【風俗】娼婦でエロ小説 2【遊郭】at EROPARO
【風俗】娼婦でエロ小説 2【遊郭】 - 暇つぶし2ch368:名無しさん@ピンキー
12/03/25 01:38:29.11 QYmfkZeF
架空のAV女優モノで一作失礼します。
スカトロ(嘔吐)分があるので注意。20レスほど。

369:AV女優 冴草里奈   1/20
12/03/25 01:40:49.86 QYmfkZeF

眩い照明とレフ板が、閉ざされた室内を真昼のように照らす。
パシュッという音で一瞬の閃光が走り、ピピピピピと電子音が続く。
カメラを構えた男達が真剣そのものの顔で正面を凝視する。
その中心では、一人の女が数人の逞しい男達に囲まれていた。
行われているのはセックスだ。
ボディラインを浮き出しにしたまま、逸物を咥え、男の上に跨って蠢く女。
行われているのがアダルトビデオの撮影である事は疑いようもない。
しかし渦中の女性は、およそ性的な営みとは無縁なほど清楚に見えた。

「本当に彼女、惚れ惚れするぐらい若いよね。
 あれで今年32だなんて信じらんない。せいぜい女子大生くらいだよねぇ」
メイク係の女が壁に寄りかかりながら言った。
話しかける相手は、この撮影現場には似つかわしくないような少年だ。
歳は15,6といった所か。
坊主刈りの青い頭に、好奇心を抑えきれない瞳が新鮮だった。
彼の瞳は、女優の痴態に釘付けとなっている。

冴草 里奈(さえぐさ りな)。
女優顔負けのルックスを誇り、あらゆるハードコアを極めたと言われるAVクイーン。
デビューしてから11年が経ってもその人気が風化する事はなく、
DVDの売り上げでは今なお単体女優の中でもトップクラスに位置している。

デビュー当時は妹系、特にロリコン趣味の層をターゲットとする清純派女優だった。
初出演作はイメージビデオ程度の刺激の弱いものだったが、
アイドル級の愛らしさは早くも一部のマニアから高く評価されていた。
そして二作目、三作目でいよいよ本格的なセックスシーンが撮られると、
普段撮りとはまた違うカラミのシーンでの表情の良さ、声の通り具合が話題となる。
ただ可愛いだけでも綺麗なだけでもない、『エロい』女優。

やがて様々なメーカーを渡り歩いて経験を積んだ里奈は、
当初の“清純派ロリータ女優”というカテゴリから脱却し、官能美を売りにしはじめた。
女らしい艶があり、けれどもデビュー当時の瑞々しさも残している。
愛らしい、綺麗、色っぽい。それら女性の美の全てを内包した未知の魅力。
聖母という表現も多く用いられた。
作品を経るごとに洗練されていくその神秘性は、長らくに渡って男達を魅了し続ける。

370:AV女優 冴草里奈   2/20
12/03/25 01:41:22.78 QYmfkZeF

「この業界ではね、女優は出演するたびに価値が下がるって考えが基本なの。
 ほとんどのAV女優がデビュー後3作かそこらで消えるでしょ。
 まぁ名前を変えてまた出たりもするけどね。
 でも里奈さんは、その厳しすぎる業界で11年も残り続けてる。
 いや、残るなんてもんじゃない、今でも第一線だわ。
 新作が出れば迷わず買うっていう熱狂的なファンが一杯いる。そうだよね」

メイクの女は、少年に向けてそう続けた。
少年……駿介は、図星を突かれたかのようにメイクの女を振り仰ぐ。
確かに、駿介自身も冴草里奈の大ファンだ。
彼女の過去作は何度も見返しているし、雑誌のインタビューも余さずチェックしている。
間違いなく恋といえるレベルでの好意を持っているのは間違いない。
月に2本出る里奈の新作が日々待ち遠しくて堪らず、
学校の友人が里奈の話をしている際にはつい聞き耳を立ててしまう。

その駿介にとって、目の前の撮影現場は現実ではないようだった。
冴草里奈のセックスシーンなど飽きるほど観てきたはずなのに、興奮が止まらない。
空間に漂っているのは、殆どが男優の体臭と精液の匂いだが、
その中に微かに混じる甘い香りが、里奈の発するものではと思ってしまう。
彼女は何人もの男に囲まる状況下で、大ベテランの貫禄を見せ付けていた。

里奈に逸物を咥えさせている男は、甘いマスクが人気な、やはりベテランの男優だ。
「ううっ!!」
しかし彼も、里奈に口と手で逸物を扱きまわされ、情けない声で射精する。
里奈の唇が離れた時点でカメラからはフェードアウトしている筈だが、
傍から見ている駿介には男のその後の姿もしっかりと見えていた。
男は信じられないといった表情で逸物を見下ろし、荒い呼吸を繰り返している。
よく見れば筋肉質に締まった脚が震えてもおり、どれほどの快感に襲われたのかが見て取れた。
彼とて『ヤスの女性狩り』シリーズで、数名の女性を相手取って10回以上も射精する絶倫だ。
その彼がまるで子供扱いとは。

371:AV女優 冴草里奈   3/20
12/03/25 01:41:59.84 QYmfkZeF

里奈に騎乗位で跨られる男優もまた、彼女の技術に翻弄されていた。
里奈は両の掌で2つの逸物を扱き、口にも2人分を咥え込んでいるので腰しか使えない。
しかし、彼女が腰を浮かせながら締め付けると、下になった男から呻きが漏れる。
「くっ……!!」
男優はまるで犯されている女のような顔をしていた。
彼は自由な両手を使って里奈の腰を掴み、主導権を握ろうと躍起になるが、
やがて脚の先までをピンと伸ばしてあえなく射精を迎えてしまう。
にちゅっという音と共に結合部が外れると、里奈の割れ目からは多量の白濁が零れ落ちた。
明らかに絞りつくされたかのような量の精液。
無論、今絶頂を迎えされられた男も、熟練の域にあると名高い中年の名手だ。
AVに出ればそれだけで看板となりうる実力派男優が、次々と果てさせられる。
その様はまるで妖魔に精を搾り取られるようで、作品の仮題である『吸精主リナ』そのものだ。

やがて撮影も終わりとなった所で、里奈を円状に取り囲んで逸物を扱きはじめる。
〆のぶっかけ、という定番の手法だ。
男達が苦渋の顔を作りながら逸物を扱きたて、呼吸を合わせて里奈の顔へ次々と白濁を浴びせかける。
「あ、あ!」
しかし若い一人だけは、中々射精に至らない。
勃起は他の誰よりもしているが、現場慣れしていないだけに上手く射精できないのだろう。
「カット、OK!お疲れさん!!」
そこで監督の声が入り、撮影は終了となる。
男優達が一様に安堵の息を吐く中で、半端に達し損ねた若い一人が項垂れた。
すると里奈が彼の足元に歩み寄り、その逸物を摘み上げて口に咥える。
「あっ!?」
男優は驚きの声を上げた。
カメラの回っていない部分でまで奉仕をする義務は女優にはなく、完全なサービスだ。
カットが掛かればすぐに気だるそうに座り込み、煙草をふかす女優も多いというのに、
大ベテランがそこまでしてくれるものなのか。
「あ、有難う……ございますッ……」
男優が感謝の言葉を述べながら、実に心地よさげに射精を迎える。
里奈は精液を口に受け、手渡されたティッシュに吐き出してから、男優に朗らかな笑みを向けた。
それを直視した若き男優は、危うく惚れそうになったことだろう。

372:AV女優 冴草里奈   4/20
12/03/25 01:42:32.89 QYmfkZeF

「お疲れ様でした!!」
若い男優を先頭に撮影スタッフが頭を下げる中、里奈はバスローブを羽織ながら振り返る。
「みんなこそ、お疲れさま!」
汗を浮かべながらそう笑う顔は、まるで試合を終えたスポーツ選手のようだ。
駿介はその里奈の格好良さに見惚れると共に、改めて彼女がこの現場の主役なのだと実感する。

「彼女って、どれだけ大きな存在になってもああなのよね。
 その人徳が回りまわって、彼女をクイーン足り得させてるのかも知れないけど」
メイクが、シャワールームへ消える里奈を見ながら呟いた。
「彼女、業界でも有名なのよ。交渉でゴネない女優だって。
 勿論NGプレイはマネージャーから指定されるけど、ギャラは完全に相手の言うなり。
 本当ならもう豪邸を建てられるくらい稼げてるはずなのに、
 里奈さん本人は食べられるだけの稼ぎがあればいい、って言ってるらしいの。
 ホント、あたしなんかの物差しじゃ測れないような人だよ」
メイクはそう言いながら、自分の仕事をしに部屋の外へと消えていく。

スタッフ達も各々の仕事に忙しなくなる中、駿介はしばし立ち尽くしていた。
撮影の熱気に当てられたようだ。
頬が紅潮し、重苦しい息が漏れる。隆起した物が、窮屈そうにズボンの中で脈打つ。
丸2日に及ぶ撮影は、思っていたよりも遥かに生々しく、凄まじかった。
それに比べれば、単にビデオ映像を観るだけの行為など搾りカスのようにすら思える。
これが現場。これが生の熱さなのだ。
駿介がそう思って生唾を呑みこんだ時、彼の視界に再び里奈が現れる。
場の主役であった里奈が、傍観者である少年の目の前に。

「お待たせ。帰ろっか、シュンくん」
カジュアルな私服に着替えた里奈は、そう言って駿介の手を取った。
柔らかくしっとりとしたその掌の感触に、駿介はぞくりとする。
あの冴草里奈と親しい存在だという事実。
それが思い起こされた瞬間、少年は危うく射精しかねないほどの興奮に見舞われた。

373:AV女優 冴草里奈   5/20
12/03/25 01:43:05.17 QYmfkZeF



駿介と里奈は、同じマンションの隣同士だ。
カリスマAV女優とはいえ人間で、日本のどこかに住んでいるのだから、
たまたま近所である人間がいても何の不思議も無い。
その幸運な少年が駿介だった。

隣に住んでいるのがAVクイーンだという事は、駿介の両親共に知っている。
父親は密かなファンで、自室にいくつも彼女のDVDを隠しており、
駿介が冴草里奈という女優に一目惚れするきっかけを作った。
母親はその父の鑑賞シーンを目撃して隣人の正体を悟ったが、悪く思う風もない。
「あれだけ可愛いんだもの。稼げるうちに稼いでおくのは賢いわ」
そのようにむしろ肯定的に捉えている天然ぶりだ。
両親がまだ駿介と共に住んでいた頃には、母親が作りすぎた惣菜を、
父親が鼻の下を伸ばしながら里奈に届ける光景が頻繁に見られた。
里奈はお袋の味が楽しめると、それは大喜びだったそうだ。

今では両親揃って遠くに出張しているが、それでも月に一度、
里奈の分も合わせて2つセットでの惣菜が届く。
それを届けるついでに憧れの里奈の部屋に招き入れられたのが、
2人の知り合うきっかけだ。
初めて里奈の部屋に上がった時、駿介はインテリ人間の部屋という印象を持った。
とにかく本が多い。
一般小説に始まり、心理学、語学、環境学といった教養本が本棚に詰まっている。
額縁の卒業証書からは、驚くほど偏差値の高い大学の出である事も窺い知れた。
各部屋のレイアウトも斬新だ。
探究心と向上心に溢れた性格だという事が、家の中を見ただけで解る。

374:AV女優 冴草里奈   6/20
12/03/25 01:43:46.17 QYmfkZeF

里奈は頭の良い女性だった。
勉学のみならず、生活の上での諸問題についても、自身の哲学に沿って答えをくれた。
そして駿介に近い大人の誰よりも、しっかりとした倫理観を備えている。
『隣に住むお姉さん』として駿介と親しくはしても、それ以上になろうとはしない。
駿介が下心から里奈の体に触れようとすると、里奈はそれを頑として拒んだ。
「まだ早いよ」
ぴしゃりとそう告げ、欲情に猛る少年を戒めた。

……ただし、それはあくまで雄介が性欲からの行動を起こした場合の話だ。
しかし里奈と共に過ごす内に、彼は『本気で』里奈に恋するようになっていった。
諌められても、叱られても止まらない想い。
未熟な身でありながら、駿介は揺らがない恋心を里奈に抱いていた。

「…………本気なのね?
 その選択は、シュンくんの人生にとって毒になるかもしれないんだよ。
 後ろ指を差されて生きる事になるかもしれないんだよ」

里奈は何度もそう諭し……思い悩んだ末にその気持ちを汲む。
隣のお姉さんとして、彼の憧れるAVクイーンとして、ありのままで駿介の本気を受け止めた。

375:AV女優 冴草里奈   7/20
12/03/25 01:44:32.06 QYmfkZeF



乳液を塗る里奈の後ろから、駿介が抱きつく。
「里奈さん……」
シャツの裾から腕を潜らせ、脇腹を経由して乳房を揉みしだく。
「あんっ!」
里奈が声を上げた。
駿介の手のひらに吸い付く餅肌は、彼より10以上も年上のものとは思えない。
何かの拍子に触れた彼の同級生の肌にすら、負けてはいないように思える。
それは天性の素質に加え、里奈の努力にも拠るものだ。
ジムで定期的に汗を流し、朝晩の手入れも欠かさない。
また菜食を中心とした食事内容は、日々彼女の公式ブログに掲載され、
ある著名な女性アスリートもそれを参考にしているという。

駿介は、その芸術的な張りと触感を持つ肌を掌の中で堪能する。
「こら。私、さっき撮影終わったばっかりじゃない。
 撮影以外のプライベートでまでセックスなんて嫌ぁよ」
里奈は頬を手で叩いて引き締めつつ答えた。
「そんな」
駿介の表情が残念そうなものに変わった。
勃起しきった逸物を背中に擦り付け、名残惜しそうにねだる。
里奈の口元がふっと緩んだ。

「なーんて、ウソ。男の子の生理は、よく理解してるつもりよ」

里奈は突如振り返ると、駿介の唇を奪う。
少年の嗅覚を、里奈の付けている香水、乳液の薫り、そして女の匂いが埋め尽くす。

376:AV女優 冴草里奈   8/20
12/03/25 01:45:03.45 QYmfkZeF

柔らかな唇も、ぬめった舌も心地良い。
「ん……んんっ」
駿介はされるがままに、ベテランAV女優のディープキスを受け続けた。
上手いなどという次元ではない。
唇が生き物のように蠢く一方で、舌が口内に侵入してくる。
その舌先は少年の歯茎、舌の付け根、そして上あごの粘膜を丹念に舐めまわす。
ゾクゾクとする快感が少年の背筋を駆け上り、そして。
「んううっ!!」
里奈の舌に開かれたままの口から悲鳴が漏れた。
そして腰が小刻みに揺れた直後、下着の中がぬるいもので満たされる。
それは少量では済まず、どくどくと溢れて太腿を汚した。

