09/04/23 21:45:11 I317+6AO
>>1
乙!
3:名無しさん@ピンキー
09/04/23 22:32:52 ya3oiaPT
/ニYニヽ
(ヽ /( ゚ )( ゚ )ヽ /) こ、これは>>1乙じゃなくて
(((i ) /::::⌒`´⌒::::\ ( i))) でっていうの舌なんだから
/∠_| ,-) (-,|_ゝ \ 勘違いしないでっていうwwwww
( __ l ヽ__ノ ,__ )
\ |r-_,,..、; /
| | | .二二二二二二二二二 ̄ ̄>
| | |`| |  ̄>./
| `ー' | / /
/ <___/|
|______/
4:嘘つきみーくんとにもうと ※アレな作品なのでアレな描写があります
09/04/25 01:13:15 lsbS6A+2
激しく勃起したティムポウをにもうとめがけて突き出す
「ハムハムしていいんだぞ」
にもうとが体をこわばらせ、一瞬戸惑いの表情を浮かべる
何かを口にしようとしたが、やがて自分の中で納得を得たのか黙り込む
泳いでいたにもうとの視線が怒張に定まり、小さな唇がゆっくりと開きながら先端へと近づく
かぷり。 瞬間、体中にしびれるような快感が走り思わず腰を引く
「んっ・・・!?」
濡れた怒張が熱い口内から抜けちゅぽん、と卑猥な音を立てる
「逃げるな。」
腰をぐっと抱え込まれ、背中に爪が思いきり食い込む
おとなしくなった僕とは裏腹に元気はつらつな息子さんが再びねっとりとした粘膜に包まれる
「はぷ・・・、れろぉ」
感触を確かめるように口をもごもごと動かし、味を確かめるようににゅるにゅると下から上へとゆっくりなめ上げられる
「ん・・・、ふぁに?このニュルニュル・・・」
「ああ、それはカウパー氏腺液といってね」とは言わない
痛みには強いけどこっち方面の刺激には不慣れなんだ。嘘かな、本当かな。
裏のほうをちろちろと舌先でもてあそびながら、上目遣いで攻撃的な視線を浴びせかけてくる
そのつもりはないのかもしれないが、持前の三白眼の活躍でガン睨みしているようにしか見えない
答えないでいると鈴口から漏れ出たニュルニュルを舌でからめとられた
しばらく舌で転がし、こくりと喉を鳴らして嚥下する
先端から中ごろにかけて勃起を堪能していたようだが、やがて口を大きくあけて深く飲み込む
「ちゅぷぷ・・・、ん、んぐっ・・・!!はぁ・・・ぁぐ・・・」
苦戦していたようだが、とうとう根元まで飲み込んでしまった
にもうとの口内は狭く、裏スジが喉奥に当たってトクトクという脈動、異物を押し返そうとする反射運動で絶妙な刺激が生まれる
「ふぁ、はぅ・・・、ふぁぐっ!!」
つぷりと熱く腫れあがった肉につるつるとした歯先が食い込む
ブツリ・・・、ブツン。
ぼくの○○はしんでしまった。
5:名無しさん@ピンキー
09/04/27 17:41:22 ey0tbTdE
即死回避保守
6:名無しさん@ピンキー
09/04/27 18:50:23 HpLhgWXm
「××」
「なに? 後ろを向けとか?」
伏見は首をふるふると横に振って手帳の紙面を指差した。
『何がしたい』「はてな」
『セックス レイプ 輪姦』「はてな」
「は?」
戸惑っていると伏見は僕の方に近づいてきて、僕の息をする器官を塞ぎに掛かった。それは俗にはキスというらしい。って待て。
「××になら、何をされてもいいから……」
「あの、伏見さ……」
いや、というか合意してる時点でレイプじゃ無いし複数男がいなければ輪姦はできません。意味解って無いだろ絶対。
『勉強したから』『大丈夫』
「いや、それ以前に僕の方がムリ」
『なんで』「はてな」
「諸事情あって性欲無い欠陥品だから」
嘘つきみーくんも天野××も、そんな感情だか欲望だかはとっくの昔に枯死しちゃっているのです。
ってワケで当然ながら健全な青少年よろしくそのテの本やらDVDやらには目もくれず、そんなワケだから精通も勃起さえ未だに無用の長物なのです。
伏見は可愛いし、だから伏見が悪いわけじゃ無いんだけど。
『大丈夫』『任せて』
伏見はしばらく考えて、やがてそう答えて僕の目の前で膝立ちになった。なって、僕の制服のベルトを、だからちょっと待て。
「あの、何をする気ですか」
『勉強してきた』
言うが早いかパンツのファスナーを下ろして、下着のトランクスごと膝の高さまで脱がされた。
当然僕のナニが伏見さんには丸見えで、それを手に取った伏見はゆっくり口に含み出した。瞬間僕の身体を奇怪な感触が走り抜けていた。ってだから待ってってば。
「あ、あのさ伏見」
「力、抜いて」
「いや、汚いか、ら……っ!!」
そう言って僕のソレに舌を這わして口に含む度に、僕の身体が跳ねそうになる。そのくらいの感触が襲ってくる。
下を見ると伏見と目が合って、目が合うと伏見は僕に微笑んだ。
やばい。可愛い。
そう思うと何だか股間の辺りがどきどきしてくる。ずきずきしてくる。やばい。
「伏見。やばいって」
「性欲が無い、なんて嘘。お前のは、ちゃんと固くなってる」
どこか勝ち誇ったように、安心したように、嬉しそうに? 伏見はそう上目遣いに微笑んでいた。
あぁ、ダメだよゆずゆず。そんな表情をしちゃ。なんだろ、なんかスイッチが入りそう。
あ、入ったかな。思いっきり入ったかな。ゆずゆずが可愛いから、ゆずゆずが可愛すぎるから。
ゆずゆずがゆずゆずがゆずゆずがゆずゆずがゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆず
ゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆずゆず!!
あ、ダメだ。僕、壊れた。
7:名無しさん@ピンキー
09/04/27 18:52:39 HpLhgWXm
「ゆずゆずっ!」
膝立ちのゆずゆずを強引に立たせて抱きつく。しがみつくと表現した方が正しいような乱暴さで。ゆずゆずを感じていたい。ゆずゆずに触れていたい。だから―
「んっ……」
キスをした。唇に。僕の両手はゆずゆずの両頬に。ゆずゆずは固く目を閉じてた。
「……はぁっ」
唇を離すと、そう息が洩れて、お互いの唾液が糸を引いていて、陶酔した表情を浮かべた伏見がいた。
あぁ、だから何でそんなに可愛いかなぁ!!
何もかもが欲しくなって、陶酔して閉じていた目蓋を強引に指でこじ開けて眼球にキスして舌を這わせた。
頬を舐めた。白くて柔らかくて、涙でしょっぱい伏見の頬。気持ち良かった。形の良い鼻を甘噛みした。
伏見のモノなら何でも味わいたかった。口腔に二、三本纏めて指を突っ込んで頬の内側を掻き回していた。
「う、んぐっ……」
さすがに苦しいのか呻く声がした。舌が指に絡みついて気持ちいい。
「××。服脱ぐから、少しだけ待って」
指を抜くと、少しだけ抗議混じりのそんな声がした。確かにやり過ぎてるかもしれない。
伏見の顔はもう僕の唾液で酷くべったべただった。両お下げの髪は頬に張りついたり乱れに乱れてその原型を保ってなかった。
そんなゆずゆずが一枚ずつ服を脱いでいた。どきどきして待てない僕を尻目に。
例えるならエサが鉄格子の向こうに置いてあるのを見てる一週間ご飯抜きだった動物。
無論鉄格子は紙一枚分の良心と言うかプライドというか理性と言うか。残ってるのが意外だけど。
目の前には下着以外は全て脱ぎ終わった伏見がいた。
白い身体に栗色の髪の毛。前の事件から回復しきって無いのであろう骨ばった関節部が目立つ華奢さに磨きが掛かったラインに、
それとは無縁に自身を誇示している胸部の二つの膨らみ。
「わ、私の身体、魅力魅力みりょ……ないないない?」
逆だバカ。ありすぎて困ってるんだろうが。
強引にブラジャーをむしり取るように外すと、その身体つきには不釣合いな膨らみが零れてきた。息遣いが荒くなる。僕も、ゆずゆずも。
「さ、触っていいよ……あっ……は……」
言われる前に我慢できなくて手を伸ばして、その白い膨らみを掴んでいた。柔らかくて温かくて、気持ち良くて。
伏見は僕が触れた瞬間から息を甘く漏らして何かに耐えてるようだった。
なんか頭の中が蕩けてきそうになる。
僕は服を脱いでいた。ズボンが膝の高さでは動き辛いし、下を履いて無いのに上だけ着てるのも妙だった。何より、伏見は既に裸だったし。
「ね、××……」
目線と表情で何となく言いたい事が解る。
「脱がすよ」
「ん……」
さすがに恥ずかしいのか顔を両腕で覆い、でも少しだけお尻を上げて僕の求めに応じる。
それは肯定のサインなんだろう。嘘は……もう言う余裕無いですごめんなさい。
ゆずゆずを隠してた最後の一枚を取り除くと、髪の色と同じ栗色と綺麗な筋があって、それをまじまじ覗き込むとさすがに恥ずかしいのか足を閉じられた。
「お前、あんまりそんな……だめっ」
でも、もっと見たいから顔を近づけたんだけど。足の間に割って入って。
ゆずゆずの性器は綺麗だった。醜悪な僕のとは大違いで。だからキスした。
「んっ!」
途端に伏見の身体が跳ねた。あぁ、僕の時と同じだなって思った。さっき僕のを口に含んでくれた時、伏見がどんな気持ちなのか、なんとなく解った。
最低でも今僕は、凄く伏見の性器が××しくて味わってみたいと思ってるわけで。
「あっ、はっ―」
裂け目に沿って舌を這わす。桃色の襞が見えて、指で広げて、その度にゆずゆずはこそばゆいのか、身体を震わせる。舌を這わせる度に。
そんな行為をどれだけ続けただろうか。
「ね、××。しよっか」
ゆずゆずからそう言われた。
その言葉が何を意味するかくらい知ってた。
「やり方、知ってる。はてな」
「知ってるよ」
やり方は……やった事は無いけどやり方は知ってる。ずっとあの空間で見させられてたから。あの地下室で。
僕の父はその行為について喜々として細かく説明して来たものだ。その行為を行いながら。無論その相手は―ダメだ。さすがにこの話題はパス。
でもそれじゃ伏見は―
8:名無しさん@ピンキー
09/04/27 18:55:40 HpLhgWXm
「あの、さ、ゆずゆず……」
「謝らなくていい。わたし、お前に汚されたい。それだけ」
そう言って向けてくる視線は真剣で、僕の覚悟は竹刀程度で。そんななまくらで実践に臨むのが失礼に―
「今更、ここまで言わせて迷うなばか」
叱られた。目の前には全裸の伏見柚々。白くて、細くて、アンバランスに胸が大きくて、髪の毛は両お下げが千々に乱れて、
顔は僕の唾液でべったべたで、そんな彼女が部室のテーブルの上で仰向けに横たわって僕を待っていた。
伏見は間違いなく経験は無いだろう。そんな綺麗な存在を、僕が今から汚そうとしている。
「××していいよ」
叱られても躊躇う僕にそう追い討ちを掛けてくる伏見の声。僕の手を握ってくる伏見の手。何より、僕に向かって微笑んでくる伏見の瞳。
「××にならそうされてもいい。安心して。それに、お前も我慢するのか?」
視線の先には僕のそれ。興奮し続けて固くそり立ったままの僕の性器。
全裸になって一番恥ずかしいのは当人の筈、なのに冷静なヤツ。
「わかった。やるよ、ゆずゆず」
言うと自身の性器を伏見のそれにあてがった。理性はクラクラで気持ちはドキドキで欲望はギンギンで、もう抗いようが無かった。
立ったまま、テーブルに仰向けに横たわった伏見の腰と太ももを両手で固定して、自分の腰を少しづつ前に押し出すと、
自分の物も少しずつ入って行って、途端に切っ先に強い抵抗が返って来て、少しだけ伏見が跳ねた。
「もう少し足を広げて……いくよ」
「……うん」
今更拒否されても止まりようが無かったけど、そうとだけ社交辞令をして抵抗を無視して腰を前に押し出す。
「う……あ……はぁっ、はぁっ」
テーブルの上にクロスでも敷いてあればそれを掴んだであろう伏見の指が行き場を失って僕の腕まで辿り着いて、痛苦の為かそのまま僕の肌に爪を突き立ててくる。
でもそれは、今の僕にとっては現状から更に興奮させる一材料に過ぎなかった。
「ゆずゆ、ずっ」
「んっ……んんんぅぅ!!」
僕が名前を呼んだのと、僕の物が伏見の最奥まで到達したのと、伏見がそう声を押し殺したような悲鳴をあげたのは、ほぼ同時だった。
「は、はいった、の?」
息遣いがぜぇぜぇとすっかり粗くなった伏見がそう訊いてきた。腕が震えてて、手は僕の腕を握り締めてて、瞳は不安げに僕を見上げてて、それが堪らなく可愛かった。
「入った……今のゆずゆずが、凄い可愛い」
「口に出すな、ばか」
怒られた。そんな顔で怒られても可愛さが増すだけなのに。あぁ、ダメだ。
「動かすね」
「え……あっ、ぅあっ、いたっ、っっ!!」
答えを聞く前に抽挿を開始した。僕が抜き差しする度に、伏見の胸が大きく前後に揺れて、伏見は片手を僕の腕から離して口元を指で押さえていた。噛んでいるのかもしれない。その、声を出すまいとする仕種が更に僕に火をつけていた。本当に何でそんなに可愛いんだろう。
もっといじめたくなってくる。
もっと色んな表情を見たい。いつもは絶対に見れないだろう伏見の表情。可愛いから見たい。
見て、僕だけが知ってるって悦に浸りたい。
「うっ、はっ、はぁぁ、く、う、んんぅ、んっ」
そんな声を、発する度に恥ずかしがって赤くなるゆずゆずの顔。
普段どおり。いや、口元を押さえている分だけ余計にくぐもって、いつも以上にノイズのように聞こえる伏見の声。
うん。可愛いから許す。
そう即決した。
白い肌はいつの間にか桜色に染まってて、頬は恥ずかしさから真っ赤っかで、
手は力の入れすぎで蒼白で、どれもその部位を維持するのに必死でなりふりも無い状態なのに。
9:名無しさん@ピンキー
09/04/27 18:58:20 HpLhgWXm
「凄い熱いな。ゆずゆずの中」
「う、うるさい。ばかっ」
涙で潤んだ茶色い瞳だけは、僕を捉えて離す素振りもない。
頬にべったり貼り付いた伏見の栗色の髪。指先で頬を撫でて離してやると、くすぐったそうに息を漏らす伏見。
息を漏らした瞬間に締め付けを増す伏見の中。全部ひっくるめて僕をドロドロに溶かしに掛かってくる。
伏見をもっと近くで感じたくて顔を近づけた。腕も肩の下から頭を抱えるように回すと、伏見も僕の頭に腕を回してきて、
互いに吐息を感じられるまで近づいた。どちらともなくキスをして、そのまま抱き合って身体が密着すると、伏見の身体の蠢きがそのまま伝わってきた。
その快感に負けて、僕の下腹部の更に下辺りから、何だかぞわぞわした物がこみ上げてくる。
「ゆずゆず、ゆずゆずっ。ゆずゆずゆずゆずゆずゆず、ゆずゆず!!」
思わず名前を呼んだ。ドロドロに溶けそうな結合部の抽挿も、呼ぶ度に間隔が狭まっていた。
「あ……××。××、××。××っ、××!!」
呼応するようにそんな声が聞こえて、伏見の腕に籠められた力が増した。抱き合うというよりしがみつかれるようになって、そんな体勢が更に僕を刺激して―
―そして、僕は射精した。
僕自身を伏見の中で迸らせた瞬間、何もかもが伏見に吸い上げられていくような錯覚を覚えた。
ひとしきり欲望を吐き出した僕の肉棒はびくびくとまだ興奮していて、その痙攣の度にそれを包んでる伏見の身体はぶるぶると震えていた。
「××、終わった?」
「ああ。痛かった、だろ」
「うん。……痛かった」
顔のすぐ横でそれこそ耳に息が掛かりながら声がする。僕も伏見もぐったりして、抱き合ったままテーブルの上で横になった。
さすがに抜かなきゃマズいと思って伏見から自身を抜くと、伏見の真っ白な筈の太ももは、伏見の純潔の赤い血と僕の吐き出した不潔な白い液体とでメチャクチャで、
今更ながらに罪悪感がこみ上げてきた。
「でも、こうしてると気持ちいい」
抱き合って、伏見が頭を僕の肩に預けてくる。
「……ごめん」
「謝るくらいなら、もっと抱き締めろ。ぎゅぅぅぅって」
「へ?」
「お前にそうされると、凄く気持ちいいから」
「あ、あぁ」
罪悪感も手伝って言われた通りにする。ぎゅぅぅぅぅうっとだな。ぎゅぅぅぅっと。
抱きつくも抱き締めるも通り越して締め上げるに近いくらいに力を籠めると、伏見がなんだか嬉しそうに息を漏らすのが聞こえて、
僕の後ろに回した伏見の腕も僕を締め付けてきた。
「××。××してる」
改めて、そんな声が聞こえた気がした。
それから暫く二人で横になったまま抱き合っていて、下校時刻も大概に過ぎかけたので服を着て帰宅の途についた。
部室備え付けのティッシュと手洗い場の水道である程度は綺麗にはなったが、校庭に出たらどうにも今までやってた事が恥ずかしくなって、
二人して赤くなって下を向きながら歩いた。手は繋いだままだったけど。
あれ、僕嘘つけてない?
