12/02/26 00:26:48.71 JU3Ui52D
あ。書きこめた。とりあえず書きたかったので書いてみた
・松永×孫市でやや鬼畜気味だがエロは控えめ
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地下牢の薄闇の中で、のたうつ髪が見えた。
ちゃら、ちゃらと鉄ずれの音と、なまめかしい息遣いも聞こえ、そっと目を細める。
「気分はどうかね」
牢の中の影は、かろうじて顔をあげこちらをにらみつけた。
けれど、その目許が濡れているのを認め、喉を鳴らして笑ってみせる。
「満足いただけなかったかね。我慢強い卿のために、とっておきの香を用意したのだが」
「…………………」
牢の四隅に香炉を置き、卿がくわえている轡にもたっぷりと染み込ませてあるのだから、さぞ楽しめただろう。
あざ笑うような言葉に、瞳に激昂の光が宿るが。
「ふ、うっ!」
「ああ失敬」
宙に浮いた鎖が、ちゃらちゃらと揺れた。
後ろにいた三好に灯りをつけろと手で示す。ほどなく、牢の中が照らし出された。
「……これはこれは」
天井から伸びた荒縄に、両腕を戒められて。膝立ちの『彼女』の足の間には、一本の鎖。
「おや、濡れているか?」
鎖を軽く持ち上げれば、細腰は逃げる動きをみせる。
「気丈なのは好ましいが……賢いとは言いがたいな。雑賀、孫市」
「っ!」
鎖が持ち上がったはずみに、ぽたぽたと水音がした。わざと気付かぬふりをして、なおも鎖を揺らし続ける。
「っ……うっ」
もう舌を噛む力もないと見て取り、轡を取り去った。
「気分はどうかね?」
「最悪だ……っ!」
本当に気が強い。並の女なら理性など吹き飛び、狂ったように男を求めているはずだが。
そうでなければ、女の身で雑賀衆を継ぐ事などできないか。
「生娘ではあるまい。それとも先代は、夜事は教えてくれなかったのかね?」
「黙れ!」
動いた弾みに鎖が擦れ、わずかに震えたものの。怒りの方が悦楽より勝ったらしい。
「まったく強情だな」