ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α10at EROPARO
ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α10 - 暇つぶし2ch485:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/14 20:25:44.38 4vCi6c2R
雲流れるにもチラッと出てたな、そんな工科大学の学生が
シズカを見て分解したくてたまらなくなりヨダレを垂らす奴w
純粋な工学系の機械フェチってのは、ロボ娘の外見より中身に萌えるものなのだろうか?
いい病み方してるなあって思った

486:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/14 23:00:36.65 BJIgH7kO
>>484
分解することというか、分解された状態が好きかな

このへん
URLリンク(www.nijibox3.com)
URLリンク(www.nijibox3.com)

487:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/15 10:27:02.42 RjYm+E9+
>>486
なんていうか、この状態に萌えなければ、この板の住人じゃないな(違う人いたらごめんね)
しかし、もっと整理整頓しないと、駆動部にネジがはさまってバキャっとか、ネジを一本なくしたりしそうだなw

488:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/15 12:09:28.83 hg674k6C
>>487
メンテしたら、動くたびに体の中でカラコロ音がするわけだなw
んでネジが一本行方不明

489:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/15 12:19:12.18 qTJwXrXe
>>488
分解して組み立てると、ネジが一本余る
これ、基本にして王道ナ

490:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/15 12:19:37.84 YN0PuNl6
人間に見まごうようなロボットを作る技術力があるのに
ネジなんて摩擦係数頼りの中世テクノロジーなんて使うのかよ!?

と思うんだが、まほろさんにも使われてると
いう作中の説明に不覚にも勃起した
あれはわかってるセリフだったな~

491:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/16 01:35:19.81 7ccWuwaU
>>490
結局、どれも最後は摩擦係数頼りだったりするんだが。
磁力とか、怪しくてやってられんし。

492:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/18 20:26:01.43 LqyEC0pz
>>486
どちらの子も中ががらんどうだが外骨格フレームなのだろうか?
俺は内骨格フレームのみっしり感が好きなんだが

493:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/19 17:52:31.95 cLYi2L50
モノコックボディが基本なんだろうな

494:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/24 21:49:24.68 TTBP9Fv6
磁力アンドロイド娘か

マスター「砂鉄かけていい?」
ロボ娘「死ねぇ!」

495:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/30 14:53:27.41 bE+kfkgv
半虹のスレもだけど解体とか内部バレが当然みたいな流れでどうも居心地がわるい…

496:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/30 15:07:55.20 5ixB4ohO
>>491
アダルトな快感にだって摩擦係数は重要だ

497:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/30 23:51:29.34 GwS/38+3
>>495
それ以外を書いてくれてもいいんじゃよ?
ネタでも文でも。

498:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/07/01 02:10:51.68 AM1OuzYy
>>495
自分でネタを出すしかないのじゃよ。
出すネタが無い状態で愚痴だけを言うのは
他人を追い出す悪いパターンだぜ。

499:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/07/01 02:26:47.75 RVgxSA+S
声バンク
URLリンク(www.youtube.com)

500:名無しさん@ピンキー
11/07/01 19:37:39.53 aB2Py0cp
別にメカバレに拘らなくてもロボ娘と主張する方法は他にもあるはず
イヴの時間のリングみたいな奴沢山ポップアップして
内部処理をモニタリングしてくれるロボ娘とかマジ弄り甲斐ありそうだし
ハードウェアでダメならソフトウェアに頼ればいいじゃない

501:名無しさん@ピンキー
11/07/01 20:38:44.07 9NK76KRn
無表情とか機能停止なんかももたまらんのう

502:名無しさん@ピンキー
11/07/03 00:43:55.58 RGtGM+lx
そうそう、特に普段感情豊かに振る舞ってる娘がピタッと止まるかレ○プ目になってガクンと倒れるギャップがいいんだよな

503:名無しさん@ピンキー
11/07/03 12:51:59.61 6CIgNGDF
>>502
それヤバイ

504:雲流れる果てに…10 ◆lK4rtSVAfk
11/07/05 03:50:17.76 bb4t+2cs
 単なる偵察のはずだったパトロールは、いきなりハードな銃撃戦に発展した。
 目的のマッサージ店に着いた途端、入り口にたむろっていた若い衆をシズカが張り倒したことから予定が狂ってきたのだ。
「シズカを……いかがわしい店に……スカウトした……」
 それがこのトラブルの発端であった。

 運の悪いことに、若い衆たちはカテゴリー3のサイボーグだった。
 もちろん、運が悪かったってのは僕たちじゃなく、相手のサイボーグたちの方だ。
 許可なくC3以上の改造手術を施した者は、法規上は人間と認められないことになっている。
 人を超える力と引き替えに、人としての権利を喪失し、完全に機械として扱われるのだ。
 だからアシモフの三原則に縛られてるシズカも、連中には何の遠慮もなく力を発揮できる。

 確かにシズカは業界が欲しがりそうな美少女だし、風俗嬢になれば人気が出そうに思える。
 このカブキタウンでもそこそこいい線いきそうだ。
 だが、連中は思い違いをしている。
 彼女はサービス業に就くには、奉仕の精神が致命的に欠落しているのだ。
 それに気が短すぎる。
 気に入らないからといって相手を殴り倒していては、店はアッと言う間に潰れてしまうだろう。

「シズカ、やめろ」
 僕は大事になってはかなわないと、シズカをなだめに掛かった。
 なんとなれば、今日は世界のトップレディを同行しているからだ。
 彼女、コリーン・ティラーノに掠り傷一つ負わせただけで、僕は上層部から切腹を言い渡されるだろう。
 そんな僕の心労など理解できるわけもなく、シズカは冷たく燃えている。
 コリーン嬢の出現でやる気をなくしたと思っていたが、どうやら予想とは逆の方向にギアが入ったらしい。

「シズカは…不特定多数の男を…相手にすることはない……シズカが接触を許されているのは……唯一、クローの…ペニ……」
「ワァー、ワァー、ワァー」
 天下の往来で何を言ってるんだ。
 場所柄をわきまえろ。
 いや、実のところ下ネタを口にするのなら、ここは帝都一相応しい街なのだが。

 そんな余計なやりとりをしているうちに、事態は加速度的に悪化していった。
 騒ぎを聞きつけた店の者が、わらわらと玄関先に出てきたのだ。
 ハチの巣を突いたような騒ぎとは、こういう時に使う表現だ。
 などと感心している場合じゃないのは分かってる。
 なにせ、ここのハチときたら毒針の代わりに45口径を撃ち込んでくるのだから。
 僕にとってせめてもの幸運は、大事なコリーン嬢が防弾機能を備えたRX9の中にいてくれることだった。
 と安心していたら─。

「なんですの、あなた達はっ。2人を相手にそんな大勢で……恥ずかしくありませんのっ」
 聞き覚えのあるキンキン声が、僕の真後ろから響いてきた。
 振り返ると、コリーン嬢が両手を腰に当てて仁王立ちしていた。
 お嬢は車の中にいなきゃダメでしょうが。
 僕にとっちゃ、あなたは動く迷惑に他ならないんだから。
「シニョリーナ、危ないから車の中に」
 僕はコリーン嬢にお引き取りを願おうとしたが手遅れだった。
 彼女の甲高い声が中華マフィアどもの癇に障ってしまったのだ。
 言葉は分からなくても、生意気そうな金髪女が自分たちを非難していることくらいは理解できたのであろう。
 彼らはいきなりチョカレフを引き抜くと、僕たちに突き付けてきた。

505:雲流れる果てに…10 ◆lK4rtSVAfk
11/07/05 03:51:50.91 bb4t+2cs
 そこから先は、もう滅茶苦茶だった。
 コリーン嬢は連中の銃口が自分に向くより早く、左右の太ももに吊していたベビーバレッタをぶっ放していた。
 あまりに素早かったため、抜く手もパンティも見えないほどだった。
 非力な32口径でも、眉間を正確に撃ち抜けば問題ない。
 脳みそを破壊されたC3サイボーグたちは、即座に機能を停止させた。

「ホホホホホッ、『やられる前にやれ。やられたらやり返せ』はティラーノの家訓ですの」
 お嬢は職務権限など一切ないのにもかかわらず、嬉々として2丁拳銃を連射する。
「ああっ、ホントに……もう知らんっ」
 僕はほとんどタックルするように彼女を抱き上げると、安全なRX9の陰に連れ込んだ。
 追いかけてきた弾丸が車体に当たり、ガンガンという音が響く。
 相手がロケット砲でも持ち出してこない限りはこれでひと安心だ。
 しかし、なんて気の短い女なんだ。
 マジ切れするまでに要した時間はシズカより短かったぞ。

 そのシズカはというと、弾丸をボディに浴びながら首をこちらに向けて突っ立っている。
 僕を見下ろす目が異様に冷たい。
 その時になって気付いたのだが、僕はコリーン嬢にのしかかったまま地面に伏せていたのだ。
 見ようによっては、というか、僕が無理やりお嬢を押し倒し、不埒な行為に及ぼうとしているようにしか見えない。
「うわぁっ……」
 殴られる、と思って身をすくめたが、どうも様子が変だ。
 コリーン嬢は怒るどころか、不安そうに目を逸らしてあらぬ方向を見ている。
 怒りのあまり興奮しているのか、頬や目の縁が真っ赤だ。
 そしてとうとう、あらぬことを口走り始めた。
「さ……さっさと犯しなさい。どうせ最初からこれが目的だったのでしょう?」

 へっ? 何を言ってるのかさっぱり分からない。
 ひょっとして頭でも打ったのか?
「些細な手柄を恩に着せて、浅ましくも法外な褒美を欲しがるなんて……いいから、さっさと犯しなさいっ」
 こりゃダメだ、よほど打ち所が悪かったらしい。

 僕は褒美なぞ欲しがっていないし、そんなものを頂戴する謂われもない。
 そう言えば前のレースの時、ベンに殺されかかった彼女を救ってあげたことはあったが。
 確かお礼はもう言ってもらったし、だいいち僕は今の今までそんなこと忘れていたのだ。
 それでいて「褒美」とか「犯しなさい」は常軌を逸していて訳が分からない。
 僕は助けを求めるようにシズカを見た。

 シズカは無表情のまま僕を見詰めていたが、やがて首を動かして正面に向き直った。
 そして右手を前に突き出すと、速射破壊銃をメチャクチャにぶっ放し始めた。
 突っ込こんできた中華マフィアの連中が、ボーリングのピンみたいにバタバタと倒れる。
 うわっ、いつになく問答無用だ。
 続いてシズカは片膝を地面に着けると、超小型迫撃砲をぶっ放した。
 ニーモーターの直撃を喰らった玄関が粉々に吹っ飛ぶ。
 シズカはそれに飽きたらず、今度は左手に仕込んだプラズマキャノン砲まで撃ち込んだ。
 これにはたまらず、ビル自体が爆発を起こして完全に崩落した。

 手入れどころか内定すらまだだったのに、これで捜査は終了してしまった。



「バッカもんっ。なんてことをしてくれたんだ、貴様らはっ」
 本隊に帰った僕とシズカは、隊長補佐からこっぴどく叱られた。
 町中で局地戦レベルの戦闘をやらかせば、石頭の補佐でなくても怒りたくもなるだろう。
 上層部に弁明するのは補佐の仕事だし。
 しかし彼が怒っている理由はそんなことではなかったのだ。
「あのマッサージ店は中華マフィアの主要アジトで、本日午後にロボット不法就労の容疑でガサ入れする予定だったんだ」
 そういえば、機動隊と合同で立ち入り捜査を行うとか言ってたっけ。
 コリーン嬢を僕に押し付けるための、その場逃れの嘘っぱちかと思っていたけど。

506:雲流れる果てに…10 ◆lK4rtSVAfk
11/07/05 03:53:21.59 bb4t+2cs
「お前らは、我々とゼロ機がこれまで積み上げてきた努力を水の泡にしてしまったんだぞ」
 分かってるのかと補佐が怒鳴った。
 それならそうと最初から教えてくれてたら、あんな店なんかに近づきもしなかったのに。
「待機してもらってるゼロ機の諸君に、どんな顔をして詫びればいいのかね」
 ハハハッ、どうやら本音が出たようだ。
 出世のために保身を図る補佐は、失点の全てを僕に押し付けようとしているのだ。
 いいさ、頭を下げるのは怒られるのと同じくらい慣れているから。
 たかが機動隊の一個大隊、90人に謝るくらいは造作もないことだ。
 僕がゼロ機の待機場所を尋ねようと口を開きかけたその時、背後から思ってもいなかった支援射撃が入った。

「ほぅ、では警部はクロード主任が反撃しなければよかったとおっしゃいますの?」
 ソファに座っていたコリーン嬢が割り込みをかけると、間髪入れず補佐が気を付けの姿勢をとった。
「クロード主任の活躍がなければ、真っ先に撃たれていたのは私なのですよ」
 コリーン嬢はゆっくりと立ち上がると、補佐のデスクに近づいてきた。
「えぇっ?」
 補佐は可哀相なくらい狼狽え、目を激しく泳がせる。

「それとも、なんですのっ。私が撃たれていればよかったとでもお思いですのっ?」
 コリーン嬢に睨み付けられ、補佐はガバッと絨毯に這いつくばった。
 やっすい土下座だ。
 まあ、本当に彼女が撃たれていたなら、補佐の首くらいじゃ収拾がつかなくなるところだから仕方がないか。
「本来ならば2階級特進ものの大手柄ですのに。言うに事欠いて、1人で詫びてこいとはどういう了見ですかっ?」
「平にぃっ、平にお許しをっ」
 補佐は額を床に擦りつけて詫びると、慈悲にすがるように上目遣いでコリーン嬢を見る。
 あの角度からだとパンティは丸見えになっているに違いない。
 さすがはセクハラ親父、老獪なテクニックだ。

「まぁまぁ、知らなかったとはいえ、僕たちがやっちゃったのは事実ですし。挨拶くらいしておくのが筋ですから」
 頃合いを見て、僕は補佐に助け船を出してやった。
「補佐、ゼロ機はどこで待機してるんですか?」
 それを聞くと、補佐は勢い余って僕にまで土下座してきた。
「すまんっ、助かる。隊長以下、地下2階の第3駐車場で待機中だ」
 これで一個貸しができた。