伏見がすっかり薄暗くなった校庭で、灯火を頼りに手帳をかざしてくる。
「お前は」『御園さん』「の」『事は』『好きなのか』「はてな」
「好き? あぁ、勿論××してるさ。世界で一番」
嘘だけど。あ、やっと元の調子になった。
『御園さん』「を」『大事に』「ね」
「それと」『今日の事』「は」『秘密』
「それと」『二号でいい』
「え……あぁ」
「じゃ、××。また明日また明日また明日!!」
ぱっと手を離すと、恥ずかしさが頂点に達したのかこちらを少し振り向いただけで伏見は慌てて走り去って行く。
どこかのはぐれメタル並みだったからそっちの意味で二号か。大概に、嘘だけど。
僕も家路についた。まーちゃんにバレたら撲殺どころの騒ぎじゃ無いなぁとか思いつつ、
感謝とか罪悪感とか思慕とか興奮とか動揺とか歓喜とか自己嫌悪とか達成感とかで頭をごちゃごちゃさせながら。
10:名無しさん@ピンキー
09/04/27 18:59:24 HpLhgWXm
翌朝、僕はまーちゃんと一緒に校門を潜っていた。晴れてまーちゃんも勉学に勤しめる為の体力を取り戻したからだ。どこまで勤しむかは不明だけど。
「ねーねー、みぃきゅぅぅぅん」
登校中なのにも関わらず「らぶらぶ」なスキンシップを試みてくるまーちゃん「どうしたのまーちゃーん」とベタベタにひっついてバカップルを体現は勿論しない。人目くらいは気にしたいものである。
校庭の中ほどまでそれでも腕を組んだり手を繋いだりで傍から見たらバカップル一直線なスキンシップのままで進むとふと一人の人影が視界の隅に引っかかる。
栗色の髪を両お下げにした色白の肌。その痩躯に不釣合いな膨らみを制服に押し込めた胸部。
伏見柚々だった。
「みーくんにとって、いちばん大事なのはわたし。だよねー」
避けようが無い、とは言え気まずいタイミングだなと思った。まあ、嘘だけど。
「そーだねー。一番きゃわいいのはまーちゃんだと思うよー」
相槌を打ちながらもう一度目を泳がせると、柚々はまーちゃんの死角から僕にコッソリ近づいてきて、
他人の振りを貫きながら僕のポケットに何か入れて、また遠くに戻って行って僕を観察する作業に戻った。
まーちゃんに気付かれないように手を突っ込んで中身を確認すると、手帳の切れ端だった。幾つかの文章と「正」の大群。
その中で僕に伝えたい文章だけ乱雑な丸で囲ってあった。
『二号でいい』『いつでも味方』『あまり気にするな』の上に『読んだら即破棄!!』が殴り書きで書き足してあった。
僕が目を通したのを見届けると、伏見は軽く微笑して少しだけ合図して僕の視界から消えた。
「みーくん。なによそを見てるの?」
不機嫌になったのか僕を問い質すマユ、もといまーちゃん。
「いや、あまり見つめ過ぎるのも失礼かなと思ってさ」
「むー、ちゃんと目を見て言ってなーい!! こっち見ていうのだ!!」
途端にむぎゅぅぅぅとほっぺを両手でキャッチされ、強引にまーちゃんの方に向かされる。僕のナイスと自画自賛な弁解は速攻で打ち消されたようだった。
「さすがに人前だし」
「関係ない。みーくんはまーちゃんだけのものなんだから、わたし以外は見なくていいの」
「あぁ、わかってるよ。まーちゃん。僕はキミだけのものさ」
嘘だけど。スラスラ口に出せる自分をまた少し嫌いになった。
ポケットの中には手帳の切れ端と伏見の言葉。僕を××と連呼し××してると言ったゆずゆずの言葉。
「うみゅうみゅ。それでこそみーきゅんなのだー」
いつか好物だと言った鶏の、それこそ丸焼きでも存分にご馳走したいなと思いながら、まーちゃんにバレないように僕はその紙切れをこっそりごみ箱に捨てた。
完
11:名無しさん@ピンキー
09/04/29 23:09:00 A6CRwRXC
圧縮クルー?
12:名無しさん@ピンキー
09/05/03 13:53:21 xcPj59Cx
保守
13:名無しさん@ピンキー
09/05/08 12:03:56 F1y4VsKv
投下町
14: ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:23:36 u2hE6Kmz
こんばんは、前スレの最後に双子の話を書いたものです。
無事に完結しましたので最終話を投下します。
◇前回までのあらすじ◇
一つの心を二つの体で共有していた双子の兄妹、啓一と恵。
ところがある日その心が分裂してしまい、ごく普通の双子になってしまう。
同じ心と記憶を持つ二人は互いに愛し合うようになるが……
15:ふたりはひとつ その5(1/19) ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:25:52 u2hE6Kmz
雨の日は客の入りが悪い。
彼はこの空と同じく晴れない顔で店内を見回した。
客は親子連れが二組とサラリーマン風の男が一人の、計三組。
夕食にはまだ早い時間だが、それにしても少ない。
「ふあああ……」
隣であくびをしたウェイトレスをにらみつけ、飛び上がらせる。
バイトの学生に言っても仕方がないのはわかっているが、
客が来ないのをつい彼女のせいにしてしまいそうになった。
やはり苛々が溜まっているのかもしれない。
やがて親子連れの片方が席を立ったため、彼は会計に向かった。
「―ありがとうございました。またお越し下さいませ」
心からそう願い、彼は客を見送った。
この世の中、気持ちだけではどうにもならない。
それは大人になったときに思い知ったはずのことだった。
視界の隅では先ほどのウェイトレスが客に呼ばれて追加のオーダーを受けている。
その様子を意識の端に捉えながら、彼はぼんやり店の入口を見つめていた。
―ガタン。
「いらっしゃいませ」
半ば無意識のうちにそう口にしたのが自分でも驚きだった。
「何名様ですか?」
「二人です」
少女を連れて店内に入ってきた少年はそう言った。
爽やかで印象のいい少年と、彼と同じ年頃の長い黒髪の少女。
一見してよくお似合いのカップルに見えるが、彼はある事実に気づいた。
(兄妹―双子、かな?)
二人の見た目も雰囲気もよく似ていて、そうとしか思えなかった。
今まで長年、客に接してきた彼の観察眼が確信している。
「禁煙席でよろしいですか?」
「はい。煙草は吸えませんから」
「それではこちらへどうぞ」
やはり高校生のようだ。彼は二人を奥の席に案内し、メニューを置いて下がった。
16:ふたりはひとつ その5(2/19) ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:27:00 u2hE6Kmz
席に座った少年は、メニューを広げて連れに言った。
「何食おうかな。恵は何にする?」
「……んー、パスタにしようかしら」
艶やかな黒髪を揺らして少女が言う。
「俺はそうだなあ……」
「またハンバーグセット? やめなさいよ、子供みたい」
「おいおい、先回りするなよ。お前だって好きだろ?」
「私はそんな重いの食べませーん! うふふ」
その声は明るく、少年と二人でいるのを心から楽しんでいる様子だった。
彼の方も笑いながら穏やかな顔で彼女を見つめている。
ただの双子では有り得ない、相手への愛情と理解がそこにはあった。
二人はウェイトレスを呼び、料理を注文した。
「……にしても、やっぱりあれは凄かったな」
「ひどかった、じゃなくて?」
冷えた茶を口に運んで少女が笑う。
「張飛はあんなのってのはわかってたけど、周瑜はひどい。
司令官がなんで最前線で敵兵を蹴散らしてるんだ」
「そんなこと言ったら、一番最初の趙雲もおかしかったわよ」
「趙雲はまだマシだと思ったんだけど……そうでもないか」
楽しそうに笑顔を浮かべた彼が返した。
兄の啓一、妹の恵。
今日、二人は休日を利用して話題の映画を見てきたのだった。
そして適当な店を回り、ファミリーレストランで早めの夕食。
その行動は、二人が血の繋がった兄妹でなければ
デートと呼ぶにふさわしいもので、現に当人たちもそのつもりだった。
「啓一、次の休みに映画見に行こっか」
嬉しそうに誘ってきた双子の妹の顔を、啓一ははっきり覚えている。
自分のものでもあった少女の姿。それが今は愛しい妹として
啓一とは別の人格、別個の存在になってしまっていた。
彼も彼女もその事実にまだ慣れていなかったが、
以前とは違って相手を大事に思う気持ちが芽生えていた。
17:ふたりはひとつ その5(3/19) ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:27:39 u2hE6Kmz
店を出るともう日が暮れていた。
食べた後も、喋りながらドリンクでかなり粘ってしまったからだ。
二人は交差点の角で信号を待ちながら、立って身を寄せ合っていた。
「啓一……」
「ん、どうした?」
そっけない風を装って尋ねた兄に、恵は少しだけ口を尖らせて言った。
「少し寒いから、もっとくっついてよ」
「何言ってるんだ、こんなとこでできるか」
そう言いながらも啓一はそっと半身を差し出し、
彼より少し背の低い妹に腕を組ませてやった。
「さっすがー! やっぱり私の片割れよね♪」
「あー、はいはい」
言葉とは裏腹に、彼も顔をほころばせて恵の温もりを感じていた。
街灯と信号機の灯りが道路を照らしている。
行き交う乗用車とトラックが目の前をどんどん横切っていき、
信号待ちの二人の話し声をかき消してしまう。
啓一はこちらを見上げる恵の姿を眺めながら、
車道の信号が赤になったのに気がついた。
だが今度は右折用の矢印信号が灯り、交差点を曲がろうと慌しく自動車の進入が続く。
意外と待たされるな、と思いながら見ていた啓一だが、
やがてその信号も消えて右折ラインの車は全て過ぎ去ってしまった。
「あ、信号変わったよ。啓一」
ぴったり密着したままの妹の声に、啓一はうなずいて歩き出そうとした。
そのときだ。
啓一の目が、かなりのスピードで交差点に進入してくる小型トラックを捉えた。
(おい、信号無視か !?)
既に信号は変わり、交差点には何台かの乗用車が流れている。
そのトラックはそこに真っ直ぐ突っ込み、一台の車に横から勢いよく追突した。
―ガシャンッ !!!
交差点で垂直に衝突した二台の車のうち、ぶつかられた方は斜めに吹っ飛ばされて
コントロールを失い、歩道にいる二人に突っ込んできた。
「恵、逃げ―」
奥にいる彼女からは交差点が死角になっていて、とっさの反応が遅れている。
彼はそんな妹を思いっきり突き飛ばし―。
凄まじい音と衝撃にまともに巻き込まれ、意識を失った。
18:ふたりはひとつ その5(4/19) ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:28:51 u2hE6Kmz
「――病院、駄目です!」
「呼吸は戻ったか !? 脈は!」
けたたましくサイレンを鳴らす救急車の中で、恵は座ったまま
虚ろな目でベッドに寝かされた啓一を見つめていた。
口はだらしなく半開きでぼうっとした表情は、
いつも利発で明るい優等生の水野恵とは思えなかった。
(―啓一……寝てるの? ここどこなんだろ……)
彼女の半身でもあった双子の兄は、今は血まみれでぐったりと横たわっている。
恵はそんな現実を注視することができず、抜け殻のような顔で
自分を助けてくれた啓一の顔を見下ろすだけだった。
低下とかショックとか、聞こえてくる言葉も彼女にとっては意味がない。
そっと手を伸ばし、よく手入れされた自慢の髪に触れてみると、
現実離れしたような赤い液体が手のひらにこびりついていた。
(夢……これ、夢なのかな……?)
