【隅田さん】波打際のむろみさんでエロパロ【乙姫】at EROPARO
【隅田さん】波打際のむろみさんでエロパロ【乙姫】 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
10/04/09 18:22:50 YyQPDgv0
波打際のぬるぽさん

3:名無しさん@ピンキー
10/04/09 19:32:06 HO1Kvvft
>>2
リガッイアさん可愛いよ可愛いよ

4:名無しさん@ピンキー
10/04/09 20:13:14 uQd6e/Qj
卵生だしなぁ……w

5:名無しさん@ピンキー
10/04/09 20:31:39 SJy1Rfid
だがそこがいい(AAry

6:名無しさん@ピンキー
10/04/09 22:25:48 wUvwo/3D
乙姫で誰か作ってくれ

7:名無しさん@ピンキー
10/04/09 23:07:20 xVKwM+DX
本スレの>>528が作ってくれるはずだ

8:名無しさん@ピンキー
10/04/10 02:39:30 6swC68PG
乙姫「いらっしゃいまs……」
拓郎「……何してるんですか?」
乙姫「あ、あなたはいつぞやの!?」
拓郎「お金に困ってるのは知ってたけど、こういうとこでも働いてたんですね…」




という、夜は風俗店で働く乙姫さんの話を思いついたが
そもそも拓郎が学生さんなので成立しないことに気づいた


9:名無しさん@ピンキー
10/04/11 00:27:19 k3015mTI
考えてみたら乙姫は龍か・・・
やっぱり卵生?w

10:名無しさん@ピンキー
10/04/13 19:26:01 7/567R9I
誰も書かないな

認知度低いのか…

11: ◆33tvrdxFDU
10/04/13 20:52:21 jQF/3S8+
じゃあ途中だけど投下

12: ◆33tvrdxFDU
10/04/13 20:53:20 jQF/3S8+
ハーピーを助けたその日から、イエティはヒマラヤ山地の小屋でハーピーと
一緒に暮らしていた。異生物とは言え、ハーピーはまだ一人で生きていける
状態ではない。ハルピュイアにとってヒマラヤの気候が良いのかどうかは知らないが、
ハーピーの保護者が誰か分からない以上、自分が預かるしかない。
イエティはそう考えていた。

ヒマラヤの高地のような極寒の地でも、体を清潔に保つことは大切だ。
恒温動物の体皮は年中暖かいのだから、放っておけば虫がわく。
お風呂こそ沸かさないが、イエティはお湯で暖めたタオルで体を拭く習慣をつけていた。
むろん、ハーピーも健康を保つためには同じことをしなければならない。

「ハーピー、体拭こう。」

「うん。ハーピー、体拭くー。」

イエティの言葉に、ハーピーはうれしそうに服を脱いだ。
胸のなだらかな起伏が露わになる。その頂にある赤い点は、
少し突っ張って前に出ているように見えた。

(余計なこと、考えちゃダメ)

イエティは自分にいいきかせた。
ハーピーの裸を見ているとなぜだか下半身が熱くなってくる。

13: ◆33tvrdxFDU
10/04/13 20:55:30 jQF/3S8+
イエティはそのほのかな興奮が何に由来するものなのかは知らない。
しかし、なんとなくイケないことだという感覚だけは持っていた。

「キャッキャッ」

イエティが熱い濡れタオルで触れると、ハーピーは身をよじらせ
楽しそうに声を上げる。矯声に合わせて動く、小さく柔軟な裸体。
それはイエティの眠れる欲望をいざなうように揺れた。

「あ、あまり動かないで。ちゃんと拭けない。」

イエティは顔を真っ赤にして言った。

「イエティもちゃんと見ないと拭けないよー。」

ハーピーは意外に鋭く指摘した。
イエティは、無意識にハーピーの体から目線をそらしていたのだ。
それは、自らの内からこみ上げる得体の知れない感覚を抑えるためにだったが、
そんな状態できちんと体を拭けるわけがない。

「分かった。ちゃんと見て拭くから動かないで」

イエティは仕方なく覚悟を決め、ハーピーの体を見据えた。
控えめに盛り上がった二つの丘の上で、赤い実が立ち上がってこれでもかと
自己主張をしている。そこを濡れタオルでなでるとハーピーはみじろいで
小さく声をあげた。

14: ◆33tvrdxFDU
10/04/13 20:58:23 jQF/3S8+
目線を下におろすと緩やかな起伏の平原が流れるように続き、二つ道に分かれる
直前で羽毛の茂みに覆われた。イエティは濡れタオルを持つ手をその平原に這わせる。
こそばゆいのか、ハーピーは少し笑っていた。
そしてイエティの手はハーピーの下半身にいたる。羽毛に覆われた下半身は
虫の住処になりやすいので念入りに拭かなければならない。
イエティはハーピーの太股を拭きはじめた。

「イエティ、お尻もー」

ハーピーはくるりと回って見せた。羽毛の上からでも分かる、柔らかい膨らみ。
触れると柔らかさの中に若々しい張りもあり、独特の触感を生み出していた。
その感覚が、またもイエティの下半身を刺激する。
しかし、ハーピーのお尻は哺乳類のとは異なった。ハーピーのそこには穴がない。
鳥類たるハーピーのお尻は太股の付け根に過ぎず、排泄器官は付いていないのだ。
イエティはほっとしたような残念なような不思議な気持ちだった。

「前もー」

お尻を拭き終えると、ハーピーはくるりと回って足を開いて見せた。
薄い羽毛の奥に総排出腔の小さな割れ目が姿をのぞかせた。
その細いクレバスはほんのりと赤く色づいた柔らかそうな肉に囲まれていた。

15: ◆33tvrdxFDU
10/04/13 21:00:55 jQF/3S8+
それはほんの数秒だっただろうか、気がつけばイエティはハーピーのそこを
食い入るように見つめてしまっていた。

「そ、そこは自分でして。」

イエティは自らの煩悩を振り払うかのように、タオルをハーピーに押しつけた。

「はーい」

ハーピーはつまらなそうにタオルを受け取った。

16: ◆33tvrdxFDU
10/04/13 21:02:56 jQF/3S8+
以上です。

いちおうイエティ男性説前提

続きはまた今度

17:名無しさん@ピンキー
10/04/14 12:56:34 mTJGXim5
今度っていつですか!?
GJ


18:名無しさん@ピンキー
10/04/20 19:01:49 TzYUktRB
定期あげ

19: ◆33tvrdxFDU
10/04/22 01:13:53 xkiCCGYe
今度って今さ

20: ◆33tvrdxFDU
10/04/22 01:15:24 xkiCCGYe
ハーピーは自分の体を拭いたタオルをゆすぐと、別のタオルを持ってきた。

「今度は、ハーピーがするー」

元気よくイエティに寄ってきたハーピーはまだ全裸のままだ。

「…自分でやる。」

「でも、一緒にした方が楽しいよ」

満面の笑みで、ハーピーは惜しげもなくイエティに裸体を披露する。

「そうだけど…」

戸惑うイエティを、ハーピーはためらいなく脱がせようとする。
ハーピーが胸のボタンをはずすと、イエティの上半身があらわになった。
白くなめらかな肌は、男の子らしからぬ可憐さをたたえていた。
イエティの胸を一瞥すると、ハーピーは一気にイエティの毛皮を足下まで落とした。

「ハーピー、ちょっと待って。」

イエティはあわてて股間を隠した。

「それじゃ体拭けなーい」

ハーピーはうれしそうにイエティの腕をこじ開けようとする。
しかし力ではイエティにかなわない。そこでハーピーは翼を自分のわきの下から
通して、それでイエティのわき腹をくすぐった。

21: ◆33tvrdxFDU
10/04/22 01:16:27 xkiCCGYe
「ひゃっ」

イエティは思わず両手を上げた。同時に、肌色の肉棒が姿をあらわした。
それは、真っ直ぐに天を指して隆起し、まだ剥がれきっていない皮が引っ張られて
痛そうなぐらいだった。

「イエティの交接器すごい!」

やたらとうれしそうなハーピー。
それに対してイエティは恥ずかしくてどうにかなりそうだった。
なぜ陰茎が大きくなるのか、なぜ大きくなったそれを見られたら恥ずかしいのか。
そんなことは分からない。ただ、どうしようもなく恥ずかしかった。

ハーピーは恥ずかしがるイエティにいきなり抱きついた。お互い全裸である。
イエティのいきり立った男の子の部分がハーピーの腹部に当たっていた。
そうして抱きついたまま、ハーピーはイエティの体を拭きはじめる。
互いの体が動くたびに、イエティの敏感な部分が刺激された。

「ハーピー、もうちょっと離れて」

イエティは哀願するように言った。

「ハーピー、イエティ大好き」

対してハーピーは答えになっていない返事をする。


22: ◆33tvrdxFDU
10/04/22 01:17:30 xkiCCGYe
もしかして、ハーピーはこの恥ずかしさや股間に走る謎の刺激の正体を知っているのでは?
そんな疑念がイエティの脳裏をよぎった。しかし、深く考える暇はなかった。
なんと、ハーピーが股間の肉棒を口にくわえてきたのだ。

「あはぁっ!」

強すぎる刺激に、イエティは少女の悲鳴のような甲高い叫び声をあげた。
「そんなとこ…口にしちゃ…あっ!…だめ。」

イエティの制止も聞かずハーピーはかまわず肉棒を舐め続ける。
電撃が走ったような、初めての感覚にイエティは身をよじらせた。
やがてハーピーは肉棒と皮のすきまに舌を入れた。
すると、いままで閉ざされていたイエティのつぼみがめくれ、栗の花が花開いた。
ハーピーが口をはなすと、その姿が露わになる。
イエティは始めて見る己の肉棒の真の姿に驚いた。
皮の制約を逃れたそれは、今まで以上に大きく膨れ上がり、充血して赤くなっている。
自分の体の一部が、これほどおぞましい姿だとは、イエティは想像もしていなかった。
しかしハーピーはそのおぞましいものを実にうれしそうに眺めている。
イエティにとっては何もかもが不思議だった。

「ハーピー、イエティ大好き!」

また同じ言葉を繰り返して、ハーピーはイエティに体重をかけてもたれかかってきた。
恥ずかしさと肉棒への刺激で力が入らなくなっていたイエティは勢い押し倒される。

「ハーピー?」

イエティはもはや何が起こっているのか全く理解できていなかった。
抵抗すべきなのかおとなしくハーピーのするように任せるべきなのかもわからない。
ただ、さっきハーピーに肉棒をくわえられた時の得体の知れないあの感覚…
ひそかにそれを期待している自分を、イエティはかすかに自覚していた。

23: ◆33tvrdxFDU
10/04/22 01:18:09 xkiCCGYe
今回はここまで

24:名無しさん@ピンキー
10/04/24 04:19:00 KwDiyuoO
なんというエロス…
しかし、主役じゃなくてサブキャラのSSから投下されるというのも珍しいな


25:名無しさん@ピンキー
10/04/24 07:49:28 O9S2vrzh
むろみさんだと口と手と胸しか使えないし

26:名無しさん@ピンキー
10/04/24 08:18:46 FuZrcTZ5
アナルという可能性も追求できるのでは

27:だらだら投下
10/05/04 21:23:45 TZHYDfL5
むろみ「ふにゃあ~……」

拓郎「あれ、むろみさん……また飲んでんのか」

むろみ「あ~、たっく~ん」

拓郎「やけにベロベロだけど、いつから飲んでんの?」

むろみ「ん~、かれこれ十二時間くらいかにゃ~」

拓郎「一日の大半を飲みで過ごす人魚って……」

むろみ「だって~、最近たっくん構ってくれんから暇なんやも~ん」

拓郎「俺は釣りに集中したいだけなんだけどな……」


28:だらだら投下
10/05/04 21:29:08 TZHYDfL5
拓郎「もう今日は帰って寝たら? 明日絶対二日酔いになるし」

むろみ「や~だ。せっかくたっくん来てくれたのに、帰るなんてもったいなか」

拓郎「別に俺、むろみさんに会いに来たわけじゃないし」

むろみ「あんっ、もうつれなかねぇ。でもそんなところも好きっ」

拓郎「……なんか今日のむろみさん、いつもに増してデレデレだね」

むろみ「そう? 酒ば入っちょるからかねぇ~。ひゃはは」

拓郎(暗に鬱陶しいと言ったのには、気付かなかったようだ)


29:だらだら投下
10/05/04 21:37:45 TZHYDfL5
むろみ「……ね~ぇ、たっくん」

拓郎「何?」

むろみ「んーん、何でもなか。呼んでみたかっただけったい」

拓郎「何じゃそりゃ」

むろみ「ふぅ……」カキリ

拓郎「まだ飲む気!?」

むろみ「今日は日が暮れるまで飲みたい気分やけん、いーでしょ?」

拓郎「駄目! そんなになるまで飲んでまだ飲み足りないってどんだけだよ」

むろみ「あっ……もー、勝手に人の物取らんでよね!」

拓郎「酔っぱらいの戯言に、貸す耳なんかありません」


むろみ「ならいいもん。代わりのもんで埋め合わせするけん」

拓郎「代わりのもの?」

むろみ「そっ。それはね……お前の唇じゃー!!」

拓郎「ぬわっ……!?」

―― ブチュッ


30:だらだら投下
10/05/04 21:44:26 TZHYDfL5
むろみ「ん~……んっ、んっ」

―― チュッ、レロレロ

拓郎(ちょ、これってディープキス……!!)

むろみ「……ぷはぁっ、はー甘露甘露」

拓郎「なっ……何してくれてんのむろみさん!」

むろみ「たっくんが人のお酒を勝手にほかす(※捨てるの意)のが悪かとよ」

拓郎「だからって無断でキスとか……」

むろみ「あ~あ~、もうなんも聞こえん、なんも聞こえ~ん」

―― ゴロリ

むろみ「ん~、たっくんの膝枕きもち良か~」

拓郎「今度は人の膝を独占かよ!」

むろみ「ん~……」ゴロゴロ


31:だらだら投下
10/05/04 21:50:22 TZHYDfL5
むろみ「クカー……」

拓郎「結局人の膝枕で寝ちゃったし……」

拓郎(でも、さっきのキス結構気持ち良かったかも……)

拓郎(……あれ? でも待てよ。むろみさんってゴカイとかの釣り餌を常食してなかったけ?)

拓郎(てことは……)

拓郎「オ、オエェェェ~~ッッ!」

むろみ「きゃあっ!!」

むろみ「どうしたとたっくん。まさかたっくんも酔っぱらったと!?」

拓郎(むろみさんのせいだっつーの!)


