男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part1at EROPARO
男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part1 - 暇つぶし2ch87:名無しさん@ピンキー
10/05/23 15:41:22 66GRI6I0
女のヤンデレは基本男が無自覚な設定だけど

男のヤンデレは決まって、女が愛サレ(笑)だからよく有る俺様王子みたいな小説と大して変わらないんじゃないか?



88:名無しさん@ピンキー
10/05/23 17:40:20 V1FsI3y1
>>87が愛され設定なら全部同じに見えるだけじゃないか?
オリジナルシチュエーション系のスレがこんだけ細分化してる中で
細かい内容にこだわらないというのはある意味強みかもしれんね。

89:名無しさん@ピンキー
10/05/24 15:21:35 IjGoEjTh
爺のヤンデレ考えるの難しいな

90:名無しさん@ピンキー
10/05/24 15:40:52 To91l50k
>>89
クロックタワー3だな

91:名無しさん@ピンキー
10/05/24 15:48:56 H54qhLz5
孫同然にかわいがってきた子がとうとう嫁に行くらしいと聞いた好々爺の変貌
産まれた頃から見守って来たが、自分から距離を置くようになったお嬢様に対して老執事は…
楽しいなおい

92:名無しさん@ピンキー
10/05/26 01:33:04 hYmE8GdM
独占欲の強い執事はヤンデレにならざるをえない。

老いも若きも。

93:名無しさん@ピンキー
10/05/30 22:52:04 BuQwsWfJ
クロタワ3は取説で壮大にネタバレかまされたな
あれは萎えた

94:名無しさん@ピンキー
10/06/06 02:35:38 UP7f8wzO
優しい男ヤンデレ

95:名無しさん@ピンキー
10/06/13 03:09:18 wFVkOkPs
優しい…異常なまでに過保護なヤンデレしか想像できない
誰かカニバリネタ書いてくれないかなぁ

96:名無しさん@ピンキー
10/06/23 18:15:04 dCiF5LmX
SS期待あげ

97:名無しさん@ピンキー
10/06/24 03:13:21 LN8CKMiD
>>94
無理やり犯されて、嫌だと泣きながら抵抗する女。
自分のものになっていく相手の泣き顔は、なんてかわいいのだろう、
とうっとりと凝視しながら座位でゆっくりじわじわと処女を奪ってゆく男。
今は泣き叫んで嫌がるけど、大丈夫ですよ、
すぐに僕のことしか見えなくなりますよ、
僕が欲しいと甘えてねだってくるようになります。安心してください。
と微笑む男ヤンデレ
を想像した。


98:名無しさん@ピンキー
10/06/25 07:31:41 uKLwI5Yh
男ヤンデレと聞いて
まず細川忠興しかry

99:名無しさん@ピンキー
10/06/25 13:48:46 BZOsXt6z
あんまり詳しくなかったんだが、調べてみたら恐ろしいほどの
ヤンデレのテンプレだったな。

嫁さんが他の男に挨拶したただけで首はねたり
使用人をかばっただけで嫉妬して殺したり
幽閉先にまでおしかけて抱いて妊娠させたり、
あげくの果てに人質になって色んな男の目に触れさせるのが嫌で
自殺を選ばしちゃうとか
ほんとぱねえっす忠興さん

100:名無しさん@ピンキー
10/06/26 00:03:28 CRsvZLrl
>>94
優しい男ヤンデレとは何ぞやと思い書いてみました
非エロ、殺人、女視点なんで無理と思ったらタイトル『手紙』で回避・スルーしてください
投下します

101:手紙
10/06/26 00:05:05 CRsvZLrl
 西田篤志 様

拝啓
今日もお仕事お疲れ様です。
西田フードカンパニーの次期社長になるべく今日も会社のために尽力されたことだと思います。
あなたに手紙を書くのは初めてですね。
私はあなたのように達筆ではないので、読みにくいかもしれませんが、お許しください。
あなたもご存知かもしれませんが、まず私の生涯をここに綴っておこうと思います。
私、小早川ゆりは小早川家の長女として生まれました。
極々普通の少女として育ち、近所の公立高等学校に進学しました。
そこで私は夫となる進藤孝信と出会いました。
彼は学校の古典の教師、私は女子生徒の一人。
お互いが想いあっていることは気づいていましたが私は想いを伝えないまま高校を卒業してしまいました。
高校を卒業後は医療系の専門学校に進学しました。
朝から夕方までぎっちり詰まったカリキュラムに疲れきっていた五月の下旬、大学に進学した友人に誘われ、
母校の文化祭に顔を出すことになりました。
覚えたての化粧をして、高校の時よりも大人びた流行の服を着て、胸を高鳴らせながら母校に向かいました。
私が卒業して二ヶ月しか経っていませんでしたが、母校に足を踏み入れた瞬間、懐かしい気持ちになりました。
顔も知らない高校に入学したての一年生の中、後輩達の中、私は辺りを見回します。
進藤はなかなか見つかりません。
高校時代を思い出すように食堂で友人と昼食を楽しみながらも、私の目は進藤を探します。
それでも進藤は見つかりません。
すべての展示を見終え、生徒の保護者達達が帰途につく中、私達も校門へと向かいます。
校門の前では教師達がずらりと並び、保護者に挨拶をしています。
その中に漸く進藤を見つけました。
私が声をかけようか迷っていると、友人は元気一杯に進藤に駆け寄っていきました。
私も友人に後からついて行き、進藤の前に立ちます。
進藤は教師らしく、私達の学校生活を気にかけるようなことを話し、私達も自分達の学校生活を進藤に話しました。
そこで何もかもが終わってしまうかと思われましたが、進藤は私に渡しそびれたものがあるからと私を職員室につれていきました。
職員室で渡された渡しそびれたもの、それは彼の住所、携帯電話の番号とメールアドレスでした。
その日から私達の交際はスタートし、一年後私が成人を迎えると共に私達は結婚しました。
結婚生活を始めると共に私達は新居に引っ越しました。
そうです、あなたも暮らすあのマンションに。
私達夫婦は805号室、あなたは801号室の住人でしたね。
進藤ゆりとなった私の新婚生活は幸せに満ち溢れていました。
愛する進藤と夫婦になれた。これ以上の幸せはありません。
しかしです―学業と家事に追われる日々は二十歳の私の世界を狭めたのも事実です。
そんな時にあなたと出会いました。
あなたは22歳の国立大学に通う学生でしたね。
専門学校に通い、家事に勤しむ私には新しく大学生と知り合いになるというのは、些か新鮮なことでした。
若くして結婚し、慣れない家事に奮闘する私をあなたはいつも褒めてくれました。
進藤も私を何かと気遣ってくれましたが、それでも他人のあなたに褒められるというのは格別に嬉しいことでした。
それ以外にも、あなたとの何気ない日常のおしゃべりは楽しかったです。
進藤とは一回りも年が離れていたので、同世代のあなたが持ってくる日本経済の話、サークルの話、音楽の話、大学生活の話、
私はそれらを楽しみにしていました。
ああ、もし進藤と結婚していなければ、私とあなたは付き合っていたかもしれませんね。
しかし進藤と結婚し、マンションに引っ越してきたからこそあなたと出会ったのであって、
引越しさえしなければあなたと出会うことは一生なかったのかもしれません。

102:手紙
10/06/26 00:06:42 CRsvZLrl
引越しから半年後、私と進藤は待望の子どもを授かりました。
妊娠中も学校に通い、年内に私は卒業に必要な単位を取り終え、後は安心して子どもを産むだけでした。
しかし、あなたもご存知の通り、その年の年末進藤は帰らぬ人となりました。
学校の忘年会の帰り、進藤は駅のホームから落ち、電車に轢かれ、原型も判らぬ姿になって私のもとへ―。
進藤を亡くし、涙に暮れる私を励ましてくれたのは、やはりあなたでした。
安定期に入った私のお腹は日に日に大きくなっていきます。
この子は進藤の忘れ形見。
あなたに励まされて、私は元気な赤ん坊を産むため、泣くのを止め、前向きに生きるように努めました。
私が21歳になってすぐに、私と進藤の子ども、娘の皐月が生まれました。
娘の名前を命名するときに相談に乗ってくれたのもあなたでしたね。
出産後は西田の残してくれたお金で生活には困りませんでしたが、娘の夜泣きには随分と手を焼きました。
初めての子育てに梃子摺る私の協力者になってくれたのもやはりあなたでしたね。
あなたも大学院に進学し、研究が忙しかったことだと思います。
それなのに私達親子のために貴重な時間を割いてくれて、本当にありがとう。
今でもあの時のことはとても感謝しています。
しかし、この頃進藤の両親はあなたと私が親しくしていることをあまりよく思っていなかったようです。
後に若い私には再婚の道があると理解をしてくれるまでは大分嫌味を言われ続けました。

さて、しかし、それでもこの頃はまだ幸せでした。
これから先は私の不幸な日々です。
皐月二歳の夏。
皐月はひき逃げ事故に遭い、夫のもとへと旅立ちました。
私は23歳にして夫の忘れ形見である、最愛の娘までも喪いました。
私のこの悲しみ、あなたは私の傍で見ていましたよね?
私は食べるものも喉を通らず、まともに歩くこともできなくなり、入院を余儀なくされました。
その時、私を支えてくれたのもあなたでした。
もうその時には私の両親よりもあなたは私に近しい存在でした。
進藤と皐月の分まで幸せに。
進藤と皐月の分まで力強く生きろ。
あなたはそう言ってくれました。
あなたは私の代わりに進藤と皐月の月命日には墓参りをしてくれました。
そして、あなたは私に告白してくれました。
私はそれよりも前からあなたの想いには気づいていましたが、ずっと気づかないふりをしていました。
すぐにあなたの気持ちに応えることはできませんでした。
私の心の中には進藤と皐月がいました。
あなたは笑顔で待つ、ずっと傍にいると言ってくれましたね。

103:手紙
10/06/26 00:08:50 CRsvZLrl
ねえ、篤志さん。
あなたはどんどんと幸せになっていったのでしょうね。
でも反対に私は坂道を転がり落ちるように不幸になっていったのです。
篤志さん、あなたは大学院を卒業し、あなたのお父さんの会社に入社しましたね。
あなたは私の傍にいてくれると言ってくれましたけど、会社員となったあなたは以前よりも私といる時間は少なくなっていましたよね。
だからあなたは私に同棲を持ちかけた。私はあなたに応えた。
篤志さん、私はあなたのすぐ傍であなたが幸せになっていく様子を見ていました。
その裏でね、篤志さん。
私はあなたのお母さんに会っていたのですよ。
篤志さん、あなたのお母さんは私と初めて会った瞬間、私を張り飛ばしたんですよ。
息子はあなたのせいでおかしくなったのよ、と私を何度もぶったんです。
私をあなたの実家に連れて行くと、あなたの自室、そして倉庫に連れていったんです。
驚きましたよ、篤志さん。
あんなに驚いたのは初めてでした。
壁一杯の私の写真。無数のモニターに映し出される進藤のマンション。私が出したゴミ、ゴミ、ゴミ―。
倉庫から見つけたのは、皐月が事故にあった時無くなったとばかり思っていた、私が手編みしたピンク色の兎の耳がついた毛糸の帽子。
篤志さん、あなたのお母さんを責めてはいけませんよ。
これは私が進藤と皐月の死の真相を確信した出来事にすぎないのです。
あのね、篤志さん、それ以前から私は気づいていたのですよ。
だってね、あなた、進藤の葬儀で、皐月の葬儀で、二人の遺影を見る度に、嬉しそうに笑っていたんですよ?
それはそれは嬉しそうに嘲笑っていたんです、あなたは。
篤志さん、私は夫の葬儀の日から決めていたんです。
進藤を殺したあなたに復讐することを。
まさかあなたが私の愛娘まで手にかけるとは思ってもいませんでしたがある意味納得しました。
あなたは本当に外道だったのですね。
人の風上にも置けませんね、あなたは。
さて、篤志さん。
私の復讐はどうでしょう?
嬉しいですか?
悲しいですか?
絶望を感じていますか?
死にそうな気分ですか?
あなたが私を心の底から愛してくれていたことは死ぬほど知っています。死ぬほど知っているのです。
だから私の復讐はあなたにかすり傷ぐらいの痛みは与えていることだろうと思います。
ねえ、篤志さん。
リビングにぶら下がり、虚ろな目をしてあなたを見下ろす私の姿はあなたの目にどう映っているのでしょう?
美しいですか?
綺麗ですか?
可愛いですか?
汚らわしいですか?
歪んでいますか?
醜いですか?
篤志さん、今私はとても幸せです。ようやく幸せを取り戻せたのです。
あなたの手の届かない場所、夫と娘のいる場所へ旅立ったのですから。
さようなら、篤志さん。
私はあなたを許しません。
            敬具
               進藤ゆり(旧姓:小早川ゆり)


追伸
私のお腹の中にいるあなたの子供は道連れです。当然ですよね?

104:名無しさん@ピンキー
10/06/26 00:11:58 CRsvZLrl
以上で投下終了です
後味の悪い文章で申し訳ありません

105:名無しさん@ピンキー
10/06/27 23:18:45 Z0+i8XhU
>>97
いいな、それ

>>100
GJ。男ヤンデレはやっぱ報われねぇなww

106:名無しさん@ピンキー
10/06/28 01:56:44 +Xlcfk48
>>104
GJ!!
いいね、手紙形式。とてもリアル感があって面白い!
手紙読んだあと発狂したようになるヤンデレが想像に難くない。

少しは報われる男ヤンデレもみてみたいな。

敵対している、婚約者がいるなどの理由で手に入らない女を、
たまらなく好きになってしまってしょうがなくって
病んで、連れ去って監禁して、>>97みたいな状態で。
気の強い女の、周りにいた人間の命をネタに脅して
ベッドの上でいうことを聞かして毎日抱きまくって調教して。

もちろん女はそんな男を蔑んでいる。
でも家からださない、身体を好きに扱われる、という以外の暴力はふるわず
飴とムチで甘やかすように溶かすように接してくる男の他に女には縋り付けるものもなく、
そんな毎日を過ごしていく中で
一見余裕そうに微笑んでいるように見えた男の精神構造の中の弱さみたいなのを発見したりもして、
少し憎めなくなってきてしまう、でもそんな自分が許せないで相変わらず冷たい態度で意地をはる女。

そんな気付かないうちに実はちょっぴり報われてる男ヤンデレ。


みたいなのとか。


107:名無しさん@ピンキー
10/06/28 12:41:19 AG6f6YIt
>>100-103
GJすぎる
ヤンデレ男好きなはずなのにスカッとしてしまったw
ヤンデレに大事な存在をぶち壊された女が発狂して病んでいく
ヤンデレの連鎖美味しいな

108:名無しさん@ピンキー
10/07/01 00:27:54 5YIJkiPI
いいね!

