10/03/08 15:20:09 ddNfWtu/
ガシャーン!!!
無惨な音が響き渡った。
いっせいに視線が集まる中で、横倒しになった自転車の周りをまるまる太った買い物袋があっちへこっちへ転がっていく。
慌てて追いかけようにも、自転車に足を挟まれてそれどころじゃあない。
「……イタタタ」
足が痛いわ、頭が痛いわ、視線が痛いわで、私は苦笑いしながらため息をついた。
半分以上は照れ隠し。ようするに小芝居だ。なんでもないですよ、ちょっとドジ踏んだだけですよ、という雰囲気を出してみただけ。
さて、視線も散ったことだし、まずは自転車を起こすとしますか。
と、手を伸ばそうとしたとき、私の足にかかっていた重みはひょいっとのいた。
「大丈夫ですか?」
詰め襟の学生さんが心配そうにのぞき込んでくる。
アラ若々しいお肌! 美形とは言わないけど若さの分ポイント加点で結構可愛い!
……とか思ってる場合じゃないわね。
「アァ~!!!大丈夫よ、平気!……痛っ!?」
うわ……。もろに足ひねってるわ。最悪……。
思わず素で顔を歪めた私に、学生さんはまるで紳士のように手を差し出した。
「僕が手を貸しますから一度立ち上がってみますか?」
わ。なんてよくできた子なの。
私も淑女のように……というのは柄じゃないけど、せいぜい気の良いおばさんに見えるように、にっこりと笑った。
「ありがとね……良かったは、アナタみたいな親切な学生さんが近くに居てくれて」
「じゃあ僕が抱えますから、ゆっくり立ち上がって下さい」
「うん、お願いします」
私は学生さんの手を握るために右手を伸ばした。
若々しい手が横をすり抜ける。学生さんは私の胸の下……肋骨の辺りを両手で包んだ。
「えっ?!!!」
親指と人差し指の間にちょうど乳房がはまり込んでいる状態。学生さんの指の上で、だらしないお肉がたゆん、と揺れた。
「ヨイショ……」なんて声を出しつつ、学生さんはちっとも力を込めていない。ただ私のおっぱいをたゆん、たゆん、と持ち上げているだけだった。
声もなく見つめてみても、学生さんは真剣な表情のまま。だけどもその眼差しは、私の胸のみに注がれている。
しかも、なんだか……段々手のひらの位置が上がってきた。
乳房の下半分を押し包み、指をくねらせて波打たせている。時折もてあそぶように、小刻みにぷるぷると揺らしてくる。
もう、揉んでる、よね……これ……?