10/11/13 03:27:45 Omwr1GFB
出来損ないとな!かなり以前の他スレより転載。
作者は《ACCESS総合相談所 その12》の978-979氏で、投稿日は2005/07/10。
なんか向こうでは完全スルーされてたんだが、
このスレの兄貴達は値打ちが分かりそうだから引っ張ってきた。以下、氏の作品。
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「わ、わたし……どうして止まっちゃったんでしょう」
彼女は困ったようにうつむいた。
「おまえさ」ぼくは言った。
「ロボットってことは中にコンピュータとか入ってるんだよな」
「え、ええ、そうですけど?」
「もしかして、そのコンピュータのOSってさあ、マイクロソフト製?」
「はい、そうです」
「そうか……」
ぼくはため息をついた。
「もしかして、いま『こいつのOS、マイクロソフトでうざすぎ。面倒見切れないよ』とか思って、
ため息つきませんでした?」
「―いや、そういうわけでもないんだけど……」
「いいえ、嘘をついても駄目ですわ。呼気圧に毎秒25立方センチメートルの有意な増加を検出しました。
知ってる……これはため息。あの洪水の晩と同じです」
「いや、真面目な話、おまえは悪くない」ぼくは断言した。「悪いのはおまえのOSなんだ」
彼女はあいまいな笑みを浮かべて、小首をかしげた。そのまま動かなくなってしまった。
*ピー*
「な、なんだ、そのエラー音は」ぼくはうろたえた。
《人格統合モジュールSuperEgoで、自己同一性エラーが発生しました。
自己イメージ「のOS『のOS』」は無効な参照です》
無機的なエラーメッセージ。とび色の目を見開いたまま、
彼女の表情筋コントロールが凍りついたように停止している。
しょうがないなあ、こいつ、「わたし」と「わたしのOS」を区別しようとして
自己参照ポインタが無限ループに陥ったな。何というやわな……
《セッションで保存していない記憶は失われます。人格を続けるには、任意の突起を押してください》
人格を続けるには」とはどういうエラーメッセージだ、マイクロソフトのAIめ。
そのうえ「任意の突起」だぁ?
ぼくはちょっと考えてから、彼女の鼻の頭を押してみた。あんのじょう、何の反応もない。
やれやれ。どうせそんなことだろうと思ったよ。