ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α10at EROPARO
ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α10 - 暇つぶし2ch336:名無しさん@ピンキー
11/04/04 15:24:29.36 1OMl7xA/
不良品のロボ子たちが捨てられるゴミの島
主人公はそこで廃品の中から使えるパーツを見繕って
売ってる男。ある日見つけたちょっと修理すれば
完動品と遜色ないロボ子を見つけて……

ありがちだな

337:名無しさん@ピンキー
11/04/04 15:43:37.47 XDkzMCcP
『陸運局に登録されていない車』と同じと考えればネタが応用できるかも。
ナンバー削られた盗難車だとか、スクラップからのニコイチ・サンコイチの再生品で車検通してないとか。

338:名無しさん@ピンキー
11/04/04 15:48:39.52 +8lghOjw
>>335
前者だと普通に稼動停止しそう、年寄りがマスターな場合想定してそうだし
後者だと逃避行ものにはなりそうだ
普通にうろついてたら不穏分子として処分されそうで恐い
>>336
修理しただけだと主人公がマスターになりそうなのをどげんかせn(ry

とりあえず自分で思いついたのは下2つくらい

・いなくても自立稼動するようなロボ子さんを危ない人が作っちゃう
後に危険性を指摘されて研究を凍結された所を処分逃れて誰かに介抱されてスタート
・プログラムの壁を突き破って主人殺し→「後はお前の好きなように生きろグフッ」

長文スマン


339:名無しさん@ピンキー
11/04/04 16:11:35.95 1OMl7xA/
遥か未来。惑星は荒廃し、果てない砂漠の中に
ぽつんぽつんと存在するレインスポットで
人類は身を寄せていた。
ロボットたちは遺跡で発見され、感情を抑制され、
奴隷として扱われる。
主人公はまあ適当に盗掘屋で、たまたま遺跡で
隠し部屋を発見し、スリープモードになっている
ロボ子を見つける。目が覚めたロボ子はマスターを
探さなきゃと一人砂漠を行こうとするが、
ロボ子を軍に売り飛ばしたい主人公はなんだかんだ
理由を取り付けてついていくことにする。
旅は順調とはいかなかったが、感情の抑制がされていない
ロボ子が、一つずつ感情を覚えていき、二人は親交を
深めていくが、生きているかもわからないマスターに
課せられた設定をロボ子は解除できず、ついにマスターと
出会うが、マスターは地球リセットを目論見、
ロボ子はその機械の核となる存在だった
地球リセットを敢行すると、人類は滅んでしまう。
さあどする、ロボ子!

色々なものからパクったのが丸分かりのラノベに
なってしまった。

340:名無しさん@ピンキー
11/04/04 16:23:36.00 XtaT+a3I
RCの雨上がりの夜空にをロボ子で妄想するとすんごく切ないね…

341:名無しさん@ピンキー
11/04/04 22:20:06.26 OBfCAznk
銃夢ってマンガが昔あってな

342:名無しさん@ピンキー
11/04/04 22:56:09.78 +8lghOjw
「マスター、起動しましたよー」
「へーい。・・・本当にそのまま起きてくるか」

視界がはっきりしない中、見知らぬ男性が話しかけてくる。
「どうだ、自分の名前が言えるか」
「なまえ・・・」
記憶を探る。しかし、情報がうまく引き出せない。
「私は、・・・?」
深層に検索をかけるが、データは空のものばかり。
「・・・わからない」
「最適化の途中なんじゃないのか。起動したてにあんまり無理するもんじゃねぇよ。
憂いを無くすつもりで、データもここに来る前にあらかた抹消済だろうし」
「そのあたりの復元は無理そうです。でもこれだけ大胆な処理をされてたのに、よく稼動しましたね」
若干明瞭になった視界の隅の方、若い女性が見えた。
センサーの識別によれば、彼女は人間ではないらしい。

「ここは、どこなんですか」
「とある田舎の町工房、って所か。しかしアンタ、本当にマスター、いないんだな」
「マスター?」
「私達のようなオートマタには仕えるべき存在がいるはずなんです、
個人か企業か、あるいは国家の場合もありますね。個人所有型であれば、
起動時に何らかの登録動作が必要なはずです。マスターのいない、
存在意義を失ったオートマタは通常存在できないはずなんですけど」
「そう、なんですか」
自分は特別らしい。けれどその思考は随分古いもののように思えた。
「一応、事情はある程度知ってるんだけどな。
アンタを縛れる物は動力源とメンテくらいしかない。その2つはここで面倒を見れるし、
それも依頼の内。他は自分の好きにしていい。どうする?」

「私は―」


前のレスの設定で頑張ってみたけど爆死した 厨二設定書き連ねる方が楽だったワァー

343:名無しさん@ピンキー
11/04/05 08:17:07.69 8SvUszfE
くらんぷノちょびっツを捩る。

登録されてない人が、再起動させると、基本システム以外の記憶を完璧に消す設定。
指紋でも、声紋でも、網膜血管でも、何でも良い。何でも良いけど、何かの識別方法がある。
ただ、持ち主の登録を行うのにも、その識別方法で認められないとダメ。

単に消すだけでなく、イメージとしては、HDD、SSD、などの記憶領域全体に
「0」を書き込んだあと、「1」を書き込む。順に「9」まで書き込むと「A」から「Z」を。

だめかな?

344:名無しさん@ピンキー
11/04/05 15:22:45.56 rCQBtwZF
メイドロボ製作ゲームあったら面白いだろうな
ジャンク屋とかゴミ捨て場を巡ってパーツをかき集めて
完成したメイドロボによってストーリーとエロシーンが変わるの

345:名無しさん@ピンキー
11/04/05 18:24:42.64 IMdNbD0g
>>344
こないだ見たドラえもんを思い出したじゃないか

「ここのところ、性器ユニットが入るところだと思うんだけど」
「仕方ない、買ってこよう」

346:名無しさん@ピンキー
11/04/05 18:42:32.76 GR/rNvyU
さすがに性器ユニットは中古とか、ゴミ捨て場にあったのは使いたくないなw

347:名無しさん@ピンキー
11/04/05 20:10:05.30 NBBi3R9L
おじいちゃんの蔵の中に秘伝の性器ユニットがあるんだよな

348:名無しさん@ピンキー
11/04/05 20:52:57.18 5g52f9UF
よっしゃSS書くぞーと張り切ったら
エロのエの字もないまま5レス分が経過した

なにこのエロゲーのエロいらね議論状態
メカ分とエロ分の振り分けがわかりません先生ェ

349:名無しさん@ピンキー
11/04/05 21:16:34.25 xddaOT6B
世界観とかロボイメージ説明すると軽く数レス使うよな
人と違ってロボは機能を細かく設定できるから

350:名無しさん@ピンキー
11/04/05 21:33:27.03 13PsTNIx
エロとメカを混ぜればいいじゃない

351:名無しさん@ピンキー
11/04/05 21:47:44.37 bVmR+CQq
>>344
ロボっ娘もののエロゲ最近無いよね。マリカン3も絶望的だし・・・。
そういえば、PSPの武装神姫ってどんな感じ?このスレ的に美味しいシーンとかあるのかな?

352:名無しさん@ピンキー
11/04/05 22:10:48.62 Ztr2SLIA
>>351
各神姫のシナリオはだいたいこんな感じ
・人間になりたい話
・バグ持ち不良品の話
・記憶をロックされ心を閉ざした神姫
・ラブラブおままごと
・ホームレスを拾った話
・武器マニア
・イカサマバトル
・恋のキューピット大作戦
・世話焼き学級委員長
・マスターの方が調教される話

メインシナリオやライバルは基本的にホビーマンガのノリに近いと思う
まあ、ウィルス仕込まれて爆発散華や違法改造でボドボドやら使い捨てみぎぃもあるけど

353:名無しさん@ピンキー
11/04/05 23:04:39.99 5g52f9UF
結局非エロで申し訳ないけどせっかくだからきりの良い所まで投下してみる
>>342の続きなんだけどね!

354:名無しさん@ピンキー
11/04/05 23:07:15.47 5g52f9UF
――――――――――

自分の好きなようにと言われたが、自身が機械である事以外
右も左も分からない私は、ひとまず彼等に頼らざるを得なかった。

「自己紹介がまだだったな。俺はジャムス。所謂ジャンク屋」
「マスター・・・さっき町工房って言いませんでしたか」
「いや、機材とかは結構でかくなったけどさ、やってる事は昔と変わんねーし・・・」
「っと、この人がシルビ。俺の相棒兼嫁」
「初対面の方に唐突にカミングアウトしてどうするつもりですか」
「ロボっ子さん相手なら、何言ってもドン引きされないからいいなぁ、と」
「冗談が通じない相手なんですから、正確な情報だけ伝えて下さいよ。
 先程のは語弊ありますが半分事実なので否定しませんけれど」
奇妙に見えるやり取りを見た後、間を置いて二人の名前を口にする。
「あの・・・ジャムスさん、シルビさん、よろしく、お願いします」


「で、名前とか、思い出せた?」
「深層記憶から、ナギというのが。形式番号はSATX-133、です。
 OSのデータからそう読み取れました」
「ナギさんか。S社製でお決まりのXナンバーと。間違いは無いな」
「・・・えっと、ジャムスさんの持ってる情報を教えてもらえませんか。
 私、これ以上のデータを見つけられなくて、自分がよくわからなくて」
分からない、という事から、底知れない不安が表層に出力される。
「そりゃ意識が戻ったら名前以外何も覚えてないときたら、人間なら混乱するが。
 けどナギさんの場合は実質生まれたてみたいなモンだし、なぁ」
心配するような事は無いんじゃないか、と彼は言う。
「とりあえずこちらに損は無いし、知ってる事は話そう。たださっきも言ったが、
ナギさんに必要なのはこれまでじゃなくてこれからと・・・って、泣いてるのか」
視覚素子から潤滑液が漏れていた。自分でも上手く制御が出来ない。
ややあって、そっとシルビさんが近づいてきた。
「マスターは相変わらず女性の扱いがイマイチです。こういう時は言葉でなく体で表現しないと」
「あれー、この人ホントにオートマタだっけ・・・」
温かい両手に優しく包まれる。機械の身体と感じさせない程、心地良かった。
「ひとまず今日からここが、貴方の居場所。私は一応貴方のお仲間なんだから、頼っていいの」
乱雑なデータが行き場を失い、
「それにしても綺麗な黒髪ね、惚れ惚れしちゃうなぁ」
嬉しい、という感情を認識した所で、意識が途切れた。

355:名無しさん@ピンキー
11/04/05 23:08:36.19 5g52f9UF
――――――――――

再起動すると、メンテナンス用の寝台の上に寝かされていた。
気付いてやってきたジャムスさんから、この前の続きで詳しい話を聞かせてもらう事になった。
私がある研究所の実験機だった事、機械として存在理由を1つも持たずに
稼動できる事、後に「機械は人に支配されて然るもの」と考える上層部に
危険分子とされ、部署ごと処分された事。私がスクラップにならずに
済んだのは、ある研究者の計らいでジャムスさんの所に行き着いた事・・・
これからの生活に必要無い、という意味は理解できた。
客観的にはネガティブな境遇なのだろうが、私の感情はこれといった反応を示さなかった。
わたしには、マスターがいない。これはいい事なのか悪い事なのかは分からない。
通常なら、存在理由が無くなったオートマタはAIが自壊して稼動停止するという。
ただ私はそうならない。これも良し悪しは判断できなかった。
今の所、そういった話をただ事実として受け止めるだけ。


「えーっと、ナギさん」
「ナギでいいです。私に敬称を使う配慮は、必要ありません」
「さようでございますか。・・・それはともかく。
 表層意識が落ちてる間に、出来る範囲でメンテをしておいた。
 駆動系のリンクは一応改善したつもり。昨日よりは動きやすい、と思う。
 しかしまぁブラックボックスの多い事。 流石にS社の最新世代は伊達じゃねぇなぁ、
 マサダさんのデータ無かったら詰んでたよ」

「・・・あの、ありがとうございます」
この恩をどうやって返せばいいんだろう、という思考が浮かびつつ
寝台から起き上がろうと試みる。
「・・・」
昨日は上半身の感覚しか返ってこなかったが
今は下半身にもエラーは検知されず、
リンクは正常で、問題無く四肢は動作した。
「そういえば、服・・・」
「ん?あり合わせのをシルビが適当に着せてた。
 気に入らなかったら言ってくれ」
「ん・・・いい、と思います」
やや特殊な見た目に思えたものの、不快と感じる要素は少なかった。

「そうか。じゃあ俺はそろそろ仕事に戻る。動けるならうろついていいけど、
 場所が場所だし、危険か危険でないかくらいは、自分で判断してくれよな」

「・・・了解しました」

「あー、俺はアン・・・ナギのマスターじゃないから、そういう言い方はしなくてよろしい」
「では、どのような返事が良かったのですか」
「はい、とか、分かりました、とかでいいんじゃないすか」
「はい、分かりました」

356:名無しさん@ピンキー
11/04/05 23:09:44.67 5g52f9UF
――――――――――

ジャムスさんが離れた後、出歩く前にセルフメンテナンスをする。
意識が落ちている間にリカバリーが行われていたのか、
ジャムスさんのメンテも相まって身体機能はほぼ復旧できた。
感情処理層も異常無し。といっても、昨日はオーバーフロー起こしちゃったけれど。
ただ記憶領域は汎用ライブラリ以外空っぽ。結局研究所に居た頃のデータは何も見つからず。
ライブラリも後で更新しないと。今の私には、日常会話が可能な最低限しか入っていないだろうから。

メンテを終えて小部屋を出ると、屋外に向かうにつれ騒がしい音が聞こえ始めた。
先ほどまで居た建造物も二人で住んでいるには若干持て余すような大きさだが、
外へ出て見回せば、より広大なガレージがすぐ隣にあった。
入口には商品?を陳列するスペースが設けられている。
昨日起動した場所はおそらくこのガレージの搬入口の近くだ。
搬入したての廃品の山には、オートマタのような物体も混ざって堆積している。
有機、無機が入り混じる異質で不快な光景。
中央には廃品を溶かす炉のような物や、大型の作業台のような物、
遠目では箱にしか見えない物、そういった機材が何らかの制御で動いている。
計器類はほとんどサインフレーム式。何も無い空間にディスプレイが浮かび状態を写している。

