男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part1at EROPARO
男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part1 - 暇つぶし2ch165:優しい陽炎(ゆうとと加奈)⑧
10/08/12 23:26:18 LOZFH0yV
感情を自覚した時から気付いていた。僕は奪う愛。奪う事でしか満足出来ない。
加奈の一つ一つを奪って支配したい。傷つけて壊して縛りつけたい。
なのに、加奈の無邪気さが、優しさが、それに気付かない。僕の加奈を想う愛情が、それを許さない。
永遠に交わらない。
気付いたら涙が溢れていた。

「ゆうと?」

加奈が僕の頬に触る。
いつの間に来たんだろう。加奈はベッドから移動して、僕の目の前に座っていた。

「私は頭良くないから、ゆうとの難しい話は今はよく分かんない。でも、きっといつか分かる日が来るよ。絶対に」
「私、ゆうとが大好きだよ。愛してる。本当だよ」

加奈の唇が僕の唇に下りてくる。
ついばんだかと思うと、軽く音を立てて離れた。
そして優しく僕の涙を拭う。
小さな声で「かな」と呼ぶと、彼女はゆっくりと目線を合わせて、微笑んでくれた。

「ゆうと、好き。大好き」

あぁ、可愛い加奈。

…僕はどこに行くんだろう。
願望を捨て去る事も出来ないくせに、みっともなく加奈にすがりついている。
満たされないと知りながら、飽きもせず加奈を欲している。
消える事のない欲望。打ち勝つ手段なんてあるはずもないのに。

「加奈」

無理やり笑顔を作って加奈を抱き寄せた。
もう何度繰り返したか分からない戯言。でも、加奈が嬉しそうに笑うから。
僕はその言葉を吐く。言いたい事を押し殺して。離したくない一心で。

「僕も好きだよ」
(殺してやりたいほど)

加奈の白い首筋。
打撲のように赤黒く沈着し始めている僕の歯形がそこにある。
でも、これもすぐに加奈の心の中から消えるんだろう。
加奈の清らかな逞しさは、こんな傷跡も綺麗に押し流す。結局、加奈を引きずり下ろす事なんて僕には出来やしない。

(僕はどこまで追いかければいい?)
届きそうで届かない。
(僕はどうなる?)
傷つき疲弊する事を知りながら、それでも加奈と一緒に居たいだなんて。
(……どうなるのかな)

きっと、答えなんてどこにもない。

166:名無しさん@ピンキー
10/08/12 23:41:46 LOZFH0yV
終わり!
ヤンデレ男に引きずられないぐらい、明るい女の子を書きたかったんです……。多分、ちゃんとヤンデレSSになってるはず。多分。
嫉妬狂いも大好きだけど、自分で自分の首を絞めていくヤンデレも良いなと思いました。お目汚し失礼致しました!

167:名無しさん@ピンキー
10/08/13 02:10:45 i+eCT4aF
乙でした。
先の作者さん達とはまた違った魅力を感じた。
読ませてくれてありがとう

168:名無しさん@ピンキー
10/08/13 07:56:48 L/JkTPy+
>>157
すごく良かった。
ドキドキしながら読ませていただきました。

169:名無しさん@ピンキー
10/08/13 14:37:34 fuNuCPgV
荒らされ易いテーマだからsageて下さい
目立つと危険です

170:名無しさん@ピンキー
10/08/13 18:59:30 +ViXZ2ph
>>156-166
乙です!!!
加奈ちゃんにはこれからも狂ったゆうと君を嫌いにならず
暖かく包み込んでいって欲しいな
続きもあるなら期待したい
このままじゃゆうと君カワイソス過ぎなんでw

>>169
下手にそういうレスすると変な人がスレを見た時に
逆に目を付けられそうだが……

171:156です
10/08/14 18:05:54 D/rsfBZY
>>167>>168>>170ありがとうございます!
実は⑥辺りで割愛してしまった、中2ゆうとヤンデレ自覚→覚醒→レイプ描写があるんですが、それを加筆+修正してまた投下してもいいですか?それとも長文作品の連投は避けた方が良いでしょうか…
>>170
自分自身を追いつめてくヤンデレ男が書きたかったので、今後の展開が全く思いつきませんww
どうしたらこの男を収束出来るのか。
…誰か知恵を恵んで下さい(/_;)

172:名無しさん@ピンキー
10/08/14 18:25:27 2a/p5qBg
>>171
私は加筆+修正したやつを見たいから是非上げて欲しい。

173:名無しさん@ピンキー
10/08/14 20:33:19 V8vI/Sif
>>171
別に連投は避けなくても大丈夫
投下前と投下終了の告知をすれば良いだけ
出来ればヤンデレ自覚からレイプまでの動向が見たい

今後は加奈ちゃんが荒々しい神を宥めすかして甘やかす巫女の如く
付き合って行けば良いんじゃないかとw
まぁ、なんだかんだでゆうと君も依存しまくりだし
加奈ちゃんを殺したら後はもう死ぬしかなさそうだし
決行は無理そうだからね

174:156です
10/08/14 22:23:15 D/rsfBZY
>>172-173
分かりました!ありがとう!!!区切って投下しますが、長くなると思うので今の内に謝ります。すみませんm(_ _;)m
今から加筆して明後日ぐらいに投下します。
>>173
『荒々しい神を宥めすかして甘やかす巫女の如く』←やばいコレ。何かが降りて来ました。
この設定使って続編というか最終章みたいなの書いてもいいですか?

175:名無しさん@ピンキー
10/08/15 18:44:12 Wml5NIAK
腐敗臭がすさまじいな

176:名無しさん@ピンキー
10/08/15 19:49:25 XSR7PlDs
小さい頃から面倒見てた子を女性として好きになってしまって
近づく男がないように排除したりしながら
その子を自分好みにしつつ、依存させていくっていうのを
脳内で考えているが文章にできないジレンマ

177:名無しさん@ピンキー
10/08/15 21:44:53 1QCay0si
>>174
続き待ってる

>>176
源氏物語並みの調教劇ですね

178:名無しさん@ピンキー
10/08/16 04:59:08 gsTf1QBU
エロゲでも陵辱調教物が好きなんで
ヤンデレ男が好きな女の子にかなりエグくてエロい調教を施して陵辱するのが読みたい

179:名無しさん@ピンキー
10/08/17 00:06:42 J5XsZMkh
「師匠」
「ん?」
「また男の子がお話してくれなくなっちゃった」
「そう。なんでだろうね」
「仲良くなれたと思ったのに、この前の授業参観から
 みんな話しかけてくれないし、話しかけても冷たいの」
「……そう」
「師匠、なんで笑うの!」
「別に。男の子なんか仲良くなれなくていいだろ、
 僕がいるんだから」
「……うん!」



セリフだけだとヤンデレかどうか分からないな

180:名無しさん@ピンキー
10/08/17 14:55:11 2Ta7Esxb
こんなスレがあったのか。

天女とヤンデレ男の話が書きたいというか読みたいのであらすじだけ書いて投下。
エロ小説スレなのにエロなくてすまぬ。



湖に水浴びにきた天女に片思いした男が羽衣を隠し、こっそり燃やしてしまう。
帰れなくて困った天女を家に連れて行き甲斐甲斐しく世話をする。
一緒に暮らしているうちに天女はやさしくしてくれる男にほだされて
やがて真剣に男を愛するようになるが
男はもともと羽衣を燃やしてしまった引け目もあり疑心暗鬼から次第にヤンデレ化。
「お前は天に帰れなくなったから俺のそばにいるだけだろう?」
「羽衣が目の前にあったらすぐさま俺の前から去るんだろう?」
天女は否定するが全く聞き入れてもらえず
逆に暴力を振るわれ、監禁拘束されて陵辱の限りを尽くされてしまう。
心身ともに擦り切れていく天女。

そんなある日、天女の元に天界から羽衣を携えた使いのものが一人現れる。
行方不明になった天女を探しにきたのだ。
「やっとお前の長年の望みがかなうなぁ、ははは嬉しいだろう。」
「ええ、やっと。気が狂いそうなくらいこの日を待っていました。」
「・・・そうか。」
絶望した男は自ら鎌で首を切り、身動きできない天女の前で自殺する。

拘束から開放され、羽衣を手渡された天女は
体を清めてから帰りたいから、と湖に使者をつれていく。
水浴びの間後ろを向いていてと頼まれて後ろを向いた瞬間
羽衣に隠し持ってきた鎌で天女は使者を殺し、
再び男の家に羽衣と鎌を片手に戻ると
男の亡骸の前で羽衣を鎌でバラバラに切り裂いた。

「ずっとこの日を待っていました。
 こうして貴方の目の前で羽衣を私の手で引き裂かなければ
 貴方はきっと私を信じてはくれなかっただろうから。」

うつろな瞳で天女は微笑み、
鎌をそのまま自分の胸につきたてた。



以上です。

181:名無しさん@ピンキー
10/08/17 22:11:20 IFc/dgI4
>>180
ヤンデレ×ヤンデレ(前者と意味が異なる)
って感じですね、新しい

182:名無しさん@ピンキー
10/08/20 10:14:10 3+BQQSXD
>>179-180
お二人共乙
こういうのも良いなぁ

>>179
これは師匠が排除してるんですよね?w

>>180
男がヤンデレと思ったら女が上回っていたw

183:名無しさん@ピンキー
10/08/20 20:36:44 ysY/ra4v
>>182
179だけども、そう。
師匠が病んでて、女の子を独占しようと色々して。
でも女の子はそんなこと気づきもしない的な……

ちゃんと話にできず申し訳ない

184:名無しさん@ピンキー
10/08/21 00:22:41 5E7EUtQy
>>183
素晴らしい師匠だ
なるべく両思いで女の子が師匠のヤンデレっぷりを
知った後もズブズブでラブラブなら尚良いw

185:名無しさん@ピンキー
10/08/21 01:29:28 rIpsvGlN
>>184
ありがとう!そう言ってもらえると嬉しい。
ちなみに二人はラブラブだw

>>174殿が来るまでの暇つぶしになればと思い、
>>179を頑張って文章にしてきた。
拙いし、慣れてないし、エロもまだないが……

短いから、2レスくらいで済むと思います。

186:師匠と弟子少女 1/2
10/08/21 01:30:35 rIpsvGlN
 学校が終わって、走って家に帰る。
 私が帰る時間になると、師匠がいつも家の鍵を開けておいてくれるから
私は一目散に、ドアを開けて中へ飛び込んだ。

「師匠、ししょー!」
「誰ですか勝手に家に入らないでください」
「あっ、えっと、ただいま師匠!」
「おかえり」

 ただいまを言い忘れたことに気付いた私に師匠は
 早く手を洗ってきなさいと促す。

「おやつ、ある?」
「冷蔵庫」
「わーい」

 師匠は、9歳で親に捨てられた私を引き取ってくれた不思議な人。
 これまで数年、家事や勉強、遊びや護身術と、あらゆることを教えてくれた。
 だからこその「師匠」だ。

 …本当は一度だけ、お兄ちゃんとかお父さんとか、普通の呼び方も試してみたけれど、
 それはやめてくれ、と言われた。

「今日は学校楽しかった?」
「うん。でも……」
「ん?」

 冷蔵庫に入っていたケーキを取り出して、
 そこで、学校のことを思い出す。

「師匠。私、また無意識に人の嫌がることをしたみたいなの」
「またかい」
「うん。だって、また遊んでくれなくなっちゃった」
「……そう」

 私が中学校に入ってしばらくした頃だろうか。


187:師匠と弟子少女 2/2
10/08/21 01:33:50 rIpsvGlN
 それまでいつも、遊びの話だとか、テストの話をしていた
 クラスメートの男子が、急によそよそしくなったのだ。

 女子は今までどおりだから、いじめではないと思う。
 なぜか男子だけ、誰かと仲良くなるたび、急に―
 不定期にではあるけれど、必ずそうなった。
 だから私は、もう男子と話すこともあまりなくなってきている。

 男子どうこうより、友達がいなくなることが寂しい。

「気にしないの」
「師匠」
「君の友達が君を嫌いになっても、僕は絶対に嫌いにならないよ。
 だから、気にすることはないさ」

 うつむく私の髪を撫でてくれる師匠は
 とても優しい目をしていて、私はたまらず抱きついた。

「師匠大好き」
「知ってるよ」
「昨日、授業参観に来てくれたでしょ。
 みんな、師匠かっこよくて羨ましいって!」

 師匠は私の自慢だよ、と見上げたとき、何故か師匠の口角がつり上がっていた。

「師匠、なんだか楽しそうだね」
「楽しいからね」

 何が楽しいの?と聞いてみたけれど、答えてはもらえなかった。



188:名無しさん@ピンキー
10/08/21 01:37:04 rIpsvGlN
尻切れトンボな感じでごめん……

じゃあ、スレ汚し失礼しました。
皆さんの投下を楽しみにROMってます。

189:名無しさん@ピンキー
10/08/21 20:47:01 ni9G47eY
素朴な疑問。
ヤンデレものって大体現代物が多いけど
このスレ的には魔物とかメイドロボみたいなSFとかファンタジーとかはOKなの?


