10/05/17 23:18:05 p4Rb9Ymt
献辞 このスレの64氏と66氏に敬意を表して、こっそり投下
完成していますが、投下が止まったら巻添え規制と思ってください
『U15 ジュニアアイドル』
~受付:診察予約~
その中年男は商店街の定食屋を出ると、肥満した身体を揺すりながら駅前の雑居ビルに向かった。
午後から月一回の定期作業で、床のワックス掛けだ。
作業といっても2階の病院区画だけ。これが全フロアだったら音を上げていただろう。
昨夜の電話を思い出し、でっぷり肥った身体が怒りに震える。
「明日の作業は1人でやってくれ」ってのは何だ!!
あのスペースを1人でなんてふざけてる!!
「残業代は出すから」なんて当たり前だろ!!
この病院は、普通の病院とは少し形態が違う。
簡単にいえば個人開業医の寄せ集めなのだが、ここ10年くらいで増えてきた複合病院だ。
ディベロッパーが大学病院や総合病院の勤務医に声を掛け、3~5分野の医者を集めて開業させる。
1階に調剤薬局を兼ねたドラッグストアを併設すると、小規模ながら体裁が整う。
開業医を親に持たない勤務医は開業のチャンスを掴み、患者は総合病院まで出向く手間が省ける。
このフロアには、3つの開業医がクリニックを構えている。
受付と待合室、バックヤードなどを共有することで経費を削減している訳だ。
廊下の端に準備していた清掃資材を両手に抱えて病院の受付に向かう。
テンパレイトのガラス扉越しに人影が見えた。
ガラスのロゴが目線を遮って良く見えない。扉に張り付いて覗き込む。
制服姿の女の子が待合室のソファーに掛け、携帯でメールを打っている。
今日の午後が休診なのを知らないのか? あの位置だと内科の患者か?
作業の邪魔と言っては気の毒だが、仕方のないことだ。
扉を開けようとした手が止まる。
清潔で清楚な雰囲気を醸し出す制服。
白い半袖シャツの襟首を小さめの赤いリボンが飾る。
幅広い襞のプリーツスカートは濃紺の膝上丈。
ソックスは膝下の白。学校指定なのか小さなマークが入っている。
サラサラの黒髪は肩甲骨の下に届くストレート。
左のこめかみにシンプルな髪留め。髪を掻き上げ可愛い耳を覗かせている。
まだまだ幼いが整った顔立ちは、誰もが振り向く美人となる将来を約束されたものだ。
黒い大きな瞳と長い睫毛、ふっくらとした愛らしい唇、綺麗に通った鼻筋、色白で肌理の細かい肌。
小柄ながら手足は細く長い。腰の位置の高さに、スタイルの良さと世代の隔たりを思い知らされる。
何より驚いたのは、その顔が見知ったものだということだ。
まさかこんなところで、信じられない!!
慌てて携帯で検索して見比べる。間違いない!!
フヒヒっ、見つけたよ。今度は本当の天使だ、僕の本物のお嫁さんだ。
アイツみたいな嘘つきで偽物の、淫乱ビッチのヤリマンとは違う。
午後の診察は13時30分から。間に合うよね?不審に思って帰ったりしないでね、デュフっ。
ドラッグストアでイチジク浣腸と紙おむつ、念のために錠剤の下剤と精製水も買う。
地下のポンプ室で急いで着替える。薄いグレーの作業着を脱いで通勤用のシャツとズボンに。
ベタつく髪を撫で付ける。
クリニックの控室を前にして、カードリーダーで動きが止まる。
履歴が残るか?いや構わない。何かを盗む訳でなし「作業中に間違えた」で通るだろう。
クリーニング用の脱衣籠に白衣を見つける。