11/05/25 23:58:48.45 U2JeYq6q
今年十三歳になる村の子供たちは、
誰の親でもない3人の大人の引率者に連れられて、
人生を生き抜く智恵を授かりに、
空(くう)の母胎神に参詣の旅に出た。
経験を積んだ大人には何でもない旅でも、
神殿に至り参詣を済まし村に戻るまで
4日を要する旅は子供には
いろいろな意味で重い旅であった。
往路の宿では、神に智恵を授かるための
儀式と作法を繰り返し叩き込まれ、
神殿では夜を徹して体力の続く限り
習い覚えた技巧を互いの肉体に施し
復路では何度も立ちふさがる試練を
乗り越えて逞しくも疲労困憊して
少年少女たちは村に帰還する。
もちろん引率の大人たちの役割も
重要だ。この旅のために長老から
与えられた試験に適ったものだけが
任ぜられる。そして任務を果たすと
重要な役割を果たすとともに、
副産物である果実をも受け取るようになる。