生死の境を彷徨う兄と同じく、だらりと四肢を垂らした恵は
まだこの惨状を受け入れられずに車内に座り込んでいる。
「―まだ君には信じられないかな? この状況が」
「!?」
サイレンや怒鳴り声でとても聞こえるはずのない小さな声なのに、
彼の言葉ははっきりと恵の耳に届き、彼女を戦慄させた。
顔を向けると、透き通るような笑顔の美貌がすぐ近くにある。
「あなた……なんで…… !?」
「なんで、ってのはこっちの台詞だよ。
まったく君たちは……今、片方が欠けちゃったら、本当に台無しじゃないか」
絵画に描かれたような端正な顔立ちで、恵の隣に座った少年は言った。
恵と啓一。生まれる前の双子の心を一つにし、成長した彼らの心を
また二つに分割してしまった不思議な少年。全ての元凶。
何者なのか、そもそも人間なのかも彼女にはわからなかったが、
今はそんなことはどうでもよかった。
「心が特別って言っても、君たちの体は平凡な少年少女のものだからね。
怪我もすれば病気にもなる。そしていつかは死に別れてしまう。
いくら人生を共にしようとしても、死ぬときまで一緒なのは難しいからね」
ちょうど今がそのときじゃないかな、と少年は穏やかな口調で言った。
19:ふたりはひとつ その5(5/19) ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:29:55 u2hE6Kmz
救命士はこの侵入者にまったく気づくことなく、懸命に啓一への処置を続けている。
初めて出会ったときと同じだ、と恵は妙に冷静に思った。
「嘘……啓一が死ぬなんて、そんなの嘘よ……」
「残念だけど本当さ。これじゃもって二、三時間ってとこだろうね。
そして彼が死ねば、君は愛しい恋人を失う」
「死ぬ……? 私、独りぼっちになっちゃうの……?」
あくまでも静かな声に、恵は体をぶるぶる震わせて返す。
「嫌……そんなの、嫌あぁぁっ !!」
吐き出した少女の叫びは、騒音にまぎれて消えた。
「うん、そうだろうね。実を言うと僕もそうなんだ。
せっかく二十年近くもかけた実験をこんなことでおじゃんにされちゃ、
こっちだってたまらないよ」
その声はどこか思わせぶりで、絶望に覆われた恵をはっとさせるものだった。
「……あなた―助けられるの !? 啓一を、助けてくれるの !?」
「うーん……まあ、できなくはないかな。この国で僕がしちゃいけないことは
人を殺すことだけだから、逆に生かす分には何も問題ないよ」
「ならお願い! 啓一を助けて !!」
虚ろな表情にありったけの力を込めて、彼女は少年にすがりついた。
たとえ自分たちの心を思いのままに弄ぶ悪魔のような存在であっても、
今、啓一を救ってくれるのならば頼るしかない。
繊細な顔を鬼気迫る形相に歪め、恵は少年に何度も何度も頼み込んだ。
「そうだねぇ……」
もったいぶるように彼女を見つめる少年。
次に軽く視線を動かし、動かない啓一に目を落とした。
「お願い! 何でもするから啓一を助けてっ !! 私、啓一がいないと……!」
「―よし、いいだろう」
不意にうなずいた少年を呆然と見つめ、恵は叫んだ。
「本当っ !? 本当に啓一を…… !?」
「ただし、条件がある」
ぴんと立った人差し指。白く細く、爪の先まで形の整った綺麗な指だった。
唇を笑みの形に歪め、彼は恵に言葉を続ける。
「君たちの答えを聞きたい。二つのままでいるか、また一つになるか。
一つになって再び二つに分かれた君たちが、最終的に何を望むのか。
僕はそれが聞きたい」
20:ふたりはひとつ その5(6/19) ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:30:41 u2hE6Kmz
恵はやや怯えた表情で少年の顔を覗き込んでいる。
「私たちの、答え……?」
「そうさ。生まれたときから君たちは一つの存在だった。
それが二つになり、互いから切り離された不完全な状態になった。
代わりに君たちは分裂したもう一方を他者と感じ、愛しいと思っている。
分かれる前に比べて、今の生活の方が楽しいんじゃないかな?」
「…………」
彼女は言い返せなかった。少年の言う通りだったからだ。
そんな恵の心を見透かしたかのように彼は言った。
「―でも、考えてごらんよ」
「?」
「生きるもの全てにいつか終わりはやって来る。老いたり病気になったり、
今の君の片割れみたいに突然事故に襲われることもあるだろう。
そうなったとき、残されたもう一方はどう思うだろうか?」
「…………」
恵の動転、恵の焦燥、恵の悲しみ。
少年の言葉は刃となって彼女の心をえぐった。
「愛し合う男女はいくらでもいるけれど、出会いがあれば別れも来る。
永遠の愛を誓っても、いつかどちらかが先に死んでしまうんだ。
そして死んだ方は、大抵は残された相手にもっと生きてくれと願う。
君だって自分が死ぬときは、彼も一緒に死んでほしいかい?
それとも彼にもっと長く、ずっと生きていてほしいかな?」
「……そんなのわからないよ」
平常心を失っている恵には、彼の言葉は重すぎた。
彼女はまともに受け止めることもできず、呆然と少年を見やるだけだ。
「もし君たちが再び一つになれば、一緒に生きて死ぬことができる。
もちろん二つの肉体のうち片方は先に死んでしまうけれど、それは
文字通り自分の半身を失うことであって『愛しい他者の喪失』とは異なる。
片手、片脚を失くしてしまうのはとても辛くて悲しいことだけど、
それと愛する相手が死ぬのとは、また違うと思うよ」
「―私は、どうすればいいの……?」
「さあね」
この上なく明るく、爽やかな声で少年は言った。
「それは君たちが決めることだ。そして僕はその答えが聞きたい」
「…………」
少女は体をブルブル震わせて、力なく虚空を見つめていた。
21:ふたりはひとつ その5(7/19) ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:31:24 u2hE6Kmz
完全に現実感を喪失した、深い深い淵の中。
立つでも座るでも無く、彼の意識はただそこに浮いていた。
(…………?)
彼は、自分が誰か忘れてしまっていることに気づいた。
自分は誰だったろうか、ここはどこだろうか。
男だったような気もするし、女だった覚えもある。
辺りには誰もおらず、なぜか孤独が慣れ親しんだものに感じてしまう。
ずっと一人だったのだろうか。
(俺は……私は……ボクは……)
これは夢だ。
夢ならば、全てが自分の記憶の中のことのはずなのに、
彼は自分の一人称さえ決めることができなかった。
何をするでもなく、彼はただぼんやりとそこに浮かんでいる。
夢だったらいつか覚めるはずだが、ひょっとしたらもう覚めないかもしれない。
ふと何となくそう思い、何気ない視線を虚空に向けた。
「―やあ。生きてるかい?」
「…………」
彼だけのぼやけた世界の中で、不意に声がかけられた。
振り向くと綺麗な顔立ちの少年がそこにいて、じっと彼を見つめている。
(誰、だっけ……見たことある気はするけど……)
そう考え、ほんの少しだけ安心する。
自分の世界に、彼の見覚えのない存在が出てくるはずはない。
「いやあ、これはひどいね。今にも消えちゃいそうだ」
少年は苦笑し、笑顔で軽く目を細めた。
(………… !?)
その瞬間、彼は自分の心が、記憶が、この世界がざわめくのを感じた。
渇いた喉に水を流すように、凍えた体に熱を送るように、自分の中に力が溢れてくる。
「……正直言って人助けは趣味じゃないけれど、君たちなら特別だ。
せっかくこの僕がここまで待ったんだからね」
君たち。少年はそう言った。
ならば自分以外の存在がすぐ近くにいるはずだ。
彼であり彼女であり、大事な片割れである存在が―。
22:ふたりはひとつ その5(8/19) ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:32:53 u2hE6Kmz
「――っ !!」
そして、啓一の世界は色を取り戻した。
ゆらめく闇もぼやけた虚空も消え、大地と空が、道が、家が、街が現れる。
それと共に、彼も自分自身を取り戻していた。
「―俺は……啓一だ……」
「よろしい。やっと自分を取り戻してくれたね」
天使のような微笑みを少年が向けてくる。
不思議と啓一は、彼の笑顔に今まで思いもしなかった親しみを覚えた。
「あんたが、俺を助けてくれたのか……?」
自分が生死の境をさまよっていることを思い出し、少年に尋ねる。
少年は歩道に立って辺りを見回し、啓一に返した。
「君に今死なれたら困るからね。やっぱり答えを聞いておかないと」
「……答えだって? 何のだ」
「君たちが今のままでいるか、もう一度一つになるかの選択さ。
彼女にも聞いたんだけど、青ざめるばっかりで困っちゃってね」
少年が芝居がかった仕草でパチンと指を鳴らすと、その隣に一人の少女が現れた。
彼自身であり、彼の半身でもある双子の片割れ。
彼女は驚いた様子で啓一を見つめ、大声をあげた。
「―啓一ぃっ !!」
「恵……!」
こちらに飛びついてきた少女の体を受け止め、互いに抱きしめ合う。
それだけで啓一は、自分の心が満たされていくのを感じた。
「啓一! 啓一! 啓一……っ !!」
「済まん恵。心配かけて」
「ううん、私こそ……ごめん、ごめん……!」
泣いて自分にすがりついてくる妹の頭を撫でながら、啓一はふと考えた。
(しかし……本当に違うんだな。俺と恵は)
啓一には妹の記憶があるし、彼女にも啓一の記憶がある。
たしかに元は同一の人格のはずなのに、自分と彼女とではこんなにも違う。
この違いはどこからきているのだろう、と彼は不思議に思った。
23:ふたりはひとつ その5(9/19) ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:33:44 u2hE6Kmz
そのとき、二人に横から声がかけられた。
「さて、喜び合うのはその辺にして僕の話を聞いてほしいな」
爽やかな少年の声に揃って顔を向け、二人が身構える。
「啓一……私たち、どうしたい?」
「どうしたいって……何がだよ」
兄に抱きついたまま、恵が問いかけてくる。
「今のままだったら私は恵、あなたは啓一として生きていける。
私は啓一が好きだし、啓一も私が好きだと思う。
でもいつか、今みたいに離れ離れになってしまう……」
彼女は悲しげに目を伏せた。
啓一が死の淵にあるとき、彼女は横で呆然とするだけだったのだ。
絶望と無力感に苛まれる彼女の姿を想像し、彼は心を痛めた。
「でも、もう一度君たちが一つになれば、そんな心配は要らない。
啓一君も恵さんも混ざったまま、両方の体が死ぬまで生きていけるよ。
さて君たちはどっちがいいかな?」
少年は二人を向いて笑っている。
そんな相手に、啓一は小さな声で言った。
「……とりあえず今のままで、片方が死んだらまた一つに戻るってのは……?」
「―ぷっ! ははははは!」
彼の答えに少年は吹き出し、手を端正な顔に当てて笑い出した。
「それはいい! うん―実に素晴らしい答えだ! さすが君たちだ!」
「よくわからんが、誉められてるみたいだぞ……」
「啓一、ナイス」
二人は大笑いする少年に呆気に取られ、顔を見合わせた。
「でもねえ……それだと君たちが死ぬまで、ずっと僕がそばに
ついてないといけないじゃないか。
いくら暇とはいっても、そこまで待つのはしんどいなあ」
「―あ、やっぱり?」
啓一は頬をポリポリ掻いて少年を見やった。
「という訳で残念だけど却下。一つか二つかを選んでほしい。
僕としては、やっぱりまた一つになってくれた方が面白いんだけど」
24:ふたりはひとつ その5(10/19) ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:35:26 u2hE6Kmz
「……だってさ。恵、どうする?」
彼女は首を振り、回答を嫌がった。
「わからない。一つになっちゃったら、また寂しくなると思う。
でも今みたいに、啓一と離れ離れになるのはもっとイヤ……」
「恵……」
ぎゅっと自分を抱きしめてくる妹を、彼は抱き返した。
どうすればいいのか。恵と同様に、彼にも答えはわからない。
少年は二人の望むようにしてくれるという。
出会ったときからこの上なく胡散臭い存在ではあったが、
約束を守るというその一点に関しては信用して良さそうだった。
「さあ選んで、君たちが望むものを。
『世界』か『太陽』か、『悪魔』か『愚者』か。
君たちが他の人間たちと同じなのか違うのか、僕に見せてほしい」
「…………」
死に瀕した啓一の心の中で、彼と彼女、少年が向かい合っている。
「啓一……私たち……」
「ああ……わかってる、と思う……」
互いに愛し合うことができて。ずっと一緒にいられて。
それができたらどんなに幸せだろうか。
仕切りによって隔たれた、二人の心の部屋。
その心の壁があるから啓一は啓一、恵は恵としていられる。
それを取って完全に混ざり合うか、それとも完全に分かれるか。
二人は見つめ合い、互いの考えを目で伝え合った。
「啓一、私と同じこと考えてるね……えへへ」
「そうか? やっぱりわかるもんだな……さすが俺の片割れだ」
「うふふふ……」
「ははは……」
啓一と恵は結論が一致したことを確かめ合い、静かに少年を向いた。
「決まったかい? さあ、僕に教えてくれ。君たちの答えを」
「俺たちは―」
「私たちは―」
二人は少年に向け、同じ言葉を発した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
25:ふたりはひとつ その5(11/19) ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:36:40 u2hE6Kmz
終電間際の夜遅く、母親は子供たちが帰ってきたのに気づいた。
「おかえり、遅かったじゃない」
彼女の息子と娘は、昔から少し変わっていたが
どちらも強く賢く育った自慢の子供たちである。
今日は二人一緒に映画と夕食ということだったが、かなり遅い気がする。
カラオケかゲームセンターにでも寄ってきたのだろうか。
「母さん、ただいま」
「ただいまママ」
明るい声で双子が言う。
その様子はいつも通りの子供たちで、特に変わったところはないように思われた。
「ちゃんとご飯食べたの? 早くお風呂に入りなさい」
「はーい、ママ」
恵は笑顔でうなずき、自分の部屋に入っていった。
「俺はちょっと疲れたから、風呂は後にするよ」
「もう遅いから、早く入りなさいね。啓一」
「うん、わかってる」
息子も普段と変わらない雰囲気だ。
彼女は子供たちが帰ってきたことに安心し、もう寝ようと寝室に向かった。
「……ん、帰ってきたのかあいつら」
双子の父親である彼女の夫は先に寝床に入って、寝そべって本を読んでいた。
「ええ。楽しかったみたいですよ?」
「てっきり朝帰りかと思ってたんだがな。もう年頃だし」
「あなた……冗談でもやめて下さい」
この夫は家族に優しい父親ではあったが、時々変なジョークを口にする。
本当に小さくて些細な、彼の欠点だった。
「でも最近、妙に仲いいじゃないか。啓一と恵は」
新書本のページに目を落としながら、父親は言った。
「そうね、でもいいことじゃありませんか。
なんかあの子たち、お互いが見えてない感じだったから……」
「喧嘩するとか仲がいいとか、そんな雰囲気が全くなかったからな。
まあ、あいつらも成長したってことだろ」
「だったらいいわね。―じゃあそろそろ寝るから電気消しますよ、あなた?」
少し不満そうにしていた夫を尻目に、彼女は電灯のスイッチに手をかけた。
26:ふたりはひとつ その5(12/19) ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:37:29 u2hE6Kmz
下着姿にパジャマを肩にかけ、恵は半裸でベッドに腰かけていた。
その顔に浮かんでいるのは安堵と満足、そして幸福だった。
「―啓一……」
誰にともなく呟かれた言葉は、確かに彼のところに届いている。
そして返答がくるのもまた、わかっていたことだった。
”ちょっと待て。のんびり風呂ぐらい入らせてくれよ”
自分の半身の思考が繋がった心を介し、彼女に伝わってくる。
恵は笑みを浮かべながら、兄に話しかけた。
(いいじゃない、どうせ後でまた入るんだし。一緒に)
”えー、ヤる気満々ですか恵さん。しんどいから勘弁して下さいよ。
俺、今日死にかけたばっかりなんですけど……”
(大丈夫よ。しばらくは死なないってあの人も言ってたじゃない。
なんなら私がそっちの体と代わってあげようか?)