190:名無しさん@ピンキー
10/08/22 00:13:35 X0Vswd1t
>>185-188
乙です!!
しかしこれは女の子の両親もw

>>189
何故駄目だと思うのです?
大丈夫に決まってます

191:名無しさん@ピンキー
10/08/23 11:03:09 zJtk/Ixe
>>174
続き待ってる

192:名無しさん@ピンキー
10/08/28 19:52:00 23EEct1j
投下期待

193:名無しさん@ピンキー
10/08/31 22:40:10 fWNzFu2T
みんな規制されちゃってるのかな

誰にも気づかれず、愛する女性にすら本性(病んでる部分)を気づかせず
自分が人から「異常」と言われるのを分かった上で、上手く女性を自分のものにするっていうのが好きなんだけど
話したら友達に引かれたぜ

194:名無しさん@ピンキー
10/09/01 00:21:33 vMNwenB8
>>193
無茶苦茶俺好みの設定で吹いたw
でも確かに普通は引かれるかもなw

195:名無しさん@ピンキー
10/09/02 23:42:41 fw6H/Fn0
過疎ってる

196:名無しさん@ピンキー
10/09/06 22:06:31 yaFMgKHo
ヤーンデレデレヤーンデレー♪

頑張って考えても文章にするの大変。あげ

197:名無しさん@ピンキー
10/09/07 00:31:04 SkLXIsPD
男が病んだら犯罪者になっちゃうぞ

198:名無しさん@ピンキー
10/09/07 00:38:35 CXYXwq5p
女だって病んだら犯罪者になるだろww

199:名無しさん@ピンキー
10/09/07 04:05:52 EENu9BO+
>>197
だがそれが良い
女のヤンデレより性犯罪者臭全開なのが良いのだ

200:名無しさん@ピンキー
10/09/07 20:44:26 yZ8LCa/N
若い人は知らないと思うけど、横溝正史著の「三つ首塔」に出てくる主要登場人物
(金田一じゃないよ。)は、かなりのヤンデレ。ここの人の気にいると思う。
子供の頃うっかり者の親と一緒にドラマで見てしまい、トラウマにw
っていうか男ヤンデレ好きの属性になってしまいますた。オヌヌメ

あと、シンドラーのリストも、ユダヤ人収容所の所長とユダヤ人女性との
萌えシーンあったなー。

201:名無しさん@ピンキー
10/09/07 21:07:37 CXYXwq5p
なにそれすごく気になる

202:名無しさん@ピンキー
10/09/08 09:26:14 xEXGqaNs
最近見た海外のドラマの犯人が男ヤンデレだったわ
ドラマ自体はつまんなかったけど

203:名無しさん@ピンキー
10/09/08 14:37:45 A94NAaQN
スイーツスレw

204:名無しさん@ピンキー
10/09/08 15:44:01 CRnq9xuR
人間不信とか荒んでた奴が純粋に自分になつく女の子に心を開き
……までは普通に見えて

やがて人間不信だったのが災いして
女の子に執着し、女の子を独占しようとする
そんなのも考えたがこれはヤンデレなのか

205:名無しさん@ピンキー
10/09/08 20:54:24 h2/SAZxS
>>204
ヤンデレだと思うよ
自分は度を越えた執着はヤンデレだと思ってる

206:名無しさん@ピンキー
10/09/09 00:21:39 Pa3/zJdN
>>204
それが良いんだよ

207:名無しさん@ピンキー
10/09/09 09:15:48 DhOvzVbK
>>205-6
204だけど、そうかヤンデレか。ありがとう

なんというか、男は信じられるのが女の子しかいないのに
女の子には友達とか大切な人がいて、それが嫌だ…
みたいなのを考えていたんだ。
語彙がないもんで、文章下手ですまんw

男ヤンデレいいよ男ヤンデレ

208:名無しさん@ピンキー
10/09/09 21:55:44 Pa3/zJdN
>>207
男側がマトモに友達も居ないような奴でヤンデレ
女の子側は友達、知人一杯なのは良いな
萌える

エロが濃厚で変態的で男側がドSなら良い

209:名無しさん@ピンキー
10/09/10 17:55:05 sfaRDaA5
ぬるすぎワロタ

210:名無しさん@ピンキー
10/09/10 18:20:14 lgKCKnEU
個人的にはキツい方が良いので良いネタを落として欲しい

211:名無しさん@ピンキー
10/09/10 18:26:12 /W2nornh
204・207だけど、いつか持って来られるように
ちょっと変態エロヤンデレ野郎の文章を練習してくるよ。

ヤンデレ男の設定ならいっぱい考えられるのになーww

212:名無しさん@ピンキー
10/09/11 01:17:43 ZWmdnxAo
>>211
楽しみにしてるよ
鬼畜で変態でエロいヤンデレ男に犯される女の子ハァハァ

213:名無しさん@ピンキー
10/09/12 00:30:56 RObqY0OH
貴志祐介『悪の教典』の主人公ハスミンこと蓮実先生がかなり良い感じ
愛はなく、目的のためならなんでもする天才サイコパス教師なだけだけど
ネタバレになるから言えないけど、ヤンデレっぽい要素もある
なによりかっこいい

214:名無しさん@ピンキー
10/09/12 20:06:47 LVY5bpa0
そういえば歪みの国のアリスもヤンデレ男いるな
主人公のアリスの母親の彼氏がそんな匂いさせてた。

215:名無しさん@ピンキー
10/09/12 20:50:05 Z+DtsyIn
>>214
言われてみれば……
あんぱん達の強烈さしか頭に残ってなかったです。
思い出してみれば、うさぎは最初からフルスロットルでヤンデレですね
チェシャもエンドによっては…?

216:名無しさん@ピンキー
10/09/12 21:09:21 jbn+axwS
Janne Da Arcの7-sevenがヤンデレ過ぎてときめく

217:名無しさん@ピンキー
10/09/12 21:30:28 KGqQQuc2
>>174
続きはマダーですか?

218:名無しさん@ピンキー
10/09/14 01:47:39 w/0iO9Dv
保守

219:名無しさん@ピンキー
10/09/16 02:37:37 XugukE83
年の差夫婦(まだ作中では婚約中)の変態的夜の営みを妄想して書いてみた
夫がどうしようもない駄目なロリコン男で暴力も振るう
妻はロリで健気
暴力と放尿がある、というかそれしかないのでご注意ください

220:青田買い 1/2
10/09/16 02:39:11 XugukE83
この国の男女は同じ階級同士でしか結婚できない。
上の階層に行くほど結婚できる相手の数は限られてくる。
だから上の階層の男どもは婚姻最低年齢に達していない女を見つけるとひどい青田買いをする。
ひとまず婚約をしておいて、手元で女を育てつつ、女が婚姻最低年齢になるまで待つのだ。

自分は上から二つ目の階級だ。
自分もこの国の最低な男どもの一人であり、手元で未来の妻を育てている。
名前はキオ。
彼女を見つけて婚約した時は彼女は11歳だった。
それから数年経つが、彼女は相変わらず素直で明るく可愛い性格だ。人懐こい仔犬に似ている。
彼女も一途に私のことを想ってくれる。
私達はきっと良い夫婦になる。
だからこそ私は今夜も他の女を抱く。

翌朝彼女が暮らす奥の間をこっそりと覗くと、案の定彼女は私を想い、丸い目にいっぱい涙を溜めて、私のプレゼントした手巾を握り締めていた。
私を想い、私が抱く女に嫉妬し、一人涙を流す彼女の愛らしさといったら天下一だ。
しくしくと泣き濡れる彼女の姿に私はひどく興奮し、女を抱いてきたばかりだというのに一人こっそり自慰に耽る。
私はけして女が好きだから女を抱くのではない。
婚約者であり数年後に妻となる彼女を嫉妬させるために、女を抱くのだ。
どんな美しく素晴らしい女を抱けば、彼女は嫉妬し、泣き喚き私に縋りついてくれるのか。
その姿を想像するとどうしようもなく楽しくて私は今夜の女を見繕うのだった。

可愛い婚約者に対してそのようなひどい仕打ちを働いていたある日、私はたまたま家の門の前にキオと一人の若い男を見つけた。
二人は手を握り合いくつろいだ表情で何事かを話し合っていた。
私はその彼らに忍び寄ると、キオの腰を掴み抱き上げて、家の中へ無理やり戻した。
奥の間に入ると、キオを下ろして、畳の上に押し倒す。
「キオ。さっきの男は何だい」
キオは震える声で「あれは三番目の兄です」と答えた。
「兄だろうと何だろうと、婚約中の女が夫以外の男の手を握るとは何事だ。実家とうちでどうゆう教育を受けてきたんだ」
キオの頬を打つと、彼女の透き通るような白い肌が赤く染まる。
私はキオの表情の変化をじっと観察する。
初め驚きで呆然としていた顔が、見る間に歪み、眉が下がり、目尻に涙が溜まる。
桜色の唇は肩と同じようにぷるぷると震えだす。
涙で潤んだ瞳で私を見上げてくる。
「ユーヒさん。ごめんなさい……もう今日みたいなことはしません」
「ああ。そうだ。しばらくこの部屋から出るな。反省しろ」
そう命じて、私はその部屋を出た。

221:青田買い 2/2
10/09/16 02:40:06 XugukE83
日が沈み夕餉を食べ終わっても、その夜はどこにも行く気がしなかった。
はたして婚約者は私の言いつけを守り部屋から一歩も出ていないか。
そればかりが頭のほとんどを占めていた。
女中を捕まえてキオの様子を尋ねると、人払いをして、部屋に篭っているとのことだ。
戸の隙間から覗いてみる。
キオはその場に正座し瞼を閉じている。
思わずキオの長い睫毛と細い顎に見惚れる。
我に返ると女中から桶を借りて、キオの部屋に入り、後ろからキオを抱きしめる。
「一歩も外に出ていないな」
彼女は何度も無言で頷いた。
ということは彼女は何時間も用を足していないということになる。

私は桶を畳の上に置き、キオの服の裾を捲り上げ、下着を下ろす。
彼女は控えめに抵抗したが、昼間あんなことがあった後では彼女が強く出れるはずがない。
背後から彼女を抱きすくめた状態で彼女の露わとなった下半身を見下ろす。
とても成熟しきった体とはいえないが、下腹やふとももの辺りに少し肉がついてきているようだった。
下腹部に触れるとそこはパンパンに張っていた。
桶を彼女の股の下に来るように移動して、彼女の左の膝裏を抱え上げると、羞恥から彼女の頬を一筋涙が伝い落ちた。
「ほら、ここに出してしまいなさい」
「いやぁっ……お願いです、やめてください」
軽く彼女の下腹部を押すと、彼女は「ぐっ」と呻いて、下唇を噛んで耐える。
しかし彼女の体は用を足したがっている。
次第に彼女の額に脂汗が滲み、顔に赤みが差し、呼吸が乱れてくる。
「ほらっ」
「だめ、押さないでぇ……」
なかなか出そうとしない彼女の下腹部から下に手をずらして、正面から見れば丸見えな彼女の陰核に触れる。
皮を剥き、外気に晒される敏感な場所をくりくり弄ると、彼女はあられもない声を上げて、左足を痙攣させる。
「そこだめぇっ!」
陰核への刺激を続けながら、さらに尿道口に触れる。
そこからじわりと少量液体が滲み出た。
「ほら、ちょっと出た」
我ながら残酷なほど楽しそうな声で愛しい妻に囁くと、彼女は汗で濡れた首筋に艶かしく髪をはりつかせながら、狂ったように頭を振っていた。

十代の少女には体力的にも限界が来ていた。
最後にぐっと強く下腹部を押さえた次の瞬間、彼女の下半身にぐっと力が入り、つま先がぴんと伸びた。
「やぁぁああぁあぁああ……!」
琥珀色の液体が勢い良く噴出し、桶の中へと注がれていく。
彼女はまるで女が絶頂に達する時のように全身を震わせながら絶望の色を滲ませたか細い喘ぎ声を出し続けた。
ぴちょんと最後の一滴が零れ落ち、桶の中に波紋を作る。
彼女は私の胸に背中を預けぐったりしたまま静かに涙を流した。
いつの間にか私は勃起していたが、彼女を観察することに忙しく、彼女を犯したいとは不思議と思わなかった。


222:名無しさん@ピンキー
10/09/16 02:44:23 XugukE83
以上です
この夫は妻に接する時はやたらツンツンしてますがいつも内心妻にハアハアしまくってます
ヤンデレ要素薄くてすみませんでした

223:名無しさん@ピンキー
10/09/16 10:26:30 vkcK1mf4
>>222
乙です!
嫉妬させたいから浮気とか、なのにキオちゃんが他の男と話すのは
許せないとか、旦那十分に病んでると思うよ!
これからどうなるか楽しみだw

224:名無しさん@ピンキー
10/09/16 22:56:15 MZtcjzZe
>>219-222
GJ過ぎる
キオタンが可愛い過ぎて激しく萌える
この駄目男は今後も鬼畜で糞な行動を取るべき
続き待ってます

225:名無しさん@ピンキー
10/09/17 00:00:59 pnMgvn0j
>>222

キオちゃん可愛い
俺もキオちゃんの前で他の女と犯って泣かせたり
キオちゃんに言い掛かりを付けて折檻したり
無理矢理放尿させたりしたい

226:名無しさん@ピンキー
10/09/18 01:43:18 ryOe42r2
>>222
GJ!!
ヤバい続きが気になる
これは普通にヤンでるし全然おkだと思いますよ。

>>141さんの虐めっ子な男ヤンデレとか
>>174さんの続きとかも待ってる

227:名無しさん@ピンキー
10/09/18 21:14:02 1hpmPNdm
各作品の続き期待

228:名無しさん@ピンキー
10/09/21 23:27:13 aUpl+BmW
そろそろ投下来るか?