109:名無しさん@ピンキー
10/07/05 23:24:15 BWKDb/VO
好きすぎてストーカーしたり、隠しカメラで監視、部屋一面に女の子の写真、他の男と目合わせただけで嫉妬→男のほうを死ぬまで殴る

みたいなのが好きすぎてたまらんのだが

110:名無しさん@ピンキー
10/07/06 00:39:39 gqJ1lvQ8
よいよね。
自分も好きだ。
三次元だと悲惨だが二次元だと萌える。



111:名無しさん@ピンキー
10/07/06 04:08:48 WYIlj9O6
>>106の報われている男ヤンデレと
>>109みたいな男ヤンデレが書きたかったので
勢いで書いてみました
男ヤンデレがハイスペックすぎてありえないんですが
気に入らなければスルーしてください
女視点です

112:佐藤君と悠紀ちゃん
10/07/06 04:11:21 WYIlj9O6
「悠紀ちゃん、帰ろうか?」
サークル活動がまさに終了した瞬間、佐藤君がうちのサークル部屋に入ってきました。
先輩達は一斉に私と佐藤君の顔を交互に見ながらにやにやと笑います。
「今日もラブラブだね、二人とも」
佐藤君は「彼女は佐藤悠紀になる人ですから」とはにかみます。
盛り上がるメンバー。先輩に肩を叩かれる佐藤君。
どこか別世界の光景のようです。
この十年間、頻繁に見てきたはずなのにいつも私だけが置いてけぼりです。

サークル部屋を出、キャンパス内の掲示板に立ち寄ります。
全学部向けの掲示板の真ん中にA4の紙が貼られていました。
そこには私と佐藤君の所属する学部の教授の名前と彼が本日付けで大学を解雇されたことが簡潔に書かれていました。
原因は女子学生に対するセクシャルハラスメント。
昨今ではあまり珍しくもない事件ですが、あまりにも手段が悪質だったために昨夜のニュースで大々的に取り上げられていました。
怖くなって佐藤君の手を握り締めます。
「佐藤君」
「うん?」
「あんまり悪いことしちゃダメだよ?」
佐藤君は答えず、私の手を握り返しました。

佐藤君と初めて出会ったのは、小学校3年生の春でした。
佐藤君は他所の県から来た転校生。
転校生とはいっても、佐藤君は頭も運動神経も良く、社交的ですぐに友達もたくさんできました。
でも、何と言ったらいいのでしょう、佐藤君はとても変わっているところがあります。
偏執的、執着的、一つのことにこだわりすぎるところがあります。
例えば、洋服。
佐藤君はなかなかおしゃれですが、スーツや制服以外の私服はトップスは絶対に黒と決めています。
食べ物だとオムライスが好きです。
三食365日オムライスでも彼は飽きないでしょうが、栄養バランスが偏ってしまうので、これは厳しく制限しています。
そしてこの佐藤君の困ったところは恋愛にもいえることで、
小学校3年生の時、始業式の日、隣の席になったあの時から佐藤君の好きな女の子はずーっと私なのです。
小学3年生の佐藤君はとても私に優しかったです。
でも私は佐藤君のことがなんとなく怖く、仲良くなろうとしませんでした。
気がつけば佐藤君は私のストーカーになっていました。
気がつけば佐藤君は私がお喋りしていた男子を橋の上から突き落としていました。
気がつけば佐藤君は私と目の合った男子をイジメて不登校にしていました。

113:佐藤君と悠紀ちゃん
10/07/06 04:12:13 WYIlj9O6
佐藤君は頭が良く、それゆえに狡猾でした。
佐藤君の悪行は大人にバレませんでした。
バレそうになることもありましたが、他の生徒に擦り付けていました。
このままではまずいと思った私は表向きは佐藤君と仲良くなることにしました。
そして佐藤君に「悪いことはやめるように」と言うと、佐藤君はちゃんと私の言うことを聞いてくれました。
その頃から佐藤君は私のお願い事の大半を聞いてくれていました。
小学生の頃は私達も子供でしたからまだ可愛いものでした。
中学生になると、体も大きくなり、力も強くなります。
男女の関係も変わります。
中学生になると佐藤君は私と付き合っているとクラスメイトに堂々と宣言していました。
それが嫌で嫌でたまりませんでした。
私は佐藤君と付き合いたいと思ったことは一度もありません。
それにその頃やはり私にも人並みに好きな男の子がいました。
サッカー部の活発な男の子。
私の隣にはいつも佐藤君がいたので話したことはなかったけれど笑顔の素敵な男の子でした。
でもいつの間にか彼は笑わなくなっていました。
佐藤君が学年ぐるみで彼をいじめていました。
陰湿ないじめの末、彼は心を壊して、入院を余儀なくされました。
だから実を言うと、この私も壊れそうになったことがありました。
ストレスで不眠になったこともありました。
リストカットをしようとしたこともありました。
マンションの屋上から飛び降りようとしたこともありました。
その度に佐藤君が現れて、佐藤君式の荒療治で何度も救われ、私は今日も生きながらえています。
佐藤君には何度も殺されそうになっているのに、何度も救われているというのは何だか変な話です。

「ごちそうさま」
佐藤君は茶碗と橋を置くとしっかりと両手を合わせます。
「悠紀ちゃんのご飯はいつも美味しいよ。いや、悠紀ちゃんが作るから美味しい」
おそらく世の中の女性にとっては、佐藤君みたいな人は理想の彼氏なのでしょう。
中学生の時から『結婚資金』を貯めるためにインターネットを使って稼ぎまくっている佐藤君は何でも奢ってくれます。
しかし外食ばかりはいけないので、私はできるだけ料理を作るようにしています。
佐藤君は何でも食べてくれます。何でも同じように美味しく食べてくれます。
きっと佐藤君にも嫌いな食べ物はあるのでしょうが、未だに私は佐藤君の嫌いな食べ物を知りません。
汚れた食器を片付けながら溜息をつくと、佐藤君は「疲れているならかわろうか?」と言ってくれます。
疲れている―疲れているのかもしれません。
佐藤君の部屋は私の写真でいっぱいです。
どこから手に入れたのか、私の赤ん坊の頃の写真もあれば、卒業式の写真、登校途中の写真―私の性器の写真まで。
床から天井まで、プリクラサイズのものから、ポスターサイズのものまであります。
そして大きなラックには無数のモニター。
そこには佐藤君の隣の部屋、私の部屋の様子が映し出されています。
佐藤君はよくこんな部屋で暮らせているなと不思議に思います。

114:佐藤君と悠紀ちゃん
10/07/06 04:13:45 WYIlj9O6
自分の部屋に帰ると、無数の監視カメラが私を迎えてくれます。
トイレとお風呂場にカメラを取り付けないことを条件に、
その他の場所にはいくらカメラをつけてもいいと私は佐藤君に許可しています。
気がつけばまたカメラが増えた気がします。
お風呂に入り、髪を乾かし、パソコンでニュースやメールをチェックして、今日は就寝することにしました。
ベッドに入るとメールの着信音が鳴りました。
サブディスプレイには佐藤君から『おやすみ』のメッセージ。
いつも通りに佐藤君の部屋の壁を叩いて、部屋の電気を消しました。

体が熱いような、苦しいような、そんな感覚に目を覚ましました。
体がやけにすーすーするなと思ったら、私は全裸で、足元には佐藤君がいました。
佐藤君は私の両足を大きく開かせて、私の割れ目に指を入れて、掻き混ぜていました。
どれほど佐藤君がそうしていたのかはわかりません。
長いこといじられていたのか、ぐちゃぐちゃといやらしい水音が室内に響きます。
「やだぁ……やだっ、佐藤君……」
色んなことを諦め、許してきた私ですが、これだけは私も諦められないし、許せません。
しかし佐藤君も健康な青年なので、時折私を夜這いにくることがあります。
「悠紀ちゃん。気持ちいいでしょ?」
佐藤君の指が一番敏感な箇所を引っ掻くと、腰が跳ねます。
私はまだ処女ですが、中学生の時から佐藤君に女の快楽というものを無理やり教え込まれています。
ぐりぐりと弄られ、摘まれ、擦られ、引っ掻かれて、嬌声が断続的にあがります。
「ほら、悠紀ちゃん、イっちゃって?」
「あっあっいやぁぁああああっ……!」
全身が震え、頭が真っ白になり、自分が達したのだとわかりました。
唾液が頬を伝って首にまで流れ落ちていきます。
すでに下を脱いでしまっていた佐藤君の熱が達したばかりの私の性器にあてがわれます。
「ねえ、悠紀ちゃん。繋がろうよ。もういいよね?気持ちいいよ?」
欲望にまみれた佐藤君の目が私を見下ろします。
子宮がきゅんと疼くのを感じました。
それでも私の理性が私に首を横に振らせます。
佐藤君は残念そうな顔をしながらも私の足を抱え上げます。
私の性器にローションをたっぷり落とし、私の太ももとぴっちり合わせると、私の太ももと性器の間に佐藤君の熱が挿入されます。
佐藤君は最初から激しく腰を使います。
一度達し敏感になった私の体は、佐藤君に激しく擦られて、感じてしまいます。
「あっ、やっ、佐藤っ、くんんっ!」
「悠紀ちゃん、悠紀ちゃん!」
佐藤君の体がぶるっと震え、佐藤君の精液が私の胸や顔に飛び散ります。
「悠紀ちゃん、すっごくエロいね」
佐藤君は私の顔に飛び散った精液を拭いながら、私の目から溢れた涙を舐めとってくれます。
そんな佐藤君を見ていてどうしてだか私の胸は熱くなります。
「佐藤君、どうして無理やり……入れないの?」
佐藤君がやろうと思えば、私の処女などはとっくの昔に佐藤君に奪われていてもいいはずです。
佐藤君は私の体を抱きしめてきます。
「だって悠紀ちゃんの心まで欲しいから。悠紀ちゃんが許してくれるまで入れない」

佐藤君、佐藤君。
あなたは一体私をどうしたいのですか。
私もどうしてだか最近おかしくなってきた気がするんです。
だって今も、どうして私も佐藤君を抱きしめているのでしょうか。
私よりも大きな体。
十年前とは違う男の体。
あたたかい、体。

佐藤君と私は、一体どこに行きつくのでしょうか。

115:名無しさん@ピンキー
10/07/06 04:16:04 WYIlj9O6
以上です
早速誤字脱字発見orz
話もエロも短くてすみませんでした

116:名無しさん@ピンキー
10/07/06 11:02:51 gqJ1lvQ8
>>115
GJJ!!
超いい!好きだー!
いいなあ佐藤くん、とても好きだ。
しかし性器の写真は嫌だなww四六時中見てたらつらくないか?

117:名無しさん@ピンキー
10/07/06 13:50:14 +rM9kS7s
ヤンデレ男性に対して電波な女の子とか、
そういうの組み合わせてみたらどうなるのかすごく気になる。
ヤミの部分が空回りするような相手っていないのかしら?
大抵の対象者がヤンデレにつられて病んできたり絶望する未来しか浮かんでこないので
探せる物ならヤンデレが太刀打ちできないような相手が豪気というかぶっ飛んだ話が読んでみたい。

でも>>115さんの話好きだー。
現実に居たらとてもこんなこと言ってられないけど佐藤君好きだー。

118:名無しさん@ピンキー
10/07/07 23:58:58 uG57sRYm
>>115
乙!
素晴らしい!
そして、いい病み具合。
ヤンデレでのハッピーエンドは共依存だな。

119:名無しさん@ピンキー
10/07/08 02:00:25 UGXCiCCJ
『手紙』と合わせてGJ・感想ありがとうございます
今すらすら書ける時期なので勢いにまかせて
>>117さんの電波な女の子との組合せを書いてみました
電波っていうよりオカルト好きの天然女の子です
そうゆう子無理&非エロは嫌って人はスルーしてください
前半女の子の姉視点、後半ヤンデレ男視点です

120:伊集院君と沙夜ちゃん
10/07/08 02:02:39 UGXCiCCJ
なんだか最近妙に視線を感じる。
妹が私の家の近くの大学に進学を決めて、引っ越してきてからかな。
近くで救急車もよく出動してるし―この街の治安は大丈夫なのかしら。
「沙夜。なんか視線を感じない?」
占い雑誌を読みふけっている妹に尋ねると、
妹は「もしかして幽霊!?」と喜色満面の笑みを浮かべ立ち上がった。
大学生になれば少しはまともになると思ったら、相変わらずオカルトが好きみたい。
ムカついたのでキッチンから塩を取ってきてその辺に撒いてやった。
「お姉ちゃんやめてよ!幽霊祓っちゃダメ!」
お前は家で幽霊を飼おうとするな。
「うるさい。黙れ。ちょっとはおしゃれして合コン行くようになったと思ったのに、どうして根本が変わってないの?
 この前の合コンはどうだったの?男の子とアドレス交換した?その後、デートした?」
この前まで田舎の真面目な高校生をやっていた妹にそこまで期待してないけど。
案の定、妹の顔色が曇った。
「アドレス交換したんだけどね、そのー……、男の子みんなあの後入院しちゃって、連絡つかないの。
 みんな悪霊ついてたのかなー?」
入院?一人ならばわかるがみんなってどうなのよ?
「はあ?男の子みんな?女の子側はみんな無事なの?」
「うん、女の子はみんな無事。男の子達は食中毒とか事故とかで……可哀想だよね」
可哀想だけど。
女が無事で男どものみ全員入院。
うちの妹に本当に悪霊憑いてるんじゃなかろうか?
「あ、そういえばお姉ちゃん。私の部屋でカメラを見つけたんだけど、心霊ビデオ撮ろうとしてくれてたの?」
妹は一度部屋に戻ると、小さいレンズとコードが付いたものを持って来た。
これって隠しカメラとか監視カメラとか呼ばれるものでは?
勿論設置したのは私ではない。
私にオカルトな趣味があるわけでもなし。妹の趣味に協力する道理もなし。
もしかして、この妹にストーカーとかいうものがいるのでは?
私かもしれないけど、私の部屋で視線を感じない。
妹との共有スペースで視線を感じるのよね。

121:伊集院君と沙夜ちゃん
10/07/08 02:03:42 UGXCiCCJ
妹にストーカーって考えにくいけども、変わった人間っているわけだし。この妹みたいに。
「沙夜。最近、男の人に後つけられたりしてない?つけられてるようなら警察行こう?」
妹は目を丸くして、次の瞬間ぷっと吹き出した。
「そんなのないよー。私、本当に、男の人とは全然だしー。
 あ、でもね、最近仲良くなった男の子がいるんだ」
ぽっと頬を染める妹。なんともわかりやすいやつ。
「ふーん。だから最近女の子らしくしてるの?」
「う、うん」
「どんな子?」
「伊集院君っていって、今高校三年生の子」
高校生かー。っていっても、三年生なら妹の一つ下でしかないんだよね。
「お姉ちゃん、年下の男の子好きになったら変?」
「変じゃないよ。うちのお父さんとお母さんだって、お父さんの方が三つ年下じゃん」
「そうだよね。よかったー。お姉ちゃんがそういってくれて。
 今日はもう寝ようかな。お姉ちゃんとこうゆう話ができるようになって嬉しい」
幽霊と占いにしか興味のなかった妹とこんな話ができる日がこようとは。
やっと普通の姉妹の会話って感じ?
そして意外にもうちの妹は素直で可愛い。
伊集院君ってのが悪い子じゃなければいいんだけど―。

翌朝、ちょっと寝過ごして、急いでマンションのエレベーターから降りると、
自動ドアの前に見知らぬ高校生を見つけた。
学ラン、黒髪眼鏡の、どっちかっていうと可愛い感じの男の子。
このマンションにあんな子いたっけ?
もしかして朝帰りなのかも。
自動ドアの前で少し減速して、自動ドアが開くと同時にダッシュ。
「沙那お姉さん。おはようございます」
振り返ると、高校生が自動ドアの向こうのロビーへと入っていく。
せっかく挨拶してくれたのに挨拶しそびれた。
あれ?あの男の子、どうして私の名前知ってるんだろう?

