【友達≦】幼馴染み萌えスレ21章【<恋人】 at EROPARO 【友達≦】幼馴染み萌えスレ21章【<恋人】 - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト618:ほとり歳時記 11/03/25 23:56:27.45 htYwvR3R 親父とほとりの話をするなら、小学生六年の時のバレンタインも外せない。 どうやらほとりの初恋はウチの親父だったらしく、随分手の込んだチョコレートを寄越してきたことがあった。 身長もあって、優しくて、知的な雰囲気がよかったのかしらねえ、と母さんが楽しそうにしていて俺は何とも複雑な気分になった。 おっとりした母さんと年の離れた兄貴は他人事みたいにほとりをつまみに談笑していて、俺はなんだか無性に腹が立ったのを憶えている。 文句にならない文句をぶつけると、母さんは優しそうに微笑んで 「お父さんがモテるのは、わりと嬉しいものよ」 と大人の余裕をみせていて、俺はますます惨めな気分になった。 もちろん親父は受け取るだけは受け取ったもののしっかりお断りをしていた。 いつもならわんわん泣くほとりだったが、その時は「そうですか」と静かに答えて綺麗なお辞儀を一つ残して帰っていった。 何となく気になった俺は後を追いかけてしまった。 川原まで一目散に走ったほとりは、そこで大きな声で上を向いてあるこうを歌い始めた。 何かの宣伝で覚えたらしい古い歌謡曲を歌う女の子を、散歩中のおじいさんが楽しそうに眺めていたのが妙に印象に残っている。 俺は転げ落ちるように川原を駆け下りると、ほとりの隣で俺も下手くそな上を向いて歩こうを歌った。 声が枯れるまで上を向いて歩こうを歌うと、目を真っ赤にしたほとりがそれでも顔いっぱいに笑ってくれて。 俺も一番の笑顔をしてみせた。 それまで小学生らしく疎遠だった俺達は、この日からもう一度少しずつ話をしたりするようになってきた。 親父に言わせるとほとりの親父さんは強い人らしいが、いっぱい泣いた後でも笑えるほとりも強いと思った。 今思い出してみれば、あの親子はよく似ているということなのだろう。 まあつまり、俺にとっての幼なじみの女の子は、泣き虫でお転婆だけどとても強くてしっかり者なのだ。 それが、俺の州崎《すざき》ほとりだった。 ◇ 進路が同じだと聞いた時、白状すると、あたしはほっとした。 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch