【アサウラ】ベン・トーでエロパロat EROPARO
【アサウラ】ベン・トーでエロパロ - 暇つぶし2ch576:558
12/01/25 22:02:05.61 TLX/4nhj

会計をすませ、いっしょにラルフストアを出る。
来たときよりも風が強い気がする。
「クシュン!!」
思わずくしゃみをしてしまった。
「大丈夫?」
「平気です」
反射的にそう答える。
私の買い物袋はいつの間にか佐藤さんの手の中にあり、私は手ぶらで佐藤さんの隣を歩く。
佐藤さん曰く、荷物は基本的に男子が持つべし とのことらしい。
「中学のときの修学旅行でさー……」
いつもの調子で佐藤さんはしゃべり続ける。
最初はぎこちなかった会話も少したち佐藤さんも調子を取り戻したのかテンポが良くなっていった。
佐藤さんの話は主に小学校中学校の同級生がどんなことをしたのかが中心でどのエピソードも私のツボにはまり、噴き出してしまいそうなのを必死に抑えるがそれでも笑いが洩れてしまうのがうれしいのかどんどんと続けてくるという腹筋が苦しいループになるので困る。
これ以上続けられたら腹筋がおかしくなってしまうので私からも話を振る。
「昨日も生徒会室で姉さんは……」
こっちのネタは主に学校での姉さんの様子やその失敗、またそれのついて苦労などである。
こちらが話しているときはしっかりと聞き、またほしいところで相槌がくる。話しやすい。
また今日もこうやっていっしょに帰っているのは口には出さないが私が夜道を遅い時間に帰るのを心配してくれているであろうことはわかっていた。
たまに奇行が目立つがそれに余りある良い人だということをまた改めて実感する。
私が住んでいるマンションが見えてきた。名残惜しいが今日はここまでだ。
「今日はありがとうございました」
お辞儀をしてしっかりと礼を言う。
「いや、僕のほうこそ。楽しかったよ」
佐藤さんはそう言ってなんでもない風に返す。
「またいずれ話の続きをお聞かせください」
「いつでも!!それじゃまた」
そう言って佐藤さんは来た道を引き返していった。
佐藤さんの背中が闇にとけて見えなくなるまで見送り、私はマンションのエントランスに入った。


「鏡!!!」
ドアノブをひねり家の中に入った瞬間、姉さんに飛び掛られる。
「すいません、ちょっと買い物に……
「そんなことよりこれを見て鏡!!!」
うれしそうな姉さんの声が私の言葉をさえぎる。
「どうしたんですか?いったい」
いったいどうしたというのだろう、姉さんは満面の笑みで私に向かって携帯を突き出している。
「なになに……、明日の放課後お見舞いにいってもいいですか?佐藤洋 なるほどそういうことですか」
「そうなのです!!なぜか佐藤さんは私が風邪を引いているのを察知してメールをくれたのですわ!!」
そう言って姉さんは私の肩をつかみそのテンションのままに私を揺さぶる。
「さっき買い物の際会ったので話を……
「あああ、どうしましょう?互いが互いを同じ瞬間に想っていると相手のことがわかるというのは本当のことなのですね!!」
話を聞いてくれない。
「どうお返事を返せばいいのでしょうか?うれしすぎてうまく考えることができないです!!」
「落ち着いてください、日本語がおかしくなっています。」
顔を真っ赤にしながらもとてもうれしそうにピョンピョンはねている姉さん。
こうなったら落ち着くまでほっとくしかない。
あきらめた私は姉さんを玄関に残したままスーパーで買ってきた食材で使わないものを仕舞い、遅い夕食の準備をすることにした。



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