……その日一日、拓郎の吐き気は止まらなかったそうです。

(了)


32:だらだら投下
10/05/04 21:53:44 TZHYDfL5
以上、唐突に始まって唐突に終わる投下終了
あんまり練らずに書いたから展開早いやらあんまりエロくないやら

どちらかというと直接的なエロスよりむろみさんとたっくんのイチャイチャを書きたかった

いつか富士さんとむろみさんの百合ん百合んも書きたいと思っております

そんじゃあの ノシ


33:名無しさん@ピンキー
10/05/05 16:49:51 HgKB72Yj
お疲れ
あっさりね

34:名無しさん@ピンキー
10/05/05 17:44:48 VKBOZIdx
むろみさんに穴があるかどうかがわからん以上
こうするしか無いよなwww

35:名無しさん@ピンキー
10/05/05 18:29:25 vqvJ8uJr
少なくとも卵を産む孔が存在することは確か。

36: ◆33tvrdxFDU
10/05/10 02:02:26 i4g91JwI
ハーピーはイエティに寄り添うように上から被さっている。
互いの腹部にはさまれて、イエティの堅い肉棒は窮屈に押し込められた。
しかし、体温の暖かさに囲まれた感覚がなぜか気持ちいい。
イエティが視線を落とすとすぐそこにハーピーの顔があった。
この自分よりも幼い感じの少女は、楽しそうにイエティを未知の世界へと導いている。
目が合ったのを合図にして、ハーピーはイエティに口づけをした。

「んっ!?」

さきほど自分の排泄器を舐めたその口で、という所にイエティはとまどったが
ハーピーに舌を絡められるとその濃密な感覚に思考を奪われ、もうどうでもよくなった。
舌の動きにあわせて二人の体は微動し、そのたびに互いの腹部に挟まれたイエティの
肉棒に刺激が走る。いつの間にか、二人の腹部はビチャビチャに濡れている。
イエティのカウパーがあふれ、塗り付けられているためだ。
やがて本能的に、イエティはハーピーの背中を抑えて、小さく腰の律動をはじめた。
それに気が付いたハーピーは絡み合う舌をいったん離し、イエティに意味深な微笑みを
投げかけた。

「ハーピー…」

どうするつもりなのか、そもそもこれは何をしているのか、イエティはハーピーに
聞きたいことがあったはずだが何も浮かんでこなかった。
そして、もはやハーピーのすることに抵抗しようとも思わなかった。
ただ、股間に走るこの刺激がイエティの思考を奪い、腰をつき動かしている。
ハーピーは今度は軽くイエティと唇を合わせると、同時にイエティの肉棒を握った。
口づけで視線が奪われているのでイエティは自分の肉棒がどう扱われているのか
よくわからない。やがて、その先端が湿った羽毛に触れる感覚があった。
密着した胸から直接、ハーピーの鼓動も高鳴っていることが伝わる。

37: ◆33tvrdxFDU
10/05/10 02:03:30 i4g91JwI
「イエティ大好き」

三度目の大好きを言って、ハーピーは一気に腰を下ろした。
じめじめして暖かいハーピーの体の中にイエティの男の子の部分が突き刺さる。

「あああっ!」

刺さると同時にイエティは激しく身じろぎ、熱い液体をハーピーの体の奥へ注ぎ込んだ。
想像を超える感覚と妙な疲れに、イエティはしばし肩で息をした。
そうして、呼吸が整うとふと我に返る。

「ごめん!僕、ハーピーにおしっこを…」

イエティは自分が小便を漏らしてしまったと思い、大慌てだ。

「ハーピー、うれしい!」

「え?」

なんでおしっこを漏らされてうれしいのか、イエティには全くわからない。
しかしハーピーは突き刺さったイエティの肉棒を抜こうともせず、またもイエティに
口づけをしてきた。今度は口と口の絡み合いを続けるのではなく、イエティの
額や頬、首筋に鎖骨、そして胸、あちこちを啄むように口づけした。
そのハーピーの仕草の愛らしさと、こそばゆさの混じった刺激にまた興奮が高まる。
イエティの肉棒はハーピーの中に刺さったまま、周りの肉壁を押し退けて膨れ上がった。

「うぅん」

ハーピーはうれしそうな声を上げると、イエティの胸の上に体を倒してぴったりと
くっついた。そうしながらも、肛門をかねた総排出口の括約筋でイエティの肉棒を
握って離して、攻め続ける。

「だ、だめ、またおしっこ漏れちゃう」

そう言いながらも、イエティはハーピーをしっかり抱きしめ、ハーピーの括約筋の
リズムに合わせて腰を動かした。

「あっ、あ」
「う、うん」

いつのまにか嬌声のリズムまでが符合する。

「う、うぁあっ!」

今度はハーピーが先に絶頂を迎えた。大きく体をのけぞらせ、強く、イエティの
肉棒を締め付ける。その刺激に耐えきれずイエティもまた射精をした。
数秒間、二人はそのままの状態で固まった。
やがて射精が終わると、ハーピーの総排出口から白い液体が溢れだしてくる。

「…おしっこじゃ、ない?」

イエティは生まれて二度目の射精でそれに気がついた。
それではいったい何なのか、考える間もなくハーピーが倒れ込んでる。
イエティはそれを優しく炊き抱えた。

38: ◆33tvrdxFDU
10/05/10 02:05:37 i4g91JwI
後日イエティは、ひさびさに山を降りた。むろみさんに呼ばれたからだ。
むろみさんが嫌がるので今回はハーピーを連れてきていない。
それでも、何かの折りにハーピーの話になった。

「あの猛禽はどこに住んどると?」

おそらくむろみさんは警戒区域を知りたかったのだろう。
イエティは普通に答えた。

「いまヒマラヤで一緒に住んでる。」

その答えを聞いた瞬間、むろみさんは固まった。

「いえちー、あんたなしてそげなことよっと!?」

むろみさんは必死の形相でイエティに詰め寄る。
「あー、いえちーの貞操が汚されてしもーよ!」

「どういうこと?」

騒ぎだしたむろみさんに対し、イエティは冷静に質問する。

「鳥類のメスを自分の『巣』にいれるなんて、正気やなかよ!
あの鳥頭どもにしとーみたら『俺の卵を生んでくれ』ゆうとるのと同じことたい!」

イエティはそれで合点がいったというように手を叩いた。

「プロポーズになるって事?」

「その通りたい。分かったら、ハルピュイア追い出しね。
はよせんと、交尾迫られるけんね。」

そう言われると、イエティは少しの間うつむいて押し黙ってしまった。
その顔はなぜか赤くなっている。

「ま、まさか!?」

「…たぶん、交尾しちゃった。」

イエティは恥ずかしそうにぼそりと言った。


39: ◆33tvrdxFDU
10/05/10 02:06:36 i4g91JwI
「ん…んなっ!?」

むろみさんはショックを隠しきれない様子だった。

「なんばすっとかー!いえちーがおおきうなったら精子貰おうと思うてたのに!」

むろみさんが下品な叫びを上げると、空のかなたから黒い影が飛んできた。
身構える間もなく、それは音速で急降下してむろみさんを捕らえた。

「ハーピー、むろみさんをいじめちゃダメ!」

黒い影―ハーピーに、イエティは話しかける。
ハーピーはイエティの言うことも聞かず、むろみさんをゴミでも捨てるように海に落とした。
そして今度はイエティを足で捕まえる。

「ハーピー?」

思いの外攻撃的な態度にイエティは戸惑った。

「ハーピー、浮気許さない。」

強い口調で、ハーピーは言う。

「だ、大丈夫、そんなつもりない。」

突然の修羅場にイエティはどうしていいか分からず、とりあえずハーピーをなだめた。

「ふん、鳥類は独占欲がつよかとねー」

海面でむろみさんが何とかの遠吠えをする。そんなむろみさんにハーピーは振り向いた。
むろみさんは身構える。

「ほ乳類、奥手。自分からいった方が良い。」

「へ?」

てっきりまた襲いかかってくるのかと思っていたむろみさんは意表をつかれた。
(もしかして、たっくんへのアプローチのアドバイスのつもり?)
少しだけ、むろみさんは暖かい気持ちになった。
が、やっぱりひがみの方が強かった。

「しゃーしか!
自分が男確保したからいうて勝ち組の余裕のつもりなん?
あんたに言われんでも、うちかて攻めとーよ!」

そんな遠吠えを繰り返しながら、むろみさんは空に消えていく若いつがいを見送った。

40: ◆33tvrdxFDU
10/05/10 02:08:28 i4g91JwI
以上


随分あいだがあいちゃいましたけど、これにて終了です。
博多弁が苦労しました・・・というか多分間違ってる。

41:名無しさん@ピンキー
10/05/13 06:24:49 FaztWOmG
いえちーの変態!
乙でした

42:だらだら投下
10/05/13 06:43:58 FaztWOmG
むろみ「おーい、たっく~ん」

拓郎「あ、むろみさん」

隅田「こんにちは、拓郎くん」

拓郎「隅田さんも。どうしたんですか、また二人して暇を持て余してるんですか?」

隅田「あははは、ある意味ではそうかもね~」

むろみ「今日はたっくんにちょっと用事があったと。よかね?」

拓郎「俺に? 精子かける以外なら別に構わないけど……」

むろみ「良かった~!」

隅田「あのね、用事っていうのはこれのことなんだけど……」

拓郎「……何そのガラクタの山」


43:だらだら投下
10/05/13 06:53:06 FaztWOmG
むろみ「今日ね、近所の浜辺に人間の捨てたゴミが漂着したって聞いたけん、興味本意で拾いにいったんよ」

隅田「そしたら、使い道の分からない道具がけっこうあったから、拓郎くんに聞いてみようと思ってね」

拓郎「あぁ、そういうこと」

むろみ「ねーねー、これとかなんやろね? 卵形で綺麗なピンク色しちょるけど……」

拓郎「ブホッ!?」

隅田「何だろうね。コードと電源がついてるから、家電製品の一部かな?」

拓郎「そ、それ……ピンクローター……」

むろみ「たっくん、これが何か知っとうと!?」

拓郎「あ、いや……(しまった、知らん顔しとけば良かった!)」

隅田「これって、何に使う道具? 教えてよ」

拓郎「……あー、えと、それは……」


44:名無しさん@ピンキー
10/05/13 07:01:16 FaztWOmG
拓郎「……肩こりを解消するための、マッサージ機だよ」

むろみ「へー」

隅田「こんなので肩こりが取れるの?」

拓郎「あー、うん……本当ならそれが細かく振動して、肩のこりをほぐしてくれるんだけど」

拓郎「漂着したゴミなら、水に濡れて動かない可能性が高いかも……」

カチッ、ヴィィィィィィィィ

むろみ「わっ、動いた!」

隅田「すごーい、これ本当にマッサージ機だったんだ~」

拓郎(動いちゃった……誰だよ浜辺で乱交したやつは……)


45:名無しさん@ピンキー
10/05/13 07:12:10 FaztWOmG
むろみ「これを肩に当てればよかとね?」

拓郎「うん、まあそうだね……」

むろみ「ほしたら隅田さん、お願いしてもよか?」

拓郎「え゙っ……」

隅田「いーよいーよ、むろみさんもミズーリさんとこの仕事で肩こってるでしょ?」

ヴィィィィィィィィ

隅田「ここら辺とかどう?」

むろみ「あんっ……なんかくすぐったか……」

隅田「まだまだ固いねー。ちゃんとほぐしてあげないと……」

拓郎(うわぁ……なんか、こうして見るとスゴくエロい……)


46:名無しさん@ピンキー
10/05/13 07:18:59 FaztWOmG
ヴヴヴヴヴヴ

むろみ「やんっ……ひゃあっ!!」

隅田「むろみさん、あんまり動くとやりづらいよ」

むろみ「そげんこと言われても……未知の快感が私の体を貫いてぇ~……」

拓郎(なんで台詞がいちいちエロいんだよ!!)

隅田「ふっふっふっ、ここか? ここがええのんか?」

むろみ「やあっ、あぁんっ!!」

拓郎(隅田さんも悪ノリしないで! というかなんでそんなオッサン臭いネタ知ってるんだよ!)

むろみ「……たっくん、どうしたと? なんか変な顔しちょうけど」

隅田「それに、姿勢がずいぶん前屈みだね」

拓郎「……俺のことは気にしないでくれ……」

むろみ「?」

隅田「?」


47:名無しさん@ピンキー
10/05/13 07:25:55 FaztWOmG
むろみ「はー気持ち良かった……文明の利器はやっぱり偉大やね~」

隅田「ね。今度は交代して私にもしてみてよ」

むろみ「よかよ~、そしたら背中こっちに向けて……」

拓郎「だ、駄目!」

隅田「え?」

むろみ「なんで? 私ばっかりしてもらうの可哀想やん」

拓郎「……」つ『ルアー』

拓郎「でぇいっ!!」

―― ポーン

むろみ「はっ……」

隅田「おっ……」

―― バシャーン


48:名無しさん@ピンキー
10/05/13 07:32:35 FaztWOmG
・・・

むろみ「も~、たっくんなんばすっと~?」

拓郎「ごめんごめん。それと、二人がルアーを追ってる間に、ローターが水に濡れて壊れちゃった」

むろみ「え~っ!?」

隅田「そっか。残念だけど仕方ないね」

拓郎(良かった……これでひとまずオッケーだ)

むろみ「しょうがなかね~……あっ、じゃあこれは何に使うと?」

隅田「なんだろうね。プラスチックのこけしかな?」

拓郎「ブホはッ!?」

むろみ「ねーねーたっくん、これなぁに~?」

隅田「これはどうやって使うの? 教えてよ拓郎くん」

拓郎(もう勘弁してくれ……)

(了)


49:名無しさん@ピンキー
10/05/13 07:38:05 FaztWOmG
以上、毎度あっさり風味な投下終了

読み返して見ると、>>46>>47の間にもう一山あっても良かったかなと思う

むろみさんの口調に違和感があるかも知れないけど、自分が鹿児島県人なので鹿児島県弁も若干混じってるからと思ってくれい

ではまた ノシ


50:名無しさん@ピンキー
10/05/13 07:40:34 FaztWOmG
鹿児島県弁ってなんだよ……
正しくは鹿児島弁ですた

51:名無しさん@ピンキー
10/05/14 00:59:13 JPI9kiGd
淡白な顔してローターやらバイブやらの使い方はしっとるんだなたっくん…

52:名無しさん@ピンキー
10/05/14 09:22:25 1uFlaq6G
あれでも男の子だしな

使い方が分からなくて模索してる内にエロい方向に……ってのもありそうだが


53:名無しさん@ピンキー
10/05/14 09:28:08 1uFlaq6G
今読み返してみたら、拓郎じゃなくて拓朗が正しいんだな
ずっと勘違いしてた


54:名無しさん@ピンキー
10/05/27 22:45:40 2HWs7grQ
あげ

55:名無しさん@ピンキー
10/06/01 02:30:20 t2WlZk+T
むろみさんは魚類だから先に産卵して精子待ちになるパターンではなかろうか

56:名無しさん@ピンキー
10/06/01 02:32:49 EfpZzl+J
なかろうかというか、そのまま

57:名無しさん@ピンキー
10/06/02 18:45:57 9uQBKKHU
今週は年上のお姉さんって感じだなむろみさん

58:名無しさん@ピンキー
10/06/02 20:32:37 LfP3uBdb
>>55
まだラノベという呼び名が生まれる前、スレイヤーズってのがあってな…

59:名無しさん@ピンキー
10/07/26 19:57:34 rsKAS4RB
ageとくか

60:名無しさん@ピンキー
10/09/04 23:10:43 zSitGlED
富士さんの話はまだかな?