229:222です
10/09/22 22:39:19 pYRJnz7K
レスありがとうございます
相変わらずヤンデレ要素は薄いですが続きを書いてみました
ただの痴話喧嘩で妻にお仕置き緊縛してます
途中でぬこを虐待している描写がありますのでご注意ください

>>226
実は>>141も自分です
少し違う方向にいってしまいこうゆうものができました

230:浮気の代償 1/2
10/09/22 22:42:34 pYRJnz7K
相変わらず私は性懲りもなく女を買い続けていた。
女の顔といえば私はキオの顔しか見ていないような男なので抱いた女の顔などは覚えていないが、抱いてきた女はどれも評判の美しい女だったようだ。
というのも私の婚約者の彼女は特に美しい二十歳前後の女に嫉妬心を駆り立てられ、よく泣いてくれるので、条件に合う女を見繕ってもらっていたからだ。
しかし最近になって遊郭から出入り禁止を言い渡された。
彼女と喧嘩をして機嫌が悪い時に擦り寄ってきた遊女に酒をぶっかけて突き飛ばしたのがどうも悪かったらしい。
いや、とりあえず遊郭に来たという事実を作るために部屋に居座っただけで女と口も聞かずにいたのが悪かったのだろうか。
理由は忘れた。どうでもいい。
親父に太鼓のばちでケツとふとももを死ぬほど叩かれたのはさすがに堪えたので、しばらくは家で大人しくしていた。

家にいたらある日こんなことがあった。
彼女の猫が彼女の大事にしている絵で爪を研いだのだ。
彼女は動物のやることなのでと以前と変わらずに猫を可愛がっていた。
それが面白くなかった。
彼女が母親と出かけている間に小銃で猫の額を打ち抜き川に捨てた。
家に帰ってきた彼女は二度と帰ってこない猫の姿が見当たらないと猫の心配をしていた。
一週間も経つと「きっと死に際を悟って出て行ったのだろう」と諦めていたがそれでも落ち込んでいた。
私が約一年半後に妻となる婚約者のために仔猫を飼ってきて彼女に贈ると、それはもう満開に咲いた花のような笑顔を私に見せて喜んでくれた。
猫には悪いが彼女のためならば私は何匹でも猫ぐらい殺せると思った。
だからうちでは猫を飼うことをやめない。

女遊びは控えていたが、キオの女中に誘われたので、キオの部屋の隣室で事に及んだ。
終わった後襖にわずかな隙間が開いていたのを確認し、自然と頬が緩む。私がいつもするように、彼女も覗いたのだろう。
翌日からの彼女はというと、何も喉を通らないほどにショックを受けている様子だと母親に聞かされた。
さらに私の性格も悪い癖も知っている母親には、すでに女中に手をつけたことがいっていたのか、
「あんまりにもキオさんを苛めるならばキオさんを実家に戻しますよ」と釘を刺された。
彼女を手放す気は全く持ってさらさら微塵もない。
いい加減にしておかなければ彼女の元許婚も出しゃばってきそうだと改めて危機感を抱く。
これからが彼女は女ざかりだ。彼女を手に入れたからといって、慢心していては、今度は逆に彼女を横取りされてしまうことになりかねない。
あくまでまだ私達は婚約段階で社会に認められた男女ではない。

足を忍ばせ、物音を立てずに襖を開けて、そろりと彼女の部屋を覗く。
ちょうど彼女は婚約指輪を指から外し箱に戻しているところであった。
「キオ!」
彼女の名前を叫ぶ。振り向いた彼女の赤い目尻には涙が溜まっていた。
「どうして私が贈った指輪を外すんだ?」
「……私は、ユーヒさんの妻にはなれません」
「どうして?」
首を横に振る。
それから何を聞こうとも彼女は首を横に振るばかり。
元来彼女は頑固者だ。
私の求婚にも最後まで頷かなかったのは、彼女の両親ではなく、何を隠そう彼女自身だ。
―喋らないならば喋らせるまでだ。

231:浮気の代償 2/2
10/09/22 22:43:35 pYRJnz7K
実のところ彼女の裸を見るのはこれが初めてのことだ。
現在彼女は畳の上に仰向けに転がされ、惜しげもなく裸体を私の前に晒している。ただし上半身は後ろ手に縄で縛り上げられて。
彼女の体力のことも考えてぎちぎちに縛り上げているわけではない。
しかしながら、乳房は上下の縄で縛られ通常よりも彼女の胸を大きく見せ、色素の薄い桃色の乳首を押し出している。
二の腕の柔らかい肉に縄が食い込んでいるところは思わず触れてしまいたい。
彼女の下半身には何にも施さなかったが、彼女は太ももをぴっちりと閉じ、逆に不自由そうにしている。
ちらりと太ももと下腹の間を見下ろすとまだ陰毛は生え揃っていなかった。
まだ若すぎるくらいの彼女の体だが私のみならず男を興奮させるには充分な魅力を放っている。
そしてなにより社会的に高貴な身分の女を罪人のように縄で縛る、この倒錯感に酔いしれずにはいられない。
「それで、どうして婚約指輪を外した?婚約破棄する気だったのか?」
彼女が婚約破棄をする気でも、双方の合意なしでは勝手に婚約破棄はできない。
私は婚約破棄するわけがないので彼女がその気でも逃がしはしない。
彼女に問い詰めても彼女は私から顔を逸らし黙り込んでしまう。
顔を背けた際に見える彼女の頬の線も滑らかで美しい。
この前のように何時間も放置してその場で放尿もいいが、せっかく彼女の体にお仕置きできる絶好のチャンスを棒に振るのはあまりにも惜しい。
彼女の頬に手をあて、首から鎖骨、乳房へと手を滑らせていく。
乳房を両手で掴みマッサージをするように揉みしだく。
普段から彼女とくちづけすることはあっても今まで性的接触はほとんどなかったので、彼女は顔を真っ赤にして、目を見開き私を見上げる。
「ほらほら、言わないと痛いことをするぞ」
彼女はやだやだと頭を振るが口を開こうとしない。
仕方なく両乳首を抓み上げた。
「ひぁっ」
突然の鋭い痛みに彼女は短い悲鳴を上げて、はくはくと口を開けて酸素を吸う。
まだ痛みの引かない乳首を引っ張ると、痛みに可愛らしい高い声を上げる。
「痛いから、やめてください……」
「で、婚約を破棄してほしいのか?」
乳首を引っ張るのをやめて、彼女に問いかけながら優しく乳房を揉み、乳輪を円を描くように指でなぞる。
「婚約を破棄したいのではなくて……でも……」
彼女の瞳にぶわりと涙が溜まる。
「ユーヒさんは他の女性が好きなのでしょう……?私はお飾りの正妻にするおつもりなのでしょう?」
妻から見た私の顔は目が点になっていたことだろう。
私が愛しているのは妻だけだ。子供を作り一緒の墓に入りたいと思っているのも正妻の彼女だけだ。
特別な問題が起こらない限りは妾を持つ気はない。
しかし妻は私が妻以外の女を好きで、妻をお飾りの正妻にしようと思っているなどと勘違いしている。
何故そんな勘違いを―といいたいところだが、すべて私の言動が原因なのは自覚している。
彼女に妻はキオ一人だけで、お飾りの正妻にするつもりもないと伝えるが、信じてもらえなかった。悲しい。
彼女を縛っていた縄を丁寧に解き、できうる限り優しく妻の体を抱きしめる。
「私が生涯に愛する女はキオだけだ」
「そんなの……嘘です。今だってあなたは他の女性を抱いて……ずっと一緒にいたら、私も老いていって、若くて美しい女性がきっとあなたの目の前に現れる」
「そんなことを言ったら私の方がキオよりもずっと早くおじさんになって、おじいさんになるよ」
軽く彼女の口を吸うと、彼女の怒っていた顔が少しだけ和らいだ気がした。
「その言葉が本当ならばもう他の女性のところに行かないでください。その……私のことは、好きにしてくださって構いませんから……」
僅かに私の服を握る彼女の手に力が入った。
彼女はいつから夫を誘う術を身につけたのだろうか。末恐ろしい。よし、子供は少なくとも5人だ。
この一件により、私の華々しい女遊びの日々が幕を閉じ、妻との子作りの予行練習の日々が始まったのだった。


232:名無しさん@ピンキー
10/09/22 22:51:10 pYRJnz7K
以上です
エロも少なかったような
浮気はやめたみたいですが性欲が幼妻に全部向かってしまうのもどうかと

233:名無しさん@ピンキー
10/09/23 02:10:46 OKN7MZfC
>>229-232
キオちゃんが可愛らしくて健気でいじらし過ぎるから萌えて悶え狂いそうw
このおっさんマジ鬼畜ですね、大好きだけど
しかしキオちゃんには元許婚が居たのか…強奪編とか見たいかも
キオちゃんがどういう変化でこのおっさんを受け入れたか気になる

このおっさん性欲だけは異常みたいですしね
でもそんな強烈な性欲の餌食になるキオちゃんが楽しみですw

後、余裕があるのなら全力で好きな子を虐める
虐めっ子ヤンデレ男の話も是非w

234:名無しさん@ピンキー
10/09/23 18:45:19 xYCHQMN7
>>229-232
乙!!年の差は萌えるなあ
子供は少なくとも5人に笑ったw


235:名無しさん@ピンキー
10/09/23 21:30:54 sWpcs4HJ
>>232
旦那はマジヤンデレだと思うw
あまり身体が丈夫じゃない幼妻が年上の性欲全開の夫を受け止めるとか
股間もとい胸が熱くなるな……


そして子供は5人に俺もワロタw

236:名無しさん@ピンキー
10/09/24 02:20:17 hxO7z/zS
>>229-232
>その言葉が本当ならばもう他の女性のところに行かないでください。その……私のことは、好きにしてくださって構いませんから……
キオタンがドMになりきれるかが勝負の分かれ目ですね、わかります。
続き待ってます。

そして>>141ネタを待ってます。

237:名無しさん@ピンキー
10/09/25 16:53:13 z18TIECH
 彼は中性的な美しい容姿さえとればこの屋敷にありふれた召使いの一人だった。
 気まぐれ、というか幼い少年を好む気質の母から気に入られ孤児院から引き抜かれ、ここで執事の勉強をしながら育てられた。
 以前家族から酷い捨てられ方をしたと聞いた。そのせいか否か彼は誰にも心を開こうとしなかった。
 無口で無表情で、近寄ってくるものをすべてはねのけてしまいそうな感じがして幼い故に彼に怯えた眼差しでみてしまった。
 傷つけてしまっただろう。

 名前なども聞いたことはなかった。
 だが年を重ねるとまた違うもので彼を見かけるたび心の隅で哀れみ、いつか彼の笑顔が見れる日がきたらいいと思っていたりする。
 言い方によっては一目惚れ、かもしれないが。


「ベティ、ちょっと話があるの」

 そんなある日、妙に上機嫌な声で母から呼び止められた。
 何かおねだりでもしてくるのかと思ったが彼女はレモンティーを啜って、ただ一言。

「あなたへの誕生日プレゼントよ」


 しかし私の部屋のド真ん中に置いてあったのは誕生日プレゼントではなかった。物ですらない。
 真っ暗の燕尾服をきこなす細身の長身。月のような輝きを持った金髪、くりっとしたエメラルドグリーンの瞳。
 中性的な美しい顔立ちの、彼だ。

「…………」

 彼は何も喋らない。ただその瞳で無表情に私を見つめるだけだ。
 何か動物的な思わず引き下がりそうになる。

「あのごめんなさい、失礼かもしれないけどあなたが……母からの誕生日プレゼント?」
「はい」



238:名無しさん@ピンキー
10/09/25 17:01:12 z18TIECH
前置きとか書き忘れた死にたい

239:名無しさん@ピンキー
10/09/25 17:08:59 anblKe+a
まぁまぁ、死なずにとりあえず今から説明すればいいじゃないか

240:名無しさん@ピンキー
10/09/25 17:21:03 z18TIECH
ありがとう

分かりにくいけど一応ヤンデレ。主従関係。従者が男。
諸事情によりちょこちょこ(一時間くらい)間が空くしグダグダ長いしオチは特にない
主従とかいってるけど従者が主人に暴力を働いたりする。

お暇があればせいぜい目を通してやってください。

241:237
10/09/25 17:54:53 z18TIECH
 慌てて彼を私の部屋に置いてけぼりにしたまま母の部屋へ駆け込んだが母はこともなさげににしていた。
 貴族の娘が16にもなったからには従者が必要だろうと母は言うが、そこは普通婚約者とかじゃないのか……。
 ちょっとがっかりしつつ、でも彼が大嫌いという訳でもないので笑顔を作り部屋に戻る。
 相変わらず彼は部屋の真ん中で無表情に突っ立っていた。

「とりあえず座ったら? ……えーと」
「ジャクリーンとお呼びください、ベティ様」

 ベティ様。名前を知っていたのか。
 彼のはじめて聞く声で呼ばれると自然と胸が高鳴ってしまう。
 ずっと見守っていた彼が、私の従者。嬉しさが噴出してくる。
 (……姉さんたちにとってはもう普通のことなんだろうけど)
 だがそれでも義父に溺愛され幼いころから執事がいた姉たちと比べると少し落ち込んだ。
 後妻である母の実の娘なのだから仕方ない。
 でも、嬉しいことに変わりない。そう思いなおすと笑顔で彼に手を差し出した。

「よろしく、ジャクリーン」
「よろしくお願いいたします」

 ジャクリーンはそう言うと私の手をとりすっと膝をおってひざまずいた。
 手の甲が彼の顔に近づく。

「え」

 ちゅ、と音を立てた。
 ああそうか、従者ってこういうものか。新しい友人のように思い握手を求めたつもりだったのでかなり動揺してしまった。情けない。
 顔があつくなってくる。今さらになって昔から男性に免疫がないのも恥ずかしく思った。
 まともに彼が見れずに顔を背けた。

「ベティ様」
「な、なに?」

 呼ばれてなんとか振り返る。

「わたくしはこの日を何より心待ちにしておりました」

 握った手はそのままに彼は立ち上がってふっと花が咲くようににこりと微笑みかけてくれた。

(……笑った)

242:237
10/09/25 18:31:06 z18TIECH
 ジャクリーンは思っていたよりも感情が豊かで声を上げることはないがよく私に笑いかけた。屋敷の皆が言うほど無口にも思えない。
 淡々と私の身の回りの世話をして自分の仕事をこなし、時には私の姉や父に対する愚痴を聞き時には二人で買い物に出かけたりもした。
 常に二人一緒。一日の何時だって離れることはなかった。 
 幸せだった。姉や父にどんな理不尽な言いがかりをつけられてもジャクリーンに話せば彼は必ず「大丈夫ですよ」と答え、そのたびに何故か安心した。
 春を過ごし、夏を過ごし、秋を過ごし、そして冬がきた。

「ベティ、ちょっとおいで。……ああ、ジャクリーンは席を外して頂戴」

 その日は大雪の日だった。ジャクリーンと共にサロンから帰宅するとリビングに父と母、それから見知らぬ青年とその母親らしき夫人が座っていた。
 青年は私を見ると取り繕ったような笑みを浮かべ、ソファから立ち上がった。

 なんでも彼はウェスティン公爵家の次男坊とのことだった。公爵家はかなりの財を持つし、たとえ次男坊でも邸宅の一つは貰えるだろう。
 婚約の話は当の私を置いて大人たちの間でだけどんどん進んでいく。
 頼りのジャクリーンはいないし婚約相手は私に目もくれない。隅っこの方で小さくなりながら一時間弱を過ごした。
 玄関まで公爵家の二人を送ると、父と母とは会話もせず階段にのぼり部屋に駆け戻った。


「じゃ、ジャクリーン……!」
「ベティ様」

 案の定彼は私の部屋にいてくれたので、思いっきり弱音をはきながらジャクリーンに飛びつくように抱きついた。

「なんか嫌な人だったよおおおおおお私を見てすらいなかったあああああうわああああ」
「…………」

 ジャクリーンは無言で私の腰に手を回し赤子を宥めるように頭を撫でた。

243:名無しさん@ピンキー
10/09/26 04:00:12 o98hinc2
>>237-238
>>240-242
乙!!
続き気になる

だけど投下終了時の告知は欲しいかも

244:名無しさん@ピンキー
10/09/26 12:23:59 Y9M3bSVH
このスレいいヤンデレいすぎて楽しみすぎるでござる

>>240-242はもう終わりなの?