122:伊集院君と沙夜ちゃん
10/07/08 02:04:58 UGXCiCCJ
沙夜さんと初めて出会ったのは近所のレンタルビデオ店。
俺はその時海外ドラマものにはまっていて、よくレンタルビデオ店に足を運んでいた。
そしてオカルト好きの弟に怖いビデオを頼まれていてよくホラーの棚も覗いていた。
するといつもホラー映画の棚の前には沙夜さんがいた。
俺はあまりオカルトに詳しくなかったので、どうゆうものがお勧めなのか沙夜さんに尋ねてみた。
沙夜さんは目を輝かせ、「このビデオには本物が映っているらしい」とか
「これが創作では一番面白い」とかを事細かに俺に教えてくれた。
多分そこの店員よりも詳しかったと思う。
単純なんだけど、俺はその日、恋に落ちた。沙夜さんに惚れた。恋に理由なんてない。
でも中高一貫の男子校に通う俺にはアプローチ方法なんて分からず、名前も聞けず、
ちゃんとお礼さえもできずにレンタルビデオ店を後にしてしまった。
沙夜さんが選んでくれたDVDは弟に大絶賛だった。
お礼がしたくて―というよりも、もう一度沙夜さんに会いたくて、俺は足繁くレンタルビデオ店に通った。
三度目でDVDを返しに来た沙夜さんと会えた。
この前のお礼をして思い切って沙夜さんの名前を聞いた。
また怖いビデオを探していると嘘をついて沙夜さんにDVDを選んでもらった。
そして店の前で別れたふりをして、沙夜さんの後を尾行し、沙夜さんのマンションをつきとめた。
それからは沙夜さんのマンションとレンタルビデオ店、沙夜さんの通う大学を行ったり来たり。
沙夜さんがお姉さんと二人暮しをしていること、所属している学部、交友関係なんかはすぐにわかった。
でも俺は沙夜さんのことがもっともっと知りたかった。
沙夜さんの家の間取りはどうなっているかだとか、家ではどんなことをしているかだとか、
それと―沙夜さんの体はどんなだとか。
俺は自分と同じような悩みを抱えている人が集うSNSのコミュニティに入り、そこで様々なノウハウを得た。
犯罪まがいなことも多くあったけど、もうそんなのどうでもよくなった。バレなきゃいい。
SNSには小学校三年生の時から想い続けた女性と両想いになった男性もいた。
俺も沙夜さんとそんな風になれたらなんて―。

沙夜さんにボールペンをプレゼントしたら喜んでくれた。そのボールペンは盗聴器付きだったけど。
沙夜さんにキーホルダーをプレゼントしたら喜んでくれた。発信機付きだったけど。
沙夜さんの家の合鍵もつくり、初めて沙夜さんの部屋に足を踏み入れた瞬間、泣きそうになった。
沙夜さんの部屋はやっぱりオカルトグッズがいっぱいあって、お札とか、魔方陣みたいなものとか、
不気味な日本人形とか、ホラービデオのDVDBOXとかあったけど、それでも沙夜さんの部屋は
女の子のいい匂いがした。
隠しカメラをいたるところに設置させてもらった。
沙那お姉さんには申し訳なかったけど、廊下やリビングにも。
その結果、沙夜さんについてわかったこと。
沙夜さんはこちらが驚くほど裏表のない人だった。
大学の友達と話すときは、あまりオカルトの話をしないようだったけど、性格はまったく変わっていない。
無防備すぎてこちらが心配になるほどだった。

123:伊集院君と沙夜ちゃん
10/07/08 02:05:55 UGXCiCCJ
そしてやはりというか、沙夜さんが男と知り合う機会はたくさんあった。
沙夜さんのお友達はお節介にも、頻繁に合コンに沙夜さんを誘った。
最初のうちは沙夜さんも断っていたけど、あまり断るのも申し訳なく思ったのか、合コンに参加した。
気軽に沙夜さんに話しかけ、べたべたと沙夜さんに触れる男どもが俺は許せなかった。
ある日、私服で沙夜さんの大学に向かうと、沙夜さんのアドレスを聞いた男を食中毒にして入院させた。
別の男は横断歩道の前で立ち止まりケータイに夢中だったので、俺は男の横に立ち、横断歩道は赤信号だったけれど一歩踏み出した。
男はケータイ片手に歩き出し―車に轢かれた。
沙夜さんの周りの男を俺が手を下さずに潰すのは簡単なことだった。

沙夜さんは合コン相手や大学の男友達が皆入院してしまったことに驚いていたけど、
悪霊のせいだと思ってくれて俺はとても助かった。沙夜さんがオカルト好きでよかった。
俺と沙夜さんは着実に仲良くなっていると思う。
休みの日にデートに誘ったりしていいだろうか。
沙夜さんはやっぱり心霊スポットとかがいいのかな。
自宅のモニタの前で沙夜さんの部屋の様子を覗く。
沙夜さんはパジャマ姿で占い雑誌を読んでいる。
そして突然呪文のようなものを唱え始めた。どうゆう効果があるのだろうか。
「伊集院君、好きっ!」
俺の思考は一瞬停止した。
沙夜さんのことを思いすぎて、幻聴が聞こえてきたのだろうか。
画面の中の沙夜さんは雑誌に顔を埋め、じたばたとベッドの上で身もだえ、ベッドから落ちた。
俺も手足が震えてどうしていいのかわからない。
「あ、なんだろう。これ……」
あ、ヤバイ。隠しカメラが見つかった。
沙夜さんが引っ張ったのでコードが千切れて、モニタが一つ真っ黒になる。
あのカメラ、後日回収にいかないとな。
それで、その、沙夜さんは本当に俺のことが好きなのだろうか?
もしかして俺らは両想いでいいのだろうか?
でも、もし、両想いで、付き合うことになったら?
盗撮や、盗聴はやめた方がいいのだろうか?
そもそもこのことがバレたら嫌われてしまうのだろうか?
わからない。
後でコミュニティの掲示板に書き込んで、Sさんにアドバイスをもらおう。

124:名無しさん@ピンキー
10/07/08 02:13:32 UGXCiCCJ
以上です
作中に出てきた盗聴器は実在します
この話を書くために調べてみたらやたら盗聴器に詳しくなりました
男ヤンデレについて調べてみようと思って調べてみたんですが
参考になるようなサイトなどなかなか見つかりませんね
みなさんお勧めの作品や参考になりそうなサイトなどありますか?

125:名無しさん@ピンキー
10/07/09 02:54:38 lO4nR3Ik
小学三年の頃からの…、Sさん…、…まさか。 佐藤君のことかーッ!

二人ともとても可愛くて、紗夜ちゃんの気にしなさすぎな所にツッコミつつも、
これからの二人を妄想してしまいニヤニヤしてしまいました。
GJでございます。

126:名無しさん@ピンキー
10/07/09 13:14:11 dFNfjxeC
佐藤くんなにしてるんですかww
面白かったGJ

127:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/10 22:23:12 Agbu1Mr0
ここってエロなしでも投下してもいいのか?

128:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/10 22:52:51 51ZeIZ08
少なくとも自分は全力で歓迎する

129:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/11 12:10:58 i9jI8uTf
自分も投下があれば嬉しいし大歓迎だよ
素晴らしいもん読ませてもらってるからね

130:名無しさん@ピンキー
10/07/18 09:01:26 DFpemoWh
今更ながら佐藤くんと伊集院くんGJ

>だって悠紀ちゃんの心まで欲しいから。悠紀ちゃんが許してくれるまで入れない
このセリフで頭パーン!になった

131:名無しさん@ピンキー
10/07/18 19:58:27 9oSVPlN8
GJ
上手い
男のヤンデレってこんな感じだよな

132:名無しさん@ピンキー
10/07/25 22:37:35 jib/qKmP
佐藤君と伊集院君パネぇっすw

ただ寝取りとかこういう風に仕組んで仲良くなるのも良いけど
普通に両想いでカップルになったら男がヤンデレってのも大好き
女の方はヤンデレでだとわかってるけど惚れた弱みで強く言えず
愛しては居るがさすがにこれはどうよって思ってるのが見たい
でも両想いなんでなんだかんだで仲が良いとか

133:名無しさん@ピンキー
10/07/26 14:48:31 QNTF7vGD
ヤンデレ×ツンデレが好物だ。
セラヴィー×どろしー(赤ずきんチャチャ)とか、コンチ×菊花(ろまんが)とか、
好き過ぎるんだけど、ハマったのが遅くて二次創作ほとんど無いorz

134:名無しさん@ピンキー
10/07/26 23:52:05 BFu4nUL+
自分の男ヤンデレ好きの起源はなんだろうと考えてたが
好きな女の子を虐めちゃう男好きが起源なのかなぁ……

135:名無しさん@ピンキー
10/07/27 06:41:49 XaQCMAsH
自分の起源はオペラ座の怪人かなぁ

136:名無しさん@ピンキー
10/07/27 17:46:29 /9B7qF+n
好きな女の子をイジめる男は好きだけど
それはヤンデレなのかな?
ある意味ヤンデレか?

137:名無しさん@ピンキー
10/07/29 12:10:10 StQ7M0a1
>>112
今更だがGJ
ヤンデレにも色々なタイプがあるけど、すごく私好みのヤンデレだった
続編を希望!!

138:名無しさん@ピンキー
10/08/03 18:13:28 aBR41WSa
なんとなく思いついて書いてみた
超ロリコン注意報

139:名無しさん@ピンキー
10/08/03 18:14:25 aBR41WSa
少女が窓から見下ろすのは学生服を着た幼馴染の少年。
部活動の帰りか大きな荷物を抱えて、向かいの家に入っていく。
彼女の視界を遮るために、カーテンを閉めると、彼女は非難めいた視線を向けてくる。

「裕也君はもう千尋ちゃんとは遊んでくれないよ。
 裕也君には中学校でできた裕也君のお友達がいて、千尋ちゃんのことなんかもう忘れちゃったよ」

彼女が病気のために学校に通えなくなってもう三年になるだろうか。
彼女が病院に通い、家で寝ている間に、彼女の幼馴染や友達は学校で学び、遊び、大人へと成長していく。
どんどん、どんどん彼らの中から彼女のことは忘れ去れらていく。
寂しい。悲しい。
少女は大粒の涙を零す。
その悲しくも美しい少女の涙を僕は舌で受け止める。
涙の伝った跡を上へと舌を滑らせて眼球を舐めあげる。
少女は全身で拒絶を示し、短い悲鳴をあげた。
体力のない彼女の抵抗など長くは続かず、大人しくなったところで抱き上げて、ベッドへと横たえる。
パジャマのボタンを一つ一つ丁寧に外していき、上を脱がせる。
パジャマのズボンを両足から抜き取る。
白い下着を捲りあげて、露わになった白い腹に唇を落とす。
ふくらみ始めたばかりの胸は横になると平らだが、それでも触れると柔らかく、こちらの指をやんわりと押し返してくる。

「先生、いや……」

この行為の意味を少女はまだ知らない。
それでも、遺伝子に刻まれた女の防衛本能が警鐘を鳴らすのか、いつも嫌がる。

「大人になるためには大切なことなんだよ」

訂正。
主に僕の支配欲と性欲を満たすために大切なことだ。
少女の小さな顔を両手で包み込み口を吸う。
甘んじて受け入れているという風に少女はかたく目を閉じてしまう。

「千尋。君が裕也君を好きだと思うより、僕はもっと千尋のことが好きだよ。
 君の黒髪が好きだ。眼球は抉り出して食べてしまいたいくらい好きだ。
 柔らかい頬はそぎ落としてソテーにして夕食に並べたいくらいだ。
 君の嫌がる声が好きだ。首筋から香るまだ子どもくさい匂いが好きだ。千尋、千尋」

140:名無しさん@ピンキー
10/08/03 18:15:18 aBR41WSa
ほんのりと薄桃色に染まる乳首にむしゃぶりつくと、頭上から千尋の「いやぁ!」という可愛い悲鳴が上がる。
赤ん坊のようにちゅうちゅうと吸い、舐めて、軽く噛んでやる。
最初は奥へと引っ込んでいた乳頭は、僕の熱心な愛撫と刺激によって、ぷくりと勃ちあがる。
早く僕の子どもを孕んで、大きなお腹に苦しみながら、母乳を垂れ流しにすればいいのに。
そしたら子どもなんかには吸わせずに、僕が全部搾り取ってあげるのに。
千尋の乳首から口を離し、その部分を見下ろすと、唾液でべとべとになって光っている。
その光景に満足しながら、千尋の膝裏を掴んで、まんぐり返しにする。

「あぁっ、嫌っ、先生、これいやだぁ!」

千尋のそこは、大人の女のように濡れそぼってはおらず、パンツは乾いていた。
秘裂を布一枚ごしにぺろりと舐める。
後ろの穴から花芯まで性器全体を舌でベロベロと舐めると、羞恥と嗚咽で千尋の足がぷるぷると震える。
その様子がまるで捨てられ、雨に打たれた仔犬のようで、僕はたまらずに自分の性器を取り出す。
腹につき、血管が浮き出るほどに興奮していて、右手で扱くとすでに爆発寸前だった。
千尋の足を解放し、千尋の上に跨り、千尋の顔の上で陰茎を扱く。