作業の傍ら、ジャムスさんが話しかけてくる。
「原料抽出はプラントごとにプログラム制御できる部分が大半で
 その辺はシルビが片手間でやっちゃうし、俺がやる仕事って
 オートマタの修理解体と機材のメンテとかそのくらいなんだよね。
 勿論パーツの製作とかやるけど、俺はただの仕掛け人」

「私にも手伝える事って、ないですか」
どうしてか、口にしてしまった。
「マスター不在でも、奉仕の心は健在ってか。オートマタの性なのかねー」
ジャムスさんは茶化すが、
「私がオートマタだから、という理由ではないと思います。
 ただ、ここまで良くしてもらって何もせず居座るのは悪いと思ったんです」
こういう風に思考するのは、間違っていないはず。しかし、
「あー・・・ナギの世話をする分では既に報酬を貰ってる。
 あと俺達が君の世話をするのは、依頼という事以外にも理由があるから。
 変な義務感を持つ必要は無いんだが」
最初から何もしなくても良い状況にあった。
「それでも、納得いかないです」
「なるほどね・・・(それっぽくなってきたかなぁ)」
ややあって、
「けど、今の所は間に合ってるから平気だ。
 そのうち忙しくなる時期はあるから、その時に頼むよ」
そう言われ、ジャムスさん達の家―私が出てきた建物―の横のテーブルに誘導された。
暇、という状態が何か罪深い物に思えるのは何故だろう。

357:名無しさん@ピンキー
11/04/05 23:10:58.10 5g52f9UF
――――――――――

「ヤコブおじさーん、なんか新しいパーツある?」
「そうだなー。M社製のCPUとかS社製の記憶素子とか、そのへん。
 C社のはブループリントがまだ来ないから待ってくれよ。
 あとは頭髪型マニピュレータとか作れたな」
「なに、それ」
「愛玩用に手足の無いオートマタが昔販売された事があったんだが、
 たまたま思い出して復元してみた。どう?」
「へぇ、意外と髪として体裁は保って・・・ごめんやっぱ動いてるとキモい」

今ジャムスさんと入口で会話をしているのは、
オートマタ用のパーツを買い足しにくる常連客の一人らしい。
親しい周辺住民には、ああいった呼称もされるみたいだ。
「新しい子?こんちわっす。・・・ひょっとしておじさん、浮気中?」
顧客から視線を浴びる。どう反応していいか分からないので、
軽く礼をして表情を変えずに様子を見る。
「違うな、依頼が来て引き取った、というか今の所保護してる」
「ふーん。まぁシルビさんの機嫌損ねない程度にね。じゃあまた来るよおじさん」
「だから違うっての。全く」
常連客は記憶素子と処理層拡張メモリを買っていった。
オートマタのスペックアップに熱心な人だという。


「ところで、シルビさんは何をしているんですか?」
ガレージの奥の方、オートマタにケーブルを刺して回る様子が見えた。
歩く度に揺れる長い銀髪が艶かしさと可愛らしさの両方を感じさせる。
「あぁ、あれ。レストアしたオートマタの状態管理。解析して簡単なエラー診て回ってる。
 ああやってもらえると、俺が弄る時に後の作業がしやすい、と。ぶっちゃけめんどくさかったら
 該当OS再インストールでも起動するんだけどなー」
「面倒臭さで優先序列変えるオートマタはいませんよ。私は作業効率命、です。
 安易な手段に乗らないのは、マスターの腕が良いからって事なの」
遠くからでも無線でしっかり突っ込みを入れてくるシルビさん。褒めている、らしい。
廃品から復旧された内で通常稼動してる個体がいるのは、
ジャンク屋という企業所属を一時的に与えているからだとか。
殆どは溶かされるが、状態が良い個体は新しい働き手を与えて引き取ってもらうという。
私が壊れたらどうなるんだろう。何も言えなくても、ジャムスさん達に直してもらえるだろうか。


358:名無しさん@ピンキー
11/04/05 23:12:21.96 5g52f9UF
――――――――――

一仕事終えて夜になり、ジャムスさん達は家に戻って食事を始めた。
私は外装表面―肌部分が有機体ベースなので、その組織の維持には
何らかの方法で有機物の摂取が必要になる。メンテナンス部から
溶媒を注入するのが一般的だが、「それじゃ面白くない」と言われて
食卓につかされた。経口摂取でも過剰分は僅かなエネルギーにできるし
分解して液体として排出できるので支障は無いけれど。

ジャムスさんはそこそこな量を、シルビさんはいつも通り、といった風に
オートマタとして妥当な―ジャムスさんと比べると半分ほどを口にする。
私の席にはジャムスさんと同等レベルの質量をあてがわれていたが、
私の場合この三分の一程度で足りてしまうのでかなり過剰。
量を減らして欲しいと請うと、「初めての食事なんだからたらふく食わないと勿体無いぞ」
というような事を言われて結局全部平らげる羽目になってしまった。
でも、食事を美味しいと認識できる機能があったのは幸いだった。


片付けを手伝わせて貰う事ができて、シルビさんと言葉を交わす。
「ナギさん、やっぱり変わってるなー。マスターは勿論だけど、私だって貴方に興味あるんですよ」
興味、と言われた。私にはまだそういった思考が生まれないのに。
「ナギでいいです。けど、私にはシルビさんの方が変わって見えますよ」
「そう?」
センターに狂いは無い。人と変わらない体温は恒温機の所為。
ただ、そこには鼓動が無い。赤い視覚素子は今でも何らかの処理をしているのか、微かに光が波打っている。
「同じオートマタなのに、私なんかよりずっと人間みたいで」
「・・・私は改造と機能拡張、20年くらい繰り返してますから。
 その間に色んな感覚を覚えてきましたし。流石に貴方には負けちゃうけど、
 型落ちなんて言わせませんよー。」
近距離無線でデータが送られてくる。届いたのは彼女の形式番号―CAT-21d。
ガレージで見かけたモデルと比べても数世代は軽く前のものと分かる。
だが、後で自慢げに送られてきたスペックのデータは私と同じくらい。
「ただ、私はどんなに人間のように振舞えても、オートマタとしての役割は無くならない。
 はっきりと自我のような物を扱えるようになってからも、一義的な行動理念はマスターです。
 だから貴方が何にも縛られずに生きられるのは凄い事、だと思う。私はマスターに尽くす事に
 不満はないので、羨ましいという思考は持ちえませんけどね。」
プログラムされた物であるにしては、それはとても綺麗で、澄んでいて。
「・・・だってマスター、とっても良い人でしょ? 私はあの人がマスターで良かった、
 とか最近はちょっとイリーガルな思考もできるようになってしまって」
ちょっと困惑するような、しかしとても満足そうな笑みを浮かべる。
「そうですね・・・」
この人はきっと、命令なんかなくてもジャムスさんと一緒に暮らしそうだ。

「ところで、ジャムスさんっておいくつなんですか?」
「禁則事項、ですね。けど、マスターは不老処置受けてますから、
 私が壊れてしまうよりは長く生きてくれますよ」

359:名無しさん@ピンキー
11/04/05 23:15:16.67 5g52f9UF
おわり
構想はあったけどやっぱりエロなんか向いてなかった
スレ汚しすまねぇ

360:名無しさん@ピンキー
11/04/06 03:51:05.74 eqej/nP7
>>347
おじいちゃんのお下がりは流石に遠慮したいところだ
いにしえの性器ユニットとかって、現代の科学では製造不可能なオーパーツだったりして

361:名無しさん@ピンキー
11/04/06 05:22:59.56 AF72Cy/W
いにしえのユニットを制作する「秘伝の書」を拝領するってのでどうだ

362:名無しさん@ピンキー
11/04/06 06:01:18.42 6MsqlI9y
そんなもの公にするわけにもいかないだろう
まさに秘伝だわなw

363:名無しさん@ピンキー
11/04/06 09:29:04.68 QVq3iceU
>>359
>ロボットやアンドロイド燃え・萌えを語りましょう。

「エロ」は必要では有りませんよ?
また、どこかのお花畑に逝ったか、みょうな電波を受信したら、投下して下さい。

364:名無しさん@ピンキー
11/04/06 11:46:07.46 9mnXeAOu
>>361-362
そして、性器ユニット職人の朝は早い・・・になるわけだな。

365:名無しさん@ピンキー
11/04/06 13:28:54.44 v0TV4Cqw
マソコスペースにオナホは必要か?
もっと有意義な使い方はないのか





なかった

366:名無しさん@ピンキー
11/04/06 15:09:20.74 XS3TVjO2
水素発電で水が発生
垂れ流しするわけにはいかないので下腹部のタンクに一時ストック
マスターの趣向で黄色く着色する事も!

367:名無しさん@ピンキー
11/04/06 15:22:00.39 0BsgVGMN
普通に冷却水に回せw

368:名無しさん@ピンキー
11/04/06 15:31:31.67 MGR1zy0e
冷却に使ってぬるまったのがストックされるんだろ?

369:名無しさん@ピンキー
11/04/06 18:04:32.88 8CWNi6Em
お前ら、どうあっても37度前後の温水をロボ娘の股間から放出させたいと言うんだな
この変態どもめw

370:名無しさん@ピンキー
11/04/07 06:58:30.35 1UlZU4k9
感情を持ったアンドロイドはまだ造られないのか

371:名無しさん@ピンキー
11/04/07 07:54:32.36 FzCicWKb
>>370
造れない(技術不足)
造らない(倫理的宗教的嫌悪感)
造っても公表しない(お察しください)
の三重苦

372:名無しさん@ピンキー
11/04/07 11:14:57.68 A2vXy2Ao
そもそも何をもって「感情を持った」といえるか定義できてない

373:名無しさん@ピンキー
11/04/07 12:15:07.35 qSgCrT9g
ピッ(警告音)
「マスター、タンクが一杯です、排水しても良いですか?」
 YES
→NO

ピーピー(重大な警告音)
「マスター内部圧力が限界値を超えています、このままでは重大な損傷の恐れがあります」
 YES
→NO

ジョロジョロー(漏らしちゃった音)
「マスターごめんなさい・・・内部圧力上昇により漏洩してしまいました・・・」

→お仕置き

374:名無しさん@ピンキー
11/04/07 15:01:44.51 gGxMMLa1
>>373
俺が全部飲んでやんよ

375:名無しさん@ピンキー
11/04/07 18:20:19.17 1UlZU4k9
>371 1と3はともかく2は何故だろうな

376:名無しさん@ピンキー
11/04/08 07:59:25.08 DwiKuDZV
>>375
人間が人間を造るのは神に背く行為だという
宗教感に毒された人がまだまだいますからなあ

377:名無しさん@ピンキー
11/04/08 09:54:05.43 NMs0nGFG
生きてるうちにメイドロボ出来ないかな

378:名無しさん@ピンキー
11/04/08 13:50:43.44 k199ioGN
質問です。

「感情」とはどういうモノですか?
・猫、犬、ウサギ、馬、牛、などの家畜などは感情を持ってますか?
・コンピュータで行うには、どうしたら、良いのですか?


メイドロボ?
どういう機械を考えてますか?

・欧米では一口に「メイド」と言っても組織的な階級制度がありますが?どの階級ですか?。

・日本で言う「お手伝いさん」「家政婦さん」などの代行で良いのですか?だったら、格好は機械機械してても良いのですね?
変な事を書けば、キッチンワゴンなどに走行機能と義手と赤外線リモコンなどを付けて
 ->赤外線リモコンで、例えば「掃除機」「エアコン」「照明」「テレビ」などを操作する。
 ->ダイニングのテーブルから食器を、食器洗い乾燥機に移す。その後、収納棚にしまう。
 ->とりあえず、音声での会話が出来ない訳ではない。

などでも良いと思われます。

・単にメイド服を着た、女性型の機械で良いのですか?だったら、仕事などが出来なくても良いのですか?
 ->防水、防塵、耐熱、で一緒に風呂に入れて、添い寝をしてくれる。
 ->市販の婦人服などに着替えてくれる。
 ->でも家事全般は、まったく出来ない。
 ->股間は一応受け入れが出来る形にはなってはいるが、手入れは持ち主が行う。

などでも良いと思われます。

どうしましょうか?

379:名無しさん@ピンキー
11/04/08 14:11:27.36 xMreoPJM
一生懸命なドジッ子じゃないと嫌だなあ

380:名無しさん@ピンキー
11/04/08 23:28:55.86 cLkN5tzF
キャタピラの付いた炊飯器一択だろ

381:名無しさん@ピンキー
11/04/09 00:25:09.12 AOtXQugn
>>376
たしかに、ASIMOですらバチカンにお伺いをたてたらしいし。

>>378
初期のメイドロボは、そういう自走キッチンワゴンレベルどまりだろうね。
会話もきびしんじゃないか?コマンドは音声で指示できるだろうが。
料理くらいはしてほしいが・・・。

382:名無しさん@ピンキー
11/04/09 01:11:20.82 pvWQHasp
>>381
実用に堪えるかどうかは別として、その程度のレベルなら今でも実現可能。>自走キッチンワゴン

383:名無しさん@ピンキー
11/04/09 07:51:47.85 30WABbZA
商品名は忘れたが、あの自動で充電しながら部屋を掃除してくれる丸っこい奴
あれがメイドロボ1号機ってことか……

384:名無しさん@ピンキー
11/04/09 11:20:29.57 FGTmxEQl
ルンバ100式ぐらいになるころには…!

385:名無しさん@ピンキー
11/04/09 11:30:07.95 lgMD6zCd
ルンバも階段から落っこちちゃうようなドジッ娘だったらよかったのに
それとエネルギー補給時におねだりせずに勝手に行うのはどんなもんだろう

386:名無しさん@ピンキー
11/04/09 12:34:19.45 BGToWhm6
Wikipediaの
> 敷物の端などがからまって動けなくなった場合、動ける範囲だけを掃除するか、停止して悲しげな音を発して人間になんとかしてもらうのを待つ。
という記述はちょっと萌へ

>>385
ごみ捨ては人間が世話してやらないといけないんだろう?

387:名無しさん@ピンキー
11/04/09 14:17:19.85 tPldnvPo
つまり、排泄だけは手伝ってやらなければならないと……

388:名無しさん@ピンキー
11/04/09 15:56:49.47 B7LzHDKY
ルンバに炊飯器を載せれば良いのですか?

