【獣人】亜人の少年少女の絡み9【獣化】at EROPARO
【獣人】亜人の少年少女の絡み9【獣化】 - 暇つぶし2ch500:名無しさん@ピンキー
12/03/21 21:18:03.58 rOLvex6Q
ブラックジャックの人間鳥萌えた

501:名無しさん@ピンキー
12/03/23 18:35:20.15 iL3Jd26M
>>500
あれは当時はエロい意味でビビったな

502:名無しさん@ピンキー
12/03/24 03:25:16.75 H8QjZ/TN
手塚治虫の獣人萌えは格が違う

503:名無しさん@ピンキー
12/03/24 05:16:38.06 W4mazXUY
大抵の二次元における変態性癖は漫画の神が通過した後だからな

504:名無しさん@ピンキー
12/03/25 18:44:47.55 DjED9RSp
太陽の下に新しきことなしとは古人の道破した言葉である。

505:名無しさん@ピンキー
12/03/29 02:14:29.32 rIccP5Dk
バギのリメイクアニメ化を心待ちにしている者が通りますよ

506:名無しさん@ピンキー
12/03/31 12:40:38.35 Nk+lhRvH
アニメといえば新しくしろくまカフェというのが放送するな
後あらしのよるの新しいのとか
おおかみがすげぇ違和感

507:名無しさん@ピンキー
12/04/01 00:50:08.89 teL8MGnT
新あらよるはガブもそうだがメイのコレジャナイ臭が……あれミイだろ……
声もくぎゅって無駄に豪華だけどそれもなんか違うような
ケモショタあんまり好きじゃないけど、ことメイに限っては
成宮のハスキーボイスがよくはまってたと思うんだよね個人的に

まあ実際見るまではわからんけどもな
映画とは別方向の良作に化けてる可能性も十分にある

508:名無しさん@ピンキー
12/04/01 01:17:04.53 tss63I8r
今度のTV版は絵本の絵とビジュアルが違いすぎてなぁ…
いかにも中韓制作って感じのあの絵のテイストは好きになれそうもない


509:名無しさん@ピンキー
12/04/01 22:35:22.38 UC+7ZtP+
元はそれほどボリュームの無い話だけど、どれだけエピソードを水増しするのだろう

510:名無しさん@ピンキー
12/04/02 10:31:53.02 TjQG5S4S
オリキャラ登場とか

511:名無しさん@ピンキー
12/04/05 13:13:29.46 NsMBPmgy
あらしのよるの新しいのなんかアレだったな
つーかEDにガックリ

512:名無しさん@ピンキー
12/04/06 09:38:40.23 KnjH6RUi
『グスコーブドリの伝記』予告編見てきた!
これは期待を遥かに超える映像美だ……
『おおかみこども』ともども、今年の夏はケモノ日和だなぁ///

513:名無しさん@ピンキー
12/04/06 16:28:05.88 ZXtmaNqY
アタゴオルや宮沢賢治作品の漫画化とかで有名なますむらひろしの作品は内容や雰囲気が
独特で猫のキャラクターなどで結構はまったな

514:名無しさん@ピンキー
12/04/06 19:10:23.56 KnjH6RUi
ニュースで一瞬流れたブドリの妹の可愛さと言ったら……!
感動のあまり、涙出てくるかと思った。
何年前だったか、ますむらひろし作品にハマった頃は、
まさか『グスコーブドリの伝記』までアニメ化なんて到底予想していなかった。こんな嬉しいことはない!

515:名無しさん@ピンキー
12/04/07 21:13:32.93 gOJsEFrc
獣人と、人間を擬獣化して描画するのはなんか違う気がする。
前者は、獣人の身体的特徴を行動に反映する場合が多いけど
後者の場合、人間的行動以外の事は絶対しないからな。ケモ耳娘と一緒だよ。

516:名無しさん@ピンキー
12/04/08 02:20:50.13 kb9TMdif
>>515
絶対しないということはないと思うが……。

逆にケモ耳娘でも獣ぽい行動する場合あると思うし
(それじゃ萌えない人もいるかもしれんが)

517:名無しさん@ピンキー
12/04/08 10:01:08.42 NqZO3ak4
ケモノの擬人化でケモノ特有の仕草をしなかったり、見た目がケモノの特徴を抑えてなかったりすると正直がっかりする
それってただケモ耳つけてるだけとか見た目がケモノなだけ
まあ後者は内容にもよるけど

518:名無しさん@ピンキー
12/04/08 10:16:47.48 NqZO3ak4
今更カンフーパンダを視聴してケモノの擬人化の一例だけど言葉をしゃべる以外に
実際の動物の鳴き声とか入れてよりモチーフの存在感が表のに出ていたな
何というかキャラクターデザインの空気化を避けてる感じがした

519: ◆q6hKEmO86U
12/04/12 06:34:17.23 vEiLWUY+
すみません、かなり間が開いてしまいました。
構成見直してほとんど書き直ししてます。
ペースゆっくりですがお付き合いください。

では、かわうそルルカ四回目、第三話を投下します。
注意事項等は、>>442の通り。

文章の整形方法を変えてます。読み難かったらごめんなさい

520:かわうそルルカ 3-1/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/12 06:35:30.08 vEiLWUY+
     【3】 -堕ちる獺-

 体を柱に固定していた鎖が解かれると、恐怖と苦痛で全身の力が抜けた牝獺たちは、その場にくず
おれた。焼き印の痕が引き攣れるように痛んだが、互いを庇おうと、三頭の獺は這うようにして身を
寄せ合った。
 クズリ族のジエルの巨体が近付くのを見て、彼女たちは先ほど身に染みて教え込まれた"牝獺の心得
"を思い出し、のろのろと体を起こそうとする。
 ジエルが、それを制した。
『しばらくそのままでいい。痛みが治まるまではな』
 ジエルは近くの男たちに公用語で「しばらく時間をくれ」と伝えた。このひとときの休息は儀式の
決まった段取りの一つらしかった。獺族に深い恨みを持つシエドラの異種族たちにも、慈悲はあるよ
うだ。痛みを堪えてうずくまって震える牝獺たちを前に、さて、とジエルは言った。
『これで、お前たちと言葉を交わすのも最後になる。
 いくつか質問に答えてやろう』
 ルルカたちは顔を見合わせる。これまでは何も教えてもらえなかったに等しい。聞きたいことはい
くらでもあった。でも、いざこうして質問を求められると、まずは何から聞けばいいのか─。
 ルルカの頭の中にも、いくつも言葉が浮かび上がってくる。この儀式の意味は何なのか。獺族の犯
した罪は、これだけの仕打ちを受けなければならないほどのものなのか。ジルフの宣告の中にあった
レドラの街とは何なのか。そして、これから自分たちはどうなるのか─。

『これは、どういう意味なの……?』
 獺の娘のうち一頭が、二重の円と放射状の線が組み合わされた図案の焼き印が押された下腹部の、
少し上あたりに手を当てて聞いた。彼女にとって、今、身を襲っている痛みから意識を逸らすことが
できないのだろう。それが最初に口を突いて出た疑問だった。
『それは、牝の性器を表しているんだ』
『性器……?』
『そのマークのすぐ下に、同じものが付いているだろう?』
『あ……』
 以前はおしっこをするだけの場所だと思っていた、その桃色の柔らかい露出した肉の狭間に穴が─、
今では指の数本くらいは挿し込めるほどになってしまった穴が開いていることがずっと不思議だった。
 これを、性器っていうんだ─?
 ルルカたちは股間を覗き込んで、改めて自分の体に付いているものを確かめた。獺狩りで捕えられ
る前はほとんど目立たなかったその部分は、赤く腫れ上がり、ぬるぬるした液体を滲ませている。
『何で体に穴が開いてるの?』
『それは、本来、子供が生まれてくるところなんだ』
(やっぱり、そうなんだ)
 ルルカは、そして、同じように無垢のまま育った牝獺たちは、自分の体についてようやく理解し始
めた。これは女性の体に必ず在るもので、自分の母親にも在るその場所から自分が生まれてきたのだ
と知った。
 しかし、牢獄の生活を続けるうちに、どうしてそこからとろっとした液体が滲みだしてくるように
なったのか。自分の体はどうして今、恥ずかしいくらいにその液体を溢れさせてしまっているのか。
この液体はいったい、何なのか。どうして、そこを異物で擦り上げる行為に、快感が伴うのか。まだ
分からないことばかりだった。
『やれやれ、何で俺がお前たちの性教育をしなけりゃならないんだ』
 ため息をつくジエルも、貞操観念の強い獺族が性について知るのはずっと成長してからのことだと
分かっている。これは過去に何度も繰り返してきた問答だ。
『どうやってこの穴から子供が生まれるの?』
 自分たちの状況も忘れて、三頭の牝獺は好奇心を小さな円い瞳の奥に覗かせる。
 ジエルは答えるのに少し躊躇うような素振りを見せた。後から思えば、それを知ることでルルカた
ちの苦しみが大きくなる、と彼は考えていたのだろう。
『お前たちがいつも道具を出し入れしていたところ、あれを膣って言うんだ』
『膣?』
『子供が生まれるときの通り道さ。その更に奥にあるのが子宮、
 子供が外の世界で生きられるほど大きくなるまで、母親が自分の体の中で育てる場所だ。
 そうだな、ちょうどその焼き印のあたりから上に向かって縦長の肉の袋があるのさ』
『女の子の大事なところ……』
『そうか……。そんな風に教わっているのか』
 異口同音に呟いた牝獺たちを、ジエルは憐れみを込めた目で見た。



521:かわうそルルカ 3-2/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/12 06:36:37.36 vEiLWUY+
『私たちの体……どうなってるの?』
 一頭の牝獺が、呟くように聞いた。
『発情してんだよ、お前たちは』
 ジエルはやり切れない様子で、いつもの乱暴な口調に戻って答える。
『発情……?』
『そんな風に一年中、汁を垂れ流す牝は、お前たち獺族だけだ。
 それはいつでも使えますよと言ってるようなものだ』
『使う?』
『そう、そこを使ってお前たちは街の男に奉仕するんだ』
『どんな風に……』
 奉仕、というジエルの言葉に一気に不安の気持ちが膨らむ。
 これまで何を聞いてもまともに答えてくれなかったジエルが、どうして今になって色々教えてくれ
るのか。それは、ルルカたちにこれからの運命を悟らせるためなのだろう。そう分かっていても、
ルルカたちは聞くのを止められなかった。
『もういいだろう?
 この後、すぐ分かることなんだ』
 ジエルは、ルルカたちの問いを遮った。
『祖先が近いからと言っても、
 獺の言葉を使うのはすごく疲れるんだ』
 そう言って、喉を押さえる。
 知らなかった。
 ジエルの言うことが本当なら、彼はルルカたちの前で悪態をついたり、愚痴を吐いたりするときに
も無理をして獺語を使っていたことになる。どうして、わざわざ─。
(それは私たちが、寂しくないように……?)
 その想像が当たっているのか、ルルカには全く確証が持てない。これまでの彼の態度とあまりにも
格差があったからだ。しかし、今、彼が牝獺たちに向けているのは、肉親や仲間たち以外の者から初
めて受けた優しさである、とも思えるのだ。
 ルルカははっとしてジエルの顔を見上げた。お礼を言わなくては、と思った。
 しかし、言葉に出そうとしても、口がパクパクと動くだけで声にならない。彼の温情に応えようと
する気持ちより、自分に待ち受けているこれからの生活に対する不安の方が勝っていたのか、それと
も疑いを打ち消せなかったのか。
 ジエルはルルカの頭にそっと手を置いて、優しく撫でるような仕草をした。
『儀式が始まれば、もうお前たちとは会話ができなくなる。
 これが最後の言葉だ』
『え? 今、何て……?』
『儀式は、これからだ─と言ったんだ』
『!?』
『死ぬんじゃないぞ』
 ジエルはそう言い残して、ルルカの前から離れた。

 ルルカは殴られたようなショックを受ける。ジエルが言っていたように、この後すぐ、ルルカたち
はそれぞれ別の場所、街のどこかへ連れて行かれ、鎖で繋がれるのだと思っていた。恥ずかしい烙印
を押された丸裸の体、その浅ましい姿を街灯の明かりの下に晒されるのが、儀式の締めくくりだと思っ
ていた。
 ルルカたちには、さらなる恥辱と、本当の地獄が待っているのだ。拘束用の金属環、毒針、衆目監
視の中での排泄、焼き印─、それらはこれから行われることの準備でしかなかった。



522:かわうそルルカ 3-3/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/12 06:37:44.69 vEiLWUY+
『ジエルは何て言ってたの?』
『まだ……、儀式はこれから……だって』
 ルルカの言葉を聞いて、他の二頭の牝獺も絶句する。
 三頭はいきなり頬を強く叩かれ、悲鳴を上げる。ジエルと入れ替わりに、豹頭の男たちが立ちはだ
かっており、牝獺たちが会話をしたことを咎めたのだ。
 ルルカが彼女たちと言葉を交わしたのは、これが最初で最後になった。牝獺たちは引き離され、鎖
を引かれてそれぞれ三本の柱の前に引き立てられた。

「仕上がりを確認してくれ」
 三人の男たちが、それぞれ牝獺の体の検分を始める。大きな鋭い爪の生えた手が、ルルカの乳房を
撫でた。男の手は充分に膨らんだ牝獺の乳房の重量感を楽しむように、持ち上げたり、軽く握り潰し
たりを繰り返す。ルルカの呼吸は次第に荒くなってくる。オトナになって膨らんだ乳房を初めて他人
に触られる感触に怯えるルルカの乳首は、ガチガチに硬くなっていた。
 指先が乳首に触れる。敏感になった部分を触られ、ルルカは自分のそこの様子がいつもと違うこと
に驚く。痛みとも快感ともつかない刺激が体を走り、身をビクッとさせた。男の手が刻まれたばかり
の下腹部の傷跡に触れる。チリチリとする痛みに、ルルカは歯を食いしばって耐えた。
 そして、無慈悲な指先が、ルルカの股間の柔らかい部分を捉える。触られたことで改めてそこが信
じられない状態になっていることを気付かされる。体の奥から溢れてくるあの液体が、これまで経験
したことがないほど大量に滲み出していた。
 しかもそれは、牡獣の指先で、糸を引くほどのねばねばした状態に変質していた。
「─充分な仕上がりだ」
 体に熱の溜まった牝獺の体は、ただでさえ興奮し易い状態になっている。そこへ、身も凍るような
残酷な仕打ちを受け、生命の危機に曝された。ルルカたちの身に起こったのは、極限状態に置かれ、
せめて子孫を残そうと生殖機能が活性化するという、牝獣の体の自然な反応だった。ただ、そんな理
屈を彼女たちが知るはずもない。
(これが発情……しているってことなの?)
 ルルカたちを取り巻く群衆にとっても、獺たちの身に起きていることを理解する必要はなかった。
憎しみの対象である牝獺たちが浅ましく牡を求めて淫液を滴らせている姿が愉快で仕方がない。誰も
が獺族が貞操観念の強い種族であることを知っているだけに、その侮蔑は倍増する。
 淫らな牝獣に対し、口々に嘲笑の声が浴びせられる。
 彼らの言葉が分かるルルカばかりでなく、残る二頭の牝獺も、その声の調子から自分たちが蔑まれ
ていることを悟って、惨めさに啜り泣いた。
「あれ、濡れてるんじゃない?」
「うそ、信じられない……」
 ルルカの耳に、そんな、同性と思われる声も飛び込んでくる。教わったばかりの「発情」という言
葉の意味はまだ理解できていないが、自分たちの今の状態が恥ずかしいものであることは痛いほど分
かった。
(恥ずかしい……。でも、何で恥ずかしいんだろう……)
 裸を見られていること自体が、恥ずかしいと思う。さらに見られることで体が勝手に興奮して息を
荒げてしまっていること。見られれば見られるほど体が疼いて、股間から溢れ出す粘液の量が増す。
そんな自分が恥ずかしい。
 ルルカは、やはりあの老クズリのジルフに騙されていたのではないかと思った。性器を常に刺激す
るよう仕向けたあの道具が、自分の体をこんなに惨めにしてしまったのではないか、と。ただ、それ
は結果に過ぎないのかも知れない。ジルフは、ルルカたちが儀式で命を落とさないように、そうさせ
ているのだと言った。
(そういえば、儀式の際に死んでしまうことがあった……、って─?)
 ルルカは、それを思い出して身震いする。ジエルも先ほど、死ぬなと告げて去って行った。その儀
式はまだ始まってもいないのだ。これからどれほど恐ろしいことがこの身に降りかかろうとしている
のか─。