 なんて風に男気を見せた僕だったが、エレベーターで地下に降りていくうちに憂鬱になってきた。
 機動隊の隊長ってのは警視だから、階級で言えば僕より3つも上だ。
 補佐よりも一段高いところから雷が落ちてくるのだから、威力もさぞかし強烈だろう。
「よろしいですわ。先様と揉めるようなことになれば、私が説明してあげましてよ」
 コリーン嬢が腕組みしたままで不敵に笑った。
 丁重にお断りしたにも関わらず、お嬢は無理やりついてきたのだ。
 僕が不当な扱いを受ければ、即座に助け船を出すとか言って。
 もっとも話し合いで解決する気なんかハナからなさそうだけど。
 いい気なもんだ。
 お嬢の存在こそが僕を憂鬱にしている一因だってのに。
 女性、しかも美人の前で他人から叱られるのは嫌なものなのだ。
 たとえ、それが自分のカノジョじゃなくてもだ。

 そんなことなどお構いなしに、空気詠み人知らずなコリーン嬢は機動隊の隊長をぶん殴る気満々でいる。
 やっちまった張本人のシズカが、「我関せず」と涼しい顔をしているのと好対照だ。
 ああもう、こうなったら僕の怒られっぷりをとくと拝見させてやろう。
 こちとら伊達に特機隊の末席をやってるんじゃない。
 と、勢い込んで地下駐車場へと降り立った僕だったが、予想を裏切る事態に呆然とすることになった。
 騒がしい混雑ぶりを想像していたのに、駐車場はしんと静まりかえっていたのである。

507:雲流れる果てに…10 ◆lK4rtSVAfk
11/07/05 03:54:51.61 bb4t+2cs
 機動隊ってのは20代前半の巡査の集団だから、さぞ賑やかなものだろうと思っていたが。
 よほど統制が取れた部隊なのかと感心しかけたが、それも違っていた。
 なんと機動隊の装甲輸送車は見当たらず、駐車場はもぬけの殻だったのだ。
 場所を間違えたのかと思ったが、ここは第3駐車場に間違いない。
「ゼロ機のみんな、怒って帰っちゃったのかな? ハハッ」
 振り返ると、コリーン嬢が不服そうに眉を顰めていた。
 ゴロツキじゃあるまいし、なんでもかんでも暴れりゃいいってもんじゃないでしょうに。
 取り敢えずラッキーだと、ガッツポーズを取ろうとした時だった。

「貴様か? 我々の努力をふいにしてくれたバカというのは」
 背後から急に話し掛けられた僕は、アッパーカットを途中で止めたような間抜けなポーズで固まった。
 甘かった。
 やっぱり、まだいらしたのですね。

 ゆっくり振り返ると、柱の横に紺色の出動服を着た男が立っていた。
 20代半ばに見える若い男で、よく言えばワイルド系、悪く言えば粗野な感じがするが、わりとイイ男だ。
 左胸を見ると、見たこともない階級章が着いている。
 何だと思ってよく見ると、それはとんでもない代物だった。
「けっ、警視正ぇっ?」

 状況からして、この男がゼロ機の隊長だということは推察できる。
 普通、機動隊の隊長は警視なのだが、第0機動隊の隊長はその一つ上の警視正だったんだ。
 けど、どういうことだろう。
 この隊長様は見たところ25、6歳に見えるが、仮にキャリア組だとしても警視正になるのは40手前のはずだ。
 いったいどういうご身分のお方なんだとビビッていると、その隊長が口を開いた。
「全く余計なことを。せっかく秘密裏に捜査していたのに、お前たちのせいで事件を新宿署に持っていかれてしまった」
 隊長様は不機嫌そうに吐き捨てた。
 眉間に刻まれた皺の深さから察するに、かなりお怒りのようだ。

 所轄署に秘密で、本庁が独自に捜査を進めるのはよくあることである。
 今回の「中華マフィアによるサイバー規制法違反事件」も完全に隠密捜査だったのだろう。
 それが僕たちのせいで別件、すなわち僕たちに対する殺人未遂事件として、新宿署の捜査が始まってしまった。
 崩壊したあの店も捜査のため掘り起こすとかで、同署の厳重な監視下に置かれている。
 お陰で同じ警視庁職員といえども近づくことさえできない。
 縄張り争いも、こうなればマフィアやヤクザ並みだ。
 そのヤクザ理論で考えるなら、メンツを傷つけられた隊長様が怒り狂うのも無理はない。
「あそこが不穏分子のアジトだと嗅ぎつけるのに、我々がどれだけの時間と予算を費やしたと思っている」

「クローは45秒で……目標を定めた……使ったのはコーヒー代……3クレジットだけ……」
 シズカは混ぜっ返すつもりもなく、事実をありのまま述べただけだったが、それが隊長の逆鱗に触れた。
「黙れっ。自動人形の分際で、俺を侮辱すると許さんぞ」
 怒鳴りつけられたシズカはムスッとしかめっ面になったが、階級制度に異を唱えることはしなかった。

 シズカが黙ると、またも怒りの矛先が僕に向かってきた。
「さすがはグループの恥さらしだな、えぇっ? 少しは立場をわきまえるがいい」
 僕は大人しく怒られようとしているのに、シズカのせいでとんだとばっちりだ。
 それにしても警察組織全体の恥とは少々スケールがオーバーな気がする。
 もう少し控え目に、せめて警視庁─いや、特機隊の恥くらいにしてもらいたい。
 当時、事情を何も知らなかった僕は、彼の嫌味をその程度のものだと思っていた。

508:雲流れる果てに…10 ◆lK4rtSVAfk
11/07/05 03:56:21.03 bb4t+2cs
「そんなロボットをはべらかせているから調子に乗るんだ。いい気になるな、人形遣いは貴様だけの専売特許じゃないぞ」
 隊長はそう吐き捨てると、指をパチンと鳴らした。
「萌っ」
 呼び掛けに応じて柱の陰から何者かが現れた。
 先程からずっとそこに潜んでいたらしい。
「あっ」
 小柄な影が照明の下に出てきた瞬間、僕は驚きを隠せず声に出してしまった。
 それは─忘れもしない、今朝ドラッグストアで会ったばかりのゴスロリ少女だったのだ。

「お兄ちゃん」
 向こうも僕に気付いて顔をほころばせる。
 なんと、この娘がバトルドロイドだというのか。
 見た目も動きにも機械臭い部分がなく、言われるまでロボットだと気付かなかったほどだ。
 なるほど、死人メイクとはよく考えたものだ。
 死人を装うなんてのは、生者にのみ許された座興なのだから。
 彼女がわずかに残した不自然さを逆説的にカバーするのに、これ以上のカモフラージュはあるまい。

「トモエ01型、ポンタ技研製の最新型バトルドロイドだ。貴様が使ってる型落ちの中古品とは物が違うぞ」
 ゼロ機の隊長はふんぞり返って偉ぶってみせた。
 それに合わせてゴスロリ少女も貧弱な胸を反らせる。
 シズカは今朝の一件を思い出してるのか、トモエをウザそうに睨み付けている。
 それにトモエも気付き、バトルドロイド同士の睨み合いが始まる。
 見えない火花がバチバチと散った。

「なに、この中古の量産型」
 トモエはそう言いながら伸び上がり、頭頂部をシズカのおでこにぶつけた。
 鈍い音がしてシズカの首がありえない角度に曲がる。
「どこのジャンク屋から逃げ出してきたの?」
 キャハキャハ笑ってるトモエに、シズカが逆襲の頭突きを振り下ろす。
 嫌な音を立て、トモエの顔があらぬ方向へ角度を変えた。
 軽くぶつけあってるように見えるけど、衝撃を測る単位は“トン”が適切なんだろうなあ。

「先行試作機が量産型より高性能なんて……アニメに毒されたオタクの妄言……愚かなお子様には……お似合いだけど……」
 マシンというものは試作、増加試作、先行量産と段階を踏んで熟成進化していく。
 そして、いざ量産態勢に入るって時には、全ての不具合が解消されているのだ。
 だからシズカの言うとおり、決して量産機が試作機に劣るようなことはないのである。
 しかし、それは同機種間における比較の話なんだ。
 ゼロ戦の最終量産型とF14トムキャットの試作機では、勝敗の行方は明らかだ。

 ところで、90人以上いるはずの他の隊員たちは、一向に姿を見せないのだが。
 まさかと思っていたら、やっぱりそのまさかであった。
「お前のロボットを大人しくさせておけ。萌は武装機動隊一個大隊以上の働きを、たった1人でこなすのだからな」
 隊長が優越感タップリに鼻で笑った。
 つまりゼロ機というのは、警視正の隊長とゴスロリ美少女の二人っきりの部隊ってことか。

509:雲流れる果てに…10 ◆lK4rtSVAfk
11/07/05 03:57:51.40 bb4t+2cs
「お兄ちゃん可哀相だね。そんなバカと組んだばっかりに失敗しちゃって」
 トモエが軽蔑しきったような目をシズカに向ける。
 対するシズカの排気温が急激に上がっていくのが分かった。
「萌ならもっと上手くやるし、大事な聖櫃が置いてある場所を爆破したりしないよ」
 なんだって?
 あの店にはなんかお宝グッズでも眠っていたってのか?
 それを質そうと身を乗り出したところで、背後から「待った」が掛かった。

「もうその辺でよろしいでしょう。双方ともお引きなさい」
 割り込んできたのは、僕を援護するために同行してきたコリーン嬢である。
 お嬢の顔を見ると同時に、隊長の顔色が劇的に変化した。
「貴様……コリーン・ティラーノ……」
 隊長の顔に浮かんだ驚愕が、見る見るうちに怒気へと変貌していく。
 その苦虫をかみ潰したような顔が、どういうわけか僕に向けられた。

「おい、これは何の冗談だ。お前がどうしてこの女と一緒にいる?」
 先ほどのシズカに続き、今度はコリーン嬢に対する怒りが僕へと向けられたのか。
 避雷針じゃあるまいし、どうしてこの僕にだけ雷が落ちてくるんだ。
「何故って……補佐の命令で……その……」
 僕がコリーン嬢と一緒にいることで、隊長に何の不利益が生じるというのか。
 彼がお怒りになってる理由がまったく分からない。

「クロード主任は、上司から私の専属ボディーガードを命じられていますの」
 僕が戸惑っていると、コリーン嬢が後を引き継いだ。
「お久しぶりね、ナショーカ。相変わらずの山猿ぶり、滑稽ですわ」
 どういうわけか、コリーン嬢とゼロ機の隊長は旧知の仲らしい。
 でも、見たところあまり友好的な間柄ではなさそうだ。
「ナショーカ・ミナモンテス……そうそう、今は分家してキッソ家の当主でしたわね?」
 なんと、隊長はミナモンテス家の一員なのだ。

 ミナモンテスは没落したとはいえ、かつて世界の政治経済を牛耳っていた国際貴族の雄である。
 それならば、彼の人を人とも思わない傲慢な物腰も頷ける。
 そして彼がコリーン嬢と険悪なムードを漂わせているわけも理解できた。
 ミナモンテスにとって、ティラーノは不倶戴天の宿敵なのだ。

 ところで、ナショーカといえば、確か先代当主の甥に当たる大物だ。
 嫡男のモトリオ・ミナモンテスが失脚した今では、彼がお家再興を望む一族にとって頼みの綱らしい。
 そんな大物が僕と同じ警視庁の職員になっていたとは知らなかった。
 取り敢えず、治安方面から帝都の実権を掌握しようという腹なのか。
 それにしても、この若さで警視正にまで昇るのには、さぞかし功績を挙げ続けたのだろう。
 能力あってのことだろうが、モチベーションの高さには頭が下がる。
 おそらく、執念の源はティラーノに対する恨みだろう。
 それはコリーン嬢を睨んでいる彼の目を見れば一目瞭然だ。

 隊長は怒りのあまり唇を振るわせていたが、どうにか冷静さを取り戻した。
「萌っ、行くぞ」
 ナショーカ・キッソ隊長はパートナーの名を呼ぶと、サッと踵を返して立ち去っていく。
 ゴスロリ少女は慌ててその後を追おうとして、もう一度僕の方を振り返った。
「どうしてもう少し待っててくれなかったの。萌、本当はお兄ちゃんちの子になるはずだったんだよ」
 萌はそう言うと、パタパタ足音を立てて隊長の背中を追った。

 そういえばロボコップ計画が立ち上がった時、僕のパートナーは最新の国産マシンになる予定だと聞いていた。
 それが予算と時間の都合でハルトマン社製のバトルドロイドに変更されたのだ。
 今思うと、当時特機隊が獲得しようとしていたのは、ポンタの最新鋭バトルドロイド、つまりあのトモエだったのだろう。
 開発のタイミングが少し違っていれば、僕はシズカではなく、トモエとチームを組んでいたのだ。
 もし、あのゴスロリファッションの美少女がパートナーになっていたなら、今とどれだけ違った状況になっていただろう。
 色んな妄想が脳裏を掠めた。

510:雲流れる果てに…10 ◆lK4rtSVAfk
11/07/05 03:59:21.36 bb4t+2cs
 ふと我に返ると、シズカが僕を見詰めているのに気付いた。
 ダンボールに入れられた捨て犬のような─その何とも言えない悲しそうな目は、しばらく忘れられそうになかった。

「あのさ、シズカ……間違ってもゴスロリファッションだけはしないでくれよ。あんな陰気くさいのは趣味じゃないから」
 僕がそう言うと、シズカはこれまで見せたことのないような満面の笑みを浮かべた。
 いつの間にか、こんな表情もできるようになったんだ。
「分かってる……クローのロリコンは……真性じゃない……ロリ漫画が……好きなだけだから……」
 だから秘蔵コレクションの話はよせってあれほど言ってるのに。
 しかも、今はコリーン嬢の前なんだぞ。
「えぇっ、クロード主任はロリコンなんですの?」
 ほら、事情を知らないお嬢が露骨に顔をしかめているじゃないか。
「けど……仮性だから……直る……」
 そう言う問題じゃないだろ。

 バカなことを言い合っているうちに、午後5時45分の終業時間がやってきた。
 今日が日勤で本当に助かった。
 これが当番日なら、24時間も地獄が続くところだった。
 せわしない一日だったが、これでようやくお嬢のお供からも解放される。
 命の危険すら感じたお役目だったが、どうにか無事に果たせたようだ。
 さて、今日は残業も入っていないし、このまま我が家に帰るとするか。
「それじゃあシニョリーナ、僕たちはこれで。帝都の夜をお楽しみ下さい」
 解放感に浮かれた僕は、別れの挨拶として恭しく一礼してみせた。
 ところが─。