”んー、それもなんかやだな……じゃあ待ってろ。もうあがるから”
そう心の中で聞こえた直後、恵は自分の体が立ち上がる感覚を覚えた。
ザバァという湯船の音も、全身を濡らす湯の温かさも、
今の啓一の全てを彼女は自在に感じることができた。
そしてそれは相手も同じで、少女が感じている風呂上りの体の火照りも
ベッドの上でそわそわと兄を待つ胸の高まりも、啓一に全て伝わっている。
愛しい相手と一つになっている、この満ち足りた快感。
それは以前の虚しさとも、今日感じた死別の恐怖とも違う、
今の二人にしか味わえない至高の充足だった。
下着だけを身に着け、啓一が歩いてくる。
見えなくとも聞こえなくとも、彼女にはその全てがわかる。
―ガチャリ。
ドアを開けて彼が目にした、顔を赤らめた自分自身の姿もはっきり感じられる。
恵は待ちわびたように顔を上げ、小さく囁いた。
もちろんこの囁きも、頭に浮かんだ瞬間に啓一に伝わっている。
それでも口にしてしまうのは、このわずかな期間に身についた癖というものだろう。
「おかえり。じゃ、しよっか……」
そして兄妹は、ベッドの上で体を重ねた。
27:ふたりはひとつ その5(13/19) ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:38:00 u2hE6Kmz
抱きしめる感触と、抱きしめられる感触。
恵は幸せそうに目を細め、細い腕を啓一の背中に回した。
軽く火照った少年少女の体が寄り添って触れ合う。
啓一は妹と自分の心臓の鼓動を聞きながら、軽く目を閉じた。
(俺―生きてるんだな……)
”うん……そうだよ。啓一はここにいるよ……”
すぐ間近から伝わってくる少女の心の声にうなずいて、彼は自分を確かめた。
一度死に瀕した水野啓一。絶望に包まれて泣き叫んだ水野恵。
悪魔に弄ばれた二人が選んだ道は、共に生きることだった。
二人ともが啓一として、恵として、そしてその両方として。
だがそれは分かれる前とはまた異なる、新たな心の形だった。
「―恵……」
彼は妹の顔を正面から見つめ、ゆっくりと顔を寄せていった。
―ちゅ……。
唇同士が接触する柔らかな刺激が二人分、啓一に伝わってくる。
二人はどちらからともなく口を開き舌を伸ばし、
相手の唇を食もうとせわしなく互いの肉を貪り合った。
唾液が混ざり舌が絡まり、ピチャピチャと淫らな音が部屋に響く。
「ん……」
劣情にとろけた瞳で恵が彼を見つめてくる。
見ているはずなのに見られている感覚もあり、
啓一は多少の違和感に戸惑いを感じた。
分かれる前は、こんなの当たり前のことだったというのに。
”はあ―キス……いいよぅ……”
(ああ、俺もだ、恵……)
繋がった自我が思いを伝え、二人は混じりあった唾液を味わう。
焦点のぼやけた妹の目を見て、啓一はふと可愛いなと思った。
やはり自分から彼女を愛撫してやるのが好きだった。
”もう、私ばっかり……”
(おっと、悪い悪い)
しかし本人は、啓一のペースなのがお気に召さないようだ。
一瞬のうちに彼は妹の思いを理解し、次の行動に移る。
28:ふたりはひとつ その5(14/19) ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:40:15 u2hE6Kmz
啓一は少女の細い体を抱きかかえ、ゆっくりとベッドに横になった。
自分が下になるようにし、華奢な恵の重みを肌で感じる。
そのままくっついていると、ぽかぽかした温かみが伝わってきて
彼は妹を抱きながら幸福そうに目を細めた。
「んー、なんかほのぼのするなあ……」
「これはこれで気持ちいいけど……啓一、続きは~?」
「えー、やっぱりエロいですね。恵さん」
からかうような口調で言うと、恵は笑って兄を見下ろした。
「そんなのお互い様じゃない。そっちもしたいんでしょ?」
「まあ、そりゃそうだけど」
下から妹の乳房を揉みながらうなずく啓一。
丹念な愛撫に恵は気持ち良さそうに身をよじり、熱っぽい視線を兄に向けた。
「ほら……私の感覚、伝わってるよね」
「ああ。なんか揉みながら揉まれるのって久しぶりだな」
「結構な時間、分かれてたからね。私たち。
でも前はこれが当たり前だったんだよ?」
彼女の言う通り二人は元々一つの存在で、互いの自我の境界は存在しなかった。
二人ともが啓一であり恵であり、周囲の誰にも恋愛感情を持つことなく
その上自分同士で愛し合うこともできず、虚しい日々を送っていたのだった。
”啓一……好き。たとえ自分の片割れでも、
ううん、私自身だからこそ私はあなたが好き。大好き”
(―困ったな。実は俺もそうなんだ……)
”私たち、やっぱりナルシーかな?”
(さあな。でもそんなこと、どうでもいいんじゃないか?)
啓一は恵の体を自分と隣り合わせるように寝かせ、
ショーツに包まれた妹の大事な部分に手を伸ばした。
そっと下着をずらすと、ねっとり湿り気を帯びた肉が
二人の熱っぽい興奮を煽り立てる。
29:ふたりはひとつ その5(15/19) ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:41:09 u2hE6Kmz
彼は恵の上気した顔を愛しそうに見つめている。
(恵のここ……熱いよ。触らなくてもわかる。
俺のが欲しいって、入れて欲しいって伝わってくる)
”啓一もここをこんなに硬くして、入れたいけど必死で我慢してるのね……”
(あ、やっぱりわかるか。俺たち本当に繋がってるもんな)
少女は心の声を止め、切なげな声を出して言った。
「だから啓一……来て。私も一緒に入れるから……」
軽く笑みを浮かべ、啓一もうなずいて返した。
「ああ、俺も一緒だ……一緒に俺のチンポくわえこんでやる……」
そして二人は体を密着させ、性器を繋ぎ合わせた。
―くちゅ……ずぶずぶ……。
「はあぁあぁああっ !!」
啓一と恵は全く同じ叫びを発し、快楽の渦に引き込まれた。
(―うわやべ、久しぶりに両方の感覚きたからイキそうになった……)
”わ、私の中……熱い……!”
(ああ、もうマジでたまんねーな……こりゃ動いたらヤバい)
入れる側と入れられる側の感覚。
常人の二倍の性感を再び手に入れた二人は、襲いかかる劣情に必死に耐えていた。
”お願い……う、動いて……!”
(いいけど、俺も余裕ないのわかってるよな)
”いいから、一緒に気持ち良くなろ……?”
今のように心の壁に穴が開いている状態では、片方の肉欲がそのまま
もう一方を刺激し、さらにその繰り返しで相乗効果が発生してしまう。
一度理性を手放してしまってはなかなか元に戻れないだろう。
しかし二人とも、このまま快楽に身を委ねてしまおう
という危険な思いが頭の過半を占めていた。
―ズッ、ズズッ……。
どちらからともなく腰を動かし始め、結合部の興奮を高めていく。
(す、すっげ……気持ち良すぎる……)
”私も……いい、いいのぉ……”
啓一も恵も、理性の溶けたとろんとした瞳に互いの姿を映している。
やがて啓一は妹と繋がったまま身を起こし、
両手で恵の細い脚をかかえて腰を振りやすい体位に持っていった。
30:ふたりはひとつ その5(16/19) ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:41:43 u2hE6Kmz
持ち上げられた少女の腰めがけて、啓一が自分自身を突きこむ。
―パァンッ!
「―はああんっ !!」
「ううっ……!」
今の彼は自分自身を殴りつけているようなもので、恵を責めれば責めるほど
自分もまた苦しくなってしまうような状態だった。
もっと優しくしようと思ったのだが、なぜか彼の体は持ち主の言うことをきかない。
啓一の意思に反して、腕や腰が勝手に少女の中を乱暴にかき回してしまうのだ。
彼は苛まれる意識を整え、妹に心で話しかけた。
(恵―お前、俺の体を……!)
”……ど、どう? すっごく気持ちいい……でしょ……?”
やはり、彼女の意思が啓一の中に入り込んで体を操っているらしい。
啓一は焼けついた理性で妹を咎めたが、腰の動きは一向に収まる気配がなかった。
激しくえぐられる膣の感触、肉棒に絡みつく肉の熱さを二人は共有し、
同じ表情で二つの口から喘ぎ声を漏らした。
「はあぁぁ……ああぁんっ !!」
「ぐっ! うぁああ……あぁぁっ……!」
パンパンと音をたてて啓一の腰が打ちつけられるたび、
硬い肉棒が恵の体内を往復するたび、二人は揃って声を出した。
もはや犯しているのが自分なのか、犯されているのが自分なのかもわからない。
恵の肉が啓一のモノをくわえこみ、熱い肉で包んでしごきあげる。
―ブジュッ! ジュプッ、ジュププッ !!
心がいくら変わろうと体は正直で、いつも通りの反応を示した。
奥へ奥へと陰茎が突きこまれ、熟れた膣がそれを喜んで導く。
他の女を知らない男性器が、他の男を受け入れたことのない女性器をえぐる。
生まれたときから、生まれる前から一つだった彼らは、
今こうして、心も体もまた一つになっていた。
31:ふたりはひとつ その5(17/19) ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:42:22 u2hE6Kmz
歯を食いしばった啓一がうめく。
「ぐうあぁぁあ……! ―俺……ヤベ……」
意識を手放しそうになって妹を見やると、恵もまた
焦点の合わぬ目と半開きでよだれの垂れた口をだらしなく見せつけてくる。
それは普段優等生の彼女からは考えられない淫らな表情だったが、
きっと自分の顔も同じような惨状になっているに違いない。
啓一は、少女の視覚を通して自分の顔を確かめようとしたが、
もはや恵の目はぼんやりと啓一を捉えるだけで、おぼろげにしか彼を見ていなかった。
「あはぁ……啓一ぃ……わ、わたし……」
笑いかけられた声も亡者のように虚ろだ。
これはこれで愛らしい姿ではあるが、このままだと彼の方も自分を保てそうにない。
(ううぅ―め、恵……俺……!)
”啓一ぃ……啓一、啓一、けいいぃぃちぃ……”
二人は啓一の腰に残った力を注ぎ込み、思い切り恵の中をかき回した。
―パンッ! パン、パン、パァンッ !!
肉と汁のぶつかる激しい音とともに、今まで以上の性感の波が押し寄せ
今度こそ彼と彼女の理性を飲み込んだ。
「―はぁああああぁぁぁあぁっ !!」
またも二人は同じ叫びを響かせ、絶頂にのぼりつめた。
―ドクンッ! ドプドプドプドプ……ブシャアッ !!
少女の奥にありったけの精を吐き出して、啓一は意識を失った。
彼と意識と感覚を共有していた恵も同様に気を失い、とさっとベッドに倒れこむ。
充分に射精した陰茎が萎え、ずぶりと恵から引き抜かれた。
「はぁ……はぁ……はあぁ……」
二人とも気絶して荒い息を吐くだけだったが、どちらもその顔は幸せそうで
欠けていたものが満たされたような充実感に溢れていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
32:ふたりはひとつ その5(18/19) ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:43:39 u2hE6Kmz
翌朝、啓一と恵は二人並んで学校に向かっていた。
ここ数週間様々なことがあって大変だったが、ようやくいつも通りの
日常が返ってきた気がして、二人は嬉しそうに話しながら歩いていた。
晴れた太陽がそんな彼らを祝福するように、優しい光を投げかけている。
「ようお二人さん! 青春してるかね若者よ!」
などと気安く声をかけてきたのは友人の栄太だった。
啓一は何か言い返そうとして、友人の隣に別の人物が立っているのに気づいた。
「あ、坂本さん」
「あら由紀、おはよう」
「おはよ。今日も恵は啓一クンと一緒? 仲いいわねー」
恵の友達の坂本由紀。がさつで乱暴だが、恋多き乙女として評判の娘だった。
由紀も栄太も多少の欠点はあるものの友情には篤く、
この四人で遊びに行ったこともある。
もっともそのときは、栄太と由紀の下心を共に粉砕してしまったが。
啓一はその記憶を掘り起こし、それが意外と心の深い場所に眠っていたことに驚いた。
(そうだな。最近、色々あったからな……)
”そうね……私たち、すっごく変わっちゃったね”
隣を見ると、恵が笑顔でこちらを見返している。
「どうした啓一、何ボーッとしてんだよ。恵さんに見とれてんのか?」
「ん、いや?」
横からそう言ってくる栄太に生返事を返し、二人はまた視線を前に戻した。
「まあ無理もない。学校でも屈指の美少女がいつも隣にいたら
そりゃあ理性もなくなっちまうからな。まったく羨ましい―痛っ !!」
「あんた、それあたしに当てつけ !? いい度胸してるじゃない……!」
「あれ、やっぱり二人とも付き合ってるんだ?」
「えっ !? ―そ、そんなことないわよ。ねえ栄太」
「ああ、まあそういうことにしといて―痛っ !! 足踏むなお前は!」
などという他愛のない友人との会話に興じながら、啓一と恵は歩いていた。
もはや決して欠けない満ち足りた心を胸に同じ笑顔で笑っている。
やがて四人の前に彼らの学舎が見えてきた。
今日もまた、平和で穏やかな一日が始まる。
33:ふたりはひとつ その5(19/19) ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:44:34 u2hE6Kmz
その校舎の屋上、金網を乗り越えた立ち入り禁止の場所に一人の少年が座っていた。
十数メートルの高さから何も無い空に悠然と足を投げ出し、
爽やかな笑顔で朝の登校風景を見守っている。
下からも危険な場所にいる彼が見えるはずだったが、誰も気づくことはない。
まるでそこに誰もいないかのように。
「さて、これで一件落着……かな?」
透き通った声がそよ風に乗って運ばれてゆく。
誰も聞いていなくても、誰も見ていなくても、彼は自分の思うがままに存在する。
しかし今回の「実験」では思いのほか驚かされた。
「中途半端と言えば中途半端なんだけどね……。
二つの心を完全に一つにするんじゃなくて、軽く仕切っただけで
心の独立と共有を自分で思うようにできるんだから。
まぁ、本人が選んだことだから別にいいんだけどさ」
朝の風と光の中、少年はポケットからカードの束を取り出した。
自然な動きでその束を切ると、一枚を選んで手に取った。
「ふむ、これは……」
そこに描かれていたのは、コウモリのような翼を持った異形の化け物と
鎖で繋がれて笑っている全裸の二人の男女だった。
「『悪魔』か。未知の恐ろしい誘惑と、それに支配される未熟な人間。
トリックスターとゆるやかに結ばれた眷属の二人……」
タロット占いでは正位置、逆位置に関わらず良い意味のカードではない。
だが彼は面白そうにカードに目を落とし、惚れ惚れするような笑顔を作った。
「いやあ、最初の意図からどんどん離れていっちゃうねえ。
完全な人間、『世界』を作る実験だったのに、困った困った」
そう言いながらも、その顔も口調も実に楽しそうだ。
「でも眷属って言うなら仕方が無いね。できるだけ面倒は見てやることにするか。
それにしても、人間は面白いなあ……フフフフ……」
輝く朝日を浴びて笑う端正な少年の姿は、まるで一枚の肖像画のようだった。
34:14 ◆cW8I9jdrzY
09/05/08 22:47:03 u2hE6Kmz
以上となります。
これで完結ですが、かなり長くなって申し訳ありませんでした。
できたら、またいつかどこかでお会いしましょう。
それではこれにて失礼致します。
35:名無しさん@ピンキー
09/05/10 00:38:46 Ex+X0xhC
GJ
発想も話も面白い
36:名無しさん@ピンキー
09/05/11 23:14:35 bPsEf4y/
>>34いいね。乙。
37:名無しさん@ピンキー
09/05/13 02:50:48 65nFv0Qp
>>34
エロいしオチの黒さが絶妙
いずれ訪れる死別の時を考えると、ふたりは取り返しのつかない選択をしてしまったのかも
GJ
38:名無しさん@ピンキー
09/05/23 00:38:36 7+yUezSC
おお、続き来てたのか。
GJ!
