10/06/21 03:23:45 Vv2/Q/Ic
「抱きしめた―と」
「あーさん、何書いてるの?」
「ひゃああ!? ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ、ぶちさん!?」
「……これは……」
「み、見んといて!? 恥ずかしいから駄目ぇ!」
「……痛いわね、あーさん」
「あー! 見られてもーた! あたしのないしょノート!」
「でもまあ、こういうの書けるくらいには、自分の気持ち自覚してきたのね。いい事だわ」
「こ、これは、べ、別に、そ、その、そういうつもりじゃ……」
「あら、じゃあどういうつもりなの?」
「た、単に魚住しか思いつく相手がおらんかっただけでな?」
「……ラブなのねぇ」
「せやから違うて!」
「その調子で、実際に魚住くんとこういう関係になっちゃいなさいよ」
「せやから違うて言うてるやろ! ぶちさんのいじわる!」
「あははは、あーさんは面白いわねー」
「へっくっしょい!」
「……どうした、保村。風邪か?」
「いや、俺は風邪ひいたことが無いのが自慢だから違うと思うぜ」
「そうか、じゃあ馬鹿なんだな」
「ああ、そうだな。馬鹿だから風邪ひかないっておい!? ひでえよズミン!」
「誰かに噂でもされてるのかもな」
「きっと、まだ見ぬカワイコちゃんが、俺を想ってこっそり妄想小説をノートに書き綴ってくれてるんだぜ!」
「あー、そうだな。だといいな、うんうん」
「よっしゃ、燃えてきたぜー! 俺ちょっとそのカワイコちゃん探してくるな!」
「あー、いってこいいってこい」
「いくぜー!」
「……なんで保村は、ああも無駄に元気なんだろうか」
「僕にも少し分けてもらいたいですねー、あはは」
「……いたのか」
「はい、ずっと」
終わり