【純愛】結界師のエロパロ伍【陵辱】at EROPARO
【純愛】結界師のエロパロ伍【陵辱】 - 暇つぶし2ch400:秘密。(閃×時音←良守)その5
11/09/14 02:29:15.77 C94oAEin
「…でも、重いんでしょ?」
「そりゃ、重いけど。」
「…骨が折れるんじゃないの。」
「はあ?何だそりゃ??」
時音の言葉に閃の手が止まった。
時音は少し身体を捻ると、自身の顔を閃のそれに向けた。
何を言うわけでもなく、ただ少年のことをじっと見つめる。
かつて閃が時音に対し不用意に向けた言葉。
彼とこういう関係になった今、時音がそれを頭の片隅に綺麗さっぱり残さないというわけにもいかず、
少女は不安そうにその目を揺らしながら黙って彼の反応を窺っていた。
そんな彼女の真意を知ってか知らずか、自分を見つめる時音の目を見つめ返しながら閃がぽつりと呟いた。
「……折れねーよ。」
「…そう?」
素っ気無い閃の言葉に、時音もまた冷たく返す。
だが少年のその態度は幾分かの優しさを孕んでいることを、今の少女は知っている。
時音はその口元を緩ませ満更でもないといった笑みを浮かべた。
―実は右腕が少し痺れてきていたが、閃がその事実を口にすることは無かった。

「でも、今日学校だから。
 …お風呂入ってくるね。」
そう言って時音は閃の拘束を逃れ、ベッドから離れた。
照明のスイッチを入れようとして、ふとその手が止まる。
「…こっち見ないでよ?」
「おー」
時音の言葉に閃は生返事を口にした。
ひとたび情事が終われば時音は肌を見せるのを躊躇う。
それを残念に思いつつも、恥じらう彼女が可愛いという気持ちが閃にはあった。
とはいえ、少年の身に集まり高ぶってしまったこの熱はそう簡単に引きそうには無かった。
どうしようかと閃が思考を凝らし考えあぐねていると、スイッチが入れられ部屋の照明に光がともる。
そうなってしまうと閃は時音の言葉通り、彼女に背を向けその着替えを見ないようにすることしか出来ない。
言われた通りに背を向け、真正面にある壁でも見つめることにする。
静かな部屋で、衣擦れの音だけがただ響いた。
「…あれから結構経つな。」
「……そうね。」


401:秘密。(閃×時音←良守)その5
11/09/14 02:31:12.55 C94oAEin
あれから。
2人が初めて肌を重ねた日から、幾分かの時が流れた。
だが、2人が言及しているのはその日数についてではない。
「…俺達のこと、良守に話したか?」
「まだ、話してないわよ。」
「何だよ、お前俺よりアイツと一緒にいること多いだろ。」
「あんただって話さないじゃない。
 あたしと会う前は必ず良守のところに行ってるのに。」
「まあ、な。」

それだけ言うと2人は再び口を閉ざした。
2人が男女としての一線を越えた後、逢瀬の頻度は以前より増した。
だがそれを良守や夜行の仲間に知られるのを躊躇う閃は、やはり以前にも増して良守と会うようになった。
良守から真実を隠すため良守と会う。
それが閃に、時音に罪悪感をもたらさないわけが無い。
しかしそれ以上に、良守に全てを告白するのには躊躇いがあった。

2人の秘密。
友人と会うたびに回を重ねていく逢瀬。
そのたびに深まる2人の関係。
それに伴う罪悪感。
だが、それこそが更に秘密を増大し、皮肉にも2人の関係をより結び付けていく。


「もう、こっち向いていいわよ。」
衣擦れの音が止むと、時音の声が再び閃の耳に届いた。
彼女に言われるままに振り返ると、閃の視線の先にパジャマを身に付けた時音が立っていた。
流石に裸のまま廊下を歩くわけにもいかないらしく、彼女は事を終え入浴する際には必ずその前に
身に付けていたものを着ていく。
「んじゃ、俺も着替えるか。」
そう言って閃の手は自然に脱ぎ捨てた衣服の方へ伸びる。
その途中で、再度時音の口が開いた。
「あ…あのね、閃。」
「?」
突然の呼びかけに少年の手が止まった。
そのまま手は空中で静止し、閃は怪訝な表情を浮かべて時音の言葉を待つ。
目の前の少女は頬をうっすらと紅潮させその目を泳がせていた。
これから発言することに若干の躊躇いがある。
そんな風に閃には見えていた。
「お風呂のことなんだけど、その……」
「…何だよ?」

「……一緒に入んない?」
「…へっ?」

402:秘密。(閃×時音←良守)その5
11/09/14 02:33:16.86 C94oAEin

   * * *

「あー……、くそっ」
それから少し経ち。
チッ、と小さく舌打ちをしながら閃はよろよろと夜行本部の廊下を歩いていた。
「慣れないことはするもんじゃねーな…。」
眉間に皺を寄せ、壁にどかっと寄りかかり。
独り言をぼやきながら、閃は自身の胃に課せられた重たい宿命に必死で堪えていた。

慣れないことをして、冒険して。
その結末がこれである。
とはいえ、それをしなければ先に進めないという断固たる意思が少年の中にはあった。
別にそれをしなくてもこれからの人生特別困るということは無い。
そんなことは閃自身誰よりもよく理解していた。
だが、意地といえるものが彼の中に生じ、少年の身を突き動かしたのだ。
どうしてそんなことをしたのか。
その原因と呼べるものも、やはり彼は理解している。
些細なきっかけが、少年を変えた。
その変化は始めこそ微々たるものであるのかもしれない。
彼を知る人間が、それに気付くか気付かないか、その程度のものである。
だが、その小さな変化は、確かに閃自身を変えていく礎となろうとしていた。

「うぇっ、気持ちわりー…。」
とはいえ、本来ならば口にした者の栄養となる筈のそれが今まさに閃の身を蝕んでいるのも事実だった。
かといって今更後戻りするという選択肢も無い。
結局はこの辛く苦しい時間をどうにかやり過ごす以外、少年に選択肢は無い。
閃は口元を押さえた状態で適当な場所に腰掛けた。
「(こういう時は何か別のこと考えりゃいいんだよ…。)」
などと思いながら目を瞑り、思考を巡らす。
頭の中に浮かんだイメージに必死で食いつき、それを辿っていく。
それ自体は楽な作業だった。
何故なら最近、彼の記憶に強く残るような出来事に遭遇していたためである。

床に敷き詰められたタイル。
照明の消された暗闇の一室。
終始肌にまとわりつく蒸気。

それらのイメージが自身の感情に訴えかけた時、かつての衝撃が閃の脳裏に鮮やかに蘇った。

403:秘密。(閃×時音←良守)その5
11/09/14 02:35:10.69 C94oAEin

   * * *

気配を殺すことに細心の注意を払いながら2人で臨んだ脱衣場。
若い2人がいちゃつくのにどういうわけか非常に役に立った偵察のスキル。

2人で入浴するにあたって、時音は風呂場の照明を点けるのを拒んだ。
それ自体は部屋でするのと変わりないからと了承し、内心少し残念に思いつつも
閃は先に風呂場に入って時音が来るのを待った。
湯気が肌や髪に貼り付き落ち着かないながらも大人しく待機していたところに現れた時音。
暗闇に慣れた閃の目は、明かりの点いていない風呂場の中で普段目にすることの無い
少女の立ち姿をはっきりと捉え、その美しい曲線を眺めれば、閃はその身も心も
彼女に触れる前から高揚していく。
恥ずかしがる時音の手を引いて2人向き合い、互いの身体を嬉々として洗い合う少年と少女。
風呂場に声を響かせぬよう口をつぐむも、相手の弱いところを指でなぞるように洗い攻め上げれば
どんなにか細くても色の混じった声が互いの口を突いて出てくる。
泡を洗い流し、風呂椅子の上で互いに抱き合うように腰を落とし、その身を繋げていく閃と時音。

初めて肌を重ねた日から、2人が逢瀬を重ねた回数は数えるほどしかない。
しかし閃と時音は生命力に満ち溢れた若者である。
片や戦闘型でないとはいえ常人よりよほど身体能力の高い妖混じり。
片や幼い頃から自分を鍛え続け戦いにその身を投じてきた結界師の正統継承者。
更に時音は基本的に真面目で勉強熱心な性格である。
精力的な2人がひとたび肌を重ねれば経験を積むべく情事に勤しむようになるのは不自然なことではなく、
その回数を数え切ることは今となっては容易なことではなかった。


404:秘密。(閃×時音←良守)その5
11/09/14 02:37:19.61 C94oAEin
そんな2人の、その日何度目かの情事。
閃の首に両腕を回し、その声を押し殺しつつも自らの身体に埋もれていった閃自身に
その身を震わせ、喘ぐ時音。
彼女の声をすぐ傍で聴き、ふたつの乳房に圧迫され多少息苦しい思いをしながらも
その感触に気持ちを高揚させ少女の中に埋めていった自身を更に膨張させていく閃。
互いに腰を動かし、愛撫し、唇を重ね。
蕩けていくような感覚に若い2人は身も心も委ねていく。
時音の身体が大きく震え、強く締め付けられたその場所で閃のものがその身を一気に解き放つ。
恍惚とした表情を浮かべ、しっかりと抱き合う少年と少女。
だが、2人の宴はこれで終わるわけではない。
再び腰を動かし互いを刺激し、自らを高めていき。
そしてまた、少女の中へと精を解き放つ。
そのサイクルが時間の許す限りいつまでも続く。

照明の点いていない風呂場で視認出来るほどに立ち込める湯気。
2人の身から発せられる石鹸の香り。

幸せな時間が、そこにはあった。

   * * *

「(…………やべえ。)」
その身に降りかかった苦しみはどこへやら。
いつの間にか口元をだらしなく緩ませている自分自身に、閃は軽い戦慄を覚えた。

超えまくっている。
人の枠ではない、子供の枠ともいうべき領域を。

このままではいつ夜行の面々に知られてしまうとも分からない。
それどころか、こうも浮かれていては今後の任務に支障をきたすとも分からない。
「こういうのはやっぱ、あんまり思い出さないようにしねーと…。」
ぼりぼりと頭を掻きながら閃は呟く。
少なくとも夜行本部にいる時は、それは控えた方がいい。
そう結論付けて少年の思考は完結した。


「閃ちゃーん!」
ふと、背後から聞き覚えのある声が耳に届き、閃は後ろを振り向いた。
「秀、それに細波さんも」
廊下の向こう側からやって来たのは、夜行内部でも特別親しい者達。

405:秘密。(閃×時音←良守)その5
11/09/14 02:39:10.38 C94oAEin
閃を呼んだのはそのうちの1人、秋津秀である。
だが、普段は終始穏やかな細目の友人は、何やら慌てふためいた様子で走ってくるように見えた。
「閃ちゃん、さっきのは一体どういう事!?」
「へっ?
 何言ってんだよ、お前。」
「とぼけないでよ、閃ちゃん昼食に出た人参をひとつも残さずに食べてたでしょ。」
「(…げっ!?)」
秀の言葉に半ば思考を緩ませていた閃の頭が一気に現実に引き戻された。
途端に少年はその顔を強張らせ、頬に一筋の汗を垂らす。

閃が体調を崩した原因になっていたもの。
それは閃をよく知る者ならば、彼が決して口に入れる筈がないと誰もが思うような物であった。
人参。
これが食卓に並ぶ時、閃は必ずそれを残すか親しい誰かに半強制的に譲る。
そういう行動をとってきた。
―今までは。

「閃ちゃんが人参を食べるなんてどう考えてもおかしいって、皆心配してたよ。
 何か悪い物でも食べたんじゃないかって。」
「何だよ、それ…。」
秀の言葉に、閃は呆れたように溜め息を吐いた。
だが、そんな少年の態度すらも今の秀にとっては納得するどころか却って疑問を募らせる材料となってしまう。
心優しき細目の友人は眉間に皺を寄せ、真剣な面持ちで閃をじっと見つめた。
「…ねえ閃ちゃん、ホントにどうしちゃったの?
 いつもの閃ちゃんなら、こんなこと言われたら怒って爪の1本でも刺してくるところだよ?」

「(俺ってそんな風に思われてんのか…。)」
秀の言葉に閃は再度溜め息を吐きたい衝動に駆られた。
だが、今は下手な行動はとれない。
ここで迂闊な真似をするものなら、今の自分が仲間達に秘密にしていることがばれてしまう
可能性が無いとも限らない。
もしそのような事態に陥ってしまえば、そこからその事実が遠くに住む友人に知られてしまう
可能性だって出てくるのだ。
そのような事態だけは、どうしても避けたかった。


406:秘密。(閃×時音←良守)その5
11/09/14 02:41:36.30 C94oAEin
「…別に、大したことじゃねーよ。」
少し間を置いて素っ気無く返すと、閃は顔を横に向けた。
自分をよく知る友人達に今の自分の表情を見られたくないという気持ちから出た行動だったが、
それこそ彼をよく知る人物からすればその真意は筒抜けだった。
特に、もう1人の人物からしてみれば。
少年の心情など心を読むまでも無かった。
閃の頭上から、はーん、という声が聴こえてきた。

「…女か」
「えっ??」
「!!」
細波の言葉を受けて、閃の身体に緊張が走った。
何も答えてはいないものの、その顔は冷や汗にまみれ全身が強張っている。
閃のその反応に、細波は確信したように言葉を続ける。
「なるほどな。
 好き嫌いをなくして、そいつに少しでもカッコいいところ見せようって魂胆か。」
そーかそーか今夜は赤飯だな、と納得したように意地の悪い笑みを見せる細波。
そんないい年した大人の態度に少年の顔が青ざめていく。
だが秀は2人の様子を見て、納得するどころか疑問符を浮かべ混乱する。
「じゃあ閃ちゃんが最近会いに行ってるのって、その人?
 えっ、でも閃ちゃんが会ってる相手って良守君だよね。
 え、えっ……??」
「ばっ、馬鹿、秀!
 お、女とか、そそ、そんなことあるわけねーだろっ!!」
閃はすかさず否定の言葉を述べた。
ここで良守の名前を出されたら、芋づる式に真相が明らかになってしまうやもしれない。
だが血の上った頭は上手く思考を整理できず、何を言えばいいのかも分からない。
どうすればこの状況を何とか乗り切ることが出来るのか。
閃の焦燥感は募る一方だった。

「なにーっ!?
 閃に彼女が出来た―っ!!?」
合唱のように重なった大声が別の方向から飛んできて、閃は反射的にそちらを向いた。
まるでタイミングを計ったかのように巻緒をはじめとした戦闘班トリオが悲しみを湛えた
表情で少年達の前に現れたのだ。
「(こんな時に…!)」
閃の焦燥感がますます募る。
彼女いない歴イコール年齢の夜行の先輩が『閃に先を越された』と叫びながら泣いたり
怒ったりしている様子が、少年の目に映る。