245:名無しさん@ピンキー
10/09/28 11:52:10 NUTMWgst
>>244
流石にこれで終わりでは無いだろ……

246:名無しさん@ピンキー
10/09/28 20:39:36 mmhingVl
>>245
いや今回の投下って意味で…

247:名無しさん@ピンキー
10/09/29 21:13:08 waVyyYle
>>242の続き期待してます
これで職人さん規制とかだったら泣きそう

248:名無しさん@ピンキー
10/09/30 23:11:52 2nErZEzI
ちょっと書いてみたので空気読まずに投下
全3レス程度でエロは無し
一応ファンタジー物です

249:追いかけっこ 1/3
10/09/30 23:12:52 2nErZEzI
彼…『クラシス』は、今正に、愛しい人を追っていた。
大好きで、大好きで…気が狂ってしまいそうになる程、大好きで…。
想いを自覚してからは、何年も想い続け、追い続け、数年前に彼女は、自分の『婚約者』となった。
結婚と一言で言っても、当人同士は決して愛し合っている訳ではない。
所謂、彼女の父親と、クラシスの祖父が勝手に取り決めた、政略結婚の類なのだが、
クラシス自身、彼女と共に生きられる幸せを、世界の何よりも切望していた。
無論、結婚に対する彼女の意思は、完全に無視される形で話は強引に進められ、
数日後には、式が無事に執り行われる筈…だった。

これで、彼女の心が手に入る、彼女が僕だけを見ていてくれる。
積年に募る想いが、実りを結び、婚約が決まった瞬間、クラシスの心は歓喜に震えた。
後は、式を挙げ、蜜時溢れる新婚生活を夢見ていたその矢先に、彼女が、自分の前から突然姿を消したのだ。
(僕の全てを掛けて一生護ると誓ったのに、何故なんだ…?)
(――の欲しい物は、僕が必ず手に入れて見せるし、僕だけが――をこんなにも愛しているのに…)
(――の心は、僕だけのものだ…絶対、誰にも渡さない…)
そう、クラシスは何度も何度も繰り返し、思う。
彼女に逢えないもどかしさが、焦燥感となって、クラシスの心に現れる。
不安で、苛立つ負の感情が、じわりと広がると、精神を闇色に染め、そのまま蝕んで行く。
そんな時には、気持ちを落ち着かせるために、深く溜息を吐くと目蓋を閉じる。
目蓋を閉じると、浮かぶのは、彼の愛する彼女の笑顔。
耳を澄ませば、聞こえるのは、クラシスの名を呼ぶ彼女の声だけ。
今直ぐ逢いたい…声を聞きたい…。
抱き締めて温もりを分かち合いたい…。
彼の心全てが、今、『彼女』に魅了されている状態なのだ。

件の彼女…『リレア』とクラシスが初めて互いを知ったのは、二人が、未だ乳飲み子の頃。
二人の関係をあまねく言えば、幼馴染兼乳兄弟…という間柄で、
クラシスは、集落の長・ディランの孫として、この世に生を受けた。
クラシスの両親は、クラシスが生まれて直ぐに、流行り病で既に他界しており、
乳を与えるのに困ったディランが、丁度同時期辺りに、出産を控えていたリレアの母、
レーネに頼み込み、リレア出産後、乳母として、クラシスが乳離れするまで働いて貰っていたのが、
クラシスとリレア、二人の出会った最初のきっかけだ。
クラシスは、幼い頃より、長になるべくディランに期待され、学問やら一般常識等の、必要と成り得る、
知識を徹底的に教え込まれた御蔭か、気付けば、集落で一番頭の良い、賢い子供となっていた。

集落と言う、狭い土地柄、弥が上にもクラシスとリレアの出会う機会は多く、気が付けば物心付く前から、
自然と二人は共に学び、良く遊ぶ仲になる。

クラシス曰く、リレアの事自体、初めは、別に何とも思わなかったらしく、精々、思っていても、
『手の掛かる妹』程度のそんな思い…だった。

250:追いかけっこ 2/3
10/09/30 23:13:28 2nErZEzI
だが、その思いが打ち砕かれる一つの出来事が起こる。
リレアの運命が大きく変わった日の出来事に、クラシスは、当事者として、深く係わっていたのだ。
あの日は、彼にとって生涯忘れられない日となった。
話せば長くなるので、此処では割愛するが、ともかく、その出来事がきっかけで、
クラシスのリレアに対する想いが、兄妹愛のそれから、クラシスの一方的な、恋慕の情に変わってしまった。
それ以来、クラシスは執拗にリレアを追い回す様になり、リレアに好意を抱く集落の若い男共を、
庇護の名の下牽制し、序に権力と暴力を持って、排除し始める様になる。

「リレアは、僕の事…嫌いになった…のか…」
クラシスは溜息を吐くと、ぼそりと一言呟く。
自ら呟いた台詞が、不安感を煽り、心に影を色濃く落とす。
「…リレアに限って、そんなことは、絶対にあるわけない…よな…」
独りでぶつぶつ呟くと、近くの樹に背中を預け止しかかり、どうしてリレアが自分の下から突然、
何も告げずに姿を消したのかを、真剣に考える。
ふと見上げた、天から降り注ぐ柔らかな木漏れ日が、眩しくクラシスの顔を照らし出す。
「だったら何故…?」
木漏れ日の、暖かな光とは真逆な、暗く冷たい心の闇が、渦巻き、さんざめくのを感じながら、
クラシスは自分に都合の良い答えを、無意識の内に探していた。
「ああ…そうか…そうなんだ…」
目は全く笑ってはおらず、口元だけに笑みを作ると、納得の行く一つの答えにたどり着く。
「僕の事を…僕が、どれだけリレアを愛しているのか、試しているんだね…」
自分の愛を試されていると、勝手に思い込み、クラシスの心は甘く…歓喜に震えた。
これは、自分が普段からどれだけリレアの事を愛しているか…行動を把握できているのかを
リレア本人に直接示せる、千載一遇の好機ではないのか…?と、そう考える。
つまり、リレアを見付け、無理矢理にでも捕まえてしまえれば、リレアの全ては自分のモノ…と言う、
真実とはかけ離れた、随分と身勝手な…自分本位の答えだが、クラシスにとっては、それでも良かった。
彼にとっては、どんな事実より、リレアへの偏った愛の方が比重は大きく、例え、真実を知っても、
自分の内で、解釈を捻じ曲げ、勝手に自ら都合の良い方向の言い分へと変換し、納得してしまうのだ。
「そうだ…捕まえたら、何処か安全な所に、僕が良いと言う迄、ずっとずっと隠れていて貰わなくちゃ…」
世間一般的に、それを『監禁』というのだが、さも当然のように、クラシスはさらっと言ってのける。
リレアの事に関して言えば、この男、良心の呵責も無く、罪悪感のかけらすら持たないらしい。
「折角、僕の愛が伝わったのに、又、何処へと行ってしまったら嫌だから、
 ちょっと重くて、動きづらいかも知れないけど、鎖付きの素敵な首輪もプレゼントして…」
そう言いつつ、贈り物を身に着けた、あられもない姿のリレアを想像しては、男としての精神を昂らせる。
「…可愛いよ…リレア…」
妄想は留まる事を知らず、自分にとってこの世の何より清らかで、犯さざるべき存在のリレアが、
自分だけに従い、自分だけに愛を捧げ、愛を求め懇願する…そんな淫らな姿を思い浮かべると、
その愛らしさに、クラシスは眩暈すら覚えそうになる。
「…リレア…僕が欲しい…?」
妄想で創り上げた、クラシスへと直向に愛を懇願するリレアの幻影に、そう一言嬉しそうに呟くと、
「良いよ…あげる…」
(君に千尋の愛を…)
そう心で付け足し、病的な程、慈愛に満ち満ちた表情を浮かべ、幻影へと優しく微笑む。
「僕の全てはキミだけのモノ…なんだよ…?」
焦点の定まらぬ瞳で、幻影を見詰め、己も負けじと熱情の篭る愛を囁く。
仮初の幻影だが、リレアが自分だけのモノになった嬉しさが、今更ながら、
抑え切れぬほど込み上げてきて、清濁入り乱れる感情が、津波のように押し寄せてくる。
リレアも、自分を愛していると勘違いし、思い込んでいるからこそ、
自分も、リレアのその想いを大切にしたいと、クラシスは、本気でそう思う。

251:追いかけっこ 3/3
10/09/30 23:14:37 2nErZEzI
「ふふっ…ははははっ!」
端正な顔立ちが醜く歪む事も恐れず、再び口元だけで笑みを作り、けらけらと、楽しそうに笑う…。
楽しそうにしてはいるが、心は決して真の意味での安寧を得てはおらず、
クラシスの瞳に宿る鈍色のそれは、正しく獲物を狩る、獣の様な危険性を孕んでいる。
「そして僕以外の誰も、リレアには絶対に近づけさせないんだ…」
リレアだけが自分の傍に居れば良いし、リレアの直ぐ傍に居いる人物は、自分一人だけで良い。
そんな歪な感情が、クラシスの心を、真綿で締め付けるが如く優しく包み、
やがて闇の彼方へと引き摺り落とす。
其処から、這い上がる術を知らないクラシスは、もう…戻れない。
徐々に心を腐らせ、病んでいくしか、他に術は無いのだ。
「…リレアも、きっとそれを望んでる…」
(だから、夫である僕の許可も無しに、目の前から突然姿を消したんだ…)
何処をどう捉えれば、そんな答えに辿り着くのかは判らないが、リレアの都合もお構い無しに、
其処に、自分の目指す、一方的な幸せの全てが繋がっている様な気がして、
クラシスは、改めてリレアを追う決意を固める。
「…楽しみだな…」
やがてやってくるだろう時を確信し、そう言うと、益々膨らむ、リレアとの甘い蜜時を安易に妄想する。
もう少しで手に入るだろう幸せが、今は、只管待ち遠しく、どれ程離れているかは不明な、
リレアとの距離が、じれったく燻り、クラシスの心に内包する歪んだ欲望を益々震わせた。
「待っててね…僕が今、迎えに行くから…」
瞳を閉じると、其処には、こちらに両の手を差し伸べ、『早く迎えに来てね…』と、言わんばかりの、
真摯なリレアの、その姿が鮮明に浮かび、目の前へと映し出される。
だが、クラシスが幾ら手を差し伸べ、抱こうとしても、目の前に映るソレは、所詮幻影でしかない。
瞳を開ければ、当然の事ながら、目の前にリレアの姿はどこにも無く、
彼女がここに…自分の、目の届く範囲に居ない現実が、幾重にもクラシスの心を打ちのめし、深く傷付ける。

早く逢いたい…早く逢いたい…早く逢いたい。
早く逢いたい…姿が見たい。
リレアが望むのなら、何でもしてあげたい…。
彼女を縛り付ける全ての柵(しがらみ)や、運命から解放してあげたい…。
全てから解放されたリレアを、幸せにしてあげたい…。
だから、僕が、リレアを護るんだ…。
いや…絶対に護らなきゃいけないんだ。
それが出来るのは、してあげられるのは自分だけなのだと、何度も何度も繰り返し、
言い聞かせると、その都度心に刻みつける。
「必ず僕が、リレアを護ってあげる…」
狂愛と言う、縛鎖がクラシスの全てを絡め捕っている限り、クラシスがリレアに焦がれる、
この想いに終止符が打たれることは、まず無い。
リレアの存在だけが、今のクラシスを突き動かす原動力で、彼の生きる全てなのだ。
「だって、リレアは僕の大切な花嫁…なんだから…」
そう、独り呟くと、クラシスは、只管に森の中を駆け抜ける。
愛するリレアの姿を追うために…。

~ END ~

252:248
10/09/30 23:22:28 2nErZEzI
以上です
ここまで読んで下さって有難う御座いました
では再びROMに戻ります

253:名無しさん@ピンキー
10/10/01 01:08:29 GP1uiMlR
>>248-252
乙です
リレア側の心情とか続きもあれば読みたいですw
しかしクラシス兄ちゃんは良い感じで逝っちゃってるなぁ
これは彼女の為なんだとか言いつつ、余裕で直接的な暴力も振るうだろw
大好きだけどw

254:名無しさん@ピンキー
10/10/01 01:58:36 mnU/Lxhx
おぉ、>>252おつです
リレア逃げて、超逃げて
い…いや、あられもない姿を期待してなんて…


255:名無しさん@ピンキー
10/10/01 22:07:51 +eS7UIsw
>>252
乙です
クラシス兄ちゃんはいいヤンデレですねwwそれにしてもなんという文章力

256:名無しさん@ピンキー
10/10/03 10:05:21 VSspyXEW
投下期待

257:名無しさん@ピンキー
10/10/04 04:23:56 PYjr4tH8
だ、誰か……
ULTIMOのルネで書いて下され

258:名無しさん@ピンキー
10/10/07 10:08:10 i4jLrrUp
ユーヒとキオたん読んでたらなんか新しい方向のヤンデレに目覚めたでござる

259:名無しさん@ピンキー
10/10/08 01:13:10 QAB4X3/T
キオたんは激しく可愛かったので続き期待
てか俺がキオたんを虐めたい……

260:名無しさん@ピンキー
10/10/09 17:18:21 gSBNHeNe
投下が途絶えてしまった……

261:名無しさん@ピンキー
10/10/12 00:31:05 oatxHqW9
ヤンデレにばっかり気に入られる子ってのもいそうだよね

262:名無しさん@ピンキー
10/10/12 12:17:19 sMopfZGR
>>261
ヤンデレ共に壊れるまで陵辱される女の子か……ヤバい興奮してきた

263:名無しさん@ピンキー
10/10/12 17:37:20 oatxHqW9
>>262
ヤンデレ数人×女の子……たまらんがカオスそうだw

実は自分、以前に師匠と弟子少女を書いた者なんですが
続きじゃないですが同じ二人で一つ書いたんで、投下します。
風呂ネタ、本番はないです。師匠が物凄く気持ち悪い変態ですが、暇なら読んでやってください
ちょっと長いので6レスくらいかと…それ以上とかなったらごめんなさい…

