に当たってしまった童貞くんの明日はどっちだ?

210:名無しさん@ピンキー
11/04/24 20:53:35.54 SvSWRnfY
こっち!

「んふっ、あなたそんなんでアタシのこと逝かそうとしたのぉ?こんなに感じやすいのにぃ」

童貞君は試験監女の華麗な指捌きであっという間に追い詰められてしまっていた。はち切れんばかりのポークビッツはその勢いを保ちながらも、みるみる間にかげ形を縮ませていく。

「はぁッ……あぁ、俺、ダメだイッちまう」

「逝っちゃいなさい……だいじょうぶ、アナタかわいぃ女のコになれるから」

女は口許を淫靡な三日月の形に歪めて笑う。テカる安っぽいグロスがかえってエロティックな雰囲気を醸し出して、童貞君の興奮を誘う。

彼はいま、自分の性欲の質がよくわからないでいた。男として女に欲情しているのかそれとも

211:竜巫女の人
11/04/24 22:14:50.39 HWQ3VuXN
#210の続きはないのかな? それじゃあ「竜巫女」の続き、投下させていただきます。

 「ところで、今の私は澪霧さんと瓜二つな姿をしているようですが、これは一体? やはりさっきの複製体を利用しているんですか?」
 両親(つまり国王&王妃)までが噛んでいるとあって今更どうにもならないと開き直ったのか、レムは自らの知的好奇心の方を満たすことにしたらしい─まぁ、嫌な事を一時棚上げしたただけかもしれないが。
 「まぁね。ただし、ひとつ訂正すると、アレは単なる「皮」よ」
 「へ?」
 澪霧の言葉に首を傾げるレム。
 「「皮」とは言い得て妙ですね。そう、確かに「複製体」の術式の一部は利用していますが、逆に膨大な魔力が必要な部分は簡略化したのですよ」
 「で、結果、アソコに出来あがったのは、皮膚と皮下脂肪、あとはごく一部の器官のみ存在してその他はスカスカの、まさにあたしの姿をした「皮」ってワケ」
 母親と澪霧に代わるがわる説明されて、レムは目を白黒させている。
 「し、しかし、私はこうして普通に動けているようですが……。ヒューマンの女性になったという点─まぁ、それが一番大きいワケですが─を除くと、とくに違和感もありませんし」
 「ふふん、それはね、あの皮の中に、レムくんの竜魂を放り込んだからね」
 「竜魂、ですか」
 「ええ、レムルス、貴方は「竜魂」という言葉の意味を知ってるかしら?」
 母親の問いに、レムは首を横に振る。
 「いえ、不勉強なもので」
 「竜人族が他の人間種族と圧倒的に異なる特徴のひとつに、成長過程で「脱鱗」という行為がある、というのは知っているわね?」
 「それは、もちろんです」
 レム自身も数年前に成人の証である「脱鱗」を経験している。
 ちなみに、竜人族はおおよそ生後20年前後で「脱鱗」を経験し、成人とみなされるのが普通だ。中には極端に早い者や30年近く経ってようやく「脱鱗」する者もいるが、その辺は個人差である。
 「竜人族自身も含めて殆どの人が、行為として蛇や昆虫などの「脱皮」と似たようなものだと思っているようですけど、その実態は随分と異なるのですよ」
 母后の言葉、レムにとっても確かに意外だった。
 成長した竜人は、ある時期になると、鱗を始めとする体表面が硬化し、動き辛くなる。
 その硬化が全身(正確には全体の9割以上)に及ぶ頃、誰か年長者(ふつうは両親のどちらか)が、爪で背中に「線」を入れてやると、そこから皮膚が裂けて外皮を脱ぎ捨てることができるのだ。
 少し意味合いは異なるが、人間で言うなら乳歯が永久歯に生え換わるようなものである。
 どう見ても、単なる「脱皮」の延長にしか思えないのだが……。

212:『竜人と巫女のゲーム』
11/04/24 22:15:50.19 HWQ3VuXN
 「その証拠に……ホラ!」
 「げッ!?」
 澪霧が、壁際の観音開きのタンスを開けると、中にはクタリとしたレムルス自身の「体」が吊るされていた。
 彼とて、以前「脱鱗」した直後に自分の「抜け殻」を見た記憶はあるが、あの時の「皮」はもう少しペラペラで、こんな風にまるで生きてるみたいな気配は発していなかったと思うのだが……。
 「コラコラ、「生きて」ないと困るでしょ。やることやったら、アンタ、コッチに戻るんだから……。
 それとも、一生その姿でいる気? まぁ、あたしは別に構わないけど」
 「いや、私が困る!」
 種族も性別も異なる身体に一生閉じ込められてタマるか!
 ……と、この時のレムは猛然と抗議したのだった。
 「で、話を戻すと、「脱鱗」時の竜人って、霊的にすごく可塑性が高くなってるの。それで、さっきの儀式魔法で「脱鱗」に近い状態を人為的に発生させたうえで、レムの身体から竜魂─魂その他一式を抜き取ったってワケ」
 「そ、その他一式って……」
 あまりにアバウトに説明に、レムは頭がクラクラしてくる。
 「いろいろね。魂’霊体に加えて、脳、心臓を含む循環器系、消化器系と呼吸器系の大半、骨格の一部……まぁ、そんなところかしら。そういったものをまとめてエーテル化して、アンタの身体から抜き取ったのよ」
 先程の、人魂(ウィルオウィスプ)にしては大きな光の球は、どうやらそういう代物だったらしい。それを、澪霧の身体を見本に作った「皮」に入れて実体化し、なじませたのだろう。
 「古えの時代には、自ら竜魂を体外に投射し、そのまま実体化して不老不死の覚者となった竜人もいると言います。また、竜魂の形を変えて、そのままドラゴンに転生した者がいるとも」
 レムも、その言い伝えくらいは、おとぎ話として聞いたことはあった。
 まさか、自分がその技術の一端を体験することになろうと思わなかったが。

 「はぁ……伝説的な技術の一端を、こんな悪だくみに使用するとは……ご先祖様が泣きますよ」
 「やれやれと言う風に頭を振るレム。半ば癖になっている仕草だが、今はヒューマンの少女の姿になっているため、いつもにもまして寂寥感が背中に漂っている。
 「なによ~、さっきも言ったけど、コレはこの国のタメなの。それに加えて、あたしは辛気臭い都の巫姫暮らしを数年回避できるし、アンタは念願のヤマトに行って好きなだけ勉強ができる。みんなWIN-WINな、ワンダホーな計画じゃない」
 「貧乏クジを引かされるアキツの方々に対して心が痛むのですが……」
 常識的なレムのツッコミも、澪霧は意に介さない。
 「バレなきゃ問題ないわよ。それに、そんなに気に病むならせいぜい「模範的な巫姫様」になって、周囲を喜ばせてあげたら?」
 「そうですね、誠意と言うのも口はばったいですが、それがせめてもの償いかもしれません」
 その点、王妃はさすがにこれが「悪事」であるという自覚はあるようだ。
 「─異議を申し立てたいところですが、仕方ありませんね。わかりました。レムルス・ディノ・ナーガラー、ドラクタリヌースの第一王位継承者として、この任務、しかと承りました」
 ここまで御膳を整えられた以上、この危険で馬鹿げた企みに乗るしかないのだろう。
 不承不承ながら、レムはこの計画への協力(と言うか主演?)を宣言したのだった。
 「レム……立派になって」と、王妃はハンカチで涙で拭っていたが、どう見ても演技クサい。まぁ、わざとだろうが。

213:『竜人と巫女のゲーム』
11/04/24 22:16:24.24 HWQ3VuXN
 ─が。
 多忙な王妃が後事をふたりに託して地下室を去ったところで、澪霧が何気なくレムのそばまで歩み寄って来た。
 「それじゃあ、十日後の使節団出発まで特訓ね!」
 「……は?」
 ニヤリと嫌な笑みを浮かべた澪霧の様子に、冷や汗が止まらなくなるレム。
 「あら、いくら姿形がソックリでも、色々覚えないといけないコトはあるでしょ。特に……人間のオンナノコと・し・て♪」
 フーッと耳元に息を吹きかけられると、レムの背筋に電流のようなモノが走る。
 「ひゃっッッ! ちょ、コレ、何?」
 「あらら~、敏感ねぇ、レムちゃんは」
 ツツーッと単衣越しに背筋を指でなぞられただけで、ゾクゾクッと得体のしれない感覚が、レムの全身に伝播する。
 「や、やめてくださいよ、澪霧さん!」
 「ダ・メ・よ♪ そんなんじゃ日常生活をまともに送ることもできないでしょう?」
 少しでも刺激に慣れなきゃ……と、もっともらしいコトを言ってるが、その嬉しそうな目付きからして、明らかに楽しんでヤっている。
 身体の各所─腋の下やうなじ、ヘソの下のあたりなどをツン、ツンと戯れのように突かれるだけで、レムは悲鳴のような声を漏らさずにはいられない。
 「……っくぅ!」
 意図せず、全身の感覚が研ぎ澄まされてしまっているのだ。
 「も、もうヤメ…ふぁっ!?」
 澪霧の手がレムの首筋に触れ、そこからさらに下へと揉み解していく。
 「や、やぁ……そんな……やめぇっ……あッ……くふぅ……あぁ、んっ、ふぁぁん」
 首、肩、腕、背中と、順に澪霧の手が軽く撫でるだけで、レムは体内にき起こる未知の感覚に翻弄され、身体をくねらせ、悶え、呻きを漏らすことしかできない。
 (きもち、きもちイイ……けど、こ、こんなコト、ダメです……)
 僅かに残った理性が、警告するが、慣れない身体は思うように抵抗すらできない。

 ─ツツーーーッ……

 澪霧の手が、腕からわき腹、そして……。
 「ひゃぁ!?」
 女性ならではのふたつのふくらみを、サワリと撫でる。
 「ひンッ、あぁ……だめぇ! ゆびうごかさないで……ビリビリきちゃう……はあぁぁぁんっ!」
 どうやら、軽く達してしまったようだ。

214:『竜人と巫女のゲーム』
11/04/24 22:17:55.85 HWQ3VuXN
 ちなみに、レムがここまで敏感になっているのは、竜人の男から人間の女へと二重の意味で変化したからだ。
 もともと全身を鱗におおわれた竜人は、人間やエルフは元より、頑健なドワーフと比べてさえ皮膚感覚が鈍い(その分丈夫なのだが)。それが、いきなり人間の皮膚─しかも年若い少女のソレに変化されられたとなれば、こうなるのも自明のことだ。
 そんなコトを得々と語る澪霧。ただし、その顔が艶々してるように感じられるのはおそらく気のせいではあるまい。
 対称的にグッタリした様子のレムは、「だったら最初から口で説明してくださいよ」と恨めしげな目付きで彼女を睨むのだった。

-つづく-

#ちょいエロ回。まぁ、本格的なのはその内に。次回は、NEW澪霧ことレイムのお披露目と、旅立ちの章です。

215:名無しさん@ピンキー
11/04/25 21:33:36.70 Rl+uw9s8
>>214
乙!しかし澪霧(元祖)って当初思ってた以上にチートっぽい(笑)しかし旅立ったら
旅立ったで次はレイムはどんな人に弄られることになるのだろう(汗)

216:魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E
11/04/27 14:29:52.65 Ewg38AKc
こんにちは。
エアリィさん十四話完成しました。

今夜投下します。

217:魔法少女キューティエアリィ第十四話 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 20:20:32.74 sPMTSch2
さてこんばんわ。

これから投下しますが・・・なんだか結構長くなっちゃいました。
予定では25レス続きます。
前みたいに一回に60行くらい投下できればもっと少なくて済むんですが・・・

※注意
・今回もエロ地区内です。(もうちょっと話し進んだらエロ番外編しようと思います。)
・強制TSあります。
・台本形式です。

これらが苦手な方はNG指定してくださいませ。

では、本編スタートします。

218:魔法少女キューティエアリィ第十四話-1 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 20:22:59.08 sPMTSch2
大樹「戻った・・・な。」

大樹はスピカに改造してもらったハーティジュエルで
絵梨から大樹へと戻った。
いや、この場合は絵梨から大樹へ”変身”することができた。

大樹「スピカが言うには二時間のリミットか・・・気をつけないとな。
・・・っと・・・しまった。」
いつの間にか昼休み終了まで残りわずかとなっていることに気が付き、
大樹は変身したことで乱れた身なりを急いで整え、公衆トイレから出て行った。

大樹「いつつ・・・元に戻ってもやっぱり腹の痛みは収まらないか・・・」

急いだが、会社に戻ってきたときは昼休み終了チャイムが鳴り始めた時間であった。

山本「大丈夫ですか?まだ顔色悪いですよ?」

大樹「うーん、まだちょっとなぁ。
あの・・・そう、ス、ストレス性の胃腸炎らしく、
二時間ごとに薬を飲んで休憩しなきゃならんらしい。」

山本「そうですか、無理しないで下さいよ。」

大樹「わかってる、ありがとう。」

田中「そうそう、二時からの・・・資料集めておきましたよ。」

大樹「ああ、そうだったね。ありがとう田中君。」

田中「ホント大丈夫ですか?課長・・・」

大樹「ああ、大丈夫、大丈夫・・・」

大樹(来客は二時・・・リミットは3時前・・・早めに切り上げないと。)

219:魔法少女キューティエアリィ第十四話-2 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 20:25:00.68 sPMTSch2
どうにか制限時間内に無事に来客の対応が済んだ時であった・・・
ポケットの中のハーティジュエルがカチリと音を立て、ヴーンとくぐもった振動音が聞こえてきた。

大樹(この音は・・・?)

