愛するが故に無理やり…… Part7at EROPARO
愛するが故に無理やり…… Part7 - 暇つぶし2ch261:名無しさん@ピンキー
11/03/20 23:28:46.49 6uHxBZVx

しばらく横になってリインは体調が幾分か回復したようで、レナードから離れようとする。
それを許すつもりもなくレナードは唇を塞ぐ。
柔らかい唇を味わい中に舌をすべらせると噛み付かれた。とっさに身を引くが口中に血の味が広がる。
「やってくれたな、だが気の強い女性は好みだ」
リインは再び口付けられてもがく。口の中に血の味がして、噛み付いたレナードの舌が傷ついたと察する。レナードの舌は
容赦なくリインに絡み唾液を落とし込む。むせそうになりながらレナードの血の味のするそれを飲み下す。飲みきれなかった
分が口の端からこぼれた。レナードはそれにも舌を這わせる。
「嫌、もう嫌」
「まさか、これきりと思ってはいないだろうな?」
手首をシーツに押さえながらレナードは楽しげに尋ねる。
「このまま続けるほどおめでたいとお思いですか?」
リインは下からレナードをにらみつける。視線の主と知った以上関わりあいたくない、リインにとっては当然の感情だ。
だがレナードはそれに頓着しない。
「言っただろう、君を気に入ったと。一度きりで済ませるほど私はお人よしではないんだ」
怒りをこめてにらむことすらレナードを喜ばせるにすぎない。
「瞳がきらめいている、怒りか。そんな顔も見られて嬉しい」
手首に唇をよせてちゅ、と吸い上げる。上腕の内側にも赤い痕を残して唇が離れ乳首に吸い付く。熱い息を落とされ、乳輪を舌先で
丹念になぞられてリインの鼓動が早くなる。唇でわやらかくはさまれ乳首の先端をつつかれると息が止まる。
のぼせた後でまだ力が十分入らない状態のリインの抵抗は弱く、レナードのなすがままになっていた。
最初に抱かれた時よりも丹念に、口をつかってむずがゆくなるほどじれったい刺激が加えられて、次第にリインの体が汗ばんでくる。
別の意味でのぼせてしまいそうだ。
動悸がして、喉が渇く。体の中から未知の感覚が呼び起こされる。
「声は聞かせてくれないのか?」
「―誰が、あなたなんかに」
ベッドの上なのに敵同士のような緊張をはらんだ攻防が続く。
レナードはリインを屈服させるべく技術を駆使し、リインはレナードを引き剥がそうとして果たせないとなるとけして感じまい、
声を出すまいと防戦する。


262:名無しさん@ピンキー
11/03/20 23:29:21.73 JKvf+Czh

だが状況はリインに不利になり、足の付け根にレナードの顔が来るのを許してしまう。
舌先ですくうように舐められリインが身じろぐ。足を閉じようとしてもレナードの顔が邪魔をする。
流されている自分が嫌だ。レナードを厭い、それ以上に不甲斐ない自分が嫌になる。
大腿に手をかけ開いたそこにレナードは口をつけた。熱い粘膜の濡れた刺激でリインはひくりと動いた。
「今度は濡れてくれるかな」
丹念に入り口を舐めあげて陰核を舌先で揺らされ、反応すまいと息をつめて耐える。ぴちゃ、とレナードの口から水音がする。
陰核の周囲をくるりと舌が這う。唇で挟まれ与えられる刺激が変わる。リインの手が固くシーツを握り締めた。
「感じているのか?」
「っ誰が……」
否定する言葉を紡ぐリインにレナードが笑う、その吹きかけられる息も刺激になる。前回は混乱していてよく覚えていないが、
今回のレナードは丁寧に、言い換えれば執拗にリインのそこをほぐしている。指を入れられリインは逃れようとする。
奥まで入れられて短い声を上げてしまった。
「痛っ」
「だんだん慣れる、我慢しろ」
慣れるつもりも、我慢するつもりもないリインは指を抜き差ししながら胸を舐めるレナードの頭を引き剥がそうとする。
同時に与えられる刺激がむずがゆく、体の奥から何かが生まれる。これ以上許せば―危険だ。
レナードが指の動きを止めた。そして笑みを浮かべる。リインがいぶかっているとゆっくりと引き抜いた指をリインに見せる。
それは濡れて光っていた。
「濡れた、か。いい味だ」
見せ付けるように舐められてますますリインの羞恥が深まる。指がもう一本増やされた圧迫感に意識がそこにしか行かなくなる。
最初より指の動きに抵抗がない。身を捩ってベッドから降りようとする最後の抵抗も封じられた。
押さえこまれて抜かれた指のかわりに押し付けられた陰茎の先端がリインの入り口をこする。
「いやあっ」
拒否する言葉を吐いた次にはもう、リインはレナードに貫かれていた。再度の痛みにリインは懸命にずり上がろうとする。
その腰を抑えてレナードはリインの奥まで穿った。まだ先の痛みの残るリインには辛い。


263:名無しさん@ピンキー
11/03/20 23:29:51.96 fP++suZd

「イかせる前に挿れてしまうとは、私も随分焦っているか……」
じわりと涙の浮かぶリインの顔を見て自嘲気味に言いながら、レナードは入り口の壁をこする。
ゆるりと出し入れすると最初ほどの苦痛は感じず、レナードは内心ほっとする。リインを背中にすがらせると苦痛を逃すためにか
無意識にだろうが素直に手を回してきた。頭に口付けを一つ落として動き始める。
リインが息を詰めて耐えているのだが、時々それが吐き出されると熱い吐息になって、そのつもりではないだろうにレナードを煽る。
少しは濡れたせいで中も比較的動きやすく粘膜の摩擦をより感じることができた。膣の襞は引っかかるたびにレナードには快く、
熱く包まれている感触も良かった。首筋に唇を這わすとリインの早い脈拍を感じる。
まだ苦痛だろうからと気をつけてはいるが奥へと突くたびに圧迫感があるのか、んっと息を詰める音がする。
それでも初回よりほぐれた中はレナードにも苦痛より快感をもたらし、限界が近づきつつあると本能が教える。
「君の中はいい、もう、イきそうだ」
きれぎれに言うと苦痛に耐えていたリインがはっとした表情をする。
「中は、中では嫌」
切実な頼みだが、レナードは聞き届ける気はない。体の内側からもリインの全てを自分のものにする。そう心に決めていた。
「それは、無理、だ。う、く―」
レナードの背筋が強張り脈動に合わせてリインの中に精が放たれる。レナードは刹那の達成感と幸福感を感じる。
いつまでも続けばいいとさえ願ってしまうほどの快感だった。
荒い息が落ち着きレナードはリインの上からどく。抜いたところから流れ出る白濁に征服欲が満たされる。
後始末をするとリインが背中をむけうつぶせた。手はシーツを固く握っている。
最後まで抱かれてしまったことへの苦渋に耐えているようだ。
だが背中から引き締まった腰、美しく盛り上がる臀部への曲線を晒していることに気付かない。
無防備なリインにレナードは目を細める。
「誘っているのか?」
声に情欲を感じたリインが振り返って顔を上げるのと背後からレナードがのしかかるのが同時だった。
「っやっ、違う、誘ってなんか」
腰を手でつかみ臀部を軽く浮かせる。すばやく足の間に体を入れてあっという間に元の硬さに戻った陰茎をあてがう。
抗う腰をひきつけ再びリインを穿つ。自分が放った精液のせいで中は先程より動きを妨げず快楽を伝えてくる。
背中を撫でながら耳元で囁く。
「朝まではまだ時間がある、楽しもうじゃないか」
嫌だとかぶりを振るリインを、自分を捉えた女をレナードは再び愛しだした。




264:名無しさん@ピンキー
11/03/20 23:30:35.92 fP++suZd
連投規制が出たのでIDが全部違う
わずらわしいがすまん

265:名無しさん@ピンキー
11/03/20 23:46:31.28 yIpjBg5S
ナイス紳士!!!
数日後とかになってるかと思えばまだベッドの中とはお見事です紳士
続き見れるとは思ってなかったので執拗っぷりにワクワクしますな

266:名無しさん@ピンキー
11/03/21 00:56:33.79 oYtAgVvK
>>256-263
GJ!!
終わっちゃうのは哀しいです。
リインの逡巡と陥落をもっと見たい。

267:名無しさん@ピンキー
11/03/21 01:42:16.43 vsO8STRH
ストーカージェントルマンGJ!!!
もっと陥落するまで読みたかった…。

268:名無しさん@ピンキー
11/03/21 03:23:14.58 Bdv409i6
しかしこの焦らし感も含めてたまらんw
GJです!!

269:名無しさん@ピンキー
11/03/21 13:36:00.24 SCOJiRw5
GJ!
これはもう一生逃げられんなw

270:名無しさん@ピンキー
11/03/21 23:02:18.31 uP3hgYdh
GJ!!
リインから見たら確かに少将に遊ばれているように感じるよなあ。
嘘つかれてたんだし。
わざわざ火種つくっちゃう少将はドSW

271:名無しさん@ピンキー
11/03/24 19:20:23.93 sADrN7Zf
>>246
乙!欲を言えば本当に30から書いていただきたかったぜ
意外と行為中は男が病んでたーと思ったので
ラストどうなるのかびくびくしてしまったw
そしてからかいもびくともしないラブラブ馬鹿ップルになっててよかったw

>>264
ナイスストーカージェントルマンw
続き気になるよ…日常に戻った後リインも少将もどうするのか
少将の囲い込み漁が大変気になるところですな


それにしても職人さん達はお元気なのだろうか…
続き鋭意制作中とかでもぐってるんだったらいいんだけれど

272:名無しさん@ピンキー
11/03/24 23:29:17.83 wEOx8STm
震災の影響よりも高尚読み手様や他書き手の当てつけが嫌になって
去ってしまったんでは…と不安だ

273:名無しさん@ピンキー
11/03/26 00:39:45.46 dvWNsupc
愛してるのに色々あって付き合えず、しかも相手からは結果的に嫌われてるってシチュがやはり良いな
そして犯す機会が巡って来たので暴発みたいな
知的で強気なお姉さんをそんなシチュで犯したい

274:名無しさん@ピンキー
11/03/26 03:03:30.00 Qr3vpruh
携帯から失礼します

最後の部分が書きたくてあげたのでエロが微妙です
NGワードは「茜」でお願いします

275:茜
11/03/26 03:04:01.32 Qr3vpruh

親の離婚を機に引っ越した家のお隣りさんの男の子。それが健ちゃんだった。

健ちゃんは私にとってお兄ちゃんでありお父さんのような存在で。
母が不在がちなこともあって虐められっ子な私の甘えを一手に引き受けてくれるのが健ちゃんだった。
健ちゃんのおかげで笑顔でいられる私は辛くても学校に行くことが出来ていた。
クラスの人達と会うのは正直物凄く苦痛だったけれど、健ちゃんのクラスとの合同授業の時には安心に似た余裕をもっていられた。
健ちゃんの隣に座る人がどんな人かなんて考えたり、その人は何となく健ちゃんに笑い方が似てるかもなんて思ったり、「その人」の名前はなんだろうと興味をもつことが出来たり……

そうして私はいつしかその人に恋をした。そのことがただひたすら嬉しかった。
別に叶わない恋で良かった。
誰かを好きになれる自分がいたことが単純に嬉しかった。





ある日、私の机に一枚の紙切れが入っていた。
紙切れには資料室で待ってますの一文と、碧井という「その人」と同じ苗字だけが書かれていて、それは私を動揺させるには充分な威力を持っていた。
悪戯かもしれなかったけれど私は健ちゃん以外に好きな人がいることは言っていなかったし、私と彼の接点などないに等しかったから、誰かに仕組まれたという可能性を放棄した私の足は迷わずに資料室へと向かっていった。

276:茜
11/03/26 03:05:52.82 Qr3vpruh

資料室に行くとそこには碧井くんが本当にいた。
「あ…茜ちゃん……だよね?来てもらってありがとう」
「あ、えと……はい…」
「それで、あの…ちょっと健介から聞いたんだけど」
「、え」

「俺のこと、好きって本当?」
「…!!!」




健ちゃんは碧井くんにバラしてしまったらしい。
それはよかれと思って?
それとも私の面倒を誰かに交代したくなったとか?
しばらくなにも言えなくて呆然としていると碧井くんに「なあ、」と声をかけられた。
思わず声の方向に顔をあげると、

「ん…!!っ」

キスを、された。
突然のことにびっくりする間もなく彼は素早くネクタイを外してそれで私の腕を縛り上げた。

「なにするの…ッ!?」
恐くなって涙声になる私に構わず、今度は私のセーラー服からスカーフを抜き取って目隠しにしてくる。

「やだ…碧井く…お願いだから外して…!」
「駄目だよ」

懇願する私に構うことなく、碧井くんは少しの躊躇いもせずにセーラー服を勢いよくたくしあげその下のブラジャーも剥ぎ取ってしまった。

277:茜
11/03/26 03:06:51.55 Qr3vpruh

「やだよ…碧井くんやめて…」

首筋から鎖骨にかけて指を這わせてみる。
それから真っ白な彼女の胸を弄んだ。
下から掬うように掌で遊んだり、乳輪を縁取るようになぞったりしているうちにどんどん固くなる突起。

「あっ!!や!」
それをピンッと弾いてみるとそれまで押し殺していた可愛い彼女の声を聞くことが出来た。

「あ…はぁ…や、あおいく……うああッ!!」
真っ赤に実った突起を口に含んで転がすと、彼女の喘ぎは止まらなくなっていった。
ピチャピチャとわざと音をたてながら時折歯を当てるとかなりイイらしく、脚を擦り寄せたり腰が反ったりしている。
なので今度はスカートの間に手を差し込んでみた。

「!!いやっ!!やだ、だめぇッ!!!」
ソコに触れられるのがよほどショックだったのか、今までよりも強い抵抗をしてくる彼女。
それを抑えつつ下着の上からワレメをなぞると少し濡れているのがわかった。

「いあ…ッ!くぅ…んあっ」
そうして見つけたクリをゆるゆるとなぞると彼女の力は面白いように抜けていく。
力が緩みきった所を見計らって僕はクリを思いっ切り押し込んだ。
「あ!!きゃあッ!!!」

大きく返ってきた反応に喜びながら下着を脱がせ、彼女の秘部にむしゃぶりついた。

「や!なに…あ!!あんっ!」
歯で敏感な芽を扱いたり舌を穴に差し込んだりするたびに溢れ出す愛液。
それを最後に大きく啜り、パンパンに大きくなったモノを取り出すと彼女の秘部に当ててニ、三度スライドさせた後、一思いに貫いた。