264:師匠と弟子少女 1/6?
10/10/12 17:39:23 oatxHqW9
 雨の降る夕暮れ時。
 朝から厚い雲で覆われて空が低かったので、僕はあの子に傘を持たせていた。
 なのに、あの子は雨に濡れて帰ってきた。
「傘は?」
「貸しちゃった」
「誰に」
「知らないお兄さん」
 雫が滴る髪をタオルで拭きながら、あっさりとした口調で言う。
「どうして」
「だってそのお兄さん、お店の軒下で困ってたからさ。私なら家も近いし、まぁいいかって……」
 笑顔の彼女は冷えて肌寒いのか、頬が赤い。もう秋なんだからそうなって当たり前だが。
 この子は困っている人を放っておけない質で、多少なら平気で自分を犠牲にするところがある。
 勿論良いところなのだが、他の男を惹き付けることにもなり得る。それを僕は許せない。
 だからといって、そんなことを言うわけにもいかないから……この子から男を遠ざけるよう動いてきた。
 万が一にも僕以外の誰かに靡くことのないようにしてきた。
 学校に行く用事がある度、君の周りに男子が近づくことのないように、クラスメートの彼らに「お願い」もしてきたのに。
 それを、通りすがりの男に邪魔されたのではたまらない。
「お兄さんってことは大人だろう? 放っておいて良かったんだ」
「でも、師匠……」
「それで君が風邪を引いたらどうする」
「……ごめんなさい」
 タオルに唇を隠し、こちらを見つめてしょんぼりと肩を落とす。もう18だって言うのにどうも幼いが、それもまた可愛くて仕方ない。


265:師匠と弟子少女 2/6
10/10/12 17:41:28 oatxHqW9
 まだ幼かった君を引き取ってからもう9年が経った……あと少しだ。あと2年待てば君は成人する。
 成人さえしてしまえば僕と君が何歳からの付き合いであろうと、結婚することを誰も何とも思わない―犯罪にはならない。
 今からその日が待ち遠しいと微笑んだ時、くしゃみする声が聞こえた。彼女は少し震えている。
「ほら、熱出す前にお風呂に入りなさい」
「うう……はーい」
「あ、待って」
 しぶしぶ風呂場に向かう小さな背中を呼び止めると、きょとんとした眼差しがこちらを向いた。
「そのお兄さんに触った?」
「え……? あっ、うん。傘渡すのにちょっと……」
 ああ……やっぱり。
 僕は黙って彼女に歩み寄り、濡れた体を抱き上げる。
「し、師匠?」
「触ったんだろう? じゃあ今日は僕が洗ってあげないと……」
 その綺麗な目も、夏空のように鮮やかな青の髪も、きめ細かな肌も、全て僕のものだから。
 学校の授業で仕方なかったって君が言っても、この子が僕以外の男に触った日はいつもそうしてきた。
「ま、待って、師匠」
「知らないお兄さんには触って、僕に触られるのは嫌なのか」
「そんなことない!」
「じゃあ大人しくしなさい」
 いつからだっただろう。
 一緒に風呂に入るのを躊躇ったり(しても今みたいに言えば良いんだが)、入ったら入ったで体を隠したり、頬を染めたりするようになったのは。
 その時は、きちんと異性として意識してくれているのだと思って嬉しかったものだ。
「師匠、洗ってくれるだけじゃないの? 一緒に入るの?」
「ついでにね」
 衣服は全て脱がせ、勿論タオルも巻かせない。もじもじと胸を隠して、僕を見ようとしないのもまた初々しくて可愛らしい。


266:師匠と弟子少女 3/6?
10/10/12 17:44:03 oatxHqW9
「ほら、洗ってあげるから座って」
「はーい……」
 まず僕が椅子に座り、彼女がその足の間に収まるように座る。
 正直、目前に裸の彼女がいるだけで、勃起しないように自分を諫めるのはなかなかの苦行だ。
 とりあえず最初は髪を洗ってやる。痛くないように、目に入らないように、優しく。
 そうしていると、湯で温まるせいか、彼女の緊張も和らいできて笑顔も見られる。
「師匠に髪触ってもらうの、好き……」
「毎日触ってるだろう」
「うん……だから、幸せ……」
 大きくなっても、僕になついているのは変わらない。僕に抱きついて甘えるのが好きなのも。
 いつまでもこうして僕だけを見て、僕だけを慕う君であって欲しいものだ。
「ひゃっ!」
「何をびっくりしてるんだ。次、体だよ」
「だって師匠が手でやるから!」
「いつもだろう」
 せっかくの絹のような肌を傷つけたら大変だからと、手のひらで彼女の体を洗う。
 そんなものは建前だといってしまえばそれまで。君の肌を堪能したいのも本当だからね。
 まず腕、それから肩、首筋、脇……ゆっくりマッサージするように手を滑らせていく。
 これもいつものことだというのに、彼女は触れる度に体を震わす。その敏感なところもたまらない、愉しくて背筋がゾクゾクするよ。
 そして柔らかい乳房に手が行くと、さらに体が強張った。この手に収まらないほど成長した膨らみを、円を描くように手のひらで揉む。
「し、師匠っ……胸ばっかり、そんなに……っ」
「駄目だよ、ちゃんと洗わないと」
「ひあっ!」
 つい時間をかけ過ぎてしまったため彼女の息が荒くなってきたが……。
 気にせず乳房の中央にあるピンク色の蕾までじっくり洗ってやる。親指と人差し指でそっと摘まんで、捏ねるように。
「や……やだ、ししょ……だめぇ……」
「何が駄目なの」
「あっ……また、もやもやしてきたのぉっ……」
 後ろから覗くと、彼女の頬はすっかり上気し、だんだんと瞳も潤んできている。
無意識のうちに、つい苛めてしまっていたようだ。
 濡れて冷えた体を温めるために風呂に入らせたのに、僕がさらに濡らしてどうす……まぁいいか、温まるには違いない。


267:師匠と弟子少女 4/6?
10/10/12 17:47:16 oatxHqW9
「ごめんごめん、やり過ぎた。じゃあ洗う場所変えるよ」
「師匠のばか! いっつもそう言って胸ばっかりっ……!」
 乳房から手を離して、腹から腰へ。それから、敢えて秘所には触れずに足を洗ってやる。
 彼女がもどかしそうに身動ぎするのには気づかない振りをして。
「あ……」
「どうしたの」
 泡があるとはいえ、やけにぬるぬるした太ももまで来た時、彼女がそれを拒むように、すらりとした足を擦り合わせる。
「ほら、足開いて。ここも綺麗にしようね」
「ま、待って師匠っ、んあぁっ!」
 泡以外のもので滑りの良くなった割れ目から外陰までをなぞると、彼女の体がびくんと跳ねた。
「洗ってるだけなのにどうしたの」
「あっ……なんでっ、師匠と入ると、いつもっ……」
 外陰を摘まんで押しつぶすように捏ね回すと、いやいやをするように頭を振って抵抗する。
 ―実は数年前から、消毒と称して彼女を風呂に入れる度に下を濡らしてやっていた。
心だけでなく体まで僕に依存するように仕向けるためだ。
 でもそれが、君には分からないのも無理はない。保健体育では、こういうところを弄られたら気持ち良くなるなんて習わないからね。
「もやもやして、体が変になるけど、本当は嫌じゃないだろう?」
「うん……」
 彼女は微かに頷いた。
「怖いけど……すごく、きもちいい……」
 小さく蜜の音がしている。風呂場には、彼女の甘い声とそれだけが響く。
 彼女の表情はまだ未知の体験に対する戸惑いが滲んでいるが、笑っていた。……本当に、なんて純粋でいい子だろう。
 これが「如何わしいこと」だなんて微塵も思ってない。ただ僕に可愛がられて喜んでいるんだから。
「あっ、ああぁぁっ……ふぁぁあん……!」
 割れ目から中には何もせず、ただ外陰を攻めていただけだが、彼女が達するには十分な刺激だったようだ。
 彼女はぷるぷると体を小刻みに震えさせ、きゅっと強く瞼を閉じ、唇をわずかに開いて虚空を仰ぐ。
 その瞬間に、普段の子供っぽさからは想像もつかない色気が彼女の全身から放たれたように感じられ、
思わず挿入までしてしまいたくなるがぐっと堪えて、肩で息をしている彼女の髪を撫でる。


268:師匠と弟子少女 5/5
10/10/12 17:49:08 oatxHqW9
5レスで大丈夫でしたすみません


「ししょ……」
「気持ち良かった?」
 彼女は僕に寄りかかると、はにかんだ笑顔で首を縦に振った。無知ゆえに変なところで正直だ。それがいいんだが。
「大人になったらもっと気持ち良いことしてあげるよ」
「ほんと……?」
 僕が言うと、嬉しそうに目を細めて首を傾げる。もうすでに快楽の虜らしい。
「ああ、本当さ。だから……ずっといい子で、僕の傍にいるんだよ」
「うん……約束する」
 大人になるまで……いや、大人になっても僕だけの言うことを聞くいい子でいるんだよ。
 ああ、でも大丈夫。もし聞かなくても追い出したり手放したりなんてしない……ただ、ちょっとお仕置きしなきゃならないけどね。

 君が大人になったらどんな風に気持ち良くしてあげようか。考えて僕は笑った。

269:名無しさん@ピンキー
10/10/12 17:50:45 oatxHqW9
以上です。何せ語彙がないもので拙くてすみません。
それでは、ROMに戻って他の素晴らしい書き手さんの投下を待つ生活に戻ります

270:名無しさん@ピンキー
10/10/12 18:59:49 PhySyjlC
>>263-269
乙です!!!

いや物凄く気持ち悪い位で丁度良いのではなかろうか?
そして師匠のお仕置き見てぇぇぇぇぇ!!
二度と逆らう気がなくなるように、精神をポッキリどころかバキバキに折りそうw

271:269
10/10/13 07:55:20 o0eu1F7N
書き忘れた。
これ、中世に現代混ぜてファンタジー入った感じなんで…女の子の髪とか師匠があまりにキモいとか
あんまり気にしないでください

>>270
いつになるか分からないがお仕置き書けたらまた持ってくる

272:名無しさん@ピンキー
10/10/14 19:23:11 lsgo4i4S
>>271
お仕置き楽しみにしてます

273:投稿します
10/10/14 21:25:55 i8ADcmBv
注意
・これは七夕の話(織姫と彦星)のヤンデレverです
・グロ、流血表現あり
・男女ともヤンデレ
・オリジナル設定多少あり
・二人語りみたいになっている
・季節外れ

274:血濡れの願い
10/10/14 21:38:18 i8ADcmBv
やっと今日は待ちに待った、年に一度だけ愛しい織姫に会える日
天気は心地いい晴天、川も穏やかに流れていて安全に渡れる
「元気かな?織姫…早く会いたいな」
自然に笑っている自分に気づいて、少し恥ずかしくなる


今日はやっと彦星さんに会える日だわ。嬉しくて胸が高鳴るの
…なのに、どうして?
どうしてお父様は嫌そうな顔をして、彦星さんを悪く言うの?
「酷いわ…お父様」
私が泣いても、まだ顔をしかめたまま…どうすればいいの…


相変わらず空は晴れていて、今日はずっと晴れそうだ
少し早足で、織姫の屋敷に向かう


もうすぐ彦星さんがくる
ふふっきっとこの贈り物気に入ってくれるわよね?楽しみだわ!!

275:血濡れの願い
10/10/14 21:57:06 i8ADcmBv
>>274の続き

…?屋敷の前に着くと妙に静かで、嫌な予感がして慌てて扉を開け叫ぶ
「織姫!!何処にい」「ふふっ此処よ、彦星さん」

織姫の声に振り向けば、血まみれの織姫が立っていた

「ふふっ此処よ、彦星さん」
私の声に振り返った彦星さんの安堵の笑みが、一瞬で驚愕に染まり俯く
「貴方への贈り物。お父様さえいなければ、毎日毎日会えるでしょ?ねぇ名案でしょ?愛しい彦星さん」
ちらとお父様の屍に目を向け、抱きつき頬に手をあてれば貴方は震えていた
どうして?なんで震えるの?私は貴方のためにやっ…
「やっと…堕ちてくれたんだね、織姫。すごくうれしいよ」


抱きついてきた織姫から、視線を外せば見るも無残なゴミが一つ
クク…あぁやっと
「やっと…堕ちてくれたんだね、織姫。すごくうれしいよ」
やっと僕と同じところまで堕ちてくれた。親殺しと言う大罪を罪と思わず妖艶に笑う
待ち望んでいたよ、その最高の笑みを

276:血濡れの願い
10/10/14 22:21:55 i8ADcmBv
>>254の続き

ぎゅっとわたしを抱きしめた貴方は、何時もの穏やかな笑みじゃなくて怪しく笑う
でも、その絵がをの方が素敵よ。やっぱりお父様を消して正解だったわ
「これでずっと、永劫ずっと一緒にいられるのね?」
「うん、ずっと一緒だよ織姫…僕らは一つになるんだ」
え?この痛みは…なに?
どうして刀がお腹に刺さ…


織姫を刀で貫けば、ぞっとした顔で見上げる。血の甘い香りがする
刀を回転させ傷口を深くすれば、とても心地よい悲鳴が聞こえる
「アハハ!どうしたの?僕は君を食べて君と永劫一つになる…そうすればもう、織姫は僕だけのもの!!」
僕は手早く織姫を桶に入れて解体していく、手足を切り落とした
愛しい生首に口づけ、目玉を抉り出し口に入れる。それは金平糖よりとても甘い
舌を噛み切り咀嚼する、上質な肉にガぶり付いたような陶酔感

鍋に入る大きさに切り分け、血も入れていく
ハハッ!!織姫のごった煮。とても美味しそうな芳香が漂酔いしれる
「いただきます、これで僕らは永劫一緒だよ。愛しい織姫」

彦星は、うっとりと妖艶な…見る者全てをぞっとさせる満面の笑みを浮かべていた


終わり


277:名無しさん@ピンキー
10/10/16 18:48:46 6I8ITRTa
>>273
…………パクリ乙。
去年七夕あたりのヤンデレスレに投下されたのと、おんなじ内容じゃないか。
本人だったらゴメンだけど、この季節感無視っぷりからして、それはなさそうだし。

278:名無しさん@ピンキー
10/10/17 02:24:24 GC6TIEAa
ヤンデレ数人×女の子っていいんでね?と思ってたら何かできました
結婚秒読みだった女性が亡くなってしまい男がその女性のクローンを執念で作り上げる
が、その男も死亡してしまい、男の兄がクローンの女の子を犯すという話です

架空の世界の話
クローン技術云々はまるっきりのデタラメです
肉体は十代後半精神は子供の女の子をおっさんが無理やり犯してます
兄視点、全部で5レスです
無理そうなら『偽者同士』でNG回避お願いします