完結、お疲れ様。
39:名無しさん@ピンキー
09/05/31 23:18:19 X+gRye11
保守
40:ROCO ◆VpKHzOu04Y
09/06/01 05:57:05 RyheJ65M
元々は寝取られスレ用に書いてましたが、他の要素が多く含まれ、
ちょっとあっちでは投下し辛い感じがし、こちらで投下させて頂きます。
ジャンル:オリジナルファンタジー
エロ内容:調教・異種姦・妊娠出産・スカトロ描写有り
ストーリ内容:寝取られ
41:『奴隷姫』 ◆VpKHzOu04Y
09/06/01 05:58:23 RyheJ65M
この大地は今、大いなる危機に晒されていた…
邪悪な魔術師の儀式によって、太古に封印された魔神が降臨し、
その影響で大地の奥深くに閉ざされてきた闇の世界から地上へと、
世にもおぞましい不気味な魔物達が溢れ出し、常に人々の生活を脅かされていく…
もはやこの世界は混沌の渦と化していたのだ。
そんな世になって十四年…我が小国サークスは、突如に魔物らの襲撃を受けたのだった。
元々が大した戦力も持たない国だったのもあるが、
あまりにも唐突で凄まじい数の魔物の数に、満足な迎撃体制がとれてなく、
遺憾ながらも、我が母国は僅か一月もしない間に、王城は堕ち国は滅亡されたのだ…
もう遠くに見える城が焼け落ちていく、王と王妃はきっともう…
俺はその光景を見て己の無力さを嘆く、俺の力が至らないばかりに…
この俺は今はもう滅んだサークス国の守護騎士だった、
何故この一大事に城を離れていたのかというと、つい数刻前の事だった…
サークス王は俺に特命を与えたのである、その特命とは姫を連れて逃げろという内容だった。
「お父様…」
俺の横には悲痛な気持ちで、つい少し前まであの城で安らかに暮らしていた少女が居る、
もはや亡国となった国の姫、ファリーナ様だ…
彼女の容姿は小柄で細い体格、そして綺麗な瞳をし神々しいほどに長く伸ばした綺麗な髪をなびかせて、
その顔立ちにはまだ幼さが残っている、確かに彼女は若い…
確か間もなく14歳の誕生日を迎える予定だった。
きっとこんな世でなければ、14の誕生日には国中で祝ってもらえていただろう、
だが…神の試練なのか現実は、祝ってくれる家族も民も全て失ってしまったのだ。
「姫様…そろそろ」
「わかってます…行きましょう、叔父様の国…ラルカーンへ」
しかし彼女は立ち止まる事を許されない、
何故なら彼女は、混沌とした今の世を救う、たった一つの希望だったのだ…
サークス国王家には古くからある言い伝えが残されている、
それによれば魔の神が降臨し世界が混沌の闇に堕ちた時、
同時に世界を守護する光の天使様が、サークス国王家の血を継ぐ女子として、
この世に転生するそうなのだ、そしてその女子と、
心正しき剣の印を肉体に刻まれた選ばれし戦士が交わり、
天使が転生した女子の身に子を宿した時、その子供こそが世の闇を切り裂き、
いつか再び平穏を取り戻す救世主となるであろう…という内容だったのだ。
そう…ファリーナ姫こそが、古から世界を守護されていた光の天使様が、
人の娘として転生された女子だったのだ。
証として彼女が生まれた日…赤子の背中から白い羽が出現したという、
その羽は一瞬だけ姿を見せたが…それが消えた今もファリーナ姫の背には、
羽の痣が残っていた…ちなみにその自分の運命を、まだ彼女は知らない。
彼女にそれを伝えるのは、14歳の誕生日だと王は決めてたのだ。
だが王は伝える前に亡くなってしまった、だから…俺は無事に隣国の、
サークス王の親類であるラルカーン王が治めるラルカーン国に姫の身柄を送り届けてから、
その事実を話す事に決めていた…ラルカーン王も、その言伝えを知っているからだ。
そうだ俺は守らなくてはならない、いつか彼女の前にその選ばれし戦士が現れ、
契りを結ぶまで…世の希望を!自分自身にとっても大切な女性を守るのだ!
恐らく魔物の襲撃も、言伝えを察しての事だろう…そうだ姫様は狙われている、
俺はファリーナ姫を連れ、目的の隣国の王城を目指してた。
ラルカーン国は、我が祖国と違い兵力が充実したかなりの強国だ…
さすがにここならば、あの魔物共も手が出しづらいだろう、
だから…それまでが長い旅だったのだ。
42:『奴隷姫』 ◆VpKHzOu04Y
09/06/01 05:58:53 RyheJ65M
「はぁ…はぁ…」
「平気ですか姫様、もう少しゆっくり歩かれても…」
「いえ平気です、今は急ぎませんと…目的の地は遠いのでしょ?」
「二週間も歩けば…辿り着く筈ですが…」
しかしそれは私のような鍛えられた男の話だった、
城の中で箱入り娘として育っていた姫様には、この旅路はキツイに違いない…
きっと三週間はかかるだろう…そう俺は思っていた、だが…
「二週間ですね、わかりました…無理でもナックスの足に合わせます」
姫は強情な方だった、そして聡明な方だ…さっきの二週間という予測も、
俺の速度での話しだと直ぐに察したのだから。
息を荒くし、汗を大量に流そうと…我が身に鞭を打ってでも彼女は足を進める、
まだ見えぬ…その遥か先にある目的の地に向けて…
やがて歩き続けると日が暮れる、それでも先を急ごうと姫は言うが、
それは私が説得し止めさせた…何故なら夜は危険だからだ。
ただでさえ山道には獰猛な獣が出現し旅人を襲う、
それに加え今は魔物まで徘徊する始末なのだ、
日が暮れたなら直ぐに一夜を過ごせる準備を整えなければいけない、
野獣に襲われない為に草木で茂った場所は避け、
身を隠せ易い岩場で野宿の準備をしていた。
「姫様…不便なのを、どうかお許しください」
「いえ、かまいません…それに少しワクワクしてるんですよ」
「ワクワクですか?」
「だって…初めての事ですから、こんな体験…」
まぁ…そうか、旅もそうだが、この野宿は姫様にとっては新鮮な出来事で、
事態が事態だが興味津々なのだろう…この前まで城の中が、姫の全てだったのだから…
その為に姫は私の行動を、ジッと見つめていた、
火を焚く事も、食料を用意する事も…
「こうやって火を起こすのですか!?初めて知りました…私にもできますか?」
「コツがあるのですが…今度教えましょうか?」
「はい!お、お願いします!」
瞳をキラキラさせ、俺に願い出る…そんなに楽しい事とは、俺には思えないが…
そして食料…城から逃げ出す時に幾らかは保存食を持ち出したが、
でもこれだけではもたないだろう、だからできるだけ現地で調達したかった。
幸いに川が近くに流れており、俺は泳ぐ魚を捕らえるのだが…
「これは…?」
「焼き魚ですが…」
「焼き魚…」
初めて見るその焚き火で焼いた魚に、姫様は困惑してるようだ、
どうやら普段は王宮料理を口にしていたからだろう。
こんな野外で調理する雑な食べ物を、姫は口にした事が無いのだった。
それも魚だ…骨があって食べ辛いかもしれない。
「ファリーナ姫…別の獲物を探してきましょうか?」
「いや、いいです…だってせっかくナックスが捕ってきた食料なのだもの、食べるわ」
するとファリーナ姫は、恐る恐る焼き魚に口をつけます、
パリッと香ばしい魚を噛む音がし…姫は川魚を食した。
「美味しい…」
「小骨がありますから、気をつけてくださいね」
「はい、ん…少々食べ辛いですが…美味しいですよナックス」
どうやら気に入っていただいたようだった、
その後に余った魚を捌いて干し、煙で蒸して長期保存できるようにした。
まだ先は長い…できるだけ食料が尽きる状況にならないようにしないとな。
やがて段々と夜が更けてくる、俺は見張りをし姫を先に寝かす事にした。
43:『奴隷姫』 ◆VpKHzOu04Y
09/06/01 05:59:20 RyheJ65M
「あのナックス…その…」
「どうされましたか?」
「……いえ、何でもありません」
「?」
だが眠る前に何か言いたそうだった姫様、何かお困りだったのだろうか?
いや、困ることだらけだろう…なるべく質の良い毛布を持ち出してきたが、
それでも城のベッドとは寝床が違いすぎる環境だ、
眠れないかもしれない…しかしそれでも眠ってもらわないと、
日が昇ったと同時に出発しないといけないから、体力を回復してもらわないとな。
もちろん俺も眠る…野営訓練の一環で敵意を感じると、
目を覚ませるように身体に叩き込んでいる。
しかし姫が眠るまでは…周囲の敵への監視は怠らなかった。
朝日が昇る…そして今日も、俺と姫様は遥かラルカーン国への旅路を進ませていた。
幸いに今の所は獣も魔物も襲撃してこない、このまま最後まで平穏だといいが、
日が昇り汗を吹かせつつも歩き続けながら、俺は深く神に祈る…
昼の内に一歩でも足を進ませたいが、やはりそれだと体力が続かない、
俺はともかく姫様には辛いだろうから、数刻毎に休憩させていたのだが。
ふと休んでる最中に気付いたのだ、姫様がまたソワソワとしている事に…
もちろんそれが何か俺には分からない、排泄か?いや…それはさせてる、
野外でのそれはきっと女性である姫様には、たまらなく屈辱的な事で恥ずかしい事だろうが、
こればかりは仕方ない事だ、我慢してもらわないと…
でもそういう事でもないのような…ん?屈辱的…そうか!
「姫様…もしかして、身体を清めたいのですか?」
「!あの…そういうわけでは」
姫様は否定するが、その顔を見ればわかる…正解だ!
しまったな…男の俺ならともかく、姫様のような少女が、
いつまでも水浴びをせずにいたのでは辛かっただろう。
また移動を再開し道を進む中、俺はある場所を探していた…
すると日が傾きだしてしばらくすると、ある小さな泉を発見したのだ、
近くに行き、水を採取し試し飲みもしてみたが…大丈夫だ、
透き通った水だし毒も無い、俺は飲み水を確保するなり、姫様に報告するのだった。
「え…!水浴びができる泉があるって…」
「はい、あれから歩き続きです…どうぞ汗と汚れを落とし流してください」
「で、でも…ここでそんな事をすれば、今日はこの辺りで足を止める事に」
「いいのですよ、幸いこの辺りは食料になる木の実もありました、ここで休みましょう」
「は、はぁ…」
嘘は言っていない、だが進みたいと思う気持ちは確かにある…一人だとそうしてただろう、
だが今は二人…姫様の為にも、少し足がゆっくりになっても、
ここは辛抱するべきだったのだ、それに結果的にこれが一番歩を進める事にもなるだろう。
「俺は…こっちで見張ってますので、どうぞゆっくりと」
「は、はい…」
ポチャッと水の中に入る音が聞こえる、俺はその間に野営の準備をしていた、
当然に辺りの警戒もする…大丈夫、異常は…
「きゃっ!」
するとその時だ、姫の叫びが聞こえた!
俺は咄嗟に振り向き、泉に駆け寄るが…
「どうされましたか姫様!!あ…」
「あ…」
44:『奴隷姫』 ◆VpKHzOu04Y
09/06/01 05:59:52 RyheJ65M
姫は…ヌルッとした足場に滑り、少し体勢を崩しただけだった…
って!目の前に見えたのは姫様の裸!!
バッチーン!!
その刹那…とても大きな音が森林の中に響いていくのだった。
「姫様…先程は、その…すみません」
「いいえ、私こそ…せっかくナックスが心配してくれたというのに…すみません」
生まれたままの姿の姫を見てしまい、俺は動揺しつつも謝罪すると、
姫様は恥らいつつも許してくれた、いや罰はあった…
俺の片頬は赤く腫れていたのだ、そう…水浴びをされていた姫様の平手によって…
そしてその夜…俺は寝付けなかった、もちろん周囲に注意を計らっているのもあるが、
それよりも…目蓋を閉じると、あの光景が目に浮かぶからだ…
姫様のまだ幼い容姿にも関わらず、可憐でお美しい生まれたままのお姿が何度も脳裏に過ぎる…
特に意識されるのは蕾のような性器部…すみません、大切なとこを目に焼きつかせてしまって。
次の日…旅する道に険しい坂道が続いた、道も岩だらけで荒々しいし…
この先に向かうには険しい山越えをしなければいかず、
どうしても進みが遅くなる、しかし事態はそれだけじゃなかった。
「はぁ…あ…」
午後あたりから姫様の進みが異様に遅くなっている、どうしたのだろうか?
もちろん体力が無いのは知っている…だが、これは異様な気がする。
その為に多く休憩をとったのだが、その中でもどこか辛そうだ…その時だ、
はっ!と気付き、俺は姫様の足を掴み、その裏を見た!
「何を…うっ!」
「姫様…足の裏の豆が潰れてるじゃありませんか!」
そう、姫様の足裏は血豆ができて、幾つか潰れていた…
靴の中は血まみれになっていて、痛々しいお姿になっていたのだった。
くっ!なんて事だ…こんな状態になるまで気付かないとは!
「わ、私なら平気です…これくらいで」
「いいえ、いけません…血だって出てるし」
か弱く見えても気丈な姫様は、弱音を吐かずに自らの身体に鞭を打ち、
激痛に耐えて俺についてきてたのだ…遅れをとるまいと必死で、
しかし幾らこの跡に辛い試練が待っているとはいえ、姫様はまだ旅にも慣れない、
弱き女性だ…せっかくの神の与えた綺麗な足も、これでは台無しになってしまう。
だから俺は姫を守る騎士として…
「きゃっ!ナ、ナックス…」
俺は姫を持ち上げた、このままで険しい山を越えなければならないが、
問題無いだろう…姫様の身体はこんなに軽いのだから。
「下ろして!一人で歩けますから…抱き上げるなんて…」
「平気ですよ、それにまた歩いてもらいます…足が治ってからですけどね」
「そんな駄目です…きゃっ!」
俺はまだ強情に強がる姫様の言葉を聞き流し、
小柄の身体を抱き上げたまま、山道を登っていく…
耳元で姫様の叫ぶような声がしばらく続いたが、
その内に観念したのか静かになる…ただ、
少々姫様の身体の温もりが、妙に熱く感じたのだが…病にかかったわけじゃないだろうな?