ドジ? プログラムなドジは嫌です。

何だかさ?
キッチンワゴンの下にスイブル・スイーパーG2かホーキー または コロコロ を入れて
顔の変わりに炊飯器載せると、理想になるのかな?

良くはわかりませんが、ルミナスかアイリス・オーヤマの幅80cm、奥行き60位、高さ140cm位のワゴンでは大きいですか?


389:名無しさん@ピンキー
11/04/09 17:57:01.16 O2mnowrw
ルンバと言えば、我が家にもあるから多少の質問は受けるよ。

・実は円盤型の周辺がバンパーになっていてそれが当たると障害物を検知する。
従って、そのバンパーが当たらないが頭がつかえる程度に低い隙間に入ると、
何度も何度も前進を試みて右往左往するが、これは「進めない理由が判らない」らしい。

・壁際は、壁の際ぎりぎりまで掃除するために蛇行しながら進行する。
このときたまたまゴミ箱があると、少しずつ押しながら壁に沿ってコーナーまで運んでしまう。
これは、「ゴミ箱を嫌って少しずつ蹴りを入れて隅っこに押しやった」と観測されている。

・毛屑の出やすいカーペットは埃センサーが反応するのか丁寧に掃除する。
挙句、端っこを絡めては巻き戻し、絡めては巻き戻しを繰り返すのでどうしても
フローリングよりも長く留まっている。そう、まるで「カーペットが気に入っている」ように。

・ホームベースは壁際などに設置していないとドッキングの際に動いてしまう。
そのためいつまで経ってもドッキングできないとドッキングを諦めて周辺の掃除に戻る。
その結果、「充分掃除できたと納得する」のか大抵は部屋の隅のほうで、停止状態になる。

どうだい、これでも萌えないかい?w

390:名無しさん@ピンキー
11/04/09 18:11:37.37 DPmX8wIE
お前、ルンバの動きを研究するためだけに買いやがったなw

391:名無しさん@ピンキー
11/04/09 18:57:01.73 YyAflQhl
ルパンがどうしたって?

392:名無しさん@ピンキー
11/04/09 19:22:56.57 34yzwRf6
>>389
すげー


人間の想像力

393:名無しさん@ピンキー
11/04/09 19:59:10.01 /O0is5n3
>>358の続きのようなものの電波の解析が終わったので投下します
また唐突ですんません

394:名無しさん@ピンキー
11/04/09 20:00:50.99 /O0is5n3
――――――――――


自室で端末と睨めっこをしていると、几帳面なノックが聞こえた。
横目に入室を許可する旨を伝えると、入ってきたのはナギ。
「ジャムスさん、お願いがあるんですけど」
作業を止めて一端振り向く。
「ん?どうした」
「ライブラリの更新で、回線を借りてもいいでしょうか」
「ああ、いいよ。それ以外の用途でも好きに繋いでいいんだけど」
通信技術の進歩の賜物か、今ではそこらじゅう繋ぎ放題になっているが。
やはりオートマタは生真面目。でもこの初々しさも趣がある。
「ありがとうございます。あと、身体機能のうちでまだ復旧してない部分があって」
むぅ。そのうち気付くとは思っていたけど、昨日の今日で、とは。
「……そういえばそうだったな。(さて、どうしたものか)」

復旧していない部分とは、下半身の女性器ユニット。
あのあたりはどこも各メーカー秘蔵のシステム構成で、ましてナギは一応最新型。
ソフト側からアプローチするのは相当に困難だ。
その上彼女にはマスターがいない。その行為での悦びだけに囚われて、
快楽を求めて彷徨うオートマタになんかなったら、たまったもんじゃない。
そう危惧するところもあって、敢えて手をつけなかった。

「その部分がどういった用途があるかは、ライブラリで参照しました。
 今後使うかどうかは分からないんですけど、まだ自分の身体を
 掌握できてないというのは、不安なので……。だから、」
直して欲しい、という事なんだろうが、だ。
いくら実験機といっても、羞恥心とか貞操観念とかそういうのは無いのか彼女。
性行為というものを抽象的なデータでしか判断できないからこそかもしれないが。
「何を言っているのか分からないと思うが(略」みたいなのを地でいくような主張を聞く。

「あー……そのへんは結構デリケートだから、出来れば俺が調整したいけど。
 アンタはただのオートマタじゃないから、背徳感、感じずにいられなくてね」
普通のオートマタだったら、ユニット換装して整合性取れたら終了、あとマスター頼り。
そう出来ない現状、外部から刺激を与えるのが一番ってのも難儀だが……
自分で弄るのはとても気が引ける。となると、シルビに頼む以外に選択肢は無さそうか。

「背徳感、ですか。私はジャムスさんに調整される事に
 不満はありません。私への配慮は不要ですけど……」
素で言ってるのかなこの人。なんだかますます復旧させるのが恐ろしい発言である。
「……シルビへの配慮って事で」
「なるほど、そういう事でしたら、仕方ないですね」
とりあえずこう言って納得させる。実際最近の彼女は
我が強くなってきたから、浮気したら説教くらいは受けるかもしれない。

「とりあえず、後でシルビにやってもらおうと思うから、待ってくれよ」
「はい、分かりました」

395:名無しさん@ピンキー
11/04/09 20:02:06.86 /O0is5n3
――――――――――


しばらくして、シルビさんの部屋に招かれる。
ジャムスさんの居る部屋と違い、完璧な程物の整理がなされている。
今までで気が付いた事と言えば、どの部屋にも
メンテナンス用の機材が共通して存在した事だろうか。
「えっと、シルビさん、よろしくお願いします」
「構いませんよ、マスターのお願いもありますが、私も好奇心に任せて行動できる良い機会なので。
 ほら、外付けの張形デバイス。私とマスターの間だと、使う事は一度も無かったんですけど」
実物を見たことは無いが、あれが男性器を模したもの、と思われる。
そういった需要も一部あって製作されたものの余剰品を見つけてきたという。
私の女性器ユニットに接続して、システムリンク復旧を促すという話だけれど。

「セクサロイド機能、私のは後付けですけど、最近のは当たり前のように
 プログラムされてるんでしたか。貴方の場合はそれこそ本能のように動けてしまうのかも。
 ただ、自分を律する事が出来なければ、快楽に溺れるだけになってしまうかもしれませんよ。
 そのことには、気をつけておいて」
「了解しました」
「……ナギ、マスターからそんな硬い返事するな、って言われませんでした?」
「あ、はい、分かりました」
「ふふっ、それでよろしい」
あの時の会話をどこから聞いていたのだろうか。
この建物とガレージ一体は、彼女の監視下にあるのかもしれない。
若干不敵な笑みを浮かべられながら、ベッドへ誘われた。

「ちょっと、くすぐったい、です」
「そのうち気持ちいい、に変わりますよきっと」
処理層に未知の信号が届く。
これが性感、というものなんだろうか。

「私は先に準備、しておくから……」
ピ、というわずかな操作音と、ヴ、という駆動音。
視覚素子の発色が変化し、より妖艶な雰囲気を醸し出し始めた。
「ん、はぁ……」
淫らな吐息が漏れる。呼吸、という概念が擬似的に体現されている。
鎖骨のあたりにはサインフレームが浮かび上がる。
表示されているのは、最大稼動での活動限界時間と、オーガズムのレベルのグラフと%表示。
「この表示はマスター向けなんですけど、参考にして下さいね」


「……さて、早速いきましょうか」
言われたものの、それは自分の場所と未だサイズが不釣り合いなまま。
「シルビさん、こんなの、入るわけ……!」
「復旧したらちゃんと伸縮しますよ、それじゃ接続申請」
「あ、きゃ……っ!」

意識の隅で、何かが弾けた。

{Connection Recognized} Status:activated ...

396:名無しさん@ピンキー
11/04/09 20:03:15.24 /O0is5n3
――――――――――


ナギの動きが変わり、シルビは
あちら側のスイッチが入った事を認識した。
マスターから受けた指示はおよそ達成したが、
好奇心を満たす事を優先して行為を続ける。
「んあっ、あっ…はぁ……!」
「さすがに…ぅ、うまいなぁ…」
膣部は最初から強烈な動きを繰り出してくる。
男性側の立場で性交をするのは初めてでも、自分のものと比較すると
上手だと推測できる。それにリードしているのは向こう側だ。
「ひゃ、んっ…!」
「ナギ、ちょっとゆっくり、んんっ、して」
サインフレーム、見てもらえてないのかな。
動きを緩めてもオーガズムのレベル上昇が早くて、驚いてしまう。
感度設定を間違えたんだろうか。
「や、あぁん……ぅう…!」
初めてのはずなのに、デバイス登録時に設定された
"クセ"の部分を執拗に狙われている。
「やぁっ、あ……う、そ」
私のボディ固有の、感度が高い箇所も見透かされているような。

「はぁ……ん……!」
「あっあっ、ア―――!」
もう、絶頂を認識してしまった。あまりの快楽にノイズが混じる。
けど、ナギは動きを止めてくれない。
それどころかより激しく、強く求めてくる。
「え…?あ、ひャ……!!」
「ナギ、―う、―――!?」
処理層が圧迫されて、上手く言葉を発せられない。
想定を超えて増幅する信号の処理で、凄まじい勢いでリソースを喰われる。

「また―イっちゃ―、!―――」

「ナ―、―おねが――、や―テ――!」

恐怖と快楽が入り混じる思考の中、自らの訴えはノイズに消されてしまう。

「キ――、ピ――、―ッ―」

「――――、`/4|v|&7[-#!:」

もう、声帯部からまともな出力はできなかった。

397:名無しさん@ピンキー
11/04/09 20:04:28.48 /O0is5n3
――――――――――


「っは……はぁ……ぅ……」
今の私は、対象に最大限の快楽を与えるだけの存在。
そして、自身にも送られてくる信号を増幅させて
反応を得るだけの機械。
「ぁ……ぁ……あぁっ……」
マダタリナイ マダホシイ
モットハゲシク モットキモチヨク モtttttttttttttttttttt
「はぁ……ん……んんぅ……!」

ナギ、それじゃ駄目―

「や、ア――――」
意識が飛びそうになった所で、呼びかけてくる声に気が付いた。

Status:cancelled ...


――強制開放されたタスクを抑え付けた時、彼女の視覚素子に光は灯っていなかった。
間をおいて外装表面から放熱板が控えめに展開し、強制冷却が始まる。

「シルビさん、ごめん、なさい……」

サインフレームのグラフはずっと頭打ちとなっていて、最後に確認した稼働時間からは
10分近く経っていた。データを飛ばして語りかけてみるが反応は返って来ず、
何もできずに途方にくれていると、様子がおかしいのに気付いたのかジャムスさんが入ってきた。
「あー……」
驚きと不安を隠せない表情だったが、
シルビさんの様子を少し見るなり、頭をかきながら話す。
「……たぶん大丈夫だろう。お前もちゃんと直すから、そう泣くな。
 あれより酷いのを、何度も直してきてる」
言って、頭頂部に手を乗せられる。
「想定してなかった訳じゃないが、しかし随分と派手に……。
 まぁなんだ、動けるならまずその淫乱すぎる状況を改善して欲しい。俺も男だし」

シルビさんとの接続は、まだ解除されていなかった。

398:名無しさん@ピンキー
11/04/09 20:05:29.57 /O0is5n3
――――――――――


シルビはなかなか無茶をしたらしく、冷却が一段落するまで下手に手は出せない。
状況を落ち着けて、ひとまずナギのメンテをする。
解析の結果は、駆動系に若干過負荷がかかった所以外は異常無しだった。
ソフト面のエラーは自己修復が働いているし、彼女は色々と頑丈に出来ているらしい。
自立稼動のコンセプトを考えると妥当かもしれないが、設計した奴はかなりの天才か変態だ。
セクサロイド機能が止まらなかったのは、性器ユニットが
射精を認識できない状況下でループに囚われた、と推測……まぁ、百合だし。
シルビが静止を働きかけたと思うが、ナギも初めてだったから
制御が上手くいかなかったのだろう。結局、俺の我儘で
ナギにもシルビにも悪い事をしてしまった。

「シルビさん……!」
事のいきさつと現況をナギから聞いている間に、シルビは自己保持が働いたのか
ゆっくりと再起動を初め、弱弱しく首だけ動かしてこちらを見る。

「マス、ター……おはよう、ございます」
「おう、おはよう」
「ナギ、は……?」
「大丈夫だ、お前よりは全然平気」
「それは―った、です」
この期に及んで自分よりナギの心配をするのは、少々自己犠牲が過ぎる。
不完全な音声出力から悲哀を感じずにはいられない。

「……お前、オーバークロックして処理に耐えようとしただろ。
 その気になればもっと強引に止められたと思うが、どうしてだ」
「ナギが感――いまま、私だけ達して終わらせる、のは
 公平性、に欠く、と判断しました、から。」
「いや、自分が壊れたらどうするつもりだったんだよ……あと俺の面倒が増えて困る」
「マスターなら、それでも直し――ると、信じて、ましたよ」
ちょっと妙だ。信頼してくれるのは嬉しいけど。
三原則的なハードルに正面からダイブしてこけてしまったみたいな。
「しかしその様子だと、処理層のダメージは確実かぁ。他が痛んで無ければマシだが。
 あの辺弄ってまだ間もないってのに、ちょっともったいねぇよなー……」

愚痴はこぼしたが、ひとまずナギを安心させた後シルビを休止状態にする。
時間も遅いので、復旧は明日だ。数日仕事が滞っても、今は支障は無いからいい。
家屋のスペースは余っているものの、ナギは責任のようなものを感じているのか、
今夜はシルビの部屋に留まる事にしたらしい。
一緒に横になっている様はまるで姉妹みたいに見えそうになって、ちょっと危なかった。
俺が彼女を縛るような事は、したくない。

399:名無しさん@ピンキー
11/04/09 20:09:25.40 /O0is5n3
おわり
つまらなかったら叩いてくれた方が
もう別の媒介で挑戦する方向で諦めがつくんだけどどうだろう・・・
やっぱり文字だけで浪漫を伝えきるのは無理すぎるでござる

400:名無しさん@ピンキー
11/04/09 20:10:59.91 Kt4t5MKJ
>>389
ルンバって意外に可愛いんだなw
ひょっとして名前なんか付けてる?