279:偽者同士
10/10/17 02:26:27 GC6TIEAa
先日弟が亡くなった。
死因は過労死。
道端で倒れているところを通行人に発見された。
葬儀は親族だけで行い骨と灰になった弟を連れて、弟の家に帰る。
「おかえりなさい、まさあき」
十代後半と思しき少女が玄関まで走ってきて僕を出迎える。
「ただいま……奈緒」
この少女を奈緒と呼んでいいものなのか躊躇いながらも、少女の名前を口にすると、少女は外見よりも幼い笑顔を浮かべる。
奈緒の手を引いてリビングに入ると、女の子用の玩具がフローリングに散らかっていた。
「駄目じゃないか、奈緒。こんなに散らかしちゃ」
「だってまさあきがおそいからさみしかったんだもん。昨日もなおのことおいていっちゃうんだもん」
ずっと寂しいのを我慢していたのだろう。
奈緒は堰を切ったように泣き出し僕にしがみつく。
僕は弟を左腕に抱き、右腕で少女を抱きしめた。

僕が奈緒という名前もDNAも同じ少女と出会うのは二度目のことだ。
一人目の奈緒は十五年前僕の弟の雅昭と恋に落ちた。
大学の学長の息子として生まれた僕と弟は学生時代は勉強、研究者となってからは研究しかしていなかった。
そんな弟の前に現れた一人の女子学生が奈緒だった。
聡明で優しい奈緒に弟はいつしか惹かれ、奈緒も真面目で才能ある研究者である弟に惹かれていた。
恋愛などしたことのなかった弟のアプローチは世間からは随分ずれていたことだろうが、それでも彼らの仲は少しずつ少しずつ深まっていっていた。
結婚も秒読みかと思われていたある日、奈緒は死んだ。
車に轢かれ即死だった。
奈緒の遺体は奈緒の遺志通り、うちの大学に運ばれ、今後の国の生物工学の発展のために使われることとなった。

280:偽者同士
10/10/17 02:28:09 GC6TIEAa
それからだ。弟が狂い始めたのは。
僕はその頃から大学の経営の方に携わるようになり研究からは外れてしまった。
だから最初は弟がどんな研究をしているのかはわからなかったが、学生や教授連中から弟が何かに憑かれたように研究に没頭しているという噂は耳にしていた。
奈緒の死から立ち直れないかもしれないと心配していた僕は、奈緒以外に弟の支えとなるものができてよかったと暢気に考えて、弟の研究を影ながら見守った。
研究の成果は目覚しかった。
論文をいくつも発表し、研究成果に見合うだけの賞を受賞し、大学やスポンサーからも多額の研究費が出ていた。
驕ることなくひたすら研究に明け暮れた弟は研究者の間でも高く評価されていたらしい。
その弟が命を賭した極秘研究の結果がこの二人目の奈緒だ。
僕の腕の中にいる奈緒は一人目の遺伝子から作られたクローン人間だ。
弟は元々兵器用、産業用のクローン人間を量産する研究を行っていた。
しかし、課題は多い。
人間は動物のクローンと違って成体になるまでに多くの時間と費用を要する。
それを克服するために世界中で研究が行われている。
弟はこの二人目の奈緒の肉体をたった十年で十代後半まで育て上げた。
さらに評価すべき点は培養液の中で育てられていたにも関わらず出てきたときには小学校低学年並の教育が施されていた点だと弟のチームの一人が熱弁していた。
大学ではこの奈緒を世界に発表するべきか否かを話し合っているようだが、僕は発表は見送るように大学に掛け合っている。

これは偉大な研究なんかではない。
ただの弟のエゴだ。
「奈緒。僕は昨日雅昭の部屋で日記を見つけたんだ。雅昭は君との子供が欲しかったそうだよ」
確か奈緒は生前卵子の提供を行っていた。
その卵子と雅昭の精子を掛け合わせれば、文字通り簡単に彼らの子供はこの世に生を受けただろう。
しかし雅昭はそうしなかった。
それはおそらく彼がそんな形で子供が欲しかったからではないからだろう。
奈緒と家庭を築き、自分達の体をもって子供を授かり、自分達の手で子供を育て上げたかったのだろう。
二人目の奈緒は不思議そうに赤い目で僕を見上げてくる。
「まさあきは赤ちゃんがほしいの?」
僕は苦笑する。
奈緒の目には僕の顔が弟と同じものに映っているのだろう。
いや、それはまさにその通りなのだ。
僕らも二人の奈緒と同じようにクローンなのだから。
ただし僕らは天然のクローン。つまるところ一卵性双生児だ。
数日前この部屋で二人目の奈緒と出会い、弟の雅昭が死んだことを告げると、奈緒は首をかしげてこう言った。
「まさあきはここにいるのに?」と。
不意を突かれた僕は自分の名前を名乗りそこない、第二の雅昭となった。

281:偽者同士
10/10/17 02:29:04 GC6TIEAa
「奈緒。赤ちゃん、作ろうか。どうせ僕は雅昭で、君も奈緒だ。生まれてくる子供は雅昭と奈緒の子供だ。そうに違いない」
僕は弟の骨壷を置き、奈緒を寝室へと連れて行く。
ベッドに座り、奈緒を抱き寄せ、彼女の髪を梳いてやる。
「奈緒。キスしていい?」
僕は奈緒がキスを知っているのか、弟とすでにキスをしているのかも確かめる意味で奈緒に尋ねた。
「うん」
奈緒が目を閉じたので、奈緒の唇に触れるだけのキスをした。
「裸で抱き合ったことは?」
奈緒はぱちりと目を開き、困ったように僕を見つめてくる。
NOなのだろう。
奈緒との子供が欲しくて、莫大な時間と費用をかけて奈緒を作ったくせに、奥手にもほどがある。
奈緒の耳朶を口に含み食むと、奈緒から「ひゃあ」と驚いた声が上がる。
「くすぐったい」
胸と腋の際どい箇所をくすぐると、「くすぐったいよー」と奈緒はくすくすと笑う。
「服を脱がせるからね」
「うん」
奈緒のブラウスのボタンを一つ一つ外していく。
ブラウスの下にはスポーツタイプのブラジャーを着けていた。
それも剥ぎ取ると、非常に魅力的な柔らかそうな白い胸が零れ落ちる。
女の腹から生まれていないのに、弟の研究はたいしたものだと僕はここに来て弟の才能に感動すら覚えた。
弟の奈緒への執着すら感じられる。
「弟はすごいよ」
言いながら、スカートとパンツを脱がせる。
ここで嫌がるようならばやめようと思っていたが、弟の前に裸を晒すのは慣れているのか、奈緒は嫌がる素振りを見せない。
僕も服を脱ぎ、奈緒をベッドの上に押し倒した。
奈緒の頬を撫でて「大人のキスをしようか」と言うと、「なあにそれ?」と奈緒は興味津々で返してくる。
「ちょっと口を開いて。うん、そう。苦しいかもしれないけど我慢して」
おずおずと口を開いた奈緒の口を塞ぐ。
舌を侵入させると、奈緒はびっくりして舌を引っ込めてしまったが、奈緒の頭を撫でると安心したのか僕の舌にちょこんと自分の舌をあててくる。
戯れるようにして舌と舌とを絡ませあえば、奈緒は僕の腕を掴みながらも僕にすべてを委ねてくれる。
奈緒が息苦しくなったところで唇を離す。
奈緒ははあはあと息を整えながら「これが大人のキス?」と訊いてくる。
「そう。大人のキス」
胸をやわやわと揉み、首筋を舐めると、くすぐったいのか奈緒は身を捩る。
愛撫を施すと、やはり体はちゃんと女なのか、次第に反応し始める。
ぴんと存在を主張する胸の突起を口に含むと僕のことを「赤ちゃんみたい」と言いながらも奈緒は熱い息を漏らす。
硬くなった乳頭を口内で転がし、軽く歯を立てる。
「やぁっ……まさあきぃ」
「何が嫌?」
口から乳首を離し、僕の唾液で濡れる乳首を指で抓みながら問いかけると、奈緒は涙目で僕を見上げてくる。
「なんか変だよ」
「赤ちゃんを作るためには必要なことだよ」

282:偽者同士
10/10/17 02:30:03 GC6TIEAa
奈緒の体に隅から隅まで唇を落とし、撫で回す。
特に奈緒の足の指から太ももの付け根までを丁寧にいやらしく舐めていった時には奈緒の息は上がり、
おそらく弟も触れた事がない奈緒の秘部からとろとろと蜜が溢れ出ていた。
奈緒の足を割り開き、秘部から溢れる愛液を指に絡めて、奈緒の目の前に持って行く。
奈緒は僕の人差し指と中指の間で透明な糸を引くそれを不思議そうに眺める。
「奈緒。いっぱいおもらししたね」
「えっ、ご、ごめんなさい……」
上気した顔をさらに赤くさせて奈緒は恥ずかしそうに、僕の指から目を外し、顔を背けてしまった。
僕は悪役さながらに意地悪くくつくつと喉で笑う。
奈緒の精神の方の発達は今も物凄いスピードで進み、肉体の年齢に追いつく頃に徐々にスピードを落としていくらしい。
そう遠くない未来に僕は精神的にも成熟した奈緒に今行っていることが原因で殺されるかもしれない。
それも雅昭の本望なのかもしれないなと思いながら、奈緒の花園に顔を埋める。
芳しい香りの蜜を舐め取ると頭上から奈緒のひぃん、という情けない声が聞こえてくる。
もっと色っぽい声を上げさせようと舌と指による愛撫にも熱が入る。
「んっ……あ、あっ……」
陰核を指で小刻みに刺激し、秘部に舌を出し入れさせると、漸く嬌声らしい嬌声が奈緒の口から漏れ出し、奈緒の太ももががくがくと震える。
「まさあき!やだっこわい、熱いのやだッ……はぁっ、あん、やめてぇッ」
愛液と唾液が混ざり合い、ぐちゃぐちゃと卑猥な音を立て、奈緒の聴覚までもを犯す。
そのまま指と舌とで激しく犯すと、奈緒は弓なりに体を反らし、全身を痙攣させ達した。


奈緒はぐすぐすと泣きじゃくっていたが、もうどんなに奈緒が嫌がっても僕は止める気がなかった。
いきり立った僕の肉棒をあてがい、奈緒の中にゆっくり沈める。
初めて男を受け入れる奈緒の中はきつかったが、前戯に相当な時間をかけていたおかげで充分に潤い、僕を受け入れる。
「やだっ!入ってくるぅ……まさあき、痛いよぉ」
「うん。大丈夫、大丈夫」
奈緒にとっては何も大丈夫なことなどないのだろうが、僕は奈緒の顔にキスの雨を降らし、誤魔化しながら根元まで奈緒の中に自身を埋め込んだ。
「奈緒。全部入ったよ」
年甲斐もなく明るい声で僕が言うと、奈緒は涙を流しながら恨みがましい目で僕を睨んでくる。
こうゆう時だけは女の表情だ。
奈緒に僕にしがみつくように促すと、奈緒は僕の首に腕を絡めて、しっかりとしがみついてくる。
奈緒の膣がきゅうっと締まり、僕を膣全体で握り締めてくる。
かなりキツイが、もう若くない僕にはある意味いい刺激だ。
そういえば久しぶりの女とのセックスだ。
「奈緒、気持ちいいよ」
軽く奈緒を揺すると、「んー」と苦しそうな声が上がる。
ゆっくりとした抽挿から始め、奈緒が慣れてきた頃に徐々にスピードを上げて、奈緒を大きく揺さぶる。
「あんっ、まさあきっ、はっ、あ、あぁん」
奈緒からも甘い声が溢れ出す。
「ほら、気持ちいいな。奈緒」
「まさあき、まさあきぃ」
いつしか僕は激しく奈緒に腰を打ちつけ、奈緒の精神年齢が子供だと言うことも忘れて、奈緒の体と唇を貪っていた。

283:偽者同士
10/10/17 02:31:00 GC6TIEAa
もしかすると僕は初めから、十五年前から、奈緒とこうなることを望んでいたのではないだろうか。
奈緒の子供が、奈緒が欲しかったのは、弟ではなく、本当は僕の方だったのではないだろうか。
「奈緒っ、お父さんとお母さんになろう」
「ああぁっ!何か来るっ……まさあきぃ!」
奈緒が喉を仰け反らして達する。
膣が痙攣し僕を締めつける。
奈緒の最奥まで貫き、奈緒を抱きしめ、僕も奈緒の中で達した。

僕が奈緒の中から萎えたペニスを抜き、奈緒を窺うと、彼女は奈緒は胸を上下させて呆然とした表情で天井を見上げている。
急激に醒めていく頭の中。
あれだけ最中は意地悪なことを言っておきながら、今は彼女にかけるべき言葉が見つからない。
僕が黙り込んで、彼女の秘部から自分の精液が垂れてくるのを眺めていると、ゆっくりと奈緒が体を起こした。
「まさあき、怒ってるの……?」
僕は小さく首を横に振る。
「ほんとうに赤ちゃんできるの?」
「どうだろうね……」
「ふーん」
唇を尖らせる奈緒。
子供っぽい仕草。
僕はそこで改めて気づく。
あの奈緒と、この奈緒は全くの別物であると。
いくら奈緒のクローンであろうと、同じ奈緒になるわけではない。
環境によって性格も仕草も全く異なってくる。
僕が弟と異なる性格、異なる道を選んだように、きっとこの奈緒も、あの奈緒とは違う女性になる。
それでいいかと思う。
その方がいい。
「奈緒」
「ん?」
「偽者同士、末永くよろしく」
奈緒の額に僕の額をぶつけると、奈緒はゆっくり瞼を閉じた。
雅昭の偽者の僕は、奈緒の偽者に、そっと唇を寄せる。

284:名無しさん@ピンキー
10/10/17 02:37:09 GC6TIEAa
以上です
スレチだったらごめんなさい
むしろここから兄のヤンデレライフは始まるのではないかと思います

285:名無しさん@ピンキー
10/10/17 06:38:47 8WGQokJh
>>278-284
おつです!
兄がどうヤンデレていくのかで奈緒たんも変わるだろうなww

286:名無しさん@ピンキー
10/10/17 10:01:01 LKyMM2vd
>>277
最初に書かなくて誤解させてすまん
去年投稿した本人です
こっちに投稿した方がいいと意見があったので

287:名無しさん@ピンキー
10/10/21 23:37:28 Fw5l4qY2
>>284
兄ちゃんの方が双子の片割れより余程ヤンデレだったでござるって話かw
奈緒ちゃん可愛いので良い!!
続きあるなら期待してます

>>286
確かにこのスレ向きの作品かもしれませんね

288:名無しさん@ピンキー
10/10/23 22:29:03 R641j0iP
保守

289:名無しさん@ピンキー
10/10/24 22:19:47 RASBG8FT
書けるかな

290:156
10/10/24 22:24:44 RASBG8FT
おお出来た!!