523:かわうそルルカ 3-4/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/12 06:38:46.28 vEiLWUY+
 群衆のざわめきが収まるのを待って、豹頭の男たちは再び動き始めた。ジエルばかりでなく、ジル
フの姿ももう無い。クズリ族の役目は儀式の準備の段階まで、ということらしかった。それはこの先、
ルルカたちに通訳が必要ないことを意味する。何も知らされず、恐怖に怯えたまま儀式を受けること
も、獺族に対する罰の一環なのだろう。
 男たちは三頭の腕を捻りあげ、背中に回して縄で軽く縛る。鎖が柱の頂点に繋がれ、多少の余裕は
あるものの、ルルカたちは腰を地面に落とすことができなくなった。それは性器を守ることをできな
くするための拘束であることに、彼女たちはまだ気付かなかった。

 三本の柱の前に、恥丘に卑猥な刻印を刻まれた牝獺が並んだ。
 腕を縛られ、胸も股間も隠すことができず恥ずかしさに震える三頭は顔を伏せて恐怖に耐える。
 そして、恐れていた瞬間が訪れた。
「準備はできた。始めてくれ─」
 豹頭の男の一人が、合図をすると、広場に鐘の音が響き渡った。

 怯えるルルカたちの前に、それぞれ一人、立派な体格の男たちが立った。
 それは、獺狩りの部隊の中にも、シエドラの群衆の中にも見たことのない種族だった。
 原色に近い赤の衣装の男が一人、青い衣装の男が二人。引き締まった筋肉質の体と胸から背中、首
筋を覆う立派な鬣状の毛─。窮屈に上半身を包む衣装の胸元から、自慢するかのように豊かな毛を
剥き出し、ぶかぶかした布製のズボンを着けた下半身には、後ろに突き出した流線形の長く太い尾が
見える。
 赤い眼、鋭い眼光のその異種族の男たちに睨まれ、三頭の牝獺はいっそう震え上がった。
 豹頭の男たちがお辞儀をして場所を譲る。彼らはこの街の特別な身分の者であるらしい。二足歩行
に適した姿に進化した数々の種族の中で、特別に小柄な獺族と対照的に、突出した身体と能力に恵ま
れた、狼族の男たちだった。

 ルルカの前に立った赤い衣装の狼族は、毅然と立つ他の二人と違って、体を屈め、口吻が突き出た
大きな顔をルルカに近付けた。
「俺はくじ運がいいな。こんな器量のいい娘に当たるとは」
 落ち着きと気品を帯びた鋭い眼光からは想像できないような言い回しにルルカは驚いた。それでも、
褒められていることが分かり、緊張が解ける。男の低く唸るような声質は、父の声に少し似ていてど
こか懐かしさを感じさせた。
(あっ……)
 狼の指先が、ルルカの乳房をそっと撫でた。先ほどの男たちの検分と違う、優しい感触にルルカは
ぞくっとした。それはルルカがこれまでに与えられたことのなかった愛撫の手つきだ。男の指は、
ルルカのどろどろになった股間をまさぐる。
「よく濡れているな。ジルフの考えたっていうあれの効果か……」
 その男の指先の動きに、不快感は無かった。怖いのに、どこか安心できるような不思議な感覚が
ルルカを襲った。発情した牝の体が愛撫を求めているのだということを、何も知らないルルカが当然、
意識してようはずもない。もうしばらく触っていて欲しいとルルカは思ったが、男は手を離してしま
う。
 ここまでは独り言のように呟いていた男は、ルルカの頭に優しく手を乗せ、ルルカに声をかけた。
 そう、それは、はっきりとルルカに向けられた言葉だった。

「俺がお前の相手をする、ウォレンだ。お前は─」

 公用語が獺族に通じるはずがないことは、彼も分かっているはずだった。しかし、狼族の気質か。
礼儀を重んじるあまり、そうして名乗りを上げたのだろう。
 ウォレンと名乗った男の語りかけがあまりにも自然だったからか、頭を撫でるような彼の手つきに、
先ほどジエルから受けたのと同じ、優しさのようなものを感じたからか。
あるいは、ずっと誰かに聞いて欲しかったのかもしれない─。
 ルルカの口は、勝手に動いていた。

「私は、ルルカっていうの─」



524:かわうそルルカ 3-5/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/12 06:41:18.46 vEiLWUY+
 はっとして口を噤んだときには、もう遅かった。
 公用語で、喋ってしまった─。
 男の目が大きく見開き、ルルカに取り返しのつかないことをしてしまったことを気付かせる。やは
り、獺が公用語を話せてはいけないのだ。ルルカは血の気が引く思いで、狼の反応を待った。
「お前……」
 そう言ったままウォレンはしばらく冷静さを取り戻すのに手間取っていたようだった。やがて、
ウォレンは、喧噪にかき消されて二人の間でしか聞き取れないくらいの小声で言った。
「ルルカっていうのか……。
 いや、答えなくていい。ずっと隠してきたんだろう?
 皆に知られたら、大変なことになる」
 大変なこととは……?
 それを聞こうとしたルルカは、ウォレンの吸い込まれるような真紅の瞳に射竦められ、怯えながら
頷いた。ウォレンの眼光は、ルルカが公用語を口にすることは命に関わるほどの深刻な結末を彼女に
もたらすのだと語っているようだった。
「黙っててやる。俺たちだけの秘密だ。決して他の誰にも知られるんじゃないぞ─」

 再び、鐘の音が鳴った。「始めてください」と豹頭の男が、獺の前に立つ三人の狼たちに告げた。
 何を─?
 不安な表情を浮かべるルルカの口吻をぎゅっと掴んで、ウォレンは声を出すなと念押しした。
「お前が泣こうが喚こうが、これから起こることは何も変わらないんだ」
 ウォレンはそう告げて、他の二人の狼たちがすでに始めているのと同様に、狼族の衣装である下半
身を緩く覆う布のズボンの結び紐を緩め、腹部と同じ色の白い毛に包まれた牡獣のシンボルを露出さ
せる。
(……何? これ……)
 ルルカはちょうど目の前に突き出された、見慣れない器官に驚愕した。天を向いた白い筒状の毛鞘
の先端に、何かが飛び出してきそうな裂け目が見える。鞘の下には、大きな玉子型の白い毛玉が二つ
ぶら下がって揺れている。
(これも性器なの? 男の人の……)
 ルルカは先ほどジエルから教わったばかりの言葉を思い浮かべた。知識を総動員して考えると、
それは子供を胎内に身籠ることと関係しているはずだったが、とてもそうは思えない。性器、という
その言葉に相当する公用語をまだ知らないルルカには、ウォレンに尋ねることもできない。
 牡と牝とでは、股間の構造が違うことぐらいは、ルルカもなんとなく知っていた。しかし、獺族の
牡のペニスは、水中での行動に邪魔にならないよう進化したため、普段は僅かに飛び出した突起に過
ぎない。睾丸も体の中に埋没して、外側からはほとんど分からない、つるんとした股間なのだ。
 目の前の、あからさまな形状の牡獣の性器に、ルルカは恐怖すら覚えた。この白い鞘の先端から、
おそらくこの牡狼は小便をするのだろう、とルルカは思った。だから、いっそう、何故、今このとき
にそれを出して見せる必要があるのか分からなくなった。おしっこを裸に剥かれたこの体に振りかけ
られ、辱められるのだろうかと思ったが、そうではなかった。
 ウォレンの手が、今度は荒々しくルルカの頭部を掴み、自身の股間に引き寄せる。鼻先に、ウォレン
のペニスの先端があった。ルルカは、そこを舐めるように強制されているのだと悟り、そっと舌を出
す。その毛皮の鞘の先端がぴくりと震え、何かが飛び出してくるのを舌先に感じた。
 小便をかけられるのではと思い、思わず目を閉じ、しばらくして何も起こらないことを訝しんで目
を開けたルルカは、驚きのあまり、息を詰まらせる。
 毛皮の鞘から飛び出した赤い肉の塊が目の前にあった。それは、みるみるうちに大きさを増してい
った。心臓がばくばくと痛いほどに脈打つ。ルルカは突き付けられたその禍々しいものに視線を釘付
けにされた。自分の股間に開いた穴、そしてこの槍のような牡の─性器……。ルルカは、本能的に
それが自分の体に突き入れられるべく、そこにあるのだと悟った。
 ただ、それはあまりにも大きい。だんだん自分の置かれた状況を理解し始めたルルカを恐怖が蝕む。
 ジルフの指示で股間に収めておくよう渡された道具が、このときのためにルルカの体を拡張してお
くものだったことを知る。しかし、ルルカの鼻先に突き付けられている肉の槍は、これまで体に収め
たことのある道具のうちどれよりもずっと、大きかった。


525:かわうそルルカ 3-6/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/12 06:42:20.16 vEiLWUY+
 表面に浮き出た赤黒い血管が散りばめられた、禍々しい形のもの。それは狼族特有の巨大なペニス
だった。
 体の底に、妖しい疼きが起こる。ルルカの発情した体が、牡を受け入れることを欲しているのだが、
彼女にその自覚は無い。頭をぶるぶると振っておかしな感覚を振り払った。それどころではない事態
が、目の前に迫っている。

「入れるの……?」
 震える声で問う。
「そうだ」
「入らないよ……」
 じわりと涙が滲み出る。
「何度も言わせるな。お前の運命は変えられないんだ」
 ウォレンはルルカの胸の上の金属環を掴み、「始めるからな」と告げた。
(何を─?)
 答えの分かり切った問いは声にならなかった。
 ルルカの頬をぽろぽろとこぼれた涙が伝って落ちる。あんなものを入れられたら、お腹が裂けてし
まう─。
 近くで上がる他の牝獺たちの絶叫が、ルルカの恐怖を倍増させる。獺語にもならない叫びに続いて、
『痛い、痛い』『助けて』という言葉が飛んだが、この広場で牝獺を取り巻く誰もが、彼女たちの言
葉の意味を理解することはないのだ。
 そして、同じことがルルカの身にも行われようとしている。
「優しくはできないからな。
 ここに居る者は皆、俺がそうすることを期待している」
 ウォレンはいきなり、ルルカの膣に指を突き入れた。体の中を他人に触られる初めての感覚にルルカ
は怯える。狼族の爪が、柔らかい肉の壁をちくちくと刺激した。『痛いっ』と獺の言葉で叫んで、小
声で「痛いの…」と訴えた。
 ウォレンはその言葉を無視して、指を引き抜くと、無造作にルルカの片足を掴み、金属環と一緒に
持ち上げた。牝獺の小さな体は、それだけで完全に宙に浮いてしまった。
 もうルルカには抵抗のしようがなかった。
 何の躊躇いもなく、大きなペニスがルルカの体に挿し込まれた。圧倒的な質量のものが、ルルカの
小さな入口を押し広げながら侵入してくる。太さだけをとっても、これまで体に入れたことのあるも
ののゆうに倍以上はある。いや、もっと─?
 焼き印を押し当てられたときと似た痛みがルルカを襲った。今度はそれがじりじりと長く続くのだ。
全く慣らしもせずに、このときになっていきなりペニスを突っ込まれていれば、ショック死をしても
おかしくない痛みだった。ルルカは、ジルフを疑ったことを悔いた。確かに彼のおかげで、ルルカた
ちは死なずに済んだのかもしれない。それ思うほどに股間に感じる激しい痛みは想像を超えていた。
痛みから逃れようとしても、胸の上部に嵌められた金属環をしっかりと掴まれ、股間に大きな楔を打
ち込まれていては、僅かに体を逸らすことすら許されなくなってしまう。

 自分の身に何が起こっているのか、混乱する頭では理解のできない牝獺たちだったが、初めての男
性経験がこのような形で訪れることが彼女たちの心を深く傷付けたことに変わりは無い。これほど惨
めな性行為があろうか。衆目監視の中、自分たちだけが裸に剥かれ、拘束され、焼き印まで押された
惨めな体を凶器のような肉の槍で貫かれる。苦しみ悶え泣き叫んでも、誰も救いの手を差し延べよう
とはしない。それどころか、牝獺たちの呻きを掻き消すように、大きな歓声が上がる。
 憎き獺族が苦しんでいるさまが愉快なのだ。

 止めようのない痛みが断続的に体を襲い、ルルカはそれをひたすら耐えねばならなかった。
 体に異物を押し込まれているだけで、勝手に胸がはぁはぁと激しく喘いだ。子供の頃、野原を全力
で駆け回って、それ以上走れなくなってひっくり返ったときのように、全身が新鮮な空気を求めてい
た。
 頭がぼーっとしてくる。そのまま意識を失いそうになったが、苦痛から逃れることは許されなかっ
た。ウォレンの手が、ルルカの頬を軽く叩き、正気付かせる。
「体の力を抜け。本当に辛いのはここからだ」
「えっ?」