大樹がその音に気が付いた瞬間、体中に心臓の鼓動が響くような感覚に陥る。

ドクンッ!

大樹「!」

大樹「っっ!かはっ!・・・うぐっ・・・!」

田中「だ、大丈夫ですか!?」

大樹「だ、大丈夫だ・・・す、すまん・・・先に戻っててくれ・・・
く、く・・・くすりを飲んでくる・・・」

田中「お手伝いしますよ!」

田中は上司の只ならぬ様子を見て心配そうに顔を覗き込む。
脂汗を滲ませ、目を見開き明らかに苦しそうな姿で足元がおぼつかない様子であった。
そのため、そして手を貸そうと大樹の腕をとり支えようとした。

大樹「だ、大丈夫だから・・・先に戻っていなさい。」

体が軋み、下腹部が痛みを増してくる。
髪がざわざわとうねり始め、少しずつ、少しずつ体の線が丸みを帯びてくる。

大樹(ま、まずい!)

大樹は部下の体を振りほどく様に走りだし、フラフラになりながら近くのトイレに駆け込んだ。

田中「課長!・・・大丈夫かな?なんか課長少し小さくなっていたような・・・?」

220:魔法少女キューティエアリィ第十四話-3 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 20:27:05.24 sPMTSch2
いつもは一瞬で女性化してしまうのだが、少しずつ、少しずつ女性化していった。

骨はきしみ、肉が裂けるような感覚、髪は乱れながら伸びて行き胸は張り裂けそうになる。
そして内臓が抉られるような感覚、さらに内側から殴られるような衝撃。

大樹「かはっ!こんなにゆっくり・・・あの感覚が!・・・くっ・・・」

通常であれば一瞬で体の再構成が起こるのだが、今回は時間をかけて再構成をしているため、
体に大きな負担がかかっていた。

大樹「これが・・・激痛・・・ってことか?うっ・・・!うっげぇぇぇぇぇぇ。」

その変身過程は嘔吐してしまうほどの体の不快さがあった。
しかし、スピカの言っていた体への負担とは、このことではなかった。

なんとか体の全てが絵梨になったと思った時であった。

絵梨「はぁはぁ・・・もう・・・終わったのかな?これで20分くらい待てば・・・」

ズキンッ!

絵梨「!!!!!・・・・はっぁ!!!!」

絵梨の体に衝撃が走る。そしてその場で思わずうずくまってしまった。

絵梨「・・・息が・・・かはっでき・・・ないっ・・・いた・・・うぐっ・・・い!」

体が引き裂かれそうなほどの激痛、その痛みは無獣の攻撃を受けた時の数倍に感じた。
恐らくは並みの人間であれば、いっそ殺してほしいと思うほどの痛みであったろう。
生身の体ではそうとうキツイ痛みであろう、気を失わないのは絵梨の気丈さからであろうか。

絵梨「この・・・痛み・・・ど、どれくらい・・・続くの・・・うっ・・・」

221:魔法少女キューティエアリィ第十四話-4 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 20:29:13.80 sPMTSch2
その痛みが続いたのは1~2分程であろうか、しかしその1~2分は今の絵梨にとって永遠とも感じられた。

絵梨「おさ・・・まらない・・・うっ・・・」
ポタポタと汗と一緒に涙がこぼれる。

そして・・・絵梨は痛みに耐え、疲労困憊の様子で髪を乱してぐったりと座っていた。
絵梨「はぁぁぁはぁぁぁぁ・・・お、収まった・・・?こんなにキツイの?」

乱れた息を取り戻すようにゆっくりと深呼吸をした。

絵梨「これ・・・二時間ごとに繰り返すのか・・・・きっついなぁ・・・
でも、自分から望んだから覚悟決めなきゃ!」

絵梨は魔力が溜まる20分間、物思いにふけっていた。

絵梨(魔法少女になってから・・・だんだん嘘をつくことが多くなってきた。)

絵梨(家族のため、今後のためとは言うけれど・・・私はこのままでいいのかな?)

絵梨(この痛みは私への罰・・・かな?
これで嘘つきの私を許してとは言えないけど・・・)

絵梨(なんだか、この痛み絵梨が大樹を拒否しているみたい。
心と体がバラバラになりそう・・・)

しばらくすると光を失っていたハーティジュエルが再び光を取り戻した。
魔力が溜まったということだろう。

絵梨「もう・・・いいのかな?あんまりもたもたしてられないしね。」

少し憂鬱になりながら深呼吸してからその小さな口から呪文を紡ぐ。

絵梨「はぁ・・・キューティメタモルトランスレーションエアリィリバース」

カチリとハーティジュエルを回転させると一瞬ピンク色の光が広がり、
ハーティジュエルを中心として光が集束していった。

222:魔法少女キューティエアリィ第十四話-5 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 20:31:14.75 sPMTSch2
十四話「Nothing!心の穴はどうやって埋めるの?」

大樹「ふう・・・これが一週間くらい続くのか・・・本当に病気になりそうだ。」

そして服装を整え大樹は仕事場にふらふらしながら戻ってきた。

山本「課長!大丈夫ですか?やっぱり今日は帰った方が・・・」

田中「そうですよ。さっきつらそうでしたし。」

大樹「しかし・・・」

木下「大丈夫ですって。仕事は先輩たちに任せておけば。」

田中「きのしたぁ!お前もやるんだよ!」

木下「あ、やっぱり?」

山本「ってわけで、仕事は俺たちがやっとくんで、大丈夫ですよ。
なんなら大事を取って明日も休んじゃって大丈夫です。」

田中「そうそう、最近課長根詰めすぎですし、この際俺たちに甘えちゃってください。」

部下の優しい心遣いに大樹は感動してしまい、思わず涙ぐんでしまった。
それをすかさず部下が見つけ、茶化される。

遠山「あれあれ~?泣いちゃってるんですかぁ?
ふふふ、私たちの心遣いに感動しちゃったとか?」

大樹「う、うるさい!泣いてなんかいないぞ。
目にゴミが入っただけだ。でも・・・ありがとな。みんな。」

田中「俺が課長の分もみんなを引っ張っていくんで、安心して休んでください。」

山本「よっ田中リーダー!私あなたについていくわぁー。」

大樹「ふふふ。じゃ、頼んだぞ。何かあったらすぐに連絡してくれ。」

223:魔法少女キューティエアリィ第十四話-6 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 20:36:05.61 sPMTSch2
ポケットから取り出したハーティジュエルを見る。
まだ鮮やかなピンク色に輝いていた。
大樹「まだ魔力はそれほど減っていないな・・・
今のうちに戻れ・・・絵梨になれば苦痛は少ないかもしれない。」

大樹「っと・・・その前に服とアレをどうにかしないとな・・・ちょっと買っていくか。」

大樹は駅前のショッピングセンターに行き、絵梨のサイズに合う適当な服と下着を購入、
そして薬局に行きナプキンを買った。

大樹「たしか、これでよかったよな・・・やっぱりこの姿で買うとちょっと恥ずかしい。」

そして身障者用トイレに籠り、絵梨の姿へ”戻った”。
大樹の推理通り魔力の消費がほとんどない状態であれば苦痛は少なかった。
購入した衣服を身につけ、鏡を見る。

絵梨「うう・・・あんまりかわいくない・・・なんでこんなの買ったんだろう。
大樹ってセンス悪い・・・」

この時まだ絵梨は自分が大樹のことを別人のように感じていることに気が付いていなかった。
徐々にではあるが二つの心が乖離し始めていたのだ。
これは大樹が大樹=絵梨であることを拒否しているためか、はたまたその逆か・・・
今までは大樹と絵梨は文字通り一心同体であったが、真実を知ってからの彼”ら”は
お互いの存在に違和感を覚え始めているのだった。
大樹と絵梨がっちりと接続されていたものが少しずつ離れて行き、
真ん中にぽっかりと穴が開いているようになっていた。
それは捉えどころのない不安感となって彼”ら”を襲いつつあった。
只でさえ一つの体に二つの性が同居しているこの状態、
早くこの”穴”を埋めないと心が壊れてしまう。
しかし、心の”穴”を埋めるには二つの心を受け入れなければならない。
しかしお互いに受け入れるためにはどうしたらいいのだろうか。

224:魔法少女キューティエアリィ第十四話-7 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 20:38:06.59 sPMTSch2
そして次の日、大樹は昨日よりもひどくなった腹痛のため、
仕事を休むことにしたが、大樹状態を維持しなくてはならないので
ずっと自宅にいることもできず、いつものように出勤した。
絵梨グッズ一式を持って。

大樹「うう・・・ひどく痛む・・・は、早く絵梨にならないと・・・」

チラリとハーティジュエルを見るとほとんど光を失っていた。
昨日帰宅してから何度か大樹から絵梨に戻ったのだが、
戻るたびに体への反応が変わっていた。

ほとんどの場合は激痛であったのだが、
あるときは体が動かせないほどの倦怠感、
また、ひどい吐き気や頭痛、
そしてフラフラになるほどの発熱、超過敏になる触覚・・・
体の調節が制御不能になり、ありとあらゆる諸症状が絵梨の体を襲ったのだった。

大樹は腹部の痛みに耐えながら駅前までやってきた。
それから何とか絵梨に戻れそうな場所を探し、そこに入る。
息も絶え絶えすでに光を失いかけているハーティジュエルを正向きに回転させる。
すると緩やかに苦痛を伴いながら絵梨に戻っていく。

そして・・・大樹は強い逆流症状に耐え、絵梨の姿に落ち着いた。

絵梨「はぁはぁはぁっ・・・リミットぎりぎりだとやっぱり・・・きっついなぁ・・・
でも、今日は夜までこの姿でいられるし少しは楽かな。」

絵梨は下腹部をさすりながら呟いた。

絵梨「でも・・・今日がピークなんだよなぁ・・・うううっ。
あたりまえだけど・・・これがあるってことは私って赤ちゃん作れるんだよね・・・」

絵梨「赤ちゃん・・・////」

絵梨はその言葉の意味を考えると顔からボンッという爆発音が聞こえてきそうなほど
顔が真っ赤になってしまっていた。

225:魔法少女キューティエアリィ第十四話-8 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 20:40:14.66 sPMTSch2
絵梨「あはは・・・何を考えているんだ私は・・・そんなのあり得ないって・・・はぁ。」
何を想像したのかわからないが、絵梨は一人で自分の思考を否定した。

絵梨「コホン・・・さて・・・夜までどうしようかな・・・ずっとここにいるわけにもいかないし。」

絵梨「とりあえず、駅まで行こうかな。」

トボトボと一人歩いていると、通勤通学の人の流れに出くわした。

絵梨「そっか、この時間はまだラッシュの時間帯か。
私はもっと早く出るからここまで混んでないけど・・・」

人ごみに飲まれないように、通勤通学の大きな流れが過ぎるまで
絵梨は脇に避けた。

絵梨「あーあ、駅まで来たのはいいけれど・・・これからどうしよ。」

絵梨「明日美の学校に行っちゃおうか・・・迷惑かなあ。」

ボーっとビルの壁にもたれながら人ごみの流れを眺めていた。
すると、一人の女の子がフラフラになりながらも人にぶつかりつつ
歩いているのが見えた。

絵梨「あらら、大丈夫かな?あのこ・・・体調悪いのかな?
あ、またぶつかった。ん?あれ?あれれ?あの子・・・どこかで・・・」

絵梨が考えていると、その女の子はすごい勢いで走ってきた
サラリーマン風の男が後ろからぶつかられてしまった。
するとその子の眼鏡が飛び、よろよろと足がもつれ倒れてしまった。

絵梨「あ!」

咄嗟に絵梨は倒れた女の子を助けようと近づくと・・・

サラリーマン「っち!あぶねえな!ふらふらしてんじゃねーよ!気をつけろっ!」

ぶつかってきたサラリーマンはその女の子にそう言い捨て、走っていった。

226:魔法少女キューティエアリィ第十四話-9 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 20:42:24.91 sPMTSch2
絵梨「なっ!何!あいつ!
こら~~!!あんたがぶつかってきたんでしょうが!」

絵梨「ごめん、ちょっと待ってて!」

絵梨は眼鏡を拾って女の子に渡し、
ぶつかってきたサラリーマンを追っていった。
しかし・・・

絵梨「はぁはぁ・・・こんなの・・・いつもなら・・・・はぁはぁ
簡単に追いつけるのに・・・」

人ごみに紛れて見失ってしまったのだった。
そして、申し訳なさそうに女の子がいた場所に戻ってきた。
その女の子は律儀にもその場でちゃんと待っていてくれていた。

絵梨「ごめん!逃がしちゃった。」

絵梨は手を合わせその女の子に謝罪した。

???「ありがとうございます・・・その・・・いいんです・・・
こっちもフラフラしてたのがいけないんだし・・・」

その子は蚊が鳴くような小さな声で逆に謝ってきた。

絵梨「大丈夫?なんだかフラフラしてるけど・・・
体調悪いの?」

???「じ、実は・・・昨日の午後からなんだか体の調子が悪くって・・・」

絵梨「そっか・・・その制服って美星高校?」

???「え、はい・・・そうです。よくご存じですね。」

絵梨「うん、そこの中等部に私の娘・・・じゃなかった友達が通っているの。」

227:魔法少女キューティエアリィ第十四話-10 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 20:44:27.25 sPMTSch2
???「そう・・・だったんですか。」

