11/10/22 14:56:29.05 IVMXhQou
夕食後、ミーティングを終えたスタッフが明日の早朝からの中継に備え
早々に眠りに着いた頃、アシスタントディレクターの新庄彩香は
香田の部屋にいた。
入社二年目、スタッフの中で一番の下っ端である彩香が
番組の最高権力者である香田の顔を怒りを含んだ目で睨みつけている。
「話は大体わかった…で、どうしろと?」
自分から見れば乳臭い小娘でしかない若い女性スタッフを薄笑いを浮かべ
見つめる香田。
「で、ですから遥ちゃんに対するセクハラをやめて下さいと言ってるんです……
他の女性スタッフに対しても…」
木で鼻をくくったような香田の態度に綾香の表情がますます険しくなる。
彩香は半年前にこの番組のスタッフになって以来、このプロデューサーの
女性スタッフに対する数々のセクシャルハラスメントを見聞きしてきた。
女性も増えてきたとはいえ、番組制作の現場はまだまだ男社会である。
多少なりともセクハラめいた事がある事は彩香も覚悟していた―が、
この有名情報番組の最高責任者の行為は目を背けたくなるものばかりだった。
ヘアメイクやタイムキーパーなどの女性スタッフのバストやヒップを触るのは
日常茶飯事、飲み会で両脇に侍らせた女性スタッフのスカートの中に手を入れて
左右同時に弄るといった常軌を逸しているとしか思えない行為まで目撃していた。
彩香と同時にこの番組に配属になった同期のAD園田美歩は配属直後に行われた
地方ロケに参加した直後に急に退職して田舎に帰ってしまった。
美歩が地方ロケの間、毎夜香田の部屋に呼び出されていたと
あるスタッフから彩香が聞いたのは彼女が田舎に帰った後だった。
その部屋で何が起こったのか―彩香の脳裏におぞましい想像が浮かんだ―