【友達≦】幼馴染み萌えスレ21章【<恋人】 at EROPARO 【友達≦】幼馴染み萌えスレ21章【<恋人】 - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト617:ほとり歳時記 11/03/25 23:54:22.59 htYwvR3R 周囲からの評価は『変人』だということに気付いたのはいつのことだったか。 いつも本を、それも流行り物ではない物を好んで読みふけるのが、周囲には奇異にうつるらしかった。 そもそも神流の家系はその昔骨董を商い一財産稼いでいただけあり、みんな古い物や本が好みなのだった。 同じ町内の外れに住む大叔父などは良い例だ。 在野の民俗学者と言えば聞こえは良いが、ほとんど世捨て人の道楽者だ。 次の台風で吹き飛んでしまいそうな古い家に一人で住む善治爺さんは、いつも本の山に埋もれていた。 変人ぞろいの本家の中でも極めつけの変人だったけれど、俺は善治爺さんの小難しい話を聞くのが好きだった。 そんな神流の家の中で、ウチの親父はごく珍しい人だった。 他の兄弟が骨董やら書やらを扱ったりする中で、一人公務員の道を選んだのだから。 そのせいか親父は本家の人たちと折り合いがよくない。 その息子の俺は、しっかり神流の家らしい人間に育っているのだから皮肉なものだ。 小難しい話といえば、隣に住むほとりの親父さんも外せない。 どこかの製薬会社の研究室に勤めている人だが、俺みたいな子供の言うこともバカにせず聞いてくれた。 口は悪いけれど面白い人で、ほとりと一緒によく屁理屈をこねて遊んだものだ。 呑気な親父と、竹を割ったような性格のほとりの親父さんは昔からの友人であるらしい。 まるで性格が違うのにどうして馬が合うのか親父達二人は、息子の俺と、娘のほとりをよく遊びに連れ出してくれた。 確かあれは十一歳の夏休みだったと思う。 ほとりが俺を連れ出さなくなった頃の話だから、多分そうだ。 キャンプを張りにどこかの山へ行ったことがある。 何かと心配性な親父はごてごてと荷物を大量に用意していた。 けれど道具だけは一丁前の俺達一行は、それを使う技術がなかった。 どうにかこうにか不恰好ながらテントらしきものを張ったところで日が暮れて、隣でほとり達が笑いを堪えていた。 あんまりな展開だったが、俺も親父も妙なテンションで夕食に挑みかかっていた。 けれど食事全般母さんに頼りっきりの親父が、初めて包丁を持つところを目の当たりにした俺はふと我に返り、思わずほとり達に助けを求めていた。 あの時のほとりの得意そうな笑みを、俺は一生忘れない。 「もうしょうがないなあ」 なんて言葉を何度も楽しそうに口にして、ほとりは小学生ながら危なげなくカレーを作ってくれた。 その間俺も親父二人もほとりの小間使いだ。 やれ水が足りないだの火が弱いだの、ほとりはにこにこと俺達を使い倒した。 ほとりが得意そうに俺に何かを言うのはしばらくぶりだったので、なんだか妙な気持ちになった。 今もあまり変わらない。そのうち立場を逆転させてやろうと思っているが、ほとりはまったくその隙がない。 ついでに言えば、ほとりのカレーはとても旨かった。 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch