【俺の妹】伏見つかさエロパロ15【十三番目のねこシス】at EROPARO
【俺の妹】伏見つかさエロパロ15【十三番目のねこシス】 - 暇つぶし2ch477:風(前編) 4/44
11/03/06 08:04:13.45 9cdJfIvR
 彼女に言い寄る男子は、同級生から上級生まで、それこそ数えきれないほど居るに違いない。もしも彼女が昨日の
ような調子で俺に話しかけてきたりしたら、俺は翌朝、市内を流れる川に浮かんでいるかも知れねぇ。

「保科さんと親密に話す機会は、もう、あれっきりなんじゃねぇのかな……」

 いや、待てよ。二週間後に保科さん宅で開かれる野点に、あやせ共々招待されていたっけ。
 だが、あれも今となっては、夢幻だったんじゃないだろうか。
 実際、招待状とやらを受け取っていない以上、本当に俺たちが招待されているのか否か、はっきりしないからな。

「お~い、静かにしろ!」

 いがらっぽい声とともに、頭がつるつるに禿げ上がった小太りの初老の男性が教室に入ってきて、ざわついていた
学生達を一喝した。
 禿頭がタコ坊主を連想させることから、誰言うとなく『タコ教授』と呼ばれている民法の担当教授のお出ましだった。

「では、連休前の宿題にしておいたレポートを回収する。後ろの席から前の席に、順繰りにレポートを送ること」

 俺のすぐ後ろの奴が、無言で何人分かが束ねられたレポートを俺の右脇に突き出してきた。
 そのレポートの束に自分のレポートを重ね、俺もまた前に座っている奴に無言でレポートの束を突き出した。
 そんこんなで、学部一年の全員のレポートは手際よく回収され、タコ教授の講義が始まった。

「では、物権の妨害排除請求権について……」

 退屈で眠気を催す講義ではあるが、民法は必修科目だから聞き漏らすわけにはいかない。
 俺は眠気をこらえながら、タコ教授の声に聞き入っていた。

 眠いことこの上ない眠法じゃなかった、民法の講義の後は、学生に読ませ訳させるソクラテス方式で恐れられている
ドイツ語の講義を受け、学食で不味いラーメンを食い、午後は教養科目である物理学と、国際法の講義を聴講して、
本日の予定を終えた。
 
 おっと、学生課に寄って、奨学金の申請書をもらうのを忘れるところだった。
 あまり気は進まなかったが、壱号館の薄暗い廊下の奥にある窓口に行き、一通りの説明を受けて書類一式をもらっ
てきた。
 何でも、四月に受け付けた申請者の中から、かなりの数の不適格者が出たとかで、追加の申請は一応は受理すると
のことらしい。
 しかし、受理はされても、審査ではねられるおそれがかなり高そうだ。
 奨学金は、高校での成績が余程いいか、親の年収が余程低いか、あるいは母子家庭とかなら、申請が認められるん
だが、あいにく、俺はそのいずれにも属しない。
 
「こりゃ、バイトも覚悟しておくか……」

 奨学金が受けられそうにもないことを思うと鬱な気分になるが、ひとまず、今日の学内での用件は、これで終わりだ。
 サークルにも何にも属してない俺は、後は帰宅するだけだ。
 帰れば帰ったで奨学金の書類の記入と、明日の英文読解と刑事訴訟法の予習が待っている。
 昨日、あやせと一緒に乗った路面電車に乗り込み、下宿最寄りの停留所で降り、車の往来が途絶えた隙を見て車道
を強行突破した。
 俺はもうさすがに慣れたが、車道のど真ん中にあるくせに、乗降客用の信号も横断歩道もないなんて、物騒この上
ない停留所だな。これで死亡事故が起きてないんだから、世の中はよく分からない。
 運命を司る神とか悪魔とかは、恐ろしく気まぐれなんだろう。

「さてと……」

 下宿の女主人に帰宅した旨を告げるのもそこそこに、俺は自室に引っ込んで、学生課からもらってきた奨学金申請
の書類に、本人が記入できる事項を書き込んだ。それを『高坂大介様』と宛名書きした封筒に収めて封をした。明日は



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