【クェイサー】吉野・佐藤健悦作品でエロパロ【舞・舞乙】at EROPARO
【クェイサー】吉野・佐藤健悦作品でエロパロ【舞・舞乙】 - 暇つぶし2ch400:名無しさん@ピンキー
12/05/31 19:55:15.44 e4EGaFEv

朝 7:00

銭湯…


「おはようございま~~す♪」

「おはよっす、大人2人」

祐一は番台で入浴料金を支払う。

「おっ、舞衣ちゃん今日も朝から夫婦で仲がいいね~~♪」

番台の中年男性は、ニコニコ笑顔で舞衣に声をかける。

「あはは♪夫婦に見えます~~?」

舞衣は笑顔で番台の男性に言葉を返した。

「えっ?いや…俺達は…」

一方、祐一は夫婦と言われて照れ笑いする。

料金を払い終えると、二人はそれぞれ男湯、女湯に別れた。

「兄さん、舞衣ちゃんは明るくていい子なんだから、大切にしてやれよ!」

番台の中年男性は、そういうと祐一の背中をバンッ!と強く叩く…

「ぶはっ!?ケホケホッ…あはは…あぁ、勿論大切にしますよ(笑)」

キツイ洗礼を受けると、祐一は脱衣場で服を脱ぎ、浴場に向かう…


「ふぁあ…あぁ~~マジ気持ちいい…はぁあ~~」


お湯にゆっくりと身体を浸けていく…若干熱いお湯が心地良い…

祐一は溜まらず声を上げた。


「カップルなら分かるけど…夫婦って…あはは…でも…悪い気はしねーな…へへっ…」


夫婦といわれる事に、祐一は巧く言えない感覚…幸せな気分を味わった…

この雰囲気…この気持ちが…これからもずっと続いて欲しい…

この僅かな時間に感じた幸せな気持ちを、これからもずっと感じたいと思い始めた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



401:名無しさん@ピンキー
12/05/31 20:00:58.89 e4EGaFEv


お昼前…

舞衣のアパート


「祐一~~洗濯物乾いたわよ~~!」

舞衣が俺にTシャツと下着を手渡してくれる…

「おっ、サンキュー」

俺は今、腰にタオルを巻いただけの姿…

殆ど全裸の俺は、舞衣から洗濯したてのTシャツと下着を受け取った。

そして早速身に着ける…


3日前…財布と携帯だけを持ち夢中でアパートを飛び出して来た俺は、当然着替えなんて持ってる訳がない…

舞衣が1階の共同洗濯機で数日間の汚れ物を洗濯するついでに、俺の服も洗濯してくれた。


「どう?気持ちいいでしょ?あたしはまだまだ洗濯物残ってるから、続きを洗って来るわね」


舞衣は、汚れ物第二段を洗濯する為に、再び共同洗濯機のある1階に降りて行った。

ってか…一体どんだけ汚れ物溜めてんだよ…



402:名無しさん@ピンキー
12/05/31 20:06:21.27 e4EGaFEv



ジーンズを履く…


太股に携帯の感触…


「あっ…そういや俺、携帯の電源切ったままだった…」


同窓会終了後、すぐに俺は携帯の電源を切った。

詩帆や同級生の奴等からの連絡を一切断ち切るためには、それが手っ取り早かったからな…

俺は携帯の電源を入れる…

久しぶりに見る携帯画面…


「一応…店には連絡入れといたほうがいいよな…」


バイトもサボって3日目か…連絡入れとかないと…多分クビになるよな。

電源を入れて暫くすると、メールの着信音が鳴る…



403:名無しさん@ピンキー
12/05/31 20:07:08.19 e4EGaFEv


「なっ…嘘だろ!!?」


俺は驚いた…

かなりビビッた…


『メール着信件数102件』


尋常じゃない数のメールが俺宛に届いていた…


「何だこれ!!?迷惑メールか!!?嫌がらせか!!?」


俺は恐れながらも、メールの送り主を確認する…


宗像詩帆

宗像詩帆

宗像詩帆

宗像詩帆

宗像詩帆

宗像詩帆…

・・・・・・

・・・・

・・・


…殆どが詩帆からのメールだな…


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

404:名無しさん@ピンキー
12/06/01 02:26:01.18 BU0mi+7P
楯が舞衣を連れ帰ったりしたら、詩帆はテロ活動wに出るだろうな
例のビデオを親戚中にばらまかれたら、楯の親だって結婚とか絶対許さないだろ



405:名無しさん@ピンキー
12/06/02 19:13:43.51 lAmHMdWF

一応…読んでみるか…


『おにーちゃん!お願い!!戻ってきて!!』

『詩帆がしたことは悪い事だと思ってる、でも、おにーちゃんからあの女を遠ざけたかったの』

『おにーちゃん、大丈夫?連絡ください』

『おにーちゃん、今何処にいるの?』

『お願い、おにーちゃん、連絡頂戴!』

『詩帆寂しいよ!』

・・・・・・・

・・・・・

・・・


一応1通1通読んでいく…

こんな感じのメールばかりだな…


『お願いおにーちゃん!あの女に騙されないで!!』

『あの女なんて、ただ胸が大きいだけの女なんだから!!』

『今何処にいるの?もしかして、あの女の所?』

『あの女、絶対許さない!!』

・・・・・・・

・・・・・

・・・



406:名無しさん@ピンキー
12/06/02 19:14:44.89 lAmHMdWF


30通目辺りから、何か舞衣に対しての恨みが感じられる文章になってきたな…

俺は周囲を確認する。

よかった…舞衣はまだ洗濯中だ…もう少し時間掛かりそうだな…


『好きでもない男の人に抱かれる女の何処がいいの?』

『おにーちゃん、詩帆だけを見て欲しいの』

『あの女に騙されないで!あの女はおにーちゃんの事絶対不幸にしちゃうと思うの』

・・・・・・・・

・・・・・・

・・・・


…何か心が病んで来るようだ…



407:名無しさん@ピンキー
12/06/02 19:15:23.66 lAmHMdWF

『でね、その後、おにーちゃんと私は学校の裏山で、誰にも見られてないか気にしながらキスするの。

でね、我慢できなくなったおにーちゃんは、詩帆を押し倒して、制服を強引に脱がせると、詩帆の胸に

顔を埋めるの。でね、おにーちゃんは詩帆に言うの。 「詩帆、お前、胸大きくなったな」って。詩帆は

テレながら「うん、おにーちゃんの為に大きくなったんだよ」って言うの。』


『でね、詩帆は学校卒業したら学業と恋を両立させてね、おにーちゃんと同じ会社に就職してね、毎日

おにーちゃんと一緒に会社に出勤してね、おにーちゃんと一緒に、同じマンションに帰るの。でね、詩帆は

おにーちゃんにプロポーズされちゃうの!!ええっ!!どうしよ~~~!!ねえねえ、どうしよ~~~!!』


『でね、結婚式は、海が見える丘にある綺麗な教会でしようと思ってるんだけど、おにーちゃんはどうかな?

ウエディングドレスの詩帆を見て、おにーちゃんは言うの「詩帆綺麗だよ…」って!!キャーキャーキャー!!

どうしよ~~~~~!!ねえねえ、どうしよ~~~~!!でもねでもね、その瞬間詩帆はおにーちゃんの呼び方

を変えるの!「うん、ありがとう、アナタ…」キャーキャーキャーキャー!!アナタだって!!アナタ!!その日から

おにーちゃんは詩帆の「アナタ」になるの!!ず~~っと一緒、ず~~~っと一緒だよ!!おにーちゃん!!』




…やべぇ…これ…下手な怪談より怖いぜ…




408:名無しさん@ピンキー
12/06/02 19:16:18.11 lAmHMdWF

『おにーちゃん大好き!大好き!好き!おにーちゃん、詩帆おにーちゃんの事が大好き!!好き!結婚したいの!

ずっと好きだったの!おにーちゃん好き!大好き!早く帰ってきて!!帰ってきたら一緒に遊びに行きたいの!

おにーちゃんの言う事なんでも聞いてあげる!えっちな事もいっぱいしてあげる!!私おにーちゃんの命令なら何でも

きいちゃうの!!』


『おにーちゃん好き!おにーちゃん好き!おにーちゃん好き!おにーちゃん好き!おにーちゃん好き!おにーちゃん好

き!おにーちゃん好き!おにーちゃん好き!おにーちゃん好き!おにーちゃん好き!おにーちゃん好き!おにーちゃん

好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!

好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!

好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!』



…俺は頭を抱えながら携帯を閉じる。



409:名無しさん@ピンキー
12/06/02 19:17:49.60 lAmHMdWF

メールを読み進めていくうちに、詩帆の心が徐々に病んでいく様子が手に取るように解った。


確かに…女の子に慕われるのは、男なら悪い気はしない。

幼馴染で一途に想ってくれているのは嬉しい…

でも、所詮俺は詩帆の事を 「幼馴染」 としか思えない…

アイツを 「彼女」 と思うことに無理があるんだよな…

何ていうか…そういう対象じゃねーんだよ…


「解ってくれよな…詩帆…」


と、心の中で詩帆に愚痴ってると、携帯からメールの着信音が鳴る…


「んっ?これは…アイツから…」


俺がもう一つ恐れていた…同窓会に出席した同級生からのメール…

「そういや…他にもコイツ等から届いてたな…」

俺は受信したメールを読み始めた。


『何だよ、メール返事返って来ねーよ?ツレねーじゃん?』


何が言いたいんだよ…コイツ…

俺は102件のメールの中に幾つかあった、同級生からのメールを読み始めた…

『祐一後愁傷様(笑)』

『昨日鴇羽のDVDで3回抜いたぜ、もしかして、お前も抜いたとか?』

『元カノの裸、じっくり見させてもらいました』


「くだらねぇ…やっぱコイツ等か…」



410:名無しさん@ピンキー
12/06/02 19:18:42.01 lAmHMdWF

伊園と名嘉島…

割と普通の奴等が多い風華学園高等部の中で、僅かにいる不良…

その内の2人がコイツ等だった。

素行の悪さは評判通りで、札付きの不良…

女癖も悪く、レイプの常習犯って噂もあった位だ。

コイツ等に目をつけられちまうと…流石にヤべーな…

更にメールを開く。

『今度、俺等6人で、鴇羽のいる店に行こうと思ってるんだけど、お前も行く?』

『安い金払って、鴇羽を合法的に輪姦しようぜ~って、今盛り上がってるところなんだけど(笑)』

・・・・・・・

・・・・・

・・・


他にも幾つかメールは届いてたけど…下衆な文章に読む気が失せた…

コイツ等…やっぱ最低な奴等だな。

俺は携帯の電源を再び切ると、ジーンズのポケットにしまう。


「ふぅ~~疲れた~~!!やっとお洗濯終了っと♪」


舞衣が洗濯を終わらせたみたいだな…そろそろここに来る…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


411:名無しさん@ピンキー
12/06/02 19:19:56.06 lAmHMdWF

正午

舞衣の部屋…


2人は簡単に昼食を済ませた。


「ふぅ…今日でお休みも終わりね…」

窓枠に腰掛ながら風景を眺める舞衣は、ポツリとそう呟いた。

「…明日から…仕事…行くのか?」

祐一は恐る恐る舞衣に尋ねてみる。

「うん…行くわよ…基本サボりは罰金だし?お金も沢山要るし?」

祐一の問いかけに飄々と答える舞衣。

祐一は耐えられなかった…

また明日から…舞衣が行きずりの男と肌を重ねる…

また明日から…得体の知れない罪滅ぼしに、精神と生命をすり減らしていく…

そして、ここにいる事で、いずれ伊園と名嘉島たちが店に来て舞衣を買い犯していく…

また明日から舞衣が困難に晒される事を、祐一は見過ごす事ができなかった。


「もう…行くなよ…」

「はいっ?」

「もう…あんな店…行くなよ…」

「行くなよって…じゃ、お金はどうするの…っ!!?」



412:名無しさん@ピンキー
12/06/02 19:20:27.31 lAmHMdWF

祐一は、窓枠に腰掛ける舞衣に近づき、キュッと抱きしめた。

驚く舞衣…一瞬何が起きたのかわからず…

しかし、密着する祐一の身体から伝わる体温と独特の体臭にうっとりする…


「もう…どうしたの?祐一…」


舞衣は、祐一の心情をある程度予想しながらも、自分への愛情を再確認するために、ワザと尋ねてみた。


「耐えられねーよ…絶えられねーんだよ!!これ以上…舞衣…お前が傷付いていくのが…」

「そう…なんだ…あたしが傷付いていくのが…辛いんだ…」

「当たり前だろ!!だから…俺はここに来た!!お前を助けるために…俺はここに来たんだよ!!」

「そうなんだ…あたしを…助ける為に…ここに来てくれたんだ…」

「あぁ!!舞衣、俺にも…罪滅ぼしをさせてくれよ…俺にお前を助けさせてくれ!!」


その言葉を聞いた舞衣は、ハッとした表情を浮かべる…

そして目に涙を浮かべながら、ニッコリ微笑んだ…


「…クスン…ありがとう…」


こんな日が来るとは思っていなかった…

「贖罪」 といいながらも、心の何処かに「 この町を抜け出して、自由になりたい」 という気持ちがあった。

心の片隅で、いつも 「あたしを助けてくれる人」 が来るのを待っていた…

その 「あたしを助けてくれる人」 は、高等部時代偶然出会い、そして共に楽しい時間を過ごした 「大切な人」 だった。

そんな事を考えていると、舞衣は涙を堪える事ができなかった。


「ありがとう…祐一…あたし嬉しい…」

「あぁ…この町を抜け出して…一緒に暮らそうぜ」


蒸し暑い室内で、2人は暫く抱き合い愛情を確かめ合った。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



413:名無しさん@ピンキー
12/06/02 20:08:19.92 HlU+gYtK
詩帆はもう病院行ってお薬貰ったほうがいいな

414:名無しさん@ピンキー
12/06/05 15:47:00.29 FzdeZ2R1
ノブヲが傷心で激痩せしたら割と見られる容姿であることが判明・・
色々あって詩帆とくっつくというのわどーだろ?