526:かわうそルルカ 3-7/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/12 06:44:44.65 vEiLWUY+
 思わず、苦痛を感じている部分を覗き込んで、ルルカはすぐに後悔した。先ほど見た恐ろしい長さ
の牡の性器は、まだ半分も体の中に入ってはいなかった。
 ウォレンはルルカを胸の環だけで吊り上げ、腰を上下にゆっくり揺らし始めた。肉の楔が槌で叩き
込まれるかのように、ルルカの体内に突き刺さる。更に強い痛みがお腹の中心部に沸き起こった。
(やめて……)
 ルルカはウォレンが何をしようとしているのか理解した。彼の股間から突き出したものの先端は、
ちょうど今、刻まれた焼き印の下あたりを抉っているのだ。そこはジエルが、そして、かつて母が教
えてくれた、子供を宿す女性の神聖な器官があるところ─。
 獺族は水中で活動するため、、他の二足で立つ種族のような筋繊維に包まれた子宮と違い、四足獣
に近い原始的な縦長の子宮を持っている。重力に対抗する必要がないため、子宮口も他の種族ほどし
っかり閉じているわけではない。
 狼族の巨大なペニスの先端が、これまで開いたことなどない若い牝獺の子宮口を割っていた。牝獺
たちのそこは、異物の侵入をあっさりと許してしまった。体を引き裂くような痛みが走る。それは堪
える術がない恐ろしい痛みだ。
 体の奥を激しく突かれ、抉られながら、牝獺たちはこの儀式の目的をおぼろげながらに感じ取った。
 獺族の命を繋ぐその場所を穢し、彼らの尊厳を貶めること─。
 牡狼たちが腰を突き出す度に、牝獺の子宮は拡張され、牡の欲望を流し込む容器として造り変えら
れていった。体の奥で何が起こっているのか、ルルカには分からなかったが、突き上げられる度に走
る痛みが、取り返しのつかない変化を体にもたらしていることに薄っすらと気付き、嗚咽した。
 ウォレンが腰の動きを止めると、近くに居た男たちが、柱からルルカを拘束していた鎖を外し、手
を縛っていた縄を解いた。ルルカは思わず自分に苦痛を与える大きな牡獣の胸に、短い前足で必死に
しがみついた。何かにしっかり抱き付いていないと、繋がった部分が引き攣れを起こすように痛むの
だ。ルルカは獺族の鋭い爪─水中で魚を捕えるために発達した強力な武器─を狼の体に突き立て
ていた。
 このときでなければ、血を吐くほど殴られてもおかしくないルルカのその行為を、ウォレンは黙っ
て受け入れていた。それは、この地獄の儀式の中で牝獺に僅かに与えられた慈悲のようでもあったが、
牝獺がそういった抵抗を見せることは織り込み済みである。狼は、ただ寡黙に、自分の責務を果たそ
うとしているだけだ。
 しばらくの間は好きにさせていたが、ルルカの荒い呼吸が多少落ち着くのを見計らい、ウォレンは
彼女の体をしっかり掴むと、小さな獺の腕を体から引き剥がし、ぐるりと半回転させた。
『ん……ぐっ』
 体の中で、大きな質量を持ったものが回転し、内壁を擦り上げる。
 体に突き刺さった牡の性器としっかり掴まれた金属環でウォレンの正面に体を固定されたルルカは、
膣口のすぐ内側でウォレンのペニスの根本が大きく膨らんでゆくのを感じて、悲鳴を上げた。足をば
たばたさせて逃れようとしたが、それを止めることは叶わなかった。
(もうやめて……)
 次から次へと、信じられないような災厄が身を襲った。狼族の牡の性器は牝の体に挿入された後、
根本にある巨大な瘤状の膨らみで固定され、射精が完全に終わるまで繋がったままとなる。そんなこ
とをルルカが知るはずもなかった。ルルカはそれが二度と抜けなくなってしまったのではないかと
思った。



527:かわうそルルカ 3-8/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/12 06:45:50.15 vEiLWUY+
 他の二頭の牝獺も、ルルカと同じように牡狼に体を完全に貫かれ、数倍ほどにも見える体格の牡獣
の体の全面に磔のようにされてしまっていた。
 狼たちは牝獺の胸の環を体に引きつけ、憐れな小さい獣の裸身を観衆の前に晒す。狼は見せつける
ようにゆっくりと体を回転させ、ふっくらと膨らんだ成熟した牝獣の乳房がゆらゆらと惨めに揺れた。
恥ずかしかったが、牝獺たちは、獺の心得を思い出し、腕をだらんと垂らして、胸を隠さないように
努めた。
 下腹部には、赤く腫れた傷跡で描かれた牝の性器を表すマーク。すぐその下にある本物の性器は、
太い楔を打ち込まれ、限界に近いほど広げられていた。両足は引き攣るように左右に開き、あまりに
も受け入れているものが大きくて閉じることができず、恥ずかしい結合部分を余すところなく晒して
いる。
 視線を落としたルルカは、自分のお腹が異様な形に膨らんでいるのを見た。巨大な狼族の男性器が
内臓を突き上げ、体の半分ほどまで埋め込まれているのだった。
 焼き印の形が不自然に歪んでいる。体内のその位置にある子宮も、当然、原型を保っているはずが
なかった。

 打ちひしがれたルルカを、更なる絶望の予感が包んだ。上半身を屈め、ルルカの肩越しにふっふっ
と荒い息を吐きながら、体を小刻みに震わせるウォレンの様子は、何かが差し迫っていることを示し
いていた。
 次に起きることは……。
 ルルカは自分の体に押し込まれているものが、小便を出すところだということを思い出し、ぞっと
する。
「……おしっこ、するの……?」
 身を捩ってウォレンを見上げ、小声で尋ねる。
「おしっこか……、そうだな、お前たちにとっては似たようなものだ」
 ウォレンは事もなげに答えると、いきなり体を大きくぶるっと震わせた。
 熱い液体が、激しい飛沫をあげてお腹の中に満ちてくる。
『うわあぁぁ……』
 信じたくない出来事だった。体の中に排泄されている─。
『やめて、やめてっ!!』
 頭を振り乱し、泣き叫ぶルルカの胎内を、不浄な液体が、内側から汚していった。新しい命を育む
ための場所が惨めに穢されてしまった。
(お母さん、ごめんなさい……。こんなことになるなんて─)

 お腹の中におしっこをされてしまった。
 小さい頃から何度も聞かされてきた、獺族の誇り。逃亡生活を余儀なくされながらも、誇り高い種
族であると─。そんなのは嘘だった。いや、「嘘にされて」しまった。
 焼き印を押されたときは家畜の身分に堕ちたことを思い知った。今の自分は、それよりももっと惨
めな、家畜以下の存在だ。

 狼の射精は、最初のうちの勢いはしばらくして衰えたものの、断続的に延々と続く。射精を続けな
がら、ウォレンは膝をつき、ルルカの体を石畳に降ろした。
 大きな狼族の手が腹部に当てられ、ルルカはそこが流し込まれた液体でパンパンに膨らんでいるこ
とを思い知らされた。手足が地面に触れると、ルルカは屈辱と恐怖に震える体で、それでも必死に逃
げようと地面を掻いた。
(どうして……!?)
 もう体のどこも掴まれていない。それなのに、どんなにもがいても前に進まなかった。
(ああ……、性器が─)
 ルルカは思い出した。先ほど、体の中で感じた恐ろしいほどの圧迫感。
 牝獺と牡狼の性器は密着していた。いや、牡狼のそのペニスの特殊な構造が、牝の体を繋ぎ留めて
いた。行為の全てが終わるまで、相手を逃がさないのだ。この儀式を行うのに彼らが適任である理由
が、この特徴的な射精にあった。愛し合う同種族の者にとっては愛情を育むこともできるその仕組み
は、小さな牝獣の体を凌辱し尽くし、絶望を与えることにも最大限の効果を発揮していた。



528:かわうそルルカ 3-9/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/12 06:46:53.81 vEiLWUY+
「"練り込み"を始めてください」
 ルルカたちの耳には無機質な響きに聞こえる公用語で、豹頭の男が狼たちに告げた。
 短い手足で四つん這いの姿勢にさせられた牝獺に、ペニスを挿入したままの狼が、後ろから体を押
し付けている。その腰が、二・三回ゆっくり動いたかと思うと、前後に激しく揺さぶられ始めた。獺
たちの小さなお尻も、その動きに合わせて振り回される。
 三頭の獺の甲高い悲鳴が広場に響き渡る。
 これが、"練り込み"という儀式の行程の一つで、牡のペニスを牝獺の体に馴染ませるための行為だ
った。この後、シエドラでの過酷な生活を迎える牝獺たちにとっては、早めに慣らされておくという
意味では、むしろ有難いことであったが、今の彼女たちにはそんな理屈は救いにならない。
 精液で膨らまされた子宮をさらにペニスの先端が何度も抉り、激しい痛みが与えられる。気絶しそ
うになり、また痛みで目を覚まされることの繰り返しに牝獺はいっそこのまま殺して欲しいとまで思
った。しかし、しばらくしているうちに、牝獺たちは恐ろしいことに気付く。
 頑丈なことが取り柄の獺族の体は、徐々にこの陰惨な状況にすら慣れてきていた。子宮が牡の形に
馴染んできたためか、お腹に感じる痛みは次第に和らいでいく。
 ただ、それでももう一箇所、刻まれてまだ間もない焼き印の火傷の跡に、狼族の大きな睾丸が打ち
付けられる痛みは薄れることなく、ルルカたちを苦しめた。その位置に刻まれた印は、こうして犯さ
れる度に獺たちに身分を思い起こさせるためのものでもあるのだ。

 豹頭の男たちが新たな合図を出し、ルルカたちは狼に犯される姿のまま、観衆の検分を受けること
になった。様々な種族の街の住人が、男と言わず女と言わず、ルルカたちの体に触れる。その瞬間だ
け狼は腰の動きを止めた。憎しみを込めて乳房や頬を平手で打つ者が居れば、牝獺の腹部に手を当て、
その小さな体の中に吐き出される射精の脈動を感じ取ろうとする者も居る。
 皆、獺族の惨めな姿を確かめると、満足そうな表情を浮かべて離れていく。

 一時間ほどの時が過ぎた。
 最後にまた体の奥に勢いのある液体の射出─、狼族の体内で交尾中に生成される大量の前立腺液
が吐き出されるのを感じながら、ルルカは疲れ果てた体をぐったりと地面に横たえていた。お腹がさ
らに膨れ上がったが、もう嘆く気力も無かった。
 体からウォレンのペニスが引き抜かれ、代わりに大きな木製の球が股間に押し込められる。
 ウォレンの声がぼんやりと聞こえる。
「この娘はどこに?」
「この広場担当だ。後ろの壁に繋ぐ予定だ」
「そうか、可哀想にな……」
 何が、どう可哀想なのだろう─。
 顔を起こすと、ウォレンの姿はもう無かった。ジエルも、ジルフも、知った顔はどこにも居なかっ
た。
「見ろよ、精液でぱんぱんだ」
(セイエキ……?)
「狼族の精液が、こいつらの体を変化させるらしい」
「へえ~」
(変化って……、どういうこと?)
 ルルカの膣には、流し込まれたものがこぼれ出さないように、狼の性器の根本にある膨らんだ瘤と
同じか、少し大きいくらいの球が挿入されていた。同じ大きさの球が、三頭の獺たちの口にも押し込
まれ、ベルトで固定される。獺同士、互いに言葉を交わすことが禁じられたのだ。
 まだ空には闇が広がっていたが、広場に集まった群衆も今ではまばらになり、儀式の終焉を告げて
いた。しかし、ルルカたちの悪夢はまだ終わりではない。



529:かわうそルルカ 3-10/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/12 06:48:05.86 vEiLWUY+
 広場の中央にある噴水。その池の縁に新たに三本の柱が立てられた。上部には横木が十字に組まれ、
下へ目をやると、池に向かって鳥の止まり木のように棒が突き出している。
 下部の棒に目の粗い布が巻かれた。そこはちょうど牝獺の股間が当たる部分になるのだ。三頭の牝
獺は、改めて柱に固定された。横木には腕を左右に開いた形で縄がかけられた。両脚は拘束されなか
ったが、宙に浮いた状態で足先が掛かる場所もなく、だらりと垂らすしかない。
 尾はきつく柱に縛り付けられる。その先端が地面に触れるかどうかという高さで、三頭は身動きが
取れない姿にされた。体は噴水の方へ向けられている。観衆に対し晒し者にするのが目的ではないよ
うだった。
 広場から、人々の気配が消えていく。ルルカたちは、裸身を磔にされ、噴水池の前に放置されたの
だ。
 街灯が照らす広場から見上げる月の無い空は、漆黒の闇に見えた。
 噴水の水は止められており、風も無く、鏡のようになった池が目の前にある。牝獺たちは、惨めに
変形させられた己が身体を水面に眺めながら、明け方までの時間を過ごすことになる。
 それは彼女たちの中に残った僅かな尊厳の残滓までも奪い去ろうとする仕打ちだった。
 荒い呼吸に合わせて上下に揺れる剥き出しの乳房。二度と外すことのできない、不気味な銀色の金
属の環。まだちりちりと痛む、卑猥な模様の描かれた焼き印の痕。精液で膨らまされたままの子宮─。
 一生覆い隠すことの許されない、惨めな牝獺の日常の姿がそこにあった。
 性に疎い獺の娘たちは、まだ体の中に小便を排泄されたと思っている。大きな木製の球で膣口を塞
がれ、その液体を胎内に留めておくよう強制される屈辱に喘いだ。それが体に染み込んでくる想像に
囚われ、身悶えた。
 ルルカだけは、それが精液というものだと男たちの会話から聞き知っていた。狼族の精液が体を造
り替えるという、街の男たちの会話が気掛かりだったが、口に嵌め込まれた球に阻まれ、他の二頭に
それを伝えることは叶わなかった。

 さすがに疲れが出たのか、眠気が襲ってくる。ルルカは、淡い恍惚に包まれていた。既に恐ろしい
体の変化が始まっていることを、彼女は知らない。ぼんやりと、いつかジエルにお礼を言わなくちゃ、
と思った。湧き上がるその気持ちが、今置かれた状況から逃れまいとする悲しい心の動きだとは、
ルルカ自身は思わない。
 大事なのは、気持ちを表す言葉─、何度も母にそう言われていた。ルルカは、素直にありがとう
と言えなかった自分を責めた。
(間違いない。ジエルはきっと、私たちが寂しくないように無理をして獺の言葉を話していたんだ─)
 しかし、その彼自身の言によれば、クズリ族が牝獺と会話をすることはもう無い。
 ルルカが彼に礼を言う機会は、どれだけ願おうとも、決して訪れないのだった。


530: ◆q6hKEmO86U
12/04/12 06:51:42.59 vEiLWUY+
以上です。

次回、かわうそルルカの生活 第四話は、サブタイトル『水瓶と獺』

「何故、獺族はそんなことをしたの─?」
鎖に繋がれ街を歩かされるルルカを苛む孤独。
泣き晴らし、嘆くルルカにウォレンが見せたものは─?