状況を察した里奈は、糸を引きながら唇を解放する。
そして少年のズボン摺り下げ、悲惨な状態となっているトランクスを脱がせた。
「可愛い。キスだけで出ちゃったのね」
里奈が白濁に塗れた少年の持ち物を指先で弾く。
「う、うん……キスだけで、出ちゃった」
催眠に掛けられたように、同じ言葉を繰り返す駿介。
その髪を愛おしげに撫でながら、里奈は逸物の先を握り込んだ。

「ねぇ、シュンくん……今日も潮吹きさせてあげよっか」
意地悪そうな瞳が告げ、やわらかな掌は、射精を経験したばかりの敏感な亀頭を扱きはじめる。
「あっ、ああ!!」
駿介はその感覚に腰を蠢かせた。
射精直後の亀頭責め。それはつらいが、里奈の導くままに我慢していれば、
やがて痛烈な尿意にも似た感覚の直後に精液が飛沫くのだ。
肉体的な快感は薄いものの心が気持ちよく、駿介はそれに病み付きになっていた。
「あっ、あっあっ、ああっ!!」
AV男優をも腰砕けにする一流女優のテクニック。
それを惜しげもなく披露されながら、少年は声を上げ、極感の坩堝へと飲み込まれていった。


377:AV女優 冴草里奈   9/20
12/03/25 01:45:46.17 QYmfkZeF



冴草里奈のAV女優としての公式なデビューは、有名レーベルでの美少女物。
まるでアイドルのイメージビデオのような作品だったが、
実際にはそれ以前に、無名なインディーズビデオへの出演があると言われている。
ファンの間で存在が囁かれては、『ありえない。他人の空似だ』と一蹴される噂。
だが他ならぬ里奈自身がそれを持ち出した時、駿介は噂が真実なのだと知った。
「シュンくんは、これ……見た事ある?」
里奈は駿介の隣に腰掛けながら、そのDVDを翳す。
駿介が首を振ると、里奈はやや躊躇いを見せながらも再生を始めた。
冴草里奈を形作る、始まりの一作として。

ワイドテレビの画面に映像が映し出される。
素人娘が風俗店の店長から研修を受けるというありふれた内容のようだ。
ありふれてはいる。けれども横に座る里奈の、素人時代のビデオだ。
そう考えると、駿介は鼓動の高鳴りを抑えられない。

映像の中には、まだロリータ系の雰囲気を有していた頃の里奈がいた。
彼女は店長役の男優からスケベ椅子やマットを使って客の悦ばせ方を仕込まれた後、
いよいよベッドでの本番講習を受ける。
本当の講習らしく、正常位、座位やバックなど一通りの体位での実践がなされたが、
騎乗位での腰の使い方は特に念入りに仕込まれているようだった。

「これは辛かったわ……。他の体位と違って、騎乗位は自分で腰を使わなきゃいけないでしょ。
 最初は腰を振るのが恥ずかしくて、全然出来なかったの」

里奈自身の言う通り、ビデオの中の彼女は騎乗位を苦手としているらしかった。
男優に秘部を見られるのを嫌うのか、膝を閉じて腰を浮き沈みさせるばかり。
それはまるでお嬢様のセックスとでも言うべきものだった。
しかし里奈は、男優に何度も叱られ、半べそを掻きながら必死に腰遣いを覚えていく。
純白の布が何度も泥水に漬け込まれ、染められていくように。

「勿論お芝居なんだけど、初めて本格的なテクニックを仕込まれたこれは、
 私にとって本当の風俗研修のようなものだったわ」

里奈が遠い目で語る間に、テレビ画面の中は新たな場面に移る。
技量不足として、遊び人風のボーイ2人を相手に経験を積まされるシーンへと。

378:AV女優 冴草里奈   10/20
12/03/25 01:46:23.74 QYmfkZeF

「あははっ、遊び慣れてない娘のキスって旨いよな」
鼻にピアスをした男が、ベッドに座らせた里奈の唇を奪っている。
片手首を掴み上げ、頭を押さえつけたままでの口づけ。
困り果てたような顔で息を乱す里奈は、なるほど経験豊かそうには見えない。
「アソコもキッツキツだぜ。処女みてぇ」
下半身では、また別の一人の手がショーツに潜り込んでいた。
指はショーツの形を歪に変えながら激しく動かされ、クチュクチュと音さえ立てている。

「……感じてるの?」
画面の前で、駿介が里奈に尋ねた。里奈は首を振る。
「違う。感じる所を刺激されて、むりやり愛液を滲まされてるだけよ。
 怖くって、快感に浸るような余裕なんてなかったわ」

里奈の意思に関わらず、ショーツは彼女の愛液で透けるほどになっていく。
やがて男達はそのショーツを脱がし、ベッドの上でフェラチオをさせ始めた。
「徹底的に仕込んでやるから、覚悟しとけー」
男の声がする。
里奈は寝転がったその男に覆い被さって黒髪を上下させていた。
「んー、ダメだ。お前さっきから咥えてるだけじゃん」
男は痺れを切らしたように身を起こし、里奈の口に指を入れる。
そして2本指で挟みこむようにして舌を引きずり出した。
「フェラはこの舌を使うんだよ。ほら、指舐めてみろ」
男の指が、まだ幼げな顔をした里奈の口内を蹂躙する。
「あっ、あえおっ、あおああっ……!!」
里奈は非難めいた声を上げながら、執拗に舌遣いを仕込まれる。

やがて指が唾液塗れになった頃、男はベッドの上で膝立ちの姿勢を取った。
「そろそろコツも解ったっしょ。ほら、それを俺のチンポに対してやってね」
里奈は唇の端から唾液を零しながら、半ば泣くような瞳で逸物を口に含む。


379:AV女優 冴草里奈   11/20
12/03/25 01:46:50.13 QYmfkZeF

里奈が必死にしゃぶり回すうち、男の逸物は明らかに大きさを増していった。
初めは里奈の口にすっぽり収まるサイズだったものが、明らかにはみ出てきている。
「えっ、えはっ!!あえっ……」
里奈は苦しそうに呻きながら、唾液塗れの逸物を指の輪で扱く。
しかし男はその手首を掴み、跳ね除けた。
「ほら、苦しいからって手で誤魔化さないの。これ舌遣いの研修なんだから」
そう言いながら里奈の両腕を頭の後ろに掴み上げ、喉奥深くに逸物を捻り込む。
女の苦しげな声が映像内に漏れた。
そこから、リズミカルなディープスロートが行われ始める。
里奈のえづきや嫌がりなど度外視した、無機質にも思える喉奥蹂躙。
「…………っ!!」
容赦のない責めに、駿介は隣の里奈を仰ぎ見た。
かすかな笑みで画面を見つめる里奈は、横顔を凝視する視線に気付いて口を開く。

「スムーズにしているように見えるけど、かなり深くまで咥え込まされてるのよ。
 それはもう苦しくて怖くって、カメラの映っていない所では、
 男優さんに何度も『もう許してください』って上目遣いの視線を送ってるの。
 でも全く手を緩めてくれなくって、ああ自分で頑張るしかないんだって、
 うっすらとだけど現場の流儀に気付きかけてた」

里奈はそう言うと、しなだれかかるように駿介をソファへ押し倒した。
そしてジャージを摺り下げ、逸物をつまみ出す。

「AVみたいな特殊な環境じゃ、自分自身で気分を盛り上げていかないとダメなの。
 ライトは眩しいし、カメラは恥ずかしいし、人は多いし、
 声や表情も普通にセックスするだけじゃなくて、人の目を意識しなきゃいけない。
 素面のままじゃ、身も心も縮こまっちゃって何もできないわ。
 そういう意味じゃ、ボクシングなんかのリングと近いわね、AVの現場って」

里奈はそう囁いてから逸物を咥え込む。
過去を映したDVDの前で、積み上げてきた技術の実践をするように。


380:AV女優 冴草里奈   12/20
12/03/25 01:47:14.67 QYmfkZeF

「んむっ、おっき……相変わらず、AVに出ても恥ずかしくない立派さね」
里奈はそう言いながら、唇、舌、そして手を使って駿介の物を扱きたてる。
その技量は凄まじく、駿介の物にはたちまち血が滾って痛いほどに勃起していく。
「んふっ」
里奈が鼻に抜けるような笑いを浮かべた直後、逸物が喉奥までずるうっと入り込んだ。
「あふぁっ!?」
駿介の方が声を出させられた。
食道という未知の器官で、逸物の先が締め付けられる快感。
亀頭の裏に感じるコリコリとしたものは、普段彼が“喉チンコ”と呼ぶものか。
そのまま数度喉奥で扱かれると、耐えることは出来なかった。
「ううっ!!」
駿介は足を震わせ、里奈の喉奥へ亀頭を入り込ませたまま為す術なく射精を迎える。
里奈はそれをしっかりと受け止め、やや頭を後退させてからごくん、と飲み込んだ。
「……ンっ。ふふ、にがぁい」
そう笑う里奈。
ほのかに匂う汗の香りと、少し汗ばんで額に張り付く髪、柔らかな瞳。
相も変わらず、ぞくりとするほど魅惑的だ。

映像の中では、なおも在りし日の彼女が陵辱されている。
口内に深く咥え込んだ状態のまま、背後からももう一人の突き込み。
「うむおおおおおっ!!!」
里奈は、明らかに苦しげな声を上げている。
それがしばし続いた後、ビデオの中で男が役割を入れ替えた。
すなわち、フェラチオをさせていた男が膣へ挿入し、
膣へ挿入していた男が口を犯し始めたのだ。

「これは勇気が要ったわ。自分のあそこに入ってたものを咥えさせられるのよ。
 咥える瞬間に匂ってくるのが解った。
 単純な匂いの強さだけなら、男優さんのアレの匂いの方が強いんでしょうけど、
 自分の匂いって不思議とよく嗅ぎ分けられるものなのよね、困ったことに。
 でも最初は嫌だったけど、段々と興奮してくるの。
 自分の愛液塗れのものを無理矢理咥えさせられてるんだって思うと、
 それだけで軽く達しそうなくらいに。
 自分がどうしようもなく変態なんだって気づいたのはこの瞬間ね、きっと」

里奈は駿介の短い髪を撫でながら、懐かしむように言う。
これがAVクイーン・冴草 里奈の始まり。
ここから里奈は、様々な経験と苦労を積み重ねて、人としての厚みを増していく。


381:AV女優 冴草里奈   13/20
12/03/25 01:48:10.49 QYmfkZeF

「一番印象深いことって言えば、やっぱり初めて増谷さんと撮った時ね」

里奈は駿介の質問に、悩む風もなく即答した。
増谷とは、AV男優の増谷準の事だ。
AV産業の黎明期から業界に関わり、何千という女性と撮影を重ねてきた。
彼のノウハウや思想は数多くの出版社によって書籍化されており、
押しも押されぬAV男優のカリスマとして広く知られている。
経験豊富なだけに、仕事はまた別として女性の選り好みが激しい事でも有名で、
彼に認められる事が一流AV女優の条件とする声も多い。

「とにかく顔を合わせた瞬間からオーラに圧倒されたわ。
 単体女優として間近で向き合ってると、呑み込まれそうな雰囲気。
 やっぱり伊達じゃないのよ、あの人って。
 初めて増谷さんと共演した時は、女優としてのデビューから3年目で、
 自分では脂の乗ってきた頃だと思ってたの。
 でも増谷さんは、私とカラミを撮った後に『まだ小便臭い小娘だ』って。
 ……ただ実際、撮影してる間中、私はあの人に翻弄されてた」

里奈のその言葉を聞きながら、駿介は彼女が増谷と初共演した作品を思い起こす。
確かにあの作品の里奈は、終始増谷に圧倒されているのが見て取れた。
増谷は表面上はいつも通りの甘い声で里奈と仲睦まじく撮影しているように見える。
しかし何度も観返すと、その責めにはまるで容赦がなく、
まだ女優として青い里奈を徹底的に責め抜いて恥を晒させているのが見て取れた。
ネット上でもファンの間から、いつもの増谷らしくない、
事務所と関係が悪くなったゆえの女優いびりだ、などと様々な意見が交わされている。


382:AV女優 冴草里奈   14/20
12/03/25 01:48:37.60 QYmfkZeF

「胸を揉まれても、お尻を撫で回されるだけでもイきそうな気持ちよさが湧いたし。
 実際にセックスを始められたら、もう何度もイッちゃって演技どころじゃなかった。
 快感に蕩ける表情をするシーンでもボロ泣きしちゃって、何度もカットが入って。
 照明さんからもカメラさんからも、ダメな女優だなって視線を向けられた。
 再開してもすぐに状況が変わるわけもなくて、完全に素人そのものだった。
 それまでに28本のビデオに出演してたのに、よ。
 素人男優なら2分以内で逝かせられたし、風俗嬢とのレズでも太鼓判を貰った。
 それでも全然ダメだったのよね」

里奈はそう言いながら、少しつらそうに駿介から視線を外した。

「それで、軽く自信喪失しかけたんだけど、増谷さんはやっぱり一流だったわ。
 撮影の合間になるたびに私の横に座って、色々と私の良い所を指摘してくれた。
 勿論心の内じゃ小便臭い小娘だと思ってたんだからお世辞だろうけど、
 私はそれが嬉しかった。
 優しい言葉を掛けられながら身体を撫でられると、それだけであそこが濡れて、
 次の撮影がハードでも耐えられるだけの準備が自然と出来てた。
 恋とは違うんだけど、業界の一流に褒められるのって嬉しいのよ」

そこで里奈の指が恥ずかしそうに組み合わされる。

「増谷さんとの初めての撮影は、苦い思い出だけど良い経験になったわ。
 あの人のお陰で驕りも消えて、本気でAVの奥深くに挑もうって気分になった。
 スカトロも、獣姦も、黒人とのカラミも、やれるだけのセックスをして、
 一部でもう○○は見飽きたって声も出た7年目でようやく2度目の共演をして、
 『やっと一人前の女になった。ずっとこれを待っていた』って言って貰えたの。
 自分の7年の頑張りが認められたんだと思うと嬉しくて、涙が止まらなかったな」

言いながら当時の事を思い出したのか、目元に薄っすらと涙を浮かべる里奈。
それが駿介には、まるでコーチに認められたアスリートのように見えるのだった。


383:AV女優 冴草里奈   15/20
12/03/25 01:49:04.75 QYmfkZeF

里奈のファンの間で、特に大きな話題となったのは12作目だ。
まだ素人そのものの、初々しい頃。
撮影の中でもどこか控えめな部分が目立ち、犯罪臭さえする。
一部のマニアには人気が出るだろうが、シリーズを見た者からすれば、
落ち着いてエロを堪能するには不向きといえた。
それでもファンの間では、里奈のビデオで初のアナル要素入りとして神格化されている。

問題のシーンは、普通のセックスが行われる中での繋ぎとして入れられていた。
「ひぐっ んぁっ……」
愛撫を受ける一環で、倒立をした格好のまま尻穴を舌で舐られる。
さらにそこから指入れへとエスカレートし、細いアナルビーズを出し入れされる。
たったそれだけでも、アイドル顔負けのルックスを誇る里奈がとなれば話題性があった。