415:名無しさん@ピンキー
12/06/10 19:15:09.86 Y2l+Bh0h


舞衣はこの町を抜け出す事を決意する…


この2日間、舞衣は様々な事を考えた。


罪滅ぼしの為に始めた 「贖罪」 という行為が、自分自身だけでなく、大切な人たちの心まで傷付けていたという事…

自身を傷つけて罪滅ぼしをしても、誰も幸せにはなれないという事に気付いた…

そして何より、舞衣は再び祐一と充実した毎日…幸せな生活を送りたいと思い始めた。

舞衣は祐一のお陰で、罪の意識に締め付けられていた心を開放する事ができた…

全ては祐一のお陰だった…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

416:名無しさん@ピンキー
12/06/10 19:17:29.50 Y2l+Bh0h

午後

2人は町を抜け出す計画を練る。


「じゃ、今夜…って事でいいな…」

「うん…」


窓を締め切り、周囲に会話が聞こえないように細心の注意を払いながら話し合った…

計画を練り終えた2人は、早速準備に取り掛かる…


財布や携帯電話…そして通帳や印鑑などの貴重品や、写真などの思い出の品…

舞衣は最低限の荷物をバッグに詰め込んだ。


そして、舞衣は壁に飾っていた千羽鶴を手に取る…

千羽鶴…舞衣の痛々しい思い出が詰まった造りかけの千羽鶴…

「…どうしようかな…これ…」

造りかけの千羽鶴を手に取り、悩む舞衣…

これは…何?

あたしにとって、この鶴は何なの?


努力の結果?  巧海への愛情の大きさ?  それとも…汚された記録?




417:名無しさん@ピンキー
12/06/10 19:18:26.27 Y2l+Bh0h


「なぁ、舞衣~~そろそろいいか?もう暑くて…やってらんね~よ」

悩んでいると、祐一が話しかけてくる…

ハッと我に返った舞衣…

「はいっ?う、うん、もういいわよ…窓開けて…」

舞衣は悩みながらも、造りかけの千羽鶴をバッグに入れた。


祐一が窓を開けると、風が一気に部屋の中を吹き抜ける。

風がある程度の蒸し暑さを追い払うと、二人は夜の計画実行の為に身体を休める事にした。


布団に寝転がる2人…


「…暑い…こんなに暑くて…寝れるわけねーよな…なぁ、舞衣…?」

「すぅ~~はぁ~~すぅ~~」

蒸し暑さにうなる祐一を横目に、舞衣は既に眠っていた…

「よく寝れるよな…」

そんな事を思っているうちに、いつの間にか祐一も眠っていた…


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


418:名無しさん@ピンキー
12/06/10 19:19:28.78 Y2l+Bh0h

深夜1時

携帯のアラームが鳴り響く…

「…んっ…んぁあ…ふぁあ…時間…か…」

起き上がる祐一

携帯のアラームを消すと、早速舞衣を起した。

「舞衣…時間だ…」

「んんっ…んん~~?もうそんな時間なの?」


舞衣は、目を擦りながら起き上がる…

暗闇の中、携帯の僅かな明りを利用して周囲を確認する…

舞衣は、外に明りが漏れないように雨戸を閉めた。

そして部屋の明りを点ける…


「とりあえず…最後の準備でもするか…」

「そうね…まだ時間あるし…」


2人は身支度を整える。

そして簡単に食事を済ませた2人は荷物の最終確認をする…


深夜2時…

2人は物音を潜めながらアパートのドアを開ける。


「もう…思い残す事は…ないよな?」

「うん…大丈夫…行こっか…」


若干名残惜しそうな表情を浮かべる舞衣…

2人はアパートを後にした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



419:名無しさん@ピンキー
12/06/10 19:20:58.12 Y2l+Bh0h

真っ暗な夜道…

「本当に…真っ暗だな…」

「うん、この辺凄い田舎だから…風華に住んでたら信じられないでしょ?」

コンビニもファミレスも無い場末の片田舎は街灯一つ無く、当然深夜になると人一人歩いていない…

そんな真っ暗闇の中、2人は月明りを頼りに歩き続ける。


「で、ここ真っ直ぐでいいんだよな?」

祐一はカブを押しながら歩く。

「そうね…この道が一番人通りがないから…多分気付かれないと思う…」

バッグを背負い歩く舞衣は、祐一に道案内をする…

ここは一気にカブで走り抜けたい気分だが、それは舞衣に止められた。

カブのエンジン音で住民が舞衣の姿に気付くと、いろいろ面倒な事があるらしい。


歩き続けて暫くすると…


「あっ!!いけない!!」

突然舞衣が、何かに気付いた様子…

「うわぁ!!何だよ、いきなり…ビックリした~~!」

突然の舞衣の声に驚く祐一…

「ゴメン祐一…あたし…お店に忘れ物しちゃった」

「忘れ物~~?」

「うん…写真…巧海の写真…」



420:名無しさん@ピンキー
12/06/10 19:21:38.53 Y2l+Bh0h


舞衣は申し訳なさそうに話す。


舞衣は自分のプレイルームに、小さな額に入った巧海くんの写真を飾っていた。

お客とのプレイ中には、写真の額を裏返しにして、それ以外は常に巧海くんの写真に向かって話しかけ、微笑んでいた…

舞衣にとって大切な写真…それをお店に置いて行くことはできなかった。


「ま、しょうがねーな、いいぜ…ここから遠いのか?」

舞衣の事情を誰よりも知っている祐一は、怒る事も無く承諾した。

「ううん、そんなに遠くないわよ…ごめんね…」

「いいって、気にすんなよ…行こうぜ」

2人は一旦本通に出ると、繁華街に向けて歩き始めた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

421:名無しさん@ピンキー
12/06/10 19:22:36.36 Y2l+Bh0h

繁華街

泡姫館前…


「ちょっと待っててね…すぐ戻ってくるから」

「って、店閉まってんじゃねーか?入れるのか?」

「うん、大丈夫…店長、いつも決まった場所に裏口の鍵置いてるから…」


舞衣はお店の裏口に回る…

そして、傘立ての下に隠してある裏口の鍵を手に取ると、早速ドアを開け店内に入った…


舞衣は自分のプレイルームに入る

明りをつけ、改めてプレイルームを見回した…


「…汚い部屋…カビだらけのタイル…お風呂…ここともお別れね…」


巧海くんの写真をバッグに入れながら、舞衣は感慨に耽る。


「じゃ、行こっか…巧海…」


入店した当時からの嫌な思い出の全てが一瞬で脳裏に蘇る…


「…さよなら…」


しかし舞衣は、思い出の全てを払い除けるように 「さよなら」 と手を振った。

プレイルームを後にする舞衣…

決してプレイルームを振り返る事は無かった…



422:名無しさん@ピンキー
12/06/10 19:23:42.08 Y2l+Bh0h

その頃、祐一は…

「舞衣遅いな…もう10分立つぜ…」

薄汚く毒々しい下品な雰囲気に包まれた繁華街の光景を眺めながら、舞衣を待つ祐一。

幾ら繁華街とはいえ田舎なので、深夜の2時を過ぎると人通りは少ない。

カブを置き、暇を持て余した祐一はその場に置いてあったコンクリートのブロックに腰を降ろす。


「とりあえず…この町を抜け出したら…何処行くかな…」


そんな事を考えていた矢先…


「ぐはぁああっ!!」


祐一の頭部に一撃…激しい衝撃と激痛が走る…


「ああぁ…てて…痛てて…なっ…何なんだよ…オイ…」


周囲に飛び散るビール瓶の破片…

祐一は背後からビール瓶で頭を殴られてしまった。

流血しながら激しい痛みに耐える祐一は、後ろを振り返る。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



423:名無しさん@ピンキー
12/06/10 22:11:08.04 sgtKenAw
ヤクザ者か・・だが舞衣と一緒に逃げようとしてる事はまだ知らない筈だが

424:名無しさん@ピンキー
12/06/11 11:31:54.38 i/ge6a+Q
舞‐Hime使う必要性が欠片も無い
もうオリジナルでやれよ


425:名無しさん@ピンキー
12/06/11 13:29:00.57 eS1lVUwC
設定ちゃんと使ってるしキャラも崩れてないじゃん
ま、エロっぽい状況からは暫くご無沙汰してるのは事実。

でも面白いので俺的にはOKだぜ。つかさ、>>424だって代わりに何か投下する気は無いんだろ?