みたいな感じでお送りします。お楽しみに。

531:名無しさん@ピンキー
12/04/12 23:23:50.64 sqI/PizF
ルルカたん新作キター

上手いしエロいし長くても引き込まれるし面白いしで言う事無いのだが
ルルカと他の二人が可哀想で可哀想で…
どうか救われるENDでありますように…

532:名無しさん@ピンキー
12/04/13 00:49:01.02 BtL2iF4m
お疲れ様!!
ずっと待っていた!! ありがとう!
陵辱の中に思いやりや愛情が見え隠れするって、実際に書いてみるとうまく表現できないのに、
こんなにすっきりと書けるのはやっぱり上手いですよね。これは時間がかかるわけだ。

533:名無しさん@ピンキー
12/04/13 15:23:48.86 rBSjdxmF
切ないなぁ

534: ◆q6hKEmO86U
12/04/13 23:03:02.27 GwtTRcDn
感想ありがとうございます。
ルルカはこの後、もっと辛い目に遭うと思いますが、
頑張った子にはいっぱいご褒美を用意してます。たぶん

535:名無しさん@ピンキー
12/04/14 00:13:35.25 a917A0Hf
こんなスレがあったとは知らなかった
痛痛しいけどなんか読んでて面白い

536:名無しさん@ピンキー
12/04/15 23:08:02.15 FPAhEP/D
そう言えば、異形化・蟲化スレって落ちたのか?

537:名無しさん@ピンキー
12/04/16 18:57:49.11 DgsL/vEx
たしかに異形化・蟲化スレが見れなくなってますね
どうしましょうか

538:名無しさん@ピンキー
12/04/19 23:00:38.66 x1vLMw4/
スレリンク(eroparo板)
異形化・蟲化スレ、新しく立ったみたいですよ

539:名無しさん@ピンキー
12/04/22 22:12:42.08 mmdbWCWQ
このスレ用に書き始めてる作品が一本あるんだが、ここってスカトロネタって大丈夫なんだろうか?
コーヒーのお話なんだけど

540:名無しさん@ピンキー
12/04/22 22:52:38.68 YCSO4SKR
スカトロ……コーヒー?
……ごくり

541:名無しさん@ピンキー
12/04/23 01:23:54.82 Iq4mXCNF
>>539
注意書きさえあれば大丈夫だと思いますよ、このスレ。
むしろ美味しくいただきます。コーヒーだけに

542: ◆q6hKEmO86U
12/04/23 01:41:56.92 Iq4mXCNF
まだ書き始め、ということなのでお先に失礼して、ルルカの続きを。
この次はまたしばらく間が開いてしまうと思いますので…。

かわうそルルカの生活五回目、第四話
注意事項はいつもの >>442の通りです。
では、

543:かわうそルルカ 4-1/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/23 01:43:27.76 Iq4mXCNF
     【4】 -水瓶と獺-

 シエドラには夜の活動を好む種族も住んでいて、眠らない街になっている。それでも、明け方近く
になると人通りもまばらになってくる。儀式の終わった広場にも、もう喧騒は感じられなくなり、
通行人も、噴水池の前に磔にされた牝獺たちを気にするわけでもなく、いつもの生活にいそしむばか
りだ。
 当の牝獺たち─夢うつつであった彼女たちは、身を焼くような熱を感じて目を覚ました。何かが
体の中で起こり始めている……。
 乳首が、空気の僅かな流れを感じるほど敏感になっていた。体中が冒されたように熱くなり、口に
押し込められた木の球の隙間からでは呼吸が足りず、フーッ、フーッと激しい鼻息を立ててしまう。
膣の内側が、ときおり、何かを求めるかのようにヒクヒクと蠢くのを感じる。ルルカは恐ろしくなっ
た。
(これが、街の人が言ってた、変化……なの?
 私たちはいったい、どうなるの─?)
 入口を堰き止められて、精液でいっぱいに満たされた膣の中に、更に自分の体から分泌されるあの
とろりとした液体が滲み出て、体積を増しているような気がした。事実、何の刺激を受けなくても、
彼女たちの体はいつも愛液を滲み出させるようになってしまっていた。
 それなのに……。
 噴水池に映る惨めな体を見下ろした牝獺たちは、ぞっとした。お腹の膨らみは、この柱に括り付け
られたときと比べ、明らかに小さくなっている。それは、狼が体の中に放った液体が、膣や子宮の粘
膜を通して牝獺の血肉に吸収され、全身に染み渡ってしまっている証拠だ。
 恐ろしさに身悶えると、股の部分に突き出した横木に巻かれた荒い布地が、大きな木の球で広げら
れた膣口をちくちくと刺激した。どうやら、それが狙いのようだ。性器が擦られる感覚に反応し、粘
液の量が更に増す。体の中で、狼たちが出した精液と自分の中から滲み出してくる液体が混ざり合い、
対流を起こすのが感じられるような気がする。
 その淫らな液体の湧出が、この日を境に二度と止まらなくなることにルルカたちは気付いていなか
った。何故だかは分からないが、狼族の精液を体の奥へ注ぎ込まれた獺族は、一生発情し続ける体に
なってしまうのだ。シエドラの住民は、獺族を追い詰める長い歴史の中でそのことに気付き、牝獺の
体を利用するための術を発展させてきた。"獺の窯牢"に始まり、金属製の獺の拘束環、焼き印、そし
て、締めくくりがこの儀式だった。
 何も知らない牝獺たちはただ、すすり泣き、恐怖と戦いながら夜明けを待った。

 重なり合った建物の隙間から漏れた朝の陽の光が、広場の石畳に射す頃になって、再び豹頭の男た
ちが現れ、三頭の牝獺を柱から降ろした。
 夜明け近くからずっと、疼く股間を布に擦り付け続けていた牝獺たちは恥ずかしそうに身を縮めた
が、胸の環を掴まれ、排水路の上にしゃがまされる。膣に押し込められていた球が抜かれると、体に
滲み込んだ精液の残りがたらたらと溝に流れ落ちた。
 牝獺たちをしゃがませたまま、男たちは後ろから乳房を掴んでゆっくりと揉んだ。昨夜から敏感に
なったままの乳房に触れられると、そこがスイッチにでもなっているかのように、股間からまたジュ
クジュクと液体が染み出てきた。そのまましばらく、牝獺たちは胸を揉まれ続けた。そうして、愛液
で膣に残った精液を洗い流そうとしているのだろう。ルルカは、その液体が延々と止まらずに滲み出
し続けることに驚く。
 自分たちが昨日までとはまるで違う生き物になってしまったことを実感した。
 若い獺の子宮と膣はそのうちすっかり溜めていたものを吐き出し、これまでのことが嘘のようにし
っかりと肉の壁が閉じ合わされていく。しかし、せっかく元通りになろうとしているその部分に何か
を押し込めたい衝動に駆られ、ルルカは戸惑った。体の内側を何かで満たしたい衝動が湧き起こる。
ジルフに渡されたあの道具が欲しくなった。いや、代わりになるものなら何でもいい。あの狼族の牡
の性器であっても……。再び激しい痛みに襲われるとしても、この妙な体の疼きが治まるなら構わな
い─、そう思って、ルルカははっとする。
(やっぱり、あれは嫌……)
 自分はどうにかしてしまったのだと思った。そしてそれが狼の精液がもたらした変化なのだと、
ルルカは信じたかった。そうでなければ、自らお腹の中の大事なところを穢すような行為を望むはず
がない。



544:かわうそルルカ 4-2/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/23 01:44:27.89 Iq4mXCNF
 ふと視線を移すと、他の二頭の獺を、豹頭の男たちが連れ去ろうとしていた。
 男たちは牝獺の胸の金属環に付けられた鎖を引く。この環は乳房に引っ掛かるため決して外れない。
とは言っても、体に貼り付いているわけではなく、多少の隙間がある。環をぐるりと回して先を歩い
て鎖で引き回すこともできるし、鎖を背中側に回し、獺を前に歩かせることもできる。そして、これ
には更に別の使い方もある。
 二頭の牝獺は、男たちの前を疲れ切った体でよたよたと歩いた。ときおり、股間から滲み出る液体
を気にして立ち止まりながら。
 牝獺の一頭が、いきなりお尻を男に蹴られた。軽く突くような勢いでも、予期していなかった攻撃
にバランスを崩し、牝獺は悲鳴を上げて倒れ込んだ。獺の心得を忘れ、尾を下ろして歩いていたのだ。
後ろに男が立てば、牝獺は当然、尻尾を精一杯持ち上げて肛門を晒さなければならない。のろのろと
立ち上がった彼女は、もう一度お尻を突かれ、ようやくそのことに気付いた。
 言葉の通じない牝獺はこのようにして、少しずつシエドラでの生活のルールを叩き込まれていくの
だ。行為の最中、相手の体に触れてはいけない。当然、爪を立てることなど許されない。口元に性器
を突き付けられたら、舐めなければならない。そのとき、少しでも歯を当ててはならない。排泄の意
思表示は、行為が終わった後に速やかに行わねばならない─。
 ルルカの手に、きれいに磨かれた木製のお椀が握らされた。これはシエドラの牝獺の唯一の財産で
あり、日に何度か配給される食事を盛ってもらうために手の届くところに置いておかねばならないも
のだ。牝獺は、必ず犯されながら食事を摂らねばならない。挿入されていないのに食べ物に口を付け
ると罰せられた。客の少ない牝獺の場合、相手が現れるまで食事はお預けになる。これも、彼女たち
に身分を思い知らせるための決まりだった。

 ルルカは、昨日の悲惨な儀式の舞台となった広場の片隅にある建物の壁へ、繋がれた。そしてすぐ
に、ウォレンがこぼした「可哀想に」という言葉の意味を理解した。ジエルの言う「奉仕」の意味も、
痛いほど思い知らされた。
 あっという間に、無数の男たちが、壁に繋がれたルルカの前に列を作った。怯えるルルカは石畳に
突き飛ばされるように転がされ、悲鳴を上げた次の瞬間には、異種族の巨大なペニスを、昨夜処女を
散らされたばかりの膣に挿入されていた。
 男たちの性欲処理用の受け皿、便利な道具─、排泄のための共用奴隷。
 それが、シエドラの牝獺に与えられた立場だった。

 街の中心にある噴水広場には、雨でも降らない限り真夜中でも人通りが絶えない。そこへしばらく
欠員となっていた牝獺が繋がれたとなると、途切れることのない行列ができるのは必至だった。
 広場に繋がれる牝獺には誰よりも多くの牡を受け入れねばならない定めが待っている。
 ルルカはその日から実に三週間、一切の休息を与えられず、犯され続けた。牝獺の生活のルールを
体に叩き込まれた。排泄のとき以外、食事をさせてもらっている間もペニスで体を突かれ続けた。疲
労が溜まり、ほとんど失神するように細切れの睡眠に落ちるその間も、男たちの容赦無い凌辱は続い
た。
 普通の種族ならば確実に、数日のうちに衰弱死するようなこの状況にも、獺族の体は耐えた。かつ
ては水中で一日のほとんどの時間を過ごしていた獺族の肉体は、代謝に優れ、持久力も並外れていた。
ルルカの体はいつしかその日常に慣らされていった。
 三週間経ち、ようやくほんの一息の時間、輪姦の連鎖から解放されたルルカは、自分の体がどのよ
うに変わってしまったのかを知った。惨めに変形させられた性器の形─、それは茶褐色の美しい毛
皮の合わせ目から覗く慎ましい桃色の蕾であったところ。今はそんな面影は微塵もなく、弾けた赤い
ざくろの実のように肉の襞を曝け出していた。開き切った肉の門は恥丘に押された焼き印の図案その
ものだ。ルルカは、その部分が二度と元に戻らないことを予感した。



545:かわうそルルカ 4-3/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/23 01:45:26.92 Iq4mXCNF
-/-/-/-/-/-/-/-/-

(あれからもう、半年も経ったんだ─)
 延々と繰り返される屈辱の日常に時間の感覚がおかしくなりそうだったが、人々の会話からルルカ
は暦を知っていた。月日は経っても、あの儀式の恐ろしい経験は昨日のことのように思い出される。
 今、ルルカを"おつとめ"に連れ出し、後ろを歩くウォレンに対するルルカの印象は、儀式のときと
は随分変わっていた。ルルカが思わず名乗ってしまったほどの礼儀正しい狼族の姿は無い。あの原色
に近い赤の窮屈そうな衣装は、儀式のための特別な服なのか、街で姿を見る狼族は、その自前の毛皮
とあまり変わらない灰褐色の上着を身に着けている。ウォレンに至っては、上半身は常に裸だった。
彼は男性であるし、胸を隠さなければならない理由はない。むしろ、狼族特有の筋肉質の胸を覆う豊
かな毛と首筋から背中にかけての立派な鬣を自慢したいかのようだ。
 そのいでたちは彼の性格も物語っている。街の支配階層であり、気品のある振る舞いをする狼族の
中にあって、ウォレンは異端だった。自由を好み、粗野で身勝手で強引、そして、軽薄で意地が悪い。
それがルルカのウォレンに対する評価だ。
 二本足でよたよたと歩くルルカのお尻を、ウォレンがつま先で軽く突く。「お尻をもっと上げろ」
と言いたいのだ。獺族は普通、二足で歩くときは尾の半分以上を地面に下し、体を支える。シエドラ
の獺の心得に従い、お尻の穴を見せるようにして歩くと、どうしても体が左右にふらふらと揺れてし
まう。
 使い込まれた性器と違って、若い牝獺の肛門は薄桃色をしていて、慎ましく、可愛らしい。ウォレン
はそれを後ろから見てニヤニヤしてるに違いない、とルルカは思った。
 裸で尾を上げて歩くと大きく膨らんだ乳房が左右にゆらゆらと揺れるのも惨めだった。
「いつも寝っ転がってるばかりじゃ、筋肉が鈍ってしまうだろう?
 足だけで歩いた方がいい」
 いかにも後付けな理由を彼は口にする。
(好きで寝転がってるわけじゃないよ……)
 ルルカはこのウォレンの意地悪なところが嫌いだった。最初に出会ったとき、頭に乗せられた手の
ひらから感じた優しさは、ルルカの思い違いだったに違いない。

 儀式の後、彼がルルカの前に姿を見せたのは、三週間ほど経ってからだ。
 上半身に衣装を着けていない狼族の毛並に、ルルカは一瞬、目を奪われた。街灯に照らされた灰褐
色の毛皮は美しく輝き、見惚れたルルカは、それが儀式で自分の体を貫いたあのウォレンだと気付く
のに時間がかかった。
 日が暮れ、ルルカの前に行列を作った仕事帰りの男たちを、ウォレンは脅して追い払い、こう言っ
た。
「星を見に行こう─」