401:名無しさん@ピンキー
11/04/09 20:13:23.06 sU0cA3tT
ちょwww
名前つけるのはさすがにヤバいだろw

402:名無しさん@ピンキー
11/04/09 20:16:31.25 Kt4t5MKJ
ペットにだって名前くらい付けるだろ、普通
パソにだって名前を付ける人間がいるくらいだし
自由に動く分だけルンバの方がパソよりよっぽど動物っぽいぞ

403:名無しさん@ピンキー
11/04/09 20:21:20.29 IgTkFI8B
ん十年の昔、愛妻号って商品名の洗濯機があったんだが
あれは妻の家事を少しでも楽にしてあげようっていう意図があった命名だったんだな
当時、モテない男は女の代わりに洗濯機を愛妻になくちゃならないなんて悲しいことだなあ
なんて真剣に思っていたw

404:名無しさん@ピンキー
11/04/09 20:30:51.52 sU0cA3tT
名前をつけるのはいいが、人前では絶対に呼べないな

405:名無しさん@ピンキー
11/04/09 20:35:21.64 f46VA8OL
>そのバンパーが当たらないが頭がつかえる程度に低い隙間に入ると、
>何度も何度も前進を試みて右往左往するが、これは「進めない理由が判らない」らしい。

稲中卓球部の「前に進めない~」を思い出した



406:名無しさん@ピンキー
11/04/09 20:57:24.41 RzKEobD9
稲中といえば、カルロスとホセのダッチロボが出たことがあったな。
フェラの時だけ口まわりのユニットが反転して形状が切り替わるギミックは素晴らしい。

407:名無しさん@ピンキー
11/04/10 02:41:54.44 P7I4ppuc
>>399
GJ!
いや、十分エロイからもっと頼む。
今度はマスターに弄られながらエッチとか。

408:名無しさん@ピンキー
11/04/10 08:37:21.88 l9wXU2Al
コブラのレディも、口元のアーマーを外したらフェラ口仕様になってたら笑う

409:389
11/04/10 09:06:34.29 ng6Entw9
>389のエピソードは母親の観察によるところが大きいのだが、その母親が先日バーチャルウォールの向きを間違えた。
当然の如く部屋から脱走しようとしたルンバに、「るんちゃん、そっち行っちゃダメ」と声を掛けたのを私は知っている。

410:名無しさん@ピンキー
11/04/10 09:48:06.73 Lq/fFMgI
>>409
W

411:名無しさん@ピンキー
11/04/10 09:58:10.67 4ZtqwzGA
可愛いお母さんだな
やっぱルンバじゃロボメイドっていうよりはバーチャルペットってところか

412:名無しさん@ピンキー
11/04/10 10:05:14.11 rtIPsPWj
「ちゃんと世話するのよ!」と言っておいて結局母親が一番可愛がるパターンか

マイク付けて呼ばれたらそっちに近づくプログラムとかウケそうだな
(プログラミングは出来たような気がする)

413:名無しさん@ピンキー
11/04/10 10:35:53.04 4ZtqwzGA
メイド姿は100式まで待たなければならないな

414:名無しさん@ピンキー
11/04/10 10:39:03.43 ZUXJe7aX
メイド婆に見えた
「掃除の邪魔だよ!昼間からゴロゴロして!」って言われるマスターを想像した

415:名無しさん@ピンキー
11/04/10 10:50:18.49 4ZtqwzGA
婆の外皮が割れると、中から妙齢の美女が……

416:名無しさん@ピンキー
11/04/10 10:53:50.49 rtIPsPWj
>>415
さらに外皮が割れると・・・と
マトリョーシカ式に若くなっていくのか?

417:名無しさん@ピンキー
11/04/10 10:55:32.95 ZUXJe7aX
コアには初代ルンバか

418:名無しさん@ピンキー
11/04/10 11:26:52.66 5sHuhbGt
>>417
全俺が号泣した><

419:名無しさん@ピンキー
11/04/10 11:46:23.04 AP2RkaUf
>>417
その場合は縦置きだなw

420:名無しさん@ピンキー
11/04/11 03:03:21.35 BFG1kKRh
(……こいつに触れていると何故だか安心するな)

 整った顔の上に手を滑らすと、さらりとした感触が俺の右手に伝わってくる。
耳からあごの先の丸みに、懐かしさを覚えた。

「マスター?」
「いや、何でもない。 R-7038、たった今お前の役割を解任し、これより動作を終える時までお前を自由の身とする」
「マスター?」

 盛者必衰と言うべきだろうか、成り上がりの我が家は破綻し、明日にも歴史を終える。
財産を失い、自家用ヒューマノイドとして120年ほど仕えたR-7038式を放逐し、僕はこの家から解き放たれるのだ。

「マスター、私の役割が無くなってしまってはどうすればいいか分かりません」
「それが自由ではないのか? もう僕はマスターでは無くなるのだよ」
「名もない私は何処へ行けばいいのでしょう?」
「では最後に名前を送ろう、そうだな……」

 二階の窓から見下ろすと、小さな赤い花の群が庭を埋め尽くしているのが見えた。

「そうだな、あの花、Great Burnetか……バーネットではどうかな?」
「……確かに、受け取りました」
「ああ、残りの時間を君の思うままに」
「やっぱりそうだったんですね! 嬉しい!」
「ふふ、没落を待ち望んで居たというのか? ヒューマノイドの心の中を知ることは無かったが……それも一興かな」
「Great Burnet、ワレモコウ、我も恋う……花言葉は愛して慕う……つまり両思い、素敵です」
「へ?」
「ずっとお慕いしておりましたっ! 私決めました! 貴方のお側に居ます!」

 絨毯に押しつけられ、目を白黒させているうちに……僕はすべてを奪われてしまった。
数十年後、八人の子供達(冷凍された卵子を用いて……)と家の再興を果たすのはまた別の話である。

おわり

出来についてはごめんなさい。

421:名無しさん@ピンキー
11/04/11 08:52:54.85 Awu9+w2o
>>411
家で留守番してると、幼女、幼児がヌイグルミや人形を相手に家族ごっことか、正義の味方ごっことか、で遊ぶのに近い感じで、昼間のお友達がほしいんだと思うな。
で、手近にある「何か」を相手にするんだと思う。草花だとか、小動物だとか。

この掃除機の場合は、子犬、仔猫、ネズミ、などに近い感じなんだと思うな。

422:名無しさん@ピンキー
11/04/11 08:59:19.99 Awu9+w2o
>>420
「読みきり」としては良い出来だと思う。

だが、「数十年後」まで「僕」は生きていたのか。それとも、遺伝子として保存されていたのか?
「冷凍された卵子」は誰のなのか?
などが、気になる。

423:名無しさん@ピンキー
11/04/11 13:05:52.16 wSL67w0z
最初は、FSSのファティマのYou seek your next(Seek out your nextとの説もあり)みたいなものかと思っていましたが
これはいい!

再興までの年数については、突っ込むより納得のいくように読みかえればいいのかな。
名前は、「名前を贈ろう」のほうが個人的には趣があると思うので、脳内で読みかえますね。
卵子ちゃんは、精子バンクみたいに卵子バンクから買ってきたのか、あるいはR-7038開発当時にモデルになった女性の卵子があったとか・・・?

424:名無しさん@ピンキー
11/04/11 22:43:53.79 BgG6pleI
感想ありがとうございます。

足りない部分は脳内補完で、というのは甘えですねw
ご意見は次回作への改善点、活力とさせていただきます。

425:名無しさん@ピンキー
11/04/12 09:29:42.30 ImS0FZCT
例えば
> 絨毯に押しつけられ、目を白黒させているうちに……僕はすべてを奪われてしまった。
>数十年後、八人の子供達(冷凍された卵子を用いて……)と家の再興を果たすのはまた別の話である。


--> 絨毯に押しつけられ、目を白黒させているうちに……僕はすべてを奪われてしまった。記憶と意思の劣化コピーも
-->数十年後、八人の子供達(彼女のお腹にあるロボット子宮とロボット卵子と胎内で冷凍保存された僕の精子を使った)が、家の再興を果たすのはまた別の話である。
-->数年後(彼女のお腹にあるロボット子宮とロボット卵子に新鮮な僕の精子を使った)に作られた、僕から吸い取った記憶と意思の劣化コピーを入れた「おとうさん」と、R-7038「おかあさん」と一緒に。

とか、書けば良かったのでは?

426:名無しさん@ピンキー
11/04/12 15:16:25.68 0ZeJ6NEM
ロボット子宮とロボット卵子ってなんぞw
チャー研の「人間ロボット」みたいな単語みたいで吹いたじゃないかwww

427:名無しさん@ピンキー
11/04/12 17:19:56.50 DkaYMhHh
ロボットアームって言葉なら

428:名無しさん@ピンキー
11/04/12 17:33:00.37 +RbBtxxB
どっかのスレに胸部からロボットアームのようなものを伸ばして
マスターを保護・・・もとい捕獲する奴がいたな・・・
おっぱいには夢が詰まってるというロマンを容易く打ち砕かれたさ

429:名無しさん@ピンキー
11/04/12 17:52:56.36 D4KfxbTu
愛や夢などと曖昧なモノより
ロボットアーム内蔵の方が遥かに嬉しいなぁロマンだよぉ
当然ミサイルやマシンガンや噴乳機構でも良いよ!

それはそれとしてそのスレを詳しく

430:名無しさん@ピンキー
11/04/12 18:38:03.30 +RbBtxxB
全く関係無いゲームのスレで唐突にそんな感じのネタが出ていただけなんだすまない
でも自身の身長を遥か超えて伸びる性能は四次元ポケット並の変態技術だから駄目だと思う
という訳でおっぱいを何かのタンク構造にしない場合は有線式ビットにしたら
「こいつはいい、メンテで機嫌損ねたらビームが飛んでくるぞ!」
などと平気で考える俺は一般人でいられる自信がちょっとなくなった・・・

431:名無しさん@ピンキー
11/04/13 08:02:35.04 xY+IF6Rk
>>430
心配いらん
ロボ萌えの時点で、僕らはみんな逸般人

ひとつ上のステージへ!

432:名無しさん@ピンキー
11/04/17 20:59:16.67 LqNc8lvU
>>426

ん?
人間の精子から遺伝情報を引き出し、
もし、精子の提供者の好みや行動のクセなどを知ってたら、その情報等も混ぜた受精卵を作って、
妊娠、出産するんだよ。


すると、細胞内部は機械も含まれている、遺伝子をもった、人間みたいな装置が出来るんだよ。

赤ちゃんで産まれ、人間と同じ様に成長しながら約80年稼働するんだよ。

それが男形なら精子みたいなモノを作って、人間の女性から、人間の赤ちゃんを作れるし、
女形なら人間の精子で、人間の赤ちゃんを作れるんだよ。

機械同士だと、遺伝情報が不十分だから、子孫は出来ないんだ。


とかいう構想をかなり以前に別スレに書いたんだよ。



433:名無しさん@ピンキー
11/04/17 21:18:13.21 YKMiyvGI
>>432
別スレに書いた設定を知ってて如かるべしとか大丈夫か?

434:名無しさん@ピンキー
11/04/17 21:32:38.16 HQrWWlGC
よく分からんがウォーズマン的な何かみたいなモンか

435:名無しさん@ピンキー
11/04/17 21:42:39.68 /cgqTE04
映画でLionがテーマソングを歌ってたやつですねわかります

436:名無しさん@ピンキー
11/04/18 01:49:53.15 ZCU2zA9S
そろそろダンボール戦記のエロいロボを

437:名無しさん@ピンキー
11/04/18 10:05:24.68 fhuHxsR4
あれはせめてメダロットみたいな自我でもないとなあ

438:名無しさん@ピンキー
11/04/18 21:02:12.74 Kl2gXVJI
今週のジャンプのめだかボックス、ロボ娘の予感
つまり手足の造形がロボっぽい

439:名無しさん@ピンキー
11/04/18 21:52:16.88 GGY4lZ6U
ロボはぷに子で十分

440:名無しさん@ピンキー
11/04/19 19:59:19.36 fXsWMnS/
>>438

目モナー


半分人間半分機械 と言うか サイバーネティクスでオーガニックな存在かも知れない。

例えば皮膚だけ機械とか、脳みそだけ人間とか。

441:名無しさん@ピンキー
11/04/25 21:59:07.19 R+pEE4Jv
本当にロボットだったね

442:名無しさん@ピンキー
11/04/28 16:29:46.60 3nrDgEJM
portal2のGlaDOSがヤバイ
前作からヤンデレだったが、2では名実共にドSヒロインに昇格しよった

443:名無しさん@ピンキー
11/04/29 02:47:46.01 CxjpHSxR
めだかボックスとか池沼
西尾wwwwwwww
数十メートル上から落下してくる5kgの物体を、腕だけで軽く受け止められる主人公Tueeeeeeee
主人公の質量どれだけあるの?wwwwww骨はリン酸カルシウムじゃ強度足りねえよな。
ソナーwwwwwwww

444:名無しさん@ピンキー
11/04/29 08:36:39.79 I5VVfbKI
GlaDOSたんかわいいおGlaDOSたん
百合でヤンデレでツンデレかわいいお
小学生の自由研究の課題で発電できちゃうAIかわいいよ
お芋電池になってカラスに突かれてイキそうになるかわいいよ

まさかメリケンがあんな萌えキャラ用意するなんて思っても居なかったお

445:名無しさん@ピンキー
11/04/29 10:44:21.82 llUqG5cO
>>443
お前は「崖などから落下する人物を片手で掴まえて助ける」
シーンのあるフィクションの数を数えて来い

その点アンドロイド娘は無理なくそういう事が出来るからいいよネ

446:名無しさん@ピンキー
11/04/29 12:49:51.41 I5VVfbKI
GlaDOSたんのモルモットになって、永遠に[極めて致命的な]テストを続けたい
矢印に沿って歩くだけのテストを、[皮肉]を込めた拍手音で褒めちぎられ、調子に乗ってカメラに手を振ってGlaDOSたんに冷笑されたい
誰が考えたってクリアできそうなテストを、GlaDOSたんに怒られるためだけにワザと失敗し、怒られるどころか呆れられて彼女の膨大なボキャブラリーで皮肉られたい
GlaDOSたんが俺の為に特別に作ってくれたチャンバーで、殺す気満々のタレットたんの群れの中に放り込まれて蜂の巣にされたい
GlaDOSたんのまいた[神経ガス]の中でのたうちまわりたい
お芋電池に改造されたGlaDOSたんを色々なところに連れまわしたい、大嫌いな俺に無理やり付き合わされて超絶ご機嫌ななめなGlaDOSたんかわいい
嫌がるGlaDOSたんをカラスと一緒にオリに入れて、悲鳴を楽しみたい、いつも罵ってる役立たずの俺に助けを求め、懇願するポテトスたんかわいそう

447:名無しさん@ピンキー
11/05/01 06:54:14.80 +E3Spwa+
>数十メートル上から落下してくる5kgの物体を、腕だけで軽く受け止められる主人公Tueeeeeeee
臓物引き摺り出されても回復しちゃう程度の半吸血鬼ですから

448:名無しさん@ピンキー
11/05/01 07:44:06.54 clk0cpP1
>>445
> その点アンドロイド娘は無理なくそういう事が出来るからいいよネ

緊迫したBGMにのって、悪漢と主人公がクリフハンガーの殺陣を繰り広げた後、
両者が落ちてBGMが止まったところでロボ娘が主人公を腕一本で支えて、
カメラアイを点滅させながら「マスター、大丈夫ですか」

というシーンまで脳内で展開できた

449:名無しさん@ピンキー
11/05/01 21:38:32.22 tkeGDX0E
おいもでんちってなんぞ?