426:名無しさん@ピンキー
12/06/11 19:27:52.65 Ihzhu47H

「ぐぁあ…あぁ…テメェ…何しやがんだよ…って…あっ…アンタは…」

流血する頭を抑えながら後ろを振り返ると、目の前には酔っ払い…

しかも、何処かで見たことのある姿…

「おやぁ~~?偶然やなぁ~~~兄ちゃん…」

筋骨粒々とした身体に長身…そして独特のパンチパーマに、顔の傷…

そう…祐一の頭部をビール瓶で殴った男は、あの 「渡辺」 だった。

「はぁ、はぁ、はぁ…よう…おっさん…何でこんな所に…」

2日前…渡辺に暴行を受けた事を思い出しながら立ち上がり、強気に尋ねてみる。

「何でって…決まってるやろ~~さっきまでツレと飲み歩いてたんやぁ~」

渡辺の背後からチンピラが2名現れる…

「渡辺さん、何すか?この金髪」

「この辺じゃ見ない顔ですね…この餓鬼…渡辺さんにタメ口きいてんじゃねーぞ!!?」

渡辺の舎弟らしき2人のチンピラは、立ち上がった祐一を威嚇する。

「ん?この兄ちゃんか?へへぇ~~この兄ちゃんはな、ワシの折角の休日の楽しみを奪った…命知らずの兄ちゃんやでぇ~~へへぇ…」

酒に酔った渡辺は、独特の視線で祐一の身体を下から上に舐めるように眺める…

「へへっ…おっさんよ…あの後、あの店で女買ったのかよ?」

あの日の恐怖が蘇る…祐一は直立したまま、恐怖に思わず手が震えた…


427:名無しさん@ピンキー
12/06/11 19:29:35.83 Ihzhu47H

『やべぇ…俺…怖くて…身体が動かねーよ…』

「はぁ?あぁ~~あの後か…あの後はなぁ~~オモロないから、事務所帰って…借金の形に捕った女朝まで犯して遊んでたわ…」

『…最低の下衆野朗じゃねーかよ…こんな奴に…舞衣が…舞衣が…』

祐一は、そろそろ現れるであろう舞衣の心配をする…

『ヤバイ…そろそろ…舞衣が店から出て来る…どうする…』

僅かな時間に、祐一は思考回路をフル回転させた…

『こうなったら…先手必勝だろ!!』

次の瞬間、祐一は意を決して渡辺の懐に素早く接近する。

そして右拳を握り瞬時に体重の乗った右ストレートを渡辺の顎に打ち込もうとした…

しかし…


「ぐはぁあ!!」


次の瞬間、呻き声を上げたのは祐一の方だった…

右ストレートを打ち込もうとした瞬間、カウンターで祐一の腹にめり込んだ渡辺の前蹴り…



428:名無しさん@ピンキー
12/06/11 19:30:41.91 Ihzhu47H


「がはぁ…げほぉ…げほぉげほぉ…うえぇぇええぇ~~」


店の壁に飛ばされた祐一は倒れ込み、血を吐き嘔吐する…

「ひゃははは!!兄ちゃんええカッコやないか~~(笑)もっとゲロゲロ吐いて笑わせてやぁ~~♪」

祐一の嘔吐する姿を見ながら馬鹿笑いする渡辺…

それに釣られて笑い転げるチンピラ2名…

と、その時…

「ゴメンね~~祐一…ちょっと遅くなっちゃった…」

裏口から舞衣の声が聞こえる…

絶体絶命…舞衣が渡辺達の前に姿を見せてしまった…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

429:名無しさん@ピンキー
12/06/11 19:32:07.71 Ihzhu47H

お店の裏口から舞衣が現れる…

「ぐぁあ…はぁ、はぁ…ま、舞衣…ダメだ…く…来るな…」

声にならない声を上げながら、祐一は目の前に現れた舞衣に訴えた。

「どうしたの~~?祐一…ひっ!!?」

血まみれの祐一を目の当たりにした舞衣は、思わず絶句する。

あまりの光景に、舞衣は口元を両手で押さえたまま身体を硬直させてしまった…

「いやっ…ゆ…祐一…どうして…やぁあ…」

ブルブル震える半泣き状態の舞衣…そして舞衣は、すぐに渡辺の姿に気付いた。

「おやおやぁ~~?兄ちゃんの次は…舞衣ちゃんやないかぁ~~♪」

この光景に…そして自身に似合わない笑顔を舞衣に向ける渡辺…

「おやおやぁ~~あれぇ~~?これは…もしかして…あれぇ~~?」

感の鋭い渡辺は何かに気付いた…


人目を避けた夜中の外出…

バッグを背負った舞衣の姿…

2人の 「足」 に使うと思われるプレスカブ…


渡辺が今まで何度も目撃してきた 「夜逃げスタイル」

渡辺は、直感的に2人がこの町を抜け出そうとしている事に気付いた。




430:名無しさん@ピンキー
12/06/11 19:33:21.32 Ihzhu47H

「ほほぅ~~なるほど…そういうわけかぁ~~へへぇ~~なるほど…」

意味深な表情を浮かべながら、渡辺は舞衣に歩み寄る…

「はぁ、はぁ、はぁ…わ、渡辺…さん…あっ、あの…お…お久しぶり…ですね…はぁ、はぁ、はぁ…」

舞衣は緊張と恐怖心で身体を震わせながら引きつった笑顔を浮かべる…

「そやなぁ~~ひっさしぶりやなぁ~~この…糞売女がぁああああぁぁああ~~~~!!」

渡辺の表情は一変する…

舞衣がこの町を抜け出そうとしていた事を知った渡辺は、自身の背中に彫られた不動明王のような

表情を浮かべると、暴言を吐きかけながら舞衣を思いっきり平手打ちした。

「きゃぁああああぁぁ!!」

舞衣は溜まらずその場に崩れ落ちる…

平手打ちされた頬を手で押さえながら、舞衣は渡辺の姿を見上げた。

「まぁ…売女風情にウツツを抜かしたワシが馬鹿やったわぁ…情婦にしようとか…ワシが馬鹿やったわぁ~~」

渡辺が一番怒る行為…

それは 「裏切り行為」

渡辺は今まで生きてきた中で、自分を裏切った人間は尽く始末して来た。

その渡辺の願いを完全に裏切った舞衣は、次の瞬間から 「タダの売女」 へと変わってしまった…

「簡単に逃げられると思ったら大間違いやぁ!!おらぁ!!立てや!!この売女がぁ!!」

舞衣のTシャツの胸元を思いっきり掴むと、無理やり舞衣を立たせる…

渡辺は、立たせた舞衣を思いっきり往復ビンタし始めた。

「きゃっ!!やっ!!痛いっ!!きゃっ!!やっ!!」

悲鳴を上げる舞衣…見る見るうちに、舞衣の頬は腫れ上がる…

そして渡辺は、舞衣をチンピラ2人の方へ突き飛ばした。

「はぁ、はぁ…おう!お前等…この売女犯せや…この場で好きに犯したったれや!!」


431:名無しさん@ピンキー
12/06/11 19:33:58.90 Ihzhu47H

突き飛ばされた舞衣を支える二人のチンピラは、次の瞬間満面のいやらしい笑みを浮かべた。

「へへぇ~~いいんスか~~?こんないい女?」

「マジで!?マジでいいんですか?へへぇ…遠慮しねーっすよ俺!!」

舞衣を羽交い絞めにするチンピラ…

「いやぁぁあああぁ!!離してっ!!離しなさいよっ!!」

羽交い絞めにされながらも、何とか抵抗して逃れようとする舞衣…

「ジタバタしてんじゃねえよっ!!オラァ!!」

もう一人のチンピラが、舞衣の腹部を思いっきり殴る…

「んぐっ…ぅああぁぁあ…」

腹部を思いっきり殴られた舞衣は身体に力が入らず…

「舞衣っ!!」

舞衣に歩み寄ろうとする祐一…

「へへぇ~~兄ちゃん、自分の彼女が犯されるなんてぇ下手なAVよりも興奮できるでぇ~~へへぇ~~ジックリ見たってや~~♪」

舞衣に歩み寄ろうとする祐一に、再び前蹴りを浴びせ舞衣から距離をとらせる渡辺…

祐一の目の前で、悪趣味な余興が始まった…

悪趣味な渡辺の舞衣に対する仕打ちが始まってしまった…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

432:名無しさん@ピンキー
12/06/12 02:51:06.84 1q5OcJ6g
下手に強姦すると精子やDNAが物証になるから逮捕逃れようが無いぞ

ロシアマフィアを描いた「イースタンプロミス」でもドンは強姦罪で引導渡されてる

433:名無しさん@ピンキー
12/06/13 05:55:37.61 NAcCKDKP
喧嘩慣れてるかもしれんが、ヤニ、酒で不健康な生活してる
中年ヤクザぐらい棒一本あれば楽勝でねーの楯も

434:名無しさん@ピンキー
12/06/17 19:20:20.87 qj046cBe

「はぁ、はぁ…うぅ…いやっ…離して…」

腹部を殴られ、身体に力が入らない舞衣を羽交い絞めにする中年のチンピラ…

「へっへっへ…この女、なかなかの上物ですね~~へへッ…ふぁあ~~いい匂い…」

舞衣を羽交い絞めにするチンピラは、背後から舞衣の髪の毛に顔を埋めて思いっきり匂いを嗅ぐ…

そして舞衣の首筋にネットリと舌を這わせ始めた…

「ひっ!!?いやぁあっ!!止めなさいよねっ!!…気持ち悪いっ!!」

首筋に伝わる気持ち悪い感触に、舞衣は思わず鳥肌を立ててしまった。

身体に力が入らない舞衣は、気力を振り絞り思いっきり怒鳴ってみせる…

「それにしても、スゲー乳してんじゃねーかよ!!オラァ!!」

もう一人のチンピラが、羽交い絞めにされている舞衣のTシャツの胸元に手をかけると、思いっきり引っ張り

Tシャツの生地を引きちぎった。

シンプルなデザインのブラに包まれた、舞衣の豊満な胸の谷間が露になってしまう…

「いやぁぁぁぁああぁ!!はぁ、はぁ…なっ…何するのよっ!!このっ!!離しなさいよっ!!」

舞衣は思いっきり右足を振り上げる…

目の前にいるチンピラの股間を思いっきり蹴り上げた。

「んほぉぉぉぉお~~!!?」

股間に蹴りがヒットした瞬間、チンピラは前屈みになり股間を押さえ悶絶した。


435:名無しさん@ピンキー
12/06/17 19:21:14.93 qj046cBe

「ひゃはははは!!オメェ、だせーよ(笑)ひゃはははは!!」

舞衣を羽交い絞めしているチンピラは、股間の痛みに悶絶する相方を見ながら爆笑する。

「テメェ!!この野朗!!いい気になってんじゃね~~ぞ!!」

舞衣の股間蹴りに激怒するチンピラ…

チンピラは懐からナイフを取り出す…

そして、そのナイフを舞衣の頬に突きつけた。

「暴れんじゃね~~よ!!この売女がぁ!!ガタガタ騒いでると刺すぞコラァ!!」

頬からナイフを離す…

そして、ナイフの先端は首筋…肩…そして舞衣の豊満な胸元に下りていく…

「ひっ…はぁ…はぁ…はぁ…あぁあ…や、止めて…じょ、冗談…よね…?」

ナイフを突きつけられ恐怖に震える舞衣…

完全に抵抗する気力を失ってしまった…

「こっちは人一人殺すなんて簡単なんだぜ…へへぇ…抵抗なんてしないで大人しくしてろっての…」

チンピラはニヤニヤしながら、舞衣の豊満な胸の谷間…ブラのカップとカップの間に刃を当てる…

そしてナイフでブラを両断する…2人の視線の前に、舞衣の大きく張りの良い見事な巨乳が露になってしまった。

「…はぁ、はぁ、はぁ…やぁ…あぁ…やだ…やめ…て…」

恐怖心により完全に腰が抜けてしまった舞衣…

そんな舞衣の状態に気付いたチンピラは、羽交い絞めを解く。

下半身に力が入らない舞衣は、その場にへたり込んだ…

「ヤダっ…来ないでっ!!いやっ!!近づかないでっ!!いやっ!!いやぁぁあああぁぁ~~~っ!!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