「ほら、千尋のせいでこんなになっちゃったよ」

強めに陰茎を扱くと、実にあっけなく白濁が飛び散り、千尋の顔を濡らす。
顔を精液だらけにした千尋の瞳に光は、ない。

「……先生、もう死にたい」

千尋にぶちまけた精液をテッシュで拭い去りながらまた口付ける。

「もし君が死んだら、僕が食べてあげるよ」

そして本当の意味で僕らは一つになる。
僕はそっと千尋の首に手をかける。

141:名無しさん@ピンキー
10/08/03 18:29:53 aBR41WSa
以上です

>>136
表向きはヒロインと憎まれ口ばかり叩いてヒロインをイジめたり馬鹿にしたりするけど
裏ではヒロインの周りから男を排除し、男は自分一人という環境をつくりあげる主人公
という話を書いたりもしてるんだが男ヤンデレと定義していいのか自分も困ってる

142:名無しさん@ピンキー
10/08/03 22:47:55 ZRxnmPBs
>>141、GJ!
美味しくいただきました。ロリコンと言いつつ、具体的な年齢
が書いてないから良かったです。暴走するヤンデレは良い。

 136さんではないのですが、暗躍する主人公は確実に
ヤンデレだと思います。
ヒロインに好かれているけど、クールぶってセフレ扱いする
男ヤンデレが好きだ。処女だったヒロインを調教、淫乱にして
喜んでいるヤンデレが好きだ。ヒロインが自己評価低くて、
共依存気味だと最高だ。調教の末、奉仕行為は巧いけど
キス、手をつなぐだけで顔真っ赤なヒロインがいたら成仏しそうです。


143:142
10/08/03 22:49:49 ZRxnmPBs
すいません。キモイ上に改行変でした。
妄想が暴走気味ですみません。

144:名無しさん@ピンキー
10/08/05 12:03:51 G6ygVjur
保守


145:名無しさん@ピンキー
10/08/06 23:24:47 ADBqCINX
>>141
乙です!!ここまで逝ってる男も良いですねぇ
こういうタイプは居そうであまり見かけないから素晴らしい

もう一つのほうの投下も期待してます。
今回みたいなのも大好きだけど両想いなのも好きなので
女は普通の恋愛感情だけど男はヤンデレ
そして女は相手がヤンデレなのを知ってるけど諦め気味なのが好き

>>142
貴方とは気が合いそうですw

146:名無しさん@ピンキー
10/08/07 23:04:41 rg1+HJCl
>>23で出てるゆうちぃがドストライクだなそういう系統だと

147:名無しさん@ピンキー
10/08/08 18:06:12 okIbq7N/
>>141
GJ!たまらん。

最近ヤンデレサイト増えてきたな。

148:名無しさん@ピンキー
10/08/08 19:07:47 m92ONEM0
>>147
sage進行にして下さい。
お願いします

149:名無しさん@ピンキー
10/08/09 10:40:29 SfWm4thq
ここって昔あった愛あるレイプスレみたいなもん?

150:名無しさん@ピンキー
10/08/09 12:15:59 XJw+OZzr
>>149

愛するが故に無理やり…… Part5
スレリンク(eroparo板)

151:名無しさん@ピンキー
10/08/09 17:28:52 SfWm4thq
>>150
㌧ スレタイ変わってたのね

152:名無しさん@ピンキー
10/08/10 14:03:05 UAIF2ajW
そこ凶悪荒らしに目つけられてる所じゃねーか
変に関連付けしないで欲しいんだがなあ
何か起こった時こちらにまで飛び火されたら困るんだわ

153:名無しさん@ピンキー
10/08/10 16:00:04 t04Bq7bQ
ダチョウ倶楽部的な意味で?

154:名無しさん@ピンキー
10/08/12 20:15:08 LOZFH0yV
冒頭のみエロあり男視点の長編なんですけど、投下して大丈夫ですか?

>>145の『女は普通の恋愛感情だけど男はヤンデレ』に触発されて書いたはいいけど、めちゃくちゃ長くなってしまったww

155:名無しさん@ピンキー
10/08/12 20:39:13 U+kkYFcU
よっしゃこい!

156:名無しさん@ピンキー
10/08/12 21:40:50 LOZFH0yV
投下します!!

ヤンデレ男とヤンデレに気付かない彼女。男視点長編。前半ただのイチャイチャ、後半からヤンデレ入る…はず。

初SS投下につき至らない所あると思いますが、ご容赦下さい。

157:優しい陽炎(ゆうとと加奈)
10/08/12 21:58:50 LOZFH0yV
捕まえようにも捕まえられない。君は陽炎のようなひと。


※※※

三度めの吐精を逐えたところで、僕の体は急速に脱力し始めていた。
泥を被っているように腰と尻が重くなり、太ももに至っては少し痙攣している。
長時間酷使し続けたせいだ。
体が休ませてと叫んでる。
それでも終わりたくなくて、僕は再び腰に力を入れた。
肉棒を捻りこみ、押しては引く。
ズルリと生温い感触がしたかと思うと、痺れるような鈍い痛みが粘膜を突き刺した。
本当に限界が近いらしかった。

「もう終わり!」

声が響き渡った途端、目を瞑っていた僕の頬に軽い衝撃が走った。
驚いて見下ろすと、顔を真っ赤にした恋人が僕を睨んでいた。

「もう、お・わ・り!!」

恋人の手の平が中途半端に浮いている。
頬に走った衝撃は、どうやら恋人に叩かれたのが原因だったみたいだ。
僕はその腕をふり払った。
恋人の…加奈の顔が、また一段と赤くなった。

「ゆうと、終わりってば」
「嫌だ」
「嫌って、そんな死にそうな顔しながら言われても」
「うるさい」
「ゆうとも疲れたんでしょ?」
「疲れてない」

腰を引いて逃げかけた加奈の体を抑え込む。片腕を腰に回して尻を掴み、もう一方の腕で加奈の足を開けば、力を入れなくても性器と性器を密着させる事が出来た。
僕は再び動きを開始する。

「ゆうと、もうやだ。やめて」
加奈が苦しげに呻く。
だけど僕は聞かない。

「ゆうとだって、痛いでしょ。お願い」
「痛くない」
嘘だけど。

だって、僕のコレは加奈のココを埋める為に存在しているんだ。時間が許す限りは、ちゃんと塞いでおかないと。

158:優しい陽炎(ゆうとと加奈)②
10/08/12 22:08:24 LOZFH0yV
「っん…あ…、い、痛い。お願い…やめて」
加奈の声が掠れている。本当に痛いみたいだ。でも、そんなの僕は知らない。
とにもかくにも、彼女の中を無茶苦茶にかき乱したい。
より一層激しさを増した僕の動きに、とうとう加奈が怒った。

「もう終わりって言ってるでしょ!!」

腕を突っ張って、全力で僕の胸を押す。体を引き離そうと必死だ。
だけど、力なんてそう入ってなくて、加奈の余力が底をついてるのは明らかだった。
こんな腕、一捻りするのなんて簡単だけど、結局僕は折れた。
加奈は強情だ。ここで引かなければ、次は何をするか分からない。

「分かったよ」
「……」
「僕はまだまだいけたのに」
「嘘つき」
「まだ足りない」
「もう充分だよ」
「足りないよ。ねぇ、加奈」
「何?」
「舐めさせて」

加奈は素早く僕から離れてシーツにくるまった。両腕を体に巻き付けて、警戒心剥き出しの犬みたいに僕を睨みつけて来る。
それでも僕は気にならなくて。加奈ににじり寄って、腕に手をかける。
耳に息を吹き掛ければ、加奈は面白い程に体を固くした。

「やめて」
「舐めてあげる。綺麗にして、いっぱいイカせてあげる」
「やだ。もうアソコ痛いんだよ」
「優しくするから。ね? 指も使わないし」
「いや」
「気持ち良くしてあげるよ」

僕の舌と唇で。いつもみたいに。
首筋に舌を這わせると、加奈がまた逃げた。
「やだっ!キスマークだけは絶対に駄目!」
加奈はキスマークが嫌いだ。
僕が噛むせいもあるけど、人に見られるのが嫌らしい。

「駄目?」
「駄目」
「どうしても?」
「どうしても!」

僕はため息をついた。肩を竦めて、頭をかく。

「エッチも駄目。舐めるのも駄目。キスマークも駄目。じゃぁ何ならいいの? 一つぐらい僕の望みを聞いてくれたっていいだろ」

不満を露に愚痴る僕に、加奈は「うぅ」と顔を歪める。
加奈は善人だ。だから僕が「不公平だ」とか「対等じゃない」と言えば勝手に心を揺れ動かすし簡単に反省もする。
今も、譲歩出来る点はないかと必死で頭を回転させている様に見える。
だから僕は頃合いを見計らって、最後の一押しをした。

159:優しい陽炎(ゆうとと加奈)③
10/08/12 22:21:08 LOZFH0yV
「せめて、キスマークだけでも駄目? 今日だけでいいから」

殊勝な態度で頼めば、加奈は断れなくなる。
「……じゃあ一つだけなら」

(一つなんて無いも同然じゃないか)
だけど、僕は加奈の見せた隙に飛び付いた。おずおずと手をどける加奈を乱暴に抑えつけて、首に噛みつく。
ウナジに近い、どちらかといえば後ろ側になる首の部分。そこなら皮膚も筋肉も厚いから思う存分噛める。
加奈は悲鳴をあげる。
足をバタバタさせて抵抗するけど、そんなの関係ない。
血が滲むぐらいに歯を突き刺した後に、もう一ヶ所狙いをつけた。
体を離して舌なめずりする。

「駄目だってば!」

気配を察したのか、かなが怒鳴った。
ゴンっという鈍い音とともに額に痛みが走った。激痛がこめかみを突き抜ける。
…頭突きされた。
僕は思わず頭を押さえて、加奈の肩口に顔を埋めて悶える。

「駄目だって言ったのに、強引なゆうとが悪いんだよ!謝らないから!」

僕の愛しい恋人は、怒り狂っていた。


※※※

「もう…なんでゆうとはこんなの付けるかな。本当にキスマーク好きだよね」

姿見の前に座りながら、加奈は自分の首に消毒液を塗っていた。時折眉をしかめて苦痛にうめく。染みるのだろう。
僕は額に手を当てて、そんな加奈の様子を眺めていた。

「いい加減諦めろよ」
「何でそんなにキスマークにこだわるの?」
「加奈が付けないからだろ」
「なんで私が付けなかったらゆうとが付けるのよ」
「印は必要だろ。マーキングだよ」
「犬じゃないんだから。人を電信柱みたいに言って」

加奈が怒って立ち上がった。
机の中から救急箱を取り、絆創膏を抜き出す。
だけど、ふと思案して、部屋に備えつけてある単身者用の小型冷蔵庫へと向かった。
そこから氷を取り出し、ビニール袋に入れる。冷たすぎないようハンドタオルで包んでから僕の側に戻ってきた。

「私、浮気しないよ」
「知ってる」
「何度も言ってるでしょ」
「うん。言ってるね」
「それでも付けたいの?」
「うん。それでも」
「なんで?」
「加奈には分かんないよ」

僕がどういう気持ちで君を見てるか。

加奈は不満そうな顔をした。眉を寄せて、唇を噛み締めている。

160:優しい陽炎(ゆうとと加奈)④
10/08/12 22:32:03 LOZFH0yV
聞かなくても分かる。加奈の頭の中は、きっとこうだ。
(私を信用出来ないからキスマークなんて付けるんだ)
そう思ってるに違いない。
(でも、そうじゃないんだよ。加奈)
僕は笑った。加奈が不思議そうな顔をした。表向き、加奈には『浮気防止』だなんて言ってるけど、本当は違う。
キスマークの意味なんて浮気防止でも男避けでも何でもない。ただ加奈を傷つけたい。僕という存在を刻みつけて、痛みを伴って、片時も忘れる事がないよう。ただそれだけなんだ。
(言ったってどうせ分かんないだろうけど)
僕は加奈の首筋に手を伸ばした。
赤黒くうっ血した傷跡から、小さな赤い丸が点々と浮き出てる。
赤い丸はやがて重さに耐えきれなくなり、一筋のか細い赤い線となって白い肌に滲んでいく。
僕はそれをしばらく眺めた後、指で拭って少し舐めた。

「……痛いの嫌い」
加奈がポツリと呟いた。

「僕の事、嫌いになった?」
加奈が首をふる。
胸がチクりと痛んだ。

「まだ好き?」
「うん」
「残念」

本当に残念だと思う。どうしたら加奈は僕を嫌いになってくれるんだろう。
早く嫌いになってくれればいいのに。
そしたら楽になれるのに。僕も。加奈も。

「貞操帯、買ってこようかな」
「ていそうたい?」
「うん。それか、加奈を監禁する」
「あはは」
「冗談じゃないよ」

幼い加奈。多分、貞操帯の意味も知らない。
僕は加奈の腕を取って、強く抱き締めた。氷が床に落ちて、滴が飛び散った。

「冗談じゃない」
「ゆうと…」
「本気だ」
「ゆうと、痛い」

加奈の息遣いが途切れ途切れになり、苦しそうに「離して」と懇願する。
最後に一度だけ力加減せずに抱き締めた後に、僕は加奈を離した。
加奈は咳き込み、ベッドに突っ伏す。
僕は足元に落ちた氷を拾って、ごみ箱に捨てた。ハンドタオルは濡れそぼって使えないので、とりあえず机の上に置いてみる。

「ゆうと?」
「僕の事、嫌いになった?」

161:優しい陽炎③修正
10/08/12 22:45:11 LOZFH0yV
すみません。文章が抜けてしまった部分があるので途中から修正させて頂きますm(_ _)m
※※※

「もう…なんでゆうとはこんなの付けるかな。本当にキスマーク好きだよね」

姿見の前に座りながら、加奈は自分の首に消毒液を塗っていた。時折眉をしかめて苦痛にうめく。染みるのだろう。
僕は額に手を当てて、そんな加奈の様子を眺めていた。

「いい加減諦めろよ」
「何でそんなにキスマークにこだわるの?」
「加奈が付けないからだろ」
「なんで私が付けなかったらゆうとが付けるのよ」
「印は必要だろ。マーキングだよ」
「犬じゃないんだから。人を電信柱みたいに言って」

加奈が怒って立ち上がった。
机の中から救急箱を取り、絆創膏を抜き出す。
だけど、ふと思案して、部屋に備えつけてある単身者用の小型冷蔵庫へと向かった。
そこから氷を取り出し、ビニール袋に入れる。冷たすぎないようハンドタオルで包んでから僕の側に戻ってきた。

「浮気防止でしょ」

聞きながら加奈は氷を僕の額に当てた。
加奈の白い首筋の、噛み跡から血が少し出ている。痛そうだ。
僕の頭なんかよりも、先に絆創膏を貼ったらいいのに。

「私、浮気しないよ」
「知ってる」
「何度も言ってるでしょ」
「うん。言ってるね」
「それでも付けたいの?」
「うん。それでも」
「なんで?」
「加奈には分かんないよ」