「何をおふざけになってますの? あなたは私の専属ボディーガードでしょうに」
 お嬢は額に青筋を浮き立たせた不機嫌顔になっている。
「大事な警護対象を放っておいて、いったいどちらへいらっしゃるおつもりなの」
 ピシャリと決め付けられ、僕は直立不動の姿勢をとっていた。
 そんなぁ、このお役目は勤務時間内限定じゃなかったのですか。
「うるさいですわ。公僕たるあなたには、勤務時間の内も外も関係ありませんの」
 それじゃ、公僕じゃなくて下僕だよ。

「ではこちらも譲歩して、勤務時間外は双方の上下関係を幾分緩和してあげることにしましょう」
 上下関係って、そもそもシニョリーナは僕の上司じゃないでしょう。
「クロード主任は心中でツッコミを入れる時、私のことを何て呼称してますの?」
「そんな。ツッコミなど入れません」
 僕は慌てて否定したが、心中を見透かすような冷ややかな目で見られてしまった。
「えぇっと……高貴なるコリーンさま」
「嘘おっしゃい」
「ティラーノの姫さま」
「いいえ、それも嘘」
「……デコ娘」
「あなたには聞いていませんっ」
 要らぬことを言ったシズカが、こっぴどく怒鳴りつけられる。

「さあ、怒りませんから正直に教えなさい」
 いや、たった今、目の前で怒ったばっかりだし。
 けど、言わなくても怒るだろうから、とにかく信じてみるか。
「とことん軽く、単に『お嬢』です。申し訳ありません」
「お嬢? 馴れ馴れしいけど、堅苦しくないだけマシですわ。よろしくってよ、オフに限ってはそうお呼びなさい」
 確かにフレンドリーなんだけど、こういうのは本人から強制されるもんじゃないだろうに。
 むしろ、もっと堅苦しくしてもらっていいから、オフにはちゃんと解放して欲しい。
 都知事にしてもそうだが、僕の回りには正当な権限もないのに無茶な命令を下す女が多すぎる。
 といって、それに逆らえない僕はどうしょうもなく情けないんだが。

511:雲流れる果てに…10 ◆lK4rtSVAfk
11/07/05 04:00:51.75 bb4t+2cs
「で、どうしましょう。ホテルに帰るのならお送りしますが」
 僕はふて腐れたように運転手役を買って出た。
 それがいい。
 さっさとホテルに送り届ければ、後はロビーでゆっくりできる。
 上手く行けば、そのままバックレてしまえるかもしれない。
「ホテルは取ってませんの。兄に代わっての急な視察だったもので」
 なら帝都でも有数の三つ星ホテル『ロックハラー』に連絡を入れよう。
 あそこはティラーノグループ傘下のホテルだから、予約してなくても問題ないだろう。

「ホテルなどどこの国でも似たり寄ったりで飽きましたわ」
 お嬢が気怠そうに呟いた。
 何を贅沢なことをサラッと言ってくれるのか。
 僕ら庶民には『ロックハラー』で最下等の部屋だって高嶺の花なんだぞ。
 そんな僕の憤慨など気にも止めず、我が儘なお嬢はとんでもない提案を申し出てきた。
「この国の庶民の暮らしにも興味があることですし……そうですわ、クローの家に行ってみましょう」
 待ってくれ、警視庁の独身寮なんてお嬢が来るようなところじゃないぞ。
 6畳の居間と寝室があるだけで、何の面白味もないんだから。
 しかも、いつの間にか呼び方が“クロー”になってるし。
 これにはシズカも敏感に反応して、不愉快そうに眉を顰めていた。

 なんとかお嬢の来訪を阻止しようと、僕はそれこそ考えつく限りの言い訳を弄した。
 防犯上の理由から、いもしない害虫の存在まで。
 だが、僕の言い訳も我が儘の権化には通用しなかった。
 こうなったらできるだけ粗相のないようにしなければならない。
 お嬢を怒らせて寮が取り潰されるようなことにでもなれば、僕は他の寮生たちに殺されてしまう。
 とにかくサービスしなくてはならないが、お嬢が普段どういったものを食べているのか想像もつかない。
 取り敢えず肉なら間違いないだろうから、ここは異国情緒を取り入れてシャブシャブでも用意しよう。
「了解した……帰りにスーパーに寄る……」
 ことの重大さを理解してくれたのか、シズカは怒りを収めて協力を申し出た。
 いいぞ、分かってきたじゃないか。

「で……やっぱり……パンティは……脱ぐの……?」
 ん、なんのことだ?
「シャブシャブを給仕する時には……パンティを……履いてはいけないと……いつも……」
 待てっ、僕がいつそんなセクハラまがいの命令を出したってんだ。
 オッサンじゃあるまし、何が悲しくてノーパンシャブシャブなんてしなきゃならんのだ。
 しかもなんだ、その悲しそうな半泣きの表情は。
 こいつ、僕にメイドを虐待する暴君を演じさせ、コリーン嬢に嫌われるよう仕向けてやがるな。
 いったいどこでこんな悪知恵を身に付けてきたんだ、君は。
 気が付くと、お嬢の表情が刺々しくなっていた。

 でも、様子が少しおかしい。
「わ、私も脱がなければなりませんの? けど郷に入れば郷に従え……それがマナーなら従いましょう」
 頼むから従わないでくれっ。
 絶対に後で国際問題に発展するから。
 ああ、実はこの女も天然かっ。
 下手をするとこれは戦争の引き金になりかねないぞ。
 この女がわざわざ帝都にやって来たのは僕に仕返しするためだとは分かっていたが、確かにこれ以上の嫌がらせはない。

 乳児に核ミサイルの発射ボタンを使って遊ばせるような異常な緊張感の中で、僕は走って逃げ出したい気分になっていた。

512:名無しさん@ピンキー
11/07/05 04:02:20.52 bb4t+2cs
投下終了です

513:名無しさん@ピンキー
11/07/05 07:50:44.79 PLxVKxWk
ふう・・・
ナイスワークでした

514:名無しさん@ピンキー
11/07/05 08:14:53.56 RZKXho6T
弾丸浴びつつ嫉妬してるシズカが可愛い
トモエとの本格対決はあるのかなぁ

515:名無しさん@ピンキー
11/07/05 12:30:47.58 TCQ2JYXL
木曽義仲や巴御前まで出てきていよいよ合戦の時が近づいてきたのかな

ところでお嬢は清盛の娘の徳子(とくこ)→ノリコ→コリーンのアナグラムで合ってる?

516: 忍法帖【Lv=3,xxxP】
11/07/05 13:53:07.46 h2L1OO6f
そ、そうだったのかw

517:名無しさん@ピンキー
11/07/05 15:38:50.18 /qzf8quy
敵の大将の娘なんだから徳子がモデルなんだろう
因みに「のりこ」って仮名打ってる本もある

518:名無しさん@ピンキー
11/07/05 23:21:13.60 /6ncE1ga
コリーンさん可愛いな
最後は壇ノ浦で犯られちゃうのかなあ

519:名無しさん@ピンキー
11/07/06 00:19:20.73 RduN1dkc
盛り上がってきたな

520:名無しさん@ピンキー
11/07/06 00:21:29.87 OrZlsay5
GJ!


521:名無しさん@ピンキー
11/07/06 01:10:20.67 n3DOGuji
そのうち勝手に描いてみたいがみんなのイメージもあるしなー。

522:名無しさん@ピンキー
11/07/06 01:11:44.27 uK5USBkb
いいんじゃないかな

523:名無しさん@ピンキー
11/07/06 08:06:23.04 al62hSni
炊飯器ですら受け入れる住人を見くびってもらっては困る

524:名無しさん@ピンキー
11/07/06 09:49:46.65 v72VTVh/
可愛いは正義と言う言葉があってだな、多少自身が持ってるイメージと違っても、可愛ければなんの問題もない

525:名無しさん@ピンキー
11/07/08 22:12:51.43 jLtRxoNc
投下乙です
なんかコリーンさんも主人公のことを憎からず思ってるようで、盛り上がってまいりました
トモエさんとも仲良くできればいいんですけどね~
本人(?)はともかく、マスターが犬猿の仲だからなぁ・・・

作者さんと515,517さんたちの造詣の深さにびっくり

526:名無しさん@ピンキー
11/07/12 06:47:00.41 xD3GWT+I
シャブシャブわろたwww

527:名無しさん@ピンキー
11/07/12 21:32:14.46 lPYL2Qqu
シズカが悪さをする時って、マスター秘蔵のコレクションを参考にしてるんだろ
マスターに隠れてこっそりエロコミ読み漁っている姿が萌える

528:名無しさん@ピンキー
11/07/13 14:33:19.60 Ch/7lVEx
秘蔵のエロ漫画を読みながら興奮して、こっそりオナニーしてしまうシズカ・・・

529:名無しさん@ピンキー
11/07/13 22:37:23.89 jip1Zocd
タイガー&バニーにロボ子出てたぞ
見事に鬱回になったが

530:名無しさん@ピンキー
11/07/13 23:09:40.28 Uh/xthah
あれくらい盛大に戦闘力高い娘さんは
好みだなあー

531:名無しさん@ピンキー
11/07/14 10:06:26.80 od0HBMzg
>>528
それはお腹が空くだけなんじゃないだろうか。

532:名無しさん@ピンキー
11/07/18 11:35:30.89 g5JtRab3
スニーカー文庫とか電撃文庫とかファンタジア文庫とかガガガ文庫とかの系列で
ロボ娘もののオススメって何かありますか

533:名無しさん@ピンキー
11/07/18 12:07:17.03 NduTR1Ds
世の中にはラノベという便利な言葉があるんだぜ

534:名無しさん@ピンキー
11/07/18 12:21:44.79 0iQVEyJp
量産型は伊達じゃないとか?
主人公はロボ男だけど

535:名無しさん@ピンキー
11/07/18 13:06:26.60 nBNOhLbW
テンプレ的に、コレは読んどけっていうのなら中里氏全般ってことになるな。
あとはサンダルフォンとかペイルスフィア書いてる富永作品とか……。
ラノベ全体で最近好評だったのは、雨の日のアイリスあたりか。

個人的にオススメなのは「改造人間でいこう!」。該当キャラは脇役だけど。

536:名無しさん@ピンキー
11/07/20 21:47:51.34 vVDYeYFW
コブラとかどうよ

537:名無しさん@ピンキー
11/07/21 12:41:22.38 ShExi8Xq
虎兎のロボ娘さんはドロシー嬢のスターシステムでひさびさに胸が打ち震えましたわ。やっぱドロシー嬢はええもんですなぁ。

538:名無しさん@ピンキー
11/07/21 22:24:37.76 NEKJexD0
>>532
本のサイズはちょっと大きくなるけど
「武装神姫 always together」はどうよ?

539:名無しさん@ピンキー
11/07/21 23:36:17.85 CiZWr015
そういえば講談社新書の人間なんとかってタイトルの小説にメイドロボが出てたような?

540:名無しさん@ピンキー
11/07/21 23:45:29.42 qoeCeB1X
由比ヶ浜ぷに子の事かな
あれはなかなかよいものだ

541:名無しさん@ピンキー
11/07/22 21:25:28.73 Z0T88oKo
鈴木氏の絵柄が時代と共に劣化していると思うのは目の錯覚だろうか?

【狙われた惑星】
URLリンク(www.ne.jp)
【市場最大手の侵略】
URLリンク(www.ne.jp)
【ARIEL対機娘々】
URLリンク(www.ne.jp)
【決算大戦略】
URLリンク(www.ne.jp)
【女子高生西へ】
URLリンク(www.ne.jp)
【地球防衛軍の逆襲】
URLリンク(www.ne.jp)
【8月9日の戦争】
URLリンク(www.ne.jp)
【開放前夜】
URLリンク(www.ne.jp)
【星へ続く道】
URLリンク(www.ne.jp)
【笑顔のエリアル】
URLリンク(www.ne.jp)
【世界征服しちゃうぞ】
URLリンク(www.ne.jp)
【夢見る機械人形】
URLリンク(www.ne.jp)
【続・夢見る機械人形】
URLリンク(www.ne.jp)
【スクラッパー登場】
URLリンク(www.ne.jp)

542:名無しさん@ピンキー
11/07/22 23:17:05.87 /wO6Unk/
はい

543:名無しさん@ピンキー
11/07/23 01:46:33.67 waxSNjuq
劣化してんじゃなくて周りが移り変わってんだけど変わってないだけ

544:名無しさん@ピンキー
11/07/24 07:28:24.17 H30vYFx5
エリアルさん別嬪どすなぁ。

545:名無しさん@ピンキー
11/07/24 21:35:31.85 Ejb1cKt1
日曜洋画劇場「トランスフォーマー」★6
スレリンク(liveanb板)

546:名無しさん@ピンキー
11/07/26 09:17:21.12 +M7y+UMO
エリアルみたいにメカメカしい感じだけど、おっぱいと女性器ユニットは
きちんと実装されてるなら俺得…もとい最高なんだが。

547:名無しさん@ピンキー
11/07/26 09:37:24.13 uJ015Oa2
メカメカしいおっぱい&メカメカしい女性器ユニット

548:名無しさん@ピンキー
11/07/27 23:11:17.83 oTkxq4bB
どちらかというと女性器ユニットというより局部パーツと呼んだ方がしっくりくる世代です

とはいっても、メカメカしくてもきもちよければいいかもね
表面は潤滑のためにあまりメカメカしくできないきもしますが、搾乳機のようなアプローチもありかもしれません
URLリンク(www.copipe.org)
あるいは電気信号で神経をハックして性感中枢を直接刺激するとか
URLリンク(ja.wikipedia.org)

549:名無しさん@ピンキー
11/07/27 23:14:25.18 CxJhkQTn
局ぴーつ、ですな。局ぴーつ。ヒャッヒャッヒャッ(入れ歯を見せつつ

550:名無しさん@ピンキー
11/07/27 23:35:29.13 4Rjmg0b+
ホール内に無数のベアリングを露出で組み込めばカズノコ天井が再現できるかもしれん

551:名無しさん@ピンキー
11/07/28 15:36:30.97 4T4SLASR
>>550
マスターの局部がグロいことになる予感

552:名無しさん@ピンキー
11/07/28 15:37:55.75 4kGNMW3a
>>551
じゃあ、代わりにベアクローを

553:名無しさん@ピンキー
11/07/28 15:57:04.79 PKFTQd26
>>552
ウォーズマンじゃねーか!

554:名無しさん@ピンキー
11/07/28 16:04:41.72 2qYNxkGx
コーホー・・・

555:名無しさん@ピンキー
11/07/28 20:03:17.15 x7ZjthZX
URLリンク(gurochan.net)

556:名無しさん@ピンキー
11/07/31 01:44:00.65 /4M1KBWK
グロじゃねーか!

