09/12/16 01:40:40 +4QgeFrz
「はぁ……はぁ……。」
「ハァ……ハァ……。」
僕と姉さんの呼吸音だだけが響く空間が出来ていた。
姉弟がお風呂で息を荒らげながら抱き合ってるなんて端から見たら大変な光景なんだろうけど、
今の僕にはそんなこと考える力は残っていなかった。
姉さんのことしか考えれない。姉さんの息しか聴こえない。姉さんの肌の感触しか分からない。
「も、だめだ、駄目だ。我慢できない……クルスぅ、クルスぅ……。」
ああぁ、僕も、僕ももう駄目だ。このままじゃ……ホントに姉さんを……。
「ううぅ……だめだ……だめだ、ダメだ、駄目だああぁ!」
最後の最後、姉さんを傷つけたくないという想いだけで、僕はシャワーのハンドルを思い切り下に捻り冷水を噴き出させた。
「うひゃああッッ!」
火照りに火照った身体を急激に水が打ち僕と姉さんは思わず声を上げた。
水はすぐに止めたけど、高まった熱を冷ますにはとりあえず十分だったようだ。
「ク、クルっ、クルスッ!済まない!わた、私一体何やって……。」
姉さんは青ざめてるのか赤くなってるのか分からないような表情で死んでしまうんじゃないかというくらい慌てふためいていた。
僕は、
「その、姉さん……。あの、えと……。ええっと。」
ずっと下を向いたまま消え入りそうな声で何を言えばいいか溶けた脳で考えていた。