僕がどういう気持ちで君を見てるか。

加奈は不満そうな顔をした。眉を寄せて、唇を噛み締めている。

162:優しい陽炎(ゆうとと加奈)⑤
10/08/12 22:53:52 LOZFH0yV
加奈は一瞬黙った。だが、すぐに、机の側で立ち尽くす僕に笑いかけて首をふった。

「ならないよ。ゆうとがちょっと変わってるの、昔から知ってるし」

(ちょっと?)
僕は加奈から目をそらした。椅子を引寄せて腰をかける。
頭が痛い。加奈の言葉が耳の中でこだましている。
「ちょっとで済むんだ」
腹の中で、黒い何かがとぐろを巻き始めている。

「加奈はいつもそうだ」
「ゆうと、どうしたの?」
「黙れ」

乱暴な言葉使いに、加奈は一瞬躊躇した。

「ゆうと、また不安がきたの?」

不安がきたの?
加奈は僕の癇癪をいつもこう言う。
僕の異常性も、加奈にとっては『少し変』で終わり、ノイローゼ染みたヒステリーも『不安』の一言で片付けられてしまう。
僕は唇を噛む。皮膚が千切れて血が出た。

「ゆうとどうしたの? また私余計な事言った? ゆうとを不安にさせた?」

加奈は心配そうに僕に声をかける。意味も分からずに謝罪を繰り返す。

「ゆうとごめんね。どうしたの? ねぇ、教えて」
「僕の気持ちなんて加奈には一生分からない」
「そんな事ない。きっと分かるから」
「何を根拠に」
「だって私、ゆうとの事好きだから」
「だから、きっと理解出来るよ。ね?」

僕は加奈を睨みつけた。

「違う」
「え?」
「僕の好きと、加奈の好きは違う」

加奈は驚いた顔をした。でもまたすぐに心細気な顔に戻った。今にも泣き出しそうだ。

「何で? 同じ好きだよ。好きじゃなきゃ私、キスもエッチもしないよ。分かってるでしょ。私、ゆうとの事ちゃんと……」
「そうじゃない!」

僕が怒鳴ると加奈は目を伏せてうつ向いた。所在なげにベッドに座って、僕の言葉を待っている。
こういう時の加奈は辛抱強い。普段は反抗的で豪胆なくせに、こういう状況になれば、僕がどんなに理不尽な言動をとっても絶対に怒らない。
その物分かりの良さが、僕を苛立たせる。

「……加奈には分からないんだよ」

僕の『好き』がどういう類いのものなのか。何を意味するのか。きっと、一生、君には分からない。

「…ゆうと」
「僕と加奈は違う。話したって分かりっこない」

163:優しい陽炎(ゆうとと加奈)⑥
10/08/12 23:04:20 LOZFH0yV
加奈は純粋だ。無垢で清廉で混ざり気のない。

僕は小さい頃から一人ぼっちだった。父も母も家に寄り付かず、時折食料と金を投げ込む以外には顔を見せなかった。小学生に上がる時、僕は祖母に引き取られた。状況は大して変わらなかった。
成育環境のせいか、僕は少々陰気な少年に育った。
当然の事のように、クラスメイトからは嫌われた。嫌がらせもされた。
だけど僕は何とも思わなかった。傷つく事を知らなかったからだ。

そして5年生に上がり、そこで初めて加奈と出会った。
加奈は優しく僕を包んでくれた。衝撃だった。毎日が奇跡だと思えた。
こんなに親切で可愛い子が、僕の手を引いてくれる。
嫌がらせで教科書を捨てられたら、加奈は何処からか新しい物を持って来て、いつも僕にくれた(後で聞いたら無くしたと嘘をついて親に買って貰ってたらしい)。
ご飯も既製品しか食べた事がないと言うと、家に呼んで、暖かい食事を振る舞ってくれた。食卓という言葉の意味を、僕は初めて理解した。
僕はいつしか家族の一員として扱われるようになっていた。
優しいおじさんおばさん。
安全な寝床。清潔なお風呂場。居心地の良い場所。
環境が激変したのは私生活に留まらず、いつの間にか僕は学校で友達が出来ていた。
不思議な事に、加奈の側に居るとあっという間に人だかりが出来る。
その輪に入る事で、自然と僕の交遊関係は広がっていったのだ。
勉強し、遊び、家に帰る。勿論、加奈の家。
『この子、大切にしてね』
飼っていた十姉妹のうちの一匹を、加奈はそう言って僕にくれた。
手にした小さな命。幸せだった。何もかも。

そして、中学2年の夏、僕は加奈を犯した。
予兆はあった。
昔から加奈を見てると、突如として沸き起こる激しい感情。
それが何だか分からなかった。
ただ、鬱屈としたドス黒い激情は、日々僕の中で肥大化していった。
『愛憎』
その言葉に辿りつくのに時間はかからなかった。
愛憎。僕は加奈を愛していた。憎いほど。

だからあの日、加奈を犯した。
犯して犯して犯しまくった。

僕だけを見て欲しくて。僕の事だけを考えて欲しくて。他の何も考えられなくなるよう、僕の事だけを。

164:優しい陽炎(ゆうとと加奈)⑦
10/08/12 23:12:51 LOZFH0yV
だけど、汚すつもりで犯した体でさえ、彼女は寛容に受け入れてみせ(もしかしたら知らない所で苦悩したのかもしれないけど)、
それどころか僕を許して、付き合おうと言ってくれた。好きだと言ってくれた。
堕とすつもりが救われた。
でも、喜びに満ちたのはほんの一瞬で、僕の心境が変わる事はなかった。
暗い欲望。加奈が欲しい。全部欲しい。なのに手に入らない。
結局、残ったのは惨めな焦燥と自虐だけで、それは5年経った今でも変わらない。

「加奈は『与える愛』なんだよ」

新しい教科書、お揃いのシャーペン、暖かい家族に優しい友達。ペット。痛みさえも。
何も持って居なかった僕に全て与えてくれた女の子。見返りを求める事なく。まさしく無償の愛。
僕はそれを享受した。何一つ返せないと分かっていながら。そして手放した。彼女を傷つけたい一心で。

「結局、加奈は加奈なんだよ。僕が何したって。何を言ったって」

加奈を怒らせたい泣かせたい傷つけたい。
めちゃくちゃに打ちのめして悲鳴をあげさせて絶望の淵に叩き堕としたい。
でも加奈はいつだって優しい加奈だった。僕がどんな事をしても。
目の前で教科書を捨てても。シャーペンを折っても。おじさんおばさんに酷い言葉を吐いても。友達にかなの悪口をふきこんでも。祖母の家に戻っても。鳥を殺しても。
―犯しても。
加奈はいつだって僕を許して来たんだ。

『大丈夫。わざとじゃないって分かってるから。ゆうとが痛い痛いしてるの、かな知ってるもん。大丈夫だよゆうと。かなはずーっと一緒だよ』

加奈の純粋な明るさが優しさが僕を苦しめる。殺してやりたいぐらい憎いのに、でも、好きなんだ。
この矛盾を、僕はどうしたらいい?どうやって折り合いをつける?

「加奈は僕の苦しみなんか知らないんだ」

本当は君を閉じ込めたい事。手足を縛って、擦りきれるまで抱いて、その口をめちゃくちゃに汚して、僕の名前だけを呼ぶように、犯して狂わせて犯して狂わせて。
そうして僕を見ながら死んでいって欲しい……なんて、そんな願望を持ってる事、君は想像すらしないだろう?

「僕は加奈とは違うんだよ。でも加奈はそんなの全然気にならないんだ」

165:優しい陽炎(ゆうとと加奈)⑧
10/08/12 23:26:18 LOZFH0yV
感情を自覚した時から気付いていた。僕は奪う愛。奪う事でしか満足出来ない。
加奈の一つ一つを奪って支配したい。傷つけて壊して縛りつけたい。
なのに、加奈の無邪気さが、優しさが、それに気付かない。僕の加奈を想う愛情が、それを許さない。
永遠に交わらない。
気付いたら涙が溢れていた。

「ゆうと?」

加奈が僕の頬に触る。
いつの間に来たんだろう。加奈はベッドから移動して、僕の目の前に座っていた。

「私は頭良くないから、ゆうとの難しい話は今はよく分かんない。でも、きっといつか分かる日が来るよ。絶対に」
「私、ゆうとが大好きだよ。愛してる。本当だよ」

加奈の唇が僕の唇に下りてくる。
ついばんだかと思うと、軽く音を立てて離れた。
そして優しく僕の涙を拭う。
小さな声で「かな」と呼ぶと、彼女はゆっくりと目線を合わせて、微笑んでくれた。

「ゆうと、好き。大好き」

あぁ、可愛い加奈。

…僕はどこに行くんだろう。
願望を捨て去る事も出来ないくせに、みっともなく加奈にすがりついている。
満たされないと知りながら、飽きもせず加奈を欲している。
消える事のない欲望。打ち勝つ手段なんてあるはずもないのに。

「加奈」

無理やり笑顔を作って加奈を抱き寄せた。
もう何度繰り返したか分からない戯言。でも、加奈が嬉しそうに笑うから。
僕はその言葉を吐く。言いたい事を押し殺して。離したくない一心で。

「僕も好きだよ」
(殺してやりたいほど)

加奈の白い首筋。
打撲のように赤黒く沈着し始めている僕の歯形がそこにある。
でも、これもすぐに加奈の心の中から消えるんだろう。
加奈の清らかな逞しさは、こんな傷跡も綺麗に押し流す。結局、加奈を引きずり下ろす事なんて僕には出来やしない。

(僕はどこまで追いかければいい?)
届きそうで届かない。
(僕はどうなる?)
傷つき疲弊する事を知りながら、それでも加奈と一緒に居たいだなんて。
(……どうなるのかな)

きっと、答えなんてどこにもない。

166:名無しさん@ピンキー
10/08/12 23:41:46 LOZFH0yV
終わり!
ヤンデレ男に引きずられないぐらい、明るい女の子を書きたかったんです……。多分、ちゃんとヤンデレSSになってるはず。多分。
嫉妬狂いも大好きだけど、自分で自分の首を絞めていくヤンデレも良いなと思いました。お目汚し失礼致しました!

167:名無しさん@ピンキー
10/08/13 02:10:45 i+eCT4aF
乙でした。
先の作者さん達とはまた違った魅力を感じた。
読ませてくれてありがとう

168:名無しさん@ピンキー
10/08/13 07:56:48 L/JkTPy+
>>157
すごく良かった。
ドキドキしながら読ませていただきました。

169:名無しさん@ピンキー
10/08/13 14:37:34 fuNuCPgV
荒らされ易いテーマだからsageて下さい
目立つと危険です

170:名無しさん@ピンキー
10/08/13 18:59:30 +ViXZ2ph
>>156-166
乙です!!!
加奈ちゃんにはこれからも狂ったゆうと君を嫌いにならず
暖かく包み込んでいって欲しいな
続きもあるなら期待したい
このままじゃゆうと君カワイソス過ぎなんでw

>>169
下手にそういうレスすると変な人がスレを見た時に
逆に目を付けられそうだが……

171:156です
10/08/14 18:05:54 D/rsfBZY
>>167>>168>>170ありがとうございます!
実は⑥辺りで割愛してしまった、中2ゆうとヤンデレ自覚→覚醒→レイプ描写があるんですが、それを加筆+修正してまた投下してもいいですか?それとも長文作品の連投は避けた方が良いでしょうか…
>>170
自分自身を追いつめてくヤンデレ男が書きたかったので、今後の展開が全く思いつきませんww
どうしたらこの男を収束出来るのか。
…誰か知恵を恵んで下さい(/_;)

172:名無しさん@ピンキー
10/08/14 18:25:27 2a/p5qBg
>>171
私は加筆+修正したやつを見たいから是非上げて欲しい。

173:名無しさん@ピンキー
10/08/14 20:33:19 V8vI/Sif
>>171
別に連投は避けなくても大丈夫
投下前と投下終了の告知をすれば良いだけ
出来ればヤンデレ自覚からレイプまでの動向が見たい

今後は加奈ちゃんが荒々しい神を宥めすかして甘やかす巫女の如く
付き合って行けば良いんじゃないかとw
まぁ、なんだかんだでゆうと君も依存しまくりだし
加奈ちゃんを殺したら後はもう死ぬしかなさそうだし
決行は無理そうだからね

174:156です
10/08/14 22:23:15 D/rsfBZY
>>172-173
分かりました!ありがとう!!!区切って投下しますが、長くなると思うので今の内に謝ります。すみませんm(_ _;)m
今から加筆して明後日ぐらいに投下します。
>>173
『荒々しい神を宥めすかして甘やかす巫女の如く』←やばいコレ。何かが降りて来ました。
この設定使って続編というか最終章みたいなの書いてもいいですか?