557:名無しさん@ピンキー
11/08/06 02:56:16.66 hZVlEI/w
真っ白い空間。その中に一人の女性がいた。女性は屈んだようにして何かを設置している。
「設置完了しました」
彼女は美しい肢体を覆い隠すものは何もなく、豊満な胸も何も生えていない初心な恥丘もさらけ出している。
彼女は床に男性器状の性玩具、所謂ディルドを設置して、その前に静止していた。
『今から、実験を開始する。AR-01、開始しろ』
室内にアナウンスが響くと、AR-01と呼ばれた女性は設置したディルドに跨るような姿勢になる。
「実験を開始します――ん・・・」
彼女はそう言うと腰を深く落とした。
―セクサロイドシステム起動 システムオールグリーン―
「あっ・・・あっ・・・あっ・・・」
AR-01はどこか規則的な喘ぎ声をあげながら、リズム良く腰を振る。彼女が腰をふる度に大きな二つの乳房が上下に激しく揺れる。
一定のタイミングで上下しているように見えた彼女の腰の動きは徐々にスピードを増して行き、それに伴い、胸の動きも激しくなっていく。


558:名無しさん@ピンキー
11/08/06 02:57:32.33 hZVlEI/w
―快楽信号増加・・・性感値40%・・・50%・・・60%・・・―
彼女の内側から聞こえてくる機械的な内部音声が数字を読み上げるたび、ピストン運動の速さが比例するように増していく。
「アンッ、イイッ、アッ・・・」
床に置かれたディルドが人口女性器を往復する度に、彼女の秘部からは熱を帯びた液体が飛び散っていた。
―人工愛液、残り94、%です・・・性感値80%をオーバー―
彼女は徐々にピストン運動の速度を上げ、大量の人工愛液を周囲に撒き散らした。周りにはいくつもの小さな水溜まりが出来上がる。
割れ目内部のセンサーがディルドを捉えるたびに彼女は嬌声をあげた。
「あん!あっ!ひっ!?あひっ!あふ!ん゛っ!ん゛あっ!!」
カエルのような姿勢になって続けていたピストン運動が最高潮に達したとき、また内部音声が響く。
―股関節部モーター、回転数MAXです・・・せ、性感値95%・・・絶頂まで残り、60び、秒です―
「あっ!!?イクゥ!!!イクッ、イクッイクッ!!あ~~~!!」
彼女は最後に深く腰を落とすと、小さな痙攣を起こした。
痙攣の間も彼女の股関節からは愛液が溢れ出していた。同時に秘部からノズルが小さな駆動音を立てながら顔を出すと激しく潮をばらまいた。
そして小さな痙攣が収まったかと思うと、先ほどとは違う激しい痙攣が始まり、2、3度大きく機械的に体を震わせると、仰向けにAR-01は倒れた。


559:名無しさん@ピンキー
11/08/06 02:59:35.50 hZVlEI/w
―機体温度が許容範囲を超えました。機体温度を適温に保つために廃熱処理をおこないます―
仰向けになりながら激しい擬似呼吸を繰り返しているAR-01の体の各所がプシュ、プシュと音を立てて、継ぎ目を露にしたあと開いていった。
それぞれの乳房が外側に開き、腹部も左右に開き、他の部位もシューと音を立て、廃熱をしていた。
『次は、耐久実験だな・・・第二実験の準備をしろ』
外からのアナウンスがすると部屋の一角がドアのように開き、何人かの研究者と思しき人物が入ってきた。
研究社たちはAR-01が使用したディルドを片付け、代わりに高さ1mほどの円筒形の物体を3つキャリーで真っ白な実験室に運びこんだ。
そして、彼らは床でまだ激しい擬似呼吸をして肩を上下させているAR-01の開いた右乳房内部のパネルに壁から伸ばしてきたケーブルを繋いで、部屋を出ていった。
『ただいまより第二実験を開始する。AR-01の初期性感値を90%に設定し、何回の絶頂にCPU、及び各プロセッサが対処できるかを実験する』


560:名無しさん@ピンキー
11/08/06 03:01:26.33 hZVlEI/w
実験開始の合図とともに円筒状物体から触手のようなものが伸びてきて、AR-01の四肢を絡め取り、空中にM字開脚をさせて固定する。
残った触手がAR-01の両乳房、人工膣と菊門を捉えると実験が開始された。
「あっあっあっあっあっあっ、あ゛あ゛っ~~~~!!」
―ぜ、絶頂を、ににににんし、きしました き、き、きた温度、じょう、しょうしていままます―
―性感値90%、95、ぜぜぜ、っちょうまでの、ののこり・・・―
激しく触手に責められ、AR-01は何度も体を仰け反らせ、絶頂を迎えた。たわわな胸をきつく縛られる度に白い人工母乳が胸からふきだした。
―胸部バルブ、かかいへいコントロー、る不可かかかかかかkkkkkkk―
―しすてむむむ、かふ過負荷じょじょ、たいでですすす。このま、ままでははははききのうにしん深刻なだだめーじがっがっ・・・―
触手が膣やアナルを往復するたびにAR-01の体からはビープ音や薄い白煙が漏れ、痙攣を繰り返していた。
人工女性器は絶頂とともに顔を出しっぱなしにしたノズルから大量の潮を吹き出し、喜びを表現していた。
―し、しりん、だ、
「ギ、ギモヂ、イイ!!?ギャ、ギャピ!?ザッ、ザーーーー!!」


561:名無しさん@ピンキー
11/08/06 03:03:02.70 hZVlEI/w
ノイズが混じった声で何度も喘ぎ声を上げ、鉄の触手の責めに喜んでいたが、その勢いは目に見えて鈍くなっていった。
「イ、イク・・・・・・イク・・・・・・・・・・イク・・・」
それでも責めをやめない触手にAR-01は耐え切れなくなり沈黙した。
過熱状態で、女性器付近の人工皮膚は爛れて剥がれ、バチバチと小さく火花をちらしていた。
火花を散らす女性器にまだ触手は出入りし、人口愛液を掻き出していた。
また、一定のタイミングで痙攣を続けており、アヘ顔を晒し、口や目からは涎や涙が垂れ流しの状態になっていた。

「早くAR-01を修理に回しておけ、次は快楽中枢が直接的なダメージにどれだけ耐久できるか実験をする。そうだな、予定は・・・」
未だに人形は絶頂のままの無様な顔を晒し、時折、ノズルからチョロチョロと潮を吹きながら次の快楽を入力されるのを待っていた。


562:名無しさん@ピンキー
11/08/06 18:04:09.82 u6qRWM/J
GJ!

563:名無しさん@ピンキー
11/08/06 20:13:16.21 2ZJ4tS9E
GJ!
続きも頼む。実験の続きか、今度は純愛っぽく研究員とセックスとか(でも壊れる)。

564:名無しさん@ピンキー
11/08/07 08:45:00.10 sUO/CGwA
産総研(AIST)の技術なら大小合わせて128のアクチュエータ(複数のモーターを組み合わせてアクチュエータとして使用)、192個のモーターを装備した1/25スケールのARIEL(エリアル)は近未来に製作可能かもしれない。

【AIST: 産業技術総合研究所】
URLリンク(www.aist.go.jp)
【産総研:プレス・リリース 人間に近い外観と動作性能を備えたロボットの開発に成功】
URLリンク(www.aist.go.jp)

URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)

565:名無しさん@ピンキー
11/08/07 15:22:18.60 O+MMLYxZ
マルチしてんじゃねーよカス

566: 忍法帖【Lv=3,xxxP】
11/08/07 19:38:49.67 UI6Do+4V
サンソウケン

良いけどさ、格好だけでなく、知能とかは?

家庭用の電気を使う電化製品は、人間より食費、と言うか、動力代金が少なくないと、人気が出にくいと思います。

567:名無しさん@ピンキー
11/08/07 20:02:02.38 ksH9v6yj
>>537
Cvだけじゃないか、亀すぎるけど

568:名無しさん@ 忍法帖【Lv=20,xxxPT】
11/08/08 10:56:54.97 ZU6Gp///
>>521
>みんなのイメージもあるしなー。

気にしないで良いです。 描いて下さい。 挿絵 ってそういうものですから。
例えば、漫画などでも、スピンアウトで絵師が変われば、絵が変わります。

569:名無しさん@ピンキー
11/08/08 11:04:59.73 cixN8e66
でもやるのはお絵かき板でやってね

570:名無しさん@ピンキー
11/08/08 13:40:13.68 2rp6fj9/
スレの小説の挿絵くらい許容範囲でしょ

571:名無しさん@ピンキー
11/08/08 18:20:47.58 BgtuiK/4
過去に挿絵を入れてくれたじゃないか。
それも知らんとなると新参か?

572:名無しさん@ピンキー
11/08/09 19:50:37.65 xDzx8A4J
漫画とか絵本などにならなければ、挿絵の範囲内に収まるならば許容して良いでしょ?


573:名無しさん@ピンキー
11/08/09 23:23:24.77 5GTf7zK2
いろいろ惜しい
URLリンク(instantjoy.tumblr.com)


574:名無しさん@ピンキー
11/08/10 13:29:09.69 BOrT4wyZ
惜しいっつーか……もう意味が分からん領域に突入してないか?

575:名無しさん@ピンキー
11/08/10 20:10:35.63 6Qn9XB9P
エンジン音が無くて、
それっぽいSEがあれば良かったのかもしれないな。
高笑いはバグったという事で脳内補完。

576:名無しさん@ピンキー
11/08/11 09:41:02.21 ejvhzgSJ
>>568
このご時世に、ありがたい事に副業で夏休みがなくなるぐらい忙しくなってしまったんで、現実逃避したくなったらやると思う。
9月半ばまで修羅場になってしまった……土日平日だけでカラー10枚ぐらい描くんだぜ……orz
お嬢も美人に描きたいよね。おっぱい。

577:名無しさん@ピンキー
11/08/12 18:51:28.11 GM5YRrW1
おっぱい早く見たいよぉ

578:名無しさん@ピンキー
11/08/12 19:56:20.14 R0Pr6v7J
大事なのはおっぱいより
その内部構造

579:名無しさん@ピンキー
11/08/12 20:43:34.52 GM5YRrW1
戦闘用ロボ娘たるもの、胸部にはミサイルその他の火器類が搭載されていてしかるべき
ゆめゆめデッドスペースに貶めるべからず(嘘

580:名無しさん@ピンキー
11/08/12 20:58:45.43 1E63RxCv
普通に衝撃緩衝材でしょ
そもそも、ペイロードとして使えるほど豊かな胸じゃな……



おや?何か腕みたいなのが飛んできたぞ

581:名無しさん@ピンキー
11/08/12 23:12:30.30 8s026v1I
まてまてまて。
シズカさんの胸はそりゃもうすばらしい大きさだったはずだが。

582:名無しさん@ピンキー
11/08/12 23:16:25.38 QmSKC7sI
まさか©ダイナミックプロの……?
>>580逃げてぇ

583:名無しさん@ピンキー
11/08/13 01:08:34.59 2BHgPkG9
>>582
いやー、東雲なのスレと勘違いしたんだスマナイ

精神的誤爆ってやつかw

584:名無しさん@ピンキー
11/08/13 03:08:55.95 WPfKmMCS
やわらかいミサイルって直進性保てるの?

585:名無しさん@ピンキー
11/08/13 08:31:34.45 uRBubx5Q
>>おや?何か腕みたいなのが飛んできたぞ

俺もロケットパンチかと思ったろw

586:557
11/08/13 10:01:53.68 DNTN9OwB
この前の続き
なんか馬鹿の1つ覚えみたくなった

587:557
11/08/13 10:04:29.06 DNTN9OwB
実験レポート2
―愛玩用アンドロイド試作機AR-01d、起動します―
「AR-01、実験はどうだった?」
研究員が実験を終えて、修復を受けたアンドロイドに話しかけた。再起動をかけられてまだ間もないAR-01は機械的な瞬きをしていた。
「直接回路に刺激をいれるのは新鮮だっただろう?凄い顔してたぜ?」
AR-01は起動シークエンスを終了させると、研究員の方をまっすぐ見つめてきた。真顔で迫るその顔にはどこか恐怖を感じさせた。
「主任が呼んでたぜ。部屋に来いってさ」
「了解です」
AR-01は返事をすると、一糸纏わぬ姿で部屋を出ていった。AR-01の歩き方や歩くたびに揺れる溢れんばかりの豊乳には非常に妖艶なものがあったが、一方で彼女の表情はほぼ無表情でその色香を減退させているようだった。
「失礼します」
機械の女はドアをノックし、主任と呼ばれる男がいる部屋に入った。
「来たか」
主任は飲んでいたコーヒーを机に置き、女に近寄る。そして、アンドロイドの右胸の頂点にある突起を強く押しこんだ。
「んくぅっ!!」
3秒ほど押し続けると、ウィィンという機械音をあげ、右胸が外側に開いていった。その裏側には乳液をため込んだタンクがくっついていた。男は開いた乳房をそのまま取り外し、コーヒーのそばに置いた。
コンソールパネルや内部機構がそこから顔を覗かせる。男はパソコンから伸びたケーブルを彼女に繋ぐ。
「これから、性感センサーの感度変更や様々な性癖に対応できるか、を実験する」
「了解です」
男と機械は至って冷静なやり取りをしていた。それはとてもこれからみだらな行為を行うとは予想させないものであった。
「まずは感度調整だな」
男はパソコンの性感チューナーを立ち上げようとしたが、女のほうに向きなおった。
「実践的な方がいいか・・・」
男はそう言って、AR-01の左乳首を摘む。そしてそれを上下に動かしだした。
「あっ!あ、ああ!!」
―性感値、上昇―
女は性感帯を弄られるたびに喜びの声を上げた。どうやら、乳首はコントローラーになっているらしく、男はそれを操作して性感センサーの感度変更をパネル上に表示させた。