407:秘密。(閃×時音←良守)その5
11/09/14 02:43:46.89 C94oAEin
その視界の端に新たな影が映った。
騒ぎを聞きつけてやって来たらしい夜行の女性陣である。
もし彼女らにまでこの話題に明るく参加されてしまった日には、どうしたらいいか分からなくなってしまう。
ここでショート寸前だった少年の思考回路は、とうとう寸前の域を超えた。

「いや、だからっ…
 そんなんじゃ…そんなんじゃないんです!!」
声を振り絞り、どうにかそれだけ叫ぶと、地面をいつもより強く蹴って閃は逃げるようにその場を去った。
どこへ行くかなんて決めている筈もない、この場から逃げ出せるならどこでも良かった。
妖混じりの身体能力をフルに活かした三次元的逃走を試みることも頭の端に浮かんだが、
そんなことをしては却って怪しまれるという理性だけは何とか働き、結局少年は
普通に走り去って逃げるのであった。

   * * *

「行ってきまーす。」
別の日の朝。
いつものセーラー服に身を包み元気に家を出る時音の姿があった。
長い髪を揺らしながら学校へ向かう少女。
そんな彼女を、隣家の玄関に立ち遠巻きに見守る兄弟の姿があった。

隣に住む幼馴染の少女が、その仕草や表情が以前とは異なる雰囲気を持ち合わせている。
それが色気と呼ぶものであるということをまだ兄弟は知らなかったが、今の時音は
そんな彼らから見ても以前にも増して魅力的であると、そういう認識があった。
「良兄ぃ、何か最近時音姉ちゃん綺麗になったね?」
そう言って弟の利守は実の兄に笑いかけた。

屈託無く笑う少年。
だが、その両眼は真っ赤に染め上がっている。
そんな弟の顔を、良守は見ていた。
「…ああ。」
表情一つ変えることなく、ただじっと見つめていた。

408:名無しさん@ピンキー
11/09/14 02:46:32.98 C94oAEin
今回の投下はこれで終わりです。
一応次回もエロ有ります。

それでは、退散いたします。

409:名無しさん@ピンキー
11/09/14 20:51:07.96 EuC6NLt2
GJ~!

410:名無しさん@ピンキー
11/09/14 23:55:50.99 gEmt48xX
いちゃいちゃGJ!

411:名無しさん@ピンキー
11/09/16 21:49:02.62 OotqhAa2
原作でも、これっぽいのがほんの少しだけでもいいから欲しかった・な・・

412:名無しさん@ピンキー
11/09/18 09:48:04.05 HAfyZrFo
時音が下に履いてんのがいつもの短パンでも
上に着てるのが男のシャツオンリーとかだったら
普通にエロい格好になってしまうのだな、そういえば。

413:名無しさん@ピンキー
11/09/18 11:37:07.56 WBUKK21/
エロイなそれは。
短パン脱がせるわな。

414:名無しさん@ピンキー
11/09/18 13:45:58.98 O2YrZidK
うん、脱がせる。

415:408
11/09/19 01:59:08.28 REtV9+xC
こんばんは、6回目の投下に参りました。
一応エロ有り、今回も長いです。
ここからまたちょっと暴走していってると思います。

416:秘密。(閃×時音←良守)その6
11/09/19 02:01:06.40 REtV9+xC
爽やかな秋晴れがどこまでも続き、涼しげな風が吹き抜ける休日の午後。
墨村家の台所は、普段通りケーキ作りに勤しむ次男坊によって占拠されていた。
さまざまな材料の入れられたボールを攪拌器を持った腕がシャカシャカと動き中の物を混ぜ合わせていく。
時折その手が止まっては、その人物が深い溜め息を吐いた。
後ろに束ねられた髪。
緩やかなウェーブのかかったそれは、たまに光を受けて金色の輝きを放った。
「…何で俺までこんなことさせられなきゃなんねーんだ?」
その髪の主が、恨めしそうにぽつりと呟いた。

事の始まりは少し前。
いつものように逢引の隠れ蓑として墨村家にやって来た閃は、良守に会うなり台所へと連れ込まれた。
戦いの日々の無くなった今の良守にとって閃は小難しい話をする友人というポジションのみに納まらず、
いつの間にかケーキ作りのアシスタントに任命したいという願望を抱くようになっていたようであった。

攪拌器とボールを渡され、半強制的にケーキ作りを手伝わされる閃。
その隣では、彼よりは手馴れた手つきで生クリームを攪拌する少女の姿があった。
「あんた、喋ってる暇があったら手を動かしなさいよ。」
三角巾の中からすらりと伸びた黒い髪が、彼女の動きに合わせ腰の辺りでゆらゆらと揺れている。
雪村時音。
ケーキ作りの手伝いも少しは板についてきた彼女は良守の幼馴染で、現在、閃がこの地を
訪れる目的そのものであった。
「へいへい、とき…雪村。」
再び溜め息を吐き閃は軽い返事をする。
その際、うっかり彼女を名前で呼びそうになり、すぐさま名字で言い直す。
そんな閃の様子を見て、時音はむすっと口を尖らせた。

2人が付き合い始めてから大分時間が流れた。
だが2人は未だに、良守に真実を告げられないでいる。

「別にいいだろ影宮。
 お前いっつもケーキ食ってんだし、たまには手伝ってくれても。」
「…良守。」
背後から呑気な声が響いてきて、閃は眉を顰めながら声の主の方を振り返った。
そこにはいい笑みを浮かべながら立っている良守の姿がある。
そんな友人に、閃は一言言いたくて仕方がなかった。

417:秘密。(閃×時音←良守)その6
11/09/19 02:02:46.92 REtV9+xC
だが、迂闊なことを言ってもし彼の想い人との関係がばれたりしたらと思うと、
少年は口をつぐむしかなくなってしまう。
目の前の友人には呑気なままでいてもらうのが1番いいと思っている。
とはいえ、悩みに悩む閃少年の隣で生クリームを攪拌しているのは、良守に対し共通の秘密を
持っている友人の想い人その人である。
彼女への態度から良守が気付いてしまう可能性も無くは無い。

3人でケーキを作ろうとしている笑顔の良守。
良守の想い人で生クリーム攪拌中の時音。
そんな彼女と関係を持っている良守の友人の閃。

この台所で保たれている微妙な均衡がいつ崩れてしまわないかと思うと、ボールの中身を
攪拌しつつも閃の背中からは常にだらだらと冷や汗が流れ続けていた。
―出来ることなら、この場から立ち去ってしまいたい。


「良守。」
閃はその手を完全に止め、笑顔の友人へとその距離を詰めた。
隣の少女はそれを大して気にも留めず、熱心に攪拌を続けている。
閃は更にその距離を詰め、良守の顔へ自らのそれを近づける。
そして、友人にだけ聞こえるような小さな声で、そっと囁いた。
「お前、アイツと共同作業したいんじゃなかったのか?
 俺を巻き込む暇があったら、アイツと2人っきりでケーキ作りを楽しめばいいだろ。」
その『アイツ』との関係性の事を考えると良守に話している内容はかなり残酷なものである。
それに対して心を痛めながらも、閃は険しい表情を浮かべ友人の反応を待った。
だが良守は、そんな閃の真意など知らないかのように呑気な笑顔を浮かべ、言葉を返す。
「いや~。
 時音とケーキ作るようになってから、皆で何か作るのも悪くないなー、と思うようになってさ。
 影宮よくうちに来るし、別にいいだろ?」
「だからって急過ぎんだよ!
 ここに来た途端いきなりエプロンと三角巾渡されたんだぞ。
 こっちだって心の準備ってもんがあんだよ…。」
チッ、と小さく舌打ちしながらぼやいた。
心の準備とは無論、時音も交えて3人でケーキを作る今の状況に対する準備である。
「そう、エプロンと三角巾!」
だが、そんな閃の態度に対し、良守は突如友人の言葉を復唱した。


418:秘密。(閃×時音←良守)その6
11/09/19 02:04:32.76 REtV9+xC
「……はあ?」
怪訝な表情を浮かべ、閃は友人の顔を見た。
エプロンと三角巾。
今、この場にいるもの全員が身に着けているアイテムである。
良守は勿論、時音も。
閃も例外ではない。
「それがどうしたってんだよ。」
「いや、何つーかさ、影宮。
 思った以上に似合うな、それ。
 ……女みたいだけど。」
そう言って良守は口元を押さえ軽く笑う。
だが、それを見て閃の理性が吹き飛んだ。

「良守っ!!」
閃の怒声が台所に響き渡る。
男となった今でも、少年にとってその言葉は嫌悪感を示すもの以外の何物でもなかった。
少年は威嚇するように目の前の友人を強く睨みつけ、右腕を振り回した。
―それが、いけなかった。
「きゃっ!?」
「えっ…」
複数の人間がその距離を詰めて立っている台所。
閃は良守にも時音にも近いところに立っていた。
そしてその右腕が当たった先は少年を挑発した友人ではなく、彼の隣に立つ少女だった。
その勢いでバランスを崩した時音は床に向かってその身体を傾けていく。
手元にあったボールは非情にも宙を舞った。

「とっ…」
「時音!」
「へっ?」
倒れゆく幼馴染を呼ぼうとした良守の声は、傍らの友人の声によって遮られた。
先程の怒りはどこかへ消え、正気を取り戻した閃は時音に向かって右手を伸ばす。
空を切ることなくその手は少女の腕を掴むことに成功した。
だが、床へ落下していくその勢いを殺すことは最早不可能だった。
「うぉっ…」
少年の間の抜けた声とけたたましい音が鳴り響くのはほぼ同時だった。
時音と共に床へ虚しく倒れ込む閃。
更に追い討ちをかけるように、2人の頭上にボールの中身が降り注ぐのであった。

「時音、影宮!」
良守が2人を呼ぶ。

419:秘密。(閃×時音←良守)その6
11/09/19 02:07:14.72 REtV9+xC
だが、当の2人を目にして一瞬その身体が強張った。
床に重なり合うようにして倒れ込む閃と時音。
ただでさえ身体が密着しているというのに、着痩せする時音の胸に閃の顎が見事に納まり切っている。
だが、それを時音が気にかける様子は見られなかった。
「…もう。
 何やってんのよ、あんた。」
「わ、わりぃ。」
呆れるように溜め息を吐く時音の上で、閃が普段決して述べることの無い謝罪の言葉を口にした。
そんな2人の髪や顔には、空から降り注いだ白い災厄がびっしりとこびり付いている。

「(げっ…。)」
唇に頬に前髪に。
整った少女の顔に白いクリームが大量に付着している。
生クリームにまみれた時音の顔を見て閃の身体に否妻のような衝撃が走った。
淫猥な想像が少年の脳裏に浮かび、それが焼き付いて離れない。
おまけに密着する箇所から時音の感触や温もりが直に伝わってくるため、興奮は否応にでも高ぶっていき
身体が冷めることのない熱を孕んでいく。
このままでは不味いと、閃は慌てて膝を起こし時音から離れた。
体勢を立て直し、再び少女に向かって右手を伸ばす。
時音が黙ったままその手を取る。
今度はもう、2人して倒れるようなことは無かった。

「(…あら?)」
ふと、時音はある事実に気が付いた。
同じ空間で自分と閃が向かい合うこの状態。
彼の手を取り立ち上がった自分。
互いに見つめ合う目と目。
その高さ。
以前と比べて確かな変化が生じていることに、時音はこの時初めて気が付いた。
「大丈夫か?」
その目の前の少年から発せられるいたわりの言葉。

「う、うん…別に痛くないけど。
 あんた、頭に生クリーム付いてるわよ。」
「お前だって人のこと言えねーだろ。」
そう言って閃は右手を時音の顔に伸ばす。
唇を掠めるように指でクリームを掬い取ると、それを自らの口に運び、ぺろりと舐め取った。

420:秘密。(閃×時音←良守)その6
11/09/19 02:10:26.38 REtV9+xC
「…そうみたい。」
時音は口元を緩ませ、微笑した。
頬はほんのりと色付いており、彼女の両眼は閃を捉えて話さない。
そんな少女を見つめながら、少年もまた気恥ずかしそうに小さく笑った。


この時、2人は気付いていなかった。
口を一切開かず、2人の様子をただ黙って見守る者がいることに。
彼の、その表情に。

   * * *

「それにしても、あんたってホント馬鹿みたい。」
ケーキ作りも何とか無事終了し、良守と別れた時音と閃。
いつものように何食わぬ顔で雪村の家にて再会し、時音の部屋で2人逢瀬の一時を過ごしていた。
ベッドの上で若い2人が並んで座り、そしてある時唐突に少女の口からそんな言葉が漏れた。
「何だよ、いきなり。」
反射的に閃の眉が吊り上がる。
だがそれを見たところで時音は怯むわけも無い。
長い髪を髪留めで束ね、普段あまり身に着けることの無いロングスカートを履いた時音。
風呂上りの熱をその身に残した少女の口から冷たい言葉が綴られる。
「さっきケーキ作ってた時も、わざわざあたしのこと雪村って言い直してたじゃない。
 あたしのこと名前で呼んだら、良守があたし達のこと気付くかもしれないと思って。」
うっ、と小さく呻くと閃は苦い表情を浮かべた。

2人の関係性の変化は、確かに彼ら自身を変えた。
閃が何かしらのアクションを起こす時、その意図が目の前の少女に簡単に読まれるようになっていた。
「そんな事したって却って怪しまれるわよ。」
アイツ、ああ見えて鋭いとこあるんだから。
そう付け加えて、時音はその身を横たわらせ、柔らかいベッドの上に沈んだ。
「うるせーな。
 分かってるよ、そんな事。」
それだけ返すと閃もまた時音と向かい合うようにその身をベッドに横たわらせた。
その状態で何を言うわけでもなく、2人のいるその部屋がしばしの静寂に包まれる。



421:秘密。(閃×時音←良守)その6
11/09/19 02:12:30.47 REtV9+xC
「そういえば、お前さ。」
「え?」
突如、少年がぽつりと呟いた。
「大学とかどうする気なんだ?
 今なら一応地元を離れる事だって出来んだろ?」
「うん、まあ…。
 …何、ひょっとして、夜行本部に近いところに越してきて欲しいとか
 ……そういう事考えてたりするの?」
「うっせーな…。」
チッ、と小さく舌打ちして閃がぼやく。
発せられた言葉の裏にあるものは純粋な疑問というわけにはいかず、そこには少年らしい
下心といえるものが確かに存在していた。
眉を顰め、口を尖らせ。
拗ねた表情を見せる少年の姿に時音は嬉しそうに目を細めた。
―だが、少女には彼のささやかな願いをかなえることは出来ない。