 どこから持ち出してきたのか、ルルカを繋ぐ鎖の鍵を外し、今もそうしているように、鎖を握って
ルルカに前を歩かせた。
 広場から街の周辺部に抜ける道を歩き、街灯のほとんど無い石段を数百段登った先に、高台がある。
「ここなら夜は誰も来ないから、声を出してもいいぞ」
 広場と同じくらいの敷地に、腰を下ろせる石でできた腰掛けが点在していた。三週間の地獄のよう
な生活から解放されてほっと安心したルルカは、ずっと疑問に思っていたことをこの狼なら答えてく
れるのではないかと思い、聞いた。
「ねえウォレン、どうして獺族は─」
「ほら、街の灯りが見える」
 ウォレンはルルカの言葉を遮り、ルルカの胸環を掴んで、高台の端にある石の物見台にひょいと乗
せた。
「円い光の中に、小さな暗い円があるだろう。あれがお前の居る噴水広場だ。
 街の中央と言われてるが、実際には少しこっち側へずれている。
 横を走る大通りの端は、比較的新しい居住区シェス地区。
 その手前が肉の市場、ラムザ地区。街の反対の端にあるのが、草の市場ギザ。
 食べ物で市場が分かれているのさ。面白いだろう?」
「えっと……」
 星を見に来たんじゃなかったの?
 そんな嫌味の言葉を、ルルカは飲み込んだ。


546:かわうそルルカ 4-4/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/23 01:48:13.24 Iq4mXCNF
 眼下に広がる情景に目を見張る。漆黒の世界に浮かび上がる、人々の生活の灯。光は集まったり離
れたりして、美しい紋様を描いていた。それはルルカがこれまで見たことがない素敵なものだった。
獺族の隠れ里で暮らしている限りは、一生見ることのない光景。それは当然のごとく、鎖に繋がれた
ままの牝獺にも見ることのできないもの。
 ルルカはウォレンに、こうして連れ出してくれたことのお礼を言わなければ、と思った。ジエルに
対して持てなかった素直な気持ちを、今ここで表さなければ、また後悔することになる。
 ウォレンを見上げようとしたルルカは、次の瞬間、近くの石の腰掛けの上に押し倒されていた。
(どうして─?)
 仰向けにされ、大きく足を広げられ、股間には大きな狼のペニスが押し込まれた。
 ルルカの落胆は大きかった。
 結局、ウォレンは自分の好みの場所でルルカを犯したかっただけなのだ。そして、覆い被さった
ウォレンの大きな胸に邪魔をされ、星など全く見えなかった。
 一事が万事、ウォレンはいつもこの調子なのだ。期待を持たせては必ず裏切ってくれる。だから
ルルカは、彼の顔を見る度に憂鬱になる。
 週に一度、多いときは二~三度、ウォレンはこうしてルルカを連れ出しては、犯した。

 高台で、ルルカはウォレンの体を再び受け入れた。狼族のペニスはやはり他のほとんどの種族より
も大きく、先端が尖っているため子宮の奥まで突き刺さり、儀式のときの恐怖が甦った。しかし、あ
のときと違い、ウォレンはルルカに覆い被さったまま射精を始めると、体の動きを止めた。
「……動かさないの?」
 絶望をもたらしたあの"練り込み"のときの腰の動きを恐れて身構えていたルルカは、思わずウォレン
に聞いた。
「ああ、そうか。安心しろ。もうあんな風にはしない。
 これが本来の狼族のやり方なんだ」
 ウォレンはそう言って、一時間近くの間繋がったままじっとしていた。ときおり、トクトクと微量
の精液を注ぎ込む以外に、一切の動きを見せず、ウォレンはルルカを抱き続けた。ウォレンがルルカ
を気遣ってそうしているわけではないのは、その後、狼族に良く似た顔を持つ狐族などがやはり同じ
ようにすることから分かった。
 彼らとの交尾は、ルルカにとって体を休める時間を与えてくれるものだ。とはいえ、長時間牝獺を
占有することになる種族には、当然、不満の声が投げかけられる。彼らはルルカのように利用客の多
い牝獺の列に並ぶことはあまりなく、街外れに繋がれた獺を利用した。ウォレン以外の狼族は滅多に
人前に姿を現さないこともあり、この静かな交尾は、ルルカにはほとんどウォレンとの間にのみ交わ
されるものとなっていた。
 体が楽になれるはずなのにルルカの気分が浮かないのには理由がある。
 相手が腰を動かさないと、ルルカの方が落ち着かなくなった。儀式のときに無理やり広げられた膣
や子宮が、まるでウォレンの形を覚えているかのように違和感もなくそれを収めていると、逆に不安
になる。
 ルルカは、尾を支えにして、腰をウォレンの体に押し付けていた。牡のペニスを求めるようなその
体の動きをルルカは止めることができなかった。牢の中で膣に道具を出し入れしていたときに感じた
渇望のようなものが体の中に沸き起こる。あのとき感じた淡い快感を再び求めようと体が勝手に動く。
股間を押し付けると、性器の頂点の辺りにじーんと痺れるような強い感覚が湧き起こった。牢獄で自
慰に耽っていたときに感じた淡い快楽にすら程遠い、微かな心地よさ。それでも、性奴隷の身に堕と
され、もう手の届かないところへ行ってしまったかと思っていた、快楽の更に先にある強い感覚の予
感が、この狼と体を合わせているとルルカの中に再び芽生えた。
 しかし、狼族のペニスの根本にある瘤でしっかり固定されてしまっていては、自由が利かず、ルルカ
はもどかしい思いをしながら腰を揺するばかりだ。
 乳首が噴水池の前に磔にされていたときと同じように敏感になっていて、ウォレンのお腹の毛が触
れる度に、ルルカは身を仰け反らせた。体がこんな風になるのは狼族と─、ウォレンとの交尾のと
きだけだった。
 ルルカはそんな浅ましい自分が恥ずかしくて堪らなかった。体の繋がっているウォレンはきっと、
牝獺が淫らに悶える様を直に感じ、侮蔑の目を向けていることだろう。これが、自らを誇り高い種族
と豪語していた獺族の本性なのだと、嘲っているに違いない。


547:かわうそルルカ 4-5/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/23 01:49:13.18 Iq4mXCNF
 ルルカは羞恥に身を焼かれた。
 ウォレンとの交尾はルルカにとって救いになるものでもあれば、普段よりいっそう惨めさを感じさ
せるものでもあるのだ。しかし、早く終わって欲しいと思っても、最後の激しい勢いの前立腺液を吐
き出すまでは決して結合が解かれることが無いのが、狼族との交尾だった。

「今日も"おつとめ"……、なの?」
「さっき、そう言っただろう。北方の行商の相手をしてもらう」
(そういうことを言いたいんじゃなくて─)
 こうして彼がルルカを連れ出すのは、結局、何かと理由を付けて犯したいからなのだろう、とルルカ
は言いたくて言えずにいた。彼に嫌味が通じないのはよく知っている。
 ウォレンが言う"おつとめ"というのは、この街を交易の中心とするための広報活動のようなものだ。
牝獺を使った性欲処理のシステムは、世界中を見渡してもここ、シエドラにしかないという。
 美醜の観点で言えば、牝獺たちは皆、どの種族の目から見ても美しく、可愛らしかった。高級な布
の生地を思わせる手触りのいい毛皮に包まれた全裸の牝獺は、大き過ぎない形のいい乳房と滑らかな
体のラインが男の劣情を誘うシルエットを描いている。お腹側の明るい灰色の毛に包まれた乳房。そ
の双丘に突き出す乳首は桃色に染まり、見る者の目を楽しませる。獺族の肉体は寿命を迎える間際ま
でほとんど衰えることがない。そのため牝獺の性器は、いつでも締りが良く、瑞々しいと評判だった。
 何より人気なのは、犯されるときに彼女たちが漏らす、高く響く歌声のような鳴き声だった。苦し
さと惨めさに嘆き叫ぶ牝獺の声は、公用語を話す種族の男たちには、喜んでいるように聞こえるらし
い。命の保証をされたうえに、快楽まで与えられているこの街の獺は幸せなのだ、とまで言われてい
た。
 獺族は見付け次第、殺さなければならないというのが、世界に住む全種族間での協定であったが、
シエドラだけは、特例として牝獺を生け捕りにしてよいことになっていた。
 ここでは、全裸の獺が街の至る所に繋がれていて、一日中、男たちの性欲処理用として自由に使え
る。女性に年に1~2度の発情期しかない種族にとっては、これほど便利なものはない。その噂が街
を訪れた人々を通して伝わり、人を呼び寄せ、交易はますます盛んになっていく。

 牝獺たちを繋いでいる鎖を外す鍵を自由に持ち出せるのは、ウォレンが狼族だからだ。彼らが街を
統括する傍ら、牝獺の管理を任されているのは明らかだったが、"おつとめ"というのは単なるウォレン
の趣味ではないのか、とルルカは思うことがある。
(だって、おかしいよ……。ウォレンは私ばかり連れ回してるみたいだし……)
 ウォレンが街をふらふらしている姿を、ルルカはいつも見かけていた。街を管理する重要な職に就
いているらしい他の狼族と違って、彼は権力を盾に好き勝手しているだけではないかと思う。
 ルルカは一度、いつもの意地悪の仕返しに、殴られることを覚悟で聞いてみたことがある。
「ウォレンは、何の仕事をしているの?」
「自警団だ」
「なんなの、それ? それって結局─」
 街を行き交う人の会話から聞き取った言葉。職を持たずに、調子のいいことを言って誰かの世話に
なりながらその日暮らしをしている連中のことを、ルルカは思い浮かべた。
「"遊び人"っていうんでしょう?」
 口にしてすぐにルルカは後悔した。下手に怒りを買えば、あの恐ろしい毒針を打たれるかもしれな
いことをルルカは思い出し、目を閉じて覚悟を決めた。
 しかしウォレンは、怒るどころか可笑しさを堪えた様子で、「まあ、そんなところだ」と返した。
「ウォレンもあの……毒針を持っているの?」
 先に確かめておけばよかったと思いながら、恐る恐る聞いてみる。
「当然だ。俺にこれを使わせるんじゃないぞ─」



548:かわうそルルカ 4-6/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/23 01:50:15.43 Iq4mXCNF
 その後もルルカは、ウォレンの気紛れでこうして"おつとめ"に連れ出されている。
「今日はどっちへ行くの?」
「街の北端に、行商が泊まっている宿がある」
「方向が逆じゃないの……」
 ルルカは大きくため息をついた。ウォレンはいつも、目的地に真っ直ぐ向かわず、必ず寄り道をす
るのだ。
「疲れたら四つ足で歩いてもいいぞ」
 それは譲歩のように聞こえるが、実際には強要だとルルカは思う。少なくとも、彼は親切心で言っ
ているのではないだろう。
(……見たいんでしょう?)
 ルルカは前足をぺたんと地面に着けた。細長い獺の胴を弓なりにして、長い尾は先ほどよりも高く、
真上に掲げた。こうすれば、肛門が丸見えなのは当然のこと、可愛らしい丸いお尻の双丘の間に、淫
らな汁を滴らせた赤い肉の花が飛び出して見える。お尻を揺すって四つ足で歩くルルカの股間で性器
が艶めかしく形を変える様を、後ろから眺めようというのがウォレンの魂胆に違いない。
 裸の体を─、乳房や性器を好色の目で見られるのには慣れていた。それでもルルカの胸が締め付
けられるのは、ウォレンがこの街で唯一、言葉を交わせる相手であるからだ。彼にだけはどうしても、
この恥ずかしい姿を見られるのが嫌だった。

「足元をよく見てみろ」
(えっ……?)
 ウォレンの突然の言葉に戸惑いながら、ルルカは指示に従った。
「あっ、石畳の色がここから変わってる……」
 そうだ、とウォレンは言った。
「ここ、リオン通りは街で一番低い位置にある。
 その先が、いつだったか教えたシェス地区。
 あっちの住居は新しいだろう?
 街が設計された時代には、おそらくここには建物はなかった。
 何か意味があるんだろうな」
「そう……、だね……」
 ルルカの気を紛らわせようとしてくれているのかもしれないが、自分では決して自由に歩くことの
できない街の様子を教えられることは、ルルカにしてみれば、やはりこれも意地悪をされているとし
か思えない。悲しさを堪えながら、彼に調子を合わせる。そして、小さな抗議の意味を込めて、ルルカ
は繋がれた鎖をぴんと引いて、先へ急ぐようウォレンを促した。

 ルルカとウォレンは、その居住区に足を踏み入れた。昼間のシェス地区には、広場ほどではないが、
多くの人の姿がある。通りで遊んでいた子供たちが、ルルカの姿に目を留め、駆け寄ってきた。普段
は牝獺が繋がれている辺りには近寄らないように言われている子供たちは、こうして獺を見掛けると
大喜びで近寄ってくる。ルルカはたちまち、四~五人の異種族の子供に囲まれた。
 ウォレンが鎖を引いてルルカに愛想よくするように合図する。ルルカは二本足で立ち上がった。
ルルカの顔より少し低い位置に、異種族の子供たちの顔があった。馬族の少年、豹族、硬く尖った毛
の針鼠族、ルルカの背丈より少し小さいくらいの彼らは好奇心いっぱいの目をルルカに向けている。
 一人が、「よしよし」と言ってルルカの頭を撫でる。嫌な気はしなかった。
「大きなおっぱいー」
「可愛いね。これが獺?」
 子供たちにとっては、言葉の話せない牝獺は可愛らしい家畜の一種という扱いなのだ。その獺が股
間から垂れ流している愛液の意味も知らない。純真な子供たちに体のあちこちを触られ、ルルカは何
故だか、優しい気持ちになる。ラッドヤートでの生活が続いていたら、ルルカもいつかきっと、子供
を産み、育てていたのだろう。
 広場を、大きなお腹を抱えて歩く女性の姿を見掛けることがあった。その近くには必ず同族の男性
が居て、二人は幸せそうに見えた。体の中に精液を流し込まれる、自分にとっては苦痛でしかない行
為が、同じ種族なら愛情を育むためのものになるのではないか、とルルカは思い始めていた。
(同じ種族同士なら、あんなに辛いものじゃないのかな?
 それとも、女性はみんな痛い思いをして母親にならなきゃならないのかな……)
 いずれはこの子たちも街の大人たちと同様に獺族を憎むようになるのだろうと思うと、ルルカはま
た憂鬱になった。
 移り気な子供たちは、また別の何かを見付け、わっと声を上げて走り去っていく。
 取り残されたルルカは、ウォレンの顔をちらりと窺うと、再び四つ足になって歩き出そうとした。