61:名無しさん@ピンキー
10/09/05 19:57:21 Yp8GnWGn
むろみさん鬼畜地獄~富士さんと一緒~

むろみ「富士さん。今度産まれた卵に、たっくんの精子かけてもらいんさい」

富士「そ、そんなことしたら、人間との子供が出来ちゃう……」

むろみ「あれ~? 富士さんは私のこと好いとうとやなかったと? 何でも言うこと聞くって言わんかったっけ?」

富士「それは、胸を叩かれたせいで前後不覚になってたから……!!」

むろみ「あっそう。そいなら富士さんにもう用はなかよ。たっくんと二人でラブラブちゅっちゅしとくけんね」

富士「あ、あうぅ……」

むろみ「さぁ、どうすると? 私の言うことを聞いてたっくんの子供を産むか、聞かずに一生無視されるか、どっちがよかとね?」

富士「………ます」

むろみ「なんね~。そげん小さか声で言っても聞こえんよ~?」

富士「人間との子供……産みます! だから、私を一人にしないで下さい……」

むろみ「ふふん。ようやく素直になったね。なら、たっくん。ぴゅぴゅーっと精子かけてあげて?」

拓朗「ハァハァ……うっ!」ビュッ

みたいな


62:名無しさん@ピンキー
10/09/05 22:42:22 yRGdkYfV
むろみ黒ッ!
やっぱ人魚は本番シーンができないからな


63:名無しさん@ピンキー
10/09/08 23:47:55 wBnjehMd
明石さん×鳴門さんってのは

64:名無しさん@ピンキー
10/09/09 07:00:33 4vaf319X
明石さんと鳴門さんの性格がよく分からん


65:明石さんと鳴門さんと
10/09/09 11:11:26 4vaf319X
明石「はぁ、疲れたぁー」

鳴門「うーん。今日の狩りもハードやったねぇ、明石」

明石「そうねぇ。淡路姉さん最近人使い荒くない?」

鳴門「まぁいいやん。私らも楽しんでやってるんやし?」

明石「それもそっか」

鳴門「ねぇ、それよりもさぁ」

明石「うん?」

鳴門「狩りの後のいつものお楽しみ、せぇへん?」

明石「……いいよ、おいで鳴門」

鳴門「へへへ……」

スリスリ

明石「ほんとに、鳴門は甘えん坊さんやねぇ」

続く?


66:明石さんと鳴門さんと
10/09/09 11:26:37 4vaf319X
鳴門「明石のほっぺた、いつ触ってもぷにぷにしてるねぇ」

明石「鳴門はほっぺた好きやね。子供みたいや」

鳴門「うん、好き。でもちゅーしてもらうのはもっと好き」

明石「ちゅー、したい?」

鳴門「したい。ちゅーして明石。いっぱいして」

明石「ふふん、じゃあ鳴門が可愛くおねだり出来たらしてあげてもええよ」

鳴門「えー? 恥ずかしいよ……」

明石「じゃあおあずけ。ちゅーしてあげない」

鳴門「うぅー……」


67:明石さんと鳴門さんと
10/09/09 11:41:26 4vaf319X
鳴門「ほんとにおねだりしなきゃダメ?」

明石「ダメ。私も鳴門の可愛いとこもっとみたいもん」

鳴門「うぅ……じゃあ、ちゅーして下さい」

明石「可愛らしさの欠片もないやん。却下」

鳴門「明石のイジワル!」

明石「ふふ……怒った鳴門の顔も素敵」

鳴門「もう……」

明石「ほら、こっち向いて。ちゅーしてあげるから」

鳴門「……ん」

――チュッ


68:明石さんと鳴門さんと
10/09/09 11:53:17 4vaf319X
鳴門「明石、ちゅー上手……私も上手く出来るようになりたい」

明石「せやね。いっぱいちゅーしたら上手になるよ、きっと」

鳴門「なら、今日は私がいっぱいちゅーしてあげる。明石が嫌って言っても離してあげんからな」

明石「うん、分かった。じゃあ鳴門のちゅーが上達するまで、私が付き合ってあげる」

鳴門「ふふ……」

明石「うふふ」


69:明石さんと鳴門さんと
10/09/09 12:07:43 4vaf319X
――

淡路「オーッス、むろみさん」

むろみ「あ、淡路さんおひさー。なん、また狩りのお誘い?」

淡路「あぁ、それもあるんやけどな。うちの明石と鳴門を見ぃひんかったか?」

むろみ「あの瀬戸内姉妹? いやー見てないねぇ。ていうか三人とも、一緒に暮らしてるんじゃなかったと?」

淡路「いや、携帯に定期的に連絡いれるようにはしとるけど、住んでる場所はちがうんや」

むろみ「へー」

淡路「せっかく大物の情報仕入れてきたのに、どこ行っとるんやろなぁあの二人……」

むろみ「あ、噂をすれば。あそこに見えるのその二人やなかね?」

淡路「お、本当や。おーい、明石に鳴門ー。お前ら何しとったんや!」


70:明石さんと鳴門さんと
10/09/09 12:13:20 4vaf319X
明石「すみません姉さん!」

鳴門「ちょっと用事があって、携帯の電源切ってたもんで……」

淡路「なんや、女同士で手ぇなんか繋いで」

むろみ「二人とも仲良しさんやねぇ」

明石「それは……ねぇ?」

鳴門「うん……」

淡路「ま、こうして会えたから許したる。それより二人とも、次の狩りの標的決まったでぇ!」

明石「おぉ!!」

鳴門「次は何を狩るんスか!?」

淡路「おぅ、今度の獲物はすごいでぇ。北洋の方でモビーディックと呼ばれた化け物鯨でなぁ……」


――明石と鳴門、二人が恋人同士とは露知らず、今日も瀬戸内三連星は獲物を狩るのであったとさ。

(了)


71:名無しさん@ピンキー
10/09/09 12:16:42 4vaf319X
以上、投下終了。ソフトレズ物にチャレンジしたらえらい恥ずかしい代物になってしまった
登場頻度と会話場面が少ないせいで明石と鳴門の喋り方がよく分からん


72:名無しさん@ピンキー
10/09/09 23:03:54 /GcIGXei
GJ!
確か関西弁だったような気がする。

明石の「この傷跡は水鳥拳!」にぐっと来た

73:♯.乙姫さんとたっくんと 1/3
10/09/11 02:11:51 HqhWE1D5
♯乙姫さんとたっくんと


乙姫「いらっしゃいませ……あ」

拓「ちわっす」

乙姫「……あなた、また来たの? どういうつもりか知らないけど、私はあの人魚と仲良くするつもりは毛頭無いわよ?」

拓朗「そんなんじゃないですって。今日は釣具を買いに来ただけですよ」

乙姫「ふん……ならいいですけど。それで、今日は何をお買い求めで?」

拓朗「えーと、浮きとテグスと、あと撒き餌も切れかけてたっけな……」

乙姫「そこの棚にあるから、勝手に持ってきなさい」

拓朗(はぁ……相変わらず風当たり強いなぁ……)


74:♯.乙姫さんとたっくんと 2/3
10/09/11 02:12:39 HqhWE1D5
拓朗「えーと…これだけお会計お願いします」

乙姫「……」

拓朗「乙姫さん?」

乙姫「……はッ?」

拓朗「何ボーッとしてるんですか。竜宮城のことでも思い出してたんですか?」

乙姫「ち、違います! いつまでも過去の栄光にすがるような女だと思わないで下さい!」

拓「はぁ……そりゃすみません」

乙姫「全く……はい、これとこれとこれで4,980円!!」

拓朗「ども……そういえば、乙姫さんって竜宮城でどんな仕事してたんですか?」

乙姫「え゛っ……?」

拓朗「竜宮城を経営してたのは知ってますけど、具体的にどんなことしてたのか気になって」

乙姫「そ、それは、その……」

拓朗「あ、もしかして、浦島太郎の接待とか? 乙姫さんなら浦島太郎にも会ってるでしょ」

乙姫「ッッッ!?」ガタッ

拓朗「うわっ。どうしたんですか乙姫さん、椅子から転がり落ちたりして」


75:♯.乙姫さんとたっくんと 3/3
10/09/11 02:14:59 HqhWE1D5
乙姫(こ、この子まさか……私の過去を知ってるっていうの……!?)

―――――<回想>―――――


乙姫『あーら、大変。この子ったらもう涎垂らして私のことを欲しがってるわ』
浦島『ハッ……ハッ……』
乙姫『まるで犬みたいね。これからは自分のことを犬畜生とお呼びなさいな』
浦島『お、乙姫様……どうか私めにご慈悲を……』
乙姫『犬にかける慈悲なんて持ち合わせてないわねぇ。おーっほっほ』


――――<回想終わり>――――

乙姫(言えない……竜宮城経営の片手間にSMクラブも経営してたなんて言えっこない……)

拓朗「乙姫さん? どうかしました?」

乙姫「……」ジトーッ

拓朗「……?」

釣具と一緒に、乙姫の新たな敵意も買ってしまったたっくんであった。

(了)


76:名無しさん@ピンキー
10/09/11 02:16:12 HqhWE1D5
投下終わり
なんか自分の中では乙姫さんがS女だった


77:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 1/21
10/09/11 19:40:37 HqhWE1D5
『火急的速やかにいつもの波止場まで来て!! 今すぐに!!』

 そんなメールがむろみさんから来たので、いつも釣りをしてる波止場へやって来ました。

拓朗「むろみさん、何の用なんだろ。今日は家で大人しくしとくつもりだったんだけどな」

むろみ「やっほー、たっくーん。こっちこっちー」

拓朗「あ、むろみさん。どうしたのさ、なんかいつもとメールの雰囲気が違ったけど」

むろみ「たっくんに見せたかもんがあったから、急いで来てもらったとよ」

拓朗「見せたいもの?」

むろみ「そう! たっくん見たらちかっぱ驚くと思うたけん、すぐに来て欲しかったんよ~」

拓朗「何? 俺も大概のものにはもう驚かないつもりでいるけど?」

むろみ「むっふっふっふっ、それはね~……」

 そう言うとむろみさんは、おもむろに海から上がり、腰から下を陸へ投げ出します。

拓朗「……えっ?」

 鱗でびっしり覆われているはずのそこには、すらりと伸びた人間の生足が生えてました。

拓朗「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッッ!!?」

むろみ「ね? びっくりしたでしょ?」


78:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 2/21
10/09/11 19:41:56 HqhWE1D5
拓朗「何これ!? なんでむろみさんの足が人間の足になってんの!?」

むろみ「実は、悪い魔法使いにたぶらかされて人間の姿に……」

拓朗「そういうのいいから。本当の理由だけ教えて」

むろみ「もー、相変わらずのボケ殺しやもんね~」

拓朗「あのさ、これでも俺心配してるんですけど。からかいたいだけならもう帰るよ?」

むろみ「あ~、そげん心配せんでも、これは川端くんの作った薬の効果やけん大丈夫なんよ」

拓朗「あぁ、あの河童の……で、それって何の薬?」

むろみ「なんかね、病原菌の細胞を殺す薬を作ってたら、副産物で細胞を変質させる薬が出来たらしいんよ」

拓朗「それで人間の足が……っていうか、そんな危ない薬よく飲んだね」

むろみ「そういえばそうやね。何も考えとらんかったたい」

拓朗「……もしかして、体よく実験台にされただけだったりして」

むろみ「仮にそうだとしても、川端くんの腕は確かやけん平気ったい」


79:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 3/21
10/09/11 19:43:33 HqhWE1D5
拓朗「で、その装着してる紐ビキニはどうしたの?」

むろみ「あー、これはね、前に言った携帯作っとう人がくれたんよ。ワイズマンっちう名前なんやけど」

拓朗「あぁ、良かった。俺はまた駅前のドンキとかまで下半身露出したまま買いにいったのかと思ったよ」

むろみ「そんなことしたら捕まるったい! たっくん何考えようと!?」

拓朗「いやぁ、むろみさんならやりかねないなぁと……」

むろみ「たっくんたら見かけに寄らずむっつりさんなんやねぇ……」

拓朗「いやそれはない」

むろみ「そんなに我慢せんでも、せっかく人間になれたんだから結ばれるのも簡単なのに……」

拓朗「いやそれはもっとない」


80:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 4/21
10/09/11 19:44:55 HqhWE1D5
むろみ「それじゃあたっくん、挿入しますか?」

拓朗「しません」

むろみ「じゃあ、中出ししますか?」

拓朗「中出ししたら挿入もしてるじゃないか」

むろみ「じゃあ何ならしてくれると!?」

拓朗「何もしないからね!?」

むろみ「え~? それじゃあ何のために人間になったのか分からんや~ん」

拓「えっ? それって、もともと人魚が人間になるための薬だったの?」

むろみ「ううん。川端くんの話だと、本人の願望を投影して、なりたい姿にさせてくれる薬らしいくさ」

拓「それでむろみさんは、人間の下半身を引っ付けることを選んだ訳?」

むろみ「だってたっくん、いつまで経っても精子かけてくれないんやもん」

むろみ「それならいっそ、人間の姿になってたっくんと生殖行為した方がマシやと思わん?」

拓朗「そのためだけに開発途中の危険な薬飲んだんかい!」

むろみ「人魚は人間より頑丈やけん、薬の一個や二個どってことなかよ」


81:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 5/21
10/09/11 19:46:44 HqhWE1D5
拓朗「全く……むろみさんには付き合ってらんないよ」