「!!!ぃやあぁあ!!!!やだ!!!いたいいぃ!!!」

激しい痛みに泣きじゃくる彼女に構わずどうにか自身を最後まで収めると、そのままの勢いで激しくついた。

「…うあぁあ!!ぃた、や、あおいく……ッいやっっ!!!」
スカーフの色が変わるくらいに泣いて痛がる彼女。
ちいさく「ごめん」と謝ると、限界がきた僕はとうとう欲望を彼女の中に吐き出した。

278:茜
11/03/26 03:08:42.15 Qr3vpruh

目が覚めるとそこには誰もいなかった。
アレを夢だと思おうとしても下半身が訴える非情な痛みと机にあったものと同じ文字で書かれた「ゴメン」というメモがそれを許してはくれない。

家に帰って私は泣いた。
ひたすら泣いていた。
こんなこと誰にも言えない。
お母さんにも、ましてや健ちゃんにも。
健ちゃんは私の気持ちを伝えてしまった自分を責めるかも知れないし、もし碧井くんに言った理由が私から解放されたかったからだとしたら私はもう立ち直れないかもしれない。

その日から私は誰にも会えなくなってしまった。
時間が経つにつれ意味もなく私だけが悪いように思えてきて、そうするとお母さんが心配して声をかけてくれるのも、健ちゃんがドアの前まで来て名前を呼んでくれるのも今の私には辛くて。

そしていつしか私は毎日来てくれる健ちゃんにたいして怒鳴り散らすようになっていた。

279:茜
11/03/26 03:10:10.84 Qr3vpruh

僕が中学に上がる頃、彼女はやって来た。
僕の家の隣に引っ越してきた女の子の名前は茜といった。

茜は可愛らしい女の子だった。肩らへんで切り揃えられた染めたことのない綺麗な黒髪と、アーモンドのような形をした薄い色素の瞳が印象的な美少女。
性格だって特に変わったところはなく、愛らしい笑顔と人懐っこい無邪気さに惹かれ、僕達はすぐに仲良くなった。

「健ちゃんは優しいね。私と喋ってくれるのなんか健ちゃんだけだよ」
茜は学校に居場所がないらしく、よく僕の部屋に遊びに来ては淋しそうに愚痴を吐いていた。
茜はいい子なのに彼女自身を見ようとしないクラスの連中は片親の茜を虐めているらしかった。
母親が綺麗な人なのもまた恰好のネタとなり、気付けば茜は売女の娘ということになっていた。

「茜はいい子だよ」
そう言って彼女の頭を優しく撫でる。
彼女は何かあるたびに僕に話してくれた。

「グループ授業とかなんであるのかな。早退しちゃった」
「体操着がびしょびしょだったの、酷いでしょ?」
「アドレス流されてるみたい…変えるから健ちゃんも一緒に考えてよ」

「すきな人ができたの」


僕はひたすら聞き手にまわった。
茜の愚痴は全て受け止めて、たまに僕なりのアドバイスを伝えたりして。
そうすることで話し相手に飢えている茜が嬉しそうに笑うのが何よりも幸せだった。


けれどある日を境に、茜は学校にも行かず家に引きこもるようになってしまった。

280:茜
11/03/26 03:11:59.84 Qr3vpruh

僕は毎日茜に会いに行った。
声をかけたり名前を呼んだりしても何の反応もないのが淋しかった。
茜はおばさんにも顔を見せていないらしく、このままじゃいけないと思った僕はなんとかして茜を部屋から出そうと声をかけつづけた。

しばらく続けているうちに茜の拒絶は激しくなり、ある日茜は怒鳴り声を挙げて僕を追い返した。

「帰って!健ちゃん早く帰ってよ!!」
「あかね…」
「帰れって言ってるの、わからない!!?」

こんなにも怒りの感情を露にする彼女を僕は始めて知り、そして怒鳴られながらも久しぶりに彼女の声を聞けたことを本当に嬉しく思っていた。





僕の学年がひとつ上がり、茜が僕より下の学年になることが決定した頃、茜はようやくドアを開けてくれた。
そして色んな話をぶちまけるように話してくれた。

碧井に呼び出されてレイプされたとか、
僕が碧井に茜の気持ちをバラしたことが凄くショックだったとか、
死にたくなる衝動が抑えられなくなっていた時期があったこととか、
それでもおばさんには少しずつ話が出来るようになったこととか、

それから僕が毎日名前を呼ぶことが本当は凄く嬉しかったこととか

「私ね、私健ちゃんが…」
「好きだよ、茜。それから本当にごめんな」


僕はこの日、昔から隠していた気持ちをとうとう茜に告白した。

281:茜
11/03/26 03:13:46.07 Qr3vpruh

いつだって僕は茜を好きで、その気持ちだけで行動を起こしてきた。

茜が好きだから、いつも一緒にいた。

他の奴が茜の魅力に気付かないように変な噂を流したのも
笑顔になるなら多少面倒な愚痴話でも喜んで聞いていたのも
碧井を諦めさせる為に、碧井に高い金を払って協力してもらったのも
その後碧井と入れ替わって僕が茜を無理矢理レイプしたのも

全部全部茜が好きだから。それだけが理由。

「私なんかでいいの…?私みたいなどうしようもない女で…」
「茜がいい。ずっと茜だけ見てきたから」


一生このまま種明かしをしないのだって、茜が好きだから。
それだけが理由なんだよ。

282:茜
11/03/26 03:16:23.40 Qr3vpruh
以上です。
色々わかりづらい部分があるかとは思います…申し訳ないです。

283:名無しさん@ピンキー
11/03/26 12:25:10.00 RLCOA9bE
投下乙!
これはいいヤンデレw
>>277は普通に碧井くん目線だと思ってたから
>「好きだよ、茜。それから本当にごめんな」
ってセリフ読み返したら怖ェェェェ
ストーカージェントルマンとは違って本当に最後まで隠し通してほしいよ

しかし碧井くんは金もらったとはいえど
一歩間違えばレイパーだと訴えられそうなことよく手伝ったなw

284:名無しさん@ピンキー
11/03/26 13:03:39.06 afnwxiPE
>>GJ
途中で半分は気付いたけど、オチで「そこからか!?」ってなった。上手いな

285:名無しさん@ピンキー
11/03/26 21:54:30.06 dvWNsupc
>>282
健ちゃんマジ外道で吹いたw
良いヤンデレだったGJ
しかし端から計画通りか
ヤンデレテラオソロシス

286:神竜の謳 Ch.11
11/03/27 15:10:17.33 tcYL7P6H
>>282 GJでした。

続きを投下します。最終話になります。

・逆レイプ
・和姦
・未遂

13レス頂きます。

287:神竜の謳 Ch.11
11/03/27 15:10:52.51 tcYL7P6H
 かつて訪れた森の祠の傍に、神竜は悠然と佇んでいた。逃げも隠れもせず、まるでティトの訪れを
予め知っていたかのように。
 時が止まったまま眠り続けるセラを抱え、ティトは恐れもせず神竜と向かい合った。
 彼女の仇を見据える瞳には、憎悪や絶望などは欠片も宿っていない。
 湛えられるはただ一つ。命を捧げる覚悟のみ。
「返して貰いに来た」
 口にせずともわかっているのだろうが、ティトは敢えて目的を告げる。神竜は微動だにせず、陽の光を
受けて黄金に輝く眼を足元の人間へと落とした。
 待っていたのだろう。人間であるティトが、自分の元を訪れるまで。
「返してくれないか」
 育む命がないのなら、自分の命を与えても構わない。そう心に願い、ティトは自分を殺せと訴える。
 その覚悟を拾い上げ、神竜は再び人の言葉で語り掛けた。それは、ティトが求めた答えではなかった。
『私は何者の干渉も受け付けない』
 無論、そう簡単に要求に応じないであろうことは予想の範疇ではあった。ここで食い下がらなければ
ならないことも想定の範囲内だった。
「だったら、何故ここで僕を待っていた?」
『貴様を待っていたわけではない。人間ならば誰でも良かった』
 これだけ多くの命を奪っておいて、今更何をしようというのか。真意を問われる前に、神竜は先の死闘で
ティトが抱いた疑問に答えた。
『私は誰の味方でもない。しかしそれ以上に、誰もが敵と認める存在であってはならない』
「……何が言いたい?」
『全ては予定調和だ。それはまだ終わっていない。私が鎮めた魂は、まだ我が手中にある』
 意味深な言葉を残し、神竜はおもむろに天を仰いだ。神々しき純白の翼を広げ、先とは全く異質の
鳴き声を発した。
 高く美しい歌声が、たちまち天空を支配する。それは数多の命を乗せ、雪のように地上へと降り注ぐ。
 ティトはその光景を唖然として見つめていた。奪った命を持ち主へと返したのだ。神竜が何を意図して
このような行動に出たのか、理解するには数秒の時を要した。
『人間よ、これは天啓と思え。同じ過ちを繰り返すな。無論、我々もだ』
 返されたのは、神竜によって理不尽な死を与えられた者の命。覇竜に殺された者は生き返らずとも、
死んだはずの人間が揃って息を吹き返せば誰もが『神』の意を感じずにはいられないだろう。神竜の姿を
目の当たりした人間ならば尚更である。


288:神竜の謳 Ch.11
11/03/27 15:11:28.71 tcYL7P6H
 この光景を目の当たりにした人々は喜びの裏で、この先の未来を『神』の怒りに触れぬよう、畏れながら
生きて行くことになるのだろう。

 セラを抱えていたティトの手は、少しずつ人の温もりを感じていた。失われていた命は律動を始め、
彼女の全身を温かな血が巡る。固く閉じられていた瞼からは、僅かに茶褐色の瞳が覗いている。
『貴様の命など必要ない。ただし、約束を違えたその時は……』
 最後まで告げずに警告を終え、神竜は静かに森の奥へと姿を消した。
 今度また、人と魔物の間で無意味な殺生が繰り広げられたなら、神竜は再び姿を現すのだろう。
一切の救済を許さない、完全なる滅びの唄と共に。

 事態の終息を呆然と眺めるティトに、不意に細く弱々しい声が掛けられた。
 自分の名を呼ぶセラに、ティトは何も言わずに顔を向ける。生気を取り戻した少女の姿は、記憶の中の
どの姿よりも生やかで、美しい。
 愛しき少女の生還に歓喜する心とは裏腹に、ティトの表情には寂しげな微笑みが湛えられていた。


「先日の約束、取り下げさせて頂きます」
 ラスニール城に辿り着くなり、ティトは国王に向かい、とある口約束の破棄を求めた。セラとの婚約の件である。
「……ほう」
「ティト?本気で……?」
 興味深げに様子を窺う国王の前で、セラは開口一番、信じられない台詞を吐くティトに疑問を呈した。
一時的な約束ではあるものの、まさか求婚した本人の口から婚約解消が言い渡されるとは思っていなかったのだ。
「正直なところ、背後でどこぞの誰かが一枚噛んでるのかと思ったんだけど、そうでもなかったようだね」
「……失礼します」
 理由を告げることもなく、ティトは二人に背を向ける。帰国後とは言え、王女の身の安全という
最も破ってはいけない約束を破ったのだ。彼女を娶る資格などあろうはずもない。
「ティト、私はもう貴方のことは……」
「ごめん。これで、全部終わりにしよう」
 引き止めに掛かるセラの目の前を横切り、ティトは部屋の扉に手を掛ける。
 これで彼女は、何に囚われることもなく生きられる。金輪際、関わることはないだろう。

 別れの扉は不自然なほどに軽かった。反対側から何者かが同時に扉を開いたのだ。
 時をほぼ同じくして国王の元へと訪れた人物に、ティトは正面から衝突した。見上げると、父親である
ロイドに見下ろされていた。


289:神竜の謳 Ch.11
11/03/27 15:11:46.13 tcYL7P6H
「と、父さ……」
 腕を掴まれて引っ張られ、ティトは再び国王の元へと戻される。
 ロイドの背後にはディアナが、姿を隠しもせずに付き添っていた。
「久しぶり。あの家燃えたんだって?まさかこの城を明け渡せなんて言うわけじゃないだろうね」
「そうだな。ついでにラストニアでも復活させるか」
 平然ととんでもないことを言い放つロイドを前に、国王は顔を強張らせた。彼は遠慮なく目前まで
歩みを進め、含みのある笑みを見せながら国王を見下ろしている。
「……冗談だろ?」
「さぁ?それはおまえの対応次第だ」
 再会早々の脅迫行為。昔と全く変わらない手口に、ディアナは深い溜息を吐いた。
 しかし脅迫といえども、別段国に不利益をもたらそうというわけではない。今や祖国を同じくしている以上、
国王とてそれは理解している。
「で……、何がお望みなんだよ……」
「全騎士団を俺に寄越せ。それから、俺の素性を国中に知らしめろ。ラストニアの姓も、過去の功績も何もかもだ」
「!?ちょっと待て、そんなことしたら……」
 国王が何を危惧しているか、ロイドは当然わかっている。
 ラストニアとラクールの力関係は明らかだ。もし、ラストニア王家の末裔、しかもほとんど全ての
戦役を勝利に導いた司令塔となる人物が生きていると正式に知れたら、自国よりも力で劣るラクール側が
国を治めているという現状にラストニア兵は勿論のこと、ラストニアの民までもが不満を抱くかもしれない。
本人の意図せぬところで築き上げられたものではあるが、彼にはそう危惧させるほどの人望がある。
 しかし、ロイドは決して自己顕示欲は強い方ではない。ラクール出身者を含む騎士団の均衡を保つためにも
素性を明かさず、初めは現騎士団長であるアルセストを介した指揮系統を築くべきである。
 もし城に留まることのみを目的とするならば、わざわざ身元を明かす必要はなく、一体何を狙いとした
行動なのか国王には理解できなかった。
「心配には及ばない。こいつとおまえの娘が国を継ぐことになれば、何の不満も出ないだろ」
「へ!?父さん、何を!?」
「この国を乗っ取りたい、王女にも気がある……何か不満か?」
「それ、誰に聞いたの……」
 聞かずとも知れている。ケイトしかいない。気まずさのあまり、弟の話を持ち出してしまったのだろう。
余計なことを吹き込んだ姉のせいで、今まさに、政略結婚という予想だにしない道が開けようとしているのだ。


290:神竜の謳 Ch.11
11/03/27 15:12:15.83 tcYL7P6H
「俺は当分この城に滞在する。ディアナのことは気にしなくていい。どうせもう時効だ」
 国王は気圧されるように首を縦に振ったものの、先程とはまた別の危機感を抱いていた。
 ラストニアより次期王が誕生し、ラクールより次期王妃が選ばれる。実質どちらが力を持つかは明らかだ。
「まずい……本当に乗っ取られる……」
 息子にさえも一切の反論を許さず、ロイドは国王の苦慮を耳にしながらディアナを連れて部屋を後にした。