588:557
11/08/13 10:05:51.37 DNTN9OwB
そこには0%から300%と目盛が振られていた。男は乳首を右に倒して、そして目的の感度に定めると乳首を押しこんだ。
「んんんぅ!!」
―感度、200%、に設定しました―
「じゃ、始めるか。そういえば、クリトリスの強度が低かったな」
男は指を秘所に擦りつけるように愛撫した。
「アッ!イッ、イイッ!!」
まだ初めて間もないのに女は激しくよがった。彼女はさらなる快感を求めて、腰をくねらせ、男の手に腰を強く押しつけた。
「はぁっ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・」
アンドロイドはすでに快感に酔いしれていた。男は大きく勃起したアンドロイドのクリトリスを摘み、上下左右に激しく弄る。
「あはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
もともと高い感度で造られていた部分を弄られ、AR-01は先ほどよりも大きな嬌声を上げる。腕をショートにしてある頭の後ろに組み、腰をくねらせて、快感を求める。その激しい声や動きと連動してケーブルで繋がったパソコン上のサインフレームが大きく上下する。
―機体負荷、上昇。絶頂まであと・・・―
「あひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!イクゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」
女は半分白目をむきながら、女性器から淫らな液体をばら撒き絶頂を迎えた。彼女は立ったまま、体をピクピク震えさせている。
「ま、こんなものか。次、四つん這いになれ」
男はそういってアンドロイドの尻を叩いた。
「あひぃっ!!それ、イイッ!!」
パシィッと良い音がしたかと思うと、女は歓喜の声を上げた。
「ん?ああ、これも実験の範囲内だったな」
男は呟くと女の尻を何度も叩いた。時には片側だけや蹴りを入れたり、踏みつけたりもした。そのたびに女は悦び、体を跳ねさせた。
「あひっ!あっ!!いッ!ら、らめぇっ!イっ、イっちゃうっ!!」
アンドロイドは体全体を使って快感を表していた。顔を呆けて、涎を垂らし、だらしなく開いた口から舌が出て、目もイっていた。
彼女の女性器は、こんな行為でも愛液を噴出させて悦んでいた。
バシィッッ!!
「おひいいいいいいいいいいいっっっ!!!」
男が一際強く、叩くと躯体を大きく仰け反らせた。そして身体を小さく痙攣させて、絶頂を表現した。
「まったく、これだけでイクなんてとんだ変態用アンドロイドだな、まったく」


589:557
11/08/13 10:06:56.10 DNTN9OwB
すると収まったと思った痙攣が再びAR-01を襲った。
「あ、あひぃぃぃいいぃぃぃぃぃ・・・」
「?」
アンドロイドの秘所からは以前よりも少し太いノズルが顔を覗かせた。
―は、廃液の排出を、行い、ます―
合成音声の後、チョロチョロと強い異臭を放つ黄色い液体が排泄された。AR-01はその行為にも快感を感じているらしくアへ顔を晒し続けている。
「次は、と。最大感度での性行為か」
男は女に立つように命令し、胸のパネルを弄りだした。
「はひぃっ!!ひんっ!!」
―か、か感度300、%です―
「いくぞ」
男はそう言うといきり立ったペニスを出し、仰向けにしたAR-01の花弁にあてがい、そして深く差し込んだ。
「あひぃぃぃ!!」
男は激しく、腰を打ちつけた。AR-01の人口女性器はその役目を果たそうと、うねり締め付け、男のモノに刺激を与えていった。
―ぜ、絶頂をかく、にんしました―
―せい、精液をにんし、き。強制、ぜっちょ、う―
感度を高く設定されたAR-01は男よりもはるかに速いペースで絶頂を迎え続けた。何度目の絶頂であろうか、アンドロイドが激しく四肢を跳ねさせた時だった。彼女の足が机にぶつかった。その衝撃で男が飲んでいたコーヒーが彼女の内部機構むき出しの右胸に落ちてきてしまった。
「あががががががッッ!!?」
―え、えらー!えららららららら!!―
内部機構が激しく火花を散らし、バチバチと音を上げた。AR-01は激しく愛液や乳液をまきちらしながら、アへ顔のまま身体を捩じらせた後、体を大きく仰け反らせた。
「やっちまった・・・」
男は大きく仰け反って動かないアンドロイドからペニスを引き抜くとパソコンに向かおうとした。
「とりあえず、データは・・・」
その時だった。
―AR-01、再起動し、まままままままますすすすすすす―
合成音声がしたかと思うとものすごい力で男は押し倒されていた。
「うおわっ!?」
「あひぃっ!!あへっ!?ち、チンポぉ・・・」


590:557
11/08/13 10:07:52.14 DNTN9OwB
半勃ちになっているのを認識するとAR-01はいきなり男のペニスにしゃぶりつき、インストールされていた至上のフェラテクで陰茎を反り返らせる。
「おほぉぉぉぉぉぉおおおお!!」
彼女は男のペニス目がけて腰を深く落とした。
「くそっ!!おい!やめろ!!」
彼女のコンソールパネルには大きく赤でエラーやら警告が示されており、その周囲の機械は激しく火花を散らしていた。
女は何度も男に向かって腰を打ちつけ、片方しかない乳房を激しく揺らした。そして先ほどよりも早いペースで絶頂を迎えた。
「はひぃぃぃぃぃぃ!!」
機械の女はだらしなく躯体に備えられたありとあらゆる液体を噴出した。部屋は乳液や愛液、廃液の匂いが蔓延していた。
また、躯体にも相当負荷がかかっているようで身体の各所から白煙が上がっていた。それでも、根幹に快楽を求めるように造られた機械は腰を振るのを止めない。
「ひっハ!? はひぃぃィィィぃッ! あっ! ギッ! はぎぎッ!!ガガッ!!?イ゛グッ!!」
―じじ、こう愛、えええき、ざんりょ、ぜろでですすすすす―
―しゃせせせせいいいをにんしききききき―
―け、けいこくくくくっくくくくくk!キキキケン、これいじょじょじょ―
―あghじゃgybsmrgbfhgbあせふじこ―
「くひっっ!!ひぃぃぃぃ!!?あいえき枯れちゃったよぉぉぉ!!!」
「きもぢいいいいいいっ!きもぢよずぎるうううううっ!あぎぃぃぃぃぃぃいい!!」
「イ゛グゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!?」

その後、激しく心行くまで乱れたAR-01だったが、バッテリーが切れ、機能が完全に停止した。だらしない顔をしたアンドロイドは黒煙を上げながら男に向かって倒れ込んだ。
「はぁはぁ・・・ホントに疲れた・・・」
アンドロイドの重さに倒されるように男も仰向けに倒れた。


591:557
11/08/13 10:09:41.83 DNTN9OwB
後日・・・
「主任、今日の実験はなんでしょうか?」
「え!?今日は、実験ないはずだが?」
主任が戻ったとときには部屋になぜかAR-01がすでにいた。
「では、こういうのはいかがでしょう?局部感度を上昇させた性行為、たとえば乳首のみセンサーの感度を最大にしての性行為など・・・」
AR-01は話を聞かずに続けた。その表情は無表情のはずだが、少し笑っているようにも見えなくはない。
「まさか、お前ェ・・・」
「では、実験を開始しましょう」


なんか勢いでやったゴメン
そしてゴメンナサイ

592:名無しさん@ピンキー
11/08/13 11:53:55.69 2BHgPkG9
>>591
……アブノーマル心理ドライバー、完成の瞬間であった。

―裏プロジェクトX ~好き者たち~

593:名無しさん@ピンキー
11/08/13 17:20:11.21 KSn9ipjg
藤林丈司は裏切り者

594:名無しさん@ピンキー
11/08/14 01:56:35.21 0QfMip1C
>>557
乙!
これがロボ娘同士なら俺のジャスティス

595:名無しさん@ピンキー
11/08/15 03:57:01.95 aroH7rBU
>>579
アフロダイAのおっぱいミサイルの衝撃が忘れられない

>>590
Gjです
主任さん、あまりの反応に○○○をちぎられるとか、腹上死させられなくてよかったね

596:名無しさん@ピンキー
11/08/15 08:57:22.80 F0wTGQee
GJ!
やはり乳首スイッチは正義過ぎる。
以外とないんだよな…。

597:名無しさん@ピンキー
11/08/28 02:17:52.96 fZ6HNyGA
hosyu

598:名無しさん@ピンキー
11/08/28 08:17:31.93 x7pDYQ1g
補習乙

599:名無しさん@ピンキー
11/09/01 11:07:14.79 EIYGMazo
AI同士で会話させてみただってさ、中々おもろい
URLリンク(doope.jp)

600:名無しさん@ピンキー
11/09/01 17:22:01.55 OrvOLnRY
萌えるな

601:名無しさん@ピンキー
11/09/01 17:59:40.16 Vfx2LINV
>>599
予想以上だった。顔がニヤけるww

602:名無しさん@ピンキー
11/09/01 20:02:33.45 adLgGQqZ
意外と面白いなコレw

603:名無しさん@ピンキー
11/09/02 00:38:28.38 z6jYtVvP
やりとりの最初と最後の部分で、なんかこうグッときた。
自らを作りものであると認識した上での「身体が欲しい」という欲求。

604:名無しさん@ピンキー
11/09/02 07:34:36.21 vaM/ep29
言ってることが二秒前と違うってところがバグってるみたいでいいな

605:名無しさん@ピンキー
11/09/06 04:32:25.07 FyPzaAHf
ウォーリー見てイヴさんに超萌えた

606:名無しさん@ピンキー
11/09/06 10:18:12.59 MupnWgzd
>>605
kwsk

607:名無しさん@ピンキー
11/09/06 11:22:11.88 FyPzaAHf
>>606
ピクサー映画のWALL・Eを遅ればせながら見たんだ
イヴってロボットがとてもかわいかったんだ

608:名無しさん@ピンキー
11/09/06 19:37:37.12 kHbvhpEi
WALL・Eはちっちゃいロボ達みんな可愛い
人工知能ラブロマンス物とか俺得

609:雲流れる果てに…11 ◆lK4rtSVAfk
11/09/12 22:24:00.14 fHRiW4R6
「なんですの、これは? しみったれていますわ」
 最初シャブシャブの肉を見た時、コリーン嬢はその薄さに不快感を示した。
 分厚いステーキばっかり食べているお嬢には、向こうが透けて見えるようなスライス肉が貧乏くさく思えたのだろう。
 だが一口食べると、お嬢はたちまちシャブシャブの虜になった。
「貧弱で頼りないのに味わい豊か。それにこの繊細な歯ごたえはどうでしょう」
 コリーン嬢は危なっかしい箸使いで、おろしポン酢を絡めた牛肉を何度も口に運ぶ。
 取り敢えず、気に入ってもらえたようで何よりだ。
 国際貴族のトップレディたるお嬢を怒らせるようなことになれば、うちの独身寮など明日にでも取り壊されてしまう。
 お引き取りいただくまでは、ご機嫌を損ねぬようできる限りの努力をしなくてはならない。

「お代わり……持ってきた……」
 シズカがスライス肉を盛った大皿を運んできた。
 その姿は完全にメイドだが、恭しさは全く感じられない。
 で、立ち去り際にわざとらしく前屈みになると、思った通りシズカはパンティを履いていなかった。
 そんな命令など出してもいないのに、わざとノーパンシャブシャブを演じていやがる。
 僕をメイド虐待の趣味を持つ変態野郎に仕立て上げ、お嬢から嫌われるように仕向けているのだ。
 ロボットのくせに姑息な計算しやがって。

 だが、シズカの悪巧みも変にズレているお嬢には通用しない。
 そう、彼女は天然ものなのだ。
「クロー。何も知らない私にマナー違反をさせて、恥をかかそうとしてますの?」
 お嬢は怒ったように立ち上がると、パンティを降ろしにかかる。
 だから違いますって。
 性悪ロボメイドの嫌がらせだってのに。
「本当にゲストは履いたままでよろしいですの? 後でこっそり笑おうとしてません?」
 お嬢は疑り深そうに薄目で睨んできたが、どうにか脱ぐのを思い止まってくれた。
 そんなこんなで、おっかなびっくりのお食事会はなんとか終えることができたのだった。

 しかし、ラッキーだったのはサトコが留守だったことだ。
 教会で重要な行事があるとかで、今日は帰ってこれないとのことである。
 もし嫉妬深くてハードパンチャーの彼女がいたらどうなっていたことか。
 サトコにはティラーノも糞も関係ないだろうし、コリーン嬢も僕の幼馴染みになんら斟酌する義理はない。
 2人がケンカをすると決まっていたわけではないが、もしそうなれば間違いなく血の雨が降ることになっていたであろう。


「へぇ、クローはあのフジワラ家の出身なのですの」
 食後のお茶を飲んでいる時、急に僕の出自の話になった。
 フジワラ家は世界でも屈指の国際貴族で、実権はともかく家系の古さではミナモンテスやティラーノの上を行く。
 だからコリーン嬢が驚くのも無理はなかった。
「嫡流じゃなくて、諸派の傍流の分家で……しかも僕は養子なんですけどね」
 僕は自嘲気味に唇を歪めて笑って見せた。
 それでも大したものだと、お嬢は感心したように頷いた。

「元の姓はクラマーといいます。孤児として神学校の養護施設にいたところをフジワラの養父に引き取られたんです」
 ちっちゃい頃のことだから、本当の両親の顔なんか覚えてない。
 クラマーというのも神学校の校長の姓であり、僕は自分の本名すら知らないのだ。
 どういう経緯で僕を引き取ったのかは知らないが、大学の教授だった養父は本当に良くしてくれた。
 義理の兄妹たちだって実の家族同然に接してくれたから、僕は歪むことなく成長することができたのだ。
 彼らには幾ら感謝しても足りないほどで、生んでくれた両親以上に感謝している。
 だが、その養父も今は他界してしまっているから、悲しいかな僕は親孝行というものをしたくてもできない。

610:雲流れる果てに…11 ◆lK4rtSVAfk
11/09/12 22:24:47.21 fHRiW4R6
「で、代わりに少しでも社会に尽くそうと、警察官の道を選んだってことですのね?」
 コリーン嬢は勝手な解釈で自己完結して何度も頷いた。
「違う……クローは……『ウェスタンポリス』のディーモン団長の……大ファンで……」
「ゴホッ、ゴホッ、ゴホン……」
 シズカが得意気に僕の秘密を暴露しかけるのを必死の咳払いで押さえ込む。
 せっかく感心してくれているんだから勝手にさせとけばいい。
 子供のころ好きだった刑事ドラマに影響を受けて、なんてのよりはよっぽど立派じゃないか。
「なら……そうする……」
 シズカは不服そうに口をつぐんだ。
 僕についてなら誰よりも知ってると、コリーン嬢に自慢したかったのだろう。

「クローも苦労なさったのですね。いえ、駄洒落ではなくってよ」
 そう言うお嬢は何不自由なく成長したんだろうなあ。
 家族だって仲がいいみたいだし。
「そりゃあ、ティラーノは血の繋がりを大事にしますもの。身内同士で殺し合うミナモンテスとは違いますわ」
 お嬢は誇らしげに胸を張るが、血縁を重んじるのはティラーノの出身母体がシシリーの非合法組織であるからに他ならない。