むろみ「あっ、たっくんどこ行くと?」

拓朗「もう帰る。これ以上ここにいても得るものは何もないから」

むろみ「そげんこと言わずに~。あ、そうだ。待ってくれたら良かもん見せてあげるったい」

拓朗「……何を見せるつもりなの?」

むろみ「おっ、興味持ったとね~。それじゃ、ご開帳~」

――くぱぁ

拓朗「ぶっ……!?」

むろみ「おー! 人間のアソコってこげな風になっとうとやねー! 初めて見た訳やなかけどなんか感動ー」

拓朗「お、女の子が人前で股開くんじゃないよ!!」

むろみ「興奮した? たっくん」

拓朗「いいから早く股を閉じて!」


82:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 6/21
10/09/11 19:48:49 HqhWE1D5
むろみ「あれ~? たっくん、口ではそう言いながらこっちは勃起しとうやん」

拓朗「こ、こら! 触るな!」

むろみ「たっくんてば、私のアソコ見て興奮してくれたとやね? 嬉しかよ」

拓朗「あのね、人間の性欲ってのはシチュエーションに大きく左右されるの」

拓朗「品性も何もなくガバーッと足開かれても、俺的には全然萎えなんだよ」

むろみ「じゃあ、この固くなったたっくんの釣竿はどう説明すると?」

拓朗「それは動物としての生理現象! てゆーかご開帳とか釣竿とか、表現がいちいちオヤジ臭いよ!」

むろみ「も~、つくづく素直やなかね~。そんなたっくんにはこうしてやるけん」

――ギュッ

拓朗「うあっ!?」ビクッ

むろみ「むふふ、これ、素股って言うとやろ? せっかく生えたんやけん足を使わんともったいなかよね」

――しゅっ、しゅっ

拓朗「うあぁっ…!!」

むろみ「たっくんの感じてる顔可愛かよ……あんっ!」


83:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 7/21
10/09/11 19:50:17 HqhWE1D5
拓朗「うっ…く、あっ……」

むろみ「すごーい、ズボン越しでもバキバキになっとうとが良く分かるたい……」

拓朗「む、むろみさん……これ以上は駄目だって……」

むろみ「なんで? こげなとこで寸止めしたら身体に悪かよ?」

――さわさわ

拓朗「ぐあっ!!」

むろみ「あーん、本当にその顔可愛いかっ!! いっつもツンツンしてるけん、なおのこと可愛く見えて仕方ないっちゃん」

拓「ハァ…ハァ…」

むろみ「ね、たっくん。今度は直にたっくんのこれを触るけんが、良かよね?」

拓朗「……もう好きにして」

むろみ「やった!」

――カチャカチャ


84:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 8/21
10/09/11 19:51:57 HqhWE1D5
むろみ「それじゃ、たっくんのたっくんとご対面~」

――ポロッ

むろみ「おぉー、これがたっくんの……ずいぶん立派な長物をお持ちで」

拓朗(くっ……恥ずかしいけど、ここで『見ないでくれ』とか言ったらますます調子に乗るよなぁ……)

拓朗(かといって堂々と見せたら乗り気だと思われちゃうし……ここは敢えて素っ気なく)

拓朗「し、仕方ないな。ここまで来たらもうなるようにしかならないし、なるべく早く済ませてよ?」

むろみ「……たっくん、不安で声が上擦っとうとよ?」

拓朗「余裕ぶってんの即バレたよ畜生!」

むろみ「大丈夫、初めては誰でも恐いもんやけん。私が優しくたっくんの初めて奪ってあげるけんね」

拓朗「……そういえば、さっきからやたらリードしようとしてるけど、むろみさんも処女なんじゃないの?」

むろみ「……え?」

拓朗「だって、昨日まで足なんかなかったんだから、それに付随してるアソコも当然……」

むろみ「あー……その発想はなかったたい」

拓朗「おいおい」


85:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 9/21
10/09/11 19:53:17 HqhWE1D5
むろみ「まぁ、私痛いの結構好きやけん、初めてでも多分平気たい」

拓朗「でも、処女喪失の痛さって半端ないらしいよ。人によっては大根突っ込まれたかと思うくらい痛かったとか言うし」

むろみ「そげん知識ばっかりひけらかしても、私の決意は変わらんからね!」

拓朗「別にそんなつもりないって。俺は本気でむろみさんのことを心配してるだけだよ」

むろみ「むぅ~……それなら、初めてがあんまり痛くないように、たっくんがここ舐めてよ」

拓朗「うぇ、マジで?」

むろみ「私のことを心配しとうなら、舐めてくれるよね? たっくん?」

拓朗「えー……正直、なし崩しで犯られちゃいそうで嫌なんだけど」

むろみ「なんね、たっくんはまだ犯られずに帰るつもりやったと? それはちょっと考えが甘くなかね?」

拓朗「いや……ここまで来たら、もう腹くくるしかないとは思ってるよ」

むろみ「ふふん。さすがたっくん、流れを読むことに関しては天下一品やね」

拓朗「誉められてる気がしないよ、それ」


86:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 10/21
10/09/11 19:55:38 HqhWE1D5
むろみ「じゃあ改めて……ご開帳~」

――くぱぁ

むろみ「どう、私のアソコ。なんかおかしくなか?」

拓朗「さぁ……俺も女の人のを見るの初めてだし。でも、綺麗なピンク色してるよ」

むろみ「なんか、こうして見られようと身体が熱くなってくるったい……」

拓朗「へぇ。見られて感じるなんて、むろみさんって結構淫乱なんだね」

むろみ「そげんこと、今さら知ったと? たっくん」

拓朗「……そういえば、むろみさんって昔っから淫乱っぽかったっけ」

むろみ「もう~、私が淫乱かどうかはどうでんよかから早く舐めてよ。なんか、アソコがむずむずしてきよったたい」

拓朗「はいはい……それじゃ、いくよ?」

――ちゅぷ……

むろみ「はうぅ……!」


87:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 11/21
10/09/11 19:56:40 HqhWE1D5
――ぴちゃ、ちゅるっ

拓朗「どう、むろみさん。ちゃんと感じてる?」

むろみ「やっ……たっくんの舌、すごかぁ……あんっ……!」

拓朗「あんまりおっきい声出さないでよ。人来ちゃうよ?」

むろみ「たっくんが私を乱れさすのがいかんったい……」

拓朗(……流れに任せて言う通りしてるけど、冷静になったら今すごいことしてんなぁ……)

むろみ「ね、たっくん。どうせなら指も入れてみてくれんね? そしたらもっと気持ちよくなれるかも……」

拓朗「……ん。こう?」

――ずにゅっ

むろみ「ひゃうぅっ!!」ビクンッ

拓朗「うぉ……だ、大丈夫?」

むろみ「ん……うん……初めての刺激にビックリしただけたい……」

拓「……」ゴクリ


88:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 12/21
10/09/11 19:58:00 HqhWE1D5
拓朗「むろみさん、ごめん。ちょっとだけ強くしてみてもいい?」

――ぐにっ

むろみ「ひゃっ!?」

――ぐりぐりっ

むろみ「やっ、あっ、あぁんっ!!」

拓朗「ここをグリグリされると、感じるの?」

むろみ「うんっ、上の方指でグリグリされるの気持ちよか!」

拓朗「そっか……じゃあそこを重点的に……」

――ぐにっ、ぐいぃっ

むろみ「うあぁっ、あっ、あっあっ!!」

拓朗「……すごいな、指だけでこんなになるなんて……」

むろみ「あうぅ……た、たっくんの指すごかぁ……」


89:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 13/21
10/09/11 19:59:46 HqhWE1D5
むろみ「ね、たっくん……お願い、もっと指でして……?」

拓朗「……」

――ちゅぽっ

むろみ「ふぁ……? なんで指抜くん……? せっかく気持ちよくなっとったとに……」

拓朗「むろみさん、ごめん。俺もそろそろ……」

むろみ「あ……そっか。ごめんね、たっくんも気持ちよくなりたかよね……?」

拓朗「……う、うん」

むろみ「そげん素直なたっくん初めて見たったい……いつもこうならよかとにね」

拓朗「むろみさんが普通の人魚なら、俺だってもっと普通に付き合えるよ」

むろみ「博多人魚はのぼせもんっちゃけんね……そんな私、たっくんは嫌い?」

拓朗「……嫌いじゃないよ。今は好きとも言えないけど」

むろみ「ふふ……ありがと、たっくん。私も、たっくんのこと好いとうとよ」

――チュッ

拓朗「わっ……」


90:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 14/21
10/09/11 20:01:15 HqhWE1D5
むろみ「うふふ~。たっくんのファーストキス、いただき~」

拓朗「……よく自分のアソコ舐めさせた後の口にキス出来るね」

むろみ「細かかことは気にせんことたい。それより……」

――くちゅっ

むろみ「たっくんの童貞、本当に私がもらってよかと?」

拓朗「俺の方こそ、むろみさんの処女、奪っていいの?」

むろみ「そげんことは愚問っちゃね。たっくんになら、どんな無茶苦茶されても全然へーきたい」

拓朗「……なら、いくよ?」

――ズズッ

むろみ「んっ……」

拓朗「うわっ、キツ……」

むろみ「い、いいから。もっと奥まで挿れて」

拓朗「分かった。痛かったらちゃんと言ってよ?」

むろみ「うん……ひっ!」


91:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 15/21
10/09/11 20:03:07 HqhWE1D5
拓朗「んっ……くっ……」

――ズッ、ズズッ

むろみ「くぅ……!」

拓朗「大丈夫? 一旦抜こうか?」

むろみ「そ、その優しさだけでご飯三杯はイケるから平気ったい……」

拓朗「……ネタを言える程度の余裕はあるってことかな。それなら、後は一気に……!!」

――ズズズズッ

むろみ「んやあぁぁぁぁッッッ!?」

拓朗「む、むろみさん!?」

むろみ「痛い痛い痛い! やっぱ無理ぃ抜いて抜いて抜いてえぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

拓朗「わ、分かった! 今すぐ抜くから……」

――じゅぼっ

むろみ「ハァ……ハァ……た、たっくんのブツは凶器やね……あんなの挿れたら、壊れてしまうったい」

拓朗「やっぱり童貞と処女同士じゃあ無理があったか……」


92:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 16/21
10/09/11 20:04:19 HqhWE1D5
むろみ「あ」

拓朗「あ」

むろみ「血が出とう……ってことは、さっきので膜は破けたとやね」

拓朗「みたいだね」

むろみ「一応これで、たっくんの手で女にしてもらえたっちことになるんかね?」

拓朗「うーん……まぁ、そうなるんじゃないかなぁ」

むろみ「なら次は、二人とも最後までイクのが目標っちゃね!」

拓朗(あのむろみさんが本番を次回に持ち越すってことは、相当痛かったんだろうな……)

むろみ「たっくん! 今度こそ二人で、あの山まで登りつめようね!!」

拓朗「はいはい……でもさ、その薬っていつまで効果があんの? それ次第じゃあ次があるのかも分かんないじゃん」

むろみ「そういえばそうやね。後で川端くんに連絡して聞いてみるったい」


93:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 17/21
10/09/11 20:05:48 HqhWE1D5
……しばらく後

むろみ「うーん…」

拓朗「どうだった? 川端さん、なんて言ってた?」

むろみ「いやぁ、それがね……どうもしばらくは、この人間の姿のままでおらんといかんみたい」

拓朗「え!? なんで!?」

むろみ「えっとぉ……川端くん曰くね……」

川端『一度飲んだ薬は、どれだけ時間が経っても効果が切れることはなかぞ』

川端『元に戻るにはもう一度この薬を飲むしかなかが、なにぶん試作品やったけぇ今は手元になくてな』

川端『新しく作り直すまで、そのまま待っとき。そげん時間はかからんくさ』

むろみ「……っちことらしかとよ」

拓朗「そ、そんなバカな……」


94:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 18/21
10/09/11 20:06:59 HqhWE1D5
拓朗「それで、新しい薬が出来るまでどれくらいかかるの?」

むろみ「製造法は確立しちょうから、遅くとも三日後には出来上がるって」

拓朗「三日って、その間どうすんのさ。その格好じゃ海に潜る訳にもいかないでしょ」

むろみ「そう! だけん、良ければたっくん家に泊めてもらえんかなぁって」

拓朗「はぁ? なんで俺が!?」

むろみ「お互い愛しあった仲やないの~。ね? よかでしょ?」

拓朗「え~? そりゃ俺は構わないけど、母さんたちになんて説明すればいいんだろ」

むろみ「それはもちろん、たっくんの運命の恋人?」

拓朗「ねーよ」

むろみ「あうぅ、たっくんがまたいつものツンツンに戻ってしもうた……」

拓朗「全く。優しくすると付けあがるんだから、むろみさんは……」


95:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 19/21
10/09/11 20:11:18 HqhWE1D5
 ――結局、むろみさんと俺の初めての情事は、散々な結果に終わったのでした。

後に判明したことですが、あの薬には、何度も使っていると筋肉細胞が徐々に硬化して、壊死
していってしまう副作用が発見されたそうです。(おー怖……)

むろみさんは川端くんに薬を禁止されて非常に残念がっていましたが、俺としてはホッとして
る面が強かったりします。

あ、そうそう。むろみさんが人魚に戻るまでの三日間は、漁師のごんちゃんって人のお世話に
なったそうです。

 本人も、この三日間は夢のようだったと、なんだかんだ楽しんでいたみたい。

その三日の間、俺が何回むろみさんに襲われかけたか、それは敢えて伏せたいと思います。

 むろみさん、お願いだからもう人間になんかならないで。俺の体が保ちません。

――向島拓朗の述懐より、抜粋

(了)


96:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 20/21
10/09/11 20:12:30 HqhWE1D5
<後日談・その1>