 国の重鎮的存在となれば、クレア達からの無茶振りを正当な理由で断ることができる。ディアナが切に
望んで来た日常を、今度こそ実現させることができる。しかしロイドがそう説明しても、彼女はいまいち
納得しない。
 長年共に同じ道を歩んで来たディアナは、ロイドの性格を知り尽くしている。今回の大胆な行動の裏にある
本当の目的にも、薄々勘付いていた。
 彼は真っ先に、騎士団の譲渡を要求したのだ。
「これ、もしかして……あの人への報復?」
 恐る恐る真意を問うディアナの前で、ロイドは然も当然であるように答えを返す。
「誰の女に手を出したのか思い知らせてやる。一生脅えて生きるがいい」
 ある意味予想通りの返事を嬉しく思う反面、自分達に関わってしまった若く未来有望な騎士に対し、
ディアナはどうにも同情を隠し切れなかった。


 この日、セラは初めて他人を自ら自室へ招き入れた。話をしたいと頼んでもなかなか首を縦に振らない
ティトを、強引に部屋の中へと引き摺り込んだのだ。
 ティトは決して良い顔をしていない。一方的な都合で決め付けられてしまった将来を撤回させるため、
一刻も早く父を追わなければならないと思っていた。
「セラ、僕達もう会わない方がいい」
「何故ですか?」
「何故って……自分の身に何が起きたか、わからないわけじゃないだろう?」
 彼女のためにも、これ以上関わりを持つべきではない。ティトがいくらそう説得しても、セラは一向に
納得しない。むしろ、説得を試みるほど反発する。
 自分の考えを絶対とし、他人の言い分には耳を貸さない。何を言っても聞く全く耳を持たず、一秒でも早く
部屋を出ようとするティトの態度は、セラにとって苛立たしいものでしかなかった。


291:神竜の謳 Ch.11
11/03/27 15:12:33.71 tcYL7P6H
「貴方はいつも勝手です!初めてここへ来た時も、ケイトを助ける時も、私の言うことなんて何一つ聞かずに
 自分本位な行動ばかり取っていました!」
「……うん」
「今朝もそうです!貴方は、自分の命を……、捨てようとしていました……」
「…………」
 ティトは決してセラと目を合わせようとしない。しかし、彼女が涙を堪えているであろうことは察していた。
声が、震えているのだ。
「私のためですか……?私のせいで、貴方まで命を落とすところだったんですか……?」
「……、もう行くよ」
 扉へと伸ばされた手を押さえ、セラは扉の前に立ちはだかる。
 道を塞がれ困り果てるティトを睨み付け、精一杯の虚勢を張る。
「許しません。もう、貴方に振り回されるのは沢山です」
 ティトは一歩、また一歩と迫り来るセラから逃げるように後退る。ベッドの傍まで追い込まれるなり
肩を押され、そのままシーツの上へと難なく倒されてしまった。慌てて起き上がろうと手をつくも、
セラに腰の上へと乗り上げられ、動くことすらままならない。
「こ、こんな真似するなんて、君らしくないな。早くそこを……」
「お黙りなさい。これは報復です」
 言い切られる前に言葉を遮り、セラはシーツに手をついて困惑するティトを見下ろした。長く透き通った
琥珀色の髪が流れ落ち、紗幕のように二人の視界を覆う。
 近付けられた彼女の瞳は、どう見ても復讐を企てる人間のものではない。むしろ、かつてティトが
欲していた、淡い慕情さえ感じ取れるほどだ。
「動かないで下さい」
 伸ばされた手が、ティトの頬に触れた。指示に従わず顔を逸らしても、彼女は動じない。
 このままではまずいと強引に半身を起こすと、セラは再びティトの肩を押して共に倒れ込み、自分の
身体で動きを封じた。
 完全に、抱き付かれた形となっていた。ふわりと漂う彼女の香りが、ティトの嗅覚をくすぐる。
 鼓動と温もりが布越しに伝わって来るだけで、幸福感が満ち溢れる。それ以上を望むのは、贅沢というものだ。
「セラ、離れて」
「嫌なんですか?」
 腕に力が込められると共に胸元に柔らかな感触を覚え、ティトは思わず目を閉じた。本心の赴くままに
抱き締めてしまいたいという衝動を抑え、固く拳を握り締めていた。


292:神竜の謳 Ch.11
11/03/27 15:12:59.11 tcYL7P6H
「……嫌なんですね」
 頑なに自分を受け入れようとしないティトを、セラはどこか悲しげに見つめている。やがて彼女は
俯いたまま静かに起き上がり、ゆっくりと身体を離した。
 膨れ上がる煩悩を制し、つい気を緩めたその直後。安堵の息を吐いたティトの下半身を、思わぬ感触が襲った。
「ちょっ……、セラ!?何してる!?」
「身体を張った嫌がらせです」
 言いつつ彼女は手を潜り込ませ、拙い手つきで懸命に互いの秘部を触れ合わせる。セラの生気に溢れた
女の身体はティトの色情を再び煽り、必要以上の昂ぶりを与える。
 彼女は思い切った行動に出ながらも恥ずかしそうに顔を逸らしていたが、やがて指先に力を込め、
ゆっくりと腰を下ろし始めた。
「待っ……!だ、だめだ、やめ……」
「貴方も最初、私が嫌だと言ってもやめませんでしたよね」
 意外にも、彼女の中は僅かに湿っていた。もう悪感情を抱かれていないのだと察することができるが、
ティトはどうしても受け入れることができない。
 行為を強行するには潤滑に乏しく、彼女の顔は苦痛に歪んでいた。それでも生じる痛みに耐え、セラは
ティトの陰茎を根元まで埋め込むと、そのまま長く息を吐き、静止した。
「無理しないで、早く離れて」
 身を案じる言葉に、セラは首を振って少しずつ腰を揺すり始める。身体が強張っているためか膣内は
非常に狭く、彼女が少し動くだけで互いのものがきつく擦り上げられる。
 漏れる呻きを耳にしては手応えありと踏み、彼女は徐々にペースを上げて行く。
「も、もう、やめるんだ……、痛いだろ」
「嫌です。平気です」
 何度やめるよう言い聞かせてもセラは一向に耳を貸さず、しかしだからと言って乱暴に扱うこともできない。
 ティトは必死にこの状況を打開するあらゆる手を考えるが、口を出る台詞はどれも説得力に欠けるものだった。
「君はあの時、身分を理由に僕を拒んでいたのに……、いきなりどうしたんだ」
「あんなもの言い訳に過ぎませんし、もう意味もありません。貴方、ラストニアの人間だったのでしょう?
 第一、私の身体を二度も奪っておいて何の責任も取らないつもりですか?
 お父様にも借金があるはずです。このまま踏み倒すつもりですか?」
「いや……、それは……」
 怒涛の追及を受け、ティトは二の句を告げなかった。過去の所業が今全て、自分に返って来ているのだ。


293:神竜の謳 Ch.11
11/03/27 15:13:25.06 tcYL7P6H
 視線を交えながらも絶句し、全く心変わりする様子を見せないティトをセラは更に追い詰める。懸命に
腰を揺すって互いの粘膜を擦り合わせ、望まぬ快感で苦しませ、ティトが音を上げるまで決して声を漏らさない。
「ぅ……っ!セ、セラ、わかってくれ、君の、ためなんだよ……」
「私のため?私の気持ちも考えないで、何が私のためなんですか?」
 ティトは思わず目を見開いた。蒼の瞳に映る彼女の面持ちは至って真剣で、とても揶揄されているとは
思えない。しかし、一度は大嫌いとまで言われた相手の口から飛び出す台詞とも思えなかった。
 気付けばセラの顔が目前に迫っている。目が合うと、彼女はそっと自分の唇を重ね合わせた。
「……本気?」
「命まで賭けられては、気も変わります」
 ─逃げられない。迷いなく答えるセラを目にし、ティトは戸惑いながらもそう悟る。
 今まで彼女のためと思い取って来た行動は、ことごとく裏目に出てしまっていた。
 だから離れようと決意した。しかしその決断が今、再び彼女を傷付けようとしている。
 ティトは観念したように目を閉じた。もう悩むことすら億劫だった。結局のところどの道を選んでも、
二人にとっては茨の道にしかなり得ないのだ。
「覚悟はできてるんだろうね」
「覚悟?」
 セラは女だ。これ以上恥を掻かせるわけにはいかない。
 問い返すセラの肩を掴み、ティトは彼女の身体を軽々とベッドに押し倒して形勢逆転を図る。そして、
真剣な眼差しで彼女を見据え、最後の質問を投じた。
「僕はきっと君を不幸にする。幸せになれる保証なんてどこにもない。それでもいいの?」
「それは貴方が気にすることではありません。幸せかどうかは私が決めます」
 強気な台詞とは裏腹に、セラは薄っすらと微笑んでいた。返事の代わりに口付けが与えられると、彼女は
一層顔を綻ばせた。しかし、この状態で接吻のみで終わるはずもない。
「わかってると思うけど。こんな中途半端な状態で終わろうなんて考えてないよね?君がそのつもりなら、
 最後までさせてもらうよ」
「……はい」
 頬を染めて頷くセラを、ティトは軽く抱き締める。体勢を整え、抜け掛けた陰茎を再び奥まで埋め込む。
 セラは小さな呼吸を漏らしながら、背に腕を絡めた。ティトの首元に顔を埋め、これから襲い来るであろう
快楽に備えていた。


294:神竜の謳 Ch.11
11/03/27 15:17:43.43 tcYL7P6H
 期待に応えるように、ティトはゆっくりと動き始める。しかし、優しく扱うのは初めのみ。
 既に彼女が強行した行為により、十分過ぎるほどに色欲を煽られているのだ。ティトは自分の欲求に従い、
遠慮なく速度を上げて行った。
「あ、あの……っ、ティト……」
「何?」
「やさ、しく……」
「今度ね」
 やられっ放しは趣味ではない。ティトは口には出さず、行為で示す。広がるスカートの裾をたくし上げて
片脚を肩に掛け、体重を掛けて自身を奥まで押し込むと、セラは堪らずに身を捩り甘い声を上げた。
 そのまま掬い上げるように、何度も腰を打ち込む。彼女の喜ぶ腰使いで、水音を立てながら突き上げる。
「あっ、は……っ!ああっ!!」
 快楽から脱しようと反射的に撓う肢体を、ティトは決して逃すまいと強く抱き竦めた。互いの身体を
密着させ、快楽に悶える身体を押さえて容赦なく奥を貫いた。
 腕の中で跳ねる身体から、彼女が得ている快感の度合いが窺い知れる。セラの身体が大きく仰け反る
瞬間を捉え、ティトは即座に同じ要領で腰を打ち始めた。
「ぁああっ!だっ、だめっ!ティ、ト……っ!」
「腕に力を入れて。しっかりしがみ付いて。まだまだ辛くなるよ」
 セラは素直に従い、自分に覆い被さるティトの身体に力の限り抱きついた。昔ならばここでじっくり
可愛がっていたのだろうが、今のティトにはそんな余裕はない。
 耳元で頻りに叫ばれる制止の声を糧に、ティトは早々に追い込みを掛ける。素直な反応を返す身体を
力一杯抱き締めながら、加減も忘れて夢中で突き込む。
「ああっ、ん……っっ!!」
 セラは固く目を瞑り、声もなく悶え続けている。急激に狭まり、快楽に蠢く柔らかな蜜壁が彼女の状態を
ありありと示している。
 粘膜が擦れ合う度に彼女は過敏に身体を捩る。その度に纏わり付き締め上げられる感覚に、ティトは
堪らず喉元から声を漏らした。
 燻ぶり続けた快感が、堰を切って溢れ出す。二人は互いに求め合い、たちまち絶頂の波に襲われた。
「うっ……!セラ……ッ!」
「わ、私、もう、……っ!あぁああっ!」
 ティトは引き込まれるように最奥まで導かれ、脈打つ欲望を吐き出した。華奢な身体を一際強く抱き締め、
逃すまいと腰を押し当て最後の一滴まで注ぎ込んだ。


295:神竜の謳 Ch.11
11/03/27 15:18:08.86 tcYL7P6H
 全ての事が済んでも、セラは絡めた腕を離さない。余韻に満ちた甘美な時間に酔い痴れるように、
自ら身を寄せている。ティトはただ自分の心に正直に、細くしなやかな身体を抱き留めた。

 やがて呼吸が整い始めた頃、二人はゆっくりと身体を離した。ティトは機嫌を窺うように、意中の少女の
顔を覗き込むが、そこに望んだものはなかった。
 緊張の糸が切れたのだろう。目が合うなりセラは悲しげに顔を歪め、涙を浮かべて心中を訴え始めた。
「私……貴方の言うこと、ちゃんと聞きます。ずっと貴方を支えます。だから、もっと私のことも考えて下さい。
 もう会わないなんて……言わないで下さい」
「……そう、だね」
 ティトは自分の愚行を認め、嗚咽を漏らすセラの髪を慰めるように撫で梳く。
 もう二度と悲しませまいとした少女に、最後の最後で涙することを許してしまった。結局彼女の希望に
沿うことが、最も確実な贖罪方法となるのだろう。
 『王女』のためではない。全ては彼女個人のために。
 生涯の献身を胸に誓い、二人は深く、口付けを交わした。


「あ、あの、父様」
 ロイドとディアナが城門を抜けると、二人は不意に、聞き馴染みのある声に呼び止められた。
揃って振り返ると、普段の快活な姿など微塵も感じられないほどに硬くなったケイトが、ぎこちなく
歩みを進めていた。胸には覇竜に傷を負わせた剣が、大切そうに抱えられている。
「これ……」
 抱えられていた剣がそっと差し出される。しかし、ロイドはすぐには受け取らない。視界に入った
丸腰の娘の姿に違和感を覚えたからだ。
「剣がないのか?」
 俯いたまま黙り込み、ケイトは何も答えない。しかし答えずとも、昔から片時も剣を手離すことなど
なかったのだから答えは知れている。
 差し出されていた剣に手が伸ばされる。そのまま持ち主の元へ返るかと思いきや、しかしケイトは
手の平に別の感触を覚えた。よく見るとそれは、ロイドが過去に愛用していた細身の剣だった。
「まだ使える。折るなよ」
「……え」
 半ば押し付けられる形で手にした、思いも掛けない新たな剣。使い込まれているためか、柄はケイトの
手にもよく馴染む。
 全く予測していなかった事態に困惑し、絶句する娘をディアナは微笑ましく眺めている。
「ケイト、また後でね」
「…………」
 気恥ずかしそうに固まる娘に声を掛け、ディアナはロイドと共に崩壊し切った街へと向かった。




