ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α10at EROPARO
ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α10 - 暇つぶし2ch358:名無しさん@ピンキー
11/04/05 23:12:21.96 5g52f9UF
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一仕事終えて夜になり、ジャムスさん達は家に戻って食事を始めた。
私は外装表面―肌部分が有機体ベースなので、その組織の維持には
何らかの方法で有機物の摂取が必要になる。メンテナンス部から
溶媒を注入するのが一般的だが、「それじゃ面白くない」と言われて
食卓につかされた。経口摂取でも過剰分は僅かなエネルギーにできるし
分解して液体として排出できるので支障は無いけれど。

ジャムスさんはそこそこな量を、シルビさんはいつも通り、といった風に
オートマタとして妥当な―ジャムスさんと比べると半分ほどを口にする。
私の席にはジャムスさんと同等レベルの質量をあてがわれていたが、
私の場合この三分の一程度で足りてしまうのでかなり過剰。
量を減らして欲しいと請うと、「初めての食事なんだからたらふく食わないと勿体無いぞ」
というような事を言われて結局全部平らげる羽目になってしまった。
でも、食事を美味しいと認識できる機能があったのは幸いだった。


片付けを手伝わせて貰う事ができて、シルビさんと言葉を交わす。
「ナギさん、やっぱり変わってるなー。マスターは勿論だけど、私だって貴方に興味あるんですよ」
興味、と言われた。私にはまだそういった思考が生まれないのに。
「ナギでいいです。けど、私にはシルビさんの方が変わって見えますよ」
「そう?」
センターに狂いは無い。人と変わらない体温は恒温機の所為。
ただ、そこには鼓動が無い。赤い視覚素子は今でも何らかの処理をしているのか、微かに光が波打っている。
「同じオートマタなのに、私なんかよりずっと人間みたいで」
「・・・私は改造と機能拡張、20年くらい繰り返してますから。
 その間に色んな感覚を覚えてきましたし。流石に貴方には負けちゃうけど、
 型落ちなんて言わせませんよー。」
近距離無線でデータが送られてくる。届いたのは彼女の形式番号―CAT-21d。
ガレージで見かけたモデルと比べても数世代は軽く前のものと分かる。
だが、後で自慢げに送られてきたスペックのデータは私と同じくらい。
「ただ、私はどんなに人間のように振舞えても、オートマタとしての役割は無くならない。
 はっきりと自我のような物を扱えるようになってからも、一義的な行動理念はマスターです。
 だから貴方が何にも縛られずに生きられるのは凄い事、だと思う。私はマスターに尽くす事に
 不満はないので、羨ましいという思考は持ちえませんけどね。」
プログラムされた物であるにしては、それはとても綺麗で、澄んでいて。
「・・・だってマスター、とっても良い人でしょ? 私はあの人がマスターで良かった、
 とか最近はちょっとイリーガルな思考もできるようになってしまって」
ちょっと困惑するような、しかしとても満足そうな笑みを浮かべる。
「そうですね・・・」
この人はきっと、命令なんかなくてもジャムスさんと一緒に暮らしそうだ。

「ところで、ジャムスさんっておいくつなんですか?」
「禁則事項、ですね。けど、マスターは不老処置受けてますから、
 私が壊れてしまうよりは長く生きてくれますよ」


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