幸いかそれは俺の思い過ごしだった、それから数日後…無事に険しい山を越えるのに成功した、
緩やかになった道になり、ある泉の側まで来る頃には姫様の足もだいぶ回復している、
王家伝統の秘薬と評判高かった治療薬を使ったからかもしれないな。
「あの…もう歩けますから」
「はい、そうですね…もう平気そうです」
「あのナックス…その、ありがとう…」
「いえ、姫様を守るのが使命ですから気にせずに」
「私を…守るですか、それは姫だから?それとも…ファリーナだから?」
「えっ?」
45:『奴隷姫』 ◆VpKHzOu04Y
09/06/01 06:01:13 RyheJ65M
姫様が小さく呟いた疑問の言葉に、一瞬周囲が静寂する…
なんだ…胸の鼓動が妙に大きく感じてた。
「あ…いえ、なんでも無いです、変な事を言ってしまいましたね」
「は、はぁ…」
その瞬間、確かに俺は…ドキッと胸を高鳴らせていた。
姫様は何で…そんな事を言ったのだろうか?
そしてこの気持ちは…俺は彼女の騎士だぞ、やましい感情など抱いてはいけない、
何故ならこの方はいずれ…選ばれし運命の相手と、
それを考えた時、酷く胸の鼓動が慌しくなった気がしていた。
哀しく寂しい感情を胸に宿した気もする…今は忘れろ、ただ姫を守る事だけを考えるんだ。
峠を越えると見晴らしの良い高台に着いた、
この辺りは随分と荒れてなく綺麗な所だな…下には綺麗な緑の世界が広がっている、
この広大で素晴らしい景色を見てると、本当に世界は闇に覆われそうになっているのかと、
疑問に思うくらいだ…とりあえず今夜は俺達はここで休憩する事にしたのだった。
「あの…それでは水浴びしてきます」
その月光が明るい夜…姫様は俺が日が沈む前に見つけていた清んでいる泉に、
身を清めに向かった…林の奥だが、幸いに危険な野獣の気配は無かった。
それでも俺は姫様のすぐ側で警護をする、するとだ…歌声が聞こえてきたのは。
これは姫様…だけどなんて綺麗な旋律だろうか。
「姫様…その歌は?」
「お母様に教えていただいた歌なんです」
王妃様の…そうだ思い出した、確かに王妃様も歌っていた、
まだ騎士になりたての時期に、城の警護をしてると…何処からか美しい声が響いてきて、
王妃様が窓辺から夜空へと歌っているのを見て、そのまま聞き惚れていたな。
「素敵な歌ですね…」
「ありがとう」
あの美声は受け継がれていたんだな、在りし日の祖国を思い出し、
俺は懐かしさに胸を熱くして、目を閉じてしばらく聞き惚れていた。
そして静かにまた目を開けると、私の目の前に神々しく輝く翼があった…
ふと木々の葉が茂る隙間から照らす月光に照らされた泉から上がった姫様が居て、
なんとも幻想的な風景を演出していた。
その時に見えたんだ…姫様の背から光り輝く翼を、これは幻なのか?
幻想的な光景に見惚れていて我に返ると、それは消えていたのだから…
旅は順調だった、何度か獣に襲われる事はあったが、俺の実力で十分対応できる程だったからな、
気候も恵まれてたお蔭もある、嵐に出くわしたら足止めだけでなく、
ある意味として魔物や獣に襲われるよりも酷い危険状況に陥るだろう。
だが旅の終わりが目前となった日、ついに嵐に遭遇する、
凄まじい豪雨と暴風、それらから身を守る頑丈な岩陰を求め、
俺と姫様は大地を駆けていた、そんな時だ雷が近くの木に落雷したのである!
それを感知した瞬間、俺の手は姫の手を握り、近くに寄せると…
その自身の身体を盾にし、衝撃から彼女の身を守るのだ。
すると衝撃に身が襲われる…お蔭で俺は瞬時にして意識が失われていった。
「ひ、姫様?」
「あっ!ナ、ナックス…起きてたのですか?」
「今覚めた所ですが…」
驚いた、目が覚めた瞬間に姫様の顔が間近にあったのだから。
姫は何をする気だったのだろうか?
どうやらここは洞窟らしい…姫様が気を失った俺を運びこんだのか?
46:『奴隷姫』 ◆VpKHzOu04Y
09/06/01 06:01:53 RyheJ65M
くっ…守る立場の騎士たる俺が、守られるとは…ん?
ふと俺は自分の胸を見る…ここが熱かったからだ、するとだ…
あの時の姫様を庇い、焼けた木片が当たった場所が、
まるで剣の形をした火傷になっていたのだった。
「ま、まさか…な」
剣の印が付いた選ばれし戦士…ふとそれが頭に過ぎった。
負った傷は十分に薬で痛みを紛らせれる程度だった、
だから嵐が過ぎると、俺達は再び旅を再開した、
さきの嵐で川が氾濫し回り道を余儀される事になった。
「姫様、あと少し…かの王城は、この先の山を越えた先ですからね」
「うん…わかったわ、私…頑張るからね」
険しい山道だ…本来のルートなら、まだ穏やかな道を行けたのだが…
それに凶暴な獣が住み着いてる跡がある、出くわさなければいいが、
魔物も徘徊してるように思える、所々に瘴気の気配が濃い…
「狭いから足場に気をつけてください!」
「はい…んっ…」
ゆっくりゆっくりと、狭い足場を進ませていく…
そうだ落ち着いて渡れば難しい道じゃない、
ただ直ぐ下が崖なのが怖い場所だった…
でもあと少しだ…もう直ぐ道は広くなり、休める場所だってあるだろう、
俺と姫様は一歩一歩着実に足を進ませていく。
その時だった、突如と前方の岩陰から気配を感じたのは!
「ファリーナ姫!そこで立ち止まってください」
「ナックス!?」
俺は剣を抜き構える…居る、そこに…敵が!
今は姿を見せず隠れ身を潜めているが…俺は待った、
禍々しい気配を隠せない奴が動くのを!
するとだ…奴は現れた、獲物を待ちきれなくなったのか、
岩の陰から地面を這わせ…醜い容姿を現していく。
「ひっ!?」
「……魔物か!」
姫様は俺の背後で小さな悲鳴を漏らす、それもそうだろう…
姿を現したのは野獣じゃない、闇の世界から這い出てきた魔物だったのだ、
あまりにも不気味な姿で醜い…これの姿をどう説明すればいいのやら、
無数のミミズが集まったような…現世の生物が身体の内と外が逆転したような姿というか…
濁って透き通った赤黒い触手を全身から幾つも伸ばし、昆虫のような節足も持ち、
胴体は飛び出た内臓の塊のようだ、それでいて不規則に並び存在する眼球がある、
まるで悪夢が実体化したような感じだな。
ドロドロに粘った体液を表面から滲み出し纏ってるのか、
不気味に濡れ輝かせ、嫌悪する悪臭をも漂わせている…
ちなみに魔物には数多くの種類があるのだが、この手の魔物は下級種だ、
見るからに動きが鈍く、知能も低い…ただしかなりの生命力がある。
「こんな所で魔物か!姫様…後ろにお下がりを!」
「わ、わかりました…気をつけて!」
「はい!」
姫様を庇うように俺は前に出る、するとだ…奴の移動と共に、
足場が異様に揺れたのだ!どうやらこの辺りの足場が脆いらしい…
先日の嵐の影響か?雨と風に土壌が崩壊寸前のようだ。
こんな場所で戦いになるとはな…しかし相手が道を塞いでる以上は倒さなくてはならない!
敵は巨大だ…それでも下級種の魔物、戦闘力ならこちらが上だと思うが…
地形とあの大きさで手こずりそうだ、しかし早々に決着が付かないと場所が危うい!
そこで俺は一気に勝負に出る、高らかに剣を振り上げ…激しく斬りかかるのだ!
ザシュゥゥゥゥッ!!!
剣が魔物の触手が数本を斬り…胴体を大きく切り裂いた!
傷からは激しく体液を噴出し、奇声をあげる…しかし、
その大きな傷はみるみる内に塞がっていくのだった!
47:『奴隷姫』 ◆VpKHzOu04Y
09/06/01 06:02:41 RyheJ65M
なんて回復力だ…しかし動きはやはり鈍い、何とか急所を探らなくては…
俺は再び距離を置き…奴の身体の胎動を観察した。
あれか?あの一段と大きく見開かす眼球の左横が、ドクドクと鼓動してる。
そこに剣を突き刺せば…俺は自分の判断を信じ、この剣を握る手に力を込めた!
そして足を重く踏みしめ…一気に駆け走る!ところが!!
バキィィィィッ!!
「し、しまった!」
俺が駆けて、奴が巨体を這い進ませた瞬間…足場が崩れたのだった!
幸いに姫が居る足場にまで崩壊は進まないが…
俺と魔物は遥か下に崩れた足場の岩共々落下していく!
「あぁ!!ナックスゥゥ!!!」
姫の叫びが遠くなっていく…くっ!俺は…姫様を送り届けずに、
こんな場所で朽ちるのか!ここまでなのか俺の戦いは!!
少し胸に剣の形の印が刻まれたと浮かれてたくせに…私は馬鹿だ!
こんな情けない騎士が、選ばれし戦士なわけが無いだろう…
下等種の魔物との戦いで命を落す騎士が何処に居ると…
あぁ姫様…ファリーナ姫…私の愛しき人よ、
どうか…無事にラルカーンへ!そして世界を…うわぁぁぁ!!
そこで俺は、意識を闇に沈ませたのだ…
::::::::::::::::
私の名前はファリーナ…気付くと私は、ある小屋の中で柱に縛られてました…
どうしてこんな事に…そうだ!ナックスは…
住んでいた王城が魔物の襲撃され、彼と逃亡の日々を送ってた…
あれからいつも一緒だった私の騎士様…でも今は私の側に彼の姿はありません、
目覚めた時に居たこの薄暗い小屋の中には、他には人の気配すら無かったの…
でも確かに誰かが居たような形跡はあるわ。
この散らかりようはナックスじゃないわよね…その時です、
私が気を失う寸前の出来事を思い出したのは!
「あ…あぁ…そうだ、そうだったわ!」
それは悪い夢の内容、そうだと信じたい…でもあれは確かに現実の出来事だったの、
私を守る為に道を塞いでいた禍々しい魔物とナックスは戦い、
そして…崖から落ちた事は!そう…私の目の前で彼は落下したの!
直ぐに私は落ちる彼に手を伸ばしたけれど…その手は届く筈なく、
ただ崖の遥か下にある木々が茂る森を見下ろすしかできなかったの。
下は深い森の様だけど…彼は無事かしら?
心配で心配で、だけども彼を探しに行くには、この険しい崖を下るしか無く、
どうしたらいいのか分からず呆然としてました…
その時です、誰か…誰かの声が背後から…あれ?
そう…ここから記憶が曖昧なの、彼の名を叫ぶ私の側に誰か来て、
そして…そして…
「おっ!気付いたか」
「!?」
そして…この男性が現れたのです、手に鋭く危うそうな武器を持った、
随分と汚れたボロ衣の服を着込んだ人達が…
「だ、誰…」
「人に名前を尋ねる時は、自分の名前から告げるものだぜ、お嬢ちゃん」
「けけけけ、中々良い所のお嬢様みたいだな~匂いが違うぜ!」
な、何…この人達!?
まず先頭に立っている男性は、見た目がナックスよりも年上で二十代後半くらいでしょうか、
体格はしっかりとし、屈強そうな印象を抱きました、だけど鋭い目つきが怖い…。
それと…この辺りでは珍しい青い目、碧眼の持ち主だったのです。
側にはもう一人、小柄で痩せ型の体格をされて、顔は随分と老けてるように見えた男がいます、
顔だけだと四十代くらいの男性に見えますが…どうなのでしょうか?
「まぁいいや、俺達はな…サークス国の兵士をやってたんだよ、知ってるか?」
「サークス国って…」
48:『奴隷姫』 ◆VpKHzOu04Y
09/06/01 06:08:40 RyheJ65M
私の国…私の国の兵士です!
でも私は彼らの顔を知りません、どうやら王城の勤務では無い方のようですね、
何よりも私の顔を知らないようですし…城では兵士達に顔を見せ、挨拶を告げる事はよくありました。
もしかして町の方や辺境任務に就いていた方達なのかもしれません。
「知ってるか?知ってるよな…そうつい二週間前に魔物の襲撃を受けた国だよ」
「お嬢ちゃんも、サークス国の出身かな?じゃあ…逃げてきたんだな、俺達のように」
「は、はい…そうです」
それは嘘じゃありません、すると彼らはニッコリと笑うのです、
ただ表情の奥にとても危険な印象を抱くような微笑でした…
「そうかそうか、お互い大変だったな…さっき崖で叫んでたのはお連れの名か?」
「お嬢ちゃんだけで、ここまで逃げてくるのは無理だろうからね~」
「あの…はい、私の…大切な人です、あ!あの…兵士様なら、是非に探してもらえませんか!」
そうです我が国の兵士様なら…国の兵士は、国民を守るのが仕事です、
ならば…彼らにナックスの事を頼むのは、有りかと一瞬思ったのです。
でも直ぐに疑問が頭に過ぎりました、それは…彼らの出会って、
何故…私が気を失ったかです!
「へへ…それは無理な頼みだな、俺らはな…もう兵士じゃないのさ」
「え…」
「実はよ…雇ってくれてた国が魔物が襲ってきて滅んじまったから」
「こうして職を失ってな…今では山賊に身を堕としてしまったのよ!」
「!?」
「だから…俺らはかつての民の為に働くなんてしないのさ」
「それどころか奪うのさ、この道から逃亡してきた連中の財産を全てな!」
そ、そんな…私は愕然としました、かつての我が国の兵士が賊に身を堕落させるなんて…
しかもせっかく魔物の襲撃から逃れた人々を襲うなんて…
ニヤニヤと笑う彼らの瞳を前に、私は恐ろしさのあまりに身を震わせていました。
助けて…ナックス、いつもみたいに助けにきてよ…私の騎士様。
だけどその声は届かない…何故なら彼は今…
「そうそう…お連れなら、ほら…ガーリャ!」
「…崖下から運んできた」
すると誰かが更に入ってきます、あれは…何て体格の大きなお方でしょうか!
褐色の肌に更に屈強そうな筋肉で覆われた身体をしてます、背も高くまるで巨人のようです。
その大きな男性は何か担いでます、人?傷だらけで血まみれで…えっ?
まさかあの人は…ナックスなの!?
ガーリャと呼ばれた大男は、乱暴に下に担いだ人を下ろす…そしてはっきりと顔を確認したの、
やっぱりナックス!こんなボロボロになって…まさか死んでる!?
「どうだミネル?そいつの容態は?」
「あ~、生きてはいるな…だが頭を強打したっぽい、しかも重傷だ、結構危険だな…このままだと」
「そんな…」
なんとか彼が生きてる事には安堵した、でも…その外見からしても重傷なのは明白でした、
このままでは死んでしまう、ナックスが…死んじゃう!!
「そこで、取引だがな…あんたが俺らの欲求に応えてくれたら、この男の手当てをしてやるよ」
「本当に…?」
「あぁ、約束しよう…彼氏を死なせたくないんだろ?」
ナックスは私の大切な人、死なせるわけにいかないわ!