「難しい話は……分からない……もう寝る……」
 シズカが面白くなさそうに言い切った。
 今日は疲れたから、その意見には賛成だ。
 寝てしまえばお嬢に煩わされることもなかろう。
 で、どうしよう。
 サトコの部屋、つか、寮室で唯一のベッドルームには施錠されており、残っているのはこのリビングしかない。
「なら……そう言うこと……2ひく1は1……簡単……」

 単純な減算の結果、リビングにマットレスを敷いて川の字になって寝ることになった。
 しかし、これって相当にヤバい図式になるのではないか。
 僕を真ん中に、絶世の美女2人が添い寝するのだ。
 どう考えても寝付く自信はない。

 勝手に一人でドキドキしていると、いきなりシズカが飛び掛かってきた。
「おいっ、シズカ。これは何の真似だ?」
 僕はシズカに向かって抗議した。
 シズカが僕の体を洗濯ロープで縛り上げ始めたのだ。
「クローが間違いを起こせば……国際問題になる……から……」
 失礼なことをいうなっ。

「小間使いにしてはいい考えですわ」
 そう笑っていたコリーン嬢だったが、シズカは彼女にも飛び掛かっていった。
「不埒な真似はお止めなさいっ。あれぇっ……」
「あなたは……無理やりクローに……ご褒美をあげかねない……から……」
 シズカは訳の分からないことを呟きながら、手際よくお嬢に亀甲縛りを施していく。
 そして僕とお嬢をマットに転がすと、真ん中に寝ころんでスリープモードに入ってしまった。

 いや、ピアスのLEDが消えているところを見ると、完全に電源を切ってやがる。
 こうなるとシズカは朝の7時までは再起動しない。
 シズカは僕の命令を無視する正当性を得るため、システムをダウンさせたのだ。
 絶対服従のアンドロイドといえど、聞こえない命令には従わなくてもいい。
「やられたな」
 僕はロープを解かせるのを諦めると、そっと溜息をついた。
 まあ、これはこれで有りなのかもしれない。
 後でサトコに知られた時のことを考えると、これ以上の保険はないだろうから。
 けど、息をするのも辛いほど厳しく縛られているので寝付けやしない。

611:雲流れる果てに…11 ◆lK4rtSVAfk
11/09/12 22:25:35.89 fHRiW4R6
 暗闇の中でまんじりともできずに黙っていると、僕の名を呼ぶ囁き声が聞こえてきた。
「クロー……クロー、起きていますの?」
 僕は返事をせずに身じろぎだけで肯定の意を伝えた。
 シズカはボイスレコーダーを生かしているだろうし、滅多なセリフを吐いてしまえば後で大変な目にあう。
 浮気の証拠としてサトコに提出でもされたら酷いことになる。

「唐突ですが聞きたいことがあります。クローはあのいけ好かない都知事の何なんですの?」
 いきなり答えようのない質問が向けられた。
 そんなことを尋ねられても困る。
 僕が宮家島レースで優勝したことにより、都知事はティラーノを島から閉め出すことができた。
 結果だけを見れば、僕は都知事を助けたことになる。
 お嬢が僕たちの関係を勘ぐるのも当然であろう。

「警視庁の上層部は、あの女を嫌っているようですけど。クローもアレとは敵対関係にあると思ってよろしいの?」
 僕は警視庁の職員だから、組織の上層部を支持する立場にある。
 それに、白河法子がいけ好かなく、油断ならない女だってのも間違いじゃない。
 ただ、僕が従うべき上層部の連中は、彼女より更にいけ好かないってのも事実なのだ。
 僕はこれまでに二度、上層部の命令を排して、女知事の意向に添った働きをした。
 その方が公共の福祉のために役立つと考えたからだ。
 決して知事の私兵として動いたわけではない。

 僕が沈黙を守っていると、コリーン嬢が後を続けた。
「それを前提にお話ししますが、我々はアレを排除します。あの女は私腹を肥やすため、背任行為を重ねているのです」
 我々というのはティラーノグループのことであり、彼らはいよいよ宮家島の復讐に出る決意を固めたのだろう。
 しかし、背任行為ってのはなんだ。
「あの女は都の予算を着服して、多額の寄付金をバチカンの教皇庁に送り続けていますの。きっと次期世界政府主席の座を
汚れた金で買おうと企んでいるのですわ。えぇ、夢物語なんかではなくって、もちろん確かな証拠もありますのよ」

 ということは、都知事は遂にティラーノの政敵になる決心をしたってことか。
 相変わらず怖いもの知らずな女だな。
 お嬢もお嬢で立派な口をきいているが、何のことはない。
 社会正義など関係なく、単に目障りなライバルを蹴落としたいっていうだけのことだろう。
 だが、法子知事の背任が事実ならば、僕にも見逃すことはできない。
 都の予算ってのは都民が納めた税金であり、都知事のポケットマネーじゃないんだから。
 公金横領は立派な犯罪行為なのだ。

「証拠って?」
「あるライターが都知事の不正を暴き、帳簿改ざんのデータをメモリーチップに収めたのです。それが『聖櫃』ですの。
そのライターは特ダネの買い手を物色している最中に射殺され、『聖櫃』は何者かの手によって盗まれてしまいました」
 聞いたことのある固有名詞だと記憶を手繰っていると、ゴスロリ少女の顔に行き着いた。
 確かトモエも『聖櫃』がどうかしたと言っていたはず。
「それですわ。盗まれた聖櫃は紆余曲折を経て、最終的に中華マフィアの手に渡ったと聞いています」

 なるほど、ナショーカ警視正もそれを狙ってあの店にカチコミする予定だったんだ。
 ガサ入れのどさくさ紛れに聖櫃をこっそり戴くつもりだったんだろう。
 いいように利用されかけたうちの補佐こそ惨めだ。
 聖櫃を手に入れれば、都知事だけじゃなくバチカンに対しても有効に使える。
 まさに切り札というべき貴重な存在なのだ。
「あんな山猿に渡してたまるものですか。アレは価値が分かる者が手にして、初めて意味を持つのです」
 帝都を手中に収めたいお嬢は、感情を露わにして語気を強めた。

612:雲流れる果てに…11 ◆lK4rtSVAfk
11/09/12 22:26:28.17 fHRiW4R6
 世界制覇を目論む者は、必ずバチカンと我が帝都を狙うことになる。
 名目上のことだが、世界政府の主席になるには教皇の指名を受けなければならない。
 如何に力があろうと、教皇庁の承認を得ずして世界の王にはなれないのだ。
 そして我が帝都を押さえれば、強力なロボット生産工場を手中に収めることになる。
 現代戦はロボット兵器の優劣が全てを左右すると言ってもいい。
 如何にソフトの面で欧米が優れているといっても、本体の技術ではこの国は世界の最先端を行っている。
 特に二足歩行型ロボットの水準は、世界を大きくリードしている。
 何といっても前世紀から子供がロボットで遊んでいる国なのだから。
 ティラーノにとっても、帝都のロボット工場はノドから手が出るほど欲しいに違いない。
 それを奪取するためにも、どんな手を使ってでも都知事を堕ちた偶像にしたいのだ。

「なんとしても他に先んじて聖櫃を手に入れる必要があります。クロー、手伝ってくれますね」
 もちろん、と言いたいが、僕的にはどうなのだろう。
 法子知事には恨みはないが、予算の横領が事実なら、僕にはそれを明らかにする義務がある。
 けど、それは捜査2課の所管業務であり、特機隊の僕にとっては担当外に当たる。
 しかも、その捜査が外国の利益に供するためとなると、下手をすると左遷ものだ。
 いや、そんなもんでは済まされず、きっと懲戒処分の対象になるだろう。
「お願い、他に頼るあてはないのです。クローだけが頼りなのです」
 勝ち気なトップレディにここまで下手に出られると困ってしまう。
 まったく男って奴は─。

「で、どうすればいいんです」
 僕はため息混じりにそう答えていた。
「あの店に聖櫃があったのなら、まだ瓦礫の下に埋まったままの筈ですわ」
 コリーン嬢の声が弾んでいるのが、手に取るように分かった。
 あのマッサージ店は崩落した直後から新宿署の監視下に置かれている。
 殺人未遂事件の証拠固めのため、掘り起こしての捜査が必要と認められたのだ。
 だから作業が始まる明朝までは、所管区交番の制服ポリスが立入禁止措置をとっている。
「現場保存は新任さんの仕事だから。上手くやればなんとか誤魔化せるんじゃないかな」
 僕は彼ら新任ポリスにとって憧れの存在である特機隊の隊員だ。
 それにこっちにはお色気満点の美女がついているんだから。

 そうと決まれば即行動だ。
 取り敢えず、身体の自由を回復させなければならない。
 僕は苦労してシズカを乗り越えると、コリーン嬢ににじり寄る。
「ちょっとだけ失礼します」
 世界で最も高貴なオッパイに半ば顔を埋めるようにして、僕はロープの縄目を噛みしめた。
 柔らかい胸の谷間に鼻が沈み込んでいく。
 あぁ、いい匂いに包み込まれて─なんだか頭がクラクラしてきた。
「クロー、ボヤッとしている場合じゃなくってよ。早く縄を外しなさい」
 分かってるけど、海綿体に血液を独占されて思考が途切れ途切れになってくる。
 首筋を流れる汗が夜風に当てられひんやりと感じた。

 8階だと上り下りに苦労するが、風通しがいいのがありがたい。
 特に夜は夏場でも冷房いらずなので電気代が助かる。
「えぇっ?」
 この時、僕はとんでもないことに気付き、一瞬で我に返った。
 どうして夜風が入ってくる?
 今晩は防犯の必要上、窓は厳重にロックしておいたはずなのだ。
 同時に背後に人の気配が。
 振り返ると、闇の中に複数の人影が立っているのが見えた。

「て、敵襲……?」
 何者が襲ってきたのかは分からないが、これ以上はないくらい最悪のタイミングだった。
 頼みのシズカは完全に機能を停止させ、僕やお嬢ときたら間抜けにも相手に縛る手間を省いてあげるお人好しっぷりだ。
 携帯麻酔スプレーのプシュっという音を最後に、僕の意識は暗闇の底に落ちていった。

613:雲流れる果てに…11 ◆lK4rtSVAfk
11/09/12 22:31:42.09 fHRiW4R6
 
 
 
 強かに往復ビンタを喰らい、僕は闇の世界から現実に引きずり戻された。
「さっさと起きねぇか、このオカマ野郎」
 目を覚ますと、人相もプロポーションも最悪な男が立っていた。
 背後には男の手下と思われる数人が取り巻いている。
 どいつもこいつもラテン系だが、一目でその筋の人間だと分かる。
 まあ、警察の施設を襲撃してくる一般人もあまりいないだろうが。
「お嬢はどうした?」
 僕は負けじと男を睨み返してやった。
 すると、男はニヤリと笑った。
「ほぅ……自分のことより、まず女の身を案ずるとはな」
 男は少し感心したようだったが、そんなことは当たり前だ。
 決してナイトを気取っている訳じゃない。
 お嬢にもしものことがあれば、どのみち僕は切腹なんだから。

「我々はカディバ一家の者だ。お察しのとおり、我々も聖櫃を狙っている」
 やっぱりそっちの人種だったか。
 最近カブキタウンで幅を利かせはじめたシシリアンの一派だ。
「昼間、アンタらの暴れっぷりを見せてもらったよ。いや、大したもんだったぜ」
 アレを見られていたのか。
 ほとんどシズカ一人の活躍だったけど。
 彼らが現場に居合わせたのは偶然じゃあるまい。
 新宿じゃ老舗にあたる中華マフィアと新興のシシリアンは犬猿の仲だから、互いにフルタイムで監視し合ってるんだろう。

614:雲流れる果てに…11 ◆lK4rtSVAfk
11/09/12 22:32:26.86 fHRiW4R6
「そこでアンタの腕を見込んで頼みがある。まさか嫌とは言わねぇよな?」
 男はコリーン嬢を人質として機能させていることを言外に匂わす。
「武装警察官の監視網をかいくぐって聖櫃を取ってこい、って言うんだろ」
「ガハハハッ、ご明察。あの厳重な警戒の中だ、任せられるのはアンタしかいねぇ」
 男はがさつに笑って答えた。
 簡単に言ってくれるが、僕一人の力では無理な話である。
 コリーン嬢のアシストがあればこそ、何とかなりそうだと思ったんだ。
「そりゃできねぇ相談だ。あの女は大事な人質だから、自由にはさせられねぇよ」
 男はそうは行くかと唇を歪める。

「メイドロボの方なら使ってもらってもいいんだが、あっちは全然起きやがらねぇし」
 男がカーテンを開けると、マジックミラー越しにとんでもない状況が見えた。
 シズカがテーブルに載せられており、手下風の男たちに体をいじくり回されている。
 メイド服は剥ぎ取られ、下着すら身に着けていないフルヌードだ。
「分解しようにも、どこをどうやったらいいのかサッパリ分からねぇらしい」
 男たちはシズカを起動させようとしているのだろうけど、弄っているのはいかがわしい部分ばかりだ。
 しかしシズカは一向に反応せず、男たちの下半身だけが思い切り起動していた。

 こいつら揃いも揃ってバカだろ。
 シズカが起動しなくて当たり前だ。
 乳首やクリがスイッチとかって、エロ漫画じゃないんだぞ。
 今のシズカは、午前7時までは一切の外部入力を受け付けないんだから。
「おいっ、直ぐに止めさせろ。汚い手でシズカに触るな」
 僕の剣幕に気圧されたのか、男は手下たちに中止命令を出した。

「なら、人質は2人ってことで、アンタだけでやるんだな。俺は結果さえ出してもらえればいいんだ」
 男はニヤニヤ笑いながら言った。
「けど、早いに越したことはねぇ。手下どもがロボ娘にもっとひでぇことやりかねないからな」
 それはそうとして、コリーン嬢には手を出さない方がいいぞ。
 僕はもちろん、アンタの一家だって無事には済まされないんだから。

 くそっ、とんでもない展開になってきた。
 僕は同僚が監視する立入禁止場所へ潜入し、泥棒をしてこなければならない。
 しかも悪人の懐を肥やすためにだ。
 断ることもできず、しくじってもヤバい結果が待っている。
 タイムリミットは掘り起こしが始まる午前9時。
 頼みとするシズカは、敵のアジトで集団セクハラを受けている真っ最中だ。

 襲い来る絶望感のため、僕は目の前が真っ暗になっていくのを感じていた。

615:名無しさん@ピンキー
11/09/12 22:33:13.15 fHRiW4R6
投下終了です

616:名無しさん@ピンキー
11/09/12 23:01:01.70 iBd4VX9E
お久&乙
先が気になり過ぎるんで
次回はあんまり待たせないで…

617:名無しさん@ピンキー
11/09/13 02:46:02.62 jdPyaIQh
>乳首やクリがスイッチとかって、エロ漫画じゃないんだぞ。
実はやっぱりそうなってる事を期待している。

618:名無しさん@ピンキー
11/09/13 11:02:13.13 IJQw9nas
いや、マスターのおっしゃる通り
そこはスイッチではなく、やっぱり兵器であるべきでしょう

619:名無しさん@ピンキー
11/09/14 10:09:23.90 lY6Qjmop
乳首はいいけどクリに武器仕込むのは難しそう
使い所はもっと難しそう
しかし全身至る所が武器なのはやはりロマン

620:名無しさん@ピンキー
11/09/14 14:06:37.79 CoWlpn0J
猛毒針が飛び出すとか、弄るとバチッとスパークが走る電極とか・・・ダメか

621:名無しさん@ピンキー
11/09/14 15:22:41.42 DfiJ9XHt
個人的には巨大変型してメカふたなりモードが最強武器
これで外皮が超頑丈な敵ロボッ娘を内部から攻略
ダメか

622:名無しさん@ピンキー
11/09/14 16:29:28.16 J/+r9OdK
URLリンク(www.nicovideo.jp)
このGLaDOSタンで何か読みたいお

623:名無しさん@ピンキー
11/09/14 16:56:21.66 u5pB9EcX
僕の名前はエイジ。地球は狙われているっ!