549:かわうそルルカ 4-7/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/23 01:51:14.84 Iq4mXCNF
「ねえ、何でそれ、ぶら下げて運ばないの?」
 突然の声に、ルルカは思わず顔を伏せてしまう。自分と同じ、女性の声だ。
 ウォレンが叱咤するように鎖を引く合図で、ルルカはおずおずと顔を上げ、立ち上がり、両手両足
を軽く開いた開帳のポーズを取る。いつも男性ばかりに挨拶をしていたルルカは、女性が相手のとき
もシエドラの牝獺の心得を忘れてはいけないのだと初めて知らされた。
 近付いてきた狐族の女性の姿に一瞬見惚れたルルカを、すぐに激しい羞恥心が包む。
 淡い赤茶色の毛並も美しいが、長い布を体に巻き付けたような民族衣装は、原色の糸を織り込んで
いて、露出した白いお腹の臍のあたりと手足の先の毛皮とのコントラストがいっそう、彼女を麗しく
見せていた。
 帯のような衣装の胸の部分は、形が崩れないような巻き方をしてあり、それがルルカにはとても羨
ましい。あれなら、自分みたいに歩くときに乳房がみっともなく揺れたりしないで済むだろう。
 同じ女性でありながら、その装いのあまりの違いにルルカは愕然とした。
 裸であるばかりではない。ルルカは、丸出しの股間から、淫らな液体を滴らせている。狐の女性は
腰に布を巻いて恥部を隠しているが、同じ衣装をルルカが身に付けたら、あっという間に恥ずかしい
汁で布地をべとべとにしてしまうだろう。
 女性の視線がルルカの頭から足の先までをゆっくりとなぞった。ルルカは恥ずかしさで消え入りそ
うになる。同性に発情した牝の裸の姿を見られるのはあまりにも惨めだった。

「散歩でもさせてるの? 獺には運動は充分足りてるでしょう?
 運動というか、……あれだけど」
 当然のことながら、女性はルルカにではなく、ウォレンに話しかけていた。獺族には言葉が通じな
いと彼女が思っているから、とは分かっていても、あからさまに存在を無視されるのは悔しい。人々
は、厳格で顔つきも恐ろしげな狼族の顔色を窺い、接触を避けるものであるが、ウォレンは別だ。
ルルカには軽薄に見えるウォレンの態度は、人当りの良さを感じさせるのかもしれない。こうして誰
かが声をかけてくることは珍しくなかった。
(あれ? どうしてだろう……。ウォレンが誰と話そうと、私には関係ないのに……)
 ウォレンに対する親しげな女性の態度に、嫉妬のようなものを感じ、ルルカは戸惑った。



550:かわうそルルカ 4-8/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/23 02:04:30.72 Iq4mXCNF
「これって年中、発情しているの?」
 狐族の女性は、ルルカの股間に長く突き出した鼻を近付けて言った。
「長い間、体を水で冷やさずに過ごした獺族の娘はこうなるんだ。
 それと、儀式の効果だな。狼族の─」
「娘って……!?」
 女性は驚いたような声を上げ、くすくすと笑った。ウォレンが牝獺のことを人間並みに扱って言う
のが可笑しいらしい。
「"これ"の餌はどうしてるの?
 夜中もずっと……あれ、やってるんでしょ。いつ食べるの?」
「給餌係が巡回してる。一日に五回、小分けして与えるんだ。
 ペニスを受け入れながらでも、食べることはできるからな」
「ふーん」
 抑揚のはっきりしない公用語の発音なのに、ルルカはその声にはっきりと侮蔑の感情を聞き取って
いた。シエドラの女性が、牝獺たちを激しく嫌っていることをルルカは知っている。彼女たちは、徹
底してルルカたちを家畜扱いしていた。ルルカたちの存在が、女性の価値を貶めているとでも言いた
げに。
 普段は遠巻きにして揶揄するばかりで、実際の牝獺をじっくりと見る機会はほとんどない。この狐
族の女性はウォレンとの会話にかこつけて、牝獺を観察してやろうと思っているようだった。好奇の
目がルルカの隠せない裸体の上を這い回った。
 ルルカはその視線を避けるように目を閉じた。心の中で、ごめんなさい、と呟く。
 シエドラの牝獺たちが、この惨めな生き方をどれだけ恥じているか、この女性は知らないだろう。
一日中、体の内側を擦られ続ける辛さなど想像もしないだろう。子宮の入口まで、ときにはその奥底
までを掻き回す棍棒のような物体。押さえ付けようと無意識に締め付けてしまい、逆にその形と動き
を嫌というほど感じさせられる惨めさ。それが当たり前の感覚になってしまっていて、挿入されてい
ないと体が牡の性器を求めて疼くのだという事情を、この女性の狐は知らない。
「私たちって発情してもこんなにならないよね……」
 ルルカが腰を小刻みに揺らし、股間から愛液を滴らせている姿を見て、狐族の女性は独り言のよう
に呟いた。ルルカは無意識のうちに体が動いていたことにはっと気付く。目を開くと、女性の蔑むよ
うな視線がルルカの瞳に突き刺さっていた。
「信じられない。恥ずかしくないの?」
 女性は身を屈め、ルルカの体の前面に開いた赤い花びらのような性器を凝視して言った。
 思わず弁解の言葉を口に出してしまいそうになったルルカの性器に、いきなり指が突っ込まれた。
(ああっ!)
 ウォレンが鎖を短く詰めて引き上げていたため、ルルカは身を捩って避けることもできなかった。
ルルカの性器は、何の抵抗もなく女性の指を根本まで飲み込んでいた。中に溜まっていた、洗い流し
損ねたアンテロープたちの精液とルルカの愛液が混ざった液体が、ぷちゅっと音を立てて飛び出し、
狐の女性はうわっと叫んで指を引き抜いた。
「やだ、きたないっ!」
 女性が振り払う液体から、ムッとするような臭いが漂ってくる。いつも繋がれている辺りでは嗅覚
が麻痺してしまって感じないその臭いは、特に草食獣の精液には付き物の強い臭気だ。
(だから、もう少し体を清めさせて欲しかったのに……)
 ルルカのそのウォレンに対する苦言は、的外れとも言える。例えそれがルルカ自身の体から滲み出
た液体だけだったとしても、さほど事情は変わらなかっただろう。これまで幾度となくルルカの中に
流し込まれた、様々な種族の大量の精液の臭いが、入り交じってルルカの体の奥底にまで染み付いて
しまっているのだから。牡たちの排泄行為に体を使われるというのは、つまりこういうことなのだと、
ルルカは思い知らされていた。
 怒りを露わにする狐族の女性に、ルルカは獺の言葉で『ごめんなさい、ごめんなさい』と繰り返し
た。ウォレンが狐族の女性に同調するでもなく、ルルカを擁護することもなく、ただ黙っているだけ
なのが、ルルカにはまた悲しかった。



551:かわうそルルカ 4-9/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/23 02:05:53.65 Iq4mXCNF
 シェス地区を抜けると、ウォレンは、高台へ登る石段を横切って街を南北に結ぶ回廊へとルルカを
誘導した。
 人の目が無くなると、ルルカは声をあげて泣いた。
 嘆いても、発情した体の疼きが止まるわけではない。ウォレンも普段と何も変わらない様子で、
ルルカを歩かせ続けた。
(酷いよ……、ウォレン……)
 ルルカはなおも愛液を股間に滲ませながら、よたよたと歩き続けた。
 一時間ほどして、回廊の北端に辿り着く。ようやく気分も落ち着き、泣き止んだルルカは、立ち止
まり、振り返った。
「ウォレン……」
「何だ?」
 無駄だと思いつつ、お願いをしてみる。
「これからは他の人たちのように、ぶら下げて運んで欲しいの……」
 先ほどの狐族の女性が最初にウォレンに問い掛けたのは、このことだ。牝獺の胸に嵌められた金属
環は、そうやって牝獺を運ぶために着けられているものでもあった。体の小さい牝獺は、男たちの腕
なら軽々と持ち上げることができる。しかし、ウォレンだけは一度もルルカをそうして運んだことが
無かった。
 ぶら下げてもらえれば、さっきのような恥ずかしい思いをしなくて済む─。

(えっ?)
 ウォレンが黙って金属環を掴み、ルルカの体を持ち上げた。ルルカは驚いたが、彼女の望みにこの
狼が応えたわけではないとすぐに気付いた。
「あれが見えるか?」
 ウォレンがルルカの体を浮かせたのは、獺の背丈では届かない塀の向こうを見せるためだった。高
台の中腹にあるこの回廊からは、シエドラを囲む壁の外側の景色が一望できる。
 遠くに山脈があるのが霞んで見えた。その山と山が途切れた位置に、距離感がおかしくなりそうな、
巨大な石の壁があった。
(まさか、あれは……)
 武者震いが起きた。初めて見るものなのに、それが何なのか、ルルカにはすぐに分かった。獺の血
がそれを知っている。獺族にしか作れない石の建造物─。
「ダム……」
 ウォレンは少し驚いたような素振りで「知っていたのか」とルルカに聞いた。
「昔、聞いたことがあるだけなの。見るのは初めて……」
「そうか」
 ウォレンはルルカを塀の上に立たせた。ルルカが落ちないようにしっかりと体を抱えるウォレンの
顔がルルカの顔のすぐ傍にあった。
「あれがダム─、獺族の作った水瓶だ。
 数百年前の干ばつで、地表から水源のほとんどが消えた。
 残った河川の流れを集められるだけ集めたのがあのダムだ」
「あれは……」
「あれは、かつて獺族が建設したものだと言われている。
 あれのおかげで、この街の水が枯れる恐れはない。
 これほど憎んでいる種族の遺産に頼らねばならないというのは皮肉だがな」
 シエドラだけが獺を生かしたままにしておけるのも、あれがあるからだ、とウォレンは言った。ダ
ムから視線を逸らし横を向くと、ウォレンの真紅の瞳が、ルルカを見詰めていた。普段と変わらない
はずのその表情は、ルルカの目には穏やかなものに見えた。
 ルルカはどきっとする。
「ウォレン……」
「ずっと聞きたかったんだろう?」
 ウォレンは、獺族について、街に残っている古い記録を調べてきたのだと言った。


552:かわうそルルカ 4-10/10 ◆q6hKEmO86U
12/04/23 02:06:33.28 Iq4mXCNF
「数百年前に起こったという大干ばつ、それは知っているだろう?
 それ以前の世界は、人の住む土地は全て河川と湿原に囲まれ、
 水中での活動に長けた獺族こそが、世界の支配者だったんだ」
 ルルカには、信じられないことだった。森に隠れ住み、獺狩りに怯えて逃げ回っていたこと、そし
て今の自分の性奴隷の立場も、獺族が体格も身体能力も他種族に及ばない劣等種であることを物語っ
ているとしか思えなかったからだ。
 ウォレンの説明によると、獺たちは水中での活動に適した独特の衣装と武具を携えており、その運
動能力を最大に発揮できる場に限って、彼らは優位を保てたということだ。彼ら以外の種族はその圧
政の前に屈し、資源の流通を妨げられ、ある種族は飢え、ある種族は戦いを挑み、滅ぼされた。
「しかし、干ばつが獺族の運命を変えた。水が無ければ、彼らは能力を発揮できない。
 積年の恨みを晴らすべく、各種族は獺たちを追い詰め、殺していった」
「その恨みが、今も続いているの……?」
「レドラの街─。ここと同じような雑多な民族の集まる栄えた街だったという。
 レドラは、獺族の手で一夜にして滅ぼされた。今ではどこにあったのかも分からない。
 幻のように、消えてしまったのさ。
 記録は何も残っていない。
 それでも人々は……、忘れないんだ。憎しみの記憶だけはな」
 獺族を排除し、交易の発達した世界が生まれた。水は相変わらず各地で枯渇しているが、衣類も食
べ物も薬も、今では自由に手に入る。獺族は長い歴史の中で間接的に何百、何千万という人々を殺し
てきた。報いを受けるのは当然だろう、とウォレンは言った。
「でも……」
 自分が罪深き種族の末裔なのだと改めて知らされたうえで、ルルカの中にひとつの疑問が消えずに
残る。
「何故、獺族はそんなことをしたの?」
 ウォレンは、ふうっとため息をつくと、記録に残ってないんだ、と繰り返した。

 もう少しウォレンに話を聞きたい、と思ったが、ウォレンはルルカの体をひょいと塀の上から降ろ
してしまった。人通りを避けて荷物を運ぶ馬車が、回廊を通過していた。ウォレンにお尻をつつかれ、
ルルカはまたよろよろと歩き始めた。仕方のないことだ。ウォレンとの会話を誰かに聞かれるわけに
はいかない。
 長い石段を降りると、雑踏の中に出た。以前、通ったことがある場所だとルルカは思った。近くに
市場があるはずだ。物売りの叫ぶ声が聞こえてくる。このあたりはシエドラの北端にあたる。今日の
目的地は近かった。
 いつもなら憂鬱になるはずのルルカの足取りは、少しだけ、軽い。
(ウォレン─、
 今度ばかりは期待を裏切らないよね。
 私のためにわざわざ調べてくれたんだよね……?)
 ウォレンがどういう風の吹き回しで話をしてくれたのか分からないが、ルルカは彼に何かお返しを
しなければ、と思った。それはきっと、今日の"おつとめ"をしっかりこなすことで果たせるはずだ。
そしてその後、ウォレンに抱かれるときにも─。
(いったい、どのようにしたらウォレンは喜んでくれるだろう?
 でも……、あれっ?)
 ルルカは生まれて初めて、自ら交尾を望んでいることに気付き、不思議な気持ちになった。


553: ◆q6hKEmO86U
12/04/23 02:09:44.14 Iq4mXCNF
以上です。

次回、かわうそルルカの生活 第五話は、サブタイトル『もう一人のルルカ』

荒々しい北方の種族に蹂躙されるルルカ。
(─ルルカ、見るな!)
青い衣装の狼族が連れてきた牝獺は、近い未来のルルカの姿─

みたいな感じでお送りします。お楽しみに。

554:名無しさん@ピンキー
12/04/26 19:39:33.08 o75PYzSe
ルルカたん…
頑張った子にはごほうびがあるんだよな?幸せになって欲しい

555:名無しさん@ピンキー
12/04/26 21:39:14.24 xrFu4UZ3
>>553
>青い衣装の狼族が連れてきた牝獺は、近い未来のルルカの姿─
らめぇ! ルルカたんの心折れちゃうぅぅぅぅぅ!!

556:名無しさん@ピンキー
12/04/29 00:25:15.53 WZOk71za
ごほうび?
甘ったれたケモノにはお仕置きとしつけが必要だな!!!