436:名無しさん@ピンキー
12/06/17 19:22:45.24 qj046cBe

腰が抜け脱力してしまった舞衣は、路上に仰向けにされ身体を弄ばれる…

「うほぉ~~スゲ~~揉み心地!!ほら触ってみろよ」

「マジで堪んね~~!!ムチムチのボインボインじゃね~~か(笑)」

2人は代わる代わる舞衣の大きな乳房を鷲掴みにして乱暴に揉む…

「やっ…あっ!!痛いっ!!やっ!!あんっ…やめてっ!!んっ!」

舞衣の乳房は2人の男達によってムニュムニュと形を大きく歪める…

そして男達の手に、スベスベの手触りや見事な弾力を伝えた。

「ヒヒヒッ…止めてだってよ(笑)でもなぁ~~ほら」

「だよなぁ…へへっ…お姉ちゃんよぉ~~そんな事言っても、もう乳首ビンビンにおっ立ててるじゃね~~かよ(笑)」

乱暴に乳房を弄ばれていた舞衣は無意識のうちに感じてしまい、既にピンク色の乳首をツンと立たせてしまっていた。

「んんっ…はいいっ?こ、これは…違うのっ!!」

舞衣は自分の身体の正直な反応を否定する。

「違うっ!!あたし…感じてなんか…気持ちよくなんか…」

「ウヒヒィ~~身体は正直だよなぁ~~ほぉ~~れモミモミぃ~~♪」

「マジで乳首立たせて…お姉ちゃんマジでイヤらしい女だよなぁ~~はむぅ…チュウ…」

「本当に助平な女だぜ…こんな状況で乳首立たせてるなんて本当の助平女だよなぁ…あむぅ~~チュウっ♪」

2人は舞衣を言葉攻めしながら、その仰向けになっても肩崩れしない豊満な乳房の頂にある、ピンク色の乳首に思いっきり吸い付いた…



437:名無しさん@ピンキー
12/06/17 19:23:40.00 qj046cBe

「チュパチュパ、ちゅうぅぅうぅ~~!!ちゅぱちゅぱちゅぅぅ~~~っ!」

「ずちゅぅぅぅぅぅ~~ちゅぱちゅぱ…ぺろぺろぺろちゅぅぅぅ~~~!」

「やっ…やだ…んひぃぃいぃぃ~~~!!?んんっ…やだ…気持ち…悪い…んっ…はぅう…んっ♪」

2人の男達の唇が舞衣の乳房に触れ、思いっきり乳首に吸い付いた…

左右の乳房にそれぞれが夢中になり乳房に吸い付く。

唇を微妙に動かし、乳首に舌を這わせながら…時々乳首を甘噛み…

「ひゃう…んんっ…んぁ…あんっ…あっ、あっ…あんっ…ダメ…あんっ…」

ナメクジが乳房を這うような感触…悪戯な舌使い…

舞衣は不快感に鳥肌を立てながらも、身体の芯が熱くなる感覚に陥る…

そして、不本意にも感じ始めていた…

感じやすい上に敏感になった舞衣の乳首には、舌が這い甘噛みされ、吸い付かれる度に電気のような快感が走る…

「はぁあ…はぁあ…あっ…あんっ…ダメ…おっぱい…乳首…ダメぇ…はぁ、はぁ…んんっ♪」

玉のような汗を浮かべる舞衣の乳房…そして汗で蒸れた深い胸の谷間…

舞衣の胸から立ち上る甘酸っぱい汗の香りと、舞衣の喘ぎ声…

甘酸っぱい香りと喘ぎ声に、男達は更に興奮した。



438:名無しさん@ピンキー
12/06/17 19:26:20.54 qj046cBe

一人が舞衣の乳房に顔を埋めてその感触を楽しんでいると、もう一人の男は舞衣の下半身に目を向ける。

仰向けになる舞衣の両脚に身体を割って入れると、デニム生地の身にスカートを捲り上げた。

「おうおう!!見ろよこれ!!汗蒸れまんこスッゲ~~匂い!!」

舞衣の小股にショーツが食い込み、汗と愛液で蒸れ蒸れの小股はショーツ越しに形がクッキリと浮き出ていた。

スカートを捲り上げただけで、汗と愛液で蒸れた匂いが漂う…

「いやっ!!見ないでっ!!いやぁあああぁ!!」

舞衣は両脚を大きく広げて小股を披露したままジタバタ暴れた。

男はナイフで舞衣のショーツのサイドを切る。

あっという間に、舞衣の秘部は露になってしまった…

「へぇえ~~売女の癖に、綺麗なまんこしてんじゃねーかよ!!」

何百人の男達を受け入れた舞衣の秘部は、今も綺麗なピンク色を保っていた…

そのピンク色の秘部を、男は弄び始める。

「俺が気持ちよくしてやるからなぁ~~ヒヒぃ~~♪」

男はクリトリスを指で擦りながら、同時に指を2本舞衣の膣内に挿入した…

そして、指を舞衣の膣に出し入れし始める…

「やっ!!あんっ!あっ、あんっ♪ダメっ!!指…入れないでっ!!汚いっ!!止めてっ!!いやぁああ!!」

指の動きは徐々に早くなっていく…最初は痛かったクリトリスも、徐々に気持ちよくなってきて…

舞衣の小股からは愛液が溢れ始めた。

「あっ、あんっ、あんっ♪あっ、あっ、あんっ♪はぁ、はぁ…あんっ♪指…抜いてっ!!あんっ♪あんっ♪あんっ♪」

快感に身体の芯が熱くなり、頭が真っ白になり始める…

両手両脚がフワフワし始め、舞衣は快感に気持ち良さそうな喘ぎ声を上げ始めた。

「はぁあ、はぁあ、あひぃ~~はひっ、はひっ♪あんっ♪気持ちいい…ダメっ…おかしくなっちゃうっ!!」



439:名無しさん@ピンキー
12/06/17 19:27:05.23 qj046cBe

その声を聞いた男たちは、思わず噴出した。

「ぷっ…あははははっ!!おいおい聞いたかよ!!気持ちいいってよ!!」

「あぁ、本当に助平女だよなぁ~~彼氏ご愁傷様だよなぁ(笑)」

舞衣は乳房と小股を弄られ、快感に口を大きく開き涎を垂らしながら喘ぐ…

「あんっ♪あんっ、あんっあんっ♪ダメぇ~~祐一…見ないで…お願い…あんっ♪あんっあんっ♪」

無意識のうちに祐一に謝りながら、舞衣は快感から逃れることを拒んだ。

そして、絶頂が近づいてくる…

「ほらほらお姉ちゃん、もう乳首ビンビンじゃねーか!!こんなにコリコリで長い乳首見たことね~~よ!!ひゃははは!!」

「グチョ濡れまんこクっさ~~!!お前女として恥ずかしくね~~の?これ女じゃなくて、牝の匂いだぜ…うひひひぃ…」

「はぁあ、はぁ、はぁ、ダメっ、ダメっ気持ちよく…なっちゃダメっ!!はぁ、はぁ…あんっ、あっ、あっ、あんっ、ダメっ、ダメなのっ!!」

2人の男達は、舞衣の絶頂が近いと知ったのか…身体と同時に言葉で精神的にも責め立てた…

「ひゃひぃぃぃぃ~~っ!!らめぇ~~らめらめ…ダメぇ~~イクっ!!イクっ!!イクイクっ!!いっちゃうのっ!!あひぃいぃぃぃぃっ!!」

舞衣は上半身をビクンビクンと身体を震わせる…

両脚をピンと張りながら上半身を痙攣させ…口から涎を垂らし…

恍惚とした表情を浮かべながら絶頂に達してしまった。

約1分間、絶頂を感じ続ける…

祐一の目の前で、知らない男達に身体を弄ばれながら快感に悶え続けた舞衣は絶頂に達してしまった…


「舞衣…糞っ!!」


何もできない祐一は、舌打ちをして下を向いた…


「おらぁ!!兄ちゃんはこっちや!!」

「うぐっ!!」


祐一は、渡辺によって更に離れた場所に蹴り飛ばされた…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

440:名無しさん@ピンキー
12/06/17 19:28:30.38 qj046cBe

舞衣の下半身を責めていた男は、自らズボンを下ろし下半身を晒した。

すでに勃起したペニスを、舞衣の濡れた小股に当てる…

「ひっ!!?そんな…嘘…よね?ダメっ!!イヤイヤっ!!それだけはイヤッ!!」

上半身を押さえつけられている舞衣は、イヤイヤと頭を振る。

しかし男達は躊躇しない…

「馬鹿野朗っ!!もう我慢できるわけね~~だろうがよ!!」

「そうそう、折角気持ちよくしてもらったんだから、俺達にお返ししてもらわないとなぁ~~」

男は舞衣の秘部に、ゆっくりとペニスを挿入する…

「ひぁああぁ…うぅ…だ…ダメぇ…」

ゆっくりと舞衣の膣内に入っていくペニス…

舞衣の秘部は、ペニスを抵抗なく受け入れ…

舞衣の柔らかい膣壁はペニスをキュウキュウと締め付け、何ともいえない快感を与えた…

「いやぁああぁ…ダメぇ…あたし…犯されちゃう…ダメダメ…祐一…見ないで…はぁ、はぁ…」

大切な人の目の前で犯される屈辱が、舞衣の被虐心を駆り立てた…

背徳的な舞台に、不覚にも何とも言えない快感がこみ上げて来た…

「あんっ♪あんっ、あんっ、あんっ♪やだっ、見ないでっ!!あんっ、あんっ、あんっ♪はぁ、はぁ…ダメっ!!犯されちゃってるのにっ!!あんっ♪」

男はゆっくりと腰を振りながら、その快感に思わず声を上げる。

「うぉお…はぁはぁ…このねーちゃんのまんこ…スッゲ…気持ちいい…うほぉ~~!!」

舞衣の膣内は無意識に男のペニスをリズムよくキュウキュウと締め付け、見事な快感を与え続ける。



441:名無しさん@ピンキー
12/06/17 19:29:07.15 qj046cBe

「おいおい、早くイッて交代しろよ!!ったく…我慢できねーよ…」

「ばっ、馬鹿野朗っ!!こんなに気持ちいいまんこ…そう簡単に替われるかっての!!」

「しょうがね~~なぁ~~~!!ほらお姉ちゃんよぉ!!口開けろや!!口!!」

もう一人の男は、舞衣の鼻を摘む…呼吸できずに口を大きく広げた舞衣の口に、汗で蒸れたキツイにおいのするペニスを突っ込んだ。

「はむぅぅう!!?むぐぅ…んんっ!!?」

舞衣の口にペニスを突っ込んだ男は、ゆっくりと腰を動かし始める…

「おらおらぁ!!歯、立てんじゃね~~ぞ!!」

ゆっくりと…そして徐々に腰を動かすスピードを上げていく。

「んっ、んっ、むぐっ、んちゅっ、んちゅっ、ちゅく、んんっ!!んちゅっ…」

舞衣の口を性器として代用し始めた男…舞衣の瑞々しい唇や絡みつく舌は、男に快感を与える…

「おらおら、おらぁ…はぁ、はぁ…ヤベ…気持ちいい…これ…マンコよりも気持ちいいんじゃね?」

「むぐぅ、んぐっ、んちゅっ、んちゅぱ、ちゅっ、ちゅく、んぐぅけほけほっ!!んぐっ、ちゅぱ、じゅる、じゅる…」

喉の奥までペニスを突っ込まれ咽ながらも、舞衣は口と喉で不本意にも男に快感を与え続ける…

「はぁ、はぁ…うほぉ~~まんこ締まる締まる!!こんなマンコ初めてお目にかかるぜ!!はぁ、はぁ…」

「この口も堪んね~~よ!!はぁ、はぁ…」

全身を弄ばれ…口も秘部も犯され…

今…舞衣の身体は、人間として扱われていなかった…

まるで、玩具…人形のように扱われていた…


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

442:名無しさん@ピンキー
12/06/17 19:30:01.70 qj046cBe

午前2時30分

泡姫館から少し離れた路地…

黒塗りベンツの車内…


「…もう…本当に…悔いはありませんね?」


いっ…いいい…井上が僕に尋ねてきた…


「うっ…ううう…うん…く…くっくくく悔い?は…あるよ?でもね…このままじゃ何もかっ…かかか…変わらないから?」


そっ、そそそ…そうなんだ…このまま…こここ…ここにいても…なっ、ななな…何も変わらないとおっ、おお…思うんだ。

だっ、だだだ…だから…僕はね…いっ、一旦…お…お家に…かっ、かかか…帰ろうかな~~って思ったんだ。

たっ、たたた…対策?を練って…それから…でっででででっ…出直そうかな~~って…思って…

でっ…ででで…でもね…その間も…とっ、ととと…鴇羽さんは…男の人たちに…

何人もの…男の人たちに…

でも…その分…男の人たちに…傷つけられた分…

いつか…僕が…ぼぼぼ…僕が…しっ、ししし…幸せに…してあげたい…だから…だから…悔しいけど…

僕は…一旦…たっ、たたた…退却するっ…

そっ、そそそ…そう決めたんだ…


「賢明な判断です…ノブヲ様…」


いっ、いいい…井上は…そう言ってくれたんだ…



443:名無しさん@ピンキー
12/06/17 19:30:43.76 qj046cBe


そして…ぼっ、ぼぼぼ…僕は一旦車から降りたんだ…

「ノブヲ様…どうされました?」

ぼっ、ぼぼぼ…僕はす、少し照れながら…照れながら…こっこここ答えた…

「ちょ、ちょちょちょ…ちょっと…風華に帰る前に…エヘへ…」

すすす…すると井上は、ぼ、ぼぼぼ…僕に忠告を始めた…

「ノブヲ様…知っておられると思いますが…立ちションは軽犯罪法違反の罪に問われる事になります…」

しっ、ししし…しまった…立ちションしようとしてたの…ばっばばばバレてた?

ぼっ、ぼぼぼ…僕は…あわ、あわあわあわ…慌てて答えた…

「ちっ、ちちち…違うよぉ~~!!ちょっと、そ、そそそ外の空気を…吸いに…」

すると、わ、わわわ…渡辺は呆れたように答えた。

「…わかりました…そろそろ出発しますから、お早めに済ませて下さいね」

ぼっ…ぼぼぼ…僕は…車から降りると…路地裏を通りながら…あわあわあわ…泡姫館に向かったんだ…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

444:名無しさん@ピンキー
12/06/17 19:31:40.86 qj046cBe

とっ…ととと…鴇羽さん…

今日も…おっ、おおお…お店に…現れなかったんだよね…

よっ、よっ、よよよ…夜中まで…見張ってても…お店に来なかったんだよね…

も…もう…会えないのかな…


「とっ…ととと…鴇羽さんと…会えないのかな…」


そ…そんな事を思っていると…寂しくなってきて…

さっ、さささ…寂しいと同時に…くっ…くくく…悔しくて…

とっ、ととと…鴇羽さんに…お客?おおお…お客を…取らせる…お店が…

おっ、おおおお…お店…お店が…にっ、憎い…憎くて…憎くなってきて…


「くっ…悔しいのかな…くっ…悔しいのかな…」


わ、わわわ…解ったぞ…ぼっ、ぼぼぼ…僕は…お店が…憎いんだ…

だっ…だから…お店に…とっ、ととと…鴇羽さんを…汚した…おっ…お店が…憎い…

だから…だだだ…だから…

ふ…ふふふ…復讐…してやる…復讐してやるんだな…



445:名無しさん@ピンキー
12/06/17 19:32:29.59 qj046cBe

どどど…どうやって…復讐してやろう…

あの…ててて…店長…小太りの…店長を…なっ…ななな…殴ってやろうかな…

そっ、そそそ…そんな事を考えているうちに…おっ、おおお…お店に着いたんだ…

「おっ…お店…真っ暗だよ…誰もいないね…」

ここは…うぅうう…裏口…なのかな?

こ、ここでいいや…ここで…せめてもの…ふふふ…復讐…

お店に…おっ…おおお…お店のドアに…おっ…おおお…オシッコ…かけてやる!!

ぼっ、ぼぼぼ…僕は…ズボンを下ろしたんだ…

「このっ!!ぼっ…ぼぼぼ…僕の…恨みっ!!おおお…思い知れっ!!」

ドドド…ドアノブから…ドア全体に…ぼっ、ぼぼぼ…僕のオシッコ…かけてやったんだ!!

たったったた…沢山…オシッコ…出ちゃったんだ…はぁ…すすす…スッキリした…はぁ…

「じゃ、じゃじゃじゃ…そろそろ…か…かかか…帰ろうかな…」

かっ…かかか…帰ろうとした時…表から…女の人の…ひっ…ひひひ…悲鳴が…聞こえた…

「いっ…いいい…今の声は…もっももも…もしかして…」

ぼっ、ぼぼぼ…僕は…足音を潜ませて…ゆっくりと表口に向かったんだ…

そして、かっ、かかか…壁に隠れて…表を…かかか…確認する…

「あわわわ…あわわわ…とっ…ととと…鴇羽さん…はわわわ…」

とっ、ととと…鴇羽さんが…らっ、乱暴…されてる…

とっ、ととと…鴇羽さんが…はわわ…

たったたた…助けないと!!



446:名無しさん@ピンキー
12/06/17 19:33:06.97 qj046cBe

いっ、いいい…いつも…乱暴な人からは逃げようとしてた僕…

でもね…でもね…今日はね…にっ…ににに…逃げなかったんだ…

足元にあった…大きな…こっ…こここ…コンクリートブロック…

ぼぼぼ…僕は…持ち上げてみた…

こっ…こここ…これ…ドッグフードの袋と…おっおおお同じ位の重さだから…5キロ…くらいかなぁ…

ぼっ、ぼぼぼ…僕は…コンクリートブロックを…両手で持ち上げると…

とっ、ととと…鴇羽さんに…乱暴している…怖そうな…おおおお…男の人に…背後から近づいた…

「あっ、あああ…あのっ…ららら…乱暴は…だっ、だだだ…ダメじゃないか…ふんっ!!」

ぼっ、ぼぼぼ…僕は…怖そうな男の人の頭に…コンクリートブロックを叩きつけたんだな…

「ぐぁあああああぁぁ~~!!」

おっ…男の人は…頭から…血っ…ちちち…血を噴出して…その場に倒れこんだんだ…

「ぐぁあ…あぁ…あぁ…」

おっ…おおお…男の人の耳から…黒い血が噴出して…流れて…

男の人は…動かなくなっちゃったんだ…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

447:名無しさん@ピンキー
12/06/17 20:31:52.64 p6KErtoT
もし強姦ヤクザが死んでも執行猶予つくから大丈夫だぞ

448:名無しさん@ピンキー
12/06/17 20:52:19.45 QGFD1UWb
すみません、誤字です。

レス438

身にスカート→ミニスカート

でした。

449:名無しさん@ピンキー
12/06/18 17:21:36.24 /rxk/c7t
コンクリ塊で後頭部殴ったら頭蓋骨陥没軽いな
100%自業自得だが・・舞衣にしてもトラウマになるんでないか
今まさに自分に入ってたティンポ野郎が目の前で頭グシグシャで死亡したらw