450:名無しさん@ピンキー
11/05/01 22:08:22.60 S2leWASF
おいもがエネルギー源だけど、食べると
おならが出るのでロボ子が恥ずかしがります

451:名無しさん@ピンキー
11/05/01 23:10:48.07 +E3L4XvY
以前
「シリコンドールを動かしてみよう。」
というのが、有って。 robot板の 1047408546 かな?
>>75  メカ名無しさん 2005/08/26(金) 05:38:51 ID:
■便利な等身大ドールリンク集

o生産&販売元

・オリエント工業 URLリンク(www.orient-doll.com)
・リアルドール URLリンク(www.realdoll.jp)
・ペーパームーン URLリンク(secure.pmoon.co.jp)
・LEVEL-D URLリンク(www.level-d.net)
・AI URLリンク(aidoll.4woods.jp)
・RUBBERSKIN URLリンク(www.rubberskin.jp)
・Harumi-designs URLリンク(www.harumi-d.com)
・ファンタスティック URLリンク(www.fanta-room.com)

oレンタル

・DOLLの森 URLリンク(www.dollnomori.com)
・プリティドール URLリンク(www.pretty-doll.com)
・doll-world URLリンク(www.doll-world.jp)

o個人

・たぁー坊の着せ替え資料室 URLリンク(my.reset.jp)
・正気ですかーッ 正気であればなんでもできる! URLリンク(nana.cocolog-nifty.com)
・ユーザーズリンク URLリンク(www.orient-doll.com)

とかね。
うまく機械組み込んで自動人型に、ってダメ?

452:名無しさん@ピンキー
11/05/01 23:17:16.71 oxARZZIn
>>451
project aikoでぐぐれ

453:名無しさん@ピンキー
11/05/17 19:56:07.05 XQfdQvqp
保守

454:名無しさん@ピンキー
11/05/17 21:57:45.99 +p3n81vm
姉妹スレが栄えている時期はこちらが廃れる
逆もまた真なり
住人完全にかぶってるもんな…

455:名無しさん@ピンキー
11/05/17 22:04:29.82 v8UpXDyQ
俺はその「姉妹スレ」とやらの存在を知らんけどな

456:名無しさん@ピンキー
11/05/18 21:53:23.16 IDrGsFWk
普通に>>2に書いてあるけどな(次スレにいっちまったが

457:side A_3
11/05/24 01:55:38.46 7HB3KlGD
・・・静かだし、燃料にはならないけれど細々と1セット投稿・・・
次辺りアンドロイド分多めにしないとなぁ・・・


「大体、哨戒なんかしても何か居る訳じゃ・・・」
そんな事を言ってると、銃声が聞こえた。
それも、発射音からして人間用の火器じゃない。
機動兵器用の大口径機関砲だ。
「はいはい、お説教は後で!」
最大出力でブースターをふかし、垂直に跳ぶ。
姉さんの制止は聞えないふり。
危ない目にあうかもしれないからって、人が襲われてるかも知れないのに無視はできない。
「戦闘目視!敵、軽装多脚型2!追われてるのは武装バイクが一両みたい!」
・・・ガトリング撃ってるのはバイクの方か。
流石に軽装とはいえ足止めが限界みたいだし・・・
「久々のお仕事だし、手っ取り早く行きますか。」
接近戦ならこっちのが上。ブレードを展開して、一気に突入した。

458:side B_3
11/05/24 02:01:16.40 7HB3KlGD
「居たら困るから哨戒やるんでしょうが。」
ほら、何か居た。
・・・自立兵器がただの人間相手に機関砲撃つ事なんてまず無いでしょう。
つまり、相手も少なくとも機関砲が必要な武装をしているか機関砲を使っている。
「そこまで急ぐ必要も無いと思いますし、慎重に・・・」
私の言葉が終わる前に、アリスちゃんはブースターで跳んで行ってしまいました。
可愛いとは思うんですけど・・・もうちょっと警戒って事をしてくれたらなぁ・・・
まぁ、単なる装甲車とかで手遅れになるよりはマシなのですが。
「・・・うん、同数ならこちらが有利な戦力ですね・・・」
放置して、村の方まで来ても大変です。
破壊が可能なら破壊してしまった方が後が楽ですね・・・
「流れ弾に当たらないでくださいよ?ベル。」
流石にミサイルを乱射は出来ない。キャノン砲を構え、1機1機仕留めて行くことにした。

・・・次は有人兵器抜きの単なるアンドロイドSSになる予定・・・

459:名無しさん@ピンキー
11/05/24 02:19:40.76 UPxZe2YC
お、何か期待できそう

460:名無しさん@ピンキー
11/05/24 08:06:01.94 MLyamTBI
ピクッ

461:名無しさん@ピンキー
11/05/29 20:41:25.39 3COPP55z
グーグル広告の「女の子のアンドロイド」に吹きかけた
意味は分かるがそういう謳い文句は危険だろwww

462:名無しさん@ピンキー
11/05/29 21:23:18.25 ONhXDRby
>>461
俺もあれを見た瞬間にビクンってきた
ただのアンドロイドケータイをもってる女の子ってだけだったなw

463:名無しさん@ピンキー
11/05/29 22:55:33.87 EQWGLaBE
寸胴で緑色の女の子ですね

464:名無しさん@ピンキー
11/05/31 00:24:11.17 Ua3CEjGk
>>463
URLリンク(plusd.itmedia.co.jp)
まともなのあるやんか


465:名無しさん@ピンキー
11/05/31 23:46:05.20 4/b1WOgK
三次だけど意外なところで発見してびっくりした
URLリンク(www.aipo.com)

466:名無しさん@ピンキー
11/05/31 23:59:03.28 4/b1WOgK
あ、虹のほうに書いたつもりだったけどまあいいか

467:名無しさん@ピンキー
11/06/09 11:14:52.83 QVPQgOvo
保守

468:雲流れる果てに…9 ◆lK4rtSVAfk
11/06/11 16:42:00.08 gbVTQaH8
 ある夏の朝のこと、僕はアラームが鳴る前に目が覚めた。
 何かツンとする軽い刺激臭が鼻をつく。
 この匂いのせいで目が覚めてしまったのだ。
 キッチンで物音がするところからして、シズカが朝食でも作ってくれているのだろう。
 漂っている匂いからして、ちらし寿司ってところか。
 珍しいこともあるもんだ。

 シズカは警視庁特殊機動捜査隊における僕のパートナーである。
 見た目にはメイド服の似合うミドルティーンの美少女だが、彼女は人間ではない。
 ハルトマン社製のバトルドロイドで、形式番号ウーシュ0033シリーズの一体なのだ。
 同機は要人の家政婦と警護員を一体でこなすよう設計されており、独り身の男にとっては非常に便利な作りになっている。
 ところが、うちのシズカときたら、メイドとしての機能が気持ちいいくらいにスパッとオミットされている。
 警察仕様には不要な機能だからとも、購入時に当局が値切りすぎたためとも言われているが、真偽のほどは定かではない。
 ともかく、補助装甲を兼ねたメイド服は着ているものの、シズカにハウスキーパーとしての能力は全く期待できない。

 せっかく自由に使えと貸与されているのに、これでは宝の持ち腐れだ。
 と言って、彼女に便利な機能をインストールしようとすれば、バカ高いソフトを自費で買わなければならない。
 ネットで拾えば無料なんだろうけど、ファイル共有ソフトの使用は警視庁の内規で懲戒処分対象となっているからNGだ。
 だから彼女を便利な同居人として使うには、面倒でもこつこつ気長に仕込んでいくしかないのである。
 そんなシズカが珍しく僕より早起きして朝飯を作ってくれているとは、教育の甲斐があったってもんだ。

 感激しつつも、どこか壊れたのではと半ば心配してキッチンに入ると─シズカはいつも通りのシズカであった。
「何をしてるんだい、こんなに朝早くから」
 料理だなんてとんでもない、シズカは単に鍋でビネガーを煮立たせ、そこへ甘味料を入れてかき混ぜていただけなのだ。
 甘酢あん掛け風の料理を作っているのでないことは一見して分かった。
 普通、あんを作るのに毛筆を使ったりはするまい。
 シズカは僕を無視して片手を上げると、剥き出しになった腋の下に筆を這わせ始めた。
「なんなのよ、この酷い臭いは?」
 不機嫌そうな声がしたと思うと、もう1人の同居人であるサトコが顔を覗かせた。

 サトコは僕の幼馴染みで、帝都のミッション系大学に通う女子大生だ。
 僕が養子に行った先のご近所さんで、かれこれもう10数年の付き合いになる。
 同居人と言っても、彼女はガチガチのカトリック教徒だから、男が期待するようなことは何一つさせてくれない。
 それどころか、僕がシズカとエッチな行為に入るのを妨害しようと躍起になっている。
 これでブスならぶん殴るところだが、なまじナイスバディの美女だけに勿体ない。
「また変なこと教え込んだんじゃないでしょうね?」
 サトコが目を細めて僕を睨んでくる。
「これが命懸けで強盗に立ち向かった、あの『帝都の英雄』の実像だとは……情けなすぎて怒る気もしません」
 そんなの知るか。
 この件に関しては、僕だって被害者の1人なんだから。

 僕たちの諍いを止めようというのか、唐突にシズカが手を上げた。
 いや、彼女は手を上げたのではなく、腋の下を見せつけたのだ。
 シズカの盛夏用制服はノースリーブで胸元も大きく抉れている。
 あちこちにフリルが施され、エプロンは装備されているものの、もはやメイド服でも何でもないコスプレ衣装だ。
 お陰でスベスベした腋の下が全開になっている。
「シズカ……汗臭くなった……夏だから……」
 なんか訳の分からないことを言い始めたぞ。
 要するに、汗をかいて臭いがきつくなった腋を再現しているってことか。

469:雲流れる果てに…9 ◆lK4rtSVAfk
11/06/11 16:51:41.04 gbVTQaH8
 ウーシュ0033シリーズはヒトに似せるため、装甲の上を人工生体組織で覆った構造になっている。
 人造皮膚には汗腺を模した潤い機能がついており、しっとりした皮膚感を保持している。
 しかし滲み出てくるのは汗ではないから、放置してても分解臭を放つことはない。
 少しでも人間に近づこうとするシズカには、それが気に入らないのだ。

「サトコの……腋の臭いを……サンプリングした……」
 シズカが礼を述べた途端、サトコが真っ赤になって激怒した。
「しませんっ。そんな臭いなんかっ」
 普通なら若い女の子にとっては、嬉しくない臭いだからな。
 そんなものを有り難がるのはシズカくらいなもんだ。
 アンドロイドが人間に近づこうと必死になってる姿は、見ていて微笑ましいもんだが。
 得意げになってるシズカの顔を見ていると、知らず知らずのうちに口元が緩んでくる。
 それがサトコのカンに障ってしまった。
「なんですかっ、ニヤニヤといやらしい」
 嫌になるほど重たい右ストレートが炸裂し、僕はそのまま強制的な二度寝に入った。



 僕は新霞ヶ関にある警視庁本庁舎ビルの非常階段を駆け上がっていた。
「シズカ、どうして起こしてくれなかったんだよ」
 二度寝から覚めた時、本来の起床時刻はとっくに過ぎていた。
 お陰で愛車のベンKCにもかなりの無茶をさせたし、地下駐車場から18階まで全力疾走するハメになったのだ。
 この時間帯はお偉方の出勤と重なるので、僕のような下っ端は畏れ多くてエレベーターなど使えない。

「クロー……頭打ったから……動かすの危険……」
 シズカは涼しい顔をして、僕の後ろに続いている。
 そりゃそうなんだろうけど、元々彼女が余計なことを言わなければ、僕が頭を打つこともなかったんだ。
 タップリお説教してやりたいが、今はそんなことしてる時間はない。
 僕の階級は巡査部長だが、特機隊のような本庁執行隊では事実上のヒラなのだ。
 まして新入りで一番の年下である僕は、警察学校を出たての新任同然なんだから。
 先輩たちより1秒でも早く隊室に入るのは、鉄則中の鉄則である。

「ヒィハァ、ヒィハァ……」
 全力で走ったお陰で、何とか一番乗りできた。
 隊室には当直明けの非番隊員がいるだけで、まだ先輩たちの姿は見えなかった。
 この間にコーヒーを淹れて、掃除をしてしまわなければならない。
 それと同時に、配布物の仕分けなんかの雑用もこなす必要がある。
 どれか一つでもシズカが手伝ってくれれば非常に助かるのだが。

