武装神姫でエロ妄想をしてみるスレ 第十段at EROPARO
武装神姫でエロ妄想をしてみるスレ 第十段 - 暇つぶし2ch617: ◆PNv45Jllpo
13/04/16 14:08:25.04 nNwoaEBy
>>616
 昼なのに重苦しい気分だった。
 XXXXは行きつけのチェーン店で軽く食事を済ますと、ふと海に行きたくなった。
「ここが海か。海以外の何者でもない。そして寒い」
 砂浜に着いて、意味もなく呟いた。
 願わくば僕の嘆きを荒波にさらってもらいたいと考えていた。
 ……視界の端に引っ掛かるものがあった。
 顔を向けてみる。
 波打ち際に人魚の人形のような物体が転がっていた。
「ゴミか……? この雄大な自然に対する畏敬の念がないなんて……」
 近づいて手に持ってみると、手触りに心当たりがあった。
「これ、神姫か? どうして神姫がこんなところで……」
 神姫は潮を浴びて錆つき、所々損壊していた。
「そいつはもう治らんよ」
 頭上で声がする。顔を上げると、目の前に人がいた。
 初老の男性である。あごひげをたくわえており、赤い褌だけを着けて、波打つ海面から数センチ浮かんでいる。
「う、うわっ! 誰だお前……!?」
「儂か。儂は神姫仙人と言う者じゃ」
「神姫仙人? へ、変質者が僕の目の前に……!?」
「そのイーアネイラ型の心臓はもう止まってしまっておる。生きてはおらぬよ」
「話聞けよ! どんな手品か知らんが、新興宗教の勧誘ならお断りだ!」
「そんなお主にこいつをくれてやろう」
「本当に話を聞いてくれ!」
 XXXXの手元にはいつの間にか一振りの小瓶が握られていた。
「こ、これは……?」
「ただの小瓶」
「ゴミかよ! いらねえよ!」
「まあ待て。肝心なのは、今から小瓶のなかに注ぐ液体の方じゃ」
 手前に掲げるようにと言われるがまま、XXXXは小瓶を差し出す。
 透き通った色の液体が一滴漏らさず注がれる。
「こ、これは……」
「そう、硫酸じゃ」
「硫酸……」
「これでお前の神姫をおどしつければええ。大人しくなるはずじゃ」
 XXXXが瞬きをした後、神姫仙人はいなくなっていた。
「硫酸……って……。魔法の媚薬とか、そんなのじゃねえのかよ……」
 日々のイーダへのストレスも相まって、口から荒み気味の言葉遣いが出てきた。
「……でも、ちょうど良い。こうなったら僕もやるだけやってやるさ!」
 壊れたイーアネイラ型神姫と硫酸の入った小瓶を握りしめて、XXXXは自宅の方角へと歩き出した。
 勇み足だった。瞳には晴れ模様が映っていた。


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