450:名無しさん@ピンキー
12/06/24 14:38:43.79 o3DrH4Om

コンクリートブロックで殴られたチンピラは、頭から血を噴出しながら前のめりに倒れる…


「はぁあ…はぁあ…っ!?えっ…歌山…くん?」

「ノ…ノブヲ…どうして…ノブヲがこんな所に…!?」

突然の出来事に、何が起こったか理解できない舞衣…

そして、ノブヲの登場に驚く祐一…


ノブヲに殴られたチンピラは、舞衣に覆いかぶさるように倒れてくる…

「いやぁあぁぁ~~~っ!!」

血まみれのチンピラに驚いた舞衣は、思わず倒れてきたチンピラを脚で思いっきり蹴り飛ばした。

「ひぃっ!!?血っ!?いやっ!!いやっ!!」

何度も何度も血まみれになったチンピラを蹴り、自分から遠ざけようとする舞衣…

「なっ…何だテメェ!!」

さっきまで舞衣の乳房を弄んでいたチンピラは、ノブヲの登場に動揺を隠せない…

「とっ…ととと…鴇羽さんから…は、ははは…離れて…」

ほぼ無表情のノブヲは、持っていたコンクリートブロックを再び持ち上げる…

そして、もう一人のチンピラに向かって振り下ろした…

しかしチンピラはすぐに立ち上がると、ノブヲの攻撃をかわす…

「ふんっ!!ふんっ!!ふんっ!!」

ブロックを振り回すノブヲ…

「ぐっ…っ!!?こ、この…キ〇ガイ豚野朗が…ナメてんじゃねーぞ!!」

ブロックを大振りに振り回すノブヲの隙を見て、チンピラはノブヲの顎にカウンターの右ストレートを打ち込んだ…

「あがっ…ううっ…」

顎に綺麗に入ったカウンター…

ノブヲは腰からガクッと崩れる…


451:名無しさん@ピンキー
12/06/24 14:40:47.40 o3DrH4Om

「うぐっ…こ、このぉ…」

ノブヲは持っていたコンクリートブロックを、チンピラの足首に向かって投げつける…

チンピラの足は、靴の上からでも解る位に形が変わった…

「うがぁあああぁ!!やっ…やりやがったな…この豚が!!」

骨折の痛みに耐えながら、ノブヲに掴みかかるチンピラ…

しかしノブヲは右手で握り拳を造ると、掴みかかってきたチンピラの頭に拳を振り下ろす…

「ふんっ!!ふんっ!!ふんっ!!ふんっ!!」

何度も何度も…チンピラの頭部に拳を振り下ろした…

そしてノブヲはチンピラを投げ飛ばす…

「うっ…はぁ、はぁ、はぁ…」

投げ飛ばされたチンピラは懐に手を入れると、携帯を取り出す…

「はぁ、はぁ、はぁ…おい…お前等…ちょっとソープの前に来い…手ぇ貸せや…はぁ、はぁ…」

チンピラは援軍を呼び寄せる様子…

「エモノも…忘れんじゃねーぞ…ぐぁあああ~~っ!!?」

息も絶え絶えに援軍を呼ぶ最中、チンピラは叫び声を上げて失神した…



452:名無しさん@ピンキー
12/06/24 14:41:39.64 o3DrH4Om


「ご無礼ながら…一部始終拝見させていただきました…」


チンピラの背後には、車内でノブヲの帰りを待っていたはずの井上の姿が…

「天晴れです…お見事でした…ノブヲ様…」

ノブヲの活躍ぶりに感激する井上の手にはスタンガン…

井上は、チンピラをスタンガンで失神させた様子…

使用人でありながらも、普段はノブヲの警護も任されている井上…

もちろん格闘の技術も身につけている井上は、咄嗟に助けようとした…

しかし、逃げようとせずチンピラに立ち向かったノブヲの姿を見て感動した井上は、

ギリギリまでノブヲの戦いぶりを見守った。

「この井上…感激しました…ノブヲ様…ご成長されましたね…」

「えっ?えええ…えへへ…てっ…ててて…照れるなぁ…えへへ…」

会話を交わす2人…しかし、すぐにチンピラの援軍が3人現れる…

「何だぁ~~?おら!!そこのデブとじじい!!」

「派手にやってくれたじゃね~~かよ!!」

座り込んでいるノブヲに、井上は警棒を手渡す…

「さあ、ノブヲ様…立ち上がってください!!この程度で立ち上がれなくなる彼方ではない筈です!!」

立ち上がるノブヲ…

「うっ、ううう…うん!!ぼっ、ぼぼぼ…僕は…全力で…と、ととと…鴇羽さんを…まっ、ままま…守るっ!!」

「承知しました…この井上…全力で加勢させていただきます!!ノブヲ様…共にひと暴れしましょうぞ!!」

2人は襲い掛かってくるチンピラたちを迎え撃つ…


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

453:名無しさん@ピンキー
12/06/24 14:42:39.96 o3DrH4Om

「何や…あの豚…」

ノブヲと井上の登場に驚きを隠せない渡辺…

渡辺の心に隙ができた瞬間を、祐一は見逃さなかった。

「こらぁ!!おっさんよ!!よそ見してんじゃね~~よ!!おらぁ!!」

祐一は咄嗟に立ち上がると、渡辺の顔面に向かって思いっきり頭突きを食らわせた。

「うぐっ…なっ…何っ…!!?」

もう屈服させたと思っていた相手に、捨て身の攻撃をされた渡辺…

フラつく渡辺…

「おらおらっ!!油断禁物だぜっ!!」

祐一は瞬時に渡辺から離れる…

そして、倒れて蹲っていた時に発見した廃材の鉄パイプを手に取る。

「へへっ…コイツがあれば…百人力だぜ!!」

祐一は鉄パイプを手に取ると、スッと構えた…

長年修練してきた剣道の構え…

祐一の心から、恐怖心や雑念が消える…



454:名無しさん@ピンキー
12/06/24 14:43:30.23 o3DrH4Om

「ホンマびっくりしたわ~~にーちゃん…ホンマ兄ちゃんおもろいわ…」

徐々に渡辺の表情が変わっていく…

渡辺は懐から刃渡り30センチはあるナイフを取り出した。

「おもろいけどなぁ…ワシの顔に傷つけて…タダで済むと思うなよコラぁああああぁぁ~~!!」

自身の背中に彫られている不動明王の刺青のような表情を浮かべると、渡辺はナイフを構えて祐一に突進して来た。

しかし祐一は表情一つ変えず、突進してくる渡辺に向かって構えを崩さない…

「死ねやコラぁぁあああああぁぁぁぁ~~っ!!」

ナイフを振りかざす渡辺…

祐一は1歩踏み込む…

「正面ガラ空きだぜっ!!食らいやがれっ!!」

祐一は渾身の力を込めて、渡辺の喉下目掛けて 「突き」 を放った。

「ぐぁああああぁ~~~~っ!!」

渡辺の喉に鉄パイプがめり込むと、そのまま店の壁まで突き飛ばされた渡辺…

「ぐぁあ…げほげほっ…げほっ…うぐぅ…げほっ…」

渡辺は血を吐きながら咽返る…

仰向けに倒れる渡辺に瞬時に歩み寄ると、祐一は鉄パイプを振りかざした。

「おらっ!!おらっ!!おらっ!!ふんっ!!ふんっ!!おらっ!!」

倒れる渡辺を鉄パイプでメッタ打ちにする祐一…

5発…10発…20発…30発…

頭…腕…身体…脚…

渡辺の身体中をメッタ打ちにする…


『立ち上がったら…殺される…今度こそ…殺される…』


心の中でそう自分に言い聞かせながら、祐一は渡辺を鉄パイプで殴り続けた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


455:名無しさん@ピンキー
12/06/24 14:45:10.88 o3DrH4Om

路上では、ノブヲと井上がチンピラ達と交戦中…


「さあ、ノブヲ様!!今ですっ!!」

「うっ、ううう…うんっ!」

スタンガンや催涙スプレーなど、道具を駆使してチンピラを戦闘不能に陥れる井上…

そして、腕力に物を言わせて警棒を振り回すノブヲ…

2人は見事3人のチンピラを倒す事に成功した。


一方…


「おらっ!!おらっ!!おらぁああああぁ~~!!」

「もう止めてっ!!」


渡辺を鉄パイプで50発近く殴り続けた祐一は、ようやく立ち上がることができた舞衣に止められ我に返った…


「はぁ、はぁ、はぁ…あぁ…こんなモンだろ…大丈夫か…舞衣…」

「もう…祐一…またこんなに怪我しちゃって…逃げれば…よかったのに…」

「馬鹿だなぁ…お前を置いて…逃げれる訳ねーじゃんよ…」


上半身裸の舞衣は、血まみれの祐一にキュッと抱きついた…




456:名無しさん@ピンキー
12/06/24 14:46:30.99 o3DrH4Om

「とっ、ととと…鴇羽さん…だっ…だだだ…大丈夫!!?」


闘い終えたノブヲが舞衣に歩み寄る…

「歌山くん…歌山くんも…助けてくれたんだよね?ありがとう」

「しかしビックリしたぜ!!ノブヲ、お前結構やるじゃん!!」

「うっ、ううう…ううん…そそそ、そうかな?えへへ…照れるなぁ~~」

二人に褒められまんざらでもないノブヲ…

そしてノブヲは、舞衣が上半身裸でいることに気付く。

「はわわわ…とっ、ととと…鴇羽さん…はだ…はだはだ…裸だぁ…」

「はいっ?あ…あはは…そういえば…そうだった…あはは…」

大きな両乳房を晒したまま照れ笑いする舞衣。

「ばっ、馬鹿っ!!笑ってないで隠せよな!!」

隠さず照れ笑いする舞衣に呆れる祐一…

すると、ノブヲは自分の着ていたシャツを脱ぎ始める…

「とっ、ととと…とりあえず…これ…着てよ…ははは…裸…より…いいい…いいよね?」

シャツを受け取る舞衣…そして、シャツを羽織りボタンを留めた…


「ありがとう…歌山くん…って…はいぃぃぃぃぃ~~っ!!?」

「…ノブヲ…お前…それ…何?」

「はぁ…ノブヲ様…あれほど…忠告しておいたのに…」



457:名無しさん@ピンキー
12/06/24 14:47:24.07 o3DrH4Om


3人の視線の先…上半身裸になったノブヲ…そのノブヲの胸元には…

「ね、ねえ…それ…2年生の時に…無くなった…あたしの…」

そう…ノブヲの弛んだ胸元には、2年生時の体育の時間に女子更衣室で盗んだ舞衣のブラジャーが食い込んでいた…

生地の痛んだ白と水色のストライプのブラジャーは、ノブヲの弛んだ胸肉や脇肉に食い込む…

「こっ、こここ…これは…その…じ、じじじ…時効…だよね?」

照れ笑いするノブヲ…

「ぷっ…あははは!!何その格好!!あはははっ♪」

開放感から、思わず噴出し笑ってしまう舞衣。

「あははははっ!!ノブヲ~~それ学校でバレてたら退学だぜ!!あははははっ!!」

同じく、開放感から笑い始める祐一。

「ぷっ…くすくす…わははははっ!!す、すみません…ノブヲ様…ぷっ…わははははっ!!」

井上まで堪えきれず笑い始める。

「えへへ…ばっ、ばばば…バレ…ちゃったかな?えへへ…」

恐怖からの開放感から笑う4人…


しかし…


「えへへ…えへ…はっ!!ととと…鴇羽さんっ!!あああ危ないっ!!」

何かに気付いたノブヲは、咄嗟に舞衣の前に立ちはだかる。



458:名無しさん@ピンキー
12/06/24 14:52:36.01 o3DrH4Om


そして、次の瞬間…


乾いた破裂音が響き渡る…


銃声…


辺りに漂い始める硝煙の匂い…


「ノブヲ!!」

「歌山くんっ!!」

「ノブヲ様っ!!大丈夫ですかっ!!」


舞衣の前に立ちはだかったノブヲの腹部は、血で真っ赤に染まる…

そして銃声の鳴り響いた先には、拳銃を構える半殺し状態の渡辺の姿…


「へへぇ…舞衣ぃ~~はぁ、はぁ…殺し損ねたわ…」


下品な笑みを浮かべながら舞衣に話しかける渡辺…


「くっ…こっ…この野朗~~~~~っ!!おらぁ!!」


祐一は渡辺が手に持っている拳銃を蹴り飛ばすと、すかさず鉄パイプで脳天を叩き割った…

渡辺は、完全にぐったりとした状態…おそらく、こん睡状態に陥った様子…


「はぁ、はぁ、はぁ…とっととと…鴇羽さん…はぁあ、はぁあ…だ、大丈夫…だった?」


身を挺して舞衣を守ったノブヲの表情は苦しむどころか、どこか満足そうな表情を浮かべていた…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

459:名無しさん@ピンキー
12/06/24 15:39:59.10 FxD4c4U3
ノブヲ死んだったん?

460:名無しさん@ピンキー
12/06/25 04:55:43.63 CSi/DphY
デブは拳銃弾ごときでわ死なんよ

URLリンク(rate.livedoor.biz)

461:名無しさん@ピンキー
12/06/27 21:43:52.03 UO0f9y5W

午前3時


「歌山くん!大丈夫!?しっかりして!!」

「ノブヲ!!しっかりしろ!!」

「ノブヲ様…」

拳銃で腹部を撃たれたノブヲは、大量の血を流しながらぐったりと路上に仰向けになる…

そのノブヲに膝枕してあげる舞衣…

「ノブヲ様…大丈夫ですか…」

井上は自分が着ていたカッターシャツの袖を破り、布地を傷口にあてがう。

しかし、ノブヲの出血は止まらない…

意を決した井上は立ち上がる…

「お2人とも、暫くノブヲ様を頼みましたぞ!!」

そして車を路上駐車してある、少し離れた路地裏まで走って向かった…


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

462:名無しさん@ピンキー
12/06/27 21:44:33.54 UO0f9y5W

暫くすると、3人がいる泡姫館の前に大きな黒塗りベンツが停車する。

「お待たせしました!さあ、ノブヲ様を後部座席へ!」

祐一と舞衣、そして井上の3人がかりで、ノブヲの巨体をベンツの後部座席へ運ぶ。

後部座席で仰向けになるノブヲ…

そのノブヲの意識が若干回復した。

「うぅ…んんっ…はぁ、はぁ…鴇羽さん…楯くん…井上…ごごご…ごめんね…あああ…ありがとう…はぁ、はぁ…」

「歌山くん…良かった…気がついたのね…」

「大丈夫かノブヲ!?…なぁ…おっさんよ!!ノブヲを…早く病院へ…病院へ連れて行ってやってくれよ!!」

ノブヲの意識が回復して安堵する舞衣…

逆に、ノブヲの状況を心配する祐一…

しかし、井上は冷静だった。

「大丈夫です!!ノブヲ様は歌山グループの御曹司であられるお方…連絡すれば救護ヘリがすぐに飛んでまいります!!」

タダでさえ瀕死状態のノブヲ…いつ容態が悪化して命を落としてしまうか分からない…

そんな中、2人はそれぞれ最後の言葉をかけた…

まずは祐一が後部座席に乗り、声をかける。

「ノブヲ!!お前…マジでカッコよかったぜ!!絶対…絶対死ぬんじゃねーぞ!!いいな!!」

ノブヲの手を強く握り、訴えかけるように言葉をかけた。

ノブヲはできる限り手に力をこめ、握り返すと、笑顔で頷いて見せた。

祐一が降りると、続いて舞衣が後部座席に…

「歌山くん…あたしの為に…あたしを守って…こんな事になっちゃうなんて…」

すると、ノブヲは笑顔で舞衣に語りかけた。

「だ…だだ…だい…じょうぶ…きき…気に…しないで…はぁ、はぁ…」

その言葉を聞き、舞衣は目に涙を浮かべる…

「ぐす…ぐすん…ありがとう…歌山…くん…」

ノブヲは舞衣に精一杯の笑顔を向けた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

463:名無しさん@ピンキー
12/06/27 21:46:18.74 UO0f9y5W

ノブヲとの別れを惜しんでいると、先ほどのチンピラのうちの誰が連絡したのか…

新たな暴力団組員風の男達が7、8人こちらに向かってきた。

「おらぁ!!ガキ共がぁ!!待っとれやコラァ~~!!」

ナイフや長ドス…日本刀などを所持している男達…

明らかに今までのチンピラとは雰囲気が違った。

「やっ…ヤダ…また来たわ…」

「ヤベ…今度のは…かなりヤバそうだな…」

「これはいけませんね…お2人とも…ご乗車されるといい!!」

井上は、舞衣と祐一に車に乗るよう提案した。


しかし…


「いえ、俺達は…俺達でどうにかしてみせます!!」

「あたし達…2人で乗り越えようって…決めたんです!!」

二人の意志の固さを感じた井上は頷く…

「分かりました…では…私が車で奴等の気を引きますので、その内に…」

そういうと、井上は懐から名刺を取り出す…

「何かあれば…ここに連絡を…それでは御武運を!!」

黒ベンツは勢いよく走り始める…



464:名無しさん@ピンキー
12/06/27 21:47:13.58 UO0f9y5W


「何だコラァ!!うわぁああぁ!!」

「舐めた真似しやがって!!」

「ふざけんじゃねぇぞ!!コラァ!!」


井上の運転する黒ベンツは、暴力団組員たちの群れに突っ込む。

慌てて回避するガラの悪い男達…

そして数名の組員達が、舞衣と祐一の姿に気付く。


「コラァ!!そこの売女とガキ!!待たんかい!!」


祐一はプレスカブに跨りエンジンをかける。

「舞衣っ!!早く後ろに乗れ!!行くぞ!!」

舞衣がカブの後部座席に跨ると、祐一はエンジンを力強く吹かす…

そして井上達が進んだ正反対の道を走り始めた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

465:名無しさん@ピンキー
12/06/28 03:14:36.93 c5+YTRBB
速度出ないしなぁ
ケータイで連絡されて車で追いかけられたらすぐ詰んじゃいそう
ここはやはりmiyuを呼び出してガトリングで一掃・・