 僕が吐き気をこらえつつ机を拭いていると、ギリギリのタイミングで先輩たちが出勤してきた。
「よぉ、クロォ。今日はやけにゆっくりだな」
「お前も偉くなったもんだ。それとも昨晩頑張りすぎたかぁ」
 いつもならとっくに掃除を終えている時間なので、先輩たちが嫌味な口調でからかってくる。
「おはようございます。直ぐにコーヒーを……」
 まるで奴隷と主人の間柄だが、先輩には絶対服従ってのがここの伝統だから仕方がない。
 それに普段はこんな風でも、いざって時にはこの人たちが、命懸けで後輩を助けてくれることを僕は知っている。
 厳しくも麗しい主従関係なのだ。

470:雲流れる果てに…9 ◆lK4rtSVAfk
11/06/11 16:57:08.59 gbVTQaH8
 僕がコーヒーの準備を始めた時だった。
 先輩の1人が鼻をクンクンさせ始めた。
「おい、なんだ。なんか変な臭いしねぇか?」
 それにつられて他の先輩たちも鼻を鳴らせる。
「本当だ。甘酸っぱいというか何というか……」
 先輩たちはコーヒーのアロマに混じる異臭を嗅ぎ取り、不審そうにキョロキョロしている。

「臭うの……シズカ……さっき走ったから……」
 シズカが手を上げ、ノースリーブの袖ぐり部から覗く腋の下を見せつけた。
「お、おぅ……」
 先輩たちは返答に窮して黙り込む。
「夏だし……申し訳ない……」
 シズカは申し訳なさそうにするどころか、誇らしげに胸を張っている。
「こらぁ、クロォ。テメェが制汗スプレーとか買ってあげねぇからだろうがっ」
「シズカが可哀相とは思わねぇのかっ」
 反応に困った先輩たちは、苦し紛れに僕を足蹴にしてきた。
 えぇっ、これって僕のせいなのか?
「さっさと買ってきやがれっ」
 よく分からないけど、先輩の命令ならば仕方がない。
 飛び込めと言われたら、火の中だろうが水の中だろうが飛び込まずには済まされない特殊な社会なのだから。

 理不尽に思いながらも売店に行ってみたが、あいにくデオドラントスプレーは売り切れていた。
 くそっ、交通部の外回り婦警どもが買い占めたのに違いない。
 やむを得ず、僕は庁舎外にあるドラッグストアまで足を伸ばすことにした。
「ちぇっ、なんだって僕が……」
 どうして僕がシズカのパシリをしなくちゃいけないんだ。
 僕はシズカの上司だし、わずか数ヶ月とはいえ先輩なんだぞ。

 それでも採用当初は奇異に見られていたシズカが、特機隊の仲間として認められつつあるのは嬉しいことである。
 先輩たちだって「ロボコップなんざ永久に無視してやる」と意気込んでいたのに、今ではあのザマだ。
 巡査部長の僕より2等巡査のシズカの方が、扱いは格段に上ではないか。
 末席から脱出できなかったのは悔しいが、それでもシズカが冷たくされるのよりは遙かにいいことなのだ。

 それはそうとして、奇異に見られているといえば今の僕自身である。
 ドラッグストアの女性化粧品売り場に、男が1人でウロチョロしているのだから怪しまれるのも無理がない。
 けど、女の子の化粧品って、どうしてこんなに種類が多いんだ。
 焦れば焦るほど制汗スプレーが見つからない。
 それにパンストとかの色っぽい商品ばかりが目について、陳列棚を正視できないじゃないか。

「いらっしゃいませ。どのような商品をお求めでしょうか?」
 いきなり背後から女性に話し掛けられ、僕の心臓は止まりそうになった。
 何もやましいことはしていないのに。
 カチコチになって振り返ると、そこに立っていたのは店員ではなかった。
 10代前半に見える少女が、冷たい笑みを浮かべて僕を見詰めていたのだ。
 端正だが不健康にすら思える蒼白い顔は、濃いアイシャドーや口紅とも相まって死人を連想させる。
 更に奇抜なのは、彼女が着ている服だった。
 黒を基調としたエプロンドレスのあちこちが、レースやフリルで過剰に飾られている。
 こいつはゴスロリファッションって奴だ。

471:雲流れる果てに…9 ◆lK4rtSVAfk
11/06/11 17:02:16.24 gbVTQaH8
 21世紀のポップカルチャーを趣味とする僕にとっては、馴染みのスタイルではあるが、際物扱いなのは今も昔も同じだ。
 無論、生で見るのは初めての経験である。
「そのコスって、アンジェリカ……かな……?」
 知ってるだけあってか、つい余計な知識が口から飛び出してしまった。
 しまったと思ったその途端、美少女の表情が劇的な変貌を遂げた。
 パァッと花が咲いたような笑顔を見せたのだ。
「あ、その……レースの編み方とか……そうじゃないかなって……いや……」
 僕は取り繕うとして更に泥沼に陥っていく。
「分かるぅ? お兄ちゃん、分かるのぉ?」
 美少女は相好を崩して僕に迫ってくる。

 ゴスロリファッションはその特殊性からして、世間に受け入れられにくい。
 というより、ハッキリ言って白眼視されることが多い。
 それだけに理解者の登場が嬉しかったのだろうか。
 いや、僕は知識として知ってるだけで、決して理解者ってわけじゃないのだが。
 でも、そんな言い訳はせっかくシンパを見つけ、目をウルウルさせてる相手には通用しなかった。
「やっぱ、レースはクロッシェレース、それもアイリッシュに限るな……なんちゃって……」
 僕はジリジリと立ち位置を変えて逃げ支度に入る。
 ゴスロリ少女の死生観は僕とは相容れないものだから、関わる気はさらさらないんだ。

「クロー……なにしてる……の……」
 もう少しで出口が真後ろに来るって時、背後からシズカの声がした。
「遅いから……気になって来てみたら……誰……?」
 振り返ると、シズカは不機嫌そうに眉をひそめていた。
 右手に握られた制汗消臭スプレーの缶が破裂寸前になっている。
「いや、全然知らない子。ホントだぜ」
 僕は現行犯で押さえられたスリみたいに焦って応える。
 なにも悪いことなんかしていないのに。
「なら……さっさと買って……」
 シズカは上司みたいに偉そうに命令すると、僕の腕を引っ張ってレジへと向かった。
 ちょいと振り返ってみると、ゴスロリ少女が鋭い目でこちらを見ていた。
 その目が研ぎたての刃物を連想させ、僕の背筋に冷たいものが流れ落ちた。


 ギリギリで滑り込んだブリーフィングが終わり、僕とシズカは喫茶室へ移動してパトロールの計画を練ることにした。
 ここのところ帝都に大きな事件は起きておらず、今日の勤務は通常の市中パトロールとなる。
 最近は歓楽街で違法なサイボーグが暗躍しているとの風評があるので、そちらを中心に回ってみるのもいいかもしれない。
 今日は夕方までの日勤勤務だから時間的な制約もあるし、カブキタウンを軽く偵察ってことにするか。
 カブキタウンの上がりは中華マフィアの資金源だから、悪い芽は早いうちに摘んでおくにこしたことはない。
 でも中華マフィアときたら、遠慮なしにブッ放してくる血の気の多い連中が揃っているから頭が痛い。
 何かあればシズカの支援に頼り切ることになるのだろう。

 そのシズカは、腋の下に制汗スプレーを吹き付けてご満悦に浸っているところだ。
 近くを人が通る度、これ見よがしに噴射しては「クローが……買ってくれた……」を繰り返している。
 元々匂わないのに何をやってんだか分からないけど、ご機嫌が戻ってくれたのならひと安心だ。
 シズカって、拗ねるとあからさまにやる気を失うからなあ。
 美少女だから拗ねた顔も可愛いが、僕にとっては命に関わることになりかねないので厄介だ。

 さて、ご機嫌を損ねないうちにパトロールに出掛けるか。
 と思って席を立とうとしたところに、1人の先輩が僕を探しに来た。
「クロー、補佐が呼んでるぜ。直ぐ来いってさ」
 何だろうと思って頭を捻ってみるが心当たりはない。
 最近は怒られるようなヘマはやっていないし。
 まあいいかと軽い気持ちで隊長補佐の執務室に向かった。

472:雲流れる果てに…9 ◆lK4rtSVAfk
11/06/11 17:07:44.17 gbVTQaH8
「クロード・フジワラ巡査部長、入りますっ」
 僕は申告して補佐の部屋へと入った。
 隊長補佐は所轄署の課長に相当する職で、階級は警部だ。
 警部と言ってもうちの補佐はキャリア組じゃないから、結構なオッサンである。
「待っていたぞ。主任にお客さんだ」
 補佐は緊張した面持ちで来客用の応接コーナーを示した。
 普段偉そうにふんぞり返っているオッサンが何を畏まっているんだ。
 訝しがりながらソファに目をやると、見知った顔がそこにあった。

 顔が全部出るようにした引っ詰め髪はブロンドで、後ろ髪を何本もの縦巻きロールにして垂らしている。
 キリッとした細眉と吊り上がり気味になった青い目は、明らかに猫科の肉食獣のものだ。
 高い鼻梁に続く珊瑚色の唇が、優雅にティーカップの縁に添えられている。
 その唇がカップの中身を啜った途端、眉毛が不機嫌そうに顰められた。
「なんですの、この紅茶はっ。安物ですわっ」
 キンキン声と共に、カップがソーサーに叩き付けられるガチャンという音が響いた。

 間髪入れず補佐がソファに駆け寄り、これまた安物の絨毯に這いつくばった。
「お口に合いませんでしたかっ。平にっ、平にご容赦を」
 日頃は特権階級の貴族みたく威張り散らしている補佐が、床に額を擦りつけて謝罪する。
 それもそのはず、彼の禿げた頭頂部の先に座っている女性は、正真正銘ホンモノの貴族様なのだから。
 その女性、コリーン・ティラーノは、ハンカチで口を拭いながら補佐の禿頭を睨み付けている。

 コリーン嬢は世界で最も勢いのある国際貴族、ティラーノグループ総帥の愛娘だ。
 俗に「ティラーノに非ずば人に非ず」とまで言われる昨今である。
 ライバルのミナモンテス家が没落した現在、ティラーノ一族に対抗できる者などいない。
 総帥キーヨ氏には、バチカンの教皇庁すら表だって逆らえないのだ。
 したがってコリーン嬢は、現在のところ世界で最も高貴なレディと呼んで差し支えない。
 彼女の不興を買えば、警視庁の一警部の首などは簡単に飛ばされてしまうだろう。
 禿げオヤジが這いつくばって許しを乞うのも、まあ無理もないことかもしれない。

 そんな強大な力を持つティラーノグループだが、庶民に過ぎない僕の人生には何ら関わり合いのない存在だった。
 ホンのついこの間までは、そのはずだったのだ。
 それが、先日僕があるエアカーレースに参加したことから事情が変わってきた。
 僕は捜査の一環として出場したのだが、グループの命運を背負ったコリーン嬢もまた、同じレースに参加していたのだ
 そして成り行きとはいえ、僕は彼女を押さえて優勝してしまった。
 レース終了時のお嬢は、恥ずかしさのあまり悶死寸前になっていた。
 彼女は勝負事で負けることに慣れていないし、あまり好きではなさそうなのだ。

 そんなコリーン嬢がわざわざ帝都の警視庁を訪問してきたとなると、用件は自ずと限られてくる。
 そう、彼女はきっとこの僕に意趣返しするためにやってきたのだ。
 僕は補佐を笑えない境遇にあるのに、膝はさっきからガクガクと笑いっぱなしになっている。
 僕が怯えた目でコリーン嬢を見詰めていると、向こうもようやく僕の存在に気付いた。
 お嬢は「コホン」と咳払いすると、補佐に立つよう促した。

「あぁ、クロード君。こちらはコリーン・ティラーノ様でいらっしゃる」
 補佐に「君」付けで名前を呼んで貰える日が来るとは、長生きはしてみるもんだ。
「コリーン様は帝都の視察に来られたそうだ。近々ティラーノグループの支部を帝都に構えられるそうで……」
「その下見ですわ」
 コリーン嬢が後を引き継いだ。
「支部の位置は用地問題や交通の便を考慮して検討中ですの。後は治安状況についての情報が必要なのです」

473:雲流れる果てに…9 ◆lK4rtSVAfk
11/06/11 17:13:01.04 gbVTQaH8
 なるほど、帝都乗っ取りの第一歩として、都内の一等地に橋頭堡を築くつもりか。
「で、都内の治安状況に精通している、我が特機隊を頼ってきて下さったというわけだ」
「仕方ありませんわ。他に知り合いなどおりませんもの」
 コリーン嬢は心底から不本意であることを露わにするように深い溜息をついた。
 そんなに不服なら関係省庁にでも掛け合えばいい。
 身に余る光栄とばかり、軍隊の護衛付きで案内してくれるはずだ。

「ともかくクロード君、よろしく頼んだよ。私はこれから機動隊との打ち合わせがあるから、これで失敬するよ」
 補佐は「後は任せた」と逃げに入る。
 おっとっと、1人だけ安全圏に逃がしてたまるか。
 だいたい機動隊なんてウチとは無縁の部署じゃないか。
 打ち合わせってのも限りなく嘘臭い。
「う、嘘じゃない。前からの予定で、今日にもゼロ機との合同捜査があるかもしれんのだ」
 補佐は僕の頭の中を見透かしたように言い訳を口にした。

 警視庁には第1から第9まで、全部で9個の機動隊が常設されており、それぞれが都の治安警備に当たっている。
 ゼロ機こと第0機動隊とは、そのいずれにも属さない警備部長直属の部隊だ。
 その実体は、対マシン兵器戦に特化した戦闘部隊である。
 なるほど、特機隊とは業務内容が被っている。
 うちの上層部はどこかへのガサ入れでも予定していて、反撃抑止のためにゼロ機に応援出動を頼む腹なのだろうか。

 それでも責任ある立場の警部を逃がすわけにはいかない。
 こっちは下っ端の主任に過ぎないのに、こんな一大事を背負い込まされてたまるか。
「えっと、僕はこれからカブキタウンの風俗街へ実地調査に出掛けるんですが……」
 僕も忙しいのだと言外に拒否を伝える。
 それが間違いだった。
「あら、面白そうじゃありませんか。是非ともご一緒させていただきたいですわ」
 コリーン嬢がこともなげに言い放ったことで軍配は補佐に上がった。