でもこんな人の欲求なんてろくな事じゃないわ、だけど…今ここで取引を断ったら、
確実にナックスは死んでしまう、そんなの嫌…
彼が…ナックスが生き残ってくれるなら、私はどうなっても…
「します…取引に応じます、だから…」
「へへ、そうか?いいんだな?どんな目に合うかわかってるのか?」
「…わかりません、でも…それで彼が助かるなら」
「よし、わかった…取引成立だ!これからお前は俺達のモノだからな」
…モノ、その呼ばれ方で酷い事が待っているのが予感できました、
更にニヤッと不気味な微笑をする彼ら達…
「そういや、名前…知りたいんだったな、俺はディアだ」
「俺様はミネルってんだ、そっちはガーリャって奴だ、で…お嬢ちゃんの名は?」
「ファ…ファリーナといいます」
「へぇ、良い名だ…可愛い商品名だぜ」
「し、商品名?」
「じゃぁ…さっそく調教といくか、」
49:『奴隷姫』 ◆VpKHzOu04Y
09/06/01 06:12:59 RyheJ65M
調教…商品、私は自分の背筋にゾッとした寒気を感じていました、
それは予感だったのかもしれません、この後の私に対する仕打ちの数々…
そう、その時から私は姫どころか、人ですら無くなっていくの、
でも今はまだ…そんな狂わされた自分の運命に今は気付かなかった。
「じゃあ、まず…これを咥えてもらおうか」
「こ、これ…ひっ!」
な…何、これ?顔の前に突き出されたのは…棒状の肉の塊でした、
ディアと呼ばれた男性が下半身の穿き物を脱ぐと、それは股間の位置から生えていて、
容姿はとても黒く変色しとても醜い形をしていたの…それに臭い、
鼻へと刺さるような異臭を漂わせてもいます、なんておぞましい塊でしょうか。
だけどこれを咥えるって…口で?そんなのできな…
「あの男がどうなってもいいのかな?」
「!?」
そう…だった、ここで拒否したら…私は彼の後ろを眺めた、
あのミネルと呼ばれた男がナイフを手に持ち、ナックスの首筋に当ててたの!
それを見た時、心臓がバクッと大きく鳴ったわ、駄目…拒んだら殺される!?
ナックスが…私の大切な人が…耐えないと、だって私しか居ないもの…
いつも助けてくれてたナックスを助けるのは、私しか居ない…だから。
決心すると、ゆっくりと顔を近づけ…口にその醜い股間から生やしたのを咥えます…
このディアと言う碧眼の男の汚らしいのを口に入れさせられてしまいました。
屈辱でした…こんな卑猥な汚らわしいのを、口に含むなんて…うぅっ!!
それに酷い味…塊に触れた瞬間から舌先が痺れてくる、
こんな不味く醜く汚らしいのが口の中を蹂躙していきます、
鼻の中まで苦しめられてる…まるで腐臭のような鋭い激臭、臭覚が麻痺されてしまいそう。
「おらっ!もっと深く咥え込め!どうせまだテクなんて持ち合わせてないんだ…勢いでフォローしてもらわないとな」
「んぐぅぅ!!んんんんっ!!!」
喉の奥に当たってる!焼けた鉄棒を押し付けられてるようでした、先が当たって焼かれてるみたい、
彼は私の頭を掴むと、強引に塊を深く咥え込ませていくの!
苦しい…吐きそう、なんて拷問なのだろうか…たちまちに胃から逆流してきそう、
でもそれが吐き出される前に、激しい濁流が流しこまれたの!!
「いくぞ…ほら飲み込め!!!」
「んっ!んぐぅぅぅぅぅ!!!!!」
え…あっ!ゴブゥゥゥッと何かが喉にかけられてる!
また焼かれてる…熱いの浴びて喉が滅茶苦茶にされていく…うぅ!
鼻にまで流れ込んできて、中を焼きつかされているの。
もう激臭に鼻の中が麻痺されていくみたい…くっ!
お口から抜かれていく塊…ぼやけた私の瞳には、
その醜い黒い塊に白い粘々が付いてるのが見えてた、これは一体…むぐっ!
抜かれると同時に、ディアという人は乱暴に私の口を塞ぎます、
口の中に溜められる熱くて粘々した代物、吐き出したい…だけどできない、
いつからか目から涙が零れていました…だって苦しいのだもの。
そんな私の耳に彼は囁きます…酷い事を。
「ほら飲め…口に注いだのを全部な」
「んぐぅぅ!!?」
そんな…これを飲む?今も口の中で酷く苦しめる代物を!?
何を注がれたというのだろう…確か白かったけど、
まだそれが何か判断できなかったけど、汚物だとは理解しました…
でも飲まなきゃ、そうしないと…ナックスは!
その一心で私は自分の喉を動かします、あぁ本能が拒んでる…
そんなのを飲みたくないって、でも…それを無理矢理に捻じ伏せたの。
そして喉が動く…ゴックリと喉音を鳴らし、それを喉の中へ飲み込んでいく、
うぅ…食道が焼けるよう、なんて醜悪な感覚なのだろう!!
「初めてで飲み干したか、はは…これは才能ありそうだな」
一生懸命に飲み干すと、その口を広げ彼は確認し…満足そうに笑いました。
きっと私は今酷く歪んだ顔をしていたと思ったわ、
でも…それを更に歪む状況に陥る事を私はまだ知りませんでした。
50:『奴隷姫』 ◆VpKHzOu04Y
09/06/01 06:14:10 RyheJ65M
「ほら、次は股を広げてもらおうか」
「ごほっごほっ!えっ…」
「こう足を広げろって事さ!ほら思いっきりにな」
そ…そんな風に足元を広げたら、すっかり汚れボロボロになった下半身を覆う衣を押さえる、
そんなに広げたら見えてしまう…下の穿き物が晒されてしまう。
そのような破廉恥な真似を、このような人の前でするなんて…とても無理!
でも…私はその指示に従うしかありませんでした、ナックスの為に…
「は…い…」
覚悟を決めて股を広げます…あ、見える…下着を会ったばかりの男性に見られる、
羞恥心のあまりに目を閉じてしまう私、でも…彼らはそれで満足しなかったの。
ミネルという男性が含み笑いするなり、懐から何か金属製の輝きを取り出す、
それは鋭利なナイフでした…一瞬殺されるのかと思いました、
でも彼はそのナイフの先を突き寄らせて…切ります、その見えてる下着の生地を…あっ!
切られた下着の布地が落ち、そこが外気に触れました…いやぁぁぁ!!
「ほう、かわいい蕾じゃないか」
「へへ、綺麗なもんだな~ひひ」
「み、見ないで…あっ!嫌ぁぁぁ!!!」
そこは…聖域なのに、女性として夫になる方にしか晒してはいけない箇所です、
お母様は言っておられました…ここは誰にも汚させてはならない聖域と…なのに、あぁ…
見られてる、じっくりと好奇の視線に晒されてます。
やだっ…恥ずかしい、自然に閉じようとする足…でもディアという方が足を押さえ、
それを防ぐのです、そして更にじっくり私の恥部を凝視してます!
「閉じるな…これから何だぜ、本番は!」
「えっ!何を…きゃぁっ!!」
ますます大きく広げられていく、そんなにされたら…いやぁ、
なんて恥ずかしい格好…やだ、酷い…でも彼は更に酷い事をしてくるの。
「じゃあそろそろ頂かせてもらおうか」
「頂くって…あっ!何…それは」
とても醜悪な容姿でした…ディアという男性は下の穿き物を下ろすと、
あの巨大な黒い棒状のを晒すの、うぅ…本当に気持ちの悪い醜い肉の塊だわ…
すると心から嫌悪するそれが迫ってくる、この私の見せてしまった女性の聖域に向けて、
な…何をするつもり?ま、まさか…そんなのは駄目!だってその行為は…
私の中で幾度も警鐘が響いてる、このままだと恐ろしい事になるって…
しかし回避はできなかった、この弱い囚われの身には…
助けて…ナックス、彼の後ろで意識を失い重傷の身体で横たわる大切な人を私は見た、
その優しく頼もしい瞳は閉じたまま…すると、私の下から鋭い痛みが響いてきたの!!
「ひぃ!!やぁぁぁぁ───!!!」
「うぐっ!きつっ…へへ、久しぶりの処女の締め付けだ」
か…体が…裂ける!!股から真っ二つに私の身体が…あぁぁ!!
実際は裂けてませんが、そんな錯覚を感じるくらいに激痛が襲い掛かってきてました、
あぅ…どうなってるの?私の身体…あぁぁ!!!
その激痛によって、とてもまともな認識ができなくなる、しかも身体を押さえつけられ、
見ることもできない…うぅ、世界がぐるぐる回ってる…
「ひひ…この苦痛に歪む顔も見物だよな、ひゃははは」
「あぁ…痛いか?痛いだろうな…すげぇ出血だ!ほらっ!!」
「あがぁぁぁぁぁぁ──!!!!」
また激しい衝撃と共に、目の前が白く霞む…意識が一瞬薄れたかも、
あぁ…いっそ気を失いたい、いえ…既に幾度か失神してるかも、
でもきっと次の瞬間に激しい衝撃に起こされている、
そして地獄のような責め苦を味わい続けてるの…
あぁ…お腹がボコボコと掻き回されてる、中身が滅茶苦茶にされてるかも…
そうなってもおかしくない程に、身体の中を蹂躙されてました。
「はぁ…さぁイクぞ、出すからな、中にたっぷりと!!」
「あぁ…ひぐぅっ!!あぁ…」
もう私の思考は麻痺してました…だから彼が何を言ってるのか理解できずにいた、
そして無抵抗のまま一段と大きな衝撃が加わった時、お腹に灼熱のような熱さを感じたの!
え…何…何か、出てる…お腹に…熱い…何?何を出されてるの??
口を大きく開けたまま、すっかり放心してた私だけども、
それが何だか分からないままでしたが、とても悪い予感を感じてた…
51:『奴隷姫』 ◆VpKHzOu04Y
09/06/01 06:14:38 RyheJ65M
「ほら、次は股を広げてもらおうか」
「ごほっごほっ!えっ…」
「こう足を広げろって事さ!ほら思いっきりにな」
そ…そんな風に足元を広げたら、すっかり汚れボロボロになった下半身を覆う衣を押さえる、
そんなに広げたら見えてしまう…下の穿き物が晒されてしまう。
そのような破廉恥な真似を、このような人の前でするなんて…とても無理!
でも…私はその指示に従うしかありませんでした、ナックスの為に…
「は…い…」
覚悟を決めて股を広げます…あ、見える…下着を会ったばかりの男性に見られる、
羞恥心のあまりに目を閉じてしまう私、でも…彼らはそれで満足しなかったの。
ミネルという男性が含み笑いするなり、懐から何か金属製の輝きを取り出す、
それは鋭利なナイフでした…一瞬殺されるのかと思いました、
でも彼はそのナイフの先を突き寄らせて…切ります、その見えてる下着の生地を…あっ!
切られた下着の布地が落ち、そこが外気に触れました…いやぁぁぁ!!
「ほう、かわいい蕾じゃないか」
「へへ、綺麗なもんだな~ひひ」
「み、見ないで…あっ!嫌ぁぁぁ!!!」
そこは…聖域なのに、女性として夫になる方にしか晒してはいけない箇所です、
お母様は言っておられました…ここは誰にも汚させてはならない聖域と…なのに、あぁ…
見られてる、じっくりと好奇の視線に晒されてます。
やだっ…恥ずかしい、自然に閉じようとする足…でもディアという方が足を押さえ、
それを防ぐのです、そして更にじっくり私の恥部を凝視してます!
「閉じるな…これから何だぜ、本番は!」
「えっ!何を…きゃぁっ!!」
ますます大きく広げられていく、そんなにされたら…いやぁ、
なんて恥ずかしい格好…やだ、酷い…でも彼は更に酷い事をしてくるの。
「じゃあそろそろ頂かせてもらおうか」
「頂くって…あっ!何…それは」
とても醜悪な容姿でした…ディアという男性は下の穿き物を下ろすと、
あの巨大な黒い棒状のを晒すの、うぅ…本当に気持ちの悪い醜い肉の塊だわ…
すると心から嫌悪するそれが迫ってくる、この私の見せてしまった女性の聖域に向けて、
な…何をするつもり?ま、まさか…そんなのは駄目!だってその行為は…
私の中で幾度も警鐘が響いてる、このままだと恐ろしい事になるって…
しかし回避はできなかった、この弱い囚われの身には…
助けて…ナックス、彼の後ろで意識を失い重傷の身体で横たわる大切な人を私は見た、
その優しく頼もしい瞳は閉じたまま…すると、私の下から鋭い痛みが響いてきたの!!
「ひぃ!!やぁぁぁぁ───!!!」
「うぐっ!きつっ…へへ、久しぶりの処女の締め付けだ」
か…体が…裂ける!!股から真っ二つに私の身体が…あぁぁ!!
実際は裂けてませんが、そんな錯覚を感じるくらいに激痛が襲い掛かってきてました、
あぅ…どうなってるの?私の身体…あぁぁ!!!
その激痛によって、とてもまともな認識ができなくなる、しかも身体を押さえつけられ、
見ることもできない…うぅ、世界がぐるぐる回ってる…
「ひひ…この苦痛に歪む顔も見物だよな、ひゃははは」
「あぁ…痛いか?痛いだろうな…すげぇ出血だ!ほらっ!!」
「あがぁぁぁぁぁぁ──!!!!」
また激しい衝撃と共に、目の前が白く霞む…意識が一瞬薄れたかも、
あぁ…いっそ気を失いたい、いえ…既に幾度か失神してるかも、
でもきっと次の瞬間に激しい衝撃に起こされている、
そして地獄のような責め苦を味わい続けてるの…
あぁ…お腹がボコボコと掻き回されてる、中身が滅茶苦茶にされてるかも…
そうなってもおかしくない程に、身体の中を蹂躙されてました。
「はぁ…さぁイクぞ、出すからな、中にたっぷりと!!」
「あぁ…ひぐぅっ!!あぁ…」
もう私の思考は麻痺してました…だから彼が何を言ってるのか理解できずにいた、
そして無抵抗のまま一段と大きな衝撃が加わった時、お腹に灼熱のような熱さを感じたの!
え…何…何か、出てる…お腹に…熱い…何?何を出されてるの??
口を大きく開けたまま、すっかり放心してた私だけども、
それが何だか分からないままでしたが、とても悪い予感を感じてた…
52:『奴隷姫』 ◆VpKHzOu04Y
09/06/01 06:15:04 RyheJ65M
「ほれ、まだ休むには早いぜお譲ちゃん、今度は…ガーリャの番だ!」
「え…えぇ…」
「ほれ最後だぜ!お前の極太を入れたら処女でもガバガバになるからな!」
「…わかった」
次にあの大男が私の前に立ちます、そして彼の肉塊を外に…なっ!
柱でした…それとも腕?こんな場所から…どうして?
今までの二人とは違う巨大な塊に、ゾクッと寒気がしました…
待って…まさかそれを入れるの?だって…
「あ…あぁ…」
嘘…触れて、当たって…先端が入ろうとしてる、私のそこに…ひぃ!!
広げられていく…形が歪み、あんなに小さな穴が巨大な塊に強引に広げられてた、
段々と元に戻るのかというくらいにまで大きくなって…あぁぁぁ!!