絵梨「あれ?あなた・・・どこかで・・・?んーー?」

その子にどこかで会ったような記憶があり、絵梨は何とか思い出そうとしていた。

???「はぁ・・・もう・・・落ち着きましたので、学校・・・行きます・・・」

その子がそう言ったことで絵梨は思考を中断してしまった。

絵梨「あ、そう?大丈夫?気をつけてね。」

???「はい・・・・きゃっ!」

その子が立ちあがろうとすると再びフラフラと足がもつれ、
その場にへたり込んでしまった。

絵梨「だ、大丈夫?まだ落ち着いてないじゃん!
ちょっとそこの公園で休んでいこ。」

絵梨はその子の肩を抱え、公園まで連れて行こうとした。
が・・・
その子は絵梨よりも15cm以上も身長が高く、
どちらが支えられているか分からない状態だった。

???「だ、大丈夫・・・です・・・自分で、その・・・歩けますから・・・」

絵梨「い、いいの・・・え、えんりょ・・・し、な・・・い・・でっ。」

それでも絵梨は頑張ってその子を抱え、
どうにかこうにか公園のベンチまで連れて行った。

絵梨「はぁはぁはぁ・・・だ、だいじょうぶ?」

???「あ、あなたこそ大丈夫・・・ですか?」

228:魔法少女キューティエアリィ第十四話-11 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 20:46:28.25 sPMTSch2
絵梨「わ、私はだいじょうぶ。
ちっこいけど体は頑丈だからっ。」

絵梨は息を整えながらガッツポーズをして、
落ち着いたところで女の子に自己紹介をする。

絵梨「あ、まだ名乗っていなかったね。
私は西山絵梨。だいたい中学二年生くらい。」

???「(だいたい?くらい?)わ、私は・・・南野・・・
南野 灯莉・・・です。高校二年生。」

絵梨「あかりちゃんね。よろしくっ。」

絵梨は精いっぱい元気を込めて自己紹介をした。
対して灯莉はその元気さに気押されたのか俯いてオドオドとした態度であった。

灯莉「よ、よろしく・・・おねがい・・・シマス・・・」

絵梨「あの・・・ごめんね?
ちょっと気になったんだけど・・・私と会ったこと・・・ある?」

灯莉「え・・・その・・・わ、私は・・・ないと・・・思います・・・」

絵梨「うーん・・・ちょっと待ってぇ・・・
どーこだったかなぁ・・・うーん・・・あれぇ?」

絵梨は眉間にしわを寄せああでもない、こうでもないと
腕組みしたり額に手を当てたり、自分の頭をポカポカ叩いたり・・・
灯莉の周りをうろうろしながら考えていた。

灯莉「くすくすくす・・・絵梨さん・・・おもしろい方ですね。」

229:魔法少女キューティエアリィ第十四話-12 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 20:48:30.69 sPMTSch2
絵梨「えーっ面白いかなぁ。もうちょっとで思い出せそうなの。
そう・・・大事な何かを・・・うーん・・・ま、そのうち思い出すでしょ。」

そして絵梨は悩むのをやめた。

絵梨「そうだ!!」

と突然大きな声を上げずずいと灯莉に顔を近づける。

灯莉「ひゃっ!」

絵梨「やだなぁ、そんなに驚かないでよ。
ね、せっかくの出会いだし、メアド交換しよ?」

灯莉「メアド?」

絵梨「そう、メールアドレス。携帯持ってるよね?」

灯莉「う、うん・・・持ってます・・・けど。」

絵梨「じゃ、交換しよ。いい?」

灯莉「いいけど・・・なんで・・・私なんかと?」

絵梨「だって、もう私たち苦楽を共にした友達でしょ?」

灯莉「くらく?」

絵梨「苦楽とはちょっと違うかぁ。あははは。」

灯莉「くすくすくす・・・絵梨さん面白い・・・」

灯莉「でも・・・ともだち・・・かぁ・・・
ほんとにいいんですか?私なんかと。」

230:魔法少女キューティエアリィ第十四話-13 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 20:50:31.51 sPMTSch2
絵梨「うんっ!もちろんっ。」

絵梨はずずいと灯莉の目の前に手を出した。
灯莉はそれを不思議そうに見つめる。

絵梨「やだなぁ・・・握手だよ。
友達になった証の。」

灯莉「ああ、はい。」

灯莉は眼鏡の奥の瞳をキラキラと輝かせながらニコリと笑うと
絵梨と握手をした。
すると一瞬手の中が光ったような気がした。
それに灯莉は気が付かない。

絵梨「??あれ?今・・・なんか?光らなかった?」

灯莉「?そう・・・ですか?静電気でしょうか?」

絵梨「まあいいや。じゃ、メアド赤外線で送るから。」

絵梨は無骨なおよそ女の子が持つようなデザインではない携帯を出して
灯莉の携帯に近づけた。

ピロリン

灯莉は受け取ったアドレスでメールを送信。

ヴーンヴッヴーン

絵梨「あ、来た来た。ありがとね。
今度私の友達も紹介するね。その子とってもいい子だからきっと仲良くなれるよ。」

231:魔法少女キューティエアリィ第十四話-14 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 20:52:38.97 sPMTSch2
灯莉「は、はぁ・・・あ、では、そろそろ・・・学校行きますね。
もうこの時間だと完全に遅刻ですけど・・・」

絵梨「あ、引きとめちゃってごめんね!
じゃ、気をつけてね!辛かったら無理しないでね!」

灯莉「はい・・・いろいろと・・・ありがとうございます。」

灯莉は丁寧にペコリとお辞儀をすると、
ゆっくりゆっくりと足元を確かめる様に歩き、
公園を出て駅の方へ向かっていった。
絵梨はその姿を見えなくなるまで見送っていった。

絵梨「ふふふ、儚げな女の子だったなぁ・・・不思議な感じの子。
あかりちゃんかぁ・・・明日美たちよりは年上だね。」

絵梨「でも・・・うーん・・・やっぱり思いだせない・・・
どこだったかなぁ・・・」

絵梨「そのうち思い出すかな?
さて、これからどうしようか・・・やっぱり明日美の学校行こうか・・・」

スピカ「絵梨・・・絵梨・・・」

絵梨「うわっ。びっくりしたぁ!」

スピカは絵梨の脳内に話しかけてきた。

絵梨「なに?」

スピカ「今の子・・・反応があった・・・」

絵梨「反応?何の?」

232:魔法少女キューティエアリィ第十四話-15 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 20:54:40.07 sPMTSch2
スピカ「いや、まさか・・・8年前に・・・今頃?」

絵梨「どうしたって言うの?もったいぶらずに話して?」

スピカ「まだ確信してないんだけど・・・さっきの子・・・」

絵梨「うんうん灯莉ちゃんっていうの。」

スピカ「魔法少女よ・・・正確には魔法少女の適性があるってことなんだけど・・・」

絵梨「ほんと!?つ、ついに4人目ゲット!?
やっぱりこれは運命だったのね!」

スピカ「うーん・・・でも・・・適正因子反応と一緒に
・・・あの子から僅かだけど魔力の反応もあったの。」

絵梨「もう魔法少女になったから魔力があるんじゃないの?」

スピカ「適正因子反応と魔力反応は同居しないはずなの。
それに、私は火を司る魔法少女が生まれたという話を今まで聞いていない。」

スピカ「しかも、火の魔法少女のパートナーは8年くらい行方不明。」

絵梨「こっそり魔法少女になっていたとか・・・」

スピカ「なんの意味があるのよ。
彼女は・・・レグルスは8年間只の一度も私たちに連絡してこなかったのよ。」

スピカ「もしなっているとしたならあの子から感じた魔力は少なすぎ。
あんな少しでは魔法少女とは言えない。
それに、あの子自身が魔法少女であるという事実を知らないような気がする。」

絵梨「明日美とも相談する必要があるかもね・・・善は急げだ!明日美の学校に行こう!」

スピカ(でも、レグルスの手がかりがやっと出てきた・・・一体彼女に何がおきているの・・・)

233:魔法少女キューティエアリィ第十四話-16 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 20:56:45.21 sPMTSch2
ここは桜山女子中学校
絵梨は正門前までやってきた。門はやはり閉まっている。
そのため、正門あたりをうろうろしていたら守衛からギロリと睨まれてしまった。

絵梨「あちゃ、まだ授業中だしやっぱり部外者は入れないよねぇ。」

絵梨「うーん・・・どうしようか・・・とりあえず今の授業が終わったらメールしてみるか。」

絵梨は守衛に見られない死角に隠れて時間が来るのをひたすら待った。
待った・・・待った・・・
絵梨「うう・・・まだかなぁ・・・おなか痛いし・・・寒いし・・・」
そして・・・待った・・・

キーンコーンカーン

絵梨「終わった!!」
絵梨『絵梨です。今、学校の正門の前にいるの。話したいことがあるから来てくれると嬉しいです。』

ポチ
ヴッヴーンヴッヴーン
明日美『絵梨!?なんでいるの?今から行くから待ってて!』

そして3分後、明日美は走ってきた。意外な人物を連れて。

明日美「絵梨ーーー!」

絵梨「明日美~・・・えっ?えーーーーっ?・・・も・・・なみ?」
絵梨は明日美が連れてきた人物を指差して叫んだ。

萌波「人のこと指差さないでくださる?」

絵梨「あ、ごめん。な、なんで萌波がここにいるのよ。」

萌波「それはこっちのセリフ。私はここの学校に転校してきたの。
で?あなたは何しに来たのかしら。」

234:魔法少女キューティエアリィ第十四話-17 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 20:58:46.77 sPMTSch2
絵梨「あ、そうだ。ちょっと今朝すごい人と会ったの。」

明日美「ちょっとさ、話するのはいいんだけど・・・門を挟んで話すのは・・・」

絵梨「だって、私ここの生徒じゃないから入れないし・・・」

萌波「はぁ・・・ほんとあなたって行き当たりばったりね。
仕方ないわ・・・ちょっと待っていて頂戴。」

萌波は少し離れたところに行き、どこかへ電話をかけている。
そして、電話を守衛に渡した。
すると守衛が恐縮してかしこまっている。
守衛が電話をかけながら透明人間相手に何度か深くお辞儀をして萌波に携帯を返した。
萌波は一言二言話すと電話を切った。
そして絵梨には絶対見せない天使のような微笑を守衛に向け深々とお辞儀をした。

すると・・・・

守衛は正門横の通用口を開け、外側にいる絵梨に中へ入るよう促した。

絵梨「萌波、何をしたの!?」

萌波「ああ、ここの理事長は昔お爺様の部下だった方なので、
ちょっと理事長にお願いしてみましたの。」

絵梨「なんという権力者・・・」

萌波「何かおっしゃいました?」

絵梨「いいぇ~なんにも~」

明日美「へぇ萌波って権力使うみたいなこと嫌いなのかと思った。」

萌波「あら、私は利用できるものは何でも利用するわ。
私の邪魔になるものは徹底的に排除するけど。」

235:魔法少女キューティエアリィ第十四話-18 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 21:00:53.61 sPMTSch2
明日美「こ、こわぁ・・・あなたってやっぱりすごいわね・・・」

萌波「で、こんなところで突っ立っていてもしょうがないでしょう?
どこか落ち着いて話せるところに行きましょう。」

明日美「落ち着けるところ・・・うーん・・・
じゃ、図書館の図書委員室に行く?あたし図書委員だから鍵持ってるし。」

そして3人は図書委員室へと向かう。

目的地へ向かいながら萌波は絵梨に話しかける。

萌波「ところで、あなた今日は仕事どうしたの?」

絵梨「いやぁ・・・実は昨日から生理で・・・」

萌波「それとどういう関係が?」

絵梨は萌波に事情を話した。

明日美「驚いた・・・そんなことができるんだ・・・」

絵梨「ほんと、大樹から絵梨になるのつらいんだから・・・
それを一日に十回以上耐えなきゃならないの。絵梨さんぐったりですよ。」

萌波「ここよ。」

絵梨「あの・・・聞いてました?萌波さん・・・」

萌波「さあ、話したいことは何かしら?」

絵梨「いつの間にか仕切ってるし・・・」

絵梨はほっぺたを膨らませあからさまな不満顔を萌波に見せた。
が、萌波は意に介さずポーカーフェイスを続けた。

236:魔法少女キューティエアリィ第十四話-19 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 21:03:06.26 sPMTSch2
絵梨「実は、4人目を見つけたの。」