175:名無しさん@ピンキー
10/08/15 18:44:12 Wml5NIAK
腐敗臭がすさまじいな

176:名無しさん@ピンキー
10/08/15 19:49:25 XSR7PlDs
小さい頃から面倒見てた子を女性として好きになってしまって
近づく男がないように排除したりしながら
その子を自分好みにしつつ、依存させていくっていうのを
脳内で考えているが文章にできないジレンマ

177:名無しさん@ピンキー
10/08/15 21:44:53 1QCay0si
>>174
続き待ってる

>>176
源氏物語並みの調教劇ですね

178:名無しさん@ピンキー
10/08/16 04:59:08 gsTf1QBU
エロゲでも陵辱調教物が好きなんで
ヤンデレ男が好きな女の子にかなりエグくてエロい調教を施して陵辱するのが読みたい

179:名無しさん@ピンキー
10/08/17 00:06:42 J5XsZMkh
「師匠」
「ん?」
「また男の子がお話してくれなくなっちゃった」
「そう。なんでだろうね」
「仲良くなれたと思ったのに、この前の授業参観から
 みんな話しかけてくれないし、話しかけても冷たいの」
「……そう」
「師匠、なんで笑うの!」
「別に。男の子なんか仲良くなれなくていいだろ、
 僕がいるんだから」
「……うん!」



セリフだけだとヤンデレかどうか分からないな

180:名無しさん@ピンキー
10/08/17 14:55:11 2Ta7Esxb
こんなスレがあったのか。

天女とヤンデレ男の話が書きたいというか読みたいのであらすじだけ書いて投下。
エロ小説スレなのにエロなくてすまぬ。



湖に水浴びにきた天女に片思いした男が羽衣を隠し、こっそり燃やしてしまう。
帰れなくて困った天女を家に連れて行き甲斐甲斐しく世話をする。
一緒に暮らしているうちに天女はやさしくしてくれる男にほだされて
やがて真剣に男を愛するようになるが
男はもともと羽衣を燃やしてしまった引け目もあり疑心暗鬼から次第にヤンデレ化。
「お前は天に帰れなくなったから俺のそばにいるだけだろう?」
「羽衣が目の前にあったらすぐさま俺の前から去るんだろう?」
天女は否定するが全く聞き入れてもらえず
逆に暴力を振るわれ、監禁拘束されて陵辱の限りを尽くされてしまう。
心身ともに擦り切れていく天女。

そんなある日、天女の元に天界から羽衣を携えた使いのものが一人現れる。
行方不明になった天女を探しにきたのだ。
「やっとお前の長年の望みがかなうなぁ、ははは嬉しいだろう。」
「ええ、やっと。気が狂いそうなくらいこの日を待っていました。」
「・・・そうか。」
絶望した男は自ら鎌で首を切り、身動きできない天女の前で自殺する。

拘束から開放され、羽衣を手渡された天女は
体を清めてから帰りたいから、と湖に使者をつれていく。
水浴びの間後ろを向いていてと頼まれて後ろを向いた瞬間
羽衣に隠し持ってきた鎌で天女は使者を殺し、
再び男の家に羽衣と鎌を片手に戻ると
男の亡骸の前で羽衣を鎌でバラバラに切り裂いた。

「ずっとこの日を待っていました。
 こうして貴方の目の前で羽衣を私の手で引き裂かなければ
 貴方はきっと私を信じてはくれなかっただろうから。」

うつろな瞳で天女は微笑み、
鎌をそのまま自分の胸につきたてた。



以上です。

181:名無しさん@ピンキー
10/08/17 22:11:20 IFc/dgI4
>>180
ヤンデレ×ヤンデレ(前者と意味が異なる)
って感じですね、新しい

182:名無しさん@ピンキー
10/08/20 10:14:10 3+BQQSXD
>>179-180
お二人共乙
こういうのも良いなぁ

>>179
これは師匠が排除してるんですよね?w

>>180
男がヤンデレと思ったら女が上回っていたw

183:名無しさん@ピンキー
10/08/20 20:36:44 ysY/ra4v
>>182
179だけども、そう。
師匠が病んでて、女の子を独占しようと色々して。
でも女の子はそんなこと気づきもしない的な……

ちゃんと話にできず申し訳ない

184:名無しさん@ピンキー
10/08/21 00:22:41 5E7EUtQy
>>183
素晴らしい師匠だ
なるべく両思いで女の子が師匠のヤンデレっぷりを
知った後もズブズブでラブラブなら尚良いw

185:名無しさん@ピンキー
10/08/21 01:29:28 rIpsvGlN
>>184
ありがとう!そう言ってもらえると嬉しい。
ちなみに二人はラブラブだw

>>174殿が来るまでの暇つぶしになればと思い、
>>179を頑張って文章にしてきた。
拙いし、慣れてないし、エロもまだないが……

短いから、2レスくらいで済むと思います。

186:師匠と弟子少女 1/2
10/08/21 01:30:35 rIpsvGlN
 学校が終わって、走って家に帰る。
 私が帰る時間になると、師匠がいつも家の鍵を開けておいてくれるから
私は一目散に、ドアを開けて中へ飛び込んだ。

「師匠、ししょー!」
「誰ですか勝手に家に入らないでください」
「あっ、えっと、ただいま師匠!」
「おかえり」

 ただいまを言い忘れたことに気付いた私に師匠は
 早く手を洗ってきなさいと促す。

「おやつ、ある?」
「冷蔵庫」
「わーい」

 師匠は、9歳で親に捨てられた私を引き取ってくれた不思議な人。
 これまで数年、家事や勉強、遊びや護身術と、あらゆることを教えてくれた。
 だからこその「師匠」だ。

 …本当は一度だけ、お兄ちゃんとかお父さんとか、普通の呼び方も試してみたけれど、
 それはやめてくれ、と言われた。

「今日は学校楽しかった?」
「うん。でも……」
「ん?」

 冷蔵庫に入っていたケーキを取り出して、
 そこで、学校のことを思い出す。

「師匠。私、また無意識に人の嫌がることをしたみたいなの」
「またかい」
「うん。だって、また遊んでくれなくなっちゃった」
「……そう」

 私が中学校に入ってしばらくした頃だろうか。


187:師匠と弟子少女 2/2
10/08/21 01:33:50 rIpsvGlN
 それまでいつも、遊びの話だとか、テストの話をしていた
 クラスメートの男子が、急によそよそしくなったのだ。

 女子は今までどおりだから、いじめではないと思う。
 なぜか男子だけ、誰かと仲良くなるたび、急に―
 不定期にではあるけれど、必ずそうなった。
 だから私は、もう男子と話すこともあまりなくなってきている。

 男子どうこうより、友達がいなくなることが寂しい。

「気にしないの」
「師匠」
「君の友達が君を嫌いになっても、僕は絶対に嫌いにならないよ。
 だから、気にすることはないさ」

 うつむく私の髪を撫でてくれる師匠は
 とても優しい目をしていて、私はたまらず抱きついた。

「師匠大好き」
「知ってるよ」
「昨日、授業参観に来てくれたでしょ。
 みんな、師匠かっこよくて羨ましいって!」

 師匠は私の自慢だよ、と見上げたとき、何故か師匠の口角がつり上がっていた。

「師匠、なんだか楽しそうだね」
「楽しいからね」

 何が楽しいの?と聞いてみたけれど、答えてはもらえなかった。



188:名無しさん@ピンキー
10/08/21 01:37:04 rIpsvGlN
尻切れトンボな感じでごめん……

じゃあ、スレ汚し失礼しました。
皆さんの投下を楽しみにROMってます。

189:名無しさん@ピンキー
10/08/21 20:47:01 ni9G47eY
素朴な疑問。
ヤンデレものって大体現代物が多いけど
このスレ的には魔物とかメイドロボみたいなSFとかファンタジーとかはOKなの?


190:名無しさん@ピンキー
10/08/22 00:13:35 X0Vswd1t
>>185-188
乙です!!
しかしこれは女の子の両親もw

>>189
何故駄目だと思うのです?
大丈夫に決まってます

191:名無しさん@ピンキー
10/08/23 11:03:09 zJtk/Ixe
>>174
続き待ってる

192:名無しさん@ピンキー
10/08/28 19:52:00 23EEct1j
投下期待

193:名無しさん@ピンキー
10/08/31 22:40:10 fWNzFu2T
みんな規制されちゃってるのかな

誰にも気づかれず、愛する女性にすら本性(病んでる部分)を気づかせず
自分が人から「異常」と言われるのを分かった上で、上手く女性を自分のものにするっていうのが好きなんだけど
話したら友達に引かれたぜ

194:名無しさん@ピンキー
10/09/01 00:21:33 vMNwenB8
>>193
無茶苦茶俺好みの設定で吹いたw
でも確かに普通は引かれるかもなw

195:名無しさん@ピンキー
10/09/02 23:42:41 fw6H/Fn0
過疎ってる

196:名無しさん@ピンキー
10/09/06 22:06:31 yaFMgKHo
ヤーンデレデレヤーンデレー♪

頑張って考えても文章にするの大変。あげ

197:名無しさん@ピンキー
10/09/07 00:31:04 SkLXIsPD
男が病んだら犯罪者になっちゃうぞ

198:名無しさん@ピンキー
10/09/07 00:38:35 CXYXwq5p
女だって病んだら犯罪者になるだろww

199:名無しさん@ピンキー
10/09/07 04:05:52 EENu9BO+
>>197
だがそれが良い
女のヤンデレより性犯罪者臭全開なのが良いのだ

200:名無しさん@ピンキー
10/09/07 20:44:26 yZ8LCa/N
若い人は知らないと思うけど、横溝正史著の「三つ首塔」に出てくる主要登場人物
(金田一じゃないよ。)は、かなりのヤンデレ。ここの人の気にいると思う。
子供の頃うっかり者の親と一緒にドラマで見てしまい、トラウマにw
っていうか男ヤンデレ好きの属性になってしまいますた。オヌヌメ

あと、シンドラーのリストも、ユダヤ人収容所の所長とユダヤ人女性との
萌えシーンあったなー。

201:名無しさん@ピンキー
10/09/07 21:07:37 CXYXwq5p
なにそれすごく気になる

202:名無しさん@ピンキー
10/09/08 09:26:14 xEXGqaNs
最近見た海外のドラマの犯人が男ヤンデレだったわ
ドラマ自体はつまんなかったけど

203:名無しさん@ピンキー
10/09/08 14:37:45 A94NAaQN
スイーツスレw

204:名無しさん@ピンキー
10/09/08 15:44:01 CRnq9xuR
人間不信とか荒んでた奴が純粋に自分になつく女の子に心を開き
……までは普通に見えて

やがて人間不信だったのが災いして
女の子に執着し、女の子を独占しようとする
そんなのも考えたがこれはヤンデレなのか

205:名無しさん@ピンキー
10/09/08 20:54:24 h2/SAZxS
>>204
ヤンデレだと思うよ
自分は度を越えた執着はヤンデレだと思ってる

206:名無しさん@ピンキー
10/09/09 00:21:39 Pa3/zJdN
>>204
それが良いんだよ

207:名無しさん@ピンキー
10/09/09 09:15:48 DhOvzVbK
>>205-6
204だけど、そうかヤンデレか。ありがとう

なんというか、男は信じられるのが女の子しかいないのに
女の子には友達とか大切な人がいて、それが嫌だ…
みたいなのを考えていたんだ。
語彙がないもんで、文章下手ですまんw

男ヤンデレいいよ男ヤンデレ

208:名無しさん@ピンキー
10/09/09 21:55:44 Pa3/zJdN
>>207
男側がマトモに友達も居ないような奴でヤンデレ
女の子側は友達、知人一杯なのは良いな
萌える

エロが濃厚で変態的で男側がドSなら良い

209:名無しさん@ピンキー
10/09/10 17:55:05 sfaRDaA5
ぬるすぎワロタ

210:名無しさん@ピンキー
10/09/10 18:20:14 lgKCKnEU
個人的にはキツい方が良いので良いネタを落として欲しい

211:名無しさん@ピンキー
10/09/10 18:26:12 /W2nornh
204・207だけど、いつか持って来られるように
ちょっと変態エロヤンデレ野郎の文章を練習してくるよ。

ヤンデレ男の設定ならいっぱい考えられるのになーww

212:名無しさん@ピンキー
10/09/11 01:17:43 ZWmdnxAo
>>211
楽しみにしてるよ
鬼畜で変態でエロいヤンデレ男に犯される女の子ハァハァ

213:名無しさん@ピンキー
10/09/12 00:30:56 RObqY0OH
貴志祐介『悪の教典』の主人公ハスミンこと蓮実先生がかなり良い感じ
愛はなく、目的のためならなんでもする天才サイコパス教師なだけだけど
ネタバレになるから言えないけど、ヤンデレっぽい要素もある
なによりかっこいい

214:名無しさん@ピンキー
10/09/12 20:06:47 LVY5bpa0
そういえば歪みの国のアリスもヤンデレ男いるな
主人公のアリスの母親の彼氏がそんな匂いさせてた。

215:名無しさん@ピンキー
10/09/12 20:50:05 Z+DtsyIn
>>214
言われてみれば……
あんぱん達の強烈さしか頭に残ってなかったです。
思い出してみれば、うさぎは最初からフルスロットルでヤンデレですね
チェシャもエンドによっては…?

216:名無しさん@ピンキー
10/09/12 21:09:21 jbn+axwS
Janne Da Arcの7-sevenがヤンデレ過ぎてときめく

217:名無しさん@ピンキー
10/09/12 21:30:28 KGqQQuc2
>>174
続きはマダーですか?

218:名無しさん@ピンキー
10/09/14 01:47:39 w/0iO9Dv
保守

219:名無しさん@ピンキー
10/09/16 02:37:37 XugukE83
年の差夫婦(まだ作中では婚約中)の変態的夜の営みを妄想して書いてみた
夫がどうしようもない駄目なロリコン男で暴力も振るう
妻はロリで健気
暴力と放尿がある、というかそれしかないのでご注意ください

220:青田買い 1/2
10/09/16 02:39:11 XugukE83
この国の男女は同じ階級同士でしか結婚できない。
上の階層に行くほど結婚できる相手の数は限られてくる。
だから上の階層の男どもは婚姻最低年齢に達していない女を見つけるとひどい青田買いをする。
ひとまず婚約をしておいて、手元で女を育てつつ、女が婚姻最低年齢になるまで待つのだ。

自分は上から二つ目の階級だ。
自分もこの国の最低な男どもの一人であり、手元で未来の妻を育てている。
名前はキオ。
彼女を見つけて婚約した時は彼女は11歳だった。
それから数年経つが、彼女は相変わらず素直で明るく可愛い性格だ。人懐こい仔犬に似ている。
彼女も一途に私のことを想ってくれる。
私達はきっと良い夫婦になる。
だからこそ私は今夜も他の女を抱く。

翌朝彼女が暮らす奥の間をこっそりと覗くと、案の定彼女は私を想い、丸い目にいっぱい涙を溜めて、私のプレゼントした手巾を握り締めていた。
私を想い、私が抱く女に嫉妬し、一人涙を流す彼女の愛らしさといったら天下一だ。
しくしくと泣き濡れる彼女の姿に私はひどく興奮し、女を抱いてきたばかりだというのに一人こっそり自慰に耽る。
私はけして女が好きだから女を抱くのではない。
婚約者であり数年後に妻となる彼女を嫉妬させるために、女を抱くのだ。
どんな美しく素晴らしい女を抱けば、彼女は嫉妬し、泣き喚き私に縋りついてくれるのか。
その姿を想像するとどうしようもなく楽しくて私は今夜の女を見繕うのだった。

可愛い婚約者に対してそのようなひどい仕打ちを働いていたある日、私はたまたま家の門の前にキオと一人の若い男を見つけた。
二人は手を握り合いくつろいだ表情で何事かを話し合っていた。
私はその彼らに忍び寄ると、キオの腰を掴み抱き上げて、家の中へ無理やり戻した。
奥の間に入ると、キオを下ろして、畳の上に押し倒す。
「キオ。さっきの男は何だい」
キオは震える声で「あれは三番目の兄です」と答えた。
「兄だろうと何だろうと、婚約中の女が夫以外の男の手を握るとは何事だ。実家とうちでどうゆう教育を受けてきたんだ」
キオの頬を打つと、彼女の透き通るような白い肌が赤く染まる。
私はキオの表情の変化をじっと観察する。
初め驚きで呆然としていた顔が、見る間に歪み、眉が下がり、目尻に涙が溜まる。
桜色の唇は肩と同じようにぷるぷると震えだす。
涙で潤んだ瞳で私を見上げてくる。
「ユーヒさん。ごめんなさい……もう今日みたいなことはしません」
「ああ。そうだ。しばらくこの部屋から出るな。反省しろ」
そう命じて、私はその部屋を出た。