296:神竜の謳 Ch.11
11/03/27 15:18:26.60 tcYL7P6H
 それからケイトは、以前よりも笑うようになった。ロイド不在の際に滲み出ていた殺伐とした雰囲気など
一切なく、周囲に柔らかな印象さえ与えるほどだ。躍起になって鍛錬に励むこともなくなり、ライラと
共に過ごすことも多くなった。
 別に彼に気を使っているわけではない。新たな住み処であるラスニール城がどうにも肌に合わず、
外で過ごす割合が増えたのだ。彼は黙っていても寄って来るため、単に話相手としているに過ぎない。
 この日も破壊された訓練施設の近くの丘で、二人は休憩がてら、復興に追われる街をぼんやりと眺めていた。
「ラストニアの血筋、ねえ……」
 ロイドの生存は、ラスニール騎士団総帥への就任と同時に国中に知れ渡った。勿論、元ラストニア軍
総司令官の肩書きを共にして。政略結婚の餌食とされたティトの身元も公となり、必然的にケイトの素性も
白日の元に晒されることとなってしまったのだ。
「聞いてねえ……」
「私も聞いてない……」
 ケイトにとっても寝耳に水。しかし、別段普段の生活に大きな変化が伴うわけではない。城を住み処と
することも、今は慣れずともいずれ馴染むことだろう。国家間の事情にも特に興味はなく、この会話も所詮
ただの世間話に過ぎない。
 故に多くを語る必要は皆無であり、本音を零すライラを横目に、ケイトは普段と変わらぬ調子で適当に
話を切り替えた。
「それにしてもおまえ、情けなかったなぁ。神竜を挑発して結局何もできず仕舞い。何がしたかったんだよ」
「……それは」
 ライラは気まずそうに俯く。本当ならば挑発により注意を引き、動向を探るつもりだった。
 しかしその目論見が達成されることはなかった。眩い謎の光を浴びたあの時から、神竜の思考を拾うことが
できなくなってしまったのだ。
 原因は不明。落としどころのない曖昧な説明を受けるも、ケイトは特に関心もなさそうに答えを返した。
「邪魔者扱いされてたな。よくわからないけど、元に戻されたんじゃないのか?」
「…………」
 可能性は十分にある上、確認手段がないわけでもない。彼の血に帯びる覇竜の魔力は今、脳へと届く
直前で中和され、中枢神経を侵すことなく全身を巡っている。
 つまり、永続的に魔力を放ち、ライラの命を守っている魔道石の髪留めを外してみれば良い。


297:神竜の謳 Ch.11
11/03/27 15:18:44.13 tcYL7P6H
 当人も何となく勘付いてはいた。しかし、どうしても踏み切ることができなかった。こめかみ付近へと
恐る恐る手を伸ばしても、触れるのみで終わってしまう。
 もしこれで、死を臭わせるほどの苦痛に苛まれてしまったなら、他に手がない現状ではもう二度と
元の身体に戻ることは叶わないかもしれない。僅かな希望を根こそぎ奪われてしまうことは、彼にとって
恐怖でしかなかった。できることなら誰かに、背中を押して欲しいと思っていた。
「なぁ、ケイト。もしこれで、全て元に戻ってたら……」
「戻ってたら?」
 言い掛けて、ライラは俯き口を噤む。今まで散々迷惑を掛けて来た上、自分の都合で身勝手な要求を
飲んで貰うなど虫が良すぎる。
 しかし一人躊躇するライラへと、ケイトは特に他意もなく、当たり前のように激励を送った。
「そうだなぁ。元に戻ったら、いずれ好きな人と結ばれて、子供だって作れる。長年の悲願が叶うわけだ。
 でも、今勇気を出さないと永遠に叶わない。試してみて損はないよ」
「……言ったな?」
 何の気無しに零された発言に、彼は待ち侘びていたように食いついた。今までの苦悩など嘘のように、
躊躇いなく髪留めを掴み、握り締める。そして僅かに浮かせて苦痛が伴わないことを確認するなり、
無造作に地に落とした。
 ケイトが振り向いた時には既に、魔道石は天を向き、草むらに転がっていた。
 平然と送られる視線を感じつつ、ケイトは誤解を与え兼ねない自分の発言に気付く。はっとして
ライラの顔を見遣るも、そこには感動など欠片もない。
「ケイト。おまえ俺の本心知ってるよな?自分の言葉には責任持てよ?」
「そう言えば……そうだった……」
 一種の平和呆けか、或いは現実から乖離し過ぎた出来事だったためか。以前に比べて最近は特に
何事もなく、ライラとの悶着を含めた神竜の一件など、既に絵空事になり掛けていた。
 それを知ってか知らずか、彼は脅迫的、かつ高圧的な態度で近付く。ケイトが慌てて後退っても、
二人の距離は一向に縮まらない。
「いいんだな?わかってて言ったんだよな?」
「ちょ、ちょっと待て、目が本気だぞ」
「当たり前だ」
 自分の発言に責任を持つのは当然のこと。ケイトは思慮の足りない発言を悔やむが、既に後の祭り。
言い切ってしまった手前、ライラが本気である以上彼の気持ちを無下にするわけにもいかず、かと言って
前言撤回が認められる空気でもない。


298:神竜の謳 Ch.11
11/03/27 15:19:02.66 tcYL7P6H
 彼は後退るケイトとの距離を遠慮なく詰め、反応を試すように手を伸ばす。逃げるように身を引きながらも、
ケイトは以前のようにきっぱりと拒絶することができなくなっていた。彼は、根は悪い人間ではないからだ。
しかし顎に指が触れた途端、ケイトは反射的に腕を伸ばし、ライラを突き飛ばしてしまっていた。
 予想していたであろう結果を、彼はどこか寂しげに受け止めている。その様子を見てケイトは気まずそうに
背を向け、取り繕うように言い放った。
「さ、先に言いたいことがある。一応、おまえのおかげで私もティトも助かったんだ、礼は言っておく。
 でも、まだ全て許したわけじゃない。だから、どうしてもと言うなら条件がある」
「条件?」
 瞳に僅かな光を宿し、彼はケイトの提案に耳を傾けた。元気付いた姿を尻目に心の内で安堵しつつ、
ケイトは父より授かった剣を握り締める。
 そして悪戯に笑みを浮かべながら、期待の眼差しを湛えるライラへと、絶壁の如く高いハードルを課した。
「私の父様に認められてみろ。父様が認める人間なら、喜んで生涯付き添ってやろう」
「…………」
 突破不可能としか思えぬほどの難壁を提示され、彼は座り込んだまま硬直する。
 相手はかつて圧倒的軍事力を以って世界中を震撼させた、ラストニアの王位後継者であった人物だ。
認めさせる方法など検討もつかない。
「会ったことすらねえよ……」
「いずれは通る道だろ。今のうちに片付けておけば後々楽になるぞ」
 これは、何度も強引に身体を奪った代償のつもりだった。たとえ正当な理由があったとしても、それなりに
辛辣な試練を課してこそ、釣り合いが取れるというもの。むしろこの程度では甘いと思えるほどだ。
 ライラは苦渋の色を浮かべながら思い悩んでいたが、やがて真剣な面持ちでケイトを見据えた。
 やっと腹を括ったのかと思いきや、しかし彼は突拍子もない提案を口にした。
「ケイト。駆け落ちしよう」
「はぁ!?」
 有無を言わせず背後から腕を回し、断らせる間も与えずに彼はケイトは身体の自由を奪った。
 暴れても女の力では到底敵わず、ただの無駄な徒労に終わっている。


299:神竜の謳 Ch.11
11/03/27 15:19:41.41 tcYL7P6H
「こっ、この根性なし!こら、どこを触……」
 胸元を手で押さえられ、反射的に振り向いたケイトの唇は、まるで狙い計られていたかのように塞がれた。
即座に頭部を押さえられ、ケイトはそれを振り解けぬまま草むらへと身体を倒された。
 反論を封じる口付けは容易には解かれず、撓う身体の線をなぞるように手が下方へと這う。衣服の中に
指が忍び、肌を直に触れられる。人肌の感触に震え上がり、ケイトは堪らず蹴り飛ばしてやろうと
意気込むが、彼は瞬時にそれを察し、意外にもあっさりと拘束を解いた。
 酸素を求めて呼吸を乱すケイトを満足気に見下ろし、彼は勝ち誇った様子で笑みを浮かべている。
「わかったよ。その条件呑んでやる。ただし無期限でな」
「おま……覚えてろ……」
 ロイドに異様に高い理想像を吹き込むか、或いは如何にライラが非常識な人間であるかを説いても良い。
軽率な行動を後悔させる術はいくらでもある。
 たとえ泣き付かれても絶対に妥協しないことを心に誓い、ケイトは固めた拳を地へと落とした。


 甚大な被害を受けたラスニールの復興も、ライラの悲願成就も、双方共に相当な時間を要する。
 神竜の力によるものか、頻繁に出現していた魔物は全く姿を現さなくなっていた。ティトが気に掛けずとも、
種族間の争いは嘘のようになくなったのだ。
 しかし、彼らは決してその存在を消したわけではない。神竜の棲む森は確かに存在する。急成長を
促された木々は天高くそびえ立ち、数多の生命を抱え、侵入者を拒むようにその入口を閉ざしている。
 森は今も成長を続け、より堅固な不可侵領域を築き続けている。それ故その森は人々に畏れられ、
いつしか誰一人として近付かなくなった。

 ラスニールが落ち着きを取り戻した後も、世界は常に目に見えぬ不可思議な気配に包まれていた。
 彼らの存在が記憶から薄れて来ようとも、ふと空を見上げる度に、ケイトもティトも在りし日の
断罪の旋律を思い出す。残された深い爪痕と共に、それは永遠に二人の記憶から消えることはないだろう。

 不滅の空は未来永劫変わりなく、この世の全てを繋ぎ止める。
 今日もまた、全てを統べる天空に、命の系譜が響き渡る─


300:神竜の謳 Ch.11
11/03/27 15:19:51.45 tcYL7P6H
以上で完結です。
長らくこの場をお貸し頂き、ありがとうございました。

301:名無しさん@ピンキー
11/03/27 16:13:55.11 HsAjKke+
寂しい気もするけど、完結おめ!
超乙でした。

302:名無しさん@ピンキー
11/03/27 21:42:50.93 rk+R05NV
神竜GJでした!!ティトとセラたんが幸せになってくれて良かったです

303:名無しさん@ピンキー
11/03/28 14:47:34.81 IJ440qeD
やっと終わったか

304:名無しさん@ピンキー
11/03/28 18:50:13.54 dI16oBMN
>>300
GJ
セラたん良かった

305:名無しさん@ピンキー
11/03/28 18:51:08.24 fXOoxTgW
>>300
今までお疲れ様完結おめでとう!
ティトとセラタソがどうなるか気になるw
それにしてもロイド何故騎士団なのかと思ったらw
フラグ回収率半端ないな…青年カワイソス
またどこかで読めること期待してる

306:名無しさん@ピンキー
11/03/30 00:03:47.25 UFNi3dDm
視線の続きを投下する

今回は翌朝設定の亀展開

307:名無しさん@ピンキー
11/03/30 00:04:04.06 UFNi3dDm

背中の温かさに目が覚めるとリインは後ろから抱き込まれていた。ベッドサイドの時計では朝の早い時間だ。
背後から腕を回した男の規則正しい寝息を聞いて、昨夜からのことを思い返す。
結局また抱かれて、最後は気絶するように眠ってしまったらしかった。外が薄明るくなっていたので夜明け近かったのだろう。
眠る時まで離さない腕と自分をいいようにした手を見ながら、リインは体と同じく心も重かった。
ストーカーといってもよい執拗な視線をよこした男。そんな男に……
自分がまんまと誘惑されて魂を差し出してしまった戯曲の間抜けな人間に思える。さしずめレナードは悪魔か?
起こさないようにそっと抜け出る。途端大腿を伝う液体の感触に不快な思いを生じる。
それを拭った後ガウンを羽織って浴室へと行こうとした足を、控えめなノックが止めた。
ドアガードをしたまま細めにドアを開ける。そこにはホテルの従業員が立っていた。
「ランドリーサービスです。服が仕上がりましたのでお持ちしました」
レナードが足止めのために出したリインの服だ。ドアを開けて受け取り浴室に持って入る。
体はざっと拭かれているようだが、シャワーを浴びて今度こそ服を身に着ける。
鏡に映った顔は一晩で人相が変わってしまったような気がした。色々なことがありすぎた。―悪夢のような一夜だった。
今は自室に帰って一人になりたい。一人きりになりたい。
バッグを取りに部屋に戻るとレナードが服を身に着けてソファに座っていた。端正な姿だがどこか気だるげにも見える。
「おはよう。朝食を食べるか?」
「要りません、失礼します」
きつい口調になるリインとは裏腹に、レナードはどこまでも余裕だ。自分で用意したと思われるコーヒーを飲みながらゆったりと笑う。
「水臭いな、他人行儀で。夜通し肌を合わせたというのに」
「―よくも、そんな言い方ができますね」
だましていた上に無理やりだったのに。そんなリインの抗議をさらりとかわす。
「事実だろう。私は君を抱いた。君は私に抱かれた。違うか?」
違わない。だが、本意ではない。
リインは何も言わずに部屋を出た。エレベーターに乗りこみロビー階を押す。閉まりかけたそこにレナードがするりと入り込む。
とっさに後ずさるリインだったが、レナードは動くことはせずエレベーターは下降してロビー階で開いた。
エントランスを目指すリインにレナードは落ち着いた声をよこす。
「チェックアウトしたら送ろう」
「必要ありません、一人で帰れます」
本部や官舎からそう遠くはないので歩いても帰れる。
「いいから待っていなさい」
ロビーで声は抑えていたものの押し問答になっていた二人に、声がかかった。