明日美「4人目!?これで全員揃うのね。長かった・・・やっと。」

絵梨「でもねぇ・・・スピカの話じゃ良くわからないんだよねぇ。」

明日美「どういうこと?」

絵梨「その子はまだ魔法少女じゃないんだけど、
でも体から少し魔力を感じるって言うの・・・」

絵梨「しかも、その子のパートナーが8年間行方不明のままなんだって。」

明日美「うーん・・・よくわからないわね・・・」

萌波「絵梨さん・・・その方に会ってみましょう。
何かわかるかもしれないわ。」

明日美「そうね、賛成。
その子の連絡先聞いてる?」

絵梨「もちろん。通ってる学校とか名前も聞いてるよ。
えっと、南野灯莉ちゃん、私の娘が通っている美星学園の高等部に通ってるの。」

明日美「先輩なのね・・・」

絵梨「会えばわかるけど、少し・・・かなり?おとなしい感じの子だよ。」

萌波「じゃ、絵梨さん、すぐにその方に連絡していただけるかしら?」

絵梨「わかった。」

絵梨『無事に学校行けた?今日、放課後もし時間があったら会いませんか?
私のお友達を紹介するね。駅前のカフェに3時半で。』

237:魔法少女キューティエアリィ第十四話-20 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 21:05:07.75 sPMTSch2
しばらくすると返事が返ってきた。

ヴーンヴッヴーン

絵梨「意外と早いね。向こうも今休み時間なのかな?」

絵梨「えーっと・・・いいですよ・・だって。」

萌波「そう、良かったわ。」

明日美「じゃあ、もうすぐあたしたちは授業だから絵梨はここで待っていてね。
休み時間になったらまた来るから。あ、そうそう、トイレの場所はこの部屋でて突き当りを右ね。」

絵梨「ありがとう。
・・・ところで・・・萌波と仲良くなったんだね・・・よかったね。」
明日美「うん。ほとんどはあなたのおかげでもあるんだけどね。」
絵梨「私の?なんで?」
明日美「まあ、いいやそういう人よね絵梨は。
じゃ、待っててね。」
絵梨「うん。」

萌波「明日美さん、早くしないと授業が始まるわ。」

明日美「待って!」

絵梨「萌波も変わったな・・・明るくなった気がする。
私は・・・変われるのかな・・・」

彼女たちは休み時間のたびに図書委員室にやってきていろいろな話をした。
絵梨のこと明日美のこと萌波のこと・・・そして灯莉のこと。
昼休みには3人でカフェテリアで昼食をとり、楽しいときを過ごした。

238:魔法少女キューティエアリィ第十四話-21 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 21:07:13.18 sPMTSch2
そして・・・
3人は学校が終わり駅前のカフェまでやってきた。

絵梨「待ち合わせの時間までもう少しだよ。」

明日美「ちょっとドキドキするわね。」

ヴッヴーン
パカッ
灯莉『駅に着きました。あとちょっとで着きます。』

絵梨「もうすぐ来るって。」

まもなく・・・カフェの扉がチャイムを伴って乾いた音を店内に響かせた。
その音に3人は一斉にカフェの扉を注目。

絵梨「あ、来たよ。あの子・・・」

絵梨が言い終わるよりも早く・・・

萌波「あなたっ!」

萌波は座っていたいすを弾き飛ばす勢いで灯莉の前へ駆け寄る。
灯莉は当然その鬼気迫る様子におびえ、後ずさりしてしまう。
灯莉「ひっ・・・な、なんですか・・・・」

そのただならぬ様子に絵梨は灯莉と萌波の間に入る。

絵梨「萌波!ど、どうしたの!?」

239:魔法少女キューティエアリィ第十四話-22 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 21:09:19.57 sPMTSch2
萌波「こ、こいつは・・・私が前に倒した・・・
ダークウィッチよ。」

絵梨明日美「「!」」

絵梨「そうか・・・あの時感じた既視感はこういうことだったんだ・・・」

灯莉「な・・・なんですか?ダーク?なんですか?それ・・・」

萌波「おぼえてない・・・の?確かに・・・私が・・・」

絵梨「ごめん、ちょっと突然でびっくりしたよね。
私たちはあなたがちょっと知っている人に似ていたものだから。」

絵梨「萌波、ちょっと落ち着いて話し合おう?」

萌波「ご、ごめんなさい。私としたことが取り乱してしまって。」

絵梨たちはすっかりおびえてしまった灯莉をなだめて自分たちの席へ案内した。
そこで自分たちが何者か、なぜ灯莉を呼び出したのか説明する。

明日美「・・・というわけなの。」

灯莉「・・・ま、まほうしょうじょ・・・ですか・・・ちょっと信じられないです。
その・・・ダークウィッチ?というのが私なんですか?」

絵梨「正しくはそうだったということかな?
なんでダークウィッチだったのかは分からないけど・・・」

灯莉「ごめん・・・なさい・・・自分がダークウィッチだったと言われても・・・
そうんなのになっていたという・・・感覚というか・・・記憶が全然ないんです。」

萌波「そう・・・あなたがダークウィッチだったという記憶がないのはわかったわ。
でも、絵梨さん・・・魔力を感じたというのは
そのダークウィッチだった時の影響でそう感じただけじゃないのかしら?」

絵梨「うーん・・・そうなのかなぁ・・・ダークウィッチにも魔力はあるわけだしねぇ・・・」

240:魔法少女キューティエアリィ第十四話-23 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 21:11:40.13 sPMTSch2
スピカ「違うわ。」

突然4人全員の頭にスピカの声が響いた。

絵梨「スピカ?」

灯莉「え・・?なに?・・・この声・・・え?え?」

絵梨「あ、灯莉ちゃん、この声はね私のパートナーのスピカって言う子の声。」

灯莉は自分の頭の中に突然響いた謎の声に戸惑っていた。

スピカ「魔力にもいろいろ種類があってね。
あなた達魔法少女が使う魔力は陽の性質を持つの。」

スピカ「対してダークウィッチみたいな存在は陰の性質を持つ。
これはお互い反発しあう力。それで私が感じた魔力は陽の性質のものだった。」

明日美「と言うことは・・・」

スピカ「そう、彼女から感じたのは魔法少女の性質よ。
でも、陽と陰の魔力同士は共存できないはずなのに・・・
なんで彼女がダークウィッチであったのか。」

スピカ「灯莉さん・・・と言ったわね。」

灯莉「は、はい!」

スピカ「あなた、今までに何か不思議な事とか起きたりしなかった?」

灯莉「不思議なこと・・・ですか?」

灯莉は思考する・・・過去のこと自分のこと・・・
確かに彼女の周り・・・いや彼女自身はあるときから不可思議なことが良く起きていた。

241:魔法少女キューティエアリィ第十四話-24 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 21:14:02.97 sPMTSch2
灯莉「あ・・・不思議なことと言ったら、昔車に轢かれそうになったことがあって、
ぶつかると思ったら・・・どういうことかわからないんですけど・・・
車は私にぶつからずに何故か反対車線まで弾き飛んでいたり・・・」

明日美「車が弾き飛んでたって・・・なにそれ・・・」

灯莉「それと・・・私は昔から怪我だけはしたことなかったです・・・」

明日美「かすり傷も?」

灯莉「ええ。体に傷もアザもできたことないです・・・」

スピカ「それは・・・魔法で守られていたのね・・・
恐らくはどこかでレグルスがあなたを守っていた。としか考えられないわ。」

明日美「レグルス?」

絵梨「ああ、この子のパートナーなんだって。
8年間行方不明らしいよ。」

灯莉「あ・・・あと私、体が弱くて・・・貧血で倒れることが時々あるんですけど・・・
倒れても意識まで無くなることはなかったのに・・・最近は意識というか・・・
1~2時間くらい記憶が飛ぶことが多かった気がします・・・」

スピカ「記憶が飛ぶ・・・か・・・もしかしたらその時にダークウィッチになっていたのかもね。」

スピカ「でも、レグルスに守られているとしたら、
ダークウィッチなんてものになるはずないのに・・・」

灯莉「そ、それで・・・私はどうしたら・・・
その魔法少女というのにならないといけないんですか?」

スピカ「そうね・・・あなたには適性があるから・・・」

灯莉「む、無理です!・・・私・・・トロくさいし・・・体弱いし・・・
きっと・・・皆さんの足を引っ張っちゃいます・・・それに・・・怖いし・・・」

242:魔法少女キューティエアリィ第十四話-25 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 21:16:09.01 sPMTSch2
灯莉は自信なさそうに俯いてしまった。

スピカ「あれ?ちょっとまって・・・
ごめん、あなたの意識に接続させてもらうわね。」

灯莉「きゃっ・・・な・・・なに・・・頭の中が・・・」

灯莉の意識化にスピカが入り込み、灯莉の前に姿を現す。

スピカ「はじめまして・・・私は絵梨のパートナースピカよ。」

灯莉「あ・・・ね、ねこが・・・喋ってる・・・」

スピカ「ちょっと私の手を握ってくれるかしら。」

灯莉「う、うん・・・わぁ・・・ほわほわもこもこ。」

スピカ「やっぱり・・・ありがとう、もういいわ。
お邪魔したわね。」
意識化に現れていたスピカの姿が溶け込むように消えた。

スピカ「みんな・・・この子、もう魔法少女になってるわ。」

絵梨明日美「「えっ!?」」

絵梨「どういうことなの!?」


次回予告
4人目の少女、南野灯莉。彼女は既に魔法少女であるという。
しかし彼女にはその自覚、記憶がない。
さらになぜ彼女はダークウィッチとなってしまったのか。
そして、イオに取り込まれたレグルスは?
次回「Obedience!あなたの優しさ感じてた。」
アクエリィ「あなたに心から信頼できる仲間が居るかしら?」

243:魔法少女キューティエアリィ第十四話 ◆yboXY7MR9E
11/04/27 21:20:55.97 sPMTSch2
120秒規制・・・長いっ
やっと投下完了

4人目の名前が明らかになりました。
南野 灯莉ちゃん。
元DWのちょっとおどおどした長身めがねっ娘です。

彼女はちゃんと魔法少女になれるのでしょうか。

しかもパートナーは敵方にいます。

それと、そろそろ美夜子とミーヤの秘密も明らかにしていこうかなー
明らかになったらエロ番外編やろうかなー
なんて思っています。

なお、GW中は投下お休みしますね。

ではでは、次回まで。

244:名無しさん@ピンキー
11/04/27 23:01:21.46 IuiHsKVR
おー今回も良かったねー。あれ?もう終わりなの?って思ったり続きが待ち遠しかったり。
なんかアニメが楽しみだった子供時代を思い出したわ。

245:名無しさん@ピンキー
11/04/28 03:06:47.03 lVIA9tZq
243、あいかわらずGJです。
みゃこの秘密も気になりますね。続きが待ち遠しい!

246:名無しさん@ピンキー
11/04/29 22:56:15.39 8pvB0d57
エアリィさん良かったなあ。真面目に働きながら続きを待とう。

247:名無しさん@ピンキー
11/04/30 06:31:20.98 1aDxfCCP
新キャラ登場か。ひと波乱ありそうだな。

248:名無しさん@ピンキー
11/05/01 08:26:38.99 EKdMF2yA
ゆけゆけエアリィさん\(^O^)/マジで面白いわあ。

249:名無しさん@ピンキー
11/05/02 18:34:50.64 eRF3i2L6
保管庫更新ないね…

250:名無しさん@ピンキー
11/05/02 19:47:23.62 F3H3JBTf
>>176
151のネタを書いた者ですが、まさか拾ってもらえるとは。
乱入もOKとのことなので、5,6の選択肢から続けてみました。

 →5)こんな部屋はさっさと出て脱出経路を探る

 石畳の通路を裸足で進む。
 少し進むと、君は直感的に違和感を察し、上から降ってきた物体を素早く回避することに成功した。
 どうやら技のブルマーの効果は確かのようだ。
 ベチャリと音を立てて床に落ちた粘液状の物体はピクピクと動いており、君は首をかしげながら近づいてよく見ようとすると、その物体は跳びあがり、君の胴体に張り付いた。
 慌てて振り払う。しかし体操服は粘液にまみれ、冷たいヌルヌルした感触が素肌にまでしみこんでくる。
 どうやらこれはスライムのモンスターらしい。

251:名無しさん@ピンキー
11/05/02 19:50:49.77 F3H3JBTf
 振り落とされたスライムはなお動き続け、君ににじり寄ってくる。
 戦う術など持たない君はすぐさま逃げようとするが、そこで違和感に気づく。
 粘液に濡れた体操服の胸元がムクムクと膨らんでくる。
 瞬く間にソフトボールほどの大きさに膨らんだ君の胸は走ろうとすると激しく揺れ、慣れていない君はバランスを崩して転んでしまった。
 転んだ君にスライムが再び跳びかかり、今度は全身がスライムまみれになってしまった。
 体に張り付いたスライムは君を咀嚼するように蠢きだす。

252:名無しさん@ピンキー
11/05/02 19:53:23.46 F3H3JBTf
 見る見るうちに君の腕は細くなり、肩幅も小さく、体が縮んでいく。
 しかしそれとは対照的に、胸は体操服を突き破らんばかりに膨らみ、ブルマーに包まれた尻や太腿にもむっちりとした肉がついていく。
 大きくなりすぎた胸のせいで身動きがとれず、か細くなった手足ではスライムを振りほどくこともできず、君はもう、スライムのなすがままに蹂躙されるしかなかった。

 ─残念! 君の男の子人生は終わってしまった!