466:名無しさん@ピンキー
12/06/28 19:54:21.40 /y65UPkF
プレスカブって、スピードあまり出ないのですね…
調べて分かりました(笑)

一応結構スピードが出る感じの設定にしたいので、歌山のおじいさんが
若い頃改造して乗っていたカブということで…

若い頃改造して仕事が入れば現場まで乗り回していたカブを祐一くんに
渡したという設定でお願いします(笑)



467:名無しさん@ピンキー
12/06/29 08:17:00.81 n7V9YqHE
あまり細かい事言うのもアレだが、あと、二人乗りの問題があるね・・
プレスカブは当然二人乗り不可。だが、もし爺さんがエンジンごと変えて
プレートもそれを反映してたら可能かもしれない

468:名無しさん@ピンキー
12/06/29 20:12:29.47 fFx3Fych
そうですか~二人乗りも無理なのですか…
配達のおじさんが後ろに何か乗せてた光景を思い出して書いてみたのですが…

では、改造して2人乗りできるということで(笑)

プレスカブ…やめとけばよかったです…

バイクとかって、全然分からないんですよね(笑)


469:名無しさん@ピンキー
12/07/03 03:55:46.00 fj2NpVnd
治外法権エリアから抜け出せば暴力団も白昼滅多な事はできないだろうから一安心としても
アパートに帰ったら最凶に病んだ詩帆という更なる地獄が待ってるわけでどうする楯

470:名無しさん@ピンキー
12/07/04 11:25:29.69 7tJxhgy3

午前3時15分


井上が運転するベンツは町を抜け…高台に繋がる山道を走る…

「もうすぐ合流地点に到着する!至急担架と救護の手配を!!」

後部座席で苦しむノブヲを心配しながらも、車内に取り付けてある無線で連絡を取る井上…


暫く沈黙が続く…


先に口を開いたのは井上だった。

「ノブヲ様…あんなに臆病だったノブヲ様が…あのような荒くれと対等に戦うとは…」

若干目に涙を浮かべ声を震わせながら…井上は呟いた…

「はぁあ…はぁあ…はぁ…いっ…いいい…井上…?」

高熱と多量の出血で意識が朦朧としているノブヲは、何時もと違う雰囲気の井上が妙に印象的で…

思わず井上を眺める。

「なっ、ななな…泣いてるの?井上…どどど…どうして?」

すると井上は答えた。

「嬉しいのです!臆病だったノブヲ様が…私には…今まさに立派なお世継ぎ様に見えるのです!!天晴れですっ!!」

幼い頃からノブヲの世話をしてきた井上…

その井上にとって…今日と言う日は、生涯忘れる事ができない日となった。



471:名無しさん@ピンキー
12/07/04 11:26:28.06 7tJxhgy3


2人は山道を抜け、見晴らしのいい高台に到着した。




ベンツを停車させると、井上はおもむろにスーツのポケットに手を入れる…

そして、何時の間に拾ったのか…さっきまで舞衣が身につけていたブラジャーを取り出した。

そしてノブヲに手渡す…


「さあ!もうすぐ…もうすぐヘリが到着します!!それまで…これで元気を出してください!!」

ブラを受け取るノブヲ…

ブラのカップの内側を顔に密着させ、舞衣の汗の匂いを堪能する…


しかし…



472:名無しさん@ピンキー
12/07/04 11:27:16.20 7tJxhgy3

「こっ、こここ…こんな物無くても…ぼっ、ぼぼぼ…僕は…頑張れるんだ!!」

ノブヲは窓からブラを投げ捨てた。

「こっこここ…こういう事からは…そそそ…卒業だっ!!」

ノブヲは自分なりに、過去の自分と決別した。

「…ノブヲ様…本当に…立派に成られましたね…この井上…感無量です…」

感極まった井上は涙を流す…

そして、再びおもむろにスーツのポケットに手を入れる…

これも何時の間に拾ったのか…先ほどチンピラによって剥ぎ取られた舞衣のショーツを取り出した…

舞衣のショーツで涙を拭く井上…


そんな中、高台全体が強い照明によって照らされる。

辺りには強い風…そして力強い自家用ヘリのプロペラの音が響き渡る…

「おおっ!!ノブヲ様!!来ましたぞ!!迎えが来ましたぞ!!」

「はぁあ、はぁあ…ととと…鴇羽さん…はぁあ…はぁあ…ぼぼぼ…僕…ががが…頑張るよ…」

意識が朦朧とする中、ノブヲは心の中で 「絶対に生き延びる!!」 と心に誓った。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

473:名無しさん@ピンキー
12/07/04 11:28:10.37 7tJxhgy3

午前3時15分


「待てやコラぁぁああぁ!!」

「待たんかいっ!!」

「停まれやコラぁあああぁ~~!!」


暴力団組員風の男達は、プレスカブで走り去る祐一と舞衣を追いかける…

しかし、若干の改造を施してある一風変わったプレスカブは、アクセルを吹かす度にドンドンスピードを上げていく。

「待てぇぇぇ~~」

「…」

「…」

ガラの悪い男達の下品な叫び声は遥か後ろに聞こえ…

そして聞こえなくなった。



474:名無しさん@ピンキー
12/07/04 11:28:52.59 7tJxhgy3

「舞衣っ!!大丈夫か!!?怖くないか!?」

「うんっ!!あたしは大丈夫!!」


かなりのスピードの中、慣れない改造カブを必死に運転する祐一。

その祐一の腰にしっかりと抱きつき、振り落とされないように一生懸命な舞衣。



下品なネオン…下品な看板…薄汚い街並み…

2人は下品な繁華街の中央通を一気に駆け抜けた。


「なぁ!!舞衣!!聞こえるか!!?」

「はいいいっ!!?聞こえるわよっ!!」


エンジン音と風の音に声をかき消されながらも、2人は会話を交わす。


「なぁ!!もうこの町に!!思い残す事はねーよな!!?」

祐一は、舞衣に聞こえるように大きい声で尋ねる。

「無いわよっ!!あるわけ無いでしょ!!早くこの町から出るわよっ!!」

祐一の問いかけに、舞衣は大きくはっきりと答えた。

舞衣の答えに迷いはなかった。



475:名無しさん@ピンキー
12/07/04 11:29:54.80 7tJxhgy3

2人が乗る改造カブは走り続ける…

暫くして舞衣は後ろを振り返る…

遥か後ろに、下品な歓楽街が見えた…


あれ程嫌だった街…

いつも抜け出したかった街…

辛い思い出しかない…身も心も傷つけられた街…


そんな街が、今は遥か後ろに見える…


街を振り返った瞬間、舞衣の脳裏に様々な思い出が蘇ってくる…




476:名無しさん@ピンキー
12/07/04 11:30:25.74 7tJxhgy3


絶望…

屈辱…

慈愛…

人情…


この街で、普通の人生では恐らく触れることが無い様々な感情を味わった舞衣。



「…さようなら…」



舞衣は下品なネオン街に向かって呟く…



『もう戻らない』



舞衣は心の中で誓った…



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

477:名無しさん@ピンキー
12/07/04 12:04:18.05 hqITpeAW
おぉ脱出か

478:名無しさん@ピンキー
12/07/05 11:43:24.61 I3NDaKDk

2人は歓楽街を抜け出す…


そして、小さな町工場が立ち並ぶ地帯を走り抜け…


大きな工場が立ち並ぶ工業地帯を走り抜け…


山に面した細い道を走り抜ける…


時折停車して休憩を取りながら、確実に先へ、先へ進んだ。


山を越え…


県境を越え…


2人は走り続けた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



479:名無しさん@ピンキー
12/07/05 11:45:03.70 I3NDaKDk

午前5時30分


綺麗に整備された海岸沿いの国道…


カブに乗る2人は、見晴らしの良い海岸線をゆっくりと進む。


「あっ!!見て見て!!朝焼け!!綺麗ねっ!!」

「おおっ!!マジすげーー綺麗じゃん!!」


穏やかな海を照らす綺麗な朝焼けに歓喜の声を上げる二人。


誰一人いない…車一台通らない海岸線…

聞こえるのは…穏やかな波の音とカブのエンジン音…


人一人いない情景に…今だけ世界には2人しかいないような…

そんな錯覚さえ覚えてしまう…


「疲れた~~!!ちょっと休憩しようぜ!」

「うんっ!!」


若干広い路肩にカブを停める。

そしてカブから降りた二人は、うんっと気伸びをして身体をほぐした。


低い防波堤越しに海を眺める2人…


「海…綺麗ね…」

「あぁ…何ていうか…静かな海も悪くねーよな…」


暫く海を眺めていると、祐一が口を開く…


「ワリ…俺…ちょっと用足してくるわ」

「はいぃっ?もう…いちいち言わなくていいの!!」



480:名無しさん@ピンキー
12/07/05 11:46:10.93 I3NDaKDk

舞衣は笑いながら祐一を見送る…

そして舞衣も、防波堤に沿って歩き始めた。


「本当に…本当に…あの街から…あたし…出てきちゃったのよね…」


舞衣は海を眺めながら呟く…


「本当に…こんな日が来るなんて…」


感慨深く物思いに耽る舞衣…


「あっ…そうだ…これ…」


舞衣はふと何かを思い出す…

そして背負っていたバッグから、造りかけの千羽鶴を取り出した。


「これ…どうしようかな…」



481:名無しさん@ピンキー
12/07/05 11:46:58.35 I3NDaKDk


造りかけの…857羽の折鶴…

舞衣の身体と精神が傷付いた回数を偶像した 「悲しみの折鶴」 を、舞衣は両手で持ち、じっと眺める。


「巧海の為に…頑張ってきた結果?違うわよね…これは…あたしにとって…嫌な思い出…嫌な思い出そのものよね…」

自身が行った 「贖罪」 という行為が、愚かな行為だった事を理解した舞衣は、自身にとって折鶴は無用のものと悟った。


そして…


「もうこれ…いらないわよね…」


そういうと舞衣は、造りかけの千羽鶴を海に投げ入れた。

海に投げ入れられた千羽鶴は、穏やかな波に乗って沖へ沖へと流される…


「…さようなら…」


舞衣はそう呟いた…

流される折鶴に…ではなく…

自身の忌まわしい過去に…

舞衣は 「決別の挨拶」 をした。


「よしっ!!終わり終わりっ!!さ~~て!!アイツ…トイレ済ませたかな~~♪」


舞衣は晴れ晴れとした笑顔を見せながら、祐一の元へと向かった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


482:名無しさん@ピンキー
12/07/05 18:34:07.03 6gxB4Bq7
渡辺どうなったんか
有段者の突きって竹刀でも凄いぞ。ましてや鉄パイプ。その後滅多打ち+脳天唐竹割り。
よくて全身骨折、半身不随とかだと思うが