お腹がぼっこり大きく膨らんでいくのを感じてました、何でこんな巨大なのが身体の中に…
痛みを感じれないのが不可思議な程です、それどころか…また酷く気持ちよくされるし!
やだ…こんなので気持ちよくなりたくない、それなのに…またこの塊によって私は!
身体を壊されていきます、頭も…またおかしくなって…
「ほう初めてのくせに、こんなにもガーリャのを咥えこめたか」
「ひひ…先にやっといてよかったな」
「あぁ…駄目ぇ…あぁぁ!!!!」
いっぱい…身体がいっぱいになって破裂しそうになっていく!
駄目…私…もう…何も考えれない…あぁ!!
ナックス…助けて…もう私…どうにかなっちゃ…あぁぁ!!!
ドックゥゥゥゥゥ!!!ビュクゥゥゥ!!
あぁ…深く響いてる最後の人ので、私のお腹は破裂しそうになっていく…
熱いのがいっぱいに入ってきて、中が満たされていくのを感じました。
そして意識が遠のいていく…闇に沈んで、今度こそ私は失神したの。
「へへ、ガーリャのはやっぱ凄いな、開きっぱなしだぜ嬢ちゃんのが」
「処女にこれはキツかったか…まぁ一眠りさせ休ませれば使えるようになるだろ」
私を彼らは辱め罵倒するけど…意識を失った私にその声は届かなかった…
目が覚めた時、目の前の床にナックスが横たわってました…
包帯が顔にまでグルグルと巻かれ、その隙間から見えてる口元から寝息が聞こえた、
良かった…生きてる、私も生きてるみたい…んっ!
身体が…ズキズキしてる、でもまだ…あの時の感覚が残ってた、
何よりお腹の中が…熱い…満ちてる、ん…股間は痛い、ヒリヒリして…うっ。
「へへ…気付いたか、お嬢ちゃん」
「ひぃ!!」
「怖がるなよ、ほら…連れの男は治療してやったぜ、まぁ当分は目を覚まさないだろうがな」
「あぁ……」
私に酷い事をした人達は、小屋の中央で何か床に散らばった輝くものを数えてました、
あれは…宝石?それに金貨や銀貨…彼らの財産ですか?
いえ…そういえば思い出しました、彼らは賊に身を堕としてたのでしたっけ、
という事はあれらは人々から奪った財産…あぁ、なんて酷い…でもその悪魔の眼差しは、
再び私に向けられていました、ナックスを治療してくれた事には感謝しますが、
だが先程の行いといい、心を許せる相手ではありません…
んっ、あっ…やだ、こんな時に…思えば時間が経ち、そろそろ溜まる頃ですね…
こんな状況なのに、身体は…どうしよう、拘束されてて身動きとれないのに…
頼むしかないの?彼らに…この悪魔のような彼らに懇願するしか…
「あの…逃げないから、その…」
「あん?何かな…」
「おしっこ…したいの」
私は恥ずかしいのを覚悟で懇願します、そう…したいの、
いつしか尿意を催してた、うぅ…恥ずかしさで顔から火が出そうだわ。
そんな私としては真剣で必死なお願いでした、だけど…彼は口元に笑みを浮かべて言い放ちます!
53:『奴隷姫』 ◆VpKHzOu04Y
09/06/01 06:15:32 RyheJ65M
「構わずそこですればいい」
「そんな…」
絶望でした…縛られ身動きのとれない状況なのに、これでどうすれば…あっ、
さっき醜い塊を入れられた時に下着は切られたままです、更に状況を言えば…
下の穿いてた衣も剥がされて、今は素股を晒してる有様でした、
このまま漏らしたら見られてしまう…彼らに排泄してる姿を!
駄目…やはりおしっこできない…でも。
「まぁ我慢するのも自由だがな」
「へへ、いつまでもつやら…おっとそこに置いといた水は自由に飲んでいいぜ」
「うぅ…」
側には少し汚れたコップに水が入れられてました、
うぅ…喉の乾きを思い出し、情けなくも身体をそちらに傾けようとした、
でもこれを飲めば…より尿意が…うぅっ!!
身体を震わせ、必死に堪える私…やだ、出したくない…人前でそんなの…
でも拘束は解いてもらえず、それどころか私の動きが活発になると、
金勘定していた彼らの視線は、より頻繁にこちらに向くのです。
うぅ…駄目、このままじゃ…あっ!汗が滲み出てくる、あまりにも苦しくて、
ただただ必死でした…何度もくる衝動に耐えて、落ち着くまで待つ、
でもその波は段々と短くなってきてる…耐えるのが限界になった私の身体は、
尿意に刺激されるように勝手に腰が浮くようになってた、
その姿勢は彼らに大事なところを、恥ずかしくも丸見せにするというのに…ひぃ!
「ほれ…出せよ、破裂するぜ…へへ」
そう言って細長い指先で、軽くまだ赤く汚れてもいる過敏な箇所を押します、
今そんなとこを弄られたら…やぁっ!駄目…もうぅ…ひゃぁぁ!!
「あぁぁぁ!!!!」
その時です、プシャァァァと卑猥な音をさせ、黄色く濁った飛沫が股間から噴出したのは、
あぁ…出てる、こんな人前で私…放尿だなんて痴態を晒してる!
「これりゃいいぜ、お嬢様の放尿だぜ!」
「いいものを見させてもらったが、ちと臭いなこれは」
「うぅぅ…」
嗅がれてる…私の汚水を、女性としてこれはあまりにも酷い仕打ちでした、
侮辱と屈辱…恥辱が私の心を責めます、だけどまだこれは始まりだったの。
そう…それからしばらく時間が過ぎて、別の衝動に身体が襲われたのを感じた、
嘘…この感じって、まさか…更に酷い状況があるのを気付かされました。
「お願いします…どうか拘束を…外に…」
「どうした?小便を出すのが今更に抵抗あるのか?」
「こんなにも屋内を小便臭くさせてなぁ、けけ」
「お願い…あぁ…駄目なの、これは…これだけは!」
必死に懇願する私…するとディアさんが怪しく笑う、あぁ…いけない気付かれた、
あの目は楽しみを見つけた目つきだわ…あぁぁ…
「おい、お尻を出させ、こっちに向けさせとけ」
「あん?あぁ…なるほどなぁ」
「いや…いやぁぁぁ!!!!」
グルル…と鳴る腹部、あぁ…お願い出ないで…こんなのを人前で晒させないで!
押さえつけられる拘束された身体、そして…やがてそれが来る。
必死に堪えましたが…ミネルさんは、溜め込んでいるお腹を押すの、
そんなにされたら我慢してるのに…うっ!あぁぁ…駄目、出ちゃうぅぅ!!
その刹那…耳に聞こえるのは下半身から噴出す汚物の音…あぁぁ…
おしっこだけじゃなかった…アレも、彼らに見せてしまった。
死にたい…心から私は願った、だって…生きていけないもの、こんなのを晒して…
「いやぁ~凄いものを見せてもらったぜ」
「可愛い顔して、キツイの出すな~匂いがまだ篭ってるぜ」
「うぅぅ…」
ただ放心する心に、恥辱で胸がいっぱいでした…
もう指一つ動きません、ナックス…お父様…お母様…私は汚されました。
54:『奴隷姫』 ◆VpKHzOu04Y
09/06/01 06:16:01 RyheJ65M
「しょうがねぇな~まぁ、そこまだ俺も変態趣向じゃねぇから、そっちは外でやらせてやるよ」
「ほ、本当ですか!」
「あっ、俺はそっち趣味だから監視役として付いてってやるよ」
「そんな…」
一瞬の安堵でしたが、そこからまた谷底に落とされた気持ちでした、
でも底というのは深さ知らずというのを思い知らされるの。
だって…またこのミネルという方は、目を怪しく輝かせ…悪魔な趣向を思いつくのですから。
「そうだ…どうせなら、徹底して綺麗にしてやりますよ」
「え…」
そう言うと、彼は何かをまた鞄から取り出します…それは何?
大きな筒のようなのを手に持ってた、そして…怪しい瓶から粉末を水に溶かせ、
その筒内に流し込むの、あぁ…身体が震える、本能的に私はその危うさを感じとったの!
「浣腸か…」
「えぇ…ぶっとくて大量なのを入れてやりますぜ」
「あ…あぁ…」
何をされるのか理解できないまま、何とか体を蠢かせ逃げようとします、
でも再び押さえつけられるのは瞬時の出来事でした、強い力に固定され、
またお尻を強制的に上げさせられます。
すると鋭く冷えた衝撃が、そこに刺さります!!あぁ…私のお尻に!!
「ひぃ!!」
「ほれ…入っていくぜ!」
「あがぁぁぁ…」
月の光が降り注ぎ、近くの草木から虫の鳴く音が響く中、
私は地面に犬のように足と手を付き四つの足で立って、
それをお尻に刺されてたの…浣腸器という道具を、そして…
入ってくる…冷たいのが!!何…何なのこの感触…ひぃ!!
「あぁぁぁ!!!」
ゴロゴロ…鳴ってる、お腹で鈍い音が…そしてこの感覚は私の思考を奪っていく、
そう醜いのを入れられた時のように、頭の中を破壊していくようだった。
うぷっ…苦しい…お腹がまた、あぁ…それもその筈だわ。
膨らんでいく…お腹が風船のように、破裂しそう…さっきとは別の場所がぁ!!
目の前が白く霞んでいく…すると、彼はその挿し込んでいたのを抜きます。
あぁぁ…そんな抜かれたら、駄目…堪えれない、プシャァァァァァ!!!
うぅ…なんて卑猥な音なのだろう、出てる…またぁ…
振り向くと、また酷い光景を目にしました、やだ…こんな汚いのが噴き出てる、
私の中から…あぁぁ!!見られてる…ひぃぃ!!
「やはり俺は駄目だな…少し外に出てる、楽しんだら片付けとけよ」
「わかりました、ならお嬢ちゃん…たっぷり楽しもうや」
「もう…やぁぁぁ!!!」
いつからか私の眼からは涙が流れ出てたわ、だけど彼はそれでも動じない、
それどころか再びアレを用意してるの…あの浣腸器というのを!
またするの…やだ、もう…私を壊さないでぇぇ!!!!
心の絶叫は、彼らに届かない…そして私の身体は玩具のように、
手荒く扱われていく…その噴出すのが、汚物を含まない液状を放つまで…
「どうだ調子は?」
「へへ…まだまだ奥にたっぷり詰まってましたぜ、凄い匂いだたったな~」
「うぅぅ…」
あぁ…思い出したくない…あれはそんな気分でした、
何度も何度も強制排泄され続け、私は何も考えれずにいた…
鼻にはまだ激臭が残ってます、今はもう片付けられたけども床に飛び散った、
汚物の数々には目を向けれなかった…あんな汚らしいのが中に宿ってたなんて、
そして身体に残る余韻も、あれは考えたくない…
55:『奴隷姫』 ◆VpKHzOu04Y
09/06/01 06:16:26 RyheJ65M
「この娘…最後の方は恍惚した表情してましたぜ、はは…目覚めたかな?」
やだ…聞きたくない、認めたくない…あんな感覚で、排泄行為で私…また…
心を翻弄されてたなんて…認めたくないわ!
「それで、もうこの娘の中は綺麗なんだな?」
「えぇ、もうすっきりしてますぜ」
「なら、あっちの処女も奪っておくか」
「えっ?」
すると一時外に出かけてたディアという方が寄って来ます、
既に私の身体は生まれたままの姿にされてました…着ていた衣類は全て、
さっきの行為で汚れてしまったから…剥ぎ取られてしまったの、
こんな生まれた時の姿…裸体なのだから、女性として恥ずかしい筈ですが、
今の私に恥辱で騒ぐ程に心の元気は無かったの、もう心が疲労してたわ…
だけど彼のこれからの行為によって、まだ私の心に力があったのを思い知らされます、
そう削られる分の余裕がまだあったのよ…まだ…残ってた。
「そ、そこ!あぁぁぁ!!!」
「ほれ!力を抜きなぁ!!まだ入るぜ…ほらよ!」
ニュプッ…っと入ってくる、小さな玉がいっぱい!!
一つ一つ詰まってくるの、無数の球が紐に繋げられた道具を、彼は私のお尻に入れてくる、
そんなの入らないと思えたけども、浣腸され続けた私のお尻の穴は広がり易くなってたのか、
それの侵入を容易く許してた、そして…腸内に詰められていくの!
腸内が蹂躙されていく、固く丸いモノに満たされて…
「ほれ、一個一個入っていくぜぇ~どうだ」
「あぁ!!ひゃぁぁぁ!!!」
「いい顔するじゃないか、へへ…ミネルの浣腸の効果があったか?」
苦しい…こんなので気持ちよくなんてならない、なっては駄目…
そう心に言い聞かせる…お腹が蹂躙される感覚に身体が悲鳴をあげてるのは確かよ、
だけど…意識を朦朧とさせるような、甘美な感覚も感じてた…やだ、どうして!
私…おかしくなってる?薬のせいだけど醜い大きなのを入れられても、
こんな甘美な酔いを感じてたし、今もそうよ…こんな事で、酔わされるなんて…普通じゃない!
「そろそろ慣れてきたか、じゃぁ…こっちに入れるか」
「あぁ…ひっ!!きゃぁぁぁぁっ!!!」
身体が一気に震えた!!その入れられ続けた丸い球を抜き取られたから…その衝撃が凄くて、
目の前が一瞬白くなってたくらい…でもまた強い衝撃がきます!!
今度はあの股間に付いてそびえ立たせてたのを、また中に太いのを捻じ込まれ入ってきた。
お尻の中に…あの巨大な肉の塊が、なっ…前よりもすんなりに入っていく気がするのは気のせい?
わ、私の中に…あぁぁ!!!!
「おぉ!いい締め付けだ、良い具合にほぐれてるしな」
「やだぁ!!あぁ…動かないでぇ!!あぁ…」
「そう言ってる割に恍惚した表情しやがって…今度は薬つかってないぞ」
「うぅ…そんなぁ、あぁぁ!!!」
お腹の中であの醜い塊が前後に行き来してる…やだ、感じたくない…こんな卑しい感覚を…
こんな場所で…んっ!こんな甘美な刺激を得れるわけが…あぁぁ!!
嘘みたいでした、こんなの初めてで…こんな塊をお尻に挿し込まれるのが、
こんな感覚を感じるなんて、ただ私は我が身の変化に戸惑います…
この身を震わせ、衝撃に身体を反らせて…卑しい喘ぎを口にしながらに。
「なんで…あっ!あぁ…ひゃぁぁ!!!」
「ほう、マンコがぐっしょりじゃないか…処女を散らされたばかりっていうのに、もう愛液がドバドバだ」
「やだ…そんなとこ…あぁぁ!!!」
触られてる…前の荒らされた聖域を、ひぅ!突起してる粒のような部分を摘まれて、
あぁぁ…弄られてる、そんなそこをこんなにされたら余計に…あぁぁ!!感じちゃう!
私は…自分のこんな乱れた卑猥な姿を、誰にも晒したくないのに…
「ほれ、自分で弄ってみろよ…マンコを」
「あぁ…」
「まさか、オナニーも知らなかったとはな、とんだお嬢ちゃんだぜ」