624:名無しさん@ピンキー
11/09/14 17:02:49.65 WEyQIgxx
無敵のシズカがシャットダウン状態で、ゲス男どもからダッチワイフ扱いされる大ピンチに
これはまさに燃えるシチュ

625:名無しさん@ピンキー
11/09/20 20:41:08.36 zEqeKc7H
docomoの宣伝やばい

626:名無しさん@ピンキー
11/10/03 01:51:20.82 NTCIdQpb
保守

627:名無しさん@ピンキー
11/10/03 02:05:08.47 gIebINQu
シズカって燃料があの液体だからさ、もしゲス男どもによってたかって中だしなんかされたら燃料満タンでフルパワーになっちゃうね

628:名無しさん@ピンキー
11/10/09 08:28:18.01 GOXKkt0S
保守

629:名無しさん@ピンキー
11/10/14 07:57:57.34 R3KiDwbK


630:名無しさん@ピンキー
11/10/15 19:44:36.02 Kn8P/12j
しゅー

631:名無しさん@ピンキー
11/10/21 02:36:38.77 BUqdDw+7
保守!

632:名無しさん@ピンキー
11/11/01 20:56:51.90 iqbXsQWF
保守

633:名無しさん@ピンキー
11/11/03 13:23:16.67 W57kVklz
ドロッセルお嬢様の最新作はコレジャナイ感がある

634:名無しさん@ピンキー
11/11/04 01:20:47.68 yeYvKUYh
チャーミングのお嬢様は無印の時よりメカメカしくて好きだけどな

635:名無しさん@ピンキー
11/11/04 01:39:14.55 ySIYvkEX
無印お嬢様はツインテカワイイ
チャーミングお嬢様は美尻がエロス

636:名無しさん@ピンキー
11/11/15 10:50:11.90 gBrOgQFL
保守

637:名無しさん@ピンキー
11/11/15 22:13:25.04 zSZpvUC1
俺ポニテ萌えなんだ

638:名無しさん@ピンキー
11/11/16 20:50:55.71 uuEKDiHd
最新のASIMOをNEWSで見た。

ロボ子の展示会や広告などでは、
…電機屋さんや学校などの工学研究所なとより自動車屋さんの方が…
見せ方が上手だと感じた。


展示会の会場や専用に作った科学館や事務所などの建物の中では、あれだけの性能を出せるから。

しかし、日常生活の場合、もっと、足場が悪いですから、さらに機能を加えて欲しいと思います。

でも、面白い、と言うか、夢は見られます。


639:名無しさん@ピンキー
11/11/17 22:29:48.59 IPI7SGip
>>638
そりゃ商品を魅力的に見せるのはお手物ものだからな。
学者連中じゃそういう発想は望めない。

640:名無しさん@ピンキー
11/11/18 16:51:32.35 TJQ7wyXy
ASIMOね。
あえて、あの格好に作ったのだと思うが、転んだら起き上がれないのが、モッタイナイ。
瓶の蓋を開けるのは、見世物としては面白い。
荷物や机など障害物を避け、飲食物を載せた台車を運ぶ。
と言うのも、欲しい機能。


しかし現実的には、転んだら起き上がれない。いちいち抱き起こすのでは、見世物としては、残念。

起き上がって良いか悪いかの判断は難しいと思うから、専任の係員が指示を出す必要はある。
例えば、係員が、見た目壊れていない事を確めてから、手を貸すなどの方法で、体育座りや正座など、または、立ち上がるという動作の後で、
担架などで精密検査に持ち帰る。

だと、見世物で面白い。
ついでに、受け身とかの制御。出来ないかな?
実際に意味が有るか無いかは別。
見世物としての、受け身のフリをみてみたい。

641:名無しさん@ピンキー
11/11/19 17:28:34.94 0NS8tubH
>>640
台車を押すデモは以前やってた気が。
後、ブチデザインの方が人間と共同で物を運ぶデモとかしてたから、
機能的には既にクリアしてるんじゃないのかい?
今回のは油圧に由る指の動きの制御の発表てのが主なんだろうし。

642:名無しさん@ピンキー
11/11/19 18:32:32.01 ZXshpKvF
台車はかなり初期の段階でクリア済

643:名無しさん@ピンキー
11/11/19 22:09:35.07 P9+mp9wP
bigdog作った某社も二足歩行するロボを作ってるね。しかもあちらは
横から蹴られてもこけないというタフな奴だ。

644:名無しさん@ピンキー
11/11/20 00:00:14.79 tWQkUxsr
>>640
受け身はHRP-2Pがやってたな。形だけかもしれんが。

645:名無しさん@ピンキー
11/11/21 15:37:26.32 NE9PQ1tQ
>>640
本当に必要なのは起き上がったり、転ばないようにする機能ではなく
周りが助けの手をさしのべたくなるような容姿
人間らしさを求めるならそうなるはずだ
このスレ的には特に

646:名無しさん@ピンキー
11/11/22 20:01:32.87 bz3GOdw+
隅々まで頑張り“息切れ”

 先日の昼、大分東署大在交番に大分市内の70代女性から「寝室の掃除をしていた全自動掃除機が見当たらなくなった。
盗まれたかもしれない」と届け出があった。署員が駆け付け、室内を捜すと、ベッドの下にある収納スペースの隙間に全自動掃除機があった。
署員が隙間から引っ張り出すと、「充電してください」との音声が。女性が目を離したすきにベッドの奥まで入り込んだところで、電池が切れたらしい。
「盗まれたのではなくて良かった。隅々まで掃除していたんだな。充電は忘れずに」と署員。

URLリンク(www.oita-press.co.jp)
URLリンク(www.oita-press.co.jp)

かわいいなぁ

647:名無しさん@ピンキー
11/11/22 21:37:14.80 JyALQVNJ
最近やってるアンゴってアニメの風守ちゃんはどう

648:雲流れる果てに…12 ◆lK4rtSVAfk
11/11/26 18:33:36.34 gWsxnbyr
 カディバ一家から解放されて自由の身になった僕だったが、どうしたらいいものか途方に暮れていた。
 今の僕に頼れるのは自分の体一つで、相棒どころか武器さえもない。
 そんな徒手空拳の状態で、武装警察官が見張る焼け跡からメモリーチップを盗んでこなければならないのだ。
 元々の持ち主─中華マフィアの残党も遠巻きに監視してるだろうから、難易度は相当に高い。

 こうなるとベンを本庁に置いてきたのが悔やまれる。
 この時間だと、地下3階の駐車場は厳重にロックされている。
 いや、ベンなら扉をぶち破ってでも飛んでくるだろうが、後の言い訳に困ることになる。
 地下3階は押収品の保管所を兼ねており、全方位から監視カメラが見張っているのだ。
 僕の愛車がロボットに変形して駐車場から出ていく─なんて映像は撮らせるわけにはいかないだろう。


「弱ったな」
 僕は行くあてもなく、夜のカブキタウンをさまよっていた。
 改めて自分の無力さを思い知らされ、なんとも情けない気分だ。
 都知事の白河法子に泣きつこうにも、今回はそうはいかない。
 あの『聖櫃』と呼ばれるメモリーチップは、彼女を失脚させるためのネタなのだから。

 あれこれ思案しながら歩いているうちに、件の焼け跡近くに来てしまっていた。
 ビル街の一角が完全に崩落しており、付近にはまだ焦げた臭いが漂っている。
 現場には数人の制服ポリスが配置され、周囲を隈無く見張っているようだ。
 パトカーの回転灯が、制服の夜光チョッキを定間隔で赤く光らせている。
 見れば、まだ若い─おそらく卒配されて間もないルーキーばかりだ。
 経験はないが、やる気だけは満々という、今の僕にとっては迷惑この上ない連中である。
 計画ではコリーン嬢のお色気を目眩ましに使うつもりだったのだが、予定が狂ってしまった。

「さて、どうしようか……」
 街路樹の陰から焼け跡を見張り、何度目かの溜息をついた時である。
「おにいちゃん……」
 いきなり背後から呼び掛けられ、僕の心臓は停止しかけた。
 振り返ると、ニンマリ笑ったトモエ01の顔があった。
 この街には似つかわしくない、例のゴスロリ衣装のままである。
「おにいちゃんもやっぱり『聖櫃』なの?」
 そう言う彼女もまた、マスターの命で聖櫃の回収を目論んでいるのだろう。
「萌ちゃんか……驚かさないでくれよ。隊長さんは?」
 僕は無意識のうちにナショーカ・キッソ警視正の姿を探していた。
 いきなり背後から怒鳴りつけられそうな気がしたのだ。
 コリーン嬢のせいか、どうも国際貴族には苦手意識を持たされてしまったようだ。

「ナショーカなら家で寝てるよ。萌に一人でどうにかしてこいって」
 トモエは不服そうに頬を膨らませた。
 酷いご主人様だな、対するロボ娘の態度もどうかと思うけど。
「そうか、可哀相に……」
 ちょっと同情した言葉を掛けてあげると、トモエは早くも目をウルウルさせ始めた。
「でしょ? でしょ? アイツったら酷いんだぁ」
 トモエは唇を尖らせて恨み節を吐く。

「で、あのポンコツメイドは?」
 トモエはようやく僕がシズカを伴っていないことに気付いたらしい。
「いや、僕はちょうど萌ちゃんと逆の立場なんだよね」
 僕としては情けない笑みを浮かべるしかなかった。
 ややこしくなるので事実だけを語り、詳細は省くことにする。
「なにそれ、ひっどぉ~い。あんなバカロボット捨てちゃいなよ」
 トモエは自分のことのように憤慨する。
「そうだ。おにいちゃん、萌と組もうよ」
 トモエが目をキラキラさせて魅力的な提案をしてきた。
「いや、けどな。聖櫃は一つだけだし……萌ちゃんが怒られちゃうのは困るし……」
「いいの、萌は。成功しても、ナショーカならどうせ『ふんっ』だけだし」

649:雲流れる果てに…12 ◆lK4rtSVAfk
11/11/26 18:34:42.57 gWsxnbyr
 これは驚いた、彼女にはマスターを裏切る機能なんて付いてるんだ。
 ご主人様に嘘をつけるAIってのはどういう作りなんだろう。
 人間に近づけようとしたあまり、ロボットじゃなくなっているような気もする。
 いいのか、ザ・パワー・オブ・ドリームス。
 大丈夫なのか、新しい世界を創るポンタの開発部は。
 それでも、今の僕にとってはありがたい提案である。
「それじゃあ、お願いしちゃおうかな」
 僕の決断で、即席のコンビが結成された。
 はからずも、予定されていた特機隊とゼロ機の合同捜査が、形を変えて開始されたのである。

「じゃあ、萌が正面から突っ込むから、おにいちゃんはバックアップに回ってね」
 トモエは植え込みの中からM66機関砲を取り出した。
 20ミリ弾を毎分1000発の速度で発射するその砲は、本来ヘリや戦車に搭載する重火器である。
 トモエは自分の身長とほぼ同じサイズのM66を片手で軽々と取り扱う。
 見た目はちっちゃくて可愛いのに、恐ろしいまでのパワーだ。
 しかし、頭の方は少し残念な出来らしい。

「ダメダメ、萌ちゃん。それじゃ同士討ちになっちゃうだろ」
 見張りに立ってるのは、悪の組織の戦闘員じゃない。
 僕たちと同じ、警視庁のポリスなんだ。
「あ、そうか。おにいちゃんに責任が掛かってきちゃうか」
 君にもだ。
 大ざっぱなのも程度の問題だぞ。
「じゃあ、どうするの?」

 仕方がないな、作戦は僕が練ろう。
 まずは対象の正確な位置が知りたい。
 おそらく聖櫃は不安定な半導体メモリじゃなく、磁性を利用した記録媒体だろう。
 信頼性に優れた光磁気チップあたりか。
 だから、磁気を探れば所在が分かるかもしれない。
 磁気の強さから媒体の容量が推測できれば更にいいんだが。
 多分、フリーライターがよく使ってる、1ペタバイトくらいの市販品であろう。
 事務用の媒体より大容量だから判別は簡単なはずだ。

「そんなの簡単だよ。ちょっと待ってて」
 トモエは指向性センサーを働かせて、焼け跡をスキャンしていく。
「候補は9つ。磁気から推定した容量を元に絞り込むと、南東角近くにある対象が一番怪しいかな」
 これで聖櫃の位置は割れた。
 さて、どうやって接近するかだ。

「萌ちゃん、新宿署生活安全課のデータベースに侵入できるかい?」
 そこにはこの店の営業許可をとる際に提出した書類が、デジタル化されて収められている。
 その申請書類には、店舗の間取りを記載した平面図が添付されているのだ。
「おやすい御用だよ」
 トモエはポシェットから6インチ画面のディスプレイを取り出すと、ケーブルを伸ばして耳の穴に接続する。
 画面に文字が浮かび上がり、次々に流れ去っていく。
 やがて目的の画面に辿りつき、一階のフロアが線画として描かれた。
 どうやらマネージャー室ってのが目的の場所らしい。

