11/01/22 10:21:47 GF2TryVo
「レイチェルさんっ……!」
がば、とレックスはベッドの中で身を起こした。
「あ、あれ……?」
きょろきょろとあたりを見渡す。眼前に広がるのは見慣れた光景。普段使っている宿屋の一室だ。
枕もとの時計に目をやると、夜中の3時だった。
「うぅ……僕はレイチェルさんに対してなんていう夢を……」
罪悪感に打ちひしがれながら、レックスは先ほどの夢の内容を思い出して顔を赤らめた。
昼間のことがあったとはいえ、こんな夢を見てしまうなんて修行が足りない。水浴びでもして心を鎮めよう。
そう思ってベッドの中で身を起こすと―ズボンの中に、何か湿ったような違和感。
「……ぁ」
―その後、村外れの川で夜中にこっそりパンツを洗っているところをよりによってカナヅチ妖精に目撃されてしまった哀れな少年は、当分この事件に関して妖精のセクハラを受けることとなった。
そして、うすうす自分が事の発端であることに気付いていたレイチェルは、繊細な年頃のレックスにどのように接すればいいのか本気で頭を悩ませるのだった―。
(終わり)