253:名無しさん@ピンキー
11/05/02 19:57:01.54 F3H3JBTf
 →6)もう一度部屋の中をよく見てみる。

 体操服のほかにも身につけるものがないか部屋を見回すと、片隅にピンクの布地を見つけた。
 手にとって広げてみると、それはブラジャーだった。
 いくらなんでもこれはない、そう思って捨てようとした時、一緒に説明書が置いてあったことに気づく。

「守りのブラジャー:モンスターからの一定のダメージを防ぐ。Bカップ」

254:名無しさん@ピンキー
11/05/02 20:00:08.85 F3H3JBTf
 ……どうやらモンスターがいるらしい。
 君は覚悟をきめてブラジャーを付け、体操服を着なおした。
 胸を包み、やや締め付けるブラジャーの感触に君は気恥ずかしさを感じるものの、思ったよりもピッタリとサイズがあっているようだ。
 パットでも入っていたのか、心なしか胸が膨らんでいるようにも見える。
(男性ポイント-5/現在90)

 君は―

 A)この部屋を徹底的に探索しよう。
 B)この部屋はもういい。脱出経路を探ろう。

255:名無しさん@ピンキー
11/05/02 20:02:28.39 F3H3JBTf
 →A)まずはこの部屋を徹底的に探索しよう。

 君は壁を叩いて回ったり、マットレスをひっくり返したりして部屋を調べまわった。
 すると、隠し扉を見つけた。
 しかし、どうやらタンスのような収納スペースらしい。赤いチャイナドレスが一着、ハンガーにかけられてあった。
 それを見た瞬間、君はドレスを着てみたいという思いに囚われた。
 ブルマーやブラジャーを着て女装に抵抗がなくなってきたのかもしれない。
 君はすぐさま一糸まとわぬ姿になると、ハンガーからチャイナドレスを取り、袖を通す。
 背中のファスナーを締め切り、扉の裏側に備えられた姿見を見る。
 体にフィットしたチャイナドレスだったが、男が着ているとは思えないボディラインを鏡は映していた。

256:名無しさん@ピンキー
11/05/02 20:05:40.44 F3H3JBTf
 細長い腕、くびれた腰、丸く形のよい尻と、ほどよく肉のついた太腿からの脚線美がスリットからのぞいている。
 あれ? と何かが心に引っかかり、君は自分の体を見下ろしたが、豊満な胸が視界をふさぎ、胸元以外は直接見ることが出来ない。
 首をかしげつつ再び視線を鏡へ。
 長い黒髪に細い肩、張り詰めた胸。
 ピッタリのサイズかと思ったが、胸だけはちょっと窮屈だ。
 せっかく素敵なドレスなのにそれだけが残念だ。どこかで仕立て直せないかと思案しつつ、君は「いつも通り」鏡を見ながら髪を結い上げ始めた。

 ─残念! 君の男の子人生は終わってしまった!

257:名無しさん@ピンキー
11/05/02 20:08:49.32 F3H3JBTf
 →8)この部屋はもういい。脱出経路を探ろう。

 少し進むと天井からスライムが降ってきて君に襲い掛かった。
 すぐに振り払ったものの、体操服は粘液に濡れて胸元から下腹部までがヌルヌルの感触に包まれる。
 すると、粘液まみれの体操服を突き上げ、胸がムクムクと膨らみ始めた。
 しかし胸の急激な膨張はブラジャーに押さえつけられる。
 苦しい!
 スライムの粘液に濡れた胸はブラジャーを弾き飛ばしそうなほどだが、ブラジャーはびくともしない。
 これが守りのブラジャーの効果らしい。
 胸の大きさは説明書にあったサイズ通りBカップくらいだろうか?
 とんだ防御効果だったが、胸の成長が適当な大きさに抑えられ、君は運動能力を損なうことなくスライムの追撃をかわして逃走することに成功した。

 男性ポイント:スライムの攻撃により-5/現在85。

258:名無しさん@ピンキー
11/05/02 20:09:21.29 dEKn0fJ6
これはいろんなパターンでTSする自分に萌えるためのゲームだよな

GJ!

259:名無しさん@ピンキー
11/05/02 20:11:40.31 F3H3JBTf
 スライムから逃げ切った君は通路の先で見つけた扉を開けて中に入り、一息ついた。
 しかし体操服はスライムの粘液にまみれており、その効果か、ブラジャーに抑えられた胸はまだ膨張を続けているような圧迫感がある。

 君は―

 A)これ以上粘液に触れ続けるのは危険だ。濡れた服を全部脱ぎ捨てた。
 B)胸の圧迫感はまだ我慢できる。それよりも部屋の探索をする。

260:名無しさん@ピンキー
11/05/02 20:15:03.96 F3H3JBTf
 →A)これ以上粘液に触れ続けるのは危険だ。濡れた服を全部脱ぎ捨てた。

 湿った音を立てて体操服が床に落ちる。
 背中に両手を回してブラジャーのホックを外すと、弾けるように乳房が突き出した。
 そう、乳房だ。ブラジャーと言う抑えのなくなった乳房は、これまでの抑圧を取り戻すかのように膨らんていく。
 柔らかでずっしりとした重みのある肉を、色白できめ細かい肌が包んで重力に負けずに前に突き出ている。
 素晴らしいおっぱいだった。
 君は自分の乳房を思う存分揉みしだきたいという欲望に駆られ、両手を自分の胸へと運んだ。
 君の乳房は大きく、どんなに手を広げても乳肉がこぼれてしまうほどだ。

261:名無しさん@ピンキー
11/05/02 20:17:19.25 F3H3JBTf
 しばらく乳房を触ることに夢中になっていたが、君は自分の男の部分が激しく反応していることに気づいた。
 ブルマーを突き上げ、先端は透明な粘液があふれている。
 すぐに君はブルマーも脱ぎ捨て裸になると片手で自分の男を握り、快楽を貪り始めた。
 女性の大きな乳房を好きに弄りながらのマスターベーション。
 夢のようだった。十秒も経たずに限界に達し、君は白濁を放った。
 絶頂の快感に全身が震える中、君は肉体の変化を感じ取った。
 射精の脈動のたび、乳房がむにゅっ、むにゅっ、とさらに大きくなっているのだ。
 君は素直にすごいと思った。
 これなら、もっともっと大きなおっぱいを触れる。見たこともない大きさのおっぱいを手に入れることができる。

262:名無しさん@ピンキー
11/05/02 20:20:25.14 F3H3JBTf
 君は自分の乳房を揉みながら、固いままの股間を扱く。
 絶頂はさっきよりも早く訪れた。
 胸がさらに膨らみ、腕や肩が細く、腰が広くなってしっとりとした肉が宿っていく。
 もっと。もっと。
 快楽に酔った君は自らの男を搾り出し、やがて絶頂が終わらなくなった。

 数時間後。
 君は両手を自分の乳房にあてがい、その刺激だけで絶頂に達していた。
 もはや股間に男の象徴はなく、君の姿は完全な女性となっている。
 乳房は片方だけでも君の頭ほどの大きさに成長しており、小さく細くなった君の手では完全に持て余していたが、君は乳房の圧倒的な量感に恍惚としていた。
 もっと、もっと。君はこの快楽が永遠に続けばいいと祈り始めていた。

 ─残念! 君の男の子人生は終わってしまった!

263:名無しさん@ピンキー
11/05/02 20:25:05.01 F3H3JBTf
 →B)胸の圧迫感はまだ我慢できる。それよりも部屋の探索をする。

 何よりも先に目に付いたのは、部屋の真ん中に置かれていた宝箱だった。
 もしや人食い箱じゃないかとも思ったが、どうやら杞憂らしく、鍵もない普通の箱だった。
 中にはスクール水着が一着。
 そばにある説明書には、
「マーメイドのスク水:水の中で身体が活性化する」
 とあった。

 君は―

 A)別に必要ない。この服装のまま進む。
 B)粘液で濡れた服を水着に着替える。

264:TSダンジョン
11/05/02 20:29:08.63 F3H3JBTf
 →A)別に必要ない。この服装のまま進む。

 水の中でしか効果がないなら今のところ使い道はない。
 それに身体の活性化というのがどういうことなのか想像がつかず、少し怖かったのもある。
 君は宝箱の蓋を閉め、その部屋を後にして先へ進んだ。
 体がスライムの粘液に濡れたまま―。

 数時間後。君は肉体の違和感に気づいた。
 手足が細くなり、身長が明らかに縮んでいる。
 腰骨が広くなって柔肉が付き、太腿やブルマーに包まれた尻がむちむちとした質感を持っている。
 ブラジャーの圧迫感も治まるどころか時間とともに強くなっていく。
 そんな中、君はまだスライムに追われていた。
 どうやらスライムの粘液にはマーキングに似た効果もあったらしく、神出鬼没の言葉通り、行く先々で遭遇し、その上本格的に道に迷った。
 最早自分がどこにいるのかもわからない。

265:TSダンジョン
11/05/02 20:33:58.68 F3H3JBTf
 それにさっきから息が切れるのが早くなっている。走るスピードも落ちたし、どうにも体が重く感じる。
 スライムの粘液が体に染み込み、徐々に、しかし確実に君の体を女性化させていったのだ。
 胸は守りのブラジャーによってBカップまでにしかならなかったが、むしろ君が肉体の異変に気づくことを遅らせる結果になった。
「ああ……」
 通路の角を曲がった先に、数体のスライムが待ち伏せていた。
 背後からも追って来る気配があり、君の体力はすでに限界に達していた。
 もういい。諦めよう。どうせ捕まっても女の子になるだけだ。
 女の子になったらその先は―もういい。
 君はすべての服を脱ぎ捨て、スライムたちの中に進んでいった。

 ─残念! 君の男の子人生は終わってしまった!

266:TSダンジョン
11/05/02 20:37:23.45 F3H3JBTf
 →B)粘液で濡れた服を水着に着替える。

 水中での身体の活性化云々はよくわからないが、このままスライムの粘液に濡れたままではまずい。
 君は水着を手に取ると、その下に大きめのタオルがたたんである事に気づいた。
 君は体操服を脱ぐとタオルで粘液を拭い、そしてブラジャーを外した。
 粘液を拭ったにもかかわらず、ブラジャーの押さえのなくなった胸は一回りほど膨らみ、プルッと震えた。
 胸だけを見れば女性と見まがうほどだが、肩や二の腕はまだ男を感じさせる。
 第一、ブルマーを脱いだ下半身には男の象徴がしっかりと存在している。

267:名無しさん@ピンキー
11/05/02 20:43:57.30 dEKn0fJ6
さるさん回避

268:TSダンジョン
11/05/02 20:45:05.20 F3H3JBTf
 君はそれを確かめて少し安心し、スクール水着を着た。
 体にピッチリとフィットする水着のなれない感覚に君は戸惑ってしまう。
 胸の大きさは変化ないようだが、若干腰や脚に丸みを帯びたような気がしないでもない。
 歩くと自然と内股になってしまうのも気になったが、君は粘液まみれの体操服やブラジャーを見て、仕方ないと割り切ってダンジョンの探索を進めることにした。

 男性ポイント:スク水着用により-5/現在80。


 今回は以上です。
 短いTSエンドを繰り返していく作り方って結構手早く話をつなげられるものですね。
 まぁネタさえあればですが。
 どなたかネタが浮かんだら、どこからでも乱入してください。

269:名無しさん@ピンキー
11/05/02 20:53:35.29 vKICUVjK
GJ!
すべての選択肢が「パラグラフ14」状態なのがステキ

270:TSダンジョン
11/05/02 21:43:23.31 jn9GJYpN
>>268より

 しばらく歩いていると、通路の先がT字路になっており、左右に道が分かれていた。
 左の方は明るい光が差し込み、生温かい風が吹いてくる。
 逆に右の通路は薄暗く、ひんやり湿った空気が感じられた。

 君は―

 A)左の暖かそうな通路へ進む
 B)あえて右の方に進んでみる

#155です。流れに乗ってくださった方、サンクスです!
#では、以後タイトルは「TSダンジョン」ってことで。

271:TSダンジョン
11/05/02 21:44:03.78 jn9GJYpN
→A)左の暖かそうな通路へ進む

 なにぶん、こんな水着一枚の格好だ。少しでも暖かいほうが有難い。
 そう考えての行動だったが、意外と正解だったかもしれない。
 しばらくすると、君の眼の前にはジャングル……と言うほどは密生していないものの、明らかにそれらしい熱帯っぽい木々がまばらに生えた林が見えてきた。
 こういう場所なら、食べられる木の実が見つかるかもしれない。
 そう考えた君は、程なくバナナやパパイヤ、マンゴーといった熱帯系のフルーツを見つけることができた。
 そろそろ空腹を感じていた君は、用心しつつ、それらのフルーツを食べてみる。
 美味い!
 とくに毒なども無さそうなので、そのまま貪るように食べた君は、すっかり満腹になった。そのせいか、どうにも眠い。
 林の中に、寝心地良さそうな草が敷き詰められた場所を見つけると、君は我慢できずにそのまま横になり、寝てしまった。
 穏やかな寝息を立てて眠る君だが、先程たらふく食べた果物が消化されて、身体に取り込まれたせいか、徐々に影響が出始める。
 全身の皮膚が、じわじわと褐色、さらにはチョコレート色へと変わっていく。
 髪の毛もモサモサと伸びて、すでに腰の下あたりにまで達しているうえ、ゆるくカールしているようだ。
 そして、手足や腰はしなやかに細く引き締まり、対照的にバストとヒップは豊かに突き出す。
 いわゆるボン、キュッ、ボンを地でいく体型へと変わっていく。
 そんな君に近づく複数の影が……。

272:TSダンジョン
11/05/02 21:45:05.80 jn9GJYpN
 目が覚めた時、君はこの地の原住民達の集落に運ばれ、女神様として崇められるようになっていた。
 身体が女性に、それも褐色のビーナスとも女ターザンとも言える状態になっていたのには驚いたが、美人なうえに運動能力も凄い─なにせ、ゴリラを素手で殴り倒せるのだ─ので、問題はない。
 原住民達は、平均身長140センチ足らずで、男女問わず子どもみたいな可愛らしい顔つきをしている。
 こんな人々に囲まれて大事にされる暮らしも、悪くないかもしれない。
 
 その後、君は原住民の女王として君臨し、7人の「夫」と13人の「愛妾」を持ち、11人の子供に囲まれて、それなりに幸せな生涯を送った。

─残念! 君の男の子人生は終わってしまった!

#とりあえず、ここまで。右の道も一応考えてますが、先に進めたい方がいらっしゃるなら、どーぞ。

273:名無しさん@ピンキー
11/05/02 22:10:55.17 PG/8zxqn


274:TSダンジョン
11/05/03 00:36:22.44 O05xmeoM
→B)あえて右の方に進んでみる

 右の通路を進むと、石造りの床が少しずつ湿っていき、ついに50メートル程先には通路を塞ぐ大きな水たまりになっていた。
 水たまりと言っても、向こうまでおおよそ30メートル程の広さがあるうえ、結構な深さがあるようなので、飛び越えるのは不可能だ。
 君は意を決して水たまりに入って行った。

 水たまりは、2、3歩進んだところで急に水深が深くなり、結局泳ぐことになったので、そういう意味では、このマーメイドのスク水を着ていることはよかったのかもしれない。
 幸い水もこんなダンジョンの中とは思えない程透明だ。
 5メートルほど先に進むと、水の深さは既に3メートルを超えているようだ。
 しかし、ちょうど半分くらい進んだ地点で、水底に何か宝箱のようなものが沈んでいるのが見えた。

 君は―

 A)何か役立つ物が入っているかもしれないので、潜ってみる
 B)君子は危うきに近寄らず。無視して渡りきる

#272です。という展開でいかがでしょう?


275:名無しさん@ピンキー
11/05/04 14:54:27.35 6nwrEZL3
>>274
無難でいいと思う
次にも繋がりやすいし

みんな乙

276:名無しさん@ピンキー
11/05/07 22:50:20.77 Tki44JYq
URLリンク(up3.viploader.net)

277:魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E
11/05/08 04:10:03.01 xcigU/gQ
こんばんわ
っていうかもうすぐ朝ですね

エアリィさん十六話完成しました。

日曜日中にエアリィさん投下しますね。

ではでは、おやすみなさい・・・・

278:魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E
11/05/08 08:59:08.89 xcigU/gQ
あ、すみません十六話ではなく十五話でしたw

まあどうでもいい話ですがw

今投下準備中です。
夜までには投下します。

279:魔法少女キューティエアリィ第十五話 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 14:37:31.82 xcigU/gQ
こんにちわ
エアリィさんですよ。

意外と早く投下できるようになりました。
これから投下しますが、以下の注意事項を確認のうえ閲覧ください。
なお、今回のボリュームは25レスくらいになりそうです。

※注意
・今回もエロ地区内です。(ただ、エロ番外編へつなげるような伏線はあります。)
・強制TSないです。
・台本形式です。

これらが苦手な方はNG指定してくださいませ。

では、本編スタートします。

280:魔法少女キューティエアリィ第十五話-1 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 14:39:32.80 xcigU/gQ
スピカ「みんな・・・この子、もう魔法少女になってるわ。」

絵梨明日美「「えっ!?」」

絵梨「どういうことなの!?」

スピカは灯莉の意識を探り、彼女が現在どういう状況になっているか調べた。
結果として、既に灯莉は魔法少女であるということであった。

スピカ「ちょっとこの場所だと・・・私が出てきても大丈夫な場所に移動できないかしら。」

絵梨「うん。わかった。」

絵梨「ごめん、灯莉ちゃん、近くの公園に行くけどいいかな?」

灯莉「は、はい。」

彼女たちはカフェを出て、公園へと向かった。

明日美「ここなら大丈夫ね。」
絵梨「そだね、スピカ、出てきても大丈夫だよ。」

スピカ「ええ、今そっちに行くからね。」

灯莉「えっ!・・・さっきの・・・どうやって・・・」
突然現れたスピカに灯莉は信じられないと言った様子で目を白黒させて驚いていた。

絵梨「この子がもう魔法少女って言ってたね。
どういうこと?」

スピカ「この子が魔法少女になったのは、レグルスが行方不明になった
8年前・・・レグルスとコネクトした痕跡があったの。」

絵梨「でも、適性因子反応?っていうのもあったんでしょ?」

281:魔法少女キューティエアリィ第十五話-2 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 14:41:35.73 xcigU/gQ
スピカ「適性者を魔法少女にする時は、コネクトした後に出現した
ハーティジュエルを使ってすぐに魔法少女に変身するんだけど・・・」

スピカ「最初の魔法少女への変身のときに適性因子は陽の魔力へ変換、昇華されるの。」

スピカ「でも、この子の場合は魔力の変換途中で強制的に停止しているようなのよ。」

萌波「つまり・・・誰かの手によって変身を邪魔された可能性があるということかしら?」

明日美「で、でも!変身中は絶対防御が展開されているから、
邪魔されるなんてありえないんじゃ・・・」
明日美は以前自分が絶対防御を使った攻撃を思い出していた。
そう、かつて明日美は無獣に握りつぶされそうになった時、
変身時の絶対防御を展開させて反撃のきっかけを作っている。

スピカ「そうね・・・変換途中で強制停止するなんてことは普通では考えられないんだけど、
並みの力なら絶対防御が破られるなんてことはないわ。」

スピカ「これを破れるとしたら・・・絶対防御の術式を知っていて・・・
かつ強大な力を持つものではないと・・・」

絵梨「強大な力・・・あっ!ミーヤのパートナー・・・?」

スピカ「たしかにあいつはミーヤ以上の力を持っている。
でも、力だけではこの術式は破られない。敵がこの術式を知って・・・いるわけ・・・」

スピカ「!!!!」

スピカ「コネクトしたのが8年前・・・そしてレグルス・・・
絶対防御・・・術式・・・リゲル・・・そうか・・・そういうことね!」

明日美「何か心当たりがあるの?」

282:魔法少女キューティエアリィ第十五話-3 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 14:43:38.53 xcigU/gQ
スピカ「私たちの仲間に魔法少女システムを開発した人がいたんだけど・・・
9年前にトラブルが起こってそれ以来行方不明になったの・・・」

スピカ「その開発者と一緒に研究していたのが・・・その子のパートナー・・・
レグルスよ。」

スピカ「そして、開発者の名は・・・リゲル・・・」

スピカ「彼ならば術式を解除することなんて造作もない・・・」

スピカ「と言うことは、リゲルが敵方に捕えられているのか・・・それとも寝返ったか・・・」

絵梨「じゃ、じゃあレグルスも同じように捕まってしまった可能性があると?」

スピカ「ええ、そうね・・・恐らくレグルスはリゲル失踪に危機を感じ・・・
魔法少女を作ろうとした。そこでリゲルの術式を知った敵の攻撃を受けたのだと思うわ。」

スピカ「でも、不幸中の幸いだったのが、既にコネクトしたあとだったことね。」

スピカ「このコネクトの痕跡をたどればレグルスにたどり着けるかもしれない。」

スピカ「明日美、萌波、アルとスウドの力を借りるわよ。」

明日美「うん。」

萌波「よろしくてよ。」

スピカは目を閉じ、彼らを呼び寄せた。

スピカ「アル、スウド・・・ここにきて・・・理由は・・・わかるわよね。」

アルデバラン「もう来てるよ。」

サダルスウド「同じく。」

283:魔法少女キューティエアリィ第十五話-4 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 14:45:44.58 xcigU/gQ
灯莉「あ・・・またねこ・・・今度は茶トラと灰色のねこだ・・・」

明日美「紹介するわね。この茶トラが私のパートナー、アルデバランよ。私はアルって呼んでるわ。」

アルデバラン「よろしく。」

萌波「こっちはサダルスウド、私のパートナー。」

サダルスウド「こんにちは。」

スピカ「さ、詳しい自己紹介はあとあと。」

スピカは彼らの自己紹介の間に割って入った。

スピカ「早速コネクトの痕を追跡するわよ。うまくいけばレグルスとリゲルの居場所がわかるかもしれない。」

スピカ「灯莉さん、もう一度お願いね。」

灯莉「は、はい・・・」

灯莉は左手をアルデバランの右手に繋ぎ、右手をサダルスウドの左手に繋いだ。
そしてスピカは両手を灯莉の額に当てた。
客観的にみると3匹の猫と女の子が奇妙な格好でじゃれている様にしか見えなかった。

絵梨「この格好・・・なんかシュールだ・・・」

明日美「ふ、ふざけないで・・・彼らは真剣なのよ。ぷっ・・・くくくっ・・・」

萌波「明日美さん、そういうあなたも肩が震えているわよ。」

スピカ「もう少し・・・もう少しで・・・っく!・・・どうして・・・・」

スピカ「出力を上げれば・・・」

284:魔法少女キューティエアリィ第十五話-5 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 14:47:48.87 xcigU/gQ
バチッ・・・バチバチバチバチィ!

灯莉「きゃあっ!」

アルデバラン「うわっ!」

サダルスウド「ぐっ!」

スピカが探索出力を上げた途端、電流のような衝撃が彼らに返ってきた。

絵梨「灯莉ちゃん、大丈夫!?」
灯莉はその衝撃に倒れてしまい、気絶してしまった。
慌てて絵梨が駆け寄り、抱きかかえて介抱している。

スピカ「し、しまった!気付かれた!」

明日美「いったいどうしたっていうの?」

スピカ「コネクトの痕跡を辿ったけど、ノイズで特定ができなかったから出力を上げたら反撃された・・・
防御が間に合わなくて接続元である彼女に大きな衝撃が行ってしまった。」

スピカ「そして・・・反撃されたってことは・・・ここに私たちがいるって気付かれたのよ。」

萌波「それじゃあ・・・」

スピカ「ええ・・・来るわよ・・・ここに。」

明日美「ええっ!?来るって・・・ダークウィッチが?」

スピカ「そうね、無獣かダークウィッチか・・・それともミーヤか・・・」

彼女らは周囲をキョロキョロと見回し、警戒した。
静かだった。
日も傾きかけて夕方になろうという時間、公園内は彼女たち以外に人はおらず、
鳥のさえずりに交じってカラスの鳴き声が響いていた。

285:魔法少女キューティエアリィ第十五話-6 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 14:49:54.47 xcigU/gQ
萌波「来ない・・・?」
スピカ「いいえ・・・来る・・・!これは・・・!?」

いつの間にか鳥のさえずりも、カラスの鳴き声も聞こえなくなっていた。
異様な静けさに耳が痛くなるほどだった。
と、そこにそよそよと心地いい風が吹いて彼女たちの髪を揺らす。
そして一気にウィッチーズスペースが展開された。
スピカ「!」
???「はじめまして。」
景色に溶け込むようにスピカの目の前に”それ”がいた。
まばたきもせずにずっと前を見ていたはずなのに気が付かなかった。
スピカが”それ”を認識すると驚いたように後ろへ飛び退く。

???「そんなに驚かないでくださいよ。
私はエウロパ・・・イオ様がしもべ・・・以後お見知りおきを。」

エウロパと名乗ったモノは首にボタンのついたチョーカーを巻いたうさぎのぬいぐるみの姿をしていた。

スピカ「エウロパ!?イオの仲間!?」

エウロパ「強い探索魔法を使ってくださって感謝いたします。
こちらから探す手間が省けましたから。」

そのうさぎのぬいぐるみは丁寧に深々とお辞儀をした。

エウロパ「今日は挨拶がてら遊びに来ましたので、
楽しく死んでくださいね。」

そのエウロパの口がニヤリとゆがむとエウロパを中心としてウィッチーズスペースが広がった。

明日美「楽しく死んでくださいって・・・」

萌波「面白いこと言いますのね。」

明日美「絵梨は・・・その子をお願い!」

286:魔法少女キューティエアリィ第十五話-7 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 14:52:19.14 xcigU/gQ
明日美「アクセプト!」
明日美が叫ぶと首の黄色いハーティ ジュエルが光り、手がハートの形に動いていった。
明日美「キューティメタモルトランスレーションアーシィアップ!」

萌波「アクセプト!」
萌波が叫ぶと首の水色のハーティ ジュエルが光り、手がハートの形に動いていった。
萌波「キューティメタモルトランスレーションアクエリィアップ!」

アーシィ「大地の優しさで包んであげる!キューティアーシィ!おまたせっ」
アクエリィ「癒しの水音奏でてあげる!キューティアクエリィ!おまたせっ」

エウロパ「遊んでいただけるのですね。感謝いたします。」

アクエリィ「アーシィ、気をつけた方がいいわよ。」
アーシィ「そうね、相手の力は未知数。」

アクエリィ「アクエリィフュエ。」
アーシィ「アーシィハンマー。」
彼女らはそれぞれ武器を出現させ、エウロパへと向かっていった。
アクエリィ「アーシィ、あなたは左、私は右から。」
アーシィ「了解!」