308:名無しさん@ピンキー
11/03/30 00:04:28.29 UFNi3dDm

「おや、こんな所でお会いするとは」
レナードは即座に穏やかな表情を浮かべて声をかけてきた人物に対応する。リインがよく知っていた雰囲気だ。
本心を見せずどこまでも穏やかな軍幹部としての姿。権謀術数うずまく中を泳いでゆくための姿なのだろう。
「お早うございます。奇遇ですね」
リインは少し離れて二人のやり取りをながめた。この時にさっさと逃げ出しておくべきだった。
声をかけてきたのはリインも顔は知っている将官か佐官だった。
その人物はレナードとの会話が一段落した時、リインに目線を移す。敬礼しそうになり場所を思い出して礼をする。
「君は、確か……」
思い出そうとするかのように小首をかしげる相手にレナードが助け舟を出す。
「今年入隊した少尉です」
それで合点がいったのか、ああ、という顔になる。
「そういえば本部で見かけたような。……これは隅に置けませんな」
午前中のホテルで二人連れ、で察したようだ。レナードは穏やかな口調で受け流す。
「いや、年甲斐もなく恥ずかしいところを見られてしまいました」
「定例会議でも柔軟で斬新な発想をお持ちと感服しておりましたが、なるほど、いや羨ましい」
レナードとの年の差から年若い女と付き合っているので柔軟で斬新、言い換えれば若い発想ができるのかと皮肉めいた言い方だ。
思い切り否定したいリインだったが、それをするのは僭越かとはばかられた。
「そう言われると面映いですな。では『私達』はこれで。さあ、行こうか」
あっさりと言い、結果的に肯定するような状況に持っていったレナードはリインの背に手を当ててエントランスの方へと歩いた。
陰になる柱のところまで行ってリインは背中の手から体をはがす。
レナードは毛を逆立てた猫のようなリインの様子を見て笑いを含んだ声音になる。
「公表する手間が省けた」
頬に血の気が差すのと同時にリインはレナードの言うとおりとも思う。さっきのが将官であれ佐官であれ、きっと私的な会話などで
笑いを含んだ格好の話題にすることだろう。
レナードが一緒にロビーに来たのも計算の上だったのだろうか。ありえない話ではない。
これ以上事態をややこしくしたくない。リインはきっぱりと言い切る。
「今度こそ帰ります。送りも見送りもいりません。もう私に構わないで下さい」
だが、悪夢は夜のみならず訪れるものらしい。いや、悪魔と友達なのか。
「……リイン?」
背後から聞こえる聞き覚えのある声にゆっくりと振り向く。リインの視線の先には友人達の姿があった。
「どうして、ここに?」
「ここのランチバイキングに来たんだけど、ちょっと時間が早いからラウンジでお茶でもしようと。あの、リインにもメールを
したんだけど届いてない?」
メール……携帯は昨夜レナードとバーに行くときにマナーモードにしてバッグに入れたまま。
昨夜のことというのに、随分と前のような錯覚を覚える。それほどある意味人生を変えてしまった一夜だった。
「リインは、あの……」
背後にいるレナードを友人達は当然知っている。一緒に食事に行っていると話もしていた。
付き合っていると噂されているのを教えてくれたのも彼女達だ。
この状況からおのずと導かれる結論は……
ゆっくりと、いくぶんぎくしゃくと振り返ったリインの目の前でレナードの唇が弧を描く。
―公表する手間が省けた―さっきレナードの言った言葉が頭の中でこだまする。
レナードの笑みがいっそう深くなる。
とても優しいのにどこかに突き落とすような、引きずり込むような笑み。自分に微笑むのは悪魔のようなレナードだけ、なのか。
そこがリインの限界だった。気が遠くなり、意識が闇にのまれてゆく。


309:名無しさん@ピンキー
11/03/30 00:04:53.48 8QM1sxyy

友人達からレナードに目を移したリインは少し後ずさる動きを見せてその場にくずおれた。
「リイン!」
「おっと」
友人達の悲鳴に近い声が上がる中、レナードはすばやく動いて頭を打ち付けるのをとどめてリインを抱き上げた。
騒がないようにとリインの友人を制する。
「大事無い。疲れが出たんだろう。―しかしこれではもう一泊する必要があるか」
レナードの言葉をリインに近寄っていた友人達が聞きとがめる。
急いでやってきたホテルマンにレナードは依頼をする。無論側で聞いているリインの友人達にも会話は筒抜けだ。
「チェックアウトをするつもりだったが、このような次第なので延泊したい。今までの部屋は掃除をしてもらう必要があるので
空いている部屋があればそちらに入りたいのだが。至急調べて手配してくれればありがたい」
客室の状況を確認するべくホテルマンが事務室に消えたのを見ながら、レナードはリインの友人達に向き直る。
「君達、今日のことはあまり騒がないでやってくれないか? 見ての通り私と彼女は色々隔てが大きいので噂になると彼女が
気の毒だ。必要以上に目立ちたくないのでね」
真摯な口調のレナードに緊張していた友人達は、それを解いて請合う。分かっています、と。
だが集団が、特に若い女性達が秘密を守るのはとても難しいのを知っているレナードは内心では事の成り行きを予想する。
友人の一人が心配そうな顔でリインを見やる。
「大丈夫でしょうか? このところずっと視線を感じるって参っていたようでしたから」
レナードはああ、と頷く。
「その件なら承知している。今後彼女に危害を加える心配はない」
レナードの言葉にほっとした顔を見せる。いつかリインが話していた親友とやらが彼女なのだろうと見当をつける。
「ああ、それなら良かったです。あの……リインのこと、よろしくお願いします。とてもいい子なんです」
腕の中のリインに目をやったレナードは友人を見つめる。かすかに友人の顔が赤らむ。
「君達のような友人がいて、彼女は幸せものだな」
そこに先程のホテルマンが戻ってきた。どうやら部屋が確保できたらしい。新たなルームナンバーを告げられ、レナードは
リインの友人達に声をかける。
「私達はこれで失礼する。ああ、君達のランチ代を私に払わせてくれ。ルームナンバーと私の名を出せば決済できるようにしておく。
バイキングもいいが、ホテル内の好きなところで食べてくれてかまわない。ここのメインダイニングのランチは絶品だと思うが」
側にいるホテルマンが頷く。友人達もこの申し出に目が輝いている。
「いいんですか? ここのメインダイニングってすごく有名なお店ですよね」
その分値段も張るので有名だがレナードにとってそれは些細なことにすぎない。
「彼女の友人に心配をかけてしまったんだ。これくらいはさせて欲しい」
レナードの提案を受け入れて礼を言う友人達に見送られて、ホテルマンに先導されたレナードがエレベーターに消える。
残った彼女達の一人がほうっとため息をついた。
「格好いい、大人って感じ」
「リインとはちょっと年は離れているけどお似合いよね」
皆でうんうんと頷きあう。
「延泊って言っていたけど、それって昨日二人で泊まったってことだよね」
刺激の強い話題に顔を赤らめつつ、メインダイニングに行くべく彼女達はエレベーターのボタンを押した。


310:名無しさん@ピンキー
11/03/30 00:05:14.26 8QM1sxyy

案内された部屋に入るとホテルマンが毛布をめくってくれた。そこにリインは静かにおろされた。
「なにかございましたらフロントにご連絡ください。ホテルドクターに連絡をとります」
ホテルマンの心遣いに礼を言って、二人きりになる。顔色はやや悪いが呼吸や脈拍は安定しているのでさほど心配はしていない。
とりあえずルームサービスで食事をして、端末を使ってここでできる仕事をこなす。
その合間に予想した、いや予想以上の結果にレナードは思い出し笑いをする。
本部にほど近いホテルだ、軍関係者には会うだろうと予想していたが実に理想的な顔ぶれだった。
自分の知り合いの佐官に、彼女の友人達。これで話が、噂が広がる。
リインは軍内で既に有名なので、異性との話題は非常な関心をもって迎えられるだろう。
食事に行っていることや、ごくまれに本部内の隠れ場所のようなところで二人でいたことなども噂になっていたようなので、今回の
ことは当然の成り行きとして認識されるだろう。
これで第一段階。
次の問題点として、必ずリインが離れようとするはずだ。それをどう封じるか。
枷は多いほうがいい。だが多すぎても興をそぐ。種類と強度は吟味しないと。
これまでのリインを取り巻く環境と、今日のできごとから満足のいくシミュレーションができたのだろう、レナードは一つ頷く。
「大嫌い、か」
リインの寝顔を見ながら投げつけられた言葉を反芻する。
当然だろう。視線というストーカーまがいの行為をしてきた。リインの危機を救ったのも、休憩場所で出会ったのも偶然ではあったが
即座にその状況を組み込んで利用したのは確かだ。
その一方で相談にのり、リインを安心させ距離を縮めてきたのだから。
両者が同一人物と悟った時のリインの表情。
―驚愕と混乱と絶望、そして嫌悪、憎悪。実に多彩な感情を見せてくれた。
頭をなでて頬に手を当てる。やわらかく上質な感触を伝えてくる。肌も感度も、中も申し分ない。
体の相性は悪くはなさそうだ。素質は十分で久しぶりの行為という点を差し引いても、レナードは既に溺れそうになっている。
開発しがいのある極上の素材に胸が躍る。そこにあの気概だ。
舌を噛まれた時などぞくぞくした。美しく、抗う、誇り高い存在をどう自分好みにしていこうか、とその過程も楽しみになっている。
「……気の毒だがとことん付き合ってもらう」
とりあえずは手に入れたリインに囁く。自分なりの愛情をこめた眼差しで。



311:名無しさん@ピンキー
11/03/30 00:05:38.98 8QM1sxyy

リインは目をあけてしばらくの間ぼんやりとする。ここは? 確か、ロビーで友人達と……
視線を横に向けデスクで何かをしているレナードの姿を認めた途端、跳ね起きる。
「急に動くとまた倒れる。安静にしていなさい。気分はどうだ? 何か食べるか?」
「何故、また部屋に」
外の景色はさっきまでの部屋とは違うように見える。
とりあえず靴だけ脱がされた形で、服は脱がされた形跡がないのにほっとしつつ、レナードを警戒する。
「君はロビーで倒れたんだ。寝かせる必要があったので空いている部屋に入った次第だ」
思い出してリインは青ざめる。レナードの知り合いの軍人と自分の友人達に目撃されたことを。そして倒れて、部屋へ。
「これで公認、といったところか」
レナードの声に一気に体が熱くなる。公認など。
「冗談ではありません。絶対にごめんです。誰が、あなたと―」
レナードはベッドに近づき、知らず身を強張らせたリインにかがみこんで耳元に口をよせる。
内緒話をするように低くおさえた声にはかすかな笑いが含まれている。何を言い出すのかとリインは緊張する。
「冗談ではない、私は本気だ。―君の友人から君をよろしく、と頼まれたぞ」
「なん……ですって?」
顎に手をかけられて上向かされる。顔を覗き込むレナードは楽しそうだ。おおげさに頷いて続ける。
「君はとてもいい子、だそうだ。同性の友人がいるのはいいことだ。君は友人に恵まれているようだな。大事にするがいい。
まあ、とにかく何か食べなさい。もう昼に近い時間だ」
混乱しながらもリインはレナードの言葉を拒否する。このままここにいると、逃げ出せなくなりそうだった。
「いりません。離してください、閣下」
レナードが表情を消し冷たい瞳がリインを射抜く。威圧感が並ではない。
「次にいつ食べられるかは軍人であれば分からない時がある。わがままで体調を崩すなどもってのほかだ。
これ以上拒否するなら、口をこじ開けてでも食べさせる」
レナードが怒った姿は初めてで、静かな口調なのにとてつもなく恐ろしい。
すくんだリインに気付いたレナードが雰囲気を和らげる。
「消化のよいものを頼もう。好き嫌いは?」
「―ありません」



312:名無しさん@ピンキー
11/03/30 00:06:02.77 8QM1sxyy

再び強引に寝かしつけられリインはルームサービスが来る間、仕事をするレナードの後姿を眺めていた。
有能で人格者だというのがレナードの評判だ。その人格が著しく歪んでいるのを不幸にして知ってしまった。
だが女性にもてるという噂を聞いていたリインにはレナードの行動が解せなかった。
女性に不自由はしないはず。なら何故自分にストーカーまがいの行為をしてまで近づいたのか。
思考はドアをノックする音で霧散した。
ワゴンを変形させてできたテーブルにはフルーツとヨーグルト、パンケーキ、スープにジュース、コーヒーと盛りだくさんだ。
レナードは先に済ませたから、とフルーツを軽くつまんでコーヒーを飲んでいる。
食欲はないながらも何とか食べていく。味はさすがだったがこの状況でなければもっと美味しかっただろう。

ワゴンを室外に出したレナードが戻ってくる。リインはベッドの乱れを直して、出て行く準備を整えた。
ドア側の廊下にレナードが立っている、いや立ちふさがっている。
あれを突破して、ドアを出て、ホテルから去る。成功の可能性は笑えるほどに低いように思える。
レナードが近づいても窓側にしか逃げられないのが情けない。
「顔色がよくなった。成り行きだがもう一泊することになったんだ。ゆっくりしよう」
首を横に振り明確に拒否を伝えてもレナードには通じない。後ろに追い詰められる。
「随分嫌われたものだ。昨夜は私に応えてくれたのに。痛がって泣いて私にすがったところなど可愛かったぞ」
思い出してリインは顔が赤くなるのを感じた。自分の初めて、はこの男に……
硬い表情のままドアへと行こうとしたリインはレナードにとどめられる。
「官舎に戻ります。もう、私に構わないで下さい」
「それは無理だ。これからも関わりたいと思っている。逃げようと思うなと言ったはずだが」
手首をとられリインはまっすぐにレナードをにらむ。自分の意思は無視され結果が性行為とは到底―
「私はあなたが嫌いです、絶対に許せません。他の女性と付き合ってください」
「私は君がいいし、他の女性には興味はわかない。厄介なのに目をつけられたと思って諦めてくれ」
言われている内容はひどいが声は低く穏やかでリインの深いところを揺さぶる。