「これ、撮影の中で初めてアナルを弄られてるみたいに演出されてるけど、
 実は撮影の前日にスタジオに呼び出されて、お尻の穴を念入りにマッサージされた後なの。
 それでも一日経ったらまたぴっちり閉じちゃって、弄くられると凄かったんだけどね」

里奈はビデオを観ながら告げ、駿介に恥じらいの部分を晒すままにしている。
駿介の視線は、今日は桜色の秘裂にではなく、その下に息づく排泄の穴に吸い寄せられた。
「えっちでしょ」
里奈が囁く。
その言葉通り、彼女の肛門はよく開発され、柔らかそうにふっくらと盛り上がっている。
まるでルージュを塗った唇のように。
駿介はその妙な艶かしさに生唾を飲み込んだ。

「……本当のホントにそこの処女を奪われたのは、さっきのAVを撮るよりも前なの。
 実質的には枕営業だった」

里奈がややトーンを下げて紡いだ言葉に、駿介は顔を上げる。
伏目がちな里奈と視線がかち合った。


384:AV女優 冴草里奈   16/20
12/03/25 01:49:30.30 QYmfkZeF

「当時私の所属してた事務所の何人かが、クスリの中毒で捕まってね。
 あそこはヤバイってことで、どの制作会社からも完全に干された時期があったの。
 そうなると、AV女優としては仕事がないわけじゃない?
 そうして困ってた時に、ある大手メーカーで監督をしてた人がメールを寄越したの。
 事務所で一番良い女とやらせれば仕事をやる、そんな意味合いのね。
 当時事務所で一番人気だった私は、かなり躊躇はしたけど、その要求に従ったわ。
 そうしないと友達も私も終わりだったもの。
 でもそいつっていうのが、とんでもない変態だったのよね」

里奈の指は、記憶を思い起こすように膨らんだ肛門の淵を撫でていた。
駿介はその動きにすら妖しさを感じつつ、次の言葉を待つ。
異様なほど胸がざわついていた。

「撮影は、しばらく使われてない古いスタジオでされたわ。
 今でも忘れられない。埃っぽいビニールの上に、事務所の女の子がずらっと正座させられて。
 私はその目の前で慰み者にされた。
 騎乗位で奉仕させられて、フェラで抜いて。
 イチジクを四個入れられたまま、椅子を2つ並べた上に座らされて、洗面器に出して。
 その挙句に指でほぐされてから、顔を見合わせる体位で後ろの処女を奪われたの。
 ……ずっとそいつの目を見ていなくちゃならなかった。
 痛くって息が詰まるんだけど、そいつはもっと声を出せ、もっと出せって何度も叫んでて。
 私は言われるがままに、感じてる演技をしながら喘ぎ声を絞り出した。
 スタジオには結構自分のその声が反射して、嘘っぽいのが自分でも解ったわ。
 知り合いの大勢いる前で、響き渡るくらい声を上げて、初めてのお尻を犯されるのは、
 死にたくなるくらいに恥ずかしかった。
 でもその時はそうするしかなかったの。小さい事務所だったし、私自身も無力だったし」

そこまで言い終えた所で、里奈は言葉を失っている駿介に気付く。
そして安心させるように肩を竦めて笑った。

「ま、今はその男とも完全に力関係が逆転してるんだけどね。
 必死に覚えたテクで搾り出せるだけ搾り尽くして、もう女を見るのもイヤって言わせてやったわ」

そう言い放つ里奈は独特のカリスマに満ちている。
その厚みは、まさに今語ったような苦労を経験した成果だ。それゆえのAVクイーンだ。
ただ、駿介は知っている。彼女の苦労話は、それだけではないという事を。


385:AV女優 冴草里奈   17/20
12/03/25 01:50:00.57 QYmfkZeF

『私、ぜったい吐いたりしません』

それが、里奈の出演した初のハードコアレーベル『Agony』の作品だ。
その頃の里奈は何人もの男優にフェラチオをして回る作品が多く、
ディープスロートの女王などと祭り上げられていた。
実際、彼女の清楚な横顔を映しながらのディープスロートは、
反則的なまでに男の性欲を刺激する絵面だったので仕方のないことではある。
ただ一部のファンの間には、
『ディープスロートの女王を名乗るならAgony作品に出ろ』
との声が大きくなっていた。
そこで満を持して、S級単体女優・里奈の出演となったのだ。

それは、里奈の綺麗どころとしての矜持と、イラマチオ男優の意地のぶつかり合いと銘打たれた。
後ろ手に縛られた里奈が膝立ちで睨み上げ、それを勃起させた男優群が取り囲む。
そのパッケージは、まさしく女優と男優達との真剣勝負を想起させ、
発売開始前から大評判となった。
何しろ冴草里奈といえば、それまでオーソドックスな大衆向けの作品が殆どで、
しかしそれでもなおファンのつくルックスと愛嬌を備えた人気女優だ。
それが突然のハードコアレーベル入りとなれば、期待するなという方が無理な話だろう。
そしていざ蓋を開ければ、そこには期待を裏切らない壮絶な映像が繰り広げられていた。

大きさ自慢の男優が里奈を取り囲み、頭を掴んで次々に剛直を咥え込ませる。
白いワンピース型の水着を着たまま後ろ手に縛られた里奈は、
その男達の怒張を舌遣いと喉奥の扱きだけで射精へと導かなければならない。
状況でも、数の上でも圧倒的に女優不利の状況。
その中で、里奈はよく健闘していた。
男優のうち最初の数名は、里奈に逸物を咥え込まれた瞬間に、もう腰が引けていた。
そして一人当たりわずか2分余りで精を搾り取られ、輪の外に退く。
普通の撮影であれば、その時点で里奈が貫禄を見せての勝利となったことだろう。
けれども、ハードコアの撮影はそんなものでは終わらない。


386:AV女優 冴草里奈   18/20
12/03/25 01:50:30.10 QYmfkZeF

自分だけが休むことのできない無間地獄で、里奈は次第に追い詰められていく。
そして男優達もまた、徹底的に里奈の弱った所を責めていく。
「んっ……んああっ、はぁっ……あごっ、ああっ…………」
何人目かで、顎の疲れた里奈が、やはり達しそうで余裕のない男優と拮抗していた時。
突如その弱った逸物が抜かれ、まだ一度も達していない余力の有り余った一本に変わる。
「あごおろっ!!?」
突如固く逞しい物に奥を抉られ、里奈の喉から小さな嘔吐の音がした。
カメラは今だと言わんばかりに里奈の足元から見上げる視点で撮り始める。
しかしこの時は何とか持ちこたえ、映像には太い涎の線が滴るのみとなった。

とはいえ、里奈が追い詰められているのは事実。
男優達は何度も何度も白い喉の奥へと怒張を抉り込む。
そして里奈が苦しげな反応を示すと、怒張を奥深くで留め、ぐりぐりと亀頭を擦り付けるのだ。
「あごぉっ……おご、おぼおぉっ…………!!」
これは実に効果的らしく、里奈はそのたび目を見開き、頬を膨らませて吐きそうになる。
澄んだ瞳一杯に涙を溜め、唇が陰毛に隠れて見えなくなるほど深く飲み込んでの長期戦。
その気丈な抵抗の末に、8人目でついに限界が訪れる。
「う、お゛おぉっ!!!」
低い呻きと共に、里奈の上体がうねる様に大きく波打ち、唇が逸物から離れる。
そして嘔吐。
「げおっ!!!おえ゛っ、う゛お゛ぉおお゛ぉおううえ゛ええ゛!!!!!」
その獣のようなえづき声と、瞳も唇もぐしゃぐしゃになった嘔吐顔は、
一部コアなマニアの間で大いに語り草となった。
映像も、わざわざその嘔吐シーンを、六ヶ所のカメラからの映像で繰り返す。
まるでインディーズメーカーが、一流女優を屈服させた証とでも言いたげに。
ただその凄まじい決壊が、清純派女優の屈服を端的に表すものである事は間違いない。

一度嘔吐という屈服をしてしまえば後は脆く、
里奈は涙と涎でグズグズになった顔のまま、その撮影の中で実に12回、
様々な体位からのイラマチオで嘔吐を晒し続けることになる。
特に、椅子に腰掛けた男に無感情な瞳で奉仕しながら嘔吐する終盤は、
そのままショックで女優業を引退するのではとファンを不安にさせるほどだった。


387:AV女優 冴草里奈   19/20
12/03/25 01:50:55.11 QYmfkZeF

ただ里奈によれば、これは男優と女優の対決でも何でもなく、
元より『吐くまで撮り続ける』事を前提とした出来レースであったらしい。

背景には、その年の春、2人の現役アイドルが突如AV業界入りした事がある。
その話題性は凄まじく、人気が「元芸能人組」とその取り巻きに持っていかれ、
純正のアダルトビデオが廃れる恐れを業界にもたらした。
そこで事務所が、業界の面目を保つべく、トップ女優である里奈をハード路線に走らせたのだという。
元芸能人の一発目では絶対にやらない事をさせる事で、同じく話題を作って対抗したわけだ。

この異例の対決は、様々な週刊誌やスポーツ新聞に取り沙汰される事となり、
里奈の世間一般における知名度・注目度を飛躍的に向上させた。
その影響もあってか、結果として『私、ぜったい吐いたりしません』はヒット。
セル・レンタル共に元芸能人組を上回ることとなる。
衝撃的であったのはどちらも同じだが、やはり男の本能を直撃する里奈に軍配が上がり、
ハードなアダルトビデオの強さを改めて世間に知らしめた。
最も、勝因はただプレイの過激さだけではなく、里奈自身のルックスが、
前年まで現役アイドルであった娘にも引けを取らないレベルであった事も大きく関わっているだろう。

ともあれこれをきっかけに、これまでアナルを少し弄られる程度の清純派路線だった里奈は、
正統派のビデオと平行してハードな物に次々と挑戦するようになっていく。
その経験を経て、いよいよ里奈は熟練の雰囲気を纏い始め、色気を増していった。
今や経歴も人気も実力も、どこを取ってもクイーンの名に恥じない存在だ。
そんな里奈と親しく出来る事が、平凡な学生に過ぎない駿介には夢のようだった。
彼女はどこまで本気で、自分を気に入ってくれているのだろう。
どこまで彼女の心の中に、ちっぽけな自分が存在できているのだろう。
里奈のやわらかな笑顔を見つめながら、駿介は時々そう考える。


388:AV女優 冴草里奈   20/20
12/03/25 01:51:32.01 QYmfkZeF

里奈の撮影は次々と過激さを増していった。
その果てに、ついに里奈が撮影中意識を失い、病院に担ぎ込まれる事態にまで発展する。
「里奈さんっ!」
「ああ、シュンくん……心配かけてごめんね。さすがに無茶しすぎちゃったかな。
 私の希望で限界までしてってお願いして、監督さん達にも迷惑かけちゃった」
大慌てで病室へ駆けつけた駿介に、里奈は恥ずかしげな笑みを見せた。
そして一つ瞬きし、悪戯っ子のような瞳で続ける。
「……でもね。今度はきっと、今までの作品の中で一番凄いのになってるよ。
 それくらい凄いのをシュンくんに見せたかったんだ。
 好きな子にこれを観て貰えるんだって思いながら演技すると、一番興奮するの。
 ねぇ、シュンくん。ビデオが家に届いたら、どうか私の全力を観届けて……」
里奈はそう囁き、疲れたように瞳を閉じた。

遥かに年上とはとても思えない、まるで妖精のような寝顔。
「……里奈さん……」
駿介は、静かな寝息を立て始めた里奈の顔を撫でて呟く。
身体を壊すほどの全力で、AVに取り組む。それが里奈という女優だ。
そんな事は解っている。そんな里奈だからこそ、駿介は恋したのだ。
その里奈からの告白を、受けないわけにはいかない。

『冴草 里奈 地獄イカせ20時間』
それが最新作のタイトルだった。
ノーカットで20時間の撮影を流し、4時間×5本組とした前代未聞のDVD。
購買力の高いファンが多数いる里奈だからこそ出来る新境地だ。
そこに秘められた里奈の“全力”を咀嚼するように、駿介は覚悟を決める。

ただ観るだけではない。
増谷を初めとする最高峰の男優から愛撫を受け続け、
指責めで幾度にも渡る潮吹き絶頂を極めさせられる姿。
最新鋭のマシンバイブを用いた、徹底したポルチオ開発。
ヨーガの達人による、快感の泥沼に沈み行くようなスローセックス。
それらによって発せられる里奈の悲鳴を、涎を、失神を、失禁を、痙攣を、
全てを読み取って彼女が意識不明に至るまでに感じていた事を把握する。
それが彼女の全力に応えるということだ。

「……ふぅ」
駿介はひとつ深呼吸し、脳髄の焦げ付きそうになる作業に挑み始めた。



                                      終わり

389:名無しさん@ピンキー
12/03/25 19:22:18.32 2r85kTfq
投下乙ですー
今晩かけて読ませてもらいます
GJ!

390:名無しさん@ピンキー
12/03/25 23:15:39.83 Hzql5PhO
すごすぎるしうますぎる
こういうのは才能なのかね


391:名無しさん@ピンキー
12/03/25 23:55:59.60 r0XZd9wi
久しぶりに、この板で良い物読めた気分。
GJというか、ありがとう。

392:名無しさん@ピンキー
12/03/29 23:51:18.44 VfnvBkL3
保管庫なかったっけ?

393:名無しさん@ピンキー
12/04/01 00:11:54.40 UO71kR42
異世界ファンタジー物ってここ的にOKですか?
いちおう風俗で筆おろしの内容なんだけど……

394:名無しさん@ピンキー
12/04/01 00:43:22.96 dQ/nZnii
はよはよ!

395:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:12:40.40 UO71kR42
【 1 】

 後悔が無いという訳ではない―否、レェスはこの後に及んでもなお悩んでいる。
 なぜなら自分は今、送迎の馬車(ブルーム)に揺られて街の遊郭へ向かおうとしているのだから。

 伸びた鼻頭(ノズル)と鋭角に立った大きな耳、そして茶の毛並みもふくよかに外へ丸まった大きな尾のレェスは、
世間一般では犬狼型に分類される獣人である。
 今年の四月―晴れて成人し親元を離れた彼は、故郷より遠く離れた帝都の街中に居た。大概の若者達がそうで
あるように、田舎暮らしで華の時間を浪費してしまうことを惜しんだレェスは、「自分試し」などという説得力の
かけらもない理由をつけて離郷を果たしたのだ。
 そんな世間知らずの田舎者にとって都会の風はそれなりに強く冷たいものではあったが、それでも日々そこで
感じる未知の世界はレェスの愚かな独立心を励ましてやまなかった。自分は生涯をここで生き、そしてここで
死ぬのだと、もはや使命感にも似た感動(かんちがい)を胸に抱いたほどである。
 しかしながらそんな生活も半年が過ぎると途端にその光(いろ)を失っていった。
 せわしない都会の時間(ながれ)にも慣れ、仕事も憶えてサボりの要領を得てくると、途端にレェスは脱力した。
 このままでいいのか? 結局は、ここでも自分はつまらない仕事に時間を浪費していくばかりなのではないのか? 
―朝目覚めると、いつもそんなことを自問した。……しかしながらそれも、哲学などといった崇高な命題ではなく、
単に仕事をサボりたいが故に起き上る自堕落で甘えた妄想ではあるのだが。
 とはいえしかし。それに気付けぬレェスにとってのそれは、今の自分を崩壊せしめぬほどに重要な問題であったのだ。
 しかしながら若者ゆえの浅はかで計る問題のこと、その解決策は実にあっさりと彼の中で紡ぎだされた。

『 そうだ、彼女を作ろう! 』

 要は寂しかった訳である。
 都会暮らしに慣れて余裕が出てくると、途端に独り身が沁みた。しかしながら、望郷や人恋しさを認めてしまうのは、
少年のちっぽけなプライドが許さない。
 ゆえに遠回りに自分探しなどを考えさせて、その寂しさを紛らわせるパートナー探しを理想(ハードボイルド)の自分に
認めさせたという訳であった。
 そう結論づくとにわかにレェスの生活は活気を取り戻す。

396:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:13:40.64 UO71kR42
 まずは職場において、そんな運命の相手がいないかどうかを検討した。
 レェスの通うレンガ工場は街でも一番の規模を持つ老舗で、工場内には常に50人以上の人足がいた。
 しかしながらそこの働き手達は全てが男であり、しかもそのどれもが中高年の世代という有り様。唯一の若衆はレェス
ただ一人だけである。
 ならば事務職には? ―と考え、経理を始めとする事務所や営業もしらみつぶしに探してはみたが、どれも似たり
寄ったり。そこにおける数少ない女達もまた、「とうの立った」おばちゃん達ばかりと、ロマンスの予感は微塵も
感じられなかった。
 そうして危機感を募らせるうちに、最初は単なる『寂しがり(ホームシック)』であったはずの心の隙間は、次第に
『強迫観念』へと変わっていった。
「このままでは自己が崩壊する」―若者特有の陳腐で無根拠な思い込みではあるのだがしかし、等の本人であるところの
レェスにとっては重大な問題である。
 それを苦悶する生活に重いストレスを感じ始めた彼は、日に日に疲弊していった。
 毛並みは艶を無くし、耳と尾は常に垂れ、鼻は乾き視線も俯きがちとなった。そんな傍目からからも見て取れるレェスの
疲弊ぶりを見かねて、彼の雇い主でもあるところの工場長がついにレェスへと声を掛ける。
 そこにて、初めてレェスは己の悩みを他人へと打ち明けたのであった。
 レェスの話を終始無言で聞いていた工場長ではあったが、その時々で笑いを堪えかねては何度も咳払いをした。他人の
そんな青臭さがなんともこそばゆいのだ。
 そして全ての話を聞き終えるや、
『 レェス。お前さんは童貞かい? 』
 そんなことをレェスに問いただした。
 その質問に慌てふためき、はたまたどうにか無頼な自分を取り繕おうとしたもののそこは経験の差―緩急織り交ぜた
工場長の話術に翻弄され、たちどころにレェスは『一八歳(こども)の自分』へと丸裸にされてしまった。
 そうなると素直なもので、レェスは率直に今の不安と問題解決の糸口を工場長に求めた。
 そんな折、彼から返された返事(こたえ)こそが――
『 一度でいいから女でも抱いてみろ。もしかしたら考え方が変わるかもしれない 』
 そんな中身の有るような無いような、なんとも無責任な答えであった。
 正直その時のレェスも、そんな工場長の言葉に何一つ琴線を震わせられる事が無かったものだから、ただ「はぁ」と空返事を
返しただけであったが―事件はそれから4日後に起きた。
 いつものように仕事を終えたレェスは件の工場長から呼び止められる。

397:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:14:25.07 UO71kR42
 そして一枚のカードを手渡されたと思うと、
『 明日の休みにこの店へ行け。役所前に迎えの馬車が来ている筈だから、それの御者に声を掛ければあとは万事、向こうが
よろしくやってくれる 』
 工場長はそう言って武骨な笑みを見せた。それこそは、とある娼館への招待状であった。
 代金は自分で工面するようにと言われた。金貨一枚分であるそうな。言うまでもなく大金である。
 しかしながら初めての風俗というシチュエーションに発奮してしまったレェスには、そんな金額の高低など気にはならなく
なっていた。その時はただただ緊張し、そして胸ときめかせた。
 自室に帰ってからも、食事すら忘れて貰った名刺を眺めて過ごす。
 普段の生活において目にしたことすら無いほど奇麗に精製された紙面に繊維の屑などは一本として見当たらない。麦の穂のよう、
かすかに金色を含んだ色合いのカードには、達筆の書体で『Nine・Tail(九尾娘)』と店名が印刷されており、さらには
その隣にレェスの名前が「様」を付けて書かれていた。
 なんどもそれを見つめ、さらには匂いなど嗅いだりしてはレェスは妄想を膨らませる。
 いったいこの場所で何をするものなのだろう?
 それこそ己の持つありとあらゆる知識を動員して淫靡な妄想にふけろうと考えるも―結局それらは何一つ実体を持たず、
ただ行き場のない情動となって胸を焦がすばかりであった。
 そこにおいてようやくレェスは、自分が何も知らない「子供」であったことを自覚する。
 思えば女の子と接触を持ったことなどは、田舎に居た時からなかった。
 もし故郷において齢相応の相手に巡り合えていたのならば、自分はこんな都会に出ることもなかったのではないか、などと
妄想する。
 平凡ではあるものの、つましく楽しい毎日を生涯の伴侶と送り、家業の酪農に精を出すのだ。……そんな妄想の中の自分に、
レェスは思わぬ寂しさを感じて大きく鼻をすすった。
「もう……取り戻せない生活だ」
 そんなことを呟いて目頭をきつく閉じると、涙が一筋頬を伝った。
 傍から見れば「何を言うか」とツッコミたくもなる。況やまだ18の子供が、だ。
 そう思うのならばすぐにでも故郷に戻って家業でも婚活でも、好きにすれば良いのだろうがとかくこの年代の若者は、
何かというと破滅的な方向にばかり未来を考えては悲観して、その主役であるところの自分に陶酔して過ごすものなのであろう。
 閑話休題。
 そうまで考えながら明日の日を待ち望む傍ら、とはいえ今回の初風俗を素直に受け入れられぬ想いもあった。
 それこそは今日のトラブルにいたる元凶ともなった、ちっぽけな『プライド』に他ならない。

398:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:14:55.42 UO71kR42
「これは……男のするべきことなんだろうか?」
 寂しいだ破滅だと散々のたまっておきながら、この期に及んでレェスは考え込んでしまった。
 風俗―すなわちは『女を金で買う』という行為を思い悩んでしまった訳である。
 些細な疑念であったはずのそれも、そう思い込むと途端に心の中を占める割合を大きくしていった。
 とはいえしかし、風俗にも行きたい―良心と本能、プライドとスケベ心との狭間でその夜、レェスは眠れぬまま煩悶し
続けるのであった。
 そして翌日の夕刻、彼は約束の場所である役所前に――居た。
 結局はスケベ心が勝った。とはいえしかし、それに心が傾いたのは本当に僅かな差異に他ならない。事実いまも、
胸の内では葛藤が続いている。そんな今の状況はむしろ、寂しさに打ちひしがれていた時よりも激しく心を乱していた。
 斯様にして情緒不安定なレェスへと、
『 レェス様、でいらっしゃいますか? 』
 何者か声が掛けられた。低く落ち着いた男のものである。
 それに驚いて振り返ればそこには、テールコートの正装に身を包んだ紳士が一人。
 年の頃は四〇代半ばといったところか。僅かに胸を張り背筋を正したその立ち居は、自然な振る舞いでありながらも
慇懃で折り目正しく、けっして己を卑下をしない「強い男」の印象をレェスへと憶えさせた。
 とはいえその「強さ」もけっして腕力や、権力を背景にした脅しじみたものではない。
 いうなればそれは、この男が持つ自己への誇りと自信に他ならないのだろう。
 口にはせずとも彼が、己の仕事に気高いプライドと固い意志とを以て挑んでいることがはっきりと見て取れた。まだ、
彼が何者か聞いてもいないにも拘わらずである。
 そんな紳士の落ち着いた雰囲気に包まれて、混乱の極みにあったレェスも沈静化する。
『 レェス様でいらっしゃいますか? 』
 そして再度の紳士からの問いに、ようやく我に返ったレェスは大きく頷くのであった。
『 お待たせいたしました。私は、「Nine・Tail」からの使いの者であります。レェス様をお迎えにあがりました。
こちらへどうぞ 』
 渡されたレェスの名刺を確認して一礼をすると、紳士は泰然自若とした振る舞いで半身を開きレェスへと道をあける。
そうして誘うよう右手を泳がせたその先には、黒塗りの馬車が一台停められているのだった。
 そんな馬車の壮観にレェスは思わず息を飲む。
 自分の身の丈ほどの車輪を四環搭載し、さらには楕円の円蓋を被せた粋な造りのそれは見るからに優雅で美しい。
 さらにはその中に誘われて、今度は息を止めた。

399:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:15:19.77 UO71kR42
 赤を基調に、向かい合うように設置されたソファは質素な造作ながらも造りが実に細やかで、背もたれに施された
刺繍ひとつをとっても細部まで実に手が込んでいた。さらにはその手触り、はたまた硬すぎず柔らかすぎない座り心地からは
相当にこれが高価なものだということを貧民のレェスにすら実感させる。
 それら自分の日常からは完全にかけ離れた、別世界の物に触れるということにレェスは躊躇いすら覚えずにはいられない。
 それらに比べて今日の自分はといえば、一張羅のジャケットにハンチング帽。シャツとパンツにはそれなりの物を身に
まとっては来たが、それでも目の前の馬車やそれの御者たる紳士のそれに比べれば、月とすっぽんほどに今の自分は滑稽に思えた。
 そうしてそれらに圧倒されるまま馬車の中に閉じ込められると、御者は外套(マント)を羽織り馬車を発進させる。

 かくして運命の車輪は動きだしてしまった。
 後悔が無いという訳ではない―否、レェスはこの後に及んでもなお悩んでいる。
 なぜなら自分は今、街の遊郭へと向かおうとしているのだから。





400:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:16:03.40 UO71kR42
【 2 】

 目的地である娼館『Nine・Tail』は、遊郭街の外れにあった。
 入口に近い通りには原色を散りばめた派手な看板の、一目でそれと判る店が多かったのに比べ、件のNine・Tailが
ある一角は一見したならば高級住宅街かと見紛わんばかりに閑静で趣のある建物が並ぶ通りである。
 そしてその中の一つである、一際大きい洋館が今居る店であった。
 入店し待合室に通されたレェスは、緊張から味の判らぬ紅茶に舌を焼いていた。
 室内の壁面に備え付けられたソファーはコの字を描くようにして設置されており、その前には小型のテーブルが
個別に何基も備え付けられていた。その上にはそれぞれ重厚なガラスの灰皿とライターとが置かれ、そんな自分の机
そこにはさらに紅茶とおしぼりがある。
 とりあえずここで待つように指示されたレェスは、緊張から何度も部屋の中を見渡しては、ここに至るまでの経緯を
思い出すのであった。
 入店と同時にレェスは、入口正面に設けられたロビーにて再度の名刺提示を求められた。続いて『入館料』と称した
金銭の提示に、レェスは虎の子の金貨一枚を支払う。受付もまたそれを受け取ると、銀貨二枚をレェスへと返した。
 料金は金貨一枚分と聞かされていたレェスだけに、これには大いに困惑した。そんなレェスの混乱を察し受付の紳士は、
『その残りはお相手を務める給仕にお渡しください』と笑顔で諭してくれたのであった。
 どうやらこの手の店はまず店側に『入館料』を支払い、さらには相手となる娼婦に残りの金額を支払うという仕組みらしい。
なんとも困惑する。
「早まったかなぁ……金貨一枚分は高いよなぁ」
 呟き、手の中で握りっぱなしであった銀貨二枚を見下ろす。この金とて、工場に勤め始めてから今日に至るまでに
貯めたレェスの血肉のような銭である。それを、手元に形の残らぬこのような遊行に使ってしまうことへレェスは
なんとも強い抵抗を感じていた。
―これだけあったらコートが買えた……ブーツだって買えるし、飯だって好きなものが食える。
 そう考えだすとどんどん思考は所帯じみて、いつもの妄想も現実味を帯びてくる。
―チョコだって食える。肉だって食える。パンだって好きなだけ。フルーツだってそりゃあもう。
  大判コロッケもいい。
  いくらどぶ漬けか。さんま焼きだっていいぞ、そこに生ゆば刺しなどつけるか。岩のり250円も
  渋いな……。
 そうしてすっかり現実逃避をして自分の妄想(せかい)に入るレェスへと、

401:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:16:28.63 UO71kR42
『お待たせいしました、レェス様。ご案内いたします』
「ッ!? こ、こっちもうな丼ください!」
『―はい?』
 案内係の存在に気付けずにいたレェスは、その突如の声に思わず両肩を跳ね上がらせた。
『いかがなさいましたか、レェス様?』
「え? あ……い、いや何でも。ははは」
 怪訝な案内役の表情に我へと返ったレェスは、つい自分の奇行を笑ってごまかす。同時に、その瞬間が訪れたことを
瞬時に理解する。それゆえにさらに混乱する。
―ついに……ついに女の子と……!
 心臓は鼓楽器よろしくに、その音が喉から漏れているのではないかと心配するほど強く胸を叩いている。
 目の前を歩く案内役の背に、レェスはこれから会うであろう嬢を妄想した。
―猫型の華奢な子が来るんだろうか? それとも白兎の純情そうな子とか? 
  いやいや、もしかしたらオイラと同じ犬の娘なんてことも……!
 様々な美少女達が案内役(エンコート)の背に浮かび上がっては消える。
 やがて目の前を行くその背が止まった。
『こちらからは御一人でどうか。―どうぞお楽しみくださいませ』
 体を開いてレェスの前へ道をあけると、案内役は深々と頭を垂れた。
 そんな目の前には巨大なカーテンが壁のように通路を塞いでいる。
 いったいこれからどう行動したらいいものだろうと困惑するレェスではあったが、目の前のカーテンそこにスリットが
通っていることを発見した。
 どうやら二枚を重ね合わせてある造りらしい。それを前に一歩踏み出すと、レェスはその隙間へと体を進入させた。
 シルクのカーテンの質感それを鼻先に感じながらそこを潜り切ったその先には――

「はじめまして。お待ちしておりました」

 柔らかく、そして落ち着いた声。
 その瞬間、レェスは金色(こんじき)の風を見た。斜陽に輝く夕暮れの稲穂畑ような紅(あか)と黄金の煌めきが目の前を
走ったように思えた。
 しかしそれが目の前にいた彼女の毛並みから連想した錯覚であることをすぐに理解して我に返る。

402:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:16:59.27 UO71kR42
 目の前には、
「今宵、あなたのお相手を務めさせていただきます『チトノ』と申します。本日はありがとうございます」
 狐型の女性が一人、レェスへと微笑んでいるのであった。
 光を受けると深い赤の色合いを反射(かえ)すその金色の毛並みは、どこまでも強く深い黄金の色合いをレェスに印象付けた。
 高く通って上を向いた鼻頭と切れ長の瞳。しかしながら、黒く潤んで静夜の湖面のような光彩を満たした大きな瞳ゆえに、
そこからは細目の持つ冷たい印象は無い。ウェーブ掛った金の髪を額から後ろへ流した髪型も、そこから一筋垂れた前髪が
そんな瞳の顔(おもて)にかかり、それが彼女の気怠さとそして得も言えぬ妖艶さを演出しているようである。
「…………」
 そんな彼女を前にしばしレェスは言葉を失う。
 しかしながらそれは、けっして目の前のチトノに見惚れているからではない。むしろそれは―『困惑』あった。
―え……? なんでこんな人がいるの?
 その放心の理由をつけるならばそれは、チトノが自分の想像していた『嬢』とは大きくかけ離れた容姿であったからだ。
 今のこの瞬間に至るまでレェスが思い描いていた風俗嬢とは、どれも若く華奢な、あくまで『同年代』の少女たちであった。
しかしながら今目の前に居るチトノは、明らかに自分よりも年配のように思える。
 体つきも然りだ。大胆に露わとされたドレスの胸元そこには、襟元の淵から零れてしまうのではないかと思わんばかりの
乳房が谷間もみっちりとその肉を凝縮している。
 妖艶にくびれた腰元のラインも臀部とのメリハリがきいており、ふくよかな彼女のヒップラインがより大きくそして
艶めかしくその存在感をアピールしているようである。
 斯様にして男好きしそうな体つきの彼女ではあるがしかし……それでも、期待していた風俗嬢象からかけ離れたチトノの
存在は、ただただ今のレェスを戸惑わせるばかりであった。
 そんなレェスの心情を鋭敏に察知すると、
「もー、なぁに? こんなおばさんでがっかりした?」
 チトノは微笑みつつもしかし、チクリとレェスの図星を突く。
 その声に再び我に返されるレェス。
「あ、いえ、そ、そんなッ」
 思わぬチトノからのそれに、さらに慌てふためいて言葉を重ねようとするもそれが泥沼。可哀相なほどに慌てふためいた
レェスの反応はしかし、如実にチトノの言葉を肯定してしまうのであった。
「ふふ。いいのよ、気にしないで。たしかに若くはないもの」
 そんなレェスにコロコロと笑って見せるチトノ。そんな彼女の仕草に、思わずレェスはどきりとする。

403:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:17:22.55 UO71kR42
 純粋に今のチトノを可愛いと思ったのだ。
 そう思うと同時に、いま自分が娼館へと来ていることもまた思い出す。そして目の前に居る彼女こそが、今宵自分の相手を
務めるパートナーなのだと実感した瞬間、
「ん? あら、嬉し♪」
「―え? あ。うわぁー!」
 レェスの体が反応した。
 股間は傍目からも判るほどに怒張して、大きくパンツの前面を突き上げて張らすのであった。
「い、いやコレはッ……その!」
 途端に股間を抑えて腰を引くレェスではあったが、そんな彼にあきれることなく微笑んでチトノはその腕を取る。
「遠慮しなくていいのよ? ここは『そういうこと』をする場所なんだから。むしろ私なんかに反応してくれて嬉しいわ」
 言いながらレェスの頬へと愛情たっぷりに唇を押し付ける。そんな異性(チトノ)からのファーストキスに、完全にレェスは
熱しあがって―そして脱力した。
「さぁ、はやくお部屋に行きましょ♪」
 あとは為されるがままレェスはチトノに腕を引かれ、すぐ傍らのドアを開く。
 自分の身長の倍はあろうかと思われる重厚な装飾のドアをくぐると―目の前に広がった室内の様子にレェスは息を飲んだ。
 体を反らせて見上げるほどに高い天井と、足音を完全に消してしまうほどの柔らかな絨毯の足もと。猫足の椅子やテーブルと
いった調度は、そのどれもが高価そうに見える。
 そんな部屋の中で一際レェスの目を引いたのが、その中央に設置されたキングサイズのベッドであった。
 シルクのカーテンを弛ませた天蓋付きのそれは、まるで絵本の中に出てくる姫や王族が使用するかのようなそれだ。
そしてそんなベッドの淵にレェスとチトノは腰掛ける。
「そういえばまだ名前聞いてなかったね? 君のお名前は?」
「あ、あの……レェス、です」
「『栗毛(レェス)』君、か。ふふ、君にぴったりな名前だね♪」
 まるで恋人同士の会話のよう微笑むチトノではあるがしかし、その行動は徐々に妖艶さを増していく。
 さりげなくレェスの腿の上に這わされた掌が―そっと股間まで伸びた。
「ッ! う、うわ……!」
 パンツ越しに、勃起していた陰茎の先端を包み込まれる感触にレェスは上ずった声を上げる。
 そしてその反応を楽しむよう、チトノは手首を返し、そしてさらには回しては手の平の中央(なか)にある先端をこねる。
「あ、あぁ……もうッ」

404:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:18:05.09 UO71kR42
 今日までの禁欲生活ゆえかそれだけで達してしまいそうになるレェス。そんな彼の反応を前に、チトノは動きを止めて
そこから手を離した。
「えぇ……?」
 そんな突然の『おあずけ』に不安げな視線を向けてくるレェスにチトノも苦笑いに微笑む。
「このまま続けちゃったら召し物を汚しちゃうよ? ちゃんと準備しよ。そのあとは……たっぷりね」
 顔を寄せレェスの耳元でそう囁くと、チトノは愛おしげにその耳介を甘噛みするのであった。
 そこからは職業故か、実に手際良く準備をこなすチトノ。いつの間にかレェスのジャケットを剥ぎ取ると、瞬く間に
その下のシャツやパンツもまた脱がし、たちどころに彼を丸裸にしてしまうのであった。
「わぁ♪ 可愛い顔してるのに、こっちはすごい『男の子』なんだから……」
 そうして露わになったレェスの陰茎を改めて前にし、細めた瞳に期待を輝かせるチトノ。
 興奮からくる緊張に刺激され続けた茎の先端からは夥しい量の線液が溢れ、先細りの陰茎はそれに濡れて赤剥けた全身を
夏の果実のようにぬめらせ輝かせている。
 それ自身が放つ、潮の香りにも似たほのかに塩気を含む茎の臭気に、チトノもまた眠たげに瞼を細める。斯様なレェスの
雄の香に、彼女も発情を促されているようであった。
「じゃ、私も準備するから……ちょっと待っててね」
 言いながらレェスの茎から視線を振りきると、チトノは背筋を伸ばしドレスの背後にあるジッパーへと左腕を
ひねるようにして手を伸ばす。
 ゆっくりとそれを降ろすと、胸部で形を作っていたドレスの胸元が崩れ、重力に引かれた乳房が水風船のような質感で
下に降りる。
 そんな乳房両方を、残った右腕で抱えるようにしてドレスを脱ぐチトノ。肩口が無く、胸部で引き締めることにより
形を維持する構造のドレスは、背のジッパーを解くことでいとも容易く、さながら輪でもくぐるかのよう足元までストンと
落ちて脱げた。
 そうして目の前には裸体に近いチトノがあらわれる。
 豊満な胸元を両腕で抱えるように隠し、股間にはレースを施したシルクのショーツと、同じく白を基調としたストッキングと
ガーターベルト。ドレス姿であった頃には黄金一色に思えた彼女の毛並みが、胸元から股間に掛けては雪原のような
眩い白に変わっている様子にレェスは目眩を覚える。
 美しいと思った。全てが想像を越えていた。ゆえに目の前のチトノにどう対処すべきか悩んだ脳は激しく混乱し、
さらには発奮してはそれらが目眩となってレェスを惑わせた。
 そうして見つめる中、チトノは流し目でレェスを捉えたままこちらへと背を向ける。大きく、そしてふくよかに毛並みの
整った木の葉型の尻尾が、優雅に左右へ揺れる様に目を奪われる。

405:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:30:57.95 UO71kR42
 やがて上体を前へ倒しレェスの前へ尻を突き出すと―チトノは両腰に手を添え、ゆっくりショーツを脱ぎすのであった。
「ん……ん、ッ……」
 固唾を飲み、その光景にもはや呼吸すら忘れてレェスは見入る。
 性の知識など何も知らないレェスであっても、異性の股間そこに対する執着は本能で備わっている。―むしろそういった
知識が無いからこそ、なおさらに妄想をかき立てられ興奮を覚えたのかもしれない。
 半ばまで脱ぎ下ろすと、レェスの前にチトノの臀部が露わとなった。
 乳房同様に豊満な臀部の両房は、裏腿の上に乗り重なってくっきりとその形良い丸みのラインを浮き上がらせていた。
その眺めはまさに『尻』、そしてまさに『女』だ。華奢な若い世代には無い、匂い立つような艶気(いろけ)と体温とを
感じさせずにはいられない体をチトノはしていた。
 そんな豊満な臀部の両房に挟みこまれたクロッチ(股間部)が、もうショーツが大半まで下着が降ろされているにも拘わらず
そこに貼りついて、肝心の部分を隠している。
 やがては腿までショーツのサイドを降ろすとついにはそれもぺろりと剥がれ始める。
 その様にレェスの興奮は最高潮にまで熱し上げられた。
 そして完全にそれが剥がれ、ついに目の前にチトノの全てがさらけ出されたと思われたその瞬間―
「ん? ん、んん?」
 そこが露わになるのと間髪入れず、彼女の尻尾の尖端がそこをよぎる。
 完全にショーツそれは剥ぎ取られたというのに、掃くように目の前を左右する尻尾のせいで未だにチトノの秘所そこを
レェスは確認することが出来ない。
―もうちょっと……あともうちょっとなのに!
 それを凝視するがあまり、ついには体が前に出る。
 鼻先を立てて瞼を細め、ちらつく尻尾のさらに奥底を覗き込もうとしたその瞬間であった。
「ん~……、んッ?」
 そんなレェスの後ろ頭を、突如として何者かの腕(かいな)が絡め取った。
 さらにはそれに引き寄せられて―
「んむ? んんッ? んん~ッ!」
 レェスはチトノの肉付き深い臀部の谷間へと、深々と鼻先を突き立てるのであった。
「捕まえたー♪ この覗き屋さんめ♪」
 そうして掛けられるチトノの声。埋もれる尻の谷間から見上げるそこには、こんな自分へと振り返っているチトノの妖艶な
視線があった。そして同時に、いま自分の首根を絡み取っている物が彼女の尻尾であることも理解する。

406:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:31:33.47 UO71kR42
「たっぷり見ていいからね。匂いもたくさん嗅いじゃって♪」
 今まで焦らしてきた行動とは一変して今度は己からレェスの鼻先に尻根を押し付けるチトノ。さらには首にまわした尻尾にも
力を込めて、よりいっそうにレェスの頭を抱き寄せる。
 一方のレェスはたまったものではない。
「見ろ」とは言われたものの、鼻頭(マズル)がすっぽりと尻の中に埋まってしまったそこからはチトノの背の峰しか望めない。
 しかし一番の問題は、チトノの秘所そこにて呼吸器を塞がれていることと―さらにはそこから感じられる、彼女の
芳しいまでの雌臭それであった。
 唇の先にはおそらくは膣部と思わしき粘液の感触が僅かにある。おそらくはチトノ自身も相当に興奮しているであろう故か、
そこから溢れてくる彼女の愛液が鼻下を伝って、レェスの口中に直接流れ込んできている。
 粘性のその味は塩気を含みつつも、ほのかに酸味と苦みも織り交ぜたような複雑な味であった。とはいえ尿などといった
不快な臭気や舌触りは感じられない。
 しかしながら一番の問題と思われることは、鼻先に当たる器官のこと。
 膣のある口先よりも僅かに上に位置するそこは、何物でもない『肛門』それであろう感触とそして匂いとがあった。
言うまでもなく排泄に使われるその器官は、性知識においてまったく無知であるレェスであっても一嗅ぎでそれと判る
存在感を醸している。
 そんな器官に鼻先を押し付けられているのだ。本来ならば嫌悪を抱くであろうはずがしかし―
「ん、んん………んむんむ」
「きゃあッ? なぁに、そこー?」
 押し付けられるチトノの臀部を両手でワシ掴むとレェスはよりいっそう鼻先を押し付け、さらには伸ばした舌先にて
肛門そこへの愛撫を始めたのであった。
 正体の判らぬ膣よりも、なまじ馴染みのある肛門の方がよりリアルに性的なイメージをレェスに働かせたのだ。
 鼻孔には苦みばしった独特の匂いが充満している。言うまでもなくそれは胆汁のそれであり、悪く言うのならば
糞汁でもある匂いではあるのだが、
「ん、ん、んむ……」
 この状況とそしてその相手が誰でもないチトノとあってはむしろ、そんな器官に禁忌感(タブー)すら強く孕んだ
興奮を憶えてしまうのである。
「もー。初めてのエッチでお尻の穴を舐めまくっちゃうなんてヘンタイすぎるよー? いけない子なんだから」
 そう言ってレェスを諭すチトノであはるが、上気して熱しあがった表情からはその言葉通りの嫌悪感は微塵として見られない。
 むしろそれをさらに望むかのよう、

407:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:32:01.53 UO71kR42
「そんな悪い子にはお仕置きしちゃうんだから♪」
 よりいっそうにチトノは自分のアナルそれをレェスに押し付けて、その顔を臀部の谷間へと埋めさせるのであった。
 それにより完全にレェスの呼吸器がふさがれる。その段に至ってさすがに我へ返り慌て始めるレェスではあるが、
いかんせん発音器である口元も塞がれている状況とあっては、それを声にして伝えることも叶わない。
―く、苦しい……チトノさんッ、窒息しちゃうよ!
 臀部をワシ掴み、必死にマズルを抜き取ろうと抗うものの、
「あん、すごいよぉレェス君ッ。もっとしてぇ!」
 それを愛撫に感じてしまっているチトノは、そんなレェスの緊急事態に気付くことなく一人ヒートアップしていく。
 そして、
「すごいぃ! 初めてなのにレェス君にイカされちゃう。レェス君、レェス君ッ! ―ん、んんぅ……!」
 よりいっそうに首根へまわした尻尾に力を込めて、尻全体でレェスを抱きしめた瞬間―チトノの絶頂と共に
レェスからも力が抜ける。
「はぁはぁ……ふぅ。上手じゃない……すごく良かったよ、レェス君」
「………」
「―ん? レェス君?」
 いざ我に返り、相手であるはずのレェスから何の反応も無いことにいぶかしむチトノ。
 そうして恐る恐る振り返るそこに、すでに顔のほとんどを臀部の中に飲み挟まれて白目をむいているレェスを発見し、
「きゃー、またやっちゃった! レェス君ッ、レェスくーん!」
 チトノは慌て尻尾に込めていた力を解くと、抱き上げたレェスの頬を叩いて彼を解放するのであった。









408:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:33:17.12 UO71kR42
【 3 】

 気怠さを憶えて覚醒すると―レェスは天井と思しきそこをぼやけた視線で見上げ、そしてため息をついた。
「……夢?」
 思わず呟いてしまう。
 貴族の住むような屋敷で絶世の美女のお尻に挟みこまれて窒息した―記憶にある今までを振り返るのならば、夢と
思えても不思議ではない。むしろそんな現実の方が、よっぽども夢物語じみているように思えた。
 故にそれらはすべて夢だったのではないかと考える。そう考えた方がつじつまも合うというものだ。
 そもそもこんな体験が現実であるという『証拠』はどこにも―
「あ。目、さめた?」
「ッ! ち、チトノさんッ?」
 その『証拠』が突如として視線に入ってきた事にレェスは両肩を跳ね上がらせる。
 そうして起き上り、見渡すそこはベッドの上―そして傍らには全裸のチトノ。全ては紛う方なき『現実』であったことが
証明された。
 途端に自分が意識を失う瞬間のあの、生々しいやり取りもまた思い出して、
「わぁ、元気だね♪ 安心したー」
 レェスの茎は再び高く堅く屹立して、天を向くのであった。
 しかしながら一方の本体(レェス)はというと、そんな自身の体の反応とは裏腹に未だ混乱から脱しきれていない。
「あ、あのさ……これからどうしたらいいの?」
 つい尋ねてしまう。とはいえしかし、レェスにとっては重要な問題だ。現状を把握したからと言って、童貞のレェスには
今後自分がどのような行動を取ったらよいものか見当もつかないのだから。
 そしてそんなレェスの不安もまた知るからこそ、
「大丈夫だいじょーぶ。お姉さんに任せて寝てればいいのよ」
 片や百戦錬磨のチトノはそんなレェスを愛おしげに抱きしめるのであった。
「私がリードしてあげるから、レェス君は気楽にしてて。そのつどでやりたいこととか思いついたら言ってよ。何でも
応えてあげるから♪」
 言いながら見つめ、そしてレェスの体の上に乗り上げてくるチトノの瞳が妖しい光を宿す。言うまでもなく発情しているで
あろう彼女の様子を察した次の瞬間には、チトノの唇がレェスの口唇を塞いだ。
 口先を噛みあうようにし、侵入させた舌根を幾重にも絡ませ合いながら施されるチトノのキスに、次第にレェスの頭にも
靄がかかってくる。

409:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:33:48.96 UO71kR42
 ひとしきり互いの唾液を味わい、レェスも脱力して再びベッドの上に横たわると、いよいよ本格的なチトノの奉仕が始まった。
 唇を離れた口唇は舌先でレェスの体をなぞりながら下降していく。快感を伴いつつも憶える強いこそばゆさにレェスは
低く声を殺しては身をよじらせる。そんな反応を楽しむようチトノも舌先で穿つ力らを強めると、レェスが苦手であろう
腹部の周辺をより丹念に愛撫するのであった。
 一頻りそうして愛撫をすると、ついにチトノの唇は下半身そこに辿りつく。
「あ、あぁ………」
 チトノを見守るレェスの視線は、次に彼女が起こすであろう行動を予想して、奉仕する彼女へとくぎ付けになる。
 そして期待通りにチトノの舌先は―赤剥けて反り返った陰茎の腹を舐め上げるのであった。
「んッ、うわわ……ッ!」
 剥きだされた粘膜をさらに別の粘膜が触れる感触と熱にレェスは上ずった声を上げる。
 今はまだ快感よりもくすぐったさの方が勝った。その感覚に耐えかねる体は何度も痙攣しては、会陰と肛門との縮小を
小刻みに激しくさせる。
 そんなレェスの反応にチトノも心得たもので、舐め上げていた舌先は先端まで昇り上がるとさらにそこから折り返して、
今度はペニスの背へと降り始める。そしてその流れのまま自然に、チトノはレェスの茎全てを口中に収めた。
「あッ、っくうぅ……ッ」
 その瞬間、さらなる痛痒感がレェスの体を奔る。
 舌先で一部箇所だけを責め立てられていた時とは違い、今度はペニス全体があのこそばゆさに包まれていた。
 ゆっくりとチトノの口唇がそれを飲みこんでいく。茎の背に当たる前歯の感触に震え、さらにはその深部に辿りつき咽喉の
奥底へペニスの尖端が触れると、今度は唇とはまた違った粘液の締め付けに絡め取られて、レェスはその感触に体を
のけぞらせるのであった。
 臍の奥底がキュッと締まるような感触にレェスは射精が近いことを意識する。
 そしてこのまま果てたいと思ったその矢先―
「ん、ん……ん~、っぷは」
 チトノは強く引きずり出すかのよう吸いつけた口唇を引き上げると、口中からレェスのペニスそれを解放してしまうのであった。
「あッ……そんなぁ」
 そんなチトノの行動に対し、露骨に悄(しょ)げた表情を見せるレェス。その様はまさに、おあずけ受けた仔犬そのものだ。
 しかしながらそこはプロ。チトノとてそんな相手の機微は知り尽くしている。レェスが絶頂に達せようとしているのを察知し、
あえて愛撫(フェラチオ)を止めたのであった。
 泣きそうな表情のレェスに微笑んでみると、

410:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:34:15.11 UO71kR42
「このぐらいでイッちゃうなんてもったいないよ。もっともっと楽しんで」
 そう言ってチトノは、M字に膝を立てさせたレェスの両足を肩に担ぐようにして、その下へ自分の上半身をもぐりこませる。
 そうして目の前に露わとなった会陰へと、
「う、うわわッ?」
 再びチトノは舌先を這わせるのであった。
 舌先で強く押し付けるような刺激は、今までの口中で包みこむかのようだった柔らかい愛撫とは対極のものである。
それでもしかし、そこへの箇所の責めは体内の奥底にあるレェスの前立腺を強く刺激してなんとも直接的な快感を与えるのであった。
 しばしそこらをこそぐよう上下に愛撫していた舌先は、やがてぬるぬると下降していく。そしてチトノの舌は、
「ッ? ひゃあ!」
 レェスの肛門の淵をなぞる。思わぬ箇所への愛撫にレェスもまた声を上げる。
「ち、チトノさんッ。そこ、お尻だよ?」
「知ってるわよー、なぁに今さら♪ さっきはレェス君だって、私のお尻をたくさん舐めてくれたじゃない」
 そう言われてレェスは何も返せなくなる。浅はかにも過去の自分の行動が今、自分を責めている。
「もうさ、今夜は私達の間じゃ『汚い・恥ずかしい』は無しだよ。だから安心して♪」
 さらにはそう微笑まれてしまうともはや、レェスは一切の抵抗を封じられてしまうのだった。
 やがて呟くよう「お願いします」と伝えると、レェスは観念してベッドに倒れ込む。
 そんな彼をなんとも思惑のこもった笑顔で見届けると、
「たくさん気持ち良くしてあげるね」
 チトノもまた愛撫を開始するのであった。
 肛門の淵をなぞるように舌先は這っていく。時おり奥窄まったアナルの中心へと舌先が伸びると、そこに感じる暖かな
感触にレェスは身を震わせる。やがてはそんな舌先も、次第に肛門そこを掘り穿つような強い愛撫へと移行していった。
「あ、はあぁ………」
 途端に熱がそこに感じられた。
 舌先の粘膜がぬるぬると肛門の中に侵入してくると、そこを中心にしてヌルリと暖かい感触が広がって、レェスは
強い快感を感じるのであった。
 しばしそうしてレェスのアナルそこを愛撫していたチトノが不意に口を離す。
「そろそろチンチンの方も気持ち良くしてあげるね」
 そう言ってレェスの両足の上に胸元を乗り上げたかと思うと、屹立する彼の陰茎それを豊満な両乳房で挟みこむのであった。
 見下ろす股間そこに乗り上げたチトノ―そんな自分の性器それが彼女の豊満な乳房二つによって埋もれている。

411:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:34:46.65 UO71kR42
 ツンと上を向いた形の良い乳房が、今はレェスの体の上に押しつけられることで楕円にその形を歪ませていた。
そんな彼女の巨乳ぶりを改めて再認するその眺めは圧巻するばかりである。
「ふふ、すごいでしょー♪ じゃ、始めてあげるね」
 見下ろすレェスの凝視に気付いて、上目づかいにウィンクを返してくるチトノにレェスは大きく胸が高鳴る。純粋に
今の彼女を可愛いと思った。
 しかしそんな想いに心なごんだのも束の間―次の瞬間、脳天に突き抜ける刺激にすぐにレェスの淡い思いは吹き飛んだ。
「あ、うわぁッ?」
「んふふー♪」
 胸の谷間に置いたレェスの陰茎を左右から乳房で押し挟んで圧迫した瞬間、茎全体を包み込んだ肉圧とそして
体温の感触にレェスは情けない声を上げる。
 乳房にて包まれ圧迫されるその感触は、先に受けたチトノの口取りによる圧迫感とはまた違った感触をレェスに与えていた。
 しかし刺激はそれだけではない。
「動くよー?」
「……え?」
 包み込んだレェスの陰茎が零れてしまわぬようしっかりと乳房を左右両脇から手の平で持ち抑えると、
「わぁ、わあああぁ!」
 チトノは己の乳房で扱くようにしてレェスの茎を愛撫し出すのであった。
 これまでの愛撫とは打って違い『動き』のあるそれにレェスは戸惑わずにはいられない。多少の騒々しさはあるものの、
今まで貞淑に接してきてくれたチトノがこんなにも激しく奉仕をしてくれる姿はそれだけでレェスには衝撃的であったりする。
 それでもしかし一番の衝撃は、いま現在ペニスに対して与えられている未知の快感それだ。
 先にも述べたようフェラチオの時とは全く違った、『肉圧で扱く』という刺激―しかしながら今レェスが感じている
快感は、そんな豊満な乳房の肉圧だけによるものではなかった。
 それこそは―
―うわぁ……さらさらのむね毛が気持ちいい……
 首元から胸元に掛けて生い茂る、チトノの白い毛並みに包みこまれる感触それであった。
 柔らかく細やかな内の毛並みはシルクさながらの肌触りを感じさせるようである。それが乳房の体温で温められ、
さらには潤滑の為にそこへ流されたチトノの唾液と混じってぬめりを帯びるや、その快感は口中でされていた粘膜のそれに
勝るとも劣らない快感をレェスに覚えさせるのであった。
 そんな乳房の合間から、時おり頭を出すペニスの尖端へとチトノは丁寧に、そして愛情たっぷりに唇や舌先を這わせて愛撫する。

412:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:35:18.19 UO71kR42
「どう? オッパイ気持ちいいでしょー? 自慢なんだから」
「う、うん、気持ちいい。でも……」
「うん? 『でも』?」
「でも、チトノさんの毛並みが気持ちいい。サラサラでふかふかで、すごく気持ちいいッ」
 そんなレェスの告白にその刹那、チトノは動きを止めて目を丸くする。
 しかしそれも一瞬のことすぐにその表情へ笑みを取り戻すと
「……お目が高いんだから。レェス君は」
 否、前以上に淫らでたくらみに満ちた妖艶な笑顔(ひょうじょう)で呟くようにそう言うと―チトノは挟みこんでいた
乳房の拘束からレェスを解放してしまうのであった。
「えッ? もう終りなの?」
 そんな中途半端な幕切れに不安の声を上げるレェスではあるがしかし、
「もっと良いことしてあげるよ」
 そんな彼の上によじ登って顔を近づけると、その耳元でそんなことを囁いてからチトノは強く唇をレェスの頬へ吸いつけるのであった。
 やがて再び乳淫の時と同じポジションに戻ると、チトノは依然として屹立したレェスの茎へと口づけしながら、
己の尻尾をその前に持ってくる。
 改めて見る彼女の尻尾に生唾を飲み込むレェス。
 透明感のある毛質に見惚れた。
 遠目でもはっきりと毛並みの色艶が判るそれではあるが、こうして間近で見ると尻尾それ自体が光を放っているかのように眩い
。その形も竿の中程でふくよかに膨らみを持ち、稲穂さながらの色合いと相成っては、なんとも豊穣で大らかな
チトノの魅力を体現せしめているかのようである。
 そんな尻尾を手に握り、弄ぶよう左右へさらさらと揺り動かせていた彼女であったが、やがてはそれを見つめる
レェスに妖しく微笑んだかと思うと、
「これは特別な人にしかしない技なんだからね♪」
 そう言ってチトノは―その尻尾をレェスのペニスへと巻きつけるのであった。
「ッ!? うわぁぁ!」
 その感触にレェスは針にでも刺されたかのような声を上げる。
 チトノの尻尾―その毛並みで包み込まれるという感触は、粘液にまみれていた口中とも、はたまた肉圧に挟まれていた
乳房ともまた違う衝撃をレェスに与えた。細やかで柔らかな毛並みの一本一本が余すところなくレェスの陰茎を
包み込む密着感は、先の二つの愛撫には無かった新しい感覚である。

413:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:35:44.36 UO71kR42
「ふふふ。これくらいで驚いてちゃ困るわよ♪」
 そんなレェスの反応を楽しみながら、チトノは包み込んでいた尻尾を上下に揺する動きを始める。
 それによってレェスの茎がチトノの尻尾によってしごかれ始めた。
 レェスの線液とチトノの唾液とを絡ませた彼女の尻尾が、その粘液を取り込んでより緻密にレェスのペニスに絡まりつく。
その感触たるや、もはや『毛並みで包み込む』などという表現では言い表せられないほどに複雑で、それでいて純粋な
快感を与えてくれるのであった。
 ついには、
「あ、あうぅ……チトノさぁん、もう……」
 絶頂を迎えようと喘ぐレェス。ここまで何度も焦らされてきたせいか、もはや射精の限界を堪えることなど出来ない。
「うん。いいよ、レェス君。私の尻尾の中にたくさん出して」
 そんなレェスの反応を確認し、チトノもまたよりいっそうに尻尾で扱く行為を激しくさせる。
「あ、あぁぁ……チトノさんッ」
 そして毛並みに包まれていたレェスのペニスが、一際深く尻尾の中へと打ちこまれたその瞬間、
「んッ、んんぅ……ッ!」
 ついにレェスはチトノの尻尾の中へと射精して達するのであった。
「あはぁ、出たぁ♪」
 一人でする時のいつも以上に茎は跳ね上がり、会陰は激しく痙攣して精液を送り出す。まるで尿道がいつもの倍にも
膨らみあがったかのような錯覚を覚えるほどに強くそして大量に、レェスはチトノの尻尾へと射精するのだった。
 そうして最後の一滴まで出しつくすと――レェスは深くため息をついてベッドに沈む。
「すっごい出たねー♪ 尻尾の中がヌルヌル」
 言いながらレェスの茎を解放すると、チトノは根元から握りしめた自分の尻尾を上に向かって絞りあげていく。
 見守る中、尻尾の尖端に白い水球がいくつも浮き上がったかと思うと、チトノの握り拳が昇るのに合わせて大量の
精液それが尻尾の先から溢れ出る。その色合いとさらには絞り器(ホイップ)を彷彿とさせる彼女の尻尾の形と相成っては
さらながら、生クリームを絞り出しているかのようだ。
「ほぉら、こんなに」
 そうして絞りあげ、そんな手の平いっぱいの精液を自慢げにチトノは見せたかと思うと―次の瞬間には
その掌の杯を煽り、チトノはレェスの精液を飲みほしてしまうのだった。
「あ……飲んじゃった、の?」
 その様子を信じられないといった様子で眺めるレェスと、一方で手の平に残った精液の残りを愛おしげに舐めて拭うチトノ。

414:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:36:20.48 UO71kR42
「うん。飲んじゃったよ♪ 濃くて匂いがきつくて、すごく美味しかった」
 そう言ってほほ笑む彼女にレェスの胸は大きく高鳴る。もはや頭の中はチトノでいっぱいだ。体だって今しがた射精したばかりだというのに再び、痛いくらいに勃起して反応している。
「チトノさん……今度は、オレがやっちゃダメかな?」
「ん?」
 気付いた時にはそんなことをチトノに聞いていた。
 もちろんその言葉の意味は、彼女への愛撫を自分も施したいという意味ではあるのだが―奥手の自分がそんな
積極的になれていることに、レェスは自身に対して驚きを隠し得ない。
 そしてならば開き直ってしまおうとも思い、
「オレも、チトノさんの体に触りたいんだ。その……いじったり舐めたりとか、さ」
 レェスはそんなことを懇願する。―それでもやはりその告白は恥ずかしくて、言葉の語尾はしぼむように小さくなって消えた。
 しかしそんなレェスの申し出を一番喜んだのは、
「いいよッ。ううん、むしろいっぱい触って。私も、レェス君に触れてほしいよ」
 誰でもないチトノであった。
 少女のように表情を輝かせ、レェスの上に乗り上げると愛情いっぱいのキスをチトノはその頬へとする。その仕草は
若い世代の男女がするような初々しい恋愛のようである。
 やがて起き上るレェスと入れ替わりにチトノはベッドへと横たわり、今度は彼に対して体を開く。
「お願い、レェス君。私も気持ち良くして」
 そしてそうお願いをして微笑むチトノ。
 そんな彼女の肌に、
「い、いきますッ」
 レェスは今、そっと手を触れるのであった。






415:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:37:05.21 UO71kR42
【 4 】

 手の平が被さるようにチトノの乳房の上に置かれた。
―さ、触った……! オッパイに、初めて!
 しばしそのまま正面から押すだけの遠慮した愛撫を続けるレェスではあったが、次第に気持ちが落ち着いてくると徐々に
その掌をすぼめ、今度は触れていただけの乳房をしっとりと握り包む。
「あ……ん」
 ジワリと手の平に彼女の体温が広がると、得も言えぬ弾力もまた指先に伝わった。
 チトノの乳房そこはレェスが想像していたものよりもずっとしっかりしていてそして弾力があった。柔らかではあるが、
そこにはけっして見た目の大きさにかまけただらしない弛みなどはない。この大きさでありながら崩れることのない
張りと弾力とが、美しく彼女の乳房を形成しているのだ。それゆえに手の中に感じるその揉み応えはただ触れている
というだけで再び、滾らんばかりの射精を予期させん情欲をその胸の内へ沸きあがらせる。
 このまま優しく触れていたいと思うのと同時に、力のままに握りしめて壊してしまいたくもなる――斯様にして
表情豊かなチトノの乳房は、実に様々な妄想を彷彿とさせてくれるのだ。
 そんな魅惑の乳房に対してレェスがとった次の行動は、
「あ……んふふ。いけない子」
 両手それぞれに乳房を納め、その先端の片方にレェスはしゃぶりつく。
 唇を立てて乳房それを強く吸いつける。口中に含むとかの乳房はまた、手にしていた時とは違った姿をレェスに感じさせた。
 大らかな房の壮観にまぎれて見逃しがちではあるが、いざ口に含むと彼女の乳首もまた大きく形のしっかりしたもので
あることが判る。吸いつけるほどにそれは肥大して、もはや小指に劣らぬほどの大きさと形とをレェスの口に中で形成していた。
 その大きさがまた心地良いのだ。
 舌の上に感じられる乳首の存在感はなんとも心の安らぎを憶えさせてくれる。そんな乳首を口中で愛撫していると、
ほのかにミルクの甘みが舌の上に広がった。
 実際は彼女のそこから母乳が滲むなどということはない。それこそは赤ん坊のころの記憶の再生ではあるのだがしかし、
それでもレェスはさらにそれを欲して吸いつける口の動きを激しくしていく。
 強く吸いつけて鼻先を乳房の中に埋め、しまいには大きく開いた口中全体でチトノの乳房ごと口の中に含むのであった。
 そんな愛撫に夢中になっているレェスへと、
「こーら、レェス君。牙が当たってるよ」
 チトノは微笑みながらに言い諭して、抱き込んだレェスの後ろ頭を撫ぜる。

416:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:37:48.62 UO71kR42
「―む? あ、ご、ごめんなさいッ」
 その声に我に返りチトノの乳房を解放するレェス。見れば均整だったチトノの乳房の上には自分の歯型がくっきりと
残ってしまっていた。
「ごめん、つい夢中になっちゃって。……痛かった?」
「ううん、大丈夫。レェス君すごく可愛かったよ♪ 何の気なしに声掛けただけだったんだけど、正気に戻っちゃったんだね」
 謝るレェスに対し、どこか残念そうに微笑むチトノの表情はどこまでも和やかでそして暖かである。おそらくは
チトノもまた、自分の乳房を吸うレェスに母性を刺激されていたのであろう。
 ともあれそこから仕切り直す。
 ベッドに横たわり、そこから後ろ肘をついて体を起こすと、チトノはレェスを前に両膝を立てて腰を上げた。
 そしてM字に形作った両足が、目の前であられもなく広げるられると、
「うわぁ………」
 そんなチトノの股間の前に、四足(ケモノ)のよう身を伏せてレェスは鼻先を近づける。
 尻尾やむね毛以上に柔らかく細やかな毛並みで包み込まれた彼女の膣部―閉じ合わさったスリットからは
大陰唇のひだが僅かにその頭をのぞかせていた。そんな一枚をレェスは右の指先で摘みあげる。
「ん……くふ……」
 さらには左のそれもまた同じように摘みあげると、レェスはそれをゆっくりと開いていった。そしてそれは完全に
その包みを解かれたその瞬間、そこで堰止められていた愛液が吹き出すように溢れて零れだした。
 ぬめりを帯びて艶やかに肉圧の身を凝縮させた膣内は、部屋のほのかなランプ光に当てられて妖艶な輝きをレェスの目に
反射(かえ)している。
 そこから醸される芳香もまた蟲惑的だ。
 潮を思わせる塩気と果実のような酸味を思わせるほのかな香の中に、肉の持つ血の匂いが生々しく混じり合って
レェスの頭を痺れさせる。
 それこそはまさにフェロモンだ。けっして人口では作り出すことの出来ない、獣としての本能を刺激するそれに中てられて、
レェスは誘われるようチトノのそこへと口づけをした。
 膣口に舌先を這わせるとその一瞬、それが触れる感触に反応して内壁の肉は僅かに収縮してその身を縮こませる。
そんな動きにレェスは、
―この肉でベロを包まれたらどんな気分がするんだろ?
 この膣内の中に舌全体を埋めたい衝動に駆られた。
 一度考えだすともう、その衝動は止められない。

417:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:38:34.71 UO71kR42
 立てられたチトノの裏腿をワシ掴んでより深く体を前に出すと、レェスは彼女の膣口そこを口先で覆い、その内部へと
深く舌を侵入させるのであった。
「あ、ふぅん……あったかい。レェス君のベロが入ってくる」
 その動きに湿った声を漏らして反応するチトノ。彼女もまた股座にあるレェスの後ろ頭に手を添えると、より深く
彼の愛撫を受けようとその頭をかいぐる。
 そんなチトノの助けも受けてレェスの舌はどんどん深く彼女の中へと入っていった。
 舌上にはほのかな塩気と苦みが広がってレェスの頭を痺れさせる。さらにその味わいを求めようと首をかしげ、膣内での
舌を反転させた瞬間、
「んんぅッ。ひねっちゃダメぇ!」
 奥底で跳ね上がった舌の尖端が、チトノの快感部位を刺激した。それを受けて一気に熱せ上げられた体は、放尿のよう
愛液を吹き上げさせレェスの口中を、そして鼻孔にそれを満たす。
「ん……んん……」
 舌を挿入している口中はもとより、鼻の中にまで満ちる彼女の体液にレェスは目眩をおぼえる。
 呼吸器を塞がれることによる酸欠ではない。それこそは彼女の発情に自身もまた同調しているからだ。止めどなく溢れ
続ける愛液に鼻孔と口中とを満たされて、今やレェスの呼吸器そのものがチトノの膣と一体化しているかのような錯覚を
憶えていた。斯様な同調(シンクロ)を得て今や、彼女の興奮や快感がまるで自分のことのように感じられるのだ。
 二人は今、心と体とを完全に共有しあった存在となっていた。
「レェス君……もう欲しいよ。レェス君のおチンチン欲しいよぉ」
「うん。オレも……オレも、チトノさんに入れたい」
 どちらが言い出すでもなく二人は言葉を紡ぎ合うと、示し合わせたかのよう見つめ合い、そして自然と口づけをかわす。
 ついばむよう小さな音を鳴らしながら何度も互いの唇を味わいながら、チトノは体を起こし四つん這いにレェスへと尻を
突きだす。
 それを前にレェスも目の前に晒された臀部を両手で握りしめ、乗り上げるようにチトノの背に覆いかぶさる。
 性知識に関しては全くの無知であるはずのレェスではあったが、チトノの背に乗りあげるその動作には一切の迷いは無い。
この体位こそは、人以前の『獣』であった頃からの本能でレェスは知り得ているのであった。
 チトノもまたそんなレェスの重みを背で感じながら伸ばした右掌を彼のペニスに添え、それを己の膣へと導く。
 そして開ききったチトノの膣口にペニスの尖端を宛がいついには―

418:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:39:19.66 UO71kR42

「くッ……あううぅんッ」
「あッ……は、入ったぁ……!」

 ついには、レェスはチトノの膣(なか)へと挿入を果たしのであった。


【 5 】

 かくして念願の童貞卒業を果たしたレェス。―ではあったが、その心境に喜びや達成感は微塵として無かった。その時の
レェスはとても、そんな感傷にふける余裕など持てるような状況それどころではなかったのだ。
―ち、チンコが無くなった……!
 陰茎全体を包み込む未知の感触それに戸惑うレェスには、今の挿入にただただ震えるばかりだ。
 ぬめりを帯びた膣の内壁にむき出しの粘膜(ペニス)を包み込まれているのだ。激しいこそばゆさが茎一点に集中するかの
ようなその未知の感覚に、とてもではないがレェスは何か考えることなど出来なくなっていた。
「ふふ、どうレェス君? ドーテー卒業できた感想は」
「は、はわわぁッ。う、動かないでぇ、チトノさん!」
 膣(はら)の中にレェスを感じながら腰をくねらせるチトノに、対照的にレェスは悲鳴に近い声を上げる。
 もはや今、この陰茎を包み込んでいる感触が快感かどうかすらも判らない。ただ今は、少しでも気を緩めたら達してしまい
そうになる痛痒感それにレェスは堪えるばかりであった。
「もー、レェス君ったらー。動かないと気持ち良くなれないよー?」
「わ、わわわッ、あうあう……。で、でもさぁ、こんなので動いたらすぐにイッちゃう……ううう」
 チトノからの叱責にレェスも己の甲斐性無しを呪わずにはいられない。とはいえしかし、それを責め立てるチトノもまた、
充分にレェスの現状を知りつつそんな言葉を投げかけている訳でいたりする。ようは今の状況を楽しんでいる訳だ。
 やがては、
「すぐにイッちゃってもいいのにー? ……だったら、私だけ楽しんじゃうんだから♪」
 鹿爪らしく言って微笑んだかと思うと、チトノは尻尾を振るような要領で尻根をこねて、自らレェスの腰元へと臀部を
打ち付けるのであった。
「はわわわ! だ、ダメ! くすぐったい! オシッコ出るー!」
「出しちゃえ出しちゃえ♪ それそれー♪」
 その動きに耐えかねて腰を引くレェスを追いかけるよう、チトノもさらに尻を押し付けてその跡を追う。

419:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:39:48.22 UO71kR42
 そうして逃げるレェスを追うを繰り返すうち、ついにレェスは腰砕けて仰向けに倒れる。そんなレェスの上に、
「んふふー、登頂ー♪」
 チトノは騎乗位に乗り上げて、背中越しにレェスを見下ろすのであった。
「さぁ、これでもう逃げられないよぉー。たくさん動いちゃうからね♪ ―よいしょっと」
「あ、あわわわッ、捻じれるぅ!」
 乗り上げたレェスの腰の上、依然として繋がったままのチトノは正面から彼を見下ろせるよう尻を回し体位を変える。
そうして改めて見下ろすそこに泣き出しそうな表情のレェスを見つけ、
「……可愛い。本当に可愛いんだから」
 チトノは上体をたおらせてレェスと胸元を合わせると、今まで以上に深く口づけを交わすのであった。そうして何度も
舐り尽くしてレェスの唇を味わいながら、チトノは挿入されている腰元を上下させていく。
「ん、んんッ! んー!」
 その動きに刺激されて判りやすいほどに腰元を跳ね上がらせて陰茎の痙攣を激しくさせるレェス。今度は先の後背位のよう
腰を引いて逃げることは叶わない。そしてそれを知るからこそチトノもまた、
「ほらほぉら。気持ちいいでしょー? 気持ちいいよねー、レェスくぅん♪」
 母犬が我が子を愛撫するよう何度もレェスの頬や鼻頭に舌を這わせて腰の動きを激しくさせる。
 一方のレェスはすでに限界が近い。否、もう自分自身では今の限界を見失っている。
 陰茎に力を込め過ぎるがあまり肛門はその内へ窄むほどに締まり上がり、ペニス全体は鼓楽器のスネアさながらに
小刻みな痙攣を以てチトノの膣内で何度も跳ね上がり続けた。
「も、もうダメ……漏れるぅ……ッ」
 そしてついにその時は来る。
「イクの? レェス君、イッちゃう?」
 息も絶え絶えに漏らされるそんなレェスの反応に、チトノも打ち付ける尻根をより激しくしてその時を迎えようとする。
「イッて。イッていいよッ。たくさん出して。私を妊娠させるくらい出して♪」
「あうぅ………ッ」
 そして一際深く腰を打ちおろし、チトノの奥底にある子宮口が吸いつくよう尖端を啄ばんだその瞬間―レェスは
ありたけの精をその膣(なか)に放出してしまうのだった。
「あん、熱ぅい……ッ♪」
「あ、あ、んあッ……」
 チトノの膣の奥深くにペニスを咥えこまれて射精をするレェス。しかしながら突き当りとなる子宮口の収縮に合わせて
射精しているに至っては、それはレェスが自律的に行っているというよりはむしろ、チトノによって絞り取られている
といった方が正しいともいえた。
 事実レェスは今、

420:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:40:54.93 UO71kR42
―あぁ……バカになる……バカになっちゃう………。
 一跳ねごとに尿道を通る精液の奔流を感じながら、今までに体験したこともないほどの量の射精と快感を実感しているのだから。
 そんな依然として射精の続くレェスのペニスを咥えこんだまま、ようやくチトノもその動きを止める。やがて
射精の切れを確認し、完全にレェスのペニスがその動きを止めるのを確認すると、チトノはゆっくりと上体を置きあがらせ
大きく息をつくのであった。
「いっぱい出たねぇ。気持ち良かった?」
 依然として上気した表情で見下ろすも、大きく呼吸を弾ませたレェスはただ泣き出しそうな視線を向けるばかりである。
「何も答えられない? んふふ、すごかった? ふふふ♪」
 そんな視線を受けて一方のチトノは満足そうだ。立ち膝になってようやく自分の膣からレェスのペニスを引き抜くと、
水の沸くような粘性の水音と共に放出された精液がそこから漏れて内腿を伝った。
「うわ、すごーい。こんなに出して貰えたのって久しぶりー♪ やっぱ若いっていーねー」
 その眺めに喜びの声を上げると、チトノはそこに伝う精液それを指先でぬぐいさらには咥えて己の愛液と混ざり合った
それを味わい堪能する。
「んふふ、エッチな味ー。……ねぇ、まだイケる?」
 そうして本日二回戦目となるおねだりを、色気たっぷりの流し目に乗せて伝えるも、
「はぁふぅ、はぁふぅ……ッ」
 肝心要のレェスは、依然として仰向けに寝そべったまま返事すら出来ない有様であった。
―お口でも一回抜いちゃったしもう無理かなぁ……
 そんなレェスの様子にチトノもまた諦めかけたその時であった。ふと立ちあがる内腿に何か当たる感触を感じて視線を落とす。
見下ろすそこにあったものは―何物でもない、堅く屹立したレェスのペニスであった。
「わぁ、すごいッ。素敵ー♪ まだイケるじゃない」
 その様子に声を明るくして喜ぶチトノではあったが、一方のレェスはというと未だに大きく胸元を上下させて呼吸を
弾ませるばかり。チトノの言葉に反応している様子は見られない。
 おそらくは極度の緊張状態にあるが故の生理現象であると思えた。けっして性的な興奮を憶えているからではない。
 しかしながらそんなこと発情してしまった雌(チトノ)には関係ないもの。勃っている物は親でも使うが信条だ。
「それじゃ勝手に私が楽しんじゃおうかな♪」
 言いながら再びレェスの上に跨り直し、屹立した茎の尖端を秘所へと誘うチトノ。
「ふふふ、今度はもっとすごい所に入れてあげるね」
 そしてイタズラっぽく微笑んだかと思うと、チトノは一気に腰を落として再度の挿入を果たした。
「はぁはぁ……、んッ!? うわわッ?」
 再び茎を包み込んだその感触にようやくレェスもまた覚醒して声を上げる。

421:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:41:25.11 UO71kR42
 しかし驚きの声を上げたのは、急な挿入に驚いたからではない。いま陰茎全体を包み込んでいる感触が、今までの
膣の物とは明らかに違ったものであったからだ。
 先程までペニスを包み込んでいた感触は、どこまでも柔らかくて暖かなものであった。故に挿入を果たした瞬間には、
そのあまりにもソフトな感触に茎の境界を見失ったほどである。
 しかしながら今、この身を包み込む感触は明らかに違った。
 ペニスを包みこんでいる今のそれは、堅く弾力に富んでいて、それでいて焼けるように熱い。感触としてはチトノの
口唇にて口取り(フェラチオ)されていた時と感触が似ているが、それ以上にきつく締めつけて、なおかつ粘液のネバつく
ような感触を憶えていた。
「な、なに? ……なんなのぉ?」
 そんな感触に驚いて首を持ち上げるレェス。しかしながらそこから見つめる眺めは、つい先ほどまでの騎乗位に挿入されて
いた時と変わらないように思えた。
「ふふふ、これじゃ判りづらいかな? それじゃあさ、これならどう?」
 レェスの困惑した表情をこれ以上になく楽しそうに見つめながらイタズラっぽく微笑んだかと思うと、チトノは再び腰を
上げて密着して居た腰元を離していく。
 ペニスの中程が見えるまで腰を上げると、チトノは関取の四股さながらに両足をガニに開いた露わな格好となる。そんな
チトノの、下品ともとれる姿勢になぜかときめきを憶えてしまうレェス。
「ほっほっ、と♪」
 曲げた両膝がしらの上に左右それぞれの掌を突いたまま、チトノは体を回しレェスの体をまたぎ直す。
 そうして同じ騎乗位ながらも、その背を完全にレェスへと向けた姿勢になるチトノ。
 なだらかな背のラインと、そしてその尻根にて依然、陰茎を咥えこんだ壮観がレェスの前に広がる。
 その瞬間になって、レェスは自分のペニスがどこに埋まっているのかを理解した。チトノの思惑を理解する。
 膣とはまったく違った感触のそこ―自分のペニスは今、
「お、お尻ッ? お尻の穴の中に入っちゃってるの?」
「そうだよー? 今度は肛門(アナル)で食べちゃった♪」
 互いの言葉にて確認する通り、レェスのペニスは今、チトノの肛門(アナル)の中に深々と挿入されてしまっているのであった。
 その挿入感たるや、膣に包まれていた時とは180度変わるほどの印象だ。
 本来は性交に使用される個所ではない肛門と直腸そこは、排糞をひり出す為に独特の収縮筋が発達した部位である。
故に粘膜であった膣とは違い、剥きだしの排出器官の内壁で締め付け、そして扱く行為は暴力的とすら言えた。
 それでもしかし、
「お、お尻……お尻の穴………」
 それでもしかし、レェスは今の状況それに興奮せずにはいられない。

422:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:42:32.06 UO71kR42
 かねてより肛門そこへ強い執着があったレェスである。それが性交に使われたと理解するや、彼の中の性的衝動はむしろ、
膣部にてそれを行っていた時よりも激しくその胸の中で駆り立てられるのであった。
 そして、
「お尻!」
「え? ―きゃうんッ!」
 目の前に突き出されたチトノの臀部両房をワシ掴んだかと思うと次の瞬間、レェスは強くそれを引き寄せて、さらには
激しく突き上げた腰をそこへ打ち付けた。
 突然のそれに驚いて目を剥くチトノではあったが、それこそが始まりであった。
「お尻ッ! お尻ッ!! チトノさんッ!」
 そこから間髪入れずしてレェスは二撃目となるピストンを打ちこむ。それが始まりであった。
 ベッドのスプリングも利用して腰を弾ませるレェスの激しいストロークは無遠慮にチトノのアナルを突きえぐっていく。
ここに至るまですでに二回の射精を経ているせいか、今レェスにはみこすり半で果ててしまうような敏感さは残ってはいない。
レェス本来の持つ逞しさを存分にぶつけてくるその腰の動きとそして情動は、まさに原始の雄が持つ猛々しさそのものであった。
 そして突然のそんなレェスの発火に中てられたチトノはたまったものではない。
「あ、おッ……ま、まって! まってぇ、レェス、君……は、激しいッ、い、痛い……!」
 どうにかその暴力から逃れようと身をよじるも、そんなレェスの上に騎乗位で腰抜けてしまっている状況では満足に
そこから動くことすらチトノには難しかった。ましてや臀部の肉をその形が歪むまでにワシ掴みされて拘束されているのだ。
チトノはただ、為されるがままにされるしかなかった。
 しかし―そこは百戦錬磨のプロである。この手の理性切れした客の相手はチトノとて心得ている。
―あちゃ~、悪乗りしすぎたなぁ。もう、言葉なんか届かない状態になっちゃってる……。
 とりあえずは今の状況分析に勤めるチトノ。依然としてレェスに犯され、その体の自由を拘束されながらもしかし、
そんな中でも自分でコントロールできる体の箇所と部位とを確認する。
―このまま立ち上がることは無理。終わるまで動けないって言うのなら……イカせるのみ!
 そしてチトノも覚悟する。
 彼女がとった行動は、
「んッ……んぅ、んぅ、んぅ!」
 責め立てるレェスへとさらに、己からその身を呈することであった。
 ぶつけてくる腰に合わせて自分からも強くそこへ尻根を打ち付ける。さらには腹部に力を込めると、
「んッ? う、うわわぁ!!」
 そんなチトノの行動にレェスは声を上げた。
 その『行動』の正体それとは―
「んふふー……ぐねぐね動くでしょ?」
 チトノがアナルにて、レェスのペニスを包み込む直腸の締め付けをコントロールしているに他ならなかった。

423:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:42:57.31 UO71kR42
 吸い込むよう腹部をへこませて次は吐き出すように、それこそ排泄さながらに直腸へ力を加えると、チトノのアナル
それは波打つような収縮を繰り返してレェスの陰茎を扱きあげた。
 口唇や掌による愛撫、ましてや膣内ですら経験できなかった未知の動きである。その精妙な括約筋の動きにたちどころに
レェスの射精感は熱せ上げられ、そして昂ぶらさせる。
「あ、あうぅ……ち、チトノさん……もうダメぇ」
 その段に至りようやく理性を取り戻しつつあったレェスではあったが……
「ダメぇ! まだイッちゃダメ! 私も、イキそうなの! レェス君のチンチンでイキそうなの! ウンチの穴を
ごしごしされてイクのぉ!!」
 その頃には立場は逆転し、今度は姦淫の虜となったチトノが理性をかなぐり捨てた声を上げているのであった。
「んうーッ、んぅーッ! お尻! ウンチ、イクッ!!」
「あ、うああああああ……ッ!」
 もはや腰を打ち付けるチトノの動きの方がレェスの突き上げるそれを凌駕して激しさを増す。
 射精を間近に控えて限界にまで充血して肥大したペニスを咥えこんだアナルは、その淵のしわが伸び切ってしまい真円に
その形を変えている。打ち付けるごとに内部にて互いの体液と空気とを撹拌した直腸は、激しく放屁を繰り返して滲んだ
水音を響かせるのだった。
 そしてついにその時は来た。
「い、イク……イッちゃう……お尻でイッちゃうよぉ、レェスくぅん!」
「あ、んうぅぅぅ……もうダメぇ……」
 チトノのオルガスムスとレェスの射精感とがその数瞬、重なった。斯様にしてシンクロし始めた体は、互いの絶頂の波を
同調させようと何度も激しい痙攣を器官に引き起こさせる。
「んぅーッ、いくぅー! おぉッ……イクのぉー!!」
「あ、あぁ………もうダメぇ」
 そして一際強いレェスの打ちこみがチトノの深部を突きえぐいた瞬間――

「おッおッおッおッ、ッ~~~~~~あおぉぉぉ―――んんッッ!!」
「あッ……うわああぁ……ッ!!」

 二人のオルガスムスが完全に重なった。
 絶頂の衝撃からコントロールを失ったチトノの直腸は激しいまでの収縮と締め付けを繰り返し、そして射精に至ったレェスの
ペニスはそんな直腸の動きに誘われて止めどない精液の奔流を彼女の中へと吐きだし続けるのであった。
 ノドを反らせ、弓なりに体を反らせて天を仰ぐチトノ。口唇(マズル)を細めて長い咆哮を吼え猛るその姿は、原始の野獣
そのものだ。

424:金と銅貨のワルツ
12/04/01 20:51:58.46 UO71kR42
「お、おぉ………ん、ふぅんッ」
 やがてはそんな絶頂に硬直していた体からも力が抜けると、チトノは両腕をベッドにつき大きく肩で呼吸を弾ませるのであった。
 そんなチトノを依然として腰の上に乗せながらレェスも大きく呼吸をして酸欠に熱せ上がった体に冷気を取り込もうと
胸元を上下させる。
「ぜはー、ぜはー……はぁー……」
 徐々に呼吸が整って、熱に焼かれた頭にも酸素が行き渡るとレェスも普段の自分を取り戻す。
 僅かに首を持ち上げて自分の体を望めば、そこにはまだ豊満な肉尻を自分の腰元に潰し乗せたチトノの背の峰が見えた。
 そんなレェスの視線に、僅かに横顔を向けたチトノの流し目とが合う。その一瞬の邂逅で彼女は微笑んだかと思うと、
レェスの上に座り込んでいた体をゆっくりと体を持ち上げて、自分の肛門そこからレェスの陰茎を引き抜いていくのだった。
 その途中の、互いの粘膜が擦れ合う感触に二人はくぐもった声を上げて快感の余韻に震える。かくして完全にレェスの
ペニスが解放されると、いまだ硬さを保ったそれは大きく反動してレェスの内腹にその背を打ち付けるのであった。
 赤剥けて屹立したペニスと、その上にある広がり切ったチトノのアナルの光景―レェスの怒張した茎を納めていたことは
もとより、数度に渡る激しいピストンに掘り穿たれた肛門は、その淵がすっかり体内に押し込められてぽっかりと
洞のような穴をそこに開いていた。
 しかしやがてはそこも、肉体の回復と共に押し込まれていた外肛門の括約筋が降りて穴を塞ぐと、肛門はドーナツ状に
円環の肉を盛り上げて完全に直腸を閉じるのであった。
 そんな一連の動きにレェスも全ての行為が終ったことを察する。これにて、自分の『諸体験』の全てが終了したのだと実感した。
 しかし―そんな最後の瞬間こそに、その体験は待っていたのだ。
「ふふ……よぉく見ててね」
 自分のアナルに釘付けとなっているレェスを背中越しに確認すると、チトノは突き出すよう尻を持ち上げて、先のアナルを
さらにレェスの前へと明らかにする。
「んッ………ふッ、んんッ!」
 そして呼吸を止めて腹部を締め、再びアナルへと力を入れた瞬間―仔猫の鼻のよう濡れそぼった肛門は、再びその身を
盛り上がらせて閉じた出口を開き始めるのであった。
「え? えッ?」
 そんな目の前の光景にただレェスは戸惑うばかりだ。このチトノが今さら、自分に対して何をしようとしているのかが
理解できない。……否、ある種『理解できていた』からこそ困惑したのかも知れない。なぜならば性交以外で肛門を力ませる
行為が意味することはただひとつ、『排泄』に他ならないからだ。
―な、何するつもりなの? まさか、本当に……!
 そんな状況と予想に焦りつつも、チトノのアナル一点に視線を注いだままのレェスはそこから身動きを取ることが出来ない。
理性ではその『最悪の状況』を嫌悪しつつもしかし、本能ではそれを目撃することを望んでいたりもする。
 やがて見守り続ける中、再びぽっかりと口を開いた肛門の中に今度は奥から押し出されてきた直腸の内壁が浮き出して、
ぴっちりとその空洞を埋める。


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