483:名無しさん@ピンキー
12/07/06 08:56:37.83 qTSLkxiN
普通死んでる

484:名無しさん@ピンキー
12/07/06 10:54:44.68 bR41QmhE


カブに跨り、携帯を持つ祐一…

「そーっすか!!良かったですね!!はいっ、伝えておきます!!はいっ!!」

祐一は携帯を折りたたんだ。

「おっ、舞衣、何処行ってたんだよ!ってかさ、あのノブヲと一緒にいたおっさんに連絡したらよ、ノブヲ!容態は安定してるってさ!!」

「そうなんだ!!よかった…本当に…」

町から脱出できた今、唯一の気掛かりだったノブヲの安否…

そのノブヲの無事を知った舞衣は、ホッと胸を撫で下ろす。




485:名無しさん@ピンキー
12/07/06 10:55:50.40 bR41QmhE


舞衣は防波堤に座り海を眺めながら、数日間を振り返った…



「あたし…一週間前までは…こんな状況、想像できなかった…」

「俺だって…舞衣に再会できるなんて…これっぽっちも思ってなかったんだぜ?」



当然祐一も、ここ数日間を振り返っていた…


晴れて最愛の人と再会できた祐一。

そして、絶望の淵にたたされ続けた日々から開放された舞衣。



既に二人の前には、新たな苦難が待ち望んでいた…



精神的な呪縛から開放され、自由の身になった舞衣…



486:名無しさん@ピンキー
12/07/06 10:56:36.86 bR41QmhE

しかし…今の舞衣の状況は…


住む場所もなく、収入も無く…

手元には僅かな金銭と着替えだけ…

そして残る借金…


不安だらけだった。




487:名無しさん@ピンキー
12/07/06 10:57:31.20 bR41QmhE

「ふぅ~~あたし…これからどうしようかなぁ~~」


舞衣は溜息をつきながらポツリと呟く…


「そうだな…風華町には…もう戻りたくないよな…」


舞衣の精神面を案じて、自ら風華町の自分のアパートに誘うことはしなかった祐一…


「うん…ちょっと…ね…」


高等部時代を風華学園で過ごした舞衣は、勿論風華町が大好きだった。

在学中は、卒業してもずっと住みたいと思っていた程好きな町だった。

しかし…DVDで自身の荒んだ過去を知られた舞衣は、風華町に向かう事には精神的に抵抗があった…

少なくとも…今は風華町には戻りたいとは思わなかった…


「舞衣、聞いてくれ!!」


祐一は真剣な眼差しを舞衣に向ける。



488:名無しさん@ピンキー
12/07/06 10:58:28.52 bR41QmhE

「3年生の春…俺達…大喧嘩したよな?」


舞衣の肩にそっと手を回す祐一…


「舞衣…お前がいなくなって…俺、後悔の毎日だったんだ…」


人生に迷い悲しむ舞衣を、優しく抱きしめてやれなかった当時を思い出す祐一…


「もう俺は…後悔する人生は送りたくない!!だから…俺は…お前を守り続けることにするぜ!!」

「っ!?ゆ…祐一…!?」

「ほっ…本気だぜ!?俺は!!もう大学辞めてもいい!!バイトクビになってもいい!!俺はお前を…守り続けたい…」


突然の言葉に、舞衣は赤面してしまう…


暫くの沈黙が続き…



そして…



「うん…ありがとう…えへへ…あたし…嬉しい」



赤面しながら照れ笑いする舞衣…

祐一は照れ笑いする舞衣を優しく抱きしめる…

2人はお互い愛情を確かめ合った。


その後、2人は再びカブに跨り先を目指そうとした。



489:名無しさん@ピンキー
12/07/06 10:59:43.47 bR41QmhE


その時…


「祐一…行き先、まだ決まってないのよね?」

「あぁ…これからどうすっかな~~て思っててよ」

「そうなんだ…あのね…あたし、行ってみたい所があるんだけど…」

「行ってみたい所?」

「うん…ここから…かなり遠い所なんだけど…」



すると、祐一は生き生きとした笑顔を舞衣に向けた。



「言ったろ?俺はお前を守り続けるって!!お前が行きたい所なら…何処までもお供するぜ!!」



祐一の言葉に、舞衣は薄っすら目に涙を浮かべる…

そして、カブの後部座席に座る舞衣は、キュッと祐一の背中に抱きついた…


「で、お前が行きたい場所ってのは?」


祐一は、舞衣の 「行きたい場所」 を尋ねる…



490:名無しさん@ピンキー
12/07/06 11:01:04.98 bR41QmhE


「それって…確かお前の…」


舞衣の口からは、意外な地名が語られた…

祐一は携帯で地図を開き、方角を確認する。


「よしっ!このまま真っ直ぐ進めばいいんだな!!」



方角を確認すると、祐一は改造カブのエンジンをかけ、アクセルを吹かした。



「とりあえず飛ばすぜ!!舞衣!!しっかり摑まってろよ!!」

「大丈夫!!絶対離れないからっ!!」



そして2人は目的地に向かって走り始めた…



空を赤く染める綺麗な朝焼けは、新たな目的地に向かう二人を優しく見守り続けているようだった…



(完)




491:名無しさん@ピンキー
12/07/07 01:26:32.63 +xkGozFZ
どこだろ

492:名無しさん@ピンキー
12/07/10 16:53:46.63 d8MF4s/i
HOSHU

493:名無しさん@ピンキー
12/07/10 20:41:19.45 w2f5r+X6
乙でした。

494:名無しさん@ピンキー
12/07/15 21:18:31.47 WTVetksU
3月29日…春…



午前 7:30



「んぁあ…あぁ…いっけな~~い…もうこんな時間だ…」


オレンジ色のショートボブの女性は目覚まし時計のタイマーの音に目を覚ました。


「ふぁあ…早く朝ご飯作らないと…」



東京都杉並区…


とあるアパートの一室…



豊満な胸元を若干露にしたパジャマ姿の彼女は、ベッドから起き上がる…


そして、隣でまだ寝ている上半身裸の金髪青年を起こさないように気遣いながら、

朝食を作り始めた。



20分後…



「ほらっ!!祐一っ!!もう朝よ~~!!起きなさいっ!!」

彼女はカーテンを勢いよく開けると、眩しい朝日が狭い部屋に差し込む…



495:名無しさん@ピンキー
12/07/15 21:21:07.43 WTVetksU

「すぅ~~はぁ~~すぅ~~うぁあ…舞衣…もう…5分だけ…寝かせて…」

いつもの決まり文句を言いながら、金髪青年は再び眠ろうとした…


しかし…


「ダメよ~~!!ほらっ!早く起きないと、学校遅れちゃうわよ~~!!」


金髪青年の逞しい両腕を引っ張り無理やり上半身を起こすと、彼女は目覚まし時計を

青年の目の前に持ってきて時間を見せ付けた。


「んぁあ~~何だよ…って!!うわ!!ヤベ!!もうこんな時間!?」


慌てて起き上がる青年は、男性特有の生理現象も隠さず晒したまま、トイレに向かった。


しばらくして…


「ヤベ~~マジ寝過ごす所だった!!」

「もう~~しっかりしなさいよねっ!!はいっ、朝ごはんサッサと食べちゃって!!」



496:名無しさん@ピンキー
12/07/15 21:22:33.27 WTVetksU

炊きたてのご飯に味噌汁…

焼き魚に、ふわふわに仕上がった厚焼き玉子…


美味しそうな朝食がテーブルに並ぶ…


「いっただっきま~~す!!」

「あたしも、いただきま~~す♪」


勢いよく、かき込むように食べる青年…

落ち着きニコニコしながら味わうように食べる彼女…


対照的な食事風景はいつもの事だった。

食事が済むと、二人は身支度を整える。

そして、玄関先で顔を合わせる二人…


「今日は俺バイト休みだからよ、学校終わったらすぐ帰ってくるから!」

「うん、あたしも…バイト終わったらすぐに帰ってくるねっ♪」


二人は玄関先でその日の打ち合わせをするが日課になっていた。


「行ってきま~~す♪」

「じゃ、気をつけて行けよ」


仲良くアパートの階段を下りると、二人は正反対の方向に向かって歩き始める。


二人の姿は、どこにでも居る…普通の仲睦まじい同棲カップルにしか見えなかった。

ほんの数ヶ月前まで…過酷な運命に翻弄されていたカップルには、到底見えなかった。



497:名無しさん@ピンキー
12/07/15 21:23:49.75 WTVetksU





~舞-HiME 二次小説「帰郷」~




7ヶ月前…場末の街を抜け出した俺達…

紆余曲折を経て、たどり着いた場所…

それは、舞衣が風華学園に転入する前に住んでいた町…


東京都杉並区の某所…


舞衣の故郷だった。


あの日、俺は舞衣に 「どこまでもお供する」と誓った。

そして…俺は今でもその誓いを実行している。


もう…後悔なんてしたくないからな…


あの日以来、俺は風華町に帰ることはなかった。


バイト先であるリンデンバウムにも携帯で辞めると連絡した…

店長は「舞衣ちゃんを全力で守れ!!」と励ましの言葉をかけてくれた。


そして、俺は両親に 「大学を辞めて働きたい」 と相談した。

しかし、どうしても俺に大学を卒業してほしい両親と口論になり…

話し合った結果、同系列の大学に編入することでお互い合意した。


てなわけで…俺は今、大学生って訳だ。


おっと…早くしないと遅刻だぜ!!


俺はあの日以来愛車にしているプレスカブのエンジンを吹かすと、

早速大学に向かって走り始めた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

498:名無しさん@ピンキー
12/07/15 21:24:53.38 WTVetksU

あの日…あたしたちは、あの街を抜け出すことができた。

でも…喜びと共に、大きな不安があたしたちの頭をよぎった…


「これから…どうするの?」


大好きだった風華町…

でも、もう戻れない…

少なくとも…あの時は…


でも…祐一は、あたしに誓ってくれた…


「どこまでもお供するぜ!!」


嬉しかった…

本当に嬉しかった…

力強い言葉に、不安なんて吹き飛んじゃったの!!


そこで、あたしはダメ元で あたしの故郷「杉並区」に行きたいって言ってみたの。


最初はほんの「里帰り」のつもりだった…


でも、やっぱりここは過しやすくて…

いつの間にかここで生活してたわね(笑)


で、現在に至るって訳なの♪


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

499:名無しさん@ピンキー
12/07/15 21:25:59.34 WTVetksU

ここに来てすぐに、あたしはバイトを始めた。


某有名中華料理チェーン店で朝から夕方までのバイト…


本当は厨房で働きたかったんだけど、まずは接客からって言われちゃって…

なんだか超ミニのユニフォーム着てウエイトレスっぽいお仕事してるの(笑)

でも、やっぱりお料理好きだから…厨房で働かせてもらえるまで頑張ろうと思ってる。


あたしは毎日自転車でバイト先に向かう…


アパートを出ると、すぐに住宅街に差し掛かる。


「おはようございま~~す」


小学生の男の子があたしに挨拶してくる…


「あっ、おはよ~~♪」


あたしも挨拶を返す…


いつも出会うあの子…

いつも通勤途中に差し掛かる、あの家から出てくるあの子…

あの家は…あたしが住んでた家…


あたしが引っ越す前に…売りに出して、巧海の手術費用の足しにした…


懐かしい… 「元、我が家」


毎朝、あたしは感慨に耽りながら出勤していた…



500:名無しさん@ピンキー
12/07/15 21:27:48.19 WTVetksU

ここに来て、中学時代の同級生にも何人か会ってお話したり、遊びに行ったり…


あっ、そうそう!!


ここに来て一番ビックリしたのが、千絵ちゃんとあおいちゃんとの再会!!


原田千恵ちゃん


瀬能あおいちゃん


二人とも風華学園高等部時代の同級生、大事なお友達!!

あたしが風華学園に転校して来て以来、ずっと仲のいいお友達なの!!

まさか、こんな所で出会えるなんて思わなかった…


しかも、二人とも祐一と同じ大学に通ってるのよね!!


あっ…でも…千絵ちゃんは…出版社に勤めたいからって、大学辞めちゃったんだけど…

よくわからないけど…記者になりたいんだって…

昔から好きよね~~千絵ちゃん…


でも、二人とは良く会うし、今夜もうちに集まって晩御飯食べようねって約束してるの。

お酒飲みながら、お鍋を囲んで女子会しようね~~って(笑)


あっ、もちろん…アイツも入れてだけど♪


今晩は凄く楽しみだなぁ~~♪


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

501:名無しさん@ピンキー
12/07/15 23:32:37.60 WTVetksU

その夜…


「こんばんは~~舞衣ちゃん♪」

「こんばんは、失礼するよ~舞衣♪」


舞衣と祐一が住むアパートにお邪魔する千絵とあおい…


「いらっしゃ~~い♪上がって上がって♪」


二人を歓迎する舞衣…


「おっ、来たか?売れない漫画家にパパラッチの見習い!!」


祐一の言葉に、早速口を開く二人…


「私は売れない漫画家じゃなくて~~同人作家なのっ!!」

「パパラッチ~~?煮ても焼いても食えない奴等と一緒にするなっての!!」


二人は祐一の言葉に反論しながら、リビングに招かれる。


「はいっ、今日はあたし特製の野菜と鶏肉の塩ちゃんこ鍋!!たっぷり召し上がれっ♪」


お部屋に美味しそうな香りが充満する…


「きゃあ!!すっご~~い!!さすが舞衣ちゃん!!」

「いやぁ~~舞衣…本当に凄いね…豪華だねぇ~~♪」


見事な盛り付けになんともいえない香り…舞衣の見事な料理の腕前に、

二人はため息をつく…

その姿を見て、自慢げな祐一…


「おっ!さすがなだぁ~~舞衣!!じゃ、早速食べようぜ!!」

4人は鍋をつつき、お酒を飲み始める。

女3人、男1人の 「女子会?」 が始まった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


502:名無しさん@ピンキー
12/07/15 23:33:42.80 WTVetksU

2週間に一度…多いときは1週間に一度、この面子は集まる…

集合場所は、専らここ…舞衣と祐一の住むアパートだった。


「んん~~舞衣ちゃんって、本当に料理上手だよね~~!」

「本当に…私らなんか…料理すらしないよね~~(笑)」


「あはは、そんなに褒められると照れちゃうな~~あたし♪」


すると、千絵がいつもの決まり文句を祐一に放った。


「楯~~アンタ幸せものだよ~~(笑)舞衣ちゃん大切にしてやんなよ~~!!」


千絵はバンバンと祐一の背中を叩く。


「ぶはっ!!ごほっ!!分かってるって!!てかさ、お前らはどうなんだよ…

その…将来の夢とか?」


そう…この二人はそれぞれ夢を持っていた…


瀬能あおいは、もともと好きだったボーイズラブ(男の子同士の恋愛を題材とした作品)

の趣味が高じて、大学に通いながら同人作家としてBL漫画を描き、イベントへの参加や

出版社への作品持込などをしていた。


原田千絵は、出版関係に就職が有利になると思い大学に入学したが、人伝に某有名

出版社の記者に弟子入りすることができ、先月大学を自主退学した。

今後は出版業界で記者として生きて行くと決心した千絵…


舞衣の友人二人は、高等部卒業後、小さいながらも夢への一歩を踏み出していた。



503:名無しさん@ピンキー
12/07/15 23:35:02.99 WTVetksU

「女子会?」 が始まって2時間後…


「ヒック…あたしは~~出版業界の伝説になるっ!!以上!!」

「いいぞぉ~~ヒック!!あたしは~~BL界のお姫様になるの~~♪」

「あはは…二人とも出来上がっちゃって…」


盛り上がる二人…苦笑いの舞衣…


すると、舞衣の携帯にメールが届く。


「あれ…メール…誰から?」


舞衣は携帯を確認する…

メールの送り主は、舞衣の弟…鴇羽巧海…


「あっ…巧海からだ…」


「ええっ!!巧海くん!?何なに?見せてっ!!」


あおいは興奮気味に舞衣に尋ねる。

無理もない…瀬能あおいをBLの世界に踏み込ませたのは、他でもない、

当時風華学園中等部、美男子ランク2位の鴇羽巧海の影響が少なからずあったからだ。


あおいの狂乱ぶりを横目に、舞衣はメールを確認する…



『明日、風華学園に行きます。新学期楽しみです!