313:名無しさん@ピンキー
11/03/30 00:06:29.18 UFNi3dDm

話はそれまでとばかりにレナードはリインを反転させると出窓に向けて押し付け、後からスカートをたくし上げる。
「嫌、やめて、もうこんなことは嫌」
抗うリインの背後からのしかかる。手は前に回り下着の上から指を押しつける。
「大人しく、この部屋は低層階だ。あまり聞き分けがないと、ここで裸に剥くぞ」
ホテルを出入りする人の顔が識別できそうな高さだ。こちらも見られてしまう。レナードの脅しに動きが止まる。
「そう、いい子だ。私も君にそんなひどいことはしたくないのでね」
強引に割りいれられた膝でできたスペースを逃さず、下着の上からあやしく動く手指にリインは出窓に手をつく。
「―許さない」
「諦めろ」
リインの怨嗟の声をあっさりといなしてレナードはなおも指を動かす。
くすぐったい感覚が次第に疼くようなものに変わる。歯を食いしばって耐えた、つもりだった。
手が下着の中に入り込む。くちゅり、と水音がした。
その音にリインは唇を震わせた。嫌なのにどうして。体液のすべりを利用してレナードの指が陰核を指の腹でこする。
指ではじかれ身内を走るなにかにリインは背をそらした。
「やはり、君は感度がいい。全く面白い」
あくまでも興味の対象としての捉えられ方に、リインは絶対に反応を示すまいと誓う。
昨夜さんざんにレナードを受け入れた膣は指一本ならさしたる抵抗も見せなくなったようだ。だが嫌でも意識してしまうリインには
その一本がとてつもない存在感を示している。中を探るように押し、引っかき抜き差しされる。
中のある一点を掠めたときにリインはこれまでにない感覚を覚えた。それが何かよく分からないまま指がゆきすぎてほっとする。
親指で擦られている陰核の方が今はそこに血液が集まって脈打っている感じでリインの注意を引いている。
レナードは服の下から手を入れてやわやわと胸をもんでいる。服は乱されていない、それだけにその下でのレナードの振る舞いが
リインの羞恥を煽っている。
「……あ、」
吐き出す息をともに出た音にレナードがふ、と笑った気配がした。
「もっと声を聞かせてくれ。感じているのだろう?」
「ち、がう」
リインはかぶりを振る。一晩抱かれただけではしたなく反応するのは自分が許せなかった。こんな男に感じるはずなど。
窓にすがりついた手先に力をこめて自分を保とうとした。



314:名無しさん@ピンキー
11/03/30 00:06:57.47 UFNi3dDm

あくまでも頑ななリインにレナードは攻める手をやめない。指を増やして中を広げる。少し曲げた指先でリインの弱いところを
探していく。まだ反応は弱いながらもそこを刺激すると襞が締め付けてくる部位を探り当てた。
早くここだけでイかせてみたい。どれほど乱れることだろう、その時を想像するだけでたまらない。
陰核を小刻みに震わせる。
「や、やめ、て」
拒否するリインの語尾が弱くなっている、その様子がひどく愛おしい。
「あまり煽らないでくれ、我慢がきかなくなる」
リインの耳にレナードがベルトを緩める音がした。下着を片足から抜かれ、背後からおさえる力が増して腰をつかまれたと思うと
硬く、熱いものが入り込んできた。
「うう、くぅ……や、いや、」
ぐ、と質量のあるそれはリインの中を分け入り押し広げながら奥まで到達する。みっしりとリインの中に居座っている。
前に逃げ場のないリインにレナードが背後からついてくるそれは子宮口を刺激する。引かれるときには臓器が引きずり出されるような
気がしてリインは中を荒れ狂うような嵐に耐えた。
レナードも興奮していた。着衣のままリインを立たせて背後から貫く。視覚的にも非常に刺激的だ。
ベッドとはちがってスプリングに力が逃げない分、リインにもレナードにも与える刺激が大きい。陰茎に亀頭に当たる襞や中の形が
変わってひどく、よい。腰をつかって快楽を追う。
声は出さないながらリインの背がしなった。その途端当たる角度が変わって先端がきゅうっと締めつけられた。
「っ、うっ」
何とか衝動をやりすごしまたリインの中に自分を刻む。すりあげ、こね回し、奥を突く。
リインの膣がレナードの動きに応じて襞が絡むようになった時にレナードは精をはきだした。緩やかに蠕動し収縮するそれはひどく
気持ちよく優しく包まれているように思えた。
リインは出窓に上体を預け、そのままずるずると床に座り込む。
汗に光り紅潮した顔はひどく美しかった。いまだ落ち着かない息も耳に心地よい。
仕打ちに耐え切れなかったのか悔し涙を流している。力が入らないくせに抱きしめると抗う。
本性を晒さずに抱いていれば決して見せてはくれなかっただろう反応に、倒錯的な愉悦を感じるのだからどうしようもないと
レナードは自分に笑えてくる。
腕の中でもがくリインを決して手放さない。
まだ声も聞かせてくれない気丈なリインを早く啼かせてみたい。淫らな欲望にレナードはリインを抱きしめる手に力をこめた。


以上続く予定


315:名無しさん@ピンキー
11/03/30 00:58:59.32 ofW75mHs
GJ!!!
一瞬、仕官も友人も、ホテルで会うのを仕組んでたのかと思ったw
堕ちるのが先か、懐妊が先か、楽しみにしてます。

316:名無しさん@ピンキー
11/03/30 02:04:32.18 10zoZ9AS
これが噂のデレツンですか?
GJ!!
友人の言うとおり、
いや違う意味でも何故かお似合いに感じるよこの二人。

デレツンデレになりますように・・・

317:名無しさん@ピンキー
11/03/30 13:51:04.19 AWOUqSv+
GJです
レナードが怖すぎワロタw

318:名無しさん@ピンキー
11/03/30 23:18:23.01 Q66hwT31
GJ!
レナードさん策士すぎパネェ


319:名無しさん@ピンキー
11/03/31 23:54:57.38 sDuj9N2G
ストーカーエロジェントルマンGJ

320:名無しさん@ピンキー
11/04/01 00:35:25.69 m/t5KB/A
これリインはリインで実に犯しがいがあるんだろうなw
本気で悔しがってるのがとても可愛い

321:名無しさん@ピンキー
11/04/01 00:57:25.75 oP6jxjLi
gj!
友人達に聞こえるように連泊を強調するのに笑ったw
しかしリインがデレデレになったら興味を失うのか?ってつい思ってしまうほどの
どこまでも困難な道を行くのが好きなストイックさとドSジェントルマンぷりがパネェっすw
続くみたいで楽しみにしてます!

322:名無しさん@ピンキー
11/04/09 01:40:24.95 1GHhDQQq
そういや、公爵家の人はどこいったんだ?
なんか色々問題のある人なのか?
どいでもいいから投下してくれ。
頼む!

323:名無しさん@ピンキー
11/04/09 01:58:01.25 YOsJ8azi
震災後投下がないってことは…

324:名無しさん@ピンキー
11/04/09 02:06:43.42 E9wP9Qxf
いや、らしき人が震災後に……


325:名無しさん@ピンキー
11/04/09 06:56:34.77 e36dlbaf
さすが信者は空気読まないで話題にだせるな……

326:名無しさん@ピンキー
11/04/09 09:58:31.56 G/qh++6c
……

327:名無しさん@ピンキー
11/04/09 11:04:06.47 jyXNUBrk
書き手の状況は分からないもんだからな
来ると信じて気長に待とうぜ
あと宵闇の続きも待ってる

328:名無しさん@ピンキー
11/04/09 13:10:45.54 IuoBk7rG
ミレーユたんは今風の表現で言えばブヒれるから大好き

329:名無しさん@ピンキー
11/04/09 14:07:01.15 6IhYg40H
ブヒれるっていったい何ぞやと思ってググったら
普通に萌えるっていう意味なのか、SM系の用語かと思ったw
続き気になるといえば神山家も気になるなー
そしてぽよよんお姉さんもしつこく職人さんを待っているんだぜw

330:名無しさん@ピンキー
11/04/09 15:15:30.81 jyXNUBrk
ああ、『萌え豚』の派生語か
しかし、この呼称もエラい自虐的だな

331:名無しさん@ピンキー
11/04/11 00:33:43.05 XdCWlCe8
ブヒれるって、一瞬SMプレイの鼻フックの事かと思ったw


続き読みたいけどもう完結しちゃったっぽい作品ならあるわ

332:名無しさん@ピンキー
11/04/11 01:03:46.30 HJKlfjxM
ブヒるって元々罵倒後だった筈なのに
萌え豚共々罵倒される側が喜んで使ってるからなあw
ある意味心情をズバリ言い当ててるからなんだがw>ブヒるorブヒれる

333:名無しさん@ピンキー
11/04/12 13:13:30.88 clz5/ROp
続き待ってます…

334:名無しさん@ピンキー
11/04/12 20:54:00.87 gEIoAEXF
AGE

335:名無しさん@ピンキー
11/04/18 03:13:43.06 97nl/crm
保守

336:名無しさん@ピンキー
11/04/21 22:17:40.97 E5UPZ2wC
なんか雑談まで途切れるの珍しいな
投下待ち保守

前にも話題で出たけど
愛ゆえに無理やりだと男がヤンデレか策士みたいになっちゃうけど
それとは無縁な無理やり男を考えているんだけど難しいなー

337:名無しさん@ピンキー
11/04/21 23:17:51.30 UlA5jMkB
そういうのじゃなく普通の男や女でも、嫉妬の上激情にかられて・・・・とか
誤解や感情のすれ違いが重なって・・・・とかは過去作品に結構ある、
というか典型だと思ってたんだけど。
そしてそんな典型が一番の大好物なんだけれども!!




338:名無しさん@ピンキー
11/04/21 23:29:11.37 E5UPZ2wC
おおすまんそういえばそういうのもあるなw
っていうか言われてみれば過去作品にもあった
でも嫉妬の上激情に…は自分にはヤンデレカテゴライズだったw

339:名無しさん@ピンキー
11/04/22 00:59:08.89 JniJphmZ
まあ、ヤンデレも人により定義が果てしなく曖昧だからなw
無理矢理犯しにかかる正真正銘のヤンデレ男も激情に駆られて犯しちゃう男もどちらも良し
女の子が可哀想でエロい目にさえ会えば!!

340:名無しさん@ピンキー
11/04/22 01:28:28.40 twHFzuxG
可哀想でエロくて嫌なのに、感じちゃう!

あ…わたし、なんでこんなに感じちゃうの?
あ!駄目ぇそこはっ
ぁん、あ…なんか変な音が……
んっやめてキスしないで…
いや…だめ…なんか子宮の奥が熱く…ぁぁ…でもダメぇえ、くちゅくちゅしないでぇ
ぁぁあぁ…

てな感じお願いします。

341:名無しさん@ピンキー
11/04/23 06:17:48.03 StIHZqyO
女の子的に凄く理不尽で慰み物にされてる感じだとたまらんな
犯されてる女の子に萌える

342:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:02:28.83 UC55qLqU
では僭越ながら、不肖名無しが早速
すごく理不尽に慰み者になってる女の子ものを投下します

元々版権ものを改変し、無駄に長いのでご注意下さい
男性視点、強姦展開。苦手な御方はスルーでお願いします。

343:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:03:07.35 UC55qLqU
彼は優等生だ。
私立高校の三年生で学業成績は優秀。部活動での活躍が目覚しく
集団生活における協調性もあり、校外ボランティア活動にも貢献して

しかも彼は容姿も秀麗で人柄も良く。校内他校老若男女問わずの親衛隊がいる。
学校社会の中で欠点の見えない優等生、それが彼の評価だ。

「えっと…あの…止めて下さい…先輩」
小さな抗議の声を上げ、彼女の瞳が大きく見開かれる。
本棚へ彼女の手首を強引に抑え付けて、その柔らかい唇へ触れ合う瞬前、離した。
「どうして、いつも、こんな事するんですか」

彼女の身体をようやく解放し、彼は人の良い笑顔で言い放った。
「いつも言ってるけど、君が好きだから」
正確に言えば君の泣き顔が好きだから、内心でほくそ笑む。

その日は、赤面してその場に座り込んだ彼女を置き去りに
彼女が現在付き合ってる男、『彼氏』が呑気に眠っているカウンターを通り過ぎ
何事も無かった様には彼は図書室を後にした。

344:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:03:55.82 UC55qLqU
『彼氏』へ彼女が秋波を送った結果、二人は付き合いだした。
というのは同じ高校の生徒ならば周知の事実だ。

それを彼が知らない筈は無い、が
状況を見計らってこの様なセクハラを幾度となく彼女に行っている。
彼は他人にすぐ分る様な愚は冒さないし、彼女は行為に抵抗できない気質であり
まして他人には公言も相談も出来ない。

故に、彼女へ対する彼の行為は日増しに激化していった。

最初は青い二人へのからかい程度の感情だった。
彼女に手を出した振りをすれば『彼氏』が躍起になって止めに来る。
それが面白かったのだが、最近では大分様子が変わってきている。

345:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:04:56.61 UC55qLqU
きっかけは、図書室で独り泣いていた彼女の相談に乗った時からだ。
『彼氏』の態度が冷たい私の事が本当に好きなのか?
等の恋愛する女の子が抱える命題へ
おざなりに返事をしてやってから、ふと気付いた。

半端な年齢層の娘特有の発展途上で不安定な美貌。
そして伏し目がちで涙映えする綺麗な瞳。
この時から彼は彼女を自分の物にしたいと思った。

346:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:05:59.97 UC55qLqU
「俺が気付いてないとでも思ってんの?」
「・・・君、離して…誰かに見られたら…」
「ふーん。見せ付けてやろうよ」
「……んっ…嫌…」

あからさまに如何わしい会話が、放課後の図書室の前で聞こえて
自分に対する挑戦と受け取った彼がドアを開けようとしたら
切なく鍵が閉まっていた。

その日は図書室で『彼氏』が彼女に何をしたのかを考えながら
沸く嫉妬を胸に彼は図書室を後にした。

347:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:06:58.35 UC55qLqU
彼の性質は他人は元より家人にすら知られていない。
丁寧な口調で誰にも分け隔てなく接して言い争う事も殆どない。
人間関係で確執を持たない為、表向きの処世術。

本来の彼は、もっと自己実現に貪欲である。
思った物は必ず手に入れてきた。
天才と呼ばれ、学業と部活動で好成績を収めている由縁でもある。

それは恋愛においても変わらない。例えそれが他人の物であっても

348:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:18:40.11 UC55qLqU
放課後、閉館時間直前。図書室は人気が無く、女生徒が独りしかいない。
委員会活動で遅くなった彼女である。
彼女は学校帰りに図書室へ寄ってから帰っている。

元々放課後は人入りが少ない図書室にて
カウンターの図書委員と殆ど二人きりの気まずい雰囲気な訳だけれど
意中の『彼氏』が委員の時もあるので
彼女は少女らしい期待を胸に本を読借りしに来る事を恒例としていた。

349:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:19:01.20 UC55qLqU
ただ彼女には二つの悩みがある。
一つは、付き合っている『彼氏』が最近焦るように彼女へ関係を求めてくる。
もう一つが、とある先輩の意図の読めない接触
よく考えれば、彼女に手を出す間男へ彼氏が牽制していると解りそうな構図を
鈍い彼女は全く理解していなかった。

それが、彼を増長させて『彼氏』を焦燥させている理由なのだが

対策として彼女は、『彼氏』には自粛する様に言い聞かせて
先輩とは遭わない様に心掛けていた。

といっても、今日も図書室に独りで居るという無防備さを彼女は露呈している。
図書当番は別の人間だと調べは付けたから安心して本を選んでいた。

350:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:19:32.16 UC55qLqU
「やぁ。・・・さん」
ここに居る筈の無い人間の声、身体をビクっと怯ませて彼女は恐る恐る振り返る。
人懐こい笑顔で微笑む先輩。
「オバケでも見た様な顔して。…最近、全然逢えなかったよね」