「…そういうのも、ちょっとは考えたことあるの。
 でもあたしは……ここを離れられない。」
そう言って時音は小さく笑う。
閃の視界に映るそれは、どこか淋しさを孕んでいるように見えた。
「アイツの傍に、いてあげなくちゃ。」
少女の口から発せられる言葉。
それは、閃のためでなければ、ましてや自分のためのものでもない。
「…そっか。」
少年はそれだけ言うと、寝返りを打ち少女に背を向けた。
「閃…」
「ちょっと聞いてみたかっただけだって。
 気にすんな。」
旋毛の向こうから返って来る少年の素っ気無い言葉。
少女の胸に不安がよぎる。
「ごめん、怒ってる?」
時音は身を乗り出し、閃の上に覆いかぶさった。
しかし影の中の少年は横向きに寝そべっているということもあり、その表情を読み取るのが難しい。
「怒ってねーよ。」
「でもあたし、あんたといる時いつも良守の話ばかりしてる。」
そう言って少女の目が不安に揺れた。

後悔はしないと言いつつも、常に矛盾を孕んだ2人の関係。
逢瀬を重ねる時、いつも会いに来るのは閃で、時音はそれをねだる方だった。

422:秘密。(閃×時音←良守)その6
11/09/19 02:14:35.97 REtV9+xC
その際に必ず顔を合わせることになる時音の幼馴染。
2人きりになってからも、時音は彼を常に話題として持ち出していた。
どちらにより負荷がかかっているかなど、分からない筈がない。

時音は更に上体を屈め、閃の顔に自らのそれを近づける。
彼の表情をはっきり見るためであったが、結果としてその行動が叶うことはなかった。
突如肩を掴まれ、時音の身体はベッドの上に押さえつけられた。
「きゃっ…!?」
柔らかい感触を背中に受け、少女は軽い悲鳴を上げる。
気がつけば、今度は閃に自分が覆いかぶされる形となっていた。
時音は自分を組み敷く少年の顔を見た。
相も変わらずその顔は影の中にあったが、その口元は笑みを含んでいるように見えた。

「…ばーか。」
閃の右手が時音の頬にそっと触れた。
優しく撫でるその手付きに、少女の表情が次第に和らいでいく。
「そりゃ、嫉妬しないわけじゃねーけど。」
少年がぽつりと呟いた。
しかしその声は怒気を全く含んでいない。
「でも、もしアイツがいなかったら。
 …そもそも俺達、ここでこうしてないだろ?」
そう答える閃の顔から穏やかな笑みがこぼれる。
それが少年の嘘偽り無い素直な気持ちなのを時音はその身に感じていた。
頬が緩み、少女は笑顔を取り戻す。
「…そっか」
どちらともなくその身が動き。互いの顔が再び近付いていく。
顔にかかる吐息が妙に煩わしく、そして心地いい。
「そっか。」
直後、2人の唇が重なった。


口付けは1度のみに留まらず、離れては触れ互いを求めるようにその行為を若い2人が延々と繰り返す。
静かな部屋に響く息遣い。
時音が両腕をそっと閃の背中に回す。
同時に、少年の手が少女の脚に伸びた。
長いスカートの上から腿をなぞり、緩やかな曲線を描いていく。
「…するの?」
少女がぽつりと呟いた。
何を、と今更聞くことでもない。

423:秘密。(閃×時音←良守)その6
11/09/19 02:16:13.90 REtV9+xC
「最初からそのつもりだったんだろ?」
「それは、そうだけど…。
 あんただって、さっき生クリームかぶった時、やらしいこと考えてたでしょ?」
「まあ、な。」
時音の問いに閃は素っ気無く答えた。
しかし、彼の頬に走る朱が、少年に別の色を含んでいる事実を浮き彫りにさせていた。

スカートに皺を作りながら、少年の手は端から内部へと侵入する。
いきなりスカートをめくることはせず、腿を撫でながらその奥地を目指していく。
逢瀬の日には普段身につけている筈の短パンを履かないようにしている少女。
そんな彼女の腿の付け根にあるその場所に閃の手が触れると、時音の身体がぴくりと動いた。
「んっ…!」
少年を抱きしめる両の腕にも自然と力がこもる。
だがそれで愛撫の手が止まるわけではない。
薄い布地の上から起伏のあるその箇所に指を這わせ、ゆるゆるとなぞっていく。
じらされつつも心地いい刺激が少女の身体を駆け巡り、脳を灼く。
やがて下着の上からでもはっきりと分かるほどに湿り気を帯びたその場所を、
閃の指は布地を退け、内部へと侵入していく。
「はぁんっ…!」
時音の腕はますますその力を強め、閃を包むシャツに無数の皺が刻まれる。
それでも少年の手は休まる気配を見せず、自身の指を締め付けてくる少女の中を
擦っては攻め上げ、液体の入り混じった淫猥な音を響かせていく。
「あん、はぁんっ…、やんっ……!
 もうっ、だめ、あ、あぁっ……!!」
時音が背中を仰け反らせ、その身を震わせた。
胸を大きく上下させ虚ろな目で自分を見つめてくる少女の顔を、閃は満足そうに見つめ返す。
「スカート…汚れ、ちゃったじゃ…ない……。」
「たまには服着たままでやるのもいいだろ?」
液体にまみれた指を見せつけながら、少年は意地の悪い笑みを浮かべた。
「…もうっ!」
弾かれたように時音は上体を起こした。
膝立ちになっている閃の腰に勢いよく手を伸ばし、ズボンの金具に触れる。
金属音を響かせ、こじ開けた隙間の向こうから既に反応し始めている少年のものを取り出した。
「お、おいっ!?」
「今更どのくらい汚れたって変わんないでしょ。
 あんたは、あたしがいいって言うまで動いちゃだめよ。」
整ったその顔に悔しさを滲ませた少女は両手を自身の背中に回し、服の上からもぞもぞとその手を動かした。
軽い金属音が部屋に響き、少女の胸元が反動でふわりと揺れる。
続いて時音は上半身を覆う上着に手をかけた。
伸縮性のある布地の端を持つと、それをたくし上げるわけでもなく、すぐ目の前の少年のものへと
その位置を移動させていく。

424:秘密。(閃×時音←良守)その6
11/09/19 02:18:47.36 REtV9+xC
「…あんたがさっき妄想してたこと、叶えてあげる。」
少女の発言と共に上着の端が少年のものへとより一層近付く。
少しずらせば触れてしまうようなギリギリの状態で硬くなったものを器用に上着の中に
侵入させていく。
そしてある程度少年のものが入り込むと、突如その侵入を加速させ一気に入り込ませた。
下着に残る温もりと乳房の感触が直に少年のものを襲う。
「うあっ…!?」
自身に走る柔らかな感触と温もりが甘い痺れをもたらし、閃の身体を駆け巡る。
途端、少年は上擦った声を上げた。

   * * *

少年と少女が睦まじい一時を過ごす時音の部屋。
窓を隠すように覆われたカーテンは、2人が逢瀬を重ねる際には必ず閉じるようにしていた。
そのカーテンの端に、一部分だけ角張った出っ張りが飛び出すように存在していた。
普段は決して見ることのない出っ張り。
だが、行為に夢中の若い2人はその存在に気付いていなかった。
―カーテンの向こうの人物が、その事実に気付いていたとしても。

色を持たぬ透明の立方体。
それが本来何もないはずの空間に現れ、カーテンの端をほんの少し浮かせていた。
それは、その立方体を出した人物が、そこから開いた僅かな隙間から部屋の中を
除き見るためのものであった。
窓の外ではボサボサの黒髪が、月の光を受けて仄かに反射している。
かつてあった筈の方印がまるで元から無かったかのように綺麗な手の平。
それを隠すように印を結ぶ少年の右手。
だが部屋の中で起こっている出来事を確認すると、少年は印を解き結界を消した。
出っ張ったカーテンはふわりと舞い、いつもの姿へと戻る。
そして2人に気付かれぬよう音を消し、踵を返し。
良守は自室へと戻っていった。


部屋へ戻っても、電気ひとつ点けるわけでもない。
中心部で正座し、暗闇の中で良守は1人沈黙する。
静寂に包まれた少年の部屋。
その状態を思う存分味わうと、突如良守の身体が震え出した。
同時に、言葉にならない高い声が少年の口から漏れ出した。
振動に合わせるかのように大きくなっていくそれは、暗い部屋の中で徐々にその存在感を増していく。



良守は、笑ってた。

425:名無しさん@ピンキー
11/09/19 02:24:45.38 REtV9+xC
(暴走は)これで終わりじゃないぞい、もうちっとだけ続くんじゃ。


今回の話を書きながら、結界師は日常パートだけで
長編作っちゃダメなんだと思い知らされました。orz
次回は一応エロ無しです。

それでは、退散いたします。

426:名無しさん@ピンキー
11/09/19 11:57:15.52 g0oTOK5/
凄い。緊張する。

原作でもこれくらいの(ry

427:名無しさん@ピンキー
11/09/19 16:47:49.92 88lygzS7
GJ!

428:名無しさん@ピンキー
11/09/20 22:37:27.53 m/GFRCjM
時音、愛してる。

429:名無しさん@ピンキー
11/09/21 21:02:12.86 4pIw4aI+
んだね!

430:425
11/09/22 03:04:52.35 Ub+CLkb1
こんばんは、7回目の投下に参りました。
書いてた当初は楽しいのですが、投下始めてから大分経つと
原作からの乖離っぷりがなかなか恥ずかしくなってくる今日この頃。
でも今回を含めて残り3回ですので、最後まで投下するつもりです。

前回も書きましたが今回は一応エロ無しです。

431:秘密。(閃×時音←良守)その7
11/09/22 03:07:51.88 Ub+CLkb1
その日は、いつもより寒かった。
雲ひとつ無い澄み切った空がどこまでも続き、陽が沈むと無数に煌めく満天の星空が夜の闇を支配する。
光無き世界の全てを等しく照らし出す天球。
その恩恵を受けて、明かりの無いどんな場所においてもそこに確かに光は存在していた。
彼らが立っているのも、そういった場所のひとつだった。
「どうしたんだよ良守、こんな場所まで連れてきて。」
冬の寒さに耐えるべく厚めに着込んだ閃が両腕で自らを抱きしめるような仕草を取りながら
目の前の友人に話しかけた。
少年の口から漏れる息が外気に触れ白く染まっては空気に溶けて消えていく。

こんな場所。
外灯の光も届かないその場所は、現在建設中の校舎とプレハブの仮教室が立っている。
烏森学園。
かつて閃が夜行の任務のために何度も訪れた場所である。
その敷地内の隅、比較的外傷が少なく崩壊を免れた体育館の裏に、閃と良守は立っていた。
顔を上げればすぐ見える体育館の屋根は、かつて良守が友人らに自作のケーキをご馳走した場所でもある。
その体育館の裏側にて、良守は友人に背を向けて立っていた。

事の始まりは少し前。
いつものように時音に呼びつけられた閃が、いつものように良守に会いに行った。
そんな閃にいつも手作りのケーキを振舞ってくる良守の笑顔を見て、軽い罪悪感を覚えるのもいつものこと。
家長の繁守は隣家で古い友人に茶をご馳走になり、いつも穏やかな笑みを湛えた良守の父は
執筆に精を出し部屋から一歩も出ない。
そして目を真っ赤にした利守が笑って来客を迎え入れてくれる。
何もかもいつも通りの日だった。
甘い物を食べて他愛の無い世間話に花を咲かせれば、いつの間にか日も暮れて。
良守らに別れを告げていつも通りこっそりと隣家の少女に会いに行こうとしたら。
良守に声をかけられた。
『わりぃ、影宮。
 ちょっと付き合ってくれねーか。』
別段断る理由も無い。
少しだけ、いつも通りで無い出来事が起こったのだと閃はあまり深く考えずに了承したのだった。



432:秘密。(閃×時音←良守)その7
11/09/22 03:09:15.48 Ub+CLkb1
「丁度去年の今ぐらいの時期に、俺達会ったんだよな。」
良守がぽつりと言った。
相変わらず背を向けたままの友人は、閃の立つ位置からではその表情を窺い知ることは出来ない。
「お、おう…。」
「あれから色んなことがあったけど…
 感謝してるんだぜ、ホント。」
「何だよ、いきなり。」
今の閃には良守の顔を見ることは叶わない。
だが、耳にする彼の声は明るいように感じる。
だから、いつも通りであるならば、やはりその言葉も何気ない会話のひとつだと思えたであろう。
ただ、2人が立っているこの場所がいつも通り過ごすものであるかというと、そうではない。
良守から発せられた言葉がいつも通り聞くような内容かと思えば、やはりそうでもない。
閃は、胸にもやもやした感情が溜まっていくのを感じ取っていた。
それがどういったものなのか、考える必要も無かった。

「影宮」
不意に良守が閃を呼んだ。
途端、少年の身体に戦慄が走る。
肌寒い冬の夜空に静かに響き渡る、友人の澄み切った声。
ようやく良守は閃の方を振り向き、閃は自分を見つめる友人の顔を目にすることが出来た。
いつもなら屈託無く笑う良守の顔。
だが、今の彼は少しも笑ってはいない。
かといって怒っているようでも、悲しんでいるようでもない。
ただ、この空と同じように冷たさを孕んだ感情の読み取れない2つの目がある1点を見据えて離さない。
自身に向けられたものを理解して、閃の身体にも自然と力が入る。
しばらくして、良守の口がゆっくりと開いた。

「お前、時音のこと……好きなのか?」

解き放たれたその言葉に、閃の身体が強張った。
全身が凍り付いていくのを感じる。
寒空には決して似合わない冷や汗が何度も頬を伝って流れていくのが分かった。
「(ばっ……バレた!?)」
そんな焦燥感を表情に出す閃とは対照的に、良守は依然として無表情のまま友人のことを見つめていた。
「(……どうする!?)」


433:秘密。(閃×時音←良守)その7
11/09/22 03:11:20.34 Ub+CLkb1
何と答えたらいいのだろう。
正直に答え、良守に今まで黙ってきたことをありのままに告白するか。
だが良守が尋ねてきた内容は『付き合ってるのか?』ではなく『好きか?』である。
ならば『好き』か、それに準ずる答えを提示して交際の事実については終始秘匿するか。
或いは、どちらの答えについても適当に誤魔化すか。
別の話題を提供して元の話題から遠ざけるというのも有効な手段かもしれない。
又は、物理的な逃走を試みるか。
何もかも放り出して良守に置いてけぼりを食らわせて思考は異次元の彼方へ。
無論、やる筈も無いしやってはいけない手段だ。