級友A「お~い、向島。お前あの噂聞いたか?」

拓朗「あ? なんの噂?」

級友B「それがさぁ、すっげぇんだぜ。町外れの方に船着き場があんじゃん」

級友A「なんかあそこで昨日、乱交してたカップルがいたらしーんだよ」

拓朗「ぶはっ!?」

級友A「男の方が女の股に顔埋めたり、色々凄かったって言ってたな」

級友B「お前、あの辺でよく釣りしてるみたいだけど、鉢合わせたりしなかったか?」

拓朗「い、いや全く……(ヤッベー見られてたのかよ!)」

級友A「はぁーあ、羨ましいなぁ。俺も彼女作ってイチャイチャしてーぜ」

級友B「全くだ。世の中にゃあ元気なカップルもいたもんだなぁ」

拓朗「……そんなにいいもんでもなかったけどね」ボソッ

級友A「あ? なんか言ったか、向島?」

拓朗「いや、別に……ははは」


97:♯∞ 怪しい薬とむろみさん 21/21
10/09/11 20:13:31 HqhWE1D5
<後日談・その2>

むろみ「私ね、ちょっと考えたんやけど」

拓朗「何?」

むろみ「次にたっくんと結ばれる時は、始めから非処女の体で人間になれば痛くなかとじゃなか?」

拓朗「なるほど。あの薬なら確かに不可能じゃないね」

むろみ「でしょ!? 私ってもしかしたら天才やなかろうか!」

拓朗「いやでもそれ以前に、もうむろみさんとはしないからね?」

むろみ「な、なんでっ!?」

拓「いや……冷静に考えたら、いくら人魚でも人間の体な以上、中出しとかして妊娠されたら困るし」

むろみ「あ、それなら平気たい。川端くんに聞いたんやけど、人間の状態で中に
    精子出しても、人魚に戻ればそのまま体内に吸収されよるやろうって」

拓朗「それはそれですげぇ嫌だ……」


98:名無しさん@ピンキー
10/09/11 21:40:40 uLn22/hr
いいね!
魚に戻ったらあれだ、胎内で孵化して小魚が産まれてくるんだろ

99:名無しさん@ピンキー
10/09/12 14:01:15 NDCSqJgc
GJ!
久々にいいもの見れた

100:名無しさん@ピンキー
10/10/04 12:03:24 M3krvO+l


101:名無しさん@ピンキー
10/10/08 22:58:19 NTB+wBxy


102:名無しさん@ピンキー
10/10/10 11:32:16 HBVGaAuj


103:名無しさん@ピンキー
10/10/10 12:52:52 SxgVV7Yz


104:名無しさん@ピンキー
10/10/10 12:53:17 SxgVV7Yz
午前1時より男女混合漫画キャラトーナメントの予選が開始されます。

{{イエティ@波打際のむろみさん}}
{{隅田@波打際のむろみさん}}
{{宝満@波打際のむろみさん}}
が出場しますので、皆様奮ってご参加ください。

出場キャリスト(最大15名まで投票可)
URLリンク(book.geocities.jp)

コード発行所
URLリンク(tcode.sakura.ne.jp)
漫画最萌オールキャラルネサンス 投票スレ6
スレリンク(vote板)


105:名無しさん@ピンキー
10/10/13 17:01:15 Sjb8gQAC


106:名無しさん@ピンキー
10/10/25 22:06:21 JL4GA4Vs
イエティって男?

107:名無しさん@ピンキー
10/10/25 22:41:24 m8Xerg+x
>>106

性別:イエティ
だろJK

108:名無しさん@ピンキー
10/10/28 23:10:22 bbR7Bolb
>>107
答えになって無いが、そこがイイ!

109:名無しさん@ピンキー
10/11/02 02:05:40 PUGYSAx2
ただの疑問だがスレ的にピスタチオはダメなのか?

110:名無しさん@ピンキー
10/11/05 07:21:19 1wpIes5w
名島啓二総合ならいいだろうが、むろみさんスレだしね
ピスタチオもエロネタの宝庫ではあるけど


111:名無しさん@ピンキー
10/12/05 22:38:41 G8RjAV7b
ははは、過疎過疎
誰かお題的なものおくれよ

112:名無しさん@ピンキー
10/12/05 22:53:06 pcuL3rIe
リヴァイアさんでおながいします

113:名無しさん@ピンキー
10/12/05 23:09:45 G8RjAV7b
早いなwwww把握した
リヴァちゃんのどんなプレイをお望みかな?

114:名無しさん@ピンキー
10/12/06 22:34:16 rudQDpJ2
112じゃないけど足コキとか言ってみる

115:名無しさん@ピンキー
10/12/07 06:58:03 Kmv5wF3P
待て待て待て、人魚に足コキだと?wwwww
無茶ぶり過ぎやしないか?wwwww


116:名無しさん@ピンキー
10/12/09 06:53:11 KPu7GvQA
今週ので変身可能ってわかったので大丈夫だろう

117:名無しさん@ピンキー
10/12/11 23:38:38 U3T31tGb
とりあえず ◆33tvrdxFDUの降臨を待つか

118:名無しさん@ピンキー
10/12/12 17:25:36 Ny4jgBj3
リヴァイアさん陵辱って、よっぽど強い奴で無いと無理だなと感じる今週のリヴァイアさんビギンズナイト秘話

119:名無しさん@ピンキー
11/01/12 03:11:01 v6rtaxWw
ハーピー裸なったのね、全身描写なかったけど

120:名無しさん@ピンキー
11/01/13 00:01:15 7PtzK0GZ
隅田さんのオッパイすごかったな

121:名無しさん@ピンキー
11/01/21 14:47:33 A9lGaEVO


122:名無しさん@ピンキー
11/01/21 23:19:39 14J5J+ED
南国の幼女でエロパロ希望

123:名無しさん@ピンキー
11/02/02 12:39:11 0m1uQN+m
今週のは人魚の認識では性行為に含まれるのか?
たまごまぜまぜプレイに精子かけちゃうとかどんな乱交なの?ねえ

124:名無しさん@ピンキー
11/02/03 18:19:05 qD6k++gk
富士さんの表情がたまらなかったな
逆にノーマルプレイがどんなのかが気になる

125:名無しさん@ピンキー
11/02/14 20:50:14 FVD4Agu0
今こそ改めて>>11を評価しよう

126:名無しさん@ピンキー
11/03/10 00:19:58.07 1Ot4I+AX
今週の話でひいちゃんのエロパロが投下されることを願う

そんなage


127:名無しさん@ピンキー
11/03/11 11:57:26.33 X59mBc5e
リヴァイアさん陵辱できるのってやっぱりバハムートぐらいだろうな
でも見てみたい、手も足も出せず犯されるリヴァイアさん

128:名無しさん@ピンキー
11/03/17 18:04:43.69 P2xrdznW
今週のイエティでください誰かください
♀だと嬉しいけど♂でも構いません
なんであのまま押し倒さなかったのか理解に苦しむんですけど

129:名無しさん@ピンキー
11/05/05 08:54:50.36 wEiNgOBY
保守

130:名無しさん@ピンキー
11/05/05 23:55:07.36 cf67ofDf
怪力無双のイエティを押し倒せるわけが無いだろJK

しかし、性に目覚めたばかりのイエティが誰か(男の子ならハーピーやむろみさん、
女の子ならたっくん)を押し倒しちゃう可能性は十二分にありうる。

131:名無しさん@ピンキー
11/05/06 14:48:21.38 Jqc7gaTW
鋭利な爪で脅すとかあるよね

132:名無しさん@ピンキー
11/05/18 16:25:15.42 5l72QxNd
たまあげ

133:名無しさん@ピンキー
11/06/04 20:38:54.58 sD13Zbmb
ho

134:名無しさん@自治スレで設定変更議論中
11/06/15 09:45:36.29 W3SWp9Am
定期ほ
誰か書かないかな

135:名無しさん@ピンキー
11/08/19 16:52:11.43 rnKAvwgL
ちかっぱ過疎

136:名無しさん@ピンキー
11/09/22 03:51:54.99 9fp2QAbr
ほしゅ

137: 忍法帖【Lv=4,xxxP】
11/09/24 14:48:17.95 hk9newuO
むろみさんたち人魚を釣り上げて
包丁で解体し、活け造り、刺身や唐揚げ、つみれ、鍋、寿司、イクラなど
いろいろ料理して皿に盛り付け、みんなでおいしく賞味する
カニバリズム?SS希望

138:名無しさん@ピンキー
11/09/24 15:20:05.94 XaXy37YO
誰得

139: 忍法帖【Lv=6,xxxP】
11/09/27 20:41:07.55 gxta8twh
イカちゃんとコラボしてくれ

140: 忍法帖【Lv=18,xxxPT】
11/10/14 12:31:08.63 BlEMpkTp
むろみさんの卵喰いたい

141:名無しさん@ピンキー
11/10/14 23:12:35.65 RoKp2bp1
ハーピーのパンツを脱がそうとするワイズマン=おまいら

142:名無しさん@ピンキー
11/12/15 17:33:52.14 5TRiNSvW
むろみさんの手ブラ

143:名無しさん@ピンキー
12/01/05 22:58:20.09 wBQq+tY8
age

144:名無しさん@ピンキー
12/01/06 00:14:37.01 r4AmwjCx
もう乙姫さんとつきあっちゃえよ

145:名無しさん@ピンキー
12/02/11 01:47:06.92 xMF0/Un6
ガンジスさんのSSが読みたい

146:名無しさん@ピンキー
12/02/11 23:59:56.06 yCrJiNcP
イエティとハーピーのラブラブ再びお願い

147:名無しさん@ピンキー
12/02/15 09:40:18.06 XzSEJmDr
sage

148:名無しさん@ピンキー
12/03/04 04:49:44.00 q4Jzmhln


149:名無しさん@ピンキー
12/03/30 10:33:24.73 I5eRXgWP
人魚sに子供が欲しいと無理やり迫られ乳だの手だの口だのでこってりとイクラに向かって射精させられるのを頼む

150:名無しさん@ピンキー
12/04/01 00:31:50.52 Njm2LNfs
リクエストには無いネタですが投下してみます

151:「闇の中で」①
12/04/01 00:33:32.61 Njm2LNfs
誰もいないことを確認して、隅田さんは海の底へと潜っていった。

普段仲の良いむろみさんにも秘密の時間。

深く深く、日の光が届かなくなるまで潜り続け、ようやく海底にたどり着いた。

深海は昼間でも目ではほとんど何も見えない闇の世界だ。

その暗幕からはみ出るように、白い触手が隅田さんの目の前に現れた。

「誰だ? 何をしに来た?」

力強い男の声が漆黒の中から響く。

「私よ、隅田よ!」

隅田さんは必死に呼び掛ける。

すると何か大きなモノが動いたのか、水流が乱れ海中の不純物がけちらされた。

そうしてわずかばかり透明度が上がった暗闇の中に、白い巨体がうっすら浮かび上がる。

「やっと俺を解放しに来てくれたのか?」

その巨体の主は、身体を縛られ海底に固定されていた。


152:②
12/04/01 00:35:40.05 Njm2LNfs

たとえ物理的な障害を打ち破っても、呪術的な作用で魔法陣の外には出られないようになっている。

この二重の封印を解く術は、隅田さんには無い。

「クラーケン……ごめんなさい、それはできないの。その代わり―」

そう言うと隅田さんは、おもむろに胸につけた水着をはずした。

白く丸いふくらみとその赤い頂があらわになる。

「そうか、また……慰みものになりに来たか」

クラーケンの触手は遠慮なく隅田さんの腰に巻き付いた。

そして、隅田さんの胸の谷間にも別の触手がこすり付けられる。

「いいの……あっ、私のできる恩返しはこのぐらいしか……あっ」

隅田さんは小さな嬌声をもらした。

そうしている間にも、尾に腕に触手が次々に巻き付き隅田さんの体をなめつくすように這い回った。

軟体動物特有のぬめりにつつまれて、身体中がべたついている。

そのぬめりは絡み付く触手の動きをなめらかで、より淫靡なものにしていた。


153:③
12/04/01 00:37:23.99 Njm2LNfs

そして隅田さんの柔らかな胸はたくましい触手に挟まれて盛り上がり、その赤い先端はさらなる刺激を求めて屹立していた。

そこへ、吸盤のついていない特殊な触手が襲いかかる。

交接腕と呼ばれるイカタコ類特有の器官である。

イカの性器はオスの体内にあるため、代わりにこの触手で精子をメスまで運ぶのだ。

いわば、第二の性器である。

その長大な生殖器官を、クラーケンは執拗に赤くそそり立った隅田さんの乳首にこすり付ける。

「ああっ……」

隅田さんの口から熱っぽい海水が漏れる。

しばらくそうして隅田さんを攻め続けると、やがてクラーケンはいったん交接腕を引っ込めた。

それと同時に、他の触手もするするとほどかれていく。

「え?」

隅田さんが不思議に思っていると、身構える間もなく触手は再び襲いかかり巻き付いてきた。

今度はさっきまでとは違いがっちりと、身じろぐ隙間すら無いほどきつく締め上げてくる。


154:④
12/04/01 00:39:50.63 Njm2LNfs

「―痛っ!」

人魚の繊細でやわな肌と骨格は、強靭な触手に覆われてきしむ。

ぬめりのおかげで多少は痛みもやわらいでいるとは言え、人魚でなければ―

異生物でなければ全身の骨をボキボキに折られボロ雑巾のように成り果てているところだ。

そうして完全に身動きがとれない隅田さんの目の前に、薄黄色い巨大カプセルを掴んだ先ほどの交接腕が現れた。

この大きな、隅田さんの腕ほどもある細長いカプセルは、精包という精子を積めた袋だ。

身動きひとつできない自分に大量の精子が襲いかかろうとしている。

隅田さんは思わず身を振るわせた。

クラーケンの交接腕は隅田さんの目と鼻の先までその精子の塊をもってくると、そこでカプセルを潰して見せた。

飛び散った精子が隅田さんの顔面を覆うようにべたついた。

クラーケンはそうしてやむなく目を閉じた隅田さんの口に、交接腕を無理矢理ねじこんだ。

十分に精子を纏いつけた交接腕は縦横無尽に動く肉棒となり、容赦なく隅田さんの口を犯す。

「ン、ンンぅーン!」


155:⑤
12/04/01 00:42:09.79 Njm2LNfs

隅田さんは激しく身悶えるが力強く彼女を縛り上げる触手が、そのか弱い抵抗すら無慈悲に押さえつける。

さらには、隅田さんの総排泄孔にも、触手が侵入してきた。

吸盤の凹凸の無い滑らかな触手、そして粘液とはちがい体内を侵食するように染み込んでくる液体。
ただの脚ではなく、もう一本の交接腕が精子を塗りつけて隅田さんの下半身の穴に侵入してきたのだ。

激しい感覚に身もだえようにも縛られて動けず、悲鳴を上げようにも口はすでに犯され塞がれている。

まるで人形のように、隅田さんは何をされても耐えるしかなかった。

そして抵抗する術もなく二つの穴に精子を塗り込まれるのだ。

なんというおぞましい性交だろう。

しかし隅田さんは知っていた。

これはクラーケンの優しさなのだと。

なぜなら、本来イカの生殖行為はさらに暴力的なものなのだ。

イカの生殖器は体内にある。オスのイカはメスの体内の生殖器に精子を届けるためにメスの体を傷つけ、切り開く。

その切り刻まれた傷からオスは交接腕をメスの体内へと侵入させる。


156:⑥
12/04/01 00:44:33.79 Njm2LNfs

それをクラーケンは、隅田さんのもとから開いている穴に押し込んでいるにすぎない。

隅田さんの体をがっちりと締め付けているのも、誤って傷を付けてしまわないためである。

生殖行為にともなう暴力衝動をそこまで抑えるというのはイカにとっては大変なことであるはずだ。

また、精包を破裂させたのも隅田さんを汚し凌辱するためではない。

精包の先端には強力な酵素があり、相手の体を溶かしてしまうようにできている。

これもまた、メスの体内まで確実に精子を送り込むための仕組みである。

クラーケンはその精包を潰して隅田さんの体を溶かしてしまわないように配慮したのだ。

これだけの配慮をしながらも、クラーケンは口では何も言わない。

ただ隅田さんを犯し尽くすだけだ。

そのクラーケンの無愛想なやさしさに、隅田さんは体を預ける。

犯されながらぼやける思考の中で隅田さんはふと思う。

たしかにクラーケンの性交はやさしいかも知れない、しかしそれはあくまでイカとしてはだ。

本来性交そのものが必要ない魚類の自分にとっては、こんなのは責め苦以外の何物でもないはずだ。


157:⑦
12/04/01 00:46:34.29 Njm2LNfs

いや、性交を必要とし好む種族であってもほとんどのヒトはこんな拷問のような性交はお断りだろう。

ではなぜ、自分はこんな行為をするために足繁くクラーケンの元へ通っているのか?