>>156です。規制の間に繁忙期突入&再度規制で書き込めませんでした。
3ヶ月も放置してしまってすみません。

『ゆうとと加奈』の続編投下します。
長くて全部は投下出来ないので区切りっていきたいと思います。

291:優人と加奈(予兆)
10/10/24 22:41:29 RASBG8FT
※ゆうと平仮名表記→漢字表記へ変更
※一人称形式→三人称形式へ変更
※小6時。二人の境遇や心境の違いに重点を置いてるのでエロ無し、ヤンデレ成分微少、冗長です。苦手な方はスルーお願いします。




「加奈ちゃん。優人くんと仲良くするの、やめたほうが良いと思うよ」
「へ?」

昼休み後の五時限目。
気だるげな空気が教室を支配する中、
教科書から重要箇所を抜き出してノートに写していた加奈は、突然降って来た声に驚いた。
手を止めて、顔を上げる。
前の席に位置する級友の顔が、そこにはあった。

「だから、優人くんと仲良くするのやめなって」

授業中だというのに、級友は体を捻ってこちらに向き直っている。
加奈は、ちらりと教壇の教師を盗み見た。
ホワイトボードに書き殴られた長い日本語の羅列。
日本史の年表を書す教師の指は神経質そうに強ばっていた。
しばらくは、板書に集中していそうだ。
姿勢を低くしてから、加奈は小声で話しかけた。
「何で?」
つられて姿勢を低くした級友がボソボソと答える。
「だって、優人くん変なんだもん」


292:優人と加奈(予兆)②
10/10/24 22:49:11 RASBG8FT
変?
変とは一体どういう事だろう。

「変って何が?」
「変は変なのっ」
「……?」

確かに彼には変わったところがある。
あるが、関係を見直す程のものだっただろうか。
加奈は困惑する。
級友が何故こんな事を言うのか分からない。
それに、記憶違いでなければ確かこの級友は以前、優人の事が気になると自分に告白して来たはずだった。

「絵美ちゃんさ、この前『優人君の事好き』って、かなに言って来なかったっけ?」

指摘してみると、級友は顔を歪めた。

「うん。好きだったよ。でもやめたの」
「やめたって何で? 優人の優しい所、好きって言ってたじゃん」
「言ってたよ。でも、違ったんだもん」
「違ってないよ。優人は優しいよ?」

一瞬、級友は加奈を睨んだ。
だが、すぐに苦笑いしたような顔になり、ため息を吐いて肩を落とした。
「優人くんは優しいよ」
そう認めたあとに、「でも」と語調を強める。
「加奈ちゃんにだけ、ね」

加奈は驚く。
優人の好意を、そんな風に捉えた事は今まで一度もない。
そんな加奈の様子に気付く事なく、級友はまた言葉を続ける。

「私気付いちゃったんだ。優人君、加奈ちゃんしか見てないって」
「へ?」
「今だってそうだよ」

「ほら」と、目線だけで促されて斜め後ろへと視線を動かせば、確かに二列挟んで後方に座る優人がこちらを見ていた。
目が合い、無意識に加奈は笑顔をつくる。
優人も優しくそれに微笑み返し、やがて加奈から視線を外した。
優人の顔をしばらく眺めてから、加奈は級友に向き直った。

「見てたけど……」
「ね?分かった? 優人くん、いつも見てるの加奈ちゃんのこと。怖くない?」
「ただの偶然だと思うけどなぁ」
「偶然じゃないって」
「そうかなぁ……」
「そうだってば絶対!!」

突然教室中に響き渡った声に、教師の怒声が重なる。
注意されてしまった級友は、慌てて座り直して前を向いた。
だが、最後にもう一度だけ振り返り、抑えた声で呟いた。

「優人君、少しおかしいと思う」

加奈は再び優人を見てみた。
振り向いた先の彼は、もう余所見をする事なく、黒板だけをまっすぐに注視している。
優人の様子を確認した後に、加奈もまた授業へと戻った。
ペンを握り、教科書を開く途中ふと思う。
先ほど見た優人の顔。
それがいつもより冷たく感じたのは、気のせいだろうか。

293:優人と加奈(予兆)③
10/10/24 22:59:03 RASBG8FT
「加奈。今日何話してたの」

そう聞いて来た優人は、人のベッドの上で寛いでいた。
頭は濡れて、上半身は裸だ。
風呂上がりの彼が、髪を盛大に濡らしたままTシャツ片手にやって来たのは、10分程前の事だった。
部屋に入れる際に、加奈は怒ってタオルを渡した。
ベッドに上がる前にも、シャツをちゃんと着なさいとそう促した。

だが、当の本人は全く拭く気配を見せず、未だに半裸状態でベッドを占領している。
痩せた肩に滴が垂れ、蛍光灯の下で濡れて輝いていた。

結局、我慢出来なくなった加奈は、優人の手からタオルを奪い取り彼の後ろへと周る。
タオルを叩きつけて、思いっきり頭をこすってやった。
「痛い!」
叫ぶ優人の声は無視する。
質問にだって、答えてやらない。

「何?拭いてくれるの?ありがとね」

そんな加奈に、優人は白々しく礼を言った。
加奈は肩を竦めた。
彼がこうして髪を濡らしたままやって来るのは、実は今回が初めてではない。
優人は度々、風呂上がりに部屋を訪れてはよく加奈を困らせていたのだ。
そして、決まって加奈に拭かせるように仕向けてくる。
最近になって、ようやく気付いた。
彼は全部分かったうえで、こうしている事に。

「ねぇ優しい加奈。髪を拭いてくれるのは嬉しいんだけど、無視しないでよ。今日何話してたのって聞いてるのに」

優人が寂しそうな声を出す。
勿論、これは彼の演技なんだと気付いてはいたが、いつまでも人を無視出来るほど加奈は器用ではない。
冷たい声を出す事ぐらいでしか応戦出来なかった。

「何が?」と、一言だけ口を聞く。
怒っているのだと、せめてもの意思表示。
だが、優人は笑っただけだった。
「怖い声」と、加奈の精一杯の意地を一笑の元に受け流す。
加奈は諦めた。
心理戦で、優人に敵うはずもない。

「加奈達、授業中先生に怒られただろ」
飄々と優人は続ける。

「うん」
「それで、何を話してたらあんな大きい声出せるのかなぁって思って」
「大声出したの、かなじゃないよ」
「分かってるよ。でも、知りたい」
「……」

加奈はあの時の会話を思い出してみる。
優人と付き合わないほうが良いと忠告してきた級友の言葉。
全てを話したら、彼は傷つくだろうか。

「優人って、優しくないの?」

結局、曖昧に言葉を崩した。

294:優人と加奈(予兆)④
10/10/24 23:14:04 RASBG8FT
「え、僕?」

当然のように、優人は怪訝な顔をする。

「何で?」
「加奈が聞いてるの! ねぇ、皆に優しくしてないの?」
「さぁ……」

しばらくの思案の末に、突然彼は笑いだした。

「そんなの考えた事もないし、考えたいとも思わないから。どうなんだろ? 自分では分かんないよ。
でも、こんな風に思ってるって事自体、優しくないのかな?」

一気に喋った後に、彼は沈黙した。
加奈を振り向いて見つめたあとに、低い声で彼女に尋ねる。

「で、何?僕の話してたってこと?」

加奈はあえてその質問を無視する事にした。
「でも、優人は加奈に優しいでしょ」
「うん」
「どうして加奈には優しいの?」
「だって加奈は優しいから」

きっぱりと言い切る優人に、加奈は違和感を覚えた。
その言い方が、まるで周りが優しくないと言ってるように聞こえたのだ。

「……じゃあ、優しい人には優しくするの?」
「しないよ。するわけない。加奈が加奈で、加奈が優しいから僕も優しくするんだよ」
「意味分かんない」

優人の言葉はいつだって複雑だ。
本心を喋っているのか、それとも言葉の裏側に何らかの意図を隠し持っているのか。
分からなくなる。
だから加奈はいつだって混乱するのだ。
そして当の本人は、そんな加奈の困惑ぶりを見て楽しんでいる節がある。

「優人の言葉はいつも分かんない」
「加奈が鈍いだけだよ」
「でも、かなをからかって面白がってる時があるでしょ」
「それはさすがに疑い過ぎ」

優人はさらりと言いのける。
納得出来ないのはいつもの事なので、加奈は会話を引きあげる事にした。

髪が乾いてきたので、シャツを着るように彼に指示をする。
バンザイをして来た彼の頭を叩き、自分で着用させた。
それでも懲りずに「もっと頭を触って」と甘えて来るので、とりあえず頭皮を揉みほぐしてみる。
満足したのか、優人はうっとりと目をつぶり、加奈の指先へと頭を預けた。
指を止めると、もっと撫でてと催促する犬のようにぐいぐいと頭を押し付けてくるので、加奈は笑って、しばらくマッサージに興じる事にした。

つむじを眺めてるうちに、ふと、1年前の彼の姿を思い出す。
痩せて、汚れた服を来た男の子。
何に対しても反応が乏しかった少年は、いつも冷めた目で教室を見ていた。


295:優人と加奈(予兆)⑤
10/10/24 23:21:43 RASBG8FT
(……1年もたったんだ)
短くなった優人の髪をかきあげながら加奈は思い返す。

1年前までの優人は、蓬髪の少年だった。
無造作に伸びた髪の毛は肩まで垂れて。
鼻に届かんばかりの前髪の隙間から、いつも外の世界を覗いているような子供だった。
空気のように透明で、希薄な優人。
そんな彼の髪を切ったのは、他でもなく加奈だった。
隣に母を座らせ、慎重に散髪していく過程で、加奈は初めて優人の素顔を知る事となる。
優人は輪郭の美しい子供だった。

後頭部から項にかけての曲線には一切の歪みがなく、そして、額からこめかみ、首、肩へと続くなだらかな傾斜には完成された一種の造型美があった。
加奈は驚きを隠せなかった。
母も側で感嘆の息を漏らした。
刈り取られた髪の間から徐々に出てくる瀟洒な優人の横顔に、加奈は陶然と見惚れたものだった。

(……あの日から変わった)
正確に言えば、彼の周囲が。

当人は、さして自分の容姿に興味を持たず、それどころか視界が眩しいと愚痴をこぼすばかりだったが、とにかく、彼をとりまく環境は一変した。
考えれば、あの頃から優人との仲介を図る申し出が頻発してきたように思える。
加奈はその度に喜んで協力したが、結局、実った恋は一つもなかった。
そして大抵、恋破れた女の子達は、優人は元より加奈からも離れて行き、やがて目も合わせなくなった。
優人と彼女達の間で、どのような交渉があったのかは分からない。
ただ、良い方向に進展出来なかった事は明白だった。

「優人」
「なに?」

夢心地でいたのか、呼びかけられた優人は目を細めて加奈を見上げる。
その頬が優しく緩んでいるのを見、加奈は苦しくなった。
『優人くん、少しおかしいと思う』
気持ちが届かず、最終的には手を引いて行った友人達。
優人は髪を切ろうと切るまいと、変わらず孤独を愛しているようだった。

「優人は好きな人、いないの?」

無意識に出た言葉だった。
舌から滑り落ちるように、予期していなかった言葉だった。
加奈はマズイと思った。
この手の話しは、優人は嫌いなのだ。

案の定、脈絡のない加奈の質問に、優人は眉間に皺を寄せた。
その顔が徐々に怒りで染まっていくのを見て、加奈は狼狽した。

「なに、いきなり」

乱暴に腕を払って、加奈から離れる。

296:優人と加奈(予兆)⑥
10/10/24 23:42:00 RASBG8FT
「なんでいきなりそんな事言ってくるんだよ。興味なんかないくせに、知りたいふりするな!」

当然の如く、爆発した。
加奈はたじろいだ。
近頃の優人は、前触れもなしに激情する事が多い。
そしてその傾向は、大抵、恋の話を持ち出した時に頻出するのだ。

「なんでもないよ!ただ何か聞いてみただけ。ごめんね本当に、気にしないで」

弁解するも、優人は完全に機嫌を損ねている。
底光りする目で加奈を睨みつけ、ベッドの端から動かない。
その表情に、やがて猜疑と絶望の色が浮かんで来た。

「また友達に何か言われたの?」

震える声で聞いてくる。
加奈は慌てて否定した。

「違う!」
「何で?僕、そういうのやめてって言ったよね?女の子の友達なんかいらないって、いつも言ってるよね?」
「違うよ優人!何も言われてないから」
「何で加奈はいつもそんな事するの?僕の嫌がる事して楽しいの?」
「優人違うから、お願いだから聞いて!」

完全に、加奈を疑っていた。
加奈は目に涙を溜めて、「ごめんね」と繰り返しす。

「私本当に何も言われてないよ。信じて」
「……」

硬化していた部屋の空気が、次第に落ち着きを取り戻していく。
だが、漂う静寂はまだ緊張を孕んでいた。
優人の瞳は依然と鋭い光を灯している。
まるで体全体で加奈を非難しているかのようだった。

「変な事聞いてごめんなさい」

謝罪には答えずに、優人は呟く。

「何で、あんな事聞いたの」
「本当に何でもないの……。ただ気になったから聞いてみただけで、何も考えてなかったの……本当にごめんね」
「……」
「優人、ごめん」
「……部屋戻る」

加奈は焦って引き留めた。
このまま、彼を傷つけたままで帰すわけにはいかなかった。

「優人も一緒に寝よう? ね? もう遅い時間だし」

加奈は布団を捲り上げて、自分の隣をポンポンと叩いた。
優人は添い寝が好きだ。
隣に眠らせれば、機嫌が良くなるかも知れない。
そんな加奈の下心を察知したのか、優人は暫くドアの前に立っていた。
警戒心をあらわに逡巡している様にも見える。
普段は穏やかな優人だが、ふと無表情になる事がある。そういう時は大抵頭の中を高速回転させているのだ。
だが結局、彼は加奈の隣へと滑りこんで来た。