答えを見出すことが出来ない。
眉間に皺を寄せ、視界を虚空に彷徨わせながら、閃は大いに悩んだ。
ふと、視界の端に友人の黒いボサボサ頭が映る。
良守は尚も口を閉ざしたまま、閃をずっと見つめている。
激しく追及してくるわけでもなければ、罵倒してくるわけでもない。
色々思考を巡らせ視界を泳がせても、最終的に行き着くところは同じだった。
友人を再びその目に捉えた時、閃の覚悟は決まった。
「…おう。」
肯定を示す2文字の言葉。
それだけを発して少年は口を閉ざした。
「…そっか。」
良守がぽつりと呟いた。
それから何を話すわけでもない。
少年達の立つその場所が静寂に包まれた。
風が建物の間をすり抜けて2人に吹き付ける。
肌を刺すような冷たい痛みをその身に感じながら、閃は良守の表情を窺っていた。
目の前の友人は顔の筋肉を殆ど動かすことなく、ただ少年の方をずっと見つめている。
どのくらいそうしていたのだろう。
不意に、良守の頬が緩んだ。

「そっか――っ!!」

「…………へ?」
閃は目を丸くした。
自分を睨むように見つめていた筈の良守が突如口元を盛大に吊り上げてけたけたと笑い出す。
予想だにしない友人の反応に言葉を失い、閃は呆然と良守を見つめた。
「水臭いなー、影宮!
 時音も時音だよ、別に話してくれたっていいのに!」

434:秘密。(閃×時音←良守)その7
11/09/22 03:14:12.19 Ub+CLkb1
良守は満面の笑みを浮かべ、心底おかしそうにクックと笑う。
だが、そんな彼の態度を閃は素直に受け入れることなど出来なかった。
依然として冷や汗が少年の頬を伝う。
「何…言ってんだよ、お前……。」
友人に対してかつて抱いた恐怖心。
それとは違う恐怖を少年は今、確かに感じていた。

閃はこの1年間、墨村良守という人物をよく見てきた。
ある時は友人として、またある時は観察対象として。
時音に散々固執してきた良守が閃と彼女との関係を知れば、どのように悲しむのかも、
怒りをぶつけてくるのかも全く想像できないわけではなかった。
だが、目の前の友人が今現在見せている表情は、悲しみでもなければ怒りでない。
閃には良守のその笑顔が痛ましいものに見えた。

「…良守」
閃は友人の名を呼んだ。
しかし笑顔の友人はその表情を崩すわけでもなく明るい声で言葉を続ける。
「ていうかさ、ちゃんと話してくれよ。
 俺だけのけ者にされたみたいで結構淋しかったんだぜ?」
「良守!」
閃はもう一度、怒気を孕むかのように友人の名を強く呼んだ。
澄み切った冬の夜空に少年の声が響き渡ると、良守の表情から笑みが消えた。

「利守がさ。」
「へ?」
「泣いてんだ、俺の見てないところで。」

「…お前」
友人の突然の言葉に、少年はようやく気付いた。
良守は知っていたのだ。
もうずっと前から、あの家を包んでいる空気に。
「父さんは大作を書くって言って家事やる時以外は殆ど俺達に顔を見せなくなった。
 じじいはばばあんところに行くようになってからは飯の時以外殆ど俺達と顔を合わせない。」
良守は、淡々と続けた。
「俺が……俺が台無しにしたんだ、全部。」
その顔に緩やかな笑みを浮かべながら。

そんな彼とは対照的に、閃は怯えるような目で良守を見つめた。
このような言葉を笑顔で語り続ける友人の姿を、少年は今まで一度も見たことがない。

435:秘密。(閃×時音←良守)その7
11/09/22 03:16:54.04 Ub+CLkb1
良守は微笑みながらも自分を見る閃の目を捉えている。
だがそれを別段気にする様子も見せず、口を動かし言葉を続けた。
「変えなくちゃいけないんだ。」
「変えるって…何をだよ。」
閃は、先程とは違う理由でこの場から走り去ってしまいたい衝動に駆られた。
だが、逃げ出すことなど、出来る筈もない。
「あのさ、影宮。」
表情を変えるわけでもなく、落ち着いた口調で良守は語りかけてきた。
「頼みたいことがあるんだけど。」
「へっ…?」

   * * *

風呂上りのほんのり湿った髪を背中から流し、お気に入りの下着とパジャマを身に着けて。
時音は自室のベッドに腰掛けて、閃が来るのを待っていた。
「遅いわね、アイツ。
 何やってんのかしら…。」
少女はぽつりと呟いて、軽く頬を膨らませた。
その身から仄かに香る石鹸の匂いが、部屋全体に流れていく。

閃と付き合うようになってから、時音はたびたび気持ちの落ち着かない状態を体験していた。
不安や苛立ちから来るものではない。
ふわふわしたこの気持ちは、どちらかといえば幸せと呼ぶものに近い。
それは、少し前までの時音なら決して持ち得ないと思っていた感情だった。
「…らしくないわね。」
そう呟くものの、その頬は自然と緩む。

少女は鍵の外された状態の窓を見やった。
陽が落ちてから時間が大分経過しており、閃がこの部屋に来る際そこを経由してくるだろう事は
容易に想像出来ていた。
「早く来なさいよ。」
時音は微笑み、少年の登場を待つ。
その胸にふわふわした感覚を抱いたまま。


と、そこへ。
僅かな明かりでも反射して輝く金の髪が、夜の闇の中に突如現れた。
その手はガラガラと窓を開け靴を脱いで部屋の中に上がり込む。

436:秘密。(閃×時音←良守)その7
11/09/22 03:19:14.77 Ub+CLkb1
「閃」
時音は彼の名を呼んだ。
靴を傍らに置き少年もまた彼女の方を見る。
「…よう、時音。」
「もう、遅いわよ。
 こんな時間まで何やってたの?」
「…わりぃ。」
少年の返答に、時音は訝しげな表情を浮かべた。
彼を知る期間もそろそろ長くなってきたが、閃が何も言わずただ謝罪の言葉だけを述べるなど、
少女にしてみればとても珍しい事態であった。
時音はまじまじと目の前の少年を観察する。
眉間にきつく寄せられた皺と疲れを隠さない目。
そういえば先程の謝罪もどことなく元気がなかったかもしれないと思い当たり、少女が口を開いた。
「閃?
 あんた、一体どうし…」
「わりぃ、時音。」
だが、少女の問いかけは少年の二度目の謝罪によって遮られた。
閃はふらふらと身体をよろめかせ時音の傍らに足を運ぶと、全身から力を無くしたかのように
勢いよくベッドの上に倒れ込む。
「俺、寝るわ。」
「えっ!?
 ちょっと待っ…」
少年の突然の宣言に時音が狼狽する。
しかしそんな少女の反応も虚しく、閃の意識は深い夢の中へと落ちていってしまった。

眉間の皺をそのままに、規則正しい寝息を立てて少年はすやすやと眠る。
「嘘でしょ…。」
時音がぽつりと呟いた。
だが、少女の言葉は閃の耳には届かなかった。
傍らの少年は眠り落ちたその時から微動だにせず、起き上がる気配など微塵も見せない。
少女は激しく落胆した。
この少年が自分に触れるその時を心待ちにしていたというのに。

時音は閃と同じように横になり、頬杖を突いて少年の顔を覗き込んだ。
眉を顰めたまま、まるで苦悶するかのように眠っている目の前の彼。
時音と眠る時の閃は普段、無防備かつ無邪気な寝顔を少女に見せることが多い。
決して本人の前でそれを口にすることはなかったが、そんな姿を時音は可愛いと思っていた。

437:秘密。(閃×時音←良守)その7
11/09/22 03:20:41.38 Ub+CLkb1
「…何かあったの?」
少女が疑問を言葉にする。
だが、それをしたところで目の前の少年から答えを得られそうには無かった。

時音の指が閃の顔に触れる。
眉間に軽く指を押し当てると、更にその皺は深くなり少年の口から呻くような声が漏れた。
少女は指を移動させ、閃の頬に流れる金の髪を摘んだ。
くるくると巻き付けては離れていく金色の流線。
それを見て、時音の顔に徐々に穏やかな笑みが戻っていく。
「ま、いいわ。」
時音はベッドから離れ、部屋の照明を消した。
そして閃と向かい合うように再び横たわると、両目を閉じて自らも夢の中へとその身を委ねていった。
―その胸に一抹の不安を抱えたまま。

   * * *

一方その頃。
墨村家の自室では、良守が布団の上で蹲りながら1人ぼそぼそと喋っていた。
その手に握られているのは、1台の携帯電話。
「―ああ。
 もうじじいと父さんには話をつけた。」
そう言って電話の向こうの相手と言葉を交わす良守。
その顔は怒りも悲しみも喜びすらも孕んでいない。
「俺?
 …俺は大丈夫。」
だが、鋭い眼光を湛えた少年の眼には1点の曇りも存在していなかった。



「―もう、決めたんだ。」

438:名無しさん@ピンキー
11/09/22 03:22:19.10 Ub+CLkb1
今回の投下はこれで終わりです。
それでは、退散いたします。

439:名無しさん@ピンキー
11/09/22 22:23:55.86 L+HrxBiO
いい話だ・・・

440:名無しさん@ピンキー
11/09/25 16:41:21.42 OzNB7qc6
極限無想状態でセックルしたら
しぐまは良守の感覚を言葉にしつつ的確な助言をしてくれるんだろうか

441:438
11/09/26 02:06:27.59 WIXXRLKO
こんばんは、8回目の投下に参りました。
今回もエロなし、次回で最後です。
暴走甚だしいですが、それでも読んで下さる方がいたら嬉しいです。

442:秘密。(閃×時音←良守)その8
11/09/26 02:08:03.69 WIXXRLKO
「ごめんね、時音ちゃん。
 良守は今ちょっと手が離せないんだ。」
「そう、ですか…。」
修史の言葉に時音は力なく項垂れた。
そんな少女に、幼馴染の父親が視線を送る。
時音には、その眼がいつもと違う色を持っているように見えた。
そんな少女の傍らを学校から帰ってきた利守が挨拶しながら通り過ぎていく。
だが時音の気のせいでなければ、この幼い少年の眼もまた、普段とは違う感情を孕んでいるように見えた。

時音は挨拶して墨村の家を後にした。
帰宅し自室に戻ると、ベッドに顔を埋めて押し黙る。
少女は自身の内側からこみ上げてくる感情を必死で押さえ込もうとしていた。

いつからか、良守は時音より早く家を出て学校へ向かうようになった。
それだけならば少女は別段気にも留めなかった。
勉強嫌いだった幼馴染が学業に精を出すようになったのだと思えば、自然と気持ちも明るくなる。
現在では通う場所が完全に異なる2人。
中等部と高等部では下校時間も異なるため、良守と時音が顔を合わせるとすれば
今は帰宅後にその機会があることとなっている。
だが、良守から声がかかってくることがなければ家の用事で赴くことにならない限り
時音が墨村の家に行く理由も取り立てて無い。
そうして、最近は良守に会う機会そのものがすっかり無くなってしまっていることに少女は気がついた。
別にもう両家が争う理由も無いのだ。
理由が無いから、自分から普通に会いに行っても何もおかしくはない。
そう思った時音は何気なく墨村の家に出向き、良守に会おうとした。
しかし、当の良守は手が離せないから会えないと門前払いを食らわされる。
ある時は修史から、またある時は利守から、またある時は繁守から。

そんな日々が何度も続き、時音はそんな墨村家の反応を訝しく思うようになった。
それならば正攻法をやめて無理矢理にでも会いに行こう。
そう決意した少女が次にとった行動は不法侵入。
墨村の敷地にこっそり入り込み、良守のいそうな場所を回る。
それ自体は簡単なことだった。
結界師の正当継承者として血の滲むような努力をしてきた時音は、素人にその気配を
悟られるような動きは見せない。
少なくとも修史と利守は彼女の動きに気付かなかった。
繁守がどう思っていたのかは分からない。

443:秘密。(閃×時音←良守)その8
11/09/26 02:09:34.08 WIXXRLKO
だが、時音の行動に老齢の結界師はその反応を見せなかった。
―しかし、それでも良守は見つからなかったのだった。

隣家への不法侵入が好ましい事態でないのは承知していたが、時音はそれを連日行い、良守を探した。
手が離せないと門前払いを受けるということは、少なくとも良守は墨村の家にいる筈。
なのにもかかわらず幼馴染の少年はその家のどこにもいない。
時音の行動に墨村の家の者は全く反応を見せなかった。
だが、良守だけはその限りでなかったのだと時音は知った。
良守は時音の動きに気付き、先手を打っていたのだと。

いずれにしても、どの機会においても時音が良守に会うことは叶わなかった。
幼馴染に会う、ただそれだけの願いを叶える事が少女には出来なかった。
そしてそんな日々を何度も繰り返し、ある日時音は自分が置かれている状況を認めざるを得なくなった。


「―あたし、良守に避けられてる。」
時音はベッドから顔を離し、部屋に飾られているカレンダーに目をやった。
特定の日にちだけが赤い丸で囲まれているカレンダー。
週に一度の頻度で付けられていた筈のそれは、ある日を境に全く記されなくなった。
気がつけば、現在に至るまでのスケジュールは白いままで放置されている。

時音が疑問に思っていることがもうひとつあった。
少し前まではひとたび『逢いたい』と言えば遠方から逢いに来てくれる少年の存在があった。
だが、今はそれは叶わない。
忙しくて当分こちらに来れそうにないと、ある時彼は時音に言った。
理由を尋ねてもはぐらかされるばかりで、機会を改めて別の日に再度問いかけても、
やはり同じ反応を返される。
そうして、彼がこの地を訪れなくなってから大分経つ。

良守に避けられるようになった時期。
少年がこの家へ来なくなった時期。
どちらも同じだったと、時音は認識している。

そこから導き出される答えなど、考える必要も無い。
確たる証拠はどこにも無い。
だが、その推理は確実に当たっている。
その確信が時音にはあった。

444:秘密。(閃×時音←良守)その8
11/09/26 02:11:03.41 WIXXRLKO

   * * *

「―くそっ」
同じ頃。
夜行本部の敷地内にて、閃は目指す場所も無く彷徨っていた。
青白い顔に重い足取り。
体調不良を訴えるのに十分な要素を満たす少年の身体は風に揺れるようにふらつき続ける。
だが、悪いのは肉体などではなかった。

あの日。
良守に秘密を知られたことを知った日、閃は良守にある事を頼まれた。
その内容に首を傾げるも、友人にしてしまったことを考えれば断ることなど出来る筈もない。
そうして二つ返事とまではいかないものの、閃はそれを了承した。
だがその内容について時音に話すことは出来ない。
それもまた、良守に頼まれた内容に含まれているからであった。