221:青田買い 2/2
10/09/16 02:40:06 XugukE83
日が沈み夕餉を食べ終わっても、その夜はどこにも行く気がしなかった。
はたして婚約者は私の言いつけを守り部屋から一歩も出ていないか。
そればかりが頭のほとんどを占めていた。
女中を捕まえてキオの様子を尋ねると、人払いをして、部屋に篭っているとのことだ。
戸の隙間から覗いてみる。
キオはその場に正座し瞼を閉じている。
思わずキオの長い睫毛と細い顎に見惚れる。
我に返ると女中から桶を借りて、キオの部屋に入り、後ろからキオを抱きしめる。
「一歩も外に出ていないな」
彼女は何度も無言で頷いた。
ということは彼女は何時間も用を足していないということになる。

私は桶を畳の上に置き、キオの服の裾を捲り上げ、下着を下ろす。
彼女は控えめに抵抗したが、昼間あんなことがあった後では彼女が強く出れるはずがない。
背後から彼女を抱きすくめた状態で彼女の露わとなった下半身を見下ろす。
とても成熟しきった体とはいえないが、下腹やふとももの辺りに少し肉がついてきているようだった。
下腹部に触れるとそこはパンパンに張っていた。
桶を彼女の股の下に来るように移動して、彼女の左の膝裏を抱え上げると、羞恥から彼女の頬を一筋涙が伝い落ちた。
「ほら、ここに出してしまいなさい」
「いやぁっ……お願いです、やめてください」
軽く彼女の下腹部を押すと、彼女は「ぐっ」と呻いて、下唇を噛んで耐える。
しかし彼女の体は用を足したがっている。
次第に彼女の額に脂汗が滲み、顔に赤みが差し、呼吸が乱れてくる。
「ほらっ」
「だめ、押さないでぇ……」
なかなか出そうとしない彼女の下腹部から下に手をずらして、正面から見れば丸見えな彼女の陰核に触れる。
皮を剥き、外気に晒される敏感な場所をくりくり弄ると、彼女はあられもない声を上げて、左足を痙攣させる。
「そこだめぇっ!」
陰核への刺激を続けながら、さらに尿道口に触れる。
そこからじわりと少量液体が滲み出た。
「ほら、ちょっと出た」
我ながら残酷なほど楽しそうな声で愛しい妻に囁くと、彼女は汗で濡れた首筋に艶かしく髪をはりつかせながら、狂ったように頭を振っていた。

十代の少女には体力的にも限界が来ていた。
最後にぐっと強く下腹部を押さえた次の瞬間、彼女の下半身にぐっと力が入り、つま先がぴんと伸びた。
「やぁぁああぁあぁああ……!」
琥珀色の液体が勢い良く噴出し、桶の中へと注がれていく。
彼女はまるで女が絶頂に達する時のように全身を震わせながら絶望の色を滲ませたか細い喘ぎ声を出し続けた。
ぴちょんと最後の一滴が零れ落ち、桶の中に波紋を作る。
彼女は私の胸に背中を預けぐったりしたまま静かに涙を流した。
いつの間にか私は勃起していたが、彼女を観察することに忙しく、彼女を犯したいとは不思議と思わなかった。


222:名無しさん@ピンキー
10/09/16 02:44:23 XugukE83
以上です
この夫は妻に接する時はやたらツンツンしてますがいつも内心妻にハアハアしまくってます
ヤンデレ要素薄くてすみませんでした

223:名無しさん@ピンキー
10/09/16 10:26:30 vkcK1mf4
>>222
乙です!
嫉妬させたいから浮気とか、なのにキオちゃんが他の男と話すのは
許せないとか、旦那十分に病んでると思うよ!
これからどうなるか楽しみだw

224:名無しさん@ピンキー
10/09/16 22:56:15 MZtcjzZe
>>219-222
GJ過ぎる
キオタンが可愛い過ぎて激しく萌える
この駄目男は今後も鬼畜で糞な行動を取るべき
続き待ってます

225:名無しさん@ピンキー
10/09/17 00:00:59 pnMgvn0j
>>222

キオちゃん可愛い
俺もキオちゃんの前で他の女と犯って泣かせたり
キオちゃんに言い掛かりを付けて折檻したり
無理矢理放尿させたりしたい

226:名無しさん@ピンキー
10/09/18 01:43:18 ryOe42r2
>>222
GJ!!
ヤバい続きが気になる
これは普通にヤンでるし全然おkだと思いますよ。

>>141さんの虐めっ子な男ヤンデレとか
>>174さんの続きとかも待ってる

227:名無しさん@ピンキー
10/09/18 21:14:02 1hpmPNdm
各作品の続き期待

228:名無しさん@ピンキー
10/09/21 23:27:13 aUpl+BmW
そろそろ投下来るか?

229:222です
10/09/22 22:39:19 pYRJnz7K
レスありがとうございます
相変わらずヤンデレ要素は薄いですが続きを書いてみました
ただの痴話喧嘩で妻にお仕置き緊縛してます
途中でぬこを虐待している描写がありますのでご注意ください

>>226
実は>>141も自分です
少し違う方向にいってしまいこうゆうものができました

230:浮気の代償 1/2
10/09/22 22:42:34 pYRJnz7K
相変わらず私は性懲りもなく女を買い続けていた。
女の顔といえば私はキオの顔しか見ていないような男なので抱いた女の顔などは覚えていないが、抱いてきた女はどれも評判の美しい女だったようだ。
というのも私の婚約者の彼女は特に美しい二十歳前後の女に嫉妬心を駆り立てられ、よく泣いてくれるので、条件に合う女を見繕ってもらっていたからだ。
しかし最近になって遊郭から出入り禁止を言い渡された。
彼女と喧嘩をして機嫌が悪い時に擦り寄ってきた遊女に酒をぶっかけて突き飛ばしたのがどうも悪かったらしい。
いや、とりあえず遊郭に来たという事実を作るために部屋に居座っただけで女と口も聞かずにいたのが悪かったのだろうか。
理由は忘れた。どうでもいい。
親父に太鼓のばちでケツとふとももを死ぬほど叩かれたのはさすがに堪えたので、しばらくは家で大人しくしていた。

家にいたらある日こんなことがあった。
彼女の猫が彼女の大事にしている絵で爪を研いだのだ。
彼女は動物のやることなのでと以前と変わらずに猫を可愛がっていた。
それが面白くなかった。
彼女が母親と出かけている間に小銃で猫の額を打ち抜き川に捨てた。
家に帰ってきた彼女は二度と帰ってこない猫の姿が見当たらないと猫の心配をしていた。
一週間も経つと「きっと死に際を悟って出て行ったのだろう」と諦めていたがそれでも落ち込んでいた。
私が約一年半後に妻となる婚約者のために仔猫を飼ってきて彼女に贈ると、それはもう満開に咲いた花のような笑顔を私に見せて喜んでくれた。
猫には悪いが彼女のためならば私は何匹でも猫ぐらい殺せると思った。
だからうちでは猫を飼うことをやめない。

女遊びは控えていたが、キオの女中に誘われたので、キオの部屋の隣室で事に及んだ。
終わった後襖にわずかな隙間が開いていたのを確認し、自然と頬が緩む。私がいつもするように、彼女も覗いたのだろう。
翌日からの彼女はというと、何も喉を通らないほどにショックを受けている様子だと母親に聞かされた。
さらに私の性格も悪い癖も知っている母親には、すでに女中に手をつけたことがいっていたのか、
「あんまりにもキオさんを苛めるならばキオさんを実家に戻しますよ」と釘を刺された。
彼女を手放す気は全く持ってさらさら微塵もない。
いい加減にしておかなければ彼女の元許婚も出しゃばってきそうだと改めて危機感を抱く。
これからが彼女は女ざかりだ。彼女を手に入れたからといって、慢心していては、今度は逆に彼女を横取りされてしまうことになりかねない。
あくまでまだ私達は婚約段階で社会に認められた男女ではない。

足を忍ばせ、物音を立てずに襖を開けて、そろりと彼女の部屋を覗く。
ちょうど彼女は婚約指輪を指から外し箱に戻しているところであった。
「キオ!」
彼女の名前を叫ぶ。振り向いた彼女の赤い目尻には涙が溜まっていた。
「どうして私が贈った指輪を外すんだ?」
「……私は、ユーヒさんの妻にはなれません」
「どうして?」
首を横に振る。
それから何を聞こうとも彼女は首を横に振るばかり。
元来彼女は頑固者だ。
私の求婚にも最後まで頷かなかったのは、彼女の両親ではなく、何を隠そう彼女自身だ。
―喋らないならば喋らせるまでだ。

231:浮気の代償 2/2
10/09/22 22:43:35 pYRJnz7K
実のところ彼女の裸を見るのはこれが初めてのことだ。
現在彼女は畳の上に仰向けに転がされ、惜しげもなく裸体を私の前に晒している。ただし上半身は後ろ手に縄で縛り上げられて。
彼女の体力のことも考えてぎちぎちに縛り上げているわけではない。
しかしながら、乳房は上下の縄で縛られ通常よりも彼女の胸を大きく見せ、色素の薄い桃色の乳首を押し出している。
二の腕の柔らかい肉に縄が食い込んでいるところは思わず触れてしまいたい。
彼女の下半身には何にも施さなかったが、彼女は太ももをぴっちりと閉じ、逆に不自由そうにしている。
ちらりと太ももと下腹の間を見下ろすとまだ陰毛は生え揃っていなかった。
まだ若すぎるくらいの彼女の体だが私のみならず男を興奮させるには充分な魅力を放っている。
そしてなにより社会的に高貴な身分の女を罪人のように縄で縛る、この倒錯感に酔いしれずにはいられない。
「それで、どうして婚約指輪を外した?婚約破棄する気だったのか?」
彼女が婚約破棄をする気でも、双方の合意なしでは勝手に婚約破棄はできない。
私は婚約破棄するわけがないので彼女がその気でも逃がしはしない。
彼女に問い詰めても彼女は私から顔を逸らし黙り込んでしまう。
顔を背けた際に見える彼女の頬の線も滑らかで美しい。
この前のように何時間も放置してその場で放尿もいいが、せっかく彼女の体にお仕置きできる絶好のチャンスを棒に振るのはあまりにも惜しい。
彼女の頬に手をあて、首から鎖骨、乳房へと手を滑らせていく。
乳房を両手で掴みマッサージをするように揉みしだく。
普段から彼女とくちづけすることはあっても今まで性的接触はほとんどなかったので、彼女は顔を真っ赤にして、目を見開き私を見上げる。
「ほらほら、言わないと痛いことをするぞ」
彼女はやだやだと頭を振るが口を開こうとしない。
仕方なく両乳首を抓み上げた。
「ひぁっ」
突然の鋭い痛みに彼女は短い悲鳴を上げて、はくはくと口を開けて酸素を吸う。
まだ痛みの引かない乳首を引っ張ると、痛みに可愛らしい高い声を上げる。
「痛いから、やめてください……」
「で、婚約を破棄してほしいのか?」
乳首を引っ張るのをやめて、彼女に問いかけながら優しく乳房を揉み、乳輪を円を描くように指でなぞる。
「婚約を破棄したいのではなくて……でも……」
彼女の瞳にぶわりと涙が溜まる。
「ユーヒさんは他の女性が好きなのでしょう……?私はお飾りの正妻にするおつもりなのでしょう?」
妻から見た私の顔は目が点になっていたことだろう。
私が愛しているのは妻だけだ。子供を作り一緒の墓に入りたいと思っているのも正妻の彼女だけだ。
特別な問題が起こらない限りは妾を持つ気はない。
しかし妻は私が妻以外の女を好きで、妻をお飾りの正妻にしようと思っているなどと勘違いしている。
何故そんな勘違いを―といいたいところだが、すべて私の言動が原因なのは自覚している。
彼女に妻はキオ一人だけで、お飾りの正妻にするつもりもないと伝えるが、信じてもらえなかった。悲しい。
彼女を縛っていた縄を丁寧に解き、できうる限り優しく妻の体を抱きしめる。
「私が生涯に愛する女はキオだけだ」
「そんなの……嘘です。今だってあなたは他の女性を抱いて……ずっと一緒にいたら、私も老いていって、若くて美しい女性がきっとあなたの目の前に現れる」
「そんなことを言ったら私の方がキオよりもずっと早くおじさんになって、おじいさんになるよ」
軽く彼女の口を吸うと、彼女の怒っていた顔が少しだけ和らいだ気がした。
「その言葉が本当ならばもう他の女性のところに行かないでください。その……私のことは、好きにしてくださって構いませんから……」
僅かに私の服を握る彼女の手に力が入った。
彼女はいつから夫を誘う術を身につけたのだろうか。末恐ろしい。よし、子供は少なくとも5人だ。
この一件により、私の華々しい女遊びの日々が幕を閉じ、妻との子作りの予行練習の日々が始まったのだった。


232:名無しさん@ピンキー
10/09/22 22:51:10 pYRJnz7K
以上です
エロも少なかったような
浮気はやめたみたいですが性欲が幼妻に全部向かってしまうのもどうかと

233:名無しさん@ピンキー
10/09/23 02:10:46 OKN7MZfC
>>229-232
キオちゃんが可愛らしくて健気でいじらし過ぎるから萌えて悶え狂いそうw
このおっさんマジ鬼畜ですね、大好きだけど
しかしキオちゃんには元許婚が居たのか…強奪編とか見たいかも
キオちゃんがどういう変化でこのおっさんを受け入れたか気になる

このおっさん性欲だけは異常みたいですしね
でもそんな強烈な性欲の餌食になるキオちゃんが楽しみですw

後、余裕があるのなら全力で好きな子を虐める
虐めっ子ヤンデレ男の話も是非w

234:名無しさん@ピンキー
10/09/23 18:45:19 xYCHQMN7
>>229-232
乙!!年の差は萌えるなあ
子供は少なくとも5人に笑ったw


235:名無しさん@ピンキー
10/09/23 21:30:54 sWpcs4HJ
>>232
旦那はマジヤンデレだと思うw
あまり身体が丈夫じゃない幼妻が年上の性欲全開の夫を受け止めるとか
股間もとい胸が熱くなるな……


そして子供は5人に俺もワロタw

236:名無しさん@ピンキー
10/09/24 02:20:17 hxO7z/zS
>>229-232
>その言葉が本当ならばもう他の女性のところに行かないでください。その……私のことは、好きにしてくださって構いませんから……
キオタンがドMになりきれるかが勝負の分かれ目ですね、わかります。
続き待ってます。