 話し合いは終了したとばかり、コリーン嬢はソファから腰を上げる。
 今日のお召し物は、肩も露わな白いキャミソールドレスだ。
 前回のぴっちりレーシングスーツ姿もハァハァものだったが、こういうフェミニンな格好も実に似合っている。
 立ち上がるとスカートの短さ、というより足の長さが際立った。
 薄手のドレスだし、胸元がえぐれたデザインなので目のやり場に困る。
 ただ、カップ付きタイプなのが残念であった。


 これは厄介なことになった。
 僕はコリーン嬢を伴って地下駐車場へ向かっていた。
 これなら素直に命令に従って、帝都見物のガイドでもしていた方がマシだった。
 彼女をドンパチの現場へ連れていき、掠り傷一つでも付けるようなことになれば国際問題になる。
 僕一人が腹を切ったって到底済まされるようなことではないのだ。
 どうしようかと思い悩みながら通路を歩いていると、地下駐車場に着いてしまった。
 そこに新たな厄介ごとが待っていた。

「クロー…遅い……何をしていたの……」
 近づいてきた僕たちを見た途端、シズカがフリーズした。
 妙な気配を感じて振り返ると、コリーン嬢のこめかみに青筋が浮き出ていた。
「あの時の無礼なロボメイド」
 コリーン嬢は衆目の前で自分に恥をかかせたシズカのことを覚えていた。
「シニョリーナ、これは僕の部下でシズカです。シズカはコリーンさんを知ってるよね」
 シズカだってコリーン嬢のことをもちろん記憶していた。
 彼女には危うく殺されるところだったんだから、忘れる方がどうかしている。

474:雲流れる果てに…9 ◆lK4rtSVAfk
11/06/11 17:18:16.87 gbVTQaH8
「クロー……警視庁はいつから牧場に……こんなところに……ホルスタインが……」
 シズカはコリーン嬢の方を向いたまま、鳶色の瞳だけを動かして僕を睨んできた。
「アハハハハ、コリーンさんは特機隊のお客様なんだよ。失礼の無いようにしなくっちゃ、ねっ」
 我ながら情けない声色だったが、国際問題が掛かっているから仕方がない。
 ここはどうあってもシズカに引いてもらわなくては。
「クローが……そう言うのなら……」
 僕のお願いを職務上の命令と捉えたのか、シズカは渋々ながら引き下がってくれた。

 とにかくパトロールに出ようと思ったが、生憎と愛車のベンKCは2シーターだ。
 3人で出掛けるのなら、アフラRX9を使わねばならない。
 コリーン嬢だって自分を負かした車には乗りたくはないだろうし、僕もあまりマジマジとベンを見てもらいたくなかった。
 ベンが例の殺人ロボカーだとばれる心配があるから。

 ちょうどいいとばかりRX9を借り出してくると、また一悶着が発生した。
「後部座席じゃ充分に視察できませんの。あなたが後ろに乗りなさい」
「ナビゲーターシートは……シズカのもの……」
 2人はどっちが助手席に乗るかで口論を始めたのだ。
 このままではどちらも引きそうにない。
「シニョリーナ、上級者は後部座席に座るものと決まっています。助手席などは一番の下っ端が座る場所です」
 僕には正論でその場を取り繕うしかできない。
「それに……美しいシニョリーナに真横に座られると、気を取られて事故を起こす危険がありますから」
 柄にもないお世辞を口にした途端、白けきったような気まずい空気がその場に流れた。
 自分の吐いたセリフながら、あまりにも惨めで情けない。

「わ、分かりましたわ。儀礼を受けるのが上級者の義務ならば、それを果たしましょう」
 コリーン嬢はバカバカしさのあまり戸惑ったのか、うわずり気味の声で答えた。
 相当に気分を害されたのであろう、表情は引きつり、頬も上気している。
 それでもお嬢は黙ったまま、ロボットのようなぎこちない動きで後部座席に身を沈めた。
 RX9は2ドアだから後ろは窮屈であろうが、これでコリーン嬢が嫌になって降りてくれたらめっけものだ。
 だが、彼女は文句一つ言わないでシートに納まっている。
 無遠慮にわざと大きく背もたれを倒したシズカの方が、よっぽど大人気なくて恥ずかしいぞ。

 ああ、こうなったら自棄だ。
 国際問題になろうが戦争になろうが、どのみち僕が死刑になった後の話だ。
 僕が死んだ後の帝都がどうなろうと知ったことか。

 僕は自暴自棄になってRX9のアクセルを踏みつけてやった。

475:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/11 17:23:21.10 gbVTQaH8
投下終了です

476:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/11 18:25:03.96 MuGXKPoX
初心者乙wwwPixivにでも書いてろwww誰も見ないスレに長文書き込むなよ・・・

477:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/11 18:53:32.45 gvK7yJ17
>>475
シズカ来たー!毎度おつ!

478:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/11 20:21:57.34 EtgxW8Yw
>>475
しばらくぶりだー。続編も期待!

479:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/11 20:29:55.51 6YLWgwYk
ライバルロボ娘とか出てこんかな

480:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/11 20:42:31.70 MJAYlyeH
実はコリーンさんもロボ娘で、動力源も同じだったりとか。

481:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/11 20:58:55.33 /9vav0Sx
ずばり、新キャラのゴス少女がライバルロボ娘!

482:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/13 09:02:50.77 PGxrSXCp
ゴス少女・・・敵なんだろうな
でも意外にどう転ぶのか同居することになるかも

脇汗臭の再現なんかせんでいいのに、シズカww

483:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/13 20:17:29.43 4QxxmFZj
いつもながらロボゆえの無自覚な毒舌が笑えるな

484:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/14 19:10:39.89 S1s2Aanb
ところで、ロボ娘を分解する、あるいは組み立てることに性的興奮を感じる
変態紳士というのはけっこういたりするものかな?


485:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/14 20:25:44.38 4vCi6c2R
雲流れるにもチラッと出てたな、そんな工科大学の学生が
シズカを見て分解したくてたまらなくなりヨダレを垂らす奴w
純粋な工学系の機械フェチってのは、ロボ娘の外見より中身に萌えるものなのだろうか?
いい病み方してるなあって思った

486:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/14 23:00:36.65 BJIgH7kO
>>484
分解することというか、分解された状態が好きかな

このへん
URLリンク(www.nijibox3.com)
URLリンク(www.nijibox3.com)

487:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/15 10:27:02.42 RjYm+E9+
>>486
なんていうか、この状態に萌えなければ、この板の住人じゃないな(違う人いたらごめんね)
しかし、もっと整理整頓しないと、駆動部にネジがはさまってバキャっとか、ネジを一本なくしたりしそうだなw

488:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/15 12:09:28.83 hg674k6C
>>487
メンテしたら、動くたびに体の中でカラコロ音がするわけだなw
んでネジが一本行方不明

489:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/15 12:19:12.18 qTJwXrXe
>>488
分解して組み立てると、ネジが一本余る
これ、基本にして王道ナ

490:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/15 12:19:37.84 YN0PuNl6
人間に見まごうようなロボットを作る技術力があるのに
ネジなんて摩擦係数頼りの中世テクノロジーなんて使うのかよ!?

と思うんだが、まほろさんにも使われてると
いう作中の説明に不覚にも勃起した
あれはわかってるセリフだったな~

491:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/16 01:35:19.81 7ccWuwaU
>>490
結局、どれも最後は摩擦係数頼りだったりするんだが。
磁力とか、怪しくてやってられんし。

492:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/18 20:26:01.43 LqyEC0pz
>>486
どちらの子も中ががらんどうだが外骨格フレームなのだろうか?
俺は内骨格フレームのみっしり感が好きなんだが

493:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/19 17:52:31.95 cLYi2L50
モノコックボディが基本なんだろうな

494:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/24 21:49:24.68 TTBP9Fv6
磁力アンドロイド娘か

マスター「砂鉄かけていい?」
ロボ娘「死ねぇ!」

495:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/30 14:53:27.41 bE+kfkgv
半虹のスレもだけど解体とか内部バレが当然みたいな流れでどうも居心地がわるい…

496:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/30 15:07:55.20 5ixB4ohO
>>491
アダルトな快感にだって摩擦係数は重要だ

497:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/30 23:51:29.34 GwS/38+3
>>495
それ以外を書いてくれてもいいんじゃよ?
ネタでも文でも。

498:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/07/01 02:10:51.68 AM1OuzYy
>>495
自分でネタを出すしかないのじゃよ。
出すネタが無い状態で愚痴だけを言うのは
他人を追い出す悪いパターンだぜ。

499:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/07/01 02:26:47.75 RVgxSA+S
声バンク
URLリンク(www.youtube.com)

500:名無しさん@ピンキー
11/07/01 19:37:39.53 aB2Py0cp
別にメカバレに拘らなくてもロボ娘と主張する方法は他にもあるはず
イヴの時間のリングみたいな奴沢山ポップアップして
内部処理をモニタリングしてくれるロボ娘とかマジ弄り甲斐ありそうだし
ハードウェアでダメならソフトウェアに頼ればいいじゃない

501:名無しさん@ピンキー
11/07/01 20:38:44.07 9NK76KRn
無表情とか機能停止なんかももたまらんのう

502:名無しさん@ピンキー
11/07/03 00:43:55.58 RGtGM+lx
そうそう、特に普段感情豊かに振る舞ってる娘がピタッと止まるかレ○プ目になってガクンと倒れるギャップがいいんだよな

503:名無しさん@ピンキー
11/07/03 12:51:59.61 6CIgNGDF
>>502
それヤバイ

504:雲流れる果てに…10 ◆lK4rtSVAfk
11/07/05 03:50:17.76 bb4t+2cs
 単なる偵察のはずだったパトロールは、いきなりハードな銃撃戦に発展した。
 目的のマッサージ店に着いた途端、入り口にたむろっていた若い衆をシズカが張り倒したことから予定が狂ってきたのだ。
「シズカを……いかがわしい店に……スカウトした……」
 それがこのトラブルの発端であった。

 運の悪いことに、若い衆たちはカテゴリー3のサイボーグだった。
 もちろん、運が悪かったってのは僕たちじゃなく、相手のサイボーグたちの方だ。
 許可なくC3以上の改造手術を施した者は、法規上は人間と認められないことになっている。
 人を超える力と引き替えに、人としての権利を喪失し、完全に機械として扱われるのだ。
 だからアシモフの三原則に縛られてるシズカも、連中には何の遠慮もなく力を発揮できる。

 確かにシズカは業界が欲しがりそうな美少女だし、風俗嬢になれば人気が出そうに思える。
 このカブキタウンでもそこそこいい線いきそうだ。
 だが、連中は思い違いをしている。
 彼女はサービス業に就くには、奉仕の精神が致命的に欠落しているのだ。
 それに気が短すぎる。
 気に入らないからといって相手を殴り倒していては、店はアッと言う間に潰れてしまうだろう。

「シズカ、やめろ」
 僕は大事になってはかなわないと、シズカをなだめに掛かった。
 なんとなれば、今日は世界のトップレディを同行しているからだ。
 彼女、コリーン・ティラーノに掠り傷一つ負わせただけで、僕は上層部から切腹を言い渡されるだろう。
 そんな僕の心労など理解できるわけもなく、シズカは冷たく燃えている。
 コリーン嬢の出現でやる気をなくしたと思っていたが、どうやら予想とは逆の方向にギアが入ったらしい。

「シズカは…不特定多数の男を…相手にすることはない……シズカが接触を許されているのは……唯一、クローの…ペニ……」
「ワァー、ワァー、ワァー」
 天下の往来で何を言ってるんだ。
 場所柄をわきまえろ。
 いや、実のところ下ネタを口にするのなら、ここは帝都一相応しい街なのだが。

 そんな余計なやりとりをしているうちに、事態は加速度的に悪化していった。
 騒ぎを聞きつけた店の者が、わらわらと玄関先に出てきたのだ。
 ハチの巣を突いたような騒ぎとは、こういう時に使う表現だ。
 などと感心している場合じゃないのは分かってる。
 なにせ、ここのハチときたら毒針の代わりに45口径を撃ち込んでくるのだから。
 僕にとってせめてもの幸運は、大事なコリーン嬢が防弾機能を備えたRX9の中にいてくれることだった。
 と安心していたら─。

「なんですの、あなた達はっ。2人を相手にそんな大勢で……恥ずかしくありませんのっ」
 聞き覚えのあるキンキン声が、僕の真後ろから響いてきた。
 振り返ると、コリーン嬢が両手を腰に当てて仁王立ちしていた。
 お嬢は車の中にいなきゃダメでしょうが。
 僕にとっちゃ、あなたは動く迷惑に他ならないんだから。
「シニョリーナ、危ないから車の中に」
 僕はコリーン嬢にお引き取りを願おうとしたが手遅れだった。
 彼女の甲高い声が中華マフィアどもの癇に障ってしまったのだ。
 言葉は分からなくても、生意気そうな金髪女が自分たちを非難していることくらいは理解できたのであろう。
 彼らはいきなりチョカレフを引き抜くと、僕たちに突き付けてきた。

505:雲流れる果てに…10 ◆lK4rtSVAfk
11/07/05 03:51:50.91 bb4t+2cs
 そこから先は、もう滅茶苦茶だった。
 コリーン嬢は連中の銃口が自分に向くより早く、左右の太ももに吊していたベビーバレッタをぶっ放していた。
 あまりに素早かったため、抜く手もパンティも見えないほどだった。
 非力な32口径でも、眉間を正確に撃ち抜けば問題ない。
 脳みそを破壊されたC3サイボーグたちは、即座に機能を停止させた。

「ホホホホホッ、『やられる前にやれ。やられたらやり返せ』はティラーノの家訓ですの」
 お嬢は職務権限など一切ないのにもかかわらず、嬉々として2丁拳銃を連射する。
「ああっ、ホントに……もう知らんっ」
 僕はほとんどタックルするように彼女を抱き上げると、安全なRX9の陰に連れ込んだ。
 追いかけてきた弾丸が車体に当たり、ガンガンという音が響く。
 相手がロケット砲でも持ち出してこない限りはこれでひと安心だ。
 しかし、なんて気の短い女なんだ。
 マジ切れするまでに要した時間はシズカより短かったぞ。