後ろ手で図書室の鍵を掛け、部屋の灯りを消した。
既に校内巡回への対策は完了である。
それから彼はゆっくり彼女の元へ近づいていった。

室内は静寂に包まれ、互いの呼吸と外の雨音しか聞こえない。

「先輩…どうしてここに居るんですか…?」
「当番を代わってもらったのさ。だから今日は邪魔が入らないよ」

351:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:20:08.36 UC55qLqU
以前『彼氏』から先輩には独りで近づかないで、ときつく言われていた彼女。
咄嗟にカウンターの電話を使おうとした彼女は腕を掴まれ、そのまま抱すくめられた。
光源はカーテンの隙間から差し入るのみ。激しく揉み合う二人

「離して下さい!先輩、私は・・・君が好きなんです!」
そうでも言えば男が止めてくれるとでも思っているのか
彼は彼女の認識がまだ幼いと知り、それもまた愉しめると思った。

『彼氏』へ対する嫉妬が行為の起爆剤となる。
「うん知ってるよ。でもそれは今関係ないから」
「人を呼びますよ!?」
「呼んでみれば?でも誰かに見られて困るのは俺よりも、君だよ」

352:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:21:43.66 UC55qLqU
事が露見すれば、双方ともに社会的な咎めを受けて今後の生活に支障をきたすだろう。
彼自身は口八丁で誤魔化す自信がある。
先立つ学校生活の人間的評価も抜かりは無い。

学園内一角の自分と目立たぬ女生徒
果して大人達はどちらの言い分を信じるだろうか

何より、彼女が恐れているのはこの一件が『彼氏』に知られる事

悲鳴を上げる口を口で遮った筈が、唇を噛まれて彼は刮目する。
すっかり気分を害した彼は彼女の横面を張った。
「痛いじゃないか」
小気味の良い音の一拍後、頬を抑えて呆然と先輩を見上げる彼女。

353:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:22:05.96 UC55qLqU
抵抗が弱まったので、体重の軽い彼女をテーブルの上に放り投げた。
彼は彼女の胴に跨り、セーラーからリボンを抜き去り両手首を縛った。

顔を背けた首筋に顔を埋め、舌先でぬるりと感触を堪能してそのまま耳たぶを噛んだ。
「や、やめて下さい」
どうも反応がつまらない。
もっと抵抗したり泣き喚いたりする君の色々な面が観たいのに
僕を差し置いて『彼氏』が独占する事は許せない

ぐいと顎を掴んでこちらを向かせた。彼女の怯えた目が瞬く。
「可哀想に、痣にならなきゃいいけど」
赤くなった頬を撫でて、相も変わらぬ人の良い顔で語りかけた。

「君が悪いんだよ。折角優しくしてあげようとしたのに」
「悪いのは…私なの?…何で…んっ」
思うように唇を塞いだ。
逃げる舌を追っている間に制服のボタンを外して
下着をずらすと小ぶりな乳房が揺れる。
先端を抓り上げたら彼女は苦痛に顔を歪めた。

354:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:22:31.45 UC55qLqU
彼女の両手首を掴んで上体を引き上げる。学ランのチャックを下ろした。
「彼にいつもやってあげてるように頼むよ。次噛んだらグーでいくからね」
自分のものを口腔奥まで捻じ込み、彼女の頭を押さえつけて揺さぶる。
律儀に筋を沿って舐めてくるが、思った通り慣れていない。

小さな口で根元まで咥える小動物のような彼女を見下ろした。
「『彼氏』はこんな事、君にさせなかったみたいだね」

温い粘膜から自身を抜き去って、今度は指をその口に突っ込んだ。
えずく彼女に構わず、スカートの中の下着をずらし、唾液に塗れた指で下腹を愛でる。
舌で上、指で下の先端を弄ばれて彼女も耐えきれず

「嫌!…嫌。先輩。私、は・・・君が…!」
防衛本能というべき生理的な官能と
彼の類い稀なる粘着質な床の才能によって彼女は達した。

355:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:22:59.34 UC55qLqU
「嫌だって言っておきながらこれとはね。『彼氏』じゃなくても良いんだ?」
荒い呼吸に合わせて上下する薄い胸板。か細い肢体は力無く投げだされている。
望まぬ性感であってもこの艶姿。
彼女の体液に塗れたその指を、その口に再度突っ込む。

オマエの味だ

等という陳腐な台詞は、流石の彼も云う趣味は無い。

自分ではない者にここまで慣らされていたと直感した。
壊してやりたい

「悪い子だ。君は淫乱だね」
耳元で囁かれた彼の言葉で彼女の決定的な何かが切れた。

356:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:31:09.21 Sa+0JzGJ
支援

357:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:31:56.99 UC55qLqU
薄闇の中、テーブルへ滴る鮮血。瞳の縁に溜まった涙
この前の一件では『彼氏』は彼女に最後まで手を付けていなかった証明

結局、彼は果てる事なく萎えた。
その間。期待通りに泣きも抵抗もしないで、彼女はずっと天井を見ていたから

彼を視界に入れずに

彼がベルトを絞め直した後も、テーブルの上で半裸のまま放心状態の彼女。
仕方が無いので、甲斐甲斐しく彼が身支度を整えてやり
事件発覚覚悟で彼女を自宅まで送り届けた。

帰り際でも、彼女はずっと無表情で一言も喋らなかった。

358:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:32:12.97 UC55qLqU
その後。事件は表沙汰になる事無く
彼女は一ヶ月程、学校を休んだ。

やがて復学した彼女は内向的な性格に拍車が掛かり
女子生徒以外と交際しなくなっていた。

どうやら、『彼氏』とは一ヶ月の間に別れていた様である。


359:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:32:37.21 UC55qLqU
それから春がまたやってきた。

卒業式終了後
帰路へ付いた彼女を待ち構えていたのは先輩だった。

恐怖が彼女の心を縛り、彼女は震えながらも彼の方を見た。

「久しぶり。・・・ちゃん」
あの時と同じ、人懐こい微笑み

彼女は一歩も動けなかった。

あの時の行為について先輩は丁寧に謝辞を述べた。
そして最後に、彼女へ囁く

「だけどこれで、君は僕の事を忘れられない」

それを聞いた瞬間、彼女は声を殺してその場で泣き崩れた。
傍から見たら、意中の卒業生に振られた後輩の姿に映るだろう。

360:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:33:11.28 UC55qLqU
彼女の泣き顔を、彼は皮肉気に見下ろした。

自分でも酷い事をしていると思う。
でも、心を閉ざした君があの時を忘れられない限り
僕が君にとって最初で最後の男だ。

例え彼女が自分をどんなに嫌っていても
略奪と束縛と独占。彼は満足を得た。

361:名無しさん@ピンキー
11/04/23 07:34:31.46 UC55qLqU
御静聴ありがとうございました。無駄に長いです、反省します
強姦ですが愛はありますので・・・ご容赦下さい

362:名無しさん@ピンキー
11/04/23 11:12:32.39 5s57yVOv
どこに愛があるんだよ

363:名無しさん@ピンキー
11/04/23 14:25:28.90 Sa+0JzGJ
独占愛ってやつか

364:名無しさん@ピンキー
11/04/23 14:29:31.20 TuOuCNpg
ヤンデレ?

365:名無しさん@ピンキー
11/04/23 14:29:35.83 DBFMKWPQ
微妙なところだけど、あるんじゃないかな・・?
だいぶ歪みまくってるだけで。

366:名無しさん@ピンキー
11/04/23 14:30:41.92 TuOuCNpg
ageてすまない

367:名無しさん@ピンキー
11/04/23 15:29:03.02 StIHZqyO
>>361
GJ
恐ろしく歪んでるけど愛はあるなあw
その後も犯されてたりすると良い

368:名無しさん@ピンキー
11/04/23 17:49:19.53 ng8K+4O0
>>361
投下乙
好きで…でも手に入らない(手に入れる気はない?)から
一生忘れられない男になろうとする歪み過ぎている愛が素晴らしいなw

しかし彼氏は嫉妬してたぐらいなんで主人公と別れても諦めてなさそうだ

369:名無しさん@ピンキー
11/04/23 19:03:49.28 75khrvfB
独占欲>>肉欲くらいな感じに見えた
理不尽と聞いて生々しいの想像してたが、男的には筋通ってるな
そして全体的に静かな雰囲気が醸し出されているのが新鮮だった

てか男は下手したら一生、この女の年頃がストライクゾーンなのではw

370:名無しさん@ピンキー
11/04/24 06:28:32.50 XumzzzUk
皆様のご意見を今後の参考に致します。。
予想以上に好意的なご意見を頂けて多謝御礼申し上げます。
今後もヤンデレやラブコメに精進致して参ります。

>>356
支援とご感想有難うございました。

371:名無しさん@ピンキー
11/04/24 21:14:45.76 //AkIg36
グッジョブ!あんた鬼畜野郎だなw

372:名無しさん@ピンキー
11/04/25 05:41:05.32 nrMYN6r7
寒いマンセーきめえわ

373:名無しさん@ピンキー
11/04/25 07:26:49.84 CSqQxFdz
オレもそう思う

374:名無しさん@ピンキー
11/04/25 12:45:30.59 GSzX+PuY
>防衛本能というべき生理的な官能と
>彼の類い稀なる粘着質な床の才能によって彼女は達した。

アホクサ
50年ぐらい前のポルノ本でももう少しエロいぞ

375:名無しさん@ピンキー
11/04/25 16:31:50.77 PjpdweVi
ここはプロ作家様を待つスレじゃねーんだよw
仮に所々拙い部分があるとしても、好みのシチュを妄想して書いてくれりゃ十分なんだよ

>.361 GJ

376:名無しさん@ピンキー
11/04/25 16:40:58.89 PE9ykqU+
だってエロく書けねぇんだからしょーがねーだろw
じゃあお前さんが書いてみろよ

377:名無しさん@ピンキー
11/04/25 17:52:54.73 dfRLnZrz
スルースキル試験実施中

378:名無しさん@ピンキー
11/04/25 19:06:48.73 yMpf94v+
この板にはエロなしスレというものがあってだな…
あとそれ以上エロく書けないのなら、投げスレとか殴り書きスレというものもある
語りたいなら裏話スレもあるしガチ評価が欲しいなら山田スレもある


てか、この板は使い勝手の良いスレが至れり尽くせり存在してるのに
どうしてそれに気付かない書き手が増え続けるの…
この板のそういう輩を無差別のべつまくなしに案内しまくってやりたい程だ
殴り書きとか気楽でいいぞ~。レス無いけどw

379:名無しさん@ピンキー
11/04/25 20:40:36.83 CSqQxFdz
どうでもいいですよ♪

380:名無しさん@ピンキー
11/04/25 21:01:38.63 CUFEfUlt
とりあえずみんないちをよんでみるといい……よ!

381:名無しさん@ピンキー
11/04/25 23:21:09.18 KE/ZibB5
気に入らない、読む気なくした場合は全力でスルーすればいいんじゃね?
最低1レス乙なりGJなりが入ったら雑談ネタに切り替えていいと思う。
感想がつかない場合は、一日たってから切り替え。
…とすると、住み分けができていいかと。万人に受ける作品なんてないし。
とはいえ、任意規定にしかしようがないから否定的な意見に過剰反応するのもどうかと思うが。

382:名無しさん@ピンキー
11/04/25 23:26:07.15 CUFEfUlt
マジレスしようと思ったがめんどくさいのでもう一度言うが
>>1に既に書いてあるだろ

383:名無しさん@ピンキー
11/04/25 23:56:04.42 5l4PUaZc
とりあえず二次元にしか興味ないヒキニートに地味~な幼なじみが振り向いて欲しくて
髪巻いたり雑誌で見た流行ファッションで慣れないメイクをして会いに行ったら
ギャルきめえビッチとかねーよ扱いされて堪らなくなって
せっかくのお洒落や化粧もぐしゃぐしゃにしながらどうして分かってくれないのと無理やり…
っていう妄想をした

384:名無しさん@ピンキー
11/04/26 00:08:58.37 zPGSgIs9
御免なさい、381さん。そして批判的な意見を下さった皆様。冷静になれました

便所の落書きというか、酒呑みながらこういうエロくないエロ文を書く事が
が私のストレス解消法なんです。ええ年齢こいて文章で飯食える訳じゃないしね。

普段は笑>エロがモットーのエロくないエロ文書いてる者ですから
鼻ほじりながら何年も前にネタした文章について、エロくねえwとダメだしされたので
着眼点とツッこむ場所が違うだろwと大爆笑しつつうっかりレスしてしまいました。

でも正直、本当に皆様の文章も読んでみたいんですよ。
このスレはどエスには面白いので、どんどん活性化してほしいのです。
使い勝手の良いスレを知らん訳ではないですが、高尚な裏話なんてあんま考えてないのでw

申し訳ありませんでした。皆様の鋭意製作を楽しみにしておりますよ!