また、これを実行する際別の人間にその事情を話さなければならないこととなった。
その人は良守の実の兄で、閃からしてみれば上司にあたる。
夜行頭領・墨村正守。
良守からの頼み事には彼が大きく関係しているため、閃は時音に『秘密』を作ることとなりながらも
夜行のボスである正守には、自分達が築き上げた『秘密』を明かさなければならなくなった。

既に弟から大まかな事情を聞いていたらしい正守の前で正座しながら、上司の反応を黙って窺った閃。
時間を作って逢いに行っていた相手は正守からすれば隣家の少女で、実の弟の好きな人である。
ひょっとしたら罵声が飛んでくることもあるかもしれないと閃は覚悟していた。
だが、当の上司はただ苦笑いを浮かべ、閃に意思の確認のみを問うてくるだけだった。


そうして、閃はそこに立っていた。
誰に叱られる事無く。

少年の足がふらつく。
良守の真意が読めない。
何故あのようなことを頼んできたのか、皆目見当も付かない。
だが、あの夜見た友人の笑顔が、閃の脳裏に焼き付いて離れなかった。

445:秘密。(閃×時音←良守)その8
11/09/26 02:13:18.46 WIXXRLKO
「何考えてんだ…アイツ。」
あんな風に笑う良守など、閃は今まで見たことが無かった。
あの日までは。
彼が幼馴染の少女をどのくらい好きなのかなど、想像つかないわけではなかった。
きっと、想像以上なのだと。
そして友人が事実を知っている事を知ったその時に少年は深く傷ついた彼の顔を見た。
それが閃には想像つかないわけではなかった。
―だが、やはり想像以上だった。

「…くそっ」
俯き、下唇を強く噛み締め、少年は苦々しい表情を浮かべた。
「一体どうすりゃ良かったんだよ…」
少女と関係を持った時に思ったはずだった。
後悔なんてするわけがない。
だが実際その時が来て、迷わずにいられるほど少年の心は強くは無かった。
ただ立ち尽くし思考を巡らせ、虚ろな眼が世界を回す。

ふと、細く高い音が閃の耳に届いた。
明らかに作られたものであるその音は、少年の傍で発せられているものだった。
閃は自身の服の中に手を入れ、しまい込んだそれを手に取る。
規則正しいリズムで着信を告げる携帯電話。
主を呼び続けるそれを迷う事無く開き、液晶に映った番号を覗く。
そこに映っていたのは、予想した通りの数字の羅列であった。
閃は携帯電話を耳に当て、彼女の声が聴こえてくるのを待った。

『…あ。
 もしもし…閃?』
「時音」

少年は少女の名を呼んだ。
いつも通りトーンを落とさずに声を出すことが出来たのか。
多少気になっているものの、今の彼にはそれを振り返るだけの余裕は無かった。
『どうしたの、あんた。
 …何か調子悪い?』
「別に。
 …お前こそどうしたんだよ。」
『う、うん。
 あのね、その…あんたに、会いたいんだけど。』
想像した通りの言葉が耳に届き、閃は反射的に溜め息を吐いた。

446:秘密。(閃×時音←良守)その8
11/09/26 02:14:56.78 WIXXRLKO
呆れているわけではない。
少年の胸のうちにあるものもまた、少女と同じだった。
こんな時でも―こんな時だからこそ。
だが、会いに行くのを躊躇う気持ちもあった。
「悪いけど、俺今手が取り込んで…」
『話したいことがあるの!!』

強く主張された時音の言葉に、閃はその身を強張らせた。
心なしか、電話の向こうから聴こえてくるその声は震えているように思う。
「…分かった。」
促され、少年は了解の意を示した。
本当のところ、取り込んでる手なんて無い。
良守からの頼みは、ある程度下準備は整っていてあとはそれを実行する時期を待つのみである。
それなのに時音との逢瀬を拒み続けてきた理由はふたつ。
ひとつは彼女に秘密を気取られないようにするため。
そしてもうひとつは、良守への罪悪感からだった。

彼女からの通話を切って携帯電話を懐にしまう。
大きく溜め息を吐いて俯くと、今度は閃の耳にまた別の聞き慣れた声が飛び込んできた。
「閃ちゃーん!」
閃は振り返り、声の主を見る。
眉を八の字に歪ませ、心もとない顔をした秀が、閃のもとへと駆け寄って来た。
「聞いたよ閃ちゃん、春からのこと。
 一体どうしちゃったの?
 僕には何も話してくれないし…。」
「うっせーな…。」
秀の言葉に閃は小さく舌打ちをした。
少年が隠し事をしてきた相手は、良守や時音のみに限らない。
同じ話を別の人物から何度も提供されれば、罪悪感と苛立ちは自然と募っていく。
閃は不機嫌を全く隠すことなくその顔に表した。
だが秀は怯む事無く抱き続けてきた疑問をそのまま言葉にする。
「閃ちゃん、このところ変だよ。
 話してても上の空なこと多いし、理由は分からないけど無理してるって丸分かりだよ。」
「…」
「それに、ちょっと前までしょっちゅう夜行を空けてたでしょ。
 良守君に会いに行くにしても、次の日に帰ってくるとか不自然だよ。
 細波さんじゃないけど、付き合ってる人がいるのかなって疑っちゃうんだよね。」
「…だったらどうだってんだよ。」
「―まさかとは思うけど、閃ちゃん」

447:秘密。(閃×時音←良守)その8
11/09/26 02:16:50.96 WIXXRLKO
声のトーンを抑え、間を空けて秀の口がゆっくりと動く。
その様子を見て、閃は再度舌打ちを繰り返した。

「ひょっとして、付き合ってる人って時音ちゃん…」
「そーだよ」

「え…?」
友人のあっさりとした返しに、秀はその身を固まらせた。
そんな彼を見てやはり閃は不機嫌そうに舌を打つ。
そうして踵を返すと仲間に背を向け、再び歩き出した。
スピードを速め、周りにあるもの全てを振り切るかのように。
「せ、閃ちゃんっ!?」
両目を大きく見開いた秀が少年の名を呼んだ。
だが彼は、もう振り向かなかった。

   * * *

陽が暮れて大分経った頃。
閃の足は雪村の邸宅の前まで来ていた。
もう墨村の家へ足を運んだりしない。
とはいえ、この時間帯に正面を切って玄関口から堂々と彼女の家に上がり込む勇気があるわけもなく。
情けない自分を多少恨めしく思いつつ、閃は時音の部屋の窓へと向かった。
予想通り部屋の中から明かりが漏れており、窓は施錠されて無い状態で放置されていた。
少年は窓を開け、部屋の中へ身を乗り出す。
「時音」
「あ……、閃。」
窓の桟に足を掛け、部屋の中に侵入した閃が最初に目にしたのは、ベッドを背にして
うずくまるように座る少女の姿だった。
少し泣いたのだろう、その目は赤く腫れていた。
閃は何も言わず、彼女に倣うようにその隣に腰掛けた。
―あの日と同じように。

「…良守が、あたしを避けるようになったの。」
「良守が?」
閃の言葉に、時音は小さく頷いた。
「墨村の家に行っても何かと理由を付けて断られるのよ。
 …同じ時期に、あんたもこっちに来なくなった。」
時音の言葉を聞いて、閃は彼女が何を言わんとしているのか察した。
程なくして、顔を上げた少女の口から予想通りの言葉が飛び出してきた。

448:秘密。(閃×時音←良守)その8
11/09/26 02:18:26.22 WIXXRLKO
「あたし達のこと…良守に、ばれたの?」
閃は答えなかった。
答えない代わりに、首を縦に振る。
「……そう。」
それだけ言うと、時音もまた口をつぐんだ。
そうして2人黙ったこの部屋がしばしの静寂に包まれる。

しばらくして、閃がそれを断ち切った。
「後悔してないのか?
 俺とこういう事になって…」
だが、その言葉を最後まで言い切ることは不可能だった。
「…そんな事!」
時音がそれを遮った。
怒気を孕むように真っ直ぐに閃を睨みつけたまま。
だが次第にそれは力を失い、時音は閃から目を逸らし再び下を向く。
「…あたし、あんたのこと好きよ。」
そしてぽつりと、少女は呟いた。

「…俺も好きだ。」
少年もまた、ぽつりと返した。
考えてみれば、互いに『好き』と言ったのはこれが初めてなのだいうことに少年は気がついた。
後悔しないと言って一線を越えても、その時が来てしまえば心にしこりが出来ない筈も無く。
―それでも結局、互いに出した答えはひとつだった。

「でも俺、しばらくこっちに来れなくなるから。」
「え?」
閃の突然の言葉に、時音の眼が不安に揺れた。
今の彼女が自分の言葉にどのような反応を見せるのか、今の閃が分からない筈はない。
「どういう事?
 あたし達の事がばれたのと、何か関係があるの?」
「…まあ、な。」
そう返して、閃は苦々しい笑みを浮かべる。
自分でもどういう顔をすればいいのか分からなくなってきていた。
そんな少年に、少女は黙って抱き付いた。
言葉を口にする代わりに、その眼から幾度と無く涙を零しその頬を濡らした。



―そうして、2人の逢瀬に終わりの時が近づいていた。

449:名無しさん@ピンキー
11/09/26 02:19:56.01 WIXXRLKO
今回はこれで終わり、次回で最後です。
一応次回はエロ有りです。

それでは、退散いたします。

450:名無しさん@ピンキー
11/09/26 19:19:29.09 oJz+IvBe
幸せになーれー!

451:名無しさん@ピンキー
11/09/28 14:29:18.74 bFYbnQzo
もうすぐ終わっちゃうのか・・・

452:449
11/09/29 03:45:57.63 iGawyxlC
こんばんは、最後の投下に参りました。
長過ぎる内容でこの1ヶ月スレをほぼ占拠したような状態にしてしまい
申し訳ありませんでした。
暴走もこれで最後です。

453:秘密。(閃×時音←良守)その9
11/09/29 03:47:34.93 iGawyxlC
人肌恋しい冬の季節。
その寒さを讃えるかのように窓の外では雪が降り始めていた。
地上にあるものを徐々に塗り替えていく白い雪。
窓の内側では明かりを消した部屋の中、1組の少年少女が白のシーツを自分達の色に塗り替えていた。
床に散乱する2人の衣服。
「はあ、あぁんっ……」
少年の手が少女の白い肌に触れるたび、少女の口から甘く切ない声が漏れる。
「…お前、前より感じやすくなってないか?」
「それは、その……久しぶり、だったから。」
愛の睦言を交わす2人。
だが、その表情は決して喜びに満ち溢れているわけではなかった。

少年と少女は何度も口付けを交わす。
少女の白い胸に指を這わせ、形の良い膨らみを何度も揉みしだき愛撫する。
「はぁっ…ぅん……あぁんっ……はぁん」
熱に浮かされる少女の可憐な唇から濡れた声が幾度と無く漏れ部屋中に響く。

過去も未来も気にかける事無く、今この瞬間が世界の全て。
そんな風に考えられる思考回路をしていないのが少年と少女の悲しいところだったが、
自分の気持ちに素直になりたいという欲望は確かに2人を突き動かしていった。

「せ…閃っ……来て…。」
「お、おう…。」

閃はいきり立った自らのそれを時音の秘所へとあてがった。
濡れそぼったそこは、時音が閃を受け入れる準備が出来ているという事実を如実に表している。
閃は時音の腰をしっかり掴むと、少しずつ自身の挿入を開始していった。
「くっ……!」
「ああ、ああぁぁぁっ…!!」
久々に行われた交わりは、その行為だけで2人にかつてないほどの快感をもたらし、
その身を高ぶらせていく。
奥まで辿り着いたその後は、互いに自らの腰を動かしてその身に湧き上がる衝動を更に高め上げていく。
「あっ…あぁん……はぁんっ…
 せ、閃っ……」
時音は喘ぎながらもその唇を閃の耳元に寄せ、柔らかな耳朶を甘噛みする。
「う、くっ…」
すぐ傍で聴こえる閃の声。
同時に、時音は自分の中で少年の存在が大きくなっていくのを確かに感じていた。


454:秘密。(閃×時音←良守)その9
11/09/29 03:49:06.68 iGawyxlC
最後の時が近づこうとしていた。
閃は再び両手を時音の腰に回し、先程とはうって変わって激しいリズムで自身を突き上げる。
「はぁん……あぁんっ…んっ…んっ…あっ…は…ぁっ」
少年の動きに合わせるように少女もまた腰の動きを速め、その口から漏れる声も自然と激しさを増していく。
「はぁっ…あん、ああ、あああぁぁっ…!
 …閃……閃っ…!」
「はぁっ…はぁ…
 と、時音っ…!」
激しい律動。
絡み合う肉と肉。
部屋中に響く少年と少女の嬌声。
2人の視界には熱に浮かされた互いの顔がはっきりと映っていた。

烏森のこと、夜行のこと、将来のこと、良守のこと。
それらを全て忘れてこの一時を過ごす事など2人には出来る筈もない。
だが、それでも。
以前には抱くことのなかった想いが、今の2人には確かにあった。

「くっ…!
 時音、俺…もうっ…!!」
「閃、このままっ…
 離さ…ないでっ…!!」
閃は時音の腰を強く引き、自身を奥へ奥へと突き上げる。
同時に時音の身体が大きく震え、絞り取るように閃の身を強く包み込む。
溢れ出す熱い衝動。
脳を灼き切る激しい交わりは、ここに終焉の時を迎えた。


「……ねえ」
「何だよ」
全てが終わり。
薄暗い部屋の中で少年と少女はシーツにその身を包み向かい合っていた。
終始眼を開けている閃に対して、時音は時折眼を瞑っていた。
だが結局少女は意識を手放せずにいた。
今夢の中に行ってしまえば、この夢が終わってしまうことを理解していたためである。
「また、会えるわよね?」
囁くように紡がれる少女の言葉は、胸中に残る不安を隠せずにいた。
だが、少年は何も答えなかった。
「……」
表情ひとつ変える事無く、ただ黙って少女を見つめ続けていた。

455:秘密。(閃×時音←良守)その9
11/09/29 03:50:29.33 iGawyxlC

   * * *

「大分暖かくなってきたわね。」

そしてまた、月日が流れ。
庭に息づく新しい眼を見やりながら、時音はぽつりと呟いた。
夜とはいえ湿気を孕んだ風は肌に温かく。
今日みたいな日ならこの時間帯に桜を見に行くのもなかなか趣があるかもしれない。
そう思いながら少女は自身の家の廊下を静かに歩いていた。

春休み。
この時期が過ぎれば時音は高校3年生。
少女には大学受験のシーズンが到来するのであった。
彼女も、いつまでも子供というわけにはいかない。
そしてそれは、今この場にいない幼馴染とて同じであった。