アーシィ「アーシィストライク!」
シュン
アーシィ「なっ!」

攻撃が当たる直前、エウロパは一瞬で避けアクエリィの目の前に移動していた。

アクエリィ「アクエリィエギュイーユ!」
パキキキ
アクエリィ「ピケ!!」
無数の氷の針がエウロパへ全て突き刺さる。
しかし、エウロパは防御シールドを展開、針をはじき返す。

287:魔法少女キューティエアリィ第十五話-8 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 14:54:44.02 xcigU/gQ
アクエリィ「くっ・・・セ ポッシェ(次はこれよ!)」
アクエリィ「アクエリィプリュイ!」
エウロパの頭上に強酸性雨がシュウシュウと音を立てて降り注ぐ。

エウロパ「あら、危ない。」
酸性雨を寸前で避ける。

アーシィ「アーシィクェイク!」
背後からエウロパの足元にズドンとハンマーを叩きこむと衝撃がエウロパを襲う。

アクエリィ「シャッセ グランジュテ。」
アクエリィ「シソンフェルメ アッサンブレ ピルエット ピルエット ピルエット」
アクエリィ「バッチュ バッチュ バッチュ!」
エウロパはアクエリィのキックを防御し、鞭打を避けていた。

アーシィ「アーシィビート!」
タタタタンとリズミカルにハンマーを打ち込む。
何発かは当たったが、急所は外れているようだ。

アーシィ「はぁはぁ・・・どう!?」

アクエリィ「危ない!」

そよそよと彼女たちの周りに風が起こり、
エウロパの方から風切り音がしたかと思うと真空の刃が襲いかかる。
刃が当たる寸前、アクエリィはリフレクシオンを展開、アーシィを刃から守った。

アーシィ「あ、ありがとう。」
アクエリィ「気を付けて。何発かは手ごたえあったけど、あまり効いてないみたい。」
アーシィ「ええ・・・そのようね。」

呆れたようにヤレヤレと両手を横にして肩をすくめていた。
エウロパ「はぁ・・・少し残念です・・・もう少し本気で遊んでほしいのですが・・・
今度はこちらから行きますわ。」

288:魔法少女キューティエアリィ第十五話-9 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 14:56:48.38 xcigU/gQ
エウロパ「えい!」
エウロパはゆらりと長い耳を揺らし、腕を横に一閃。
すると、柔らかい心地よい風が彼女たちを包み込む。
その直後、先ほどよりも速い速度で真空の刃が何度も繰り出された。
アーシィ、アクエリィは一回目、二回目をリフレクシオンで攻撃を反射。
しかし、三回目の刃でリフレクシオンは破壊され、
四回目の刃では何とか寸前で避けたものの、僅かに二人の髪の毛が切られてしまった。
そして五回目の刃でアーシィの腕に当たる。六回目でアクエリィの足に当たる。
そこからは避けることも逃げることできず何十もの刃が彼女たちを襲った。

絵梨「アーシィ!アクエリィ!!」
絵梨は反撃できずにただやられるだけの二人をみて叫んだ。

灯莉「ううう・・・絵梨・・・さん・・・?」
絵梨の声で抱かれている灯莉の意識が戻り、半身を起して呟いた。
そして彼女はうさぎのぬいぐるみの前で倒れているアーシィとアクエリィを見て息をのんだ。

灯莉「え・・・どういうこと・・・?」

絵梨「敵よ・・・敵の強いやつが来て・・・二人は攻撃を受けてしまった。」

灯莉「そんな・・・どうして・・・」

倒れていた二人は何とか立ちあがっていた。
致命傷にはなっていないようだが、どう見てもまだ戦える状態ではなかった。
しかし、二人はエウロパに向かっていこうとしていた。

絵梨「あいつ・・・強いね・・・やっぱり私も出て行かなきゃならないかな。」

スピカ「!今のあなたじゃ無理よ!」

絵梨「じゃあ、黙って見ていろっていうの!?
無理って言われても・・・」
絵梨は唇をぐっとかみしめた。

絵梨「やるしかないじゃない!」

289:魔法少女キューティエアリィ第十五話-10 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 14:58:57.40 xcigU/gQ
灯莉「ま、待ってください!」

絵梨「灯莉ちゃん・・・」

灯莉「この子たちが私に触れて、わかったの・・・長い間何なのかわからなかった
けど感じていた・・・すごくすごく・・・暖かいもの・・・」
灯莉は胸に手を当て、これまでのことを目を閉じて思いだしていた。

灯莉「まだ見たことはないけどすごく懐かしく感じた・・・
ずっと一人だった私を見てくれていた。」

灯莉「でも・・・この子レグルスは・・・今すごく苦しんでる・・・もがいてる。
逃げ出そうとしているけど・・・逃げられない・・・」

灯莉は涙を流しながら、しかしその眼鏡の奥の瞳は決意を込めたように光を輝かせていた。
その姿は先ほどまでのオドオドした雰囲気は感じられなかった。

灯莉「スピカ・・・さん?私・・・力もなくって・・・臆病だけど・・・
こんな私でも、みなさんの力になれるでしょうか?」

スピカ「・・・今はハーティジュエルもないし、
あなたのパートナーがいないから本来の力は出せないけど・・・」

灯莉「それでもいいんです。少しでも皆さんの力になりたい。
そして、今まで私を守ってくれていたレグルスさんを助けたい!」

灯莉「だから・・・だから私を魔法少女にしてください!」

スピカはその少女の決意を聞いて少し考えた後、
アルデバランとサダルスウドに目配せをした。

スピカ「わかったわ。あなたを魔法少女にします。
でも、さっきも言ったように本来の力は使えない。
腕力と耐性力はあがるけど魔法は使えない。それでもいいの?」

290:魔法少女キューティエアリィ第十五話-11 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 14:59:44.95 xcigU/gQ
灯莉「はい。」

スピカ「わかった。アル、スウド、あなた達の力借りるわね。」

アルデバラン「わかった。」
サダルスウド「了解した。」

スピカ達は灯莉の周りに座ると各々が光り始めた。
スピカ「クリエイト!我らはこの者の精神、肉体、時間を束ねレグルスに成り代わり、魔法少女として再接続を行う!」

そして光が大きくなり始め灯莉をも包み込む。

次の攻撃をしようとしていたエウロパは、少し離れた場所で儀式が始まっているのに気がつき、
攻撃の手を止めた。

エウロパ「なるほど・・・四人目ですか。
面白そうなので少し待ちますね。」

エウロパは遠くの方で輝く光を見て呟いた。

アーシィ「はぁはぁ・・・ずいぶん余裕かましてくれちゃってるじゃないの。」
アーシィはフラフラになりながらもハンマーをエウロパに叩きつける。
エウロパ周辺に防御シールド展開。

エウロパ「ちょっとあなた、せっかく魔法少女誕生の瞬間を鑑賞しているのですから邪魔しないでいただけますか?」
エウロパは叩きつけられたハンマーをつかみ、ポーンと押し返した。
するとアーシィはごろごろと地面を抉りながら弾き飛ばされた。

アーシィ「ぐっ!きゃぁぁぁぁ!」
アクエリィ「アーシィ!!こ、これはまずいわね・・・」

灯莉を包んでいた光が小さくなっていき徐々に灯莉の姿が見えてきた。
光の中から現れた灯莉の手には一つの指輪が握られていた。

291:魔法少女キューティエアリィ第十五話-12 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 15:00:33.33 xcigU/gQ
灯莉「これは・・・?」

スピカ「ハーティリング。本来はハーティジュエルが変身アイテムなんだけど、
私たちはあなたのパートナーじゃないからなんとかレグルスの痕跡を集めてこれしか作れなかった。」

スピカ「これを指につけて、
アクセプト!キューティメタモルトランスレーションフレアーアップ!
と叫びながら指で術式を描いて。あなたは魔法少女キューティフレアーになるわ。」

灯莉「は、はい。」

スピカ「いい?正直あなたの力は未知数なの。
どうしても危なくなったら逃げて。」

灯莉「逃げるなんて・・・」

スピカ「いいえ、逃げることさえできたらまた反撃のチャンスを伺えばいいのだから。」

灯莉「は、はい!」

十五話「Obedience!あなたの優しさ感じてた。」

灯莉は決して逃げまいと強い思いを抱きながらも、スピカの言葉の意味も噛み締めた。
そして、彼女の指にはめられた炎のように真っ赤に燃えるハーティリングを手のひらで優しく包み込む。

灯莉(レグルス・・・一人ぼっちの私をずっと守ってくれていたんだね。
あなたの優しさ感じることができたよ。今度は私があなたを助ける番。)

彼女の胸に決意を込めて、灯莉は大きく深呼吸をした。

灯莉「私に勇気をください!」

灯莉「アクセプト!」
灯莉が叫ぶとハーティリングが赤く光り、指がハート型を描いた。
灯莉「キューティメタモルトランスレーションフレアーアップ!」

292:魔法少女キューティエアリィ第十五話-13 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 15:01:29.29 xcigU/gQ
ハーティリングから赤色の光が出てリボンのように灯莉の体にまとわりつく。
パキィンと光が弾けると赤いハート型の花びらが舞う。
花びらの中から現れるのは・・・

肘まである篭手のような黒いグローブ。
足は膝まで覆うグラディエーターのようなヒールの高い編みこみブーツ。
髪は赤く染まりロングヘアがさらに長くなり、一本の腰あたりまである三つ編みに編みこまれた。
最終的にハーティリングからリボンのようなものが出て全身を包み込む。
黒地に真っ赤な炎をあしらった様な柄の和服のような振袖。
裾の広がった黒地に赤いリボンのついたミニスカート。
リボンが腰に巻きつき背中で赤い大きなリボンが結ばれた。

フレアー「熱い心を燃やしてあげる!キューティフレアー!」

スピカ「こ、これは!どうして?」
サダルスウド「確かに・・・これは・・・しかしありえるのか?」

フレアーは自分が変身した姿をキョロキョロ見回す。
そして一息大きく深く息を吐き出す。

フレアー「ふぅ・・・これが・・・アタシか・・・力が・・・沸いてくるようだ・・・」

スピカ「フレアー!あなた・・・大丈夫?」

フレアー「ん?アタシは大丈夫だ・・・すごく気分がいい。」

絵梨「すごい力を感じる・・・これが四人目・・・フレアー・・・私もサポートしなくちゃ・・・」
絵梨「灯莉ちゃんだって決意したんだ・・・私も・・・
望美さん、私あなたの分まで精一杯生きるから!あなたの気持ち無駄にしないから・・・もう一度勇気を!」
絵梨は折れそうだった心を奮い立たせ、変身する決意をした。

絵梨「アクセプト!」
絵梨が叫ぶと首のピンクのハーティ ジュエルが光り、手がハートの形に動いていった。
絵梨「うん、変身できる!」
絵梨「キューティメタモルトランスレーションエアリィアップ!」

エアリィ「そよ風のように幸せ運ぶ!キューティエアリィ!おまたせっ」

293:魔法少女キューティエアリィ第十五話-14 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 15:02:36.29 xcigU/gQ
エウロパ「ほら見て御覧なさい、四人目が変身したわよ。
あら?エアリィさんもいるようね。」
エウロパは倒れているアーシィの髪をつかみフレアーの方に顔を向けた。

アーシィ「だめよ・・・こっちきちゃダメ・・・」

エウロパ「でも二人ともこっちに来てますわよ。」

アクエリィはこちらに向かってくるエアリィとフレアーの前に立ちはだかる。
アクエリィ「ここは一旦退くのよ。態勢を整えてから・・・」

フレアー「いいや・・・そんなことしてもあいつは逃がさないだろう。
それに・・・なんでかな・・・今のアタシあいつに負ける気がしないんだ。」

アクエリィ「初めて戦うのに無理よ!」

フレアー「そんなもん、やってみなくちゃわかんねぇだろうよ。」

フレアー「魔法は使えないけど。武器は出せるみたいだし・・・力も何十倍になった感じだ。」

エアリィ「それに私もいるから!」

とそのとき、遥か彼方から空気を地面を震わせながら近づいてくるものがあった。
その場にいるもの全員の体が心がビリビリと震える。

エウロパ「おや、あの方も遊びに来られるのですか。
まだ万全じゃないと思うのですが・・・」

エアリィ「!こ、これは!!!??ま、まさか・・・そんな・・・この状況で?」

轟音を轟かせエアリィの目の前に降り立つ。
降り立つ際の衝撃で地面にクレーターができる。

294:魔法少女キューティエアリィ第十五話-15 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 15:03:23.17 xcigU/gQ
ミーヤ「お祭り騒ぎのようね。このお祭り私も参加させてもらうわよ。」

エアリィ「ミーヤぁぁぁ!!あなた!まだ懲りてなかったの!!」

ミーヤ「懲りる?どうして懲りる必要があるの?意味がわからないわ。」

エアリィ「少しは大人しくしてなさい!」

エアリィのその言葉にミーヤはくすくすと笑っていた。

ミーヤ「ふふふ、私もまだ調子良くないのよ。
だから今日は元より大人しくしているつもりよ。」

エアリィ「信じられるもんですか。」
エアリィは歯をギリリと食いしばりミーヤを睨む。

エアリィ「あの・・・エウロパってなんなのよ!」

ミーヤ「ああ、エウロパ?かわいいでしょ。最近来た私のうさちゃんよ。」

エアリィ「そういうことを聞いているんじゃない!」

ミーヤ「まあ、良いじゃない。ほかの子達はエウロパに任せるから。
ね、私はあなたとお話に来たの。」

じりじりとエアリィに近づいていくミーヤ。
その表情はミーヤの実際の年齢には似つかわしくないほど妖艶な笑みを浮かべていた。

エアリィ「うくっ!こ、来ないで!」
ミーヤが近づくほど後ずさりしてしまうエアリィ。
そして、自身の力が今は弱体していることもあったが、
何より彼女は以前とはまったく違うミーヤのプレッシャーを感じていた。

295:魔法少女キューティエアリィ第十五話-16 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 15:04:10.25 xcigU/gQ
ミーヤ「あら、どうしたの?そんなに怖がらないでよ。
ほんとに今日はあなたに危害は加えないから。私、あなたのことをもっと知りたくなっただけだから。」

エアリィ「フレアー!こっちは・・・何とかするから・・・」

ミーヤ「そうそう、こっちは何とかなるからあなたはエウロパと遊んであげてね。」

エアリィ(フレアー・・・なんとか耐えて・・・すぐ助けに行くから!)