そして>>141ネタを待ってます。

237:名無しさん@ピンキー
10/09/25 16:53:13 z18TIECH
 彼は中性的な美しい容姿さえとればこの屋敷にありふれた召使いの一人だった。
 気まぐれ、というか幼い少年を好む気質の母から気に入られ孤児院から引き抜かれ、ここで執事の勉強をしながら育てられた。
 以前家族から酷い捨てられ方をしたと聞いた。そのせいか否か彼は誰にも心を開こうとしなかった。
 無口で無表情で、近寄ってくるものをすべてはねのけてしまいそうな感じがして幼い故に彼に怯えた眼差しでみてしまった。
 傷つけてしまっただろう。

 名前なども聞いたことはなかった。
 だが年を重ねるとまた違うもので彼を見かけるたび心の隅で哀れみ、いつか彼の笑顔が見れる日がきたらいいと思っていたりする。
 言い方によっては一目惚れ、かもしれないが。


「ベティ、ちょっと話があるの」

 そんなある日、妙に上機嫌な声で母から呼び止められた。
 何かおねだりでもしてくるのかと思ったが彼女はレモンティーを啜って、ただ一言。

「あなたへの誕生日プレゼントよ」


 しかし私の部屋のド真ん中に置いてあったのは誕生日プレゼントではなかった。物ですらない。
 真っ暗の燕尾服をきこなす細身の長身。月のような輝きを持った金髪、くりっとしたエメラルドグリーンの瞳。
 中性的な美しい顔立ちの、彼だ。

「…………」

 彼は何も喋らない。ただその瞳で無表情に私を見つめるだけだ。
 何か動物的な思わず引き下がりそうになる。

「あのごめんなさい、失礼かもしれないけどあなたが……母からの誕生日プレゼント?」
「はい」



238:名無しさん@ピンキー
10/09/25 17:01:12 z18TIECH
前置きとか書き忘れた死にたい

239:名無しさん@ピンキー
10/09/25 17:08:59 anblKe+a
まぁまぁ、死なずにとりあえず今から説明すればいいじゃないか

240:名無しさん@ピンキー
10/09/25 17:21:03 z18TIECH
ありがとう

分かりにくいけど一応ヤンデレ。主従関係。従者が男。
諸事情によりちょこちょこ(一時間くらい)間が空くしグダグダ長いしオチは特にない
主従とかいってるけど従者が主人に暴力を働いたりする。

お暇があればせいぜい目を通してやってください。

241:237
10/09/25 17:54:53 z18TIECH
 慌てて彼を私の部屋に置いてけぼりにしたまま母の部屋へ駆け込んだが母はこともなさげににしていた。
 貴族の娘が16にもなったからには従者が必要だろうと母は言うが、そこは普通婚約者とかじゃないのか……。
 ちょっとがっかりしつつ、でも彼が大嫌いという訳でもないので笑顔を作り部屋に戻る。
 相変わらず彼は部屋の真ん中で無表情に突っ立っていた。

「とりあえず座ったら? ……えーと」
「ジャクリーンとお呼びください、ベティ様」

 ベティ様。名前を知っていたのか。
 彼のはじめて聞く声で呼ばれると自然と胸が高鳴ってしまう。
 ずっと見守っていた彼が、私の従者。嬉しさが噴出してくる。
 (……姉さんたちにとってはもう普通のことなんだろうけど)
 だがそれでも義父に溺愛され幼いころから執事がいた姉たちと比べると少し落ち込んだ。
 後妻である母の実の娘なのだから仕方ない。
 でも、嬉しいことに変わりない。そう思いなおすと笑顔で彼に手を差し出した。

「よろしく、ジャクリーン」
「よろしくお願いいたします」

 ジャクリーンはそう言うと私の手をとりすっと膝をおってひざまずいた。
 手の甲が彼の顔に近づく。

「え」

 ちゅ、と音を立てた。
 ああそうか、従者ってこういうものか。新しい友人のように思い握手を求めたつもりだったのでかなり動揺してしまった。情けない。
 顔があつくなってくる。今さらになって昔から男性に免疫がないのも恥ずかしく思った。
 まともに彼が見れずに顔を背けた。

「ベティ様」
「な、なに?」

 呼ばれてなんとか振り返る。

「わたくしはこの日を何より心待ちにしておりました」

 握った手はそのままに彼は立ち上がってふっと花が咲くようににこりと微笑みかけてくれた。

(……笑った)

242:237
10/09/25 18:31:06 z18TIECH
 ジャクリーンは思っていたよりも感情が豊かで声を上げることはないがよく私に笑いかけた。屋敷の皆が言うほど無口にも思えない。
 淡々と私の身の回りの世話をして自分の仕事をこなし、時には私の姉や父に対する愚痴を聞き時には二人で買い物に出かけたりもした。
 常に二人一緒。一日の何時だって離れることはなかった。 
 幸せだった。姉や父にどんな理不尽な言いがかりをつけられてもジャクリーンに話せば彼は必ず「大丈夫ですよ」と答え、そのたびに何故か安心した。
 春を過ごし、夏を過ごし、秋を過ごし、そして冬がきた。

「ベティ、ちょっとおいで。……ああ、ジャクリーンは席を外して頂戴」

 その日は大雪の日だった。ジャクリーンと共にサロンから帰宅するとリビングに父と母、それから見知らぬ青年とその母親らしき夫人が座っていた。
 青年は私を見ると取り繕ったような笑みを浮かべ、ソファから立ち上がった。

 なんでも彼はウェスティン公爵家の次男坊とのことだった。公爵家はかなりの財を持つし、たとえ次男坊でも邸宅の一つは貰えるだろう。
 婚約の話は当の私を置いて大人たちの間でだけどんどん進んでいく。
 頼りのジャクリーンはいないし婚約相手は私に目もくれない。隅っこの方で小さくなりながら一時間弱を過ごした。
 玄関まで公爵家の二人を送ると、父と母とは会話もせず階段にのぼり部屋に駆け戻った。


「じゃ、ジャクリーン……!」
「ベティ様」

 案の定彼は私の部屋にいてくれたので、思いっきり弱音をはきながらジャクリーンに飛びつくように抱きついた。

「なんか嫌な人だったよおおおおおお私を見てすらいなかったあああああうわああああ」
「…………」

 ジャクリーンは無言で私の腰に手を回し赤子を宥めるように頭を撫でた。

243:名無しさん@ピンキー
10/09/26 04:00:12 o98hinc2
>>237-238
>>240-242
乙!!
続き気になる

だけど投下終了時の告知は欲しいかも

244:名無しさん@ピンキー
10/09/26 12:23:59 Y9M3bSVH
このスレいいヤンデレいすぎて楽しみすぎるでござる

>>240-242はもう終わりなの?

245:名無しさん@ピンキー
10/09/28 11:52:10 NUTMWgst
>>244
流石にこれで終わりでは無いだろ……

246:名無しさん@ピンキー
10/09/28 20:39:36 mmhingVl
>>245
いや今回の投下って意味で…

247:名無しさん@ピンキー
10/09/29 21:13:08 waVyyYle
>>242の続き期待してます
これで職人さん規制とかだったら泣きそう

248:名無しさん@ピンキー
10/09/30 23:11:52 2nErZEzI
ちょっと書いてみたので空気読まずに投下
全3レス程度でエロは無し
一応ファンタジー物です

249:追いかけっこ 1/3
10/09/30 23:12:52 2nErZEzI
彼…『クラシス』は、今正に、愛しい人を追っていた。
大好きで、大好きで…気が狂ってしまいそうになる程、大好きで…。
想いを自覚してからは、何年も想い続け、追い続け、数年前に彼女は、自分の『婚約者』となった。
結婚と一言で言っても、当人同士は決して愛し合っている訳ではない。
所謂、彼女の父親と、クラシスの祖父が勝手に取り決めた、政略結婚の類なのだが、
クラシス自身、彼女と共に生きられる幸せを、世界の何よりも切望していた。
無論、結婚に対する彼女の意思は、完全に無視される形で話は強引に進められ、
数日後には、式が無事に執り行われる筈…だった。

これで、彼女の心が手に入る、彼女が僕だけを見ていてくれる。
積年に募る想いが、実りを結び、婚約が決まった瞬間、クラシスの心は歓喜に震えた。
後は、式を挙げ、蜜時溢れる新婚生活を夢見ていたその矢先に、彼女が、自分の前から突然姿を消したのだ。
(僕の全てを掛けて一生護ると誓ったのに、何故なんだ…?)
(――の欲しい物は、僕が必ず手に入れて見せるし、僕だけが――をこんなにも愛しているのに…)
(――の心は、僕だけのものだ…絶対、誰にも渡さない…)
そう、クラシスは何度も何度も繰り返し、思う。
彼女に逢えないもどかしさが、焦燥感となって、クラシスの心に現れる。
不安で、苛立つ負の感情が、じわりと広がると、精神を闇色に染め、そのまま蝕んで行く。
そんな時には、気持ちを落ち着かせるために、深く溜息を吐くと目蓋を閉じる。
目蓋を閉じると、浮かぶのは、彼の愛する彼女の笑顔。
耳を澄ませば、聞こえるのは、クラシスの名を呼ぶ彼女の声だけ。
今直ぐ逢いたい…声を聞きたい…。
抱き締めて温もりを分かち合いたい…。
彼の心全てが、今、『彼女』に魅了されている状態なのだ。

件の彼女…『リレア』とクラシスが初めて互いを知ったのは、二人が、未だ乳飲み子の頃。
二人の関係をあまねく言えば、幼馴染兼乳兄弟…という間柄で、
クラシスは、集落の長・ディランの孫として、この世に生を受けた。
クラシスの両親は、クラシスが生まれて直ぐに、流行り病で既に他界しており、
乳を与えるのに困ったディランが、丁度同時期辺りに、出産を控えていたリレアの母、
レーネに頼み込み、リレア出産後、乳母として、クラシスが乳離れするまで働いて貰っていたのが、
クラシスとリレア、二人の出会った最初のきっかけだ。
クラシスは、幼い頃より、長になるべくディランに期待され、学問やら一般常識等の、必要と成り得る、
知識を徹底的に教え込まれた御蔭か、気付けば、集落で一番頭の良い、賢い子供となっていた。

集落と言う、狭い土地柄、弥が上にもクラシスとリレアの出会う機会は多く、気が付けば物心付く前から、
自然と二人は共に学び、良く遊ぶ仲になる。

クラシス曰く、リレアの事自体、初めは、別に何とも思わなかったらしく、精々、思っていても、
『手の掛かる妹』程度のそんな思い…だった。

250:追いかけっこ 2/3
10/09/30 23:13:28 2nErZEzI
だが、その思いが打ち砕かれる一つの出来事が起こる。
リレアの運命が大きく変わった日の出来事に、クラシスは、当事者として、深く係わっていたのだ。
あの日は、彼にとって生涯忘れられない日となった。
話せば長くなるので、此処では割愛するが、ともかく、その出来事がきっかけで、
クラシスのリレアに対する想いが、兄妹愛のそれから、クラシスの一方的な、恋慕の情に変わってしまった。
それ以来、クラシスは執拗にリレアを追い回す様になり、リレアに好意を抱く集落の若い男共を、
庇護の名の下牽制し、序に権力と暴力を持って、排除し始める様になる。

「リレアは、僕の事…嫌いになった…のか…」
クラシスは溜息を吐くと、ぼそりと一言呟く。
自ら呟いた台詞が、不安感を煽り、心に影を色濃く落とす。
「…リレアに限って、そんなことは、絶対にあるわけない…よな…」
独りでぶつぶつ呟くと、近くの樹に背中を預け止しかかり、どうしてリレアが自分の下から突然、
何も告げずに姿を消したのかを、真剣に考える。
ふと見上げた、天から降り注ぐ柔らかな木漏れ日が、眩しくクラシスの顔を照らし出す。
「だったら何故…?」
木漏れ日の、暖かな光とは真逆な、暗く冷たい心の闇が、渦巻き、さんざめくのを感じながら、
クラシスは自分に都合の良い答えを、無意識の内に探していた。
「ああ…そうか…そうなんだ…」
目は全く笑ってはおらず、口元だけに笑みを作ると、納得の行く一つの答えにたどり着く。
「僕の事を…僕が、どれだけリレアを愛しているのか、試しているんだね…」
自分の愛を試されていると、勝手に思い込み、クラシスの心は甘く…歓喜に震えた。
これは、自分が普段からどれだけリレアの事を愛しているか…行動を把握できているのかを
リレア本人に直接示せる、千載一遇の好機ではないのか…?と、そう考える。
つまり、リレアを見付け、無理矢理にでも捕まえてしまえれば、リレアの全ては自分のモノ…と言う、
真実とはかけ離れた、随分と身勝手な…自分本位の答えだが、クラシスにとっては、それでも良かった。
彼にとっては、どんな事実より、リレアへの偏った愛の方が比重は大きく、例え、真実を知っても、
自分の内で、解釈を捻じ曲げ、勝手に自ら都合の良い方向の言い分へと変換し、納得してしまうのだ。
「そうだ…捕まえたら、何処か安全な所に、僕が良いと言う迄、ずっとずっと隠れていて貰わなくちゃ…」
世間一般的に、それを『監禁』というのだが、さも当然のように、クラシスはさらっと言ってのける。
リレアの事に関して言えば、この男、良心の呵責も無く、罪悪感のかけらすら持たないらしい。
「折角、僕の愛が伝わったのに、又、何処へと行ってしまったら嫌だから、
 ちょっと重くて、動きづらいかも知れないけど、鎖付きの素敵な首輪もプレゼントして…」
そう言いつつ、贈り物を身に着けた、あられもない姿のリレアを想像しては、男としての精神を昂らせる。
「…可愛いよ…リレア…」
妄想は留まる事を知らず、自分にとってこの世の何より清らかで、犯さざるべき存在のリレアが、
自分だけに従い、自分だけに愛を捧げ、愛を求め懇願する…そんな淫らな姿を思い浮かべると、
その愛らしさに、クラシスは眩暈すら覚えそうになる。
「…リレア…僕が欲しい…?」
妄想で創り上げた、クラシスへと直向に愛を懇願するリレアの幻影に、そう一言嬉しそうに呟くと、
「良いよ…あげる…」
(君に千尋の愛を…)
そう心で付け足し、病的な程、慈愛に満ち満ちた表情を浮かべ、幻影へと優しく微笑む。
「僕の全てはキミだけのモノ…なんだよ…?」
焦点の定まらぬ瞳で、幻影を見詰め、己も負けじと熱情の篭る愛を囁く。
仮初の幻影だが、リレアが自分だけのモノになった嬉しさが、今更ながら、
抑え切れぬほど込み上げてきて、清濁入り乱れる感情が、津波のように押し寄せてくる。
リレアも、自分を愛していると勘違いし、思い込んでいるからこそ、
自分も、リレアのその想いを大切にしたいと、クラシスは、本気でそう思う。


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