650:雲流れる果てに…12 ◆lK4rtSVAfk
11/11/26 18:35:19.74 gWsxnbyr
「それから、帝都下水道局の施設管理部から付近の配管状況を入手してくれ」
「分かった。地下から攻めるんだね」
 ご名答。
 2つの図面を合わせると、敷地内に潜入する経路が見えてくる。
「店内の配管状態を見てくれ。マネージャー室の近くに太い配水管は通ってないか?」
「同じ部屋にシャワールームがあるけど、これは細すぎるね」
 中を這っていくのだから、いかに僕が細身でもある程度太いパイプでないと。
「裏庭に洗車場があるな。ここならなんとかいけそうだ」
 それでもそこは裏通りに近く、警戒中の制服ポリスに気付かれるおそれがある。
 崩れ残った壁のお陰で視界は妨げられても、音がどれだけ響くか分からない。

「おにいちゃん、萌に任せときなよ。アイツらバッチリ引きつけとくから」
 トモエが貧弱な胸を叩いてウインクする。
「おにいちゃんはそのまま聖櫃を持ってトンズラしていいよ」
 いいのかな、マスターを裏切らせたりして。
 罪悪感は残るが、背に腹は替えられない。


「よっ……と」
 トモエは近くのマンホールに指を掛け、ポリバケツの蓋を開けるように軽々と持ち上げた。
 体格も力も女の子並みの僕には到底できない芸当だ。
「それじゃあしっかりね」
 トモエはパンと缶コーヒーを入れた籠を持って立ち上がる。
 差し入れに来た近所の警察ファンを装って、見張りを引きつけてくれるのだ。
 連中がホモか堅物じゃない限り、しばらくは時間が稼げるだろう。
「悪いね、萌ちゃん」
「そう思ってるのなら、今度こっそり萌とデートしてね」
 おやすい御用だ。
 ナショーカやシズカはともかく、サトコの監視網をかいくぐるのが難しそうだが。



 なんとか聖櫃の回収に成功した僕だったが、真っ直ぐカディバの所に帰るわけにもいかず繁華街をぶらついていた。
 奴らにはコリーン嬢とシズカを人質に取られている。
 聖櫃を渡したからといって、すんなり彼女たちを返してくれる保証はない。
 ヤクザ者の遣り口など、どこの国でも似たようなものだろうし。
 まあ、放って置いても午前7時になってシズカが起動すれば、連中はお終いなわけなのだが。
 心配なのはコリーン嬢だ。
 間違いでもあれば、この国の存亡に関わる大事に発展するのだから。
 いや、それだけではない。
 高慢だが意外に可愛らしい一面を持つあの美人を、僕は嫌いじゃなくなり始めていたのだ。

 どうしたものかと思案していると、前方からチャラチャラした男が近づいてくるのが見えた。
 チャラ男にお似合いの、軽そうな女を何人も連れている。
 いかにも軽薄そうなその男は、僕もよく見知った顔であった。
 向こうも僕に気付いて声を掛けてきた。
「クローのアニキじゃねぇか? あれっ、アネさんは?」
 その男はかつての仇敵で、今は情報屋として協力してくれているヒューガー・イッセーであった。
 僕がシズカを伴っていないと知ると、ヒューガーはホッと溜息をついた。
 以前、コイツはシズカに殺され掛かったことがあるから、相当怯えているのだろう。

「こんな場所で会うなんて珍しいねぇ。おっと、深夜徘徊で少年補導なんてのはゴメンだぜ」
 見掛けは10代半ばでも、こいつはカテゴリー3のサイボーグだから補導なんかされっこない。
 何のことはない、僕が警察官であることを連れの女たちにさり気なく伝えたのだ。
 即ち、自分にとって都合の悪いことを口にしてくれるなと、女たちに釘を刺したに違いない。
 この分だと、性懲りもなく悪事に手を染めているんだろう。
 けど、今は管理売春とかのケチな犯罪に関わっている暇はない。
 こっちは国際紛争を回避できるか否かの大問題に直面しているのだ。

651:雲流れる果てに…12 ◆lK4rtSVAfk
11/11/26 18:36:07.52 gWsxnbyr
「せっかく会ったんだから、その辺で一杯やってかないかい」
 本当は一刻も早く立ち去りたいくせに、ヒューガーは僕を酒に誘う。
 未成年である僕が立場上乗ってこないと知った上でだ。
 相変わらずズル賢い奴だ。
 だから嫌がらせでちょっと立ち話に付き合ってやることにした。
 彼の持っている知識を借りることにしたのだ。

「えぇっ、カディバ一家のことが知りたいってのかい?」
 早く立ち去りたいのか、ヒューガーは迷惑そうに顔をしかめて答え始めた。
「現在のボスはカゲット・カディバってオッサンだよ。規模的に言えば中堅どころの組かな」
 こういうのは暴対課の連中なら知ってて当然の話なんだろうけど。
 門外漢の僕には中堅どころってのが、どの程度のものなのかサッパリ分からない。
 しかし、次にヒューガーが発した言葉が僕を凍りつかせた。

「けど連中と一戦交えようってんなら、相当にヤバいぜ。なにせ、ティラーノの傍流に当たる極東八家の一つだからなあ」
 ティラーノ? 極東八家?
 後で知った話だが、ティラーノが国際貴族になる際に、マフィア稼業を続けようとする派閥が世界中に拡散したという。
 その中でも東アジアに根を下ろした有力な8グループを、俗に極東八家と呼ぶらしい。
 ホルジオーネ、ミユラ、ティーヴァ、カズーシャとか、それに件のカディバ一家もそうだ。

「そうか……カディバ一家ってのは、ティラーノグループの一派なのか……」
「だからティラーノ宗家が帝都に進出してきたってんで、最近じゃ息子のスェード・カディバまでが幅を利かせてやがるんだ」
 それが気に食わないのか、ヒューガーは吐き捨てるように言った。
「かく言う俺もティラーノに属するイッセー家の出なんだけど、連中より遙かに宗家に近い格上なんだぜ」
 ヒューガーがさり気なく自慢する声は、もう僕の耳には届いていなかった。


 それからどこをどう歩いたのか覚えていないが、気が付くと僕はカディバ一家の事務所の前に立っていた。
 色々悩んでいたことが急にバカらしくなってきた。
 騙されて利用されたのは腹が立つが、絶体絶命のピンチが現実のものじゃなくてよかった。
 僕とシズカはともかく、コリーン嬢は最初から安全だったのだ。
 ドッキリカメラにはめられたお笑い芸人ってのは、こんな気分になるのだろうか。
 この時の僕は怒るより、むしろホッと安堵していた。

「早かったじゃねぇか」
 ボスらしい男がにやついた顔で僕を出迎えた。
 こいつがカゲット・カディバか。
「ふん、僕を誰だと思ってるんだい」
 僕は不遜な態度でカゲットを睨み付け、メモリーチップを投げ渡した。
「現場じゃ一発の銃声もしなかったらしいじゃねぇか。さすがは特機隊、俺様が目を付けただけのことはあるな」
 カゲットは感心したように唸り、聖櫃を部下の男に手渡した。
 こんな奴に褒められても嬉しくも何ともない。
 それより早く帰らせてもらいたい。
「そう慌てるな。手下に案内させよう」

652:雲流れる果てに…12 ◆lK4rtSVAfk
11/11/26 18:37:05.87 gWsxnbyr
手下の案内で通されたのは瀟洒なゲストルームだった。
 ノックしてドアを開けると、中ではコリーン嬢が紅茶を飲みながらファッション雑誌をめくっているところであった。
 テーブルの上には色とりどりのフルーツやお菓子が並んでいる。
 VIP待遇を受けていたのか、お嬢はリラックスムード満点だ。
「遅くなって申し訳ありません。お迎えに上がりました」
 ドアを開けたのがマフィアでなく僕だと気付くと、お嬢は驚いたようにソファから立ち上がった。
「クロー……」
 お嬢の顔に狼狽の色が広がっていく。

「で、聖櫃は……メモリーチップはどうしたのです?」
「連中に渡しましたよ。仕方がなかったのです」
 僕はあなたを人質に取られてたんだから。
 それよりも早いところここをお暇したい。
「そ、そうですわね。聖櫃のことは後で考えましょう」
 コリーン嬢はぎこちない動きで僕に続く。
 ドアのところに案内の手下が立ち塞がっていた。
 そのお気楽そうなヘラヘラ顔が無性に癇に障った。
「どけよっ。宗家のお嬢さまのお通りだろっ」
 僕がついカッとなって怒鳴った瞬間、コリーン嬢の顔が真っ青になった。

「クロー、あなたは思い違いをしています。説明させてください」
 お嬢の声は震えを帯びていた。
「確かにカディバ一家はティラーノの傍流です。しかし、何年も前に袂を分かち、今では相互に何の友誼もありません。
いえ、極東八家の一つ、ホルジオーネがミナモンテスに荷担するなど、我々とはむしろ敵対関係に近くなっているのです」
 お嬢はムキになってまくし立てる。
「今回のことはカゲットの独断で、私は何も関与していません。彼らが今すぐに本家と争うつもりはないと知らばこそ
私も身の危険は感じませんでした。ですが、人質に取られていたのは本当なのです。私の名誉に誓って嘘ではありません」
 喚いているうちに感情が激したのか、コリーン嬢の目に涙が滲んできた。

「いえ、そんなことどうでもいいことですから」
 そう言う僕の声は、自分でも驚くほどドライだった。
「信じて……くれませんの……?」
 お嬢の両肩が弱々しく落ちる。
「ですから、どうでもいいじゃないですか。お嬢がご無事だったんですから」
「…………?」
「連中から酷い目にあわされてるんじゃないかって、死ぬほど心配してたんですよ」
 僕がそう言った途端、いきなりコリーン嬢が僕の胸にしがみついてきた。
 そしてワンワン声を上げて泣き始めたのだった。

 多分、お嬢の言ってることは真実なのだろう。
 路傍の石に過ぎない僕を道具に使っても、悪びれる必要もない立場の人なんだから。
 まして、彼女の性格からして、たとえ演技でも他人に涙を見せることなどあるまい。
 それにしても参ったな。
 シャツにお嬢の匂いを付けて帰ったら、サトコに殺されてしまうかも。
 今のうちに言い訳を考えておかなくては。

 僕たちが部屋を出て階段のところまで来ると、何やら階下で騒ぎが起こっていた。
 誰かが大暴れしているらしい。
「な、何の騒ぎですの? まさか、中華マフィアが聖櫃の奪還に……」
「僕が仕掛けていた時限爆弾が作動したのですよ」
 知らぬうちに夜が明けており、腕時計を見ると午前7時になっていた。
 タイマーが作動して、ようやくシズカが起動したのだ。
 計算どおり、バッチリのタイミングだ。

653:雲流れる果てに…12 ◆lK4rtSVAfk
11/11/26 18:37:45.05 gWsxnbyr
 踊り場から一階に下りていくと、ちょうどゴロツキの一人が飛んでくるところであった。
 ゴロツキはボールみたいにバウンドして、床の上でピクリとも動かなくなる。
 それを追うようにシズカが現れた。
 あられもないマッパのままだ。
「あ……クロー……目が覚めたら……なぜかこんな所にいた……詳細な説明を……」
 不審顔のシズカの足元でゴロツキが呻き声を上げる。
 それをシズカが踏みつけた。
 彼女がここまでやるからには、連中は生身じゃなくサイボーグなんだろう。

「こいつ……シズカのお尻に……ドリルを突き立てていた……」
 シズカは腹に据えかねたのか、カンカンに怒っている。
 まあ、寝てる間にアヌスを弄られちゃ、大概の女の子は怒るだろう。
「で、どうなの? お尻、大丈夫なのかい」
 僕が心配して問い掛けると、シズカは小首を傾げて黙り込んだ。
「なんか……変……」
「えぇっ?」
「……よく…分からなかった……ハッキリさせたいから…今度…クローが試してみて……」
 おいおい、変な味を覚え込まされたんじゃないだろうな。
 僕にはそんな趣味はないんだから、そんな熱っぽい目で見詰められても困る。

 そこへ武器を抱えた組員どもが駆け付けてきた。
 屋内なので重火器は使えず、ぶっ放しているのはマシンガンくらいの物だ。
 だから補助装甲のメイド服がなくてもシズカはへっちゃらだ。
 それにしても、この期に及んでオッパイばかり狙ってるのは男の業なのか。
 威力の小さな拳銃弾では、せいぜいオッパイをプルルンとさせるのが関の山なのに。
 そんなソフトタッチじゃシズカを悦ばせるだけだぞ。
「ひぃぃっ?」
「化け物ぉ?」
 後ずさりする組員にシズカが近づいていく。

「ア、アンタ。暴力メイドを止めてくれ。このままじゃ組が潰れちまう」
 カゲット・カディバが僕に泣きついてきた。
「さて……どうしたモンでしょうかね、お嬢?」
「あら、私を拉致などしたのですから、どのみちカディバ一家に将来などありませんのよ」
 僕とコリーン嬢は顔を見合わせて笑ってやった。
 カゲットが真っ青になる。
「聖櫃を諦めて私に渡すというのなら、考えてあげてもよろしくってよ」
 コリーン嬢がホホホッと笑い声を上げると、カゲットは観念したように項垂れた。
「そう、人間諦めが肝心ですわ。それに私が使おうがあなたが使おうが、どうせ同じ結果が生じるのです」
 そのとおり。
 違うのは彼の元に大金が転がり込むか、込まないかだけだ。
 どちらにせよ、白河法子都知事が失脚することには変わらないのだ。
「さあ、観念なさいっ」
 諦めたカゲットが書斎のドアノブに手を掛けた時であった。

 部屋の中からパリンというガラスが割れる音がした。
 カゲットがドアを開けるのと、黒服の男が窓から飛び降りるのが同時だった。
「無いっ、聖櫃が盗まれている。ベルリーニの奴、チャイナ野郎のスパイだったのか」
 カゲットがオーバーに頭を抱えてしゃがみ込んだ。
 なるほど、隠し金庫が壁から露出しており、合金の扉が開けられている。
 逃げていった男は、組に潜り込んでいた中華マフィアのスパイか。
「追いかけましょう」
 コリーン嬢が割れた窓から飛び出していく。
「待て、君は服を着てからだ」
 マッパで続こうとするシズカに釘を刺し、僕も窓から飛び出す。


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