「良守…」
少女は塀の向こうの隣家を見やりながら、彼のことを考えていた。
閃が時音のもとを去った後も、彼女は何度も良守にコンタクトを取ろうとした。
だがどの場合も上手く避けられてしまい、話はおろか、結局顔を見ることもままならないまま、
全てが終わった頃、少女はようやく事実を聞かされた。
謝りたいとか、悲しいとか、言葉を超えた思いを告げる機会は最後まで無く、
それら全てを永遠に取り戻すことが出来ないと悟ったその時、彼女は真実を知ったのである。

悲しみや淋しさを抱かない筈が無かった。
それが身勝手なものであると知りつつも、人知れず涙を流したこともあった。
だが、その事にいつまでも縛られ続けるわけにもいかなかった。
それが良守の選んだ道であることを、時音は誰よりも知っていたからである。


「さてと、今日はお母さん達も夜遅いし。」
勉強もいいけどこっそりクッキーでも焼こうかしら。
そう独り言を呟いて少女は台所へと足を運ばせようとした。
だがそこへ、客人の来訪を告げる呼び鈴の音が彼女の耳に入ってきた。

456:秘密。(閃×時音←良守)その9
11/09/29 03:52:13.22 iGawyxlC
「はーい。」
玄関に向かって返事をしつつ時音はそこへと歩みを進める。
まだ母達が帰宅する時間には程遠く、扉の向こうに立つ人物が家族以外の人物であることは
間違いないのだが、それが誰なのか少女には見当もつかなかった。
「(誰かしら…墨村の人?)」
などと思いながら時音は扉の前に立った。
「どちら様ですか?」
そう尋ねてみるも、扉の向こうから返事は無い。
眉を顰め怪訝な表情を浮かべつつ、時音は扉を開け、その先にいる人物を視認する。
だが、彼の姿をその眼に捉えた時、少女はその場に立ち尽くした。

「……閃…?」

時音の目の前に立っていたのは、少し前に彼女のもとを去った少年。
光を受けて金に輝くその髪を、少女が見間違える筈がない。
罰の悪そうな顔をして、何をするわけでもなくただぽつんと閃は時音の前に立っていた。
「……よう。」
「あんた、どうして……」
思いがけない相手からの突然の来訪に時音は思考が追いつかず、ただ疑問に思ったことを
そのまま言葉にして戸惑った。
疑問は、目の前の少年が身に着けている衣服にも及んだ。
それは、少女が普段よく目にする物だったからである。
「それ、高等部の制服…?」
「…おう」
時音が通う場所で普段から当たり前のように見ている物。
烏森学園の男子生徒が身に着ける学生服。
しかし目の前の少年が着ているのは以前彼が着ていた物とは違う。
紺一色のそれは、高等部の生徒が身に纏うものであった。
なおも決まりの悪い表情を浮かべたまま閃は時音の視線から逃れるようにその目を逸らした。
「…俺、しばらくこっちに通うことになったから。
 夜行烏森支部がまだ残ってるだろ?
 またあそこから通う予定なんだ。」
「…そうなの?」
「つっても期限付きだけどな。」
そう話し続ける閃の目は、やはり時音のそれから逸らしたまま動かない。
だがそんな少年を見て、それがどういった理由から来るものなのか、少女は察した。

457:秘密。(閃×時音←良守)その9
11/09/29 03:53:38.55 iGawyxlC
「…良守に頼まれたの?
 あたしにずっと隠してたのって、これだったのね。」
「……まあな。」
少年はぽつりと返した。

「そっか…」
時音は微笑した。
これが幼馴染からの置き土産であることを考えると、笑わずにはいられない。
この地に取り残されることになる自分のために彼がしてくれた事。
それがまさか、『彼』をここに連れてくる事だった、なんて。

「―単純。」
「へ?」
少女はぽつりと呟く。
だが、閃にはその言葉の意味を図ることができない。
訝しげな表情を浮かべ、少年は少女を見つめる。
そんな彼を見やりながら、時音は言葉を続けた。
「あんたはそれで良かったの?」
「まあ…アイツの頼みだしな。
 任務がある時は本部に戻ることになってるし。
 それに…」
「?」
「ここには、お前がいるから。」
そう言って閃は、少女から再び視線を外した。

もう、以前のように弱い自分を卑下することはない。
自分を必要としてくれる人がいるなら、そこはどこであれ自分の居場所。

柔らかな表情を見せるようになった少年の横顔を覗き込みながら、時音は優しく微笑んだ。
そんな彼の目線は、少女のそれとそう変わらない。
「あんた、背伸びたわね。」
「へ?」
「前もちょっと思ったけど、また少し伸びたみたい。
 …あんたも良守も、そのうちあたしのこと追い越していくんだろうな。」
そう言って時音は空を仰ぎ見た。
少女の脳裏に、かつて幼馴染の母親が言い放った言葉が蘇る。
―変わらないものなんてない、終わらないものなんてない。


458:秘密。(閃×時音←良守)その9
11/09/29 03:55:57.22 iGawyxlC
いずれ時音も烏森を去る時が来る。
制服も仕事着も脱いで、旅立つ時が来る。
ただ、それが今この時ではないだけで。

「あたしの役目、今度こそ終わっちゃったみたい。」
そう言った時音は、その顔に晴れやかな笑みを浮かべていた。

「閃」
少女は視線を下げて、再度少年を見た。
少年もまた少女を見つめ、2人は再び向かい合う。
「これからもよろしくね。」
「……おう。」
そんな2人の身体を、温かい一陣の風が吹き抜けていった。


「じゃ、良守んとこにも挨拶に行くか。」
「え?」
閃の突然の発言に、時音の顔から笑みが消えた。
少女はその目を丸くして少年のことをじっと見つめる。
だが彼には、その意図するところが分からなかった。
「何だよ、アイツに会わない訳にもいかねーだろ?」
そもそもアイツに頼まれて来たんだし、と閃は眉を顰めて言った。
しかし時音は尚もその表情を変えない。
それを見て、少年は次第にその表情を曇らせていった。
「ひょっとして、何も知らされてないの?」
「…何をだよ。」
「あのね…」
言おうとして時音の口が止まる。
明らかな戸惑いの色を見せる少女に、閃の顔もまた不安に満ちていく。
やがて、意を決したように時音はその言葉を口にした。

「良守は…」

459:秘密。(閃×時音←良守)その9
11/09/29 03:57:28.70 iGawyxlC

   * * *

「―本当にこれで良かったのか?
 良守。」

同時刻。
雪村の邸宅の上空に、2人の様子を眺めている者達の姿があった。
着物に身を包んだ五分刈りの青年に、かつて人形と呼ばれた青い髪の少年、
そして黒い装束を身に纏った黒髪の少年。
空中に土台となる結界を張って、その上に立つ彼らは地上で起こっていたその一部始終を見守っていた。
「ああ。」
黒髪の少年―良守が、静かに頷いた。
「俺が時音に出来ることは、もうこれぐらいしかないんだ。」
「2人はお前に本当のことを言わなかったんだろ?」
「本当のことなら…俺も言えなかった。」
青年からの問いかけに、良守はその表情を少しも変える事無く答えた。
ふと地上を見ると、良守の目に全身を使い大きな反応を見せている友人の姿が映る。
今頃真実を聞かされているのだろうと思うと、少年の頬が自然と緩んだ。
「影宮のヤツ、まさか俺が他所の高校受け直してたなんて思わなかっただろうな。」

時音から逃げるようにその身を眩ませ、避け続けてきた期間。
その間、良守はずっと勉強してきた。
成績優秀な幼馴染の手を借りることなく、たった1人で。
その目的はひとつ。
それが果たされた今、良守は笑顔でここにいる。
―彼は、この春から別の高校に通うこととなった。

「影宮が言った通り無想状態だと勉強がはかどったはかどった。
 …本当はあまり使いたくなかったけど、四の五の言ってらんねーからな。」
そう言って黒装束の少年は力無く笑った。
良守が春から通うことになる高校。
それは、彼の故郷であるこの土地から大分離れた場所にある。
環境を一新し別の土地で勉学に励むことになる良守。
だが、少年の目的は別にあった。

「だが、まさかお前が俺のもとに転がり込んでくるとは夢にも思わなかったよ。」
そう言って良守の兄である五分刈りの青年―墨村正守は優しい笑みを浮かべた。
それが優しさだけでなく、その中に意地の悪さを多分に含んでいることを良守は知っていたが、
それに対し眉を顰めるわけでもなく、少年はただ淡々と返した。
「仕方ねえだろ、ここで修行するには限度があるし。
 調べ事するにしてもそっちにいた方が都合が良さそうだし。
 …何よりあそこには、母さん達がいるから。」
「覚悟は変わらないんだな?」
「ああ。」
そう言って良守は、星に満ちた夜の空を仰ぎ見た。
「俺はもう諦めたりしない。
 ―母さんと宙心丸を助け出してみせる、絶対に。」


460:秘密。(閃×時音←良守)その9
11/09/29 04:17:30.00 iGawyxlC
完全封印という大義のもとに犠牲になった母親。
一度解き放たれれば世界を滅ぼしかねない宿命を背負わされた幼子。

良守の決意。
それは、閉じた異界の中に今も残っている者達をその手で救うというものであった。

四百年の長い歳月と何代にも渡る結界師らの犠牲を払ってついに成し遂げた完全封印。
それを解き、異界の中の存在を地上に出すことがどんな意味を持つのか、今の良守に分からないわけがない。
そもそも、閉じた異界の中の2人を助け出すことが本当に可能なのかどうかすらも怪しい。
それでも良守は選んだ。
終わりの見えないこの戦いを。


「だが良守、最後に1度くらい時音ちゃんと話をした方が良かったんじゃないか?」
本当にこのまま別れも告げずに行くのか?
正守はそう添える。
しかし、良守の決意は変わらなかった。
「…俺、勝手なんだ。」
「知ってるよ。」

「俺、完全封印する前に時音と約束したんだ。
 『絶対帰ってくる』って。
 でもいざとなったら戻れなくなることも覚悟してた。
 母さんが異界を閉じるために残るって言った時も、俺は迷わず代わりに残ろうとした。
 時音が待っててくれんの、分かってたのに。」
兄に背を向け、良守は淡々と語り続ける。
しかし少年の拳は徐々にその力を強め、硬く握られていく。
「いつだって俺は、俺のしたいようにやってきただけだ。
 結局ただの自己満足でしかないんだ。
 時音にはずっと笑ってて欲しいって思ってたくせにさ。
 俺が帰らなかったら時音が泣くことぐらい、分かってたのに…!」
強く言い放つ少年の言葉が悲痛な叫びにも似て夜の闇に木霊する。
彼を見守る者達はその様子をただ黙ってみていた。
しばらくして、良守がその顔を上げ、彼らの方へと振り返った。
「でも大丈夫、時音はもう戦わない。
 悲しいのだって今だけだ。
 アイツがそばにいるからさ。」


461:秘密。(閃×時音←良守)その9
11/09/29 04:19:06.41 iGawyxlC
良守を見守る者達。
彼らの眼に、少年の顔が映る。
作っているわけではない、自然な笑顔がそこにはあった。
「勿論、高校変えても勉強は続けるよ。
 建築家の夢を諦めたつもりはねえし。」
淋しさを孕んだ、その笑顔。
それは、この少年が今だかつて見せたことのないものであった。
その少年が再び地上を見やる。
視線の先には彼が守ろうとしてきた親しい者達の姿があった。
彼女らが家の中に入っていくのを確認すると、良守は再び顔を上げ、何もない虚空を見つめた。

今は一緒にいても。
あの2人の行き着く先なんて分からない。
だがもし、いつか彼女らの道が交わることがあるなら。

「もし、あの2人がそのうち結婚することにでもなったら…
 その時は、ウエディングケーキでも焼いてやるかな。」
そう呟く良守の顔に最早かつての少年の面影は残っていない。
だが、その眼に点る一筋の光は確かに輝きを放っていた。

「良守」
自身を呼ぶ声に応え、良守は後ろを振り返った。
見れば、青い髪の少年が良守をじっと見つめている。
彼―氷浦蒼士は、かつてその記憶を全て奪われ、心を持たない人形として扱われ戦いにその身を投じていた。
それ以外の生き方を知らなければ、それを特別不幸なことだとは思わない。
何が幸せなことかなど、その者の身に立たなければ分からない。
それでも良守は蒼士を助けようとした。
その行為が自己満足と捉えられても別段おかしくはない。
だが蒼士はその後自らの意思で自由を選び取り、そして今、良守を前にして笑っていた。

「行こう。」
そんな蒼士の口から紡がれる言葉。
彼の呼びかけに、良守はその身を動かしていく。
「ああ。」
その胸に秘めるのは、もう決して消えることのない強い意志だった。



そうして歩き始める3人の男達。
虚空を行く彼らの姿は、やがて夜の闇に融け、消えた。

462:名無しさん@ピンキー
11/09/29 04:24:59.19 iGawyxlC
これでこの話は終わりです。
暴走甚だしい上に最後の方は自分の個人的願望が入っていたりします。
せめてもう少し明るい話に出来たら良かったとは思うのですが…。


何はともあれ、
ここまでお付き合い下さった方、本当に有り難うございます。

463:名無しさん@ピンキー
11/09/29 16:02:43.98 ah5WNmia
GJ!
面白かった!

464:名無しさん@ピンキー
11/09/29 23:15:07.38 HB2cx3BW
GJ!
閃時が公式カプに見えてくる不思議w
それに良守も良かった。

1ヶ月間本当にお疲れ様でした。

465:名無しさん@ピンキー
11/09/30 13:07:48.04 7j9O8uEv
GJ

466:名無しさん@ピンキー
11/10/03 18:15:03.84 j67VDCsI
他の書き手さん来ないかしら、と言ってみるテスト

467:名無しさん@ピンキー
11/10/08 21:49:19.69 SsxkoZDm
とりあえず保守

468:名無しさん@ピンキー
11/10/13 18:49:20.64 pWUQ6FNW
邪煉に唆されてエロネタ~とかntr~とか出来ないもんか
何で再登場しなかったかな、金剛…

469:名無しさん@ピンキー
11/10/15 01:43:15.52 zl2EE+8N
閃ちゃんのサスペンダーをパッチンする話が読みたい
どうエロに繋げられるものか自分でもよう分からんが

470:名無しさん@ピンキー
11/10/15 08:18:46.78 meHjrrO+
>>469
よう分からんが、まあわかる。

471:名無しさん@ピンキー
11/10/16 23:02:33.03 fZIiecKb
ところで時音が髪を下ろしたところをうまく想像できなくて、
エロパロ読んでてもいつもの髪型で頭に浮かんでます。

あんまり髪下ろしたシーン原作に無かったからな……

472:名無しさん@ピンキー
11/10/16 23:25:28.92 aBsgq5ZO
やはりパジャマ姿や寝姿をいっぱい描くべきだったんだよ・・・

473:名無しさん@ピンキー
11/10/18 20:32:49.07 3ahhVdcl
色恋に勤しむ時音ちゃんだって基本は想像の中の存在よ。orz

474:名無しさん@ピンキー
11/10/19 15:25:39.01 DP4BTs9q
想像の中の存在だからイイんじゃないかw

475:名無しさん@ピンキー
11/10/21 22:48:57.69 zKYM1RX0
閃が絲ちゃんのことを絲ちゃんと呼んでる不思議

476:名無しさん@ピンキー
11/10/26 01:28:18.77 vs1bzA6Z
ぽしゅ

477:名無しさん@ピンキー
11/10/26 21:22:19.19 /izIWTCb
最近話題に出ないが、やっぱり七時は盛り上がると思う。

478:名無しさん@ピンキー
11/10/26 22:23:23.27 8Kdo6JB9
たとえばどんな感じ?