385:名無しさん@ピンキー
11/04/26 01:24:21.35 fYZXrUeD
うわあ…

386:名無しさん@ピンキー
11/04/26 01:29:22.51 QhZBtDmB
>>383
はやく文章にする作業に戻るんだ

387:名無しさん@ピンキー
11/04/26 03:16:37.54 dePQfisb
棲み分けできてない事を自覚できない時点で終了


しかし背伸びしたもどきとはいえ、ギャル系に逆レイプというのは
見た目的にあんまおいしくないなぁ。どんな感じか説明きぼん

388:名無しさん@ピンキー
11/04/26 08:56:33.42 yMltBvSb
>>384
みっともない

389:名無しさん@ピンキー
11/04/26 09:00:09.45 yMltBvSb
>>387
女の子が根っからの真面目っ子で
ギャル言葉や振る舞いがぜんぜん板についてなくて
とんちんかんな台詞いいながら必死で…というのは萌えかも

でもギャル系に詳しくないんで自分では書けないや

390:名無しさん@ピンキー
11/04/26 11:24:49.85 Q1bUjO/8
>>384
さすが厨スレ

391:名無しさん@ピンキー
11/04/26 13:01:23.13 2llWtvQI
>>384
すごい口惜しそうw

392:名無しさん@ピンキー
11/04/26 15:35:51.28 4rwdgYaQ
久々に香ばしいのが湧いたなw

393:名無しさん@ピンキー
11/04/26 16:15:24.56 BE+IMPAL
おや?いつもみたいに職人さんになんてこと言うんだ!って
マジギレする奴は現れないのかな?w

394:名無しさん@ピンキー
11/04/26 16:29:16.34 fYZXrUeD
フォローのしようがないだろ…

395:名無しさん@ピンキー
11/04/26 17:12:23.39 KpRT4UtW
>>387
ギャルって書いたけどage嬢みたいな髪盛りまくりの睫毛ばっさーとかじゃなくて
勉強して気合いを入れた格好+念入りにメイクをしたら普段の地味さから結構化けたんだけど
それを男に媚びてるとかスイーツ(笑)みたいに馬鹿にされて…って感じで妄想した
女の子は運動より勉強ができる真面目っ子で世話焼き、男はアニメとエロゲ好きのヒキヲタなイメージ

でも自分で書いといて何で女の子がこんなんを好きなのか分からんくなってきたw

396:名無しさん@ピンキー
11/04/26 23:35:35.25 oIrkVcA4
どうでもいいけど過去ログの「最後の初恋」良いな
萌えた

397:名無しさん@ピンキー
11/04/27 01:09:13.64 WYzbNn6Y
GJと乙の数見ればおよそどれだけの評価かわかっていいね。
長編完結させても「乙含めて」4つしかレス貰えずすぐに次の投下にかき消される作品と
投下後数日過ぎても惜しみないGJを送られる作品とじゃあ、内容のレベルも全然違う。当たり前だけどさ。

398:名無しさん@ピンキー
11/04/27 01:25:58.33 pD7fXnJr
>>383
個人的にはすげー読んでみたい設定。
逆レイプするんだけど経験ないからなかなか上手くいかなかったり…するのかな?

399:名無しさん@ピンキー
11/04/27 01:41:21.57 4CGCCAkC
おまえらが騒ぎ立ててGJするSSはことごとく俺のつぼをはずしてるからあまりあてにならない
好みの問題だろ

400:名無しさん@ピンキー
11/04/27 04:09:02.67 6btupxPB
ビッチ系とかギャル系は上手く嵌まると犯したくなる可愛い女の子になるな

401:名無しさん@ピンキー
11/04/27 11:54:57.12 L/n/JcX3
ビッチ系、ギャル系は確実にツンデレになる。そして俺得。
逆レイプも素晴らしいが

嫉妬したり振り向いて欲しくて処女の癖に男の前でビッチ系気取ってたら
男に急に逆上されてベッドに放り出されて、
え?え?嘘っ!?え?、ってあわあわして
可哀想な感じになって怖くて泣き出しちゃうとか最高だと思う。


402:名無しさん@ピンキー
11/04/27 18:59:59.55 bcq6f/hG
白々しい

403:名無しさん@ピンキー
11/04/27 19:37:22.95 S5Gl6hvm
ビッチ系は経験豊富なのよ!と誤魔化して誘惑したら
他の男とやってるんだからいいだろ!とか嫉妬して
ぷっつんきた男が場所も考えず強引に押し倒し
女の子は初めてがこんな場所で乱暴されるなんて
好きでも「嫌!」って拒んで無理やりとかお約束だが好きだw
っていうか初めてだと思わずにいたら初めてで男大喜びとか好きだw
(その前に色々とすれ違いがあるのが前提で)

>>395
そこはアレだ幼馴染でいっつも本当に困ったときには
自分を助けてくれる男の子(普段はツンツン)だったりしたらいいよ!

404:名無しさん@ピンキー
11/04/28 01:21:11.83 b1xr6qH0
ヤフチャのアダルト部屋で・・・
ryokoryoko_aroma1←家庭ではレスの欲求不満の悲しいアラフォーばばあ!
“癒しのアロマ部屋”で夜な夜な、たるんだ身体を披露してます
旦那とは、レスで浮気相手を探して今夜も公開頑張ってます!
住んでる地区は、千葉でも東京寄りなんで関東の皆さん!
溜まってる方は、是非1発抜いて貰いましょう。誰でもさせてくれるよ
昔でいう。。。 させ子です! あははは~!!!
バスケットやってる高校生の息子と中2の娘にバレたら大変だな!!!
公然わいせつ罪で訴えてやるかな! あははは~!

405:名無しさん@ピンキー
11/04/28 21:58:50.23 a7JK90fm
ヘタレ童貞でブチキレてビッチっぽい美少女を犯すのですね

406:名無しさん@ピンキー
11/04/30 03:51:39.48 O/lftgx6
長年一緒に居た幼馴染とか家族的な存在の男に犯され
身も心もずたずたにされる女の子が自分的につぼ

407:名無しさん@ピンキー
11/05/03 00:22:15.48 TufEdpmV
視線の続きを投下する

408:名無しさん@ピンキー
11/05/03 00:23:04.30 TufEdpmV

長い、長い週末が終わってリインは日常にもどった。
ようやく解放された時、軍を辞めると口走ったリインをレナードは一笑に付した。
「君は士官学校の特待生だろう? 任官義務年限があるはずだ。正当な理由なき任官拒否の罰則も知っているな?」
金銭的な免除のかわりに一定期間の軍への従事が義務とされている。途中でやめれば費用の一括返還請求がなされる。
リインの保証人は父親だ。迷惑をかけるわけにもいかないし、一括で返すには苦しい金額だ。
「当分君は軍と、私とは縁が切れない。私から切るつもりもない」
そんなリインを優しく見ながらレナードは、素晴らしい週末だった、また連絡すると言い置いて去っていった。
屈辱的な思いで病院へと行った後官舎へと戻り誰にも見られずに部屋に入ると、ベッドにもぐりこんで疲労した心身を癒すかのように
ただひたすら眠った。
週明けからリインは噂が広まったのを知った。友人や上官以外にも目撃されたのだろう。
好奇心でいっぱいなくせに、誰も正面きっては聞いてこない。友人達はうらやましいだのお似合いだの、リインにとっては
見当違いの祝福をしてくれた。二人でいた事実は事実なので否定もできない。
ただ親友のアネットだけは、塞ぎがちなリインの様子に何か感じ取っているようではあった。

リインは徹底的に一人になるのを避けた。常に誰かと、同性の人間とだが行動し休憩場所へも足を向けず業務が終われば早々に
官舎に引き上げた。女性用の官舎にこもり休日も出歩くことを極端に減らした。
視線はそれでもよこされることはあった。絡みつくようなそれをリインは無視した。
レナードもそれ以上のことはせず、元々少将と新米の少尉だ。
顔を合わせる機会もほとんどなく緊張をはらみながらも平穏に日々は過ぎた。
リインはプライベートでもレナードを無視した。交換した連絡先は変更してもすぐに突き止められる。着信や受信拒否は
万が一の業務の連絡だった場合には許される行為ではない。―ただ無視することにした。
何度か留守電に店の名と日時の連絡が入っていたが応じる気は全くなかった。

なかったことにしてしまいたかった。



409:名無しさん@ピンキー
11/05/03 00:23:56.90 TufEdpmV

自室にいたリインの携帯が鳴る。表示された番号は嫌でも覚えてしまったものだ。いつものように無視を決め込み留守番電話に
切り替わった。そこに落ち着いた声で伝言が入る。
「一時間待つ。君が来ないなら君の友人に代行してもらう。ただしその後の保証はできない」
店の名前が告げられて電話が切られた。
リインは少しの間意味が分からずに呆然とする。友人に代行? その後の保証? 今までの誘いにはなかった言葉に嫌な予感を
覚えつつも、どうやら無視すれば友人を巻き込むつもりらしいレナードに真意をただすべく急いで支度をして自室を出た。
店に到着すると申し付けられていたのだろう従業員に案内されて奥まった個室へ入る。
二度とかかわり合いになりたくなかったレナードが、酒のグラスを手に座っていた。
「やあ、来たな」
案内をした従業員に始めてくれ、と合図をするレナードに詰め寄る。
「あの内容はどういうことですか。私の友人とは……」
「話は後だ。まずは乾杯しよう」
レナードは新たなグラスに酒を注ぎリインに手渡す。座るように促されしぶしぶ向かいの席につく。
不本意ながらもレナードのペースに乗せられる。かなり強い酒を食前に飲まざるを得なくなったリインは苦い顔になる。
次々に運ばれる料理を砂を噛むような思いで食した。レナードから振られる話題に必要最小限に応えてリインは食事を終えた。
前はとても楽しかったレナードとの食事は、今は憂鬱な時間と化した。
味もいいのに食べた気がしなくて勿体ないと感じる。
どうにかコーヒーまでたどりついた時にレナードがおもむろに口を開く。
「先程の質問だが」
リインが答えを欲した質問。それまで努めてレナードを見ないようにしていたリインがはじかれたように顔を上げる。
途端レナードとまともに視線が合う。レナードは満足そうだった。
「やっと私を見たな。ああ何の話だったか。君の友人達と知り合いになってから色々と相談に乗ってもらっていたんだ。
何しろ年は離れているし、何故か君には避けられているし、若い女性の好みや心理など見当もつかないからな」
ぬけぬけと言うレナードにリインは怒りを覚える。
ストーカーまがいの行為の挙句さんざんに体を弄んだレナードに良い感情などかけらも持てるはずもない。
顔も見たくないのが当然だろう。切実に関係をなかったことにしたいと思っている、それなのに友人を巻き込むとは。
「友人に、何を。彼女達は関係ないでしょう」
「そうだ、私と君には『関係』があるがな」
すうっと場の空気が冷える。レナードの目が笑っていない。


410:名無しさん@ピンキー
11/05/03 00:25:25.97 TufEdpmV

「君の友人、アネットといったか。彼女は私に好意的なようだ。君の代わりをやってもらえたら私も楽しいかもしれない。
だが私は知っての通りのひどい男だから、彼女を壊してしまうかもしれない。
君にはストーカーへの耐性があったが、彼女はどうかな? どれくらい私の視線に耐えられるだろうか」
足を組んで、両手の指先同士をあわせてレナードは笑う。
「あなたは、どこまで……」
それ以上続けられないリインに、心外だという表情を見せる。
「ん? 私は年若い恋人に冷たくされて傷心の惨めな男だ。慰めてくれそうな優しい相手がいれば、それにすがりたくなるのが
人情というものではないか?」
リインが席を立てばレナードは迷わず友人、アネットを呼び出すだろう。そして優しい彼女ならそれに応じるはず。
「……彼女をどうするおつもりですか」
「君次第だろう。君が私の恋人だと私を安心させてくれれば、友人とやらの入る余地はない、何でもない話だ」
レナードは席を立ちリインの前にくる。座ったままリインはレナードを見上げる。
テーブルの上の両手をすくうように持ち上げ握られる。
「ああ、それから誰だったか、君を襲おうとした輩。先日移動になった先で負傷したそうだ」
地名を聞かされめまいを覚える、それは激しい局地的な戦闘になった地域で間違っても新米軍人が出張る場ではない。
レナードの意向で同僚が配置転換になったのだ、そしてリインの友人達にも同様のことが起こりうると言外に告げている。
―いや、脅している。
レナードは笑いながらアネットを、友人達を壊すだろう。それは確信に近かった。
リインはそんな未来は見たくなかった。傷つくと分かっていながらみすみすレナードの供物にはできない。
「リイン」
耳元で名を呼ばれぞくりとする。低く熱をおびた囁き。
「君は……私の恋人か?」
かがみこむレナードと一瞬視線を交錯させて、リインは目を閉じた。睫毛だけが震えてリインの心情を伝える。
唇がリインのそれに柔らかく触れて離れる。もう一度触れ、今度はだんだんと深くなる。
レナードとの口付けはリインが噛み付いた時以来だ。しかし二度と噛み付けない、抵抗できない。
リインはレナードの脅しに屈した。
無言の契約の証のように、レナードはリインの後頭部に手をやりひきつけて唇を貪る。やわらかく唇を食んで歯列にそって舌を動かし
上顎へと舌先をすべらせる。そしてリインの舌をすくうように絡めた。
「う、ん……」
思わず漏らした声にレナードの手が耳をさすって頬をなでる。その間にもリインの口中はレナードに支配されている。
縮こまるリインの舌を強引に絡めてしごく。口の中を犯される生々しい感覚にリインは震えた。
ようやくレナードが離れたときにはリインの息は上がり、瞳は息苦しさのせいか濃厚な口付けのせいか少し潤んでいた。
それでも一目でレナードを虜にしたその瞳でにらみつける。
「恋人でも、愛人でも、好きに呼べばいいでしょう」
そしてリインはレナードの腕の中に囚われた。

411:名無しさん@ピンキー
11/05/03 00:26:05.99 TufEdpmV

引きずられるように連れ込まれたホテルで壁に押し付けられて、リインは唇から耳へと移ったレナードの愛撫を受けていた。
逃げられないように抱きすくめられ耳に濡れた感触を受けて響く淫らな音に目をかたく閉じる。
耳朶を噛まれもう片方の耳もすり、と指でこすりあわされる。刺激は耳だけなのに体が熱くなってくる。
「私を焦らして楽しかったか?」
「そんな……」
耳元に落とされる声にぞくぞくしながらリインは否定する。焦らすどことか無関係になりたかったのが本音だ。
レナードの大きな手が脇腹から腰を撫でている。そこからレナードの欲望が熱が伝わる。
その熱に飲まれそうになり、リインはレナードの肩を押す。
「シャワー、を」
レナードが指先を握る。浴室のドアを開けリインに微笑む。
「一緒に浴びよう」
一人で、と言うリインを無視して強引に一緒に浴室に入ったレナードは、ネクタイを緩める。
「私が脱がせるか、自分で脱ぐか」
どちらもごめんだ、と言いたげに自分をにらむリインが可愛らしい。だがあまり余裕もないのも確かだった。
囲い込んでゆっくりと服を脱がしていく。スカートではないのは警戒の証だろう。ふるり、とこぼれ出た胸に口付けるとリインが
身じろぐ。乳首を口に含んで吸うと鋭く息をのむ音が聞こえた。
業務上での接触は皆無と言ってよいほどになく、リインに避けられていた期間はかなり長い。
時折見かけた姿はいつも誰かと一緒だった。視線に気付いているだろうにあの年にしては見事にそれを黙殺した。
その豪胆さ、手を出す隙を見せない冷静さをレナードは好ましく思った。
そうでなければ追い甲斐がない。
だから搦め手を使った。とりあえずは人のものに勝手に手出しをした若造を激戦地に追いやり、リインの友人達が食事の礼を言って
きたのを機に知己を得てゆっくりと外堀を埋めていった。
仕上げはリインの親友のアネット。あれはいい手駒になる。
リインを揺さぶるのにもってこいの存在だった。
枷はまだ他にもあるがこの二つでリインは自分を受け入れた。




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