恩返し? 同情?

建前はそうだがどちらも何かが違う。

(もしかして、私は被虐を求めているの?)

そんな不純な気持ちでクラーケンにこの身を預けているわけではない。

そう思いたいが、この被虐に酔い始めている自分を、隅田さんは否定しきれなかった。

やがて、隅田さんは責め苦から解放され、ゆっくりと海藻のベッドの上に下ろされた。

身体中粘液と精子とにまみれたまま、疲労による心地よい倦怠感を抱きながら隅田さんは眠りにつく。

少しずつ遠くなる意識の中で、隅田さんは思った。

クラーケンは本当はやさしいヒトなんだ。

私だけが知っている、愛されている時だけはそれを感じることができる。

私だけの―




158:⑧
12/04/01 00:48:40.57 Njm2LNfs
***********


「ナニよ、バーソロミューのやつ!」

翌日、むろみさんを相手に酒を飲んでクダを巻く隅田さんがいた。

「今度は一月もたんかったと?」

「いいわよ、今度はもっと良いオトコ捕まえてやるんだから!」

「こりずによう続くとね」

一回の失恋を数千万年単位で引きずったむろみさんから見れば、隅田さんのようなハイペースな恋愛はある意味潔くすら見える。

「どないしょったら、そないに忘れられると?」

「どないって言われてもねぇ……」

隅田さんは答えあぐねた。本当は違う。

忘れられないから、忘れようと必死なのだ。

隅田さんがそのために別の男を追いかけているということを、周りのヒトたちは知らない。

暗闇の中で被虐に溺れる自分、わずかなやさしさにすがり続ける自分。


159:⑨
12/04/01 00:51:40.32 Njm2LNfs

そんな自分はむろみさんには知られたくない、自分自身でも見たくない。

だから、誰にも隠しているのだ。

それでも隅田さんは、クラーケンとの歪んだ関係を断ち切れずに今まで続けてしまっている。

なぜ、断ち切れないのか?

「一人は寂しいから……かしら?」

気付けば隅田さんはひとりごとのような口調で答えていた。

暗い船室にひとりぼっちで閉じ込められていたあの日の自分、暗い海の底にひとりぼっちにされている今のあのヒト。

その二つの光景が隅田さんの脳裏で繋がった。

160:名無しさん@ピンキー
12/04/01 00:52:18.18 Njm2LNfs
以上で投下終了です

161:名無しさん@ピンキー
12/04/01 16:28:28.27 XgkkXz/3
あげなよ

162:名無しさん@ピンキー
12/04/09 03:23:21.80 QpPUVY2Y
>>160
乙。良かったよ。
今度はむろみさんとたっくんネタをお願い。

163:名無しさん@ピンキー
12/04/09 15:59:43.00 QXUMZuvR
産卵ネタ希望

164:名無しさん@ピンキー
12/04/15 09:37:55.88 UGKJlkWy
「ハーピーは…僕が夜さみしくて眠れない時、布団に入ってきてくれるの。
そして……………僕にたまった性欲も……うまく処理してくれるんだ…
ハーピーはちっちゃい手で…優しく触ってくれるから…すごく気持ちよくて…
その時だけ…なぜかハーピーが…お母さんみたいに頼もしくみえちゃうんだ…

ハーピーは…自分から僕と交尾しようとはしないよ。僕が我慢できずにハーピーを抱きしめた時、ハーピーは僕を受け入れてくれる。
僕が積極的にならないと、ハーピーは交尾させてくれないんだ。
ハーピーのおなかの中はちっちゃいけどとてもあったかくてぬめり気があるし、
彼女は絶妙に身体を動かしてくるから、僕はすぐに射精してしまう。そのかわり僕は体力には自信があるから、何回でも続けられるけどね!」

「…イエティって、お酒が入るとすごく饒舌になるんだね…」

「たっ、たくろーくん!?やっ、しまった、僕は!?うわあ恥ずかしい!」

165:名無しさん@ピンキー
12/05/01 17:44:37.52 gCA+Cx1W
イエティw

>>160
GJ!
隅田さんは影のヒロインだと思うよ、マジで

166:名無しさん@ピンキー
12/05/20 13:25:12.96 tURvHeUu
定期あげ

167:名無しさん@ピンキー
12/05/23 07:16:06.70 73mmKG28
イエティふりん?

168:ラブコメ脳のむろみさん・前編
12/06/27 13:19:17.04 TT0JWRbC
久しぶりに長いの書けたから投下する

非エロ、イチャラブ注意


169:ラブコメ脳のむろみさん・前編 1/10
12/06/27 13:20:47.72 TT0JWRbC
ある日突然、むろみさんが妙なことを言い出した。

むろみ「ちゅーがしたかと!」

拓郎「……はい?」

むろみ「だけん、ちゅーがしたかって言っとうと!」

拓郎「……一応聞いてあげるけど、なんで?」

むろみ「なんでも何も、好いとー男の子とチュッチュしたいのは、全乙女の基本願望やなかね?」

拓郎「いや知らないけど」

むろみ「私の唇、柔らかかとよ? ね、ほら。ね、ね?」

拓郎「ちょっと、むろみさん! さっきオレの釣り餌食べたでしょ! あんま顔近づけないでよ!」


170:ラブコメ脳のむろみさん・前編 2/10
12/06/27 13:22:08.30 TT0JWRbC
むろみ「そげん邪険に扱わんでん良かろうもん……」イジイジ

拓郎「むろみさんの行動が突飛なのはいつものことだけど、今日はいくらなんでも突然過ぎない?」

むろみ「そう? 私はいっつもこんな感じやと思っとうけど」

拓郎「にしても、いきなりちゅーさせろは無いよ」

むろみ「えへへ……実は最近、人間のラブコメにハマっとうとよ」

拓郎「あぁ、通りで……むろみさんに一番読ませちゃいけない類の本を読んじゃった訳ね」

むろみ「ああいう漫画って頭空っぽにして読めよるけん、暇潰しにはちょうどよかもんね」

拓郎「できれば暇潰しにとどめて、実行には移さないでほしいな……」

むろみ「だけん私も、たっくんとラブコメみたいにイチャイチャしたいなーて思って。ね?」

拓郎「ね? じゃないよ。超迷惑だから止めてくんない?」

むろみ「おぉう……さすが絶対零度の拓郎たい」

拓郎「誰が絶対零度じゃ」


171:ラブコメ脳のむろみさん・前編 3/10
12/06/27 13:24:00.15 TT0JWRbC
拓郎「とりあえず俺に応じる気はないんで、そのつもりで」

むろみ「そげんこと言うて、後でしておけば良かったち思っても知らんけんね!」

拓郎「大丈夫。俺はゴカイ味のキスに微塵も興味ないから」

むろみ「もぉーっ! たっくんの頑固もん! へそ曲がり!」

拓郎「あのさぁ……そんなゴリ押しされても、キスなんかしたくなる訳ないじゃん」

むろみ「じゃあ、どうすればよかと?」

拓郎「人間にとって大事なのは、雰囲気なんだよ。むろみさんはその辺のことが分かってないよ」

むろみ「雰囲気?」

拓郎「そう、全ては雰囲気作りから。好きな人と仲良くなるのもそっから先に進むにも、だよ」

むろみ「っていうと、私が鱚の真似ばしながら、キスを求めればよかとやね?」ドヤァ

拓郎「そういうのをぶち壊しっていうんだよ……とにかく、む
  ろみさんはまず空気を読むってことを学ぶべきだと思うよ」

むろみ「なるほど……雰囲気ねぇ」


172:ラブコメ脳のむろみさん・前編 4/10
12/06/27 13:25:12.64 TT0JWRbC
翌日……

拓郎(昨日は上手いこと言ってごまかせたけど、今日もキス迫ってきたりしないだろうな……)

拓郎(ま、飽きっぽいむろみさんのことだから、すぐ別の物に興味が移るんだろうけど)

拓郎(そんなことより釣りだよ、釣り釣り)カチャカチャ

むろみ「やっほー、たっくん」パチャパチャ

拓郎「あぁ、むろみさん。今日は一人?」

むろみ「そうたい。今日は隅田さんも富士さんも、みーんなお休みったい」

拓郎「そうなんだ。まぁむろみさん一人っていうのも珍しいことじゃないけど」

むろみ「そうやねー」パシャッ

拓郎「また昨日みたいに、変なこと言って邪魔しないでよ?」

むろみ「あはは、しないしない」

拓郎「そう。ならいいんだけど」


173:ラブコメ脳のむろみさん・前編 5/10
12/06/27 13:26:23.54 TT0JWRbC
むろみ「~♪」

拓郎「……おっ? なんか魚信きた」

むろみ「おっ!」

拓郎「せいっ!」グィッ

むろみ「何? 何が釣れたと?」

拓郎「あー、こりゃ駄目だ。ただの外道だよ」

むろみ「外道って、たっくんは釣れればなんでも嬉しかとやなかね」

拓郎「基本そうだけど、やっぱり食べれないのはね。母さんに夕飯のおかず当てにされてるのもあるし」

むろみ「それなら、魚逃がしてあげよーよ。どうせ食べないなら持って帰っても同じっちゃん」

拓郎「え? あ、うん……」
チャポン

拓郎(弱肉強食を地で行くむろみさんが、キャッチ&リリース……?)


174:ラブコメ脳のむろみさん・前編 6/10
12/06/27 13:27:30.78 TT0JWRbC
むろみ「にしても今日は幸先良かねー。こんな来てすぐ釣れるなんて」

拓郎「あ……うん、そうだね」

むろみ「……? たっくん、いけんしたと? せっかく釣れたのに元気なかねぇ」

拓郎「だって、いつもならむろみさん、釣れた魚で俺にちょっかい出すのが普通なのに何もしないから」

むろみ「あれあれ~? もしかして、私にちょっかい出して欲しかったと?」

拓郎「ち、違うよ! むろみさん今日は大人しいから、不気味だなって思ってただけだよ」

むろみ「ふふふ……今日の私は傍観者ったい。たっくんが何を釣っても釣らなくても、ただ隣で見よるだけ」

拓郎「なんで、そんな……」

むろみ「有り体に言えば、これが『空気読んだ』っちゅうことなんやろーね」

むろみ「ほら、昨日たっくん私に、まずは空気を読むことから覚えなさいって言ったとでしょ?」

拓郎「あ、うん……確かに言ったけど」

むろみ「だから今日は、借りてきた猫のごとく隅っこで丸まっとくことにしたと」

拓郎「あ、そう……(なんか、調子狂うなぁ)」

175:ラブコメ脳のむろみさん・前編 7/10
12/06/27 13:28:33.85 TT0JWRbC
むろみ「……」

拓郎「……」

拓郎(おかしい……)

拓郎(いくら傍観者って言っても、あのお祭り女のむろみさんが一時間も黙ってるなんて……)

拓郎(そういえば、今日はいつものウェルカムジョークもやらなかったし)

拓郎(どうかしたのかな、むろみさん)

むろみ「たっくん。何ボーッとしよるとね? 日が暮れてしまうよ?」

拓郎「あ? あぁ、いや……餌釣りからルアーに変えてみようかと思って、ちょっと考えてたとこ」

むろみ「そう」

拓郎(……やっぱり変だ、今日のむろみさんは大人しすぎる)

拓郎(まさか、何か妙なこと企んでんじゃ……)カチャカチャ

――プスッ

拓郎「い゛っ!?」


176:ラブコメ脳のむろみさん・前編 8/10
12/06/27 13:30:07.34 TT0JWRbC
拓郎「いってぇーっ!! やっちゃったよクソッ……!!」

むろみ「どげんしたと!?」

拓郎「ルアーの針が指に……いててっ!」

むろみ「無理に抜こうとしたらいかんったい! 返しで肉ごとえぐれるけん!」

拓郎「分かってるけど……こりゃ病院で抜いてもらわなきゃ駄目かな……」

むろみ「傷口、見せてみよらんね。私がなんとかしてあげる」

拓郎「……どうするつもり?」

むろみ「ちょっと痛くするけんが、男の子やけん我慢しいな?」

スパッ!

拓郎「くぁッ……!」ビクッ

むろみ「釣り針は危なかけん、切開して取り出すのが一番やもんね」

拓郎「ヒレカッターで切開とか……釣り針より危ないよ」

むろみ「そげん深くは切っとらんけん、不安に思わんでよかとよ」


177:ラブコメ脳のむろみさん・前編 9/10
12/06/27 13:31:30.55 TT0JWRbC
むろみ「思ったより刺さってなかったけん、薄皮一枚切っただけで済んだとよ」

拓郎「ありがと……にしても、素人みたいなことやっちゃったな。恥ずかしいよ」

むろみ「誰にでも失敗はあるくさ、落ち込むようなことじゃなかよ」

拓郎(フォローが的確だな……やっぱりいつものむろみさんじゃないみたいだ)

むろみ「それよりたっくん、何か傷口に処置しとかんと、血が止まらんたい」

拓郎「あ、そこのリュックにカットバンが……」

むろみ「……んー」パクッ

拓郎「はぅっ!?」

むろみ「んっ……んむっ……」チュウチュウ

拓郎「ちょっ、何してんのさむろみさんッ!?」

むろみ「止血と消毒ったい……こうやって血を止めるとは昔からの基本やろうもん……」チュゥゥゥッ

拓郎(うわぁぁぁぁぁ!?)