557:名無しさん@ピンキー
12/04/29 00:30:12.48 WZOk71za
頑張るなんて当たり前
心はボキボキに折れてしまえ

558:名無しさん@ピンキー
12/04/29 00:43:54.97 WZOk71za
頑張ったからなんだ?
甘えるのが好きな畜生め

559:名無しさん@ピンキー
12/04/29 22:18:29.11 i7t3jBUH
かなしいよーつらいよー可哀想だよー
でもすごく続きが気になります!
ルルカたん、がんばって

560:名無しさん@ピンキー
12/04/30 09:22:38.21 aufNQ3va
スカトロコーヒーにもすごく期待してる

561:名無しさん@ピンキー
12/04/30 22:48:45.60 veq3kFU7
>>560
美味しいコーヒーの秘密を探ろうと深夜にこっそりお店のキッチンを覗きに行った少年が
そこでお皿の上にウンチしてる店の女の子(マスター)の姿を発見した

ってところまで書いた

562:名無しさん@ピンキー
12/05/01 01:15:45.11 YmZAcvP6
読んでて昔テレビでやってた小公女を思い出したわ
理不尽な仕打ちに対して必死に耐える姿がだぶって見える

563:名無しさん@ピンキー
12/05/01 02:03:32.33 kmSY71Vv
>>561
めちゃくちゃ続きが気になるww

564:名無しさん@ピンキー
12/05/01 09:26:09.55 LwSPoBcF
>>561
マスターはジャコウネコなのかな ルアックコーヒーには興味があるが手が出せないぜ
会陰腺からも香水が採られたりと大変ですね

565:名無しさん@ピンキー
12/05/04 21:56:40.32 uQWKNbr/
>>564
ジャコウネコ! その発想はなかった。本編が楽しみだな!
今日コーヒー屋に行った時、思い出し笑いしちまったので来たw

566:名無しさん@ピンキー
12/05/05 06:20:16.99 Fp/67935
今更だがマイリトルポニーに興味を持った
日本でも放送してくれないかな
普段は日本語で歌は英語で放送希望

567:名無しさん@ピンキー
12/05/06 04:19:36.35 hVPTdDqO
テスト

568:名無しさん@ピンキー
12/05/12 05:57:39.24 EfG8PNNL
モフりたいが暑くなってくる時期

569:名無しさん@ピンキー
12/05/12 19:24:34.73 kUoG6jok
最近は寒いので問題ない

570:名無しさん@ピンキー
12/05/17 01:17:18.64 ok+G+5ww
スカトロコーヒーを楽しみに今日も保守

571:名無しさん@ピンキー
12/05/19 07:22:33.84 ePynfaCw
世界樹の迷宮の新作に新職業というかモノノフという獣人?様な種族が登場するのか
世界樹は獣人とかはパーティには入らないというイメージがあったから以外
2にペットがいたけど

572:名無しさん@ピンキー
12/05/23 14:49:57.56 I0KMS7W/
ブレード&ソウルの猫可愛過ぎだろ

573:名無しさん@ピンキー
12/05/30 02:08:27.35 wpxNZEsa
URLリンク(www.youtube.com)
「野生時代」日本語版はさすがに上がってないから今度レンタルしようと思う

574:名無しさん@ピンキー
12/05/31 20:08:25.20 vVrwZszw
猫になった主人公のケツの穴が一瞬みえるシーンがある回だっけ?
これ元々日本で放送された奴じゃなかったっけ?

575:名無しさん@ピンキー
12/05/31 20:09:13.93 vVrwZszw
ああだからレンタルか
勘違いスマン

576:名無しさん@ピンキー
12/06/10 18:15:05.81 c4KpFtVL
エロパロ板はまず落ちないとは聞くが10日書き込み無かったので一応保守
家畜TFとか見たい

577:名無しさん@ピンキー
12/06/10 19:15:21.87 ChFLDTLN
なんでTFについて違和感を感じたのかよくよく考えてみると、半虹には人間が人外に変身のTFスレがあるんだね。
なんでエロパロには無いか…と思ったら人外への変身スレがあるじゃん。

578:名無しさん@ピンキー
12/06/11 06:38:48.05 GSR5EWRm
>>577
元々こっちで獣化とかをやってたんだけどね。獣人化してやるとかそんな感じ。
後発なあっちのスレタイが「異形化」「蟲化」になってるのはその辺配慮だったはず。
まぁ、該当スレが出来たなら住み分けた方が良いのかもしれんが、
そういう風に言われると昔からの人の中には反感買う人もいるから…

579:名無しさん@ピンキー
12/06/15 23:40:23.45 ED3WOcj/
雌豚と入れ替わりたい

580:名無しさん@ピンキー
12/06/16 22:53:59.85 oJ7LKSuD
>>579
【人間⇔動物】人間と人外の入れ替わり妄想スレ
スレリンク(eroparo板)

581:名無しさん@ピンキー
12/06/17 10:27:39.04 lCtWgDQG
入れ替わりにしても、意識や魂がスッと入れ替わって終わり、ではなく
人間が動物にTFすると同時に相方の動物が徐々に人間に変化していって成り代わる
とかの方が好きかな

582:名無しさん@ピンキー
12/06/18 00:09:51.78 Y0oLlknG
一緒に閉じ込めて共同生活させて少しずつ入れ替えていくとか

583:名無しさん@ピンキー
12/06/18 20:36:37.79 Z22tVFPj
>>581
だったらなお>>580のスレに行く事を勧める
向こうは向こうでそういう勢力が弱くて
「立場入れ替えの方に占領された」なんて嘆きの声もあるし

なんてあっちだこっちだと仕切ってもつまらんから
ここは絡みスレという事で入れ替わった後に
どういう絡みにもってくかを考えた方が良いのかな

584:名無しさん@ピンキー
12/06/24 23:58:02.15 1d212y4I
入れ替わった後の絡みというと
発情期の動物と入れ替わって自分の意志とは関係なく発情
性欲に耐え切れずに自分の体に入った動物に交尾をねだる
交尾を条件に動物の言いなりになる
みたいな?

585:名無しさん@ピンキー
12/06/30 02:18:49.06 bO3TiTGT
……首から下は地井武男ェ……

586:1/2
12/07/07 11:46:51.37 cTmSE8av
"赤鬼の面"が独りでに神棚から飛び上がると、
グッ
ゆっくりとわたしの顔に近づけていった。
「いやっ…!!」
わたしは迫ってくる"赤鬼の面"から怯えながら逃げようとしたが、
しかし、
スルッ
「え?」
"赤鬼の面"がわたしの顔のすぐ傍に近づくと、
ピタッ
っとわたしの顔に張り付いてしまった。
『ぐもぉぉぉぉ(いやぁぁぁぁ)』
"赤鬼の面"が張り付いてしまったわたしは、必死になって顔を振りながら潜ったような声を上げると、
ドクン
「……」
突然心臓が激しくなると同時に少しずつ体が熱くなる。
「あっ、あんっ、ダメッ、こんな…所で…」
ドクン、ドクン、ドクン…。
激しい胸の鼓動と全身を包む熱さに耐え切れずわたしは淫らに全身を広げる。
それと同時に…
ピクッ!
「うっ!」
全身の肌、
いや、
筋肉がピンッと張り詰めたと同時に、
バリバリバリ
制服が無惨に引き裂かれ、
わたしはショーツ1枚残しただけの姿となるが、その肌はいつもの色白ではなく、燃えさかる炎のような赤胴色の柔肌をしていた。
「あんっ、あうっ、くうっ…」
人前でこんな姿を見せているのは恥ずかしい以外の何物でもない。
そう思うとより赤面が増して真紅に染まるが、そんな気持ちにかまう事なく指一本動かせず、わたしは大の字になりながら変化が進むのを見届けているしかなかった。


587:2/2
12/07/07 11:47:33.72 cTmSE8av
メキメキメキ!!
わたしの体中から骨が軋む音が響き渡ると、
ピクッ、ムクッ、ムキムキッ!
手足が少しずつ長く、太く伸びながら大きくなって行く。
ボコッモリッ
わたしの肩やお腹で筋肉が盛り上がり、見る見るそのシルエットが大きくなっていく。
全身を変化による苦痛、
そして快感が覆うと、
恥ずかしいという感情は消え去っていき、
ピクン。
「うっ!」
すでに全身の感覚が普段とは全く違うものになっている中、わたしが女である事を生理的に証明している場所も変化の流れに侵され始める。
ググッ、ムグッ、ググ…。
「あん、あうっ…ぐぐ…」
服越しにMサイズの胸の膨らみに筋肉が張り詰め、そして胸の中に引きずり込んで行く感覚が伝わる。
柔胸は膨らみを微かに残しながら胸板に押し上げられ、柔らかい胸の感覚の代わりに逞しい胸板の感覚が胸にかかる。
ムクリ。
『ああ…ああ…こ、声まで…』
喉の奥から何かが盛り上がると同時に、
"赤鬼の面"の口の上下からは牙が突き出して、本当の口のように動きだし、そこから出る声も太く低く唸るようなそして獣のような声になる。
今やわたしの姿は9割がた筋骨隆々の鬼の姿となっている。
最期に床の上に靡く黒髪が毛先まで金色に変わっていくと、
"赤鬼の面"にはめ込まれたわたしの目が金色に染まり、
グリッグリッ!
『うぐっ、うごぉっ……うぐわぁぁぁぁぁぁ!!』
わたしが頭の両側に痛みが奔ると同時にこの世のものとは思えない獣のような雄叫びを響かせると、
ベキベキッ!!
ベリッ!!!
振り乱した金色の髪の毛を掻き分けるように左右に角が突き出すと、
そこには剛毛が生えた赤い肌に微かな柔胸を残した厚い胸板と太い手足、そして頭に2本の角を生やした赤鬼がそびえ立った。

588:名無しさん@ピンキー
12/07/09 15:44:52.15 XQi4tiwk
>>586-587
懐かしい作品ですね! 祟られ屋・恭平の事件簿、大好きでしたよ!
URLリンク(www2u.biglobe.ne.jp)
続編に期待していますが……無理でしょうか……

589: ◆q6hKEmO86U
12/07/11 00:23:53.62 KbkGsykh
御無沙汰してます。なかなか書く時間が取れなくて・・・。
次はいつ頃になるかも分かりませんが、どうかお付き合いください。

かわうそルルカの生活 第五話です。
注意事項は >>442 参照。


590:かわうそルルカ 5-1/11 ◆q6hKEmO86U
12/07/11 00:25:30.54 KbkGsykh
     【5】 -もう一人のルルカ-

「ルルカ─?」
「えっ?」
 ウォレンとの交尾を頭に思い描いていたルルカは、声をかけられ、我に返った。
 ウォレンは慎重に辺りを見渡していた。ルルカが言葉を話せることを知られないよう、彼はいつも
気を配るのを忘れない。いつの間にか二人は、市場周辺の雑踏を抜け、塀に囲まれた路地を歩いてい
た。塀の上にあちこち植物の穂が飛び出して見える。
「この街外れの土地では市場に出す植物を栽培している。
 あの丈の長い草は、誰も食べないはずなんだが……」
 いつもは退屈なウォレンの解説も、今のルルカは素直に聞くことができた。
 路地の先に、日当たりの悪い居住区があった。温暖な気候のこの都市では、あえてこういった場所
を好んで住む種族も居る。
「ここで最後だ。これでお前はこの街の全ての場所を知ったことになる」
「え……?」
 そんなことのために、ウォレンはいつもルルカを自分の足で歩かせていたのだろうか。
「帰り道は分かるか?」
「えっと……、すぐ近くにギザの市場があって……、
 そう、石段を降りてこっちへ来たのと逆の方……。
 そこを左に抜けて、大通りを真っ直ぐ、街の中央まで……でしょ?」
「上出来だ」
 ルルカは自分がウォレンの問いにすらすらと答えられたことに驚いた。いつもと変わらないウォレン
の態度に、また失望させられてもおかしくないというのに、不思議と腹も立たなかった。目を閉じれ
ば、シエドラの街の構造が頭の中に浮かんでくる。ルルカは、いつだったか泉を見付けたときのよう
な、胸の高揚を感じた。
 想像の世界なら、いつも繋がれっ放しのルルカも、自由に街を歩けるのだ。思えば、他に何も考え
ることのないルルカは、広場で男たちに犯されている間、いつもウォレンと行動した記憶を繰り返し
辿っていたのだから。この街のどこに何があるか、知らず知らずのうちに覚えてしまっていてもおか
しくないだろう。
(ありがとう、ウォレン。そう、ありがとう。
 あなたがどういうつもりだったか分からないけれど─)
 ルルカが、その想いを口に出すことはなかった。目の前に、石造の宿屋があった。ウォレンは、
そっとルルカの口に手を当て、ここから先は言葉を発してはいけないと知らせるのだった。

 ウォレンはすぐ宿の中に入ろうとはしなかった。裏の洗い場へルルカを連れて行き、宿の主人に数
枚の布を持ってこさせると、愛液でべとべとになったルルカの股間を清め始めた。
 冷たい水に浸された布で何度も拭かれ、ルルカは体の熱が治まっていくように感じた。粘液の湧出
がほとんど無くなったのを確認して、ウォレンは縦長の布を濡らしてルルカの胸に当てた。
(えっ……?)
 柔らかく編まれた布は、たっぷりと水を含んだまま、ルルカの体を心地よく冷やす。ウォレンは布
の端をルルカの胸の金属環に巻き込んで固定し、胸から下、体の前面と股間を覆い、もう一方の端を
尻尾の付け根に括り付けた。
(いいの─?)
 ルルカは、振り向いて、視線でウォレンに聞く。衣服を焼かれ、一生裸で過ごすように命令された
牝獺のルルカには、裸で居ることが当たり前になり過ぎていて、逆に不安になった。体に張り付いた
布は、懐かしい獺族の衣装を思わせた。こんな身分を弁えない恰好が許されるはずがない。
 ただ、狼族のすることを咎める者も居ないだろう。
 きっとウォレンには考えがあってのことだ、とルルカは思った。狼の赤い瞳は、普段と変わらず冷
たく鋭い光を放っていたが、ルルカは初めて、その中にウォレンの意思を感じた。ウォレンはこれま
でになく険しい表情をしていたのだ。その理由は、すぐに分かった。