479:名無しさん@ピンキー
11/10/26 22:45:35.43 BKb5BdAs
あ、七時もいいよな。
話題に出ないから黙ってたけどw

480:名無しさん@ピンキー
11/10/29 00:56:37.17 ySCFiOI1
七郎の優しい言葉と手練手管によって不本意にもベッドに連れ込まれてしまう時音。
始めは心を開かなかった時音だが、七郎の磨き抜かれた技巧と執拗な言葉責めにより、
さんざん焦らされたあげくに泣きながら絶頂を迎えてしまうのであった。

481:名無しさん@ピンキー
11/10/29 10:08:26.89 KmB34Jxu
いいねーいいねー♪

482:名無しさん@ピンキー
11/10/29 22:58:45.40 XIAOHg/x
季節の行事ネタ読んでみたいような。
結界師のお役目なくなるまでは夜はずっとお勤めだったしね。

483:名無しさん@ピンキー
11/10/30 23:32:03.09 jWeHk5MC
これからようやく学園ものになるってことね。

学園祭で泊まり込みとか……

484:名無しさん@ピンキー
11/10/30 23:40:55.29 kg7TtrVw
ときめきハートフルコメディ結界師!
何故だろう、ゾッとするw

>>483
最終話時点で中等部と高等部は校舎別々だし
その年の学園祭とかどういう風になるんだろうね。
夜までに生徒を帰らせる校則も確かあった筈だけど、
あれもどうなるんだろう。

485:名無しさん@ピンキー
11/11/01 22:19:08.21 /+Cut27x
それなりに幸せな結末のまっさん絡みとか
幸せかどうかはよう分からんが良守絡みの話とか、
投下する人おらんかな?

486:名無しさん@ピンキー
11/11/06 23:41:06.58 U37EhMzb
保守

487:名無しさん@ピンキー
11/11/07 18:11:28.00 yblsFjve
懐かし漫画板の本スレで全年齢にそぐわぬ書き込みしてる人
こっちで書けばいいのにな…。
そしたら何かしらの燃料になるかもしれんのに。

もし18歳未満なら仕方ないと思うけど。

488:名無しさん@ピンキー
11/11/10 23:27:12.82 gwYOWJlj
空いた時間で水泳部に入ってみた時音を、
競泳水着のままプールサイドで。

489:名無しさん@ピンキー
11/11/11 10:41:25.10 sezHvVwq
普通に海水浴に行くのは駄目なのか

490:名無しさん@ピンキー
11/11/11 17:02:49.06 oCuIi3y2
>>488
ほう、水泳部男子が?それともコーチ?
>>489
脱がしやすいのはこっちだろうなw

491:名無しさん@ピンキー
11/11/11 21:02:19.80 deOvyUE7
>>490
それこそ、どこからか侵入した七郎とか……

492:名無しさん@ピンキー
11/11/11 21:12:13.21 BRZj4yMX
結界師 ~鬼畜中出し水泳部編~

493:名無しさん@ピンキー
11/11/11 23:13:04.99 0I66xcHF
うわーーー読みてぇーーーーーwwwww

494:名無しさん@ピンキー
11/11/12 00:10:48.24 IHbCj1m4
もうみんな入部の方向で。
夜行とかも転入しとけ。

495:名無しさん@ピンキー
11/11/12 16:47:54.57 TutawvkO
そういや一般人×時音って無かったような?
普通なら数人がかりでも時音に勝てないだろうけどさ。

496:名無しさん@ピンキー
11/11/13 03:38:25.26 GodxKzwQ
操られてて怪力になってるモブキャラが数人がかりで、とか

497:名無しさん@ピンキー
11/11/13 08:26:31.98 mrAVrtmJ
朝っぱらですが七時プール編書いたので投下しまーす。

498:七×時@水泳部
11/11/13 08:28:15.08 mrAVrtmJ
「ちょっと………どこから入って来たのよ!」
鋭い詰問にも構わず、七郎は競泳水着に身を包んだ時音を屋内プールのプールサイドで抱きすくめ、唇を塞いだ。
「んんっ……!」
突然の口付けに時音が身を強ばらせる。
「水着姿も素敵だよ、時音ちゃん」
「あんた……こんなところで……」
「大丈夫、誰も入って来れなくしてあるから」
そう言って七郎は風を操り、時音の両腕を頭上に空間に縛り付けた。
「やっ……!」
時音の、深い青色のシャープな水着を纏った肢体が七郎の眼前にさらけ出された。
「時音ちゃんが水泳やってるって聞いてね。いてもたってもいられず来ちゃったよ」
動けない時音のあらわになった体の線を、七郎はゆっくりとなぞる。
「あっ……」
七郎に触れられると、時音はぴくりと体を震わせた。
なんとか抵抗しようともがく時音の、丸い尻やくびれた腰、なめらかな背中にそっと指先を滑らせる。
「時音ちゃんのワキ、すごく綺麗だよね……」
背後に回り、むき出しになった時音の真っ白い両腋に指先を這わせた。
「や……ぁっ!……」
敏感な場所を弄られ、時音がびくびくと震えながら身を捩る。
「どこ触って………」
柔らかく窪んだ皮膚を七郎の舌がなぞると、恥ずかしさと快感に切ない喘ぎが洩れた。
「や……だ………っ」

499:七×時@水泳部
11/11/13 08:28:57.80 mrAVrtmJ

そのまま水着の上から乳首を探り当て、指先で円を描くように愛撫する。
「あっ……やあっ………」
すでに時音の声は熱を帯び、なめらかな肌はしっとりと汗ばみ始めている。
「時音ちゃん、感じてるの?」
「そんな……こと………あんっ」
眉を寄せて快感に耐えながら、時音は七郎を睨み付ける。
「ふふっ……やっぱり、キミのそういうところが好きだなあ」
七郎は楽しそうに言うと、右手の指先で太腿の内側をそっと撫でた。
「んっ………!」
身を固くする時音の太腿を指先でじわじわと愛撫し、そしてそのままそれを水着の下に潜り込ませた。
「あっ!」
七郎は人差し指と中指の先を、弾力のある布地と肌で圧迫された空間に挿し込み、ぬめる液体で溢れるように濡れた場所に滑り込ませた。
「あ…………!」
水着に隠された時音の秘裂は、布地の下で熱く溶けていた。
「ほら……こんなに濡れてる」
七郎は柔らかい割れ目の中で指先を遊ばせた。
「ふあっ………やあぁっ!」
時音は宙空に縛られたまま、あまりの快感にびくびくと痙攣した。
最も柔らかい場所をクチュクチュと音を立てていたぶられ、時音は涙を流して喘ぐ。


500:七×時@水泳部
11/11/13 08:29:47.60 mrAVrtmJ
「もう準備は良さそうだね……じゃあ、四つん這いになってもらおうか」
七郎が空いた指を鳴らすと、かすかな風が起こり、時音の四肢を有無を言わさずに屈み込ませた。
時音は両手と両膝をプールサイドにつき、尻を七郎に向かって差し出す格好になった。
「いや……」
屈辱的な姿勢に時音が涙を滲ませる。
「じゃあ、行くよ、時音ちゃん」
七郎は時音の股間の布を脇にずらすと、あらわになったピンク色の肉の割れ目に、ファスナーを下ろして取り出した自分のものをゆっくりと挿し入れた。
「あ………あぁ………っ!!」
体の奥に七郎が入って来るのを感じ、時音は声をあげた。
滴る愛液によって、七郎は無理なく時音の中に己を納めると、時音の腰に手を当てて前後に体を動かし始めた。
「あっ!……あっ!……やぁっ……!!」
膣の奥深くを何度も突かれ、時音の全身を快楽が貫いた。
七郎のものが時音の中を動く度に、強烈な快感が身体の中心からほとばしる。
七郎は腰を動かしながら手を水着の胸元に差し入れ、汗ばんだ乳房を揉みしだいた。
「時音ちゃん、いいよ、とっても……」
七郎の指が溢れる愛液を掬い取り、ひくひくと震える時音のアナルに塗り込んだ。
「やあっ……!」
新たな刺激に、時音の背筋が反り返る。
「こっちも、気持ちいいよ……?」
七郎は粘液でアナルを柔らかくほぐすと、人差し指をそこに沈めて行った。
「あ……あああ! いやぁっ!!」
二つの穴を犯され、時音はおぞましい愉悦におののいた。


501:七×時@水泳部
11/11/13 08:30:53.43 mrAVrtmJ

競泳水着を着たままの時音を後ろから犯す七郎は、飽くなき欲望のままに時音を突き続けた。
いつ終わるとも知れない交わりに、時音はあられもない声を上げて喘ぎ続ける。
何度もの絶頂が時音を貫き、痙攣しながら新たな快感に耐えた。
「はぁっ……もう、だめ………許して……ああっ!」
「じゃあ……そろそろ、行くよ……」
七郎は哀願する時音の両腕を掴んで起き上がらせ、膝立ちの姿勢にしてより深く突き込んで行った。
「あっ……あっ……あっ……!!」
そして七郎が時音の最も深い場所に到達すると、それは激しく震えながら、熱い精をどくどくと時音の中心へと注ぎ込んだ。
「あ……ああーーーーーー!!!」
七郎の熱い迸りが体の奥に染み込んで行くのを感じながら、時音はがくがくと身を震わせ、やがて倒れ込んだ。
プールサイドにぐったりと横たわった汗まみれの肢体は、ぶり返す快感に時折びくん、と
震え、股間からは白く濁ったものが滴り落ちていた。
「はあっ……はあっ……はあっ……」
時音は荒い呼吸に翻弄されながら、体内を荒れ狂った嵐の余韻に浸っていた。
「ふう……よかったよ、時音ちゃん…」
七郎が横たわる時音に寄り添うようにして囁いた。
「キミの水着姿、とても素敵だった。また来るから、待っててね……」
そう言い残すと、七郎は一陣の風とともに消え去ったのであった。

(終)



502:七×時@水泳部
11/11/13 08:31:15.77 mrAVrtmJ
以上です。おそまつ~

503:名無しさん@ピンキー
11/11/13 12:16:54.50 scbzggxw
GJ
時音の水着姿はエロイねぇ…

504:名無しさん@ピンキー
11/11/13 15:57:27.36 x4YvR3oJ
こんな七郎を望んでたんだ・・・!
ドS×時音最高!

この直後に水泳部員が現れて輪姦スタートですかわかります。

505:名無しさん@ピンキー
11/11/15 10:51:13.46 Y3e0WnZ+
立ち直って日常に戻ったと思ってた良守が
自分でも気付かないうちに徐々に病んでいき
神田ちゃん唆して一線越えちゃう

506:名無しさん@ピンキー
11/11/17 20:15:14.10 9Ubk4wog
お役目も無くなって暇になった三毛野が
今後のこともあろうと時音に抜け師やのうて抜き師の極意を伝授する

507:名無しさん@ピンキー
11/11/17 22:44:23.15 P13Mu53o
ほお~!

508:名無しさん@ピンキー
11/11/19 11:50:39.24 szyXCA+6
操可愛い、でも年いくつだろ?
ちょい年上の男性陣と絡んでくれれば
触手…ではなく食指が動いたかもしれんのだけどなあ。

509:名無しさん@ピンキー
11/11/19 22:23:35.60 o/Frv2o1
水泳部編の時音は既に処女じゃなかったような・・・

510:名無しさん@ピンキー
11/11/19 22:53:52.08 7ogXsTQa
>>509
たぶん七郎に何回かやられてますな。

511:名無しさん@ピンキー
11/11/20 00:23:44.69 P3RhNAZK
>>510
水泳部編で7回目ですな
それまでは「これは一郎兄さんの分!」
「これは二郎兄さんの分!」…(中略)…「これは六郎兄さんの分!」
と、仇討ちもどきプレイをかましていた


って六郎生きてるやん

512:名無しさん@ピンキー
11/11/20 10:48:19.64 1J3m9+kY
>>511
自分で殺したくせにw

513:名無しさん@ピンキー
11/11/20 11:52:12.45 dJg6vZ38
なぁーんだ!
一郎から七郎まで順番にマワされてたんだと思ったじゃんw
良かったねぇ時音w

514:名無しさん@ピンキー
11/11/20 15:26:35.88 xj5dh4JF
>>513
それはそれで……

515:名無しさん@ピンキー
11/11/20 22:16:25.90 GaWy2z/9
ん、悪くないw

516:名無しさん@ピンキー
11/11/21 15:23:43.34 LWeDJ+vc
それもいいけど、水泳部が消えるのは惜しいなw

517:名無しさん@ピンキー
11/11/21 15:36:33.10 uqZzVMXD
七郎の人気に嫉妬
主人公はどこ行ったんだろうw

518:名無しさん@ピンキー
11/11/22 20:09:10.65 cGI+xhm1
ぶっちゃけ良守が本当にスレ住人にどう思われてんのか気になる。

何となく日々の書き込みからは時音が可愛ければ良い!みたいなのは伝わってくるんだけどね。
陵辱枠として七郎が人気なのも分かる。
あとはもう個人個人の好みによるだろうけど、
主人公に対する評価が見えてこないってのが何か怖くて。

519:名無しさん@ピンキー
11/11/23 01:51:38.87 0S+FyIZp
懐漫板でやろう

520:名無しさん@ピンキー
11/11/30 00:09:22.68 DoO4FNEx
犯人は保守

521:名無しさん@ピンキー
11/12/03 21:01:22.66 oyhh7gjS
いちゃラブい話がしたい…。

522:名無しさん@ピンキー
11/12/08 11:49:52.98 k4JoIE0C
ほす

523:名無しさん@ピンキー
11/12/14 00:58:38.34 pRZxxLks
保守

524:名無しさん@ピンキー
11/12/15 23:45:33.36 UfR5WAQT
女の子はべらせた七郎に会っても良守が全く動揺しなかったのは
無想部屋でまやかしの姫達相手に経験積んだからだとゲスパーしてみる