むろみ「ん~……これで完了っと」チュポッ


178:ラブコメ脳のむろみさん・前編 10/10
12/06/27 13:32:47.22 TT0JWRbC
むろみ「あとは絆創膏貼っとけばバッチリたい。病院行かずに済んで良かったね」

拓郎「……」

むろみ「ほぇ? どうしたとたっくん? 魂が半分抜けよるよ?」

拓郎「……帰る」

むろみ「えっ?」

拓郎「今日はもういいや……手も切っちゃったし、ここらへんで切り上げるよ」

拓郎(これ以上動揺したら、どんな醜態さらすか分からないからな……)

むろみ「そう……じゃあ私も、無理には引き留めんったい」

拓郎「あ、うん……(なんでそんな寂しそうな顔してんだよ!)」

むろみ「怪我したとこは、ちゃんと家でも消毒するとよ?」

拓郎「分かってるよ」

むろみ「じゃあね、たっくん。また明日」

拓郎「……」


179:名無しさん@ピンキー
12/06/27 13:37:34.90 TT0JWRbC
前編終了、後半は夜に投下します


180:名無しさん@ピンキー
12/06/27 15:37:17.28 5LR4PRyR
わっふるわっふる

181:ラブコメ脳のむろみさん・後編
12/06/27 21:13:31.28 TT0JWRbC
昼間の続き投下します


182:ラブコメ脳のむろみさん・後編 1/10
12/06/27 21:14:47.43 TT0JWRbC
拓郎「……あのさ、むろみさん」

むろみ「なんね?」

拓郎「帰る前に聞いときたいんだけど、明日にはいつものむろみさんに戻ってるよね?」

むろみ「それは保証できんねぇ。女にはいくつの顔があるか、自分でも分からんもんばってん」

拓郎「でも、今日のむろみさんは違和感ありすぎだよ。大人しいし、俺に媚びてるみたいだし……」

むろみ「ふふふ。もしかしたらこっちが本当の顔で、いつものは仮面を被っとうだけかもよ?」

拓郎「……まぁ、むろみさんが何キャラでも、俺には無関係なんだけどさ」

むろみ「そっかー、たっくんはいつもの馬鹿騒ぎしとう私の方が好きなんやねぇ」

拓郎「別に好きなんかじゃ……!!」

むろみ「でもね、たっくん。これだけはよう覚えとき?」

拓郎「な、何……?」

むろみ「人の心っちゅうのは多様なもんで、たっくんの見てる人の一面なんか、屁でもなかもんなのかもしれんの」

むろみ「だからって今日みたいに人から目をそらしたり、一面だけを見て人を分かったような気になったらいけんよ?」

拓郎「……なんだよ、それ。お説教のつもりなの?」

むろみ「人間っちゅうのは傷つきやすか生き物やからねぇ。人生の先輩からのアドバイスったい」


183:ラブコメ脳のむろみさん・後編 2/10
12/06/27 21:17:22.03 TT0JWRbC
拓郎「なんていうか、あのむろみさんに諭される日が来るとはね」

むろみ「ふふ……それじゃあ今度は、私からたっくんに質問ね?」

たっくん「質問? なんの?」

むろみ「たっくんは、私のことどう思っとうと?」

たっくん「……はい?」

むろみ「ただのちゃらんぽらんでお馬鹿な人魚? それとも、頼れる歳上のお姉さん?」

たっくん「少なくとも、頼れるお姉さんと思った試しはないけど……」

むろみ「私は、たっくんのいろんな面を知っとうよ。釣りしよる時の真剣な顔とか、進路に悩む若者の顔とか」

むろみ「でも、じゃあたっくんにとって、私ってどんな女なんかなーって考えたら、分からんくなっちゃったとよ」

むろみ「今日、私の知らん顔を見て、たっくんは改めて私をどう思うのかなって、知りとうなったと」

拓郎「……ずいぶん答えにくいこと聞くね」

むろみ「それじゃ、分かりやすく聞いてあげよっか」


184:ラブコメ脳のむろみさん・後編 3/10
12/06/27 21:19:26.28 TT0JWRbC
むろみ「たっくんは、私のこと好き? 嫌い?」

拓郎「……どっちでもない、っていうのが今までの答えだったはずだけど」

むろみ「それじゃあ答えとらんのと一緒ったい。私は白黒はっきりつけたかと」

拓郎「……むろみさんのそんな真剣な表情、初めて見たかも」

むろみ「そうやね。だからこそ今日は、ちゃんと答えてもらうけんね」

拓郎「うーん……」

むろみ「もーっ、煮え切らんねぇ。じゃ、こうしよ!」

拓郎「えっ?」

むろみ「今から私は、波止場のへりで目ばつむって、たっくんが来るのを待っとうから」

むろみ「私のことが好きなら唇にちゅーして、どうとも思っとらんならそのまま帰りよらんね!」

拓郎「えぇっ!?」

むろみ「それならたっくんもやりやすかやろ?」

拓郎「ちょ、ちょっと待ってよむろみさん!!」

むろみ「ダーメ、異論は認めませーん!!」


185:ラブコメ脳のむろみさん・後編 4/10
12/06/27 21:21:00.61 TT0JWRbC
拓郎(ど、どうしよう!? これって相当不味い状況なんじゃ!?)

むろみ「たっくん、早くぅー」

拓郎(本当にやってるし……なんなのあの人、いや人魚)

拓郎(そりゃ、むろみさんのことは嫌いじゃないし、たまに可愛く見えることはあるけど……でも)

むろみ「……もしかして、もう帰ってしまったと?」

拓郎「い、いるよ!? 今どうするか考え中だから!!」

むろみ「そっか。はようしてね、たっくん」

拓郎(……あんまり悩んでる余裕はない、か)


186:ラブコメ脳のむろみさん・後編 5/10
12/06/27 21:23:49.64 TT0JWRbC
拓郎(思えば生まれて十数年、むろみさんほど仲良くなった女の子って他にいなかったな……)

拓郎(そんな女の子(?)に、恥かかす訳にいかないじゃないか。気をしっかり持て、向島拓郎!)

拓郎「……むろみさん」

むろみ「なぁに、たっくん。キスの前の言葉は不粋ったい」

拓郎「それでも念のために聞くけど……後悔、しない?」

むろみ「後悔なんてするもんね……たっくんは、私の惚れた男の子やもん」

拓郎「ありがと、むろみさん……その、なんていうかさ」

むろみ「うん?」

拓郎「俺も、むろみさんのこと好きです」

むろみ「……私もたい。たっくんのこと、いっとう好いとうと」

拓郎「……」ギュッ

むろみ「ふぁっ……」


187:ラブコメ脳のむろみさん・後編 6/10
12/06/27 21:25:37.15 TT0JWRbC





     チュッ     







188:ラブコメ脳のむろみさん・後編 7/10
12/06/27 21:28:21.50 TT0JWRbC
拓郎「……はぁぁ」

むろみ「なんね、その溜め息は。なんか不服でもあったと?」

拓郎「違うよ……なんか冷静になったら、めちゃくちゃ恥ずかしくなっただけ」

むろみ「何を照れることがあるもんね! それより、ファーストキスの感想はどうやった?」

拓郎「……温かくて冷たくて柔らかくて、そんでちょっと生臭かった」

むろみ「えー? 生臭いって女の子に対して失礼やなかー?」

拓郎「そりゃむろみさんって、魚の仲間だしね。ある程度覚悟はしてたよ」

むろみ「そしたらたっくんのファーストキスの味は、生魚の味やったってことやね」

拓郎「……それもなんか複雑だな」


189:ラブコメ脳のむろみさん・後編 8/10
12/06/27 21:30:31.98 TT0JWRbC
拓郎「それにしても、なんか今日はどっと疲れたよ……」

むろみ「キスだけで疲れるなんて、たっくんもまだまだやねぇ~」

拓郎「うるさいなぁ、ほっといてよ」

むろみ「ほっとける訳なかろうもん。だってたっくんは、私の恋人なんやけん」ギュッ

拓郎「うわっ、ちょっとむろみさん! ヒレが刺さるから抱きつかないでよ!」

むろみ「んふふ~……たーっくん?」

拓郎「何!?」

むろみ「……私は世界で一番、たっくんのこと愛しとうとよ」

拓郎「……!!」ドキンッ

むろみ「あーっ、顔赤くしよる。かわいー!」

拓郎「ぐぬっ……///」


190:ラブコメ脳のむろみさん・後編 9/10
12/06/27 21:34:45.25 TT0JWRbC
<後日談>

むろみ「それではぁ~、たっくんと私が正式に結ばれたことを祝ってぇ~……」

むろみ「カンパーイッ!!」

隅田「むろみさん、それ何回目の乾杯? もう聞き飽きたんだけど」

むろみ「おめでたいことは何度祝ってもよかろうもん!!」グビグビ

隅田「にしても、私たちの練った作戦がこうまで上手くいくとはね……」

むろみ「本当やねぇ。やっぱり人間って、いつの時代もベタな話が好きやっとうかもね~」

隅田「もしも私たちが、人間のラブコメを元に拓郎くんを落とす作戦を練ってたって知ったら、どんな顔するかな?」

むろみ「そんなの、たっくんが雰囲気や何やって言うばってん、そ
   ういう雰囲気を作っただけっちゃん。文句は言わせんとよ」

隅田「あはは……でもさぁ」

むろみ「んー?」


191:ラブコメ脳のむろみさん・後編 10/10
12/06/27 21:36:35.38 TT0JWRbC
隅田「もしも最後の最後で、拓郎くんが決心できずに帰ってたら、どうするつもりだったの?」

むろみ「それについては心配いらんかったよ。たっくんは絶対キスしてくれるって分かってたから」

隅田「なんで?」

むろみ「だって、たっくんって根は頑固者やけど、自分の気持ちに嘘ついたりするような子やなかもん」

むろみ「だけん追い詰められさえすれば、いつものこまっしゃくれた顔やなくて、本音を出してくれるって思っとったと」

隅田「ふーん……なぁんだ、じゃあ二人とも最初から、相思相愛だったんじゃん」

むろみ「あ、バレた?」テヘッ☆

隅田「こりゃあいよいよ、万年シングルは私だけかなぁ……はぁ」グビグビ

むろみ「あぁん、隅田さぁ~ん。そげんやさぐれんとって~」

<了>


192:名無しさん@ピンキー
12/06/27 21:41:02.91 TT0JWRbC
以上投下終わり

本当はもっと原作みたいにギャグっぽいオチがつく予定だったのに
気がついたら本物のラブコメっぽくなっていたっていうね……


193:名無しさん@ピンキー
12/06/27 22:42:43.29 VQhDgOeb
>>192
乙。
超良かった。また書いてくれ

194:名無しさん@ピンキー
12/06/27 22:56:01.08 vDQB1IZ7
>>192
GJ!
むろみさんくらい長生きしてれば人間の男を手玉に取るくらい簡単そう
でもそれがわかってるからあえてやらない、みたいな
原作の付かず離れずな距離感もいいけど、やっぱり結ばれる話がいいね!

195:名無しさん@ピンキー
12/07/20 08:09:02.82 f6qBSwHG
「…たくろーさん、こんにちは」

「おっ。イエティ久しぶりだね。ハーピーとは仲睦まじく過ごしてるの?」

「えっ!ええっ!?」

「朝ちゅんw」

「…?!」「ちょ!は、ハーピーっ!」

「だいしゅきほーるど」

「…こらっ…!ハーピー、人前でそんなこと言っちゃだめ…っ!」

「ぎゃくりゅうしてきちゃうのぉぉwww」

「わああ…!!」

「…なんだかよくわからんけど、毎晩お楽しみってことはよくわかったよ」

「たくろーくん……」

「どうしたのイエティ?」

「こんな…いやらしい僕でも……その……嫌いにならないで……ね?」

「……………その表現……どこで仕入れてくるの……?」

196:名無しさん@ピンキー
12/07/20 16:04:21.49 TPrP29G7
イエティは自分から仕入れるというより
悪ふざけで卑猥な言葉を仕込まれるタイプだよな

197:名無しさん@ピンキー
12/07/20 19:51:44.03 GqOikBry
あるいは天然で口走っちゃうタイプか


198:名無しさん@ピンキー
12/07/23 21:37:22.48 +cYuPd3r
先週の乙姫さん回がちょっと残念だったんで、デレ乙姫さんの非エロ話書いた

長くなったんで前後編に分けて投下する


199:デレ乙姫さんと拓朗くん 1/11
12/07/23 21:40:13.01 +cYuPd3r
――ウィーン

乙姫「いらっしゃいませー」

拓朗「あ」

乙姫「あっ……」

拓朗「……こんちは」

乙姫「……何よ、またあんたなの?」

拓朗「みたいですね、今度はコンビニでバイトですか。しかもこんな僻地の……」

乙姫「そうよ悪い?」

拓朗「いえ別に。俺も夏休みだから、ちょっと遠出して釣りしようかなと思ってたんですけど」

乙姫「あんたまさか、私のこと着けてるんじゃないでしょうね?」

拓朗「まさか。誰がそんな一文の得にもならないこと」

乙姫「ふんっ……どうだか」


200:デレ乙姫さんと拓朗くん 2/11
12/07/23 21:41:18.46 +cYuPd3r
拓朗「……」ドサッ

乙姫「……百円が一点、百二十円が一点、二百二十円が一点、計四百四十円です」ブスッ

拓朗「そんな露骨に嫌な顔しなくても……」

乙姫「するわよ、するに決まってるわよ! だってあんたが私の職場に
   来たら、遠からず今の仕事を辞めなきゃいけなくなるんだから!」

拓朗「そんなジンクスあるんですか?」

乙姫「そうよ。だからわざわざこんな交通の悪いとこまで働きに来たのに……」

拓朗「それはなんというか、ご苦労様です」

乙姫「他人事みたいに言わないでよ。全部あんたやあの人魚たちのせいなんだから!」

拓朗「でもそれって、俺に対する接客の悪さとか見られた結果なんじゃ……」

乙姫「私のせいだって言うの!? これだから無能な陸の人間は嫌んなるわ!」プンプン

拓朗(……こんだけ客に悪態ついてりゃ、そりゃ辞めさせられるわな)


201:デレ乙姫さんと拓朗くん 3/11
12/07/23 21:42:35.48 +cYuPd3r
拓朗「まぁ、でも、すぐに仕事見つかって良かったですね。今はバイトも容易には見つからないらしいですから」