591:かわうそルルカ 5-2/11 ◆q6hKEmO86U
12/07/11 00:26:43.21 KbkGsykh
 古びた建物のその宿屋は、シエドラの交易の歴史の長さを感じさせるものだった。入口の戸をくぐ
ると、そこは広場の噴水池を思わせる円形の広間になっていた。建物の一階は、そのような広間がい
くつも繋がっている。個室やベッドでの就寝に慣れない種族も居る。信仰に基き、故郷を離れても日々
の儀式を執り行う種族も居る。広間はそうした旅の者たちが多目的に利用するために用意されていた。
 入ってすぐの広間に、噂に聞いた北方の行商の男たちが集まっていた。人数を数えたルルカの両手
の指はすぐ足りなくなった。十数人ほどの見たことのない姿の者たち。
 その北方の草食獣を祖先に持つ獣人は、ルルカと似た灰褐色で、密度の高い滑らかな毛皮を持って
いた。異国の情緒を演出する商売道具でもある民族衣装を脱ぎ捨て、上半身裸になり、二人の到着を
待っていた。彼らにとって、この土地は暑過ぎるのだ。大きな手のひらを広げたような形の角を生や
し、重そうな頭を揺すっている。
 男たちは、狼の前に立つ小さな獺の姿を見て歓声を上げた。「どうして裸じゃないんだ」という声
も飛んだ。
 ウォレンはルルカを引き寄せ、胸の下に手を回して抱きかかえた。ルルカは、その大きな腕が緊張
で固くなっていることに気付く。無理もない。早く牝獺を使わせろと、掴み掛らんばかりに迫る異種
族の男たちは、一人一人がウォレンに負けないほどの立派な体格の持ち主なのだ。ウォレンは興奮す
る彼らからルルカを守ろうとしていた。多数の種族の中で特に身体能力に恵まれた狼族に等しいその
肉体より、更に恐ろしいのは、彼らの巨大な角だ。ルルカはまた、草食の一族は角が大きければ大き
いほど激しく暴力的な性格の持ち主である法則を思い出した。
(何でもお見通しなんだ、ウォレンには─)
 彼ら─北の大地に生きる「馴鹿族」のこの熱狂を。ルルカの乳房や股間を布で覆ったのは、彼ら
の獣欲を少しでも抑えようという目論見があったのだ。
 ウォレンが大きく息を吸って、上半身の毛を逆立てるのを見て、男たちはぎょっとして伸ばしてい
た手を引いた。
「お楽しみは後にして、まずは持ってきた交易品などを見せてもらえないか。
 見たところ、食糧や香辛料といったものより、調度品や装飾品が多いようだ。
 そういうものを並べておく場所が市場に無い。
 我々、狼族が取り次いで買い手を探すことになっている」
 広間の周辺には、布で覆われた荷物が山積みになっていた。ウォレンの言葉に冷静さを取り戻した
男たちは車座になって座り、世間話を交えて交易品の紹介を行う運びとなった。
 ルルカは、胡坐をかいたウォレンの組んだ足の大きな太腿の上に乗せられた。布越しに股間を
ウォレンに押し付けることになったが、水に濡れた布の冷たさのおかげか、そこが今は恥ずかしい液
体を滴らせていないことが判って、ルルカはほっとした。
 ウォレンは出掛ける前の約束通り、北方に住む種族の男たちから、その土地の話を聞き出し、ルルカ
に聞かせてくれようとしているようだった。
 馴鹿族がウォレンに手渡す北方の特産品や工芸品を、彼は一つ一つ、ルルカの手に握らせた。それ
は、見たことがないものがほとんどだ。どれもが白く、表面が艶々として輝いている。細かく彫刻の
施された燭台や装身具、それは彼らの大きな角を加工して作ったものだ。
「角、か。見事なもんだ。しかし、これを作った者の角はどうなるんだ?」
 ウォレンが感心してみせる。
 それは、言葉を発するわけにはいかないルルカの気持ちの代弁でもある。
「毎年、落ちてまた生え変わるのさ。だから、材料はいくらでもある」
「便利だな。狼の牙は取ってしまったらおしまいだ」
「また生えないのか?」
「ははは、まさか」
 次に男たちが出してきたのは、凍土から掘り出した粘土を高温の窯で焼いたという陶器だった。こ
れも透き通るように白く、上薬が宝石のような光沢を与えている。シエドラでは滅多に陶器を見掛け
ないこともあって、ウォレンもその美しく輝く壺や食器を眺め、感嘆の声を上げた。
 ルルカの手に、小さなお椀が渡された。日に五度、食事を盛ってもらっているあの木製の器とほと
んど変わらない大きさのそれを見て、ルルカはため息をついた。上薬の下に、これも角の加工品と同
様、美しい模様が描かれているのだ。これに比べると自分の唯一の持ち物である木の器は随分とみす
ぼらしく思えてくる。あれはあれで丁寧に磨かれていて木目が美しいけれど、と対抗心を燃やしてみ
ることが、ルルカにできる精一杯だった。



592:かわうそルルカ 5-3/11 ◆q6hKEmO86U
12/07/11 00:27:43.59 KbkGsykh
 ウォレンとすっかり打ち解けた馴鹿族の男たちは、自分たちの種族とその生活について語り始めた。
「俺たちは、もう一つの種族と共生関係にある。
 黒く、長い毛を持った草食系の連中だ。体つきは、そうだな、俺たちとそう変りない」
「ここへは来てないのかい?」
「ははは、あいつらは俺たちより更に暑さに弱いからな。
 とてもじゃないが、耐えられんだろうよ」
(二つの種族が、共生している……?)
 馴鹿族が続けて語った内容は、ルルカに驚きを与えるものだった。
 極北の厳しい自然の中で、二つの種族は姿は違えど、よく似た生態を身に着けた。厳冬期以外の比
較的穏やかな季節に発情を迎え、妊娠しなかった場合は、数週間後にまた発情する。そうして受胎率
を高める彼らは、獺族の凋落と共に困った問題を抱えることになる。交易が盛んになり、暖かい気候
の土地から知識や資源が流れ込み、生活水準が大幅に改善された。一方であまり変わらない北方の食
糧事情の下で、彼らは出生率を抑える必要が出てきたのである。
「しかし、どちらの種族も元来、性欲は強すぎるほど強いときている。
 そこで、二つの種族は協力して、配偶者の他に異種族の交尾相手を持つようになったのさ」
 ルルカには大きな衝撃だった。
 本来、交尾は同種族で行うものだと本能的に理解していたルルカは、これまで特別だと思っていた
シエドラの牝獺以外に異種族との交尾が行われている例を初めて知った。そして彼らの口振りから分
かるのは、どちらの種族の女性もそれを歓迎しているらしい。
 ルルカは、薄々と気付いていた、交尾とは愛する者同士が行う行為であるということを、今ここで
はっきりと知らされたのだ。それゆえに一方的に性欲の捌け口にされるだけの獺族は、いっそう惨め
であるとも言える。
(愛し合っているなら─、女の人は、辛くないの? 痛くされたりしないの?)
 言葉を発するわけにはいかないルルカにはそれを確かめられないのがもどかしい。馴鹿族の言葉を
引き出すウォレンの話術に期待するしかない。
 そのウォレンは男たちの話を聞きながら、ルルカの頭に片手を乗せ、もう一方の手でゆっくりと小
さな獺の体を撫でていた。それは無意識にそうしているだけで、ウォレンは身を乗り出して馴鹿族と
の会話に熱中しているようだ。
 ああ、やっぱりね─。
 ルルカは小さく溜息をついた。話を聞き出してやると言ってたくせに、自分ばかりが楽しんでいる。
いつものウォレンだった。しかし、いつもみたいに腹が立たないのは何故だろう、とルルカは思う。
(そもそも私はウォレンの何に腹を立てていたのかな─?)
 自分たちの性について語る馴鹿族は楽しそうだった。ルルカは自分もそんな風に交尾を楽しめたら
いいいのにと思った。例えば─ウォレンと?
 ルルカはそのとんでもない発想にどきっとして、頭をぶんぶんと振った。
 たとえ今日、珍しく優しくしてもらえたといっても、ウォレンなんかと─。
 おかしな想像を振り払おうとするものの、体がかっと熱くなってくる。無造作に体を撫でるウォレン
の手の動きから意識を逸らせなくなった。濡れた布越しに、ウォレンの手が乳房に優しく触れた。狼
の大きな爪の先が腹をそっと掻いた。その感触に、ルルカは昔、母親に木のブラシで毛皮を梳いても
らったときのことを思い出す。体を撫でられるうちに、全身がどんどん熱を帯びてくる。
(気持ちいい─)
 体に触れられることが、こんなに気持ちいいことだと思ったのは初めてだった。
 これまで男たちの手には嫌悪しか感じなかったというのに、今のウォレンには、ずっとこのまま触
れていて欲しいと思った。
(やめて、そんなに触らないで。いや、止めないで……)



593:かわうそルルカ 5-4/11 ◆q6hKEmO86U
12/07/11 00:28:43.61 KbkGsykh
「それじゃあ、シエドラの牝獺の使い方を説明しよう」
 ウォレンの愛撫に身を任せ、周囲の声も耳に入らなくなっていたルルカは、はっと我に返る。
 ウォレンが胸の金属環でルルカの体を持ち上げた。体を覆っていた濡れた布が、胸の金属環からす
るりと抜かれる。ルルカは思わず、やめてと叫びそうになった。愛撫で火の点いた体が、再び淫らな
蜜を滴らせていることに気付いていたからだ。
 剥き出しになった股間を男たちの視線が刺した。ウォレンは思わず身を縮こまらせて性器を隠しそ
うになったルルカの両腕を掴んで、万歳の恰好にして吊るした。
「ほおっ」と声が上がる。
 男たちの目に、つるりとした牝獺の下腹部にはっきりと刻まれた焼き印が飛び込んだ。
 それを見て彼らがどういう感想を抱くか、もうルルカにも充分解かっている。
 狼の膝の上で好奇心に目を輝かせていた小柄な可愛らしい獣の姿はそこには無い。目の前に居るの
は、シエドラを訪れた彼らが初めて見る、生きた性欲処理器─。
 美しい流線形の体を持った牝獺の裸身が余すところなく披露され、男たちはカチカチと互いに角を
ぶつけるほど顔を近付け、その小さな獣の体の淫らな変化に見入る。
 ルルカは何度経験しても慣れない恥ずかしさに身を焼かれた。心で拒んでも、牡を求めて疼く発情
した牝の体。この後、恐ろしい凌辱劇が待っているというのに、体だけが肉欲の期待に反応し、乳首
がぎゅっと固くなって痛いほどだ。焼き印の下で花弁を広げる膣口が淫らに蠢いた。

「シエドラの街では、あちこちにこんな牝獺が繋がれている。
 交易証を発行された者なら、自由に使っていい」
 ウォレンが説明を始めた。
「牝獺の前では、たいてい誰かが順番を待っている。
 順番が来たら……、他の男の精液が気にならないというのでなければ、
 少し待ってやってくれ。
 近くにあるプールで、こいつらは自分で体を洗う。
 ただ、すぐに水から上がってこないようなら、鎖を引いて引き上げるんだ」
 ウォレンはそう言いながらルルカをいったん床に降ろし、向かい合うようにして抱きかかえた。今
にも襲いかかりそうな男たちの興奮を抑えるためだろうか。巨漢で乱暴そうな馴鹿族を恐れるルルカ
には有難い。嘆こうが喚こうが、この後犯されることに変わりはないのだが、ルルカは逞しいウォレン
の胸に顔を伏せることで、気持ちを落ち着かせようとした。
「一人一回の射精で交代だ。後はどう使おうと構わない。
 ただし、死なせないこと。交尾のできない体にしないこと。
 この禁を破った者は、街へ二度と入れない。
 口や肛門を使いたがる者も居るが、消化器系を痛めるのは獺族にとって致命的だ。
 特に罰則はないが、これも御法度だ」
 ウォレンはわざわざルルカの尻尾を持ち上げ、桃色の可愛らしい肛門を晒した。
(このために抱え直したの? 見せなくたって、言葉だけで分かることなのに……)
 男たちの口から、「使えないのか、勿体ないな」という言葉が漏れ、ウォレンも少しぎょっとした
ようだった。ルルカを抱く手に力が籠る。肛門を使った性交渉をタブー視する種族も多いが、馴鹿族
には避妊の手段として使われてきた歴史から、抵抗が無いのだろう。そんな事情はともかく、ルルカ
にとっては恐怖でしかない。膣と違って慣らされてもいない場所に凶悪なサイズのペニスをねじ込ま
れるときの痛みを想像しただけで身が震えた。牡を受け入れるようにはできていない獺の腸はあっと
いう間に傷付き、ルルカは血を撒き散らして悶え苦しむことになるだろう。ウォレンを見上げ、もっ
と強く咎めるように目で訴えた。しかし、ウォレンがそれに応える素振りは無かった。



594:かわうそルルカ 5-5/11 ◆q6hKEmO86U
12/07/11 00:29:43.71 KbkGsykh
「獺の方から体に触らせないようにすること。
 言葉は通じないから、そうやって身分が違うことを教えるんだ」
「……もし、獺が言うことを聞かなかったら?」
 男たちから質問が飛んだ。
 その答えを、ルルカは嫌というほど知っている。
「多少、痛めつけても構わない。
 そして、シエドラの住人は皆、規則で毒針を持ち歩いている。
 声をかければ、獺を懲らしめてくれる。
 獺に大きな苦痛を与える毒だ」
 ルルカはまだ毒を打たれたことはなかったが、儀式のときに見てその効果は分かっている。交尾の
興奮に我を忘れた男たちに理屈は通じない。規則で命の保証はされていても、ルルカを利用する男た
ちは、気に食わないことがあるとすぐルルカを殴った。

「今日は街で一番人気の獺を連れてきたんだ」
 悲惨な日常を思い起こし、意気消沈していたルルカは、ウォレンのその言葉に飛びあがりそうにな
った。
(えっ? そうなんだ、私……?)
 そんな風に言われたのは初めてだった。そもそも、ウォレンがこんな風に丁寧に解説をしていたこ
とはこれまで無かったような気がする。いや、憂鬱な"おつとめ"を前にルルカがふてくされて耳を傾
けようとしていなかっただけなのか。
 ウォレンが言っているのは、いつもと同じ、シエドラの設備の一つである性欲処理の道具について
の説明に過ぎない。そうに違いないとルルカは思う。それでも、心臓がドキドキと脈打って止まらな
い。
「人通りが多いところに繋がれている牝獺ほど人気があると思っていい。
 体つきや声の可愛らしさで、繋ぐ場所を決めるんだ。
 その分、使おうと思えば、行列の後ろで待つことになる。
 手っ取り早く、性欲を満たしたければ、街の外れへ行くといい」
 ウォレンは、ルルカを床に降ろして立たせると、「ほら、挨拶しろ」と頭を叩いた。
(挨拶……ね)
 ルルカは、言葉が分からない振りをして、いつものポーズを取る。小さな腕を左右に広げ、体の後
ろ側へ反らすと、胸の膨らみが前方へ押し出され、強調される。軽く足を開き、尻尾を精一杯持ち上
げ、股間と肛門を晒す恥ずかしい挨拶の姿勢を取った。
 ウォレンは、よくできた、と言わんばかりに頭を軽く撫で、今度は男たちに乳房や性器がよく見え
るように正面を向けた形で、改めてルルカの体を持ち上げた。大きな腕を乳房の下から支えるように
回し、片側の乳房を手のひらで包むようにして、ウォレンはルルカの体を自分の胸にぎゅっと押し付
ける。完全に宙に浮いたルルカは、されるがままに、足と尾を脱力させ、だらんと垂らした。閉じ気
味に尾に後ろ足を添わせても、恥ずかしい部分は隠せない。背中と尾を一直線になるように抱えられ
ると、腰を前に突き出したようになる体つきの獺の場合、性器も、肛門も正面から丸見えになる。
「この娘のおっぱいはすごくきれいな形をしている。
 見た目も、触り心地も、最高だ。
 人気がある理由が分かるだろう?」
 抑揚に乏しい公用語のウォレンの言葉が、ルルカの耳には少し自慢をしているような調子に聞こえ
た。もしかして、いつもルルカが乳房の形を気にして、胸環で潰されて崩れないように頑張っている
ことに、ウォレンは気付いているのだろうか。



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