10/07/16 19:48:52 HT5SdBeE
>>209の続き
「これか?」
俺は朝から事務所内の棚に入れっぱなしの小さなダンボール箱を彼女に
手渡した。
「ああああそ、それ!それです!!……って、何で連絡してくれなかったんですか!!
私がどんだけ探したか!!何でそんな意地悪するんです!!会社にとっても大変な
事なのに!!」
「したよ。」
「いつ?!。」
「今朝一番。君んとこの課長に内線いれたがなあ。君に伝えてくれって、俺はそう
言ったけど。」
「聞いてません!そんな事!!」
顔を真っ赤にして彼女はそう怒鳴った。ああ、そういう事か。組織ではありがちな
トラブルだな。俺は自分の経験から、正面から彼女に文句を言うのは非常に危険
だと判断し、たまたま作業服のポケットに入れっぱなしだった缶コーヒーを彼女に
手渡した。実はさっき会社を抜け出してコンビニに行ってたのだ。
「まあ飲め。」
「はああ?!!」
「冷たいうちにがーっと飲みな。そしたら説明してあげるから。」
憮然とした表情で彼女は缶を取り、一気に飲み干した。
「ん、ん、ん、……ぷはーっ!!……はああ……」