 そのシズカはというと、弾丸をボディに浴びながら首をこちらに向けて突っ立っている。
 僕を見下ろす目が異様に冷たい。
 その時になって気付いたのだが、僕はコリーン嬢にのしかかったまま地面に伏せていたのだ。
 見ようによっては、というか、僕が無理やりお嬢を押し倒し、不埒な行為に及ぼうとしているようにしか見えない。
「うわぁっ……」
 殴られる、と思って身をすくめたが、どうも様子が変だ。
 コリーン嬢は怒るどころか、不安そうに目を逸らしてあらぬ方向を見ている。
 怒りのあまり興奮しているのか、頬や目の縁が真っ赤だ。
 そしてとうとう、あらぬことを口走り始めた。
「さ……さっさと犯しなさい。どうせ最初からこれが目的だったのでしょう?」

 へっ? 何を言ってるのかさっぱり分からない。
 ひょっとして頭でも打ったのか?
「些細な手柄を恩に着せて、浅ましくも法外な褒美を欲しがるなんて……いいから、さっさと犯しなさいっ」
 こりゃダメだ、よほど打ち所が悪かったらしい。

 僕は褒美なぞ欲しがっていないし、そんなものを頂戴する謂われもない。
 そう言えば前のレースの時、ベンに殺されかかった彼女を救ってあげたことはあったが。
 確かお礼はもう言ってもらったし、だいいち僕は今の今までそんなこと忘れていたのだ。
 それでいて「褒美」とか「犯しなさい」は常軌を逸していて訳が分からない。
 僕は助けを求めるようにシズカを見た。

 シズカは無表情のまま僕を見詰めていたが、やがて首を動かして正面に向き直った。
 そして右手を前に突き出すと、速射破壊銃をメチャクチャにぶっ放し始めた。
 突っ込こんできた中華マフィアの連中が、ボーリングのピンみたいにバタバタと倒れる。
 うわっ、いつになく問答無用だ。
 続いてシズカは片膝を地面に着けると、超小型迫撃砲をぶっ放した。
 ニーモーターの直撃を喰らった玄関が粉々に吹っ飛ぶ。
 シズカはそれに飽きたらず、今度は左手に仕込んだプラズマキャノン砲まで撃ち込んだ。
 これにはたまらず、ビル自体が爆発を起こして完全に崩落した。

 手入れどころか内定すらまだだったのに、これで捜査は終了してしまった。



「バッカもんっ。なんてことをしてくれたんだ、貴様らはっ」
 本隊に帰った僕とシズカは、隊長補佐からこっぴどく叱られた。
 町中で局地戦レベルの戦闘をやらかせば、石頭の補佐でなくても怒りたくもなるだろう。
 上層部に弁明するのは補佐の仕事だし。
 しかし彼が怒っている理由はそんなことではなかったのだ。
「あのマッサージ店は中華マフィアの主要アジトで、本日午後にロボット不法就労の容疑でガサ入れする予定だったんだ」
 そういえば、機動隊と合同で立ち入り捜査を行うとか言ってたっけ。
 コリーン嬢を僕に押し付けるための、その場逃れの嘘っぱちかと思っていたけど。

506:雲流れる果てに…10 ◆lK4rtSVAfk
11/07/05 03:53:21.59 bb4t+2cs
「お前らは、我々とゼロ機がこれまで積み上げてきた努力を水の泡にしてしまったんだぞ」
 分かってるのかと補佐が怒鳴った。
 それならそうと最初から教えてくれてたら、あんな店なんかに近づきもしなかったのに。
「待機してもらってるゼロ機の諸君に、どんな顔をして詫びればいいのかね」
 ハハハッ、どうやら本音が出たようだ。
 出世のために保身を図る補佐は、失点の全てを僕に押し付けようとしているのだ。
 いいさ、頭を下げるのは怒られるのと同じくらい慣れているから。
 たかが機動隊の一個大隊、90人に謝るくらいは造作もないことだ。
 僕がゼロ機の待機場所を尋ねようと口を開きかけたその時、背後から思ってもいなかった支援射撃が入った。

「ほぅ、では警部はクロード主任が反撃しなければよかったとおっしゃいますの?」
 ソファに座っていたコリーン嬢が割り込みをかけると、間髪入れず補佐が気を付けの姿勢をとった。
「クロード主任の活躍がなければ、真っ先に撃たれていたのは私なのですよ」
 コリーン嬢はゆっくりと立ち上がると、補佐のデスクに近づいてきた。
「えぇっ?」
 補佐は可哀相なくらい狼狽え、目を激しく泳がせる。

「それとも、なんですのっ。私が撃たれていればよかったとでもお思いですのっ?」
 コリーン嬢に睨み付けられ、補佐はガバッと絨毯に這いつくばった。
 やっすい土下座だ。
 まあ、本当に彼女が撃たれていたなら、補佐の首くらいじゃ収拾がつかなくなるところだから仕方がないか。
「本来ならば2階級特進ものの大手柄ですのに。言うに事欠いて、1人で詫びてこいとはどういう了見ですかっ?」
「平にぃっ、平にお許しをっ」
 補佐は額を床に擦りつけて詫びると、慈悲にすがるように上目遣いでコリーン嬢を見る。
 あの角度からだとパンティは丸見えになっているに違いない。
 さすがはセクハラ親父、老獪なテクニックだ。

「まぁまぁ、知らなかったとはいえ、僕たちがやっちゃったのは事実ですし。挨拶くらいしておくのが筋ですから」
 頃合いを見て、僕は補佐に助け船を出してやった。
「補佐、ゼロ機はどこで待機してるんですか?」
 それを聞くと、補佐は勢い余って僕にまで土下座してきた。
「すまんっ、助かる。隊長以下、地下2階の第3駐車場で待機中だ」
 これで一個貸しができた。


 なんて風に男気を見せた僕だったが、エレベーターで地下に降りていくうちに憂鬱になってきた。
 機動隊の隊長ってのは警視だから、階級で言えば僕より3つも上だ。
 補佐よりも一段高いところから雷が落ちてくるのだから、威力もさぞかし強烈だろう。
「よろしいですわ。先様と揉めるようなことになれば、私が説明してあげましてよ」
 コリーン嬢が腕組みしたままで不敵に笑った。
 丁重にお断りしたにも関わらず、お嬢は無理やりついてきたのだ。
 僕が不当な扱いを受ければ、即座に助け船を出すとか言って。
 もっとも話し合いで解決する気なんかハナからなさそうだけど。
 いい気なもんだ。
 お嬢の存在こそが僕を憂鬱にしている一因だってのに。
 女性、しかも美人の前で他人から叱られるのは嫌なものなのだ。
 たとえ、それが自分のカノジョじゃなくてもだ。

 そんなことなどお構いなしに、空気詠み人知らずなコリーン嬢は機動隊の隊長をぶん殴る気満々でいる。
 やっちまった張本人のシズカが、「我関せず」と涼しい顔をしているのと好対照だ。
 ああもう、こうなったら僕の怒られっぷりをとくと拝見させてやろう。
 こちとら伊達に特機隊の末席をやってるんじゃない。
 と、勢い込んで地下駐車場へと降り立った僕だったが、予想を裏切る事態に呆然とすることになった。
 騒がしい混雑ぶりを想像していたのに、駐車場はしんと静まりかえっていたのである。

507:雲流れる果てに…10 ◆lK4rtSVAfk
11/07/05 03:54:51.61 bb4t+2cs
 機動隊ってのは20代前半の巡査の集団だから、さぞ賑やかなものだろうと思っていたが。
 よほど統制が取れた部隊なのかと感心しかけたが、それも違っていた。
 なんと機動隊の装甲輸送車は見当たらず、駐車場はもぬけの殻だったのだ。
 場所を間違えたのかと思ったが、ここは第3駐車場に間違いない。
「ゼロ機のみんな、怒って帰っちゃったのかな? ハハッ」
 振り返ると、コリーン嬢が不服そうに眉を顰めていた。
 ゴロツキじゃあるまいし、なんでもかんでも暴れりゃいいってもんじゃないでしょうに。
 取り敢えずラッキーだと、ガッツポーズを取ろうとした時だった。

「貴様か? 我々の努力をふいにしてくれたバカというのは」
 背後から急に話し掛けられた僕は、アッパーカットを途中で止めたような間抜けなポーズで固まった。
 甘かった。
 やっぱり、まだいらしたのですね。

 ゆっくり振り返ると、柱の横に紺色の出動服を着た男が立っていた。
 20代半ばに見える若い男で、よく言えばワイルド系、悪く言えば粗野な感じがするが、わりとイイ男だ。
 左胸を見ると、見たこともない階級章が着いている。
 何だと思ってよく見ると、それはとんでもない代物だった。
「けっ、警視正ぇっ?」

 状況からして、この男がゼロ機の隊長だということは推察できる。
 普通、機動隊の隊長は警視なのだが、第0機動隊の隊長はその一つ上の警視正だったんだ。
 けど、どういうことだろう。
 この隊長様は見たところ25、6歳に見えるが、仮にキャリア組だとしても警視正になるのは40手前のはずだ。
 いったいどういうご身分のお方なんだとビビッていると、その隊長が口を開いた。
「全く余計なことを。せっかく秘密裏に捜査していたのに、お前たちのせいで事件を新宿署に持っていかれてしまった」
 隊長様は不機嫌そうに吐き捨てた。
 眉間に刻まれた皺の深さから察するに、かなりお怒りのようだ。

 所轄署に秘密で、本庁が独自に捜査を進めるのはよくあることである。
 今回の「中華マフィアによるサイバー規制法違反事件」も完全に隠密捜査だったのだろう。
 それが僕たちのせいで別件、すなわち僕たちに対する殺人未遂事件として、新宿署の捜査が始まってしまった。
 崩壊したあの店も捜査のため掘り起こすとかで、同署の厳重な監視下に置かれている。
 お陰で同じ警視庁職員といえども近づくことさえできない。
 縄張り争いも、こうなればマフィアやヤクザ並みだ。
 そのヤクザ理論で考えるなら、メンツを傷つけられた隊長様が怒り狂うのも無理はない。
「あそこが不穏分子のアジトだと嗅ぎつけるのに、我々がどれだけの時間と予算を費やしたと思っている」

「クローは45秒で……目標を定めた……使ったのはコーヒー代……3クレジットだけ……」
 シズカは混ぜっ返すつもりもなく、事実をありのまま述べただけだったが、それが隊長の逆鱗に触れた。
「黙れっ。自動人形の分際で、俺を侮辱すると許さんぞ」
 怒鳴りつけられたシズカはムスッとしかめっ面になったが、階級制度に異を唱えることはしなかった。

 シズカが黙ると、またも怒りの矛先が僕に向かってきた。
「さすがはグループの恥さらしだな、えぇっ? 少しは立場をわきまえるがいい」
 僕は大人しく怒られようとしているのに、シズカのせいでとんだとばっちりだ。
 それにしても警察組織全体の恥とは少々スケールがオーバーな気がする。
 もう少し控え目に、せめて警視庁─いや、特機隊の恥くらいにしてもらいたい。
 当時、事情を何も知らなかった僕は、彼の嫌味をその程度のものだと思っていた。

508:雲流れる果てに…10 ◆lK4rtSVAfk
11/07/05 03:56:21.03 bb4t+2cs
「そんなロボットをはべらかせているから調子に乗るんだ。いい気になるな、人形遣いは貴様だけの専売特許じゃないぞ」
 隊長はそう吐き捨てると、指をパチンと鳴らした。
「萌っ」
 呼び掛けに応じて柱の陰から何者かが現れた。
 先程からずっとそこに潜んでいたらしい。
「あっ」
 小柄な影が照明の下に出てきた瞬間、僕は驚きを隠せず声に出してしまった。
 それは─忘れもしない、今朝ドラッグストアで会ったばかりのゴスロリ少女だったのだ。

「お兄ちゃん」
 向こうも僕に気付いて顔をほころばせる。
 なんと、この娘がバトルドロイドだというのか。
 見た目も動きにも機械臭い部分がなく、言われるまでロボットだと気付かなかったほどだ。
 なるほど、死人メイクとはよく考えたものだ。
 死人を装うなんてのは、生者にのみ許された座興なのだから。
 彼女がわずかに残した不自然さを逆説的にカバーするのに、これ以上のカモフラージュはあるまい。

「トモエ01型、ポンタ技研製の最新型バトルドロイドだ。貴様が使ってる型落ちの中古品とは物が違うぞ」
 ゼロ機の隊長はふんぞり返って偉ぶってみせた。
 それに合わせてゴスロリ少女も貧弱な胸を反らせる。
 シズカは今朝の一件を思い出してるのか、トモエをウザそうに睨み付けている。
 それにトモエも気付き、バトルドロイド同士の睨み合いが始まる。
 見えない火花がバチバチと散った。

「なに、この中古の量産型」
 トモエはそう言いながら伸び上がり、頭頂部をシズカのおでこにぶつけた。
 鈍い音がしてシズカの首がありえない角度に曲がる。
「どこのジャンク屋から逃げ出してきたの?」
 キャハキャハ笑ってるトモエに、シズカが逆襲の頭突きを振り下ろす。
 嫌な音を立て、トモエの顔があらぬ方向へ角度を変えた。
 軽くぶつけあってるように見えるけど、衝撃を測る単位は“トン”が適切なんだろうなあ。

「先行試作機が量産型より高性能なんて……アニメに毒されたオタクの妄言……愚かなお子様には……お似合いだけど……」
 マシンというものは試作、増加試作、先行量産と段階を踏んで熟成進化していく。
 そして、いざ量産態勢に入るって時には、全ての不具合が解消されているのだ。
 だからシズカの言うとおり、決して量産機が試作機に劣るようなことはないのである。
 しかし、それは同機種間における比較の話なんだ。
 ゼロ戦の最終量産型とF14トムキャットの試作機では、勝敗の行方は明らかだ。

 ところで、90人以上いるはずの他の隊員たちは、一向に姿を見せないのだが。
 まさかと思っていたら、やっぱりそのまさかであった。
「お前のロボットを大人しくさせておけ。萌は武装機動隊一個大隊以上の働きを、たった1人でこなすのだからな」
 隊長が優越感タップリに鼻で笑った。
 つまりゼロ機というのは、警視正の隊長とゴスロリ美少女の二人っきりの部隊ってことか。


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