乙姫「あんたに言われなくても、それくらい身に染みてるわよ。でも、私がしたいのはこんな仕事じゃないの!」

拓朗(モラトリアムのフリーターみたいなこと言ってるよ……あ、フリーターは合ってるのか)

乙姫「それよりあんたこそ、買い物が済んだなら早く帰りなさいよ」

拓朗「分かってますよ。俺だってそんなに長居するつもりはないです」

乙姫「だったらさっさと行く! あんたの顔は目障りなのよ! 仕事の邪魔!」

拓朗「ハイハイ……(あーあ、ついてないなぁ)」

<乙姫くん、ちょっと……

乙姫「!!」

拓朗「……今の声は?」

乙姫「店長がいたの忘れてた……あの人、店内での私語にうるさいのよね」

拓朗「もしかして、俺に悪態ついてたの聞かれてたり?」

乙姫「多分そうね……あーもう、なんで私の十分の一も生きてない人間に説教されなきゃいけないのよっ!」

拓朗「早く行った方がいいんじゃ……余計怒られますよ」

乙姫「分かってるわよ! 私に指図しないで!」


202:デレ乙姫さんと拓朗くん 4/11
12/07/23 21:43:28.75 +cYuPd3r
【店外】

拓朗「……」←別に自分のせいではないが、ほんのり罪悪感を感じるので外にいる人

――ウィーン

乙姫「……」スタスタ

拓朗「……ども」

乙姫「……あんたのせいで、こっぴどく叱られたわ」

拓朗「人のせいにしないでくださいよ。スーパー自業自得じゃないですか」

乙姫「うるさいわねっ、全部あんたが悪いのよ! あんたがこの店に来さえしなければっ……」

拓朗「はぁ……で? 今は何を?」

乙姫「……店外清掃の名目で逃げてきたわ」

拓朗「さいですか」

乙姫「……」サッ、サッ

拓朗「……」


203:デレ乙姫さんと拓朗くん 5/11
12/07/23 21:44:40.49 +cYuPd3r
拓朗「……」

乙姫「……」サッ、サッ

拓朗(どうしたもんかなぁ、この人は。不憫だとは思うけど、俺じゃあ責任の取りようがないし)

拓朗(……やっぱり、深入りしない方がいいんだろうな。うん、そうしよう)

乙姫「……悪かったわね」

拓朗「えっ?」

乙姫「こっち見るな。正面向いたまま話だけ聞きなさい」

拓朗「はぁ……」

乙姫「……さっきは八つ当たりして、悪かったって言ってるのよ」

拓朗「別に、慣れっこなんでなんとも思ってませんけど」

乙姫「あっそ……」

拓朗「……」


204:デレ乙姫さんと拓朗くん 6/11
12/07/23 21:45:57.71 +cYuPd3r
乙姫「……私だって、分かってるのよ。仕事が上手くいかないのも、全部自分のせいだって」

拓朗「そうですか」

乙姫「それでも私には、過去の栄光にすがって生きることしか出来ないのよ」

乙姫「下らないと思うなら笑えばいいわ。あんたにも、いずれ分かる時が来るんだから」

拓朗「……人の苦労を笑うほど、下卑ちゃいないつもりです」

乙姫「……やっぱりあんたって、達観しててなんか嫌いだわ」

拓朗「……あの」

乙姫「何よ」

拓朗「今日、バイトって何時終わりですか?」

乙姫「えっ……えっと、今日のシフトは夕方の六時上がりだけど」

拓朗「だったら、そのあとちょっと話でもしません? 乙姫さんが良かったらですけど」

乙姫「な……なんで私が、あんたなんかと話しなきゃいけないのよ!」

拓朗「いや、俺も乙姫さんとは距離を置くつもりだったんですけど……このまま物別れじゃ、なんかすっきりしないんで」

乙姫「……ずいぶんな暇人ね。いいわ、好きなだけ付き合って、こき下ろしてあげる」


205:デレ乙姫さんと拓朗くん 7/11
12/07/23 21:47:45.19 +cYuPd3r
【数時間後…】

乙姫「はぁ……」ウィーン

拓朗「あ、乙姫さん。お仕事お疲れ様です」

乙姫「うわっ! ちょっ……ちょっと、何店の前で待ち伏せてるのよ!?」

拓朗「って言われても……仕事終わりに待ち合わせしてたら、普通こうなると思いますけど」

乙姫「バカね、店の連中に見られたら、私がここに居づらくなるでしょうが!」

拓朗「そうですか? 誰もそこまで気にしないんじゃないですかね」

乙姫「そうでなくても、私は男を待たせてるなんて噂立てられるのは嫌なの! もう少し考えて行動しなさいよ!」

拓朗「だったら早く店から離れた方がいいのでは」

乙姫「だからそれはあんたの……あぁ、いや。もういいわ、仕事帰りで疲れてるのに、こんなバカな論争してらんない」

拓朗「じゃあ続きは、そこの近くの公園でってことで」

乙姫「はいはい……はぁ、なんだってこんなことに……」


206:デレ乙姫さんと拓朗くん 8/11
12/07/23 21:48:35.96 +cYuPd3r
【そして公園】

乙姫「……」スタスタ

拓朗(うーん……とりあえず話をしに連れてきたはいいものの、何話せばいいんだろ)

乙姫「……足が疲れたわ」

拓朗「えっ?」

乙姫「えっ? じゃないわよ。何ボサッと突っ立ってるの? そういう時は、ベンチに座らせるなりなんなりするもんでしょ!」

拓朗「あ、あぁ。それは気が利きませんで」

乙姫「全く……」ドサッ

拓朗(むろみさん以上に扱いづらいな、この人……)

乙姫「ふぅ……それにしても、陸の上は暑いわね。何年経っても慣れるもんじゃないわ」

拓朗「あ、それなら何か飲み物買って来ましょうか。何がいいですか?」


207:デレ乙姫さんと拓朗くん 9/11
12/07/23 21:49:30.06 +cYuPd3r
乙姫「それなら、ビールかワンカップがいいわ。つまみはあたりめでヨロシク」

拓朗「いや俺未成年なんですけど……」

乙姫「あんた、労働上がりの女を労おうって気はないの?」

拓朗「それはそれ、これはこれです。俺だって補導されるのは嫌なんで」

乙姫「使えないわねぇ……じゃあカフェオレでいいわよ」

拓朗「はいはい……そういえば、むろみさんも前に飲み物奢ってあげた時、カフェオレ選んでましたよ(※)」

※単行本一巻参照

乙姫「それが何か?」ギロッ

拓朗「いや、特に深い意味は……出身が同じ海だと味覚も似るのかなって思っただけで」

乙姫「止めてちょうだい! あんな魚と似てるなんて言われるだけで虫酸が走るわ!」

拓朗「あぁ……(しまった。この話題は地雷だった)」


208:デレ乙姫さんと拓朗くん 10/11
12/07/23 21:51:22.58 +cYuPd3r
乙姫「……」グビグビ

乙姫「……っはぁー、やっと一息ついたわ。これがお酒ならもっと良かったのに」

拓朗「息の着き方が完全にオッサンですよ、乙姫さん」

乙姫「うるさいわね。あんただって歳喰ったら同じ穴のムジナよ」

拓朗「そんなもんですかね」

乙姫「そうよ、平凡な人間は誰だって同じ。そうやって退屈な毎日の休息を得るしかなくなるのよ」

拓朗「ますますオッサンだ。もはや枯れきってますね」

乙姫「黙れバカ……ところであんた、そんな重そうな荷物持って、何時間待ってたのよ?」

拓朗「えっ? いや、待ち合わせ時間決めてたから、ギリギリまで粘ったんでそんな待ってませんよ?」

乙姫「まさかこんな時間まで釣りしてたの!?」

拓朗「えぇ、まぁ。今日は爆釣だったんで、時間なんかあっという間でしたよ」

乙姫「……釣りバカってホント分かんないわ」

拓朗「乙姫さんも何か趣味を持てばいいんじゃないですか? そしたら生活に潤いも出てくると思いますよ」

乙姫「趣味ねぇ……昔は竜宮城の経営が趣味みたいなもんだったけど」


209:デレ乙姫さんと拓朗くん 11/11
12/07/23 21:53:00.17 +cYuPd3r
乙姫「あの頃はホント良かったわぁ。湯水のように金が舞って、まさにバブリーって感じだったわね」

拓朗「自分、平成産まれの小僧っ子なんで、バブル分かんないっす」

乙姫「そうね。例えるなら、百円の釣り餌で一億でも十億でも釣れるって感じかしら?」

拓朗「ほぇー。なんか想像もつかないなぁ、それ」

乙姫「でしょう? 思えばあの時が、私の一番良かった時期だったんだわ」

拓朗「そりゃそうかも。俺だってそんな生活したら、絶対忘れられなくなりますもん」

乙姫「……でも、結局はあの頃の私も、今と同じだったのかもしれないわね」

拓朗「というと?」

乙姫「それが仕事でも趣味でも、私は何かに没頭してないと不安になるのよ。自分が無為に時を過ごしてるみたいで……」

拓朗「あぁ、ちょっと分かる気がするな。要するに乙姫さん、暇な時間を作りたくないんだ」

乙姫「そうよ。だって私は、永遠に近いかもしれない寿命を持ってるんだから」

拓朗「あ……」

乙姫「結局、何をしてこの長すぎる時間を潰すかってことに尽きるワケ。そんな人生、寒々しくて当たり前よ」

拓朗「……今さらですけど、苦労してるんですね」

乙姫「憐れみなんかいらないわよ。同情は私の敵よ」


210:デレ乙姫さんと拓朗くん
12/07/23 21:54:55.04 +cYuPd3r
以上投下終わり
後半はまたおいおい


211:デレ乙姫さんと拓朗くん 
12/07/24 23:47:33.67 MHbAj+fj
昨日の続き投下する

212:デレ乙姫さんと拓朗くん 1/11
12/07/24 23:50:16.45 MHbAj+fj
乙姫「……」

拓朗「……」

乙姫「……ねぇ」

拓朗「はい?」

乙姫「あんたに一つ聞きたいことがあるんだけど」

拓朗「俺に答えられることなら、何でも答えますけど」

乙姫「……あんた、怖くないの?」

拓朗「怖いって、何がですか?」

乙姫「あの人魚たちとつるむのがよ」

拓朗「むろみさんたちが怖い? そりゃあり得ませんって」

乙姫「そういう意味じゃなくて……奴らはあんたより遥かに長く生きるのよ?」

乙姫「そんなのと一緒にいて、もし別れの時が来たらとか、考えないの?」

拓朗「そっすねぇ……基本むろみさんたちってノー天気だから、あんまりそういうこと考える隙はないですね」

乙姫「……私は、怖いわ。いつだって、誰と別れるのだって、怖くて仕方がない」

拓朗「えっ?」


213:デレ乙姫さんと拓朗くん 2/11
12/07/25 00:03:30.87 MHbAj+fj
乙姫「たしか、あんたには前に話したわよね。私がなんでこんなに長命なのかの理由」

拓朗「あ、はい……確か、乙姫さんの知り合いの人魚が、自分の身と引き換えに乙姫さんに寿命をくれたって話ですよね?」

乙姫「そう。それ以来、私は自分の中に誰かを招こうなんて思わなく
   なったし、自分から誰かと親しくなろうともしなくなったわ」

乙姫「だってそうでしょう? 親しくならなければ別れだって辛くない。泣いて過ごすくらいなら何も感じない方がいい」

乙姫「その辺、あんたならどう思うのか、詳しくお聞かせ願いたいわね」

拓朗「いきなりヘヴィな質問ですね……俺なんかが答えていいんですか?」

乙姫「あんた以外の誰にこんなこと聞けっていうのよ。さぁ、早く答えなさい」

拓朗「うーん……そうですねぇ。そういう時は、思い出を大事にしろってよく言いますよね」

乙姫「思い出……?」

拓朗「はい」


214:デレ乙姫さんと拓朗くん 3/11
12/07/25 00:04:15.19 MHbAj+fj
拓朗「人間って、良くも悪くも思い出に縛られる生き物だっていいますよね」

拓朗「乙姫さんだって、人魚にバカにされた記憶はいまだに残ってるんでしょ?」

乙姫「当たり前よ! あの屈辱を忘れたら、私が私でなくなるわ!」

拓朗「でもその分、昔を振り返ればいい思い出だって、きっとあったんじゃないですか?」

乙姫「……あんまり記憶にないわ。長生きしすぎて忘れちゃった」

拓朗「じゃあ例えば、その仲良しだった人魚との思い出とか、竜宮城の最盛期の時とか」

乙姫「そうね……その人魚も竜宮城の従業員たちも、みんな私を慕ってくれてたのは確かかもね」

拓朗「そうです。そういうのを大事にして生きていくのが、人間らしさってことなんじゃないですかね」

乙姫「ふん……つまりあんたは、今よりさらに過去にすがって、私に生きろっていうのね?」

拓朗「そういうつもりはありませんけど(今でも充分にそうだと思うし)」

乙姫「それに、もし過去の思い出なんか大事にして、余計別れが辛くなったらどうするのよ」

拓朗「だからって今みたいに何もしないでいたら、本当に空っぽな人生になりますよ」

乙姫「……」


215:デレ乙姫さんと拓朗くん 4/11
12/07/25 00:05:16.13 QD72bdSE
拓朗「とりあえず、まずは友達を作るとこから始めればいいんじゃないですか?」

乙姫「人間の知り合いなんて私にはいないわよ。関係あるのは、バイト先の人間かアパートの大家くらいね」

拓朗「何言ってんです。いるじゃないですか、乙姫さんのすぐ近くに」

乙姫「……まさか、あんたが私の友達になるとか言わないわよね?」

拓朗「いけませんか?」

乙姫「冗談キツいわ。あんたはあの人魚たちとも繋がりがあるのに、どうやって手を結べっていうの?」

拓朗「手を結ぶとかじゃなく、もっと単純に考えればいいんですよ」

乙姫「考えられないわね。バカ言わないでちょうだい」

拓朗「いや、もう決めました。乙姫さんは今日から俺の友達です」

拓朗「これから俺が、どれだけ乙姫さんに呆れたり、軽蔑したりする時があっても、そこだけは死んでも変わらないって誓いますよ」

拓朗「だから乙姫さんも、俺と一緒に思い出作りましょうよ。そしたらきっと、人生も華やぐと思います」

乙姫「……」

拓朗「なんて、ちょっとクサい台詞でしたかね」



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