297:優人と加奈(予兆)⑦
10/10/24 23:59:27 RASBG8FT
良い兆候だった。
加奈は安堵した。

「ごめんね優人」
「……うん」

辛抱強くこちらの意思を伝えれば、最終的に優人は再び歩み寄ってくれる事を加奈は熟知していた。だが、気付いてはいなかった。
その優人の『歩み寄り』が、彼の狂わんばかりの葛藤の末にもたらされた『妥協』の産物であるという事に。

「電気消すよ」
「うん」

腕を伸ばして加奈は部屋の明かりを消す。
布団に入り、天井を見上げた。
隣に優人の体温を感じる。安心するが、今は彼の沈黙が怖い。

加奈は天井から視線を外し、優人を見た。
彼は黙ってこちらを見つめていた。

「何で見てるの?」
「さあ?」

見つめてくる優人の瞳は、暗くて何を考えているのか分からない。
夜の湖面の、波紋一つさえない静謐さとよく似ている。
『いつも見てるの加奈ちゃんのこと』
級友の声が蘇る。

「優人」
「なに?」
「いつもかなを見ているの?」

優人の口端が吊り上がる。
皮肉げに加奈を見つめる。
近頃よく見る笑い方だ。

「だとしたら何?」
「何でもないけど……」
「嫌?」
「嫌じゃないよ」
「だったら気にするなよ」

そこで問答は終わった。
加奈はため息をついてベッドへと体を沈める。
頭の上に暖かい感触が降りてきたので顔をあげれば、また優人と視線が合った。
だがその瞳はどこか痛切だ。

「加奈は好きな人居ないの」

振り絞るような声で聞いてくる。

「すきなひと?」
「うん」

何故彼はこんなに哀しそうな顔をしているのだろう。

「好きな人居ないよ。居ないけど、もし出来たら両思いがいいなぁ。ずーっと両思いがいい」
「なんで?」
「お父さんとお母さんが、ずーっと両思いだったから」

298:優人と加奈(予兆)⑧
10/10/25 00:12:16 M3VHho7o
この頃加奈は、寝しなに両親の恋物語を優人に聞かせるのがお気に入りだった。
尊敬する二人の、夢のような恋愛譚。
おとぎ話にも似た甘い世界の話に加奈は傾倒していた。

「かなは、お父さんとお母さんが大好きだから二人みたいな恋がしたいな」

慣れっこの優人は、またそれが始まるのだと思い聞く態勢に入った。
迎合して、加奈の頬を撫でて囁く。

「聞きたいな。おじさんとおばさんの話」

加奈は優人の指を取り、握りしめた。
嬉しそうに頷き、そして唇を開いた。

―加奈の母親には二才離れた自閉症の弟が居た。
当時、父親はその弟の通う特別学校の新米教員で、補助係として送迎バスに乗車していた。弟の送り迎えをしていた母親はそこで父親と出会った。
母親は高校に入学したばかりだった。

「お父さんは、お母さんを初めて見た時、可愛い人だなって照れちゃったんだって」

想像も出来ない程若かった頃の二人を、目を閉じて加奈は何度も思い描く。
愛情と、尊敬と。少しばかりの憧憬を込めて。
加奈が楽しそうにクスクス笑うから、つられて優人も笑顔になる。

実際、優人は加奈の両親の話を何度も聞いていた。
台詞なんて暗記しているぐらいだ。
正直辟易する時もある。
だけど加奈が笑うから。
彼は話を遮る事はしない。

「遊園地でしょ、動物園、水族館、山形の温泉と、北海道」

二人の愛の痕跡。交際から結婚に至るまでの甘い道のり。
その軌跡を、森の中に降り注ぐ木漏れ日のように、加奈は淀みなく紡ぎ続ける。

「そして、かなが生まれたの」

優人の瞳を見つめながら加奈は告げる。

「だからかなは幸せなの」

優しく微笑む。
優人は加奈に掴まれたままの指先を引き寄せて、そこに口付けをした。
何故かそうしたいと思った。

「擽ったい」

加奈が笑みを湛えたままで身を捩る。

「そう?」
「うん」
「じゃあやめる」
「かな、指怪我してないよ?」
「分かってるよ」
「じゃあなんで口をつけるの?」
「さぁ? 何となく」

指を離して、自分を見つめる加奈の髪を撫でてみた。
うつ伏せに寝てこちらを見上げる加奈の顔は、ベッドに頬が擦れて変な形に潰れている。

299:優人と加奈(予兆)⑨
10/10/25 00:21:35 M3VHho7o
優人は、その柔らかな肉の膨らみに指を押し付けながら、しばらく無表情で頬の弾性を確かめていた。

「変なゆうと」

頬に圧されて中途半端に開いた加奈の唇は不格好だ。
優人はまたそれに指を押し付ける。
加奈が笑って指に噛みつく。
そこでようやく、手を引っ込めた。

(…加奈は子供だ)
見つめながら、そう思った。
柔らかな気配に包まれた加奈の顔。
その表面に、加奈の幼さを見つける。

(両親のなれ初めに幻想を抱いている。それが悪いとは言わないけれど)
優人の父親は高級クラブの支配人だった。母親はその従業員。性風俗に従事する両親から生まれた優人は、早熟で現実的な子供だった。
彼に自分の人となりを教えたのは祖母で、その淫売さについて得々と教えたのもまた祖母だった。

(加奈は分かっていない)
恋人になり、夫婦となり、親となるまでの間に加奈の両親が営んで来たはずの生臭い過程。
男女の求愛行動がどんなに肉感的なものか、きっと彼女は知らない。

(夢をみてる。錯覚だ)
現実の恋物語は、実際にはもっと汚濁の色が濃い。
男は精を撒き散らし、女はそれを飲み込む。子種を残す事よりも、念頭にあるのは快楽への追従だけだ。
優人はそれを理解していた。
それでも優人が加奈の話に耳を傾けるのは、それを文字通り『眠りの前に聞く夢物語』だと定義付けているからで、話す人間が加奈でなければ、唾棄して圧し伏すような代物だった。


300:優人と加奈(予兆)⑩
10/10/25 00:26:58 M3VHho7o
加奈は夢を見ていた。
両親の幻影に。優人に。

だから6年生に進級した今でも、彼を同じベッドに入れ、指や唇に触れられても何も感じない。男として見ない。

(加奈は僕を『寂しそうな同級生』と思っている)
あるいは『守るべき相手』として。

愛情を注ぎ、慈しみ、同情ではなく、ただ純粋にそうあるべきだと信じて。
優人はその行為を、『水を欲しがる鳥に水を与える』程度の順当さだと認識していた。
加奈の心には偽善も下心もない。
宗教で言う所の隣人愛。端的に言えば完全なる善だ。
(加奈はいつになったら気付くんだろう)
僕がもう、可哀想な『男の子』じゃないんだってこと。
心も体もやがて成熟していく『男』の子供なんだってことを。

「加奈」

微睡み始めた加奈の耳に優人は語りかける。加奈は気だるげに瞼をこすって優人を見た。その瞳に、優人は優しく微笑みかけた。

「大好きだよ」

加奈はゆっくりと頷いて瞳を閉じる。
やがて優人も、その寝息に耳を澄ませながら瞼を閉じた。
加奈の夢物語。
いつかその幻想の中に、男としての自分が入り込む。
そして、全てを打ち砕くのだろうと確信しながら。



301:156
10/10/25 00:48:46 M3VHho7o
終わり。一応『予兆編』として区切ります。ここから徐々にヤンデレ激化していく優人君。レイーポまではまだ長いけど。

続き待って下さった方、お待たせして本当にすみませんでした。
また続編投下しに来ます。規制されたら泣く

302:名無しさん@ピンキー
10/10/25 02:24:14 wpkcYmee
>>301

優人パネェw
加奈ちゃんはこのまま優人に身を委ねるのですねゴクリ

303:156
10/10/25 07:30:53 M3VHho7o
3ヶ月近くぶりの投下がエロ無し続編長編というのもアレなので、別作品も投下したいと思います。
大量にレス使用してすみません。
少しでも暇つぶしになれば幸いです。

>>302基本受身だけど、実際一番逞しいという加奈クォリティ狙ってますw

304:救済の搭
10/10/25 07:47:40 M3VHho7o
※宗教注意。神様冒涜しまくってます。
※強姦アリ。性行為自体の描写少なめ。
※ハッピーendではありません。
苦手な方はスルーお願いします。



修道院の朝は忙しい。

AM4:00

鶏舎に赴く為に尊(タカシ)は起床した。
鶏、鳩、雉に七面鳥。
騒がしい鳥達に給餌した後は、堆積した白い糞の鍾乳石を蹴飛ばして卵の回収をする。
それを一旦食堂へと運び、次は残飯を片手に家畜小屋へと向かう。
そうした重労働の後に、ようやく見習い修道士は朝食にありつける。

食堂に並ぶ周りの修道士の顔は、白、黒、褐色。様々だ。
だが黄色は一人も居なかった。
尊はこの修道院でただ一人、唯一の日本人だった。

日本から遠く離れたバルカン半島。
ブルガリア東部に位置するこの修道院は山間部に配されながらも、黒海を臨む事が出来た。13世紀初頭に建築された建造物は、建物自体が薄暗く堅牢で、何処となく刑務所を想起させる造りとなっている。

「タカシ、今日は祈りの後に葡萄を収穫するよ。ワインを作るんだ」

胚芽入りの粥を口に運んでいると、鳶色の目をした鷲鼻の男に声をかけられた。
(トビにワシ。ホークじゃなくて、何て言ったっけ)
名前が出てこない。
外国人の顔は特徴的だが、名前と顔を結びつけるのは難しい。
尊は曖昧に笑って頷くだけに留まった。
食器を片付けて、彼の後を追った。


※※※

救済の搭。
尊が寝起きする別棟の傾いた搭は、周りからそう呼ばれていた。
正式なクリスチャンでは無く、何らかの『罪』に追われてこの地に辿りついた流れ者の為の施設。
だから、『救済の搭』。

305:救済の搭②
10/10/25 08:01:38 M3VHho7o
礼拝堂のイコン。
回廊のフレスコ画。
中庭の彫刻。

偉大なる全能の神が創造した完全なるミクロコスモス。
だけど、『興味深い事は全て闇の中で起こる。人間たちの本当の歴史など、誰も知らないのだ』
そう唱えた彼の人は誰であったか。
聖アウグスティヌスの労働論争。
美貌コルンバヌスの異郷遍歴。ペレグリナティオ。
恍惚とした表情で講釈を垂れ流す司祭を尻目に尊は欠伸をした。
そして、精神労働に従事した司祭は満足気に締めくくる。

「感謝と祈りを」

彼らにとって祈りは神への確信であり、己への悛改であり、また讚美でもあった。
生きとし生きるモノへの感謝。
前提として、神が君臨する。
しかし、修道士であるはずの尊はいつもこの瞬間、別の思いに囚われるのだ。
彼が讚美し、信奉するのは神でも無ければ天使でもない。
ただの人間。22才の、ただの女だった。

「親愛なるシスターマーサ」
口の中で呟く。
目を瞑り、指先を組み、彼女の魂に祈る。
意識の底に鎮座する彼女。
その存在を、一度だって忘れた事はない。


※※※

『私の生まれは佐世保なの』
そう呟いた彼女の名前はマーサ。
黒い髪、小さな唇、青い瞳を持った若いシスターだった。彼女の体には、半分異国の血が流れている。
「尊、あなたは随分と熱心ね。日本人じゃないみたい」
あの日、遠い昔まだ日本に居た頃。
尊は協会わきの旧礼拝堂に彼女を呼び出した。
礼拝堂の中は広くて冷たい。
取り外されたパイプオルガン。壁面に取り残されたイエズス像が、妙に生々しかったのをよく覚えている。

「懺悔をしたいという事だったけど、私では力不足だわ。私では聴罪司祭には成りえないの」
尊は首を振った。
彼女でなければ駄目だった。
「俺はあなたに聞いて欲しいんです」
あなたじゃなければ。

「……分かりました」
シスターはため息を吐き、告解室へとゆっくり歩き出す。
そして祈りの言葉を口にする。
「父と子と精霊の御名によりて…」アーメン。
囁く唇を、尊は目がくらむ思いで凝視した。「……に信頼して、あなたの罪を告白して下さい」
祈りを終えて頭を下げる。
本当は格子ごしの彼女の青い瞳を眺めていたかったが、告解中は顔を上げてはならない。
だから、手を組み大人しく告解に勤しむ。

306:救済の搭③
10/10/25 08:07:40 M3VHho7o
「シスター。俺はとある人を犯しました」

シスターマーサが息を飲むのが分かった。

「その人は聖職者でした。シスターです。奉仕活動の一貫として、更生施設に訪れたそのシスターに、俺は一目惚れしてしまったんです」

脳裏に蘇る、初めて彼女を目にした日の事。光の中で笑うシスター。
その笑顔は、いつだって俺を離さない。

「来る日も来る日も彼女の事ばかり考えて、彼女しか見れなくて、施設を出て世俗に戻った後でも、彼女を忘れる事が出来ませんでした」
「苦しかった。死ぬかと思った」
「だから自分の足で協会に通い、彼女を見つける事にしたんです」
「彼女は俺を覚えてくれていました。優しく名前を呼んでくれました。愛しくて嬉しくて、俺は始めて神に感謝しました。彼女はまさしく天使だ。俺を救いに来てくれた永遠の……」
「尊」
シスターマーサが名前を呼んで制止する。
ささやかな声量だったが、震えているのは確認出来た。

「あなたの罪は……」
「彼女をレイプしました」

再びシスターマーサが押し黙る。
その沈黙が、何を意味するのか尊には分からない。

「神に貞操を捧げた彼女を、レイプしました。俺の、この固いので、処女膜を突き破って何度も出し入れして、射精しました。貞節を汚してその体を存分に弄んだんです」

格子の向こう側で、シスターマーサが頭を抱える気配がする。
空気が流動する。
緊張が高まり、告解室の温度がにわかに上昇し出すのを尊は肌に感じた。
彼女はきっと、恐怖に打ち震えているのだろう。羞恥と怒りで顔を赤くしているはずだ。
尊はそれを性行為のようだと思った。
この狭い室内をシスターマーサの膣だとするならば、自分は今、決定的に彼女の精神的貞潔を凌辱する事に成功した冒涜者だ。



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