お姉ちゃん、学費振り込んでくれてありがとう。

僕、一生懸命勉強するよ!!』



504:名無しさん@ピンキー
12/07/15 23:37:23.31 WTVetksU

内容は、巧海くんが明日風華学園に向かうということだった。


「そっか…そういえばそうだったよね…巧海…おめでとう…頑張ってね!!」


舞衣は、まだ見ぬ高等部の制服を来た巧海くんの姿を想像しながら、彼にエールを送った。



そして 「女子会?」 はお開きとなった。


「ご馳走様~~舞衣ちゃん♪巧海くんによろしく言っといてね~~♪」


ほろ酔い加減のあおいは、舞衣に巧海くんによろしくと一言告げる…


「ヒック…お邪魔したね~~舞衣♪」


ご機嫌な千絵は、祐一を見ると手招きする…


「こらぁ~~楯っち~~!!本当に幸せものだねぇ~~アンタ…」


そして、再び祐一の背中を思いっきり叩く千絵…


「ぐはぁ!?痛ぇ~~!!何だよ!?」


すると千絵は、右腕を祐一の首に回し、耳元で呟いた…


「本っ当~~に…舞衣ちゃん、大切にしてやんなよ~~!!」


そして、二人は退室した。



505:名無しさん@ピンキー
12/07/15 23:38:24.14 WTVetksU

静まり返る室内…

二人は協力して洗物を片付ける。


「ふぅ~~帰った帰った!!で、舞衣…巧海、明日風華町に行くって?」


食器を洗いながら舞衣に尋ねる祐一…


「うん、一応…新学期からは風華学園で過ごしたいからって…」


嬉しそうな…幸せそうな…なんとも言えない優しい表情で話す舞衣…


「でも…スゲーよな!!編入試験合格…しかも飛び級でだもんな!!」

「うん…とにかく…療養中も勉強頑張ってたみたいだから」


その後、入浴を済ませた舞衣は疲れからか…すぐに寝入ってしまった…


「舞衣~~って…寝てんじゃん…はぁ…今日はお預けか…」


あの二人が来た日はセックスはお預け…


お決まりのようなイベントに、祐一はがっかりしながらも入浴を済ませ、

ベッドに寝転がった…


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

506:名無しさん@ピンキー
12/07/16 01:19:06.78 ZwSZOQgM

3月29日


正午…


風華町に向かうフェリーの甲板…



「わぁ!!懐かしいなぁ~~」


穏やかな瀬戸内海をゆっくりと進むフェリー。

フェリーは、やがて大きな橋が架かる鳴門海峡を通過する…

そして、その鳴門海峡を懐かしむように眺める少年…


彼の名は 「鴇羽巧海」


生まれつき重度の心臓疾患を持っていた彼は、風華学園高等部に進学する直前に

心臓の病が再発してしまった…

しかし姉の努力により、彼は海外で心臓の手術を受けることができ、帰国後は

気候が穏やかな東北地方のとある片田舎で療養生活を送っていた。

療養中は風華学園の教科書や教材を取り寄せ、独学で勉学に励み…

既に高認合格を果たした巧海…


しかし巧海は 「少しでも高校生として学園生活を送ってみたい」 という

ささやかな願いから去年の冬、風華学園高等部の編入試験を受験した。

私立学園という比較的自由の利く特製を利用して、彼は飛び級の編入試験に

見事合格した。



507:名無しさん@ピンキー
12/07/16 01:20:23.45 ZwSZOQgM

「やっぱり…いいなぁ…瀬戸内海って…」


穏やかな海…綺麗な水色の海…

太陽の光を反射してキラキラ輝く海水…

そして景色を彩る小さな島々…

数年前、姉と初めて訪れた時の記憶が蘇って来る…


「みんな…僕の事…覚えてくれてるかな…」


巧海は、自分が再び風華学園の生徒として、みんなの輪に溶け込むことができるか

心配で仕方なかった…


「そうだ…晶ちゃん…元気かな…」


携帯を広げる巧海…

中等部時代、学生寮で同室だった「元くノ一」…尾久崎 晶から送られたメールを読む。



508:名無しさん@ピンキー
12/07/16 01:21:07.19 ZwSZOQgM

感慨に耽る巧海…


オーファン事件解決後、二人は付き合い始めた…

事件解決後、晶が最初に自分が女性である事を告白したのは、巧海だった。

そして巧海は、その真実を自然に受け止めた…

晶の真実を受け止めた直後、巧海も晶に告白した…


「晶くん…いや…晶ちゃん…君が好きです…僕と…付き合ってくれないかな?」


その瞬間、晶は赤面してコクリと頷くことしかできなかった…

その光景を、巧海は今も鮮明に覚えている。


フェリーは既に風華町へ近づいていた…

懐かしい…整えられた島が見えてくる…

綺麗に整備された港が見えてきた…


「よしっ!!見えてきたぞ!!」


そしてフェリーは港に到着する。

巧海は、これから始まる学園生活に大きな希望と多少の不安を抱きながら、

約3年ぶりに風華町の地を踏む…


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


509:名無しさん@ピンキー
12/07/16 03:26:02.81 juhqbSvo
祝復活。
狂った詩帆が復讐のために巧海君の童貞を逆レイプとかそういうドロドロのエロはどないやろか

510:名無しさん@ピンキー
12/07/19 10:06:29.93 RqApuW6E
出版業界って大学出てた方がいいんでないかな。千絵は頭も良さそうだし。
という老婆心が‥

511:名無しさん@ピンキー
12/07/20 10:43:26.83 0/7HdOYi

同日   午後1時


風華学園女子寮前


「もう少し女の子らしい格好した方がよかったかな…」


私服姿の私は、窓ガラスに映った自分の姿を見て呟いた。

デニムジャケットにTシャツ…デニム生地のショートパンツ…

いつもの普段着姿…

やっぱりアイツは私に、もっと女の子らしい格好して欲しいのかな…

その…ミニスカートとか…白いワンピースとか?

そんな事を考えているうちに、時間は過ぎていく。

私は最近買ったお気に入りの原付バイクに跨る…

そして、ショートボブに切りそろえた緑髪を手でかき上げ、ヘルメットを被った。


「もうすぐ巧海に会えるなんて…夢みたいだ…」


私は巧海に会える瞬間を楽しみにしながら、バイクのアクセルを吹かす。

そして、颯爽と待ち合わせ場所の港に向かった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

512:名無しさん@ピンキー
12/07/20 10:45:27.01 0/7HdOYi

俺…じゃなかった…私は 尾久崎晶。

風華学園高等部3年生。


うちは代々忍びの家系で、私も幼い頃から「くノ一」として教育され、育てられた。

鍛錬や修行は辛かったけど、何の疑いもなく私はくノ一として生きてきた。


オーファン事件が解決するまでは…


オーファン事件解決後…つまり任務終了後…

俺はお頭から 「女として生きる」ことを命じられた。

すべての任務が終了した今、くノ一として生きる必要など何もないから…らしい。


幼い頃からずっと周囲に、自分が女であることを隠して生きてきた俺…

その俺が、初めて「自分が女であること」を告白したのが、巧海だった。


あっ…ダメだ…また「俺」なんて言葉使ってるし…

もう4年間も「女の子」やってるのに…まだ慣れないんだよな。


で、初めに知ってほしかったのは、やっぱり巧海だった。

大切な人に…私が…一番好きな人に知って欲しかった。


嫌われるか…笑われるか…それとも…嫌悪されるか…

不安で仕方なかった…

でも…巧海は笑顔で私を受け入れてくれた。

そして…その…えっと…その後…巧海から告白されて…

私たちは付き合うことになった。


513:名無しさん@ピンキー
12/07/20 10:46:11.33 0/7HdOYi


でも…

付き合い初めて2年が経ち…

巧海の病気が再発した…


別れの挨拶をする間もなく、巧海は私の前から居なくなった。

その後しばらくして巧海から、手術を受け安静にしているという手紙を受け取った。

すぐにでも会いに行きたかった。

でも…巧海は私に、自分の居場所を教えてくれなかった…

病に侵された自分の姿を見せたくなかったらしい…


でも…今日会える!!やっと…やっと巧海に会える!!

巧海が居なくなって2年間…大勢の男子…数名の女子に告白されたけど…

私の心に迷いはなかった。


だって、私が一番大好きなのは…巧海!!お前なんだから♪


あっ、港が見えてきた…ちょうどフェリーが到着したみたいだな。

巧海…背、伸びたかな…格好良く…なったかな…

うわぁ~~~なんだか緊張してきた~~!!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

514:名無しさん@ピンキー
12/07/20 10:48:48.57 0/7HdOYi


午後2時


風華港


愛車「ベスパ」から降りた晶は、緊張した面持ちでフェリー乗り場に向かった。


「えっと…ここで待ってれば…会えるんだよな…」 


到着したフェリーから大勢の乗客が降りてくる…

晶は巧海を必死で探した。


「居ない…あれ?居ない…ってか人多すぎ…って!!押すなよなっ!!」


人混みに押されながらも必死に巧海を探す晶…


10分後…



「晶ちゃん!!」


巧海の声に振り向く晶…


「巧海!!」


笑顔で手を振る巧海に、晴れやかな笑顔の晶が走り寄る。

そして、晶は人目も気にせず巧海に抱きついた。



515:名無しさん@ピンキー
12/07/20 10:50:10.67 0/7HdOYi

「巧海ぃ~~会いたかったよ~~!!私、ずっと待ってたんだからな~~!!」


ずっと会いたかった巧海に出会えた感動からか…晶は目に若干涙を浮かべた…


「僕も会いたかったよ…晶ちゃん…」


巧海も、晶との再会に感激したのか…笑顔で静かに晶を抱きしめる…

1分近く…二人は無言で抱擁を交わし続けた。

お互いの感触…温もり…香り…

懐かしいお互いの感触を感じ合う…


「ひゅ~~ひゅ~~!!お熱いねぇ~~お二人さん!!」


次の便の乗客の一人が、二人の抱擁を冷やかした。

その冷やかしの声で、二人は我に返る…


「あっ…あはは…ゴメン…巧海…私…」

「うん…こちらこそゴメンね…僕…嬉しくて…つい…」


何だか恥ずかしくなった二人は赤面し、お互い一歩ずつ下がる…


516:名無しさん@ピンキー
12/07/20 10:50:48.45 0/7HdOYi


「そういえば…今日転入の最後の手続きを済ませるんだろ?」

「うん、そうだね…久しぶりの風華学園…楽しみだな…」


二人は雑談しながら、港の駐輪場に向かう…

そして、晶は自分の原付バイクのエンジンを吹かした。

晶の愛車 「べスパ」 は、可愛らしい車体から軽快なエンジン音を響かせる…


「わぁ!!それ晶ちゃんのバイク?」

「あはは、バイクっていうか…原付なんだけどな…私の愛車だ♪」


自分と同い年の少女が、原付とはいえバイクに乗っている…

巧海は晶に尊敬の眼差しを向ける。


「乗れよ巧海!風華学園まで連れて行ってやるから!」


べスパに跨った晶は、わずかに座れる座席の後部をポンポンと叩く。

巧海は緊張しながらも、晶の後ろに座る…そして、晶の腰に両腕を回した。


「しっかり捕まってろよ~~巧海!!」

「うん、いいよ!!晶ちゃん!!」


初めての二人乗りに若干戸惑いながらも、巧海を後ろに乗せた晶は、バイクを飛ばす…

そして、目的地である風華学園を目指した。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

517:名無しさん@ピンキー
12/07/20 12:12:07.47 Hin4WZV2
晶がついてたら巧海もほぼ安全だな

518:名無しさん@ピンキー
12/07/20 21:41:18.18 y5oDYqCi
つーか原付は二人乗りしたら…

519:名無しさん@ピンキー
12/07/21 02:04:25.41 oULwJd5B
多分原付2種なんだろう。ベスパって色々あるから

520:名無しさん@ピンキー
12/07/22 21:21:16.07 5GfIB+yW

風華学園 応接室


「…以上で正式に編入が受理されました」


中年女性の事務員は、予め送られた巧海の編入関係の資料に目を通すと、承認の印鑑を押す。


「始業式は4月8日となっています…何か学園について質問はありますか?」


事務員の女性は丁寧な口調で巧海に話しかける。

以前中等部に在籍してた巧海に質問はなく…手続きは短時間で終了した。

応接室を後にした巧海は、屋外で待つ晶の元へ向かった。



521:名無しさん@ピンキー
12/07/22 21:22:19.13 5GfIB+yW


「お待たせ、晶ちゃん」

「おっ、意外と早かったな…ほら…見てみろよ巧海…綺麗だな…」


校舎から校門までの一本道…

その両サイドには、並木の如く植えられた桜の木々が歩道を彩る…

桜の木々は満開の花盛り…

満開の桜は、まるで二人の再会を祝福しているように見えた。


「本当だ…凄く綺麗だね…」


巧海は、桜の花から晶に視線を移す。

と同時に、気まぐれな春風が周囲に桜の花びらを散らした…

桜吹雪は二人を取り巻く…


「…晶…ちゃん…」


デニムジャケットを脱いだ晶の姿は、明らかに2年前とは違った。

スラリとした若干細身なスタイルを維持しながらも、胸やお尻の膨らみが増した

女性らしい体つきに変化した晶…

そして桜の花を見上げる優しい表情はあまりにも可憐で、巧海は見入ってしまう…




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