フレアーはミーヤのことを睨み、エアリィの方を見ると無言で頷いた。

そして前を向きなおしスタスタとエウロパに近づくフレアー。

アーシィ「これがフレアー?変身前と雰囲気がぜんぜん違う・・・」

フレアー「始めまして・・・だよな・・・アタシはキューティフレアー。
出来立てほやほやの魔法少女・・・見習いだ。」

エウロパ「こちらこそ始めまして。
私はエウロパと・・・!?」

ズドォォォォン!!!

エウロパ「くっ!!!」

フレアー「おっしぃ・・・」

何がおきたのだろうか。フレアーの拳がエウロパのいた場所に突き刺さっていた。

エウロパ「卑怯な!まだ私が名乗っている途中だというのに!」

フレアー「くっくっく・・・だれが貴様の口上なんかぼけっと待つんだよ?」

296:魔法少女キューティエアリィ第十五話-17 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 15:04:56.88 xcigU/gQ
フレアー「フレアーサイズ」
フレアーの手には彼女の身長よりも長い炎のような装飾が施された真っ黒い棒が握られていた。
フレアー「ふーん・・・これは棒・・・?これがアタシの武器か・・・?まあいいか。」
フレアーはクルクルと棒を回して構えた。

フレアー「そこのうさぎ。あんたからかかってきな。」

エウロパ「見習いなのにずいぶん偉そうですわね。
後悔しますよ?」
エウロパの声は明らかに動揺しているようで震えていた。

エウロパ「では、遠慮なく行かせていただきます。」
エウロパが両腕を前に出すとその前でぐるぐると光が渦を巻き、それが光球になった。
エウロパ「当たると痛いですよ。ふふふ、下手したら死んじゃうかも。それ!」
出来上がった光球をぐぐぐっと押し出してふわふわとシャボン玉のようにゆっくり動き出したかと思うと、
それは目にも留まらぬ速さで打ち出された。

そして・・・

ドドォォォォォン!!!

直撃

その光球はフレアーの体に直撃した。
モウモウとあがる爆煙。

そして爆煙の中からかすかに見えるフレアー
どうやらまだ倒れていないようだ。
倒れていないことがわかると次の攻撃態勢に入るエウロパ。

エウロパ「あれで倒れないなんてなかなか頑丈ですわね。えい!」
光球を連続で打ち出すエウロパ。
そのすべてが猛スピードでフレアーに直撃。

297:魔法少女キューティエアリィ第十五話-18 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 15:05:44.79 xcigU/gQ
ドドドドドドドッ!!!

アーシィ「フレアぁぁぁぁぁー!!」
アクエリィ「そんな!速すぎて避けられないの?」

さらに爆煙が立ち上り、再びフレアーの姿は見えなくなった。
この状態では生きているのか・・・死んでいるのか・・・わからなかった。

爆煙が晴れ・・・フレアーの姿は・・・

埃だらけではあったが・・・立っていた。
二本の足でしっかりと地面に立っていた。

エウロパ「そ・・・そんな・・・あの攻撃を・・・避けたの?
それともシールド展開した?」

フレアー「いいや・・・あのスピードを避けられるほど速くはないし・・・
ましてやアタシは魔法は使えないから・・・全部当たったよ。アタシに。」

エウロパ「当たったですって?それじゃあ、な、なんで立っていられるの。」

フレアー「さあ?どうやらアタシはトンでもなく頑丈にできているらしい。」

エウロパ「じゃあ・・・これならどうかしら!?それっ」
エウロパが腕を横に一閃。
心地よい風とともにエウロパから何十もの真空の刃がフレアーに迫る。

フレアーはクルクルとフレアーサイズを回転させその刃を全てはじき返す。

そのままフレアーサイズをエウロパに叩き込む。
ズドンと地面が震える。
エウロパはその攻撃を腕で防いだ。
しかし・・・衝撃が強すぎ防御が役に立たない。
エウロパ「ぐふっう・・・なんて重い攻撃!」

298:魔法少女キューティエアリィ第十五話-19 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 15:06:59.81 xcigU/gQ
フレアーはゆっくりと二撃目を突き入れる。
その攻撃はシールドを展開するもやはり防ぎきれずエウロパは後方に弾き飛ばされる。

アーシィ「す、すごい・・・あれで魔法使っていないの?」

エウロパ「こ、攻撃力もかなりあるようね・・・でも・・・スピードは無いのよね。」
フレアーの目の前からエウロパは一瞬にして消えた。
そしてフレアーの背後に現れ、すかさず打撃を加え、魔法攻撃で追撃。
フレアーは思わずよろけるが傷は無いようだ。
振り向きざまフレアーサイズでエウロパをなぎ払う。
しかし攻撃は当たらずエウロパの居た場所の空を切った。

フレアー「さすがに速いな・・・逃げられたら攻撃は当たらないし・・・」

エウロパ「やはりスピードについて来れないのですね。
とうとう諦めたらどうかしら?」

そしてエウロパは攻撃を続ける。
連続で打撃、打撃、打撃。
フレアーはなすがまま打たれ続ける。
本当にあまりのスピードに諦めてしまったのだろうか。

しかし・・・フレアーの目は輝きを失っていなかった。
エウロパは一方的にフレアーに攻撃していて圧倒的に優勢だったが、
その強い燃え上がるような瞳の光に逆に少しずつ恐怖を覚えていった。

エウロパ「このっ!なぜ倒れないのですか!なぜダメージを受けないのですか!」

エウロパは腕を大きく振りかぶりフレアーにパンチを叩き込む。
しかし、その腕はフレアーに掴まれた。

エウロパ「ぐっ!離しなさい!あなたはスピードが無いんじゃ・・・」

フレアー「ああ、確かにスピードは無いよ。
でも目では追えるんだ。さあ、終わりにしようぜぇ。」

299:魔法少女キューティエアリィ第十五話-20 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 15:08:04.81 xcigU/gQ
エウロパ「や、やめなさい!放しなさい!!」
エウロパはじたばたともがくが、フレアーから離れられない。

フレアー「これでおしまいだ。」
フレアーサイズの底部をトントンと地面に突くと棒の先から禍々しい形の大きな鎌がジャキンと出てきた。

フレアー「へぇ・・・これって大鎌なんだ・・・そっかサイズだもんね・・・くすくす・・・死神みたいだね。」
フレアーの瞳が炎の赤色から少しずつ黒色へと染まっていく。
大きく開かれた真っ赤な口はまるで・・・悪魔のような姿であった。

エウロパ「ひっ!」
ガチャリとフレアーサイズをエウロパの首にかける。
フレアー「言え・・・お前らのところにレグルスは居るんだろう?」

エウロパ「レグルス??なんですの・・・それは・・・」

フレアー「とぼけるな・・・お前らがアタシの中から連れ去ったんだろう。」
フレアーサイズの刃をエウロパの首に強く押し当てる。

エウロパ「レグルス・・・きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」
突如エウロパの体がビクビクと震えだし、更に赤黒く光り始めた。

フレアー「な、なんだ!?」

さらに大きく光るとフレアーエウロパともに反発しあうように弾き飛ばされた。

フレアー「あああああっ!」

エウロパは意識が無いのかピクリとも動かず赤黒い光球に包まれ宙に浮かんでいた。

フレアー「くっくっく・・・まあいい・・・そのままじっとしてろよ・・・今仕留めてやる。」

フレアーはエウロパに近づき再びフレアーサイズを振りかぶる。
そして勢い良くエウロパに振り下ろした。
エウロパを見事一刀両断・・・

300:魔法少女キューティエアリィ第十五話-21 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 15:09:04.84 xcigU/gQ
したかに思えた・・・

しかし、フレアーの手からはフレアーサイズが消えていた。
フレアー「あ?あ???」
自らの手にあったはずのフレアーサイズが消え、自分の掌を見つめ動揺する。
フレアー「どこいった・・・アタシの・・・フレアーサイズ・・・」
そしてフレアーの体から粒子状の赤い光がチラチラと拡散していく。
フレアー「変身・・・解けてる?アタシ・・・ああああそんな・・・」

フレアーの体から光の粒子が出なくなると、そこには生身の体に戻った灯莉がいた。

灯莉「あ、ああ・・・そんな・・・私・・・」
灯莉は今の状況にガタガタと震え始めた。
殺される恐怖?
それだけではなかった。
灯莉が真に恐怖していたのは変身したことによる自分の心の変化。
まるで別人のようになってしまっていた、普段の自分と正反対の性格に恐怖していた。

そして目の前には意識を取り戻したエウロパ。

エウロパ「私には何がおきたかわからないけれど・・・これで終わりね。」

エウロパは両腕を前に出し、光球を作り出した。
灯莉「いや・・・いやぁぁぁぁ・・・」
灯莉は腰を抜かしたようにへたり込み、そのまま後退りをする。

光球が放たれようとするその瞬間、その光球を握りつぶした者がいた。

301:魔法少女キューティエアリィ第十五話-22 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 15:09:53.99 xcigU/gQ
エウロパ「何を!・・・はっ・・・ミーヤ様・・・」

ミーヤ「もう用事は終わったから帰るわよ。」

エウロパ「し、しかし・・・あと少しで。」

ミーヤ「何?私に逆らうのかしら??」
ミーヤはエウロパの頭を掴み、顔を覗き込んだ。
その表情は影になってよくわからないが、エウロパが戦慄した様子を見れば
ミーヤの表情がどれほど恐ろしいものだったか想像ができる。

ミーヤ「私が帰るといったら帰るのよ。嫌ならこのままあなたの頭握りつぶすわよ。」

エウロパ「は、はい・・・」
表情が通常に戻っていてもその恐怖は継続しており、
ミーヤに掴まれたままガタガタと震えていた。

ミーヤ「じゃ、お邪魔したわね。エアリィちゃんにはよろしく言っておいて。
ふふふ、ご馳走様。」

エウロパはミーヤに連れられて・・・いや掴まれたまま空気を震わせながらその場を離れていった。
そしてウィッチーズスペースが解かれていく。

灯莉「私・・・助かった・・・の?」
灯莉の元に明日美、萌波が駆け寄る。

明日美「大丈夫?」

灯莉「え、ええ・・・なんとか・・・大丈夫です。」

萌波「どうなったの?」

灯莉「それが・・・私にも良くわからなくて・・・何がなんだか・・・」

明日美「絵梨は?絵梨はどうなったの!?」

302:魔法少女キューティエアリィ第十五話-23 ◆yboXY7MR9E
11/05/08 15:11:06.46 xcigU/gQ
絵梨の居た場所を見ると、絵梨が倒れていた。
三人は絵梨のところへ駆け寄った。

明日美「絵梨!ミーヤに何かされた!?怪我は!?」
明日美は絵梨を抱きかかえた。
絵梨は真っ赤な顔をして肩を上下させるほど息が荒かった。

絵梨「だ、大丈夫・・・危害は加えられていない・・・危害は・・・」
絵梨の顔は相変わらず真っ赤だ。

明日美「だって、そんなに息荒いし、顔が赤いし。」

絵梨「な、なんでもない、大丈夫、もう大丈夫だから。」

絵梨(い、言えるわけ無いじゃない!あんなこと・・・されたなんて・・・)

スピカ「ところで灯莉ちゃん、変身して大丈夫だった?」

灯莉「は、はい・・・体は問題ないのですが・・・その・・・私が私じゃなくなったみたいで・・・」

スピカ「そう・・・変身してわかったんだけど、どうも灯莉ちゃんの体には陽の魔力と陰の魔力が同居してるみたいなの。」

明日美「陽の魔力と陰の魔力って反発しあうんじゃないの?」

スピカ「そうなのよ。そのはずなんだけど・・・」

アルデバラン「どうも、ダークウィッチだったことが影響しているみたいだな。」

スピカ「そうね、若干陽の魔力のほうが強いから陰の魔力をうまく取り込んでいるみたい。
でも、陰の魔力の影響ね、性格が荒っぽくなっちゃってる。」

萌波「それは危険ではないのかしら?
その将来的に再びダークウィッチになってしまうとか・・・」


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