525:名無しさん@ピンキー
11/12/20 15:08:09.36 6O4Dbbvg
ほしゅ

526:名無しさん@ピンキー
11/12/20 18:26:18.73 RxMYShyV
続編の予定なしとか…
書いて発散したくなってまいりますた。orz

527:名無しさん@ピンキー
11/12/24 01:23:42.74 ZQRqsma3
>>524
いつの間にそんなリア充に……

528:名無しさん@ピンキー
11/12/25 18:30:09.50 aeZnPaLY
>>527
まやかしの姫達に初めて攻められた時は顔真っ赤
宙心丸連れて時音と別れる時は
悲しませまいと気遣って爽やかな笑顔

つまりはそういう事ですよ

529:名無しさん@ピンキー
11/12/31 14:56:35.31 jkxyX2u5
クリスマス~年末ネタを
リアルタイムで投下しようとしたけど筆折れた…orz

何はともあれ
皆様良いお年を

530:名無しさん@ピンキー
11/12/31 16:37:00.72 i6LwxSuR
(誰のネタだったんだろうと思いつつ)

良いお年を~♪

531:名無しさん@ピンキー
11/12/31 19:38:39.22 r8H2ZjDz
気になりつつ、
来年もよろしくお願いします。

532:名無しさん@ピンキー
12/01/08 13:29:02.24 DW8s9Ylg
保守

533:名無しさん@ピンキー
12/01/08 21:47:40.08 U+Js1qVi
今年も何かしら投下したいと思います。
純愛は書けませんが……

534:名無しさん@ピンキー
12/01/09 21:28:02.90 LzftzyBL
待ってるw

535:名無しさん@ピンキー
12/01/13 01:03:20.40 xr29ZfDX
ほしゅ

まっさんと夜未のその後が気になる

536:名無しさん@ピンキー
12/01/13 11:24:09.61 8PNi3rJx
最終回後すぐ妊娠

537:名無しさん@ピンキー
12/01/19 20:40:39.31 kxd0OUUP
とりあえず保守

538:名無しさん@ピンキー
12/01/21 00:49:16.29 TfYBEti+
最終回後の良守について考えると
どうにも擦れてるとか依存とかそういうイメージ先行してまうのよ


自分が好きなのはよっしーが直接絡まないカプだけど

539:名無しさん@ピンキー
12/01/22 09:36:10.78 rtZXL+Zr
>>538
(コソーリ同意)

540:名無しさん@ピンキー
12/01/26 21:15:40.85 6UsekFrg
最終回後のifで馬鹿馬鹿しい感じの無駄に明るい話を書いてみたいけど
もし書いたら確実にエロがおまけになる自信あるある俺ガイル

541:名無しさん@ピンキー
12/01/26 22:07:30.28 tmTo7jDM
おまけでもエロならオッケ♪

542:名無しさん@ピンキー
12/01/26 22:32:27.95 8CmEaPb2
いらん

543:名無しさん@ピンキー
12/01/26 23:14:40.34 KubYyzQj
少しのエロでも大切にしたい。

544:名無しさん@ピンキー
12/01/27 21:49:37.72 2JxWDNC7
>>542
いらんと思うならスルーしろよ

545:名無しさん@ピンキー
12/01/29 05:47:08.54 lISIHbpK
陵辱や純愛を食してるとギャグが恋しくなるわけで

お待ちしてます

546:名無しさん@ピンキー
12/01/29 16:54:07.52 nMY3GrWH
というわけで良時ギャグエロ投下してみる。

547:良時ギャグ
12/01/29 16:54:58.82 nMY3GrWH
時音とのセックスを重ねるうちに、良守は徐々に己の才能を目覚めさせていった。
お城のようなケーキ作り、そして「真界」における世界の構築の経験がいつしか良守に建築を志させたが、
その素質が性の技術においても開花し始めたのだ。
「あ……あぁっ!」
時音が堪えきれずに声をあげた。
(よし、いいぞ……これで土台は出来た!)
良守は、的確な愛撫を積み重ね、時音の感覚をじわじわと高ぶらせていた。
かつての良守は有り余る体力にまかせた豪快なセックスに終始していたが、
今では包括的な視点に立ってより大きな快感を構築する術を覚えたのだ。


548:良時ギャグ
12/01/29 16:55:30.61 nMY3GrWH
「どうだ! 時音……俺の愛撫術は!」
「はぁっ………こんな、すごいよ………やあっ!」
良守に敏感な場所を刺激され、時音が背筋を反らす。
(そろそろだな……ここで仕上げだ!)
「行くぞ、時音……!」
満を持して良守が時音の中に入って行くと、十二分に準備されていた時音の快楽は何倍にも跳ね上がった。
「あ、ああ──!!」
あまりの快感に、時音は必死に良守にしがみついた。
良守は抑えていた衝動を今こそ解放し、ありったけの力で時音に注ぎ込んだ。
「時音! 時音──!!」
「あぁっ、良守……やああっ………!!」
目も眩むような激しい交わりの果てに、二人は同時に絶頂に達した。


549:良時ギャグ
12/01/29 16:55:58.68 nMY3GrWH
二人は汗まみれになった肌を重ねたままぐったりと横たわり、
荒い息を吐きながら余韻を味わっていた。
「時音……よかったか?」
「うん………すごくよかった………」
惚けたような時音の声に、良守は心の中でほくそ笑んだ。
(ふふふ……また時音をイかせちまったぜ……)
今や溢れ出るようなエネルギーと確かな構築力を兼ね備えた良守は、己の実力に酔い痴れていた。
「じゃあ……今度はあたしがしてあげる」
「えっ?」
おもむろに時音が起き上がり、悪戯っぽい目で良守を見下ろした。


550:良時ギャグ
12/01/29 16:56:30.36 nMY3GrWH
「お返しに、悲鳴を上げるくらい気持ち良くしてあげるから……」
「あっ、いや、別に……」
良守が何かを言うよりも早く、時音の愛撫が始まった。
良守は思い知った。
結界術の修行において培われた時音の集中力と細やかさを。
こと繊細さを問われる行為において、
もとより時音に敵うはずなど無かったのだ。
自由自在に空間を支配するかのように、
時音の愛撫は良守の感覚を思うがままに操った。
「うわああああああ──!!!」
汲めども尽きぬ良守の膨大なエネルギーを、時音は無惨にも搾り取って行く。
良守の悲鳴にも似た絶叫は、いつまでも止むことが無かった。



551:良時ギャグ
12/01/29 16:56:53.85 nMY3GrWH
以上です。
乱文失礼致しました。

552:名無しさん@ピンキー
12/01/30 21:57:30.21 7X5vgMJR
GJ
流石時音w

553:名無しさん@ピンキー
12/02/01 22:19:18.03 aUg6S0mf
GJ!

554:名無しさん@ピンキー
12/02/07 11:15:03.32 NBMxG8gB
時音ちゃん孕むのは大分先になりそう

555:名無しさん@ピンキー
12/02/08 14:46:54.90 Rra67FMj
原作でも結局時音はフリーのような・・・?

556:名無しさん@ピンキー
12/02/09 01:04:06.89 oZ1m9TUz
時音って付き合う相手によっては服の趣味変わりそう
いきなり黒ニーソ履きだしたり
勝負パンツが短パンじゃなくなったり

557:名無しさん@ピンキー
12/02/10 18:56:53.37 XPEgdZgh
女性のオッパイをどう呼ぶかによって男性の性格がわかる / オッパイ・パイオツ・乳房など
・胸(むね) …… 比較的社交的な性格をしており、女性に気を使うことができる。
しかしなかなか手を出してこない慎重派でもあるので、草食男子に多い。



という記事を見たが、
なるほど閃ちゃんにはやはり相手からのリードが必要という事だね!

558:名無しさん@ピンキー
12/02/11 00:20:44.56 WBRZ9VRn
波同のプロはどんな性癖の奴にも(ry

559:名無しさん@ピンキー
12/02/14 02:12:40.35 ufqyVxGV
今日はバレンタインデーなわけだが

560:名無しさん@ピンキー
12/02/14 22:59:08.70 Vll8wKLf
バレンタイン+エロと言えば当然…

561:名無しさん@ピンキー
12/02/15 12:00:05.82 BSf47P1Z
時音たんが手作りチョコ失敗して
身体張って「私を食べて」を実践しようとしたら
何故か相手のそそり立つチョコを食べさせられることに


って似たようなのあった気が

562:名無しさん@ピンキー
12/02/15 19:13:13.86 tRLB2CbJ
相手は誰だったんだろう・・・

563:名無しさん@ピンキー
12/02/16 01:04:47.13 OT5ss/IG
そういえば、チ○コって書くと
どっちともとれる感じになるのですな

もうバレンタイン過ぎてんのに
自分は一体何を言ってるのか…。orz

564:名無しさん@ピンキー
12/02/17 06:54:00.33 XXOUY0h2
ホワイトデーというのもあるさ

565:名無しさん@ピンキー
12/02/17 11:31:27.81 8lx0NBCB
エロパロ的にはそっちの方が響きいいかも>ホワイトデー

だが最早どこに結界らしい要素があるのか
自分でもよう分かりません…

566:名無しさん@ピンキー
12/02/19 10:46:16.44 E7KexjZU
別スレで過去に良守にノーパン疑惑がかかってたの唐突に思い出した
ジャージあの位置で履いてたら下履いてるわけねえよ、という

14、5歳でノーパン健康法か…

567:名無しさん@ピンキー
12/02/25 16:06:50.69 e+C3qC+Y
保守!

568:名無しさん@ピンキー
12/03/03 00:35:31.60 eP9123ye
誰かいませんか

569:名無しさん@ピンキー
12/03/03 10:16:11.34 szc3YF7I
いるけど話題思いつかなくてあんま書いてない、ごめん

570:名無しさん@ピンキー
12/03/03 23:49:22.76 eP9123ye
原点に帰って良時希望

571:名無しさん@ピンキー
12/03/04 10:56:00.25 lSTMG9M0
最終回後の共依存かつねっとりなエロとな

572:名無しさん@ピンキー
12/03/05 00:34:57.00 FwZiy7tm
母守に複雑な愛情を抱き続け忘れることが出来ない修史さんを
優しく慰める未亡人時音ママ
何かの間違いでこの2人が再婚するようなことがあったら
良時はくっつかなくなりそうだな
家族になっちゃうから、少なくとも時音はその気にならなさそう


だが、それは良守を陥れるための利守の罠だった!

573:名無しさん@ピンキー
12/03/05 17:49:41.70 4FhmEtRT
え、利時!?


え、違うの?

574:名無しさん@ピンキー
12/03/05 21:13:24.26 zkI3FouY
母守を連れ戻せなかった良守へのささやかな復讐とか
時音が他の男と懇ろになるよう上手く背中を押したりとか

全然関係ないけど利時って口にすると言いづらいな

575:名無しさん@ピンキー
12/03/08 22:59:11.74 MN2hCNQY
>時音が他の男と懇ろになるよう上手く背中を押したりとか

利守がすごくいい奴に見えた

576:名無しさん@ピンキー
12/03/14 16:04:53.18 8sD2FPyC
利時も悪くないんだけどね~
新米教師と高校生みたいで

577:名無しさん@ピンキー
12/03/21 01:19:07.36 6LWTDArt
ネタがあったところで
書かなきゃ話に成らない悲劇


とりあえず保守

578:名無しさん@ピンキー
12/03/23 13:59:29.32 cB/KP78w
ネタがあるだけでもいいような・・・

579:名無しさん@ピンキー
12/03/24 17:49:10.73 sdW1+OSg
人様の書いた純愛読みたい!

580:名無しさん@ピンキー
12/04/07 21:56:25.69 7+Un145z
舞台設定を考えてみた

・冬
・良守の家
・2人っきりで数学の勉強
・こたつ

ハプニングセックスしか選択肢が無いな

581:名無しさん@ピンキー
12/04/08 02:16:13.36 k+AG8SvZ
時音の私服に色気がないと閃が馬鹿にしていたら
怒った時音に無理矢理服買うのに連れ回され
女性用下着買うのにも連れ回され
買った物の着せ替えまで強いられてしまうみたいな
そんな電波を受信した

582:名無しさん@ピンキー
12/04/17 14:52:52.70 lVvI0QcR
結局、一番人気があるエロカプってどれなんだろうな

583:名無しさん@ピンキー
12/04/17 15:07:33.39 PrbfjrgU
久々の書き込みキタ!と思いつつも
自分には分からないとしか答えようがないなw
個々の好きカプ挙げてくことなら出来るだろうけど

584:名無しさん@ピンキー
12/04/18 23:11:46.80 rPDNH2ap
時音受けに一票いれとくw

585:名無しさん@ピンキー
12/04/19 01:57:02.53 JOWtbM2w
じゃあ流れに続いて自分は閃時に
原作購読したきっかけがこの2人のやり取りなんで
あまりにこのカプ好き過ぎて
このままではいけない、他のカプのことも考えねば!と妄想しようとしたけど
何か無理だった…orz

理由としては、
閃と絡む時は時音が普通の少女になるのがいいなー、と
個人的にはね

586:名無しさん@ピンキー
12/04/19 12:06:38.55 /WPk3MNl
如何にヒロインが酷い目に遭うか、そしてそこからどうやってリカバリするかが妄想の主眼の俺は、無論時音が総受けです
もう前から後ろからぐちょんぐちょんよ

ヤられっぱなし堕ちっぱなしはあんま好きじゃないんで、大体の場合逆転エンドなわけだが、
時音の戦闘力がインフレ起こしたり良守がジョーカー化する展開がパターンでマンネリ…

閃は物語が転調する時に顔出すことが多いな
ある意味便利屋
だが当人が濡れ場の当事者になることは少ないという不憫な役回り

587:名無しさん@ピンキー
12/04/19 22:17:33.66 tCYWrkG0
原作では夕時、エロでは時音総受けかな。
閃時は目ウロコだったw

588:585
12/04/20 17:23:30.14 8oSphTdC
時音総受け人気だなあ、他のおなご全然呼ばれんのね
閃時しか妄想できない身でそんなこと言うもんでもないかもしれんけど

何かね
やろうと思えば吊り橋効果いつでも発動できる環境なのに
全然発動せんで日常的なやりとりばかりするのね>閃時
普通でない環境の中で普通のやりとりするなんて
却って普通じゃないような気がするけど、今思えばそこに惹かれたんだろうね


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch